JP3626392B2 - バックホーの旋回台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックホーの旋回台、特にウエイトの上面とボンネットの下縁との間のシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
標準型、超小旋回型、後方小旋回型等の型式のあるバックホーの旋回台は、例えば、特開平8−333771号公報に開示されているように、旋回台の後部にウエイトをボルト等の締結手段を介して取り付け、その上側にエンジンルームを包囲するボンネットを上部枢支で開閉自在に配置しており、ウエイト上面とボンネットの下縁とは上下方向に対向しており、その間隙が少なくなるようにボンネットを配置している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術では、ウエイト上面とボンネットの下縁とは上下方向に対向しているため、上下方向の加工公差、組立公差等によって僅少間隙が生じることがあり、ボンネットの下縁にシール材を設けていても、エンジン冷却風が洩れたり、見栄えが悪くなったりしている。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたバックホーの旋回台を提供することを目的とする。
【0004】
本発明は、ウエイトの上面に当たり部を上向き突設して、ボンネットを閉鎖したときにボンネットの下縁を外側方から当接させることにより、間隙が生じないようにしたバックホーの旋回台を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、旋回台4の後部にウエイト21を設け、このウエイト21の上側に上部枢支で開閉自在にされたボンネット9を配置し、このボンネット9の下縁9Aをウエイト21の上面21Aに略沿わせ、このウエイト21の上面21Aに前記ボンネット9を閉鎖したときに当接可能な当たり部23を上向き突設していることである。
これによって、ボンネット9の下縁9Aはウエイト21の上面21Aと上下方向に対向するだけでなく、当たり部23と側方向にも対向することになり、上下方向等に加工公差、組立公差があっても、両者の間に間隙が生じない。
【0006】
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記ウエイト21の上面21A及びボンネット9の下縁9Aを平面視略円弧状に形成し、ウエイト21の上面21Aを内向き登り傾斜させ、当たり部23をウエイト21の上面21Aの内周部に一体成形しているこである。
これによって、ボンネット9の下縁9Aとウエイト21の上面21Aとの間の間隙発生がより確実かつ簡単に防止でき、当たり部23を形成するのも容易となる。
【0007】
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記ボンネット9の下部を屈曲させて、その下縁9Aにウエイト21の上面21Aの当たり部23に側方から当接するシール材24を設けていることである。
これによって、ボンネット9の下縁9Aとウエイト21の上面21Aとの間の間隙発生がより確実かつ簡単に防止でき、間隙もシール材24も見えなく、見栄えが良好になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図5、6おいて、1は超小旋回型のバックホーであり、下部機体2の左右にクローラ式走行装置3を有し、下部機体2に旋回台4を縦軸回り旋回自在に支持している。
前記旋回台4には略中央に掘削装置5を支持する支持部16が形成され、支持部16の左側には運転席6、操縦装置7等が、右側にはオイルタンク31、コントロールバルブ32等が、後側にはエンジン8、ラジエータ33、油圧ポンプ34等がそれぞれ搭載されている。
【0009】
前記支持部16の後方から運転席6の後側を通って左側部に至るメインカバー35は、ボンネット9と共にエンジン8及び油圧ポンプ34等を配置したエンジンルームを被っており、ラジエータ33からオイルタンク31、コントロールバルブ32に至る側部は側部カバー36で被っており、この側部カバー36は少なくとも上部が開口されていて、上部カバー37で開閉自在に閉鎖されている。
前記カバー35、36、37及びボンネット9等は樹脂又は板金等で形成されており、いる。ボンネット9の上縁はメインカバー35及び側部カバー36の後上部と隣接し、ボンネット9の左右側縁はメインカバー35及び側部カバー36の後側部と隣接している。
【0010】
前記掘削装置5は、旋回フレーム4に枢支された第1ブーム11と、この第1ブーム11の先端で左右揺動自在な第2ブーム12と、この第2ブーム12の先端で左右揺動自在な第3ブーム13と、この第3ブーム13の先端で上下揺動自在なアーム14と、アーム14の先端に設けたバケット(作業具)15等を有し、第2、第3ブーム12、13を介して、バケット15を第1ブーム11に対して左右にオフセット可能にしている。
掘削装置5と運転席6及び操縦装置7との間には、運転席保護装置としてのキャノピ10が設けられている。このキャノピ10は、旋回台4から支持部材を立設し、この支持部材に側窓を有する側壁部材を設けると共に、その上部に屋根装置を設けている。
【0011】
前記旋回台4は基台として旋回フレーム4Aを有し、この旋回フレーム4A上に、掘削装置5の第1ブーム11を支持する前記支持部16、エンジン8及びラジエータ33等を搭載するエンジン搭載部、オイルタンク31、コントロールバルブ32及びバッテリ等を載置するタンク等載置部等を有し、旋回モータの取り付け部及び旋回軸受取り付け部等が形成されている。
図1〜6において、前記旋回フレーム4Aの後部には支持枠38(図2に示す)が設けられており、この支持枠38に前記メインカバー34及び側部カバー36が支持されると共に、ボンネット9の上部が枢支具39を介して支持されている。
【0012】
前記旋回フレーム4Aの後部には、鋳鉄等で平面視略円弧形状のウエイト(カウンタウエイト)21が取り付けられており、旋回台4の後部を、旋回軸受取り付け部を略曲率中心とする平面視略円弧状に形成している。
旋回フレーム4Aには、エンジン8を搭載している搭載部の後部から後上方に突出した左右一対の取り付け体20(図1に示す)が設けられている。前記ウエイト21の上下方向中途部には、左右取り付け体20に対向してボルト孔22が形成されており、このボルト孔22にボルトを挿入してナットを介して取り付け体20と締結することにより、ウエイト21を左右取り付け体20に取り付ける。
【0013】
また、ウエイト21の中途部にもボルト孔25が形成されていて、旋回フレーム4Aの後部に設けた取り付け体に高さ調整可能にボルト固定される。これら左右取り付け体20、ボルト及びナット等によって、ウエイト21を旋回台4に取り付けるための締結手段が構成されている。また、ウエイト21にはエンジン8の排気管を挿通する孔26も形成されている。
前記ウエイト21の上面21Aは、内向き登り傾斜、即ち、エンジンルーム側(円弧曲率中心側)に向けて高くなる傾斜面となっており、そのウエイト上面21Aの内周側を一定高さの壁形状に隆起させて、平面視略円弧状の当たり部23を一体形成している。
【0014】
前記ボンネット9は、下部がウエイト21の上面21Aに略沿うように形成されており、閉鎖時にウエイト21の上面21Aに上下方向に対向して近接可能になっている。
前記ボンネット9の下部は内向きに屈曲されて略L字状になっており、略水平向きとなった下縁9Aにシール材24が装着されおり、前記上向き突設された当たり部23に側方から当接可能になっている。
前記上面21Aから1段高くなった当たり部23の高さは、ウエイト21とボンネット9の上下方向の加工公差、組立公差等最大寸法より大きいことが好ましく、ボンネット9が上部の枢支具39を中心に閉鎖方向に揺動したきたときに、下縁9Aがシール材24を介して当たり部23に外側方から当接するようになっている。このとき、シール材24はウエイト上面21Aにも接触してもよく、また、ウエイト上面21Aのみに接触しても支障はない。
【0015】
このように、ボンネット9の下縁9Aがシール材24を介して当たり部23に外側方から当接することにより、下縁9Aとウエイト21の上面21Aとの間に上下方向等の加工公差、組立公差によって間隙が生じても、当たり部23がその間隙を内側から閉鎖することになり、内部からエンジン冷却風が洩れたり、外部から内部が見えるような見栄えの悪いことがなくなる。
また、ボンネット9の下縁9Aが当たり部23に当接することにより、ボンネット9はウエイト21の円弧形状に対して正常な沿い姿勢をとることができ、ボンネット9の左右側縁はそれと隣り合うメインカバー35及び側部カバー36の各後部縁に整然と隣接配置されることになり、組立作業も簡単になる。
【0016】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、バックホー1としては、超小旋回型だけでなく標準型又は後方小旋回型のバックホーにもそのまま使用することができる。
ウエイト21の上面は水平面でもよく、ボンネット9の下縁9Aは折曲せずにストレートでもよく、シール材24は当たり部23に取り付けることも可能である。
また、ボンネット9の左右側縁と隣り合うメインカバー35及び側部カバー36の各後部縁に、ボンネット9の内面側に突出するツバ状当たり部を形成し、ボンネット9の左右側縁がシール材を介してそのツバ状当たり部に外側方から当接するように構成し、前記当たり部23と同様に、両者間の間隙を塞ぐようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、ボンネット9の下縁9Aはウエイト21の上面21Aと上下方向に対向するだけでなく、当たり部23と側方向にも対向することになり、上下方向等に加工公差、組立公差があっても、両者の間に間隙が生じないようにでき、エンジン冷却風が洩れたり、見栄えが悪くなったりするのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の要部を示す図3のX−X線断面図である。
【図2】旋回台の後部の側面図である。
【図3】旋回台の背面図である。
【図4】ウエイトの平面図である。
【図5】旋回台の平面図である。
【図6】バックホーの全体側面図である。
【符号の説明】
1 バックホー
4 旋回台
9 ボンネット
9A 下縁
21 ウエイト
21A 上面
23 当たり部
24 シール材

Claims (1)

  1. 旋回台の後部にウエイトを設け、このウエイトの上側に上部枢支で開閉自在にされたボンネットを配置し、このボンネットの下縁を平面視略円弧状のウエイトの上面に略沿わせ、このウエイトの上面に前記ボンネットを閉鎖したときに当接可能な当たり部を上向き突設し、前記ウエイトの上面を内向き登り傾斜させ、当たり部をウエイトの上面の内周部に一体成形しており、
    前記ボンネットの下部を内向きに略L字状に屈曲させて、その下縁にウエイトの内向き登り傾斜の上面と上向き突設の当たり部とに閉鎖時に外側方から当接可能なシール材を設けていることを特徴とするバックホーの旋回台。
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