JP5187167B2 - 媒体処理装置 - Google Patents
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図1において、1は媒体処理装置としての紙幣処理装置であって、金融機関の店舗等に設置される自動取引装置に内蔵され、媒体としての紙幣の収納や繰出しを行う。
2は紙幣投入部であり、媒体としての紙幣を一定枚数の束の状態であっても投入可能で、かつ出金取引において一括して出金するための紙幣入出金口を備えると共に、その紙幣入出金口に投入された紙幣を1枚づつに分離して繰出す繰出部3を備えており、上記の構成によって投入された紙幣を繰出す機能を有している。
6は鑑別部であり、紙幣投入部2から搬送路5によって搬送された紙幣の真偽、正損、金種等を鑑別する。
8は返却集積部であり、鑑別部6によって金種不明や偽券等のリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を集積する。また返却集積部8は集積した紙幣を返却するための排出口9を有している。
10は金種別紙幣収納部であり、複数のカセットを有し、それぞれのカセットに予め定められた金種の紙幣を収納する。
図2において、20は搬送ベルトであり、可撓性を有しており、2つの搬送ローラ21a、21bに巻きかけられる無端状のベルトである。
搬送ローラ21a、21bは、一方(ここでは搬送ローラ21aとする。)が図示しない駆動源からの駆動力が伝達されて回転し、他方(搬送ローラ21b)は搬送ベルト20の回転駆動により回転するように設けられており、そのため図示しない駆動源の駆動により搬送ローラ21aが回転するとその回転に従動するように搬送ベルト20が回転すると共に、搬送ローラ21bも回転するようになる。
23a、23bは従動ローラであり、搬送ローラ21a、21bと対向配置されて弾性部材24により、搬送ローラ21a、21bを押圧して搬送ローラ21a、21bに従動し、搬送ベルト20を介して紙幣を挟持して搬送する。
ガイド26は、その台形部26dが搬送ベルト20と接触を避けて搬送ベルト20の内周側に突出、つまりオーバーラップし、かつ搬送ベルト20の搬送方向の中間に該当する箇所で台形部26dの円弧がなす山形の頂点が位置するように設けられている。
ここで、紙幣と搬送ベルト20との摩擦係数をμ1とし、紙幣とガイド26との摩擦係数をμ2、紙幣同士の摩擦係数をμ3とした場合に、μ1>μ2>μ3となるように、搬送ベルト20およびガイド26を形成する樹脂材料が定められる。
上述した構成の作用について説明する。
入金取引等の取引で顧客が紙幣投入部2の投入口に紙幣を一括して投入すると、紙幣投入部2によって投入された紙幣を搬送路5に繰出していき、搬送路5によって紙幣を鑑別部6へと搬送する。
そして、顧客が図示しない表示入力部で投入した紙幣の金額の確認等を行って金額確定の入力を行ったときに、一時保管部7に保管した紙幣を金種別紙幣収納部10へと搬送して金種ごとに収納する。
搬送路5による紙幣の搬送の様子について説明する。
搬送ローラ21aと従動ローラ23aに挟持された紙幣は更に搬送され、図3(b)に示すようにその前端部がガイド26の台形部26dに差し掛かると、紙幣下面の両端部がガイド26によって支持される。
そして紙幣は、図3(d)に示すように前端部からガイド26の台形部26dから離れていき、搬送ローラ21bと従動ローラ23bとの間に挟持されていくようになる。
図4は変局点での紙幣にかかる押圧力を示す説明図である。
図4に示す矢印はA地点を起点にした搬送ベルト20の張力とその合力を示し、搬送ベルト20の張力をTとし、A地点から左側の張力のベクトルをa1、右側の張力のベクトルをa2としてベクトルa1の終点にベクトルa2の始点が重なるようにベクトルa2を平行移動させたときのベクトルa1とベクトルa2とがなす角度をθとしたときに、ベクトルa1とベクトルa2の合力がA地点で紙幣に作用する押圧力となり、その押圧力は2Tsinθで表わすことができる。
一定の曲率Rの円弧が形成されているガイド26の円弧状の上辺に紙幣が進入すると、その紙幣がガイド26の円弧面との接触する箇所では、搬送ベルト20とガイド26とによって挟まれて安定した押圧力を受けるようになる。
ここで紙幣のガイド26の上辺に接触している接触長をαとすると、A地点とB地点との区間内にある紙幣にかかる押圧力T´は、
T´=2Tsinθ×α/L
で表わすことができる。
図5は複数枚の紙幣搬送時に各紙幣にかかる搬送ベルトからの押圧力を示す説明図である。
図5においては、紙幣の搬送間隔が短く、搬送ローラ21a、21b間に3枚の紙幣が並んで搬送され、先頭の紙幣の前端が搬送ローラ21bと従動ローラ23bの間に差し掛かってB地点でガイド26と搬送ベルト20に挟まれる位置にあり、2番目の紙幣がガイド26の台形部26d上に位置し、3番目の紙幣の後端部が搬送ローラ21aと従動ローラ23a間にあってA地点でガイド26と搬送ベルト20に挟まれる位置にある場合を示している。
図6は搬送ベルトとガイドの間で紙幣が重なっている様子を示す説明図である。
以上説明したように、本実施例では、ガイドを搬送ベルトにオーバーラップさせると共に、そのオーバーラップさせた箇所を台形部で、かつその上辺を円弧状にしたことにより、搬送ベルトを巻きかける2つの搬送ローラ間に搬送中の紙幣が複数あるときでも、搬送ベルトの撓みによる押圧力の低下を防止することができ、紙幣搬送中のスキューや搬送ジャムの発生を防止できる。
そのため、本実施例のガイド26は、上記実施例における平坦部と移動ガイド部30とからなるが、移動ガイド部30は平坦部から独立して形成される。
図7は実施例2の移動ガイドを備える搬送路を示す説明図であり、(a)は側面から見た様子を示し、(b)は正面から見た様子を示している。
図7において、30は移動ガイド部であり、上記実施例のガイド26の台形部26dと同様の形状であって上辺が円弧状となっており、図示しない駆動源からの駆動によって昇降移動するように構成されており、最も上昇する位置は上記実施例1のガイド26の台形部が設けられている位置と同位置とする。
31はストッパであり、図7(a)で示すように搬送ローラ21bと移動ガイド部30との間に配されており、図示しない駆動源によって紙幣が搬送ローラ21bと従動ローラ23bの間に搬送されるのを妨げない位置に下降し、最下位位置の移動ガイド部30の上に乗っている紙幣と搬送ローラ21bとの間に位置することで、移動ガイド部30の上に集積した紙幣を止める位置まで上昇するよう、昇降移動可能となっている。
そのため、次々と搬送していく紙幣を移動ガイド部30上に集積していくことができる。
紙幣が移動ガイド部30に集積した状態でストッパ31を下降させ、移動ガイド部30を上昇させて搬送ベルト20とオーバーラップさせる、つまり搬送ベルト20の内周側に戻すことにより、搬送ベルト20の回転によって紙幣を順次搬送していくことができる。
その際に移動ガイド部30の搬送ベルト20に対するオーバーラップ量が無い状態を初期状態としておき、鑑別部6で鑑別した紙幣の金種や正損の情報に基づいてその紙幣の状態に最適な搬送を行えるオーバーラップ量となるように、移動ガイド部30を移動させるようにするとよい。
以上説明したように本実施例は、上記実施例1の効果に加えて、移動ガイド部の下降とストッパの上昇によって搬送中の紙幣を移動ガイド部上に集積可能とすることにより、例えば搬送ジャムの発生時に搬送路に残留している紙幣を一ヵ所に集める簡易集積部を設けることが可能となり、係員によって残留している紙幣の取り出しが容易になるという効果が得られる。
ここで、図8はガイドの形状とその形状に応じた紙幣の押圧力を示す各種グラフであり、(a)は搬送ベルト20にオーバーラップする部分が台形であるときの押圧力を示し、(b)はガイド26全体が円弧であるときの押圧力を示し、(c)は本発明で用いている形状による押圧力を示している。
本発明では搬送ベルト20にガイド26をオーバーラップさせており、そのガイド26は搬送ベルト20とオーバーラップする箇所の形状を台形形状や円弧形状等、様々な形状が考えられるが、1枚の紙幣を搬送したときの押圧力や、複数枚の紙幣を搬送しているときの各紙幣に掛かる押圧力、サイズが小さい紙幣を搬送したときの押圧力を考慮すると、図8に示すようなグラフとして表わすことができる。
次に図8(b)に示す円弧形状とした場合は、どのような条件でも安定して紙幣の押圧力を得られるが、紙幣がその全長にわたって搬送ベルト20とガイド26の間に挟まれるまで、押圧力を確保できないこととなってしまう。
2 紙幣投入部
3 繰出部
5 搬送路
6 鑑別部
7 一時保管部
8 返却集積部
9 排出口
10 金種別紙幣収納部
20 搬送ベルト
21a、21b 搬送ローラ
23a、23b 従動ローラ
24 弾性部材
26 ガイド
26a 平坦部
26b 斜面
26c 円弧面
26d 台形部
30 移動ガイド部
31 ストッパ
Claims (4)
- 複数のローラに巻き掛けられ、媒体を搬送する搬送ベルトと、
該搬送ベルトの幅方向の両側で前記搬送ベルトの外周側に配されたガイドとを有する媒体処理装置であって、
前記ガイドは、前記ローラ間で前記搬送ベルトとの接触を避けるようにして、前記搬送ベルトの内周側に突出させた台形部を有すると共に、その台形部の上辺を円弧状とし、前記搬送ベルトにより搬送される媒体を案内することを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項1に記載の媒体処理装置において、
前記ガイドは、媒体との摩擦係数が媒体同士の摩擦係数より大きい材料で形成し、
前記搬送ベルトは、媒体との摩擦係数が前記ガイドと媒体との摩擦係数よりも大きい材料で形成したことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の媒体処理装置において、
前記ガイドは、前記台形部とその台形部の前後に配された平坦部とからなり、
前記台形部を前記平坦部から独立して昇降可能に構成し、
前記台形部を前記搬送ベルトの内周側より退避させることで、搬送されてくる媒体を前記台形部に集積することを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項3に記載の媒体処理装置において、
前記ガイドの台形部を内周側に戻して該台形部に集積している媒体を前記搬送ベルトに押し付けることで、集積している媒体を1枚ずつ搬送することを特徴とする媒体処理装置。
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