JP5150488B2 - Fc領域含有タンパク質を精製する方法 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2005年6月17日出願の米国仮特許出願第60/691,821号「Fc領域を有するタンパク質を精製する方法(METHODS OF PURIFYING Fc REGION CONTAINING PROTEINS)」の優先権を主張するものである。この出願の内容全体は本明細書中に援用される。
(発明の背景)
抗体は、多くの動物、特にヒトの免疫系の有効な要素である。組換え技術における最近の進歩により、仮想的に任意の標的、例えば癌細胞、細菌、およびウイルスに対する抗体の産生が可能になっている。典型的には、抗体を高レベルに発現するように設計されている細胞株を用いて抗体が産生される。次いで、設計された細胞株は、糖類、アミノ酸、および成長因子の複合混合物、ならびに例えば血清タンパク質を含む様々なタンパク質を含む培養物中で成長される。しかし、完全抗体を細胞副産物および培養物成分から分離して研究用途にまたは治療薬として十分な純度に高めることは大変な課題をもたらす。もし抗体がヒトへの投与用の薬剤として用いられるものである場合、抗体分子の精製は特に重要である。
従来の抗体精製スキーム(または手順)は、様々な不純物の結合または保持と比較した、抗体分子における優先的な結合能またはクロマトグラフィーカラムの固相(または機能化された固相)によって保持される能力を探索するクロマトグラフィーステップを含むことが多い。抗体精製のためのスキームが提案または実施されており、ここでは、まずCH2/CH3領域を含有するタンパク質の固相上に固定化されたプロテインAへの結合後、固相に結合された不純物が疎水性電解質溶媒での固相の洗浄によって除去され、続いてCH2/CH3領域を含有するタンパク質が固相から回収される。しかし、これらのスキームは、CH2/CH3領域を含有するタンパク質への優先的結合に用いられる条件が不純物(例えば、不完全なCH2/CH3領域を有する抗体)に対する結合も促進するという点で限定的である。ヒト治療薬の開発においては、かかる不純物は極めて不都合なものである。
したがって、細胞培養物内で生成される、定常領域を有するタンパク質またはポリペプチド、特にFc領域(例えば抗体)を有するタンパク質の精製における改善に対する必要性が存在する。
(発明の要旨)
様々な態様では、本発明は、Fc領域を有するタンパク質を、そのタンパク質および1種もしくは複数種の不純物を含有するソース液体から分離するための方法を特徴とする。本発明の方法では、Fc領域を有するタンパク質(標的タンパク質)はFc結合剤に吸着され、次いでFc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄することで、1種もしくは複数種の不純物が除去される。次いで、タンパク質は溶出溶液中のFc結合剤から回収される。本発明の方法は、イントロンリードスルー(intron read through)変種(IRT)、アンダージスルフィド結合種(under disulfide bonded species)(UDB)および/または低分子量変種(LMW)などの不純物を除去するのに特に有用である。本発明の方法はまた、宿主細胞タンパク質(HCP)およびDNAなどの不純物の除去において有効である。
本発明の方法は1つもしくは複数のクロマトグラフィー分離ステップを含み、さらに1つもしくは複数の濾過ステップを含みうる。クロマトグラフィー分離ステップは、連続または不連続(例えばバッチアプローチ)またはそれらの組み合わせでありうる。様々な実施形態では、例えば本方法に1つもしくは複数の濾過ステップが含まれることで、ウイルスが除去され、標的タンパク質を含有する溶液が濃縮、緩衝化され、かつ微生物汚染物質が除去される。
様々な実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は、抗原結合ポリペプチド(例えば抗体またはその断片)またはイムノアドヘシン(例えばTNF受容体イムノアドヘシン)である。様々な実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は、抗体融合体、マウス抗体、キメラ抗体、またはヒト化抗体である。好ましい実施形態では、Fc領域を有するタンパク質はヒトまたはヒト化抗−IL−13抗体である。あるいは他の実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は、Aβ、CD3、CD52、VEGF、EGFR、CD33、CD20、HER−2、TNFα、CD25、RSV、IgE、gp Ilb/IIIa、CD11aまたはα4インテグリンなどの抗原に結合しうる。
様々な実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は組換え生成される。様々な実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で組換え生成される。
様々な実施形態では、1種もしくは複数種の不純物は、1種もしくは複数種の宿主細胞タンパク質、宿主細胞DNA、細胞培養タンパク質、Fc領域を有するタンパク質の望ましくない種、およびこれらの混合物を含む。例えば様々な実施形態では、Fc領域を有するタンパク質の望ましくない種は、イントロンリードスルー配列を有する1種もしくは複数種の抗体鎖またはその断片、不適切なジスルフィド結合を有する1種もしくは複数種の抗体鎖またはその断片、半抗体またはその断片、軽鎖二量体またはその断片、および重鎖二量体またはその断片を含む。
一態様では、本発明の方法は、Fc領域を有するタンパク質を、まずタンパク質をFc結合剤に吸着させた後、Fc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄して1種もしくは複数種の不純物を除去し、その後にタンパク質をFc結合剤から回収することにより、タンパク質および1種もしくは複数種の不純物を含有するソース液体から精製するものである。様々な実施形態では、タンパク質をFc結合剤に吸着させるステップとFc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄するステップは、約2℃〜約24℃の範囲内の温度で行われる。様々な実施形態では、タンパク質をFc結合剤から回収するステップは、約2.0〜約6.5の範囲内のpHを有する溶出緩衝液を用いてタンパク質を溶出するステップを含む。
様々な実施形態では、Fc領域結合剤はプロテインAおよびプロテインGのうちの1種もしくは複数種を含有する。好ましい実施形態では、Fc結合剤は固相上に固定化される。この固相は、例えばビーズ、アガロースマトリックス、シリカ、およびそれらの混合物の1種もしくは複数種を含有しうる。
Fc結合剤を洗浄するのに用いられる緩衝液中に存在する二価カチオン塩は、例えばカオトロピック塩を含みうる。洗浄緩衝溶液の調製に適する二価カチオン塩としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ニッケルおよびそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態では、洗浄緩衝溶液の調製に適する二価カチオン塩としては、二価グループII(divalent group II)(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)カチオン、二価遷移金属(例えば、銅、ニッケル、マンガンなど)カチオンのチオシアン酸塩(SCN-)、過塩素酸塩(ClO4 -)、硝酸塩(NO3 -)、塩化物塩および臭化物塩、ならびにこれらの塩の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
様々な実施形態では、二価カチオン塩を含有する緩衝溶液は約4〜約9、一部の実施形態では約4〜約8、約4.5〜約7.5または約6〜約8の範囲内のpH値を有する。本明細書に示される範囲内に含まれる値および範囲ならびに/または同範囲内の中間値もまた、本発明の範囲内にあるように意図されている。例えば、二価カチオン塩は約7.1〜約7.9、約7.2〜約7.9、約7.3〜約7.7、約7.4〜約7.6、約4〜約5、約5〜約6、約6〜約7、または約8〜約9のpH値を有する。
さらに、本明細書で列挙される値を上限または下限として有する範囲は、本発明の範囲内にあるように意図されている。例えば、二価カチオン塩は、少なくとも約(または約)4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、または8のpHを有する。
様々な実施形態では、緩衝溶液は、約0.1M〜約5Mおよび一部の実施形態では約0.5M〜約3M、約1.0M〜約3Mまたは約0.6M〜約2.5Mの範囲内の二価カチオン塩濃度を有する。例えば、二価カチオン緩衝液は、少なくとも約0.6MのCaCl2または少なくとも約2MのMgCl2または少なくとも約2MのCaCl2を含有しうる。本明細書に示される範囲内に含まれる値および範囲ならびに/または同範囲内の中間値もまた、本発明の範囲内にあるように意図されている。例えば、緩衝溶液は、約0.5M〜約0.75M、約0.5M〜約0.8M、約0.5M〜約0.9M、約0.5M〜1.0M、約0.5M〜2M、約1.5M〜約2.0M、約1.5M〜約2.5M、約1.5M〜約3.0M、または約2.5M〜約3Mの二価カチオン塩濃度を有する。
さらに、本明細書で列挙される値を上限または下限として有する範囲は、本発明の範囲内にあるように意図されている。例えば、緩衝溶液は、少なくとも約(または約)0.6M、1M、1.5M、2M、2.5M、または3Mの二価カチオン塩濃度を有する。様々な実施形態では、二価カチオン塩を含有する緩衝溶液は約2℃〜約24℃の範囲内の温度を有する。
様々な実施形態では、タンパク質をFc結合剤から回収するステップは、約2.0〜約6.5の範囲内、好ましくは約2.0〜約4.0の範囲内、より好ましくは約2.5〜約3.5の範囲内のpHを有する溶出緩衝液を用いてタンパク質を溶出するステップを含む。本明細書に示される範囲内に含まれる値および範囲ならびに/または同範囲内の中間値もまた、本発明の範囲内にあるように意図されている。例えば、溶出緩衝液は約2〜約3または約3〜約4のpHを有する。
さらに、上限または下限として本明細書で列挙される値を有する範囲は、本発明の範囲内にあるように意図されている。例えば、溶出緩衝液は少なくとも約(または約)2、2.5、3、3.5または4のpHを有する。
様々な実施形態では、Fc結合剤のクロマトグラフィーステップに先立ちまたはその後に、回収されたタンパク質にさらなる精製ステップを施してもよい。例えば、典型的なさらなる精製ステップとしては、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、固定化金属親和性クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、透析、親和性クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈降、エタノール沈降、逆相HPLC(RP−HPLC)、クロマトフォーカシング、限界濾過、透析濾過(diafiltration)、精密濾過(microfiltration)、およびゲル濾過が挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態では、Fc結合剤のクロマトグラフィーステップの後にアニオン交換クロマトグラフィーおよびHICステップが行われる。様々な実施形態では、クロマトグラフィーステップの後にさらに、ウイルス濾過ステップ、限界濾過/透析濾過ステップ、および/または微生物汚染物質濾過ステップが行われる。
一態様では、本発明は、抗体をその不純物を含有する溶液から精製するための方法を提供する。様々な実施形態では、方法は、まずタンパク質をFc結合剤に吸着させるステップと、その後のFc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄することで1種もしくは複数種の不純物を除去するステップと、それに続くタンパク質をFc結合剤から回収することで第1の溶離液プールを生成するステップとを含む。
様々な実施形態では、精製プロセスは、標的タンパク質が樹脂に吸着しないようにイオン交換樹脂と第1の溶離液プールとの接触により第1の溶離液プールにイオン交換クロマトグラフィーを施すステップと、貫流する標的タンパク質を回収して第2の溶離液プールを生成するステップにより継続する。様々な実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーステップは、イオン交換樹脂を緩衝化洗浄溶液で洗浄し、任意の吸着された標的タンパク質の少なくとも一部を回収するステップをさらに含む。
様々な実施形態では、精製プロセスは、標的タンパク質の疎水性相互作用樹脂(例えば、疎水性リガンド(配位子)で機能化(官能化)された固相)への吸着により第2の溶離液プールに疎水性相互作用クロマトグラフィーを施すステップと、標的タンパク質を実質的に溶出しないイオン強度を有する緩衝化洗浄溶液で疎水性相互作用樹脂を洗浄するステップと、精製された標的タンパク質を回収するステップ(典型的には標的タンパク質を疎水性相互作用樹脂から脱着するのに十分に低いイオン強度を有する溶出緩衝液を用いる)により継続する。
本発明の様々な態様の好ましい実施形態では、Fc結合剤は固相上に固定化され、それは好ましくはソース液体との接触に先立ち適切な緩衝液で平衡化される。固相は、好ましくはFc結合剤を固定化するアガロースを含むカラムである。様々な実施形態では、カラムがグリセリンなどの試薬でコーティングされることで、カラムに対する非特異的付着性が低下するかまたは阻止される。
様々な実施形態では、本発明の方法により精製されるタンパク質を、医薬的に許容できる担体中に調合し、かつかかる分子において既知の様々な診断用途、治療用途または他の用途に用いることが可能である。
様々な態様では、本発明は、Fc領域含有タンパク質を同タンパク質とそのイントロンリードスルー変異体(IRT)を含有する溶液から精製するための方法を提供する。特徴的な態様では、本発明の方法を用いることで、タンパク質調製物中、例えば抗体調製物中の1種もしくは複数種のイントロンリードスルー変種のレベルが低下する。様々な実施形態では、Fc結合剤から回収されたタンパク質のイントロンリードスルー変異体のレベルがソース液体中のイントロンリードスルー変異体のレベルの少なくとも1/5未満であり、一部の実施形態ではソース液体中のイントロンリードスルー変異体のレベルの少なくとも1/10未満である。様々な実施形態では、イントロンリードスルー変異体は、Fc結合剤から回収された前記タンパク質を含有する溶液中で前記タンパク質の種の約1.0%未満、約0.8%未満、約0.5%未満、約0.2%未満または約0.1%未満を構成する。
様々な態様では、本発明は、Fc領域含有タンパク質を同タンパク質とその低分子量変異体(LMW)を含有する溶液から精製するための方法を提供する。特徴的な態様では、本発明の方法を用いることで、タンパク質調製物中、例えば抗体調製物中の1種もしくは複数種の低分子量変種のレベルが低下する。様々な実施形態では、Fc結合剤から回収されたタンパク質が有する低分子量変異体のレベルがソース液体中の低分子量変異体のレベルの少なくとも1/5未満であり、一部の実施形態ではソース液体中の低分子量変異体のレベルの少なくとも1/10未満である。様々な実施形態では、低分子量変異体は、Fc結合剤から回収された前記タンパク質を含有する溶液中での前記タンパク質の種の約1.0%未満、約0.8%未満、約0.5%未満、約0.2%未満または約0.1%未満を構成する。
様々な態様では、本発明は、Fc領域含有タンパク質をタンパク質とそのアンダージスルフィド結合変異体(UDB)を含有する溶液から精製するための方法を提供する。特徴的な態様では、本発明の方法を用いることで、タンパク質調製物中、例えば抗体調製物中の1種もしくは複数種のアンダージスルフィド結合変種のレベルが低下する。様々な実施形態では、Fc結合剤から回収されたタンパク質が有するアンダージスルフィド結合変異体のレベルがソース液体中のアンダージスルフィド結合変異体のレベルの少なくとも1/5未満であり、一部の実施形態ではソース液体中のアンダージスルフィド結合変異体のレベルの少なくとも1/10未満である。様々な実施形態では、アンダージスルフィド結合変異体は、Fc結合剤から回収された前記タンパク質を含有する溶液中での前記タンパク質の種の約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満または約1%未満を構成する。
別の態様では、本発明は、本発明の方法に従って精製される、Fc領域を有するタンパク質に関する。
別の態様では、本発明は、最初にタンパク質をFc結合剤に吸着させるステップと、その後のFc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄して1種もしくは複数種の不純物を除去するステップと、その後のタンパク質をFc結合剤から回収するステップとを少なくとも含む方法のいずれかを実施するのに適する系を提供する。
別の態様では、本発明は、最初にタンパク質をFc結合剤に吸着させるステップと、その後のFc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄して1種もしくは複数種の不純物を除去するステップと、その後のタンパク質をFc結合剤から回収するステップとを少なくとも含む方法のいずれかを実施するための精製順序(train)を提供する。
本発明はまた、様々な態様では、1つもしくは複数の本発明の方法を実施するのに用いられるキットを特徴とする。様々な実施形態では、キットは少なくとも1種の試薬およびキットの使用説明書を含む。例えばキットは、Fc結合剤、二価カチオン塩および二価カチオン塩を含有する緩衝化洗浄溶液を調製するための試薬などの1種もしくは複数種の試薬をキットの使用説明書とともに含みうる。
(発明の詳細な説明)
本発明のさらなる説明に先立ち、本明細書で用いられる特定の用語の定義を示すことは、その理解に役立つものでありうる。本明細書で示される定義は分類されているものであり、これはあくまで参照を容易にするためであって限定を目的とするものではない。
(タンパク質に関連する定義)
様々な態様では、本発明は、Fc領域含有タンパク質を、タンパク質およびその1種もしくは複数種のリードスルー変異体、例えばイントロンリードスルー変異体などを含有する溶液から精製するための方法を提供する。特徴的な態様では、本発明の方法を用いることで、タンパク質調製物中、例えば抗体調製物中での1種もしくは複数種のイントロンリードスルー(IRT)変種のレベルが低下する。「イントロンリードスルー変異体」および「イントロンリードスルー変種」という用語は、本明細書で同義的に用いられ、目的とするFc領域含有タンパク質(例えば、標的タンパク質)の合成においてポリペプチド鎖伸長がコーディング領域上流のイントロン内の停止コドンによってコーディング領域の転写の上流で終結する場合のプロセスの産物を示す。この産物は、1つもしくは複数の不完全なドメインを有するかまたはそのドメインを欠いた目的タンパク質の変異体(すなわちイントロンリードスルー変異体)である。かかるイントロンは、数種の異なるイントロンリードスルー変異体を生成する可能性をもたらす2つ以上の停止コドンを有しうる。
「アンダージスルフィド結合変異体」または「UDB」という用語は、少なくとも1つのジスルフィド結合が欠けている場合の任意の種を示す。欠けているジスルフィド結合は、鎖間ジスルフィド結合または鎖内ジスルフィド結合またはその2つの組み合わせでありうる。
「低分子量種」または「LMW」種という用語は、遊離重鎖、遊離軽鎖、IRT種、半分子、および3/4(three−quarters)分子、またはそれらの混合物からなるタンパク質種が挙げられる、Fc領域含有タンパク質の変異体を示す。
プロテインAは、抗体のFc領域に高親和性(ヒトIgGに対して約10-8M)結合する黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureas)の大部分の株内に見出される約42kDの細胞壁タンパク質である。本明細書で用いられる「プロテインA」という用語は、CH2/CH3領域を有するタンパク質に対する結合能を保持する、その天然ソースから回収されたプロテインA、(例えば、ペプチド合成、組換え技術などにより)合成的に生成されたプロテインA、およびそれらの変異体を包含する。
プロテインGは、グループGの連鎖球菌(streptococci)由来の細胞壁タンパク質である。プロテインGは、抗体、特にIgG抗体のFc領域に高親和性結合するタイプIIIのFc受容体である。本明細書で用いられる「プロテインG」という用語は、Fc領域を有するタンパク質に対する結合能を保持する、その天然ソースから回収されたプロテインG、(例えば、ペプチド合成、組換え技術などにより)合成的に生成されたプロテインG、およびそれらの変異体を包含する。
(本明細書で同義的に用いられる)「抗体」または「免疫グロブリン」という用語は、2つの重鎖と2つの軽鎖からなる基本的な4つのポリペプチド鎖構造を有する抗原結合タンパク質を示し、前記鎖は例えば鎖間ジスルフィド結合によって安定化され、このタンパク質は抗原に対する特異的な結合能を有する。重鎖と軽鎖の双方はドメイン内に折り畳まれる。
「ドメイン」という用語は、例えばβ−プリーツシートおよび/または鎖内ジスルフィド結合により安定化されたペプチドループを含む(例えば3〜4つのペプチドループを含む)重鎖または軽鎖ポリペプチドの球状領域を示す。ドメインは本明細書では「定常」または「可変」とも称され、それは、「定常」ドメインの場合には、様々なクラスメンバーのドメイン内部の配列変異の相対的欠如に基づいている一方、「可変」ドメインの場合には、様々なクラスメンバーのドメイン内部の有意な変異に基づいている。軽鎖上の「定常」ドメインは、「軽鎖定常領域」、「軽鎖定常ドメイン」、「CL」領域または「CL」ドメインと同義的に称される。重鎖上の「定常」ドメインは、「重鎖定常領域」、「重鎖定常ドメイン」、「CH」領域または「CH」ドメインと同義的に称される。軽鎖の「可変」ドメインは、「軽鎖可変領域」、「軽鎖可変ドメイン」、「VL」領域または「VL」ドメインと同義的に称される。重鎖上の「可変」ドメインは、「重鎖可変領域」、「重鎖可変ドメイン」、「VH」領域または「VH」ドメインと同義的に称される。
「断片」という用語は、無傷の(intact)あるいは完全な抗体または抗体鎖よりも少ないアミノ酸残基を含む抗体または抗体鎖の一部を示す。断片は、無傷のあるいは完全な抗体または抗体鎖の化学処理または酵素処理を介して取得可能である。断片は組換え手段によっても取得可能である。典型的な断片としては、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fabc断片および/またはFv断片が挙げられる。「抗原結合断片」という用語は、抗原に結合するかまたは特異的な抗原結合のためのそれら断片の誘導源である無傷の抗体と競合する、免疫グロブリンまたは抗体のポリペプチド断片を示す。
「抗体融合タンパク質」および「抗体融合体」という用語は、少なくとも1種の非抗体タンパク質部分またはポリペプチドに融合される抗体の全部または一部を含む融合タンパク質を示す。融合は、一般に前記タンパク質をコードする遺伝子に関する遺伝子工学によって行われる。さらなる典型的な抗体融合タンパク質は、別の可溶性または細胞性の生物学的タンパク質の全部または一部、例えば受容体(細胞性または可溶性)またはその一部、サイトカインまたはその一部、酵素またはその一部などに融合される(Fc領域を含む)抗体の細胞受容体結合部分を含む。別のタンパク質に融合される抗体のFc領域を含むかかる抗体融合タンパク質は、当該技術分野ではFc融合タンパク質としても称される。
「Fc結合剤」という用語は、抗体のFc領域に高親和性を有する、補体タンパク質、Fc受容体または細菌由来タンパク質、例えばプロテインAまたはプロテインGなどを含むがこれらに限定されない、抗体(例えばIgG抗体)のFc領域に結合可能な分子を示す。
「Fc領域」という用語は、IgG抗体のC−末端領域、特に前記IgG抗体の重鎖のC−末端領域を示す。IgG重鎖のFc領域の境界はやや変化しうるが、Fc領域は典型的にはおよそアミノ酸残基Cys226からIgG重鎖のカルボキシル末端までの範囲として定義される。
(クロマトグラフィーに関連した定義)
本明細書で用いられる「ソース液体」という用語は、少なくとも1種の標的物質を含有する液体を示し、同物質は共存する他の物質から精製されることが求められる。ソース液体は、例えば水溶液、有機溶媒系、または水/有機溶媒混合物もしくは溶液でありうる。ソース液体は、多種の生体分子(タンパク質、抗体、ホルモン、およびウイルスなど)、小分子(塩、糖類、脂質など)、および微粒子物質までも含有する複合混合物または溶液である場合が多い。典型的な生物学的起源を有するソース液体が水溶液または懸濁液として出発しうる一方、それは溶媒沈殿、抽出などの初期分離ステップで用いられる有機溶媒も含有しうる。本発明の様々な実施形態による精製に準じた貴重な生体物質を含有しうるソース液体の例として、バイオリアクターからの培養上清、均質化された細胞懸濁液、血漿、血漿画分、および乳液(ミルク)が挙げられるがこれらに限定されない。
「標的物質」または「標的タンパク質」という用語は、本明細書ではソース液体から精製されるべき1種もしくは複数種の所望のFc領域含有タンパク質を示す。標的物質は、懸濁液としてのソース液体中または溶液中に存在しうる。
「不純物」という用語は、標的物質と異なる、望ましくは最終標的物質生成物から除去される、ソース液体中の物質を示す。典型的な不純物としては、核酸、(イントロン−リードスルー種、低分子量種およびアンダージスルフィド結合種を含む)タンパク質、ペプチド、内毒素、ウイルスならびに小分子が挙げられる。
本明細書で用いられる「固相」は、標的物質が精製の間に相互作用する相手であるかまたはFc結合剤が付着しうる対象である非水性マトリックスを示す。適切な固相物質としては、ガラス、シリカ(例えばシリカゲル)、アガロースおよびセルロースなどの多糖類(例えば多糖類マトリックス)、ポリアクリルアミド、メチルメタクリレート、およびポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体など、例えばアンバーライト(Amberlite)(商標)樹脂(ローム・アンド・ハース・ケミカル(Rohm&Haas Chemical Co.)、フィラデルフィア(Philadelphia)、ペンシルバニア州から市販)などの有機高分子が挙げられるがこれらに限定されない。固相を、親和性樹脂、イオン交換樹脂およびイオン捕捉樹脂として一般に記載されている樹脂の群のいずれかから選択可能である。固相は、例えば精製カラム、分離した粒子の不連続相、またはそれらの組み合わせでありうる。固相は、多孔質または非孔質の特徴を有しかつ圧縮性または非圧縮性でありうる。様々な実施形態では、固相は高分子マトリックスまたはアガロースの粒子またはビーズである。様々な実施形態では、固相を試薬(グリセリンなど)でコーティングすることで、例えば不純物の固相への非特異的付着性を阻止することが可能である。Fcを結合する固相は、Fc結合剤が固相の表面に付着することを可能にする化学物質または会合性リガンドのみを有する必要がある。好ましい固相物質は、ポンプ輸送および交差流濾過を含む精製プロセスにて用いられる条件、ならびに用いられる液体における温度、pH、および他の態様に対して物理的および化学的に回復性がある(resilient)。
「親和性リガンド」は、ソース液体の成分の結合部位との特異的相互作用により、その成分に選択的または優先的に結合する部分を示す。本発明では、親和性リガンド(例えばFc結合剤)は、典型的には樹脂などの固相に固定化される。樹脂支持体に結合することで本発明のプロセスにて有用なクロマトグラフィー樹脂を提供可能な親和性リガンドの例として、選択的にタンパク質のFc領域に結合するプロテインA、プロテインG、およびそれらの類似体が挙げられるがこれらに限定されない。親和性リガンドの固体支持体物質への結合方法は精製技術分野で周知である。例えば、参照テキストであるAffinity Separations:A Practical Approach(Practical Approach Series)、ポール・マテチューク(Paul Matejtschuk)(編集者)、アイアールエル・プレス(Irl Pr):1997年;およびAffinity Chromatography、ヘルベルト・ショット(Herbert Schott)、マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、ニューヨーク(New York):1997年を参照のこと。
「親和性クロマトグラフィー樹脂」または「親和性樹脂」は、固相または基材とその表面に結合される親和性リガンドを備えるクロマトグラフィー樹脂を示す。
「イオン交換クロマトグラフィー樹脂」または「イオン交換樹脂」は、正または負の電荷を担持する共有結合性リガンドを有し、それ故、イオン交換樹脂の接触相手である溶液中のイオンとの交換に使用可能な遊離対イオンを有する固体支持体を示す。
「カチオン交換樹脂」は、負に帯電した共有結合性リガンドを有するイオン交換樹脂を示し、それ故、樹脂の接触相手である溶液中のカチオンとの交換において遊離カチオンを有する。多種多様のカチオン交換樹脂、例えば共有結合基がカルボン酸またはスルホン酸であるものが当該技術分野で既知である。市販のカチオン交換樹脂として、CMC−セルロース、SP−Sephadex(商標)およびFast S−Sepharose(商標)が挙げられる(後の2種はファルマシア(Pharmacia)から入手可能)。
「アニオン交換樹脂」は、4級アミノ基などの正に帯電した共有結合基を有するイオン交換樹脂を示す。市販のアニオン交換樹脂として、DEAEセルロース、TMAE、QAE Sephadex(商標)、およびFast Q−Sepharose(商標)が挙げられる(後の2種はファルマシア(Pharmacia)から入手可能)。
本明細書で用いられる「カオトロピック塩」という用語は、タンパク質水和殻に浸透しかつそれら表面に直接結合しうる分離指向性(lyotropic)系列のうち低位の1種もしくは複数種のイオン成分を含有する塩を示す。これは共水和会合(cohydrative association)を破壊し、タンパク質の可溶化を促進する。カオトロピック塩の例として、グループII元素のハロゲン化物塩(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化バリウム)が挙げられるがこれらに限定されない。
適切な二価カチオン塩の例として、Mn2+、Ni2+またはCu2+、Mg2+、Ca2+およびBa2+のチオシアネート(SCN-)、過塩素酸塩(ClO4 -)、硝酸塩(NO3 -)、塩化物(Cl-)、および臭化物(Br-)との塩およびそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
特定の実施形態では、二価カチオン塩は二価カチオン(例えば、Mg2+、Ca2+、Ni2+またはBa2+)を含む。特徴的なプロセスでの使用に好ましいカオトロピック塩はMgCl2、NiCl2およびCaCl2である。二価カチオン塩の洗浄ステップ後、標的タンパク質は親和性クロマトグラフィーマトリックスから溶出される。
「緩衝液」は、溶液中に存在することにより、pHにおける単位変化を誘起するために添加されなければならない酸またはアルカリの量を増加させる物質である。緩衝溶液は、その酸−塩基抱合体成分の作用によりpHの変化に抵抗性を示す。生物学的試薬とともに用いられる緩衝溶液は、一般に溶液のpHが生理的範囲内にあるように水素イオンの一定濃度を維持することが可能である。「生理的pH」という用語は、哺乳類血液のpH(すなわち7.38または約7.4)を示す。したがって、生理的pH範囲は約7.2〜7.6である。従来の緩衝液成分としては、有機および無機の塩、酸および塩基が挙げられるがこれらに限定されない。生体分子(例えばタンパク質分子)の精製にて用いられる典型的な緩衝液は両性イオンまたは「グッド(Good)」緩衝液であり、例えばグッド(Good)ら(1966年) Biochemistry 5:467頁およびグッド(Good)およびイザワ(Izawa)(1972年) Methods Enzymol.24:62頁を参照のこと。典型的な緩衝液としては、TES、MES、PIPES、ヘペス(HEPES)、MOPS、MOPSO、トリシン(TRICINE)およびビシン(BICINE)が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書における「平衡化緩衝液」は、標的タンパク質を含有するソース液体のロードのためのFc結合試薬、固相、またはそれら双方を調製するために用いられる緩衝液である。平衡化緩衝液は、好ましくは等張性であり、一般に約6〜約8の範囲内のpHを有する。「ローディング緩衝液」は、Fc領域含有タンパク質および不純物を含有するソース液体を、Fc結合剤が固定化された固相上にロードするのに用いられる緩衝液である。平衡化およびローディング緩衝液は同一であることが多い。「溶出緩衝液」は、Fc領域含有タンパク質を固定化Fc結合剤から溶出するのに用いられる。好ましくは、溶出緩衝液は、低いpHを有することからFc結合剤と目的タンパク質の間の相互作用を破壊する。好ましくは、低いpHの溶出緩衝液は約2〜約5の範囲内、最も好ましくは約3〜約4の範囲内のpHを有する。pHをこの範囲内に調節する緩衝液の例として、グリシン緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液およびアンモニウム緩衝液、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいかかる緩衝液は、クエン酸緩衝液および酢酸緩衝液、最も好ましくはクエン酸ナトリウム緩衝液または酢酸ナトリウム緩衝液である。高pH緩衝液(例えば9以上のpHを有するもの)あるいは目的タンパク質の溶出用として、MgCl2(2mM)などの化合物または組成物を含有する緩衝液を含む他の溶出緩衝液が検討されている。
本明細書で用いられる「洗浄液体」または「洗浄緩衝液」はいずれも本明細書中で、標的物質の結合対象のクロマトグラフィー樹脂から不純物を除去するのに用いられる液体を示す。2種以上の洗浄液体を、クロマトグラフィー樹脂に非特異的会合性の多種多様な不純物の解離および除去のために設計された、例えばpH、電導度、溶媒濃度などの様々な特性を有する洗浄液体を連続させることにより連続的に用いてもよい。
本明細書における「溶出液体」または「溶出緩衝液」は、クロマトグラフィー樹脂を1種もしくは複数種の洗浄液体での洗浄後にこのクロマトグラフィー樹脂から標的物質を解離するのに用いられる液体を示す。溶出液体が作用することで、標的物質が不可逆的な変性を伴うことなく解離される。典型的な溶出液体は、クロマトグラフィー技術において周知であり、より高濃度の塩、遊離性親和性リガンドまたは類似体、あるいは標的物質のクロマトグラフィー樹脂からの解離を促進する他の物質を有しうる。「溶出条件」は、標的物質を結合したクロマトグラフィー樹脂とかかる解離をもたらす溶出液体または溶出緩衝液との接触など、標的物質をクロマトグラフィー樹脂から解離させる、標的物質を結合したクロマトグラフィー樹脂上にロードされるプロセス条件を示す。
本明細書における「洗浄液体」または「洗浄緩衝液」は、精製プロセスの完了後にクロマトグラフィー樹脂の洗浄に用いられる液体を示す。洗浄液体は、界面活性剤(洗剤)、ウイルス不活化剤または比較的高濃度の塩を含有する場合があり、かつ精製プロセスの間に用いられる液体よりも高いpHまたは低いpHを有しうる。その目的は、クロマトグラフィー樹脂を浄化することでその再使用のための準備することである。典型的な洗浄液体は、クロマトグラフィーの技術分野において周知である。
本明細書における「保存液体」または「保存緩衝液」は、クロマトグラフィー樹脂が使用の間で懸濁される場合の液体を示す。保存液体は、イオンの緩衝化に加え、殺菌剤または他の保存剤も含有しうる。かかる保存液体はクロマトグラフィー技術分野で周知である。
様々な態様では、本発明は、Fc領域を含むタンパク質を、同タンパク質をFc結合剤に吸着した後、Fc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄して1種もしくは複数種の不純物を除去し、次いでタンパク質をFc結合剤から回収することにより、タンパク質および1種もしくは複数種の不純物を含有するソース液体から精製するための方法を特徴とする。適切なFc結合剤としては、プロテインAおよびプロテインGが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明は、Fc領域含有タンパク質、例えば抗体を精製するためのプロセスを特徴とする。典型的な精製プロセスとしては親和性クロマトグラフィーステップが挙げられる。親和性クロマトグラフィーステップは、連続、不連続、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、親和性クロマトグラフィーステップを例えばバッチプロセスなどの不連続プロセスとして実施してもよい。親和性クロマトグラフィーは、バイオセレクティブ(bioselective)吸着および続く標的化合物の固定化リガンドからの回収のプロセスである。このプロセスは、標的化合物の高度に特異的かつ効率的な精製を可能にする。このプロセスは、穏やかな条件下での回収を可能にしつつ、一般に10-4〜10-8の範囲内の解離定数を有する標的化合物(例えばFc領域含有タンパク質)に結合する適度に選択的なリガンド(例えばFc結合剤)の使用を必要とする。リガンドは、一般に、カラムパッキングまたはバッチ式吸着媒体の形態でありうるビーズ状の多孔質マトリックス上に固定化される。
好ましい結合剤はプロテインAである。プロテインAは免疫グロブリンのFc領域に結合する。プロテインAは6つの領域からなり、その内の5つはIgGに結合する。それはヒトIgG1、IgG2およびIgG4、ならびにマウスIgG2a、IgG2bおよびIgG3に対して高い親和性で結合する。プロテインAは、ヒトIgD、IgM、IgAおよびIgEならびにマウスIgG1に対して中程度の親和性で結合する。親和性リガンドとして、プロテインAはマトリックスにこれらの領域が自由に結合するように固定化される。固定化プロテインAの1分子がIgGの少なくとも2種の分子に結合しうる。プロテインAの天然および組換え変異体は、IgGのFc領域に対して類似した特異性を共有する。組換えプロテインA(rProteinA)を、例えばC−末端システインを含むように設計し、かつ固相マトリックスに対するチオエステルカップリング(結合)を介して固定化することが可能である。かかるカップリングの結果、プロテインAの結合能が高められる。
別の結合剤がプロテインGである。プロテインGはIgGに特異的であり、それは高い親和性でヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4、ならびにマウスIgG1およびIgG3に対して結合する。プロテインG PLUSは、ヒトIgG4ならびにマウスIgG2a、IgG2bおよびIgG3に対して中程度の親和性を有する。組換えプロテインG(rProteinG)において天然タンパク質のアルブミン−結合領域を削除するように設計可能である。組換えプロテインGは2つのFc結合領域を有する。
別の結合剤としてプロテインA/Gが挙げられる。プロテインA/Gは、プロテインAとプロテインGの双方のIgG結合特性を組み合わせた、遺伝子操作されたタンパク質である。それは非病原性形態のバチルス(Bacillus)から分泌される遺伝子融合産物である。プロテインA/Gは、プロテインA由来の4つおよびプロテインG由来の2つのFc結合ドメインを有する。プロテインA/GはプロテインAとしてのpH依存性を示さないが、それ以外はプロテインAおよびGの相加的特性を有する。
プロテインA/GはすべてのヒトIgGサブクラスに結合し、サブクラスが決定されていないポリクローナルまたはモノクローナルIgG抗体の精製に特に適する。さらに、それはIgA、IgE、IgMおよび(より少ない程度に)IgDに結合する。プロテインA/GはすべてのマウスIgGサブクラスにも十分に結合し、マウスモノクローナル抗体のIgGサブクラスからの精製に特に適し、ここではIgA、IgMおよびマウス血清アルブミンからの干渉を伴うことはない(例えば、シッキマ(Sikkema)(1989年) Amer.Biotech.Lab 7、42頁を参照)。マウスモノクローナルの個々のサブクラスは、プロテインAまたはプロテインGのいずれかよりもキメラプロテインA/Gに対してより強い親和性を有しうる(例えばエリアッソン(Eliasson)ら(1988年) J.Biol.Chem.263、4323〜4327頁を参照)。
本発明では、固定化されたFc結合剤(例えばプロテインA)を二価カチオン塩の溶液で洗浄することで不純物が除去される。特に、組換え抗体発現技術の結果として生成される望ましくない不純物が二価カチオン塩での洗浄ステップを用いて除去可能であることが発見されている。
本発明の方法は、場合により、親和性クロマトグラフィーおよび二価カチオン洗浄ステップ後に精製ステップを含みうる。次の精製ステップは、イオン交換クロマトグラフィーステップおよび/または疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)ステップを含みうる。次のクロマトグラフィーステップは、連続、不連続(例えばバッチプロセスなど)、またはそれらの組み合わせであってもよい。イオン交換クロマトグラフィーでは、タンパク質の総電荷間の相違に基づき分子が分離される。標的タンパク質は、結合目的に樹脂に付着された官能基の電荷の逆電荷を有する必要がある。例えば、一般に全体として正電荷を有する抗体は、負に帯電した官能基を有するカチオン交換体に十分に結合することになる。この相互作用がイオン性であることから、低イオン性条件下で結合が生じる必要がある。溶出は、イオン強度を高めてイオン相互作用を破壊するかまたはタンパク質のpHを変化させることによってなされる。
イオン交換クロマトグラフィーがタンパク質の電荷に依存することでタンパク質が単離される一方、疎水性相互作用クロマトグラフィーでは一部のタンパク質の疎水特性が用いられる。タンパク質上の疎水基はカラム上の親水基に結合する。タンパク質の疎水性が高まると、そのカラムへの結合が強まることになる。HICステップでは、例えば宿主細胞由来の不純物(例えばDNAや他の高分子量および低分子量生成物の関連種)が除去される。さらなる精製ステップは、本明細書に記載のように、ウイルス除去ステップならびに限界濾過および/または透析濾過ステップを含みうる。
様々な実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は、Fc領域を有する抗体または抗体融合タンパク質であり、これはFc結合剤のFc受容体に結合する。二価カチオン塩を含有する緩衝溶液を用いてFc結合剤を洗浄することで、例えば目的タンパク質(例えばソース液体中の標的物質)におけるリードスルー変異体および(LMWおよびUDB種を含む)定常領域を含有する断片などの不純物の大幅な除去が可能になる。
本発明の方法は、1つもしくは複数のクロマトグラフィー分離ステップを含むことに加え、Fc領域を有するタンパク質(「標的タンパク質」)をソース液体中の不純物から分離するための1つもしくは複数の濾過ステップを含みうる。例えば、ソース液体を濾過するか、遠心分離するか、またはそれ以外の処理を行うことで、ソース液体とFc結合剤との接触前に微粒子残渣などを除去することが可能である。例えば、組換え技術を用い、タンパク質を細胞内、ペリプラスム空間内で生成するか、または培地内に直接分泌してもよい。もしタンパク質が細胞内で生成される場合、宿主細胞または溶解断片といった微粒子残渣を、例えば遠心分離または限界濾過によって除去してもよい。タンパク質が培地内に分泌される場合、組換え宿主細胞を、例えばタンジェンシャルフロー濾過(tangential flow filtration)により細胞培地から分離してもよい。
様々な実施形態では、標的タンパク質を含有するソース液体は、標的タンパク質がFc結合剤(例えば固定化Fc結合剤)に吸着するようにFc結合剤と接触される(好ましくは固相上に固定化されかつ適切な緩衝液で平衡化される)。ソース液体は、平衡化緩衝液と同一でありうるローディング緩衝液中のFc結合剤(例えば固定化Fc結合剤)と接触される。不純物を含有するソース液体が固相を貫流すると、標的タンパク質はFc結合剤に吸着され、様々な他の不純物(標的タンパク質が組換え宿主細胞内で生成される場合の宿主細胞タンパク質または他のプロセス由来の不純物など)が貫流するかまたは固相に非特異的に結合する。様々な実施形態では、Fc結合剤はプロテインAであり、平衡化緩衝液は20mMトリス(Tris)、0.15M NaCl、pH7.5でありうる。他の適切な平衡化緩衝液としては、生理的濃度、例えば約0.5mM〜約100mMの範囲内の濃度(例えば、10mM、20mM、50mMなど)、生理的塩濃度(例えば約0.15mM NaCl)、および5.0〜9.0のpHにて、例えばBIS、ヘペスなどが挙げられる。
固相は、好ましくはFc結合剤を固定化するためのアガロース(例えばSepharose)ビーズまたは粒子である。様々な実施形態では、カラムをグリセリンなどの試薬でコーティングすることで、カラムへの非特異的付着性が低下するかまたは阻止される。様々な実施形態では、Fc結合剤はプロテインAである。アマシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosciences)から市販されているrmpプロテインA Sepharose(商標)Fast Flow(FF)カラムは、特徴的方法での使用に適するプロテインAカラムの一例である。
次いで、Fc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝化洗浄溶液で洗浄することで、固相またはFc結合剤に結合したタンパク質変種が除去される。特に、二価カチオン塩洗浄ステップを用い、大量の望ましくない不純物の除去が可能であることが発見されている。具体的には、二価カチオン塩洗浄を用い、標的タンパク質のイントロンリードスルー変異体、低分子量変異体およびアンダージスルフィド結合変異体の除去が可能であることが発見されている。さらに、二価カチオン塩洗浄を用い、宿主細胞タンパク質(HCP)およびDNAも除去可能である。様々な実施形態では、洗浄溶液中の二価カチオン塩はカオトロピック塩を含有する。適切なカオトロピック塩の例として、塩化カルシウム(CaCl2)、ニッケル塩化物(NiCl2)および塩化マグネシウム(MgCl2)が挙げられるがこれらに限定されない。単一の二価カチオン塩が洗浄溶液中に存在しうる一方、様々な実施形態では2種類以上の二価カチオン塩を用いることが可能である。
様々な実施形態では、二価カチオン塩を含有する洗浄溶液に加えて洗浄溶液を用いることで不純物が除去される。例えば、様々な実施形態では、二価カチオン塩を含有する洗浄溶液でのFc結合剤の洗浄前、洗浄後、または洗浄前と洗浄後の双方において、20〜50mMトリス、0.75〜2.0M NaCl、pH5.0〜9.0溶液、および/または10mMトリス、pH7.5溶液を用いてFc結合剤が洗浄される。
様々な実施形態では、約0.5M〜約2.5Mの濃度の二価カチオン塩は、好ましくは約5〜約9の範囲内のpHおよび好ましくは約7〜約8の範囲内のpHを有するpH緩衝溶液に添加される。二価カチオン塩の好ましい濃度としては、0.6M、2.0Mおよび2.5Mが挙げられるがこれらに限定されない。この目的に適する緩衝液としては、20〜50mMの濃度内のトリスまたは酢酸塩緩衝液が挙げられるがこれらに限定されない。
洗浄ステップ後、標的タンパク質はFc結合剤から回収される。これは通常、適切な溶出緩衝液を用いて行われる。標的タンパク質を、例えば低いpH、例えば約2〜約6.5の範囲内、および好ましくは約2.5〜約3.5の範囲内のpHを有する溶出緩衝液を用いてカラムから溶出させてもよい。
様々な実施形態では、このようにして回収された標的タンパク質を医薬的に許容できる担体中で調合し、かかる分子における既知の様々な診断用途、治療用途または他の用途として用いてもよい。
様々な実施形態では、Fc結合剤のクロマトグラフィーステップ後、溶出された標的タンパク質調製物に追加の精製ステップを施してもよい。例えば、典型的なさらなる精製ステップとしては、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、透析、親和性クロマトグラフィー(固定化金属親和性クロマトグラフィーを含む)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、硫酸アンモニウム沈殿、エタノール沈殿、逆相HPLC(RP−HPLC)、クロマトフォーカシング、限界濾過、透析濾過、およびゲル濾過が挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態では、Fc結合剤クロマトグラフィーステップ後にアニオン交換クロマトグラフィーおよびHICステップが行われる。様々な実施形態では、クロマトグラフィーステップ後、さらにウイルス濾過ステップ、限界濾過/透析濾過ステップ、および微生物汚染物質濾過ステップが行われる。様々な実施形態では、これらの追加の精製ステップは、Fc結合剤クロマトグラフィーステップに先立ち実施可能である。様々な態様では、本明細書の方法は、プロテインAクロマトグラフィーにより不純物からFc領域含有タンパク質を精製することを含む。
様々な実施形態では、Fc領域含有タンパク質(標的タンパク質)を精製するための方法では、標的タンパク質を固相上に固定化されたプロテインAを含有するFc結合剤に吸着させるステップに始まり、その後、Fc結合剤を二価カチオン塩を含有する緩衝溶液で洗浄して1種もしくは複数種の不純物を除去するステップ、次いでタンパク質をプロテインAから回収して第1の溶離液プールを生成するステップが行われる。
様々な実施形態では、精製プロセスでは、アニオン交換樹脂と第1の溶離液プールとを、不純物が樹脂に吸着しても標的タンパク質が樹脂に吸着しないように接触させることにより、第1の溶離液プールにアニオン交換クロマトグラフィーを施すステップが続行される。したがって、標的タンパク質をフロースルーから回収することで第2の溶離液プールを生成してもよい。様々な実施形態では、アニオン交換クロマトグラフィーステップは、アニオン交換樹脂を緩衝化洗浄溶液で洗浄して吸着された標的タンパク質の少なくとも一部を回収するステップをさらに含み、次いでそれは第2の溶離液プールと結合される。あるいは、第1の溶離液プールは抗体が吸着するようにアニオン交換樹脂と接触可能であり、それにより任意の不純物のフロースルーが可能であり、場合により吸着された抗体の洗浄および溶出が続く。
様々な実施形態では、精製プロセスでは、標的タンパク質を疎水性相互作用樹脂(例えば、疎水性リガンドで機能化された固相)に吸着させることにより、第2の溶離液プールにHICを施すステップが続行され、疎水性相互作用樹脂を標的タンパク質を実質的に溶出しないイオン強度を有する緩衝化洗浄溶液で洗浄し、かつ(典型的には標的タンパク質をこの疎水性相互作用樹脂から脱着するのに十分に低いイオン強度を有する溶出緩衝液を用いて)第3の溶離液プールに標的タンパク質を回収する。あるいは、第2の溶離液プールは標的タンパク質が吸着しないようにHICカラムと接触可能であり、それによりフロースルーの標的タンパク質が第3の溶離液プールとして回収される。
様々な実施形態では、精製プロセスは、例えば、ウイルスを除去し、標的タンパク質を含有する溶液を濃縮、緩衝化し、かつ微生物汚染物質を除去するための1つもしくは複数の濾過ステップを含む。
様々な実施形態では、本発明は、Fc領域を有するタンパク質を、タンパク質および1種もしくは複数種の不純物(ここで、この不純物は1種もしくは複数種のIRT変異体を含有する)を含有するソース液体から精製するための方法を提供する。一実施形態では、この方法はソース液体中でのIRT変異体レベルから約1/2〜約1/20への低下をもたらす。好ましくは、IRT変異体レベルは少なくとも1/5に低下し、かつより好ましくはIRT変異体レベルは少なくとも1/10に低下する。例えば、(ソース液体中の種全体における百分率として)約3〜5%のIRT抗体変異体を有するソース液体(出発試料)中で、IRT抗体変種は約0.3〜約0.5%にまで低下しうる。様々な実施形態では、IRT変種は1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.2%未満、および/または0.1%未満に低下する。好ましくは、タンパク質を調製するためのソース液体の精製において、IRT変異体はソース液体中の種全体における百分率として1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.2%未満、および/または0.1%未満に低下する。
様々な実施形態では、本発明は、Fc領域を有するタンパク質を、タンパク質および1種もしくは複数種の不純物(ここで、この不純物は1種もしくは複数種のLMW変異体を含有する)を含有するソース液体から精製するための方法を提供する。一実施形態では、この方法はソース液体中でのLMW変異体レベルから約1/2〜約1/20の低下をもたらす。好ましくは、LMW変異体レベルは少なくとも1/5に低下し、かつより好ましくはLMW変異体レベルは少なくとも1/10に低下する。
例えば、(ソース液体中の種全体の百分率として)約20%のUDB抗体変異体を有するソース液体(出発試料)中で、UDB抗体変種が約10%〜約2%に低下しうる。様々な実施形態では、UDB変種は20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満に低下する。好ましくは、タンパク質の調製におけるソース液体の精製物中のUDB変異体は、ソース液体中の種全体の百分率として20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満に低下する。
例えば、(ソース液体中の種全体における百分率として)約3〜5%のLMW抗体変異体を有するソース液体(出発試料)中で、LMW抗体変種は約0.3〜約0.5%にまで低下しうる。様々な実施形態では、LMW変種は1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.2%未満、および/または0.1%未満に低下する。好ましくは、タンパク質を調製するためのソース液体の精製において、LMW変異体はソース液体中の種全体における百分率として1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.2%未満、および/または0.1%未満に低下する。
様々な実施形態では、本発明は、Fc領域を有するタンパク質を、タンパク質および1種もしくは複数種の不純物(ここで、この不純物は1種もしくは複数種のUDB変異体を含有する)を含有するソース液体から精製するための方法を提供する。一実施形態では、この方法はソース液体中でのUDB変異体レベルから約1/2〜約1/20の低下をもたらす。好ましくは、UDB変異体レベルは少なくとも1/5に低下し、かつより好ましくはUDB変異体レベルは少なくとも1/10に低下する。
例えば、(ソース液体中の種全体における百分率として)約20%のUDB抗体変異体を有するソース液体(出発試料)中で、UDB抗体変種は約10%〜約2%にまで低下しうる。様々な実施形態では、UDB変種は20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満に低下する。好ましくは、タンパク質を調製するためのソース液体の精製において、UDB変異体はソース液体中の種全体における百分率として20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、2%未満、または1%未満に低下する。
さらに、例えば(ソース液体中の種全体における百分率として)約3〜5%のUDB抗体変異体を有するソース液体(出発試料)中で、UDB抗体変種は約0.3〜約0.5%にまで低下しうる。様々な実施形態では、UDB変種は1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.2%未満、および/または0.1%未満に低下する。好ましくは、タンパク質を調製するためのソース液体の精製において、UDB変異体はソース液体中の種全体における百分率として1%未満、0.8%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.2%未満、および/または0.1%未満に低下する。
(本発明の精製方法において用いられるタンパク質)
本明細書に記載の本発明に従って精製されるべきFc領域を有するタンパク質は、当該技術分野で十分に確立されており、例えば合成技術(組換え技術およびペプチド合成またはこれらの技術の組み合わせなど)を含む技術を用いて調製されるか、またはタンパク質の内因性ソースから単離されうる。本発明の特定の実施形態では、Fc領域を有するタンパク質は、抗原結合ポリペプチド、より好ましくは抗体である。抗体は、例えばポリクローナル抗体調製物、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体であってもよい。抗原結合ポリペプチド、および特に抗体を産生するための技術は以下に記載される。あるいは、Fc領域を有するタンパク質は、二重特異的抗体(bispecific antibody)、抗体結合体または抗体融合タンパク質(例えばFc融合タンパク質)などの修飾形態の抗体であってもよい。かかる修飾形態の抗体および抗体融合タンパク質を産生するための技術もまた以下に記載される。
(ポリクローナル抗体)
ポリクローナル抗体を、免疫原で適切な被験体を免疫することにより調製してもよい。免疫された被験体における抗体力価を、例えば固定化された標的抗原を用いる酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いた標準技術により経時的に長期にわたり監視してもよい。標的抗原に特異的な抗体分子を、必要に応じて哺乳動物から(例えば血液から)単離し、さらにプロテインA Sepharoseクロマトグラフィーなどの周知の技術により精製して抗体、例えばIgGの画分を取得してもよい。免疫後の適切な時間、例えば抗−抗原抗体力価が最大である場合、抗体産生細胞を被験体から取得し、コーラー(Kohler)およびミルスタイン(Milstein)(1975年) Nature 256:495〜497頁)に最初に記載されたハイブリドーマ技術など(ブラウン(Brown)ら(1981年) J.Immunol.127:539〜46頁;ブラウン(Brown)ら(1980年) J.Biol.Chem.255:4980〜83頁;イェー(Yeh)ら(1976年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:2927〜31頁;およびイェー(Yeh)ら(1982年) Int.J.Cancer 29:269〜75頁も参照)の標準技術によりモノクローナル抗体を調製するのに用いてもよい。キメラポリクローナル抗体の調製においては、ベクラー(Buechler)ら、米国特許第6,420,113号明細書を参照のこと。
(モノクローナル抗体)
リンパ球と不死化細胞株を融合させるために用いられる多数の周知のプロトコルのうちのいずれかを、モノクローナル抗体を産生する目的で適用してもよい(例えば、G.ガルフレ(G.Galfre)ら(1977年) Nature 266:55052頁;ゲフター(Gefter)ら、Somatic Cell Genet、上記;レーナー(Lerner)、Yale J.Biol.Med.、上記;ケネス(Kenneth)、Monoclonal Antibodies、上記を参照)。さらに、当業者は、かかる方法には多数のバリエーションがあり、これらもまた有用であることを理解するであろう。典型的には、不死化細胞株(例えば骨髄腫細胞株)はリンパ球と同じ哺乳類種に由来する。例えば、マウスハイブリドーマを本発明の免疫原性調製物で免疫されたマウス由来のリンパ球と不死化マウス細胞株との融合により作製してもよい。好ましい不死化細胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含有する培地(「HAT培地」)に感受性を示すマウス骨髄腫細胞株である。多数の骨髄腫細胞株(例えばP3−NS1/1−Ag4−1、P3−x63−Ag8.653またはSp2/O−Ag14骨髄腫株)のいずれかを、標準技術に従い融合パートナーとして用いてもよい。これらの骨髄腫株はATCCから入手可能である。典型的には、HAT−感受性のマウス骨髄腫細胞は、ポリエチレングリコール(「PEG」)を用いてマウス脾細胞に融合される。次いで、融合物から得られるハイブリドーマ細胞がHAT培地を用いて選択され、それは未融合骨髄腫細胞および非生産的に融合された骨髄腫細胞を死滅させる(未融合脾細胞は形質転換されていなため数日後に死滅する)。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、標準ELISAアッセイを用いた、ハイブリドーマ培養上清を標的抗原に結合する抗体についてスクリーニングすることにより検出される。
(組換え抗体)
モノクローナル抗体分泌ハイブリドーマの調製に代わり、モノクローナル抗体を、組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)を標的抗原によりスクリーニングすることによって標的抗原に結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離することにより、同定し、単離してもよい。ファージディスプレイライブラリの生成およびスクリーニングのためのキットは市販されている(例えば、ファルマシア(Pharmacia)製Recombinant Phage Antibody System、カタログ番号27−9400−01;およびストラタジーン(Stratagene)製SurfZAP(商標)Phage Display Kit、カタログ番号240612)。さらに、特に抗体ディスプレイライブラリーの生成およびスクリーニングでの使用に準じた方法および試薬の例が、例えば、ラドナー(Ladner)ら、米国特許第5,223,409号明細書;カン(Kang)ら、PCT国際公開第92/18619号パンフレット;ダウワー(Dower)ら、PCT国際公開第91/17271号パンフレット;ウインター(Winter)ら、PCT国際公開第92/20791号パンフレット;マークランド(Markland)ら、PCT国際公開第92/15679号パンフレット;ブレイトリング(Breitling)ら、PCT国際公開第93/01288号パンフレット;マッカファーティ(McCafferty)ら、PCT国際公開第92/01047号パンフレット;ガラード(Garrard)ら、PCT国際公開第92/09690号パンフレット;ラドナー(Ladner)ら、PCT国際公開第90/02809号パンフレット;フックス(Fuchs)ら(1991年) Bio/Technology 9:1370〜1372頁;ヘイ(Hay)ら(1992年) Hum.Antibod.Hybridomas 3:81〜85頁;フセ(Huse)ら(1989年) Science 246:1275〜1281頁;グリフィス(Griffiths)ら(1993年) EMBO J 12:725〜734頁;ホーキンス(Hawkins)ら(1992年) J.Mol.Biol.226:889〜896頁;クラークソン(Clarkson)ら(1991年) Nature 352:624〜628頁;グラム(Gram)ら(1992年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:3576〜3580頁;ガラッド(Garrad)ら(1991年) Bio/Technology 9:1373〜1377頁;フーゲンブーム(Hoogenboom)ら(1991年) Nuc.Acid Res.19:4133〜4137頁;バーバス(Barbas)ら(1991年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978〜7982頁;およびマッカファーティ(McCafferty)ら、Nature (1990年)348:552〜554頁にて見出されうる。
(キメラおよびヒト化抗体)
さらに、標準の組換えDNA技術を用いて作製可能な、ヒト部分と非ヒト部分の双方を含む、キメラおよびヒト化モノクローナル抗体などの組換え抗体は、本発明の範囲内にある。
「ヒト化免疫グロブリン」または「ヒト化抗体」という用語は、少なくとも1種のヒト化免疫グロブリンまたは抗体鎖(すなわち、少なくとも1種のヒト化軽鎖または重鎖)を含む免疫グロブリンまたは抗体を示す。「ヒト化免疫グロブリン鎖」または「ヒト化抗体鎖」(すなわち「ヒト化免疫グロブリン軽鎖」または「ヒト化免疫グロブリン重鎖」)という用語は、実質的にヒト免疫グロブリンまたは抗体に由来する可変フレームワーク領域と実質的に非ヒト免疫グロブリンまたは抗体に由来する相補性決定領域(CDR)(例えば、少なくとも1つのCDR、好ましくは2つのCDR、より好ましくは3つのCDR)とを含む可変領域を有する免疫グロブリンまたは抗体鎖(すなわち各々、軽鎖または重鎖)を示し、さらに定常領域(例えば、軽鎖の場合に少なくとも1つの定常領域またはその一部、および重鎖の場合に3つの定常領域)を含む。「ヒト化可変領域」(例えば「ヒト化軽鎖可変領域」または「ヒト化重鎖可変領域」)という用語は、実質的にヒト免疫グロブリンまたは抗体に由来する可変フレームワーク領域と実質的に非ヒト免疫グロブリンまたは抗体に由来する相補性決定領域(CDR)とを含む可変領域を示す。
「実質的にヒト免疫グロブリンまたは抗体に由来する」または「実質的にヒト」という表現は、同領域が、比較目的でヒト免疫グロブリンまたは抗体のアミノ配列に整列される場合、ヒトフレームワークまたは定常領域配列と少なくとも80〜90%、90〜95%、または95〜99%の同一性(すなわち局所的配列の同一性)を共有することから、例えば保存的置換、コンセンサス配列置換、生殖系列置換、逆突然変異などが可能になることを意味する。保存的置換、コンセンサス配列置換、生殖系列置換、逆突然変異などの導入は、ヒト化抗体または鎖の「最適化」と称される場合が多い。「実質的に非ヒト免疫グロブリンまたは抗体に由来する」または「実質的に非ヒト」という表現は、非ヒト生物、例えば非ヒト哺乳動物の免疫グロブリンまたは抗体の配列に対して少なくとも80〜95%、好ましくは少なくとも90〜95%、より好ましくは96%、97%、98%、または99%同一である同配列を有することを意味する。
したがって、ヒト化免疫グロブリンまたは抗体、あるいはヒト化免疫グロブリンまたは抗体鎖のすべての領域または残基が、CDRを除き、1つもしくは複数の天然ヒト免疫グロブリン配列の対応する領域または残基に実質的に同一である。「対応する領域」または「対応する残基」という用語は、第1のアミノ酸またはヌクレオチド配列上の領域または残基と同じ(すなわち等価な)位置を占める第2のアミノ酸またはヌクレオチド配列上の領域または残基を示し、これは第1および第2の配列が比較目的で最適に整列される場合である。
「有意な同一性」という用語は、2つのポリペプチド配列が、例えばデフォルトギャップ重み(default gap weights)を用いてプログラムのGAPまたはBESTFITにより最適に整列される場合、少なくとも50〜60%の配列同一性、好ましくは少なくとも60〜70%の配列同一性、より好ましくは少なくとも70〜80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも80〜90%の配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも90〜95%の配列同一性、およびさらにより好ましくは少なくとも95%の配列同一性またはそれを超える配列同一性(例えば、99%もしくはそれを超える配列同一性)を共有することを意味する。「実質的な同一性」という用語は、2つのポリペプチド配列が、例えばデフォルトギャップ重みを用いてプログラムのGAPまたはBESTFITにより最適に整列される場合、少なくとも80〜90%の配列同一性、好ましくは少なくとも90〜95%の配列同一性、およびより好ましくは少なくとも95%の配列同一性またはそれを超える配列同一性(例えば、99%もしくはそれを超える配列同一性)を共有することを意味する。配列比較において、典型的には1つの配列が参照配列としての機能を果たし、それに対して試験配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験および参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じてサブ配列コーディネート(subsequence coordinates)が指定され、かつ配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定のプログラムパラメータに基づいて試験配列における参照配列に対する配列同一性の百分率を計算する。
比較目的の配列の最適なアラインメントを、例えば、スミス(Smith)およびウォーターマン(Waterman)、Adv.Appl.Math.2:482頁(1981年)の局所ホモロジーアルゴリズム、ニードルマン(Needleman)およびヴンシュ(Wunsch)、J.Mol.Biol.48:443頁(1970年)のホモロジーアラインメントアルゴリズム、パールソン(Pearson)およびリップマン(Lipman)、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 85:2444頁(1988年)の類似性に対する検索の方法、これらのアルゴリズムのコンピュータでの実行(ウィスコンシン・ジェネティクス・ソフトウェア・パッケージ(Wisconsin Genetics Software Package)、ジェネティクス・コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)、575 Science Dr.、マディソン(Madison)、ワイオミング州におけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または目視検査(一般にオースベル(Ausubel)ら、Current Protocols in Molecular Biologyを参照)により行ってもよい。配列同一性および配列類似性の百分率における判定に適するアルゴリズムの一例としてBLASTアルゴリズムが挙げられ、これはアルツシュール(Altschul)ら、J.Mol.Biol.215:403頁(1990年)に記載されている。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、ナショナル・センター・フォア・バイオテクノロジー・インフォメーション(National Center for Biotechnology Information)を通して公的に入手可能(ナショナル・インスティチュート・オブ・ヘルス(National Institutes of Health)のNCBIインターネットサーバーを通して公的に入手可能)である。典型的には、デフォルトプログラムパラメータを用いて配列比較を実行可能であるが、カスタマイズされたパラメータを用いてもよい。BLASTPプログラムでは、アミノ酸配列において、デフォルトとして3のワード長(W)、10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスが用いられる(ヘニコッフ(Henikoff)およびヘニコッフ(Henikoff)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915頁(1989年)を参照)。
好ましくは、同一でない残基位置は保存的アミノ酸置換の分だけ異なる。アミノ酸置換を保存的または非保存的として分類する目的で、以下のようにグループ分けした:アミノ酸をグループI(疎水性側鎖):leu、met、ala、val、leu、ile;グループII(中性の親水性側鎖):cys、ser、thr;グループIII(酸性側鎖):asp、glu;グループIV(塩基性側鎖):asn、gln、his、lys、arg;グループV(鎖方向に作用する残基):gly、pro;およびグループVI(芳香族性側鎖):trp、tyr、phe。保存的置換は、同じクラス内のアミノ酸間の置換を含む。非保存的置換は、これらのクラスのある1つのメンバーと別のメンバーとの交換となる。
好ましくは、ヒト化免疫グロブリンまたは抗体は、対応する非ヒト化抗体の親和性の3倍、4倍または5倍以内の親和性で抗原に結合する。例えば、もし非ヒト化抗体が10-9Mの結合親和性を有する場合、ヒト化抗体は少なくとも3×10-8M、4×10-8M、5×10-8M、または10-9Mの結合親和性を有することになる。免疫グロブリン鎖は、無傷免疫グロブリンまたは抗体(またはその抗原結合断片)に対して特異的な結合特性または結合親和性を与える場合、「抗原結合を指示する」と言われる。突然変異(例えば逆突然変異)は、もしそれが重鎖または軽鎖を含む無傷免疫グロブリンまたは抗体(またはその抗原結合断片)の結合親和性に、前記変異のないものに相当する鎖を含む抗体(またはその抗原結合断片)の結合親和性と比べて少なくとも一桁分だけ作用する(例えばそれを低下させる)場合、前記鎖が抗原結合を指示する能力に実質的に作用するといわれる。突然変異は、もし突然変異による鎖を含む無傷免疫グロブリンまたは抗体(またはその抗原結合断片)の結合親和性に対して、前記変異のないものに相当する鎖を含む抗体(またはその抗原結合断片)の結合親和性の2倍、3倍または4倍だけ影響する(例えば低下させる)にすぎない場合、「前記鎖における抗原結合を指示する能力に実質的に影響する(例えば低下させる)ことはない」といわれる。
「キメラ免疫グロブリン」またはキメラ抗体という用語は、可変領域が第1の種に由来しかつ定常領域が第2の種に由来する免疫グロブリンまたは抗体を示す。キメラ免疫グロブリンまたは抗体を、例えば遺伝子工学により、異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントから構成してもよい。「ヒト化免疫グロブリン」または「ヒト化抗体」という用語は、以下に定義されるように、キメラ免疫グロブリンまたは抗体を包含するように意図されていない。ヒト化免疫グロブリンまたは抗体は、それらの構成においてキメラ的である(すなわち2種以上のタンパク質の種に由来する領域を含む)が、本明細書で定義されるようにキメラ免疫グロブリンまたは抗体において見出されていない追加的な特徴(すなわち、ドナーCDR残基およびアクセプターフレームワーク残基を含む可変領域)を含む。
かかるキメラモノクローナル抗体およびヒト化モノクローナル抗体を、当該技術分野で既知の組換えDNA技術により、例えば、ロビンソン(Robinson)ら、国際出願PCT/US86/02269号明細書;アキラ(Akira)ら、欧州特許出願第184,187号明細書;タニグチ M.(Taniguchi M.)、欧州特許出願第171,496号明細書;モリソン(Morrison)ら、欧州特許出願第173,494号明細書;ノイバーガー(Neuberger)ら、PCT国際公報、国際公開第86/01533号パンフレット;キャビリー(Cabilly)ら、米国特許第4,816,567号明細書;キャビリー(Cabilly)ら、欧州特許出願第125,023号明細書;ベッター(Better)ら(1988年) Science 240:1041〜1043頁;リウ(Liu)ら(1987年) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439〜3443頁;リウ(Liu)ら(1987年) J.Immunol.139:3521〜3526頁;サン(Sun)ら(1987年) Proc.Natl.Acad.Sci USA 84:214〜218頁;ニシムラ(Nishimura)ら(1987年) Canc.Res.47:999〜1005頁;ウッド(Wood)ら(1985年) Nature 314:446〜449頁;およびショー(Shaw)ら(1988年) J.Natl.Cancer Inst.80:1553〜1559頁);モリソン S.L.(Morrison S.L.)(1985年) Science 229:1202〜1207頁;オイ(Oi)ら(1986年) BioTechniques 4:214頁;ウインター(Winter)、米国特許第5,225,539号明細書;ジョーンズ(Jones)ら(1986年) Nature 321:552〜525頁;フェアホーヤン(Verhoeyan)ら(1988年) Science 239:1534頁;およびバイドラー(Beidler)ら(1988年) J.Immunol.141:4053〜4060頁にて記載の方法を用いて産生してもよい。
(トランスジェニック動物およびファージディスプレイに由来するヒト抗体)
あるいは、今では免疫時、内因性免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体の完全レパートリーを産生可能なトランスジェニック動物(例えばマウス)を作製することは可能である。例えば、キメラおよび生殖系列変異マウスにおける抗体の重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合性欠失が内因性抗体産生の完全な阻害を招くことが記載されている。かかる生殖系列変異マウスにおけるヒト生殖系列の免疫グロブリン遺伝子アレイの移入が、抗原チャレンジの際にヒト抗体の産生をもたらす。例えば、米国特許第6,150,584号明細書;米国特許第6,114,598号明細書;および米国特許第5,770,429号明細書を参照のこと。
完全ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリから誘導可能である(フーゲンブーム(Hoogenboom)ら、J.Mol.Biol.、227:381頁(1991年);マークス(Marks)ら、J.Mol.Biol、222:581〜597頁(1991年))。キメラポリクローナル抗体もまた、ファージディスプレイライブラリから取得してもよい(ビュークラー(Buechler)ら、米国特許第6,420,113号明細書)。
(二重特異性抗体および抗体結合体)
二重特異性抗体(BsAb)は、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有する抗体である。かかる抗体は、完全長の抗体または抗体断片(例えばF(ab)’2二重特異性抗体)から誘導可能である。二重特異性抗体を作製するための方法は、当該技術分野で既知である。従来からの完全長二重特異性抗体の産生は2つの免疫グロブリンの重鎖−軽鎖ペアの共発現に基づくものであり、この場合、2つの鎖は異なる特異性を有する(ミルスタイン(Millstein)ら、Nature、305:537〜539頁(1983年))。免疫グロブリンの重鎖および軽鎖がランダムに分かれることから、これらのハイブリドーマ(クアドローマ(quadromas))は異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生する(国際公開第93/08829号パンフレットおよびトラウネッカー(Traunecker)ら、EMBO J.、10:3655〜3659頁(1991年)を参照)。
二重特異性抗体は、架橋または「ヘテロ結合体」抗体も含む。例えば、ヘテロ結合体内の抗体の一方はアビジンに結合体化され、他方はビオチンまたは他のペイロード(payload)に結合体化されうる。ヘテロ結合体抗体は、任意の便利な架橋方法を用いて作製可能である。適切な架橋剤は当該技術分野で周知であり、多数の架橋技術とともに米国特許第4,676,980号明細書中に開示されている。
さらに別の実施形態では、抗体を化学的または遺伝的に反応部分、検出可能部分、または機能部分などのペイロード、例えば免疫毒素に結合体化することで、抗体結合体の生成が可能である。かかるペイロードとしては、例えば免疫毒素、化学療法剤、および放射性同位体が挙げられ、それらのすべては当該技術分野で周知である。
(抗体融合タンパク質)
本発明で用いられるFc領域を有するタンパク質は、非抗体タンパク質またはポリペプチドに融合される抗体の少なくともFc部分を有する融合タンパク質でありうる。例えば、Fc領域を、受容体に結合可能でありかつFcに関連した機能(血清安定性、Fc受容体結合など)を有する可溶性融合タンパク質が生成されるように、受容体に対するリガンドに融合してもよい。あるいは、Fc領域を、受容体に対するリガンドに結合(それにより天然受容体と競合)可能でありかつFcに関連した機能を有する可溶性融合タンパク質が生成されるように、受容体の細胞外ドメインに融合してもよい。かかるFc融合タンパク質の限定されない例としてエタネルセプト(Embrel(登録商標))が挙げられ、それはヒトIgG1のFc部分に融合されるヒトTNFα受容体の細胞外リガンド−結合ドメインを含む。抗体融合タンパク質(当該技術分野ではFc融合タンパク質またはIg融合タンパク質とも称される)は、標準の組換えDNA技術を用いて調製可能なものであり、当該技術分野で記載されており、例えば米国特許第5,116,964号明細書、米国特許第5,225,538号明細書、米国特許第5,336,603号明細書および米国特許第5,428,130号明細書(すべてカポン(Capon)らによる)を参照のこと。
(抗IL−13抗体)
好ましい実施形態では、本発明に従って精製されるべきFc領域を有するタンパク質は抗−IL−13抗体である。抗−IL−13抗体は、2004年6月9日出願の米国仮特許出願第60/578,473号明細書および2004年6月22日出願の米国仮特許出願第60/581,375号明細書(いずれの表題も「ヒトIL−13に対する抗体およびその使用(Antibodies against human IL−13 and uses thereof)」)に記載されている。これらの出願の内容は参照により援用される。好ましい抗−IL−13抗体は、本明細書で様々な場合に「IMA」と称されうる。
1つもしくは複数のIL−13に関連した活性、特にIL−13のシグナル伝達活性に結合し、中和しかつ/または阻害することが可能な抗体は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、および喘息関連疾患(例えば線維症、好酸球増多症および粘液産生など)などのIL−13介在性疾患の治療に有用である。
IL−13アンタゴニストであるIL−13結合物質として、高親和性および高特異性でIL−13、特にヒトIL−13に結合する抗体およびその抗原結合断片が挙げられる。本開示の抗体およびその抗原結合断片は、本明細書ではそれぞれ「抗−IL−13抗体」および「その断片」とも称される。一実施形態では、抗−IL−13抗体またはその断片は、少なくとも1つのIL−13に関連した活性を低下させ、中和し、かつ/またはそれに拮抗する。例えば、抗−IL−13抗体またはその断片は、IL−13、例えばIL−13のエピトープに結合し、IL−13とIL−13受容体複合体(「IL−13R」)、例えばIL−13受容体(「IL−13Rαl」)およびインターロイキン−4受容体α鎖(「IL−4Rα」)またはそれらのサブユニット(例えば、それぞれIL−13Rα1またはIL−4Rα)を含む複合体の間の相互作用(例えば結合)を妨げる。したがって、本明細書に記載の抗体およびその断片を用いることで、IL−13とIL−13受容体複合体またはそのサブユニットの間の相互作用(例えば結合)を妨げ(例えば、阻害するか、遮断するか、そうでなければ低下させる)、それにより機能シグナル伝達複合体の形成を妨げる。
(他の好ましいFc領域含有タンパク質)
別の好ましい実施形態では、本発明に従って精製されるべきFc領域を有するタンパク質は抗−Aβ抗体である。抗−Aβ抗体は、PCT国際公開第2002/46237号パンフレットおよび米国特許出願公開第2005/0118651号明細書(表題は双方とも「βアミロイドペプチドを認識するヒト化抗体(Humanized antibodies that recognize beta amyloid peptide)」)に記載されている。これらの出願の内容は参照により援用される。好ましい抗−Aβ抗体は、本明細書で様々な場合に「AAB」および「12A11」と称されうる。
他の好ましいFc領域含有タンパク質としては、ヒトにおける治療用途として認められている抗体が挙げられる。かかる抗体としては、腫瘍細胞抗原に結合する抗体、サイトカインに結合する抗体、サイトカイン受容体に結合する抗体および接着タンパク質に結合する抗体が挙げられる。したがって、様々な実施形態では、Fc領域含有タンパク質は、以下からなる群から選択される抗原に結合する抗体またはFc融合タンパク質であってもよい:CD3(例えばOKT3)、CD52(例えば、アレムツズマブ;Campath(登録商標))、VEGF(例えば、ベバシズマブ;Avastin(登録商標))、EGFR(例えば、セツキシマブ;Erbitux(登録商標))、CD33(例えば、ゲムツズマブ;Mylotarg(登録商標))、CD20(例えば、リツキシマブ;Rituxan(登録商標);トシツモマブ;Bexxar(登録商標);イブリツモマブ;Zevalin(登録商標))、HER−2(例えば、トラツズマブ;Herceptin(登録商標))、TNFα(例えば、アダリムマブ;Humira(登録商標)、インフリキシマブ;Remicade(登録商標);エタネルセプト;Embrel(登録商標))、CD25(例えば、ダクリズマブ;Zenapax(登録商標);バシリキシマブ;Simulect(登録商標))、RSV(例えば、パリビズマブ;Synagis(登録商標))、IgE(例えば、オマリズマブ;Xolair(登録商標))、gp Ilb/IIIa(例えば、アブシキシマブ;Reopro(登録商標))、CD11a(例えば、エファリズマブ;Raptiva(登録商標))およびα4インテグリン(例えば、ナタリズマブ;Tysabri(登録商標))。
先のポリペプチド分子のいずれかの単独使用または併用が、本発明に従うFc領域を有するタンパク質としての調製に適すると理解されている。
本発明の様々な態様および実施形態は、以下の実施例によりさらに説明される。実施例は、例示目的であって限定目的で提供されるものではない。
以下の実施例はあくまでも例示目的で提供される。実施例は3つの異なるモノクローナル抗体(AAB、12A11およびIMAと称される)を用いて提供する。8つの別々の実験について記載し、各々は抗体および不純物の除去の組み合わせを示している。
(材料および方法)
一般に、本発明の実行には、他に指示がない限り、化学、分子生物学、組換えDNA技術、免疫学(特に、例えば免疫グロブリン技術)、および電気泳動における標準技術に関する従来技術が用いられる。例えば、サムブルック(Sambrook)、フリッツ(Fritsch)およびマニアティス(Maniatis)、Molecular Cloning:コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)(1989年);Antibody Engineering Protocols(Methods in Molecular Biology)、510、ポール S.(Paul S.)、ヒュマーナ・プレス(Humana Pr)(1996年);Antibody Engineering:A Practical Approach(Practical Approach Series、169)、マッカファーティ(McCafferty)編、アイアールエル・プレス(Irl Pr)(1996年);Antibodies:A Laboratory Manual、ハーロウ(Harlow)ら、シーエスエイチエル・プレス(C.S.H.L.Press)発行(1999年);Current Protocols in Molecular Biology、アウスベル(Ausubel)ら編、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)(1992年);ブセ(Bousse)ら、Protein Sizing on a Microchip、Anal.Chem.73、1207〜1212頁(2001年);ナップ(Knapp)ら、Commercialized and Emerging Lab−on−a−Chip Applications;Proceedings of the μTAS 2001 Symposium、ラムゼイ J.M.(Ramsey J.M.)およびファンデンベルグ A.(van den Berg A.)、7〜10頁(2001年);およびムハトル(Mhatre)ら、Strategies for locating disulfide bonds in a monoclonal antibody via mass spectrometry、Rapid Commun.Mass Spectrom、13(24)2503〜2510頁(1999年)を参照のこと。
(標的タンパク質の生成)
標的のFc含有タンパク質を、標準の発現方法により、例えば懸濁培養物中で増殖された組換え哺乳類細胞株を用いて生成してもよい。目的のFc含有タンパク質を含有する馴化培地が生成バイオリアクター内で生成される。得られた生成物を、回収し、例えば精密濾過および0.22μmの濾過、または遠心分離、パッド濾過および0.22μmの濾過などの任意の適切な清澄化ステップを用いて清澄化することが可能である。
(標的タンパク質の精製)
本明細書で例示される標的モノクローナル抗体(AAB、12A11およびIMA)の精製は、プロテインAの親和性クロマトグラフィー上での標的分子の捕捉からなる。これを、rmpプロテインA Sepharose(商標)Fast Flow、プロテインA Sepharose(商標)Fast Flow、またはMabSelectプロテインAから構成してもよい。次いで各実験に記載のように樹脂を洗浄し、生成物を溶出させ、かつ不純物レベルについて試験する。
(標的タンパク質の分析)
逆相HPLC(RP−HPLC)を用いてAABモノクローナル抗体試料中に存在するIRTの量を定量する一方、Pro AのHPLC方法を用いてIMAモノクローナル抗体に対するIRTレベルを測定した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC−HPLC)を用い、単量体タンパク質(単量体IgG)種、高分子量(HMW)種、および低分子量(LMW)種の百分率を測定した。変性SEC−HPLC分析を行い、試料中のアンダージスルフィド結合(UDB)種の相対量を測定した。試験試料中のHCPのレベルを酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて測定した。
(分析アッセイ:IRTおよびUDB)
(逆相HPLC(AAB IRT分析))
RP−HPLCを以下のように行った。各試料のジスルフィド還元を、2.5mM DTTの存在下、40℃で60分間のインキュベーションにより行った。アルキル化を5.5mMヨード酢酸の存在下、室温でのインキュベーションにより行った。還元およびアルキル化を行ってから、全試料を1M DTT5μlでクエンチした。このアッセイでの定量限界は0.5%である。還元しアルキル化した試料各々約40μgをPOROS R1/H RP−HPLCカラムに注入し、以下の条件下で70分間実験した。
カラム:Poros R1/H RP−HPLC
カラム温度:50℃;
移動相A:水中、0.1%TFA(w/v);
移動相B:95%アセトニトリル中、0.1%TFA(w/v);
流速:1.0mL/分
検出:217nm
運転時間:70分
注入:各々、約40μgで3連
勾配時間を表1に列挙する。
(プロテインA HPLC(IMA IRT分析))
タンパク質A−HPLCを以下のように実施した。POROS Pro Aカラム上で1注入当たり全体100μgを以下の条件下で室温で35分間実施した。
カラム:Poros Pro A 4.6×50mm
カラム温度:周囲温度
移動相A:50mMギ酸アンモニウム、pH6.0
移動相B:10mMギ酸アンモニウム、0.8%ギ酸
流速:2.0ml/分
検出:280nm
運転時間:35分
注入:各々、100μgで3連勾配時間を表2に列挙する。
(dSEC−HPLC(AAB UDB分析))
変性SEC−HPLCを以下のように行った。変性SECアッセイ用の試料の前処理として、200μg/mLのタンパク質、3MグアニジンHCl、および100mMトリス(pH7.4)の最終濃度での試薬/試料混合物が含まれる。試料を反転により混合しながら80℃で20分間加熱した。このアッセイにおいては、2種の対照を用いてUDBレベルの限度設定(bracketing)を可能にした。低レベルのUDBおよび高レベルのUDBを伴う内部参照を対照として用いた。
クロマトグラフィー/アッセイ条件は以下の通りであった。
カラム:Tosoh BioSep G3000 SWxl
カラム温度:周囲温度
移動相:3MグアニジンHCl、25mM NaPO4、pH6.8
勾配:アイソクラティック
流速:0.5mL/分
検出:280nm
運転時間:50分
注入:50μL(10μg)で3連
(実施例1:IRT除去(AAB)における洗浄緩衝液の比較)
この実施例では、モノクローナル抗体AABを含有する不純溶液をプロテインAカラム上への吸着により精製した後、CaCl2、MgCl2、NaClまたはプロピレングリコールのいずれかを含有する洗浄緩衝液を用いて1回目の洗浄を行った。
モノクローナル抗体を含有する培養物を、GEヘルスケア(GE Healthcare)製AEKTA FPLCクロマトグラフィーシステムに接続されたrmpプロテインA Sepharose(商標)FFカラム(8.9mL)を用いて小規模精製した。実験1に記載のすべてのrmpプロテインA Sepharose(商標)FFクロマトグラフィーステップにおいては、以下の条件を用いた(個々の実験仕様において例外が認められる)。
カラム寸法−1.0cm×11.4cm
運転流速−150cm/時
平衡化1−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
フラッシュ−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(1カラム容量)
洗浄1−洗浄1を含まない実験#1を除き一定でない(表3参照)
洗浄2−20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5(5カラム容量)
洗浄3−10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5(7カラム容量)
溶出−50mMグリシン、75mM NaCl、pH3.1(6カラム容量)
剥離1−20mMクエン酸ナトリウム、pH2.7(5カラム容量)
剥離2−6MグアニジンHCl(2カラム容量)
剥離洗浄−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
保存−16%エタノール(5カラム容量)
運転温度:2〜8℃
rmpプロテインA Sepharose(商標)FFカラム実験を5カラム容量の20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5で平衡化した。約10mg生成物/mL樹脂でカラムにロードした。ロードに続き、1カラム容量を平衡化緩衝液および5カラム容量の洗浄1溶液でフラッシュした。試験したすべての洗浄1溶液の概略を表3に示す。実験#1を除くすべての実験で洗浄1を含めた。洗浄1の後、5カラム容量の20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5および7カラム容量の10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5を続けた。モノクローナル抗体を50mMグリシン、75mM NaCl、pH3.1を用いてカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH8.5を用いて7.9〜8.1に中和した。次いで、カラムから剥離し、洗浄し、保存した。表3は、様々な実験から得た生成物プール中に存在するIRT種およびLMWのレベルを列挙する。
これらの結果は、塩化マグネシウム洗浄および塩化カルシウム洗浄によりIRTおよびLMW種のレベルが低下する一方、塩化ナトリウム洗浄およびプロピレングリコール洗浄によりIRTまたはLMW種が低下しないことを示した。
(実施例2:IRTを除去するためのCaCl2洗浄を伴うプロテインAのクロマトグラフィー)
この実施例では、大規模な抗体精製を、IRT種を除去するためのCaCl2洗浄を伴うプロテインAのクロマトグラフィーを用いて行った。
モノクローナル抗体を含有する培養物を、ミリポア(Millipore)製K−Prime400クロマトグラフィーシステムに接続されたMabSelectプロテインAカラム(2.4L)を用いてパイロット規模で精製した。2つのMabSelect実験を下記のように行った。
カラム寸法−13cm×18cm
運転流速−150cm/時、300cm/時
平衡化1−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
フラッシュ−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(2カラム容量)
洗浄1−実験#1では50mMトリス、2M CaCl2、pH7.5、実験#2では洗浄1を行わない
洗浄2−20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5(5カラム容量)
洗浄3−10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
溶出−50mMグリシン、25mM NaCl、pH3.1(6カラム容量)
剥離1−50mMグリシン、0.5M NaCl、pH2.7(5カラム容量)
剥離2−6MグアニジンHCl(2カラム容量)
剥離洗浄−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
保存−16%エタノール(5カラム容量)
運転温度:2〜8℃
MabSelectプロテインAカラムを5カラム容量の20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5で平衡化した。次いで、約10mgの生成物/mL樹脂でカラムにロードした。この次に2カラム容量の平衡化緩衝液でフラッシュし、5カラム容量の洗浄1溶液を続けた。実験1ではこの洗浄1溶液が50mMトリス、2.0M CaCl2、pH7.5からなる一方、実験2ではそれをそのまま放置した。次いで、洗浄1は5カラム容量の50mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5および5カラム容量の10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5を続けた。モノクローナル抗体を、50mMグリシン、25mM NaCl、pH3.1を用いてMabSelectプロテインAカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH8.5を用いて7.8〜8.2に中和した。次いで、カラムを剥離し、洗浄し、保存した。結果を表4に示す。
これらの結果は、パイロット規模での塩化カルシウム洗浄によりIRTが生成物プールから除去されることを示した。
(実施例3:IRTの除去(IMA))
この実施例では、CaCl2洗浄を用いた小規模精製にて、実施例1で用いたモノクローナル抗体(IMA)とは異なるものを用いた。
異なるモノクローナル抗体(IMA)を含有する培養物を、GEヘルスケア(GE Healthcare)製AEKTA Explorerクロマトグラフィーシステムに接続されたMabSelectプロテインAカラム(17.3ml)を用いて小規模精製した。以下のように実験を行った。
カラム寸法−1.1cm×18.2cm(17.3ml)
運転流速−300cm/時
平衡化1−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5.1カラム容量)
洗浄1−20mMトリス、1M NaCl、pH7.5(5カラム容量)
洗浄2−50mM酢酸ナトリウム、0.6M CaCl2、pH5.0(5カラム容量)
洗浄3−50mMトリス、5mM NaCl、pH7.5(3カラム容量)
洗浄4−10mMトリス、5mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
溶出−50mMグリシン、5mM NaCl、pH3.0(5カラム容量)
剥離−6MグアニジンHCl(5カラム容量)
剥離洗浄−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(6カラム容量)
保存−16%エタノール(5カラム容量)
運転温度:18〜24℃
MabSelectプロテインAカラムを5カラム容量の20mMトリス、1M NaCl、pH7.5で平衡化した。約45mgの生成物/ml樹脂でカラムにロードした。次いでカラムを以下のとおりに洗浄した:5カラム容量の20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5、5カラム容量の50mM酢酸ナトリウム、0.6M CaCl2、pH5.0、3カラム容量の50mMトリス、5mM NaCl、pH7.5、および5カラム容量の10mMトリス、5mM NaCl、pH7.5。生成物を50mMグリシン、5mM NaCl、pH3.0を用いてMabSelectプロテインAカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH8.0を用いて7.7に中和した。次いで、カラムを剥離し、洗浄し、保存した。結果を表5に示す。この表はロードおよびピークにおけるIRT種のレベルを提供する。
これらの結果は、0.6M CaCl2洗浄によりIRTについて1/5への減少がもたらされることを示した。
(実施例4:宿主細胞タンパク質の除去(IMA))
この実施例では、CaCl2洗浄がIMAモノクローナル抗体を含有する調製物に由来する宿主細胞タンパク質(HCP)を除去する能力について試験した。
モノクローナル抗体を含有する培養物を、GEヘルスケア(GE Healthcare)製AEKTA FPLCクロマトグラフィーシステムに接続されたMabSelectプロテインAカラム(19ml)を用いて小規模精製した。以下のように2つのMabSelect実験を行った。
カラム寸法−1.1cm×20.0cm(19ml)
運転流速−300cm/時
平衡化1−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5.0カラム容量)
洗浄1−20mMトリス、1M NaCl、pH7.5(5カラム容量)
洗浄2−50mM酢酸ナトリウム、0.6M CaCl2、pH5.0(実験2においてのみ5カラム容量)
洗浄3−50mMトリス、5mM NaCl、pH7.5(2カラム容量)
洗浄4−10mMトリス、5mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
溶出−50mMグリシン、5mM NaCl、pH3.0(5カラム容量)
剥離−6MグアニジンHCl(5カラム容量)
剥離洗浄−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(6カラム容量)
保存−16%エタノール(5カラム容量)
運転温度:18〜24℃
MabSelectプロテインAカラムを5カラム容量の20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5で平衡化した。約45mgの生成物/ml樹脂でカラムにロードした。次いで、カラムを5カラム容量の20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5で洗浄し、実験2では5カラム容量の50mM酢酸ナトリウム、0.6M CaCl2、pH5.0で追加洗浄を用いた。次いでカラムを、溶出に先立ち、5カラム容量の50mMトリス、5mM NaCl、pH7.5および5カラム容量の10mMトリス、5mM NaCl、pH7.5で洗浄した。生成物を50mMグリシン、5mM NaCl、pH3.0を用いてMabSelectプロテインAカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH8.0を用いて7.7に中和した。次いで、カラムを剥離し、洗浄し、保存した。結果を表6に示す。この表は対照実験およびCaCl2で洗浄を行った実験において存在するHCP種のレベルを提供する。
これらの結果は、CaCl2洗浄により対照実験と比較して、HCP除去において3倍の増大をもたらすことを示した。
(実施例5:DNA除去(AAB))
この実施例では、CaCl2洗浄がAABモノクローナル抗体を含有する調製物から宿主細胞DNAを除去する能力について試験した。
モノクローナル抗体を含有する培養物をGEヘルスケア(GE Healthcare)製AEKTA FPLCクロマトグラフィーシステムに接続されたMabSelectプロテインAカラム(19mL)を用いて小規模精製した。3つのMabSelect実験を下記のように行った。
カラム寸法−1.1cm×20cm
運転流速−300cm/時
平衡化1−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
フラッシュ−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(2カラム容量)
洗浄1−50mMトリス、2.0M CaCl2、pH7.5(5カラム容量)(実験2および3のみ)
洗浄2−20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5(5カラム容量)(実験1および3のみ)
洗浄3−10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5(7カラム容量)
溶出−50mMグリシン、75mM NaCl、pH3.0(6カラム容量)
剥離−50mMグリシン、0.5M NaCl、pH2.7(5カラム容量)
剥離洗浄−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
保存−16%エタノール(5カラム容量)
運転温度:18〜24℃
MabSelectプロテインAカラム実験を5カラム容量の20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5で平衡化した。次いで、約40mgの生成物/mL樹脂のロード量でカラムにロードした。この次に2カラム容量の平衡化緩衝液でフラッシュした。実験2および3においては、このステップに5カラム容量の洗浄1溶液を続けた。実験1および3においては、5カラム容量の洗浄2溶液を用いた。すべての3つの実験においては、7カラム容量の洗浄3溶液を用いた。モノクローナル抗体を、50mMグリシン、75mM NaCl、pH3.0を用いてMabSelectプロテインAカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH8.5を用いて7.5〜8.0に中和した。次いで、カラムを剥離し、洗浄し、保存した。結果を表7に示す。
これらの結果は、50mMトリス、2.0M塩化カルシウム、pH7.5の添加により、洗浄溶液中のNaClを用いる場合よりもDNAの10倍大きい低下がもたらされることを示した。
(実施例6:宿主細胞タンパク質(HCP)の除去(12A11))
この実施例では、HCPの除去能について様々な洗浄条件を試験した精製実験において第3のモノクローナル抗体12Al1を用いた。
96ウェルフィルタープレート形式でハイスループットスクリーニング(HTS)を行い、MabSelectステップにおけるHCPなどの不純物の除去にとって最良の洗浄条件を同定した。このスクリーニングで洗浄用賦形剤、賦形剤濃度、およびpHを変化させることで、HCPなどのプロセスに関連する不純物に対するそれらの作用を測定した。
MabSelect樹脂を5mMトリス、10mM NaCl、pH7.3を用いて平衡化し、それにカラム内の生成物をロードした。次いで、樹脂を取り出し、混合し、50μLの樹脂を96ウェルフィルタープレートの各ウェルに分配した。各ウェル内の樹脂を5mMトリス、10mM NaCl、pH7.3の溶液中で平衡化し、次いで3段階で、様々な賦形剤の洗浄溶液の各々(各々300μLの洗浄緩衝液)で洗浄した。賦形剤の洗浄を行った後、5mMトリス、10mM NaCl、pH7.3の緩衝液で第2の洗浄を、4段階、各300μLで行った。次いで、生成物を樹脂から3段階、各300μLで溶出させた。溶出段階1および2を組み合わせ、HCPレベルについて試験した。
樹脂容量−50μL
洗浄用賦形剤−塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム
賦形剤濃度−100、250、500、1000、1500、および2000mM
賦形剤pH−6.0および7.5
溶出緩衝液−25mMヘペス、10mM NaCl、pH3.0、25mMヘペス、100mM NaCl、pH3.0、50mMグリシン、10mM NaCl、pH3.0、50mMグリシン、100mM NaCl、pH3.0および100mMアルギニン、10mM NaCl、pH3.0、100mMアルギニン、100mM NaCl、pH3.0
運転温度:18〜24℃
結果を表8および表9に示す。
これらの結果は、塩化カルシウムと塩化マグネシウムの双方により全て添加濃度でpH6.0(表8)およびpH7.5(表9)において、塩化ナトリウムと比べてMabSelectのピークのプール中でのHCPのレベルが低下することを示した。
(実施例7:アンダージスルフィド結合種(UDB)の除去)
この実施例では、CaCl2洗浄におけるアンダージスルフィド結合種(UDB)を除去する能力について試験した。
実施例1に本質的に記載のように、2つのrmpプロテインA Sepharose(商標)FF実験を行った。
カラム寸法−1.0cm×11.4cm
運転流速−150cm/時
平衡化1−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
フラッシュ−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(1カラム容量)
洗浄1−実験1では50mM酢酸塩、2.0M CaCl2、pH5.0、実験2ではなし
洗浄2−20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5(5カラム容量)
洗浄3−10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5(7カラム容量)
溶出−50mMグリシン、75mM NaCl、pH3.1(6カラム容量)
剥離1−20mMクエン酸ナトリウム、pH2.7(5カラム容量)
剥離2−6MグアニジンHCl(2カラム容量)
剥離洗浄−20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
保存−16%エタノール(5カラム容量)
運転温度:2〜8℃
rmpプロテインA Sepharose FFカラムを5カラム容量の20mMトリス、150mM NaCl、pH7.5で平衡化した。次いで、約10mgの生成物/mL樹脂のロード量でカラムにロードした。この次に1カラム容量の平衡化緩衝液でフラッシュし、次いで5カラム容量の洗浄1溶液を用いた。実験1ではこの洗浄1溶液が50mM酢酸塩、2.0M CaCl2、pH5.0からなる一方、実験2ではそれをそのまま放置した。次いで、洗浄1は5カラム容量の20mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5および7カラム容量の10mMトリス、75mM NaCl、pH7.5を続けた。モノクローナル抗体を、50mMグリシン、75mM NaCl、pH3.1を用いてrmpプロテインA Sepharose(商標)FFカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH8.5を用いて7.8〜8.2に中和した。次いで、カラムを剥離し、洗浄し、保存した。結果を表10に示す。
50mM酢酸塩、2.0M CaCl2、pH5.0での追加洗浄を含む実験において、UDBレベルの1/2への低下が観察された。
(実施例8:他の二価カチオン塩で洗浄される場合のHCPおよびIRTの除去(AAB))
この実施例では、MnCl2またはNiCl2のいずれかを含有する洗浄が、AABモノクローナル抗体を含有する調製物から不純物を除去する能力について試験した。
2つの実験を行い、MnCl2およびNiCl2などの他の二価カチオン塩を含有する洗浄剤の効果を評価した。2つの対照実験も行った。ここで一方では50mMトリス、1.0M NaCl、pH7.5の洗浄を用い(想定されたIRTまたはHCPの除去はなし)、もう一方では50mMトリス、2.0M CaCl2、pH7.5の洗浄を用いた。
モノクローナル抗体を含有する培養物を、GEヘルスケア(GE Healthcare)製AEKTA FPLCクロマトグラフィーシステムに接続されたMabSelectプロテインAカラム(9mL)を用いて小規模精製した。MabSelect実験を下記のように行った。下記のように、すべての運転パラメータは4つの実験において同一であり、洗浄1は例外で変動させた(表11)。
カラム寸法−1.0cm×11.5cm(9mL)
運転流速−300cm/時(平衡化、洗浄2、溶出、再生、保存)
運転流速−230cm/時(ロード、フラッシュ、洗浄1)
平衡化1−50mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5.0カラム容量)
洗浄1−変動(組成については表11を参照)
洗浄2−50mMトリス、10mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
溶出−50mMグリシン、10mM NaCl、pH3.0(3カラム容量)
再生−50mM NaOH、0.5M Na2SO4(5カラム容量)
保存−16%エタノール、50mMトリス、150mM NaCl、pH7.5(5カラム容量)
運転温度:18〜24℃
MabSelectプロテインAカラムを5カラム容量の50mMトリス、150mM NaCl、pH7.5で平衡化した。約40mgの生成物/mL樹脂でカラムにロードした。残存するロードを5カラム容量の50mMトリス、150mM NaCl、pH7.5を用いてカラムからフラッシュした。次いで、カラムを表11に記載の溶液の1種で洗浄した。溶出に先立ち、カラムを5カラム容量の50mMトリス、10mM NaCl、pH7.5で洗浄した。生成物を、50mMグリシン、10mM NaCl、pH3.0を用いてMabSelectプロテインAカラムから溶出させた。次いで、生成物プールを2Mトリス、pH9.0を用いてpH8.0に中和した。カラムを5カラム容量の50mM NaOH、0.5M Na2SO4で剥離し、次いで5カラム容量の16%エタノール、50mMトリス、150mM NaCl、pH7.5を用いて保存した。結果を表11(HCP除去)および表12(IRT除去)に示す。
*MnCl2およびNiCl2の溶解度によりpH5.0を選択した。
*MnCl2およびNiCl2の溶解度によりpH5.0を選択した。
表11は、二価カチオンを含有する溶液で洗浄した実験において存在するHCPのレベルが対照(1.0M NaCl洗浄)よりも1.5〜3.5倍少ないことを示す。表12は、二価カチオン塩溶液を有する洗浄を含む実験が、1.0M NaClを含有する洗浄溶液を用いた実験と比べて3.5倍を超えるIRTの除去ももたらすことを示す。したがって、これらの結果は、CaCl2以外の他の二価カチオンを有する(例えば、MnCl2またはNiCl2を有する)塩洗浄が不純物の除去にも有効であることを示した。
(等価物)
当業者は、単なる通常の実験を用いて、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多数の等価物について理解するかまたは確認できるであろう。かかる等価物は、添付の特許請求の範囲にて包含されるように意図されている。

Claims (23)

  1. Fc領域を有する抗体を、前記抗体および1種もしくは複数種の不純物を含有するソース液体から精製するための方法であって、
    前記抗体を、プロテインAおよびプロテインGのうちの1種もしくは複数種を含有するFc結合剤に吸着させるステップと、
    前記Fc結合剤を0.5M〜3Mの濃度及び5〜6、6〜8又は8〜9のpHを有するCaCl2を含有する緩衝溶液で洗浄し、1種もしくは複数種の不純物を除去するステップであって、前記1種もしくは複数種の不純物がイントロンリードスルー変種(IRT)、アンダージスルフィド結合種(UDB)、低分子量種(LMW)、宿主細胞DNA及び宿主細胞タンパク質からなる群から選択されるステップと、
    前記抗体を2〜4のpHを有する溶出緩衝溶液中に溶出させることによって前記Fc結合剤から回収するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記1種もしくは複数種の不純物がIRTである請求項に記載の方法。
  3. 前記抗体が、抗体融合体、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  4. 前記抗体が抗−IL−13抗体である請求項1に記載の方法。
  5. 前記抗体がCD3、CD52、VEGF、EGFR、CD33、CD20、HER−2、TNFα、CD25、RSV、IgE、gp IIb/IIIa、CD11aおよびα4インテグリンからなる群から選択される抗原に結合する請求項1に記載の方法。
  6. 前記抗体が組換え生成される請求項1に記載の方法。
  7. 前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で組換え生成される請求項に記載の方法。
  8. 前記Fc結合剤がプロテインAを含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記Fc結合剤が固相上に固定化される請求項1に記載の方法。
  10. 前記固相がビーズ、ゲル、樹脂、および粒子のうちの1つもしくは複数を含有する請求項に記載の方法。
  11. 前記CaCl2を含有する前記緩衝溶液が7.3〜7.7の範囲内のpH値を有する請求項1に記載の方法。
  12. 前記緩衝溶液が少なくとも1.5M〜2Mの濃度のCaCl2を含有する請求項1に記載の方法。
  13. 前記緩衝溶液が2MのCaCl2を含有する請求項1に記載の方法。
  14. 前記抗体をFc結合剤に吸着させるステップと前記Fc結合剤を洗浄するステップとが2℃〜24℃の範囲内の温度で行われる請求項1に記載の方法。
  15. 前記1種もしくは複数種の不純物が宿主細胞タンパク質、宿主細胞DNAおよびこれらの混合物のうちの1種もしくは複数種を含む請求項1に記載の方法。
  16. 前記抗体を前記Fc結合剤から回収するステップが、2.5〜3.5の範囲内のpHを有する溶出緩衝液を用いて前記抗体を溶出させるステップを含む請求項1に記載の方法。
  17. 前記方法が、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、固定化金属親和性クロマトグラフィーおよび疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)からなる群から選択されるクロマトグラフィーステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  18. 前記方法が、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、透析、親和性クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈殿、エタノール沈殿、逆相HPLC(RP−HPLC)、およびクロマトフォーカシングからなる群から選択されるさらなる精製ステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
  19. 前記1種もしくは複数種の不純物が前記抗体の1種もしくは複数種のイントロンリードスルー変異体を含み、かつ回収された前記抗体を含有する溶出溶液のイントロンリードスルー変異体のレベルが前記ソース液体中のイントロンリードスルー変異体のレベルの少なくとも1/5未満である請求項1に記載の方法。
  20. 記回収された前記抗体を含有する溶出溶液のイントロンリードスルー変異体のレベルが前記ソース液体中のイントロンリードスルー変異体のレベルの少なくとも1/10未満である請求項19に記載の方法。
  21. 前記1種もしくは複数種の不純物が前記抗体の1種もしくは複数種のイントロンリードスルー変異体を含み、かつ前記イントロンリードスルー変異体が、回収された前記抗体を含有する溶出溶液中前記抗体の種の1%未満、0.8%未満、0.5%未満または0.2%未満を構成する請求項1に記載の方法。
  22. 前記1種もしくは複数種の不純物が前記抗体の1種もしくは複数種の低分子量種を含み、かつ前記低分子量種が、回収された前記抗体を含有する溶出溶液中で前記抗体の種の1%未満、0.8%未満、0.5%未満または0.2%未満を構成する請求項1に記載の方法。
  23. 前記1種もしくは複数種の不純物が前記抗体の1種もしくは複数種のアンダージスルフィド結合変異体を含み、かつ前記アンダージスルフィド結合変異体が、回収された前記抗体を含有する前記溶出溶液中で前記抗体の種の15%未満、10%未満、5%未満または2%未満を構成する請求項1に記載の方法。
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