JP2019004786A - 収穫機 - Google Patents
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このように運転部からラジエータへの給水作業を行う場合、作業者が給水作業を行うために十分な広さの作業スペースを確保できないことがある。運転部には運転座席などが設けられ、作業スペースの確保にあたり、空間的な制約が存在するためである。
そこで、作業者がラジエータへの給水作業の作業性を向上させる工夫が望まれる。
機体前端側に設けられた収穫部と、
前記収穫部の後方に設けられた運転部と、
前記運転部の下方に設けられた原動部と、を備え、
前記原動部は、エンジンと、前記エンジンよりも機体横外側に設けられたエンジン冷却用のラジエータと、前記原動部を機体横外側から覆い、前記原動部内部に外気を供給可能な通気部と、を有し、
当該ラジエータの上部に、前記ラジエータに給水する給水管が接続される接続部を備え、
前記給水管は、前記給水管の給水部が前記原動部の後端部に位置するように構成されている点にある。
そのため作業者は、原動部の後方に適切かつ十分な作業スペースを確保して、ラジエータへの給水を行える。すなわち、原動部の上方にある運転部や、原動部を機体横外側から覆う通気部の制約を受けることなく作業者が給水作業を行えるので、作業者にとって、給水作業が行いやすいものになる。
このように上記構成によれば、ラジエータへの給水作業の作業性を向上させた収穫機を提供することができる。
前記給水管は、可撓性を有し、前記給水部と前記接続部とを接続するホースであり、
前記接続部は、前記ラジエータの上部の後端側部分に設けられている点にある。
さらに、給水管であるホースが可撓性を有するから、給水管を小さな曲率半径で柔らかく屈曲させて配設することができる。そのため、給水管に無理な応力が掛けず、また、給水管に無理な変形させずに、短い長さで給水管を配設することができる。
そして、短い長さで給水管を配設できるから、給水管をばたつかせることなく、きれいなレイアウトで配設することができる。また、給水管がばたつかないから、給水管の耐久性を向上させることができる。
前記運転部を覆うキャビンと、前記原動部の後端部において前記ラジエータよりも機体横方向中央側寄りの位置に配置され、前記キャビンの後端部を支持する縦フレームと、を備え、
前記給水管は、前記接続部から機体横方向中央側に向けて延ばされ、
前記給水部は、前記縦フレームに支持されている点にある。
したがって上記構成によれば、給水管は、原動部の後端部における機体横方向中央側に向けて延ばされて、給水部で縦フレームに支持されるため、給水管を、機体の振動の影響を受けにくい位置において、しっかりと縦フレームを介して機体に対して固定支持することができる。つまり、給水管をしっかりとした縦フレームに対して確実に固定して、給水管をばたつかせることなく配設することができる。また、給水管を短い長さで、シンプルできれいなレイアウトで配設することができる。
前記運転部の後方に、機体横外側へ突出する開放姿勢と機体横内側に引退する貯留姿勢とに亘って後部側の縦軸芯回りに揺動可能な貯留タンクを備え、
前記原動部の後端部に、前記給水部と横並び状態で、前記ラジエータ用の冷却水のリザーブタンクを備え、
前記貯留タンクを前記貯留姿勢から前記開放姿勢側に揺動させると、前記給水部と前記リザーブタンクとが露出する点にある。
また、上記構成によれば、貯留タンクを貯留姿勢から開放姿勢側に揺動させると、貯留タンクが原動部の後端部から離間して、給水部とリザーブタンクとが運転部の後方において露出して、ラジエータへの給水作業やリザーブタンクのメンテナンス作業を行える。この際、貯留タンクが原動部の後端部から離間しているから、貯留タンクと原動部の後端部との間に作業スペースを確保することができる。したがって、ラジエータへの給水作業やリザーブタンクのメンテナンス作業が行いやすい収穫機を提供することができる。
なお、貯留タンクを貯留姿勢に引退させると、給水部とリザーブタンクとを、運転部の後方側から貯留タンクで隠蔽することができる。したがって、給水作業やメンテナンス作業時以外は、給水部やリザーブタンクを、機体外部から保護することができる。
以下、本発明に係る収穫機の一例であるコンバインの実施形態を図1から図16に基づいて説明する。
図1および図2に、本発明に係る収穫機としての普通型のコンバインを走行機体100(機体)として示している。走行機体100は、稲、麦、そば、大豆、トウモロコシ等の植立作物を収穫物として収穫することができる。
走行機体100の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1および図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1および図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
機体フレーム1上には、主として機体前側から順に、収穫対象の作物を収穫する収穫部19、作業者が運転操作を行う運転部2、エンジン3aを格納した原動部3、収穫物を貯留する貯留タンク15が設けられている。
原動部3のラジエータ6の上部に、ラジエータ6に給水する給水管65が接続される接続部61を備え、給水管65の給水部66が原動部3の後端部に位置するように構成されている。
貯留タンク15に貯留された収穫物は、作業者の指示に応じて、収穫物を上方に搬送する縦スクリューコンベア15cで貯留タンク15から搬送されて、搬出筒15aを介して吐出口15bから機外へ排出される。
原動部3は、図1に示すように、エンジンボンネット31を備え、運転部2の運転室Sと区画されている。原動部3は、原動部3の内部空間と機体外部との間で通風可能な通風口81を備えた通気部8により機体横外側から覆われている。エンジンボンネット31は、図3に示すように、機体フレーム1に下端部を固定されて立設された縦フレーム11(11a、12b)などを介して機体フレーム1に支持されている。縦フレーム11は、原動部3の後端部においてラジエータ6よりも機体横方向中央側寄りの位置に配置されており、ラジエータ6に近い側から縦フレーム11a、縦フレーム11bの順に設けられている。
原動部3は、エンジンボンネット31により区画形成された空間に、エンジン3aと、エンジン3aの冷却用のラジエータ6と、通風口81から冷却風を吸気してラジエータ6に通風させる送風機37(ラジエータ冷却ファン)とを備える。
本実施形態ではさらに、原動部3は、エンジン3aに給気する空気を浄化するプレクリーナ34を備える。
また、エンジン3aの位置から上方に向けて順に、エアクリーナ33、吸気筒34a、プレクリーナ34を、エンジン3aの吸気路として備えている。
エンジン3aには、固気分離装置であるプレクリーナ34を介して吸引した空気が燃焼用空気として供給される。
原動部3にはエンジン3aの排気ガス浄化装置(図示せず)が設けられている。エンジン3aの排気ガスに含まれる窒素酸化物は、排気ガス浄化装置において、尿素水タンク9(図1参照)に貯留された尿素水で中和されて大気へ放出される。
エンジン3aは、エンジン3aとラジエータ6との間で循環する冷却水で冷却される。
運転部2は、キャビン20として、運転部2の上部を覆う屋根29、窓付きドア25、フロントガラス26、運転室Sの床となる床板21、運転部2の背面における機体右横外側部分の壁部23など、を備えている。本実施形態では、さらにエンジンボンネット31がキャビン20の一部を兼ねている。
運転部2は運転室Sに、作業者が走行機体100の運転操作を行うための運転操作インタフェースを備えている。運転室Sには、作業者が運転操作を行う際に座る運転座席22が設けられている。本実施形態では、運転座席22はエンジンボンネット31の上部面31aの上方に支持されている。
本実施形態では、キャビン20は、少なくとも縦フレーム11と、機体右横外側において機体フレーム1に立設された床板フレーム12(12a、12b)とで機体フレーム1に支持されている。床板フレーム12は、床板21を介してキャビン20を支持している。縦フレーム11は、エンジンボンネット31を介して運転部2の後端部、すなわち、キャビン20の後端部を支持している。
ラジエータ6は、エンジン3aと冷却水配管6aで循環接続されて、エンジン3aの冷却水を循環させながら冷却する熱交換器である。ラジエータ6は、送風機37の動作により、通風口81から誘引される外気と熱交換して、冷却水を冷却する。
ラジエータ6は、図3および図5に示すように、エンジン3aに対して機体右横外側に設けられている。送風機37、および送風機37を格納するシュラウド37aは、ラジエータ6に対して機体中央側に、ラジエータ6とエンジン3aとの間に位置する状態で配置されている。送風機37は、エンジン3aによって回転駆動され、通常時は、外気を機体外部から原動部3の内部空間向けて通風させる。シュラウド37aはラジエータ6に支持されている。
ラジエータ支持部材38は、ラジエータ6の下部に沿って機体前後方向に延びる下前後向き枠材38a、ラジエータ6の上部に沿って機体前後方向に延びる上前後向き枠材38b、ラジエータ6の前部に沿って機体上下方向に延びると共に下前後向き枠材38aと上前後向き枠材38bとの前端部どうしを連結している前縦枠材38c、ラジエータ6の後部に沿って機体上下方向に延びると共に下前後向き枠材38aと上前後向き枠材38bとの後端部どうしを連結している後縦枠材38dにより、送風機37の機体横外側を開放する枠状に構成してある。
下前後向き枠材38aが機体フレーム1に対してボルトで連結されており、ラジエータ支持部材38は、機体フレーム1に固定状態で支持されている。
給水管65におけるラジエータ6に対する他端側の端部には、給水管65を封止する開閉自在の蓋(キャップ)を有する単管である給水部66が取り付けられている。給水部66は、給水管65の内側に嵌められて、金属バンドで給水管65の外側から締め付けて取り付けられている。給水時は給水管65の蓋を開いて給水を行い、使用時は蓋をする。
給水管65は、接続部61に取り付けられる側の端部から給水部66に取り付けられる側の端部に向けて、管の径が縮径する構造になっている。
給水部66は、原動部3の後端部であって、ラジエータ6よりも機体横方向中央側寄りの位置において、キャビン20の後端部を支持する縦フレーム11aに設けた支柱16に対してボルトナットで固定して支持されて設けられている。給水部66は、接続部61よりも鉛直方向における高い位置に設けられている。
本実施形態では、支柱16は、第一支柱16aと第二支柱16bとで構成される。
第一支柱16aは、縦フレーム11aに溶接された端部の他端部が後ろ方向Bに向けて折り曲げられて、給水管65の給水部66を取り付ける取付座16cとなっている。第二支柱16bは、第一支柱16aの下方側において第一支柱16aに沿い、一端を縦フレーム11aに溶接され、他端で取付座16cを補助的に支持している。
給水部66は、貫通孔を有するリブ66aを有し、リブ66aの貫通孔を介して、取付座16cに対してボルトナットで固定支持されている。
本実施形態では、給水部66とリザーブタンク69とは、機体横方向視において重複する位置で、原動部3の後端部において横並び状態で設けられている。
貯留タンク15は、縦スクリューコンベア15cの回転軸芯に沿う縦軸芯X周りで揺動自在に機体フレーム1に支持されており、機体横外側へ突出する開放姿勢と機体横内側に引退する貯留姿勢とに亘って後部側の縦軸芯X回りに揺動可能となっている。
原動部3の後端部は、貯留タンク15が貯留姿勢である際に、貯留タンク15で隠蔽されている。貯留タンク15を貯留姿勢から開放姿勢側に揺動させると、原動部3の後端部にある給水部66とリザーブタンク69とが露出する。給水部66とリザーブタンク69とが露出すると、作業者は、給水部66を介してラジエータ6に給水したり、リザーブタンク69から冷却水を採取したりするなどの、メンテナンスを行える。
図3、図13に示すように、プレクリーナ34の下方部分のうち中央部に、吸気筒34aが接続されると共に清浄後の空気を、吸気筒34aを介してエアクリーナ33に流出させる開口部34bが形成されている。プレクリーナ34の下方部分のうち開口部34bの外周に、外気を吸い込む吸込口34cが形成され、開口部34bに対して外周側に位置する状態で吸込口34cを覆うカバー35が備えられている。
プレクリーナ34は、図12、図13に示すように、エアクリーナ33を収容する空間の上部壁面上に設けられている。プレクリーナ34は、壁部23における機体横方向に沿う壁部23aおよび機体前後方向に沿う壁部23b、カバー35における機体横方向に沿う壁部35bおよび機体前後方向に沿う壁部35aとで吸込口34cの部分を囲うように覆われている。
通気部8はラジエータ6に対して機体横外側に配置されており、ラジエータ6と通気部8との間に冷却機器用のケース86が設けられている。
冷却機器用のケース86には、オイル冷却器87(87a、87b)と、運転部2の運転室Sのエアコン(図示せず)用の熱交換器88とが収容されており、機体横外側から順に、通気部8、熱交換器88、オイル冷却器87、ラジエータ6の順に配設されている。
通気部8を開き状態にすると、作業者が、機体の外側からオイル冷却器87や熱交換器88に対して容易にアクセスしてメンテナンスを行える。
熱交換器88は、ラジエータ支持部材38から、機体横外側に延出する土台88aにボルトナット88bで固定されている。
通気部8を開き状態にして、ボルトナット88bを取り外すと、熱交換器88が配管89で懸吊された状態になり、図9に示すように、熱交換器88を上下に揺動させることができる。配管89をたるむ程度の長さに設けておくと、熱交換器88を配管89のたるみ長さに応じて移動させて、オイル冷却器87のメンテナンスを容易に行えるようになる。
搭乗部4は、機体フレーム1上における、運転部2の機体横外側における下端部に設けられている。
本実施形態では、図14、図15、図16に示すように、搭乗部4は、運転部2に搭乗するための階段状の足場として、運転部2に近い側から下方に向けて順に、機体横外側に向けて延出する格子板状の第一足場41と第二足場42とを備えている。第二足場42は、第一足場41よりも機体横外側に向けてより大きく延出して設けられている。
蓄電池46は、機体フレーム1上における隔壁45に対して機体横方向中央側寄りの位置に載置されており、隔壁45によって機体外側から隔離されて保護されている。隔壁45は、床板フレーム12に対して複数本(本実施形態では4本)のナット45aで固定されている。
隔壁45は、第一足場41をリブ13から取り外し、かつ、ハンドル42aを操作して第二足場42を開き状態とすると、床板フレーム12から取り外すことができる。隔壁45を取り外すと、機体横外側から蓄電池46に容易にアクセス可能となり、また、蓄電池46を機体外部へ取り出して容易にメンテナンスできるようになる。
尿素水タンク9と原動部3とはフレキホース90で接続されており、フレキホース90は、脱穀装置14における、貯留タンク15に対向する側の壁面14aに設けられた支持部材93に固定支持されている。尿素水は、ポンプ91により尿素水タンク9と原動部3との間を循環している。なお、図10におけるフレキホース98は、尿素水タンク9から原動部3への尿素水の送り配管、フレキホース99は原動部3から尿素水タンク9への戻り配管である。
フレキホース90は、図10に示すように、支持部材93の取付板94の端部(図10の場合は後端部)の端ぎりぎりに寄せた位置において、配管支持部95で固定されている。フレキホース90は、取付板94のできるだけ端に寄せて固定されているから、取付板94に対してばたつかない。フレキホース90は、ばたつかないから、その耐久性が向上して、長期の使用に耐えうるものになる。
(1)上記実施形態では、接続部61は、ラジエータ6の内部と連通し、ラジエータ6の上部から機体横方向中央側に向けて延出した短管であり、可撓性のゴムホースである給水管65は、接続部61の管部分に被せて嵌めて固定され、接続部61から機体横方向中央側に向けて延ばされて配設される場合を例示した。
しかし、接続部61は機体横方向中央側に向けて延出した短管に限られず、ラジエータ6から上方に向けて延出した短管であってもよい。この場合は、接続部61に取り付けられた給水管65を湾曲させて、給水管65を機体横方向中央側に向けて延ばして配設すればよい。
しかし、給水管65は、たとえば、金属管であってもよい。
給水部66は原動部3の後端部にあればメンテナンスできる。したがって、例えば、給水部66を台座11cに固定して設けてもよい。
給水部66とリザーブタンク69とは、原動部3の後端部にあればメンテナンスを行える。したがって、給水部66の下側にリザーブタンク69を設置して、原動部3の後端部において縦並び状態で設けてもよい。
2 :運転部
3 :原動部
3a :エンジン
6 :ラジエータ
8 :通気部
11 :縦フレーム
11a :縦フレーム
15 :貯留タンク
19 :収穫部
20 :キャビン
61 :接続部
65 :給水管
66 :給水部
69 :リザーブタンク
Claims (4)
- 機体前端側に設けられた収穫部と、
前記収穫部の後方に設けられた運転部と、
前記運転部の下方に設けられた原動部と、を備え、
前記原動部は、エンジンと、前記エンジンよりも機体横外側に設けられたエンジン冷却用のラジエータと、前記原動部を機体横外側から覆い、前記原動部内部に外気を供給可能な通気部と、を有し、
当該ラジエータの上部に、前記ラジエータに給水する給水管が接続される接続部を備え、
前記給水管は、前記給水管の給水部が前記原動部の後端部に位置するように構成されている収穫機。 - 前記給水管は、可撓性を有し、前記給水部と前記接続部とを接続するホースであり、
前記接続部は、前記ラジエータの上部の後端側部分に設けられている請求項1に記載の収穫機。 - 前記運転部を覆うキャビンと、前記原動部の後端部において前記ラジエータよりも機体横方向中央側寄りの位置に配置され、前記キャビンの後端部を支持する縦フレームと、を備え、
前記給水管は、前記接続部から機体横方向中央側に向けて延ばされ、
前記給水部は、前記縦フレームに支持されている請求項1または2に記載の収穫機。 - 前記運転部の後方に、機体横外側へ突出する開放姿勢と機体横内側に引退する貯留姿勢とに亘って後部側の縦軸芯回りに揺動可能な貯留タンクを備え、
前記原動部の後端部に、前記給水部と横並び状態で、前記ラジエータ用の冷却水のリザーブタンクを備え、
前記貯留タンクを前記貯留姿勢から前記開放姿勢側に揺動させると、前記給水部と前記リザーブタンクとが露出する請求項1から3のいずれか一項に記載の収穫機。
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