以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、作業機1の作業装置4を省略した概略平面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1、図2に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2にはキャビン5が搭載されている。キャビン5は、機体2の左寄りで且つ前部寄りに搭載されている。キャビン5の室内には、オペレータ(運転者)が着座する運転席(座席)6が設けられている。運転席6は、キャビン5によって包囲されている。
本発明の実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側に向かう方向(図1、図2の矢印A1方向)を前方(機体前方)、オペレータの後側に向かう方向(図1、図2の矢印A2方向)を後方(機体後方)、オペレータの左側に向かう方向(図1の手前側、図2の矢印B1方向)を左方、オペレータの右側に向かう方向(図1の奥側、図2の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、前後方向(機体前後方向)K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(図2参照)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。つまり、機体外方は、機体2の幅方向の中心から機体幅方向K2に離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。つまり、機体内方は、機体幅方向K2において機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
図1に示すように、走行装置3は、走行フレーム9と、走行機構10とを有する。走行機構10は、油圧モータで駆動されるクローラ式の走行機構によって構成されている。本実施形態では、走行装置3は、クローラ式の走行装置である。また、走行機構10は、走行フレーム9の左側と右側とに設けられている。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、油圧シリンダによって上げ下げ可能である。
図1に示すように、作業装置4は、機体2の前部に設けられ、ブーム15と、アーム16と、バケット(作業具)17とを有する。ブーム15の基部は、スイングブラケット14に横軸心(機体幅方向K2に延伸する軸心)回りに回動自在(上下に揺動自在)に枢着されている。スイングブラケット14は、機体2の前部に設けられた支持ブラケット18に縦軸心(上下の方向に延伸する軸心)回りに回動可能に支持されている。アーム16は、ブーム15の先端側に横軸心回りに回動自在(前後或いは上下に揺動自在)に枢着されている。バケット17は、アーム16の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。作業機1は、バケット17に代えて或いは加えて、油圧アクチュエータにより駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等が例示できる。
スイングブラケット14は、油圧シリンダの伸縮によって揺動する。ブーム15は、ブームシリンダC3の伸縮によって揺動する。アーム16は、アームシリンダC4の伸縮によって揺動する。バケット17は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C5の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作する。ブームシリンダC3、アームシリンダC4、バケットシリンダC5は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図1に示すように、機体2は、走行フレーム9上に旋回ベアリング8を介して縦軸心回りに回転可能(左及び右に旋回可能)に支持されている。
図2に示すように、機体2の後部には、原動機E1が搭載されている。原動機E1は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、ガソリンエンジン、又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。原動機E1は、キャビン5の後部側に配置されている。
原動機E1の左側には、油圧ポンプP1及び排気ガス浄化装置D1が設けられている。油圧ポンプP1は、原動機E1の動力によって駆動される。この油圧ポンプP1は、作業機1に装備された油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(圧油)を吐出する。また、油圧ポンプP1は、油圧バルブを作動させるパイロット圧や、信号用の油圧を吐出する。また、油圧ポンプP1は、例えば、複数のポンプによって構成される。排気ガス浄化装置D1は、原動機E1から排出される排気ガスを浄化する装置であり、例えば、DPF(Diesel particulate filter)である。
図2に示すように、原動機E1の右側には、冷却ファンF1及びコンプレッサG1が設けられている。冷却ファンF1及びコンプレッサG1は、原動機E1の動力によって駆動される。冷却ファンF1は、機体2の右側方から空気(外気)を吸い込んで左方へと流す吸い込み式のファンである。図2の矢印K3方向は、冷却ファンF1による冷却風の流れ方向を示している。コンプレッサG1は、作業機1に装備された空調装置の一部を構成する装置であり、冷媒(エアコンガス)を圧縮して半液状体にする。
図2に示すように、冷却ファンF1の右側方には、ラジエータR1とオイルクーラO1とが配置されている。ラジエータR1とオイルクーラO1とは、共にコア部分が機体幅方向K2を向くように配置され、且つ機体前後方向K1で横並びに並列配置されている。ラジエータR1は、原動機E1の冷却液を冷却する冷却器である。オイルクーラO1は、作動油タンクT2に戻る作動油を冷却する冷却器である。
ラジエータR1の右側方には、空調装置の冷却系の装置であるコンデンサG3及びレシーバG2と、燃料クーラN1とが配置されている。コンデンサG3は、コンプレッサG1で半液状にした冷媒を冷却して液化を進める冷却器である。レシーバG2は、コンデンサG3で液化できなかった冷媒を液化した冷媒と分離し且つ水分や不純物を取り除く装置である。燃料クーラN1は、原動機E1からの戻りの燃料(リターン燃料)を燃料タンクT1に戻す前に冷却する冷却器である。燃料タンクT1は、原動機E1用の燃料を貯留するタンクである。燃料タンクT1は、機体2の左前部に搭載されている。
オイルクーラO1の前方には、作動油タンクT2とコントロールバルブV1が配置されている。作動油タンクT2の前面側にコントロールバルブV1が取り付けられている。作動油タンクT2は、油圧ポンプP1に供給する作動油を貯留するタンクである。コントロールバルブV1は、作業機1に装備された各油圧アクチュエータを制御する各制御弁を集約したバルブユニットである。コントロールバルブV1及び作動油タンクT2の前方に、バッテリBT1が配置されている。バッテリBT1は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。
コントロールバルブV1の左側方には、制御器24が配置されている。この制御器24は、例えば、原動機E1の制御や、作業機1に装備された各種機器(例えば、空調機器)の制御を行う電子制御ユニットである。制御器24は、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成してある。
なお、作業機1は、上記制御器24と共に制御装置を構成する制御器であって、作業機1の全体の動作を制御する(作業機1に装備された電気機器を制御する)メインECUと呼称される電子制御ユニット(制御器)を有する。このメインECUは、例えば、油圧回路に設けた電磁弁を制御して作動油の流量制御を行ったり、排気ガス浄化装置D1のフィルタ再生制御を行ったりする。
図1、図5に示すように、キャビン5の室内の運転席6下方には、エアコン本体136が設けられている。エアコン本体136は、空調装置(エアコン)の本体部を構成する。エアコン本体136は、ケース及びケース内に収容された送風機、冷房用熱交換器(エバポレータ)、暖房用熱交換器(ヒータ)等を有する。空調装置の冷却系は、コンプレッサG1、レシーバG2、コンデンサG3を有する。空調装置の加熱系は、原動機E1の熱を利用している。
図3、図4に示すように、機体2は、骨格となる旋回フレーム41を有している。旋回フレーム41は、機体2の底部を構成する旋回基板42と、該旋回基板42を補強する補強リブ43と、支持ブラケット18とを有する。また、旋回フレーム41は、機体2に搭載される機器類(タンク類を含む)、その他の部品等を取り付けるためのブラケットやステー等を有する。旋回基板42は、厚板の鋼板等によって形成され、旋回ベアリング8を介して走行装置3上に縦軸心(旋回軸心X1)回りに回転自在に支持されている(図1参照)。補強リブ43は、旋回基板42上に前部(一端側)から後部(他端側)に向けて設けられ、旋回基板42に溶接によって固定されている。補強リブ43は、旋回基板42の左側に設けられた第1リブ43Lと、旋回基板42の右側に設けられた第2リブ43Rとを含む。第1リブ43Lは、板金製の前部リブ232Lと、鋳鋼製の後部リブ233Lとを有する。第2リブ43Rは、板金製の前部リブ232Rと、鋳鋼製の後部リブ233Rとを有する。支持ブラケット18は、旋回基板42の前部に溶接等によって固定され且つ補強リブ43の前部に連結されている。
図3、図4に示すように、旋回基板42の前後方向K1中央部の後方寄りに、仕切り板47が機体幅方向K2に沿って設けられている。仕切り板47は、主仕切り板48と、副仕切り板49とを有する。主仕切り板48は、第2リブ43Rの左側面から第1リブ43Lを横切って旋回基板42の左端部にわたって機体幅方向K2に延在している。また、主仕切り板48は、旋回基板42上に溶接によって固定されて立設されている。副仕切り板49は、旋回基板42の左部において主仕切り板48の背面に重ね合わされて取り付けられている。第1リブ43Lと第2リブ43Rとの間の前部には、モータ取付部324が設けられている。モータ取付部324には、機体2を旋回軸心X1回りに回転駆動する油圧モータからなる旋回モータM1が取り付けられている(図3参照)。
図5に示すように、旋回基板42における仕切り板47の後方に原動機E1が搭載されている。原動機E1は、機体2の後部に設けられたボンネット22によって覆われている。ボンネット22は、原動機E1を収容する原動機室E2を形成する。原動機室E2は、旋回基板42上に形成される。
図5に示すように、ボンネット22は、原動機E1の前方(上部前方)を覆う隔壁部材(隔壁板)22Aと、原動機E1の上方及び後方を覆う開閉可能なボンネット後部22Bと、ボンネット後部22Bの上部前方側に配置された固定ボンネット22Cとを有する。ボンネット22内には、ボンネット22を支持する支持フレーム11が設けられている。この支持フレーム11は、機体2(旋回フレーム41)に立設されている。隔壁部材22Aは、原動機室E2と、原動機室E2の上部前方とを隔てる部材である。隔壁部材22Aの前方には、運転席6が配置されている。つまり、隔壁部材22Aは、原動機室E2と運転席6の配置側(原動機室E2よりも運転席6側の領域)とを隔てる部材である。また、キャビン5は、隔壁部材22Aに対して原動機室E2側とは反対側に設けられている。つまり、隔壁部材22Aは、原動機室E2とキャビン5の室内とを隔てる部材でもある。
隔壁部材22Aは、例えば、板金製であり、支持フレーム11に固定されている。隔壁部材22Aの下方に仕切り板47が設けられている。仕切り板47は、原動機室E2の下部前方を仕切っている。ボンネット後部22Bの下方にはウエイト46が設けられている。ウエイト46はボンネット後部22Bよりも後方に突出している。ウエイト46は、機体2の後部で且つ原動機E1より後方に配置されている。ウエイト46によって原動機E1の下部後方が覆われている。ウエイト46は、図3、図4に示すウエイト取付体360に取り付けられる。
図5に示すように、機体2の前部には、機体2の床面(機体2上部の床面)を形成するフロアステップ52が設けられている。このフロアステップ52によって旋回フレーム41の前部の左側が覆われる。フロアステップ52は、旋回フレーム41に取り付けられ、キャビン5の床面を構成する。
図6に示すように、支持フレーム11は、複数の脚体(第1前脚57L、第2前脚57R、第1後脚58L、第2後脚58R)と、上部プレート59とを有する。第1前脚57L及び第2前脚57Rは、機体幅方向K2に間隔をあけて配置されると共に、原動機E1の前部側に配置される。第1前脚57Lの下端に、第1前取付板60Lが固定されている。第1前取付板60Lは、図3に示す第1フレーム取付部55Aにボルト固定される。第2前脚57Rの下端に、第2前取付板60Rが固定されている。第2前取付板60Rは、図3に示す第2フレーム取付部55Bにボルト固定される。第1前取付板60Lと第2前取付板60Rとは、連結板64によって連結されている。上部プレート59は、板面が上下を向き且つ機体幅方向K2に長い厚板材によって形成されていて、第1前脚57Lの上部と第2前脚57Rの上部とにわたって設けられている。上部プレート59は、第1前脚57L及び第2前脚57Rの上部に固定されている。上部プレート59上にキャビン5の後部が載置され且つ弾性部材を有するキャビンマウントによって防振支持されている。
図6に示すように、第1後脚58Lと第2後脚58Rは、機体幅方向K2に間隔をあけて配置されると共に、原動機E1の後部側に配置される。第1後脚58Lの上部は、上部プレート59の左側に固定された取付部材65に取り付けられている。第1後脚58Lの下端に第1後取付板61Lが固定されている。第1後取付板61Lは、図3、図4に示す第3フレーム取付部55Cにボルト固定される。第2後脚58Rの上部は、上部プレート59の下面に固定されている。第2後脚58Rの下端に、第2後取付板61Rが固定されている。第2後取付板61Rは、図3、図4に示す第4フレーム取付部55Dにボルト固定される。
図9に示すように、ボンネット後部22Bは、固定ボンネット22Cの後端側からウエイト46の上端側にわたって設けられている。固定ボンネット22Cは、上部プレート59の後部側に配置されている。固定ボンネット22Cは、上部プレート59の後端側に上方突出状に設けられたプレート部材20に取り付けられている。図5に示すように、隔壁部材22Aの上部と固定ボンネット22Cの下部との間は上部プレート59によって閉塞されている。
図7~図9に示すように、ボンネット後部22Bは、上部側の第1部材22Dと、下部側の第2部材22Eとを有している。第1部材22Dは、上壁22Daと、延設壁22Dbとを有している。上壁22Daは、後方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状である。延設壁22Dbは、上壁22Daの後端から下方に向かうにつれて後方に移行する傾斜方向に延びている。第2部材22Eは、延設壁22Db(第1部材22D)の下部からウエイト46の上部に向けて下方に延伸している。
図9に示すように、ボンネット後部22Bは、プレート部材20に、ブラケット601、ヒンジ602及びリンク603を介して連結されている。ブラケット601は、プレート部材20に取り付けられている。ヒンジ602は、ブラケット601に枢軸604を介して枢支連結されている。リンク603は、ヒンジ602と第2部材22Eの上部に固定された取付ブラケット605とを連結している。枢軸604は、第1部材22Dの上壁22Da前端よりも前方且つ下方に設けられている。また、枢軸604は、機体幅方向K2に延伸する軸心を有する。ボンネット後部22Bは、上部の前部側が枢軸604回りに上下に揺動可能であり、上方に揺動して開く。また、ボンネット後部22Bは、枢軸604回りに上下揺動することで原動機室E2を開閉する。
プレート部材20に取り付けられたステー部材606と、リンク603の下部とにわたって、アシストシリンダ607が設けられている。アシストシリンダ607は、例えば、ガスダンパー(ガススプリングとも称される)によって構成される。ガスダンパーは、密閉されたシリンダー内に高圧ガスを封印してあり、このガスの反力をバネとして活用した伸縮自在なスプリングである。アシストシリンダ607は、ボンネット後部22Bを開き方向に揺動させる際に、伸長してボンネット後部22Bの開き側の揺動をアシストする。また、アシストシリンダ607は、ボンネット後部22Bを開いた状態に保持する。
図7~図9に示すように、ボンネット後部22Bに、機体2の後方を撮影可能なカメラ608と、カメラ608を覆うカメラカバー609とを有するカメラユニット610が取り付けられている。詳しくは、カメラユニット610は、第1部材22Dの延設壁22Dbに設けられている。また、カメラユニット610は、機体2の幅方向K2の中央部に配置されている。図2に示すように、カメラユニット610は、機体2を旋回させた際に障害物に当てないようにウエイト46の後端の旋回半径内に設置されている。
図10の上段の図に示すように、延設壁22Dbのカメラユニット610の取付部分に、取付座(第1取付座という)611が設けられている。第1取付座611は、エンブレム(表示部材)612又はカメラユニット610を取り付ける部位である。第1取付座611は、表示取付部613と、カメラ取付部614と、ハーネス通し穴615とを含む。表示取付部613は、エンブレム612又はカメラカバー609を取り付けるための3つの取付穴616a~616cが形成された部位である。カメラ取付部614は、カメラ608を取り付けるための2つのブラケット取付穴617a、617bが形成された部位である。ハーネス通し穴615は、カメラ608に接続されたハーネス622を通す穴である(図11参照)。カメラユニット610を取り付けない場合は、図10の中段の図に示すように、ブラケット取付穴617a、617b及びハーネス通し穴615を隠す目隠しラベル618を張り、図10の下段の図に示すように、目隠しラベル618の上から第1取付座611(表示取付部613)にエンブレム612が取り付けられる。
図11に示すように、カメラユニット610は、カメラ608が取り付けられるカメラブラケット619を有している。カメラ608は、カメラブラケット619を介してカメラ取付部614に取り付けられる。カメラブラケット619は、機体幅方向K2に延伸するベース部619Aと、ベース部619Aの中央側に機体幅方向K2に間隔をあけて設けられた第1取付部619L及び第2取付部619Rを有している。ベース部619Aは、図11、図12に示すように、カメラ取付部614にボルト620A及びナット620Bによって取り付けられる。詳しくは、ボルト620Aは、ベース部619Aに固定されてカメラ取付部614のブラケット取付穴617a、617bに第1取付座611の外側から挿通されている。ナット620Bは、ボンネット後部22Bの内側からボルト620Aにねじ込まれている。これにより、カメラブラケット619ボンネット後部22Bの外側から取り外されるのを防止できる。カメラ608は、第1取付部619Lと第2取付部619Rとの間にヘッド部(形等を光の情報として取り入れる部分)608aを下方側に向けて配置され、取付ネジ621によって第1取付部619L及び第2取付部619Rに取り付けられる。取付ネジ621を緩めるとカメラ608は揺動可能となり、カメラ608の角度設定を行うことができる。図9に示すように、カメラ608は、該カメラ608の撮影範囲ARにウエイト46の一部(上部)が入るように設定する(ウエイト46をカメラ608の視野に入れる)。これにより、機体2の後端と障害物との距離感が捉えやすくなる。
図13に示すように、カメラ608の角度設定は、第1取付部619L又は第2取付部619Rの上辺619aとカメラ608の上面608bとを合わせることで行う。これにより、カメラ608の角度設定を容易に行うことができる。
図12に示すように、ハーネス通し穴615には、グロメット615Aが嵌め込まれ、該グロメット615Aにハーネス622が挿通される。
図14に示すように、カメラカバー609は、カメラ608を覆うカバー本体623と、表示取付部613に取り付けられるカバーブラケット624と、カバーブラケット624から機体幅方向K2の一方及び他方に延びる延出片625と、延出片625に取り付けられてボンネット後部22Bに当接するトリム626とを有する。カメラカバー609は、エンブレム612の代わりに表示取付部613に取り付け可能である。
図8、図14に示すように、カバー本体623は、上壁部623aと、上壁部623aの機体幅方向K2の中央部から下方に延びる中央壁部623bと、中央壁部623bの左縁部から左方側に延びると共に上壁部623aの左側の下側縁部に接続された第1側壁部623cと、中央壁部623bの右縁部から右方側に延びると共に上壁部623aの右側の下側縁部に接続された第2側壁部623dとを有する。上壁部623aは、図9に示すように、後方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状である。また、上壁部623aは、図8、図14に示すように、機体幅方向K2の幅が前方に向かうにつれて幅広となるように形成されている。上壁部623aは、カメラ608の上方を覆っている。これにより、雨水がカメラ608にかかるのを防止でき、雨水がカメラ608のレンズに付着して撮影した映像が見えにくくなるのを抑制することができる。上壁部623aには、エンブレム612が取り付けられる他の取付座(第2取付座)627が形成されている。第2取付座627は、周囲の部分よりも若干凹んでいるが、第2取付座627の外周部の下部側は、水平に対して下方傾斜しているので、第2取付座627に雨水が溜まるのが防止される。中央壁部623bには、カメラ608のヘッド部608a側を露出させる開口628が形成されている。図7、図12に示すように、カメラ608の視野角を妨げることのないように、開口628の形成部分に、カバー本体623の内側に凹む凹部629が形成されている。
図14、図15に示すように、カバーブラケット624は、第1取付板630Aと、第2取付板630Bと、第1取付板630Aと第2取付板630Bとを連結する第1連結板631L及び第2連結板631Rとを有する。第1取付板630Aは、上部側の取付穴616a(図10参照)を介して表示取付部613に取り付けられる。詳しくは、第1取付板630Aにボルト632Aを固定し、該ボルト632Aを取付穴616aに第1取付座611の外側から挿通すると共に、該ボルト632Aにボンネット後部22Bの内側からナット632Bをねじ込むことにより第1取付板630Aが取り付けられている。また、第2取付板630Bは、下側の取付穴616b、616c(図10参照)を介して表示取付部613に取り付けられる。詳しくは、第2取付板630Bにボルト633Aを固定し、該ボルト633Aを取付穴616b、616cに第1取付座611の外側から挿通すると共に、該ボルト633Aにボンネット後部22Bの内側からナット633Bをねじ込むことにより第2取付板630Bが取り付けられている。
カバーブラケット624をボンネット後部22Bの内側から取り付けることにより、カメラカバー609がボンネット後部22Bの外側から取り外されるのを防止できる。これにより、カメラ608の盗難を防止することができる。
第1連結板631L及び第2連結板631Rは、上壁部623aの内面側に固定されている。第1連結板631Lと第2連結板631Rとは、機体幅方向K2に間隔をあけて設けられている。第1連結板631Lと第2連結板631Rとの間の間隔は、カメラブラケット619の第1取付部619L及び第2取付部619Rが挿入可能な間隔に形成されている。
延出片625は、第1連結板631L及び第2連結板631Rの上部に固定されており、第1連結板631Lから左方に突出する第1延出部625Lと、第2連結板631Rから右方に突出する第2延出部625Rとを有する。トリム626は、第1延出部625Lに取り付けられた第1トリム626Lと、第2延出部625Rに取り付けられた第2トリム626Rとを含む。トリム626は、ゴム等の弾性部材によって形成され、ボンネット後部22Bの外面に当接する。カバー本体623は、機体前方側に向けて機体幅方向K2に広がっているので、機体幅方向K2の両端側が前後にふらつく虞があるが、第1トリム626Lがカバー本体623の左側でボンネット後部22Bに当接し、第2トリム626Rがカバー本体623の右側でボンネット後部22Bに当接することで該ふらつきを防止できる。
図16に示すように、プレート部材20は、板面が前後を向くように配置されて、取付部材65と第2後脚58Rの上部とにわたって設けられている。図17に示すように、固定ボンネット22Cは、縦板部22Caと、上板部22Cbとを有している。縦板部22Caは、板面を前後に向けてプレート部材20の前側に対向状に配置されている。縦板部22Caは、プレート部材20と略平行状であり、上部がプレート部材20から上方に突出している。上板部22Cbは、プレート部材20よりも上方に配置され、前部が下方に向けて屈曲され且つ縦板部22Caの上部に固定されている。また、上板部22Cbは、縦板部22Caの上部からプレート部材20を越えて後方に且つボンネット後部22Bの上部前側まで延びている。以上のように、固定ボンネット22Cは、キャビン5とボンネット後部22Bとの間に配置されている。
縦板部22Caの下部には、上部プレート59の上面に当接するシール部材(第4シール部材)634が取り付けられている。シール部材634は、例えば、トリムシール(取付部分に嵌る基部にクッション性のあるチューブが付いたシール材)によって構成されている。
本実施形態では、シール部材634は、縦板部22Caの本体部分に取り付けられたシール部634a及びハーネス等の配策部材を通すグロメットを取り付けるステー板634dに取り付けられたシール部634bとに分割されているが、シール部材634は、縦板部22Caの左端から右端まで一体に形成されていてもよい。
図16、図17に示すように、固定ボンネット22Cは、縦板部22Caの背面に固定されたL字形の取付ステー22Cdを有している。取付ステー22Cdは、プレート部材20にボルト635によって取り付けられている。これにより、縦板部22Ca(固定ボンネット22C)が、プレート部材20に取り付けられている。
図16に示すように、上板部22Cbの後部には、トリムシールで構成されたシール部材(第3シール部材)636が取り付けられている。シール部材636は、上板部22Cbの左端から右端まで設けられている。図17に示すように、シール部材636にボンネット後部22Bの上部前端側が上方から当接している。
本実施形態では、縦板部22Caと上板部22Cbとは、別体で形成されて互いに接合されているが、縦板部22Caと上板部22Cbとは一体形成されていてもよい。
例えば、ボンネット後部22Bと該ボンネット後部22Bの前方に在るキャビン5との間をシールするのに、ボンネット後部22Bの上部をシール部材を介してキャビン5に当接させると、キャビン5はゴムマウントによって防振支持されるので、しっかりとシールするのが難しい。シールがあまくなると、隙間から原動機室の熱気が流出するという不具合が生じる。また、しっかりとシールすると形状が複雑化する。しかしながら、本実施形態では、支持フレーム11の上部にボンネット後部22Bとは別部材の固定ボンネット22C(当たり構造体)を設けることで、ボンネット後部22Bの上部のシールをしっかりと行うことができる。また、シール構造の形状を簡素化することができる。
図16に示すように、固定ボンネット22Cの左端側には、後方に向けて延出する支持壁22Ceが設けられている。支持壁22Ceの後端側には、ボンネット後部22Bの左端側上部が当接するシール部材(トリムシール)637が取り付けられている。また、固定ボンネット22Cの右端側には、下方に突出する支持壁22Cgが設けられている。支持壁22Cgの下端部には、シール部材(トリムシール)638が取り付けられている。
図8に示すように、ボンネット後部22Bの右側には、シール当たり部材639が設けられている(図29参照)。シール当たり部材639は、ボンネット後部22Bの内側(原動機室E2側)に設けられている。シール当たり部材639は、ボンネット後部22Bの上部から下部にわたって設けられている。
図18、図19に示すように、シール当たり部材639は、第1壁639a~第5壁639eを有している。第1壁639aは、シール当たり部材639の右側の上部から中途部にかけて設けられている。第1壁639aは、第2後脚58Rに固定されたステー640にボルト641A及びナット641Bによって取り付けられている。第2壁639bは、上部が、第1壁639aの上端から左方に延び、中途部が第1壁639aの後端から左方に延びている。第2壁639bの下部は、中途部の下端から下方に延びている。第3壁639cは、上部が第2壁639bの上部左端から上方に延び、中途部及び下部が第2壁639bの中途部及び下部の左端から後方に延びている。第4壁639dは、上部が第3壁639cの上部の上端から左方に延び、中途部及び下部が第3壁639cの中途部及び下部の後端から左方に延びている。第5壁639eは、シール当たり部材639の左側の上部から中途部にかけて設けられている。第5壁639eは、上部が第4壁639dの上部の左端から上方に延び、下部が第4壁639dの中途部の左端から後方に延びている。
シール当たり部材639は、第1当り面639gと、第2当り面639hとを有している。第1当り面639gは、第4壁639dの上部上面から中途部及び下部の後面で形成されている。したがって、第1当り面639gの上部は上方を向いており、中途部及び下部は後方を向いている。第2当り面639hは、第3壁639cの右面で形成されている。つまり、第2当り面639hは、第1当り面639gの右側に隣接して設けられ且つ右方を向いている。
第1当り面639gの上部の前部側に固定ボンネット22Cの右側のシール部材638(図16参照)が当接する。
図20に示すように、ボンネット後部22Bの右端側には、内面から内側に突出するステー壁(第1ステー壁)642が設けられている。第1ステー壁642は、ボンネット後部22Bの上部から下側にわたって設けられている。詳しくは、第1ステー壁642は、第1部材22Dの内面に設けられた上ステー642Aと、第2部材22Eの内面に設けられた下ステー642Bとを含む。第1ステー壁642の突出側の縁部には、トリムシールで構成されるシール部材(第1シール部材)643が取り付けられている。詳しくは、シール部材643は、上ステー642Aに取り付けられた第1シール643Aと、下ステー642Bに取り付けられた第2シール643Bとを含む。シール部材643は、ボンネット後部22Bを閉める際に、第1当り面639gの上部の後部側及び中途部並びに下部に後上方側から当接する。
図18、図20に示すように、ボンネット後部22Bの右端側は前側に向けて屈曲されている。即ち、ボンネット後部22Bは、右の端部側(後述するカバー本体26側の端部側)に、原動機室E2側に向けて延伸するボンネット縁部644を有する。詳しくは、ボンネット縁部644は、図18に示すように、前方に向かうにつれて機体外方(右方)に移行する傾斜方向に延伸している。図20に示すように、ボンネット縁部644は、第1部材22Dの右端側に形成された上側縁部644Aと、第2部材22Eの右端側に形成された下側縁部644Bとを含む。第1ステー壁642は、ボンネット縁部644の機体内方(左方)側に設けられている。
図21に示すように、機体2の左側方及び右側方並びに前方には、旋回カバー(外装部材)51が設けられている。この旋回カバー51によって旋回フレーム41の左側方及び右側方並びに前方が覆われる。
図2に示すように、機体2におけるキャビン5の搭載側とは反対側の側部(機体2右部)には、カバー体21が設けられている。つまり、カバー体21は、キャビン5の側方(右側方)に配置されている。
図2、図21に示すように、カバー体21は、機体2の右部の前部から後部にわたって設けられていて、旋回フレーム41の上方を覆っている。カバー体21は、原動機E1の側方に配置される機器を覆うカバーである。詳しくは、カバー体21内には、バッテリBT1、コントロールバルブV1、作動油タンクT2、制御器24、ラジエータR1、オイルクーラO1、レシーバG2及びコンデンサG3等の機器類が収容されている。
カバー体21後部の左側方に、ボンネット後部22B(ボンネット22)が設置されている。カバー体21の右側面の後部には、カバー体21の後部及びボンネット22内部へ空気を取り入れるための外気取入口645が形成される(図23参照)。
図2、図21、図22に示すように、カバー体21は、機体2に揺動可能に取り付けられて開閉可能なカバー本体(カバー部材)26と、機体2に固定状に取り付けられる固定カバー27とを有する。図2に示すように、固定カバー27は、キャビン5の右側方に配置され、カバー本体26は、固定カバー27の右側方に配置されている。カバー本体26は、左側面及び下面が開放状とされており、固定カバー27は、カバー本体26の左側面を覆っている(塞いでいる)。カバー本体26は、上部の機体内方側(上部左側)が機体前後方向K1に延伸する軸心回りに枢支されて上下に揺動可能であり、上方揺動して開き、下方揺動して閉じる。
図21、図22に示すように、カバー本体26は、下部カバー26Aと、上部カバー26Bとを有する。下部カバー26Aは、カバー体21内に収容される機器の収容室の前面、機体外方側の側面及び後面を形成する。上部カバー26Bは、機器の上記収容室の上面を形成する。
図23に示すように、下部カバー26Aは、複数の部材によって構成されている。下部カバー26Aは、前部を構成する第1カバー646と、中途部及び後部を構成する第2カバー647とを有している。第2カバー647は、さらに、第2カバー647を前部から後部にかけて主構成するメインカバー647Aと、メインカバー647Aの後部に形成された開口部648を塞ぐサブカバー647Bとを有している。サブカバー647Bに外気取入口645が形成される。外気取入口645は、空気流通可能な防塵カバー649によって塞がれる。
メインカバー647Aと、サブカバー647Bとは、それぞれ異なる色の塗装が施される。つまり、第2カバー647は、2色塗装(一部分を異なる色で塗装すること)される。第2カバー647を、メインカバー647Aとサブカバー647Bとに分割することで、2色塗装を施す上で塗装工程を簡略化することができる。即ち、メインカバー647Aとサブカバー647Bとをそれぞれ別々の色で塗装した後に、メインカバー647Aにサブカバー647Bを取り付けることにより、第2カバー647を、簡単に2色塗装することができる。例えば、第2カバー647が一体物である場合、2色塗装するには、塗らない箇所にマスキングが必要であり、通常の塗装よりも多くの工程が必要となる。本実施形態では、マスキングが不要であるので、塗装工程を簡略化することができる。
なお、本実施形態では、上部カバー26B及び第1カバー646も、サブカバー647Bと同様、第2カバー647のメインカバー647Aと異なる色に塗装されている。
図2に示すように、固定カバー27は、カバー本体26とキャビン5との間に配置されている。固定カバー27内には、制御器24が収容されている。図17に示すように、固定カバー27は、周壁27aと、キャビン5側の側方を覆う内側壁27bとを有する。固定カバー27の内部は、カバー本体26の内部に連通している。
図18に示すように、カバー本体26(メインカバー647A)は、ボンネット後部22B側の端部側に、挿入縁部650を有している。挿入縁部650は、ボンネット後部22B及びカバー本体26を閉めた状態で、ボンネット後部22Bの内側に入り込む。つまり、挿入縁部650は、背面視において、ボンネット縁部644とオーバーラップしている。オーバーラップ量Q1は、例えば、5mm程度である。挿入縁部650がボンネット後部22Bの内側に入り込むことにより、図25に示すように、ボンネット後部22B及びカバー本体26を閉じた状態で、作業機1を後方から見たときに、挿入縁部650は、ボンネット縁部644で隠れる。これにより、ボンネット後部22Bの右端部とカバー本体26の後部の左端部との間に機体幅方向K2において隙間が生じるのを防止でき、外観品質の悪化を防止できる。ボンネット後部22Bを閉じたときに、第1ステー壁642及びシール部材643が第1当り面639gに当接することで、ボンネット後部22Bの右端部が、挿入縁部650に干渉するのを防止できる。
図24に示すように、カバー本体26の後部内面には、上部から下部にわたって第2ステー壁651が突出状に設けられている。図18に示すように、第2ステー壁651は、カバー本体26を閉じた状態で、挿入縁部650及び第2当り面639hよりも機体外方(右方)に位置している。図18、図24に示すように、第2ステー壁651の突出側には、トリムシールで構成されるシール部材(第2シール部材)652が取り付けられている。シール部材652は、カバー本体26を閉じたときに、第2当り面639hに右方から当接する。
図26に示すように、固定カバー27(カバー体21)の内部にフレーム部材206が設置されている。カバー体21(カバー本体26及び固定カバー27)は、フレーム部材206に支持されている。
図27、図28に示すように、フレーム部材206は、第1フレーム構成部材208と第2フレーム構成部材207とを有する。第1フレーム構成部材208は、板面が上下を向くように配置された厚板材によって形成され、後部が支持フレーム11の上部にボルトによって取り付けられ且つ支持フレーム11から前方に突出している。第2フレーム構成部材207は、第1フレーム構成部材208から前方に延びると共に前部が下方に向けて延びるように屈曲された第1フレーム部556と、旋回フレーム41(旋回基板42)に立設された第2フレーム部557とを含む。第1フレーム部556及び第2フレーム部557は、パイプ材等の棒状の部材によって形成されている。第1フレーム部556の前部下端は、第2フレーム部557にフランジ結合されている。第1フレーム部556に制御器24が取り付けられている。制御器24は、上記した原動機ECUである。
図27、図28に示すように、フレーム部材206は、第1フレーム構成部材208上に固定されたヒンジ支持プレート559を有している。ヒンジ支持プレート559は、板面が機体幅方向K2を向く側板部559aと、側板部559aの前端から左方に延出された前板部559bと、側板部559aの後端から左方に延出された後板部559cとを有する。
図26に示すように、ヒンジ支持プレート559の側板部559aの右側には、カバー本体26を上下揺動可能に支持するヒンジ226が取り付けられている。カバー本体26の内側には、該カバー本体26を支持する枠体225が設けられている。枠体225は、ヒンジ226及びヒンジ支持プレート559を介して第1フレーム構成部材208に連結されている。枠体225は、下部が係止機構227を介して機体2に係止(ロック)可能である。係止機構227によるロックを解除することにより、カバー本体26は、上部の機体内方側(左側)がヒンジ226によって機体前後方向K1に延伸する軸心回りに回動可能に支持されることにより、上下に揺動可能(開閉可能)とされている。ヒンジ226に設けられた支持片565Aと枠体225に設けられた支持片565Bとにわたってダンパー555が設けられている。ダンパー555は、例えば、ガスダンパー(ガススプリング)で構成され、カバー本体26を開き方向に付勢している。ダンパー555は、カバー本体26を上方揺動(開き方向に揺動)させる際に、ガスの反力で伸長することによりカバー本体26の開き方向の揺動をアシストする。また、ダンパー555によってカバー本体26を開いた状態に保持することができる。また、ダンパー555は、カバー部材26を開いた状態でカバー部材26をガイド領域667に沿って移動させることにより、カバー部材26がキャビン5から離れる方向に変位する位置に配置されている。
図27、図28に示すように、フレーム部材206は、複数の取付片(取付片560A~取付片560C)を含むカバー取付部を有する。このカバー取付部に固定カバー27が取り付けられる。取付片560Aは、第1フレーム構成部材208の後部に固定されている。取付片560Bは、ヒンジ支持プレート559の前部に固定されている。取付片560Cは、第1フレーム部556の前下部に固定されている。
図29に示すように、固定カバー27は、フレーム部材206に該固定カバー27の内部から着脱可能に取り付けられている。詳しくは、固定カバー27の内面には、取付片560A~取付片560Cに固定される固定部561A~固定部561Cが設けられている。固定部561Aは、取付片560Aに対応する位置に設けられ、該取付片560Aにボルト固定される。固定部561Bは、取付片560Bに対応する位置に設けられ、該取付片560Bにボルト固定される。固定部561Cは、取付片560Cに対応する位置に設けられ、該取付片560Cにボルト固定される。
固定カバー27を取り外すことにより、制御器24へのアクセスが容易に行える。即ち、固定カバー27を取り外すことにより、制御器24を目視で容易に確認でき、且つフレーム部材206から取り外す又はフレーム部材206に取り付けることが容易に行える。
図30~図32に示すように、ヒンジ226は、フレーム部材206(ヒンジ支持プレート559)に固定されるヒンジブラケット654を有している。ヒンジブラケット654は、ブラケット本体655と、複数の取付板656とを有する。ブラケット本体655は、ヒンジ支持プレート559の側板部559aの右面に重ね合わされてボルトによって固定される縦壁部655aと、縦壁部655aの下端から機体外方(右方)に延出され且つ第1フレーム構成部材208上に載置される下壁655bとを有する。取付板656は、縦壁部655aの右面及び下壁655bの上面に固定されている。複数の取付板656は、ヒンジブラケット654の前部に配置された一対の第1取付板656Aと、ヒンジブラケット654の後部に配置された一対の第2取付板656Bとを含む。一対の第1取付板656Aは、前後に間隔をあけて配置されている。一対の第2取付板656Bも前後に間隔をあけて配置されている。
また、ヒンジ226は、ヒンジ軸658と、該ヒンジ軸658を介してヒンジブラケット654に上下揺動可能に枢支される可動アーム659とを有している。ヒンジ軸658は、一対の第1取付板656Aに設けられた第1ヒンジ軸658Aと、一対の第2取付板656Bに設けられた第2ヒンジ軸658Bとを含む。ヒンジ軸658は、機体前後方向K1に延伸する軸心を有する。可動アーム659は、第1ヒンジ軸658Aを介して第1取付板656Aに枢支される第1可動アーム659Aと、第2取付板656Bに第2ヒンジ軸658Bを介して枢支される第2可動アーム659Bとを含む。第1可動アーム659A及び第2可動アーム659Bは、前後に間隔をあけて配置された一対のアーム部材660と、一対のアーム部材660を連結する連結部材661とを有している。アーム部材660は、下方に向けて凸となる湾曲状に形成され、左側の基部がヒンジ軸658に軸心回りに回転自在に外嵌めされた筒ボス662(図30参照)に固定されている。これにより、可動アーム659は、ヒンジ軸658の軸心(機体前後方向K1の軸心)回りに上下揺動可能である。
また、ヒンジ226は、可動アーム659の揺動端側に固定された取付プレート663を有している。取付プレート663は、第1可動アーム659Aの揺動端に固定される第1取付プレート663Aと、第2可動アーム659Bの揺動端に固定される第2取付プレート663Bとを含む。取付プレート663は、可動アーム659から前後に突出している。取付プレート663の機体幅方向K2の幅は、前部の方が後部よりも幅広に形成されている。取付プレート663は、前部に形成された挿通穴(第1挿通穴という)664と、後部に形成された他の挿通穴(第2挿通穴という)665とを有している。第1挿通穴664は、可動アーム659よりも前方に形成され、第2挿通穴665は、可動アーム659よりも後方に形成されている。第1挿通穴664及び第2挿通穴665は、共に機体幅方向K2に長い長穴に形成されている。第1挿通穴664は、第2挿通穴665よりも長い長穴に形成されている。詳しくは、第1挿通穴664の左端と第2挿通穴665の左端とは、機体幅方向K2に関して同じ位置に形成され、第1挿通穴664の右端は、第2挿通穴665の右端よりも機体外方に位置している。第1挿通穴664は、取付領域666と、取付領域666から延長して形成されたガイド領域667とを有している。取付領域666は、第2挿通穴665の長さ665aと同じ長さの領域である。ガイド領域667は、取付領域666から長さ方向に延長された領域である。
図30に示すように、ヒンジ226は、取付プレート663に、カバー本体26に設けられた連結プレート668を重ね合わせた状態で取り付ける取付ボルト669及び該取付ボルト669に螺合されるナット670を有している。取付ボルト669は、第1挿通穴664に挿通される第1取付ボルト669Aと、第2挿通穴665に挿通される第2取付ボルト(他の取付ボルト)669Bを含む。ナット670は、第1取付ボルト669Aに螺合される第1ナット670Aと、第2取付ボルト669Bに螺合される第2ナット670Bとを含む。連結プレート668は、第1挿通穴664の取付領域666の範囲内及び第2挿通穴665の長さの範囲内で取付ボルト及びナットによって取付プレート663に取付固定される。連結プレート668は枠体225に固定されている。第1取付ボルト669A及び第2取付ボルト669Bを挿通するために連結プレート668に形成されるボルト挿通孔671は、丸穴によって形成される。
なお、本実施形態では、取付ボルト669の軸径は10mmであり、第1挿通穴664は幅11mm、長さ55mmであり、第2挿通穴665は幅11mm、長さ22mmである。これら各部のサイズは上記のサイズに限るものではないが、第2挿通穴665の長さは、カバー本体26の取付位置の微調整を可能にするために、取付ボルト669の軸径よりも10mm~20mm程度長く設定することが好ましい。また、第1挿通穴664の長さは、後述する組立の容易化等の効果を適切に得るために、取付ボルト669の軸径よりも30mm~100mm程度長く設定することが好ましく、40mm~70mm程度長く設定することがより好ましい。なお、第1挿通穴664及び第2挿通穴665の幅は取付ボルト669の軸径よりもわずかに広く設定すればよい。
図30に示すように、第1挿通穴664及び第2挿通穴665は、可動アーム659を下方揺動させた状態(カバー本体26を閉じた状態)において、機体幅方向K2に沿う方向に延伸するように形成されている。したがって、ガイド領域667は、カバー本体26を閉じた状態で、取付領域666から右方(キャビン5から離れる方向)に延伸するように形成されている。また、図33に示すように、ガイド領域667は、可動アーム659を上方揺動させた状態(カバー本体26を開いた状態)において取付領域666から上方に延伸するように形成されている。
ここで、カバー本体26をヒンジ226に取り付ける取付工程について説明する。
固定カバー27は、カバー本体26を取り付ける前に、フレーム部材206に取り付けられる。カバー本体26を取り付けるには、カバー本体26を開き状態の姿勢(連結プレート668を下にした状態)でクレーンによって吊り上げ、その後、連結プレート668がヒンジ226の上方に位置するように降ろしていき、カバー本体26が固定カバーよりも上方に位置する状態で止める。次に、取付ボルト669及びナット670によって取付プレート663に連結プレート668を取り付けるが、このとき、先ず、第1挿通穴664のガイド領域667の上端側で、第1取付ボルト669A及び第1ナット670Aを仮締めする。次に、カバー本体26を降ろしていくと、第1取付ボルト669Aが第1挿通穴664に沿って降りていく。第1取付ボルト669Aが取付領域666までくると、第1取付ボルト669A及び第1ナット670Aを本締めする。次に、第2挿通穴665に第2取付ボルト669Bを挿通し且つ該第2取付ボルト669Bに第2ナット670Bをねじ込んで締め付ける。
このように、カバー本体26を取付位置よりも上方で、第1挿通穴664に第1取付ボルト669Aを仮締めすることができるので、カバー本体26を、取付位置で干渉する虞のある他の部品(固定カバー27)と干渉させることなく、取り付けることができる。
例えば、カバー本体26を取付位置まで降ろさないと取り付けられないとすると、取付位置で干渉する虞のある他の部品との干渉を避けながらカバー本体26を取り付けなければならず、繊細なクレーン操作が必要となったり、他の部品に干渉(傷付き)防止材の設置が必要となったりし、カバー本体26を素早く組み付けることが困難であるが、本実施形態では、カバー本体26を取付位置よりも上方で、第1挿通穴664に第1取付ボルト669Aを仮締めしたあとは、第1挿通穴664に沿ってカバー本体26を降ろしていくだけなので、カバー本体26の組み付け性を向上させることができる。また、メンテナンス性も向上させることができる。
また、制御器24を点検する場合、固定カバー27を取り外すと、制御器24に容易にアクセスすることができるが、図34に示すように、固定カバー27の周壁27aの右端側は、カバー本体26の内部に入り込んでいるので、このままでは、固定カバー27を、前方(図34の矢印S1方向)に移動させて、カバー本体26とキャビン5との間から引き出すことができない。固定カバー27を、キャビン5側に移動させた後、前方に引き出すようにすることも考えられるが、固定カバー27とキャビン5との間の間隔Y1(図26参照)が狭いと、固定カバー27をキャビン5側に移動することができない。また、固定カバー27をキャビン5側に移動することができる隙間を十分に採ると、キャビン5内の居住空間を狭くする。
そこで、本実施形態では、図34に仮想線で示すように、カバー本体26を右方(キャビン5及び固定カバー27から遠ざかる方向S2)に移動させることにより、固定カバー27をキャビン5とカバー本体26との間から前方に引き出せるようにしている。カバー本体26を右方に移動させるには、以下のようにして行う。
先ず、カバー本体26を開いた状態に保持されている姿勢で、第2挿通穴665に挿通されている第2取付ボルト669Bを取り外すと共に、第1挿通穴664に挿通されている第1取付ボルト669Aを緩める。すると、カバー本体26はダンパー555によって押し上げられる方向(図33の矢印S3方向)に付勢されているので、ダンパー555の付勢力によってカバー本体26が下方(図33の矢印S4方向)に揺動しながら第1取付ボルト669Aが第1挿通穴664内をガイド領域667の端部まで移動する。その後、第1挿通穴664に挿通されている第1取付ボルト669Aを締めて、カバー本体26を閉める。すると、カバー本体26が固定カバー27から右方に外れた位置に移動した状態となる(図34の仮想線参照)。これにより、固定カバー27をキャビン5とカバー本体26との間から前方に引き出すことができる。このように、固定カバー27を左方(キャビン5側)に移動させずに、該固定カバー27をキャビン5とカバー本体26との間から前方に引き出せるので、固定カバー27とキャビン5との間の間隔Y1をつめることができる。また、固定カバー27とキャビン5との間の間隔Y1をつめることができるので、キャビン5の居住空間を広くすることができる。
また、カバー本体26元の位置に戻すには、先ず、カバー本体26を止まるまで開き方向に揺動させる。次に、第1挿通穴664に挿通されている第1取付ボルト669Aを緩めた後、カバー本体26を押し上げる。すると、第1取付ボルト669Aが第1挿通穴664の取付領域666に移動する。第1取付ボルト669Aが取付領域666に移動した状態で第1取付ボルト669Aを締めると、カバー本体26は、元の組付け状態になる。
次に、図35~図37を参照して、枠体225について説明する。
図35~図37に示すように、枠体225は、第1杆材672~第6杆材677を有している。第1杆材672~第6杆材677は、パイプ材等の棒状部材(杆材)によって形成されている。第1杆材672~第3杆材674は、第4杆材675~第6杆材677に比べて径の大きい杆材によって形成されている。
第1杆材672は、連結プレート668の前部からカバー本体26に沿って機体前方側に延設されている。詳しくは、第1杆材672は、連結プレート668から上部カバー26Bに沿って前方に且つ該上部カバー26Bの前端側まで延びる第1部位672aと、第1部位672aの前端から下方に向かうにつれて機体外方に移行する傾斜方向に延びる第2部位672bと、第2部位672bの下端から機体外方に延びる第3部位672cとを有する。第3部位672cの端部は、下部カバー26Aに固定された第1取付ブラケット678に取り付けられている。
第2杆材673は、連結プレート668の前後方向K1中途部から機体外方に延設されている。詳しくは、第2杆材673は、連結プレート668から上部カバー26Bに沿って機体外方に且つ上部カバー26Bの機体外方端まで延びていて、外端が下部カバー26Aの上部に固定された第2取付ブラケット679に取り付けられている。
第3杆材674は、連結プレート668からカバー部材に沿って機体後方側に配設されている。詳しくは、第3杆材674は、連結プレート668から上部カバー26Bに沿って機体後方に且つ上部カバー26Bの後端側にまで延びていて、後端が下部カバー26Aの上部に固定された第3取付ブラケット680に取り付けられている。
第4杆材675は、第1取付ブラケット678から前方に延びる第1部位675aと、第1部位675aの前端から機体内方に延びる第2部位675bと、第2部位675bの機体内方端から機体内方に向かうにつれて下方に移行する傾斜方向に延びたあと下方に屈曲された第3部位675cとを有する。第3部位675cは、下部カバー26Aの前下部に取り付けられている。
第5杆材676は、第2取付ブラケット679から前方に延びる第1部位676aと、第1部位676aの前端から前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜方向に延びたあと下方に屈曲された第2部位676bと、第2部位676bの下端から下方に向かうにつれて前方に移行する傾斜方向に延びたあと下方に屈曲された第3部位676cとを有する。第2部位676bの下部は第1取付ブラケット678に取り付けられ、第3部位676cの下端は下部カバー26Aの下部に固定された第4取付ブラケット681に取り付けられている。
第6杆材677は、第3取付ブラケット680から下部カバー26Aの後部に沿って下方側に延びる第1部位677aと、第1部位677aの下端から下部カバー26Aに沿って機体外方に延びる第2部位677bと、第2部位677bの機体外方端から下部カバー26Aに沿って下方に延びる第3部位677cとを有する。第3部位677cの下端は下部カバー26Aの下部に固定された第5取付ブラケット682に取り付けられている。
上記の枠体225は、杆材によって構成されているので、カバー本体26を機体前後方向K1及び機体幅方向K2で略均等に支持することができる。また、カバー本体26の内面をはわすことによりカバー本体26内部に収容された機器との干渉を防止できる。第1杆材672、第2杆材673及び第3杆材674は、連結プレート668(ヒンジ226)から前後及び機体外方の3方向に延びているので、カバー本体26を全体的に支持することができる。
図38~図40に示すように、隔壁部材22Aは、実質的にキャビン5の室内と原動機室E2とを仕切る隔壁本体67と、隔壁本体67の上端から後方に延出する上部延出部68と、隔壁本体67の下端から前方に延出する下部延出部69とを有する。
図5に示すように、隔壁部材22Aの左部の背面は、第1前脚57Lの前面に面当たりで当接して溶接等によって固定されている。図40に示すように、隔壁部材22Aの右端部は、第2前脚57Rの左側面に溶接によって固定されている。図40に示すように、上部延出部68の後端側は、上部プレート59の下面に溶接によって固定されている。
図38~図40に示すように、隔壁本体67は、上部側の第1部位67Aと、下部側の第2部位67Bとを有する。第1部位67A及び第2部位67Bは、上方に向かうにつれて後方に移行する傾斜状に形成されている。第1部位67A及び第2部位67Bの上下方向に対する傾斜角度は、第1部位67Aが第2部位67Bに比べて大であり、隔壁本体67は上下方向の中途部で屈曲されている。
図39に示すように、隔壁部材22Aは、原動機室E2内の部品等にアクセスするための点検開口71と、この点検開口71を前方側から塞ぐ閉塞プレート72とを有する。点検開口71は、隔壁本体67に形成されている。詳しくは、図40、図41に示すように、点検開口71は、第1部位67Aを貫通して形成されている。また、点検開口71は、第1部位67Aの機体幅方向K2の一側から他側にわたって形成されている。閉塞プレート72は、第1部位67Aに前面側からボルト固定されている。
図38、図39に示すように、閉塞プレート72には、当接部材99が設けられている。当接部材99には、運転席6に設けられるストッパ98(図49参照)が当接する。当接部材99は、閉塞プレート72の前面側に溶接等によって取り付けられている。当接部材99は、隔壁部材22Aの上部の左部に設けられた第1当接部材99Lと、隔壁部材22Aの上部の右部に設けられた第2当接部材99Rとを含む。
図38に示すように、当接部材99は、当接板99aと、当接板99aの背面に固定された取付片99bとを有する。取付片99bは、閉塞プレート72に溶接によって固定されている。当接板99aは、上部から下部にわたって縦長に形成されている。縦長とは、機体幅方向K2の幅に対して上下方向の長さが長いことである。当接板99aの前面は、ストッパ98が当接する当接面であり、鉛直面(鉛直方向に沿った面)とされている。当接板99a(当接部材99)を縦長に形成することで、運転席6の沈み込みや、運転席6の高さ調整に対応することができる。
閉塞プレート72には、取っ手部材73が設けられている。取っ手部材73は、閉塞プレート72の上部の機体幅方向K2の中途部に設けられ、閉塞プレート72から上方に突出している。
図38~図40に示すように、隔壁部材22Aは、逃がし凹部376を有している。逃がし凹部376は、隔壁部材22Aの下部に形成されている。逃がし凹部376は、上部が運転席6の背面側に配策される複数の油圧ホース732(図60参照)との干渉を防止するホース干渉回避部であり、下部が第1レール装置84との干渉を防止するレール干渉回避部である。
図38、図41に示すように、仕切り板47の上部(隔壁部材22Aと仕切り板47との間)にクランプ683が設けられている。図41に示すように、クランプ683は、原動機室E2からエアコン本体136へ配策される複数の配管類(第1配管684A~第4配管684D)を留めるための部材であり、且つ原動機室E2と隔壁部材22A及び仕切り板47の前方との間をシールしながら複数の配管類を通すための部材でもある。
図42に示すように、第1配管684A及び第2配管684Bは、暖房用の配管であり、ホースで形成されている。詳しくは、第1配管684A及び第2配管684Bは、一方が原動機E1からエアコン本体136へ配策される熱媒供給用の配管であり、他方がエアコン本体136から原動機E1へ配策される熱媒戻し用の配管である。第3配管684C及び第4配管684Dは、冷房用の配管であり、金属管で形成されている。詳しくは、第3配管684C及び第4配管684Dは、一方が、コンプレッサG1からエアコン本体136に配策される冷媒供給用の配管であり、他方がエアコン本体136からコンプレッサG1へ配策される冷媒戻し用の配管である。
図39に示すように、クランプ683は、点検開口71の機体幅方向K2の略中央部の下方に配置されている。仕切り板47におけるクランプ683が設置される部分には、図42、図43に示すように、切欠き凹部685が形成されている。切欠き凹部685は、正面視で上方に開口した溝形に形成されている。詳しくは、切欠き凹部685は、機体幅方向K2に延びる底面685aと、底面685aの機体幅方向K2の一端(左端)から上方に延びる一側面685bと、底面685aの機体幅方向K2の他端(右端)から上方に延びる他側面685cとを有している。図43、図44に示すように、仕切り板47は、一側面685bが形成された第1壁部47aと、他側面685cが形成された第2壁部47bと、底面685aが形成された第3壁部47cとを有する。クランプ683は、ゴム等の弾性体によって矩形のブロック状に形成されており、切欠き凹部685に上方から挿入される。
図42、図43に示すように、クランプ683は、仕切り板47の背面に固定されたステー686と、ステー686に上方から取り付けられてクランプ683を押さえる押さえ部材687とによって仕切り板47に固定される。
図42、図43に示すように、ステー686は、クランプ683(切欠き凹部685)の一側方(左方)に設けられた第1ステー686Lと、クランプ683の他側方(右方)に設けられた第2ステー686Rとを含む。ステー686は、仕切り板47の背面に固定された固定壁686aと、固定壁686aの上端から後方に延びる支持壁686bとを有する。支持壁686bの後部には、挿通穴688が貫通して形成されている。挿通穴688は、第1ステー686Lに形成された第1挿通穴688Lと、第2ステー686Rに形成された第2挿通穴688Rとを含む。また、支持壁686bの後部の下面には、挿通穴688に連通するネジ穴(内面に雌ネジが切られた穴)を有するナット689が固定されている。ナットは、第1ステー686Lに固定された第1ナット689Lと、第2ステー686Rに固定された第2ナット689Rとを含む。
押さえ部材687は、板材を折曲することで形成されている。押さえ部材687は、上壁691と、押さえ部692と、側壁693と、規制部694と、取付壁695とを有している。上壁691は、板面が上下を向くように形成され、クランプ683の上端の後方に配置される。押さえ部692は、上壁691から前方に延びていてクランプ683の上面に当接する。側壁693は、上壁691の左端から下方に延びる第1側壁693Lと、上壁691の右端から下方に延びる第2側壁693Rとを含む。規制部694は、上壁691の左端前部から下方に延びる第1規制部694Lと、上壁691の右端前部から下方に延びる第2規制部694Rとを含む。第1規制部694Lは、第1側壁693Lの前部に一体形成され、第2規制部694Rは、第2側壁693Rの前部に一体形成されている。規制部694は、側壁693よりも下方に突出するように形成されている。また、規制部694は、クランプ683の背面に当接する。詳しくは、第1規制部694Lは、クランプ683の背面左端側に当接し、第2規制部694Rは、クランプ683の背面右端側に当接する。取付壁695は、第1側壁693Lの後部から左方に延びる第1取付壁695Lと、第2側壁693Rの後部から右方に延びる第2取付壁695Rとを含む。第1取付壁695Lには、第1貫通穴696Lが形成され、第2取付壁695Rには、第2貫通穴696Rが形成されている。
押さえ部材687は、クランプ683を切欠き凹部685に挿入した状態で、ステー686に取り付けられる。詳しくは、押さえ部材687は、押さえ部692をクランプ683の上面に当接させると共に規制部694をクランプ683の背面に当接させ、且つ第1取付壁695Lを第1ステー686Lの支持壁686bに重ね合わせると共に第2取付壁695Rを第2ステー686Rの支持壁686bに重ね合わせる。この状態で、上から第1ボルト697Lを第1貫通穴696L及び第1挿通穴688Lを通して第1ナット689Lにねじ込むと共に第2ボルト697Rを第2貫通穴696及び第2挿通穴688Rを通して第2ナット689Rにねじ込む。これにより、押さえ部材687によってクランプ683が仕切り板47に取り付けられる。
図46、図47に示すように、クランプ683は、一側面685b側に形成された第1凹部698と、他側面685c側に形成された第2凹部699と、底面685a側に形成された第3凹部700とを有する。
図44、図46に示すように、第1凹部698は、第1前向き面698aと、第1下向き面698bと、第1横向き面698cとを有している。第1前向き面698aは、第1壁部47aの背面に当接する。第1下向き面698bは、第1前向き面698aの上端から前方に延びるように形成されていて第1壁部47aの上面に当接する。第1横向き面698cは、第1前向き面698aの一側面685b側の端部から前方に延びるように形成されていて一側面685bに当接する。
図44、図47に示すように、第2凹部699は、第2前向き面699aと、第2下向き面699bと、第2横向き面699cとを有している。第2前向き面699aは、第2壁部47bの背面に当接する。第2下向き面699bは、第2前向き面699aの上端から前方に延びるように形成されていて第2壁部47bの上面に当接する。第2横向き面699cは、第2前向き面699aの他側面685c側の端部から前方に延びるように形成されていて他側面685cに当接する。
図44、図46、図47に示すように、第3凹部700は、第3前向き面700aと、第3下向き面700bと、第4下向き面700cとを有する。第3前向き面700aは、第1前向き面698aと第2前向き面699aの下部同士を接続し且つ第3壁部47cの背面に当接する。第3下向き面700bは、第3前向き面700aの上端から前方に延びるように形成されていて底面685aに当接する。第4下向き面700cは、第3下向き面700bの前方に位置し且つ第3下向き面700bよりも低い位置に形成されている。
図42に示すように、クランプ683は、配管類が通る複数の管挿通部(第1管挿通部701A、第2管挿通部701B、第3管挿通部701C、第4管挿通部701D)を有する。各管挿通部は、機体前後方向K1に貫通状に形成されている。第1管挿通部701Aは、第1配管684Aを通す穴である。第2管挿通部701Bは、第2配管684Bを通す穴であって、第1管挿通部701Aに機体幅方向K2で隣接すると共に第1管挿通部701Aより上方に形成されている。第3管挿通部701Cは、第3配管684Cを通す穴であって、第2管挿通部701Bに機体幅方向K2で隣接すると共に第2管挿通部701Bより下方に形成されている。第4管挿通部701Dは、第4配管684Dを通す穴であって、第3管挿通部701Cに機体幅方向K2で隣接すると共に第3管挿通部701Cより上方に形成されている。即ち、複数の管挿通部は、機体幅方向K2について隣り合う管挿通部同士が上下に位置ずれするように設けられている。これにより、クランプ683を機体幅方向K2にコンパクトに形成することができる。
図42、図44に示すように、クランプ683は、上部の第1部材683Aと、下部の第2部材683Bとに2分割されている。第1管挿通部701Aは、第1部材683Aに形成された凹部705Aと第2部材683Bに形成された凹部705Bとによって構成されている。第2管挿通部701Bは、第1部材683Aに形成された凹部702Aと第2部材683Bに形成された凹部702Bとによって構成されている。第3管挿通部701Cは、第1部材683Aに形成された凹部703Aと第2部材683Bに形成された凹部703Bとによって構成されている。第4管挿通部701Dは、第1部材683Aに形成された凹部704Aと第2部材683Bに形成された凹部704Bとによって構成されている。即ち、クランプ683は、複数の管挿通部を二分する割面707で上下に分割されている。したがって、クランプ683は、第1部材683Aと第2部材683Bとで協働して配管類を挟むことで、該配管類を留める。
図45に示すように、第1管挿通部701Aには、軸心方向(機体前後方向K1)の両端に、つば部706が円周方向にわたって形成されている。第1配管684Aは、ゴム等の弾性変形可能なホースによって形成されているので、第1管挿通部701Aの内面全体を第1配管684Aに接触させるようにすると、第1部材683Aと第2部材683Bとで第1管挿通部701Aを挟んだ際に、第1管挿通部701Aをつぶしてしまう虞がある。そこで、第1管挿通部701Aの軸心方向の両端につば部706を付けることにより、第1配管684Aをつぶすのを防止することができる。第2管挿通部701Bの軸心方向両端にも上記と同様のつば部706が形成されている。これにより、第2管挿通部701Bによって第2配管684Bをつぶすのを防止することができる。
図46、図47に示すように、割面707は、第1凹部698及び第2凹部699の上下方向中途部に形成されている。つまり、クランプ683は、第1凹部698及び第2凹部699を上下に分割する割面で上下に分割されている。
図42に示すように、規制部694は、第1部材683Aから第2部材683Bの上部にわたってクランプ683の背面に当接している。図39、図42に示すように、隔壁部材22Aの下部には、複数のシール部材708A、708Bが設けられ、シール部材708Aは、押さえ部692と、仕切り板47の切欠き凹部685右方に設けたシール当たり部材709に当接し、シール部材708Bは、仕切り板47の切欠き凹部685左方に設けたシール当たり部材710に当接している。
上記のクランプ683にあっては、第1部材683Aは、仕切り板47に後方から当接していて後方移動可能である。第1部材683Aの後方移動は、規制部694で規制されている。また、第1部材683Aは、押さえ部692によって上から押さえられてもいる。押さえ部材687を取り外すと、第1部材683Aに対する規制が解除され、第1部材683Aを後方(原動機室E2側に)に外すことができる。第1部材683Aを外すと、配管類の交換、例えば、ホースからなる第1配管684A及び第2配管684Bの交換をすることができる。また、クランプ683及び押さえ部材687には、点検開口71からアクセス可能であり、オペレータは、点検開口71から手を入れて押さえ部材687を取り外すことができる。押さえ部材687を取り外すと、第1部材683Aは、後方に移動可能となるので、オペレータは、点検開口71を介して第1部材683A(クランプ683)を後方側(原動機室E2側)に取り外すことができる。これにより、隔壁部材22Aを外さなくても、配管類の交換をすることができる。
図45に示すように、第4下向き面700cは、第3下向き面700bよりも低い位置に形成されていることから、第3前向き面700aの上部と、第3下向き面700bと、第3下向き面700bの前端と第4下向き面700cの後端との間の後向き面700dとで、第3壁部47cの上部に嵌る溝711が形成される。これにより、第2部材683Bが仕切り板47に係止され、第2部材683Bの前後移動が規制されている。第2部材683Bを上方移動させて第3壁部47cから溝711を外すことで、第2部材683Bも取り外すことができる。
図5に示すように、運転席6は、隔壁部材22Aの前方に配置されている。詳しくは、運転席6は、原動機E1の前方で且つフロアステップ52の後部に搭載されている。
図48に示すように、運転席6の一側方(左の側方)には、左のコンソール79Lが配置されている。運転席6の他側方(右の側方)には、右のコンソール79Rが配置されている。つまり、コンソール79L、79Rは、運転席6の両側方に配置されている。コンソール79Lには、アンロードレバー76、左の操作レバー77L及び左のアームレスト78L等が設けられている。コンソール79Rには、右の操作レバー77R、右のアームレスト78R、ドーザレバー(レバー部材)80が設けられている。
運転席6は、オペレータの臀部を支持する座部6Aと、オペレータの背中を支持する背もたれ部6Bとを有する。
アンロードレバー76は、油圧機器(例えば、作業装置4を駆動する油圧シリンダや機体2を旋回させる旋回モータM1等)に対して作動油の供給が許容される状態と、油圧機器に対して作動油の供給ができなくなる状態とに切り替えるレバーである。アンロードレバー76が、図48に示す状態では、油圧機器に対して作動油の供給が許容され、この状態からアンロードレバー76を上方に揺動すると、油圧機器に対して作動油の供給ができなくなる。また、アンロードレバー76を上方に揺動すると、コンソール79Lが、後部の下部を支点として上方に揺動する。これにより、操作レバー77L、コンソール79Lがオペレータの乗り降りに邪魔にならず、オペレータの乗り降りがし易くなる。図1に示すように、キャビン5は、左側にオペレータが乗り降りするための乗降口29を有し、乗降口29はドア28によって開閉可能である。
操作レバー77Lは、2つの操作対象を操作可能であり、例えば、機体2の旋回操作及びアーム16の揺動操作が可能である。操作レバー77Rも、2つの操作対象を操作可能であり、例えば、ブーム15の揺動操作及びバケット17の揺動操作が可能である。操作レバー77Lは、コンソール79Lの前部に配置されるパイロットバルブを操作して機体2及びアーム16を操作する。操作レバー77Rは、コンソール79Rの前部に配置されるパイロットバルブを操作してブーム15及びバケット17を操作する。
ドーザレバー80は、ドーザ装置7を操作するレバーである。ドーザレバー80は、コンソール79Rの中途部に配置されるパイロットバルブを操作してドーザ装置7を操作する。
操作レバー77L、操作レバー77R及びドーザレバー80によって操作されるパイロットバルブは、油圧ホース、油圧継手等を介してコントロールバルブV1に接続される。
図49、図50に示すように、運転席6の下方には、シート台83が設けられている。シート台83は、フロアステップ52(機体2)に取り付けられている。シート台83には、第1レール装置(レール装置)84を介して可動体85が前後位置調節可能に支持されている。第1レール装置84は、左の第1スライドレール84L及び右の第1スライドレール84Rを含む。可動体85には、コンソール79L及びコンソール79Rが取り付けられている。
可動体85には、運転席6が搭載されている。詳しくは、可動体85には、第2レール装置(他のレール装置)86を介して運転席6が前後位置調節可能に支持されている。第2レール装置86は、左の第2スライドレール86L及び右の第2スライドレール86Rを含む。運転席6は、可動体85と共に第1レール装置84によって前後位置が調節可能である。つまり、第1レール装置84は、可動体85を介して運転席6を前後位置調節可能に支持している。
可動体85は、シート台83に第1スライドレール84L,84Rを介して取り付けられたスライドフレーム87と、スライドフレーム87上に取り付けられたサスペンション(支持体)88とを有する。スライドフレーム87は、サスペンション88が取り付けられた第1取付部(メイン取付部)87Aと、第1取付部87Aから左方に延出する第2取付部(他方側取付部)87Lと、第1取付部87Aから右方に延出する第3取付部(一方側取付部)87Rとを有する。第2取付部87Lにコンソール79Lが取り付けられ、第3取付部87Rにコンソール79Rが取り付けられている。
サスペンション88に、第2スライドレール86L,86Rを介して運転席6が前後位置調節可能に取り付けられている。サスペンション88は、運転席6に作用するオペレータの荷重を支持すると共に、下方からの振動や衝撃が運転席6に伝わるのを緩和する緩衝装置である。また、サスペンション88は、運転席6の高さを調節する高さ調節機構を有していてもよい。
図51、図52に示すように、シート台83は、天板713と、天板713の前部を支持する前支持脚714と、天板713の後部を支持する後支持脚715とを有している。天板713は、板面を上下に向けて運転席6及び可動体85の下方且つフロアステップ52の上方に配置される。前支持脚714は、天板713の前端から下方に延出された前壁部714aと、前壁部714aの下端から前方に延出されていてフロアステップ52に載置され且つ取り付けられる取付壁部714bとを有する。シート台83の内側(天板713の下方且つ前壁部714aの後方)にエアコン本体136が配置されている(図5参照)。エアコン本体136は、フロアステップ52に取り付けられる。
図51、図52に示すように、後支持脚715は、天板713の後部に固定された支持板716と、支持板716に固定されていてフロアステップ52に取り付けられた脚部717とを有する。支持板716は、天板713の下面に固定されている。詳しくは、支持板716は、天板713の後部下面に溶接によって固定された上壁716aと、上壁716aの後端から下方に延出された後壁716bとを有する。また、支持板716は、天板713の機体幅方向K2にわたって形成されていると共に天板713から左方に突出している。脚部717は、支持板716の左部に固定された第1脚部717Lと、支持板716の右部に固定された第2脚部717Rとを含む。第1脚部717L及び第2脚部717Rは、ステップ上に載置され且つ取り付けられている。
図53、図54に示すように、第1スライドレール84L、84Rは、前後方向K1に長く形成され、且つ下部のロアレール89と、上部のアッパレール90とを有する。図51、図52に示すように、ロアレール89は、シート台83に取り付けられている。アッパレール90は、ロアレール89に前後方向K1に移動可能に嵌められて支持されていると共にスライドフレーム87に取り付けられている。これにより、シート台83に対して可動体85が前後方向K1に移動可能とされている。
図53に示すように、アッパレール90の前部には、ロアレール89の前端に当接することによりロアレール89に対するアッパレール90の後方移動を規制する規制部材93が取り付けられている。
図55に示すように、ロアレール89は、前後方向K1に間隔をあけて設けられ且つ前部から後部にわたって形成された多数の係合部91Aを有する。図56に示すように、アッパレール90内には、係合部91Aに係合する係合部材92Aが設けられている。係合部材92Aが係合部91Aに係合している状態では、ロアレール89に対するアッパレール90の前後移動が規制(第1スライドレール84L,84Rがロック)される。
図54に示すように、アッパレール90には、操作杆94が取り付けられている。操作杆94は、一端部94aが左の第1スライドレール84Lのアッパレール90に取り付けられ、他端部94bが右の第1スライドレール84Lのアッパレール90に取り付けられている。操作杆94は、係合部材92Aに連動しており、操作杆94を引き上げることにより、係合部材92Aが係合部91Aから離反する。これにより、ロアレール89に対するアッパレール90の前後移動が許容される。操作杆94の操作力を解除すると、操作杆94は、バネの付勢力により下方に引き下げられ、係合部材92Aが係合部91Aに係合する。
図57に示すように、第2スライドレール86L,86Rは、前後方向K1に長く形成され、ロアレール95と、アッパレール96とを有する。
図56に示すように、ロアレール95は、サスペンション88に取り付けられている。アッパレール96は、ロアレール95に前後方向K1に移動可能に嵌められていると共に運転席6に固定されたブラケット部材6aに取り付けられている。これにより、可動体85に対して運転席6が前後方向K1に移動可能とされている。
図55に示すように、ロアレール95は、前後方向K1に間隔をあけて設けられ且つ前部から後部にわたって形成された多数の係合部91Bを有する。図56に示すように、アッパレール96内には、係合部91Bに係合する係合部材92Bが設けられている。係合部材92Bが係合部91Bに係合している状態では、ロアレール95に対するアッパレール96の前後移動が規制(第2スライドレール86L,86Rがロック)される。
図57に示すように、アッパレール96には、操作杆97が取り付けられている。操作杆97は、一端部97aが左の第1スライドレール84Lのアッパレール96に取り付けられ、他端部97bが右の第1スライドレール84Lのアッパレール96に取り付けられている。操作杆97は、係合部材92Bに連動しており、操作杆97を引き上げることにより、係合部材92Bが係合部91Bから離反する。これにより、ロアレール95に対するアッパレール96の前後移動が許容される。操作杆97の操作力を解除すると、操作杆97は、バネの付勢力により下方に引き下げられ、係合部材92Bが係合部91Bに係合する。
図51、図52に示すように、シート台83の天板713に、レール取付板718が設けられている。レール取付板718に第1レール装置84のロアレール89が取り付けられている。
図50に示すように、レール取付板718は、第1スライドレール84Lが取り付けられる第1レール取付板718Lと、第1スライドレール84Rが取り付けられる第2レール取付板718Rとを含む。
図56、図58に示すように、レール取付板718は、前後方向に長い矩形の厚板材(フラットバー)で形成されている。天板713におけるレール取付板718の配置部分には、取付穴719が上下方向に貫通状に形成されている。取付穴719は、レール取付板718の平面形状と略同形で且つレール取付板718が挿入可能である。また、取付穴719は、天板713の前端側から後端側にかけて形成されている。支持板716(上壁)は、平面視で取付穴719と交差するように天板713の下面に固定されている。
図56に示すように、レール取付板718の板厚は、天板713の板厚よりも厚く、本実施形態では、レール取付板718の板厚は、天板713の板厚の略2倍の厚さに形成されている。レール取付板718は、下半部が取付穴719内に天板713の下面近傍にまで挿入されている。また、レール取付板718の下面は、天板713の下面よりも若干高い位置に形成されている。したがって、レール取付板718の上半部は、天板713から上方に突出している。レール取付板718は、溶接によって、天板713に固定されている。溶接は、レール取付板718の周囲(取付穴719の縁)に断続状に施されている。
図56に示すように、レール取付板718には、複数の挿通穴720が上下方向に貫通状に形成されている。挿通穴720は、レール取付板718の前部、中途部及び後部に形成されている。レール取付板718の下面の各挿通穴720に対応する部分にロアレール89を取り付けるための取付ナット721が固定されている。ロアレール89は、底壁89aと、底壁89aの機体幅方向K2の一端から立ち上がる一端側壁89bと、底壁89aの機体幅方向K2の他端から立ち上がる他端側壁89cと、一端側壁89bの上端から機体外方に延出する一端延出壁89dと、他端側壁89cの上端から機体内方に延出する他端延出壁89eとを有する。一端延出壁89d及び他端延出壁89eに係合部91Aが形成されている。
ロアレール89は、レール取付板718の上面(取付面)718aに載置されて取付ボルト722によって取り付けられる。詳しくは、ロアレール89は、底壁89a及び挿通穴720に取付ボルト722を上方から貫通し且つ該取付ボルト722を取付ナット721にねじ込むことにより、レール取付板718に取り付けられている。
ところで、ロアレール89を組み付ける相手の平面度が出ていないとアッパレール90が摺動し難い。例えば、ロアレール89をシート台83の天板713に直接取り付けると、天板713に支持板716を溶接する際の溶接歪みによってロアレール89を取り付ける取付面の平面度が出ないため、第1レール装置84がスライドしない。
本実施形態では、天板713に形成された取付穴719にレール取付板718を挿入し且つレール取付板718を天板713に溶接によって固定し、厚板材で形成されたレール取付板718の上面を第1レール装置84を取り付ける取付面718aとすることで、取付面718aの平面度を出すことができる。
レール取付板718を天板713に溶接固定するには、取付穴719に挿入した状態で、レール取付板718を上面が水平になるようにジグで下から支えると共に、該ジグで支えた状態でレール取付板718を天板713に溶接固定する。本実施形態では、第1レール装置84の取付面をフライスによって平滑にするのではなく、レール取付板718の溶接精度で取付面718aの平面度を出している。また、取付穴719にレール取付板718を挿入して天板713に溶接するという構造をとることにより、レール取付板718として天板713よりも厚い板厚の材料を使うことができ、運転席6及び可動体85等の重量物を支持するための強度を十分に確保することができる。
また、支持板716を平面視で取付穴719と交差するように天板713の下面に固定することで、取付穴719を天板713の後端近傍にまで形成することができる。また、レール取付板718の下面を天板713の下面よりも高い位置にすることで、支持板716を天板713の下面に面接触させることができる。
上記の運転席6の前後位置調節構造にあっては、可動体85に対して運転席6を前後方向K1に位置調節することにより、オペレータと操作レバー77L,77Rとの前後方向K1の位置関係を調節することができる。これにより、肘の曲がりの楽な姿勢でオペレータが操作レバー77L,77Rを操作することができる状態に運転席6の位置を設定することができる。また、可動体85を前後に位置調節することにより、オペレータと操作レバー77L,77Rとの前後方向K1の位置関係を保持したまま、運転席6の前後位置を調節することができる。
図49に示すように、運転席6の後部には、ストッパ98が設けられている。ストッパ98は、当接部材99の前方に配置されている。ストッパ98が当接部材99に当接することで運転席6の後方移動を規制することができる。また、ストッパ98は、運転席6が隔壁部材22Aに干渉する前に当接部材99に当接する。これにより、運転席6が隔壁部材22Aと干渉するのを防止することができる。
図59に示すように、ストッパ98は、運転席6の骨格を形成するシートフレーム6Cに取り付けられた支持ブラケット100に前後方向K1に位置調節可能に取り付けられている。ストッパ98は、当接部材99に当接する当たり部98aと、当たり部98aから前方に突出するネジ軸98bとを有する。ネジ軸98bは、棒材の外周面に雄ネジが形成された部材である。具体的には、ネジ軸98bは、ボルトによって構成され、該ボルトの頭部が当たり部98a内に埋設されている。
支持ブラケット100は、シートフレーム6Cに取り付けられた第1部位100aと、第1部位100aの後端から上方に延出された第2部位100bとを有する。第2部位100bは、前後方向K1の軸心を有するネジ穴102を有する。ネジ穴102は、支持ブラケット100を貫通して形成された貫通穴の内周面に雌ネジを形成した穴である。このネジ穴102にネジ軸98bがねじ込まれている。ネジ軸98bを螺進(ねじ込む)又は螺退する(緩める)ことにより、当接部材99に対してストッパ98が前後方向K1に位置調節可能である。ネジ軸98bには、ストッパ98の位置を固定するロックナット101がねじ込まれている。
図50に示すように、ストッパ98は、本実施形態では、座部6Aの後部の左方に設けられた第1ストッパ98Lと、座部6Aの後部の右方に設けられた第2ストッパ98Rとを含む。第1ストッパ98Lは、第1当接部材99Lの前方に位置し、第2ストッパ98Rは、第2当接部材99Rの前方に位置している。第1当接部材99Lに、第1ストッパ98Lが当接し、第2当接部材99Rに右の第2ストッパ98Rが当接する。
可動体85を移動領域の後端に移動させた際に、ストッパ98が当接部材99に当たらない状態であるときには、規制部材93によって可動体85及び運転席6の後方移動が規制される。可動体85を移動領域の後端に移動させた際に、ストッパ98が当接部材99に当たる状態であるときには、ストッパ98によって可動体85及び運転席6の後方移動が規制される。また、運転席6だけを後方に移動させるときには、ストッパ98によって運転席6の後方移動が規制される。即ち、ストッパ98は、可動体85を後方移動したときの位置規制及び運転席6だけを後方移動したときの位置規制の両方の位置規制を行う。
可動体85を移動領域の後端側に移動させ且つストッパ98の後方移動が当接部材99で規制される状態で、運転席6は、可動体85に対して後方に位置調節可能な余裕を有している。したがって、この状態から可動体85を前方移動させると、運転席6は後方に移動可能である。そして、運転席6を後方に移動させることで操作レバー77L,77Rと運転席6の前後方向距離を広げることができる。これにより、運転時において、オペレータが操作レバー77L,77Rを操作しやすい、快適な姿勢(肘が曲がりすぎず、腕を適度に伸ばした姿勢)にすることができる。
また、オペレータが乗り降りする際には、可動体85を移動領域の後端側に移動させた状態でストッパ98が当接部材99に当たる位置になるように、可動体85に対する運転席6の前後位置を調節することにより、運転席6及び可動体85を隔壁部材22Aに近接させた状態にすることができる。即ち、乗り降り時には、操作レバー77Lが邪魔にならないように、運転席6及び操作レバー77Lを隔壁部材22Aに近接させた状態にスライドさせることができる。
また、第1スライドレール84L,84Rは、可動体85を後方に移動させてストッパ98が当接部材99に当接した後、ストッパ98と当接部材99との間に隙間のできる状態で、前後移動不能にロックされる。即ち、ストッパ98が当接部材99に当接した状態では、係合部材92Aが係合部91Aに係合せず、ストッパ98が当接部材99に当接した状態から可動体85を少し前に移動させると係合部材92Aが係合部91Aに係合して第1スライドレール84L,84Rがロックされる。
運転席6がサスペンション88によって支持されているため、運転席6にオペレータが座ったときや機体2の上下振動によって、機体2と運転席6とが上下に相対移動する。ストッパ98が当接部材99に当接した状態で第1スライドレール84L,84Rがロックされると、ストッパ98と当接部材99とが擦れ合う。そこで、ストッパ98と当接部材99との間に隙間を設けることにより、ストッパ98と当接部材99との擦れ合いを防止することができる。
また、前記と同様の理由で、第2スライドレール86L,86Rは、ストッパ98が当接部材99に当接した後、ストッパ98と当接部材99との間に隙間のできる状態で、前後移動不能にロックされる。
また、閉塞プレート72を取り外して点検開口71を開けるときには、運転席6及び可動体85を移動域の前端に移動させる。
図60に示すように、フロアステップ52におけるシート台83の側方には、グロメット体723が取り付けられている。詳しくは、グロメット体723は、運転席6及びシート台83の後部の右側方に配置されている。図61に示すように、グロメット体723は、フロアステップ52の後部且つ右部に取り付けられている。グロメット体723は、ゴム等の弾性体によって形成されている。
図61、図62に示すように、フロアステップ52は、機体2の床面を形成する主板724と、主板724に着脱可能に取り付けられた複数の板材(第1板725A~第4板725D)で構成されたカバー板725とを有する。主板724は、フラットな一枚の板材で形成されている。
図62に示すように、主板724は、該主板724を上下方向に貫通して形成された開口部726を有する。開口部726を介してフロアステップ52の下方に設置される機器等(例えば、旋回モータM1等)を点検することができる。開口部726は、第1開口726Aと、第2開口726Bと、第3開口726C、第4開口726Dとを含む。第1開口726Aは、主板724の右部の後部に形成されている。第2開口726Bは、第1開口726Aの前部から主板724の右の外縁部724a(制御器24が配置された側の縁部)にかけて形成されている。第3開口726Cは、第1開口726Aの前部に連続しており、且つ第1開口726Aから前方に延びている。第4開口726Dは、第3開口726Cから左方に延びている。
図61、図62に示すように、開口部726は、カバー板725及びグロメット体723によって塞がれる。詳しくは、第1板725Aは、第1開口726Aの前部を塞いでいる。第1開口726Aの後部は、グロメット体723で塞がれている。第2板725Bは、第2開口726Bを塞いでいる。詳しくは、第2板725Bは、第2開口726Bを形成する第1部位724bと第2部位724cとをフロアステップ52の上面側で接続している。第1部位724bと第2部位724cとの下面側同士は、上方に開口する溝形に形成された接続部材728で接続されている。第3板725Cは、第3開口726Cを塞いでいる。第4板725Dは、第4開口726Dを塞いでいる。カバー板725は、主板724にボルトによって取り付けられる。詳しくは、第1板725A~第4板725Dは、主板724の上面に上から重ね合わされてボルトによって固定され、第1板725Aの前端側は、第3板725Cの後端側で押さえられ、第3板725Cの左端側は、第4板725Dの右端側で押さえられる。
図63に示すように、グロメット体723は、グロメット本体740と、グロメット本体740とは別体のグロメット分割体741とで構成(分割)されている。
また、図61に示すように、グロメット体723は、電気配線を束ねたハーネス(メインハーネス)730を通すハーネスグロメット部731を有している。ハーネス730は、図60に示すように、制御器24から第2板725Bと接続部材728との間を通ってフロアステップ52の下面側に配策され、その後、ハーネスグロメット部731を通って(開口部726を通って)フロアステップ52の上方に配策される。ハーネス730は、ハーネスグロメット部731を通った後、分岐されてキャビン5内の電気機器へ配策される。
図66に示すように、ハーネスグロメット部731は、ハーネス730を通す上下方向貫通状のハーネス通し穴735を有する。ハーネスグロメット部731は、上下方向の軸心を有し、上端部及び下端部にリップ形状部736が形成されている。リップ形状部736は、ハーネスグロメット部731の軸心を中心とする周方向に環状に形成されている。このリップ形状部736によってシール性が向上する。
図63に示すように、ハーネスグロメット部731は、ハーネス730を通すハーネス通し穴735を二分するように分割されている。本実施形態では、ハーネスグロメット部731は、前後に分割されている。分割されたハーネスグロメット部731の一部(第1分割部という)731Aは、グロメット本体740に一体に形成されている。詳しくは、グロメット本体740は、基部(第1基部という)742を有し、該第1基部742は、第1部位742aと、第1部位742aの後部から左方に突出する第2部位742bとを有しており、第1分割部731Aは、内面(ハーネス通し穴735の内面)が前方を向く状態で第2部位742b(グロメット本体740)に一体形成されている。分割されたハーネスグロメット部731の他部(第2分割部という)731Bは、グロメット分割体741に一体に形成されている。詳しくは、グロメット分割体741は、基部(第2基部という)744を有し、第2基部744の後部に、第2分割部731Bが一体形成されている。第2分割部731Bは、内面(ハーネス通し穴735の内面)が後方を向く状態で第2基部744に一体形成されている。
図61に示すように、グロメット体723は、複数の油圧ホース732を通すホースグロメット部733を有している。複数の油圧ホース732は、コントロールバルブV1からフロアステップ52の下側に配策されるパイロットホースである。ホースグロメット部733は、グロメット本体740に一体に形成されている。詳しくは、ホースグロメット部733は、全部分が第1基部742に上方突出状に一体形成されている。
図60に示すように、複数の油圧ホース732は、フロアステップ52の下面側からホースグロメット部733を通って(開口部726を通って)フロアステップ52の上方側に配策される。図61に示すように、フロアステップ52の上方側に配策された複数の油圧ホース732は、左のパイロットバルブ734Lに接続される(左のコンソール79Lに配策される)複数の油圧ホース732aと、右のパイロットバルブ734Rに接続される(右のコンソール79Rに配策される)複数の油圧ホース732bとを含む。左のパイロットバルブ734Lは、左のコンソール79Lの前部に設けられ、左の操作レバー77Lで操作される。右のパイロットバルブ734Rは、右のコンソール79Rの前部に設けられ、右の操作レバー77Lで操作される。左のパイロットバルブ734Lに接続される複数の油圧ホース732aは、ホースグロメット部733から立ち上がった後、スライドフレーム87(第1取付部87A)の上方且つサスペンション88の背面下部を横切って左方に配策され、その後、第2取付部87Lの側方を通って左のコンソール79Lの前部で立ち上がっている。右のパイロットバルブ734Rに接続される複数の油圧ホース732bは、ホースグロメット部733から立ち上がって右のコンソール79Rの前部へ配策されている。
図65に示すように、ホースグロメット部733は、油圧ホース732を通す上下方向貫通状のホース通し穴737を有する。また、ホースグロメット部733は、上下に伸縮する蛇腹形状に形成されている。詳しくは、ホースグロメット部733は、上下方向の軸心を有し、該軸心を中心とする周方向に環状の突条部738を上下2段有する蛇腹部733bを具備している。突条部738は、外側に湾曲状に膨出しており、該突条部738が上下方向に延び又は縮むことで、ホースグロメット部733が上下に伸縮する。
ホースグロメット部733の上部の首部733aには、リング状のクランプ具(固定具)739が設けられている。クランプ具739は、蛇腹部733b(上段の突条部738)より上方に設けられている。クランプ具739は、ホースグロメット部733における蛇腹部733bよりも上方の部分を油圧ホース732側に締め付ける。したがって、ホースグロメット部733に挿通された複数の油圧ホース732は、クランプ具739によってホースグロメット部733の上部に(蛇腹部733bの上方で)固定される。
本実施形態にあっては、可動体85の前後位置を調節すると、運転席6と共にパイロットバルブ734L、734Rも前後に動く。このパイロットバルブ734L、734Rの前後の動きに連動して油圧ホース732も動く。油圧ホース732は、ホースグロメット部733内においては上下に動くが、この油圧ホース732の上下の動きにホースグロメット部733の蛇腹形状が追従する。もし、ホースグロメット部733が蛇腹形状でない場合は、油圧ホース732が動くと、該油圧ホース732がフロアステップ52の下方に落ち込んでしまう。油圧ホース732がフロアステップ52の下方に落ち込むと、油圧ホース732が可動体85の動きを妨げたり、破損したりする虞がある。本実施形態では、蛇腹形状によって油圧ホース732の落ち込みを防止することができる。
図60に示すように、ハーネスグロメット部731とホースグロメット部733とは、グロメット体723に、機体幅方向K2で並ぶように設けられている。詳しくは、ハーネスグロメット部731は、シート台83とホースグロメット部733との間に設けられている。つまり、ホースグロメット部733は、ハーネスグロメット部731の運転席6とは反対側の側方(右方)に設けられている。油圧ホース732は、ホースグロメット部733から運転席6側へ湾曲させて配策されるが、ホースグロメット部733を運転席6から遠ざけることにより、油圧ホース732の曲率半径を大きくとることができる。また、組付け上、油圧ホース732は、ハーネス730よりも先に組み付けられ、油圧ホース732をホースグロメット部733に通した状態で、シート台83に可動体85を組み付けると共に可動体85にコンソール79L、79Rを組み付けてなる組立体をフロアステップ52に取り付ける際に、コンソール79L、79Rにサブアッシされたハーネス730をハーネスグロメット部731に通す。したがって、ハーネスグロメット部731がシート台83(運転席6)に近い側にあることにより、油圧ホース732をホースグロメット部733に固定した後でも、ハーネス730の組付けを容易に行える。
図65、図67に示すように、グロメット本体740は、スリット743を有している。スリット743は、グロメット本体740の右側に形成されている。詳しくは、スリット743は、ホースグロメット部733及び第1部位742aの右側を前後に分割するように形成されている。したがって、スリット743の隙間を広げることにより、該広げたスリット743の隙間から油圧ホース732をホースグロメット部733(ホース通し穴737内)に挿入することができる。
図63、図65~図68に示すように、グロメット体723は、開口部726の縁部746に嵌る保持溝745を有している。本実施形態では、保持溝745が嵌る開口部726の縁部746は、第1開口726Aの後部側の縁部746である。保持溝745は、第1基部742の右側面から後面をへて第2基部744の左側面にわたって連続状に形成されている。つまり、保持溝745は、第1基部742の右側面、後面及び左側面に形成された第1保持溝745Aと、第2基部744の左側面に形成された第2保持溝745Bとを含む。保持溝745を縁部746に嵌めることにより、グロメット体723をフロアステップ52に保持することができる。
図63~図68に示すように、グロメット体723は、差込溝747を有する。図63、図67、図68に示すように、差込溝747は、グロメット体723の前部に形成されており、前方に開口している。また、差込溝747は、グロメット本体740からグロメット分割体741にわたって形成されている。つまり、差込溝747は、グロメット本体740に形成された第1差込溝747Aと、グロメット分割体741に形成された第2差込溝747Bとを含む。差込溝747は、保持溝745よりも高い位置に形成されている。また、差込溝747は、機体幅方向K2の中途部に、係合溝747aを有している。係合溝747aは、グロメット本体740とグロメット分割体741との機体幅方向K2における合わせ目部分に、グロメット本体740とグロメット分割体741とにわたって形成されている。係合溝747aは、後方に向かうにつれて機体幅方向K2の幅が狭くなるテーパ形状に形成されている。
図67、図68に示すように、第1板725A(カバー板725)は、後部に、差込溝747に差し込まれる差込部748を有する。差込部748は、機体幅方向K2の中途部に、係合溝747aに挿入される係合突部748aを有する。係合突部748aは、機体幅方向K2の溝幅が狭くなるテーパ形状に形成されている。係合突部748aのテーパ形状は、係合溝747aのテーパ形状に合致している。
図63に示すように、グロメット本体740は、第1部位742aの左側面の後部に段部(第1段部という)749を有している。図64に示すように、グロメット分割体741は、第1段部749に、上から係合する段部(第2段部という)750を有している。グロメット本体740にグロメット分割体741を合体させたときに、第1段部749に第2段部750が係合することにより、グロメット本体740に対してグロメット分割体741が下方へずれるのを防止することができる。
油圧ホース732、ハーネス730及びグロメット体723の組付けは、例えば、以下のようにして行われる。
先ず、開口部726に通した状態の油圧ホース732をホースグロメット部733に挿入して該油圧ホース732にグロメット本体740をクランプ具739で固定する。次に、グロメット本体740の保持溝745(第1保持溝745A)を開口部726の縁部746に嵌め込んでグロメット本体740をフロアステップ52の主板724に保持する。次に、シート台83と、可動体85と、ハーネス730がサブアッシされたコンソール79L、79Rとの組付体をフロアステップ52に取り付ける。次に、ハーネス730をハーネスグロメット部731の第1分割部731Aのハーネス通し穴735に前方から挿入する。次に、第1板725Aにサブアッシされたグロメット分割体741をグロメット本体740に対して機体前方側から機体後方側に向かって押し当てて合体させ且つグロメット分割体741の保持溝745(第2保持溝745B)を開口部726の縁部746に嵌め込むと共に、第1板725Aの差込部748をグロメット本体740の差込溝747(第1差込溝747A)に機体前方側から差し込む。この状態で、第1板725Aを主板724にボルト固定する。これにより、油圧ホース732、ハーネス730及びグロメット体723が組付けられる。
第1板725Aを主板724にボルト固定する際において、第1板725Aによってグロメット体723を後方に押圧して該グロメット体723を縁部746に押し付け、グロメット体723を縁部746に押し付けた状態で第1板725Aを主板724に固定する。これにより、グロメット体723のガタを防止することができる。また、係合突部748aが係合溝747aに係合することにより、機体幅方向K2におけるガタを防止することができる。
なお、第1板725Aを主板724にボルト固定する際において、グロメット分割体741をグロメット本体740に合体させた状態で、第1板725Aの差込部748を差込溝747に差し込むようにしてもよい。
図69に示すように、フロアステップ52におけるグロメット体723の左側には、シート台83の第2脚部717Rが取り付けられる。また、ハーネスグロメット部731の右側には、ホースグロメット部733が設けられている。さらに、グロメット体723は、フロアステップ52の後端側に組み付けられており、フロアステップ52の後方には、隔壁部材22Aが設けられる。したがって、グロメット分割体741を左方、右方又は後方から組み付けるのは困難である。本実施形態では、グロメット分割体741を前方から組み付けられるようにすることで、グロメット分割体741を容易に組み付けることができる。また、グロメット本体740にハーネスグロメット部731の一方とホースグロメット部733とを一体形成しているので、グロメット体723を狭小スペースに組み付けることができる。
次に、ハーネス730の配策経路について説明する。
図70~図73に示すように、ハーネス730は、第1ハーネス部730A~第3ハーネス部730Cを有している。
第1ハーネス部730Aは、図60に示すように、制御器24からフロアステップ52の下面側に配策されると共に、ハーネスグロメット部731を通ってフロアステップ52の下面側から上方に配策される。詳しくは、第1ハーネス部730Aは、(開口部726を挿通して)シート台83の右の(一方の)コンソール79R配置側の側方において開口部726を挿通してフロアステップの下面側から上方へ配策されている。
図70に示すように、第2ハーネス部730B及び第3ハーネス部730Cは、シート台83の上端(天板713の上面)より下方で第1ハーネス部730Aから分岐している。図72に示すように、第2ハーネス部730Bは、シート台83の右側方で立ち上がって右のコンソール79R(一方のコンソール)へ配策されている。詳しくは、第2ハーネス部730Bは、基幹部(第1基幹部という)751と、コンソール配策部(第1コンソール配策部という)752とを有する。第1基幹部751は、第1ハーネス部730Aから分岐すると共に前方に屈曲してシート台83の上端より下方で前方に延伸している。また、第1基幹部751は、スライドフレーム87の第1取付部87Aから機体幅方向一方に延出する第3取付部87R(一方側取付部)の下方に配置されている。第1コンソール配策部752は、第1基幹部751の前端側から機体外方(右方)に延出した後、第3取付部87Rの機体外方において上方に延びて右のコンソール79Rへ配策されている。第1コンソール配策部752は、コンソール79Rの後部側において更に複数のハーネスに分岐され、コンソール79Rに装備されたスイッチ類等の電気機器に接続されている。
図70、図71に示すように、第3ハーネス部730Cは、シート台83の上端とフロアステップ52の上面との間を左のコンソール79L(他方のコンソール)側に向けて延伸して設けられ、且つシート台83の左側方(一方のコンソール79R配置側とは反対側の側方)で立ち上がってコンソール79Lへ配策されている。詳しくは、第3ハーネス部730Cは、基幹部(第2基幹部)753と、コンソール配策部(第2コンソール配策部)754とを有する。第2基幹部753は、第1ハーネス部730Aから左方に向けて屈曲すると共に天板713の後部及び支持板716の下方を通って左方に向けて配策された後、支持板716の機体外方側で上方に向けて屈曲している。第2コンソール配策部754は、第2基幹部753の左部上端側から、スライドフレーム87の第1取付部87Aから機体幅方向他方に延出する第2取付部87L(他方側取付部)の機体外方を上方に延びた後、第2取付部87Lの上方を機体内方に延びると共にコンソール79Lへ配策されている。第2コンソール配策部754は、コンソール79Lに装備されたスイッチ類等の電気機器に接続されている。
支持板716の後壁716bの上下方向の板幅は、左部が右部及び中途部よりも幅広に形成されている。第2基幹部753は、後壁716bの下端形状に沿って配策されている。
図74に示すように、第3ハーネス部730Cは、隔壁部材22Aの前方且つ天板713の後部下方に配策されている。即ち、第3ハーネス部730Cは、隔壁部材22Aの前方且つ天板713の後部下方の空いたスペースを利用して配策されている。
図72、図73に示すように、ハーネス730は、第2ハーネス部730Bから分岐する第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eを有している。詳しくは、第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eは、第1基幹部751の前端側から分岐している。したがって、第1基幹部751は、第1ハーネス部730Aから第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eの分岐部分764に向けて延伸している。
図72に示すように、第1コンソール配策部752、第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eは、前後方向で並べて配置されている第4ハーネス部730Dは、表示制御器(メータECU)755に接続される。第5ハーネス部730Eは、リレーヒューズボックス756に接続される。表示制御器755は、運転席6の右前方に設けられる図100に示す表示装置859のための制御器であって、CPUやEEPROMなどを備えたマイクロコンピュータを利用して構成された電子制御ユニットである。
第1コンソール配策部752、第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eを前後方向で並べて配置することで、前後長さの異なるキャビン5を搭載する場合に、キャビン5の前後長の差異を吸収することができる。
図75に示すように、ハーネス730は、第2基幹部753の左側の端部(第2コンソール配策部754の分岐部分)から分岐した第6ハーネス部730F及び第7ハーネス部730Gを有している。第6ハーネス部730Fの端部側には、複数のコネクタ(メインハーネス側コネクタ)757が設けられている。第6ハーネス部730F(コネクタ757)は、キャビン5側に装備された電気機器から配策されるキャビンハーネス827(図94参照)に取り付けられたキャビンハーネス側コネクタ826に接続される。
第7ハーネス部730Gの端部側には、複数のコネクタ(他方側ACコネクタ)758が設けられている。第7ハーネス部730Gは、エアコン本体136に接続されたエアコンハーネス760に接続される。エアコンハーネス760は、シート台83の左側方に配置されている。第7ハーネス部730Gのコネクタ758は、シート台83の左側において、キャビン5を組み付ける前に、エアコンハーネス760に取り付けられたコネクタ(一方側ACコネクタ)759に接続される。
図76に示すように、作動油タンクT2の運転席6側の側方(左側方)に、原動機E1側へ配策される原動機側ハーネス761と、制御器24に接続されたハーネス730(第1ハーネス部730A)から分岐した分岐ハーネス762とを接離自在に接続する接続器763が設けられている。運転席6側へ配策されるハーネス730と、原動機E1側へ配策されるハーネス761とを分離可能に接続することにより、シート台83等を吊り上げる際に、該吊り上げが困難となったり、ハーネスの取り回しが困難になったりすることを防止できる。また、接続箇所の多い運転席6側(キャビン5室内)と原動機室E2側との境目でハーネスを分離できるようにすることにより、運転席6周りの組付けや原動機E1の組付け等の作業時間を短縮することができる。
図77に示すように、右のコンソール79Rは、スライドフレーム87の第3取付部87Rに取り付けられるコンソール支持体766と、コンソール支持体766に取り付けられるコンソールカバー767とを有する。
図78に示すように、コンソール支持体766は、第3取付部87Rにボルトによって取り付けられるベースプレート768と、ベースプレート768に立設された立設フレーム769とを有する。立設フレーム769は、縦プレート770を有している。縦プレート770は、下端がベースプレート768に固定された中央部770Aと、中央部770Aから斜め前方に延びる前部770Bと、中央部770Aから後方に延びた後、上方に延びる後部770Cとを有している。中央部770Aの上端から前部770Bの上端にわたって取付プレート771が固定されている。取付プレート771の前部は、バルブ取付部772とされている。このバルブ取付部772に右のパイロットバルブ734Rが取り付けられる。バルブ取付部772の後方には、アームレスト78Rが取り付けられるアームステー776が設けられている。取付プレート771の後部には、厚板からなるバルブ取付台773が取り付けられ、このバルブ取付台773にドーザレバー80で操作されるドーザバルブ(バルブ)774が取り付けられている。ドーザバルブ774は、ドーザ制御弁をパイロット操作するパイロットバルブである。ドーザ制御弁は、ドーザ装置7を昇降させるドーザシリンダを制御する。ドーザレバー80は、レバーステー775を介してドーザバルブ774に連結されている。ドーザレバー80は、前後に揺動可能とされている。例えば、ドーザレバー80を前に倒すとドーザ装置7が下方に揺動し、ドーザレバー80を後に倒すとドーザ装置7が上方に揺動する。中央部770Aの右側面には、ベースプレート768に固定された複数の補強部材777A、777Bが固定されている。
図78に示すように、縦プレート770の前部770Bの右側面には、前支持プレート778が固定されている。前支持プレート778の前部及び後部には、ステー部材779A、779B、779Cが固定されている。縦プレート770の後部770Cには、後支持プレート780が固定されている。後支持プレート780の上部には、後取付部781が設けられている。
図79に示すように、コンソールカバー767は、第1コンソールカバー767Aと、第2コンソールカバー767Bとを有している。図77に示すように、第1コンソールカバー767Aは、運転席6の側方(機体外方)に配置されている。第2コンソールカバー767Bは、第1コンソールカバー767Aの機体外方(運転席6とは反対側の側方)に配置されている。第2コンソールカバー767Bの第1コンソールカバー767Aとは反対側にドーザレバー80が配置されている。つまり、第2コンソールカバー767Bは、第1コンソールカバー767Aとドーザレバー80との間に配置されている。
図79、図80に示すように、第1コンソールカバー767Aの前部に操作レバー77Rが配置され、操作レバー77Rの後方にアームレストが配置されている。第1コンソールカバー767Aの後部には、作業機1を操作する操作部材782が設けられている。操作部材782は、複数のスイッチや操作ダイヤルを含む。第1コンソールカバー767Aは、立設フレーム769に取り付けられている。
図79、図81に示すように、第2コンソールカバー767Bの前部には、操作部(第1操作部)783が設けられている。第1操作部783は、第1操作具785及び第2操作具786を含む。第1操作具785は、ジョグダイヤル785A、第1スイッチ785B、第2スイッチ785Cを含む。第2操作具786は、複数のボタンを有するキーパッドスイッチである。第1操作部783は、後述する表示装置859(図100参照)の操作を行う操作部である。
第2コンソールカバー767Bの後部にも、操作部(第2操作部)784が設けられている。第2操作部784は、作業機1に装備された空調装置を操作する操作部であって、電源を入り切りする電源スイッチ784A、温度を調節する温度ダイヤル784B、風量を調節する風量ダイヤル784Cを含む。
図79、図81に示すように、第2コンソールカバー767Bは、第1操作部783と第2操作部784との間に形成された凹溝787を有している。凹溝787には、ドーザレバー80の下部が挿通されている。凹溝787は、機体外方に開口する溝形に形成されている。詳しくは、凹溝787は、図79、図83に示すように、ドーザレバー80の前方に位置する前面部787aと、ドーザレバー80の後方に位置する後面部787bと、ドーザレバー80の機体内方に位置する側面部787cとによって形成されている。凹溝787の前後幅(前面部787aと後面部787bとの間隔)は、ドーザレバー80の揺動範囲よりも広く形成されている。
図79、図81に示すように、第2コンソールカバー767Bの後部には、第2操作部784から左方に突出するスイッチカバー(カバー部)788が形成されている。スイッチカバー788は、第1コンソールカバー767Aに設けられたスイッチ、ダイヤル等の操作部材782の周囲をカバーする。スイッチカバー788は、第1コンソールカバー767Aに係止される係止爪789を有している。係止爪789は、第1コンソールカバー767Aに上方から係止される。
第2コンソールカバー767Bの前部は、前支持プレート778のステー部材779A、779Bに機体外方からネジで固定され且つステー部材779Cに上方からネジで固定される。第2コンソールカバー767Bの後部は、後取付部781に上方からネジで固定される。
図82に示すように、第1コンソール配策部752は、第2コンソールカバー767Bの後部下方側で複数の配線部材(第1配線部材752A~第3配線部材752C)に分岐されている。各配線部材は、1又は複数の電気配線で構成される。第1配線部材752Aは、第2コンソールカバー767Bの内側に後部側から前部に向けて配策され、第1操作部783(ジョグダイヤル、キーパッドスイッチ)に接続される。第2配線部材752Bは、上方に配策されて第2操作部784に接続される。第3配線部材752Cは、第1コンソールカバー767Aに設けられた操作部材782に接続される。
図83、図84に示すように、第1配線部材752Aは、ドーザレバー80と第1コンソールカバー767Aとの間を通って第2コンソールカバー767Bの後部から前部へ配策されている。また、第1配線部材752Aは、第2コンソールカバー767Bの内側壁767aと凹溝787の側面部787cを形成する壁部767bとの間を通って配策されている。内側壁767aと壁部767bとは、第2コンソールカバー767Bの上壁767cで連結されている。
図80、図83、図84に示すように、第1コンソールカバー767Aは、第1配線部材752Aを下方から受ける配線受け790を有している。図84、図85に示すように、配線受け790は、受け壁790aと、外側壁790bとを有する。図84に示すように、受け壁790aは、第1コンソールカバー767Aの外壁部767Aaの下端から機体外方に延びていて第1配線部材752Aの下方に位置している。外側壁790bは、受け壁790aから第1配線部材752Aの機体外方側で立ち上がっている。詳しくは、外側壁790bは、受け壁790aの機体外方側端部から上方に延びて第1配線部材752Aの右方に位置している。
図84に示すように、レバーステー775は、ドーザバルブ774に取り付けられるバルブ取付部791と、ドーザレバー80が固定されるレバー固定部792とを有している。バルブ取付部791は、ドーザバルブ774の上部に取り付けられる上壁791aと、上壁791aの機体外方側端部から下方に延びる垂下壁791bとを有する。レバー固定部792は、垂下壁791bの下端から配線受け790の下方を通ってドーザレバー80に向けて機体外方に延びる延出壁792aと、延出壁792aの機体外方側端部から下方に延びる鉛直壁792bとを有する。鉛直壁792bにドーザレバー80の下部が固定されている。
図80に示すように、第1配線部材752Aは、吊り具793によって第2コンソールカバー767Bに吊持ち支持される。
第2コンソールカバー767Bは、コンソール支持体766に、第1コンソールカバー767A、ドーザレバー80等が組み付けられた状態で、第1配線部材752Aがレバー部材と第1コンソールカバー767Aとの間を通るように上方から降ろしてコンソール支持体766に取り付けられる。これにより、第2コンソールカバー767Bは、第1コンソールカバー767Aの側方に設置される。したがって、第2コンソールカバー767Bは、第1配線部材752A及び第2配線部材752Bが接続された状態で、コンソール支持体766に、取り付けることができ、作業時間の短縮を図ることができる。
また、第1配線部材752Aがレバーステー775の上方を通る配策経路をとっているので、第2コンソールカバー767Bを、ドーザレバー80が組み付けられた状態で組み付けることができる。また、第1配線部材752Aを受ける配線受け790を設けているので、第1配線部材752Aがレバーステー775に干渉するのを防止することができる。また、第2コンソールカバー767Bに、ドーザレバー80が通る凹溝787を形成しているので、ドーザレバー80を第2コンソールカバー767Bの機体幅方向K2の幅内に収めることができると共に、第2コンソールカバー767Bの前部及び後部を一体に形成したものであっても、ドーザレバー80をコンソール支持体766に組み付けた状態で、第2コンソールカバー767Bをコンソール支持体766に組み付けることができる。
また、キャビン5は、機体2に運転席6及び運転席6の周囲の部材を組み付けた状態で、上から吊り降ろして機体2に組み付けられる。キャビン5を機体2に組み付けた状態では、コンソール79Rとキャビン5との間の隙間は狭いので、コンソール79Rを運転席6側に取り付けた状態でキャビン5を組み付けるのは困難である。そこで、キャビン5を組み付けるときには、第2コンソールカバー767Bを外しておき、キャビン5を組み付けた後に、第2コンソールカバー767Bをコンソール支持体766に取り付ける。これにより、キャビン5の右側の側壁部と第2コンソールカバー767Bとが干渉することを防止することができると共に、キャビン5を効率よく組み付けることができる。また、第2コンソールカバー767Bは、上方からコンソール支持体766に取り付けることができるので、第1コンソールカバー767Aとキャビン5との間の狭い空間にも容易に取り付けることができる。メンテナンス時においても、第2コンソールカバー767Bを上方に取り外すことができるので、メンテナンスを容易に行える。
図1に示すように、キャビン5は、エアコン本体136に供給される外気を導入する外気導入部163を有している。外気導入部163は、キャビンの左側面に設けられている。詳しくは、キャビン5の左の側面部は、ドア28と、ドア28の後方側を形成するリヤ側面部170とを有し、リヤ側面部170の前部の下部側に外気導入部163が設けられている。
図86に示すように、外気導入部163は、側壁(壁体)794と、側壁794の外方側(機体外方)に対向配置されたカバー壁795とを有している。側壁794には、装着用開口(第1装着用開口という)796が形成されている。第1装着用開口796は、側壁794を機体幅方向K2に貫通して形成されている。側壁794は、機体外方に突出する複数の取付部797を有している。取付部797は、第1装着用開口796の前方側に上下二箇所、第1装着用開口796の後方の下部に一箇所形成されている。
カバー壁795は、側壁794の全体を覆うように形成され、複数の取付部797にボルトによって取り付けられる。したがって、カバー壁795は、図87、図88に示すように、側壁794と間隔をあけて該側壁794に取り付けられる。図86、図87に示すように、カバー壁795の後部には、燃料タンクT1の給油口を覆う給油口カバー849がヒンジ848を介して取り付けられる。カバー壁795は、給油口カバー849が取り付いた状態で、側壁794に取り付けられる。
図87、図88に示すように、側壁794とカバー壁795との下端部間に、外気を取り入れるための外気取入口798が形成されている。外気取入口798は、側壁794とカバー壁795との下端部間の隙間であり、該隙間(下方)から側壁794とカバー壁795との間に外気が取り入れられる。図86に示すように、第1装着用開口796の後方には、上下方向に長い断面矩形のシール部材799が配置されている。シール部材799は、第1装着用開口796の後方側の取付部797aから側壁794の上端にわたって設けられている。図87に示すように、シール部材799は、側壁794とカバー壁795との間に介在されている。図87に示すように、カバー壁795の前端側は、キャビン5のセンタピラー800の後方に近接配置されている。図88に示すように、カバー壁795の上端部は、側壁794から上方に延出する壁部801の下方に近接配置されている。
図89に示すように、エアコン本体136は、熱交換器を収容した本体ケース802と、送風機(ブロワファン)809を収容したファンケース803とを有する。ファンケース803は、本体ケース802から左方に突出している。本体ケース802の右側には、空調空気を右方に吹き出す吹出し口804が設けられている。ファンケース803の上面側には、内外気取入装置808が設けられている。内外気取入装置808は、フィルタ805を収容したフィルタ収容部806と、外気を導入する状態と導入しない状態とを切り換える内外気切換部807とを有する。
図89に示すように、内外気取入装置808と外気導入部163とにわたって、エアコン本体136に外気を導入する外気導入ダクト810が設けられている。外気導入ダクト810は、ゴム等の弾性体によって形成されている。また、外気導入ダクト810は、蛇腹構造によって伸縮可能に形成されている。
図87に示すように、外気導入ダクト810は、胴部811と、外気導入側接続部812と、外気流出側接続部813とを有している。胴部811は、外気導入ダクト810の長さ方向の中間部を構成する。外気導入側接続部812は、外気導入部163に接続される。つまり、外気導入側接続部812は、外気導入ダクト810の外気の導入側に形成される。外気流出側接続部813は、内外気切換部807に接続される。つまり、外気流出側接続部813は、外気導入ダクト810の外気の流出側に形成される。
胴部811は、長さ方向に伸縮可能な蛇腹状に形成されている。詳しくは、胴部811は、周方向に環状の突条部814を複数有している。突条部814は、外側に湾曲状に膨出しており、該突条部814が延び又は縮むことで、胴部811(外気導入ダクト810)が伸縮する。
外気導入側接続部812は、胴部811(外気導入ダクト810)を伸長させた状態で側壁794における第1装着用開口796の形成部分に接続される。詳しくは、外気導入側接続部812は、第1装着用開口796に挿入される外気導入口815と、外気導入口815から張り出して側壁794の外面に当接するフランジ(第1フランジという)816とを有している。
図90に示すように、第1フランジ816は、第1装着用開口796の周囲の部分に樹脂リベット等の固定具817によって固定される。外気導入ダクト810は、弾性体によって形成されているので、外気導入側接続部812を弾性変形させることにより、第1装着用開口796を介して側壁794の内側から外側に取出し可能である。
図90に示すように、外気導入側接続部812は、仕切り壁818を有している。仕切り壁818は、外気導入口815の上部に設けられた第1部位818Aと、外気導入口815の前部に設けられた第2部位818Bとを含む。第1部位818Aと第2部位818Bとは、連続して形成されている。外気導入口815の後部及び下部には、仕切り壁は設けられていない。
図87、図88に示すように、仕切り壁818は、第1フランジ816からカバー壁795に向けて突出し且つカバー壁795に当接する。この仕切り壁818により、外気導入口815の上部及び前部から雨水、洗車水等の水が外気導入ダクト810内に侵入するのを防止することができる。シール部材799は、キャビン5内の空気(内気)が、外気導入ダクト810内に侵入するのを防止する。外気取入口798から側壁794とカバー壁795との間に取り入れられる外気は、外気導入口815の下部及び後部から外気導入ダクト810内に導入される。
図87に示すように、外気流出側接続部813は、外気流出口819と、フランジ(第2フランジという)820とを有している。外気流出口819は、内外気切換部807に形成された装着用開口(第2装着用開口という)821に挿通されている。第2フランジ820は、内外気切換部807の左側面に、当接し且つリベット等によって固定される。
図91に示すように、外気導入ダクト810の前方には、カバー部材822が設けられている。カバー部材822は、上壁822Aと、第1縦壁822Bと、第2縦壁822Cとを有する。上壁822Aは、外気導入ダクト810の前部上方に位置している。第1縦壁822Bは、外気導入ダクト810の前方に位置している。第2縦壁822Cは、シート台83の前部の側方に位置している。上壁822Aの後部には、係止部823が形成されている。係止部823は、外気導入ダクト810を、第1装着用開口796から離れる方向に収縮させた状態で係止可能である。詳しくは、係止部823は、上壁822Aに切欠き溝824を形成することでフック状に形成されていて、外気導入側接続部812(外気導入ダクト810の外気導入側)を引っ掛けることができるように形成されている。具体的には、図92に示すように、第1フランジ816及び仕切り壁818を切欠き溝824内に挿入して係止部823に引っ掛ける。この係止部823に係止された外気導入ダクト810(外気導入側接続部812)にキャビン5の外側から第1装着用開口796を介してアクセス可能である。つまり、第1装着用開口796は、キャビン5の外側から係止部823に係止された外気導入ダクト810にアクセス可能な大きさに形成されている。図91に示すように、第2縦壁822Cには、レバー挿通穴825が形成されている。
ところで、キャビン5は、シート台83や可動体85等の運転席6回りの部品をフロアステップ52に組み付けた後に、フロアステップ52及び支持フレーム11に組み付けられる。従来では、キャビン5を組み付ける前に外気導入ダクトを組み付けるのが困難であるので、外気導入ダクトは、キャビン5を組み付けた後に、組み付けられるが、外気導入ダクトの組付けは、狭いキャビン5内での作業となるので、組付け性が悪いものであった。本実施形態では、外気導入ダクト810の外気流出側接続部813を内外気切換部807に接続し、且つ外気導入ダクト810を収縮させた状態で外気導入側接続部812を係止部823に係止することにより、キャビン5を組み付ける前に、外気導入ダクト810を仮組みしておくことができる。これにより、外気導入ダクト810の組付けの効率化を図ることができる。キャビン5を組み付けた後は、キャビン5の外側から第1装着用開口796を介して外気導入側接続部812にアクセスし、外気導入側接続部812を係止部823から外すと共に、外気導入ダクト810を伸ばして第1フランジ816を第1装着用開口796を介して側壁794の外側に取り出す。その後、側壁794の外側に取り出した第1フランジ816を固定具817で側壁794に固定する。外気導入側接続部812の組付けは、キャビン5の外側から行えるので、容易に組み付けられる。また、外気導入ダクト810(外気導入側接続部812)の組付けを、キャビン5の外側から行えるようにしたので、外気導入ダクト810の組付けは、キャビン5内の作業をする作業者とは異なる作業者が行うことができる。つまり、外気導入ダクト810の組付けは、キャビン5内の作業とは別に行え、組付け作業の効率化を図ることができる。
図93に示すように、第6ハーネス部730F(メインハーネス730)に接続されたコネクタ757は、外気導入ダクト810の下方側に配置される。つまり、第6ハーネス部730Fは、第1装着用開口796の近傍に配策され、且つコネクタ757は、第1装着用開口796の近傍に配置される。また、図94に示すように、コネクタ757に接続される相手方のコネクタ(キャビンハーネス側コネクタ)826も第1装着用開口796の近傍に配置される。このコネクタ826が取り付けられるキャビンハーネス827は、キャビン5側に装備された機器(例えば、作業灯やワイパー装置など)から第1装着用開口796へ配策される。
これらコネクタ757とコネクタ826との接続は、外気導入側接続部812を取り付ける前に行う。即ち、外気導入ダクト810を収縮させて外気導入側接続部812を係止部823に係止させた状態で、キャビン5の外側から第1装着用開口796を介してコネクタ757とコネクタ826との接続を行う。コネクタ757とコネクタ826との接続もキャビン5の外側から行えるので、作業性がよく、且つキャビン5内の作業をする作業者とは異なる作業者が行うことができるので、コネクタ757とコネクタ826との接続作業を効率よく行える。
図89、図93に示すように、シート台83の左側にステー部材828が固定されている。詳しくは、ステー部材828は、シート台83の第1脚部717Lの左側面に固定されている。図93に示すように、エアコンハーネス760に取り付けられたコネクタ759は、第7ハーネス部730Gに取り付けられたコネクタ758に接続された状態でステー部材828にクランプ部材829を介して取り付けられる。
これらコネクタ759とコネクタ758との接続は以下のようにして行われる。
フロアステップ52にエアコン本体136が取り付けられ且つエアコンハーネス760がエアコン本体136にサブアッシされた状態で、ハーネス730がサブアッシされたシート台83を、上から降ろしてフロアステップ52に取り付ける。シート台83を組み付けた後に、コネクタ759とコネクタ758とを接続する。
シート台83を組み付ける際に、コネクタ759にシート台83や該シート台83の周辺の部品が当たったり、フロアステップ52等とシート台83等との間にコネクタ759を挟み込んだりすると、コネクタ759が損傷する虞がある。そこで、本実施形態では、図93に示すように、コネクタ759を仮置きしておくための係止具830をエアコン本体136側に設けている。詳しくは、係止具830は、棒状部材を折り曲げてフック状に形成され、フィルタ収容部806の外側面(左側面)に固定されている。シート台83を降ろす際に、コネクタ759を係止具830に仮置きしておくことで、コネクタ759が損傷するのを防止することができる。
また、フロアステップ52にエアコン本体136が取り付けられ且つエアコンハーネス760がエアコン本体136にサブアッシされた状態で、フロアステップ52がメインラインに降ろされて機体に組み付けられるが、このときにも、コネクタ759を係止具830に仮置きしておくことで、コネクタ759が周囲の部材に当ったり、挟み込まれたりするのを防止することができる。
なお、コネクタ759とコネクタ758とに、キャビン5の外側から第1装着用開口796を介してアクセス可能な構成としてもよい。これにより、コネクタ759とコネクタ758とに対する機体2外側からのメンテナンス性が向上する。
図95、図96に示すように、フィルタ収容部806は、挿入口831を有する前板部806aと、前板部806aの後方に間隔をあけて配置された後板部806bと、前板部806aと後板部806bとの左端同士を連結する第1側板部806cと、前板部806aと後板部806bとの右端同士を連結する第2側板部806dと、前板部806aと後板部806bとの下端間に設けられた底板部806eとを有し、上方開口状に形成されている。フィルタ805は、前方から挿入口831を通してフィルタ収容部806内に挿入され、底板部806e上に載置される。
図89に示すように、挿入口831は、蓋部材832で閉塞される。蓋部材832はネジ部材833で前板部806aに取り付けられる。底板部806eには、ファンケース803内に連通する複数の開口834が機体幅方向K2に並べて形成されている。送風機809を起動することにより、フィルタ805及び開口834を通って内気及び外気がファンケース803内に吸い込まれる。
図95に示すように、挿入口831の右側下部には、当たり部835が形成されている。フィルタ805は、当たり部835に対応する切欠き溝を有しており、フィルタ805を上下逆さまにして挿入しようとするとフィルタ805が当たり部835に当たって、挿入できないように構成されている。係止具830は、第1側板部806cの左側面に固定されている。
図95、図96に示すように、内外気切換部807は、前板部806aの上端左部から上方に延出された前板部807aと、後板部806bの上端左部から上方に延出された後板部807bと、第1側板部806cから上方に延出された第1側板部807cと、第1側板部807cの右方に間隔をあけて配置された第2側板部807dとを有している。第1側板部807cに、第2装着用開口821が形成されていると共に、外気導入ダクト810の第2フランジ820が取り付けられる。
図96に示すように、第2側板部807dは、フィルタ収容部806の左部に配置されている。第2側板部807dは、上部部位807daと、下部部位807dbとを有している。上部部位807daは、下方に向かうにつれて右方に移行する傾斜状に形成されている。上部部位807daに開口部836が形成されている。下部部位807dbは、上部部位807daの下端から下方に且つフィルタ収容部806の上端まで延出されている。
図96に示すように、前板部807aと後板部807bとの上部間に回動軸837が設けられている。図97に示すように、回動軸837には、第1側板部807cと第2側板部807dとの間に配置された切換ダンパ838が固定されている。図95に示すように、回動軸837の前端側には、切換レバー839が固定されている。切換レバー839は、図91に示すレバー挿通穴825に挿通され、カバー部材822から外方に突出している。これにより、運転席6に着座したオペレータが切換レバー839を操作することができる。
図96に示すように、回動軸837の後端側には、バネ掛け部材840が固定されている。バネ掛け部材840に引張りコイルバネ(付勢部材)841の一端が掛止されている。引張りコイルバネ841の他端は、後板部807bに固定されたバネ掛け部材842に掛止されている。引張りコイルバネ841の付勢力は、図97に実線で示すように、切換ダンパ838が外気流出口819を閉じた状態では、切換ダンパ838を閉じる方向に作用する。切換ダンパ838が閉じた状態から切換レバー839を引き下げることにより、回動軸837が回転して、図97に二点鎖線で示すように、切換ダンパ838が外気流出口819を開く方向に揺動し且つ開口部836を塞ぐ。切換ダンパ838が外気流出口819を開いた状態では、引張りコイルバネ841の付勢力は、切換ダンパ838を開く方向に作用する。
切換ダンパ838が外気流出口819を閉じた状態では、フィルタ収容部806の右部からファンケース803内に内気が吸い込まれると共に、開口部836を通ってフィルタ収容部806の左部からファンケース803内に内気が吸い込まれる。切換ダンパ838が外気流出口819を開いた状態では、外気流出口819からフィルタ収容部806の左部を通ってファンケース803内に外気が吸い込まれると共に、フィルタ収容部806の右部からファンケース803内に内気が吸い込まれる。
図95に示すように、前板部807aの上部には、切換レバー839の上方への揺動を規制する規制部材843がボルト844によって取り付けられている。また、第1側板部807cの前部上端には、規制部材843のボルト844回りの上方回動を規制する回止め部845が形成されている。
図98は、内外気取入装置808の他の例を示している。この他の例では、第2側板部807dの下部部位807dbの後部807dcの上下方向の幅を前部よりも幅広に形成すると共に、下部部位807dbの後部807dcの前縁807deを後方に向かうにつれて下方に移行する傾斜状に形成している。この前縁807de(傾斜部分)によって、フィルタ805をフィルタ収容部806に挿入した際に、フィルタ805の後部が下方に誘導され且つ底板部806eに押し付けられる。
図99に示すように、蓋部材832は、上壁832aと、上壁832aの前後中途部から下方に延びる押付け壁832bと、押付け壁832bから前方に延びる横壁832cと、横壁832cの前端から下方に延びる縦壁832dと、上壁832aから上方に延びる取付壁832eとを有している。上壁832aの押付け壁832bより後方側の下面832gは、後方に向かうにつれて上方に移行する傾斜状に形成されている。取付壁832eがネジ部材833によって前板部806aに取り付けられる。ネジ部材833をナット部材846にねじ込むことにより、フィルタ805の前部が、上壁832aによって下方に押し付けられると共に押付け壁832bによって前方から押圧される。
第2側板部807dの下部部位807dbの後部807dcと、蓋部材832とによって、フィルタ805が底板部806eに押さえ付けられて保持される。これにより、エア漏れを防止することができる。
また、図99に示すように、ネジ部材833は樹脂で形成されている。取付壁832eと前板部806aとの間には、樹脂製のワッシャ(ストッパ)847が介在される。樹脂製のネジ部材833及び樹脂製のワッシャ847とによって、ネジ部材833の抜け落ちを防止すると共に、作業機1の稼働時の異音発生を防止している。
また、図98に示すように、挿入口831の左端は、前板部806aの左端にまで形成されている。これにより、フィルタ805を挿入し易くしている。
図100、図101は、キャビン5の右の側面部5Aを室内側から見た図を示している。
図100、図101に示すように、キャビン5は、骨格を形成するキャビンフレーム851を有している。キャビンフレーム851は、フロントピラー852、リヤピラー853及びフロントピラー852とリヤピラー853とを連結する連結フレーム854を含む。連結フレーム854は、キャビン5の右の側面部5Aの上下方向の中途部に設けられている。連結フレーム854の上方には、開閉可能なサイドウィンド855が設けられている。また連結フレーム854の下方には、嵌め殺しの透し窓856が設けられている。
キャビン5の右の側面部5Aには、前部から後部にわたって内装カバー857が設けられている。内装カバー857は、側面部5Aの前部に設けられたフロントダクトカバー858を有している。フロントダクトカバー858の上部に表示装置(メータパネル)859が設けられている。表示装置859は、液晶等のパネルを有する。パネルは、作業機の周辺画像、運転状況、モード変更、各種設定、ワーニング等の項目を表示したり、作業機に関する情報として燃料残量、時間(時刻)、高さ制御設定、AI(オートアイドル)制御設定、アーム制限設定等の機械設定に必要な情報を表示する。上記した表示部に表示される表示項目は例示であって限定的なものではない。
図100、図101に示すように、内装カバー857は、フロントダクトカバー858の後方に設けられた第1フロントカバー(第1内装カバー)860と、第2フロントカバー861とを有している。第1フロントカバー860は、第2フロントカバー861の下方に位置し、第2フロントカバー861は、透し窓856の下方に設けられている。第1フロントカバー860は、飲料容器を保持するドリンクホルダ862と、開閉可能な開閉蓋863と、開口部864とを有している。ドリンクホルダ862は、第1フロントカバー860の前上部に設けられている。開閉蓋863は、第1フロントカバー860の後部の上下中途部に設けられている。開口部864は、開閉蓋863の下方に形成されている。
図100、図101に示すように、内装カバー857は、第1フロントカバー860及び第2フロントカバー861の後方に設けられたミドルカバー865を有している。ミドルカバー865は、第1フロントカバー860の上部後方且つ第2フロントカバー861の後方に配置されている。ミドルカバー865の下方には、内装カバー857は設けられていない。つまり、ミドルカバー865の下方側(第1フロントカバー860の下部後方)は開放状とされ、内装カバー857が取り付けられるキャビンフレーム851の側板866が露出している。
図100、図101に示すように、内装カバー857は、側面部5Aの後部に設けられたリヤカバー(第2内装カバー)867及びリヤダクトカバー868を有している。リヤダクトカバー868は、リヤカバー867の上方に配置されている。
図102に示すように、作業機1は、エアコン本体136から吹き出される空調空気を流通させるダクト装置869を有している。ダクト装置869は、エアコン本体136からの空調空気を吹き出す複数の第1吹出し口870を含む第1送風ダクト871を有している。第1送風ダクト871は、ダクト装置869の前部を構成している。図103に示すように、第1送風ダクト871は、側面部5Aの前部に配置される。また、第1送風ダクト871は、フロントダクトカバー858で覆われる。フロントダクトカバー858には、複数の第1吹出し口870に対応する複数の吹出し部872が形成されている(図100参照)。複数の第1吹出し口870から吹き出される空調空気は、複数の吹出し部872を介してキャビン5室内に吹き出される。第1送風ダクト871は、下部の後部側に接続口871aを有している。接続口871aは、後方に向けて開口している。
図102に示すように、ダクト装置869は、第1送風ダクト871にエアコン本体136からの空調空気を導く第1接続ダクト873を有している。第1接続ダクト873は、第1送風ダクト871の下部後方に配置される。詳しくは、第1接続ダクト873は、第1送風ダクト871の接続口871aの後方に配置される。また、第1接続ダクト873は、機体前後方向K1に延伸する略直線状に形成されている、第1接続ダクト873は、第1フロントカバー860で覆われる。
図104に示すように、第1接続ダクト873は、メインダクト874と、サブダクト875とを有している。メインダクト874は、前後方向K1に延伸する筒状に形成されている。メインダクト874は、長さ方向の前端が前方に開口し、後端が閉塞されている。メインダクト874は、後部に、第1接続口(第4接続部)874aと第2接続口874bとを有している。第1接続口874aは、メインダクト874の上面側で且つ後端側に形成され、上方に開口する矩形状に形成されている。第2接続口874bは、第1接続口874aより前方に形成されている。第2接続口874bは、メインダクト874の左側面(側面)に形成され、左方に開口する矩形状に形成されている。メインダクト874の後部は、第1フロントカバー860の下部後端より後方に突出している。つまり、第1接続口874a及び第2接続口874bは、第1フロントカバー860の後方に位置する。なお、図示を省略しているが、メインダクト874の後端側は、フロアステップの後端側で且つグロメット体723の右側方に配置され、第2接続口874bは、エアコン本体136の吹出し口804と機体幅方向K2で対向して配置される。
サブダクト875は、メインダクト874の前部に連通状に設けられている。サブダクト875は、第1送風ダクト871の接続口871aに接続される接続口875aを有する。また、サブダクト875は、メインダクト874の前部の外側に前後方向K1に沿って移動可能に嵌められていて、第1送風ダクト871の接続口871aに対して進退可能である。つまり、第1接続ダクト873は、前後方向K1(長さ方向)に伸縮可能である。また、第1接続ダクト873は、後部側から前方に空調空気を導く。したがって、第1接続ダクト873は、導風経路方向(空調空気が流れる方向)に伸縮可能である。サブダクト875は、左側面(側面)に左方に開口する側方吹出し口876を有している。側方吹出し口876は、第1フロントカバー860の開口部864に対応している。側方吹出し口876から吹き出される空調空気は、第1フロントカバー860の開口部864を介してキャビン5室内に吹き出される。
図102に示すように、ダクト装置869は、エアコン本体136からの空調空気を吹き出す複数の第2吹出し口877を含む第2送風ダクト878を有している。第2送風ダクト878は、ダクト装置869の後部を構成している。図103に示すように、第2送風ダクト878は、キャビン5の側面部5Aの後部に配置される。詳しくは、第2送風ダクト878は、リヤピラー853の下部に配置される。第2送風ダクト878は、リヤダクトカバー868で覆われる。リヤダクトカバー868には、複数の第2吹出し口877に対応する複数の吹出し部879が形成されている(図100参照)。複数の第2吹出し口877から吹き出される空調空気は、複数の吹出し部879を介してキャビン5室内に吹き出される。第2送風ダクト878の下部には、接続口(第3接続部)880が形成されている。
図105に示すように、第2送風ダクト878の接続口880は、前方(水平方向)に開口している。また、接続口880の上部は、上方に開放されている。詳しくは、接続口880の一側壁880Lと、一側壁880Lに対向する他側壁880Rとの上端間が切り欠かれている。一側壁880Lの前部には、ガイド部881Lが形成されている。他側壁880Rの前部にも、ガイド部881Rが形成されている。ガイド部881L、881Rは、接続口880の上下方向にわたって形成されている。接続口880には、シール材882が設けられている。一側壁880Lの上端から下端にわたる第1部位882aと、他側壁880Rの上端から下端にわたる第2部位882bと、第1部位882aと第2部位882bとの下端同士を連結する第3部位882cと、第1部位882aと第2部位882bとの後部同士を連結する第4部位882dとを有している。
図102に示すように、ダクト装置869は、第2送風ダクト878と第1接続ダクト873とを接続する第2接続ダクト883を有している。第2接続ダクト883は、リヤカバー867で覆われる(図100参照)。第2接続ダクト883は、メインダクト874の第1接続口874aから第2送風ダクト878の接続口880にわたって設けられている。第2接続ダクト883の下部は、上下方向に延伸する筒状である。また、第2接続ダクト883は、下部から上方に向かうにつれて後方に移行する傾斜状に延びている。第2接続ダクト883は、上部に第2送風ダクト878の接続口880に接続する上接続口(第1接続部)884を有し、下部に第1接続ダクト873の第1接続口874aに接続する下接続口(第2接続部)885を有する。上接続口884は後方(水平方向)に開口し、下接続口885は下方に開口している。
図106に示すように、上接続口884は、上部に、後方に突出する上壁884Aを有する。上壁884Aの下面には、シール材886が固着されている。上接続口884は、一側壁884Lと、一側壁884Lに対向する他側壁884Rとを有する。一側壁884L及び他側壁884Rには、リブ887が形成されている。リブ887は、外方に突出し、且つ上下方向に延伸して形成されている。
図107に示すように、下接続口885は、メインダクト874の第1接続口874aに対応する矩形状に形成されている。
図108に示すように、第2接続ダクト883は、上方から降ろすことにより、上接続口884が第2送風ダクト878の接続口880に接続し、且つ下接続口885が第1接続ダクト873の第1接続口874aに接続する。詳しくは、上接続口884を、接続口880の一側壁880Lと他側壁880Rとの間に上方から差し込んで係合(差し込み係合)する。このとき、リブ887がガイド部881に係合する。これにより、第2接続ダクト883の下方移動が案内されると共に、係合後に、上接続口884と接続口880との離反を防止できる。また、上接続口884の一側壁884Lがシール材882の第1部位882aに接触し、他側壁884Rが第2部位882bに接触する。また、上接続口884の下部が第3部位882cに接触し、上壁884A下面のシール材886が第4部位882dに接触する。以上のように、上接続口884と接続口880との間がシールされる。
また、下接続口885は、第1接続口874aに上方から嵌ることで接続される。下接続口885は、第1接続口874aにシール材を介して嵌る。第2接続ダクト883は、上方から降ろすだけで、第2送風ダクト878及び第1接続ダクト873に簡単に接続することができるので、作業時間の短縮を図ることができる。また、狭いスペースでも第2接続ダクト883を接続することができる。
図102に示すように、ダクト装置869は、第1接続ダクト873(メインダクト874)とエアコン本体136とを接続する第3接続ダクト888を有している。第3接続ダクト888は、エアコン本体136に接続される第1ダクト部889と、メインダクト874に接続される第2ダクト部890とを有している。第1ダクト部889は、エアコン本体136の吹出し口804に接続される接続口889aを有し、第2ダクト部890は、メインダクト874の第2接続口874bに接続される接続口890aを有する。第1ダクト部889及び第2ダクト部890は、機体幅方向K2に延伸する筒状に形成されている。
図109、図110に示すように、第2ダクト部890は、第1ダクト部889の外側に機体幅方向K2(長さ方向)に移動可能に嵌められていて、第2接続口874b(メインダクト874)に対して進退可能である。つまり、第3接続ダクト888は、機体幅方向K2に伸縮可能である。また、第3接続ダクト888は、左方から右方に空調空気を導く。したがって、第3接続ダクト888は、導風経路方向に伸縮可能である。
図111に示すように、第1フロントカバー860とキャビンフレーム851の側板866との間には、リレーヒューズボックス(機器)756が配置される。リレーヒューズボックス756は、ボックスブラケット891に取り付けられる。ボックスブラケット891は、側板866に取り付けられる。リレーヒューズボックス756は、開閉蓋863に対応する位置に配置され、開閉蓋863を開けると、リレーヒューズボックス756にアクセスできる。
図112に示すように、ボックスブラケット891は、縦板部891aを有する。縦板部891aの上部には、一対のボックスステー891b、891cが上下に間隔をあけて固定されている。リレーヒューズボックス756は、一対のボックスステー891b、891cの間に取り付けられる。縦板部891aの下部には、左方に延出する載置板891dが設けられている。載置板891dと下側のボックスステー891cとの間には、第1接続ダクト873が配置可能な間隔が開けられている。つまり、載置板891dに第1接続ダクト873が載置され、第1接続ダクト873の上方にリレーヒューズボックス756が配置される。
キャビン5、ダクト装置869及びリレーヒューズボックス756等の組み付けは、以下のようにして行う。
先ず、キャビン5に、第1送風ダクト871及び第2送風ダクト878を組み付ける(サブアッシする)と共にフロントダクトカバー858、第2フロントカバー861、ミドルカバー865及びリヤダクトカバー868を組み付ける(サブアッシする)。また、第3接続ダクト888は、縮めた状態でエアコン本体136の吹出し口804に接続しておく。エアコン本体136、シート台83、可動体85及び運転席6等は、キャビン5を組み付ける前にフロアステップ52に組み付けられる。
次に、キャビン5を組み付け、その後、リレーヒューズボックス756、第1接続ダクト873、第2接続ダクト883、第1フロントカバー860及びリヤカバー867が取り付けられる。
先ず、ボックスブラケット891にリレーヒューズボックス756が取り付けれた状態で、ボックスブラケット891をキャビン5の側板866に取り付ける。そして、リレーヒューズボックス756に第5ハーネス部730Eを接続する。次に、図113に示すように、第1接続ダクト873を、縮めた状態でリレーヒューズボックス756の下方に配置して載置板891d上に載置する。その後、メインダクト874をボックスブラケット891及び側板866に取り付けると共に、サブダクト875を第1送風ダクト871の接続口871aに向けて前方移動させて、該接続口871aに接続する。次に、第2接続ダクト883を第2送風ダクト878及びメインダクト874に接続すると共に、第3接続ダクト888の第2ダクト部890を、第1接続ダクト873の第2接続口874bに向けて右方移動させて該第2接続口874bに接続する。その後、第1フロントカバー860を取り付けると共にリヤカバー867を取り付ける。
上記構成では、キャビン5を組み付ける前に、第1送風ダクト871、第2送風ダクト878、第3接続ダクト888、並びに、内装カバー857のフロントダクトカバー858、リヤダクトカバー868、第2フロントカバー861及びミドルカバー865をサブアッシすることができるので、作業機1の製造ラインのメインラインでの組み付け時間の短縮を図ることができる。
図114に示すように、シート台83の前部には、前カバー892が設けられている。前カバー892は、メインカバー893と、サブカバー895とを有している。メインカバー893は、カバーフレーム893Aと、開閉カバー893Bとを有している。カバーフレーム893Aは、シート台83に取り付けられ、開閉カバー893Bは、カバーフレーム893Aに開閉可能に取り付けられる。メインカバー893は、シート台83の前部に配置され、エアコン本体136の前方を覆う。
サブカバー895は、メインカバー893の右方に配置されている。サブカバー895は、左部がシート台83に取り付けられていて、シート台83から右方に突出している。サブカバー895は、第3接続ダクト888の前方を覆う。サブカバー895及び開閉カバー893Bは、第3接続ダクト888を設置した後に取り付けられる。
以上のように、前カバー892は、エアコン本体136前方に対応するメインカバー893と、第3接続ダクト888前方に対応するサブカバー895とに分割されている。前カバー892の第3接続ダクト888に対応する部分を分割しているので、カバーフレーム893Aは、キャビン5を組み付ける前に、シート台83にサブアッシしておくことができる。これにより、組付け作業の容易化を図ることができる。また、長さの異なるキャビン5に対して、サブカバー895を交換するだけで、容易に対応することができる。
図115は、リヤカバー867を示している。リヤカバー867は、上部に、小物入れ896や、音響機器(ラジオユニット)等を装着することのできる装着部897が設けられている。リヤカバー867の前部の右側には、第2接続ダクト883の上部を覆う(図100参照)ダクトカバー部898が設けられている。リヤカバー867の前部左側には、油圧ホース732の上方に配置されるホースカバー部899が設けられている。
図116に示すように、ホースカバー部899の上方には、コンソールカバー767の後部が入り込むように構成されている。つまり、コンソールカバー767は、油圧ホース732の上方に配置され、運転席6に着座したオペレータから見て油圧ホース732及び内装カバー857(ホースカバー部899)と重畳する位置に配置される。これにより、運転席6と共にコンソール79Rを前後に移動させても、オペレータに対して油圧ホース732がホースカバー部899でカバーされる。
本実施形態の作業機1は、床面を形成するフロアステップ52と、フロアステップ52に取り付けられ、電気配線を束ねたハーネス730及び油圧ホース732を通すグロメット体723と、を備え、グロメット体723は、ハーネス730を通すハーネスグロメット部731の一部(第1分割部731A)及び油圧ホース732を通すホースグロメット部733が一体に形成されたグロメット本体740と、一部731Aと協働してハーネスグロメット部731を構成する他部(第2分割部731B)が形成されたグロメット分割体741とに分割されている。
この構成によれば、グロメット本体740にハーネスグロメット部731の一部731Aとホースグロメット部733とを一体形成し、グロメット分割体741にハーネスグロメット部731の他部731Bを形成することで、グロメット体723を狭小スペースに組み付けることができると共に、ハーネス730の組付けを容易に行うことができる。
また、ハーネスグロメット部731は、ハーネス730を通すハーネス通し穴735を二分するように、一部731Aと他部731Bとに分割されている。
この構成によれば、ハーネスグロメット部731の一部731Aにハーネス730を当て付けた状態でハーネスグロメット部731の他部731Bを一部731Aに合わせることにより、ハーネス730をハーネスグロメット部731に容易に通すことができる。
また、フロアステップ52に前後位置調節可能に搭載された運転席6と、油圧ホース732が接続されるパイロットバルブ734L、734Rと、を備え、パイロットバルブ734L、734Rは、運転席6と共に前後移動し、ホースグロメット部は、上下に伸縮する蛇腹形状に形成された蛇腹部733bを備え、ホースグロメット部733における蛇腹部733bよりも上方の部分を油圧ホース732側に締め付けるクランプ具739を備えている。
この構成によれば、運転席6の位置調節に伴う油圧ホース732の動きに蛇腹形状のホースグロメット部733が伸縮して追従するので、油圧ホース732が、ホースグロメット部733の下方に落ち込んで運転席6の位置調節の妨げとなるのを防止することができる。
また、フロアステップ52は、開口部726を有する主板724と、主板724に着脱可能に取り付けられて開口部726を塞ぐカバー板725とを有し、グロメット体723は、開口部726の縁部に嵌る保持溝745を有すると共に、カバー板725によって主板724に固定される。
この構成によれば、開口部726を塞ぐカバー板725を、グロメット体723を固定する部材に兼用することにより、構造の簡素化を図ることができる。
また、保持溝745は、グロメット本体740とグロメット分割体741とにわたって形成され、グロメット体723は、グロメット本体740とグロメット分割体741とにわたって形成された差込溝747を有し、カバー板725は、差込溝747に差し込まれる差込部748を有する。
この構成によれば、簡単な構造でグロメット体723を固定することができる。
また、グロメット分割体742は、グロメット本体740に対して機体前方側から機体後方側に向かって押し当てられ、カバー板725は、差込溝747に対して機体前方側から差し込まれて主板724に取り付けられている。
この構成によれば、グロメット本体740に対してグロメット分割体742を簡単に取り付けることができる。
また、フロアステップ52に搭載された運転席6を備え、グロメット体723は、運転席6の機体幅方向K2の側方に、ハーネスグロメット部731とホースグロメット部733とが機体幅方向K2で並ぶように設けられ、ホースグロメット部733は、ハーネスグロメット部731の運転席6とは反対側の側方に設けられている。
この構成によれば、ハーネスグロメット部731を運転席6から遠い側に設けることにより、油圧ホース732の湾曲率を大きくとることができる。また、ハーネスグロメット部731を運転席6に近い側に設けることにより、油圧ホース732をホースグロメット部733に挿通した状態でハーネス730をハーネスグロメット部731に容易に通すことができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたキャビン5と、キャビン5内に設けられたエアコン本体136と、エアコン本体136に外気を導入する外気導入ダクト810と、外気導入ダクト810を係止可能な係止部823と、を備え、キャビン5は、外気導入ダクト810の外気導入側が装着される装着用開口796を有し、外気導入ダクト810は、伸縮可能に形成され、係止部823は、外気導入ダクト810を、装着用開口796から離れる方向に収縮させた状態で係止可能である。
この構成によれば、機体2側に外気導入ダクト810を組み付けて収縮させた状態に保持させておくことができることにより、キャビン5を機体2に組み付ける前に、外気導入ダクト810を機体2側に組み付けることができる。これにより、外気導入ダクト810の組付け作業性を向上させることができる。
また、装着用開口796は、外気導入ダクト810を装着用開口796に装着させるべく、キャビン5の外側から係止部823に係止された外気導入ダクト810にアクセス可能な大きさに形成されている。
この構成によれば、キャビン5の外側から外気導入ダクト810を装着用開口796に装着することができ、外気導入ダクト810の装着をキャビン5内の作業者とは別の作業者が行うことができる。
また、キャビン5は、装着用開口796が形成された壁体(側壁794)を有し、外気導入ダクト810は、弾性体によって形成され、且つ伸縮可能な胴部811と、胴部811を伸長させた状態で壁体794における装着用開口796の形成部分に接続される外気導入側接続部812とを有し、外気導入側接続部812は、装着用開口796に挿入される外気導入口815と、外気導入口815から張り出して壁体794の外面に当接するフランジ816とを有し、フランジ816は、装着用開口796を介して壁体794の内側から外側に取出し可能である。
この構成によれば、フランジ816を装着用開口796の周囲の壁体部分に保持することができ、外気導入側接続部812の取り付けを容易に行うことができる。
また、キャビン5は、壁体794の外方側に対向配置されて外気導入側接続部812を覆うカバー壁795と、壁体794とカバー壁795との間に形成された外気取り入れ用の外気取入口798とを有し、外気導入側接続部812は、外気導入口815の上部及び前部においてフランジ816から突出してカバー壁795に当接する仕切り壁818を有している。
この構成によれば、外気導入側接続部812の上部及び前部から外気導入ダクト810内に水が侵入するのを防止することができる。
また、機体2側に配策されたメインハーネス730と、キャビン5側に配策されたキャビンハーネス827と、メインハーネス730に取り付けられ且つキャビン5室内の装着用開口796の近傍に配置されるメインハーネス側コネクタ757と、キャビンハーネス827に取り付けられ且つキャビン5の外側から装着用開口796を介してメインハーネス側コネクタ757に接続可能なキャビンハーネス側コネクタ826とを備えている。
この構成によれば、メインハーネス側コネクタ757とキャビンハーネス側コネクタ826との接続を装着用開口796を介して容易に行うことができる。また、コネクタ757とコネクタ826との接続をキャビン5内の作業者とは別の作業者が行うことができる。
また、機体2の上部の床面を形成し且つエアコン本体136が取り付けられるフロアステップ52と、フロアステップ52に取り付けられ且つメインハーネス730が取り付けられたシート台83と、エアコン本体136に接続されたエアコンハーネス760と、エアコンハーネス760に取り付けられた一方側ACコネクタ759と、メインハーネス730に取り付けられていて一方側ACコネクタ759に接続される他方側ACコネクタ758と、エアコン本体136側に設けられていて、フロアステップ52にシート台83を取り付ける前に、一方側ACコネクタ759を仮置きするための係止具830と、を備えている。
この構成によれば、一方側ACコネクタ759を係止具830に仮置きすることにより、シート台83の組付けの際に、一方側ACコネクタ759を損傷させるのを防止することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載されたキャビン5と、機体2上部の床面を形成するフロアステップ52と、フロアステップ52に取り付けられたエアコン本体136と、キャビン5に取り付けられていてエアコン本体136からの空調空気を吹き出す第1吹出し口870を有する第1送風ダクト871と、第1送風ダクト871にエアコン本体136からの空調空気を導く第1接続ダクト873と、キャビン5の室内側で第1送風ダクト871及び第1接続ダクト873を覆う内装カバー857と、を備え、第1接続ダクト873は、第1送風ダクト871に対して着脱可能であり、内装カバー857は、第1接続ダクト873に対応する部分が分割して形成された第1内装カバー(第1フロントカバー860)を有している。
この構成によれば、第1接続ダクト873を第1送風ダクト871に対して着脱可能に形成し、内装カバー857の第1接続ダクト873に対応する部分を分割して形成することにより、第1送風ダクト871と、内装カバー857の第1送風ダクト871を覆う部分とは、キャビン5を組み付ける前に、キャビン5にサブアッシしておくことができる。これにより、ダクト及びダクトを覆う内装カバー857の組付けの作業時間の短縮を図ることができる。
また、エアコン本体136からの空調空気を吹き出す第2吹出し口877を有する第2送風ダクト878と、第2送風ダクト878と第1接続ダクト873とを接続する第2接続ダクト883と、を備え、第2接続ダクト883は、上方から降ろすことにより、第2送風ダクト878に接続される第1接続部(上接続口884)及び第1接続ダクト873に接続される第2接続部(下接続口885)を有している。
この構成によれば、キャビン5を組み付ける前に、第2送風ダクト878をキャビン5にサブアッシすることができると共に、第2接続ダクト883によって第2送風ダクト878と第1接続ダクト873とを簡単に接続することができる。
また、第2送風ダクト878は、水平方向に開口する第3接続部(接続口880)を有し、第1接続ダクト873は、上方に開口する第4接続部(第1接続口874a)を有し、第1接続部884は、水平方向に開口していて、第3接続部880に対して上方から差し込むことで第3接続部880に連通し、第2接続部885は、下方に開口していて、第4接続部874aに対して上方から嵌めることで第4接続部874aに連通する。
この構成によれば、第2接続ダクト883を第2送風ダクト878及び第1接続ダクト873に狭いスペースで簡単に接続することができる。
また、第1接続ダクト873は、第2接続ダクト883が接続されるメインダクト874と、第1送風ダクト871に接続されるサブダクト875とを有し、サブダクト875は、第1送風ダクト871に対して進退可能である。
この構成によれば、第1接続ダクト873を第1送風ダクト871に狭いスペースで簡単に接続することができる。
また、メインダクト874とエアコン本体136とを接続する第3接続ダクト888を備え、第3接続ダクト888は、エアコン本体136に接続される第1ダクト部889と、メインダクト874に接続される第2ダクト部890とを有し、第2ダクト部890は、メインダクト874に対して進退可能である。
この構成によれば、第1接続ダクト873を単純な構造に形成することができ、組み付け性を向上させることができる。
また、内装カバー857は、第2接続ダクト883に対応する部分が分割して形成された第2内装カバー(リヤカバー867)を有する。
この構成によれば、第2内装カバー867の周囲の内装カバー857を、キャビン5を組み付ける前にサブアッシすることができ、組み付け性の向上を図ることができる。
また、運転席6と、運転席6が搭載され、フロアステップ52に取り付けられるシート台83と、シート台83に支持される電気配線を束ねたハーネス730と、ハーネス730が接続される機器(リレーヒューズボックス756)と、を備え、機器756は、第1接続ダクト873の上方に配置され且つ第1内装カバー860で覆われる。
キャビン5を組み付けた後に、組み付けられる機器756を、第1内装カバー860の内側に配置することにより、組み付け性の向上を図ることができる。
また、作業機1は、運転席6と、運転席6の側方に配置された第1コンソールカバー767Aと、第1コンソールカバー767Aの運転席6とは反対側の側方に配置された第2コンソールカバー767Bと、第2コンソールカバー767Bの前部に設けられた操作部783に接続される配線部材(第1配線部材752A)と、操作部783の後方に配置されたレバー部材(ドーザレバー80)と、を備え、配線部材752Aは、第2コンソールカバー767Bの内側に後部側から前部に向けて配策され、第2コンソールカバー767Bは、配線部材752Aがレバー部材80と第1コンソールカバー767Aとの間を通るように上方から降ろして第1コンソールカバー767Aの側方に設置される。
この構成によれば、配線部材752Aを第2コンソールカバー767Bの内側に後部側から前部に向けて配策し、その後、第2コンソールカバー767Bを、配線部材752Aがレバー部材80と第1コンソールカバー767Aとの間を通るように上方から降ろして第1コンソールカバー767Aの側方に設置することにより、コンソールカバーを効率よく組み付けることができる。
また、第1コンソールカバー767Aは、配線部材752Aを下方から受ける配線受け790を有している。
この構成によれば、配線部材752Aが下方側の部材と干渉するのを防止することができる。
また、配線受け790は、配線部材752Aの下方に位置する受け壁790aと、受け壁790aから配線部材752Aの機体外方側で立ち上がる外側壁790bとを有している。
この構成によれば、配線部材752Aが配線受け790から外れるのを外側壁790bによって防止することができる。
また、第1コンソールカバー767Aの下方に配置されていてレバー部材80によって操作されるバルブ(ドーザバルブ774)と、バルブ774とレバー部材80とを連結するレバーステー775と、を備え、レバーステー775は、バルブ774に取り付けられるバルブ取付部791と、バルブ取付部791から配線受け790の下方を通ってレバー部材80に向けて延出していてレバー部材80が固定されるレバー固定部792とを有している。
この構成によれば、配線部材752Aがレバーステー775の上方を通るので、第2コンソールカバー767Bを上方から降ろして第1コンソールカバー767Aの側方に設置することができる。
また、第2コンソールカバー767Bは、レバー部材80の前方に位置する前面部787aと、レバー部材80の後方に位置する後面部787bと、レバー部材80の機体内方に位置する側面部787cとによって形成されていて機体外方に開口する凹溝787を有しており、レバー部材80は凹溝787に配置されている。
この構成によれば、第2コンソールカバー767Bが前部及び後部を一体形成したものであっても、レバー部材80が組み付けられた状態で、第2コンソールカバー767Bを第1コンソールカバー767Aの側方に設置することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2上部の床面を形成し且つ開口部726を有するフロアステップ52と、フロアステップ52に取り付けられたシート台83と、シート台83に前後位置調節可能に支持された可動体85と、可動体85に搭載された運転席6と、運転席6の両側方に配置されて可動体85に取り付けられたコンソール79L、79Rと、電気配線を束ねたハーネス730と、を備え、ハーネス730は、シート台83の一方のコンソール79R配置側の側方において開口部726を挿通してフロアステップ52の下面側から上方へ配策される第1ハーネス部730Aと、シート台83の上端より下方で第1ハーネス部730Aから分岐した第2ハーネス部730B及び第3ハーネス部730Cとを有し、第2ハーネス部730Bは、シート台83の側方で立ち上がって一方のコンソール79Rへ配策され、第3ハーネス部730Cは、シート台83の上端とフロアステップ52の上面との間を他方のコンソール79L側に向けて延伸して設けられ、且つシート台83の側方とは反対側の側方で立ち上がって他方のコンソール79Lへ配策されている。
この構成によれば、フロアステップ52の下面側から上方へ配策される第1ハーネス部730Aを、シート台83の上端より下方で第2ハーネス部730Bと第3ハーネス部730Cとに分岐し、第2ハーネス部730Bを一方のコンソール79R配置側で立ち上げて一方のコンソール79Rへ配策し、第3ハーネス部730Cをシート台83の上端とフロアステップ52の上面との間を他方のコンソール79L側に向けて延伸すると共に他方のコンソール79L側で立ち上げて他方のコンソール79Lへ配策することにより、運転席6とコンソール79L、79Rとを一体的に前後位置調節可能とした作業機1におけるハーネス730の動き代を確保することができる。
また、運転席6の後方に設けられた原動機E1と、原動機E1を収容する原動機室E2と運転席6側とを隔てる隔壁部材22Aと、を備え、シート台83は、フロアステップ52の上方に間隔をあけて配置され且つ可動体85を支持する天板713を有し、第3ハーネス部730Cは、隔壁部材22Aの前方且つ天板713の後部下方に配策される。
この構成によれば、第3ハーネス部730Cを、隔壁部材22Aの前方且つ天板713の後部下方のスペースを利用して配策することができる。
また、可動体85は、運転席6が前後位置調節可能に支持される支持体(サスペンション88)と、シート台83に前後位置調節可能に支持されるスライドフレーム87とを有し、スライドフレーム87は、支持体88が取り付けられるメイン取付部(第1取付部87A)と、メイン取付部87Aから機体幅方向K2一方に延出していて一方のコンソール79Rが取り付けられる一方側取付部(第3取付部87R)と、メイン取付部87Aから機体幅方向K2他方に延出していて他方のコンソール79Lが取り付けられる他方側取付部(第2取付部87L)とを有し、第2ハーネス部730Bは、一方側取付部87Rの機体外方において上方に延びて一方のコンソール79Rへ配策され、第3ハーネス部730Cは、他方側取付部87Lの機体外方において上方に延びて他方のコンソール79Lへ配策される。
この構成によれば、コンソール79L、79Rを支持して前後に移動するスライドフレーム87の外方側に第2ハーネス部730B及び第3ハーネス部730Cを配策することにより、ハーネス730の動き代を容易に確保することができる。
また、シート台83の一方のコンソール79R配置側の側方において開口部726を挿通してフロアステップ52の下面側から上方へ配策された後、他方のコンソール79Lへ配策される油圧ホース732を備え、油圧ホース732は、可動体85の背面側を一方から他方へ配策されている。
この構成によれば、第3ハーネス部730Cの配策経路と油圧ホース732の配策経路とを上下にわけることにより、これら第3ハーネス部730Cと油圧ホース732の配策を容易に行うことができる。
また、ハーネス730は、第2ハーネス部730Bから分岐する第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eを有し、第2ハーネス部730Bは、第1ハーネス部730Aから第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eの分岐部分に向けて延伸する基幹部751と、基幹部751の分岐部分から上方に延びて一方のコンソール79Rへ配策されるコンソール配策部752とを有し、コンソール配策部752、第4ハーネス部730D及び第5ハーネス部730Eは、前後方向K1で並べて配置されている。
この構成によれば、前後長さの異なるキャビン5に適応する際に、容易に対応することができる。
また、機体2に搭載されたキャビン5と、シート台83の一方のコンソール79R配置側の側方において開口部726を挿通してフロアステップ52の下面側から上方へ配策された油圧ホース732と、キャビン5の室内側で油圧ホース732の上方に配置された内装カバー857とを備え、一方のコンソール79Rは、油圧ホース732の上方に配置され、且つ運転席6に着座したオペレータから見て油圧ホース732及び内装カバー857と重畳する位置に配置されるコンソールカバー767を備えている。
この構成によれば、油圧ホース732が損傷した場合に内装カバー857及びコンソールカバー767で作動油の飛散を抑制できる。
また、作業機1は、運転席6と、運転席6を支持する天板713と、運転席6の前後位置を調節するレール装置(第1レール装置84)と、レール装置84が取り付けられる取付面(上面718a)を有するレール取付板718と、を備え、天板713に、レール取付板718を収容する取付穴719が形成されており、レール取付板718は、取付穴718aに挿入されて該天板713に溶接固定されている。
この構成によれば、天板713に形成した取付穴719にレール取付板718を挿入して溶接固定することで、天板713の溶接歪みの影響を受けずにレール装置84の取付面718aの平面度を出すことができるので、取付面の平面度を向上させることができる。
レール取付板718は、天板713よりも板厚の厚い厚板材によって形成され且つ天板713から上方に突出するように取付穴719に挿入されて溶接によって固定される。
この構成によれば、レール装置84に作用する運転席6側からの荷重を受ける強度を確保することができる。また、レール装置84を天板713より上方で支持することができ、前後にスライドするレール装置84と天板713との干渉を防止することができる。
また、レール取付板718の板厚は、天板713の板厚の略2倍の厚さに形成され、上半部が天板713から上方に突出している。
この構成によれば、レール装置84の取付面718aの平面度を十分に出すことができると共に強度も十分に確保することができる。
また、レール装置84を取り付けるための取付ボルト722及び取付ナット721を備え、レール装置84は、レール取付板718に取り付けられるロアレール89と、ロアレール89に前後移動可能に支持されたアッパレール90とを有し、取付ナット721は、レール取付板718の下面に固定され、取付ボルト722は、ロアレール89及びレール取付板718を上方から貫通し且つ取付ナット721にねじ込まれる。
この構成によれば、ロアレール89を上方から取り付けることができるので、取り付けの容易化を図ることができる。
また、運転席6の下方に設けられたフロアステップ52と、天板713の後部を支持する後支持脚715とを備え、後支持脚715は、平面視で取付穴719と交差するように天板713の下面に固定された支持板716と、支持板716に固定されていてフロアステップ52に取り付けられる脚部717とを有し、レール取付板718の下面は、天板713の下面よりも高い位置にある。
この構成によれば、支持板の上面を天板713の下面に面接触させることができる。
また、天板713にレール装置84によって前後位置調節可能に支持される可動体85と、運転席6を可動体85上で前後位置調節可能に支持する他のレール装置(第2レール装置86)と、を備えていてもよい。
また、作業機1は、機体2と、機体2に支持されたフレーム部材206と、機体2に搭載された機器を覆うカバー部材(カバー本体26)と、カバー部材26をフレーム部材206に揺動可能に支持するヒンジ226と、を備え、カバー部材26は、ヒンジ226に取り付けられる連結プレート668を有し、ヒンジ226は、フレーム部材206に上下揺動可能に枢支される可動アーム659と、可動アーム659の揺動端側に固定された取付プレート663と、取付プレート663に連結プレート668を取り付ける取付ボルト(第1取付ボルト669A)とを有し、取付プレート663に形成される取付ボルト669Aの挿通穴664は、連結プレート668を取付ボルト669Aによって取付プレート663に取り付ける取付領域666と、取付領域666から延長して形成されて取付ボルト669Aを案内するガイド領域667とを有する長穴に形成され、ガイド領域667は、可動アーム659を上方揺動させた状態において取付領域666から上方に延伸するように形成されている。
この構成によれば、カバー部材26を吊り上げて、連結プレート668を取付プレート663に取り付けるに際して、挿通穴664のガイド領域667で取付ボルト669Aを仮締めすることができる。つまり、カバー部材26の取付位置の上方で、取付ボルトを仮締めすることができる。取付ボルトを仮締めした後は、カバー部材26を降ろして、取付ボルトをガイド領域667から取付領域666へ移動させ、取付領域666で取付ボルトを本締めすればよい。これにより、取付位置で干渉する虞のある他の部品との干渉を考えなくともよく、カバー部材26の組み付けの容易化を図ることができる。
また、カバー部材26の側方に配置されたキャビン5と、カバー部材26のキャビン5側を覆う固定カバー27と、を備え、ガイド領域667は、カバー部材26を閉じた状態においてキャビン5から離れる方向に延伸するように形成されている。
この構成によれば、ガイド領域667の分だけカバー部材26を固定カバー27から遠ざかる方向に移動させることができる。これにより、カバー部材26を固定カバー27から離すことができ、固定カバー27をキャビン5とカバー部材26との間から前方に引き出すことができる。
また、ヒンジ226は、取付ボルト669Aとは異なる他の取付ボルト(第2取付ボルト669B)を有し、取付プレート663は、他の取付ボルト669Bが挿通される他の挿通穴665を有し、他の挿通穴665は、取付領域666と同じ長さに形成されている。
この構成によれば、ガイド領域667を有する挿通穴664に挿通される取付ボルト669Aが緩んでも、カバー部材26がずれ動くのを、他の取付ボルト669B及び他の挿通穴665によって規制することができる。
また、カバー部材26を開き方向に付勢するダンパー555を備えている。
この構成によれば、カバー部材26をガイド領域667の分だけ移動させるのに、ダンパー555の付勢力を利用することができる。
また、カバー部材26の側方に配置されたキャビン5と、カバー部材26のキャビン5側を覆う固定カバー27と、を備え、ダンパー555は、カバー部材26を開いた状態でカバー部材26をガイド領域667に沿って移動させることにより、カバー部材26がキャビン5から離れる方向に変位する位置に配置されている。
この構成によれば、ダンパー555の付勢力によってカバー部材26をキャビン5から離れる方向に変位させることができ、固定カバー27をキャビン5とカバー部材26との間から容易に引き出すことができる。
また、ヒンジ226は、フレーム部材206に取り付けられるヒンジブラケット654と、ヒンジブラケット654に可動アーム659を機体前後方向K1の軸心回りに上下揺動可能に枢支するヒンジ軸658とを有し、連結プレート668は、閉じた状態のカバー部材26内の上部且つ機体内方側に配置され、取付プレート663上に重ね合わされて取り付けられる。
この構成によれば、カバー部材26を機体前後方向K1の軸心回りに揺動可能にフレーム部材206に容易に取り付けることができる。
また、カバー部材26内に設けられ且つカバー部材26を支持する枠体225を備え、枠体225は、連結プレート668からカバー部材26に沿って機体2前方側に配設される第1杆材672と、連結プレート668からカバー部材26に沿って機体2外方側に配設される第2杆材673と、連結プレート668からカバー部材26に沿って機体2後方側に配設される第3杆材674とを有する。
この構成によれば、枠体225によって、カバー部材26を前部から後部にわたって支持することができる。
また、カバー部材26は、メインカバー647Aと、メインカバー647Aに取り付けられ且つメインカバー647Aとは色の異なるサブカバー647Bとを有している。
メインカバーとサブカバーとを一体に形成して2色塗装する場合、塗らない箇所にマスキングが必要となるが、メインカバー647Aと、サブカバー647Bとを別体にすることにより、それぞれ別々に塗装することができる。これにより、塗装工程を簡略化でき、カバー部材26を簡単に2色塗装することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2の後部に搭載された原動機E1と、原動機E1の後方を覆う開閉可能なボンネット(ボンネット後部22B)と、原動機E1より外側方に配置されて機体2に搭載された機器と、機器を覆い且つボンネット22Bの側方に配置された開閉可能なカバー部材26と、を備え、カバー部材26は、ボンネット22B側の端部側に、ボンネット22B及びカバー部材26を閉めた状態で、ボンネット22Bの内側に入り込む挿入縁部650を有している。
この構成によれば、カバー部材26の挿入縁部650をボンネット22Bの内側に入り込ませることにより、ボンネット22B及びカバー部材26を閉じた状態で、後方からみて両者の間に隙間が生じるのを防止できる。これにより、外観品質の悪化を防止できる。
また、ボンネット22Bは、上部が機体幅方向K2に延伸する軸心回りに枢支されて上下に揺動可能であり、カバー部材26は、上部が機体前後方向K1に延伸する軸心回りに枢支されて上下に揺動可能である。
この構成によれば、カバー部材26の挿入縁部650をボンネット22Bの内側に入り込ませるように構成しても、ボンネット22B及びカバー部材26の開閉を妨げることがない。
また、ボンネット22B及びカバー部材26の内側に設けられるシール当たり部材709を備え、ボンネット22Bは、挿入縁部650の機体内方に位置する第1シール部材643が取り付けられる第1ステー壁642を有し、カバー部材26は、挿入縁部650よりも機体外方に設けられ且つ第2シール部材652が取り付けられる第2ステー壁651を有し、シール当たり部材709は、ボンネット22Bを閉じたときに第1シール部材643が当接する第1当り面639gと、カバー部材26を閉じたときに第2シール部材652が当接する第2当たり面639hとを有する。
この構成によれば、挿入縁部650がボンネット22Bをシールする部材に当接するのを防止することができる。
また、ボンネット22Bは、カバー部材26側の端部側に、原動機E1側に向けて延伸するボンネット縁部644を有し、挿入縁部650は、ボンネット縁部644の原動機E1側でボンネット22Bの内側に入り込む。
この構成によれば、ボンネット22Bとカバー部材26との間の前後の隙間をつめることができる。
また、ボンネット22Bの内側で機体2に立設されていて該ボンネット22Bを支持する支持フレーム11と、ボンネット22Bの前方に配置されたキャビン5と、キャビン5とボンネット22Bとの間に配置された固定ボンネット22Cとを備え、固定ボンネット22Cは、支持フレーム11に取り付けられており、且つボンネット22Bの上部前側が当接する第3シール部材636を有している。
この構成によれば、キャビン5とボンネット22Bとの間のシールをしっかりと行いつつ、シール構造の形状を簡素化することができる。
また、支持フレーム11は、複数の脚体(第1前脚57L、第2前脚57R、第1後脚58L、第2後脚58R)と、複数の57L、57R、58L及び58Rの上部に固定されていてキャビン5の後部が載置される上部プレート59と、上部プレート59の後部に上方突出状に固定されたプレート部材20とを有し、固定ボンネット22Cは、プレート部材20の前側且つキャビン5の後側に配置された縦板部22Caと、縦板部22Caの下部に取り付けられて上部プレート59に当接する第4シール部材634と、縦板部22Caの上部からプレート部材20を越えて後方に延びる上板部22Cbとを有し、第3シール部材636は、上板部22Cbの後部に取り付けられている。
この構成によれば、さらにキャビン5とボンネット22Bとの間のシールをしっかりと行うことができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載された原動機E1と、原動機E1を収容する原動機室E2と原動機室E2の上部前方とを隔てる隔壁部材22Aと、隔壁部材22Aの下方に配置されていて原動機室E2の下部前方を仕切る仕切り板47と、仕切り板47の上部に設けられていて原動機室E2から隔壁部材22Aの前方に配策される配管類(第1配管684A~第4配管684D)を留めるクランプ683と、を備え、隔壁部材22Aは、クランプ683の上方に位置していて当該隔壁部材の前方からクランプ683の前記原動機室側にアクセス可能な点検開口71を有し、クランプ683は、原動機室E2側に取り外し可能に構成されている。
この構成によれば、隔壁部材22Aに設けられた点検開口71からクランプ683にアクセスして該クランプ683を原動機室E2側に取り外すことができる。これにより、隔壁部材22Aを降ろさなくてもクランプ683を取り外すことができる。
また、仕切り板47の背面に固定されたステー686と、ステー686に上方から取り付けられてクランプ683を押さえる押さえ部材687と、を備えている。
この構成によれば、上方から押さえ部材687にアクセスして該押さえ部材687を取り外すことができ、クランプ683の取り外しを容易に行うことができる。
また、クランプ683は、仕切り板47に後方から当接していて後方移動可能な上部の第1部材683Aと、仕切り板47に係止されていて第1部材683Aと協働して配管類684A~684Dを挟む下部の第2部材683Bとを有し、押さえ部材687は、第1部材683Aを押さえる押さえ部692と、第1部材683Aの後方移動を規制する規制部694とを有する。
この構成によれば、クランプ683の第1部材683Aを取り外せば、配管類684A~684Dの交換を容易に行うことができる。
また、仕切り板47は、底面685aと底面685aの一端から上方に延びる一側面685bと底面685aの他端から上方に延びる他側面685cとを有して上方に開口した溝形に形成された切欠き凹部685を有し、クランプ683は、切欠き凹部685に挿入され、且つ一側面685b側に形成された第1凹部698と、他側面685c側に形成された第2凹部699と、底面685a側に形成された第3凹部700とを有し、第1凹部698は、一側面685bが形成された第1壁部47aの背面に当接する第1前向き面698aと、第1前向き面698aの上端から前方に延びるように形成されていて第1壁部47aの上面に当接する第1下向き面698bと、第1前向き面698aの一側面685b側の端部から前方に延びるように形成されていて一側面685bに当接する第1横向き面698cとを有し、第2凹部699は、他側面685cが形成された第2壁部47bの背面に当接する第2前向き面699aと、第2前向き面699aの上端から前方に延びるように形成されていて第2壁部47bの上面に当接する第2下向き面699bと、第2前向き面699aの他側面685c側の端部から前方に延びるように形成されていて他側面685cに当接する第2横向き面699cとを有し、第3凹部700は、第1前向き面698aと第2前向き面699aの下部同士を接続し且つ底面685aが形成された第3壁部47cの背面に当接する第3前向き面700aと、第3前向き面700aの上端から前方に延びるように形成されていて底面685aに当接する第3下向き面700bと、第3下向き面700bの前方に位置し且つ第3下向き面700bよりも低い位置に形成された第4下向き面700cとを有し、クランプ683は、第1凹部698及び第2凹部699を上下に分割する割面で分割されている。
この構成によれば、クランプ683と仕切り板47との間をしっかりとシールしつつ、クランプ683を容易に取り外すことができる。
また、クランプ683は、配管類684A~684Dが通る複数の管挿通部(第1管挿通部701A~第4管挿通部701D)を有すると共に、各管挿通部701A~701Dを二分する割面で上下に分割され、複数の管挿通部701A~701Dは、隣り合う管挿通部701A~701D同士が上下に位置ずれするように設けられている。
この構成によれば、クランプ683の幅をコンパクトに形成することができる。
また、隔壁部材22Aに対して原動機室E2側とは反対側に設けられたキャビン5と、キャビン5側に設けられたエアコン本体136とを備え、クランプ683は、エアコン本体136に接続される配管類684A~684Dを留める。
この構成によれば、隔壁部材22Aを降ろさなくてもエアコン本体136に接続される配管類684A~684Dを交換することができる。
また、作業機1は、機体2と、機体2の後部に搭載された原動機E1と、原動機E1の後方を開閉可能に覆うボンネット(ボンネット後部22B)と、ボンネット22Bの下側に設けられたウエイト46と、機体2の後方を撮影可能なカメラ608と、を備え、カメラ608は、ウエイト46が撮影範囲に入るように角度設定可能にボンネット22Bの外側に取り付けられる。
この構成によれば、カメラ608を、ボンネット22Bの外側に取り付けているので、カメラ608の角度設定を容易に行うことができる。
また、カメラ608を覆うカメラカバー609を備え、カメラカバー609は、ボンネット22Bの内側から取り付けられる。
この構成によれば、カメラ608がボンネット22Bの外側から取り外されるのを防止することができる。
また、ボンネット22Bは、表示部材(エンブレム612)が取り付け可能な表示取付部613を含む取付座(第1取付座611)を有し、取付座611は、カメラ608を取り付けるためのカメラ取付部614を有し、カメラカバー609は、表示部材612の代わりに表示取付部613に取り付け可能である。
この構成によれば、表示部材612が取り付けられる取付座611を利用して、カメラ608を取り付けることができる。
また、ボンネット22Bは、上壁22Daと、上壁22Daの後端から下方に向かうにつれて後方に移行する傾斜方向に延びる延設壁22Dbとを有し、取付座611は、延設壁22Dbに設けられている。
この構成によれば、ウエイト46を撮影範囲に入れたカメラ608の取付角度の設定を容易に行える。
また、カメラカバー609は、表示部材612が取り付けられる他の取付座(第2取付座627)を有している。
この構成によれば、カメラカバー609に表示部材612を取り付けることができ、カメラ608を取り付ける場合の取付座をボンネットに別途設ける必要がない。
また、カメラカバー609は、カメラ608を覆うカバー本体623と、表示取付部613に取り付けられるカバーブラケット624と、カバーブラケット624から機体幅方向K2の一方及び他方に延びる延出片625と、延出片625に取り付けられてボンネット22Bに当接するトリム626とを有する。
この構成によれば、トリム626がカバー本体623の機体幅方向K2の一方及び他方にボンネット22Bに当接することで、カバー本体623のふらつきを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。