JP6206129B2 - 媒体処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣結束整理装置などの媒体処理装置に関するものである。
銀行等の金融機関においては、精査時に回収した紙幣を一定枚数毎に束ねて整理する紙幣結束整理装置が導入されている。従来の紙幣結束整理装置は、オペレータが紙幣の束を分離取込部にセットすると当該紙幣の束を最下層から一枚毎に分離する下分離方式が採用されている。下分離方式は、紙幣の束の分離性能を補助するために最上層から紙幣の束を押圧するバックアップ機構を設けるものが一般的である。バックアップ機構は、紙幣取込中に自重のみで紙幣の束を押圧し、分離を補助している。
図9は従来の紙幣結束整理装置の分離取込部を示す説明図である。図9(a)はバックアップ82が上端位置にある状態を示し、図9(b)はバックアップが下端位置にある状態を示す。紙幣Pの束は、バックアップ82が上端位置にあるとき、オペレータによって分離取込部80の紙幣分離部81の上に載置される。バックアップ82は左右両側に垂直に設けられたガイドシャフト83−1及び83−2に沿って上下動可能に支持される。即ち、ガイドシャフト83−1及び83−2には支持部87−1及び87−2が設けられ、支持部87−1及び87−2はバックアップ82を左右から支持する。そして、左右の支持部87−1及び87−2は、左右のカムリンク84−1及び84−2の先端によってそれぞれ支持されている。
左右のカムリンク84−1及び84−2は、固定端としてのリンク中心88を中心に上下に揺動可能である。左右のカムリンク84−1及び84−2のうち一方のカムリンク84−1の下側は、モータ85の駆動によって回転するカムフォロア86と係合する。これらの構造によって、バックアップ82はカムフォロア86の回転によって上昇し、バックアップ82の自重によって下降する。
図10は従来の紙幣結束整理装置の分離取込部の動作を示す説明図である。図10(a)はバックアップ82が上端位置にある状態を示し、図10(b)はバックアップ82が下降途中の位置にある状態を示し、図10(c)はバックアップ82が下端位置にある状態を示す。図10(a)に示すように、バックアップ82が上端位置にあるとき、オペレータによって紙幣Pの束が分離取込部80の紙幣分離部81の上に載置される。その後、図示しないピックアップローラによって紙幣Pの束を最下層から一枚毎に矢印D方向に分離することにより、紙幣Pを紙幣結束整理装置の内部に取り込む。紙幣分離部81の上の紙幣Pの束が徐々に減少することにより、バックアップ82は自重により下降する。バックアップ82の下降によりカムリンク84−1は矢印F方向に移動する。
一方、モータ85は徐々に回転することによりカムフォロア86を矢印B方向に回転させる。カムフォロア86の回転により図10(b)に示すようにカムリンク84−1がリンク中心88を中心として矢印F方向に移動することを許容する。そして、紙幣分離部81の上に載置された紙幣Pがなくなることにより、バックアップ82は図10(c)に示すように下端位置である紙幣分離部81の上に到達する。その後、バックアップ82を上昇させるため、モータ85は更に同じ方向に回転する。これによりカムフォロア86を矢印B方向に回転させ、カムフォロア86はカムリンク84−1を下側から押し上げる。こうしてバックアップ82を上昇させ図10(a)に示す上端位置に移動させることになる。
このような紙幣結束整理装置では、取込中の紙幣Pの束が全て取り込まれる前に、オペレータが追加として別の紙幣の束を既に載置されている紙幣の束の上に追加する「追加投入」という操作を行うことがある。例えば図10(b)に示すようにバックアップ82が下降途中の位置にある状態において、追加投入を行う場合である。この追加投入をいつでも行えるようにするため、カムリンク84−1はカムフォロア86の上側に位置するように係合している。これにより、バックアップ82は、取込中に手動にて上方へ引き上げることが可能な構造になっている。
なお、特開2002−150356号公報(特許文献1)には紙幣収納部の前面の扉を開いて紙幣収納部から集積紙幣を取り出すとき、紙幣収納部内の押えプレートが邪魔にならないようにした紙幣処理装置が記載されている。特許文献1によれば、扉が開かれたときにこれに連動して押えプレートを所定の位置まで引き上げるようにした構造になっている。
特開2002−150356号公報
しかしながら、図示した従来の技術によれば、下分離方式に伴って紙幣Pの分離音が発生するという問題があった。そのため、騒音対策として分離取込部80にカバーを設けることが考えられるが、オペレータによる追加投入の操作性を考慮すると困難な点があった。即ち、オペレータによる追加投入の操作において、オペレータは片手に投入する紙幣の束をもっているため、もう一方の手でカバーの開放と、バックアップ82の持ち上げをしなければならないというオペレータにとっての負担が発生していた。
本発明が解決しようとする課題は、分離音に伴う騒音を少なくし、かつオペレータにとって負担の少ない追加投入の操作を可能にした紙幣結束整理装置を提供することを可能とするものである。
上記課題を解決するために本発明に関する媒体処理装置は、媒体束の下から媒体を分離し、装置内部に取込む分離取込部を有する媒体処理装置において、前記媒体束の上から前記媒体束を押圧することによって前記分離取込部の分離動作を補助するバックアップと、前記バックアップを上下動可能に支持する支持部材と、回転することにより前記支持部材を動作させ、前記バックアップを最下位置と最上位置の間を移動させるカムフォロアと、前記分離取込部の分離音に伴う騒音の漏れを少なくするために、下辺に設けられた回転軸を中心に回動することにより前記分離取込部を開閉可能に覆い、上端部を外側下方へ回動させて開放するカバー部と、前記カバー部の前記回転軸の回転を前記カムフォロアに伝達して前記カムフォロアを回転させる伝達機構を有し、前記カムフォロアは前記カバー部の開閉による回転に連動して回転する構造としたことを特徴とするものである。
上記構成を有する本発明によれば、前記分離取込部を開閉可能に覆うカバー部を有し、移動部材としてのカムフォロアはカバー部の開閉に連動して動作するようにし、カバー部の開動作に連動して分離補助機構としてのバックアップ部を上端位置へ移動可能としたので、分離音に伴う騒音を少なくし、かつオペレータにとって負担の少ない追加投入を可能にした紙幣結束整理装置を提供することが可能になる。
第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の正面側を示す一部切欠斜視図である。 第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の外観図である。 第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の概略構成図である。 第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の正面側を示す斜視図である。 第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の背面側を示す斜視図である。 第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の動作を示す説明図である。 第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の動作を示す説明図である。 第2の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の側面側を示す説明図である。 従来の紙幣結束整理装置の分離取込部を示す説明図である。 従来の紙幣結束整理装置の分離取込部の動作を示す説明図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の外観図である。媒体処理装置としての紙幣結束整理装置100は銀行等の金融機関において、精査時に回収した媒体としての紙幣を一定枚数毎に結束する。紙幣結束整理装置100の正面(矢印A方向)には紙幣Pを取り込むための分離取込部10を有する。分離取込部10には後述する取込部カバー1を有するが、同図では図示を省略してある。分離取込部10は、オペレータによって載置された紙幣Pを一枚毎に装置内部へ取り込む。また、紙幣結束整理装置100の上面には、操作部21及び操作表示部22が設けられる。操作部21は紙幣の取込みを指示する図示しない取込開始ボタン、計数及び結束処理の完了を表示する図示しない完了ランプ及び装置の障害復旧時に装置を再稼働させるための図示しないリセットボタンを有する。操作表示部22は、液晶ディスプレイ及びタッチパネルによって構成されている。オペレータは操作表示部22を操作して、モードの指定及び集積順序等を設定する。更に、操作表示部22は後述する鑑別部27で鑑別された紙幣の金種、正損及び計数結果等を表示する。
更に、紙幣結束整理装置100の上面には、オープンポケット23及びリジェクトポケット24が設けられる。オープンポケット23には例えば結束対象外の金種の紙幣が排出される。またリジェクトポケット24には、後述する鑑別部27でリジェクト紙幣として鑑別された紙幣が集積される。更に、紙幣結束整理装置100の正面には、結束紙幣放出口25が設けられる。結束紙幣放出口25は、後述する紙幣結束機構31により結束された結束紙幣32を放出させる開口であり、結束紙幣32はオペレータによって取り出しが可能となる。
図3は、第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の概略構成図である。分離取込部10には、本実施の形態に関する取込部カバー1が矢印B方向に開閉可能に設けられている。分離取込部10は、オペレータにより紙幣Pの束が分離取込部10に載置されると当該紙幣Pを最下層から一枚毎に分離する下分離方式が採用されている。紙幣Pの束の上部には紙幣Pの束の分離性能を補助するために紙幣Pの束を最上層から押圧する分離補助機構としてのバックアップ2が設けられる。一枚毎に分離された紙幣Pは、装置内部に取り込まれ、搬送路26によって鑑別部27等の各部へ搬送される。鑑別部27は分離取込部10から搬送された紙幣Pの真偽、金種、正損及び表裏等の判別及び計数を行う。オープンポケット23及びリジェクトポケット24は鑑別部27の後段に設けられ、リジェクト紙幣等を排出する。
表裏反転部28は更に後段に設けられ、後述する制御部40の制御により紙幣Pの表裏反転を行う。集積機構29は、金種ごとに複数の一時集積部29a〜29eが垂直方向に並んで設けられ、鑑別部27による金種鑑別に従って、紙幣Pを一旦集積する。移送機構30は一時集積部29a〜29eの後方に垂直方向に移動可能に設けられ、制御部40の制御により、一時集積部29a〜29eから所定枚数集積された紙幣Pの束を紙幣結束機構31へ移送する。紙幣結束機構31では、制御部40の制御により紙幣Pの束を結束し、結束紙幣32として結束紙幣放出口25へ放出する。制御部40は紙幣結束整理装置100内の各部を制御する。そして、記憶部41は制御部40の制御に必要なプログラム及び各種データを記憶する。
図4は第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の正面側を示す斜視図である。図1は図4の一部切欠斜視図であり、図4に示す分離取込部10の後部板10−1及び取込部カバー1の一部を切り欠いて示す。図5は第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の背面側を示す斜視図である。図1及び図4はバックアップ2が下端位置にある状態を示し、図5はバックアップが上端位置にある状態を示す。また矢印Aは正面方向を示す。
分離取込部10の中央には紙幣Pの束を載置する後述する紙幣分離部11が設けられる。分離取込部10の後面には、載置された紙幣Pの後部を支持する後部板10−1が設けられる。分離取込部10の左右両側にはガイドシャフト3−1及び3−2が垂直に設けられる。ガイドシャフト3−1及び3−2には支持部7−1及び7−2が設けられ、支持部7−1及び7−2はバックアップ2を左右から支持する。従って、バックアップ2はガイドシャフト3−1及び3−2に沿って上下動可能に支持されている。そして、支持部7−1及び7−2は、左右の支持部材としてのカムリンク4−1及び4−2の先端に支持されている。左右のカムリンク4−1及び4−2は、固定端としてのリンク中心8を中心に上下に揺動可能である。従って、カムリンク4−1及び4−2は、バックアップ2を上下動可能に支持することになる。
左右のカムリンク4−1及び4−2のうち一方のカムリンク4−1の下側は、モータ5の駆動によって回転する移動部材としてのモータ駆動カムフォロア6−1と係合する。よって、モータ5の回転によって、移動部材としてのモータ駆動カムフォロア6−1が回転され、カムリンク4−1が駆動されることによりバックアップ2が上昇する。また他方のカムリンク4−2の下側は、後述するように取込部カバー1の開閉と連動する移動部材としてのカバー連動カムフォロア6−2と係合する。よって、取込部カバー1の開動作によって、移動部材としてのカバー連動カムフォロア6−2が回転され、カムリンク4−2が駆動されることによりバックアップ2が上昇する。従って、モータ駆動カムフォロア6−1及びカバー連動カムフォロア6−2は、左右のカムリンク4−1又は4−2をそれぞれ動作することにより、バックアップ2を最下位置から最上位置の間を移動させることになる。
取込部カバー1は逆L字型に形成され、上辺及び左右側辺は紙幣結束整理装置100の筐体に対し密閉することにより、分離取込部10の分離音に伴う騒音の漏れを少なくする。更に、取込部カバー1の下辺は回転軸が設けられ、取込部カバー1は分離取込部10を開閉可能に覆うことになる。後述する下辺の回転軸1−1(図6参照)は水平に設けられた大プーリ12と一体に設けられる。即ち、取込部カバー1が90度開放されると、回転軸1−1も90度回転し、大プーリ12も90度回転する。大プーリ12の回転はタイミングベルト14を介して小プーリ13に伝達される。小プーリ13には同軸でカバー連動カムフォロア6−2が設けられている。
即ち、取込部カバー1の開閉動作は、大プーリ12に伝達され、大プーリ12の回転は小プーリ13に伝達され、そしてカバー連動カムフォロア6−2に連動して伝達される構成となる。よって、取込部カバー1の開動作によって、カバー連動カムフォロア6−2が駆動され、カムリンク4−2が駆動されることによりバックアップ2が上昇する。即ち、カバー連動カムフォロア6−2は取込部カバー1の開閉に連動して動作するという構造である。
なお、バックアップ2は自重により下降する。この構造によって、バックアップ2はモータ駆動カムフォロア6−1又はカバー連動カムフォロア6−2の回転によって上昇し、バックアップ2の自重によって下降する。
図6は第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の動作を示す説明図である。図6(a)はバックアップ2が下端位置に到達した状態を示す。まず、図6(a)に示す状態に至るまでの動作を説明する。バックアップ2が上端位置にあるとき、オペレータによって紙幣Pの束が、分離取込部10の紙幣分離部11の上に載置される。その後、制御部40の制御により図示しないピックアップローラによって紙幣Pの束を最下層から一枚毎に矢印D方向に分離することにより、紙幣Pを紙幣結束整理装置100の内部に取り込む。紙幣Pの束が徐々に減少することにより、バックアップ2は自重により下降する。バックアップ2の下降によりカムリンク4−1及び4−2も下降する。一方、制御部40の制御によりモータ5は回転し、モータ駆動カムフォロア6−1を回転させる。モータ駆動カムフォロア6−1の回転によりカムリンク4−1がリンク中心8を中心として下降することを許容する。そして、紙幣分離部11の上に載置された紙幣Pがなくなることにより、バックアップ2は図6(a)に示すように下端位置に到達する。
なお、モータ駆動カムフォロア6−1の回転によりカムリンク4−1が下降することを許容するとは、カムリンク4−1が徐々に下降するのに合わせてモータ駆動カムフォロア6−1を徐々に回転する場合と、モータ駆動カムフォロア6−1を後述する位置aまで一気に回転させる場合がある。制御部40の制御によりモータ5を回転させるのであり、どちらでも適用可能である。
図6(a)において、バックアップ2が下端位置に到達した状態とは、即ち、紙幣Pが全て矢印D方向に取り込まれた状態である。このときカムリンク4−2は殆ど伸び切った状態である。この状態のカバー連動カムフォロア6−2の位置を位置aとする。カバー連動カムフォロア6−2の位置aは、バックアップ2が下端位置に到達した位置である。なお、同図には図示しないカムリンク4−1及びモータ駆動カムフォロア6−1の位置は、図6(a)に示すカムリンク4−2及びカバー連動カムフォロア6−2の位置と同じである。
その後、オペレータは取込部カバー1を矢印B方向に開放する。取込部カバー1は下辺に設けられた回転軸1−1を中心に回動すると、図6(b)に示すように回転軸1−1と一体に設けられた大プーリ12も矢印B方向に回転する。大プーリ12の回転は、タイミングベルト14を介して小プーリ13に伝達される。小プーリ13が矢印B方向に回転すると、これと同軸で回転するカバー連動カムフォロア6−2も矢印B方向に回転し、カムリンク4−2を押し上げる。カムリンク4−2が上方に押し上げられると、カムリンク4−2の先端に設けられたバックアップ2が矢印C方向に上昇する。図6(b)は取込部カバー1が開放され、かつバックアップ2が上端位置に到達した状態を示す。これにより、オペレータは取込部カバー1の開放と、バックアップ2の上方を片手で同時に行うことができる。なお、この状態のカバー連動カムフォロア6−2の位置を位置bとする。カバー連動カムフォロア6−2の位置bは、バックアップ2が上端位置に到達する位置である。
その後、オペレータは、新たな紙幣Pの束を紙幣分離部11の上に載置する。そして、図6(c)に示すように取込部カバー1を矢印E方向に閉じる。すると大プーリ12も矢印E方向に回転し、タイミングベルト14を介して小プーリ13に伝達される。そして、カバー連動カムフォロア6−2も矢印E方向に回転し、カバー連動カムフォロア6−2はカムリンク4−2から離れる。しかしながら、バックアップ2が紙幣Pの束の最上層から押圧しているので、カムリンク4−1及び4−2は移動しない。この状態で分離取込部10は制御部40の制御により紙幣Pを一枚毎に矢印D方向に分離し装置内部に取り込む。図6(c)は分離取込部10の紙幣Pの取込みの状態を示す。この状態のカバー連動カムフォロア6−2の位置は位置aとなる。
取込部カバー1の開閉状態と、カバー連動カムフォロア6−2の位置関係は次の通りとなる。即ち、オペレータにより取込部カバー1が開放されると、カバー連動カムフォロア6−2は位置bとなり、取込部カバー1が閉じられると、カバー連動カムフォロア6−2は位置aとなる。カバー連動カムフォロア6−2が位置bになるということは、図6(b)に示すようにバックアップ2が上端位置に押し上げられた状態である。一方、カバー連動カムフォロア6−2が位置aになるということは、図6(a)又は図6(c)に示すように紙幣Pの量に従ってバックアップ2が自重により下端位置若しくは上端位置又はその中間位置になることである。
また、取込部カバー1を開放したとき、カバー連動カムフォロア6−2とバックアップ2の位置関係は図6(b)に図示の通りであるが、モータ駆動カムフォロア6−1とバックアップ2の関係は図7に図示の通りである。即ち、図7は第1の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の動作を示す説明図である。取込部カバー1を開放したとき、前述の通りバックアップ2は上端位置にある。バックアップ2を駆動するためのもう一方のモータ駆動カムフォロア6−1は、図7に示すように位置aにある。そのため、モータ駆動カムフォロア6−1は、カムリンク4−1とは離隔していることになる。
次に本実施の形態に関する追加投入の動作について説明する。前述の通り追加投入とは、取込中の紙幣Pの束が全て取り込まれる前に、オペレータが追加として別の紙幣Pの束を既に載置されている紙幣Pの束の上に追加する操作のことである。例えば図6(c)に示す状態の後、紙幣Pが約半分取り込まれた段階で追加投入の操作があったとする。取込部カバー1は閉じた状態で、カバー連動カムフォロア6−2は位置aの位置にあり、カムリンク4−2は下降しているがカバー連動カムフォロア6−2とは接していないとする。
その状態でオペレータは追加投入をするため取込部カバー1を開放する。すると図6(b)に示すように、カバー連動カムフォロア6−2は位置bへと回転し、カムリンク4−2は上方に押し上げられ、バックアップ2は上端位置へ移動する。従って、オペレータは追加として別の紙幣Pの束を既に載置されている紙幣Pの束の上に追加することができる。
ここで、バックアップ2を下端位置から上端位置へ移動させるために、カバー連動カムフォロア6−2の回転角度は、本実施の形態では位置aから位置bまでの約130度である。一方、これを回転させるための取込部カバー1の回転角度は約90度である。取込部カバー1の開放動作によって、バックアップ2を下端位置から上端位置へ移動させるために、大プーリ12と小プーリ13の歯数比は、おおよそ次の通りである。
大プーリ:小プーリ=130:90
例えば、大プーリ12が32歯、小プーリ13が22歯とする必要がある。これにより、取込部カバー1を90度開放することにより、バックアップ2を下端位置から上端位置へ移動させることができる。
以上の通り、第1の実施の形態によれば、取込部カバー1を開放することで、バックアップ2は上端位置へ移動し、取込部カバー1を閉じることでバックアップ2を下端位置へ移動させることができる。これにより、追加投入時に、取込部カバー1を開放するだけで、バックアップが上端位置に移動するので、追加投入の操作性を損なうことなく、騒音を低減することができる。
(第2の実施の形態)
図8は第2の実施の形態に関する紙幣結束整理装置の分離取込部の側面側を示す説明図である。前記第1の実施の形態においては、取込部カバー1の開閉動作を大プーリ12からタイミングベルト14を介して小プーリ13に伝達する伝達機構とした。第2の実施の形態では、タイミングベルト14の替りの伝達機構として歯車列によってもよいことを示す。
即ち、取込部カバー1は逆L字型に形成され、上辺及び左右側辺は紙幣結束整理装置100の筐体に対し開閉可能に密着することにより、分離音に伴う騒音の漏れを少なくする。更に、取込部カバー1の下辺は回転軸1−1が設けられる。下辺の回転軸1−1は水平に設けられた第1歯車51と一体に設けられる。取込部カバー1が90度開放されると、回転軸1−1も90度回転し、第1歯車51も90度回転する。第1歯車51は、歯車列としての第2歯車52、第3歯車53、第4歯車54及び第5歯車55と歯合する。第1歯車51の回転はこれらの歯車列51〜54によって第5歯車55に伝達される。第5歯車55には同軸で移動部材としてのカバー連動カムフォロア6−2が設けられている。
即ち、取込部カバー1の開閉動作は、第1歯車51の回転に伝達され、第1歯車51の回転は第2歯車52、第3歯車53、第4歯車54及び第5歯車55に伝達され、そしてカバー連動カムフォロア6−2に伝達される構成となる。よって、取込部カバー1の開動作によって、カバー連動カムフォロア6−2が駆動され、支持部材としてのカムリンク4−2が駆動されることによりバックアップ2が上昇する。
(第3の実施の形態)
前記第2の実施の形態においては、取込部カバー1の開閉動作を第1歯車51から歯車列52〜55に伝達する構成とした。第3の実施の形態は、歯車列の替りにリンク機構による構成である。即ち、取込部カバー1の下辺の回転軸1−1と一体のリンクを有し、リンクの回転運動をバックアップ2の往復運動に変換するリンク機構である。
上記実施の形態の説明において、移動部材としてのモータ駆動カムフォロア6−1及びカバー連動カムフォロア6−2を説明したがこれに限らない。即ち、移動部材としては、単なる円柱状の棒を上下動させる構造又はカムの形状によりカムリンクを上下動させる構造でもよい。
1 取込部カバー
2 バックアップ
3 ガイドシャフト
4 カムリンク
6−1 モータ駆動カムフォロア
6−2 カバー連動カムフォロア
10 分離取込部
12 大プーリ
13 小プーリ
14 タイミングベルト
100 紙幣結束整理装置
P 紙幣

Claims (5)

  1. 媒体束の下から媒体を分離し、装置内部に取込む分離取込部を有する媒体処理装置において、
    前記媒体束の上から前記媒体束を押圧することによって前記分離取込部の分離動作を補助するバックアップと、
    前記バックアップを上下動可能に支持する支持部材と、
    回転することにより前記支持部材を動作させ、前記バックアップを最下位置と最上位置の間を移動させるカムフォロアと、
    前記分離取込部の分離音に伴う騒音の漏れを少なくするために、下辺に設けられた回転軸を中心に回動することにより前記分離取込部を開閉可能に覆い、上端部を外側下方へ回動させて開放するカバー部と、
    前記カバー部の前記回転軸の回転を前記カムフォロアに伝達して前記カムフォロアを回転させる伝達機構を有し、
    前記カムフォロアは前記カバー部の開閉による回転に連動して回転する構造としたことを特徴とする媒体処理装置。
  2. 前記伝達機構は、前記カバー部の前記回転軸と一体に設けられた大プーリの回転を前記カムフォロアに伝達するタイミングベルトであり、
    前記カバー部の開動作によって、前記タイミングベルトを介して前記カムフォロアを連動して回転させ、前記バックアップを最上位置へ移動させることを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
  3. 前記伝達機構は、前記カバー部の前記回転軸と一体に設けられた歯車の回転を前記カムフォロアに伝達する歯車列であり、
    前記カバー部の開動作によって、前記歯車列を介して前記カムフォロアを連動して回転させ、前記バックアップを最上位置へ移動させることを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
  4. 前記カバー部の閉動作では、前記バックアップを最上位置から自重で降下させることを特徴とする請求項2又は3記載の媒体処理装置。
  5. 垂直に配置したガイドシャフトを有し、前記バックアップは前記ガイドシャフトに沿って上下動する構成であることを特徴とする請求項1記載の媒体処理装置。
JP2013244730A 2013-11-27 2013-11-27 媒体処理装置 Active JP6206129B2 (ja)

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