JP2852027B2 - 紙葉類処理装置 - Google Patents

紙葉類処理装置

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JP2852027B2
JP2852027B2 JP32692196A JP32692196A JP2852027B2 JP 2852027 B2 JP2852027 B2 JP 2852027B2 JP 32692196 A JP32692196 A JP 32692196A JP 32692196 A JP32692196 A JP 32692196A JP 2852027 B2 JP2852027 B2 JP 2852027B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、遊技設備
において、多数の遊技用貸機等に投入された紙幣やカー
ド等の紙葉類を遊技台列の背面側の主搬送経路に沿って
搬送したのち、その遊技台列の一端側で搬送枚数を計数
処理しながら所定の収納部に収納するに際して、その主
搬送経路から送り出されてくる紙葉類の搬送方向を後処
理に適した方向に変更する場合などに用いられる紙葉類
処理装置に関する。より詳しくは、可撓性を備えた紙葉
類の搬送径路途中に、紙葉類の両紙面を送り込み方向に
対して交差する方向に屈曲案内して、該紙葉類の搬送方
向を変更する屈曲案内部と、該屈曲案内部に対して紙葉
類を挾持状態で送り込む挾持搬入手段、及び、前記屈曲
案内部からの紙葉類を挾持状態で送り出す挾持搬出手段
とを設けてある紙葉類処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の紙葉類処理装置では、紙葉類の搬
送方向を90度又はほぼ90度変更する屈曲案内部を、
屈曲案内通路の内外両側に位置する一対の分割ガイド部
材から構成し、この両分割ガイド部材の搬送始端部の各
々に、前記挾持搬入手段を構成する一対の駆動回転体の
挾持部が紙葉類の厚み方向から入り込むスリットを形成
するとともに、前記両分割ガイド部材の搬送終端部に
は、前記挾持搬出手段を構成する一対の駆動回転体の挾
持部が紙葉類の厚み方向から入り込むスリットを形成
し、更に、前記挾持搬入手段の一対の駆動回転体及び前
記挾持搬出手段の一対の駆動回転体の各々を、前記両分
割ガイド部材を着脱自在に内装してある搬送ケースに軸
支していた(例えば、実公平3−48110号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の紙葉類処理装置
による場合は、前記屈曲案内部の屈曲案内通路内で紙葉
類の詰まりが発生したとき、主搬送系に対して、前記両
分割ガイド部材を内装する搬送ケースを取り外ずしたの
ち、搬送ケースに軸支されている前記挾持搬入手段の一
対の駆動回転体及び前記挾持搬出手段の一対の駆動回転
体の各々を分解し、更に、搬送ケースから両分割ガイド
部材を取り外さなければならないため、その詰まり解除
作業に多くの手間と労力を要し、しかも、詰まり解除作
業が終了するまで主搬送系の駆動を停止しなければなら
ないため、主搬送系の可動効率が低下する問題があっ
た。
【0004】本発明は、上述の実情に鑑みて為されたも
のであって、その主たる課題は、前記屈曲案内部の屈曲
案内通路内での紙葉類の詰まり解除作業を、主搬送系の
可動効率の低下を抑制しながら迅速、容易に行うことが
できる紙葉類処理装置を提供する点にある。
【0005】本発明の請求項1記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、冒記した構成において、前記屈曲案内部の
少なくとも一部、前記挾持搬入手段と挾持搬出手段と
の間の空間を通して屈曲案内通路を外部に開放する姿勢
に変更自在に構成されているとともに、前記挾持搬出手
段の搬送方向下手側には、該挾持搬出手段から送り出さ
れる紙葉類をそれらが重なり合っているときには該紙葉
類の先端を一枚ずつ搬送方向にずらしながら挾持搬送す
る分離搬送手段が設けられ、更に、前記挾持搬出手段と
分離搬送手段との間には、複数枚の紙葉類を保留可能な
保留部が形成されている点にある。前記特徴構成によれ
ば、前記屈曲案内部の屈曲案内通路内で紙葉類の詰まり
が発生したとき、前記屈曲案内部の搬送方向上手側及び
搬送方向下手側に位置する挾持搬入手段及び挾持搬出手
段を分解すことなく、前記屈曲案内部の少なくとも一部
を、挾持搬入手段と挾持搬出手段との間の空間を通して
屈曲案内通路を外部に開放する姿勢に自由に変更するこ
とができるから、紙葉類の詰まり解除作業を、主搬送系
の可動効率の低下を抑制しながら迅速、容易に行うこと
ができる。更に、前記挾持搬出手段からの単位時間当た
りの紙葉類の送り出し枚数が一時的に増加しても、この
複数枚の紙葉類を保留部において重なり状態で保留する
ことができ、しかも、この保留された紙葉類を、前記分
離搬送手段によって、紙葉類の先端を一枚ずつ搬送方向
にずらしながら挾持搬送することができる。それ故に、
前記分離搬送手段よりも搬送方向上手側での挾持搬送能
力を高めながらも、詰まり発生の少ない状態で一枚ずつ
分離することができるから、紙葉類の計数処理や計数後
の紙葉類の積層状態での収納処理などの後処理に悪影響
を及ぼすことを抑制することができる。
【0006】また、前記屈曲案内部が、屈曲案内通路の
内外両側に位置する一対の分割ガイド部材から構成され
ていて、前記屈曲案内通路の外側に位置する分割ガイド
部材が固定部に対して着脱に構成されている場合には
前記屈曲案内部の屈曲案内通路内で紙葉類の詰まりが発
生したとき、この屈曲案内通路の外側に位置する分割ガ
イド部材のみを取り外すことができるから、前記屈曲案
内通路を外部に対して大きく開放することができるばか
りでなく、屈曲案内通路の内側に位置する分割ガイド部
材を取り外す場合に比して手数の軽減化を図ることが可
能で、詰まり解除作業の容易化及び能率化を促進するこ
とができる。
【0007】本発明の請求項記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、前記屈曲案内部が、紙葉類の搬送方向を9
0度又はほぼ90度変更するものであって、該屈曲案内
部には、90度又はほぼ90度屈曲された紙葉類の一方
の側辺に接当して該側辺の移動位置を規制する位置規制
ガイド体が設けられているとともに、前記位置規制ガイ
ド体の搬送方向上手側部分が、紙葉類との接当圧の増大
に連れて逃げ方向に弾性的に撓み変形自在に構成されて
いる点にある。前記特徴構成によれば、前記屈曲案内部
に沿って90度又はほぼ90度屈曲された紙葉類の一方
の側辺の移動位置を、前記位置規制ガイド体によって接
当規制することにより、前記屈曲案内部からの紙葉類の
送り出し位置及び姿勢が安定化し、重なり状態にある紙
葉類の分離処理や計数処理或いは係数後の紙葉類の積層
状態での収納処理などの後処理を有利に行うことができ
る。しかも、前記90度又はほぼ90度屈曲された紙葉
類の偏りが大きくて、紙葉類と位置規制ガイド体の搬送
方向上手側部分との接当圧が増大したときには、該位置
規制ガイド体の搬送方向上手側部分が所定の移動規制位
置から逃げ方向に弾性的に撓み変形するから、紙葉類に
無理な力を加えることなくその移動位置を徐々に矯正す
ることができ、紙葉類の折れ曲がり等に起因する詰まり
発生を抑制することができる。
【0008】本発明の請求項記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、前記屈曲案内部の搬送方向上手側には、該
屈曲案内部よりも搬送方向下手側でのトラブル発生信号
に基づいて、主搬送系から搬送されてきた紙葉類を屈曲
案内部の入口側に移行案内する第1状態から複数枚の紙
葉類を貯留可能な貯留部に移行案内する第2状態に切り
換える通路切換手段が設けられている点にある。前記特
徴構成によれば、前記屈曲案内部よりも搬送方向下手側
で詰まり等のトラブルが発生したとき、そのトラブル発
生信号に基づいて作動する通路切換手段により、紙葉類
を屈曲案内部の入口側に移行案内する第1状態から貯留
部に移行案内する第2状態に切り換えることができるか
ら、前記トラブルが屈曲案内部及び主搬送系に波及する
ことを抑制することができるとともに、主搬送系の駆動
を停止することなく前記トラブルを解消することがで
き、主搬送系の可動効率の向上を図ることができる。
【0009】また、前記挾持搬入手段に、紙葉類の両紙
面を厚み方向から挾持した状態で屈曲案内部の入口に強
制的に送り込む一対の駆動回転体が備えられていて、こ
れら両駆動回転体が、紙葉類の挾持枚数に応じて前記厚
み方向に相対離間移動自在に構成されているとともに、
前記両駆動回転体間に設定枚数以上の紙葉類が挾持され
たとき、一方の駆動回転体への動力伝達を停止する伝動
停止手段が設けられている場合には、前記両駆動回転体
が、それら両者間に挾持される紙葉類の枚数に応じて相
対離間移動するから、当該両駆動回転体間での紙葉類の
詰まり発生を抑制することができる。しかも、前記両駆
動回転体間に挾持された紙葉類が設定枚数未満であれ
ば、この紙葉類を両駆動回転体の駆動回転によって同時
に挾持搬送することができ、また、前記両駆動回転体間
に挾持された紙葉類の枚数が設定枚数以上であれば、一
方の駆動回転体のみの駆動回転によって、該駆動回転体
と接触する紙葉類から順番に送り込み、紙葉類の枚数が
設定枚数未満となった時点で再び両駆動回転体によって
紙葉類を一挙に送り込むことができる。従って、前記挾
持搬入手段による単位時間当たりの紙葉類の挾持搬送能
力を高めながらも、詰まり発生に起因する可動効率の低
下を抑制することができる。
【0010】
【0011】本発明の請求項記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、前記固定部が、前記挾持搬出手段と保留部
及び分離搬送手段とを内装する機枠であって、前記挾持
搬出手段の搬送始端部が、前記機枠に形成した第1開口
を通して外部に臨む状態で配設されているとともに、前
記機枠の外面側の第1開口に対応する部位には、前記屈
曲案内部の外側分割ガイド部材を備えたカバーが着脱自
在に取付けられ、更に、前記カバーには、該カバーの外
部から第1開口を通して挾持搬出手段の搬送始端部に紙
葉類を供給するための供給口が形成されている点にあ
る。前記特徴構成によれば、前記屈曲案内部の屈曲案内
通路内で紙葉類の詰まりが発生したとき、前記機枠から
カバーを取り外すだけで、前記屈曲案内部の外側分割ガ
イド部材をも同時に取り外すことができるばかりでな
く、詰まり解除後において、詰まり等で取り除かれた紙
葉類を、カバーの供給口から第1開口を通して挾持搬出
手段の搬送始端部に供給することができるから、一旦搬
送系から取り除かれた紙葉類の再投入も迅速、容易に行
うことができる。
【0012】本発明の請求項記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、前記機枠に、保留部内の紙葉類を外部に抜
き取り可能な第2開口が形成されている点にある。前記
特徴構成によれば、前記保留部内で紙葉類の詰まりが発
生したとき、この詰まった紙葉類を機枠の第2開口を通
して外部にスムーズに取り出すことができ、詰まり解除
作業を迅速、容易に行うことができる。しかも、詰まり
等で取り除かれた紙葉類を、前記カバーの供給口から第
1開口を通して挾持搬出手段の搬送始端部に供給するこ
とができるから、一旦搬送系から取り除かれた紙葉類の
再投入も迅速、容易に行うことができる。
【0013】本発明の請求項記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、前記分離搬送手段に、紙葉類との摺動抵抗
が紙葉類どうしの摺動抵抗よりも大きい第1挾持部と、
紙葉類との摺動抵抗が紙葉類どうしの摺動抵抗よりも大
きく、かつ、紙葉類と前記第1挾持部との摺動抵抗より
も小さい第2挾持部と、当該第2挾持部に対して第1挾
持部を弧状に形成された挾持搬送路に沿って駆動移動さ
せる駆動手段とが備えられている点にある。前記特徴構
成によれば、一枚の紙葉類が第1挾持部と第2挾持部と
で挾持されると、その一枚の紙葉類は、第1挾持部の駆
動移動で、紙葉類との摺動抵抗が第1挾持部よりも小さ
い第2挾持部に対して摺動しながら、第1挾持部の駆動
移動に追従して挾持搬送される。また、重なり合ってい
る紙葉類が第1挾持部と第2挾持部とで挾持されると、
第1挾持部の駆動移動で、最も摺動抵抗が小さい紙葉類
どうしが相対摺動しながら、第1挾持部に接触している
紙葉類が、第1挾持部の駆動移動に追従して挾持搬送さ
れ、その紙葉類の先端が第2挾持部に接触している紙葉
類の先端よりも搬送下手側(前方)に移動する。そし
て、重なり合っていた紙葉類が三枚以上であっても、そ
の第1挾持部に接触する紙葉類から順次追従移動される
から、最終的にそれらの紙葉類は、その先端を一枚ずつ
搬送方向(前後)にずらしながら挾持搬送されることに
なる。従って、例えば、紙葉類を挾持して送り出すロー
ラ対のうちの一方のローラを、その紙葉類の挾持厚さに
応じて正逆回転可能に構成し、紙葉類の挾持厚さが一枚
分の紙葉類の挾持厚さよりも厚い場合にのみ、そのロー
ラを送り出し方向とは逆方向に回転させて、重なり合っ
ている紙葉類の先端を一枚ずつ搬送方向(前後)にずら
しながら挾持搬送するよう構成してある従来装置のよう
に、重合した紙葉類の挾持厚さの僅かな差を検出する必
要がなく、しかも、一枚の紙葉類を第1挾持部と第2挾
持部とで挾持すると、その一枚の紙葉類を第1挾持部の
駆動移動に追従して挾持搬送でき、重なり合っている紙
葉類を第1挾持部と第2挾持部とで挾持すると、それら
の紙葉類の先端を第1挟持部側ほど先行する状態で一枚
ずつ搬送方向(前後)にずらしながら挾持搬送すること
ができるから、高い組付け精度を要することもない。そ
れ故に、重なり合っている紙葉類の先端を一枚ずつ確実
に搬送方向(前後)にずらしながら挾持搬送することが
できるばかりでなく、構造の簡素化と製造コストの低廉
化を図ることができる。
【0014】本発明の請求項記載の紙葉類処理装置の
特徴構成は、前記分離搬送手段の両挾持部の搬送方向上
手側に、当該両挾持部間に先行の紙葉類が位置すると
き、後続の紙葉類を先行紙葉類と前記第2挾持部側との
間に導入案内する導入案内手段が設けられている点にあ
る。前記特徴構成によれば、前記第1挾持部と第2挾持
部とで挾持搬送される一枚の紙葉類がスリップ等で所定
位置にまで搬送されない事態が発生しても、前記両挾持
部の搬送上手側に設けた導入案内手段によって、後続の
紙葉類を両挾持部間に位置する先行の紙葉類と第2挾持
部側との間に導入案内することができるから、両挾持部
間に位置する先行の紙葉類と第1挾持部側との間に後続
の紙葉類が導入案内されることに起因する重なり状態で
の挟持搬送を抑制することができる。つまり、先行の紙
葉類がスリップ等によって所定位置にまで挟持搬送され
ない事態が発生した場合において、両挾持部間に位置す
る先行の紙葉類と第1挾持部側との間に後続の紙葉類が
導入案内されると、この後続の紙葉類が第1挾持部の駆
動移動に追従して挾持搬送されるが、このとき、先行の
紙葉類も後続の紙葉類との間でスリップしながらも送り
作用を受けるため、後続の紙葉類が所定位置に挟持搬送
されるまでに、先行の紙葉類も所定位置にまで移動する
ことがあり、その結果、重なり状態にある二枚の紙葉類
が一枚として計数されるなどのトラブルを招来する問題
がある。しかしながら、本願発明の場合では、先行の紙
葉類がスリップ等によって所定位置にまで挟持搬送され
ない事態が発生しても、両挾持部間に位置する先行の紙
葉類と第2挾持部側との間に後続の紙葉類を導入案内す
ることができるから、後続の紙葉類は、先行の紙葉類が
挟持搬送されてから第1挾持部による挟持搬送力を受け
ることになり、先行の紙葉類と後続の紙葉類とが重合し
たまま所定位置にまで挟持搬送されることを抑制するこ
とができる。従って、例え、前記両挟持部で挟持搬送さ
れる紙葉類がスリップ等によって所定位置にまで搬送さ
れない事態が発生しても、この先行の紙葉類を後続の紙
葉類との重合搬送を回避した状態で良好に挟持搬送する
ことができる。
【0015】また、前記分離搬送手段の挾持搬送路を、
前記第1挾持部側が凸曲し、かつ、前記第2挾持部が凹
曲する弧状に構成してある場合に、第1挾持部の駆動移
動に追従して湾曲しながら挾持搬送される紙葉類は、そ
の搬送方向下手側の先端縁が第2挾持部側に対して強く
押し付けられる。従って、前記第1挾持部の駆動移動に
追従して挾持搬送される紙葉類が重なり合っている場
合、第2挾持部側に位置している紙葉類の移動に大きな
抵抗を与えて、それらの紙葉類の先端どうしを前後方向
で容易にずらすことができる。
【0016】また、前記分離搬送手段の両挾持部間の挾
持搬送路幅が設定幅となる挾持状態と少なくとも挾持搬
送路の搬送始端部での幅が設定幅よりも大となる挾持解
除状態とに切り換える搬送路幅切換手段と、前記第1挾
持部と第2挾持部とで挾持可能な挾持位置に案内されて
いる紙葉類の有無を検出する検出手段とが設けられてい
るとともに、前記検出手段による紙葉類有りの検出情報
に基づいて前記搬送路幅切換手段を挾持状態に切り換え
作動させ、かつ、挾持搬送終了時に前記搬送路幅切換手
段を挾持解除状態に切り換え作動させるように構成され
ている場合には、非挾持搬送時には、前記搬送路幅切換
手段によって両挾持部間の少なくとも挾持搬送路の搬送
始端部での幅が設定幅よりも大となる挾持解除状態に保
持されているから、送り込まれてきた紙葉類の前端部を
両挾持部間の挾持位置に確実、スムースに移行案内する
ことができる。しかも、紙葉類が挾持位置に案内された
ことを検出手段にて検出すると、その紙葉類有りの検出
情報に基づいて前記搬送路幅切換手段が挾持状態に切り
換え作動され、両挾持部によって紙葉類が挾持搬送され
る。従って、紙葉類を挾持位置に確実、スムースに移入
案内することができるとともに、挾持位置に案内されて
いる紙葉類の有無に基づいて挾持搬送手段を効率良く作
動させることができる。
【0017】また、前記分離搬送手段の両挾持部間に挾
持されている紙葉類のうちの非挾持部分に第2挾持部側
から接触して、その挾持搬送路に沿う移動に対して抵抗
を付与する抵抗体が設けられている場合には、複数の紙
葉類が重なり合っている場合、第2挾持部側に位置して
いる紙葉類の非挾持部分が前記抵抗体に接触してその挾
持搬送路に沿う移動に対して抵抗が与えられる。特に、
前記分離搬送手段の挾持搬送路を、前記第1挾持部側が
凸曲し、かつ、前記第2挾持部が凹曲する弧状に構成し
てある場合、前記両挾持部に挾持されている紙葉類の非
挾持部分の先端部が紙葉類自体の剛性で第2挾持部側に
向けてしなり易いから、その第2挾持部側に位置する紙
葉類の先端縁が抵抗体に対して強く押し付けられる。従
って、第1挾持部の駆動移動に追従して挾持搬送される
紙葉類が重なり合っている場合、その重なり合っている
紙葉類どうしが相対摺動を開始するきっかけを積極的に
与え易く、重なり状態にある紙葉類の分離性能の向上を
図ることができる。
【0018】また、前記分離搬送手段の第1挾持部が挾
持搬送路から退避した待機位置に到達したとき前記駆動
手段を駆動停止させる停止手段と、前記第1挾持部と第
2挾持部とで挾持可能な挾持位置に案内されている紙葉
類の有無を検出する検出手段とが設けられているととも
に、前記検出手段による紙葉類有りの検出情報に基づい
て、前記待機位置にある第1挾持部を挾持搬送路に沿っ
て駆動移動させるべく、前記駆動手段と検出手段とが連
係されている場合には、前記駆動手段が駆動停止した非
挾持搬送時には、前記第1挾持部が挾持搬送路から退避
した待機位置にあるから、送り込まれてきた紙葉類の前
端部を挾持位置にスムースに移行案内することができ
る。しかも、紙葉類が挾持位置に案内されていると、前
記検出手段による紙葉類有りの検出情報に基づいて、前
記待機位置にある第1挾持部が挾持搬送路に沿って駆動
移動され、両挾持部によって紙葉類が挾持搬送される。
従って、紙葉類を挾持位置にスムースに移入案内するこ
とができるとともに、挾持位置に案内されている紙葉類
の有無に基づいて挾持搬送手段を効率良く作動させるこ
とができる。
【0019】また、前記導入案内手段が、前記保留部内
のうち、分離搬送手段の挾持搬送路の始端部への送り込
み通路よりも第1挟持部の存在側に偏位した部位に形成
された紙葉類の退避部と、前記送り込み通路に対して交
差方向から紙葉類の通過を許容する状態で該紙葉類を前
記退避部側に押圧する押圧体と、該押圧体を押圧状態と
押圧解除状態とに切り換える切換機構とから構成されて
いる場合には、前記両挾持部で挾持搬送された先行の紙
葉類がスリップ等によって所定位置にまで搬送されない
事態が発生したとき、前記切換機構によって押圧体を押
圧状態に切り換えると、両挾持部間に位置する先行の紙
葉類の後端部側を送り込み通路脇の退避部に退避移動さ
せることができるから、前記送り込み通路に沿って送り
込み案内されてきた後続の紙葉類を、押圧体を通過移動
させながら両挾持部間に位置する先行の紙葉類と第2挾
持部側との間に導入案内することができる。従って、両
挾持部間に紙葉類が存在しない場合には、前記押圧体を
押圧解除状態に切り換えておくことにより、送り込み通
路に沿って送り込み案内される紙葉類の送り込み抵抗を
減少することができ、挾持搬送路の始端部に対して紙葉
類をスムースに供給することができる。
【0020】また、前記機枠内で、かつ、前記分離搬送
手段の搬送方向下手側に、前記第1挾持部が挾持搬送路
から退避移動したとき、先端を一枚ずつ搬送方向にずら
して挾持搬送されてきた紙葉類を先頭の紙葉類から順に
後続の紙葉類から引き離す引き離し手段と、該引き離し
手段で引き離された紙葉類の枚数を計数する計数手段
と、該計数手段で計数された紙葉類を積層状態で収納部
に収納する収納手段とが設けられている場合には、先端
を一枚ずつ前後にずらして挾持搬送されてきた紙葉類
を、前記引き離し手段によって先頭の紙葉類から順に引
き離すことができるのであるが、このとき、前記第1挾
持部が挾持搬送路から退避移動して、第2挾持部に対応
する挾持搬送路幅が実質的に広くなっている状態で紙葉
類が後続の紙葉類から引き離されるから、先頭の紙葉類
のみを確実、スムーヘスに引き離すことができる。それ
故に、引き離された紙葉類の計数処理を能率良く正確に
行うことができるとともに、紙葉類を一枚ずつ収納部に
積層状態で確実に収納することができる。
【0021】また、前記屈曲案内部の入口は、矩形状の
紙葉類をその紙面及び短辺を上下方向に沿わせた状態で
受入れ可能に構成されているとともに、前記屈曲案内部
の出口は、紙葉類をそれの長辺及び紙面を上下方向に沿
わせた状態で下方に送り出し可能に構成され、更に、前
記挾持搬出手段は、前記保留部に対して紙葉類をそれの
紙面が上下方向に向き、かつ、短辺が屈曲案内部の入口
側での搬送方向に沿う横向き姿勢で搬送供給するように
構成されている場合には、前記屈曲案内部の入口側で
は、紙葉類をその紙面及び短辺が上下方向に沿う姿勢で
受入れながらも、前記保留部では、紙葉類がそれの紙面
を上下方向に向け、かつ、短辺を屈曲案内部の入口側で
の搬送方向に沿う横向き姿勢にあるから、屈曲案内部の
入口側での搬送方向における紙葉類処理装置の幅を小さ
くすることができる。それ故に、遊技設備において、多
数の遊技用貸機等に投入された紙幣やカード等の紙葉類
をそれの紙面を上下方向に沿わせた状態で遊技台列(遊
技島)の長手方向一端側にまで搬送する主搬送装置の搬
送終端部に本発明の紙葉類処理装置を取付けることによ
り、遊技台列の長手方向一端側での紙葉類の処理スペー
スを減少することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図8は、本発明による紙葉
類処理装置の一例としての、紙幣(紙葉類の一例)Mを
積層状態で収納部1に収納する紙幣集積装置Aを示し、
この紙幣集積装置Aは、遊技設備の遊技台間に設けてあ
る複数の遊技用貸機に時間的に不規則に投入された千円
紙幣Mを、その紙面及び短辺が上下方向に沿う横長縦姿
勢で挾持して、遊技台列の背面側の共通の主搬送路に沿
って水平方向に合流搬送する紙幣搬送装置(主搬送系の
一例)Eの搬送終端部に接続されている。
【0023】前記紙幣集積装置Aのケーシング(機枠の
一例)12の上部には、前記紙幣搬送装置Eで搬送され
てきた横長縦姿勢の紙幣Mの両紙面を送り込み方向に対
して直角又はほぼ直角に交差する下方側に屈曲案内し
て、紙幣Mの紙面及び長辺が上下方向に沿う縦長縦姿勢
となる状態に搬送方向を90度又はほぼ90度変更する
透明な合成樹脂製の屈曲案内部1と、該屈曲案内部1に
対して紙幣Mを挾持状態で送り込む挾持搬入手段G、及
び、前記屈曲案内部1よりも搬送方向下手側でのトラブ
ル発生信号に基づいて、前記紙幣搬送装置Eから搬送さ
れてきた紙幣Mを挾持搬入手段Gを通して屈曲案内部1
の入口側に移行案内する第1状態(図7の(イ)参照)
から複数枚の紙幣Mを横長縦姿勢で貯留可能な貯留部5
0に移行案内する第2状態(図7の(ロ)参照)に切り
換える通路切換手段Jとが設けられている。
【0024】また、前記紙幣集積装置Aのケーシング1
2内には、前記屈曲案内部1の出口から送り出される紙
幣Mを挾持して、該紙幣Mをそれの紙面が上下方向に向
き、かつ、短辺が紙幣搬送装置Eの搬送方向に沿う横向
き姿勢に変更しながら送り出す挾持搬出手段Hと、該挾
持搬出手段Hから送り出される紙幣Mを挾持して、その
挾持した紙幣Mが重なり合っている場合にはそれらの紙
幣Mの先端を一枚ずつ前後(挾持搬送方向)にずらしな
がら、後述の第1挾持部8側に湾曲する状態で円弧状に
形成された挾持搬送路2に沿って挾持搬送する分離搬送
手段3と、前記挾持搬出手段Hと分離搬送手段3との間
において複数枚の紙幣Mを横向き姿勢で保留可能な保留
部4と、先端を一枚ずつ前後にずらして挾持搬送されて
いる紙幣Mを、先頭の紙幣Mから順に、後続の紙幣Mか
ら前後に引き離す引き離し手段5と、引き離し手段5で
引き離された紙幣Mの枚数を計数する計数手段6と、計
数手段6で計数された紙幣Mを一枚ずつ収納部Nに押し
込んで横向き水平姿勢で積層収納する収納手段7とが設
けられているとともに、前記挾持搬出手段Hの搬送始端
部が、前記ケーシング12の天板12Aに形成した第1
開口12aを通して外部に臨む状態で配設されている。
【0025】前記ケーシング12の天板12Aの上面に
は、前記挾持搬入手段Gの一対の駆動回転体60,61
を軸支し、かつ、前記貯留部50を上方に開口する状態
で形成する合成樹脂製のケース53がビスにて固定され
ているとともに、前記天板12Aの外面(上面)側の第
1開口12aに対応する部位には、前記屈曲案内部1の
外側を覆う透明な合成樹脂製のカバー51が配設されて
いる。このカバー51には、前記ケース53の取付けフ
ランジ部53a及びケーシング12の側板12Bに対し
てそれぞれ紙幣搬送装置Eの搬送方向から接当する取付
け板部51a,51bが形成されているとともに、これ
ら各取付け板部51a,51bには、前記取付けフラン
ジ部53aに形成された係止孔53b及びケーシング1
2の側板12Bに形成された係止孔12bに対して係脱
自在に弾性的に嵌合する取付け具52が付設され、もっ
て、前記取付け具52の係脱操作により、前記カバー5
1をケーシング12の側板12B及びケース53の取付
けフランジ部53aに対して前記搬送方向から着脱自在
に構成されている。
【0026】更に、図4に示すように、前記カバー51
の側壁部51cには、該カバー51の外部からケーシン
グ12の第1開口12aを通して挾持搬出手段Hの搬送
始端部に紙幣Mを供給するための供給口12cが形成さ
れているとともに、この供給口12cを閉止可能な操作
用指掛け孔54b付きの蓋体54が、それの下端近くに
設けられた一対の突起54aを支点として横軸芯周りで
外方に開き揺動自在に前記カバー51の側壁部51cに
取付けられている。そして、前記カバー51を開き揺動
操作すると、前記供給口12c及びケーシング12側の
第1開口12aを通して前記挾持搬出手段Hの搬送始端
部を視認することができるから、詰まり等のトラブルに
よって搬送系から抜き取られた紙幣Mを、後述の外側分
割ガイド部材1Aの背面を挿入案内面として利用しなが
ら挾持搬出手段Hの搬送始端部に容易に再投入すること
ができる。この再投入された紙幣Mは、前記計数手段6
で計数されるから、抜き取られた紙幣Mを別途計数処理
する必要がない。
【0027】そして、図1〜図3及び図5に示すよう
に、前記屈曲案内部1の少なくとも一部が、前記挾持搬
入手段Gと挾持搬出手段Hとの間の空間を通して屈曲案
内通路Wを外部に開放する姿勢に変更自在に構成されて
いる。具体的には、前記屈曲案内部1は、前記屈曲案内
通路Wを挟んで紙幣Mの厚み方向で相対向する内外両側
の一対の分割ガイド部材1A,1Bから構成されている
とともに、前記屈曲案内通路Wの外側に位置する分割ガ
イド部材1Aの背面側に一体形成した取付け体1aが、
前記カバー51の内面にビスにて固定され、更に、前記
屈曲案内通路Wの内側に位置する分割ガイド部材1Bの
背面側に形成した取付け体1bが、前記ケース53の内
面ビスにて固定されている。そのため、前記カバー51
をケーシング12の側板12B及びケース53の取付け
フランジ部53aから取り外すと、前記外側分割ガイド
部材1Aも同時に取外され、屈曲案内通路Wが外部に対
して開放される。換言すれば、前記内側分割ガイド部材
1Bの屈曲案内面が外部に対して開放されることにな
る。それ故に、前記屈曲案内部1の屈曲案内通路W内で
詰まった紙幣Aを容易に取り除くことができるととも
に、この取り除かれた紙幣Aを、ケーシング12側の第
1開口12aを通して前記挾持搬出手段Hの搬送始端部
に容易に再投入することができる。この再投入された紙
幣Mは、前記計数手段6で計数されるから、抜き取られ
た紙幣Mを別途計数処理する必要がない。
【0028】また、前記屈曲案内部1の両分割ガイド部
材1A,1B及びカバー51が共に透明(紙幣Mの搬送
状況が目視確認できれば半透明であってもよい)に構成
されているから、屈曲案内部1の屈曲案内通路W内で紙
幣Mの詰まりが発生したことを外部から迅速、容易に目
視確認することができる。前記屈曲案内部1の屈曲案内
通路Wの幅は、重なり状態にある複数枚の紙幣Mを同時
に屈曲案内することが可能な幅で、かつ、該屈曲案内部
1の搬送上手側に位置する挾持搬入手段G及び屈曲案内
部1の搬送下手側に位置する挾持搬出手段Hにおける最
大挾持搬送枚数に対応した幅に構成されている。
【0029】前記内側分割ガイド部材1Bの取付け体1
bには、90度又はほぼ90度屈曲された紙幣Mの一方
の側辺に接当して該側辺の移動位置を規制する位置規制
ガイド体1eが一体形成されているとともに、前記位置
規制ガイド体1eの搬送方向上手側部分(上側部分)
が、紙幣Mとの接当圧の増大に連れて取付け体1bとの
間の空隙1fの範囲内で逃げ方向に弾性的に撓み変形自
在に構成されている。そして、前記屈曲案内部1に沿っ
て90度又はほぼ90度屈曲された紙幣Mの一方の側辺
の移動位置を、前記位置規制ガイド体1eによって接当
規制することにより、前記屈曲案内部1からの紙幣Mの
送り出し位置及び姿勢が安定化する。しかも、前記90
度又はほぼ90度屈曲された紙幣Mの偏りが大きくて、
紙幣Mと位置規制ガイド体1eの搬送方向上手側部分と
の接当圧が増大したときには、該位置規制ガイド体1e
の搬送方向上手側部分が所定の移動規制位置から逃げ方
向に弾性的に撓み変形するから、紙幣Mに無理な力を加
えることなくその移動位置を徐々に矯正することがで
き、紙幣Mの折れ曲がり等に起因する詰まり発生を抑制
することができるのである。
【0030】前記ケース53には、図3に示すように、
前記紙幣搬送装置Eから搬送されてきた紙幣Mを挾持搬
入手段Gを通して屈曲案内部1の入口側に移行案内する
第1通路53Aと、前記紙幣搬送装置Eから搬送されて
きた紙幣Mを貯留部50に移行案内する第2通路53B
とが形成され、そのうち、前記第2通路53Bは、前記
紙幣搬送装置Eの搬送方向に沿う貯留部50に対してほ
ぼ45度の角度で交差する姿勢に構成されているととも
に、前記第2通路53Bの一側脇には、紙幣Mを奥側内
面50cに向かって送り出す複数の柔軟なウレタンゴム
製の弾性送り突起22aを備えた駆動回転式の送り込み
回転体22が設けられている。そして、図7(ロ)に示
すように、前記第2通路53Bに移行案内された紙幣M
は、該第2通路53Bに対面する貯留部50の奥側内面
50cに沿って湾曲しながら送り込まれ、該奥側内面5
0cに沿った姿勢で奥側から順番に貯留されることにな
る。また、この貯留部50に貯留された紙幣Mは上方に
自由に抜き取ることができるとともに、抜き取られた紙
幣Mは、前記カバー51の供給口12cを通して挾持搬
出手段Hの搬送始端部に再投入する。
【0031】また、図1に示すように、前記ケーシング
12の側板12Bのうち、前記保留部4及び分離搬送手
段3に対応する部分には、前記保留部4に保留された紙
幣M及び分離搬送手段3の挾持搬送路2内に位置する紙
幣Mをそれの短辺方向に沿って外方に抜取り可能な第2
開口12dを形成するとともに、この第2開口12dを
閉止する透明な合成樹脂製の蓋体100の長手方向一端
部には、前記側板12Bに設けた係止突起101に対し
て係脱自在な係合凹部100aを形成し、更に、前記蓋
体100の長手方向他端部には、ケーシング12の側板
12Bに形成された係止孔12eに対して係脱自在に弾
性的に嵌合する取付け具52が付設され、もって、前記
取付け具52の係脱操作により、前記蓋体100をケー
シング12の側板12Bに対して前記短辺方向から着脱
自在に構成してある。そして、前記保留部4内又は分離
搬送手段3の挾持搬送路2内で紙幣Mの詰まりが発生し
たとき、この詰まった紙幣Mをケーシング12の第2開
口12dを通して外部にスムーズに取り出すことがで
き、詰まり解除作業を迅速、容易に行うことができる。
しかも、この詰まり等で取り除かれた紙幣Mを、ケーシ
ング12側の第1開口12aを通して前記挾持搬出手段
Hの搬送始端部に再投入するか、もしくは、前記第2開
口12dを通して保留部4内に直接再投入することがで
きるから、抜き取られた紙幣Mを別途計数処理する必要
がない。
【0032】前記挾持搬入手段Gは、図3〜図5に示す
ように、前記紙幣Mの両紙面を厚み方向から挾持した状
態で屈曲案内部1の入口に強制的に送り込む一対の駆動
回転体60,61を備えていて、一方の駆動回転体60
は前記ケース53に回転のみ自在に軸支されているとと
もに、他方の駆動回転体61を回転のみ自在に軸支する
コの字状の軸受けブラケット62は、一方の駆動回転体
60に対して紙幣Mの厚み方向に沿って一定範囲内で離
間移動自在にケース53に設けられている。更に、前記
ケース53の内面と軸受けブラケット62との間で、か
つ、前記軸受けブラケット62の上下二箇所に切り込み
形成されたバネ受け部62aの各々には、他方の駆動回
転体61を一方の駆動回転体60側に移動付勢するコイ
ルスプリング63が設けられていて、これら両駆動回転
体60,61を、紙幣Mの挾持枚数に応じて前記厚み方
向に相対離間移動自在に構成してある。また、前記両駆
動回転体60,61間に設定枚数以上の紙幣Mが挾持さ
れたとき、他方の駆動回転体61への動力伝達を停止す
る伝動停止手段64が設けられている。この伝動停止手
段64は、前記両駆動回転体60,61の上側軸部60
a,61aに取付けられた互いに噛み合い連動する一対
のギア64A,64Bから構成されていて、前記両駆動
回転体60,61の上下の挾持回転部60b,61b間
に設定枚数以上の紙幣Mが挾持されたとき、これら両駆
動回転体60,61の相対離間移動によって両ギア64
A,64Bの噛み合いが外れるように構成されている。
つまり、一方の駆動回転体60側のギア64Aから他方
の駆動回転体61側のギア64Bへの動力伝達を絶つよ
うに構成されている。
【0033】そして、前記両駆動回転体60,61が、
それら両者60,61間に挾持される紙幣Mの枚数に応
じて相対離間移動するから、当該両駆動回転体60,6
1間での紙幣Mの詰まり発生を抑制することができる。
しかも、前記両駆動回転体60,61間に挾持された紙
幣Mが設定枚数未満であれば、この紙幣Mを両駆動回転
体60,61の駆動回転によって同時に挾持搬送するこ
とができ、また、前記両駆動回転体60,61間に挾持
された紙幣Mの枚数が設定枚数以上であれば、一方の駆
動回転体60のみの駆動回転によって、該駆動回転体6
0と接触する紙幣Mから順番に屈曲案内部1の入口側に
送り込み、紙幣Mの枚数が設定枚数未満となった時点で
再び両駆動回転体60,61によって紙幣Mを一挙に屈
曲案内部1の入口側に挾持搬送することができる。従っ
て、前記挾持搬入手段Gによる単位時間当たりの紙幣M
の挾持搬送能力を高めながらも、詰まり発生に起因する
可動効率の低下を抑制することができるのである。
【0034】また、前記両駆動回転体60,61の挾持
回転部60b,61bの周面の各々には、紙幣Mとの間
の摺接抵抗を増大するためのウレタンゴム65が付設さ
れているとともに、一方の駆動回転体60の下側軸部6
0cには受動ギア66が固着されている。更に、前記外
側分割ガイド部材1Aには、他方の駆動回転体61の挾
持回転部61bを第1通路53A側に突出させるための
切欠き部1cが形成されているとともに、前記内側分割
ガイド部材1Bには、一方の駆動回転体60の挾持回転
部60bを第1通路53A側に突出させるための開口1
dが形成されている。
【0035】前記通路切換手段Jは、図3〜図5に示す
ように、軸受けブラケット62の上下に形成された軸受
け孔62bに、通路切換部材70の揺動支点軸70aを
揺動自在に嵌合保持し、そのうち、上側の揺動支点軸7
0aに嵌合固定した操作アーム71とケース53との間
に、前記第2通路53Bを閉止した第1状態(図7の
(ロ)参照)に通路切換部材70を揺動付勢する第1コ
イルスプリング72を張設するとともに、前記操作アー
ム71とケース53に揺動枢着された中継アーム73と
をロッド74にて連動連結し、更に、前記ケース53に
固定したソレノイド75の作動軸75aと前記中継アー
ム73とを第2コイルスプリング76を介して連係して
ある。そして、図7(イ),(ロ)に示すように、前記
屈曲案内部1よりも搬送方向下手側でのトラブル発生信
号に基づいてソレノイド75の作動軸75aが収縮作動
すると、第2コイルスプリング76、中継アーム73、
ロッド74を介して操作アーム71が第1コイルスプリ
ング72の弾性復元力に抗して揺動し、第1状態にある
通路切換部材70が第1通路53Aを閉止する第2状態
(図7の(ロ)参照)に切り換えられ、前記紙幣搬送装
置Eから搬送されてきた紙幣Mが第2通路53Bを通し
て貯留部50に移行案内される。それ故に、前記屈曲案
内部1よりも搬送方向下手側で発生したトラブルが屈曲
案内部1及び主搬送系の紙幣搬送装置Eに波及すること
を抑制することができるとともに、紙幣搬送装置Eの駆
動を停止することなく前記トラブルを解消することがで
き、紙幣搬送装置Eの可動効率の向上を図ることができ
るのである。
【0036】また、前記ソレノイド75の作動軸75a
と中継アーム73との間には第2コイルスプリング76
が介在されているが故に、前記通路切換部材70を第1
状態から第2状態に切り換える際、該通路切換部材70
と内側分割ガイド部材1Bの搬送始端部との間に紙幣M
が挾み込まれても、この紙幣Mを挾持搬入手段Gにて挾
持搬送することができ、挾み込まれた紙幣Mの破損を抑
制することができる。しかも、挾み込まれた紙幣Mが通
過すると同時に、前記通路切換部材70が第2状態に確
実に切り換えられる。更に、前記通路切換部材70に
は、他方の駆動回転体61の挾持回転部61bを第1通
路53A側に突出させるための切欠き部70bと、紙幣
搬送装置E側の搬送ガイド板77との相互干渉(衝突)
を防止するための切欠き部70cとが形成されている。
この切欠き部70cの存在により、紙幣搬送装置E側の
搬送ガイド板77の先端側を通路切換部材70の揺動領
域に入り込ませて、前記紙幣搬送装置Eからの紙幣Mの
受渡しを確実に行わせながらも、前記通路切換部材70
の通路切換作動に悪影響を及ぼすことがない。
【0037】前記挾持搬出手段Hは、図1、図2、図6
に示すように、前記ケーシング12内の挾持搬出経路の
一側脇に、上側に軸支された従動プーリー80と下側に
軸支された駆動プーリー81とに亘って横断面円形状の
搬送ベルト82が巻回されているとともに、前記駆動プ
ーリー81の第1回転軸83には、紙幣Mを保留部4側
に向かって送り出す複数の柔軟なウレタンゴム製の弾性
送り突起84aを備えた一対の送り込み回転体84と、
電動モータ85の駆動軸85Aからタイミングベルト8
6を介して動力を受ける受動ギア87とが取付けられて
いる。また、前記挾持搬出経路の他側脇には、前記搬送
ベルト82の中間部分との圧接によって従動回転する大
径の第1送りローラ88が軸支され、この第1送りロー
ラ88の第2回転軸89の回転軸芯を通る仮想鉛直線よ
りも保留部4側に偏位した上側部位には、前記第2回転
軸89の回転軸芯と平行な横軸芯周りで揺動自在な軸受
けブラケット90が軸支されているとともに、前記軸受
けブラケット90には、前記従動プーリー80に巻回さ
れる搬送ベルト82の一部に圧接される小径の第2送り
ローラ91が回転自在に軸支されている。前記第2回転
軸89の一端部に取付けた出力プーリー92と第2送り
ローラ91の第3回転軸93の一端部に取付けた受動プ
ーリー94とに亘ってコイルスプリング利用のバネベル
ト95を伸展状態で巻回して、該バネベルト95の弾性
復元力を利用して、前記第2送りローラ91を従動プー
リー80側に揺動付勢してある。前記第1送りローラ8
8の外周面のうち、前記両送り込み回転体84の各々に
対応する部位には、その対応する送り込み回転体84の
弾性送り突起84aが入り込む環状溝88aが形成され
ているとともに、前記搬送ベルト82の中間部分に圧接
される部位には、紙幣Mとの間の摺接抵抗を増大するた
めのウレタンゴム96が付設され、更に、前記第2送り
ローラ91の外周面にも、紙幣Mとの間の摺接抵抗を増
大するためのウレタンゴム96が付設されている。そし
て、前記従動プーリー80と第2送りローラ91との間
の紙幣挾持幅、及び、前記搬送ベルト82と第1送りロ
ーラ88との間の紙幣挾持幅の各々は、紙幣Mの挾持枚
数に応じて紙幣Mの厚み方向に増減変更自在に構成され
ている。換言すれば、前記挾持搬出経路の紙幣挾持幅が
紙幣Mの挾持搬送枚数に応じて紙幣Mの厚み方向に増減
変更自在に構成されている。
【0038】前記分離搬送手段3は、図2、図9〜図1
5で詳細に示すように、紙幣Mとの摺動抵抗が紙幣Mど
うしの摺動抵抗よりも大きい第1挾持部8と、紙幣Mと
の摺動抵抗が紙幣Mどうしの摺動抵抗よりも大きく、か
つ、紙幣Mと第1挾持部8との摺動抵抗よりも小さい第
2挾持部9、及び、前記第1挾持部8を円弧状の挾持搬
送路2に沿って駆動移動させる駆動手段11とから構成
されているとともに、前記第1挾持部8と第2挾持部9
とをもって、紙幣Mの短辺方向の略中間位置を弾性的に
挾持する挾持手段10が構成されている。また、前記挾
持搬送路2が第1挾持部8の周面に沿ってに湾曲する状
態で円弧状に形成されているが故に、この挾持搬送路2
に臨む第1挾持部8側が凸曲し、前記第2挾持部9側が
凹曲するように構成されている。
【0039】前記両挾持部8,9の挾持搬送方向上手側
には、当該両挾持部8,9間に先行の紙幣Mが位置する
とき、後続の紙幣Mを先行紙幣Mと第2挾持部9側との
間に導入案内する導入案内手段Bが設けられているとと
もに、前記両挾持部8,9間の挾持搬送路2幅が設定幅
となる挾持状態と挾持搬送路2の搬送始端側の幅ほど設
定幅よりも大となる挾持解除状態とに切り換える搬送路
幅切換手段Cと、前記第1挾持部8と第2挾持部9とで
挾持可能な挾持位置に案内されている紙幣Mの有無を検
出する検出手段の一例で、前記挾持搬送路2の挟持搬送
始端部への紙幣送り込み通路Lの途中の二箇所において
紙幣Mの有無を検出する第1フォトセンサーF1と第2
フォトセンサーF2とが設けられているとともに、前記
第2フォトセンサーF2による紙幣M有りの検出情報に
基づいて前記搬送路幅切換手段Cを挾持状態に切り換え
作動させ、かつ、挾持搬送終了時に前記搬送路幅切換手
段Cを挾持解除状態に切り換え作動させるように構成し
てある。前記第2フォトセンサーF2は、図2に示すよ
うに、前記両挾持部8,9にて挾持搬送される紙幣Mの
先端が引き離し手段5の挾持位置の直前に到達した状態
においても、その紙幣Mの後端部を検出可能な部位に配
設されている。
【0040】前記第1挾持部8は、図9、図10に示す
ように、ケーシング12側に横軸芯X周りで回転自在に
支承されている樹脂製の円柱状回転体13の外周面で、
かつ、その円周方向の一部(約115度の角度範囲)
に、それの外周面から直径方向外方に一部を突出させる
状態で四角柱状のウレタンゴム14を埋め込み固定し
て、そのウレタンゴム14の突出外周面をもって構成さ
れているとともに、前記第2挾持部9は、回転体13の
外周面に沿って設けたポリカーボネート(PC)樹脂製
の挾持部材15のうち、前記回転体13のウレタンゴム
14に対応する位置において挾持搬送路2に沿って所定
長さ範囲に亘る若干粗面な帯状の端面で構成されてい
る。更に、前記挾持部材15は、図9、図11に示すよ
うに、挾持搬送路2に沿って挾持搬送方向上手側の第1
挾持部材15Aと挾持搬送方向下手側の第2挾持部材1
5Bとに分割されていて、その分割された両挾持部材1
5A,15Bの各々の端面をもって前記の第2挾持部9
が構成されている。
【0041】前記第1挾持部8を挾持搬送路2に沿って
駆動移動させる駆動手段11は、前記回転体13の回転
軸に連結した第1電動モータから構成され、更に、この
第1電動モータ11は、前記第2フォトセンサーF2に
よる紙幣M有りの検出情報に基づいて駆動されるように
構成されていて、この第1電動モータ11の駆動に連動
する回転体13の回転により、ウレタンゴム14の突出
外周面をもって構成される第1挾持部8が挾持搬送路2
に沿って回転移動し、第1挾持部8と第2挾持部9とで
帯状に弾性的に挾持されている紙幣Mが円弧状の挾持搬
送路2に沿って挾持搬送される。
【0042】前記回転体13には、図2に示すように、
前記ケーシング12側に設けられた第1リミットスイチ
RS1をON・OFF作動させるカム板16が設けら
れ、前記第1挾持部8を構成するウレタンゴム14の突
出外周面が挾持搬送路2から退避した待機位置に到達し
たとき、第1リミットスイチRS1の接触検知体がカム
板16の凹部に入り込んでOFF作動し、そのOFF作
動信号に基づいて第1電動モータ11の駆動が停止され
ように、前記第1リミットスイチRS1と第1電動モー
タ11とが電気的に連係されている。換言すれば、前記
カム板16と第1リミットスイチRS1とをもって、前
記ウレタンゴム14の突出外周面にて構成される第1挾
持部8が挾持搬送路2から退避した待機位置に到達した
とき、前記駆動手段を構成する第1電動モータ11を駆
動停止させる停止手段が構成されている。そして、この
停止手段により第1電動モータ11が間歇駆動され、前
記第1挾持部8が一回転毎に停止されることになる。
【0043】また、前記第1挾持部8と第2挾持部9と
の間で挾持されている紙幣Mのうち、その挟持位置の回
転軸芯方向両側に位置する非挾持部分の移動を、当該紙
幣Mの厚み方向両側から挾持搬送路2に沿って案内する
非挾持部ガイドDと、その非挾持部分に第2挾持部9側
から接触してその搬送方向への移動に対して抵抗を付与
する抵抗体18とが設けられている。
【0044】前記非挾持部ガイドDは、図11、図12
に示すように、回転体13の外周面のうち、第1挾持部
8の回転軸芯方向両側に位置する周面部分13Aと、挾
持搬送路2に沿って挾持部材15の回転軸芯方向両側に
所定間隔を隔てて配置した三つの板状の案内部材19の
回転体13側に対向する帯状端面20とで構成されてい
る。更に、前記各案内部材19は、挾持搬送路2に沿っ
て挟持搬送方向上手側の第1案内部材19Aと挟持搬送
方向下手側の第2案内部材19Bとに分割されていると
ともに、前記各第1案内部材19Aは、前記第1挾持部
材15Aとポリカーボネート樹脂で一体成形され、ま
た、前記各第2案内部材19Bは、前記第2挾持部材1
5Bとポリカーボネート樹脂で一体成形されている。ま
た、前記回転体13の外周面のうち、第1挾持部8を形
成する中央周面部分と非挾持部ガイドDの一部を構成す
る回転軸芯方向両側の周面部分13Aとの境界相当箇所
の各々には、後述の下方側の送り込みガイド板24の送
り込み方向下手側の端部が入り込む周溝21が形成され
ている。
【0045】前記抵抗体18は、図11、図12に示す
ように、非挾持部ガイドDを構成している第1・第2案
内部材19A,19Bの帯状端面20、及び、前記搬送
路幅切換手段Cの構成部材の一つで、前記案内部材19
の回転軸芯方向の一方に配設された後述の第2揺動部材
30Bの帯状端面20の各々に、ウレタンゴムを接着固
定して構成されているとともに、前記第2案内部材19
Bのうち、第2挾持部材15Bの回転軸芯方向両側に近
接位置する両第2案内部材19Bの挾持搬送方向上手側
端部の各々には、前記搬送路幅切換手段Cの構成部材の
一つで、前記第2揺動部材30Bの回転軸芯方向一側方
に配設される後述の第1揺動部材30Aを回転体13側
から離間する挟持解除位置に揺動させて、挾持搬送路2
の幅を設定幅以上に拡げた際に、その抵抗体18と回転
体13との間に紙幣Mの先端部が容易に入り込むよう
に、回転体13から遠ざかる側(回転体13の直径方向
外方側)に傾斜又は湾曲するガイド面26aを備えた移
入ガイド体26が第1案内部材19A側に向かって突出
する状態で一体成形されている。
【0046】前記保留部4は、挾持搬出手段Hの搬送終
端部から挾持搬送路2の挟持搬送始端部までの送り込み
通路Lの上下両側に設けた一対の送り込みガイド板24
と、送り込まれてくる紙幣Mの先端を接当させて挾持搬
送路2の挟持搬送始端部に摺動案内する傾斜姿勢の摺動
案内面25と、紙幣Mの後端位置を規制する規制壁27
とを設けるとともに、前記摺動案内面25と規制壁27
とを紙幣Mの搬送方向長さよりも小なる間隔で配置して
ある。つまり、前記摺動案内面25と規制壁27との間
隔は、前記搬送路幅切換手段Cが挾持解除状態にあると
き、紙幣Mの後端が規制壁27に接触すると、その紙幣
の先端が前記摺動案内面25を通過して第1挾持部8と
第2挾持部9とで挾持可能な挾持位置に届くような間隔
に構成されている。そのため、前記搬送路幅切換手段C
が挾持状態にある状態で、保留部4に送り込まれた紙幣
Mの前後両端が摺動案内面25と規制壁27とに接触す
ると、該紙幣Mは送り込み通路Lに沿って少し弾性的に
湾曲することになる。
【0047】前記導入案内手段Bを構成するに、前記保
留部4内の紙幣送り込み方向下手側で、かつ、前記挾持
搬送路2の挾持搬送始端部への送り込み通路Lよりも第
1挟持部8の存在側に偏位した部位に、前記両挾持部
8,9間に位置する紙幣Mの後端部が送り込み通路Lに
対して交差する方向へ移動することを許容する退避部5
5を形成するとともに、前記ケーシング12側には、横
軸芯Z周りで揺動自在で、かつ、送り込み通路Lに対し
て交差方向から紙幣Mを退避部55側に押圧可能な押圧
体56を枢着し、この押圧体56を前記第1フォトセン
サーF1及び第2フォトセンサーF2の紙幣検出情報に
基づいて押圧状態と押圧解除状態とに切り換える切換機
構57を設けてある。前記切換機構57は、前記第1フ
ォトセンサーF1の紙幣検知情報が「有り」から「無」
に変わり、かつ、第2フォトセンサーF2の紙幣検出情
報が「有り」のとき励磁作動するソレノイド57Cと、
該ソレノイド57Cと前記押圧体56とを連係する揺動
アーム57B、及び、前記揺動アーム57Bを介して押
圧体56を押圧解除位置に揺動付勢するコイルスプリン
グ57Aとか構成されていて、前記ソレノイド57Cの
作動によって、押圧解除位置にある押圧体56をコイル
スプリング55Aの弾性付勢力に抗して押圧位置に強制
的に切り換えるように構成されている。前記押圧体56
が押圧位置にあるとき、該押圧体56の押圧作用部56
aの先端とこれに相対向する下方側の送り込みガイド板
24との間に、少数の紙幣Mが通過可能な間隙が形成さ
れている。
【0048】そして、前記第1挾持部8と第2挾持部9
とで挾持される一枚の紙幣Mがスリップ等で所定位置に
挾持搬送されない事態が発生したときには、前記第1フ
ォトセンサーF1の紙幣検知情報が「無」、かつ、第2
フォトセンサーF2の紙幣検出情報が「有り」となるか
ら、この紙幣検出情報に基づいてソレノイド57Cが励
磁作動し、押圧体56が押圧位置に切換られる。それ故
に、前記の挾持搬送されない事態が発生して、前記搬送
路幅切換手段Cの挾持解除状態への切り換え作動に連れ
て、前記両挾持部8,9間に位置する紙幣Mの後端部が
第1挾持部8から離れる側に広がろうとしても、この紙
幣Mの後端部を前記押圧体56の押圧作用部56aにて
退避部55側に押圧保持することができるから、後続の
紙幣Mを、両挾持部8,9間に位置する先行紙幣Mと第
2挾持部9側との間に導入案内することができる。ま
た、前記紙幣Mが所定位置に挾持搬送されて、第2フォ
トセンサーF2の紙幣検出情報が「有り」から「無」に
変わると、この紙幣検出情報に基づいてソレノイド57
Cが消磁され、押圧位置にある押圧体56がコイルスプ
リング57Aの弾性付勢力で押圧解除位置に復帰揺動す
る。更に、下方側位置する送り込みガイド板24には、
前記押圧体56の押圧作用部56aにて押圧された紙幣
Mの後端部が入り込み可能な段部58が、紙幣送り込み
方向に間隔を隔てて二つ形成されている。そして、前記
押圧体56にて押圧された紙幣Mの後端部を、前記退避
部55に形成された段部58に入り込ませることによっ
て、該紙幣Mの後端部が後続の紙幣Mの送り込みに邪魔
になることがなく、後続の紙幣Mを両挾持部8,9間に
位置する先行紙幣Mと第2挾持部9側との間に一層スム
ースに導入案内することができる。
【0049】前記搬送幅切換手段Cは、図9〜図12に
示すように、前記ケーシング12側に第1横軸芯Y1周
りで揺動自在に軸支されている第1揺動部材30Aと、
第1揺動部材30Aを回転体13側に揺動付勢する第1
コイルスプリングS1と、第1揺動部材30Aを第1コ
イルスプリングS1の付勢力に抗して回転体13側から
離間させる側に駆動揺動させる駆動揺動機構とを設ける
とともに、前記第1揺動部材30Aを、前記第1挾持部
材15A及び第1案内部材19Aと共にポリカーボネー
ト樹脂で一体成形し、更に、前記第1揺動部材30Aと
第1挾持部材15A及び第1案内部材19Aの各挟持搬
送路2側に臨む先端傾斜面の各々が、前記摺動案内面2
5に構成されている。
【0050】前記駆動揺動機構は、第1揺動部材30A
に平面視で半月形状の貫通孔31を形成するとともに、
第2電動モータ32の駆動で回転する回転板33の偏芯
した部位に回動ピン34を固定して構成されている。そ
して、前記回動ピン34を貫通孔31の内側で駆動回動
させて、貫通孔31の平面視で直線状の内周面部分を押
圧しながら回動ピン34が回動すると、第1揺動部材3
0Aは第1コイルスプリングS1の付勢力に抗して揺動
し、第1挾持部材15Aと第1案内部材19Aが回転体
13側から離間する挾持解除位置に揺動して、挾持搬送
路2の幅が挟持搬送始端側ほど拡がって、その紙幣Mの
先端部が挾持位置に入り込み易くなるようにしてある。
【0051】前記第2挾持部材15B及び第2案内部材
19Bは、ケーシング12側に第2横軸芯Y2周りで揺
動自在に軸支されている第2揺動部材30Bと共にポリ
カーボネート樹脂で一体成形され、前記第2揺動部材3
0Bを回転体13側に揺動付勢する第2コイルスプリン
グS2を、前記第1揺動部材30Aと第2揺動部材30
Bとに亘って装着するとともに、前記第1揺動部材30
A側に固定した軸部材35を第2揺動部材30B側に形
成した長孔36に挿通して、前記第1揺動部材30Aの
揺動に連係して第2揺動部材30Bが揺動するように構
成されている。つまり、前記第1揺動部材30Aが第1
挾持部材15A及び第1案内部材19Aと共に回転体1
3側から離間する挾持解除位置に揺動すると、前記第2
揺動部材30Bも第2挾持部材15B及び第2案内部材
19Bと共に回転体13側から離間する挾持解除位置に
揺動するように構成されている。
【0052】また、前記長孔36の短径方向の幅を軸部
材35の外径よりも幅広に形成して、第1揺動部材30
A側が第1コイルスプリングS1の付勢力で挾持位置に
揺動している状態で、第2揺動部材30B側が、長孔3
6の短径方向幅と軸部材35の外径との差分だけ、挾持
搬送される紙幣Mの枚数分に相当する厚み変化に対応し
て回転体13に近接する側と第2コイルスプリングS2
の付勢力に抗して回転体13から離間する側との両方向
に揺動できるように構成してある。更に、前記第1揺動
部材30Aには、図2に示すように、ケーシング12側
に設けた第2リミットスイチRS2をON・OFFさせ
るカム面47が形成され、第1揺動部材30Aの挾持位
置から挾持解除位置への揺動に伴って第2リミットスイ
チRS2が0FF作動されると、その0FF作動信号に
基づいて第2電動モータ32の駆動を停止するように構
成されている。更にまた、図2に示すように、前記第1
揺動部材30Aの挾持位置側への揺動範囲を、ケーシン
グ12側に設けたストッパー48との接当で規制して、
前記第1挾持部8が挾持搬送路2から退避しても、第2
挾持部9と回転体13の外周面との間に、紙幣Mが通過
可能な空隙を確保できるように構成し、前記第1挾持部
8の駆動移動によって搬送されてきた紙幣Mのうち、該
第1挾持部8で挾持されていなかった後端部分が引き離
し手段5による引き離し時にスムーズに挾持搬送路2を
通過できるようにしてある。
【0053】前記保留部4に保留されている紙幣Mを両
挾持部8、9とで挾持可能な挾持位置に案内する案内手
段は、第1揺動部材30Aと第1挾持部材15A及び第
1案内部材19Aの各挟持搬送路2側に臨む先端傾斜面
をもって構成された前記摺動案内面25と、前記搬送幅
切換手段Cの揺動切り換え機能とから構成されていて、
前記第1揺動部材30Aが第1挾持部材15A及び第1
案内部材19Aと共に挾持解除位置に揺動すると、前記
摺動案内面25に接当して湾曲していた紙幣Mがそれ自
身の弾性復元力で伸展し、該紙幣Mの先端が摺動案内面
25を通過して所定の挾持位置にまで案内される。
【0054】前記引き離し手段5は、図2に示すよう
に、分離搬送手段3で搬送されてきた紙幣Mを挾持する
常時駆動の駆動ローラ5Aと、該駆動ローラ5A側にバ
ネ材で弾性的に圧接される遊転ローラ5Bとで構成さ
れ、駆動ローラ5Aの周速度を分離搬送手段3による紙
幣Mの搬送速度と同等か若干速い速度に設定して、分離
搬送手段3が重なり合っている紙幣Mの先端を前後にず
らしながら搬送してきた場合に、それらの紙幣Mを、送
り出し順に、駆動ローラ5Aと遊転ローラ5Bとで挾持
して、後続の紙幣Mから引き離すように構成してある。
また、前記駆動ローラ5Aと遊転ローラ5Bとで紙幣M
を挟持した時点では、前記第1挾持部8を構成するウレ
タンゴム14の突出外周面が挾持搬送路2から退避した
待機位置側に移動しているため、換言すれば、非挾持搬
送状態にあるため、駆動ローラ5Aの周速度を分離搬送
手段3による紙幣Mの搬送速度と同等に設定しても、先
行紙幣Mを後続の紙幣Mから確実、スムースに引き離す
ことができる。
【0055】前記計数手段6は、引き離し手段5で引き
離された紙幣Mの通過を検出する第3フォトセンサーF
3による検出情報に基づいて、その紙幣Mの通過回数か
ら紙幣Mの枚数を計数し、その計数結果を表示部49に
表示するようにしてある。
【0056】前記収納手段7は、駆動ローラ5Aと遊転
ローラ5Bとで挾持して送り出された紙幣Mの両縁部を
その送り出し方向に沿って各別に入り込ませて、その紙
幣Mを収納部Nの入口38に案内する上下のガイド溝3
9と、この上下のガイド溝39の間を通過して収納部N
内に出退移動する押し込み板40と、押し込み板40を
出退移動させるリンク41と、該リンク41を作動させ
る第3電動モータ43と、収納部Nに押し込まれた紙幣
の周縁部をガイド溝39を形成しているガイド板44側
に弾性的に押圧する押圧板45とを設けて構成され、紙
幣Mが収納部Nの入口38に移動すると、計数手段6を
構成している第3フォトセンサーF3による検出情報に
基づいて第3電動モータ43が駆動され、リンク41が
第3リミットスイッチRS3をON作動しながら押し込
み板40がその紙幣Mを押圧板45の弾性力に抗して収
納部N内に押し込んで、順次、積層状態で収納されると
ともに、押し込み板40が収納部Nから引退するにとも
なって、リンク41が第3リミットスイッチRS3をO
FF作動し、そのOFF作動信号に基づいて第3電動モ
ータ43の駆動が停止されて、次に第3フォトセンサー
F3が紙幣Mの通過を検出するまでその状態で待機す
る。
【0057】また、図8に示すように、前記電動モータ
85の駆動軸85Aから二つのタイミングベルト10
5,106を介して一方の駆動回転体60の受動ギア6
6に動力を伝達し、更に、この受動ギア66から図外の
伝動ギアを介して前記送り込み回転体22に動力を伝達
するとともに、前記受動ギア87からタイミングベルト
107を介して前記引き離し手段5の駆動ローラ5Aに
設けた受動ギア108に動力を伝達するように構成して
ある。尚、図8中の109は、押圧板45の複数の転動
ローラ110を昇降案内するべくケーシング12に固着
した昇降ガイドレールであり、111は、前記押圧板4
5を上方に移動付勢するコイルスプリングである。
【0058】以下に、この紙幣集積装置の作動を順に説
明する。図2は、第1電動モータ11と第2電動モータ
32の双方の駆動が停止している待機状態を示し、この
待機状態では、第1揺動部材30Aは第1コイルスプリ
ングS1の付勢力に抗して回転体13側から離間する挾
持解除位置に停止していて、挾持搬送路2の幅が設定幅
よりも拡がっており、また、前記第1挾持部8は挾持搬
送路2から退避した待機位置で停止している。
【0059】そして、この待機状態において、前記挾持
搬出手段Hで搬送されてきた紙幣Mが保留部4に送り込
まれると、その紙幣Mの先端は挾持搬送路2の挾持位置
に移行案内される。この挾持位置に移行案内される紙幣
Mが第1フォトセンサーF1及び第2フォトセンサーF
2を通過すると、該第2フォトセンサーF2による紙幣
有りの検出情報に基づいて、検出された紙幣Mの先端部
が実際に挾持位置に案内される迄の所定時間経過後、前
記搬送幅切換手段Cの第2電動モータ32及び第1挾持
部8の駆動手段である第1電動モータ11の駆動が開始
される。前記第2電動モータ32の駆動開始による回動
ピン34の駆動回動に連れて、第1揺動部材30Aは第
1コイルスプリングS1の弾性付勢力で挾持位置に揺動
する。この第1揺動部材30Aが挾持位置に揺動した時
点で、待機位置からスタートした第1挾持部8が挾持搬
送路2に移動し、図9に示すように、その紙幣Mの先端
部が第1挾持部8と第2挾持部9とで弾性的に挾持さ
れ、第1挾持部8と第2挾持部9とで挾持された紙幣M
は、紙幣Mとの摺動抵抗が第1挾持部8よりも小さい第
2挾持部9に対して摺動しながら、第1挾持部8の駆動
移動に追従して挾持搬送路2に沿って挾持搬送される。
【0060】前記第1挾持部8が挾持搬送路2から退避
して待機位置に到達すると、第1リミットスイチRS1
がOFF作動して第1電動モータ11が停止する。一
方、回動ピン34は第1揺動部材30Aを第1コイルス
プリングS1の付勢力に抗して挾持解除位置に揺動し、
第2リミットスイチRS2がOFF作動されると、その
OFF作動信号に基づいて第2電動モータ32の駆動が
停止される。
【0061】前記挾持搬送路2に沿って駆動移動される
第1挾持部8によって搬送された紙幣Mは、引き離し手
段5の駆動ローラ5Aと遊転ローラ5Bとに挾持されて
収納部Nの入口38に向けて搬送され、その紙幣Mの通
過が第3フォトセンサーF3で検出されると、その第3
フォトセンサーF3による検出情報に基づいて第3電動
モータ43が駆動され、収納部Nの入口38に案内され
た紙幣Mが押し込み板40の作動で収納部Nに押し込ま
れ、その収納部Nに積層状態で収納される。
【0062】そして、挾持搬送が終了した時点又は紙幣
Mが収納部Nに収納された時点では、前記搬送幅切換手
段Cが挾持解除状態にあり、かつ、前記第1挾持部8が
挾持搬送路2から退避した待機位置で停止しているか
ら、前記挾持搬出手段Hにて次の紙幣Mが保留部4に送
り込まれると、前記第2フォトセンサーF2による紙幣
有りの検出情報に基づいて第1電動モータ11及び第2
電動モータ32の駆動が開始されて、前述の第1挾持部
8による挾持搬送動作が繰り返される。
【0063】また、前記搬送幅切換手段Cが挾持状態に
ある挾持搬送時に、挾持搬出手段Hによって複数枚の紙
幣Mがその先端を前後に少しずらした重なり状態で送り
込まれてきても、複数枚の紙幣Mの各々が、前記第1揺
動部材30Aと第1挾持部材15A及び第1案内部材1
9Aの各挟持搬送路2側に臨む先端傾斜面をもって構成
された摺動案内面25に接当して、各紙幣Mの先端が摺
動案内面25に沿って揃えられ、第1揺動部材30Aが
挾持位置から挾持解除位置に切り換えられるに連れて、
各紙幣Mが挾持搬送路2の挾持位置に案内される。更に
また、前記搬送幅切換手段Cが挾持解除状態にあり、か
つ、前記第1挾持部8が挾持搬送路2から退避した待機
位置で停止しているときに、中継搬送装置22によって
複数枚の紙幣Mがその先端を前後に少しずらした重なり
状態で送り込まれてきても、特に、前記退避部55側に
位置する紙幣Mが他の紙幣よりも少し遅れている場合で
あっても、第2フォトセンサーF2が紙幣Mを検出して
から前記搬送幅切換手段Cが挾持状態に切り換えられる
までに設定されたタイムラグがあるため、その挾持状態
への切り換えが終了するまでに、重合状態で送り込まれ
た各紙幣Mの後端が規制壁27に接触して、各紙幣Mの
先端が挾持通路の挾持位置で揃えられることになる。
【0064】そして、上述のように、2枚の紙幣Mがそ
の先端側を略揃えて重なり合って挾持位置に入り込ん
で、その2枚の紙幣Mが第1挾持部8と第2挾持部9と
で挾持されると、図13に示すように、第1挾持部8の
挟持搬送路2に沿っての駆動移動に連れて、最も摺動抵
抗が小さい紙幣Mどうしが相対摺動して、第2挾持部9
側に所定の接触面積で接触している紙幣Mがその位置で
停止する、若しくは、挟持搬送方向下手側に少しだけ移
動する。そのため、第1挾持部8側に接触している紙幣
Mが、その第1挾持部8の駆動移動に追従して、図14
に示すように、その紙幣Mの先端が第2挾持部9側に接
触している紙幣Mの先端よりも前方に移動する状態で挾
持搬送され、引き離し手段5で前後に引き離される。
【0065】また、図15に示すように、三枚の紙幣M
がその先端側を略揃えて重なり合って挾持位置に入り込
んだ場合でも、第2挾持部9側に所定の接触面積で接触
している紙幣Mがその位置で停止しする、若しくは、挟
持搬送方向下手側に少しだけ移動する。そのため、第1
挾持部8側に接触している紙幣Mがその外側に接触して
いる紙幣Mとともに第1挾持部8の駆動移動に追従移動
すると、それらの紙幣Mのうちの外側に接触している紙
幣Mが第2挾持部9に対して所定の接触面積で接触する
まで移動してその位置で停止又は挟持搬送方向下手側に
少しだけ移動し、第1挾持部8側に接触している紙幣M
だけが第1挾持部8の駆動移動に追従して、その紙幣M
の先端が第2挾持部9側に接触して停止している二枚の
紙幣Mの先端よりも前方に移動する状態で挾持搬送さ
れ、引き離し手段5で前後に引き離される。
【0066】更に、前記第1挾持部8と第2挾持部9と
で挾持搬送される一枚の紙幣Mがスリップ等で所定位置
(引き離し手段5の取付け位置)にまで搬送されない事
態が発生しても、前記両挾持部8,9の搬送上手側に設
けた導入案内手段Bによって、後続の紙幣Mを両挾持部
8,9間に位置する先行の紙幣Mと第2挾持部9側との
間に導入案内することができるから、両挾持部8,9間
に位置する先行の紙幣Mと第1挾持部8側との間に後続
の紙幣Mが導入案内されることに起因する重なり状態で
の挟持搬送を抑制することができる。つまり、前記導入
案内手段Bが存在しない場合では、両挾持部8,9間に
位置する先行の紙幣Mが該紙幣M自身の弾性で第2挟持
部9の存在側に広がり、この先行紙幣Mの後端部が第2
挾持部9が存在する側の送り込みガイド板24に接触す
るため、後続の紙幣Mが両挾持部8,9間に位置する先
行紙幣Mと第1挾持部9側との間に導入案内されること
になる。その結果、この後続の紙幣Mが第1挾持部8の
駆動移動に追従して挾持搬送されるが、このとき、先行
の紙幣Mも後続の紙幣Mとの間でスリップしながらも送
り作用を受けるため、後続の紙幣Mが所定位置に挟持搬
送されるまでに、先行の紙幣Mも所定位置にまで移動す
ることがあり、その結果、重なり状態にある二枚の紙幣
Mが同時に引き離し手段5の駆動ローラ5Aと遊転ロー
ラ5Bとで挾持されるため、前記計数手段6が重なり状
態にある二枚の紙幣Mを一枚として計数する問題があ
る。しかしながら、本願発明の場合では、先行の紙幣M
がスリップ等によって所定位置にまで挟持搬送されない
事態が発生しても、前記第1フォトセンサーF1の紙幣
検知情報が「無」、かつ、第2フォトセンサーF2の紙
幣検出情報が「有り」となるから、この紙幣検出情報に
基づいてソレノイド57Cが励磁作動し、押圧体56が
押圧位置に切換られる。それ故に、両挾持部8,9間に
位置する先行の紙幣Mと第2挾持部9側との間に後続の
紙幣Mを導入案内することができるから、後続の紙幣M
は、先行の紙幣Bが挟持搬送されてから第1挾持部8の
挟持搬送力を受けることになり、先行の紙幣Mと後続の
紙幣Bとが重合したまま所定位置にまで挟持搬送される
ことを抑制することができる。
【0067】尚、前記屈曲案内部1よりも搬送方向下手
側でのトラブル発生としては、例えば、(a) 第2フ
ォトセンサーF2による紙幣有りの検出情報が出力され
ず、分離搬送手段3による搬送動作が開始されていない
にもかかわらず、第3フォトセンサーF3が紙幣有りの
検出情報を出力し続けているとき、(b) 第2フォト
センサーF2による紙幣有りの検出情報に基づいて分離
搬送手段3による搬送動作が設定回数以上繰り返された
のにも拘らず、第3フォトセンサーF3が紙幣無しの検
出情報を出力し続けているとき、(c) 第2フォトセ
ンサーF2による紙幣有りの検出情報に基づいて分離搬
送手段3が正常に作動しているのに拘らず、第3フォト
センサーF3による紙幣有りの検出情報が設定時間以上
に亘って出力し続けているとき、前記(a)〜(c)等
のトラブル発生パターンが考えられ、これらの何れの場
合も、紙幣詰まり等のトラブルが発生したと判断して、
警報ランプやディスプレイでそのトラブル発生を表示す
るとともに、前記通路切換手段Jによって貯留部50に
紙幣Mを移行案内する第2状態に切り換えるようにして
ある。
【0068】また、前記の実施形態では、前記両フォト
センサーF1,F2の検出情報に基づいて、押圧体51
を押圧状態と押圧解除状態とに切り換えるべく前記ソレ
ノイド57Cを作動制御するように構成したが、前記第
1フォトセンサーF1から紙幣有りの検出情報が出力さ
れた時点から設定時間後に、所定時間だけ押圧体51を
押圧状態に切り換えべく前記ソレノイド57Cを作動制
御するように構成してもよい。
【0069】〔その他の実施形態〕 1.第1挾持部8と第2挾持部9とによる挾持搬送路2
は、直線的に構成されていても良い。 2.第1挾持部8が無端帯状に構成されていても良い。 3.第1挾持部8は、横軸芯X周りで駆動回転する回転
体13の外周部に固定されているものだけでなく、駆動
回動される無端ベルト等の無端帯状体に設けられていて
も良い。 4.第1挾持部8を構成する材料としては、ウレタンゴ
ムの他にネオプレンゴム等があるが、その材質に加え
て、紙葉類Mに対する接触面の粗さとの組み合わせで、
その摺動抵抗の大きさを設定できる。 5.第2挾持部9を構成する材料としては、ポリカーボ
ネート樹脂の他に、ポリアセタール樹脂やナイロン樹
脂,ABS樹脂等があるが、その材質に加えて、紙葉類
に対する接触面の粗さとの組み合わせで、その摺動抵抗
の大きさを設定できる。 6.第1挾持部8及び第2挾持部9は、その紙葉類Mに
対する接触面の湿潤程度によって、その摺動抵抗を設定
するように構成されていても良い。 7.第1挾持部8と第2挾持部9とで紙葉類Mを弾性的
に挾持するにあたって、第1挾持部8或いは第2挾持部
9自体を構成している素材の弾性力だけで紙葉類Mを弾
性的に挾持するよう構成されていても良い。 8.本発明による紙葉類処理装置は、紙幣の他に、カー
ド,書類,封書,葉書等の可撓性を備えた紙葉類Mを処
理するものであっても良い。 9.収納部N内に収納されている紙幣Mの枚数を検出す
るセンサーの検出情報に基づいて、或いは、計数手段6
による計数結果に基づいて、収納部N内に収納されてい
る紙幣Mの枚数が所定枚数を越えると、分離搬送手段3
による挟持搬送作動を停止するとともに、警報ランプや
ディスプレイでその旨を表示するようにしても良い。 10.前述の各実施形態では、前記退避部55に二つの
段部58を形成したが、この段部58は一つ又は三つ以
上形成して実施してもよく、場合によっては、段部58
を省略した状態で実施してもよい。 11.前述の各実施形態では、前記搬送路幅切換手段C
を挾持状態に切り換えたとき、前記挾持搬送路2の幅が
挟持搬送始端側ほど拡がるように構成したが、前記挾持
搬送路2の全域が均等又はほぼ均等に広がるように構成
してもよく、更に、前記挾持搬送路2の挟持搬送始端の
幅のみが広がるように構成してもよい。 12.前述の実施形態では、第1挾持部8と第2挾持部
9とを挾持搬送方向に沿って連続する所定長さに形成し
て、これら両挾持部8,9で紙葉類Mを帯状に弾性的に
挾持するように構成したが、第1挾持部8と第2挾持部
9との少なくとも一方を、挾持搬送方向に沿って断続又
は点在する多数の挾持部分から構成して、両挾持部8,
9で紙葉類Mを所定長さ範囲に亘って弾性的に挾持する
ように構成してもよい。また、前記第1挾持部8は、前
述の実施形態で説明した取付け方法に限定されるもので
はなく、回転体13の周面に層状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類処理装置の第1実施形態を示す
全体の一部分解斜視図
【図2】全体の断面正面図
【図3】カバー及びケースの拡大断面図
【図4】カバー及びケースの拡大斜視図
【図5】挾持搬入手段及び屈曲案内部の分解斜視図
【図6】挾持搬出手段の斜視図
【図7】(イ)は通路切換手段が第1状態にあるときの
搬送作用図 (ロ)は通路切換手段が第2状態にあるときの搬送作用
【図8】全体の背面図
【図9】分離搬送手段の要部の一部切欠き拡大正面図
【図10】分離搬送手段の要部の水平断面図
【図11】第2挾持部側の展開図
【図12】分離搬送手段の要部の拡大分解斜視図
【図13】二枚の紙幣の挾持搬送状況を示す要部の一部
切欠き拡大平面図
【図14】二枚の紙幣の挾持搬送状況を示す要部の一部
切欠き拡大平面図
【図15】三枚の紙幣の挾持搬送状況を示す要部の一部
切欠き拡大平面図
【符号の説明】
B 導入案内手段 C 搬送幅切換手段 G 挾持搬入手段 H 挾持搬出手段 J 通路切換手段 M 紙葉類(紙幣) W 屈曲案内通路 1 屈曲案内部 1A 分割ガイド部材 1B 分割ガイド部材 2 挾持搬送路 3 分離搬送手段 4 保留部 5 引き離し手段 6 計数手段 7 収納手段 8 第1挾持部 9 第2挾持部 11 駆動手段 12 機枠(ケーシング) 12a 第1開口 12c 供給口 12d 第2開口 18 抵抗体 50 貯留部 51 カバー 55 退避部 56 押圧体 57 切換機構 60 駆動回転体 61 駆動回転体 64 伝動停止手段

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を備えた紙葉類の搬送径路途中
    に、紙葉類の両紙面を送り込み方向に対して交差する方
    向に屈曲案内して、該紙葉類の搬送方向を変更する屈曲
    案内部と、該屈曲案内部に対して紙葉類を挾持状態で送
    り込む挾持搬入手段、及び、前記屈曲案内部からの紙葉
    類を挾持状態で送り出す挾持搬出手段とを設けてある紙
    葉類処理装置であって、 前記屈曲案内部の少なくとも一部、前記挾持搬入手段
    と挾持搬出手段との間の空間を通して屈曲案内通路を外
    部に開放する姿勢に変更自在に構成されているととも
    に、前記挾持搬出手段の搬送方向下手側には、該挾持搬
    出手段から送り出される紙葉類をそれらが重なり合って
    いるときには該紙葉類の先端を一枚ずつ搬送方向にずら
    しながら挾持搬送する分離搬送手段が設けられ、更に、
    前記挾持搬出手段と分離搬送手段との間には、複数枚の
    紙葉類を保留可能な保留部が形成されている紙葉類処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記固定部が、前記挾持搬出手段と保留
    部及び分離搬送手段とを内装する機枠であって、前記挾
    持搬出手段の搬送始端部が、前記機枠に形成した第1開
    口を通して外部に臨む状態で配設されているとともに、
    前記機枠の外面側の第1開口に対応する部位には、前記
    屈曲案内部の外側分割ガイド部材を備えたカバーが着脱
    自在に取付けられ、更に、前記カバーには、該カバーの
    外部から第1開口を通して挾持搬出手段の搬送始端部に
    紙葉類を供給するための供給口が形成されている請求項
    記載の紙葉類処理装置。
  3. 【請求項3】 前記機枠には、前記保留部内の紙葉類を
    外部に抜き取り可能な第2開口が形成されている請求項
    記載の紙葉類処理装置。
  4. 【請求項4】 前記分離搬送手段には、紙葉類との摺動
    抵抗が紙葉類どうしの摺動抵抗よりも大きい第1挾持部
    と、紙葉類との摺動抵抗が紙葉類どうしの摺動抵抗より
    も大きく、かつ、紙葉類と前記第1挾持部との摺動抵抗
    よりも小さい第2挾持部と、当該第2挾持部に対して第
    1挾持部を弧状に形成された挾持搬送路に沿って駆動移
    動させる駆動手段とが備えられている請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の紙葉類処理装置。
  5. 【請求項5】 前記分離搬送手段の両挾持部の搬送方向
    上手側には、当該両挾持部間に先行の紙葉類が位置する
    とき、後続の紙葉類を先行紙葉類と前記第2挾持部側と
    の間に導入案内する導入案内手段が設けられている請求
    記載の紙葉類処理装置。
  6. 【請求項6】 前記屈曲案内部が、紙葉類の搬送方向を
    90度又はほぼ90度変更するものであって、該屈曲案
    内部には、90度又はほぼ90度屈曲された紙葉類の一
    方の側辺に接当して該側辺の移動位置を規制する位置規
    制ガイド体が設けられているとともに、前記位置規制ガ
    イド体の搬送方向上手側部分が、紙葉類との接当圧の増
    大に連れて逃げ方向に弾性的に撓み変形自在に構成され
    ている請求項記載の紙葉類処理装置。
  7. 【請求項7】 前記屈曲案内部の搬送方向上手側には、
    該屈曲案内部よりも搬送方向下手側でのトラブル発生信
    号に基づいて、主搬送系から搬送されてきた紙葉類を屈
    曲案内部の入口側に移行案内する第1状態から複数枚の
    紙葉類を貯留可能な貯留部に移行案内する第2状態に切
    り換える通路切換手段が設けられている請求項1又は6
    記載の紙葉類処理装置。
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