JP5471366B2 - 媒体処理装置 - Google Patents
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Description
ATMの中には、出金取引時に、出金紙幣を媒体受渡口である入出金口に集積し、入出金口のシャッタを開放するとともに、出金紙幣を利用者に抜き取らせ易くするために、出金紙幣を上昇させて、出金紙幣を入出金口の外部に露出させる構成のものがある。
特許文献1に開示された紙幣を上昇させる手段は、タイミングベルトに連結されかつ垂直方向のスライダ軸に沿って移動する「スライダ」に底板を連結しておき、平行リンク機構により押圧板を出金紙幣に押し付けて挟持状態にし、その状態で、タイミングベルトを正転させることにより、底板ととともに出金紙幣を上昇させる構成となっている。
一方、特許文献2に開示された紙幣を上昇させる手段は、パンタグラフ機構で出金紙幣を左右から挟み込んで挟持状態にし、その状態で、搬送ベルトを正転させることにより、出金紙幣を上昇させる構成となっている。
また、例えば利用者が老齢者や弱視者等である場合に、利用者は、出金紙幣の位置をすぐに認識できないときがある。
これらの理由によって、利用者は、出金紙幣を入出金口から速やかに抜き取れないときがある。
その結果、出金紙幣が、入出金口の内部に長時間放置された状態となる。
しかしながら、従来の媒体処理装置は、利用者が老齢者や難聴者等である場合に、アラーム音を鳴らしても、利用者に気づいてもらえずに、紙葉状媒体の取り忘れ処理を行わざるを得ないことが度々発生するため、紙葉状媒体の取り忘れの発生頻度を低減させることが期待されている、という課題があった。
なお、この媒体処理装置は、好ましくは、アラーム音も鳴動させることにより、紙葉状媒体の位置を利用者に確実に報知することができるため、さらに、紙葉状媒体の取り忘れの発生頻度を低減させることができる。
また、従来の紙幣上昇手段は、紙幣の取り忘れ処理を行う場合に、紙幣を上昇させた状態から紙幣を下降させるために、駆動モータの回転方向の切り替え制御を行う必要がある。そのため、従来の紙幣上昇手段は、紙幣の円滑な下降動作を行うことができない。
そこで、本発明は、(1)構成部品の点数を従来の紙幣上昇手段よりも削減して、コストの低減を実現し、さらに、(2)駆動モータの回転方向を切り替えることなく、紙幣の上昇動作及び下降動作を可能にして、駆動モータの回転制御を単純化するとともに、紙幣の円滑な下降動作を実現する媒体受渡口機構の提供を副次的な目的とする。
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る媒体処理装置の全体構成につき説明する。図1及び図2は、それぞれ、実施形態に係る媒体処理装置の全体構成を示す図である。図1は、本実施形態に係る媒体処理装置の外部構成を示しており、図2は、媒体処理装置の主要な内部構成を示している。ここでは、媒体処理装置をATMとし、紙葉状媒体を紙幣(出金紙幣)とし、媒体受渡口機構を紙幣入出金口機構として説明する。
記憶部7は、様々な制御プログラムやデータを記憶する記憶手段である。記憶部7は、RAMや、ROM、ハードディスク等で構成されている。
接近検知器10は、利用者がATM1に近づいたことを検知する検知手段である。
レシート処理部15は、レシートに取引明細の印字を行って発行する手段である。
入出金口18は、入金取引時に、外部シャッタ16及び内部シャッタ17が開状態になることにより、入金紙幣Mの投入が可能な状態となる。ATM1は、顧客が入金紙幣Mを入出金口18に投入すると、入金紙幣Mを紙幣入出金部12の内部に取り込む。
また、入出金口18は、出金取引時に、出金紙幣Mが集積され、外部シャッタ16及び内部シャッタ17が開状態になることにより、出金紙幣Mの抜き取りが可能な状態となる。なお、ATM1は、出金紙幣Mが一定時間以上入出金口18から抜き取られない場合に、予め設定された時間に達するまで、紙幣入出金口機構30が、出金紙幣Mを上昇させて、出金紙幣Mを入出金口18の外部に露出させる動作、及び、出金紙幣Mを下降させて、出金紙幣Mを入出金口18の内部に収納させる動作を、連続して行う。これにより、ATM1は、視覚的な作用によって、出金紙幣Mの位置を利用者に報知するとともに、利用者に出金紙幣Mの抜き取りを促す。
一時保留部22は、入金又は出金取引時に紙幣Mを一時的に保管する保管庫である。
鑑別部23は、入金又は出金取引時に紙幣Mの真偽鑑別や計数を行う構成要素である。
搬送路24は、紙幣Mを各部に搬送する搬送手段である。
プールガイド31a,31bは、それぞれ、入出金口18の内部に露出して設けられており、紙葉状媒体を支持するガイド部材である。プールガイド31aは、ATM1のフロント側に設けられており、プールガイド31bは、ATM1のリア側に設けられている。
以下、図3〜図5を参照して、本実施形態に係る媒体受渡口機構の構成につき説明する。図3は、リア側から見た媒体受渡口機構の構成を示している。図4は、フロント側から見た媒体受渡口機構の構成を示している。図5は、サイド側から見た媒体受渡口機構の構成を示している。なお、本実施形態では、紙幣入出金口機構30は、入出金口18と同様に、利用者側(フロント側)が低くなり、ATM1のリア側が高くなるように、傾斜して設けられている。
図3〜図5に示すように、紙幣入出金口機構30は、ブラケット32、スライダ33、リンク部材35、駆動モータ36、駆動ギア37、及び、伝達ギア38を有している。
駆動ギア37は、伝達ギア38と噛み合うギアであり、駆動モータ36の回転軸に取り付けられている。
伝達ギア38は、リンク部材35の駆動受部52と平行に回転する回転部材である。伝達ギア38は、駆動ギア37を介して駆動モータ36からの駆動力を受けることによって回転する。伝達ギア38は、周縁部に、伝達ローラ39を備えている。伝達ローラ39は、リンク部材35の駆動受部52に向けて突出する突出部である。伝達ギア38は、伝達ローラ39がリンク部材35の駆動受部52の長孔54に挿入されることによって、リンク部材35の駆動受部52と係合する。これにより、伝達ギア38は、駆動モータ36からの駆動力をリンク部材35に伝達する。なお、伝達ギア38は、駆動モータ36の回転軸に取り付けられていてもよい。この場合に、伝達ギア38は、駆動ギア37を介することなく、駆動モータ36からの駆動力を直接受けて回転する構成となる。
以下、媒体受渡口機構の動作につき説明する。ここでは、まず、紙幣入出金口機構30の動作の概要を説明し、次に、紙幣入出金口機構30の具体的な動作を説明する。
まず、紙幣入出金口機構30の動作の概要を説明する。
まず、ATM1の制御部6が、紙幣入出金口機構30の駆動モータ36を作動させて、駆動モータ36の回転軸を一方向(図3に示すAa方向)に回転させる。
その結果、リンク部材35の昇降部53の連結部55に連結されているスライダ33が、図3に示すAd方向に上下動する。
この紙幣入出金口機構30は、紙幣Mを挟持するための機構やベルト・ローラ等を備えていない。したがって、紙幣Mは、未抑制な状態(すなわち、何らかの部材によって押さえ込まれていない、自由な状態)でリフトアップされる。
次に、図7〜図9を参照して、紙幣入出金口機構30の具体的な動作(出金取引時の動作)を説明する。図7〜図9は、それぞれ、実施形態に係る媒体受渡口機構の動作を示す図である。図7は、リア側から見た媒体受渡口機構の動作を示している。図7(a)は、スライダ33が下死点に位置しているときの状態を示しており、図7(b)は、スライダ33が上死点に位置しているときの状態を示している。図8及び図9は、サイド側から見た媒体受渡口機構の動作を示している。図8は、比較的多数の紙幣Mを出金する場合の動作を示しており、図9は、比較的少数(図示例では、1枚)の紙幣Mを出金する場合の動作を示している。図8(a)及び図9(a)は、スライダ33が下死点に位置しているときの状態を示しており、図8(b)及び図9(b)は、スライダ33が上死点に位置しているときの状態を示している。
このとき、制御部6は、経過時間が紙幣抜き取り用時間に達するまで、駆動モータ36を作動させて、駆動モータ36の回転軸を一方向(図3に示すAa方向)に回転させる。その結果、ATM1は、紙幣入出金口機構30が、出金紙幣Mを上昇させて、出金紙幣Mを入出金口18の外部に露出させる動作、及び、出金紙幣Mを下降させて、出金紙幣Mを入出金口18の内部に収納させる動作を、連続して行う。これにより、ATM1は、紙幣Mの取り忘れが疑われる場合に、視覚的な作用によって、出金紙幣Mの位置を利用者に報知するとともに、利用者に出金紙幣Mの抜き取りを促す。したがって、ATM1は、出金紙幣Mの取り忘れの発生頻度を低減させることができる。
また、ATM1は、制御部6が駆動モータ36の回転速度を変化させるように制御することにより、徐々に紙幣Mの上下動の速度を速めて、アピールを強調することもできる。
さらに、ATM1は、同時に、入出金口18の周囲に設けられた図示せぬスピーカから「紙幣Mをお取り下さい」等の紙幣Mの抜き取りを促すアナウンスを流すことにより、さらに、紙幣Mの取り忘れを効率よく防止することができる。
これにより、紙幣入出金口機構30は、例えば図8(a)及び図8(b)に示すように、比較的多数の紙幣Mを出金する場合に、紙幣Mが装置の手前側に集められた状態となり、その状態で紙幣Mを出金することができる。
また、紙幣入出金口機構30は、例えば図9(a)及び図9(b)に示すように、比較的少数(図示例では、1枚)の紙幣Mを出金する場合に、仮に紙幣Mが入出金口18の内部(特に、装置の奥側)に貼り付いていたとしても、紙幣Mを上下動させて、紙幣Mを揺さぶるため、これにより、紙幣Mを入出金口18の内部から剥がすことができる。その結果、紙幣入出金口機構30は、図9(b)に示すように、紙幣Mが装置の手前側に倒れた状態となり、その状態で紙幣Mを出金することができる。
したがって、ATM1は、紙幣Mを抜き取らせ易い状態で出金することができる。
例えば、媒体受渡口機構30は、紙幣に限らず、チケット発行機等の利用者との間で任意の媒体の受け渡しを行う装置に用いることができる。
また、例えば、ブラケット32や支持部材33等の形状は、図示例に限らず、適宜変更することができる。
6 制御部
7 記憶部
10 接近検知器
11 顧客操作表示部
12 貨幣入出金部(紙幣入出金部)
13 カード処理部
14 テンキー部
15 レシート処理部
16 外部シャッタ(筐体シャッタ)
17 内部シャッタ(紙幣機シャッタ)
18 入出金口
21 カセット部
22 一時保留部
23 鑑別部
24 搬送路
30 紙幣入出金口機構
31a,31b プールガイド
32 ブラケット
33(33a,33b,33c) スライダ(支持部材)
35 リンク部材
36 駆動モータ
37 駆動ギア
38 伝達ギア(回転部材)
39 伝達ローラ
42 昇降ローラ
43 昇降ローラ回転軸
51 支点部
52 駆動受部
53 昇降部
54 長孔
55 連結部
M 媒体(紙幣)
Claims (8)
- 媒体を載置した状態で媒体受渡口の内部を上下動する支持部材と、
支点部を備え、一端側が前記支持部材に連結され、一端側と他端側とが異なる方向に延伸して設けられたリンク部材と、
周縁部が前記リンク部材の他端側と係合し、回転することにより前記リンク部材の他端部を上下動させて前記リンク部材の一端部を上下動させる回転部材と、
前記回転部材を回転させる駆動モータとを有し、
前記支持部材上に前記媒体が載置されると、前記駆動モータを一方向に回転駆動して前記支持部材を上昇させ、前記媒体が抜き取られると、前記駆動モータを前記一方向に回転駆動して前記支持部材を下降させる
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項1に記載の媒体処理装置において、
さらに、前記支点部を中心にして前記リンク部材を回転自在に支持するブラケットを有し、
前記支持部材と前記リンク部材と前記回転部材と前記駆動モータと前記ブラケットとは、前記媒体を前記媒体受渡口の内部で上下動させる媒体受渡口機構を構成しており、
前記媒体受渡口機構は、前記媒体を顧客に受け渡す前に、前記媒体受渡口に集積した前記媒体を上昇させて前記媒体受渡口の外部に露出させ、その後に前記媒体を下降させる上下動を、連続して行う
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項2に記載の媒体処理装置において、
前記媒体受渡口機構は、前記媒体を、未抑制でかつ傾斜させた状態で上下動させる
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の媒体処理装置において、
前記回転部材は、周縁部に、前記リンク部材の他端側に向けて突出する突出部を備え、
前記リンク部材は、一端側に、前記支持部材と連結する連結部を備えるとともに、他端側に、前記回転部材の前記突出部を摺動自在に支持することにより、前記駆動モータからの駆動力を受け付ける駆動受部を備えている
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項4に記載の媒体処理装置において、
前記リンク部材の前記駆動受部は、前記リンク部材の他端側の延伸方向に沿って形成された長孔を備え、
前記回転部材の前記突出部は、前記駆動受部の前記長孔に挿入されている
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項5に記載の媒体処理装置において、
前記リンク部材は、
前記駆動モータが一方向に回転し、前記駆動モータの回転に伴って、前記回転部材の前記突出部が前記リンク部材の前記長孔内を摺動することによって、前記支持部材と連結された一端側が連続して上下動するように、前記支点部を中心にして回動する
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の媒体処理装置において、
前記ブラケットは、前記回転部材を回転自在に支持するとともに、前記駆動モータの位置を固定している
ことを特徴とする媒体処理装置。 - 請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の媒体処理装置において、
前記駆動モータは、前記媒体を前記媒体受渡口の内部で連続して上下動させる際に、前記回転部材の回転速度を変化させる
ことを特徴とする媒体処理装置。
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