JP4034552B2 - 紙幣処理装置および紙幣出金装置 - Google Patents

紙幣処理装置および紙幣出金装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4034552B2
JP4034552B2 JP2001356010A JP2001356010A JP4034552B2 JP 4034552 B2 JP4034552 B2 JP 4034552B2 JP 2001356010 A JP2001356010 A JP 2001356010A JP 2001356010 A JP2001356010 A JP 2001356010A JP 4034552 B2 JP4034552 B2 JP 4034552B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
banknote
banknotes
safe
take
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001356010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003157458A (ja
Inventor
真 横尾
浩 前田
克之 日向
滋 酒井
寛 田中
Original Assignee
株式会社高見沢サイバネティックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社高見沢サイバネティックス filed Critical 株式会社高見沢サイバネティックス
Priority to JP2001356010A priority Critical patent/JP4034552B2/ja
Publication of JP2003157458A publication Critical patent/JP2003157458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4034552B2 publication Critical patent/JP4034552B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣処理装置に関し、例えば、出金機に内蔵される紙幣処理装置及び紙幣出金装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
出金機等に内蔵された紙幣処理装置は、紙幣を収納する収納金庫、収納金庫から繰り出された紙幣を識別する識別部、識別部に接続され、紙幣を集積して出金する出金部から構成されている。収納金庫から繰り出された紙幣は、種別が識別され、出金部で集積されて出金される。さらに紙幣処理装置は、収納金庫に収納されている紙幣の枚数が残り少なくなった場合に収納金庫に紙幣を補充する補充金庫と、紙幣処理装置から全ての紙幣を回収する回収金庫とを備えているのが一般的である。そして、収納金庫に収納されている紙幣の残り枚数が少なくなった場合には、補充金庫から収納金庫に紙幣が補充され、例えば1日の締め切りなど集計を行う場合には、収納金庫から回収金庫に紙幣が回収される。
【0003】
なお、従来の紙幣処理装置では、補充金庫と回収金庫は補充・回収金庫として兼用され、補充・回収金庫から収納金庫への搬送経路と、収納金庫から出金部への搬送経路とが設けられていた。また、出金する紙幣や補充した紙幣の識別不良が生じた場合には、装置の稼動を中止して対応していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような紙幣処理装置では、補充・回収金庫から収納金庫への搬送経路と、収納金庫から出金部への搬送経路とが設けられているので、搬送経路が複雑になり装置が大型化してしまうので、紙幣処理装置での設置空間の効率上好ましくなかった。また、識別不良が生じた場合に装置の稼動を中止してしまうので、運用効率が低かった。さらに、複数金種の紙幣を扱う場合には、搬送経路等により装置がさらに大型化していた。
【0005】
そこで、本発明は、小型で、運用効率の高い紙幣処理装置及び紙幣出金装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による紙幣処理装置100は、例えば図1、2、7に示すように、紙幣を収納する収納金庫1と;収納金庫1から出金される紙幣を識別する識別部104と;収納金庫1に紙幣を補充し、または収納金庫1から紙幣を回収する補充・回収金庫106と;収納金庫1と補充・回収金庫106との間で識別部104を介して紙幣を搬送する搬送手段であって、前記紙幣の補充と回収の際に前記紙幣を同一経路上で正逆方向に移送するように構成された搬送手段130、140とを備え;収納金庫1及び補充・回収金庫106は、紙幣を収納する収納部10と、回転により紙幣を取り出し方向及び取り込み方向に搬送する駆動方向が可変のピンチローラ27a、27bと、収納部10に収納された紙幣を回転により取り出してピンチローラ27a、27bへ搬送する取出ローラ21と、取り込み方向に搬送される紙幣に、上側腰付ローラ31と噛み合って直進性を付与する下側腰付ローラ32と、紙幣を押さえることにより紙幣を収納部10に収納する羽根車33と、取出ローラ21、下側腰付ローラ32及び羽根車33を同時に移動させるリンク機構36とを有し;リンク機構36は、取出ローラ21を収納部10に収納された紙幣を付勢可能な位置に、下側腰付ローラ32を上側腰付ローラ31から離反した位置に、及び羽根車33を紙幣が搬送される搬送面から飛び出さない位置にするポジションと、取出ローラ21を付勢可能な位置から退避した位置に、下側腰付ローラ32を上側腰付ローラ31と接触する位置に、及び羽根車33を搬送面より出没する位置にするポジションとを切り替えるように構成される。
【0007】
このように構成すると、搬送手段130、140は、収納金庫1と補充・回収金庫106との間で識別部104を介して紙幣を搬送する搬送手段であって、前記紙幣の補充と回収の際に前記紙幣を同一経路上で正逆方向に移送するように構成されているので、また、収納金庫1及び補充・回収金庫106は取出ローラ21、下側腰付ローラ32及び羽根車33を同時に移動させるリンク機構36を有するので、小型で、運用効率の高い紙幣処理装置を提供することができる。
【0008】
請求項2に係る発明による紙幣処理装置100は、請求項1に記載の紙幣処理装置100において、収納金庫1から出金された紙幣が識別不良であるときに、該紙幣を回収する出金リジェクト庫108を備えるとよい。
【0009】
このように構成すると、例えば、収納金庫1から出金された前記紙幣が、識別部104により識別不良と判断された場合には、前記紙幣を出金リジェクト庫108に回収することで、紙幣処理装置100の稼動を必ずしも中止することなく紙幣の出金を継続することができ、運用効率を高めることができる。
【0010】
請求項3に係る発明による紙幣処理装置100は、請求項1又は請求項2に記載の紙幣処理装置100において、補充・回収金庫106から補充された紙幣が識別不良であるときに、該紙幣を回収する補充リジェクト庫107を備えるとよい。
【0011】
このように構成すると、例えば、補充・回収金庫106から補充された前記紙幣が、識別部104により識別不良と判断された場合には、前記紙幣を補充リジェクト庫107に回収することで、紙幣処理装置100の稼動を必ずしも中止することなく紙幣の補充を継続することができ、運用効率を高めることができる。
【0012】
請求項4に係る発明による紙幣処理装置100は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の紙幣処理装置100において、収納金庫1が少なくとも第1の収納金庫102と第2の収納金庫103とを含んで構成されている。
【0013】
このように構成すると、収納金庫1が少なくとも第1の収納金庫102と第2の収納金庫103とを含んで構成されているので、例えば複数の金種の紙幣を扱うことができ、運用効率を高めることができる。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による紙幣出金装置100は、例えば図1に示すように、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の紙幣処理装置100と;識別部104で識別された紙幣を出金する出金部105とを備える。
【0015】
このように構成すると、紙幣処理装置100の搬送手段130、140は、収納金庫1と補充・回収金庫106との間で識別部104を介して紙幣を搬送する搬送手段であって、前記紙幣の補充と回収の際に前記紙幣を同一経路上で正逆方向に移送するように構成されており、出金部105は、識別部104で識別された紙幣を出金するので、搬送する経路を共有でき、小型で、運用効率の高い紙幣出金装置を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る紙幣処理装置としての出金機100の構成を示す縦断面図である。また出金機100は、紙幣出金装置でもある。出金機100は、紙幣としての千円札と一万円札との2金種を扱えるものである(以下、千円札と一万円札を特に区別しないときは単に紙幣という)。出金機100は、紙幣を収納する収納金庫としての紙幣収納金庫1と、紙幣収納金庫1から出金される紙幣を識別する識別部104と、識別部104で識別された紙幣を集積して出金する出金部105と、紙幣収納金庫1に紙幣を補充し、または紙幣収納金庫1から紙幣を回収する補充・回収金庫106とを含んで構成される。また補充・回収金庫106は、紙幣収納金庫1と同一の構成である。さらに、出金機100には、補充・回収金庫106から補充された紙幣が識別不良であるときに、紙幣を回収する補充リジェクト庫107と、紙幣収納金庫1から出金された紙幣が識別不良であるときに、紙幣を回収する出金リジェクト庫108とが備えられている。
【0018】
また、出金機100は、紙幣収納金庫1と補充・回収金庫106との間で識別部104を介して紙幣を搬送する搬送手段であって、紙幣の補充と回収の際に紙幣を同一経路上で正逆方向に移送するように構成された搬送手段としての搬送部130、140を備える。また、出金機100は、紙幣の長辺方向に搬送する縦搬送ではなく、紙幣の短辺方向に搬送する横搬送で紙幣を搬送するものである。このようにすることで、出金機100は、搬送経路を短くできるので、小型化できるだけでなく、紙幣の処理速度が向上するので、運用効率が高まる。
【0019】
紙幣収納金庫1は、千円札を集積して収納する第1の収納金庫としての千円収納金庫102と、一万円札を集積して収納する第2の収納金庫としての万円収納金庫103とを含んで構成され、出金機100のおよそ下部にそれぞれが設けられている。また、千円収納金庫102と万円収納金庫103とは、同一の構造により構成される。以下、千円収納金庫102と万円収納金庫103を特に区別しないときは、単に紙幣収納金庫1という。また、千円収納金庫102と万円収納金庫103の構成については、同一の符号を付して説明する。以下、紙幣収納金庫1について説明する。
【0020】
図2は、紙幣収納金庫1の構成を示す正面図である。紙幣収納金庫1は、紙幣を収納するものである。また、本実施の形態では、紙幣は千円札、一万円札である。紙幣収納金庫1は、紙幣を収納する収納部10と、繰出取込部20とを含んで構成される。
【0021】
収納部10は、紙幣を集積して載置する集積台11を備えている。また、集積台11は、昇降させるための昇降用モータ12(図1参照)を備えている。集積台11は、昇降用モータ12により昇降可能に構成されている。さらに収納部10には、集積台11の下限位置を検出するためのセンサ16(図1参照)が取り付けられている。収納部10は、約1000枚の千円札又は一万円札が収納可能に構成されている。また収納部10の図中正面には、紙幣を直接補充するための不図示の収納金庫扉が備えられている。収納部10内に収納された紙幣の集積位置は、1対の透過センサ17により検出され、1対の透過センサ18により収納部10に収納された紙幣が全て出金されたことが検出される。
【0022】
図3の斜視図に示すように、繰出取込部20は、収納部10に収納された紙幣を回転により取り出す取出ローラ21と、取出ローラ21の紙幣の取り出し方向側に配置され、取出ローラ21の回転と反対方向にのみ回転可能である圧接ローラ22と、圧接ローラ22と対向して配置され、取出ローラ21により取り出された紙幣を案内する空転ローラ23と、取出ローラ21と圧接ローラ22との間に配置され、紙幣を取り出し方向に案内する座屈防止ベルト25とを含んで構成される。また、繰出取込部20は、紙幣を案内するビートレバー15(図2参照)を備えている。圧接ローラ22は、例えば自転車の後輪と同様にワンウェイクラッチ(不図示)を挟み込んで一方向にのみ回転可能としている。
【0023】
また、繰出取込部20は、取出ローラ21により取り出された紙幣が接触することで重なった紙幣をずらすこと(事前分離)ができる事前分離ブロック24を備えている。また、繰出取込部20は、取出ローラ21と圧接ローラ22との間に配置され、紙幣を取り出し方向に案内する座屈防止ガイド28を備えている。繰出取込部20は、空転ローラ23と圧接ローラ22とにより、取出ローラ21により取り出された紙幣を1枚ずつに分離するように構成されている。
【0024】
以下、取り出し方向を出金方向として、取り出し方向と反対方向(取り込み方向)を入金方向として説明する。
【0025】
図3、図4を参照して、繰出取込部20についてさらに説明する。取出ローラ21は、中央に第1の取出ローラ21a、第1の取出ローラ21aの両側に第2の取出ローラ21bが配置されている。(以下、第1の取出ローラ21aと、第2の取出ローラ21bとを特に区別しないときは単に取出ローラ21という。)第1の取出ローラ21aと、第2の取出ローラ21bとは、取出ローラ軸21cに同軸に取り付けられている。第1の取出ローラ21aは、取出ローラ軸21cに固着されている。
【0026】
また、第2の取出ローラ21bと取出ローラ軸21cとの間には、ワンウェイクラッチが嵌合されている。第2の取出ローラ21bは、ワンウェイクラッチにより、取出ローラ軸21cに対して紙幣の出金方向にのみ回転可能に構成されている。即ち、第2の取出ローラ21bは、取出ローラ軸21cに対して図中R1方向にのみ回転可能である。さらに、取出ローラ軸21cは、フレーム26に取り付けられている。即ち、第1の取出ローラ21aと、第2の取出ローラ21bとは、取出ローラ軸21cを介してフレーム26に取り付けられている。さらに、取出ローラ軸21cは、取出ローラ駆動モータ14(図2参照)により駆動可能に構成されている。取出ローラ駆動モータ14は、取出ローラ軸21cを少なくともR1方向に回転駆動する。取出ローラ駆動モータ14は、取出ローラ軸21cを不図示のタイミングベルトにより駆動する。
【0027】
フレーム26は、空転ローラ軸23aに回動可能に取り付けられている。フレーム26は、コイルバネ26aにより図中R2方向、即ち取出ローラ21を集積台11に集積された紙幣に押し付ける方向に付勢されている。この付勢力は、取出ローラ21が集積された紙幣を第1の所定の力で付勢する程度とする。第1の所定の力は、例えば500〜600gf程度である。さらに、取出ローラ21は、紙幣の入金の際には、後述の腰付ローラスライドモータ35(図7参照)によりフレーム26をR2’方向(R2と逆方向)に回動させることで、上方へ退避させることができる。
【0028】
また、第1の取出ローラ21aは、取出ローラ軸21cの駆動が切れた後に連れ回りしないことで、次紙幣がつられて出て行くのを防止する役割がある。このため第1の取出ローラ21aと紙幣との間の摩擦力は、後述のピンチローラ27a、27bが紙幣を引き抜く力より弱い必要がある。また第2の取出ローラ21bと紙幣との間には、紙幣を1枚ずつに分離する際に発生する抵抗などに負けずに紙幣を押し出す高い摩擦力が必要となる。
【0029】
第1の取出ローラ21a、第2の取出ローラ21bと紙幣との間のそれぞれの摩擦力は、第1の取出ローラ21a、第2の取出ローラ21bは、それぞれのローラの摩擦係数とローラ幅で調節するとよい。このようにすることで、第1の取出ローラ21a、第2の取出ローラ21b共に同じ付勢力で付勢されていても、それぞれ必要な摩擦力を得ることができる。また第1の取出ローラ21aには、耐摩耗性の高い材料を用いるとよい。このようにすると、紙幣がピンチローラ27a、27bにより引き抜かれる際に紙幣と擦れることにより発生する第1の取出ローラ21aの摩耗を低減することができるので、紙幣収納金庫1の耐久性を向上させることができる。第1の取出ローラ21aの材料は、例えば硬度50度の天然ゴム系であり、第2の取出ローラ21bの材料は、例えば硬度60度ウレタンである。
【0030】
さらに第1の取出ローラ21a、第2の取出ローラ21bには、それぞれのローラの外周に取出ローラ軸21cに平行に、溝を形成するとよい。このようにすることで、第1の取出ローラ21a、第2の取出ローラ21bは、高い摩擦力を得ることができる。
【0031】
事前分離ブロック24は、断面が略L字形の形状をしているブロックである。また事前分離ブロック24は、第1の取出ローラ21aの出金方向下方に配置されている。事前分離ブロック24は、表面の摩擦係数の高めたもの例えば表面にセラミック溶射したものを用いるとよい。事前分離ブロック24は、紙幣同士に発生する摩擦力と比べて、紙幣と事前分離ブロック24との間に発生する摩擦力の方が大きくなるように表面の摩擦係数を決めるようにするとよい。このようにすることで、より確実に紙幣が事前分離ブロック24に接触することで重なった紙幣をずらすことができる。また事前分離ブロック24は、出金される紙幣が空転ローラ23と圧接ローラ22との間に挟まれる前に事前分離ブロック24に接触するように配置されている。
【0032】
圧接ローラ22は、事前分離ブロック24のおよそ端面近傍に配置されている。圧接ローラ22は、圧接ローラ軸22aに取り付けられている。また、圧接ローラ22と圧接ローラ軸22aとの間には、ワンウェイクラッチが嵌合されている。圧接ローラ22は、ワンウェイクラッチにより、紙幣の入金方向(出金方向と反対方向)にのみ回転可能に構成されている。即ち、圧接ローラ22は、図中R3方向にのみ回転可能である。圧接ローラ22の材料は、例えば、エーテル系の発泡ウレタンである。
【0033】
空転ローラ23は、圧接ローラ22と対向し、圧接ローラ22に上方に配置されている。空転ローラ23は、空転ローラ軸23aに取り付けられている。また、空転ローラ23と空転ローラ軸23aとの間には、ワンウェイクラッチが嵌合されている。空転ローラ23は、ワンウェイクラッチにより、空転ローラ軸23aに対して入金方向にのみ回転可能に構成されている。即ち、空転ローラ23は、空転ローラ軸23aに対して図中R2’方向即ち紙幣の入金方向にのみ回転可能である。空転ローラ軸23aは、回転可能に取り付けられている。空転ローラ23の材料は、例えばジュラコンである。
【0034】
さらに、空転ローラ23には、圧接ローラ22が第2の所定の力で付勢して取り付けられている。ところで、出金される紙幣は、取出ローラ21に押されながら事前分離ブロック24を通過し、空転ローラ23を回しながら圧接ローラ22から摩擦抵抗を受けることで、紙幣を1枚ずつに分離され、最上位のものが取り出される。このため、第2の所定の力は、紙幣間同士の摩擦力よりも、圧接ローラ22と紙幣の摩擦力の方が強くなるように設定する。さらに紙幣が1枚のみが進入してきた場合にも、紙幣が圧接ローラ22から受ける摩擦力に負けて座屈現象を起こさないよう設定する。第2の所定の力は、例えば200gf程度とするとよい。また、空転ローラ23と圧接ローラ22とは、それぞれ対応させて複数個備えるようにするとよい。本実施の形態では、事前分離ブロック24の両側に1対ずつ配置されている。
【0035】
また、空転ローラ23と圧接ローラ22のおよそ出金方向側には、1対のピンチローラ27a、27bが配置されている。ピンチローラ27a、27bは、上側ピンチローラ27aに下側ピンチローラ27bが不図示の板バネにより付勢されている。上側ピンチローラ27aは、回転可能なピンチローラ軸27cに固着されている。下側ピンチローラ27bは、固定軸27dに回転可能に取り付けられている。ピンチローラ27a、27bは、ピンチローラ軸27cにより駆動される。上側ピンチローラ27aは、例えば硬度50度のウレタンである。下側ピンチローラ27bは、例えば転がり軸受け(ベアリング)である。ピンチローラ27a、27bは、それぞれ対応させて複数個備えるようにするとよい。
【0036】
座屈防止ベルト25は、取出ローラ21の出金方向に、およそ事前分離ブロック24の上方(空転ローラ23の内側)から上側ピンチローラ27aの位置に配置されている。座屈防止ベルト25は、複数個備えるようにするとよい。本実施の形態では、2つの空転ローラ23の内側に2対配置されている。
【0037】
また図5(a)の斜視図、(b)の側面図に示すように、座屈防止ベルト25は、端面部分にそれぞれフランジ部25a−1、25b−1が形成されたタイミングプーリ25a、25bに張架され、座屈防止ベルト25の外面が、フランジ部25a−1、25b−1よりも突出しないように構成するとよい。このようにすると、座屈防止ベルト25と紙幣との間に大きな摩擦力を発生させずに紙幣を案内できるので、通過する紙幣の座屈現象を防ぐことができる。また、図5(b)は、座屈防止ベルト25のみ断面で示してある。さらに図5(b)には、タイミングプーリ25aについて示してあるが、タイミングプーリ25bについても同様である。
【0038】
図3、図4に戻って、タイミングプーリ25aは、およそ事前分離ブロック24の上方に回転可能に取り付けられ、タイミングプーリ25bは、ピンチローラ軸27cに固着されている。座屈防止ベルト25は、タイミングプーリ25bにより駆動可能に構成されている。座屈防止ベルト25は、座屈防止ベルト25の下面が、空転ローラ23と圧接ローラ22との接点と、後述の上側ピンチローラ27aと下側ピンチローラ27bとの接点を結んだ直線を含む平面(搬送面)より僅かに上方となるように配置することが望ましい。即ち、座屈防止ベルト25と紙幣との間にあまり摩擦力が発生しないようにすることが望ましい。また、タイミングプーリ25aのフランジ部25a−1(図5参照)と紙幣との間にもあまり摩擦力が発生しないようにすることが望ましい。このようにすることで、通過する紙幣の座屈現象を防ぐことができる。また、タイミングプーリ25aのフランジ部25a−1と事前分離ブロック24とのギャップは、およそ1枚の紙幣が通過できる程度、例えば0.06〜0.1mm程度である。
【0039】
さらに、座屈防止ベルト25と空転ローラ23との間には、それぞれ板状の座屈防止ガイド28が配置されている。通過する紙幣は、座屈防止ガイド28により、取出ローラ21から空転ローラ23と圧接ローラ22との接点までの座屈防止でき、特に取出ローラ21につられて上方向に巻き込まれないようにすることができる。
【0040】
空転ローラ軸23aとピンチローラ軸27cとは、不図示の搬送駆動系で接続され、駆動可能に構成されている。さらに、空転ローラ23、座屈防止ベルト25と上側ピンチローラ27aは、それぞれ空転ローラ軸23a、ピンチローラ軸27cにより同じ速度で駆動されるように構成されている。これにより、紙幣を円滑に搬送することができる。なお、紙幣を出金方向に搬送する際には、空転ローラ23と空転ローラ軸23aとの間に嵌合されたワンウェイクラッチにより、空転ローラ23には駆動力がかからない。
【0041】
また空転ローラ23、座屈防止ベルト25、上側ピンチローラ27aは、不図示の搬送駆動系の駆動方向を変えることにより、駆動方向(紙幣を搬送する方向)を変えることができる。また、搬送駆動系は、紙幣収納金庫1(繰出取込部20)に接続される搬送装置、例えば後述の出金機100の搬送部130や搬送部140の駆動系を用いるとよい。(以下、この搬送駆動系を搬送装置として説明する。)このようにすることで、紙幣収納金庫1は、繰出取込部20と搬送装置とが同期するので、繰出取込部20と搬送装置との間での紙幣を受け渡しまたは受け取りを円滑に行うことができる。また、繰出取込部20は、空転ローラ軸23aとピンチローラ軸27cとにそれぞれ駆動系例えばモータを取り付けて、搬送速度が同じになるように制御するように構成してもよい。
【0042】
これらにより、出金方向に搬送される紙幣は、収納部10からピンチローラ27a、27bまでは、主として取出ローラ21の回転力により搬送され、ピンチローラ27a、27bからは、ピンチローラ27a、27bの回転力と前述の繰出取込部20に接続される搬送装置3の搬送力により搬送されることになる。なお、取出ローラ21による搬送速度は0.59m/sであり、ピンチローラ27a、27bによる搬送速度は1.6m/sであるが、この速度差は、第2の取出ローラ21bと取出ローラ軸21cとの間に嵌合されたワンウェイクラッチにより吸収される。また、入金方向に搬送される紙幣は、主としてピンチローラ27a、27bと空転ローラ23により、搬送速度1.6m/sで搬送される。
【0043】
また、ビートレバー15は、座屈防止ガイド28に回動可能に取り付けられている。ビートレバー15は、例えば入金時に紙幣を集積台11に案内するものである。さらにピンチローラ27a、27bの出金方向には、取出ローラ21の回転タイミングをとるための1対のタイミングセンサ29が配置されている。さらに、繰出取込部20には、空転ローラ23近傍からピンチローラ27a、27bの出金方向近傍までに上側ガイドプレート30aが、事前分離ブロック24の出金方向近傍からピンチローラ27a、27bの出金方向近傍までに下側ガイドプレート30bがそれぞれ取り付けられている。紙幣収納金庫1は、上側ガイドプレート30a、下側ガイドプレート30bを備えることで、紙幣の座屈現象を抑えることができる。上側ガイドプレート30aと下側ガイドプレート30bとは、出金方向側(図中右側)に、紙幣を出金(取出)する出金口であり、入金(取込)する入金口でもある繰出取込口20aを形成している。
【0044】
さらに、図6の斜視図に示すように、繰出取込部20は、空転ローラ23と同軸に取り付けられた上側腰付ローラ31と、上側腰付ローラ31と噛み合う下側腰付ローラ32とを備え、上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32により、紙幣に直進性を付与するように構成されている。また、繰出取込部20は、下側腰付ローラ32と同軸に取り付けられた羽根車33を備えている。
【0045】
上側腰付ローラ31は、空転ローラ軸23aに固着されている。上側腰付ローラ31は、先端周面に凸部31aが形成されている。下側腰付ローラ32は、回転可能な下側腰付ローラ軸34に固着されている。下側腰付ローラ32は、先端周面に凹部32aが形成されている。上側腰付ローラ31、下側腰付ローラ32は、凸部31aと凹部32aとが噛み合うように形成されている。さらに、下側腰付ローラ軸34には、羽根車33が固着されている。羽根車33は、ローラ形状のブロックの周面に板状の羽根が複数形成されている。本実施の形態では羽根は、円周等分に4枚形成されている。
【0046】
また、図7に示すように、繰出取込部20は、下側腰付ローラ32と羽根車33とが昇降可能に構成されている。さらに、繰出取込部20は、下側腰付ローラ32と羽根車33とを昇降可能な腰付ローラスライドモータ35を備えている。下側腰付ローラ軸34と腰付ローラスライドモータ35とは、リンク機構36で接続されている。リンク機構36は、腰付ローラスライドモータ35の回転軸の回転により下側腰付ローラ軸34を昇降する。下側腰付ローラ32と羽根車33とは、下側腰付ローラ軸34が昇降することで昇降する。またリンク機構36は、取出ローラ軸21cにも接続されており、腰付ローラスライドモータ35の回転軸の回転によりフレーム26(図4参照)を回動する。即ち、取出ローラ21が昇降する。
【0047】
(a)に示すように、出金時には、腰付ローラスライドモータ35の回転軸の回転(図中反時計回り)により下側腰付ローラ軸34が下降したときには、上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32とは離反し、羽根車33の羽根の先端が搬送面に飛び出ることはない。またこの際に、取出ローラ21は、この回転軸の回転によりフレーム26がR2方向(図4参照)に回動し、紙幣に第1の所定の力で付勢される。
【0048】
また(b)に示すように、入金時には、腰付ローラスライドモータ35の回転軸の回転(図中時計回り)により下側腰付ローラ軸34が上昇して、上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32とが接触し、凸部31aと凹部32aとが噛み合う。そして、上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32が連れ周りすることにより羽根車33の羽根の先端が、紙幣が搬送される搬送面より出没する。またこの際に、取出ローラ21は、この回転軸の回転によりフレーム26をR2’方向(図4参照)に回動し、上方へ退避する。
【0049】
さらに、繰出取込部20は、ポジションセンサ35a、35bが取り付けられている。ポジションセンサ35aは、下側腰付ローラ32と羽根車33とが出金ポジションにあることを検出する。即ち上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32とが離反している状態を検出するものである。ポジションセンサ35bは、下側腰付ローラ32と羽根車33とが入金ポジションにあることを検出する。即ち上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32とが接触している状態を検出するものである。ポジションセンサ35a、35bは、それぞれリンク機構36の1部がセンサを遮ることで検知する。
【0050】
また紙幣収納金庫1は、所定枚数の紙幣が出金されると、集積台11を上昇させ、第1の所定の力の所定の変動範囲内で取出ローラ21を紙幣に付勢し続けるようにするとよい。これにより紙幣収納金庫1は、継続して紙幣を出金することができる。
【0051】
ここで、図7、図8を参照して、紙幣収納金庫1の紙幣の出金動作を説明する。まず紙幣収納金庫1は、透過センサ17(図2参照)が紙幣を検知するまで集積台11を上昇させる。次に、腰付ローラスライドモータ35を、リンク機構36の1部をポジションセンサ35aが検知するまで回転させ、取出ローラ21、上側腰付ローラ31、下側腰付ローラ32、羽根車33を出金ポジションにする。これにより取出ローラ21は、第1の所定の力で付勢される。
【0052】
また、紙幣収納金庫1は、不図示の搬送装置により空転ローラ軸23aとピンチローラ軸27cとが駆動され、空転ローラ軸23aは出金方向即ちR2方向、ピンチローラ軸27cは出金方向即ち図中R4方向にそれぞれ回転する。このとき空転ローラ23は、空転ローラ23と空転ローラ軸23aとの間に嵌合されたワンウェイクラッチにより、空転ローラ軸23aによる駆動力がかからない。このため空転ローラ軸23aは、上側腰付ローラ31のみをR2方向に回転駆動する。またピンチローラ軸27cは、ピンチローラ27aとタイミングプーリ25bをR4方向に回転駆動する。さらにピンチローラ27aは、ピンチローラ27bをこの回転に従動する方向即ち図中R5方向に回転させる。また、タイミングプーリ25bは、座屈防止ベルト25とタイミングプーリ25aを従動する方向に回転駆動する。このとき、座屈防止ベルト25の下側の外周面25cは、出金方向に駆動される。即ち、これらは搬送装置と同期して駆動される。
【0053】
そして、取出ローラ駆動モータ14(図2参照)は、取出ローラ軸21cをR1方向に回転駆動することで取出ローラ21をR1方向に回転駆動する。紙幣は、取出ローラ21の回転により出金方向に押されるように搬送される。取出ローラ21により押された紙幣は、まず事前分離ブロック24に到達する。事前分離ブロック24に到達した紙幣は、紙幣同士に発生する摩擦力と紙幣と事前分離ブロック24との間に発生する摩擦力との差により出金方向に対してずれが発生する。即ち、紙幣が事前分離する。この際、最上位にある紙幣に座屈現象が発生しないようにするため、座屈防止ベルト25とタイミングプーリ25aで出金方向にかき出す。
【0054】
次に、紙幣の出金方向の端部は、事前分離ブロック24を通過すると、空転ローラ23と圧接ローラ22に到達する。圧接ローラ22は、出金方向には回転しないので、紙幣は、空転ローラ23と圧接ローラ22との間を、空転ローラ23を回し、圧接ローラ22より摩擦力を受けながら通過する。この際に、紙幣が2枚以上重送されてきた場合には、下側2枚目以降の紙幣を圧接ローラ22の摩擦力により停止させ、最上位にある紙幣のみが通過する。さらにこの際には、紙幣が圧接ローラ22と空転ローラ23との間で詰まることがないように、座屈防止ベルト25の摩擦力により最上位にある紙幣を出金方向へ案内する。これにより紙幣は、圧接ローラ22上を滑って1枚だけ取り出される。即ち紙幣は1枚に分離される。
【0055】
さらに、1枚に分離された紙幣の出金方向の端部は、取出ローラ21によりさらに押され、ピンチローラ27a、27bに到達する。ピンチローラ27a、27bに到達した紙幣は、ピンチローラ27aの搬送速度で引き抜かれる。さらに紙幣収納金庫1は、引き抜かれた紙幣がタイミングセンサ29を遮ると、取出ローラ21の駆動を停止する。
【0056】
駆動を停止された第1の取出ローラ21aは、回転も停止し、次の紙幣が連れられて出て行くのを防止する。即ち紙幣は、第1の取出ローラ21aから摩擦力を受けながらピンチローラ27aに引き抜かれる。また駆動を停止された第2の取出ローラ21bは、第2の取出ローラ21bと取出ローラ軸21cとの間に嵌合されたワンウェイクラッチにより、ピンチローラ27aに引き抜かれた紙幣の他端(後端)がローラーニップ点(ローラが紙幣を押さえている点)を通過するまで、紙幣によって連れ回りされる。
【0057】
そして、紙幣収納金庫1は、タイミングセンサ29が再び投光になると即ち紙幣がタイミングセンサ29を通過すると、再び取出ローラ21を回転駆動し、次紙幣の出金を開始する。紙幣収納金庫1は、以上で説明した動作を繰り返すことで1枚ずつ紙幣を出金する。さらに、紙幣収納金庫1は、所定枚数の紙幣が出金されると、集積台11を再び上昇させ、第1の所定の力の所定の変動範囲内で取出ローラ21を紙幣に付勢し続ける。これにより継続して紙幣を出金することができる。
【0058】
次に、図7、図9を参照して、紙幣収納金庫1の紙幣の入金動作を説明する。入金動作の際には、紙幣収納金庫1は、腰付ローラスライドモータ35を、リンク機構36の1部をポジションセンサ35bが検知するまで回転させ、取出ローラ21、上側腰付ローラ31、下側腰付ローラ32、羽根車33を入金ポジションにする。これにより、取出ローラ21は上方に退避し、上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32が接触して凸部31aと凹部32aとが噛み合う。
【0059】
また、紙幣収納金庫1は、不図示の搬送装置により空転ローラ軸23aとピンチローラ軸27cとが出金時と逆方向に駆動され、空転ローラ軸23aはR2’方向(R2と逆方向)、ピンチローラ軸27cは入金方向即ち図中R4’方向(R4と逆方向)にそれぞれ回転する。このとき空転ローラ軸23aは、空転ローラ23と上側腰付ローラ31をR2’方向に回転駆動する。空転ローラ23は、圧接ローラ22をこの回転に従動する方向即ち図中R3’方向(入金方向)に回転させる。さらに上側腰付ローラ31は、下側腰付ローラ32と羽根車33をこの回転に従動する方向(図7(b)中反時計方向)即ち入金方向に回転させる。
【0060】
またピンチローラ軸27cは、ピンチローラ27aとタイミングプーリ25bをR4’方向に回転駆動する。さらにピンチローラ27aは、ピンチローラ27bをこの回転に従動する方向即ち図中R5’方向に回転させる。また、タイミングプーリ25bは、座屈防止ベルト25とタイミングプーリ25aを従動する方向に回転駆動する。このとき、座屈防止ベルト25の下側の外周面25cは、入金方向に駆動される。即ち、これらは搬送装置と同期して駆動される。
【0061】
次に、紙幣収納金庫1は、搬送装置により搬送されてきた紙幣をピンチローラ27a、27bにより受け取る。受け取られた紙幣は、入金方向にピンチローラ27aに押されるようにして搬送される。そして、紙幣は、ピンチローラ27aに押されながら座屈防止ベルト25に案内され、上側腰付ローラ31とに到達する。紙幣は、上側腰付ローラ31と下側腰付ローラ32とを通過することで腰が付けられる。これにより紙幣に直進性が付与される。この際には、紙幣は、紙幣がピンチローラ27a、27bに挟持されいる間には、ピンチローラ27a、上側腰付ローラ31、空転ローラ23の駆動力により搬送され、それ以降には、上側腰付ローラ31、空転ローラ23の駆動力により搬送される。
【0062】
さらに、紙幣は、入金方向の端部(先端)がビートレバー15に案内されながら、羽根車33により他端(後端)が押さえつけられ、集積台11上に集積、収納される。これにより紙幣は、例えば立った状態で収納されたりすることなく集積台11上に整列して集積される。紙幣収納金庫1は、以上で説明した動作を繰り返すことで1枚ずつ紙幣を集積台11に集積する。
【0063】
以上のように、紙幣収納金庫1は、紙幣の取出口(出金口)と取込口(入金口)とを共有できるだけでなく、紙幣の取出機構と取込機構とも共有できるので小型化できるだけでなく、紙幣処理装置での設置空間効率を高めることができる。
【0064】
図1に戻って、出金機100についてさらに説明する。
搬送部130は、紙幣収納金庫1のおよそ上部に配置され、識別部104と紙幣収納金庫1とに接続されており、紙幣収納金庫1と識別部104との間を、正逆方向に紙幣を搬送するものである。搬送部130は、複数のローラと、このローラに巻回された不図示のベルトと、搬送モータ131とを含んで構成されている。搬送モータ131は、正転、逆転可能に構成されており、この正転、逆転により、搬送部130の搬送方向を変えることができる、即ち紙幣収納金庫1と識別部104との間を、正逆方向に紙幣を搬送できる。本実施の形態では、搬送モータ131には、ステッピングモータを用いる。搬送部130は、紙幣をベルトに挟持して搬送するように構成されている。なお、図示では、搬送部130は屈曲部のローラのみを示し、細部のローラ及び搬送ベルトの表示を省略している(図示は搬送経路)。
【0065】
搬送部130は、搬送経路の中間に第1の分岐部130aを有しており、第1の分岐部130aで分岐して千円収納金庫102と、万円収納金庫103とにそれぞれ接続されている。第1の分岐部130aには、ローラ132と、ローラ132に沿って振分爪133が設けられている。振分爪133はロータリーソレノイド134に取り付けられ、揺動可能に構成されている。搬送部130で搬送される紙幣は、振分爪133により、第1の分岐部130aで千円収納金庫102と万円収納金庫103とに振り分けて搬送できる。
【0066】
さらに、搬送部130は、搬送経路の第1の分岐部130aと千円収納金庫102との間に第2の分岐部130bを有している。搬送部130は、第2の分岐部130bで分岐して補充リジェクト庫107に接続されている。第2の分岐部130bには、ローラ135と、ローラ135に沿って振分爪136が設けられている。振分爪136はロータリーソレノイド137に取り付けられ、揺動可能に構成されている。搬送部130で搬送される紙幣は、振分爪136により、第2の分岐部130bで補充リジェクト庫107に振り分けて搬送できる。
【0067】
ここで、図10の模式的斜視図を参照して、第1の分岐部130aについてさらに説明する。(a)に示すように、初期状態では振分爪133は、振分爪133の先端部133dがローラ132に側に倒れている。この状態の場合には、搬送経路は、図示のようにおよそ直線方向である。この際、搬送される紙幣は、振分爪133の背側133aを通過する。
【0068】
また(b)に示すように、搬送経路を切換える場合には、ロータリーソレノイド134(図1参照)を励磁することで振分爪133が揺動させる。振分爪133は、回転軸133cを中心に揺動する。また揺動の方向は、振分爪133の先端部133dがローラ132から離れる方向である(図中矢印方向)。これにより、ローラ132と振分爪133との間に間隙が形成される。この状態の場合には、搬送経路は、図示のようにローラ132の円周上を沿う方向である。この際、搬送される紙幣は、振分爪133の腹側133bを通過する。
【0069】
以上では、第1の分岐部130aについて説明したが、第2の分岐部130b、後述の搬送部140の第3の分岐部140a、第4の分岐部140bも同様の構成である。
【0070】
識別部104は、出金機100のおよそ中央部に配置され、端部104a、104bにそれぞれ搬送部130、搬送部140が接続されており、搬送部130、搬送部140により搬送される紙幣を識別する。識別部104は、搬送部130、140により搬送される紙幣、即ち出金機100から出金、回収する紙幣及び出金機100に補充する紙幣の金種の識別(例えば千円札か一万円札か)、紙幣の重送、搬送されている紙幣間のピッチが短くないか(ショートピッチ)、紙幣が斜め送りになっていないか(スキュー)を識別するものである。
【0071】
搬送部140は、搬送部130のおよそ上方に配置され、識別部104と出金リジェクト庫108とに接続されており、識別部104と出金リジェクト庫108との間を、正逆方向に紙幣を搬送するものである。搬送部140は、複数のローラと、このローラに巻回された不図示のベルトと、搬送モータ141とを含んで構成されている。搬送モータ141は、正転、逆転可能に構成されており、この正転、逆転により、搬送部140の搬送方向を変えることができる、即ち識別部104と出金リジェクト庫108との間を、正逆方向に紙幣を搬送できる。本実施の形態では、搬送モータ141には、ステッピングモータを用いる。搬送部140は、搬送部130と同様に、紙幣をベルトに挟持して搬送するように構成されている。なお図示では、搬送部130と同様に、搬送部140は屈曲部のローラのみを示し、細部のローラ及び搬送ベルトの表示を省略している(図示は搬送経路)。
【0072】
また、搬送部140は、搬送経路の中間に第3の分岐部140aを有しており、第3の分岐部140aで分岐して出金部105に接続されている。第3の分岐部140aには、ローラ142とローラ142に沿って振分爪143が設けられている。振分爪143はロータリーソレノイド144に取り付けられ、揺動可能に構成されている。搬送部140で搬送される紙幣は、振分爪143により、第3の分岐部140aで出金リジェクト庫108と出金部105とに振り分けて搬送できる。
【0073】
さらに、搬送部140は、搬送経路の第3の分岐部140aと出金リジェクト庫108との間に第4の分岐部140bを有している。搬送部140は、第4の分岐部140bで分岐して、補充・回収金庫106に接続されている。第4の分岐部140bには、ローラ145と、ローラ145に沿って振分爪146が設けられている。振分爪146はロータリーソレノイド147に取り付けられ、揺動可能に構成されている。搬送部140で搬送される紙幣は、振分爪146により、第4の分岐部140bで出金リジェクト庫108と補充・回収金庫106とに振り分けて搬送できる。
【0074】
さらに、搬送部130と搬送部140とは、それぞれ備えられたステッピングモータ131とステッピングモータ141とにより同期して駆動される。これにより、搬送部130、140は、紙幣を円滑に搬送することができる。さらにこのようにすることで、搬送部130、140は、複数の搬送部を機械的に同期させ、1つのモータで駆動するのと比較して、機械的に同期させる機構(例えばタイミングベルト、ギヤなど)が必要なく、各々の機械的構成を単純化することができるので、小型で軽量なものとすることができる。また、搬送部130と搬送部140とは、機械的に独立した構成となるので、保守が容易になる。
【0075】
また、搬送部130、搬送部140は、前述した紙幣収納金庫1に接続される搬送装置でもある。即ち、千円収納金庫102と万円収納金庫103は搬送部130に、補充・回収金庫106は搬送部40にそれぞれ搬送速度と搬送方向が同期している。搬送部130、搬送部140の紙幣の搬送速度は、共に1.6m/sである。
【0076】
出金部105は、出金機100のおよそ左上部に配置され、搬送部140が接続されている。出金部105は、利用者に紙幣を出金するものである。出金部105は、紙幣を取り込む取込部105aと、紙幣を集積する集積部105bと、集積部105bに収納された紙幣を抜き取ることを禁止するためのシャッター部105cとを含んで構成される。取込部105aは、取込ローラ151と、取込ローラ151に対向して配置された腰付ローラ152と、腰付ローラ152の同軸上に取り付けられた羽根車153と、取込ローラ151を回転させるためのモータ154とを有する。
【0077】
集積部105bは、紙幣集積コンベア105dと、紙幣搬送コンベア105eと、回動可能に構成され、紙幣を案内するためのビートレバー155と、集積された紙幣を検出するための1対の透過型センサ158と、紙幣集積コンベア105dを上昇させるためのモータ159と、紙幣集積コンベア105dが上位置にあることを検出するセンサ160と、紙幣集積コンベア105dが下位置にあることを検出するセンサ161とを有する。紙幣集積コンベア105dは、1対のローラ156と、ローラ156に巻回されたベルト157とから構成される。また紙幣搬送コンベア105eは、1対のローラ162と、ローラ162に巻回された搬送ベルト163とから構成される。紙幣搬送コンベア105eは、紙幣集積コンベア105dの上方に対向して設置されている。
【0078】
紙幣集積コンベア105d、紙幣搬送コンベア105eは、取込ローラ151から駆動が伝達される。集積部105bは、紙幣集積コンベア105dと紙幣搬送コンベア105eとの間に集積された紙幣を、紙幣集積コンベア105dを上昇させることにより狭持してシャッター部105cに搬送する。また集積部105bは、集積部105b内の紙幣の残留を検知するための1対の透過型センサ168を有している。
【0079】
シャッター部105cは、利用者に出金した紙幣を受け渡す受渡口105fと、昇降により受渡口105fを開閉可能なシャッター164と、シャッター164を昇降するモータ165と、シャッター164の閉鎖位置(上限位置)を検出するセンサ166と、シャッター164の開放位置(下限位置)を検出するセンサ167とを有する。またシャッター部105cは、受渡口105fからの紙幣の抜き取りを検出するための1対の透過型センサ169とを有する。
【0080】
補充・回収金庫106は、出金機100のおよそ右側中央部に配置され、搬送部140が接続されている。補充・回収金庫106は、基本的に紙幣収納金庫1と同一の構成であるが、前述の収納部10の収納金庫扉の代わりに図中右側面に、容易に開閉可能に構成された開閉扉106aを有している。補充・回収金庫106は、この開閉扉106aを開けることで、出金機100に補充する紙幣を入れたり、回収した紙幣を取り出したりできるので簡便である。さらに開閉扉106aは、補充リジェクト庫107に集積された紙幣を、再度補充・回収金庫106に補充し直す場合等に簡便である。
【0081】
補充リジェクト庫107は、紙幣を補充する際に識別不良になった紙幣(以下、補充リジェクト紙幣という)を回収するものであり、補充・回収金庫106の下方に配置され、搬送部130が接続されている。補充リジェクト庫107は、取込ローラ181と、取込ローラ181に対向配置された腰付ローラ182と、腰付ローラ182と同軸に設けられた羽根車183と、回動可能に構成され、取り込まれた紙幣を案内するビートレバー184と、補充リジェクト庫107に集積された紙幣の満杯状態を検知する検出スイッチ185と、集積された紙幣を検出するための1対の透過型センサ187とを有している。
【0082】
また補充リジェクト庫107は、図中右側面に、容易に開閉可能に構成された開閉扉188を有しており、開閉扉188を開けることで補充リジェクト庫107内に集積された紙幣を取り出せる。開閉扉188は、補充リジェクト庫107に集積された紙幣を、再度補充・回収金庫106に補充し直す場合等に簡便である。またビートレバー184は、回動可能に構成されている。補充リジェクト庫107には、約100枚の紙幣が集積可能に構成されている。
【0083】
出金リジェクト庫108は、紙幣を出金する際に識別不良になった紙幣(以下、出金リジェクト紙幣という)を回収するものである。出金リジェクト庫108は、補充・回収金庫106の上方に配置され、搬送部140が接続されている。出金リジェクト庫108は、取込ローラ191と、取込ローラ191に対向配置された腰付ローラ192と、腰付ローラ192と同軸に設けられた羽根車193と、回動可能に構成され、取り込まれた紙幣を案内するビートレバー194と、出金リジェクト庫108に集積された紙幣の満杯状態を検知する検出スイッチ195と、集積された紙幣を検出するための1対の透過型センサ197とを有している。
【0084】
また出金リジェクト庫108は、図中右側面に、容易に開閉可能に構成された開閉扉108aを有しており、開閉扉108aを開けることで出金リジェクト庫108内に集積された紙幣を取り出せる。さらに出金リジェクト庫108は、電磁ロック196を有している。出金リジェクト庫108は、電磁ロック196により開閉扉108aを閉鎖状態にロックできる。これにより、出金リジェクト庫108は、集積された紙幣を勝手に取り出すことができないので、安全性の向上を図ることができる。出金リジェクト庫108には、約200枚の紙幣が集積可能に構成されている。
【0085】
図1を参照して、出金機100の出金動作の作用について説明する。出金動作は、利用者に紙幣を出金する際に、千円収納金庫102、万円収納金庫103にそれぞれ収納された紙幣を出金する。出金機100は、一万円札、千円札のそれぞれについて出金枚数が決定されると、まず、必要な枚数の一万円札を万円収納金庫103により1枚ずつ繰り出す。この際に、搬送部130は、第1の分岐部130aのロータリーソレノイド134を励磁することで振分爪133が揺動し、ローラ132と振分爪133との間に間隙を形成する。即ち、搬送部130は、万円収納金庫103から識別部104までの搬送経路を形成する(搬送経路を万円収納金庫3側に切換える)。
【0086】
次に、万円収納金庫103は、前述した紙幣収納金庫1の出金動作により、一万円札を1枚ずつ出金する。そして、出金された一万円札は万円収納金庫103から搬送部130に受け渡される。
【0087】
搬送部130に受け渡された一万円札は、搬送部130により、第1の分岐部130aを経由して識別部104に搬送され、識別部104により識別される。搬送部140は、識別部104で一万円札であることが識別されると、第3の分岐部140aのロータリーソレノイド144を励磁することで振分爪143が揺動し、ローラ142と振分爪143との間に間隙を形成する。即ち、搬送部140は、識別部104から出金部105までの搬送経路を形成する。そして一万円札は、搬送部140により、識別部104から第3の分岐部140aを経由して、ローラ142と振分爪143とに案内され、出金部105へと搬送される。
【0088】
また、識別部104で一万円札であることが識別されなかった場合には、搬送部140は、振分爪143を揺動させないことで、識別部104から出金リジェクト庫108までの搬送経路を形成する。出金リジェクト紙幣は、搬送部140により、識別部104から第3の分岐部140aを経由して、振分爪143の背に沿って出金リジェクト庫108へと搬送され、出金リジェクト庫108に受け渡される。
【0089】
出金リジェクト庫108は、出金リジェクト紙幣を取込ローラ191と腰付ローラ192との間を通過させることにより、出金リジェクト紙幣に腰が付与され、ビートレバー194に沿って出金リジェクト紙幣の先端が案内され、羽根車193の回転により出金リジェクト紙幣の後端が押さえつけられる。これにより、出金リジェクト紙幣は、例えば立ったりすることなく出金リジェクト庫108に集積される。
【0090】
搬送部140により搬送されてきた一万円札は、出金部105の取込部105aに受け渡される。取込部105aは、一万円札を取込ローラ151と腰付ローラ152との間を通過させることにより、一万円札に腰が付与され、ビートレバー155に沿って一万円札の先端が案内され、羽根車153の回転により一万円札の後端が押さえつけられる。これにより、一万円札は、例えば立ったりすることなく集積部105bに集積される。
【0091】
以上のようにして、出金機100は、1枚ずつ、必要な枚数の一万円札を万円収納金庫103より繰り出して、出金部105の集積部105bに集積する。さらに、万円収納金庫103は、収納された一万円札が全て繰り出された場合には、透過型センサ18(図2参照)が一万円札の残量がないことを検出する。
【0092】
出金機100は、必要な枚数の一万円札を出金部105に集積すると、次に、必要な枚数の千円札を千円収納金庫102により1枚ずつ繰り出す。この際に、搬送部130は、振分爪133を揺動して、千円収納金庫102から識別部104までの搬送経路を形成する(搬送経路を千円収納金庫102側に切換える)。
【0093】
次に、千円収納金庫102は、万円収納金庫103と同様に、前述した紙幣収納金庫1の出金動作により、千円札を1枚ずつ出金する。そして、出金された千円札は千円収納金庫102から搬送部130に受け渡される。
【0094】
搬送部130に受け渡された千円札は、搬送部130により、第2の分岐部130b、第1の分岐部130aを経由して識別部104に搬送され、識別部104により識別される。搬送部140は、識別部104で千円札であることが識別されると、第3の分岐部140aのロータリーソレノイド144が励磁することで、振分爪43が揺動し、ローラ142と振分爪143との間に間隙を形成する。即ち、搬送部140は、識別部104から出金部105までの搬送経路を形成する。そして千円札は、搬送部140により、識別部104から第3の分岐部140aを経由して、ローラ142と振分爪143とに案内され、出金部105へと搬送される。また出金リジェクト紙幣は、前述と同様にして出金リジェクト庫108に集積される。
【0095】
搬送部140により搬送されてきた千円札は、出金部105の取込部105aに受け渡される。そして一万円札と同様に集積部105bに集積される。出金機100は、一万円札と同様にして、1枚ずつ、必要な枚数の千円札を千円収納金庫102より繰り出して、集積部105bの一万円札の上に集積する。ここで、一万円札を千円札より先に即ち下に集積するのは、一万円札の方が千円札よりも大きいので、後述の出金の際に一万円札と千円札の集積状態が上から見て一目瞭然だからである(逆の場合には一万円札の下に千円札が隠れてしまう。)。
【0096】
出金機100は、一万円札、千円札を必要な枚数ずつ集積部105bに集積すると、シャッター部105cのモータ165によりシャッター164を開放する。そして、集積部105bのモータ159により紙幣集積コンベア105dを上昇させ、集積部105bに集積された紙幣を紙幣集積コンベア105dと紙幣搬送コンベア105eとの間に挟持して、一括して受渡口105fから機外へ出金する。出金された紙幣は、利用者により取り去られる。この際、紙幣集積コンベア105d上に紙幣が残留している場合には、透過型センサ168により放出異常が検出される。また、紙幣の取り忘れがあった場合には、透過型センサ169により取り忘れが検出される。
【0097】
次に、出金機100の紙幣の補充動作の作用について説明する。補充動作は、例えば千円収納金庫102、万円収納金庫103に収納された紙幣が不足した際に、千円収納金庫102、万円収納金庫103のそれぞれに紙幣を補充する場合に行なう。まず、補充・回収金庫106の開閉扉106aを開け、補充すべき金種の紙幣を補充・回収金庫106に集積する。出金機100は、例えば出金機100を管理している管理者により、補充を開始する旨の指示が入力されると、搬送部140の第4の分岐部140bのソレノイド147を励磁してローラ145と振分爪146との間に間隙を形成する。即ち、搬送部140は、補充・回収金庫106から識別部104までの搬送経路を形成する。
【0098】
そして、千円収納金庫102と万円収納金庫103は、前述した紙幣収納金庫1の入金動作に入る。また、補充・回収金庫106は、前述した紙幣収納金庫1の出金動作により、紙幣(千円札、一万円札)を1枚ずつ出金する。そして、出金された紙幣は補充・回収金庫106から搬送部140に受け渡される。受け渡された紙幣は、搬送部140により、第4の分岐部140b、第3の分岐部140aを経由して識別部104に搬送される。
【0099】
識別部104は、搬送部140により搬送されてきた紙幣を、千円札、一万円札、識別できない紙幣(補充リジェクト紙幣)の3種類を識別する。千円札であると識別された場合には、搬送部130を経由して千円収納金庫102に集積される。一万円札であると識別された場合には、搬送部130の振分爪133により識別部104から万円収納金庫103までの搬送経路が形成される。そして、一万円札は、万円収納金庫103に集積される。
【0100】
また、補充リジェクト紙幣の場合には、搬送部130の振分爪136により識別部104から補充リジェクト庫107までの搬送経路が形成される。補充リジェクト紙幣は、搬送部130により補充リジェクト庫107へ搬送される。補充リジェクト庫107は、補充リジェクト紙幣を取込ローラ181と腰付ローラ182との間を通過させることにより、補充リジェクト紙幣に腰が付与され、ビートレバー184に沿って補充リジェクト紙幣の先端が案内され、羽根車183の回転により補充リジェクト紙幣の後端が押さえつけられる。これにより、補充リジェクト紙幣は、例えば立ったりすることなく補充リジェクト庫107に集積される。
【0101】
また、紙幣の補充は、千円収納金庫102、万円収納金庫103にそれぞれ設けられた不図示の扉を開けて直接補充することもできる。
【0102】
そして、出金機100の紙幣の回収動作の作用について説明する。回収動作は、例えば1日の締めきりに、千円収納金庫102、万円収納金庫103のそれぞれに集積された紙幣を回収する場合に行なう。紙幣の回収は、出金動作の場合とほぼ同様な作用となるが、出金部105に集積するのではなく、補充・回収金庫106に集積する点で異なる。出金機100は、例えば管理者により、回収を開始する旨の指示が入力されると、搬送部140の第4の分岐部140bのソレノイド147を励磁してローラ145と振分爪146との間に間隙を形成する。即ち、搬送部140は、識別部104から補充・回収金庫106までの搬送経路を形成する。
【0103】
また、搬送部130は、回収する紙幣の金種によって第1の分岐部30aの振分爪133により搬送経路を切換える。一万円札を回収する場合には、搬送部130は、振分爪133により、万円収納金庫103から識別部104までの搬送経路を形成する。また、千円札を回収する場合には、千円収納金庫102から識別部104までの搬送経路を形成する。
【0104】
また、補充・回収金庫106は、回収動作(前述した紙幣収納金庫1の入金動作と同じ動作)に入る。そして、千円収納金庫102、又は万円収納金庫103は、前述した紙幣収納金庫1の出金動作により、紙幣(千円札、一万円札)を1枚ずつ出金する。そして、出金された紙幣は搬送部130に受け渡される。受け渡された紙幣は、搬送部130、搬送部140により補充・回収金庫106へと搬送される。補充・回収金庫106は、紙幣を集積する。
【0105】
以上のように、紙幣収納金庫1から紙幣を出金する場合には、紙幣収納金庫1から出金された紙幣を搬送部130により搬送し、識別部104により識別する。そして搬送部140により搬送して、出金部105に集積された後に利用者に出金する。また、補充・回収金庫106から紙幣を補充する場合には、補充・回収金庫106から出金された紙幣を搬送部140により搬送し、識別部104により識別する。そして搬送部130により搬送して、紙幣収納金庫1に集積する。さらに、補充・回収金庫106に紙幣を回収する場合には、紙幣収納金庫1から出金された紙幣を搬送部130により搬送し、識別部104により識別する。そして搬送部140により搬送して、補充・回収金庫106に紙幣を回収する。このように、出金機100は、搬送部130、140により、紙幣を紙幣収納金庫1から出金部105へ搬送する搬送経路と、補充・回収金庫106と紙幣収納金庫1との間を搬送する搬送経路とを共有するので、搬送経路をそれぞれ別に設ける必要がなく、装置の小型化を図ることができる。
【0106】
以上のように本実施の形態の出金機100は、出金時の搬送経路と補充・回収時の搬送経路とを共有するように構成したため、それぞれを別に設けた場合に比べて配置効率がよいので小型の出金機100を提供することができる。また、出金の際に識別できなかった紙幣を出金リジェクト庫108に収納できるので、出金の際に識別できない紙幣が存在した場合でも、出金機100の稼動を必ずしも中止することがなく、稼動を継続することができるので運用効率が高い。さらに、補充の際に識別できなかった紙幣を補充リジェクト庫107に収納できるので、補充の際に識別できない紙幣が存在した場合でも、出金機100の稼動を必ずしも中止することがなく、稼動を継続することができるので運用効率が高い。出金機100は、千円収納金庫102と万円収納金庫103との2つの紙幣収納金庫1を設けたので、千円札と一万円札を扱うことができ、通常の出金の全てを行うことができるので運用効率が高い。
【0107】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、紙幣を収納する収納金庫と、前記収納金庫から出金される紙幣を識別する識別部と、前記収納金庫に紙幣を補充し、または前記収納金庫から紙幣を回収する補充・回収金庫と、前記収納金庫と前記補充・回収金庫との間で前記識別部を介して紙幣を搬送する搬送手段であって、前記紙幣の補充と回収の際に前記紙幣を同一経路上で正逆方向に移送するように構成された搬送手段とを備えるので、小型で、運用効率の高い紙幣処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る出金機を説明する模式的縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る紙幣収納金庫の正面図である。
【図3】図2に示す紙幣収納金庫の繰出取込部を説明する斜視図である。
【図4】図2に示す紙幣収納金庫の繰出取込部を説明する図である。
【図5】図2に示す紙幣収納金庫のタイミングプーリと座屈防止ベルトを説明する(a)斜視図、(b)A矢視図である。
【図6】図2に示す紙幣収納金庫の繰出取込部の腰付ローラを説明する斜視図である。
【図7】図2にす紙幣収納金庫の繰出取込部の出金ポジションおよび入金ポジションを説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る紙幣収納金庫の出金動作の作用を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る紙幣収納金庫の入金動作の作用を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る出金機の搬送部の第1の分岐部を説明する模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 紙幣収納金庫
10 収納部
11 集積台
20 繰出取込部
21 取出ローラ
22 圧接ローラ
23 空転ローラ
24 事前分離ブロック
25 座屈防止ベルト
27a、27b ピンチローラ
28 座屈防止ガイド
31 上側腰付ローラ
32 下側腰付ローラ
33 羽根車
35 腰付ローラスライドモータ
36 リンク機構
100 出金機
102 千円収納金庫
103 万円収納金庫
104 識別部
105 出金部
106 補充・回収金庫
107 補充リジェクト庫
108 出金リジェクト庫
130 搬送部
140 搬送部

Claims (5)

  1. 紙幣を収納する収納金庫と;
    前記収納金庫から出金される紙幣を識別する識別部と;
    前記収納金庫に紙幣を補充し、または前記収納金庫から紙幣を回収する補充・回収金庫と;
    前記収納金庫と前記補充・回収金庫との間で前記識別部を介して紙幣を搬送する搬送手段であって、前記紙幣の補充と回収の際に前記紙幣を同一経路上で正逆方向に移送するように構成された搬送手段とを備え;
    前記収納金庫及び前記補充・回収金庫は、前記紙幣を収納する収納部と、回転により前記紙幣を取り出し方向及び取り込み方向に搬送する駆動方向が可変のピンチローラと、前記収納部に収納された紙幣を回転により取り出して前記ピンチローラへ搬送する取出ローラと、前記取り込み方向に搬送される前記紙幣に、上側腰付ローラと噛み合って直進性を付与する下側腰付ローラと、前記紙幣を押さえることにより前記紙幣を前記収納部に収納する羽根車と、前記取出ローラ、前記下側腰付ローラ及び前記羽根車を同時に移動させるリンク機構とを有し;
    前記リンク機構は、
    前記取出ローラを前記収納部に収納された紙幣を付勢可能な位置に、前記下側腰付ローラを前記上側腰付ローラから離反した位置に、及び前記羽根車を前記紙幣が搬送される搬送面から飛び出さない位置にするポジションと、
    前記取出ローラを前記付勢可能な位置から退避した位置に、前記下側腰付ローラを前記上側腰付ローラと接触する位置に、及び前記羽根車を前記搬送面より出没する位置にするポジションとを切り替えるように構成された;
    紙幣処理装置。
  2. 前記収納金庫から出金された紙幣が識別不良であるときに、該紙幣を回収する出金リジェクト庫を備える、
    請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記補充・回収金庫から補充された紙幣が識別不良であるときに、該紙幣を回収する補充リジェクト庫を備える、
    請求項1又は請求項2に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記収納金庫が少なくとも第1の収納金庫と第2の収納金庫とを含んで構成されている、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の紙幣処理装置と;
    前記識別部で識別された紙幣を出金する出金部とを備える;
    紙幣出金装置。
JP2001356010A 2001-11-21 2001-11-21 紙幣処理装置および紙幣出金装置 Expired - Fee Related JP4034552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001356010A JP4034552B2 (ja) 2001-11-21 2001-11-21 紙幣処理装置および紙幣出金装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001356010A JP4034552B2 (ja) 2001-11-21 2001-11-21 紙幣処理装置および紙幣出金装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003157458A JP2003157458A (ja) 2003-05-30
JP4034552B2 true JP4034552B2 (ja) 2008-01-16

Family

ID=19167609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001356010A Expired - Fee Related JP4034552B2 (ja) 2001-11-21 2001-11-21 紙幣処理装置および紙幣出金装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4034552B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5187167B2 (ja) * 2008-12-02 2013-04-24 沖電気工業株式会社 媒体処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003157458A (ja) 2003-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7036650B2 (en) Sheet accepting apparatus and recycler
JP5169612B2 (ja) 紙葉類処理装置
JPS58221486A (ja) 入出金装置
JPH0479037B2 (ja)
WO2007114361A1 (ja) 硬貨入出金機
JP5010168B2 (ja) 硬貨搬送装置
JP2009151703A (ja) 紙幣処理装置
JP4034552B2 (ja) 紙幣処理装置および紙幣出金装置
JP2010244288A (ja) 紙葉類取扱装置
JPH0329710B2 (ja)
JP2003155158A (ja) 紙葉類収納庫および紙葉類処理装置
JP5329259B2 (ja) 紙葉類取扱装置
JP2002053234A (ja) 紙葉類送出装置
JP4374724B2 (ja) 紙幣処理装置
JPH0450637B2 (ja)
JP2914463B2 (ja) 紙幣入出金装置
JP2009007113A (ja) 紙葉類繰込繰出装置
JP3714915B2 (ja) 紙幣収納処理装置
JPH0322201Y2 (ja)
JPH0672590A (ja) 紙幣処理装置
JPH089819Y2 (ja) 紙幣処理装置
JPH07100570B2 (ja) 紙葉類のブロック搬送装置
JPH08249519A (ja) 紙幣収納処理方法及びその装置
JPH0511236Y2 (ja)
JPS58220043A (ja) 紙葉類の集積・取出し装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071025

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4034552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees