以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、紙葉類分岐機構の方向制御した状態を(a)(b)(c)に示す側面図である。3つの搬送路として第1の搬送路11と第2の搬送路12と第3の搬送路13とが交わる合流部14に、これら搬送路11〜13内を搬送される紙葉類として例えば紙幣の搬送方向を切り換える紙葉類分岐機構としての分岐機構15が配設されている。
各搬送路11〜13には、紙幣の両面に対向してガイドする対のガイド16が配設されているとともに、合流部14に臨む端部を含む複数箇所に搬送路11〜13内の紙幣を挟み込んで搬送する複数対の搬送ローラ17が配設されている。
分岐機構15は、合流部14の中心を通るように通路幅方向に沿って配置される回動軸20により回動可能に配設される分岐部材21を備えている。この分岐部材21は回動軸20の軸方向の複数箇所に配置されているとともに(図4参照)、同様にガイド16および搬送ローラ17も通路幅方向に複数に分割されていて、これらが互いに干渉しないように配設されており、分岐部材21がガイド16および搬送ローラ17に干渉することなく回動可能になっている。
分岐部材21は、略三角形状で、一端に先細りとなる鋭角先端部22が形成されているとともに、他端に幅広となる幅広後端部23が形成され、一端から他端にかけた両側面に紙幣を搬送する搬送面24が形成されている。
そして、分岐部材21は、図1(a)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22を第1の搬送路11へ向け、第1の搬送路11から他の2つの搬送路12,13へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2つの停止位置(実線位置と2点鎖線位置)と、図1(b)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22を第2の搬送路12へ向け、第2の搬送路12から他の2つの搬送路11,13へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2つの停止位置(実線位置と2点鎖線位置)と、図1(c)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22を第3の搬送路13へ向け、第3の搬送路13から他の2つの搬送路11,12へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2つの停止位置(実線位置と2点鎖線位置)との、最大で6箇所の停止位置に回動可能とする。
このとき、図1(a)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22を第1の搬送路11へ向けた状態で、第1の搬送路11から他の2つの搬送路12,13に紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2つの停止位置の間の分岐部材21の回動角度と、図1(b)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22を第2の搬送路12へ向けた状態で、第2の搬送路12から他の2つの搬送路11,13に紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2つの停止位置の間の分岐部材21の回動角度と、図1(c)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22を第3の搬送路13へ向けた状態で、第3の搬送路13から他の2つの搬送路11,12に紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2つの停止位置の間の分岐部材21の回動角度とは、それぞれ、分岐部材21の鋭角先端部22を向ける方向を第1の搬送路11と第2の搬送路12と第3の搬送路13との間で大きく切り換える際の分岐部材21の回動角度よりも小さく、その回動に要する回動時間も短くなっている。
そして、1つの搬送路(例えば第1の搬送路11)から他の2つの搬送路(例えば第2および第3の搬送路12,13)へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換えることを分岐制御と呼び、この分岐制御をする搬送路(搬送路11,12,13)を切り換えることを方向制御と呼び、これら分岐制御および方向制御を図示しない制御手段で制御する。したがって、分岐制御時の分岐部材21の回動角度が、方向制御時の分岐部材21の回動角度よりも小さく、分岐制御時の分岐部材21の回動時間が、方向制御時の分岐部材21の回動時間よりも短くなっている。さらに、分岐制御時の分岐部材21の回動速度を、方向制御時の分岐部材21の回動速度よりも速くすることにより、分岐制御時の分岐部材21の回動時間を、方向制御時の分岐部材21の回動時間よりもさらに短くできる。
そして、第1の搬送路11から連続して搬送してくる紙幣を他の2つの搬送路12,13に振り分ける場合には、図1(a)に示すように、方向制御により分岐部材21の鋭角先端部22を紙幣が搬送されてくる方向である第1の搬送路11へ向く位置に回動させた状態で、分岐制御により分岐部材21の停止位置(実線位置と2点鎖線位置)を切り換えることにより、第1の搬送路11から連続して搬送してくる紙幣を他の2つの搬送路12,13に振り分けることができ、高速分岐できる。
また、第2の搬送路12または第3の搬送路13から連続して搬送してくる紙幣を高速分岐する場合には、図1(b)または図1(c)に示すように、方向制御により分岐部材21の鋭角先端部22が第2の搬送路12または第3の搬送路13へ向く位置に回動させることにより、同様に、分岐制御により高速分岐できる。
このように、分岐機構15は、分岐部材21を回動させて、1つの搬送路と他の2つの搬送路とで形成される2つの搬送経路を切り換える分岐制御と、この分岐制御をする搬送路を切り換える方向制御とにより、1つの分岐機構15で紙幣を多方向に分岐でき、さらに、その分岐制御時の分岐部材21の回動角度が、方向制御時の分岐部材21の回動角度よりも小さく、その回動に要する回動時間が短いので、高速分岐に対応でき、このような分岐機能を2方向分岐機構で構成する場合に比べて分岐機構の数を削減できる。
しかも、分岐部材21は、一端が先細り、他端が幅広となる外形状で、これら一端から他端にかけた両側面に紙幣を搬送する搬送面24が設けられているので、分岐部材21の一端が向く方向の搬送路に関する搬送経路の切り換えを比較的小さい角度で可能となり、高速分岐に対応できる。
また、分岐部材21の形状は、図2の各例に示すように、一端が先細り、他端が幅広となる外形状であれば、一端が角張っていても(図2(a)(d)(e)参照)、角張っていなくてもよく(図2(b)(c)参照)、搬送面24が平面でも(図2(a)(b)(d)(e)参照)、通路に沿った凹曲面でもよい(図2(c)参照)。また、分岐部材21の他端において両側の搬送面24間の一部が窪むように切り欠いても(図2(d)参照)、逆に突出させてもよい(図2(e)参照)。そして、分岐部材21の他端において両側の搬送面24間の一部を切り欠いた場合には、分岐部材21を軽量化でき、分岐部材21を高速回動できるとともに停止位置を安定させることができる。
また、図1に示した分岐機構15において、3方向の搬送路11,12,13に関して全て高速分岐を可能とする場合の分岐部材21の停止位置は最大の6箇所となるが、3方向の搬送路11,12,13のうちの1つでも高速分岐が不要な場合には分岐部材21の停止位置を減らすことができる。
例えば、図3(a)(b)および図3(c)(d)に示すように、第1の搬送路11および第2の搬送路12に関して高速分岐を必要とするが、図3(e)(f)に示すように、第3の搬送路13から搬送してくる紙幣を第1の搬送路11または第2の搬送路12のいずれか一方のみに搬送する場合には、この第3の搬送路13に関しては高速分岐が不要となり、分岐部材21の鋭角先端部22を第3の搬送路13に向ける必要がなく、分岐部材21の停止位置を図3(b)(c)に示す停止位置と同じとし、分岐部材21の停止位置を図3(a)位置と図3(b)(f)位置と図3(c)(e)位置と図3(d)位置との4箇所に減らすことができる。
さらに、第2の搬送路12に関しても高速分岐が不要であれば、図3(a)に示す停止位置で図3(d)の停止位置を代用でき、分岐部材21の停止位置を図3(a)位置と図3(b)(f)位置と図3(c)(e)位置との3箇所に減らすことができる。つまり、この場合には、分岐部材21の停止位置は、第1の搬送路11と第2の搬送路12とを接続して第1の搬送経路を形成する第1の停止位置と、第1の搬送路11と第3の搬送路13とを接続して第2の搬送経路を形成する第2の停止位置と、第1の搬送路11以外の搬送路12,13を接続して第3の搬送経路を形成する第3の停止位置との3箇所となる。
このように、3方向の搬送路11,12,13のうちの1つでも高速分岐が不要な場合には、分岐部材21の停止位置を減らし、制御を容易にできる。
次に、図4には、分岐機構15の第1の駆動方法を示す。
複数の分岐部材21を設けた回動軸20の両端は搬送路11〜13の両側の側板31に回動可能に取り付けられ、この回動軸20の一端に分岐部材21を回動させる駆動手段32が配設されている。この駆動手段32は、位置制御可能な駆動部としてのステッピングモータ33を有し、このステッピングモータ33の駆動軸がカップリング34を介して回動軸20に連結されている。
分岐部材21の回動基準位置を検知するために、回動軸20側には遮光板35が取り付けられ、側板31側にはフォトインタラプタ36が取り付けられ、分岐部材21と一体に回動する遮光板35によりフォトインタラプタ36が透光から遮光、または遮光から透光に切り換わる位置で分岐部材21の回動基準位置が検知される。
そして、制御手段により、分岐部材21の回動基準位置を基準としてステッピングモータ33を制御し、分岐部材21を分岐制御および方向制御に応じた所定の停止位置まで回動させて停止させることができる。
また、図5に示すように、分岐部材21の停止位置を安定させる場合には、位置決め手段38が用いられる。この位置決め手段38は、回動軸20に設けられた回転部材39を有し、この回転部材39の外周には、各搬送路11,12,13毎に、分岐部材21の分岐制御による回動角度の範囲に対応して窪み部40が形成されている。回転部材39の外周には、上方からストッパとしてのストッパローラ41が自重または付勢手段による付勢で押し付けられている。このストッパローラ41は、回転部材39の回転方向に回転自在としているが、分岐制御による分岐部材21の各停止位置で、ストッパローラ41の周面に回転部材39の窪み部40の端の段差部分が当接して回動抵抗を付与するように構成されている。
そして、図5(a)(b)に示すように、分岐制御によって切り換える分岐部材21の各停止位置で、ストッパローラ41の周面に回転部材39の窪み部40の端の段差部分が当接して回動抵抗を付与することにより、分岐部材21が各停止位置をオーバーランするのを防ぎ、分岐部材21の停止位置を安定させることができる。また、図5(c)に示すように、分岐制御をする搬送路を切り換える分岐部材21の方向制御時には、回転部材39の窪み部40の端の段差部分がストッパローラ41を押し上げて回動し、つまり回動抵抗を乗り越えて回動し、隣の窪み部40がストッパローラ41に係合する。
これは、ステッピングモータ33は、高速回転時にトルクが小さく、低速回転時にトルクが大きいという特性を利用したもので、分岐制御時の分岐部材21の回動速度を高速、方向制御時の分岐部材21の回動速度を低速とすることにより、位置決め手段38を利用して分岐部材21の停止位置を安定させることができる。
次に、図6には、分岐機構15の第2の駆動方法を示す。
駆動手段32は、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えている。
分岐制御用駆動手段44には、分岐部材21の回動範囲を、1つの搬送路から2つの搬送路へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるセレクタ46が用いられている。このセレクタ46は、例えば、ロータリーソレノイド、可動磁石型ロータリーアクチュエータ(例えば特許第3748965号参照)、ソレノイドとストッパとの組み合わせなどで構成され、2位置の間で回動するセレクタ軸47を有している。
方向制御用駆動手段45は、駆動部としてのステッピングモータ49を有し、このステッピングモータ49の駆動軸にタイミングプーリ50が取り付けられ、このタイミングプーリ50と回動体としてのもう1つのタイミングプーリ51とにわたって駆動伝達体としての無端状のタイミングベルト52が掛け回されている。もう1つのタイミングプーリ51は、分岐部材21の回動軸20に同軸に連結された軸53に回動可能に軸支されている。このタイミングプーリ51の側面にはセレクタ46が取り付けられ、このセレクタ46のセレクタ軸47にギヤ54が取り付けられるとともに、このギヤ54と噛合するギヤ55が軸53に取り付けられている。
この場合にも、分岐部材21の回動基準位置を検知するために、上述した遮光板35およびフォトインタラプタ36を備えている。
そして、制御手段による方向制御により、分岐部材21の回動基準位置を基準としてステッピングモータ49を駆動し、分岐部材21を方向制御に応じた所定の停止位置まで回動させて分岐制御を行う搬送路を切り換えることができ、また、制御手段による分岐制御により、セレクタ46を駆動し、分岐部材21を分岐制御に応じた2つの停止位置の間で回動させて2つの搬送経路を切り換えることができる。
すなわち、方向制御には、ステッピングモータ49の駆動により、タイミングプーリ51が回動し、このタイミングプーリ51と一体にセレクタ46が回動するとともにギヤ54,55の噛合状態を保ったまま回動軸20が一体に回動することにより、分岐部材21を方向制御に応じた所定の停止位置まで回動させて分岐制御を行う搬送路を切り換えることができる。
分岐制御時には、タイミングプーリ51が停止位置に保持された状態で、セレクタ46の駆動により、セレクタ軸47が2位置の間で回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20が回動し、分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させて2つの搬送経路を切り換えることができる。
このように、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えることにより、方向制御および分岐制御を各々適切に制御できる。
また、分岐制御用駆動手段44は、分岐部材21の回動範囲を1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるので、高速切換ができ、分岐部材21の停止位置を一定にできる。
また、方向制御用駆動手段45は、分岐制御用駆動手段44を介して分岐部材21とともに回動するタイミングプーリ51を備えることにより、このタイミングプーリ51を回動させることによって分岐部材21の方向制御を容易にできる。
次に、図7ないし図9には、分岐機構15の第3の駆動方法を示す。
駆動手段32は、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えている。
分岐制御用駆動手段44には、第2の駆動方法と同様に、分岐部材21の回動範囲を、1つの搬送路から2つの搬送路へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるセレクタ46が用いられている。このセレクタ46は側板31にセレクタ軸47を介して回動可能に支持され、このセレクタ軸47にギヤ54が取り付けられ、このギヤ54に噛合するギヤ55が回動軸20に取り付けられている。さらに、セレクタ46には、セレクタ軸47の側方位置に接触子としてのカムフォロア58が取り付けられている。
方向制御用駆動手段45は、カム軸59を中心として回動可能な切換体としての円板状のカム60を備えている。このカム60の一面にはセレクタ46のカムフォロア58が係合するカム溝61が設けられ、このカム溝61は、外周側カム溝部62、内周側カム溝部63、およびこれら外周側カム溝部62と内周側カム溝部63とを接続する接続カム溝部64を備えている。
カム60の外周にはギヤ65が形成されており、このギヤ65に駆動部としてのモータ66で駆動するギヤ67が噛合されている。このモータ66の正逆転駆動により、カム60が正逆転する。
なお、図示していないが、分岐部材21もしくはカム60の回動位置を検知するために、例えば遮光板とフォトインタラプタとを用いた検知手段を用いている。
そして、図8に示すように、外周側カム溝部62にセレクタ46のカムフォロア58が係合している状態で、分岐部材21の鋭角先端部22が1つの搬送路の方向に向く状態となる。この状態で、分岐制御によりセレクタ46を駆動し、分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させ、1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換えることができる。
また、図8に示すカム60を反時計回り方向に回動させることにより、カムフォロア58が接続カム溝部64を通じて外周側カム溝部62から内周側カム溝部63に係合し、図9に示すように、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が反時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22が他の搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
また、図9に示すカム60を時計回り方向に回動させることにより、カムフォロア58が接続カム溝部64を通じて内周側カム溝部63から外周側カム溝部62に係合し、図8に示すように、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が時計回り方向に回動し、この分岐部材の鋭角先端部22が元の1つの搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
また、分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21の正確な停止位置で係止する係止手段69を備えている。この係止手段69は、セレクタ46の近傍位置で側板31に取り付けられた規制板70を有し、この規制板70にはセレクタ46から突設された突起部71が係合する規制溝72が形成されている。そして、セレクタ46が一方に回動して突起部71が規制溝72の一端縁に当接した位置、およびセレクタ46が他方に回動して突起部71が規制溝72の他端縁に当接した位置を、分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21の正確な停止位置としている。
突起部71に一端が連結されるリンク73との他端と、側板31に設けられた軸74に一端が連結されるリンク75の他端とが、連結軸76によって連結され、この連結軸76にねじりばね77のコイル部分が装着され、ねじりばね77の両端部が突起部71および軸74に引っ掛けられている。そして、セレクタ46のセレクタ軸47と軸74とを結ぶ仮想線が規制溝72の中間位置を通る位置関係とされており、その仮想線よりも一端側に位置する突起部71をねじりばね77で一端側へ向けて付勢し、他端側に位置する突起部71をねじりばね77で他端側へ向けて付勢し、このねじりばね77の付勢で突起部71を規制溝72の各端縁に押し付けて、分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21を正確な停止位置に保持可能としている。
このように、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えることにより、方向制御および分岐制御を各々適切に制御できる。
また、分岐制御用駆動手段44は、分岐部材21の回動範囲を1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるので、高速切換ができ、分岐部材21の停止位置を一定にできる。
また、方向制御用駆動手段45は、カム60の回動により、このカム60のカム溝61に係合するカムフォロア58およびセレクタ46を介して分岐部材21を回動させ、分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21の停止位置で係止手段69により係止するので、カム60の回動位置の精度が低くても分岐部材21の停止位置の精度がよく、カム60を回動させる駆動部には安価なモータ66などを用いることができる。また、カム自体の精度も要求しないため、安価な樹脂材料など、加工精度や温度に対する形状の安定性に劣る材料で製作することができ、安価に構成できる。
また、ここで示した第3の駆動方法では、分岐制御をする搬送路が2方向の場合を示しているが、例えばカム60のカム溝61を三重にするなどカム60のカム溝61の形状を変えることによって、分岐制御をする搬送路を3方向以上にもできる。このときの係止手段69は、例えば図5に示したもので、窪み部を小さくして一点で停止するようにするとよい。
また、切換体としては、カム溝61を設けた円板状のカム60で説明したが、係止手段69を備えているため、少なくとも接続カム溝64の部分のみ備えていれば、例えばレバー形状のものでもよい。
次に、図10ないし図12には、分岐機構15の第4の駆動方法を示す。
駆動手段32は、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えている。
分岐制御用駆動手段44には、第2の駆動方法と同様に、分岐部材21の回動範囲を、1つの搬送路から2つの搬送路へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるセレクタ46が用いられている。このセレクタ46は側板31にセレクタ軸47を介して回動可能に支持され、このセレクタ軸47にギヤ54が取り付けられ、このギヤ54に噛合するギヤ55が回動軸20に取り付けられている。さらに、セレクタ46には、セレクタ軸47の側方位置にカムフォロア58が取り付けられている。
方向制御用駆動手段45は、カム軸80を中心として回動可能なカム81を備えている。このカム81の外周面にはセレクタ46のカムフォロア58が係合するカム面82が設けられ、このカム面82はカム軸80に近い部分と離れた部分とを有する偏心した形状に形成されている。セレクタ46のカムフォロア58の軸とカム軸80との間には付勢手段としての引張ばね83が張設され、セレクタ46のカムフォロア58をカム81のカム面82に圧接するように押し付けている。カム軸80にはカム81を回転駆動する駆動部としての図示しない歯車やタイミングベルト等を介して図示しないモータが連結されている。
なお、図示していないが、分岐部材21もしくはカム81の回動位置を検知するために、例えば遮光板とフォトインタラプタとを用いた検知手段を用いている。
そして、図11に示すように、カム81のカム軸80に近いカム面82の部分にセレクタ46のカムフォロア58が当接している状態で、分岐部材21の鋭角先端部22が1つの搬送路の方向に向く状態となる。この状態で、分岐制御によりセレクタ46を駆動し、分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させ、1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換えることができる。
また、図11に示すカム81を回動させ、カムフォロア58に当接するカム81のカム面82の部分がカム軸80から近い部分から離れた部分に移っていくことにより、カムフォロア58を引張ばね83の付勢に抗してカム軸80から離れるように移動させ、図12に示すように、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が反時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22が他の搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
また、図12に示すカム81を回動させ、カムフォロア58に当接するカム81のカム面82の部分がカム軸80から離れた部分から近い部分に移っていくことにより、カムフォロア58を引張ばね83の付勢でカム軸80に近付くように移動させ、図11に示すように、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22が元の1つの搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
このように、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えることにより、方向制御および分岐制御を各々適切に制御できる。
また、分岐制御用駆動手段44は、分岐部材21の回動範囲を1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるので、高速切換ができ、分岐部材21の停止位置を一定にできる。
また、方向制御用駆動手段45は、カム81の回動により、このカム81の外周に沿って動くカムフォロア58およびセレクタ46を介して分岐部材21を回動させるので、分岐部材21の停止位置の精度をよくできる。
なお、ここで示した第4の駆動方法では、分岐制御をする搬送路が2方向の場合を示しているが、カム81のカム面82の形状を変えることによって、分岐制御をする搬送路を3方向以上にもできる。
また、板カムの外周面をカム面として用いているもので説明したが、溝カムの溝内の外周および内周をカム面として用いているなどの他の形態でもよい。
次に、図13および図14には、分岐機構15の第5の駆動方法を示す。
駆動手段32は、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えている。
分岐制御用駆動手段44には、第2の駆動方法と同様に、分岐部材21の回動範囲を、1つの搬送路から2つの搬送路へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるセレクタ46が用いられている。このセレクタ46は側板31にセレクタ軸47を介して回動可能に支持され、このセレクタ軸47にギヤ54が取り付けられ、このギヤ54に噛合するギヤ55が回動軸20に取り付けられている。さらに、セレクタ46には、セレクタ軸47の側方位置にカムフォロア58が取り付けられている。
方向制御用駆動手段45は、カム軸86を中心として回動可能なカム87を備えている。このカム87の外周面にはセレクタ46のカムフォロア58が係合するカム面88が設けられ、このカム面88は、カム軸86を中心とする円で、その1箇所には窪み部89が形成されている。セレクタ46のカムフォロア58の軸とカム軸86との間には付勢手段としての引張ばね90が張設されている。カム軸86にはカム87を回転駆動する駆動部としての図示しないモータが連結されている。そして、セレクタ46のカムフォロア58に対して、カム87のカム面88は当接するが、窪み部89は当接しない位置関係に配設されている。
なお、図示していないが、分岐部材21もしくはカム87の回動位置を検知するために、例えば遮光板とフォトインタラプタとを用いた検知手段を用いている。
そして、図14(b)は、分岐制御をする搬送路を切り換えるためにカム87を回動させた場合の回動途中位置を示しており、カム87の窪み部89がセレクタ46のカムフォロア58に対向し、引張ばね90の付勢でカムフォロア58がカム軸86に近付くように、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として回動している。
ここで、図14(a)に示す状態に切り換えるために、カム87を時計回り方向に回動させている場合には、カム87の窪み部89の一側縁がカムフォロア58に当接し、このカムフォロア58を引張ばね90の付勢に抗して右方向へ移動させ、すなわち、セレクタ46をセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動させ、カム87の窪み部89の一側にあるカム面88がカムフォロア58に当接し、分岐部材21の鋭角先端部22が1つの搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
一方、図14(c)に示す状態に切り換えるために、カム87を反時計回り方向に回動させている場合には、カム87の窪み部89の他側縁がカムフォロア58に当接し、このカムフォロア58を引張ばね90の付勢に抗して左方向へ移動させ、すなわち、セレクタ46をセレクタ軸47を中心として時計回り方向に回動させ、カム87の窪み部89の他側にあるカム面88がカムフォロア58に当接し、分岐部材21の鋭角先端部22が他の搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
また、図14(a)(c)に示すように、分岐部材21の鋭角先端部22が各搬送路の方向に向く状態で、分岐制御によりセレクタ46を駆動し、分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させ、各搬送路に関して2つの搬送経路を切り換えることができる。
このように、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えることにより、方向制御および分岐制御を各々適切に制御できる。
また、分岐制御用駆動手段44は、分岐部材21の回動範囲を1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるので、高速切換ができ、分岐部材21の停止位置を一定にできる。
また、方向制御用駆動手段45は、カム87の回動により、このカム87の外周によって動くカムフォロア58およびセレクタ46を介して分岐部材21を回動させるので、分岐部材21の停止位置の精度をよくできる。
なお、ここで示した第5の駆動方法では、分岐制御をする搬送路が2方向の場合を示しているが、例えばカム81のカム面88を2段以上にするなどカム81のカム面82の形状を変えることによって、分岐制御をする搬送路を3方向以上にもできる。
また、板カムの外周面をカム面として用いているもので説明したが、溝カムの溝内の外周および内周をカム面として用いているなどの他の形態でもよい。
次に、図15には、分岐機構15の第6の駆動方法を示す。
駆動手段32は、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えている。
分岐制御用駆動手段44には、第2の駆動方法と同様に、分岐部材21の回動範囲を、1つの搬送路から2つの搬送路へ紙幣を搬送する2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるセレクタ46が用いられている。このセレクタ46は側板31にセレクタ軸47を介して回動可能に支持され、このセレクタ軸47にギヤ54が取り付けられ、このギヤ54に噛合するギヤ55が回動軸20に取り付けられている。さらに、セレクタ46には、セレクタ軸47の側方位置に作用軸47aが突設されている。
方向制御用駆動手段45は、駆動部としてのソレノイド93を備え、このソレノイド93のプランジャ94の先端にリンク95の一端がリンク軸95aで回動可能に連結され、このリンク95の他端がセレクタ46の作用軸47aに回動可能に連結されている。ソレノイド93は、オンによりプランジャ94を吸引して突出寸法を収縮させ、オフによりプランジャ94の吸引を解除する。作用軸47aには、ソレノイド93のプランジャ94を突出させる方向に付勢する引張ばね96が張設されている。
そして、図15(a)に示すように、ソレノイド93がオフし、引張ばね96の付勢でプランジャ94が引き出されるとともにセレクタ46が係止手段69を構成するストッパ97に当接して停止した位置を第1の位置とし、また、図15(b)に示すように、ソレノイド93がオンし、引張ばね96の付勢に抗してプランジャ94を引き切って停止した位置を第2の位置とする。これら第1の位置と第2の位置とは分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21の正確な停止位置に対応している。
そして、図15(a)に示すように、ソレノイド93がオフし、引張ばね96の付勢でプランジャ94が引き出されるとともにセレクタ46がストッパ97に当接して停止した第1の位置にある状態では、分岐部材21の鋭角先端部22が1つの搬送路の方向に向く状態となる。この状態で、分岐制御によりセレクタ46を駆動し、分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させ、1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換えることができる。
また、図15(a)に示す状態において、ソレノイド93をオンすることにより、図15(b)に示すように、引張ばね96の付勢に抗してプランジャ94を引き切って停止した第2の位置に移動し、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が反時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22が他の搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
また、図15(b)に示す状態において、ソレノイド93をオフすることにより、図15(a)に示すように、引張ばね96の付勢でプランジャ94が引き出されるとともにセレクタ46がストッパ97に当接して停止した第1の位置に移動し、セレクタ46がセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22が元の1つの搬送路の方向に向く状態に切り換わる。
このように、分岐制御に応じて分岐部材21を回動させる分岐制御用駆動手段44と、方向制御に応じて分岐部材21を回動させる方向制御用駆動手段45とを備えることにより、方向制御および分岐制御を各々適切に制御できる。
また、分岐制御用駆動手段44は、分岐部材21の回動範囲を1つの搬送路に関して2つの搬送経路を切り換える2位置で規制し、分岐制御に応じて分岐部材21を2位置の間で回動させるので、高速切換ができ、分岐部材21の停止位置を一定にできる。
また、方向制御用駆動手段45は、ソレノイド93のオンオフによりセレクタ46を直動させて分岐部材21を回動させるので、構成を簡素化でき、しかも、ソレノイド93の第1の位置と第2の位置とを分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21の正確な停止位置に対応させることにより、係止手段69の機能を兼用させることができ、分岐部材21の停止位置の精度をよくできる。
なお、ここで示した第6の駆動方法では、分岐制御をする搬送路が2方向の場合を示しているが、例えば2段ソレノイドなどの複数段ソレノイドを用いることによって、分岐制御をする搬送路を3方向以上にもできる。
また、駆動部としては、プランジャ94が進退する直線駆動方式のソレノイド93に限らず、2位置の間で回動するロータリーソレノイドを用いてセレクタ軸47を直接回動させたり、モータとギヤ機構を用いてセレクタ軸47を回動させるなどの他の形態でもよい。分岐制御をする搬送路を切り換えた分岐部材21の正確な停止位置に対応して2位置に停止可能な駆動部の場合には係止手段69を用いなくてもよいが、それ以外の駆動部の場合には係止手段69を用いて位置決めする。
次に、図16には、複数の分岐機構15を用いる場合の駆動方法の第1例を説明する。
例えば、紙幣入出金機の搬送部に適用されるものであって、3つの分岐機構15を用い、各分岐機構15の3方向の搬送路(図1に示した第1の搬送路11、第2の搬送路12、第3の搬送路13)のうちのいずれか2つの搬送路が上下方向に一連につながる主搬送路100aに接続され、残りの1つの搬送路が紙幣を1枚ずつ出し入れ可能で種類別に収納する第1ないし第3の収納部101〜103にそれぞれつながる分岐搬送路100bに接続されている。
搬送部における紙幣の搬送方向は、上下方向に一連につながる主搬送路100aでは上方から下方への一方向で、各分岐機構15と各収納部101〜103との間の分岐搬送路100bでは双方向となっている。そのため、図16(a)に示すように、各収納部101〜103からの紙幣の出金時には、各収納部101〜103から1枚ずつ繰り出される紙幣を下方へ搬送するようにし、また、図16(b)に示すように、各収納部101〜103への紙幣の分類収納時には、上方から搬送されてくる紙幣を種類別に分岐して各収納部101〜103に分類収納するものとする。
この場合、各分岐機構15の駆動には、図6に示した第2の駆動方法を用いることができる。すなわち、図16(c)に示すように、1つのステッピングモータ49のタイミングプーリ50と、各分岐機構15のタイミングプーリ51とにわたって無端状のタイミングベルト52が掛け回されており、方向制御によるステッピングモータ49の駆動により、3つのタイミングプーリ51が同一方向に一体に回動し、それによって3つの分岐機構15の分岐部材21が同一方向に一体に回動する。
そして、図16(a)に示すように、各収納部101〜103からの紙幣の出金時には、方向制御によりステッピングモータ49を駆動して各分岐部材21の鋭角先端部22が下方の搬送路へ向く状態とする。各分岐機構15において、対応する各収納部101〜103から紙幣を送り出すときには、分岐制御により紙幣を下方の搬送路へ搬送する搬送経路に分岐部材21を切り換え、一方、下側の2つの分岐機構15において、主搬送路100aを上方から下方へ搬送されてくる紙幣を下方へ通過させるときには、分岐制御により紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換え、したがって、分岐制御により各分岐部材21を切り換えて紙幣を搬送する。
また、図16(b)に示すように、各収納部101〜103への紙幣の分類収納時には、方向制御によりステッピングモータ49を駆動して各分岐部材21の鋭角先端部22が上方の搬送路へ向く状態とする。各分岐機構15において、主搬送路100aを上方から連続して搬送されてくる紙幣のうち、分岐する金種の紙幣であれば、分岐制御により紙幣を各収納部101〜103に取り込んで収納する搬送経路に分岐部材21を切り換え、一方、分岐する種類でない紙幣であれば、分岐制御により紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換え、したがって、分岐制御により各分岐部材21を切り換えて紙幣を高速分岐する。
このように、分岐機構15を用いることにより、2方向分岐機構で構成する場合に比べて分岐機構の数を削減できるとともに、1つのステッピングモータ49により、タイミングベルト52を介して複数のタイミングプーリ51を一体に回動させることによって複数の分岐部材21の方向制御を一括してでき、構成を簡素化でき、小型化できる。
また、以上では、分岐制御用駆動手段44を用いたが、分岐機構15を図6に示した第2の駆動方法から、セレクタ46、セレクタ軸47、ギヤ54,55および軸受(軸53に係合する軸受)を取り除き、タイミングプーリ51と軸53とを直結したものとし、1つのステッピングモータ49により、分岐制御と方向制御の両方の駆動を行うようにしてもよい。
次に、図17ないし図19に、複数の分岐機構15を用いる場合の駆動方法の第2例を説明する。
例えば、紙幣入出金機の搬送部に適用されるものであって、4つの分岐機構15を用い、各分岐機構15の3方向の搬送路(図1に示した第1の搬送路11、第2の搬送路12、第3の搬送路13)のうちのいずれか2つの搬送路が上下方向に一連につながる主搬送路100aに接続され、残りの1つの搬送路が紙幣を1枚ずつ出し入れ可能で種類別に収納する一時保留部104と第1ないし第3の収納部101〜103とにそれぞれつながる分岐搬送路100bに接続されている。搬送部における紙幣の搬送方向は、上下方向に一連につながる主搬送路100aでは上方から下方への一方向で、各分岐機構15と各収納部101〜103との間の分岐搬送路100bは双方向となっている。
この場合、各分岐機構15の駆動には、図13および図14に示した第5の駆動方法が用いられる。この場合、一時保留部104に対応した最上部の分岐機構15のカム87の窪み部89の位置と、各収納部101〜103に対応した下側3つの分岐機構15のカム87の窪み部89の位置とで、回動位置をずらしている。
そして、図17に示すように、入金(リジェクト返却)時には、方向制御によりカム87を回動させて各分岐部材21の鋭角先端部22が上方の搬送路へ向く状態とする。一時保留部104に対応した分岐機構15において、主搬送路100aを上方から連続して搬送されてくる紙幣のうち、一時保留する紙幣であれば、分岐制御により紙幣を一時保留部104に取り込んで収納する搬送経路に分岐部材21を切り換え、一方、一時保留しないリジェクト紙幣であれば、分岐制御により紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換え、したがって、分岐制御により各分岐部材21を切り換えて紙幣を高速分岐する。また、各収納部101〜103に対応した各分岐機構15においては、分岐制御により紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換えている。
図18に示すように、一時保留部104に一時保留した紙幣の分類収納時には、一時保留部104に対応した分岐機構15において、方向制御により例えば図16の状態から時計回り方向にカム87を回動させて分岐部材21の鋭角先端部22が下方の搬送路へ向く状態とし、さらに、分岐制御により一時保留部104から1枚ずつ繰り出される紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換える。また、各収納部101〜103に対応した各分岐機構15において、一時保留部104から繰り出されて上方から搬送されてくる紙幣のうち、分岐する金種の紙幣であれば、分岐制御により紙幣を各収納部101〜103に取り込んで収納する搬送経路に分岐部材21を切り換え、一方、分岐する金種でない紙幣であれば、分岐制御により紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換え、したがって、分岐制御により各分岐部材21を切り換えて紙幣を高速分岐する。
図19に示すように、一時保留部104を含めた各収納部101〜103に収納されている紙幣の回収時には、全ての分岐機構15において、方向制御により例えば図18の状態から時計回り方向にカム87を回動させて分岐部材21の鋭角先端部22が下方の搬送路へ向く状態とする。各分岐機構15において、対応する一時保留部104および各収納部101〜103から紙幣を送り出すときには、分岐制御により紙幣を下方の搬送路へ搬送する搬送経路に分岐部材21を切り換え、一方、各収納部101〜103の3つの分岐機構15において、上方から下方へ搬送されてくる紙幣を下方へ通過させるときには、分岐制御により紙幣を下方へ通過させる搬送経路に分岐部材21を切り換え、したがって、分岐制御により各分岐部材21を切り換えて紙幣を搬送する。
このように、分岐機構15毎に異なる動きをする場合には、個別に駆動する方向制御用駆動手段45の位置を組み合わせて方向制御を行う駆動方法を用いることにより、分岐部材21の方向を任意に制御でき、組み合わせを多くできる。
なお、個別に駆動する方向制御用駆動手段45としては、図13および図14に示した第5の駆動方法に限らず、図10ないし図12に示した第4の駆動方法、図7ないし図9に示した第3の駆動方法などを用いてもよい。
次に、図20および図21に、複数の分岐機構15を用いる場合の駆動方法の第3例を説明する。
例えば、紙幣入出金機の搬送部に適用されるものであって、ループ状搬送路107の4箇所の分岐位置a1〜a4から分岐搬送路108a〜108dがそれぞれ分岐されたもので、各分岐位置a1〜a4に、図7ないし図9に示した第3の駆動方法における分岐部材21、セレクタ46および係止手段69などが組としてそれぞれ配置されている。各分岐位置a1〜a4は比較的近い位置に配置されていて例えば円周上に並んで配置されており、したがって各組の分岐部材21やセレクタ46なども円周上に並んで配置されている。なお、搬送部については、図1に示した第1の搬送路11、第2の搬送路12および第3の搬送路13のうち、各分岐位置a1〜a4から見て、いずれか2つがループ状搬送路107に、残りの1つが分岐搬送路108a〜108dに対応している。
方向制御用駆動手段45には、第3の駆動方法と同様なカム60が用いられるが、第3の駆動方法に比べてカム60の径が大径で、このカム60の一面に形成されているカム溝61に各セレクタ46のカムフォロア58がそれぞれ係合されている。カム溝61の構成も、第3の駆動方法と同様で、外周側カム溝部62、内周側カム溝部63、およびこれら外周側カム溝部62と内周側カム溝部63とを接続する接続カム溝部64を備えている。カム60はモータ66で正逆転駆動される。
また、カム60の回動位置を検知する検知手段として、カム60の他面には異なる径位置に3つの遮光リブ111が周方向に沿って突設され、これら各遮光リブ111の両側に投光部と受光部とを配置した3つのフォトインタラプタ112が配設されている。これら各遮光リブ111の周方向における形成範囲と各フォトインタラプタ112の位置とを調整することにより、3つのフォトインタラプタ112の遮光、透光の出力の組み合わせからカム60の回動位置を検知でき、すなわち4つの各分岐機構15の方向制御の方向を検知できる。そして、方向制御用駆動手段45が、カム60の回動により各セレクタ46を介して各分岐部材21を回動させ、分岐制御をする搬送路を切り換えた各分岐部材21の停止位置で各係止手段69により係止する構造であるため、カム60の回動位置の精度が低くても各分岐部材21の停止位置の精度がよいことから、このような検知手段で十分に対応できる。
そして、図20(a)に示すように、カム60の内周側カム溝部63に各セレクタ46のカムフォロア58が係合している状態で、各分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路107の一方向に向く状態となる。この状態で、分岐制御により各セレクタ46を駆動し、各分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させることにより、ループ状搬送路107の一方向から搬送されてくる紙幣を各分岐搬送路108a〜108dに分岐する搬送経路と、ループ状搬送路107の一方向から搬送されてくる紙幣をループ状搬送路107の下流側に通過させる搬送経路とに切り換え、紙幣を高速分岐できる。
図20(a)に示すカム60を時計回り方向に1回転させることにより、各カムフォロア58が接続カム溝部64を通じて内周側カム溝部63から外周側カム溝部62に係合するため、図20(b)に示すように、各セレクタ46がセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路107の他方向に向く状態に切り換わる。この状態で、分岐制御により各セレクタ46を駆動し、各分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させることにより、ループ状搬送路107の他方向から搬送されてくる紙幣を各分岐搬送路108a〜108dに分岐する搬送経路と、ループ状搬送路107の他方向から搬送されてくる紙幣をループ状搬送路107の下流側に通過させる搬送経路とに切り換え、紙幣を高速分岐できる。
また、図20(b)に示す状態では、カム60の接続カム溝部64が分岐位置a1のセレクタ46とその隣の分岐位置a2のセレクタ46との間に位置している。そして、図20(c)に示すように、カム60を接続カム溝部64が分岐位置a2のセレクタ46の位置のみを通過するように反時計回り方向に回動させることにより、分岐位置a2のセレクタ46のカムフォロア58が接続カム溝部64を通じて外周側カム溝部62から内周側カム溝部63に係合するため、分岐位置a2のセレクタ46がセレクタ軸47を中心として時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が反時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路107の一方向に向く状態に切り換わる。この状態では、分岐位置a2の分岐搬送路108bから搬送されてくる紙幣を、ループ状搬送路107を経由して、分岐位置a1の分岐搬送路108aに搬送する搬送経路を形成することができる。
このように、複数組の分岐部材21を駆動する場合、1つのカム60の回動により、このカム60のカム溝61に係合する各カムフォロア58および各セレクタ46を介して各分岐部材21を回動させることができるので、構成を簡素化でき、小型化できる。
しかも、複数の分岐部材21のうちの特定の分岐部材21のみを方向制御することもでき、応用範囲を広げることができる。
なお、以上では、分岐機構15が同一円周上にある場合で説明したが、別のカム溝を設け、同一円周上にない分岐機構15を制御することも可能である。
また、切換体としては、カム溝61を設けた円板状のカム60で説明したが、係止手段69を備えているため、少なくとも接続カム溝64の部分のみ備えていれば、例えばレバー形状のものでもよい。
次に、図22に、複数の分岐機構15を用いる場合の駆動方法の第4例を説明する。
例えば、紙幣入出金機の搬送部に適用されるものであって、ループ状搬送路107の4箇所の分岐位置a1〜a4から分岐搬送路108a〜108dがそれぞれ分岐されたもので、各分岐位置a1〜a4に、図13および図14に示した第5の駆動方法における分岐部材21およびセレクタ46などが組としてそれぞれ配置されている。各分岐位置a1〜a4は比較的近い位置に配置されていて例えば円周上に並んで配置されており、したがって、各組の分岐部材21やセレクタ46なども円周上に並んで配置されている。なお、各分岐機構15において、図1に示した第1の搬送路11、第2の搬送路12および第3の搬送路13のうち、各分岐位置a1〜a4から見て、いずれか2つがループ状搬送路107に、残りの1つが分岐搬送路108a〜108dに対応している。
方向制御用駆動手段45には、第5の駆動方法と同様なカム87が用いられ、第5の駆動方法に比べてカム87の径が大径で、このカム87の外周のカム面88に各セレクタ46のカムフォロア58がそれぞれ係合されている。カム87の構成も、第5の駆動方法と同様で、カム面88がカム軸86を中心とする円で、その1箇所に窪み部89が形成されている。各セレクタ46のカムフォロア58の軸とカム軸86との間には付勢手段としての各引張ばね90が張設されている。カム軸86にはカム87を回転駆動する駆動部としての図示しないモータが連結されている。そして、各セレクタ46のカムフォロア58に対して、カム87のカム面88は当接するが、窪み部89は当接しない位置関係に配設されている。
なお、図示していないが、カム87の回動位置を検知するために、例えば遮光板とフォトインタラプタとを用いた検知手段を用いている。
そして、図22(a)に示すように、カム87の外周のカム面88に各セレクタ46のカムフォロア58が係合している状態で、各分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路107の一方向に向く状態となる。この状態で、分岐制御により各セレクタ46を駆動し、各分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させることにより、ループ状搬送路107の一方向から搬送されてくる紙幣を各分岐搬送路108a〜108dに分岐する搬送経路と、ループ状搬送路107の一方向から搬送されてくる紙幣をループ状搬送路107の下流側に通過させる搬送経路とに切り換え、紙幣を高速分岐できる。
図22(a)に示すカム60を時計回り方向に回転させることにより、カム87の窪み部89にカムフォロア58が入るとともにカム87の窪み部89の一側縁でカムフォロア58を押し、セレクタ46をセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動させ、カム87の窪み部89の一側にあるカム面88がカムフォロア58に当接する。したがって、図22(b)に示すように、カム60を時計回り方向に少なくとも1回転させることにより(図22(b)には1回転より多く回転させた状態を示す)、各セレクタ46がセレクタ軸47を中心として反時計回り方向に回動し、ギヤ54,55を介して回動軸20とともに分岐部材21が時計回り方向に回動し、この分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路107の他方向に向く状態に切り換わる。この状態で、分岐制御により各セレクタ46を駆動し、各分岐部材21を2つの停止位置の間で回動させることにより、ループ状搬送路107の他方向から搬送されてくる紙幣を各分岐搬送路108a〜108dに分岐する搬送経路と、ループ状搬送路107の他方向から搬送されてくる紙幣をループ状搬送路107の下流側に通過させる搬送経路とに切り換え、紙幣を高速分岐できる。
また、図22(b)に示す状態では、カム87の窪み部89が分岐位置a2のセレクタ46と分岐位置a3のセレクタ46との間に位置している。そして、図22(c)に示すように、カム87を窪み部89が分岐位置a2のセレクタ46の位置のみを通過するように反時計回り方向に回動させることにより、カム87の窪み部89に分岐位置a2のセレクタ46のカムフォロア58が入るとともにカム87の窪み部89の他側縁でカムフォロア58を押し、分岐位置a2のセレクタ46をセレクタ軸47を中心として時計回り方向に回動させ、カム87の窪み部89の他側にあるカム面88がカムフォロア58に当接し、分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路107の一方向に向く状態に切り換わる。この状態では、分岐位置a2の分岐搬送路108bから搬送されてくる紙幣を、ループ状搬送路107を経由して、分岐位置a1の分岐搬送路108aに搬送する搬送経路を形成することができる。
このように、複数組の分岐部材21を駆動する場合、1つのカム87の回動により、このカム87に係合する各カムフォロア58および各セレクタ46を介して各分岐部材21を回動させることができるので、構成を簡素化でき、小型化できる。
しかも、複数の分岐部材21のうちの特定の分岐部材21のみを方向制御することもでき、応用範囲を広げることができる。
以上は、板カムの外周面をカム面として用いているもので説明したが、溝カムの溝内の外周および内周をカム面として用いるなどの他の形態でもよい。
次に、図23ない図28に、分岐機構15を適用した紙葉類処理装置の一例を示す。
図23に示すように、紙葉類処理装置は、例えば、紙幣を入出金する紙幣入出金装置である。この紙幣入出金装置は、機体201の前面から引出可能とする上部ユニット202および下部ユニット203を備えている。
上部ユニット202の前面上部に紙幣を入金する入金口205および紙幣を出金する出金口206が配設され、上部ユニット202の前面で出金口206の下方にリジェクト紙幣を収納するリジェクトボックス207が着脱可能に配設されている。
機体201内には、上部ユニット202および下部ユニット203にわたって紙幣を搬送する搬送部209が配設されている。下部ユニット203には、金種別に紙幣を収納するスタッカ210a〜210cが前後方向に並んで配設されているとともにこれらスタッカ210a〜210cの前側に紙幣を収納するカセット211a,211bが前後方向に並んで配設され、さらに、各スタッカ210a〜210cおよび各カセット211a,211bの上方に複数の一時保留部212a〜212cおよび一時保留部213a,213bが配設されている。
搬送部209は、紙幣を搬送するベルト機構やローラ機構等によって構成され、上部ユニット202および下部ユニット203にわたって紙幣を双方向に搬送可能とするループ状搬送路215を有している。このループ状搬送路215において、図23中で時計回り方向への紙幣の搬送を順方向、反時計回り方向への紙幣の搬送を反順方向と呼ぶ。そして、このループ状搬送路215には、上部ユニット202内において、入金口205からの入金搬送路216、出金口206への出金搬送路217、リジェクトボックス207へのリジェクト搬送路218がそれぞれ接続され、また、下部ユニット203内において、各スタッカ210a〜210cの一時保留部212a〜212cおよび各カセット211a,211bの一時保留部213a,213bとのスタッカ搬送路219a〜219cおよびカセット搬送路220a,220bがそれぞれ接続されている。また、ループ状搬送路215には、入金搬送路216と最後部のスタッカ搬送路219cとの間に搬送する紙幣を識別する識別部221が配設され、この識別部221と出金搬送路217との間に表裏反転搬送路222が接続されているとともに、この表裏反転搬送路222に紙幣の表裏を反転させる表裏反転部223が配設されている。
ループ状搬送路215には、各カセット搬送路220a,220bとの各分岐位置b1、b2、出金搬送路217およびリジェクト搬送路218との分岐位置b3に、上述した各実施の形態の分岐機構15の構成のうちのいずれか1つの構成の分岐機構15がそれぞれ配設されている。また、出金搬送路217とリジェクト搬送路218との分岐位置、各スタッカ搬送路219a〜219cとの各分岐位置、表裏反転搬送路222との分岐位置に、一般的な2方向分岐機構225がそれぞれ配設されている。なお、各分岐機構15において、図1に示した第1の搬送路11、第2の搬送路12および第3の搬送路13のうち、各分岐位置b1〜b3から見て、いずれか2つがループ状搬送路215に、残りの1つが分岐搬送路220a,220bおよび出金搬送路217に対応している。
スタッカ210a〜210cおよびカセット211a,211bは、一時保留部212a〜212cおよび一時保留部213a,213bから紙幣を受け入れて収納可能とするとともに、収納している紙幣を上方の一時保留部212a〜212cおよび一時保留部213a,213bに送り込み、この一時保留部212a〜212cおよび一時保留部213a,213bから搬送部209へ紙幣を送り出し可能とする。カセット211a,211bは、機体201に対して着脱可能とする。
一時保留部212a〜212cおよび一時保留部213a,213bは、搬送部209から送り込まれる紙幣を集積状態に一時保留し、収納時には集積状態の紙幣を下方のスタッカ210a〜210cおよびカセット211a,211bに送り込んで収納させ、返却時には集積状態の紙幣を1枚ずつ搬送部209に繰り出し、また、スタッカ210a〜210cおよびカセット211a,211bから送り込まれる紙幣を1枚ずつ搬送部209に繰り出し可能とする。
次に、図24において(紙幣の主な搬送経路を太線で示す)、紙幣入出金装置の入金処理について説明する。
図24(a)に示すように、入金口205に投入された紙幣を1枚ずつ入金搬送路216からループ状搬送路215に送り込み、ループ状搬送路215を順方向に搬送し、識別部221で識別する。
識別部221で正常と識別された紙幣は、金種別にループ状搬送路215から2方向分岐機構225でスタッカ搬送路219a〜219cに分岐し、金種別の一時保留部212a〜212cに集積状態に一時保留する。
また、例えば搬送される紙幣が重なっていたりして識別部221で所定の識別動作ができず再識別することによって正常と識別される可能性のある再識別可能な紙幣と識別された場合には、その再識別可能な紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1の分岐機構15を介してカセット搬送路220bに分岐し、一時保留部213bに集積状態に一時保留する。
また、識別部221で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、そのリジェクト紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1、b2、b3の各分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金搬送路217に分岐し、出金口206に送り込んで返却する。
この入金処理では、分岐位置b1の分岐機構15は、ループ状搬送路215を順方向に搬送してくる再識別可能な紙幣をカセット搬送路220bに分岐し、リジェクト紙幣をループ状搬送路215の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
そして、入金口205からの紙幣の繰り出しが完了するとともに、搬送部209からの紙幣の搬送が完了し、識別部221にて紙幣を所定時間検知しなくなった後、一時保留部213bに再識別可能な紙幣が一時保留されている場合には、図24(b)に示すように、一時保留部213b内の紙幣を、カセット搬送路220bに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に送り出し、このループ状搬送路215内を順方向に搬送して、分岐位置b2、b3の各分岐機構15を介して識別部221に搬送し、識別部221で再識別する。
再識別の結果、正常と識別された紙幣は、金種別にループ状搬送路215から2方向分岐機構225でスタッカ搬送路219a〜219cに分岐し、金種別の一時保留部212a〜212cに集積状態に一時保留する。また、再識別不可なリジェクト紙幣が識別された場合には、一時保留部213bにまだ紙幣が残っている場合には繰り出しを一時停止し、そのリジェクト紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1、b2、b3の各分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金搬送路217に分岐し、出金口206に送り込んで返却する。
そして、再識別を含む紙幣の一時保留が完了するとともに、再識別不可なリジェクト紙幣の返却が完了した後、入金収納が指令されると、一時保留部212a〜212cに一時保留していた紙幣を下方のスタッカ210a〜210cに収納する。
また、入金返却が指令されると、図24(c)に示すように、一時保留部212a〜212cに一時保留していた紙幣は、金種別に一時保留部212a〜212cからスタッカ搬送路219a〜219cに1枚ずつ繰り出してループ状搬送路215に送り出し、このループ状搬送路215を反順方向に搬送して識別部221で識別し、ループ状搬送路215から分岐位置b3の分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金口205に送り込み、返却する。また、一時保留部213bに再識別可能な紙幣が一時保留されている場合には、一時保留部213b内の紙幣を、カセット搬送路220bに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に送り出し、このループ状搬送路215内を順方向に搬送して、分岐位置b2、b3の各分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金口205に送り込み、返却する。
続いて、図25において、出金処理について説明する。
出金処理では、出金該当金種のスタッカ210a〜210cに収納している紙幣を、一時保留部212a〜212cからスタッカ搬送路219a〜219cに1枚ずつ繰り出してループ状搬送路215に送り出し、このループ状搬送路215を反順方向に搬送して識別部221で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、必要に応じて表裏反転部223を経て紙幣の表裏面を一定の向きとし、ループ状搬送路215から分岐位置b3の分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金口206に送り込み、出金する。
また、例えば搬送される紙幣が重なっていたりして識別部221で所定の識別動作ができず再識別することによって正常と識別される可能性のある再識別可能な紙幣と識別された場合には、その再識別可能な紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b3、b2の各分岐機構15を介してカセット搬送路220aまたは分岐位置b1の分岐機構15を介してカセット搬送路220bに分岐し、一時保留部213a,213bのいずれか一方に集積状態に一時保留する。
また、識別部221で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、そのリジェクト紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b3の分岐機構15および2方向分岐機構225を介してリジェクト搬送路218に分岐し、リジェクトボックス207に送り込んで収納する。
そして、再識別可能な紙幣やリジェクト紙幣の発生により不足する金種の紙幣は、該当するスタッカ210a〜210cから再繰り出しされる。また、再識別可能な紙幣が一時保留部213a,213bのいずれかに収納されている場合には、出金処理の終了後において、上述の図24(b)に示した入金処理時の再識別動作と同様の再識別動作をする。
続いて、図26において、初期補充処理について説明する。
初期補充処理は、紙幣が収納されていないスタッカ210a〜210cに対して、補充用の紙幣を収納して機体201内に装填されたカセット211a,211bから紙幣を補充するものである。
図26(a)に示すように、一方のカセット211aからの補充動作では、カセット211aに収納している紙幣を、一時保留部213aからカセット搬送路220aに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に順方向に送り出し、このループ状搬送路215内を順方向に搬送して、分岐位置b2、b3の各分岐機構15を介して識別部221に搬送し、識別部221で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、金種別にループ状搬送路215から2方向分岐機構225でスタッカ搬送路219a〜219cに分岐し、金種別の一時保留部212a〜212cに送り込む。一時保留部212a〜212cに所定量の紙幣が一時保留される毎に紙幣を下方のスタッカ210a〜210cに収納する。
また、識別部221で所定の識別動作ができず再識別することによって正常と識別される可能性のある再識別可能な紙幣と識別された場合には、その再識別可能な紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1の分岐機構15を介してカセット搬送路220bに分岐し、一時保留部213bに集積状態に一時保留する。
また、識別部221で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、一時保留部213aからの繰り出しを一時停止し、そのリジェクト紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1、b2、b3の各分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金搬送路217またはリジェクト搬送路218に分岐し、出金口206またはリジェクトボックス207に送り込む。
この一方のカセット211aからの補充動作では、分岐位置b1の分岐機構15は、再識別可能な紙幣をカセット搬送路220bに分岐し、リジェクト紙幣をループ状搬送路215の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
そして、再識別可能な紙幣が一時保留部213bに収納されている場合には、一方のカセット211aからの紙幣の繰出完了後において、上述の図24(b)に示した入金処理時の再識別動作と同様の再識別動作をする。
また、図26(b)に示すように、他方のカセット211bからの補充動作についても、一方のカセット211aからの補充動作と同様である。この場合、他方のカセット211bに収納している紙幣を、一時保留部213bからカセット搬送路220bに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に順方向に送り出し、ループ状搬送路215内を順方向に搬送する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、金種別にループ状搬送路215から2方向分岐機構225でスタッカ搬送路219a〜219cに分岐し、金種別の一時保留部212a〜212cに送り込む。一時保留部212a〜212cに所定量の紙幣が一時保留される毎に紙幣を下方のスタッカ210a〜210cに収納する。
また、識別部221で所定の識別動作ができず再識別することによって正常と識別される可能性のある再識別可能な紙幣と識別された場合には、その再識別可能な紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b2の分岐機構15を介してカセット搬送路220aに分岐し、一時保留部213aに集積状態に一時保留する。
また、識別部221で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、一時保留部213bからの繰り出しを一時停止し、そのリジェクト紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1、b2、b3の各分岐機構15および2方向分岐機構225を介して出金搬送路217またはリジェクト搬送路218に分岐し、出金口206またはリジェクトボックス207に送り込む。
この他方のカセット211bからの補充動作では、分岐位置b2の分岐機構15は、再識別可能な紙幣をカセット搬送路220aに分岐し、リジェクト紙幣をループ状搬送路215の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
続いて、図27において、自動補充処理について説明する。
この自動補充処理は、例えば、出金処理が続いてスタッカ210a〜210cに収納されている紙幣量が減少した場合などに自動的に行うものである。
図27(a)に示すように、一方のカセット211aに紙幣が収納されてる場合には、この一方のカセット211aから補充動作する。一方のカセット211aに収納している紙幣を、一時保留部213aからカセット搬送路220aに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に順方向に送り出し、このループ状搬送路215内を順方向に搬送して、分岐位置b2、b3の各分岐機構15を介して識別部221に搬送し、識別部221で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、金種別にループ状搬送路215から2方向分岐機構225でスタッカ搬送路219a〜219cに分岐し、金種別の一時保留部212a〜212cに送り込む。一時保留部212a〜212cに所定量の紙幣が一時保留される毎に紙幣を下方のスタッカ210a〜210cに収納する。
また、識別部221で所定の識別動作ができず再識別することによって正常と識別される可能性のある再識別可能な紙幣や再識別不可なリジェクト紙幣が識別された場合には、それら紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b1の分岐機構15を介してカセット搬送路220bに分岐し、一時保留部213bに集積状態に一時保留する。
また、例えば、一方のカセット211aに紙幣がなくなり、他方のカセット211bに収納されている紙幣を補充する場合には、図27(b)に示すように、他方のカセット211bに収納している紙幣を、一時保留部213bからカセット搬送路220bに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に順方向に送り出し、ループ状搬送路215内を順方向に搬送するとともに、分岐位置b2の分岐機構15を介してカセット搬送路220aに分岐し、一方のカセット211aに収納する。つまり、他方のカセット211bに収納されている紙幣を一方のカセット211aに移し変えた後、上述したように一方のカセット211aから補充動作する。
このように他方のカセット211bに収納されている紙幣を一方のカセット211aへの移し変えてから自動補充処理することによって、識別部221で識別ができなかった紙幣が発生した場合に、その紙幣を他方のカセット211bに収納することができ、紙幣の搬送を中断することなく、紙幣の搬送がスムーズになる。
続いて、図28において、収集処理について説明する。
この収集処理は、機体201内に収納されている紙幣を識別後にカセット211a,211bに回収するものである。
一方のカセット211aは、補充処理によって空となっているものとする。そして、まず、図28(a)に示すように、他方のカセット211bに収納している紙幣を、一時保留部213bからカセット搬送路220bに1枚ずつ繰り出して分岐位置b1の分岐機構15を介してループ状搬送路215に反順方向に送り出し、ループ状搬送路215内を反順方向に搬送して識別部221で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、必要に応じて表裏反転部223を経て紙幣の表裏面を一定の向きとし、ループ状搬送路215から分岐位置b2の分岐機構15を介してカセット搬送路220aに分岐し、一時保留部213aに一時保留する。この一時保留部213aに所定量の紙幣が一時保留される毎に紙幣を一方のカセット211aに収納する。
また、再識別可能または再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、それらリジェクト紙幣を、ループ状搬送路215から分岐位置b3の分岐機構15および2方向分岐機構225を介してリジェクト搬送路218に分岐し、リジェクトボックス207に送り込んで収納する。
この収集処理では、分岐位置b3の分岐機構15は、リジェクト紙幣をリジェクト搬送路218に分岐し、正常な紙幣をループ状搬送路215の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
他方のカセット211bに収納している紙幣の収集処理が完了したら、続いて、図28(b)に示すように、各スタッカ210a〜210cからの収集処理を順に行う。各スタッカ210a〜210cからの収集処理は、他方のカセット211bからの収集処理と同様であるが、処理途中で一方のカセット211aが満杯になれば、分岐位置b2の分岐機構15で紙幣の収集先を他方のカセット211bに切り換える。
次に、図29ないし図32に、分岐機構15を適用した紙葉類処理装置の他の例を示す。
図29に示すように、紙葉類処理装置は、例えば、紙幣を入出金する紙幣入出金装置である。この紙幣入出金装置は、機体301の前面から引出可能とする上部ユニット302および下部ユニット303を備えている。
上部ユニット302の前面上部に紙幣を入金する入金口305および紙幣を出金する出金口306が配設されている。
上部ユニット302内には、紙幣を搬送する搬送部309、および紙幣を1枚ずつ分離状態で一時保留する一時保留部310が配設されている。下部ユニット303内には、金種別に紙幣を収納するスタッカ311a〜311dが前後方向に並んで配設されているとともに、これらスタッカ311a〜311dの前側に紙幣を収納するカセット312が配設されている。カセット312には、リジェクト紙幣を収納する図示しないリジェクト収納部が設けられている。
搬送部309は、紙幣を搬送するベルト機構やローラ機構等によって構成され、紙幣を双方向に搬送可能とするループ状搬送路315を有している。このループ状搬送路315において、図29中で時計回り方向への紙幣の搬送を順方向、反時計回り方向への紙幣の搬送を反順方向と呼ぶ。そして、このループ状搬送路315には、入金口305からの入金搬送路316、出金口306への出金搬送路317、一時保留部310との一時保留搬送路318、リジェクト部へのリジェクト搬送路319、各スタッカ311a〜311dとのスタッカ搬送路320a〜320d、カセット312とのカセット搬送路321がそれぞれ接続されている。また、ループ状搬送路315には、入金搬送路316と最後部のスタッカ搬送路320dとの間に搬送する紙幣を識別する識別部322が配設されている。
ループ状搬送路315には、出金搬送路317との分岐位置a1、一時保留搬送路との分岐位置a2、カセット搬送路321との分岐位置a3、リジェクト搬送路319との分岐位置a4に、上述した各実施の形態の分岐機構15の構成のうちのいずれか1つの構成の分岐機構15がそれぞれ配設されている。これら分岐位置a1〜a4は、比較的近い位置に配置されていて例えば円周上に並んで配置されており、駆動方法には、図20に示した複数の分岐機構15を用いる場合の駆動方法の第3例、または図22に示した複数の分岐機構15を用いる場合の駆動方法の第4例が適用されている。また、ループ状搬送路315と各スタッカ搬送路320a〜320dとの各分岐位置には、一般的な2方向分岐機構325がそれぞれ配設されている。なお、各分岐機構15において、図1に示した第1の搬送路11、第2の搬送路12および第3の搬送路13のうち、各分岐位置a1〜a4から見て、いずれか2つがループ状搬送路315に、残りの1つが出金搬送路317、一時保留搬送路318、カセット搬送路321およびリジェクト搬送路319に対応している。
次に、図29(a)ないし図29(c)において(紙幣の主な搬送経路を太線で示す)、紙幣入出金装置の入金処理について説明する。
入金口305に投入された紙幣を1枚ずつ入金搬送路316からループ状搬送路315に順方向に送り込み、ループ状搬送路315を順方向に搬送し、識別部322で識別する。
識別部322で正常と識別された紙幣は、分岐位置a2の分岐機構15でループ状搬送路315から一時保留搬送路318に分岐し、一時保留部310に1枚ずつ分離状態で一時保留する。
また、例えば搬送される紙幣が重なっていたりして識別部322で所定の識別動作ができないリジェクト紙幣や、識別部322で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、それらリジェクト紙幣を、分岐位置a1の分岐機構15でループ状搬送路315から出金搬送路317に分岐し、出金口306に送り込んで返却する。
このとき、各分岐機構15は、分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路315の順方向の上流側に向くように方向制御されており(図20(b)または図22(b)を参照)、分岐位置a2の分岐機構15は、一時保留する紙幣を一時保留搬送路318に分岐し、リジェクト紙幣をループ状搬送路215の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
そして、入金口305に投入された紙幣の一時保留までの処理が完了した後、入金収納が指令されると、図29(b)に示すように、一時保留部310に一時保留していた紙幣を1枚ずつ一時保留搬送路318に繰り出して分岐位置a2の分岐機構15を介してループ状搬送路315に順方向に送り出し、このループ状搬送路315を順方向に搬送して識別部322で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、金種別の各2方向分岐機構325でループ状搬送路315から各スタッカ搬送路320a〜320dに分岐し、金種別のスタッカ311a〜311dに収納する。
スタッカ311a〜311dが満杯となった金種のオーバーフロー紙幣は、分岐位置a3の分岐機構15でループ状搬送路315からカセット搬送路321に分岐し、カセット312に収納する。
識別部322で所定の識別動作ができないリジェクト紙幣や、識別部322で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、それらリジェクト紙幣を、分岐位置a4の分岐機構15でループ状搬送路315からリジェクト搬送路319に分岐し、カセット312のリジェクト部に送り込んで収納する。
また、入金返却が指令されると、図29(c)に示すように、一時保留部310に一時保留していた紙幣を1枚ずつ一時保留搬送路318に繰り出して分岐位置a2の分岐機構15を介してループ状搬送路315に順方向に送り出し、このループ状搬送路315を順方向に搬送し、分岐位置a1の分岐機構15でループ状搬送路315から出金搬送路317に分岐し、出金口205に送り込んで返却する。
このとき、各分岐機構15の状態は、分岐位置a2の分岐機構15のみが、その分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路315の順方向の下流側に向くように方向制御されており(図20(c)または図22(c)の状態を参照)、一時保留搬送路318から返却のために搬送されてくる紙幣をループ状搬送路315の順方向に送り出すことができる。
続いて、図30において、出金処理について説明する。
出金処理では、出金該当金種のスタッカ311a〜311dに収納している紙幣を、スタッカ搬送路320a〜320cに1枚ずつ繰り出してループ状搬送路315に反順方向に送り出し、このループ状搬送路315内を反順方向に搬送して識別部322で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、ループ状搬送路315から分岐位置a1の分岐機構15で出金搬送路317に分岐し、出金口306に送り込んで出金する。
また、例えば搬送される紙幣が重なっていたりして識別部322で所定の識別動作ができないリジェクト紙幣や、識別部322で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、それらリジェクト紙幣を、分岐位置a4の分岐機構15でループ状搬送路315からリジェクト搬送路319に分岐し、カセット312のリジェクト部に送り込んで収納する。
このとき、各分岐機構15は、分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路315の反順方向の上流側に向くように方向制御されており(図20(a)または図22(a)を参照)、分岐位置a1の分岐機構15は、出金する紙幣を出金搬送路317に分岐し、リジェクト紙幣をループ状搬送路315の反順方向の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
また、リジェクト紙幣の発生により不足する金種の紙幣は、該当するスタッカ311a〜311dから再繰り出しされる。
続いて、図31において、補充処理について説明する。
カセット312に収納している紙幣を、カセット搬送路321に1枚ずつ繰り出して分岐位置a3の分岐機構15を介してループ状搬送路315に順方向に送り出し、このループ状搬送路315内を順方向に搬送して識別部322で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、金種別の2方向分岐機構325でループ状搬送路315からスタッカ搬送路320a〜320dに分岐し、金種別のスタッカ311a〜311dに収納する。
例えば搬送される紙幣が重なっていたりして識別部221で所定の識別動作ができないリジェクト紙幣や、識別部322で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、それらリジェクト紙幣を、分岐位置a4の分岐機構15でループ状搬送路315からリジェクト搬送路319に分岐し、カセット312のリジェクト部に送り込んで収納する。
このとき、各分岐機構15は、高速分岐動作の必要がないため、分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路315の順方向の下流側に向くように方向制御されていてもよいし(図20(a)または図22(a)を参照)、分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路315の順方向の上流側に向くように方向制御されていてもよい(図20(b)または図22(b)を参照)。
続いて、図32において、回収処理について説明する。
この回収処理は、スタッカ311a〜311dに収納されている紙幣を識別後にカセット312に回収するものである。
スタッカ311a〜311dに収納している紙幣を、1金種ずつ順番に、スタッカ搬送路320a〜320cに1枚ずつ繰り出してループ状搬送路315に反順方向に送り出し、このループ状搬送路315内を反順方向に搬送して識別部322で識別する。
識別の結果、正常と識別された紙幣は、ループ状搬送路315から分岐位置a3の分岐機構15でカセット搬送路321に分岐し、カセット312に送り込んで収納する。
また、例えば搬送される紙幣が重なっていたりして識別部322で所定の識別動作ができないリジェクト紙幣や、識別部322で正常でなく再識別不可なリジェクト紙幣と識別された場合には、それらリジェクト紙幣を、分岐位置a4の分岐機構15でループ状搬送路315からリジェクト搬送路319に分岐し、カセット312のリジェクト部に送り込んで収納する。
このとき、各分岐機構15は、分岐部材21の鋭角先端部22がループ状搬送路315の反順方向の上流側に向くように方向制御されており(図20(a)または図22(a)を参照)、分岐位置a3の分岐機構15は、カセット312に回収する紙幣をカセット搬送路321に分岐し、リジェクト紙幣をループ状搬送路315の反順方向の下流側に通過させるために、分岐制御により高速分岐動作する。
これら各紙幣入出金装置の例のように、3方向の搬送路間で紙幣を搬送する各分岐位置に、高速分岐動作可能な分岐機構15を適用することにより、分岐機構の数を削減でき、搬送路を簡素化でき、小型化できる。
なお、前記各実施の形態では、3方向の搬送路間で紙幣を分岐する分岐機構について説明したが、例えば、4方向、5方向などのより多方向の搬送路間で紙幣を分岐にも分岐機構にも適用することができる。
また、紙葉類としては、紙幣に限らず、小切手、伝票、シートなどについても適用できる。そのため、紙葉類処理装置としては、紙幣入出金機に限らず、それら紙葉類を処理する装置を適用できる。