JP4815064B2 - 紙幣入出金装置 - Google Patents

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俊一 吉田
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Laurel Precision Machines Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(現金自動預入支払機)等に組み込まれ、紙幣の入金処理や出金処理を自動的に行う紙幣入出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀行等に設置されるATMや両替機には、紙幣の入金処理や出金処理を自動的に行う紙幣入出金装置が組み込まれている。この種の紙幣入出金装置においては、信頼性の根幹をなす紙幣識別処理および紙幣計数処理の精度を確保した上で、操作の容易性や装置の小型化が求められており、特に、一回に取引される紙幣枚数が多いATM用の紙幣入出金装置では、入金時に複数枚の紙幣を一括投入でき、且つ、出金時に複数枚の紙幣を一括取り出しできることは勿論のこと、入金口と出金口とを共用して装置の小型化を図ることが提唱されている。
【0003】
従来、上記要求を満たす紙幣入出金装置としては、顧客が直接手を入れて紙幣の出し入れを行う入出金室を備え、該入出金室を扉で開閉させるようにしたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の紙幣入出金装置では、入出金室に手が入るほどの大きな開口部(取引口)を形成し、これを扉で開閉させる必要があるため、入出金部が大型化する許りでなく、入出金室に異物が投入される等の不都合が生じる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、複数枚の紙幣を一括投入および一括取り出し可能で、しかも、入金口と出金口とを共用するものでありながら、入金口および出金口に共用される取引口を、複数枚の紙幣を差し込める程度の小さなものにでき、その結果、入出金部の小型化が可能になる許りでなく、入出金室に異物が投入される等の不都合を回避することができる紙幣入出金装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の紙幣入出金装置は、複数枚の紙幣を差し込み状に一括投入可能な取引口と、前記取引口に連通する入出金室であって、その内部に紙幣搬送機構が設けられるものと、入金処理を行う入金処理制御手段であって、前記取引口に差し込まれた入金紙幣を前記入出金室に取り込み搬送するものと、出金処理を行う出金処理制御手段であって、前記入出金室内の出金紙幣を、その先端側が前記取引口から突出する位置まで放出搬送し、出金紙幣の受け取りを待つものとを有し、前記紙幣搬送機構は、前記入出金室の上部に設けられる上側搬送体と、その下方に昇降自在に設けられる下側搬送体と、前記上側搬送体の駆動源の駆動力を前記下側搬送体に伝達するための動力伝達機構とを備え、当該動力伝達機構から前記下側搬送体への動力伝達を切断および接続可能に構成される。
【0007】
また、前記取引口は、複数枚の紙幣を縦方向に差し込むように形成されていることが好ましい。この場合においては、取引口の開口面積を最小化し、入出金部および紙幣入出金装置を更に小型化することが可能になる。
【0008】
また、前記取引口は、シャッタによって開閉されることが好ましい。この場合においては、非取引時における異物の差し込み等を防止することができる。
【0009】
また、前記紙幣搬送機構は、前記上側搬送体および前記下側搬送体の同期駆動に基づいて紙幣の取り込み搬送および放出搬送を行うことが好ましい。この場合においては、上下の搬送体によって大きな紙幣搬送力を発生させ、紙幣の取り込みおよび放出を確実に行うことができる。
【0010】
また、前記入金処理制御手段は、前記入出金室に取り込んだ入金紙幣を、前記上側搬送体の駆動に基づいて前記入出金室から順次繰り出し搬送することが好ましい。この場合においては、紙幣の取り込みおよび放出を行う搬送体と、紙幣の繰り出しを行う搬送体とを兼用化し、部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができる。
【0011】
また、前記出金処理制御手段は、前記入出金室に順次搬入される出金紙幣を、前記上側搬送体の駆動に基づいて前記入出金室内に集積し、該集積した出金紙幣を、前記両搬送体の同期駆動に基づいて前記取引口から放出することが好ましい。この場合においては、紙幣の取り込みおよび放出を行う搬送体と、紙幣の集積を行う搬送体とを兼用化し、部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができる。
【0012】
また、前記入金処理制御手段は、繰り出し搬送中に発見したリジェクト紙幣を、前記両搬送体の間に介在する仕切り体の下側に集積し、該集積したリジェクト紙幣を、前記両搬送体の同期駆動に基づいて前記取引口から放出することが好ましい。この場合においては、入金紙幣の繰り出し完了後、リジェクト紙幣を速やかに返却することができ、しかも、紙幣の取り込みおよび放出を行う搬送体と、リジェクト紙幣の集積および放出を行う搬送体とを兼用化し、部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図示した一実施形態に基いて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る紙幣入出金装置の内部側面図である。この図に示されるように、紙幣入出金装置1は、最上部の前側に設けられる入出金部100と、該入出金部100の後方に設けられる識別部200と、上記入出金部100の下方に設けられる千円用中間プール部300Aと、該千円用中間プール部300Aの下方に着脱自在に装着される千円用金庫400Aと、該千円用金庫400Aの下方に設けられる五千円用中間プール部300Bと、該五千円用中間プール部300Bの下方に着脱自在に装着される五千円用金庫400Bと、五千円用金庫400Bの下方に設けられる一万円用中間プール部300Cと、該一万円用中間プール部300Cの下方に着脱自在に装着される一万円用金庫500と、上記各部の間で紙幣搬送を行う紙幣搬送部600と、上記金庫400A、400B、500の後方に設けられる制御部700とを備えて構成される。尚、上記の各中間プール部300A、300B、300Cは同一構造であるため、各中間プール部300A、300B、300Cに共通する説明においては符号A、B、Cを省略する。また、金庫400A、400B、500のうち、千円用金庫400Aと五千円用金庫400Bも同一構造であるため、各金庫400A、400Bに共通する説明においては符号A、Bを省略する。
【0014】
入出金部100は、入金利用者から紙幣Pを受け取ると共に、出金利用者に紙幣Pを渡す部分である。本実施形態の入出金部100は、入金時において、取引口101に一括投入された紙幣Pの束を仕切り板102の上側に取り込む処理(取り込みモード)と、取り込んだ紙幣Pを搬送口103を介して識別部200に順次繰り出す処理(繰り出しモード)と、入金リジェクト口104から送り込まれるリジェクト紙幣Pを仕切り板102の下側に集積する処理(リジェクト集積モード)と、集積したリジェクト紙幣Pを取引口101から放出する処理(放出モード)とを行い、また、出金時および一括返却時においては、搬送口103を介して識別部200から送り込まれる紙幣Pを仕切り板102の上側に集積する処理(集積モード)と、集積した紙幣Pを取引口101から放出する処理(放出モード)とを行うように構成される。
【0015】
識別部200は、入金された紙幣Pまたは出金する紙幣Pの真偽および種類を識別する部分である。本実施形態の識別部200は、紙幣Pの光透過パターンを検出する光透過式識別センサ(図示せず)と、紙幣Pに印刷される磁性体の磁気パターンを検出する磁気式識別センサ(図示せず)とを備えて構成される。
【0016】
中間プール部300は、金庫400、500への紙幣Pの収納や、金庫400、500からの紙幣Pの繰出しを行う部分である。本実施形態の中間プール部300は、入金時において、搬送口301から送り込まれる紙幣Pを集積する処理と、集積した紙幣Pを金庫400、500に収納する処理とを行い、また、一括返却時においては、集積した紙幣Pを搬送口301から順次繰り出す処理を行い、更に、出金時においては、金庫400、500内の紙幣Pを搬送口301から順次繰り出す処理を行うように構成される。
【0017】
金庫400、500は、入金された紙幣Pまたは出金用の紙幣Pを収納する部分である。本実施形態の金庫400、500は、金庫内部を中間プール部300に連通させる上部開口401、501と、該上部開口401、501を開閉するシャッタ402、502と、紙幣管理者が紙幣Pを出し入れするための紙幣出し入れ口403、503と、該紙幣出し入れ口403、503を開閉するドア404、504と、該ドア404、504を施錠する施錠装置405、505とを備えて構成される。また、本実施形態の一万円用金庫500は、出金時に発見したリジェクト紙幣Pを収納するリジェクト金庫を兼ねており、該リジェクト金庫を構成する出金リジェクト部506が前端側に一体化されている。
【0018】
紙幣搬送部600は、入金された紙幣Pを識別部200から各中間プール部300へ搬送する入金搬送処理と、入金リジェクト紙幣Pを識別部200から入出金部100の入金リジェクト口104へ搬送する入金リジェクト搬送処理と、出金(または返却)する紙幣Pを各中間プール部300から識別部200へ搬送する出金搬送処理(または返却搬送処理)と、出金リジェクト紙幣Pを出金リジェクト部506へ搬送する出金リジェクト搬送処理とを行う部分である。本実施形態の紙幣搬送部600は、識別部200の後部から千円用中間プール部300Aの搬送口近傍に至る横搬送部601と、千円用中間プール部300Aの搬送口近傍から出金リジェクト部506に至る縦搬送部602と、各中間プール部300の搬送口近傍で搬送経路を切換える千円ゲート603A、五千円ゲート603Bおよび一万円ゲート603Cと、横搬送部601の中間部から入出金部100の入金リジェクト口104に至る入金リジェクト搬送部604と、該入金リジェクト搬送部604の始端部で搬送経路を切換える入金リジェクトゲート605とを備えて構成される。
【0019】
制御部700は、ホストからのコマンドや各種センサの検出信号を入力し、該入力に応じて各種アクチュエータを動作させる部分である。本実施形態の制御部700は、入金処理、収納処理、一括返却処理および出金処理を行うためのプログラムを備えており、以下、上記各処理の概略を説明する。
【0020】
入金処理は、入金コマンドの受信に応じて実行される。入金コマンドを受信すると、入出金部100の取引口101を開閉するシャッタ105が開き、紙幣Pの投入を待つ。紙幣Pの束が取引口101に投入されると、投入された紙幣Pの束は、仕切り板102の上側に取り込まれた後、識別部200に一枚ずつ順次繰り出され、その真偽および種類が識別される。紙幣Pが真券であると識別された場合には、その券種に対応するゲート603が開くと共に、紙幣Pが横搬送部601および縦搬送部602を経て対応する中間プール部300に送り込まれ、ここに集積される。一方、紙幣Pが偽券であると識別された場合には、入金リジェクトゲート605が開くと共に、紙幣Pが横搬送部601および入金リジェクト搬送部604を経て仕切り板102の下側に送り込まれ、ここに集積される。入出金部100から全ての紙幣Pが繰り出されると、入金リジェクト紙幣P(仕切り板102の下側集積紙幣P)の有無が判断される。入金リジェクト紙幣Pが無い場合には、そのまま入金処理を終了する一方、入金リジェクト紙幣Pが有る場合には、入金リジェクト紙幣Pを取引口101から返却した後、入金処理を終了する。
【0021】
また、入金処理終了後、収納コマンドを受信すると、収納処理が実行され、各中間プール部300に集積された紙幣Pが各金庫400、500に収納される。一方、入金処理終了後、返却コマンドを受信すると、一括返却処理が実行される。一括返却処理においては、各中間プール部300に集積された紙幣Pが順次繰り出されると共に、繰り出された紙幣Pが縦搬送部602、横搬送部601および識別部200を経て入出金部100に送り込まれ、ここに集積される。その後、集積された紙幣Pを取引口101から返却し、一括返却処理を終了する。
【0022】
出金処理は、出金コマンドの受信に応じて実行される。出金コマンドを受信すると、各金庫400、500内の紙幣Pが必要枚数だけ順次繰り出されると共に、繰り出された紙幣Pが縦搬送部602、横搬送部601および識別部200を経て入出金部100に送り込まれ、ここに集積される。その後、集積された紙幣Pを取引口101から出金し、出金処理を終了する。また、出金処理中に出金リジェクト紙幣P(偽券、破損紙幣、重送紙幣等)が見つかった場合には、出金リジェクト処理が実行され、出金リジェクト部506に出金リジェクト紙幣Pが収納される。
【0023】
次に、入出金部100の構成および動作を詳細に説明する。図2は、紙幣投入時を示す入出金部の内部左側面図、図3は、取り込み・放出モードを示す入出金部の内部左側面図、図4は、繰り出しモードを示す入出金部の内部左側面図である。これらの図に示されるように、入出金部100は、その前側上部に形成される取引口101と、該取引口101を開閉するシャッタ105と、取引口101に連通する入出金室106と、該入出金室106の上部に設けられる上側ベルト搬送体107と、該上側ベルト搬送体107の一部を下方に押し下げるベルト押し下げ機構108と、上側ベルト搬送体107の下方に上下昇降自在に設けられるステージ109と、該ステージ109上に設けられる下側ベルト搬送体110と、該下側ベルト搬送体110への搬送動力伝動経路を断続する搬送動力断続機構111と、入出金室106の底部に設けられるリジェクト搬入用駆動機構112と、上下のベルト搬送体107、110間に上下動自在に設けられる仕切り板102と、取引口101の室内側近傍に設けられる紙幣ストッパ113と、上側ベルト搬送体107の左右両側方に設けられるバタフライ114とを備える。
【0024】
取引口101は、複数枚の紙幣Pを一括投入および一括放出可能な形状に形成される。入金時においては、入金紙幣Pが取引口101に差し込み状に投入される一方、出金時においては、出金紙幣Pの先端側を取引口101から突出させることにより、出金紙幣Pの受け取りを可能にする。また、本実施形態では、取引口101に対する入金紙幣Pの差し込み方向を縦方向(紙幣長手方向)としており、これによって取引口101の開口面積が最小化される。
【0025】
シャッタ105は、その上部がシャッタ支軸115に取り付けられている。シャッタ支軸115は、取引口101の上部に沿って回動自在に設けられており、シャッタソレノイド116の動作に応じて回動することにより、シャッタ105を開閉動作させる。
【0026】
上側ベルト搬送体107は、前後方向に所定間隔を存して並設される複数のローラ軸107aと、各ローラ軸107aに設けられる複数のローラ107bと、該ローラ107b間に懸回される複数の搬送ベルト107cとを備える。上側ベルト搬送体107は、入出金部100、識別部200および横搬送部601の搬送系動力源である横搬送モータ606の正逆駆動に応じて動作し、取り込みモード、繰り出しモード、集積モードおよび放出モードにおいて紙幣搬送を行う。各モードにおいては、搬送ベルト107cの下面が紙幣Pに接触するが、搬送ベルト107cの下面のうち、取引口寄りの部分は、通常状態において紙幣Pから離間するようになっている。具体的には、上側ベルト搬送体107の前端部に設けられるローラ107bの下端位置を、他のローラ107bよりも高くすることによって、搬送ベルト107cの下面を前高後低状に傾斜させている。
【0027】
ベルト押し下げ機構108は、上側ベルト搬送体107の取引口寄りで搬送ベルト107cを押し下げる押し下げローラ108aと、該押し下げローラ108aを一端部に備える押し下げアーム108bと、該押し下げアーム108bの中間部を回動自在に支持するアーム支軸108cと、押し下げアーム108bの他端部に設けられるカムローラ108dと、前記シャッタ支軸115に一体的に設けられるカム108eとを備える。図3に示されるように、取り込み・放出モードにおいて、シャッタ105が開くと、シャッタ支軸115の回動に伴ってカム108eがカムローラ108dを押し上げる。カムローラ108dが押し上げられると、背反的に押し下げローラ108aが下動して搬送ベルト107cを押し下げる。これにより、搬送ベルト107cの取引口寄り部分は、紙幣Pに押し付けられ、紙幣搬送力が高められる。この状態で上下のベルト搬送体107、110を取り込みまたは放出方向に同時駆動させることにより、紙幣Pを確実に取り込みまたは放出することが可能になる。また、紙幣Pの取り込みまたは受取りが完了した後、シャッタ105が閉じると、カム108eが初期位置に戻る。この状態では、押し下げローラ108aが搬送ベルト107cの張力で上位置に押し戻され、搬送ベルト107cの押し下げが解除される。また、図4に示されるように、繰り出しモードにおいては、シャッタ105が閉じており、搬送ベルト107cの押し下げは解除されている。従って、搬送ベルト107cの取引口寄り部分は、前述のように紙幣Pから離間し、繰り出し搬送中に下層の紙幣Pに接触することが防止される。これにより、紙幣Pの重送を回避して良好な紙幣分離性能を確保することが可能になる。
【0028】
ステージ109は、入出金室106の底部との間に介設されるパンタグラフ118の伸縮動作に応じて昇降される。入出金室106の底部には、前後方向を向いて固定されるガイドレール119と、該ガイドレール119にスライド自在に支持されるスライダ120とが設けられている。スライダ120の中間部には、パンタグラフ118の一端が回動自在に連結され、前端部には、リフトモータ121が連繋されている。リフトモータ121が駆動すると、スライダ120が前後にスライドしてパンタグラフ118を伸縮させ、それに伴ってステージ109が昇降される。
【0029】
下側ベルト搬送体110は、前後方向に所定間隔を存して並設される複数のローラ軸110aと、各ローラ軸110aに設けられる複数のローラ110bと、該ローラ110b間に懸回される複数の搬送ベルト110cとを備える。下側ベルト搬送体110は、上側ベルト搬送体107と同様、横搬送モータ606の動力で動作し、取り込みモード、放出モードおよびリジェクト集積モードにおいて紙幣搬送を行うが、下側ベルト搬送体110に対する動力伝動は、搬送動力断続機構111またはリジェクト搬入用駆動機構112を介して行われる。
【0030】
図5は、搬送動力断続機構の背面図、図6は、取り込み・放出モードを示す搬送動力断続機構の左側面図、図7は、繰り出しモードを示す搬送動力断続機構の左側面図である。これらの図に示されるように、入出金室106の右端部には、横搬送モータ606の動力が伝動される第一伝動軸122が設けられている。第一伝動軸122の動力は、入出金室106の上部および下部に設けられる第二伝動軸123および第三伝動軸124にタイミングベルト125を介して伝動されており、第二伝動軸123上には、前記搬送動力断続機構111が構成されている。搬送動力断続機構111は、第二伝動軸123に前後回動自在に支持されるローラ支持アーム111aと、該ローラ支持アーム111aの下端部に回転自在に設けられるローラ軸111bと、該ローラ軸111bに第二伝動軸123の動力を伝動する第一〜第三のギヤ111c、111d、111eと、ローラ軸111bに一体的に設けられる駆動側摩擦ローラ111fと、下側ベルト搬送体110から右側方に延出するローラ軸110aに一体的に設けられる従動側摩擦ローラ111gとを備える。下側ベルト搬送体110が上昇ポジションのとき、ローラ支持アーム111aを前後に回動させると、駆動側摩擦ローラ111fが従動側摩擦ローラ111gに対して接離する。駆動側摩擦ローラ111fが従動側摩擦ローラ111gから離間する状態では、下側ベルト搬送体110への動力伝動が断たれるが、駆動側摩擦ローラ111fが従動側摩擦ローラ111gに接当する状態では、第二伝動軸123の動力が下側ベルト搬送体110に伝動される。
【0031】
搬送動力断続機構111は、さらにシャッタ連動機構126を介してシャッタ105に連動連結されている。シャッタ連動機構126は、連動リンク126aを備えており、その前端部は、第二伝動軸123の上方でローラ支持アーム111aに連結される一方、後端部は、シャッタ支軸115の右端部に設けられる連動アーム126bに連結されている。図6に示されるように、取り込み・放出モードにおいて、シャッタ105が開くと、シャッタ支軸115の回動に伴って連動アーム126bが連動リンク126aを前方に引く。連リンク126aの引き動作に伴ってローラ支持アーム111aの上端側が前方に回動すると、背反的にローラ支持アーム111aの下端側が後方に回動し、駆動側摩擦ローラ111fを従動側摩擦ローラ111gに接当させる。これにより、搬送動力断続機構111が接続状態となり、横搬送モータ606の駆動に応じた下側ベルト搬送体110の搬送動作が可能になる。また、図7に示されるように、繰り出しモードにおいては、シャッタ105が閉じており、連動アーム126bは、連動リンク126aを後方に押す。連リンク126aの押し動作に伴ってローラ支持アーム111aの上端側が後方に回動した状態では、背反的にローラ支持アーム111aの下端側が前方に回動しており、駆動側摩擦ローラ111fが従動側摩擦ローラ111gから離間する。従って、搬送動力断続機構111が切断状態となり、横搬送モータ606の駆動に拘わらず下側ベルト搬送体110が停止状態を維持する。また、前記連リンク126aの後端部は、ローラ支持アーム111aの上端部に設けられる連結ピンに対して長孔を介して連結されている。ローラ支持アーム111a側の連結ピンと連リンク126aとの間には、連結ピンを前方に引っ張るコイルバネ126cが介設されており、該コイルバネ126cの付勢力で駆動側摩擦ローラ111fが従動側摩擦ローラ111gに弾圧状に接当し、確実な摩擦伝動が可能になる。
【0032】
図8は、リジェクト搬入用駆動機構を示す入出金部の内部背面図、図9は、リジェクト搬入用駆動機構の作用を示す左側面図である。これらの図に示されるように、リジェクト搬入用駆動機構112は、入出金室106の底部に左右方向を向いて回転自在に設けられるリジェクト搬入用駆動軸112aと、前記第三伝動軸124の動力をリジェクト搬入用駆動軸112aに伝動する一対の伝動ギヤ112b、112cと、リジェクト搬入用駆動軸112aに一体的に設けられる左右一対の摩擦ローラ112dとを備える。図9に示されるように、リジェクト集積モードにおいて、下側ベルト搬送体110がリジェクト紙幣受け入れ位置まで下降すると、搬送ベルト110cの下面側が摩擦ローラ112dに接当する。このとき摩擦ローラ112dは、横搬送モータ606の下り駆動に伴って回転しており、搬送ベルト110cをリジェクト紙幣搬入方向に強制送りする。これにより、入金リジェクト口104から入出金室106に送り込まれるリジェクト紙幣Pが下側ベルト搬送体110上に搬入されることになる。
【0033】
図10は、仕切り板を示す入出金部の内部平面図、図11は、繰り出しモードを示す入出金部の内部左側面図、図12は、リジェクト集積モードを示す入出金部の内部左側面図、図13は、リジェクト集積終了状態を示す入出金部の内部左側面図である。これらの図に示されるように、仕切り板102は、上側ベルト搬送体107と下側ベルト搬送体110との間に上下動自在に設けられている。仕切り板102の搬送ベルト対向位置には、切欠き102aが開設されており、上側ベルト搬送体107および下側ベルト搬送体110による紙幣搬送を妨げない構造となっている。仕切り板102は、通常、ステージ109の上面部で直接受け止められており、この状態で投入紙幣Pの取り込みや出金紙幣Pの集積・放出が行われる。一方、繰り出しモードにおいては、仕切り板102と下側ベルト搬送体110との間をリジェクト紙幣集積部として利用する。つまり、繰り出しモードにおいて、リジェクト紙幣Pが発生すると、図12に示されるように、下側ベルト搬送体110がリジェクト受け入れ位置まで下降する。その下降途中において、仕切り板102および仕切り板102上の入金紙幣Pは、入出金室106の上下中間部位置に設けられるフランジ状のリジェクト受け127に受け止められ、ここで待機する。また、仕切り板102の下側に既にリジェクト紙幣Pが集積されている場合は、既集積のリジェクト紙幣Pもリジェクト受け127に受け止められ、ここで待機する。入金リジェクト口104からリジェクト紙幣Pが送り込まれると、これを下側ベルト搬送体110が搬入する。その後、下側ベルト搬送体110は、リジェクト紙幣Pを乗せて繰り出し位置まで上昇する。その上昇途中において、下側ベルト搬送体110上のリジェクト紙幣Pは、仕切り板102の下側に集積される。下側ベルト搬送体110が上昇すると、入金紙幣Pの繰り出しが再開される。図13に示されるように、繰り出し紙幣がなくなると、リジェクト紙幣Pの集積が終了する。仕切り板102の下側に集積されたリジェクト紙幣Pは、両ベルト搬送体107、110の同時駆動によって取引口101から放出される。
【0034】
図14は、紙幣ストッパを示す正面図である。図14および図2〜図4に示されるように、紙幣ストッパ113は、取引口101の室内側近傍に設けられ、集積モードにおいて、集積紙幣Pの先端を係止ガイドする。紙幣ストッパ113を支持するストッパ支持アーム128は一端側を支点として上下回動自在であり、該ストッパ支持アーム128の上下回動に応じて紙幣ストッパ113が紙幣取り込み・放出経路に出没する。さらに、紙幣ストッパ113は、シャッタ連動機構129を介してシャッタ105に連動連結されている。シャッタ連動機構129は、連動リンク129aを備えており、その下端部は、ストッパ支持アーム128に形成される長孔128aに係合する一方、上端部は、シャッタ支軸115に設けられる連動アーム129bに連結されている。取り込み・放出モードにおいて、シャッタ105が開くと、シャッタ支軸115の回動に伴って連動アーム129bが連動リンク129aを下方に押す。連リンク129aの押し動作に伴ってストッパ支持アーム128は下方に回動し、紙幣ストッパ113を紙幣取り込み・放出経路から下方に没入退避させる。一方、シャッタ105が閉じると、シャッタ支軸115の回動に伴って連動アーム129bが連リンク129aを上方に引く。連リンク129aの引き動作に伴ってストッパ支持アーム128は上方に回動し、紙幣ストッパ113を紙幣取り込み・放出経路に突出させる。
【0035】
図15の(A)は、集積紙幣受け入れ状態を示す入出金部の内部背面図、図15の(B)は、バタフライ跳ね上げ状態を示す入出金部の内部背面図、図15の(C)は、集積完了状態を示す入出金部の内部背面図である。これらの図に示されるように、バタフライ114は、上側ベルト搬送体107の左右両側方に前後方向を向いて回動自在に設けられるバタフライ支軸114aから内側下方に向けて延出する。バタフライ支軸114aには、バタフライソレノイド130が連繋されており、該バタフライソレノイド130の動作に応じてバタフライ114が上方に跳ね上げ動作する。集積モードの紙幣受け入れ待機状態では、バタフライ114が下側に位置しており、搬送口103から送り込まれる紙幣Pがバタフライ114の上に搬入される(図15の(A))。紙幣Pの搬入途中でバタフライ114は跳ね上げ動作し、紙幣Pをバタフライ114の下側とする(図15の(B))。その後、バタフライ114を下側位置に戻し、紙幣Pの左右両端部をバタフライ114で押え、紙幣集積処理の1サイクルが終了する(図15の(C))。この繰返しによって複数枚の紙幣Pを下側ベルト搬送体110上に整然と集積することが可能になる。
【0036】
図16は、制御部の入出力を示すブロック図である。この図に示されるように、制御部700には、シャッタ105の室内側近傍で紙幣Pの有無を検知する取り込みセンサ(透過センサ)131、押し下げローラ108aの近傍で紙幣Pの有無を検知する投入検知センサ(透過センサ)132、入出金室106の前後中央位置で紙幣Pの有無を検知するエンプティセンサ(透過センサ)133、搬送口103で紙幣Pの通過を検知する搬送口通過センサ(透過センサ)134、入金リジェクト口104で紙幣Pの通過を検知するリジェクト口通過センサ(透過センサ)135、横搬送部601の終端部で紙幣Pの通過を検知する横搬送路センサ(反射センサ)136、上側ベルト搬送体107による紙幣Pの繰り出しを検知する繰り出しセンサ137、リフトモータ121のポジションを検知するリフトポジションセンサ138、バタフライ114のポジションを検知するバタフライポジションセンサ139等のセンサや、前述したシャッタソレノイド116、リフトモータ121、バタフライソレノイド130および横搬送モータ606、縦搬送部602を搬送動作させる縦搬送モータ607、入金リジェクトゲート605を開閉させるリジェクトゲートソレノイド608、入出金部100に設けられる紙幣分離機構(図示せず)を動作させる分離ソレノイド140等のアクチュエータが接続されている。以下、制御部700による前記各モードの制御手順をフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
図17は、取り込みモードの制御手順を示すフローチャートである。この図に示されるように、取り込みモードにおいては、リフトモータ121を中間ポジションへ移動する(S1701)と共に、バタフライソレノイド130をONにし(S1702)、しかる後、シャッタ105を開いて(S1703)紙幣Pの投入を待つ(S1704)。この状態では、投入検知センサ132の不透過に基づいて紙幣の投入を判断する(S1705)と共に、投入待機時間を計測し(S1706)、投入待機時間が1分を経過した場合には、シャッタ105を閉じて取り込みモードを終了する(S1707)。一方、紙幣Pの投入を検知すると、横搬送モータ606を低速で下り駆動する(S1708)と共に、リフトモータ121を取り込みポジションに移動し(S1709)、紙幣Pの取り込みを開始する。ここでリフトモータ121のポジション検知に基づいて投入枚数をチェックし(S1710)、枚数オーバーの場合は、エラー処理を実行する(S1711)。投入枚数が適正である場合には、エンプティセンサ133の不透過を監視する(S1712)と共に、エンプティセンサ133が不透過となってから100ステップ搬送後に横搬送モータ606の駆動を停止する(S1713)。次に、取り込みセンサ131の透過状態を判断し(S1714)、ここで取り込みセンサ131が不透過の場合は、取り込みに失敗したと判断してエラー処理を実行する(S1715)一方、取り込みセンサ131が透過の場合は、シャッタ105を閉じた後(S1716)、リフトモータ121を繰り出しポジションへ移動する(S1717)と共に、横搬送モータ606を低速で上り駆動し(S1718)、80ステップ後に駆動を停止する(S1719)。以上で投入紙幣Pの取り込みが完了し、続いて繰り出しモードが実行される。
【0038】
図18は、繰り出しモードの制御手順を示すフローチャートである。この図に示されるように、繰り出しモードにおいては、縦搬送モータ607および横搬送モータ606を下り駆動する(S1801、S1802)と共に、繰り出しセンサ137の検知に基づいて紙幣Pの繰り出しを確認する(S1803)。搬送口通過センサ134が初期紙幣Pの先端を検知(S1804)した後、15ステップ搬送した時点(S1805)でリフトモータ121を繰り出し退避ポジションへ移動し(S1806)、分離ソレノイド140をONにする(S1807)。搬送口通過センサ134が紙幣Pの後端を検知(S1808)すると、計数処理を実行(S1809)した後、繰り出し待機紙幣Pの有無に基づいて繰り出し終了判断をし(S1810)、ここで繰り出し終了と判断した場合には、繰り出し終了処理を実行(S1811)した後、次処理へ移る。一方、繰り出しを終了しないと判断した場合は、70ステップ搬送した時点(S1812)でリフトモータ121を繰り出しポジションへ移動する(S1813)と共に、分離ソレノイド140をOFFにし(S1814)、繰り出しセンサ137の検知に基づいて紙幣Pの繰り出しを確認する(S1815)。搬送口通過センサ134が次の紙幣Pの先端を検知(S1816)した後、前記ステップS1805に戻り、紙幣Pの繰り出しを繰り返す。但し、次の紙幣Pの繰り出しを開始する際には、紙幣間ピッチをチェックし(S1817)、該紙幣間ピッチが110ステップ未満の場合は、紙幣搬送路上の残留紙幣を入出金部100に逆搬送して集積する繰り出しリトライ制御を実行(S1818)した後、ステップS1801に戻る。
【0039】
図19は、リジェクト集積モードの制御手順を示すフローチャートである。この図に示されるように、リジェクト集積モードは、繰り出しモードにおいてリジェクト紙幣Pが発生した場合(S1901)に繰り出しモードを停止(S1902)して実行される。リジェクト集積モードにおいては、横送路センサ136がリジェクト紙幣Pの先端を検知(S1903)した後、200ステップ(S1904)で横搬送モータ606を減速停止させる(S1905)。その後、先行する紙幣Pが各中間プール部300に集積されるまで待機し(S1906)、縦搬送モータ607を減速停止させる(S1907)。分離ソレノイド140をOFF(S1908)にした後、リフトモータ121を集積ポジションへ移動し(S1909)、横搬送モータ606を上り駆動させる(S1910)。ここで搬送口103から送り込まれる滞留紙幣Pを集積処理(S1911)すると共に、搬送口通過センサ134によるリジェクト紙幣Pの先端検知(S1912)に基づいて横搬送モータ606を減速停止させる(S1913)。次に、リジェクトゲート605を開く(S1914)と共に、リフトモータ121をリジェクト受け入れポジションへ移動させ(S1915)、その後、横搬送モータ606を下り駆動させる(S1916)。リジェクト口通過センサ135がリジェクト紙幣Pの後端を検知(S1917)してから200ステップ後に横搬送モータ606の駆動を停止し(S1918)、リジェクトゲート605を閉じる(S1919)。その後、リフトモータ121を繰り出しポジションへ移動し(S1920)、繰り出しモードに復帰する。
【0040】
図20は、集積モードの制御手順を示すフローチャートである。この図に示されるように、集積モードにおいては、リフトモータ121を集積ポジションへ移動(S2001)した後、搬送口通過センサ134による紙幣先端検知を監視する(S2002)。搬送口通過センサ134が紙幣Pの先端を検知した後、175ステップ搬送した時点(S2003)でバタフライ動作ルーチンを起動(S2004)すると共に、搬送口通過センサ134による紙幣後端検知(S2005)を監視する。紙幣Pの後端を検知してから35ステップ搬送した時点(S2006)でバタフライソレノイド130をOFFにする(S2007)と共に、計数終了か否かを判断し(S2008)、計数終了の場合は次の処理に移る(S2009)。一方、集積を継続する場合は、バタフライポジションセンサ139の検知(S2010)に応じてリフトモータ121を下げ駆動(S2011)しながら上記集積処理を繰り返す。
【0041】
図21は、放出モードの制御手順を示すフローチャートである。この図に示されるように、放出モードにおいては、リフトモータ121を放出ポジションへ移動(S2101)した後、シャッタ105を開き(S2102)、横搬送モータ606を低速で上り駆動させる(S2103)。次に、エンプティセンサ133の透過を監視(S2104)すると共に、エンプティセンサ133が透過となってから50ステップ搬送後に横搬送モータ606の駆動を停止し(S2105)、紙幣Pの受取りを待つ。この状態では、取り込みセンサ131の透過を監視し(S2106)、取り込みセンサ131が透過の場合は、シャッタ105を閉じて(S2107)次の処理に移る(S2108)。一方、所定時間経過しても取り込みセンサ131が透過にならない場合は(S2109)、取り忘れ取り込み制御を実行する(S2110)。
【0042】
以上の如く本実施形態によれば、紙幣入出金装置1は、複数枚の紙幣Pを差し込み状に一括投入可能な取引口101と、取引口101に連通する入出金室106であって、その内部に紙幣搬送機構(ベルト搬送体107、110)が設けられるものと、入金処理を行う入金処理制御手段(取り込みモード)であって、取引口101に差し込まれた入金紙幣Pを入出金室106に取り込み搬送するものと、出金処理を行う出金処理制御手段(放出モード)であって、入出金室106内の出金紙幣Pを、その先端側が取引口101から突出する位置まで放出搬送し、出金紙幣Pの受け取りを待つものとを備えて構成される。つまり、複数枚の紙幣Pを一括投入および一括取り出し可能で、しかも、入金口と出金口とを共用するものでありながら、入金口および出金口に共用される取引口101を、複数枚の紙幣Pを差し込める程度の小さなものにでき、その結果、入出金部100の小型化が可能になる許りでなく、入出金室106に異物が投入される等の不都合を回避することができる。
【0043】
また、取引口101は、複数枚の紙幣Pを縦方向に差し込むように形成されているため、取引口101の開口面積を最小化し、入出金部100および紙幣入出金装置1を更に小型化することが可能になる。
【0044】
また、取引口101は、シャッタ105によって開閉されるため、非取引時における異物の差し込み等を防止することができる。
【0045】
また、紙幣搬送機構は、入出金室106の上部に設けられる上側ベルト搬送体107と、その下方に昇降自在に設けられる下側ベルト搬送体110とを備え、両ベルト搬送体107、110の同期駆動に基づいて紙幣Pの取り込み搬送および放出搬送を行うため、上下のベルト搬送体107、110によって大きな紙幣搬送力を発生させ、紙幣Pの取り込みおよび放出を確実に行うことができる。
【0046】
また、入金処理制御手段は、入出金室106に取り込んだ入金紙幣Pを、上側ベルト搬送体107の駆動に基づいて入出金室106から順次繰り出し搬送するため、紙幣Pの取り込みおよび放出を行う搬送体と、紙幣Pの繰り出しを行う搬送体とを兼用化し、部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができる。
【0047】
また、出金処理制御手段は、入出金室10に順次搬入される出金紙幣Pを、上側ベルト搬送体107の駆動に基づいて入出金室106内に集積し、該集積した出金紙幣Pを、両ベルト搬送体107、110の同期駆動に基づいて取引口101から放出するため、紙幣Pの取り込みおよび放出を行う搬送体と、紙幣Pの集積を行う搬送体とを兼用化し、部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができる。
【0048】
また、入金処理制御手段は、繰り出し搬送中に発見したリジェクト紙幣Pを、両ベルト搬送体107、110の間に介在する仕切り板102の下側に集積し、該集積したリジェクト紙幣Pを、両ベルト搬送体107、110の同期駆動に基づいて取引口101から放出するため、入金紙幣Pの繰り出し完了後、リジェクト紙幣Pを速やかに返却することができ、しかも、紙幣Pの取り込みおよび放出を行う搬送体と、リジェクト紙幣Pの集積および放出を行う搬送体とを兼用化し、部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態を図面に沿って説明した。しかしながら本発明は前記実施形態に示した事項に限定されず、特許請求の範囲の記載に基いてその変更、改良等が可能であることは明らかである。
【0050】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、複数枚の紙幣を一括投入および一括取り出し可能で、しかも、入金口と出金口とを共用するものでありながら、入金口および出金口に共用される取引口を、複数枚の紙幣を差し込める程度の小さなものにでき、その結果、入出金部の小型化が可能になる許りでなく、入出金室に異物が投入される等の不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙幣入出金装置の内部左側面図である。
【図2】紙幣投入時を示す入出金部の内部左側面図である。
【図3】取り込み・放出モードを示す入出金部の内部左側面図である。
【図4】繰り出しモードを示す入出金部の内部左側面図である。
【図5】搬送動力断続機構の背面図である。
【図6】取り込み・放出モードを示す搬送動力断続機構の左側面図である。
【図7】繰り出しモードを示す搬送動力断続機構の左側面図である。
【図8】リジェクト搬入用駆動機構を示す入出金部の内部背面図である。
【図9】リジェクト搬入用駆動機構の作用を示す左側面図である。
【図10】仕切り板を示す入出金部の内部平面図である。
【図11】繰り出しモードを示す入出金部の内部左側面図である。
【図12】リジェクト集積モードを示す入出金部の内部左側面図である。
【図13】リジェクト集積終了状態を示す入出金部の内部左側面図である。
【図14】紙幣ストッパを示す正面図である。
【図15】(A)は集積紙幣受け入れ状態を示す入出金部の内部背面図、(B)はバタフライ跳ね上げ状態を示す入出金部の内部背面図、(C)は集積完了状態を示す入出金部の内部背面図である。
【図16】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図17】取り込みモードの制御手順を示すフローチャートである。
【図18】繰り出しモードの制御手順を示すフローチャートである。
【図19】リジェクト集積モードの制御手順を示すフローチャートである。
【図20】集積モードの制御手順を示すフローチャートである。
【図21】放出モードの制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
P 紙幣
1 紙幣入出金装置
100 入出金部
101 取引口
102 仕切り板
105 シャッタ
106 入出金室
107 上側ベルト搬送体
110 下側ベルト搬送体
200 識別部
300 中間プール部
400 金庫
500 金庫
600 紙幣搬送部
700 制御部

Claims (7)

  1. 複数枚の紙幣を差し込み状に一括投入可能な取引口と、
    前記取引口に連通する入出金室であって、その内部に紙幣搬送機構が設けられるものと、
    入金処理を行う入金処理制御手段であって、前記取引口に差し込まれた入金紙幣を前記入出金室に取り込み搬送するものと、
    出金処理を行う出金処理制御手段であって、前記入出金室内の出金紙幣を、その先端側が前記取引口から突出する位置まで放出搬送し、出金紙幣の受け取りを待つものと、を有し、
    前記紙幣搬送機構は、
    前記入出金室の上部に設けられる上側搬送体と、
    その下方に昇降自在に設けられる下側搬送体と、
    前記上側搬送体の駆動源の駆動力を前記下側搬送体に伝達するための動力伝達機構とを備え、
    当該動力伝達機構から前記下側搬送体への動力伝達を切断および接続可能に構成されていることを特徴とする紙幣入出金装置。
  2. 前記取引口は、複数枚の紙幣を縦方向に差し込むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の紙幣入出金装置。
  3. 前記取引口は、シャッタによって開閉されることを特徴とする請求項1又は2に記載の紙幣入出金装置。
  4. 前記紙幣搬送機構は、前記上側搬送体および前記下側搬送体の同期駆動に基づいて紙幣の取り込み搬送および放出搬送を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の紙幣入出金装置。
  5. 前記入金処理制御手段は、前記入出金室に取り込んだ入金紙幣を、前記上側搬送体の駆動に基づいて前記入出金室から順次繰り出し搬送することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の紙幣入出金装置。
  6. 前記出金処理制御手段は、前記入出金室に順次搬入される出金紙幣を、前記上側搬送体の駆動に基づいて前記入出金室内に集積し、該集積した出金紙幣を、前記両搬送体の同期駆動に基づいて前記取引口から放出することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の紙幣入出金装置。
  7. 前記入金処理制御手段は、繰り出し搬送中に発見したリジェクト紙幣を、前記両搬送体の間に介在する仕切り体の下側に集積し、該集積したリジェクト紙幣を、前記両搬送体の同期駆動に基づいて前記取引口から放出することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の紙幣入出金装置。
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