本発明は、入出金口が形成された紙幣受入れ・受渡し部を備えた自動取引装置に関する。
従来、金融機関等で使用されている自動取引装置においては、内部に紙幣入出金装置を備えている。この紙幣入出金装置には、顧客による入金紙幣の投入、及び顧客に受け渡す出金紙幣の排出を行うための、接客部が備えられている。この接客部は、円筒形を成しており、円筒の軸を中心として回動する接客ドラムと、本体外部よりの接触を断つためのシャッターより構成されている。この接客ドラムは、受渡しポジションと、分離ポジションと、受取りポジションの3つの停止ポジションで停止する。
接客ドラムが受渡しポジションで停止した場合には、シャッターが開き、顧客による紙幣の投入や顧客へ受け渡す出金紙幣の排出が可能となる。また分離ポジションで停止した場合には、一括して投入された紙幣を1枚ずつ装置内に取り込む。更に受取りポジションで停止した場合には、表裏反転部から集積した紙幣を一括して受け取る。このように、接客ドラムは軸を中心として3つの任意の位置に、処理内容により選択停止できるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、接客ドラムの受渡しポジションでの停止位置は、背の高い顧客、背の低い顧客、車椅子に乗っている顧客等、身体条件にかかわらず、常に一定であった。
特許第3015162号公報
上記従来の自動取引装置においては、接客ドラムとシャッターとが別部材であるので部品点数が増加し、その結果、コスト高となるという問題点があった。
また、顧客による入金紙幣の投入、及び顧客に受け渡す出金紙幣の排出時における接客ドラムの停止位置は常に一定であるので、顧客の身長等の身体条件によっては紙幣を出し入れしにくく、操作性が悪いという問題点があった。更に、顧客の視線の角度によっては出金紙幣が見づらく、視認性が悪く、出金紙幣の取り忘れが発生する場合があるという問題点があった。
上記課題を解決するために本発明で設けた解決手段は、周面の一部が切欠かれて入出金口が形成された円筒形の接客ドラムを回動自在に備え、装置筐体には、前記接客ドラムに対向する位置に開口部が形成され、前記入出金口を装置外部に対して開状態とする場合には、前記入出金口が前記開口部に対向するように前記接客ドラムを回動させ、前記入出金口を装置外部から遮断する場合には、前記入出金口を前記開口部からずらして、前記接客ドラムの周面が前記開口部を塞ぐように前記接客ドラムを回動させる制御を行う制御部を備えたものである。
本発明によれば、入出金口を装置外部に対して開状態とする場合には、入出金口が開口部に対向するように接客ドラムを回動させ、入出金口を装置外部から遮断する場合には、入出金口を開口部からずらして、接客ドラムの周面が開口部を塞ぐように接客ドラムを回動させることにより、接客ドラムの周面がシャッターの機能を果たすので、シャッターを別部材として設ける必要がない。従って、部品点数を削減することができる。その結果、装置価格を安くすることができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。なお、各図面に共通する要素には同一の符号を付す。
始めに自動取引装置の構成について説明する。図1は実施例1の自動取引装置の構成を示す説明図、図2は実施例1の接客ドラムを示す斜視図、図3、図4は実施例1の接客ユニットの構成を示す説明図である。
図1において、自動取引装置1には、カード処理部2と、紙幣入出金部3と、制御部4と、記憶部28と、インターフェース部29と、図示せぬ硬貨入出金部と、顧客操作部と、通帳記帳部と、明細票処理部と、音声案内部と、電源部と、接近検知器が設けられている。
カード処理部2は、顧客の所有するIDカードが挿入された場合に、IDカードに記憶されている顧客の口座番号や氏名等の顧客情報、金融機関のコードを読み出す機能を有する。カード処理部2の前面側にはカード挿入排出口が設けられており、ここでIDカードの挿入および排出が行なわれる。
紙幣入出金部3には、前面上部に接客ユニット5が設けられている。この接客ユニット5は顧客に対して紙幣26を排出する、あるいは顧客から投入される紙幣26を受け入れるユニットであり、紙幣受入れ・受渡し部である接客ドラム6が設けられている。この接客ドラム6は図2に示すように、円筒形であり、周面6aの一部は切り欠かれていて、紙幣26の排出、及び受け入れを行う入出金口6bが形成されている。また接客ドラム6の両側面には支軸8が形成されており、この支軸8に図示せぬモータから駆動力が伝達されることで、接客ドラム6は支軸8を中心に矢印A−B方向に回動する。また図1に示すように、接客ドラム6の内部には、入出金口6bに続けて、紙幣26が載置される紙幣投入室9が形成されている。
また、接客ドラム6は紙幣入出金部3に形成されている開口部7に対向した位置に配置されており、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3に形成されている開口部7に対向した状態では、紙幣入出金部3と装置外部とが接続され、紙幣入出金部3外部から内部への紙幣26の投入、及び紙幣入出金部3内部から外部への紙幣26の排出が可能となる。一方、接客ドラム6の入出金口6b以外の箇所、すなわち周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7に対向している状態では、接客ドラム6の周面6aが開口部7を覆った状態となるので、紙幣入出金部3内部と外部との接触は遮断された状態となる。このように、接客ドラム6の周面6aがシャッターの機能を備えている。
なお、図3に示すように、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3に形成されている開口部7からずれて、接客ドラム6の周面6aが開口部7に対向して、該開口部7を覆っている状態を分離・集積ポジションとし、一方図4に示すように、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向した状態を受渡し・受取りポジションとする。
図3、図4において、接客ユニット5にはまた、紙幣繰出し機構と、紙幣集積機構が設けられている。紙幣繰出し機構は紙幣投入室内の紙幣26に接触し、該紙幣26を繰出す繰出しローラ12と、紙幣26を後述する搬送路へと搬送する搬送ローラ対13と、該搬送ローラ対13の一方のローラに圧接し、繰出しローラ12により複数枚の紙幣26が繰出された場合、最下位の1枚のみが搬送路へと繰出されるように残りの紙幣26と分離する分離ローラ14とから構成されており、紙幣投入室9に投入された紙幣26を1枚ずつ分離して搬送路へと繰出す。
紙幣集積機構は排出ローラ対15により構成されており、搬送路を搬送されてきた紙幣26を紙幣投入室9内に排出する。
図1において、紙幣入出金部3の底部には、金種別に紙幣26を貯留する金種別金庫が複数設けられており、接客ユニット5から金種別金庫まで、紙幣26が搬送される搬送路16が形成されている。搬送路16は紙幣26を搬送する図示せぬ搬送ローラと搬送ベルトにより構成されており、接客ユニット5と金種別金庫との間の搬送路16には、左ルートと右ルートの2つのルートから構成される図示せぬ表裏反転部と、紙幣26を積み上げる反転集積部11と、送り込まれた紙幣26の真偽、正損、表裏、2枚以上の重なり及び斜行等を鑑別、検知する鑑別部10とが設けられている。
なお、本実施例では、上記金種別金庫として、万円券を貯留する万円券金庫17、18と、千円券を貯留する千円券金庫19がそれぞれ設けられている。そして万円券金庫17、18と、千円券を貯留する千円券金庫19の上部には、図示せぬ一時保留板と、分離繰出し部20、21、22が金庫毎にそれぞれ設けられている。一時保留板は取り込み紙幣を収納前に一時保留し、分離繰出し部20、21、22は一時保留板上の紙幣26を1枚ずつ分離して金種別金庫へと送り込むと共に、金種別金庫に貯留されている紙幣26を1枚ずつ分離して搬送路16へと繰出す。
記憶部28は、各種の制御を行なうためのプログラムが記憶されたRAMやROMまたはフレキシブルディスクなどで構成されている。インターフェース部29は、上位装置であるホストコンピュータ31との接続口である。また図示せぬ顧客操作部は、取引を行う顧客により操作され、自動取引装置1に対する情報の入力が行なわれる。
主制御部4は、マイクロコンピュータ等で構成されており、カード処理部2と、紙幣入出金部3と、記憶部28と、インターフェース部29と、図示せぬ硬貨入出金部と、顧客操作部と、通帳記帳部と、明細票処理部と、音声案内部と、電源部と、接近検知器と接続されており、各部を制御している。
ホストコンピュータ31は、自動取引装置1のインターフェース部29と通信回線30により接続され、顧客毎の口座番号や預貯金残高情報などを記憶している記憶部32を有する。
次に上記構成における紙幣入出金部3の動作について説明する。ここでは顧客が出金取引を選択した場合の動作を説明する。
図1において、取引待ち状態では自動取引装置1の接客ドラム6は分離・集積ポジションに位置付けられている。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っている状態となっており、紙幣入出金部3内部は外部から遮断された状態となっている。
自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご出金」を選択すると、主制御部4は出金取引処理を実行する。従って、主制御部4は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理部2のカード挿入排出口に挿入する。続いて暗証番号の入力案内、及び出金金額の入力案内が行われ、これに従って顧客が顧客操作部から暗証番号、及び出金金額(m万n千円)を入力すると、出金取引が行われることと、IDカードから読み取った口座番号と、入力された暗証番号と、出金金額がインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31へ送られて、出金に必要な処理と本人確認が行なわれる。
ホストコンピュータ31は暗証番号の照合により取引を行おうとする顧客が取引口座の所有者本人であることを確認し、また取引口座の残高との照合を行い、出金可能であれば、取引を了解することを示す信号を通信回線30を介して自動取引装置1へと送信する。
主制御部4はインターフェース部29を介してホストコンピュータ31から取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に払出し開始の指示を行う。
これを受けて、紙幣入出金部3は始めに万円券金庫17、あるいは万円券金庫18から分離繰出し部20、21により万円券を1枚ずつm枚繰出し、搬送路16を上方へと搬送する。そして鑑別部10で、指示通りの紙幣26か否か、表裏、正損を鑑別し、指定通りであれば更に搬送路16を上方へと搬送する。そして鑑別部10の表裏判定結果に応じて図示せぬ表裏反転部により表裏を揃えて反転集積部11に集積する。このような動作を所定の枚数反転集積部11に万円券が集積されるまで繰り返す。同様に千円券も千円券金庫19から分離繰出し部22により1枚ずつn枚繰出し、反転集積部11に表裏を揃えて集積する。このようにしてm万n千円の紙幣26が反転集積部11に集積されると、紙幣集積機構を構成する排出ローラ対15を回転させて、反転集積部11に集積されている紙幣26を分離・集積ポジションに位置付けられている接客ドラム6の紙幣投入室9内へと移送する。
次に紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を、図4に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。これにより紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客が紙幣26を受け取ることができる。
顧客により紙幣26が取り出されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
更に主制御部4はIDカードの排出を行わせる。従って、カード処理部2はIDカードのカード挿入排出口への移動を行い、取引内容を印字した明細票と共にIDカードの排出を行う。これにより、顧客はIDカード3を自動取引装置1から受け取る。これで今回の取引は終了となる。
なお、硬貨入出金部においても、接客ユニットに紙幣入出金部3と同様の構成の接客ドラムを設けて、該接客ドラムの周面にシャッターの機能を持たせても良い。
次に入金取引時における紙幣入出金部3の動作について説明する。
図1において、取引待ち状態では自動取引装置1の接客ドラム6は分離・集積ポジションに位置付けられている。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っている状態となっており、紙幣入出金部3内部は外部から遮断された状態となっている。
自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご入金」を選択すると、主制御部4は入金取引処理を実行する。従って、主制御部4は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理部のカード挿入排出口に挿入する。カード処理部ではIDカードから口座番号を読み取り、主制御部4に送信する。主制御部4はインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31に所定の問い合わせを行う。
ホストコンピュータ31は問題の有無を確認する。そして問題が無く入金可能であれば、取引を了解することを示す信号を通信回線30を介して自動取引装置1へと送信する。そして主制御部4は取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に対して紙幣受け入れの指示を行う。
これを受けて、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を、図4に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。これにより紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客が紙幣26を接客ドラム6の紙幣投入室9に投入することができる。
顧客により紙幣26が投入されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を図3に示す分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
次に紙幣入出金部3は紙幣繰出し機構を構成する繰出しローラ12と、搬送ローラ対13を回転させて、また分離ローラ14により、紙幣投入室9内の紙幣26を1枚ずつ搬送路16へと繰り出す。そして搬送路16を鑑別部10へと搬送し、該鑑別部10で、真偽鑑別、正損、走行状態を鑑別する。鑑別部10で偽券、搬送異常券と判定したものは、反転集積部11に搬送し、一枚づつ集積する。このようにして顧客に返却する紙幣26が反転集積部11に集積されると、排出ローラ対15を回転させて、反転集積部11に集積されている紙幣26を接客ドラム6の紙幣投入室9内へと移送する。
次に紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を、図4に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。これにより紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3に形成されている開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客に紙幣26を返却することができる。
顧客により紙幣26が取り出されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を図3に示す分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
一方、鑑別部10で真券と判断した入金紙幣は、図示せぬ切り替えブレードを作動させて金種別金庫へと搬送する。ここで千円券の正券は千円券金庫19の図示せぬ一時保留板上に集積し、同様に万円券の正券は万円券金庫17、あるいは万円券金庫18の図示せぬ一時保留板上に集積する。
以上の動作によって、顧客により投入された紙幣26の入金計数処理が完了すると、紙幣入出金部3は主制御部4に入金計数終了のレスポンスと金種別に計数した枚数を送信する。主制御部4はこのデータを受信すると、記憶部28に記憶し、顧客操作部の表示部に入金金額を表示させる。
顧客が顧客操作部に表示された入金金額を確認し、図示せぬ確認ボタンを押下すると、紙幣入出金部3は各金種別金庫の一時保留板上に集積していた入金紙幣を金種別カセット内部へとそれぞれ収納する。
更に主制御部4はIDカードの排出を行わせる。従って、カード処理部2はIDカードのカード挿入排出口への移動を行い、取引内容を印字した明細票と共にIDカードの排出を行う。これにより、顧客はIDカード3を自動取引装置1から受け取る。これで今回の取引は終了となる。
なお、記憶部28に記憶された入金金額は口座番号と共にインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31に送信される。
以上本発明の実施例1においては、入出金口6bを自動取引装置1外部に対して開状態とする場合には、入出金口6bが開口部7に対向するように接客ドラム6を回動させ、入出金口6bを自動取引装置1外部から遮断する場合には、入出金口6bを開口部7からずらして、接客ドラム6の周面6aが開口部7を塞ぐように接客ドラム6を回動させることにより、接客ドラム6の周面6aがシャッターの機能を果たすので、シャッターを別部材として設ける必要がない。従って、部品点数を削減することができる。その結果、装置価格を安くすることができる。また、接客ドラム6の周面6aが開口部7を覆うときに、接客ドラム6の回動角度を制御して、接客ドラム6の回動を途中で停止させながら、徐々に覆う方向に回動させても良い。このようにすることで顧客が接客ドラム6に手を挟むことを防止することができる。
次に本発明の実施例2について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所の説明は省略する。図5、図6は実施例2の接客ドラムの状態を示す説明図である。
上記実施例1においては、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度は常に一定であった。一方本実施例においては、図5、図6に示すように顧客の身体条件に合わせて、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を変更自在とする。
詳しくは、顧客の身長、体重、性別、利き腕、視力、障害等の身体情報を顧客が所有するIDカードや、図1に示すホストコンピュータ31に接続された記憶部32に予め記憶しておく。なお、記憶部32に記憶しておく場合には、口座番号と顧客の身体情報とを対応させて記憶しておく。そして自動取引装置1では、自動取引装置の外観形状と顧客の身体情報とから、取引を行おうとする顧客にとって最適な、すなわち出金取引時には出金紙幣が見やすく、また紙幣の出し入れがしやすい、入出金口6bの角度を算出する。そして紙幣入出金部3では算出された角度となるように図示せぬモータの駆動時間を制御して、接客ドラム6の入出金口6bを紙幣入出金部3の開口部7に対向させる。
その他の構成は上記実施例1の自動取引装置と同様であるので、説明は省略する。
次に上記構成における紙幣入出金部3の動作について説明する。ここでは顧客が出金取引を選択した場合の動作を説明する。なお、今回の取引では顧客の身体情報はホストコンピュータ31に接続された記憶部32に記憶されているものとする。
図1において、取引待ち状態では自動取引装置1の接客ドラム6は分離・集積ポジションに位置付けられている。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っている状態となっており、紙幣入出金部3内部は外部から遮断された状態となっている。
自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご出金」を選択すると、主制御部4は出金取引処理を実行する。従って、主制御部4は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理部2のカード挿入排出口に挿入する。続いて暗証番号の入力案内、及び出金金額の入力案内が行われ、これに従って顧客が顧客操作部から暗証番号、及び出金金額(m万n千円)を入力すると、出金取引が行われることと、IDカードから読み取った口座番号と、入力された暗証番号と、出金金額がインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31へ送られて、出金に必要な処理と本人確認が行なわれる。
ホストコンピュータ31は受信した口座番号に対応した身体情報が記憶部32に記憶されていれば、該身体情報を読み出す。また暗証番号の照合により取引を行おうとする顧客が取引口座の所有者本人であることを確認し、更に取引口座の残高との照合を行い、出金可能であれば、取引を了解することを示す信号と、顧客の身体情報を通信回線30を介して自動取引装置1へと送信する。
主制御部4はインターフェース部29を介してホストコンピュータ31から取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に払出し開始の指示を行う。また主制御部4は顧客の身体情報を受信すると、予め記憶部28に記憶されている本自動取引装置1の外観形状に基づく数値と、受信した顧客の身体情報に基づく数値とから、取引を行っている顧客にとって最適な、入出金口6bの角度を算出する。そして主制御部4は算出した角度を紙幣入出金部3に対して送信する。
紙幣入出金部3では、指示された金額の紙幣26を金種別金庫から繰り出し、反転集積部11に表裏を揃えて集積する。このようにして指示された金額の紙幣26が反転集積部11に集積されると、紙幣集積機構を構成する排出ローラ対15を回転させて、反転集積部11に集積されている紙幣26を図3に示す分離・集積ポジションに位置付けられている接客ドラム6の紙幣26を投入室9内へと移送する。
次に紙幣入出金部3は接客ドラム6を、図5、あるいは図6に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。このとき紙幣入出金部3は、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度が、主制御部4から受信した角度となるように図示せぬモータの駆動時間を制御して接客ドラム6を回動させる。
接客ドラム6が分離・集積ポジションから受渡し・受取りポジションへと回動することで、紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客が紙幣26を受け取ることができる。またこのときの入出金口6bの角度は図5、あるいは図6に示すように顧客の身体的特徴に合わせたものとなっているので、出金紙幣が見やすく、また紙幣26を取り出しやすい状態で顧客は紙幣26を取り出すことができる。
顧客により紙幣26が取り出されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
また主制御部4は更にIDカードの排出を行わせる。これで今回の取引は終了となる。
次に入金取引時における紙幣入出金部3の動作について説明する。出金時と同様に、顧客の身体情報はホストコンピュータ31に接続された記憶部32に記憶されているものとする。
図1において、取引待ち状態では自動取引装置1の接客ドラム6は分離・集積ポジションに位置付けられている。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っている状態となっており、紙幣入出金部3内部は外部から遮断された状態となっている。
自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご入金」を選択すると、主制御部4は入金取引処理を実行する。従って、主制御部4は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理部のカード挿入排出口に挿入する。カード処理部ではIDカードから口座番号を読み取り、主制御部4に送信する。主制御部4はインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31に所定の問い合わせを行う。
ホストコンピュータ31は受信した口座番号に対応した身体情報が記憶部32に記憶されていれば、該身体情報を読み出す。また問題の有無を確認する。そして問題が無く入金可能であれば、取引を了解することを示す信号と、顧客の身体情報を通信回線30を介して自動取引装置1へと送信する。
主制御部4はインターフェース部29を介してホストコンピュータ31から顧客の身体情報を受信すると、予め記憶部28に記憶されている本自動取引装置1の外観形状に基づく数値と、受信した顧客の身体情報に基づく数値とから、取引を行っている顧客に最適な、入出金口6bの角度を算出する。そして主制御部4は算出した角度を紙幣入出金部3に対して送信する。また主制御部4は取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に対して紙幣受け入れの指示を行う。
これを受けて、紙幣入出金部3は接客ドラム6を、図5、あるいは図6に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。このとき紙幣入出金部3は、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度が、主制御部4から受信した角度となるように図示せぬモータの駆動時間を制御して接客ドラム6を回動させる。
接客ドラム6が分離・集積ポジションから受渡し・受取りポジションへと回動することで、紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客が紙幣26を接客ドラム6の紙幣投入室9に投入することができる。またこのときの入出金口6bの角度は図6、あるいは図7に示すように顧客の身体的特徴に合わせたものとなっているので、紙幣26を投入しやすい状態で顧客は紙幣26を投入することができる。
顧客により紙幣26が投入されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を図3に示す分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
なお、これ以降の処理については実施例1の入金取引時の処理と同様であるので説明は省略する。
また、顧客の身体情報がIDカードに記憶されている場合には、カード処理部2で身体情報を読み取り、主制御部4に送信する。
以上本発明の実施例2においては、入出金口6bが開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を、顧客の身体的特徴に応じた角度とすることができる。従って、顧客による入金紙幣の投入、及び顧客に受け渡す出金紙幣の排出時に、顧客にとって操作性、及び視認性が良くなり、その結果、出金紙幣の取り忘れを防止することができる。
なお、図7に示すように、紙幣入出金部3の開口部7を覆う位置で、且つ接客ドラム6の外側にシャッター41を設けても良い。図7は実施例2の接客ユニットの構成を示す説明図である。
このシャッター41は、接客ドラム6が分離・集積ポジションに位置付けられている時には、接客ドラム6の外側から該接客ドラム6の周面6aと共に開口部7を覆う。一方接客ドラム6が分離・集積ポジションから受渡し・受取りポジションへと移行する時に、連動して開口部7からの退避動作を行い、接客ドラム6が受渡し・受取りポジションへと移行すると、シャッター41は完全に開口部7から退避する。
このようにシャッター41を設けることで、接客ドラム6が分離・集積ポジションに位置付けられている時には、シャッター41も共に紙幣入出金部3の開口部7を覆うので、シャッターが2重となった状態で開口部7が覆われることになる。これにより、開口部7を接客ドラム6の周面6aと、シャッター41の両方で覆うので、安全性を高めることができる。また、接客ドラム6の回動時にシャッター41が接客ドラム6を覆うようにすれば、顧客が接客ドラム6に手を挟むことを防止することができる。
次に本発明の実施例3について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所の説明は省略する。図8は実施例3の自動取引装置の構成を示す説明図である。
本実施例3の自動取引装置1においては、顧客の身体情報をホストコンピュータ31に接続された記憶部32、あるいはIDカードに記憶しておくのではなく、図8に示すように自動取引装置1に撮像装置42を設け、該撮像装置42で顧客を撮影し、自動取引装置1で身体的特徴を判断する。
詳しくは、自動取引装置1には、取引を行う顧客を撮影し、画像データとして主制御部4へと送信する撮像装置42が設けられている。顧客が自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から取引項目を選択したときに、該選択した取引項目が、紙幣入出金部3が動作する取引であれば、主制御部4は撮像装置42に対して顧客の撮影を開始させる。
撮像装置42で撮影された画像は画像データとして順次主制御部4へと送信される。主制御部4では画像データを受信すると、予め記憶部28に記憶されている身体的特徴を分析するためのデータを参照し、顧客の身体的特徴を判断する。
その他の構成は上記実施例1の自動取引装置と同様であるので、説明は省略する。
次に上記構成における紙幣入出金部3の動作について説明する。ここでは顧客が出金取引を選択した場合の動作を説明する。
図8において、取引待ち状態では自動取引装置1の接客ドラム6は分離・集積ポジションに位置付けられている。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っている状態となっており、紙幣入出金部3内部は外部から遮断された状態となっている。
自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご出金」を選択すると、主制御部4は出金取引処理を実行する。従って、主制御部4は撮像装置42に対して撮影を指示する。これを受けて、撮像装置42は取引を行っている顧客を撮影することを開始し、画像データを主制御部4に送信する。主制御部4は撮像装置42から画像データを受信すると、予め記憶部28に記憶されている身体的特徴を分析するためのデータを参照し、顧客の身体的特徴を判断する。
また主制御部4は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理部2のカード挿入排出口に挿入する。続いて暗証番号の入力案内、及び出金金額の入力案内が行われ、これに従って顧客が顧客操作部から暗証番号、及び出金金額(m万n千円)を入力すると、出金取引が行われることと、IDカードから読み取った口座番号と、入力された暗証番号と、出金金額がインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31へ送られて、出金に必要な処理と本人確認が行なわれる。
ホストコンピュータ31は暗証番号の照合により取引を行おうとする顧客が取引口座の所有者本人であることを確認し、更に取引口座の残高との照合を行い、出金可能であれば、取引を了解することを示す信号を通信回線30を介して自動取引装置1へと送信する。
主制御部4はインターフェース部29を介してホストコンピュータ31から取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に払出し開始の指示を行う。また主制御部4は、予め記憶部28に記憶されている本自動取引装置1の外観形状に基づく数値と、画像データから判断した顧客の身体的特徴に基づく数値とから、取引を行っている顧客にとって最適な、入出金口6bの角度を算出する。そして主制御部4は算出した角度を紙幣入出金部3に対して送信する。
紙幣入出金部3では、指示された金額の紙幣26を金種別金庫から繰り出し、反転集積部11に表裏を揃えて集積する。このようにして指示された金額の紙幣26が反転集積部11に集積されると、紙幣集積機構を構成する排出ローラ対15を回転させて、反転集積部11に集積されている紙幣26を図3に示す分離・集積ポジションに位置付けられている接客ドラム6の紙幣投入室9内へと移送する。
次に紙幣入出金部3は接客ドラム6を、図6、あるいは図7に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。このとき紙幣入出金部3は、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度が、主制御部4から受信した角度となるように図示せぬモータの駆動時間を制御して接客ドラム6を回動させる。
接客ドラム6が分離・集積ポジションから受渡し・受取りポジションへと回動することで、紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客が紙幣26を受け取ることができる。またこのときの入出金口6bの角度は図6、あるいは図7に示すように顧客の身体的特徴に合わせたものとなっているので、出金紙幣が見やすく、また紙幣26を取り出しやすい状態で顧客は紙幣26を取り出すことができる。
顧客により紙幣26が取り出されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
また主制御部4は更にIDカードの排出を行わせる。これで今回の取引は終了となる。
次に入金取引時における紙幣入出金部3の動作について説明する。
図8において、取引待ち状態では自動取引装置1の接客ドラム6は分離・集積ポジションに位置付けられている。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っている状態となっており、紙幣入出金部3内部は外部から遮断された状態となっている。
自動取引装置1で取引を行おうとする顧客が、自動取引装置1の顧客操作部に表示されている顧客誘導画面の中から「ご入金」を選択すると、主制御部4は入金取引処理を実行する。従って、主制御部4は撮像装置42に対して撮影を指示する。これを受けて、撮像装置42は取引を行っている顧客を撮影することを開始し、画像データを主制御部4に送信する。主制御部4は撮像装置42から画像データを受信すると、予め記憶部28に記憶されている身体的特徴を分析するためのデータを参照し、顧客の身体的特徴を判断する。
また主制御部4は通帳の挿入案内とIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード処理部のカード挿入排出口に挿入する。カード処理部ではIDカードから口座番号を読み取り、主制御部4に送信する。主制御部4はインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31に所定の問い合わせを行う。
ホストコンピュータ31は問題の有無を確認する。そして問題が無く入金可能であれば、取引を了解することを示す信号を通信回線30を介して自動取引装置1へと送信する。
主制御部4はインターフェース部29を介してホストコンピュータ31から取引を了解することを示す信号を受信すると、予め記憶部28に記憶されている本自動取引装置1の外観形状に基づく数値と、画像データから判断した顧客の身体的特徴に基づく数値とから、取引を行っている顧客に最適な、入出金口6bの角度を算出する。そして主制御部4は算出した角度を紙幣入出金部3に対して送信する。また主制御部4は取引を了解することを示す信号を受信すると、紙幣入出金部3に対して紙幣受け入れの指示を行う。
これを受けて、紙幣入出金部3は接客ドラム6を、図6、あるいは図7に示す受渡し・受取りポジションへと回動させる。このとき紙幣入出金部3は、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度が、主制御部4から受信した角度となるように図示せぬモータの駆動時間を制御して接客ドラム6を回動させる。
接客ドラム6が分離・集積ポジションから受渡し・受取りポジションへと回動することで、紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆っていた周面6aが開口部7からずれて退避し、接客ドラム6の入出金口6bが開口部7に対向する。これによりシャッターが開いた状態と同様となり、顧客が紙幣26を接客ドラム6の紙幣投入室9に投入することができる。またこのときの入出金口6bの角度は図6、あるいは図7に示すように顧客の身体的特徴に合わせたものとなっているので、紙幣26を投入しやすい状態で顧客は紙幣26を投入することができる。
顧客により紙幣26が投入されたことが接客ドラム6に設けられた図示せぬ検知センサにより検知されると、紙幣入出金部3は図示せぬモータを駆動して接客ドラム6を図8に示す分離・集積ポジションへと回動させる。これにより接客ドラム6の周面6aが紙幣入出金部3に形成されている開口部7を覆い、シャッターが閉じた状態と同様となる。
なお、これ以降の処理については実施例1の入金取引時の処理と同様であるので説明は省略する。
以上本発明の実施例3においては、自動取引装置1に撮像装置42を備え、主制御部4が、撮像装置42で撮影した画像データから顧客の身体的特徴を判断し、該身体的特徴に応じて、入出金口6bが開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を決定することにより、予めIDカード、あるいはホストコンピュータ31に顧客の身体的特徴を記憶しておく必要がない。その結果、顧客にとって更に利便性が良い。
次に本発明の実施例4について説明する。なお、上記実施例1と同様の箇所の説明は省略する。図9は実施例4の顧客操作部の表示画面を示す説明図である。
本実施例4の自動取引装置1においては、顧客自身が、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を決定し、該設定した角度はIDカード、あるいはホストコンピュータ31の記憶部32に記憶しておく。
IDカード、あるいはホストコンピュータ31の記憶部32への、入出金口6bの角度の記憶は自動取引装置1から行うことができる。以下、入出金口6bの角度の設定手順について説明する。なお、ここではホストコンピュータ31の記憶部32に記憶する場合について説明する。
図1において、自動取引装置1の主制御部4は顧客操作部に顧客誘導画面を表示する際に、図9に示すような角度設定ボタン43を合わせて表示するようにする。そして顧客が角度設定ボタン43に触れて選択すると、主制御部4は接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を設定する処理を実行する。
従って、主制御部4はIDカードの挿入案内を行う。これに従って顧客はIDカードをカード挿入排出口に挿入する。続いて暗証番号の入力案内が行われ、これに従って顧客が顧客操作部から暗証番号を入力すると、続いて主制御部4は接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を設定する画面を顧客操作部に表示させる。
この画面では、例えば顧客が1度単位で角度を入力するようにしてもよいし、あるいは身体的特徴に応じた利便性の良い角度を予め複数表示し、顧客がその中から自分の望む角度を選択するようにしても良い。そして角度が決定し、顧客が同じ画面に表示されている確認ボタンに触れると、顧客により入力された角度、あるいは選択された角度が、主制御部4へと送信され、その後前記角度はIDカードから読み取った口座番号と、暗証番号と共にインターフェース部29と通信回線30を介してホストコンピュータ31へ送られて、角度の設定と本人確認が行われる。
ホストコンピュータ31は暗証番号の照合により角度を設定しようとする顧客が口座の所有者本人であることを確認すると、指定された口座における、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度の設定を行い、記憶部32に口座に対応させて記憶しておく。このようにして、入出金口6bが開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度の設定が行われる。
なお、IDカードに角度を記憶しておく場合には、ホストコンピュータ31に対する本人確認が実行された後に、自動取引装置1側でIDカードに対して角度を記憶する処理が実行される。
また顧客は、接客ドラム6の入出金口6bが紙幣入出金部3の開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を、インターネットを利用して取引銀行へと送信するようにしても良い。そしてホストコンピュータ31の記憶部32に記憶するようにしてもよい。
また画面設定、音声等も同様に顧客自身で決定できるようにしてもよい。
なお、その他の構成、及び動作は上記実施例3の自動取引装置と同様であるので、説明は省略する。
以上本発明の実施例4においては、入出金口6bが開口部7に対向するときの、入出金口6bの角度を、顧客が顧客操作部から入力した情報に基づき決定することにより、顧客は常に自分の好みの入出金口6bの角度で入金取引、及び出金取引を行うことができる。その結果、顧客にとって更に利便性が良い。
実施例1の自動取引装置の構成を示す説明図である。
実施例1の接客ドラムを示す斜視図である。
実施例1の接客ユニットの構成を示す説明図である。
実施例1の接客ユニットの構成を示す説明図である。
実施例2の接客ドラムの状態を示す説明図である。
実施例2の接客ドラムの状態を示す説明図である。
実施例2の接客ユニットの構成を示す説明図である。
実施例3の自動取引装置の構成を示す説明図である。
実施例4の顧客操作部の表示画面を示す説明図である。
符号の説明
1 自動取引装置
3 紙幣入出金部
4 主制御部
6 接客ドラム
7 開口部
31 ホストコンピュータ