JP3714915B2 - 紙幣収納処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、搬送手段によって搬送された紙幣を収納する紙幣収納処理装置に係り、特に紙幣貯留室内において前進、後退するように移動自在となし、収納スタッカ用ベルトの旋回力によって紙幣を押圧積層することのできるスタッカユニットを有した紙幣収納処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコ遊技を始めとする遊技産業の技術発達は目を見張るものがあり、近時500円硬貨はもとより紙幣でも使用可能な台間玉貸機が提供され、その中の紙幣台間玉貸機を設置する遊技店の売り上げも急速に延びている。このため、紙幣台間玉貸機を設置したパチンコ遊技店においては千円札の準備や使用頻度が増してきている。千円札を使用する紙幣台間玉貸機を遊技島に配設したパチンコ遊技店においては、紙幣台間玉貸機に投入された千円札を遊技島の端部に設けた島管理ボックス内の所謂「スタッカ」と呼ばれる紙幣収納装置で貯留するように成したものがある。
一方、五千円札や一万円札の高額紙幣は、両替機によって千円札に両替してから使用しているのが現状である。この両替機において両替中止(紙幣不足)のときは、上記スタッカに貯留した千円札を店員が取り出し、この取り出した千円札を両替機に運んで補充したり、スタッカに両替機を併設して内部で機械的に移送させることにより紙幣台間玉貸機から回収した千円札を再利用している。この回収貯留した紙幣を再利用するための作業は店員が行っていた。また、昨今、島管理ボックスに両替機能を備えたもの(紙幣処理装置)も提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、店員がスタッカから両替機へ紙幣を移し換えるのは面倒な作業である。また、島管理ボックスと両替機とを並設した装置が既に開発されているが、この従来装置は構造が複雑であった。そして、従来装置においては、積層した紙幣の厚みが変化すると、紙幣を押え付けている押圧手段の付勢力が変動するので動作が安定せずに確実性が乏しかった。また、積層した紙幣を取り出す際には上記押圧手段が邪魔になって作業が困難であった。更に、構造が複雑なためトラブルが発生した場合の修復が厄介であり、装置自体の大型化が避けられない。本発明は上記に鑑み提案されたもので、構成が簡単で確実な動作と作業性のよい紙幣収納処理装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した発明は、利用者によって投入された紙幣を、紙幣貯留室内で積層して貯留する紙幣収納処理装置において、3個所以上に配置したプーリ間に紙幣の幅より若干狭い間隔で無端状に張設し、紙幣を紙幣貯留室へ移送するスタッカ用ベルトと、紙幣貯留室において上記移送されてきた紙幣を整列積層する紙幣押出機構を備え、一側をスライドセンター軸に沿って、他側を支承レールに沿って移動可能に構成したスタッカユニットと、を備え、上記スタッカユニットの両側部に移動プーリを設け、張設する上記スタッカ用ベルトを上記スタッカユニットの内部に通して、上記プーリに張架した上記スタッカ用ベルトがそのプーリを中心にして回転する旋回力により、上記スタッカユニットが整列積層した紙幣に向けて押圧する紙幣収納処理装置である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の一実施形態について説明する。尚、遊技機の一例としてパチンコ機2を配設したパチンコ店における紙幣収納処理装置について説明するが、スロットマシン等、他の遊技機を配設した遊技店に適用する場合も同様であり、また金融機関やその他紙幣を取り扱う場所においても容易に適用可能である。
【0006】
パチンコ機2を列設した遊技島1は、図1に示すように、パチンコ機2の間に紙幣台間玉貸機3を配設すると共に、島内部に搬送手段として複数連結した紙幣搬送装置4が収設してある。尚、遊技島1の内部には、幕板11や腰板12で隠れているがパチンコ玉の補給樋や回収樋、硬貨の回収装置等が設けてある。また、図1には、上記回収樋で回収した球を研磨しながら補給樋へ揚送する揚送装置13が描いてある。
【0007】
そして、上記のような遊技島1の端部には、紙幣の貯留及び両替を行うために用いる本発明に係る紙幣収納処理装置5が設けてある。
【0008】
前記紙幣台間玉貸機3は、投入された紙幣及び硬貨の金額に見合う球数の貸玉を払い出す。このため、紙幣台間玉貸機3は、図示していないが、内部には投入した紙幣の正偽又は金種を識別する紙幣識別機及び硬貨識別機を備えると共に、投入金額に応じた額分のパチンコ玉を計数する貸玉計数機構等を備えている。また、紙幣台間玉貸機3は、列設するパチンコ機2の間のスペースを有効に活用するため、紙幣を起立させた状態、即ち縦位置で紙幣を挿入させるように縦方向に開設した紙幣挿入口31を備えており、該紙幣挿入口31に連設して紙幣識別機は縦位置において紙幣の真贋を識別するように構成してある。
【0009】
上記のような構成の紙幣台間玉貸機3を配設する遊技島1は、通常、背中合わせに2列のパチンコ機2を列設して構成してあり、紙幣台間玉貸機3も背中合わせに配設してある(図2参照)。そして、両側の各紙幣台間玉貸機3に挿入された紙幣は、遊技島1の内部に一条に配設する紙幣搬送装置4によって島端に設ける紙幣収納処理装置5に向けて搬送される。
【0010】
前記したような紙幣台間玉貸機3に縦位置で投入された紙幣は、紙幣搬送装置4によって縦位置状態のまま、即ち起立した状態において紙幣収納処理装置5へ搬送される。この紙幣搬送装置4は、例えば無端ベルトとプーリー或はローラとによって、紙幣の長手方向を挟持して搬送するように構成してある。そして、この紙幣搬送装置4の端部を、後述する伸縮機構61により紙幣収納処理装置5に連絡させている。
【0011】
遊技島1の端部に設置した紙幣収納処理装置5は、例えば図3に示すように、縦長なほゞ直方体をなす外ケース51を有すると共に、内部に後述する紙幣貯留装置6や両替払出機7等を設けた内ケース56を備えている。上記外ケース51は開閉可能な前扉52を有し、この前扉52には高額紙幣挿入口71と、低額紙幣払出口72とが設けてある。また、上記前扉52の下側には、球箱等を収納可能な載置部53が形成してある。更に、外ケース51の天板上には、表示灯54が設けてあり、装飾ばかりではなく、トラブル等の時、店員の呼び出し表示等を行っている。
【0012】
上記外ケース51の内部に収設する内ケース56は、上下二層に形成した略同形の箱状の部材であって、上層側には紙幣貯留装置6を形成すると共に、下層側には両替払出機7を形成してある。そして、上層側の紙幣貯留装置6の上面部分を開閉可能に形成し、内部に貯留した紙幣を取り出したり、両替用の準備金を充填可能なように構成する。この実施形態によれば、内ケース56の上面に比較的大きな開口部を設け、この開口部にヒンジを有する中折れ蓋57を設けている。従って、この中折れ蓋57を開放すると、紙幣貯留装置6に貯留した紙幣を取り出したり、両替用の準備金を充填することができる。また、万一、紙幣貯留装置6に故障が発生したときには、中折れ蓋57を開放して復旧作業を行うことができるし、日常のメンテナンスを行うこともできる。
【0013】
一方、内ケース56の下層側には、引き出し形式に構成した紙幣繰出機構付の両替払出機7が設けてある。この両替払出機7の詳細な説明は省略するが、内ケース56の内側にスライド受部58を設けると共に、両替払出機7の側板部分にスライドレール59を設け、両者を遊合させることによって当該両替払出機7を前後方向にスライド可能に構成してある。従って、両替払出機7を手前へ引き出せば内部のメンテナンス作業等を容易に行うことができるように成している。
【0014】
また、両替払出機7のパネル73には低額紙幣払出口72が開設してある。この低額紙幣払出口72は、図示の実施形態によれば、所定の枚数が紙幣繰出機構によりトレイ部72a上に紙幣を払い出し、トレイ部72aの折曲片72bにより紙幣の飛び出しが阻止される。そこで、利用者は、このトレイ部72aに載った両替後の低額紙幣を受け取ればよい。尚、上記トレイ部72aの下方には後述するようにミスカウントした紙幣を溜める紙幣保留部74が形成してあり、この紙幣保留部74に溜った紙幣は施錠装置75を開放することにより取り出せるようになっている。
【0015】
一方、上記内ケース56に隣接して、高額紙幣のスタッカ55が設けてある(図5参照)。この高額紙幣のスタッカ55は、両替する高額紙幣、即ち一万円札及び五千円札を挿入するために前扉52に設けた前記高額紙幣挿入口71に連通している。また、図示していない紙幣識別機551を通過した高額紙幣を、金種別で縦方向に夫々貯留するスタック部55a,55bを備えている。尚、図示の実施形態では、貯留した高額紙幣を取り出し易いように、上記スタック部55a,55bを回動可能に構成している。
【0016】
従って、前記したような外ケース51及び内ケース56によって構成する紙幣貯留装置6や両替払出機7、並びに高額紙幣のスタッカ55部等を備える紙幣収納処理装置5は、紙幣の取り出し作業や補充作業、或はメンテナンス作業が極めて容易であると共に、盗難等のセキュリティー面での安全性が高い。
【0017】
図6は、本発明における紙幣の流れを説明する模式図である。即ち、遊技者が貸玉を受けるために紙幣台間玉貸機3へ投入した低額紙幣(千円札)はスタッカ付両替機(紙幣貯留装置6)の紙幣貯留室に一時貯留され、高額紙幣(一万円札、或は五千円札)を千円札に両替するために再利用される。そして、遊技者が五千円札或は一万円札を紙幣収納処理装置5で千円札に両替し、その両替した紙幣を紙幣台間玉貸機3に投入して貸玉を受け取り、その紙幣は再び紙幣収納処理装置5内へ戻る。つまり、千円札が遊技店内で還流していることになる。
【0018】
上記紙幣が還流する流れの中で、遊技者が紙幣台間玉貸機3に挿入した紙幣は起立状態で移動する。このため、紙幣の姿勢が乱れることがなく、貯留するために積層した状態にあっても紙幣の縁が奇麗に揃う。従って、両替紙幣として再使用する際にカウントミス等が発生し難い。
【0019】
次に、上記のような処理を実行可能な紙幣収納処理装置5の詳細を説明する。先ず、紙幣の受入部分、即ち内ケース56と紙幣搬送装置4の端部との連結部分には伸縮機構61が設けられている。この伸縮機構61は、遊技島1の島の長さによって異る紙幣搬送装置4の長さズレを吸収するためのものである。このため、図示の実施形態においては、例えば図7以下に示すように、内ケース56に対してスライド可能な伸縮部材611を備えている。
【0020】
この伸縮部材611は、紙幣搬送装置4によって起立した状態で搬送されてきた紙幣が通過可能なように内部に縦長な通過空間612を有するほゞ箱枠状の部材であって、側面に伸縮ガイドが形成してある。一方、上記伸縮ガイドに対応して内ケース56には、ガイド受を形成する。また、上記伸縮部材611の上面には、当該伸縮部材611の前後位置を規制するためのネジ棒613を設ける。従って、このネジ棒613を回動させることによって、内ケース56から突出する伸縮部材611の突出量が変位する。そこで、伸縮部材611の前端部分が紙幣搬送装置4の端部に当接するように上記突出量を調整しておく。尚、前記通過空間612の入口には、紙幣を円滑に誘導するために曲面形状に形成したガイド部材が設けてある。
【0021】
上記のような伸縮部材611によれば、紙幣搬送装置4の最終端部での微調整を行うことができ、紙幣搬送装置4と紙幣収納処理装置5との間に隙間が生じて紙幣がこぼれ落ちる虞れがない。また、紙幣貯留装置6と両替払出機7の何れかでトラブルが発生した場合、スライドレールを介して上記両装置をスライドさせて引き出し、修復作業を行った後、上記両装置をそのまま押し込めば紙幣搬送装置4との連結が行われるため、店員による修復時の作業時間が著しく短縮される。
【0022】
上記伸縮部材611の下流には、前記紙幣搬送装置4によって送り込まれる紙幣引込機構62が位置する。この紙幣引込機構62は、図10のように引込モータ621を駆動源として作動し、上記引込モータ621に歯車機構622を介して連絡する引込駆動ローラ623と、引込従動ローラ624及び引込挟着ローラ625a,625bと、各ローラ間に張設する引込ベルト626を主な構成部材として構成されている。そして、この紙幣引込機構62は、引込口627に設けた一対の挟着ローラで、紙幣搬送装置4から送り込まれる紙幣を挟み込むことにより紙幣収納処理装置5内に引き込むように構成してある。即ち、図11に図示したように前記伸縮部材611の下流側に位置する引込駆動ローラ623と引込従動ローラ624と駆動側挟着ローラ625aとの間に引込ベルト626を張設すると共に、該駆動側挟着ローラ625aに対応する従動側挟着ローラ625bが設けてある。そこで、上記引込駆動ローラ623を歯車機構622を介して引込モータ621によって回転駆動すると、この引込駆動ローラ623に圧触している引込ベルト626が進行して駆動側挟着ローラ625aも回転する。そして、紙幣搬送装置4から起立した状態で送り込まれた紙幣は、先端を両引込挟着ローラ625a,625bの間に挟まれて後述する紙幣通路63内に引き込まれていく。
【0023】
紙幣通路63は、上記引込ベルト626、及びこの引込ベルト626に適宜な間隔を隔てて対峙するガイド壁631によって形成されている。そして、この紙幣通路63は、後述する移送用ベルト等によって形成する紙幣移送路641に連通する。尚、紙幣通路63は、起立状態にある紙幣が通過可能な高さを有すると共に、起立した紙幣が倒れない幅になっている。そして、図示の実施形態では、前記引込機構62を構成する引込ベルト626や各ローラ623,624,625a,625bは、紙幣通路63の中段、換言すると、紙幣の高さ方向のほゞ中央に位置するように構成してある。しかし、上記引込ベルト626や各ローラ623等は、紙幣の上縁付近及び下縁付近を挟着するように上下2段に構成してもよいし、或は紙幣の中段も合わせて挟着するように3段に構成するなど、必要に応じて適宜変更可能である。
【0024】
上記紙幣通路63を構成するためのガイド壁631は、図示の実施形態では、紙幣の進行方向を変更するように湾曲している。また、上記紙幣通路63の前方には、通常は紙幣を後述する紙幣移送路641へ誘導するように閉止している切替ゲート642が設けてある。そして、この切替ゲート642は、下流側で何等かのトラブルが発生した場合に、当該切替ゲート642をゲートソレノイド等を駆動源として開放し、前記したようにして引き込んだ紙幣を紙幣移送路641へ送り出すことなく、側方へ排出するように構成してある。
【0025】
そこで、切替ゲート642が閉じた通常の状態のときに紙幣通路63へ引き込まれた紙幣は、当該切替ゲート642に誘導されて紙幣移送路641へ送り込まれる。一方、切替ゲート642が開いた状態では、紙幣通路63に引き込まれた紙幣は当該紙幣通路63を直進して開放する切替ゲート642から内ケース56の外部で且つ外ケース51の内側に形成した一時貯留部へ排出される。
【0026】
また、上記紙幣通路63には、例えば一対のフォトセンサによって構成した引込センサ628を臨ませ、紙幣の通過ないし停留を検出確認する。更に、上記切替ゲート642の開閉状態はゲートセンサ643によって監視している。
【0027】
次に、上記紙幣通路63に連通する紙幣移送路641は紙幣移送機構64によって形成される。この紙幣移送機構64は、前記内ケース56の紙幣引込機構62の側方に形成した駆動機構収納部65内に設けた駆動モータ66を駆動源とする。また、この駆動モータ66に駆動機構を介して連絡した移送ベルトによって構成する。そして、図示の実施形態では、上記移送ベルトを移送用ベルト69及びスタッカ用ベルト87によって形成している。尚、実施形態では、移送用ベルト69に平ベルトを用い、スタッカ用ベルト87に丸ベルトを用いているが、両ベルトを共に平ベルト又は丸ベルトにしてもよいし、或は他のベルトの組合せとしてもよい。
【0028】
上記駆動機構収納部65は、内ケース56の一部を仕切壁651によって区画して形成する。尚、この仕切壁651は、後述する紙幣貯留機構8の基準面821を形成している。即ち、紙幣貯留室の奥壁を形成している。そして、上記駆動モータ66の出力軸には、第1移送用駆動プーリ661を有する第1移送用駆動ギヤ662を設ける。また、この第1移送用駆動ギヤ662には従動ギヤを噛合させる。尚、上記駆動ギヤと従動ギヤの歯数を同数として、両ギヤが等速で回転するように構成する。また、上記従動ギヤは紙幣貯留機構8の貯留用駆動ギヤ81となる。
【0029】
前記した紙幣通路63の下流端付近、即ち切替ゲート642付近に移送用回動軸67を設け、該移送用回動軸67には第1移送用従動プーリ671を設ける。そして、前記第1移送用駆動ギヤ662の第1移送用駆動プーリ661と上記第1移送用従動プーリ671との間にタイミングベルトからなる駆動力伝達ベルト663を張設する。また、上記移送用回動軸67には、第2移送用駆動プーリ672を設ける。
【0030】
一方、上記移送用回動軸67に対応する移送用従動軸68を、内ケース56の側縁に沿う紙幣移送路641を形成する位置に適宜な間隔をおいて設ける。この移送用従動軸68には第2移送用従動プーリ681を設ける。そして、上記移送用回動軸67の第2移送用駆動プーリ672と移送用従動軸68の第2移送用従動プーリ681との間に移送用ベルト69を張設する。尚、上記移送用ベルト69はタイミングベルトによって形成してあるが、丸ベルト等で形成してもよい。
【0031】
図示の実施形態によれば、上記第2移送用駆動プーリ672及び第2移送用従動プーリ681並びに移送用ベルト69は、起立状態にある紙幣の上縁付近及び下縁付近に位置するように、各プーリを紙幣の上下幅より若干狭い間隔で設定した上下2段に形成し、これらの各プーリに移送ベルトを張設して上下2段に形成してある。
【0032】
上記第2移送用駆動プーリ672及び第2移送用従動プーリ681ないし移送用ベルト69と協働して紙幣を当該移送用ベルト69の駆動方向に移送するための移送用テンションローラ561を設ける。この移送用テンションローラ561は、内ケース56の側面にヒンジを介して開閉可能に設けた側面扉562に設けてある(図8参照)。従って、この側面扉562を閉止した状態のときは、上記移送用ベルト69と移送用テンションローラ561との間に紙幣を挟持して、当該紙幣を移送用ベルト69の進行方向に移送する。一方、側面扉562を開放したときは、移送用ベルト69と移送用テンションローラ561との挟着が解かれるので、紙幣を移送することはできない。尚、側面扉562の開閉状態を検出するための扉開閉センサ563が設けてある。この扉開閉センサ563は例えばリミットスイッチによって構成する。そして、上記側面扉562の開閉機構により、後述の紙幣転向ガイド564付近で紙幣が方向転換する際にトラブルが発生しても、容易に紙幣を取り除くことができる。
【0033】
上記第2移送用従動プーリ681の周囲には紙幣転向ガイド564を設け、移送される紙幣をUターンさせる。即ち、紙幣移送路641をU字状に形成する。このための紙幣転向ガイド564は、紙幣が通過可能な間隔を開けて第2移送用従動プーリ681の側方にほゞ半円形に形成する。尚、実施形態では、この紙幣転向ガイド564を分割して、片半部分を前記した側面扉562に形成し、他半部分を内ケース56側に形成している。
【0034】
上記のような構成の紙幣移送機構64においては、引込口627から取り込んだ紙幣は、起立状態のまま第2移送用駆動プーリ672、前記した引込機構62の引込従動ローラ624及び移送用ベルト69並びに移送用テンションローラ561の作用によって挟持されて第2移送用従動プーリ681方向に移送される。そして、紙幣が第2移送用従動プーリ681の位置に達すると、当該紙幣は紙幣転向ガイド564によって進行方向をUターンさせて紙幣貯留室の方向へ導くように成している。
【0035】
紙幣収納処理装置5を収設する内ケース56には、前記紙幣移送機構64と合わせて紙幣貯留機構8を設ける。この紙幣貯留機構8は、前記した紙幣移送機構64と駆動源を共有すると共に、後述する紙幣を整列積層するためのスタッカユニット83を前進させて積層状態を維持する前進力を獲得している。
【0036】
内ケース56には、紙幣貯留部82を形成すると共に、ほゞ紙幣より一回り大きなと大きさに形成したスタッカユニット83が設けられている。上記紙幣貯留部82は、図示の実施形態によれば、前記した駆動機構収納部65を区画する仕切壁651を紙幣貯留機構8の基準面821、即ち紙幣の貯留を開始する起立面としている。また、この紙幣貯留部82は、前記した紙幣移送機構64の側方に位置する。一方、スタッカユニット83は、図13のように、基準面821に対して収納した紙幣の貯留量に応じて徐々に平行移動可能、且つスリップ可能に構成し、基準面821方向、即ち最後に積層した紙幣の正面に向けて移送ベルトの旋回力によって前進可能に構成する。
【0037】
スタッカユニット83は、積層した紙幣が崩れないように適度な押圧力で基準面821方向に前進すると共に、紙幣貯留部82内を前後方向に平行移動可能なように構成する。このため、図9の実施形態においては、スタッカユニット83の一側に、スライド支持板831を設けると共に、このスライド支持板831にガイドローラ832を設けている。
【0038】
一方、内ケース56の一側にはスライドベース833を固定状に形成し、このスライドベース833にスライドセンター軸834を設ける。そして、このスライドセンター軸834を前記ガイドローラ832によって挟持させる。従って、スタッカユニット83の一側がスライドセンター軸834によって移動可能に且つ抵抗なく支承される。
【0039】
また、スタッカユニット83の他側を、前記した紙幣移送機構64の上方に設けた支承レール841上を転動する支承ローラ842によって前後方向に移動可能に支承させる。従って、スタッカユニット83は、外力が加わると基準面821に対する平行度を保ちながらスムーズに移動可能である。そこで、例えば紙幣貯留室が満杯になって紙幣を取り出すときには、スタッカユニット83を手前に軽く引けばスリップするように成してあり、紙幣を取り出した後、手を離せば元の位置に前進して戻るように駆動されている。
【0040】
上記のようにして紙幣貯留部82において、言わば浮かんだ状態にあるスタッカユニット83の内部には、後述する紙幣を押し出す紙幣押出機構85を収設する。また、貯留する紙幣量の増減に伴って、積層した紙幣に対する適度な押圧力を保つため、スタッカユニット83を前進可能に構成する。
【0041】
先ず、スタッカユニット83について説明する。このスタッカユニット83の前面側、即ち紙幣を積層する側は、紙幣よりも若干大きな面積を有しているが、縁部を残して内側に紙幣よりも若干小さな開口部を備えている。そして、この開口部には、後述する紙幣押出機構85の紙幣押出板851が臨む。また、上記開口部の上下縁には、溝状に形成した紙幣待機溝が設けてあり、紙幣の上縁及び下縁が係止する。
【0042】
スタッカユニット83内部の紙幣押出機構85について説明する。スタッカユニット83は、例えば図11,図12,図13に示すように、上記紙幣押出板851を備えると共に、この紙幣押出板851を駆動するための押出駆動源を備える。紙幣押出板851は、一端をスタッカユニット83の後方基板836に摺動自在に枢着すると共に中点を回動自在に軸着されたクロスアーム852によって支承される。尚、クロスアーム852の他端も摺動自在に紙幣押出板851に枢着されている。また、上記クロスアーム852は、紙幣押出板851の上縁側と下縁側とに設けてある。
【0043】
そして、上記紙幣押出板851には長孔853aを有するカム板853を設ける。一方、押出駆動源としての紙幣押出モータ854には駆動ピン855aを偏心位置に有する駆動片855を設け、上記長孔853aに駆動ピン855aを遊合させる。そこで、紙幣押出モータ854を一回転させると、紙幣押出板851が一往復する。尚、上記紙幣押出板851が所定の位置に正しく戻ってきたか否か、換言すると移送されてきた紙幣を紙幣待機溝に受入可能か否かは、紙幣押出板851をスタック確認センサ856による検出によって行っている。
【0044】
従って、上記紙幣待機溝に紙幣が係止した状態のときに、紙幣押出モータ854を駆動すると、紙幣押出板851が前進するので紙幣の係止が外れて一番後ろに積層された紙幣の後方に押し出される。
【0045】
次に、積層した紙幣の状態を維持する作用について説明する。この作用は、前記した紙幣移送機構64と協働して働く紙幣貯留機構8におけるスタッカ用ベルト87の作用によって行われ、紙幣移送機構64と紙幣貯留機構8は共通の駆動源によって駆動される。
【0046】
また、上記紙幣移送機構64と紙幣貯留機構8は、3個所以上に配置したプーリ間に移送ベルトを無端状に張設すると共に上記移送ベルトを旋回させる駆動源を設けて、起立状態で投入された紙幣を起立状態のまま紙幣貯留室へ移送するように構成した紙幣移送手段となる。そこで、紙幣貯留機構8は、間隔をおいた内ケース56の部位である四隅の一つ、前記したスライドセンター軸834の基端側に立設した第1貯留用固定軸861と、他の一隅であるスライドセンター軸834の先端側に立設した第2貯留用固定軸862と、前記した紙幣移送装置の紙幣転向ガイド564の近傍に立設した第3貯留用固定軸863とを備える。また、上記各貯留用固定軸861,862,863には、後述するスタッカ用ベルト87の向きを変える第1スタッカ用従動プーリ871、第2スタッカ用従動プーリ872、及び第3スタッカ用従動プーリ873を夫々設ける。更に、前記駆動機構の駆動ギヤに噛合する従動ギヤ、即ち紙幣貯留用駆動ギヤ81と、上記第1貯留用固定軸861に設けた貯留用駆動プーリとの間にタイミングベルトよりなる貯留用駆動ベルト88を張設する。尚、各従動プーリは、前記した紙幣移送機構64の各プーリ及びベルトに対応して上下2段に設けてある。
【0047】
一方、スタッカユニット83の一側、即ち支承ローラ842を設けた側には、第1移動プーリ891を設ける。また、スタッカユニット83の他側、即ち前記ガイドローラ832を設けたスライド支持板831には第2移動プーリ892を設ける。そして、上記各従動プーリ871,872,873及び各移動プーリ891,892の間にスタッカ用ベルト87を掛け渡す。尚、図示の実施形態においては、スタッカ用ベルト87は丸ベルトによって形成してある。また、第2移動プーリ892は、第1スタッカ用従動プーリ871と第2スタッカ用従動プーリ872の外形線を結ぶ線よりも若干内側に位置して、スタッカ用ベルト87にテンションを加え易くしている。
【0048】
上記のように張設したスタッカ用ベルト87は、第1移動プーリ891と第3スタッカ用従動プーリ873との間で、前記した紙幣移送機構64の紙幣移送用ベルト69と当接する。そして、この当接部分においては、紙幣を挟持することができる。
【0049】
第1移動プーリ891の近傍には、紙幣をスタッカユニット83の前面側へ誘導する誘導片835を設ける。この誘導片835の先端は、前記移送用ベルト69の内側位置へ若干延出している。従って、スタッカ用ベルト87と紙幣移送用ベルト69との間に挟持されて移送されてきた紙幣の先端をスタッカユニット83の前面側へ誘導することができる。尚、図示の実施形態では、この紙幣誘導片835を、後述する紙幣押出板851が前進したときの位置とほゞ揃う前端面を有すると共に、紙幣の後端を揃えることのできる側端面を有する外側誘導片835aと、紙幣の先端が摺接して紙幣の進行方向を変化させる誘導面を有する内側誘導片835bとを組み合せて構成してある。
【0050】
また、上記第1移動プーリ891に対峙する位置にはキックプーリ893を設け、紙幣誘導片835によって進路を変更された紙幣を挟持可能に構成する。尚、このキックプーリ893の回転軸は、上記外側誘導片835aと内側誘導片835bとの間に位置している。
【0051】
ところで、一般に紙幣貯留装置は、積層した紙幣の姿勢を保つために押圧手段が必要であり、従来はこの押圧手段としてバネや重錘等を用いていた。このため、従来の紙幣貯留装置は、その構造が複雑なために大型となり重量も重く、積層した紙幣を取り出す際には、上記押圧力に抗して行わなければならなかった。従って、紙幣の取り出し作業は面倒な作業であるし、修復時などでは余計な労力を必要としていた。また、上記押圧力が変動すると、紙幣が乱れて、紙幣の端が奇麗に揃わない。このため、両替用紙幣として再使用する際にミスカウントの原因となっていた。
【0052】
そこで、本発明では、特別に押圧手段を設けることなく、紙幣を移送するために設けた紙幣移送機構64におけるスタッカ用ベルト87の旋回力を利用することによって、積層した紙幣の姿勢を保持する前進力を得ている。即ち、前記した上下2本の紙幣移送用ベルト69と上下2本を周回したスタッカ用ベルト87を、共通の駆動源である駆動モータ66の回転により所定方向に駆動すると、紙幣を紙幣通路63及び紙幣移送路641を通して移送することができると共に、スタッカユニット83が積層した紙幣に向けて前進する。これは、スタッカユニット83が平行移動自在に懸承されていると共に、当該スタッカユニット83の中にスタッカ用ベルト87が挿通されているので、このスタッカ用ベルト87によってスタッカユニット83自身が駆動されるためと考えられる。そして、本発明においては、平行移動自在なスタッカユニット83自身で積層した紙幣を押えることができるので、構造が極めて簡単となる。
【0053】
尚、上記実施形態では、紙幣移送用ベルト69とスタッカ用ベルト87とをほゞ同じ高さ位置に配設して、当該紙幣移送用ベルト69とスタッカ用ベルト87とを互いに接触させ、両ベルト69,87の間に紙幣を挟着して移送するように構成してあるが、紙幣移送用ベルト69とスタッカ用ベルト87との高さを異らせ、両ベルト69,87が直接接触していなくても、紙幣を移送することができる。また、スタッカユニット83はスタッカ用ベルト87の駆動によって当該スタッカユニット83を積層した紙幣に向けて前進させる力を得ているので、紙幣の積層状態を維持しておくことができる。
【0054】
次に、上記のような構成の紙幣収納処理装置5の動作(収納するまでの紙幣の流れ)を説明する。先ず、遊技者が紙幣台間玉貸機3に投入した紙幣(千円札)は、遊技島1内部の紙幣搬送装置4によって遊技島1の端部まで搬送される。尚、上流から搬送中の紙幣に、下流側の紙幣台間玉貸機3から合流する紙幣が重ならないように、合流点付近には合流するタイミングを制御するエスクロ機能が設けられている。
【0055】
紙幣搬送装置4によって最下流端に搬送された紙幣は、紙幣収納処理装置5の引込口627から装置内に取り込まれ、引込センサ628によって検出される。次いで、この紙幣は、ガイド壁631によって紙幣移送路641へ誘導される。尚、紙幣の移送先において、何等かの異常、例えば、中折れ蓋57や側面扉562が開いていたり、紙幣が途中で詰まった場合には、切替ゲート642を開いて、紙幣を側方へ排出する。上記中折れ蓋57の開閉は例えばリミットスイッチ等よりなる蓋位置センサ571によって検出するように構成してある。
【0056】
更に紙幣が紙幣通路63を進行していくと、移送用ベルト69の終端付近で紙幣転向ガイド564によってUターンさせられ、移送用ベルト69とスタッカ用ベルト87に挟まれてスタッカユニット83の紙幣誘導片835の位置に達する。この紙幣誘導片835の位置に達した紙幣は、当該紙幣誘導片835の作用によって、進行方向をほゞ90度変更され、紙幣待機溝に沿って先端が紙幣貯留部82の側板823に当接する所定の位置まで進む。尚、この紙幣が所定位置に達したことは、この実施形態では当該紙幣の端を端検出センサ101によって検出することによって確認している。
【0057】
紙幣が所定の待機位置に達した検出により、紙幣押出モータ854を駆動して紙幣押出板851を前進させる。すると、紙幣と紙幣待機溝との係止が外れて最新の紙幣が最後に積層した紙幣の後側に加わる。このとき、紙幣押出板851による反動があるが、この反動はスタッカユニット83が若干後退することによって吸収される。従って、紙幣の積層状態が乱れることがない。
【0058】
上記のような動作を繰り返して、新しく移送された紙幣を既に積層した紙幣の後側へ順次加えていくと、積層した紙幣の厚みが増していく。しかし、このスタッカユニット83は、前記したように、紙幣収納処理装置5が稼動中は、スタッカ用ベルト87の旋回方向に伴う前進力が得られている。従って、貯留した紙幣の量によって、上記紙幣誘導片835の位置が変動するが、紙幣に対する押圧力は変動しない。即ち、常に同じ押圧力によって紙幣の積層状態を維持しておくことができる。
【0059】
やがて、積層した紙幣が増加して収納した紙幣の厚みの増し分でスタッカユニット83が徐々に後退していくと、紙幣貯留部82がこれ以上貯留できない状態になってしまう。そこで、本発明では、満杯センサ102を設け、この満杯センサ102によってスタッカユニット83の後退位置を検出している。そして、この満杯センサ102の作動によって、積層した紙幣を取り除くように表示又は報知して、当該紙幣収納処理装置5の稼動を一時停止させ、満杯になった紙幣を取り除く。このとき、スタッカユニット83を手前に引けば当該スタッカユニット83がスタッカ用ベルト87に対してスリップするため一旦後退する。そして、スタッカユニット83が後退した状態では紙幣を容易に取り出すことができ、紙幣を取り出した後、手を離せばスタッカユニット83が元の状態に復帰する。
【0060】
一方、本発明の紙幣収納処理装置5は下方に紙幣繰出機構を備えた両替払出機7を並設している。従って、遊技店の営業中は、常にある程度の千円札のストックが必要である。そこで、積層した紙幣が減少したときに作動する準備金センサ103が設けてあり、貯留した紙幣が所定量以下に減少したときに、信号を発して紙幣の補充を促すようになっている。
【0061】
上記した一連の動作をフローチャートに示すと、図14のようになる。即ち、ステップ(以下、Sと略記する)1で、紙幣搬送装置4から紙幣の受渡しを受け、S2で紙幣引込機構62の作動により紙幣を引き込み、S3ではこの引き込んだ紙幣が通過したか否かを引込センサ628で監視し、通過しない場合はエラー処理へ分岐する。
【0062】
通過した紙幣は、S4で紙幣移送機構64によってスタッカユニット83へ移送される。スタッカユニット83では、端検出センサ101により紙幣の後端を検出する。このS5において紙幣の後端を検出できない場合は、紙幣が正しく紙幣待機溝に送られてきていないので、エラー処理へ分岐する。S6では紙幣待機溝に送り込まれた紙幣を待機させ、S7では紙幣の後端を検出後、所定時間例えば1秒のウエイトタイムを設ける。この所定時間経過後、S8で紙幣押出機構85の紙幣押出モータ854をオンする。
【0063】
上記紙幣押出モータ854がオンすると紙幣押出板851が前進し、既に積層されている紙幣の後側に紙幣待機溝にあった紙幣が追加され、S9において紙幣の収納を終了する。そして、S10で上記紙幣押出モータ854をオフして一連の動作を終了する。
【0064】
そして、上記した一連の動作の制御は、後述する両替払出機7を含めて、図15ないし図17のブロック図に示すように、CPUで構成する紙幣収納処理装置5の制御装置を中心にして行われる。
【0065】
また、本発明の紙幣収納処理装置5は、高額紙幣を低額紙幣に両替することができる。即ち、一万円札及び五千円札を千円札に両替することができ、この両替用の千円札を紙幣台間玉貸機3に挿入された千円札で賄うことができる。この両替は紙幣貯留装置6の下方に設けた両替払出機7によって行う。
【0066】
この両替払出機7は、図16に示すように、紙幣収納処理装置5を介して高額紙幣のスタッカ55と互いに諸情報の交換を行う。また、図17に示すように、高額紙幣のスタッカ55は、高額スタッカビルバリ(識別機)を備えると共に、五千円札を貯留するための五千円スタックモータ及び一万円札を貯留するための一万円スタックモータを備えており、当該スタッカ55が備えるCPUを中心とする制御装置によって制御される。また、上記各紙幣の識別信号及びスタックモータの駆動信号は、紙幣収納処理装置の制御装置に送信され、諸情報を交換する。
【0067】
そして、上記両替払出機7は、紙幣貯留部82に連通する通過口から紙幣繰出機構の紙幣払出モータに連結した紙幣送りローラ111によって送られる紙幣を、カウントしながら所定枚数を一旦溜め、この所定枚数揃った紙幣を押出モータの駆動によりトレイ部72aへ押し出して利用者に供給する。即ち、一万円札を千円札に両替する場合は10枚、五千円札ならば5枚を、当該両替払出機7の内部に形成した準備位置に一旦溜める。このときの枚数は、センサによって検出され、不足ならば、分岐手段を切り換えて不足のままの紙幣が外部に出ないように、紙幣保留部74へ誘導する。尚、この実施形態においては、カムの切り替えによって、所定枚数に達しない紙幣を内部に留保させている。
【0068】
また、紙幣貯留装置6から両替払出機7に紙幣を送り込む紙幣払出モータには、紙幣貯留部82の基準面821に設けた通過口に臨む送りローラ111を連結してある。そして、この送りローラ111の回転によって、最先の紙幣、即ち一番最初に収納された古い紙幣から下方に送り込むように構成してある。このため、紙幣貯留部82にいつまでも同じ紙幣が停留することがなく、常に紙幣を循環させることができる。
【0069】
また、本発明の紙幣収納処理装置5は、高額紙幣を低額紙幣に両替することができる。即ち、一万円札及び五千円札を千円札に両替することができ、この両替用の千円札を紙幣台間玉貸機3に挿入された千円札で賄うことができる。この両替は紙幣貯留装置6の下方に設けた両替払出機7によって行う。
【0070】
上記両替払出機7は、紙幣貯留部82に連通する通過口から紙幣繰出機構の紙幣送りローラ111によって送られる紙幣を、カウントしながらトレイ部72aに所定枚数溜める。即ち、一万円札を千円札に両替する場合は10枚、五千円札ならば5枚を溜める。このときの枚数は、センサによって検出され、不足ならば、トレイ部72aの分岐手段を切り換えて不足のままの紙幣が外部に出ないように、分岐手段の切り替えによって紙幣を紙幣保留部74へ誘導する。尚、この実施形態においては、カムの切り替えによって、所定枚数に達しない紙幣を内部に留保させている。
【0071】
紙幣貯留装置6から両替払出機7に紙幣を送り込むには、紙幣貯留部82の基準面821に設けた通過口に送りローラ111を設け、この送りローラ111の回転によって、最先の紙幣を下方に送り込むように構成してある。
【0072】
以上本発明を図面の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、図示の実施形態においては、各プーリを固定軸に軸着しているが、テンションプーリとすることもできる。
【0073】
【発明の効果】
以上要するに請求項1に記載した紙幣収納処理装置によれば積層状態の紙幣を保持するための押圧力をスタッカ用ベルトから得ることができるので、構造が簡単で且つ動作の安定した紙幣収納処理装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙幣収納処理装置を配設した遊技島の一部欠截正面図である。
【図2】遊技島の一部欠截斜視図である。
【図3】本発明に係る紙幣収納処理装置の斜視図である。
【図4】紙幣収納処理装置内の紙幣の流れを示す模式図ある。
【図5】両替払出機における紙幣の流れを示す模式図である。
【図6】紙幣収納処理装置と紙幣台間玉貸機との間の紙幣の流れを示す模式図である。
【図7】紙幣収納処理装置の一部を欠截した概略斜視図である。
【図8】側面扉を開放すると共に両替払出機の引き出し位置を示した紙幣収納処理装置の一部を欠截した概略斜視図である。
【図9】紙幣収納処理装置の正面図である。
【図10】紙幣貯留装置の要部を示す斜視図である。
【図11】紙幣貯留装置の要部を示す平面図であって、スタッカユニットの紙幣押出板が後退した通常位置にある状態を示す。
【図12】紙幣貯留装置の要部を示す平面図であって、スタッカユニットの紙幣押出板が前進して紙幣を押し出した状態を示す。
【図13】紙幣押出機構の斜視図である。
【図14】紙幣を貯留する際のフローチャートである。
【図15】紙幣収納処理装置における制御系のブロック図である。
【図16】紙幣収納処理装置と高額紙幣のスタッカと両替払出機との関係を示すブロック図である。
【図17】紙幣収納処理装置と高額紙幣のスタッカとの関係を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 遊技島
2 パチンコ機
3 紙幣台間玉貸機
31 紙幣挿入口
4 紙幣搬送装置
5 紙幣収納処理装置
6 紙幣貯留装置
611 伸縮部材
64 紙幣移送機構
66 駆動モータ
69 移送用ベルト
7 両替払出機
8 紙幣貯留機構
82 紙幣貯留部
83 スタッカユニット
832 ガイドローラ
834 スライドセンター軸
841 支承レール
842 支承ローラ
85 紙幣押出機構
87 スタッカ用ベルト
Claims (1)
- 利用者によって投入された紙幣を、紙幣貯留室内で積層して貯留する紙幣収納処理装置において、
3個所以上に配置したプーリ間に紙幣の幅より若干狭い間隔で無端状に張設し、紙幣を紙幣貯留室へ移送するスタッカ用ベルトと、
紙幣貯留室において上記移送されてきた紙幣を整列積層する紙幣押出機構を備え、一側をスライドセンター軸に沿って、他側を支承レールに沿って移動可能に構成したスタッカユニットと、
を備え、
上記スタッカユニットの両側部に移動プーリを設け、張設する上記スタッカ用ベルトを上記スタッカユニットの内部に通して、上記プーリに張架した上記スタッカ用ベルトがそのプーリを中心にして回転する旋回力により、上記スタッカユニットが整列積層した紙幣に向けて押圧することを特徴とする紙幣収納処理装置。
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