JP5061085B2 - 旋回作業機のボンネットシール構造 - Google Patents
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Description
この種の従来の旋回作業のボンネットシール構造では、例えば特許文献2に開示されるボンネットシール構造をそのまま適用して、後カバーの閉塞時に後カバーの上端部を固定カバーの上端部に対してシール部材を介して接当させるようにしたのが一般的であった(公知文献としては存在しないが、実際のバックホー等の旋回作業機についてそのように構成していた)。
本発明は上記問題点に鑑み、固定カバーの上端部と開閉カバーの上端部との間のシール部材上に雪や土が溜まらないようにしたものである。
開閉カバーの上壁又は固定カバーの上壁の一方に、開閉カバーの閉塞時に前記シール部材を上方側から乗り越えて他方の上壁の上方に達するように覆い片が突設されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、旋回台の後部にエンジン及びラジエータが搭載されると共に、エンジンを跨ぐように支持フレームが設けられ、支持フレームにエンジンの上面側及び前面側を覆うように固定カバーが固定され、支持フレームにエンジンの後面側を覆う開閉カバーが左右方向の一端側を支点に縦軸廻りに開閉自在に支持されており、
前記開閉カバーは、カバー本体とカバー本体の上端部に前方突出するように固設された上部カバー体とを有し、上部カバー体の上壁に前記覆い片と垂下片とが突設されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、覆い片の突出端部に下方に突出した下方突出片が設けられ、開閉カバーが閉塞したときに、起立片が覆い片の下方であって下方突出片よりも垂下片側に入り込むように構成されている点にある。
図1〜図4において、旋回作業機であるバックホー1は、左右一対のクローラ走行体を有する走行装置の上部に、旋回ベアリングを介して上下方向の旋回軸心廻りに回動自在に旋回台2を搭載したものとなっている。
旋回台2は、底部に板状の旋回基板3を有すると共に、旋回基板3上を前後に区切る縦壁5を有し、縦壁5は旋回基板3の前後中途部に立設されている。旋回基板3に、左右一対の縦リブ6,7が、旋回基板3の前方側から後方広がり状に設けられている。左右一対の縦リブ6,7の前部側に装着ブラケット9が旋回基板3から前方突出するように設けられ、この装着ブラケット9を介して旋回台2の前端部に掘削用作業装置が装着されている。
而して、旋回台2の縦壁5の後側にエンジンルーム20が形成されていて、旋回台2の後部にエンジン14、ラジエータ15等が搭載され、エンジン14の左側に油圧ポンプ16が設けられている。
前カバー22は、前端下部の起立壁31と、起立壁31の上端から後上がりに傾斜した傾斜壁32と、傾斜壁32の上端から後方に突出した上壁33とを有し、起立壁31の下部が縦壁5の上部に重合されて、縦壁5にボルトナット等の固定具により固定されている。なお、前カバー22の傾斜壁32に点検用等の開口窓35が設けられ、開口窓35を図示省略の蓋部材で着脱自在に塞ぐようになっている。
図1に示すように、旋回台2の縦壁5及び前カバー22の前側に運転席38が配置されて、旋回台2の縦壁5の前側に運転席38や操縦レバーを有する操縦部が形成されおり、前カバー22上に、運転席38(操縦部)を保護するキャノピ39が立設されている。
図2〜図8に示すように、旋回台2の後部にエンジン14を跨ぐ支持フレーム43が設けられている。支持フレーム43は、左前脚体45と左後脚体46と右後脚体47と右前脚体と横支持板49と縦支持板50等から主構成されていて、エンジン14を跨ぐように配置されている。横支持板49は脚体45,46,47の上端に連結され、縦支持板50は横支持板49の右端部から前方に突出され、図示省略の右前脚体は縦支持板50の前部側を支持している。
図6〜図8、図13、図16に示すように、支持フレーム43の横支持板49に左右方向に間隔をおいて複数の固定片59が突設されている。各固定片59は横支持板49から後方突出し、前側の水平な取付基部59aと後側の後上がりに傾斜した傾斜固定部59bとを有している。前カバー22の上壁33の後部は複数の固定片59上に配置され、前カバー22の上壁33の後端部は各固定片59の傾斜固定部59bに対応して後上がりに傾斜された傾斜部33aとされ、固定片59の傾斜固定部59bにボルト等の固定具60により固定されている。
図11,図12に示すように、上部カバー体65(後カバー24)の上壁33に、覆い片81が前方に突設されると共に、覆い片81の基部側から下方に突出した垂下片82が設けられている。前カバー22の上壁33(上壁33の傾斜部33a上端)に、垂下片82に対向するように起立した起立片83が設けられている。起立片83は後カバー24が閉塞したときに覆い片81の下方に位置するように配置され、垂下片82に、開閉カバー24が閉塞したときに起立片83に接当するようにシール部材84が装着されている。シール部材84は、後カバー24の左右方向の略全長に亘る長さを有している。また、シール部材84は、U字状の取付部85と円筒状の接当部86とを有し、取付部85が垂下片82の下部に下側から嵌合固着されており、後カバー24が閉塞したときにシール部材84の接当部86が起立片83に押圧接当して、後カバー24の上端部を前カバー22の上端部とを左右方向の略全長に亘ってシールするように構成されている。
覆い片81は、シール部材84の前端よりも前方に突出し又はシール部材84の前端に達する程度に前方に突出しており、後カバー24の閉塞時に、シール部材84が前カバー22の上端部(起立片83)に押圧接当して後方に弾性変形することと相俟って、覆い片81がシール部材84を上方側から乗り越えて前カバー22の上壁33(起立片83又は上壁33後端部)の上方に達するように構成されている。
上記実施の形態によれば、後カバー24を縦軸77廻りに回動して後カバー24を閉塞すると、上部カバー体65のシール部材84が前カバー22の起立片83に押圧接当し、後カバー24の上端部を前カバー22の上端部とを左右方向の略全長に亘ってシールする。このとき、起立片83が覆い片81の下方であって下方突出片87よりも垂下片82側(後方)に入り込み、覆い片81がシール部材84を上方側から乗り越えて前カバー22の上壁33(起立片82又は上壁33後端部)の上方に達する。従って、雪が降っても、また、掘削作業等によって持ち上げられた土が後部ボンネット36上に落下するようなことがあっても、シール部材84上に雪や土が落ちないように、覆い片81及び下方突出片87によりシール部材84を上側から保護することができ、シール部材84上に雪や土が溜まるのを防止することができる。従って、シール部材84の周囲に雪や土等が溜まり、凍結で当該シール部材84の周囲が固着されてしまうのを未然に防ぐことができる。
図16は他の実施形態を示し、前カバー22の起立片83の上端部にシール部材84を装着し、後カバー24を縦軸77廻りに回動することにより後カバー24が閉塞したとき、起立片83のシール部材84が後カバー24の垂下片82に押圧接当し、後カバー24の上端部と前カバー22の上端部とを左右方向の略全長に亘ってシールするように構成し、このとき、起立片83が覆い片81の下方であって覆い片81の先端81Aよりも垂下片82側(後方)に入り込み、覆い片81がシール部材84を上方側から乗り越えて前カバー22の上壁33(起立片82又は上壁33後端部)の上方に達するようにしている。その他の点は前記実施の形態の場合と同様の構成である。
また、前記実施の形態では、前カバー22を固定カバーとし、後カバー24を開閉カバーとして、後カバー24の閉塞時に後カバー24の上端部を前カバー22の上端部に対してシール部材84を介して接当させるようにしているが、固定カバーは前カバー22に限定されず、また、開閉カバーは後カバー24に限定されず、例えば、左側カバー25を開閉カバーとし、前カバー22を固定カバーとするようにしてもよく、この場合、左側カバー25を縦軸77廻りに開閉自在とし、左側カバー25の閉塞時に左側カバー25の上端部を前カバー22の上端部に対してシール部材84を介して接当させるようにしてもよい。
2 旋回台
3 旋回基板
5 縦壁
14 エンジン
15 ラジエータ
22 前カバー(固定カバー)
24 後カバー(開閉カバー)
33 上壁
36 後部ボンネット
43 支持フレーム
62 仕切りカバー
64 カバー本体
65 上部カバー体
65a 上壁
77 縦軸
81 覆い片
82 垂下片
83 起立片
84 シール部材
87 上シール部材
88 後シール部材
Claims (5)
- 旋回台(2)にエンジン(14)が搭載されると共に、エンジン(14)を覆うボンネット(36)が設けられ、ボンネット(36)は固定カバー(22)と固定カバー(22)に対して開閉自在な開閉カバー(24)とを備え、開閉カバー(24)はその一端側を支点に縦軸(77)廻りに開閉自在とされ、開閉カバー(24)の閉塞時に開閉カバー(24)の上端部を固定カバー(22)の上端部に対してシール部材(84)を介して接当させるようにした旋回作業機のボンネットシール構造において、
開閉カバー(24)の上壁(65a)又は固定カバー(22)の上壁(33)の一方に、開閉カバー(24)の閉塞時に前記シール部材(84)を上方側から乗り越えて他方の上壁(33,65a)の上方に達するように覆い片(81)が突設されていることを特徴とする旋回作業機のボンネットシール構造。 - 開閉カバー(24)の上壁(65a)に、前記覆い片(81)が設けられると共に覆い片(81)の基部側から下方に突出した垂下片(82)が設けられ、固定カバー(22)の上壁(33)に、上壁(65a,33)の先端部から前記垂下片(82)に対向するように起立した起立片(83)が設けられ、起立片(83)は開閉カバー(24)が閉塞したときに覆い片(81)の下方に位置するように配置され、垂下片(82)又は起立片(83)の一方に、開閉カバー(24)が閉塞したときに垂下片(82)又は起立片(83)の他方に接当するように前記シール部材(84)が装着されていることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機のボンネットシール構造。
- 旋回台(2)の後部にエンジン(14)及びラジエータ(15)が搭載されると共に、エンジン(14)を跨ぐように支持フレーム(43)が設けられ、支持フレーム(43)にエンジン(14)の上面側及び前面側を覆うように固定カバー(22)が固定され、支持フレーム(43)にエンジン(14)の後面側を覆う開閉カバー(24)が左右方向の一端側を支点に縦軸(77)廻りに開閉自在に支持されており、
前記開閉カバー(24)は、カバー本体(64)とカバー本体(64)の上端部に前方突出するように固設された上部カバー体(65)とを有し、上部カバー体(65)の上壁(65a)に前記覆い片(81)と垂下片(82)とが突設されていることを特徴とする請求項2に記載の旋回作業機のボンネットシール構造。 - ラジエータ(15)の風上側と風下側とを仕切る仕切りカバー(62)が開閉カバー(24)の左右方向の遊端部に沿うように支持フレーム(43)に固定され、仕切りカバー(62)は天壁部(62a)と天壁部(62a)の後端から下方に突出した後壁部(62b)とを有し、上部カバー体(65)の遊端側に、開閉カバー(24)が閉塞したときに仕切りカバー(62)の天壁部(62a)に接当する上シール部材(90)が設けられ、カバー本体(64)の遊端部に、開閉カバー(24)が閉塞したときに仕切りカバー(62)の後壁部(62b)に接当する後シール部材(88)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の旋回作業機のボンネットシール構造。
- 覆い片(81)の突出端部に下方に突出した下方突出片(87)が設けられ、開閉カバー(24)が閉塞したときに、起立片(83)が覆い片(81)の下方であって下方突出片(87)よりも垂下片(82)側に入り込むように構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の旋回作業機のボンネットシール構造。
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