JP4985502B2 - 後突用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に後突により後方から衝撃が加わった場合に、天井裏の収納部に収納されたエアバッグを、最後部座席の後方近傍で展開膨張させて乗員を保護するようにした後突用エアバッグ装置に関するものである。
後突により車両に後方から衝撃が加わった場合に最後部座席に着座している乗員を保護する手段として、エアバッグを最後部座席とリヤウインドウガラスとの間で展開膨張させるようにしたエアバッグ装置(後突用エアバッグ装置)が有効である。
この後突用エアバッグ装置は、他のエアバッグ装置と同様、インフレータ及びエアバッグを主要な構成部材として備えている。インフレータと、折り畳まれてコンパクトにされたエアバッグとは、車両の天井裏の収納部に収納される。そして、後突により車両に対し後方から衝撃が加わると、インフレータからエアバッグに対し膨張用ガスが供給される。この膨張用ガスにより、エアバッグが上記収納部から車室へ出て、斜め後ろ下方の最後部座席とリヤウインドウガラスとの間へ向けて展開膨張する。
最後部座席に着座している乗員の頭部とリヤウインドウガラスとが上記エアバッグを介して隔離される。車両に対し後方から加わった衝撃がエアバッグによって吸収されるとともに、車両後方からの飛散物、侵入物等の車室内への影響が低減される。また、乗員の後方への姿勢変化もエアバッグによって抑制される。
こうした後突用エアバッグ装置の一態様として、最後部座席のヘッドレストの側方で展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部を連結する布帛により構成され、かつ膨張用ガスにより膨張せずにヘッドレストの後方近傍で展開する非膨張部とを設けたものが、例えば特許文献1に記載されている。非膨張部を設けた主な理由は、エアバッグの展開膨張状態における容積を低減し、インフレータの低容量化及びコスト低減を図ること、さらに、エアバッグの展開膨張速度を速めて乗員の保護性能向上を図ることである。
特開2007−302096号公報
ところが、上記後突用エアバッグ装置では、エアバッグが車幅方向へ展開膨張しつつ、すなわち、非膨張部に対し車幅方向の張力をかけた状態で斜め後ろ下方へ展開膨張する。この際、非膨張部は展開途中で最後部座席のヘッドレストと接触するおそれがある。この接触が起こった場合には、非膨張部がヘッドレストと干渉し、同非膨張部がヘッドレストを乗り越え、その後方近傍で的確に展開することが困難となる。これは、ヘッドレストとの干渉により、エアバッグの車幅方向外側へ向かう展開膨張が規制され、同エアバッグの後方へ向かう展開膨張の勢いが弱まるからであろうと考えられる。
特に、近年では車室の拡大等の要求から、天井裏の後端部に収納部を確保することが困難になりつつあり、同収納部を車両前方側へ設定せざるを得ない場合もあり、この場合には、収納部がヘッドレストから前方へ遠ざかるため、上述した非膨張部のヘッドレストとの干渉が起こりやすくなる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、非膨張部のヘッドレストとの干渉を抑制し、同非膨張部をヘッドレストの後方へ的確に展開させることのできる後突用エアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両の天井裏に設けた収納部に、折り畳まれた状態のエアバッグと同エアバッグに車両前方側から膨張流体を供給する膨張流体供給源とを収納し、さらに同エアバッグの基端部を車両に固定し、後突による車両後方からの衝撃に応じて前記膨張流体供給源から供給される膨張流体により、前記エアバッグの前記基端部を前記収納部に残した状態で、同エアバッグを前記収納部から車室内の斜め後ろ下方へ向けて飛び出させ、最後部座席の後方近傍で展開膨張させるようにした後突用エアバッグ装置であって、前記エアバッグには、前記最後部座席のヘッドレストの側方近傍で前記膨張流体により展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部間に位置し、かつ前記膨張流体により膨張せずに前記ヘッドレストの後方近傍で展開する布帛製の非膨張部とを設け、複数の前記膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、前記各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を前記非膨張部に設け、前記変位許容部は、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記エアバッグの前記基端部に向けて延びるスリットからなり、前記エアバッグは、展開させられた状態でテーブル上に載置されるとともに、車幅方向に細長い板状の折り補助具を芯とし、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記基端部に向けて前記折り補助具とともに折り返されることにより渦巻き状に折り畳まれるものであり、前記非膨張部における前記スリットの近傍、かつ同スリットに沿う複数箇所には、前記エアバッグが折り返される直前まで、前記テーブルの係止部に係止される被係止部が設けられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、車両に対し後方から衝撃が加わると、膨張流体供給源から膨張流体が、エアバッグにおける複数の膨張部に供給される。この供給を受けたエアバッグは、基端部を収納部に残した状態で、展開膨張しながら収納部から飛び出す。この際、エアバッグでは、側膨張部の車幅方向外側への変位が可能であり、膨張部の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回る。そのため、膨張部は斜め後ろ下方へ向けて、すなわち、最後部座席のヘッドレストの側方近傍で展開膨張しようとする。
一方、隣り合う膨張部を連結する布帛により構成された非膨張部は膨張流体により膨張しない。この非膨張部は、本来はヘッドレストを乗り越えてその後方近傍で展開する。この展開の際、非膨張部に対し、側膨張部により車幅方向外側へ向かう張力が加わっていると、非膨張部がヘッドレストに引っ掛かって干渉した場合、同側膨張部の車幅方向外側への変位が規制される。この規制により、側膨張部では、後方へ展開膨張しようとする力が弱くなる、側膨張部は専ら下方へ展開しようとするようになる。そのため、ヘッドレストに引っ掛かった非膨張部のそれ以上の展開が進まず、同非膨張部が、ヘッドレストを乗り越えて、その後方近傍で展開することが困難となる。これに伴い、非膨張部に連結された側膨張部の展開膨張も阻害される。
この点、非膨張部に変位許容部が設けられた請求項1に記載の発明では、非膨張部が上記のようにヘッドレストに触れても、側膨張部の車幅方向外側への変位が変位許容部により可能となる。側膨張部の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回った状態が続く。そのため、非膨張部は展開途中でヘッドレストに触れたとしても引っ掛からずに、同ヘッドレストを乗り越えやすく、その後方近傍の所定の位置までスムーズに展開する。側膨張部についても所定の位置まで展開膨張する。
側膨張部と、その内側に隣り合う膨張部との間には非膨張部が位置する。この非膨張部に変位許容部が設けられていなければ、上記両膨張部は非膨張部によって連結された状態となる。しかし、請求項に記載の発明では、非膨張部にスリットが設けられることにより、上記両膨張部は、非膨張部のうちスリットのある箇所において車幅方向に分割された状態となる。そのため、側膨張部の車幅方向外側への変位が規制されにくい。非膨張部がヘッドレストに触れても、側膨張部が車幅方向外側へ変位することで、側膨張部の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回った状態が続く。そのため、非膨張部は展開途中でヘッドレストに触れたとしても引っ掛からずに、同ヘッドレストを確実に乗り越えて展開する。
なお、非膨張部においてスリットよりも車外側の部分と、同スリットよりも車内側の部分とは、分断されているものの相互に接近していて、ヘッドレストの後方近傍に位置する。そのため、車両後方からの飛散物を受け止める効果は、こうした構成でも得られる。
また、上記エアバッグが渦巻き状に折り畳まれる場合には、エアバッグが展開させられた状態でテーブル上に載置される。そして、車幅方向に細長い板状の折り補助具が、エアバッグにおける展開方向前側の端部上に置かれ、同エアバッグが折り補助具とともに基端部に向けて折り返される。この折り返しにより、折り補助具を芯として、その周りにエアバッグが渦巻き状に折り畳まれる。
ここで、エアバッグが展開させられた状態では、非膨張部においてスリットを挟んで隣り合う部分は車幅方向に相互に連結されていない。そのため、折り補助具を用いたエアバッグの上記折り返しの際に非膨張部が適正な位置からずれるおそれがある。
この点、請求項1に記載の発明では、非膨張部におけるスリットの近傍部分に設けられた被係止部がテーブルの係止部に係止されることで、同非膨張部がテーブルに対し位置決めされた状態となる。従って、折り補助具を芯としてエアバッグを折り返していく際に非膨張部が適正な位置からずれる現象が起こりにくくなる。その結果、非膨張部を適正に渦巻き状に折り畳むことができる。
なお、係止部は、エアバッグが折り返される直前まで被係止部に係止されるものであるから、折り返し時には係止が解除される。そのため、係止部による係止が折り返し作業の支障となることはない。
請求項に記載の発明は、車両の天井裏に設けた収納部に、折り畳まれた状態のエアバッグと同エアバッグに車両前方側から膨張流体を供給する膨張流体供給源とを収納し、さらに同エアバッグの基端部を車両に固定し、後突による車両後方からの衝撃に応じて前記膨張流体供給源から供給される膨張流体により、前記エアバッグの前記基端部を前記収納部に残した状態で、同エアバッグを前記収納部から車室内の斜め後ろ下方へ向けて飛び出させ、最後部座席の後方近傍で展開膨張させるようにした後突用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグには、前記最後部座席のヘッドレストの側方近傍で前記膨張流体により展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部間に位置し、かつ前記膨張流体により膨張せずに前記ヘッドレストの後方近傍で展開する布帛製の非膨張部とを設け、複数の前記膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、前記各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を前記非膨張部に設け、前記変位許容部は、前記非膨張部における展開方向前側の端縁の近傍から前記エアバッグの前記基端部に向けて延びるスリットと、前記非膨張部の前記スリットよりも展開方向前側に設けられ、前記膨張部の展開膨張に伴い破断して前記スリットを前記非膨張部の前記端縁まで延長する破断予定部とを備え、前記エアバッグは、展開させられた状態でテーブル上に載置されるとともに、車幅方向に細長い板状の折り補助具を芯とし、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記基端部に向けて前記折り補助具とともに折り返されることにより渦巻き状に折り畳まれるものであり、前記非膨張部における前記スリットの近傍、かつ同スリットに沿う複数箇所には、前記エアバッグが折り返される直前まで、前記テーブルの係止部に係止される被係止部が設けられていることを要旨とする。
上記の構成によれば、車両に対し後方から衝撃が加わると、膨張流体供給源から膨張流体が、エアバッグにおける複数の膨張部に供給される。この供給を受けたエアバッグは、基端部を収納部に残した状態で、展開膨張しながら収納部から飛び出す。この際、エアバッグでは、側膨張部の車幅方向外側への変位が可能であり、膨張部の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回る。そのため、膨張部は斜め後ろ下方へ向けて、すなわち、最後部座席のヘッドレストの側方近傍で展開膨張しようとする。
一方、隣り合う膨張部を連結する布帛により構成された非膨張部は膨張流体により膨張しない。この非膨張部は、本来はヘッドレストを乗り越えてその後方近傍で展開する。この展開の際、非膨張部に対し、側膨張部により車幅方向外側へ向かう張力が加わっていると、非膨張部がヘッドレストに引っ掛かって干渉した場合、同側膨張部の車幅方向外側への変位が規制される。この規制により、側膨張部では、後方へ展開膨張しようとする力が弱くなる、側膨張部は専ら下方へ展開しようとするようになる。そのため、ヘッドレストに引っ掛かった非膨張部のそれ以上の展開が進まず、同非膨張部が、ヘッドレストを乗り越えて、その後方近傍で展開することが困難となる。これに伴い、非膨張部に連結された側膨張部の展開膨張も阻害される。
この点、非膨張部に変位許容部が設けられた請求項2に記載の発明では、非膨張部が上記のようにヘッドレストに触れても、側膨張部の車幅方向外側への変位が変位許容部により可能となる。側膨張部の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回った状態が続く。そのため、非膨張部は展開途中でヘッドレストに触れたとしても引っ掛からずに、同ヘッドレストを乗り越えやすく、その後方近傍の所定の位置までスムーズに展開する。側膨張部についても所定の位置まで展開膨張する。
ここで、スリットを非膨張部の展開方向前側の端縁から延ばし、スリットを挟んで隣り合う分割部を車幅方向に相互に連結しない構成とすることは、側膨張部の車幅方向外側への変位を許容するうえで有効である。しかし、収納部への収納に先立ち展開状態のエアバッグを折り畳む際に、非膨張部においてスリットを挟んで車幅方向に隣り合う部分をそれぞれ折り畳む作業が必要となり、煩雑である。
この点、請求項に記載の発明では、非膨張部において、スリットを挟んで車幅方向に隣り合う部分が、非膨張部の展開方向前側の端縁近傍に設けられた破断予定部において連結されている。従って、上記のように展開状態のエアバッグを折り畳む際に、非膨張部においてスリットを挟んで車幅方向に隣り合う部分の一方を折り畳めば、他方も追従して折り畳まれる。そのため、非膨張部の折り畳み作業が容易となる。
なお、破断予定部は、エアバッグの展開膨張に際し、非膨張部に車幅方向の張力が作用した場合に破断される。この破断によりスリットが非膨張部の展開方向前側の端縁まで延長した状態となり、非膨張部がスリットにおいて車幅方向に分割される。そのため、その後は、非膨張部のヘッドレストとの干渉を抑制する効果が得られる。
上記エアバッグが渦巻き状に折り畳まれる場合には、エアバッグが展開させられた状態でテーブル上に載置される。そして、車幅方向に細長い板状の折り補助具が、エアバッグにおける展開方向前側の端部上に置かれ、同エアバッグが折り補助具とともに基端部に向けて折り返される。この折り返しにより、折り補助具を芯として、その周りにエアバッグが渦巻き状に折り畳まれる。
ここで、エアバッグが展開させられた状態では、非膨張部においてスリットを挟んで隣り合う部分は車幅方向に相互に連結されていない。そのため、折り補助具を用いたエアバッグの上記折り返しの際に非膨張部が適正な位置からずれるおそれがある。
この点、請求項に記載の発明では、非膨張部におけるスリットの近傍部分に設けられた被係止部がテーブルの係止部に係止されることで、同非膨張部がテーブルに対し位置決めされた状態となる。従って、折り補助具を芯としてエアバッグを折り返していく際に非膨張部が適正な位置からずれる現象が起こりにくくなる。その結果、非膨張部を適正に渦巻き状に折り畳むことができる。
なお、係止部は、エアバッグが折り返される直前まで被係止部に係止されるものであるから、折り返し時には係止が解除される。そのため、係止部による係止が折り返し作業の支障となることはない。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記係止部は、列をなした状態で前記テーブルから突出する複数のピンであり、前記被係止部は、前記各ピンが抜き出し可能に挿通される複数の係止孔からなることを要旨とする。
上記の構成によれば、非膨張部におけるスリットの近傍、かつ同スリットに沿う複数箇所に設けられた係止孔に対し、列をなした状態でテーブルから突出する複数のピンが挿通されることで、同非膨張部がテーブルに対し位置決めされる。
なお、各ピンは、エアバッグが折り返される直前まで係止孔に挿通される。エアバッグが折り返されるときには各ピンが係止孔から抜け出る。そのため、ピンによる係止が折り返し作業の支障となることはない。
また、テーブルに複数のピンを設け、非膨張部に複数の係止孔を設けるといった簡単な構成で係止部及び被係止部を成立させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、複数の前記膨張部のうち前記側膨張部に対し車幅方向内側に隣接するものは中間膨張部とされ、前記スリットは、前記非膨張部における前記中間膨張部近傍に設けられていることを要旨とする。
非膨張部にスリットが形成された場合、非膨張部はそのスリットを挟んで車幅方向両側に分割される。これらの分割部分は、基本的には弛緩状態となり、側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する。しかし、厳密には非膨張部においてスリットと中間膨張部との間の部分のうち特定の部位は、その構造上緊張状態となる。特定の部位とは、中間膨張部の展開方向前側部分であって非膨張部との境界部分と、スリットの基端部側の端部とを繋ぐ線を設定した場合、その線と中間膨張部とによって挟まれる箇所である。この部位は緊張状態となるため、上述した弛緩状態による効果が得られない。そのため、上記特定の部位は小さい方が望ましい。
この点、請求項に記載の発明では、スリットが、非膨張部における中間膨張部近傍に設けられている。そのため、緊張状態となる上記特定の部位が小さくなり、弛緩状態による効果がより得やすくなる。
請求項に記載の発明は、車両の天井裏に設けた収納部に、折り畳まれた状態のエアバッグと同エアバッグに車両前方側から膨張流体を供給する膨張流体供給源とを収納し、さらに同エアバッグの基端部を車両に固定し、後突による車両後方からの衝撃に応じて前記膨張流体供給源から供給される膨張流体により、前記エアバッグの前記基端部を前記収納部に残した状態で、同エアバッグを前記収納部から車室内の斜め後ろ下方へ向けて飛び出させ、最後部座席の後方近傍で展開膨張させるようにした後突用エアバッグ装置であって、前記エアバッグには、前記最後部座席のヘッドレストの側方近傍で前記膨張流体により展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部間に位置し、かつ前記膨張流体により膨張せずに前記ヘッドレストの後方近傍で展開する布帛製の非膨張部とを設け、複数の前記膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、前記各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を前記非膨張部に設け、複数の前記膨張部のうち前記側膨張部に対し車幅方向内側に隣接するものは中間膨張部とされ、前記非膨張部及び前記変位許容部は、前記中間膨張部から分離した状態で前記側膨張部に設けられた非膨張外構成片と、前記側膨張部から分離し、かつ前記非膨張外構成片に接近又は接触した状態で前記中間膨張部に設けられた非膨張内構成片とを備え、前記エアバッグは、展開させられた状態でテーブル上に載置されるとともに、車幅方向に細長い板状の折り補助具を芯とし、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記基端部に向けて前記折り補助具とともに折り返されることにより渦巻き状に折り畳まれるものであり、前記非膨張外構成片における前記非膨張内構成片側の部分、及び前記非膨張内構成片における前記非膨張外構成片側の部分には、前記エアバッグが折り返される直前まで、前記テーブルの係止部に係止される被係止部がそれぞれ設けられていることを要旨とする。
側膨張部と中間膨張部との間には非膨張部が位置する。この非膨張部に変位許容部が設けられていなければ、上記両膨張部は非膨張部によって連結された状態となる。しかし、請求項に記載の発明では、非膨張部及び変位許容部が、側膨張部に設けられた非膨張外構成片と、中間膨張部に設けられた非膨張内構成片とを備えて構成されていることから、上記両膨張部は非膨張部において車幅方向に分断された状態となる。そのため、非膨張部が弛緩状態となり、これによっては側膨張部の車幅方向外側への変位が規制されにくい。非膨張部がヘッドレストに触れても、側膨張部が車幅方向外側へ変位することで、側膨張部の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回った状態が続く。そのため、非膨張部は展開途中でヘッドレストに触れたとしても引っ掛からずに、同ヘッドレストを確実に乗り越えて展開する。
なお、非膨張外構成片及び非膨張内構成片は相互に接近又は接触していて、ヘッドレストの後方近傍に位置する。そのため、車両後方からの飛散物を受け止める効果は、こうした構成でも得られる。
上記エアバッグが渦巻き状に折り畳まれる際には、エアバッグが展開させられた状態でテーブル上に載置される。そして、車幅方向に細長い板状の折り補助具が、エアバッグにおける展開方向前側の端部上に置かれ、同エアバッグが折り補助具とともに基端部に向けて折り返される。この折り返しにより、折り補助具を芯として、その周りにエアバッグが渦巻き状に折り畳まれる(巻付けられる)。
ここで、エアバッグが展開させられた状態では、非膨張外構成片及び非膨張内構成片は車幅方向に相互に連結されていない。そのため、折り補助具を用いたエアバッグの上記折り返しの際に、非膨張外構成片及び非膨張内構成片の少なくとも一方が適正な位置からずれるおそれがある。
この点、請求項に記載の発明では、非膨張外構成片における非膨張内構成片側の部分、及び非膨張内構成片における非膨張外構成片側の部分にそれぞれ設けられた被係止部がテーブルの係止部に係止されることで、非膨張外構成片及び非膨張内構成片の各々がテーブルに対し位置決めされた状態となる。従って、折り補助具を芯としてエアバッグを折り返していく際に非膨張部(非膨張外構成片及び非膨張内構成片)が適正な位置からずれる現象を起こりにくくすることができる。その結果、非膨張部を適正に渦巻き状に折り畳むことができる。
なお、係止部は、エアバッグが折り返される直前まで被係止部に係止されるものであるから、折り返し時には係止が解除される。そのため、係止部による係止が折り返し作業の支障とはならない。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記非膨張内構成片及び前記非膨張外構成片は、それらの少なくとも一部において車幅方向に重なり合っており、前記係止部は、前記非膨張部の展開方向に列をなした状態で前記テーブルから突出する複数のピンからなり、前記被係止部は、前記非膨張外構成片の前記非膨張内構成片との重なり部分、及び前記非膨張内構成片の前記非膨張外構成片との重なり部分にそれぞれ設けられ、前記各ピンが共通の係止部として抜き出し可能に挿通される複数の係止孔からなることを要旨とする。
上記の構成によれば、非膨張部の展開方向に列をなした状態でテーブルから突出する複数のピンが、非膨張外構成片及び非膨張内構成片の各係止孔に挿通されることで、非膨張外構成片及び非膨張内構成片がテーブルに対しそれぞれ位置決めされた状態で係止される。
この際、仮に、非膨張外構成片及び非膨張内構成片が相互に重なり合う部分を有しない場合には、非膨張外構成片の係止孔に挿通するピンと、非膨張内構成片の係止孔に挿通するピンとが別々に必要となる。この点、請求項9に記載の発明では、係止孔が非膨張外構成片の重なり部分と、非膨張内構成片の重なり部分とに設けられている。そのため、各ピンは、非膨張外構成片の係止孔にも非膨張内構成片の係止孔にも挿通される。従って、非膨張外構成片及び非膨張内構成片をテーブルに係止するために必要なピンの数が、非膨張外構成片及び非膨張内構成片が相互に重なり合う部分を有しない場合の半分ですむ。
本発明によれば、複数の膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を非膨張部に設けたため、非膨張部のヘッドレストとの干渉を抑制し、同非膨張部をヘッドレストの後方へ確実に展開させることができる。
(第1参考例
以下、車両用の後突用エアバッグ装置に具体化した第1参考例について、図1〜図13を参照して説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車幅方向(左右方向)については、車両を後方から見た場合を基準として左右方向を規定する。また、車幅方向については、その中央部を基準とし、中央部から遠ざかる側(方向)を外側(外側方)といい、中央部に近づく側(方向)を内側(内側方)というものとする。
まず、後突用エアバッグ装置の適用箇所である車両後部の構成について説明する。図1及び図2の少なくとも一方に示すように、車室11内の最後部には、最後部座席として、左右一対のリヤシート12,12が配設されている。各リヤシート12では、一般的なシートと同様に、シートバック(背もたれ部)13の上側に、乗員Pの頭部Phをその後ろ側から支えるためのヘッドレスト14L,14Rが取り付けられている。
車両10の後部の左右両側部には、それぞれ略上下方向に延びるリヤピラー(いわゆるCピラー)15,15が設けられている。両リヤピラー15,15は、それらの間隔(左右幅)が、上端部から下方へ向かうにつれて徐々に大きくなるように傾斜している。
図3及び図4の少なくとも一方に示すように、各リヤピラー15の車室11側の面はリヤピラーガーニッシュ16によって覆われている。各リヤピラーガーニッシュ16においてリヤピラー15と対向する面の複数箇所には固定クリップ17が設けられる一方、リヤピラー15の複数箇所には装着孔18があけられている。そして、固定クリップ17が対応する装着孔18に係入されることにより、リヤピラーガーニッシュ16がリヤピラー15に係止されている。このように、左右両リヤピラー15,15に係止された両リヤピラーガーニッシュ16,16は、両リヤピラー15,15と同様に、それらの間隔が上端部16A,16Aから下方に向かうにつれて徐々に大きくなるように傾斜している(図8(B)参照)。
車室11の後部の形状は、上記左右両リヤピラーガーニッシュ16,16によって規定される。左右両リヤピラーガーニッシュ16,16が上記のように傾斜していることから、車室11の後部の空間は下側ほど幅広となる略台形状をなしている。
さらに、各リヤピラーガーニッシュ16の下方には、車室11の後部の下方部分を覆うロアガーニッシュ19が配置されている。なお、図3中の20は、リヤシート12に乗員Pを拘束するためのシートベルトである。
車両10の後部において、左右の両リヤピラー15,15及び両リヤピラーガーニッシュ16,16の上方にはルーフ21が設けられている。図5に示すように、ルーフ21の後部は、外装部材であるルーフパネル22、装飾部材であるリヤルーフヘッドライニング23、及びインナパネル24を備えて構成されている。ルーフパネル22の後端部22Aは下方へ屈曲されており、他の箇所よりも低くなっている。
上記後端部22Aには、上記リヤシート12(図1参照)の後方近傍に配置されたリヤドア25が、ヒンジ機構(図示略)により略上下方向へ開閉可能に支持されている。リヤドア25の上半部には、上端から下方へ向けて幅が徐々に増大する形状、すなわち略台形状をなすリヤウインドウ27(図2参照)が設けられており、ここにリヤウインドウガラス28が装着されている。
上記リヤルーフヘッドライニング23は、特許請求の範囲における車両の天井に該当する。図8(B)に示すように、リヤルーフヘッドライニング23は、例えば合成樹脂等の可撓性を有する材料によって形成されており、左右両リヤピラーガーニッシュ16,16の上端部16A,16Aよりも上方に配置されて、ルーフパネル22(図5参照)の車室11側の面全体を下方から覆っている。また、リヤルーフヘッドライニング23の両側縁部23B,23Bは、上記両上端部16A,16Aよりも車幅方向外側に位置している。図5に示すように、リヤルーフヘッドライニング23は、車両10の前方側の箇所、例えば前端部を中心として下方に回動する方向に変位可能となるようルーフパネル22に取付けられている。
インナパネル24は、ルーフパネル22及びリヤルーフヘッドライニング23間に配置されており、少なくとも後端部24Aにおいてルーフパネル22に固定されている。
上記ルーフパネル22の後端部22Aには、シール用のウエザストリップ29が装着されている。ウエザストリップ29には係止片29Aが斜め後ろ下方へ向けて突設されており、ここにリヤルーフヘッドライニング23の後端部23Aが係合されている。この係止片29Aのリヤルーフヘッドライニング23との係合強度は、後述するエアバッグ33が膨張した際にリヤルーフヘッドライニング23に加えられる押圧力によって同係合状態が速やかに解除される程度に設定されている。
上述した車両10の後部には、後突により同車両10に対し後方から衝撃が加わった場合に、リヤシート12に着座している乗員P、特に頭部Ph(図1及び図11参照)を保護する後突用エアバッグ装置が設けられている。
後突用エアバッグ装置は、膨張流体供給源としてのインフレータ31と、そのインフレータ31から供給される膨張流体としての膨張用ガスG(図12参照)により膨張するエアバッグ33とを主要な構成部品として備えている。これらのインフレータ31及びエアバッグ33は、天井裏の収納部32に配置されている。ここでは、インナパネル24及びリヤルーフヘッドライニング23間であって、上記ヘッドレスト14L,14R(図1参照)よりも前方であり、かつ左右両リヤピラーガーニッシュ16,16の上端部16A,16A(図8(B)参照)間の空間が上記収納部32とされている。
次に、後突用エアバッグ装置における上記インフレータ31及びエアバッグ33のそれぞれについて説明する。
<インフレータ31>
インフレータ31は、車幅方向(図5において紙面と直交する方向)に細長い略円柱状をなしている。インフレータ31には膨張用ガスGの生成態様の違いから複数のタイプがあるが、ここでは、内部に収容したガス発生剤を反応させて膨張用ガスGを発生させる、いわゆるパイロタイプと呼ばれるインフレータ31が用いられている。なお、インフレータ31として、上記パイロタイプとは異なるタイプが用いられてもよい。こうしたタイプとしては、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスGを噴出させるストアードガスタイプや、パイロタイプとストアードガスタイプの両者を組み合わせた形態のハイブリッドタイプ等が挙げられる。
上記インフレータ31は、収納部32において、車両10の後方から衝撃が加えられたときの変形の小さい部位、例えば同変形を小さくすべく剛性が高められている箇所であるインナパネル24に固定されている。
<エアバッグ33>
一方、エアバッグ33は、折り畳まれることにより収納に適したコンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされたうえで上記収納部32に収納されている。エアバッグ33は、インフレータ31から供給される膨張用ガスGにより、上記収納部32から斜め後ろ下方へ飛び出して、両リヤシート12,12とリヤウインドウガラス28との間で展開膨張する。
図6は、展開させられた状態のエアバッグ33を示している。この図6を含め、図7〜図10及び図12は、車室11内から後ろを向いて見たときのエアバッグ33等を示している。この向きは、左右方向を規定する際の向き、すなわち車両10を後方から見たときの向きとは逆である。従って、これらの図6〜図10及び図12中の「左」、「右」は、
車両10を後方から見たときの「左」、「右」とは逆になる。なお、後述する図13〜図22についても同様である。
エアバッグ33は、展開したときに、リヤウインドウガラス28(図2参照)の略全域を覆うことのできるように、下側ほど車幅方向の幅Wが大きくなる略台形の外形形状を有している。こうした外形形状を有するエアバッグ33は、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えば織布等からなる2枚の布帛34A,34B(基布、パネル布等と呼ばれることもある)を縫製糸によって縫合することにより袋状に形成されている。図中、太い破線で示された箇所は、縫製糸による縫合部分を指している。なお、エアバッグ33は、1枚の布帛を中央部分で二つ折りし、周縁部分で縫合することによって袋状に形成されたものであってもよい。
ここで、展開状態のエアバッグ33の展開方向についての部位を特定するために、同エアバッグ33の展開方向後側の端部(図6の上端部)を基端部33Aというものとする。そして、収納部32内に収納されたエアバッグ33は基端部33Aにおいて車両(インナパネル24)に固定される。上記基端部33Aの中央部には、供給口35Aを有するガス供給部35が設けられている。ガス供給部35は、上記インフレータ31が接続される箇所である。
上記ガス供給部35は、エアバッグ33の車幅方向についての中央部に必ずしも正確に設けられなくてもよく、多少ずれた箇所に設けられてもよい。この場合であっても、インフレータ31から噴出された膨張用ガスGを、後述する長尺体65の両外端部に略均等に導いて両折り重ね部61,61(図8(B)参照)を車幅方向についての両方の外側へ略均等に展開させることは可能である。
エアバッグ33内には、膨張部として、1つの横膨張セル36と、2つの側部縦膨張セル37,40と、2つの中間部縦膨張セル38,39とが上記縫合により区画形成されている。これらの膨張セル36〜40は、インフレータ31から供給された膨張用ガスGによりそれぞれ円筒状に膨張し、ガス流れを制御してエアバッグ33の展開動作を制御するためのものである。上記側部縦膨張セル37,40は、特許請求の範囲における側膨張部に該当し、中間部縦膨張セル38,39は中間膨張部に該当する。
横膨張セル36は、インフレータ31からの膨張用ガスGを車幅方向の両外側へ導くためのものであり、エアバッグ33の上部において、基端部33Aに沿って車幅方向へ延びている。横膨張セル36は、その車幅方向についての中央部において上記ガス供給部35と連通している。
中間部縦膨張セル38,39は、横膨張セル36の下側においてエアバッグ33の車幅方向についての中央部分を構成するものであり、横膨張セル36を起点として、互いに車幅方向に隣り合った状態で下方へ延びている。これらの中間部縦膨張セル38,39は、自身の一端部(上端部)において横膨張セル36に連通しているが、隣接する中間部縦膨張セル39,38とは直接連通していない。両中間部縦膨張セル38,39のエアバッグ33に占める位置は、同エアバッグ33が展開膨張したときに両ヘッドレスト14L,14R間となる箇所、表現を変えると、ヘッドレスト14L,14Rの内側方近傍となる箇所である。
両側部縦膨張セル37,40は、横膨張セル36の両外端部からの膨張用ガスGを略下方へ導くためのものである。両側部縦膨張セル37,40は、エアバッグ33の車幅方向についての両外側部に設けられ、横膨張セル36を起点として、下側ほど両側部縦膨張セル37,40間の間隔が増大するように斜め外下方へ延びている。両側部縦膨張セル37,40は、自身の一端部(上端部)において横膨張セル36の両外端部に連通している。両側部縦膨張セル37,40のエアバッグ33に占める位置は、同エアバッグ33が展開膨張したときに両ヘッドレスト14L,14Rの外側方近傍(中間部縦膨張セル38,39から遠ざかる方向の近傍)となる箇所である。
エアバッグ33において、横膨張セル36よりも下側であって、側部縦膨張セル37と中間部縦膨張セル38との間の部分は、裏側(車両後側)の布帛34Bのみによって構成されており、上記膨張用ガスGによって展開膨張されない非膨張部41となっている。非膨張部41のエアバッグ33に占める位置は、同エアバッグ33が展開膨張したときにヘッドレスト14Rの後方近傍となる箇所である。非膨張部41は、主として車両10の後方からの飛散物を受け止める役割を担っている。この非膨張部41には、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部が設けられている。変位許容部は、非膨張部41の展開方向前側の端縁42からエアバッグ33の基端部33Aに向けて延びるスリット43によって構成されている。スリット43の上端43Uは非膨張部41の上端(横膨張セル36との境界部分)に位置している。このスリット43により、非膨張部41は、車幅方向に2つの分割部に分割されている。ここで、両分割部を区別するために、中間部縦膨張セル38に近い側、すなわち車内側に位置するものを分割部44iといい、側部縦膨張セル37に近い側、すなわち車外側に位置するものを分割部44oというものとする。
同様に、エアバッグ33において、横膨張セル36よりも下側であって、中間部縦膨張セル39と側部縦膨張セル40との間の部分は、裏側の布帛34Bのみによって構成されており、膨張用ガスGによって展開膨張されない非膨張部45となっている。非膨張部45のエアバッグ33に占める位置は、同エアバッグ33が展開膨張したときにヘッドレスト14Lの後方近傍となる箇所である。非膨張部45は、主として車両10の後方からの飛散物を受け止める役割を担っている。この非膨張部45には、側部縦膨張セル40の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部が設けられている。変位許容部は、非膨張部45の展開方向前側の端縁46からエアバッグ33の基端部33Aに向けて延びるスリット47によって構成されている。スリット47の上端47Uは非膨張部45の上端(横膨張セル36との境界部分)に位置している。このスリット47により、非膨張部45は、車幅方向に2つの分割部に分割されている。ここで、両分割部を区別するために、中間部縦膨張セル39に近い側、すなわち車内側に位置するものを分割部48iといい、側部縦膨張セル40に近い側、すなわち車外側に位置するものを分割部48oというものとする。
さらに、エアバッグ33内には、インフレータ31からの膨張用ガスGを同エアバッグ33内の特定の方向へ導くためのインナチューブ51が設けられている。インナチューブ51は、上記エアバッグ33と同様、織布等からなる1枚又は2枚の布帛を縫合することによって形成されている。
インナチューブ51は、上記ガス供給部35内に配置された供給部53と、上記横膨張セル36内に配置されたガイド部54とを備えて構成されている。供給部53において、上記供給口35Aに対応する端部は開口されており、この開口を通じて上記インフレータ31が挿入されている。ガス供給部35及び供給部53は、それらの外側から装着された環状の締結具(図示略)によってインフレータ31に気密状態で締結されている。
ガイド部54は、横膨張セル36に沿って車幅方向へ真っ直ぐに延びており、同方向についての中央部分において上記供給部53に連通している。ガイド部54の車幅方向についての両外端部には導出口55,55が開口している。ガイド部54の下側であって、車幅方向についての両外側部には、上記導出口55よりも開口面積の小さな導出孔56が一対あけられている。これらの導出孔56,56は、上記中間部縦膨張セル38,39の上方近傍に位置している。
ところで、図8(A),(B)は、上記収納用形態にされたエアバッグ33と左右両リヤピラーガーニッシュ16,16との位置関係を示している。より詳しくは、同図8中、上側部分はエアバッグ33を正面方向から見た状態を示し、下側部分は、収納部32に収納されたエアバッグ33をリヤピラーガーニッシュ16,16及びリヤルーフヘッドライニング23とともに車両前方から見た状態を示している。そして、同図8では、上側部分と下側部分とについて対応する箇所が一点鎖線によって繋がれている。
上記収納用形態では、エアバッグ33は車幅方向へ延びる長尺状をなしている。さらに、エアバッグ33は、車幅方向についての両外端部に折り重ね部61,61が設けられることにより、同方向についての長さLを短くされている。
こうした収納用形態は、展開状態のエアバッグ33を次のように折り畳むことにより得られる。
まず、図7(A)に示す展開状態のエアバッグ33が、端縁42,46から基端部33Aへ向けて、折り線62A〜62Hに沿って順に渦巻き状(ロール状)に折り畳まれる。この折り畳みは、基端部33Aから展開方向前側へ所定距離を離間した位置(折り線62Hで示す位置)まで行われる。この折り畳みの方向は、エアバッグ33の主な展開方向(略下方)とは逆方向となる上方である。この折り畳みにより、両側部縦膨張セル37,40及び中間部縦膨張セル38,39に加え、左右両非膨張部45,41が渦巻き状となる。こうした折り畳みにより、基端部33Aから端縁42,46側へ所定距離を離間した箇所に渦巻き部63(図5(A),(B)参照)が形成され、エアバッグ33の端縁42,46が基端部33Aに接近する。
一方、エアバッグ33において、基端部33Aと渦巻き部63との間の箇所が、渦巻き部63側から基端部33A側へ向けて、又はその逆側へ向けて折り線62H,62Iに沿って蛇腹状に折り畳まれる。この折り畳みにより、エアバッグ33において、基端部33Aと渦巻き部63との間に蛇腹折り部64(図5(A),(B)参照)が形成される。このようにして渦巻き部63及び蛇腹折り部64が形成されることにより、エアバッグ33は図7(B)に示すように、車幅方向へ延びる長尺状の形態にされる。以下、この形態のエアバッグ33を長尺体65というものとする。
なお、蛇腹折り部64は、その折り方の態様の違いから、渦巻き部63に比べて膨張用ガスGが流入しやすいという特性を有する。また、上記渦巻き部63は、リヤルーフヘッドライニング23がその後端部23Aに向かって下るようさらに傾斜したとき、その後端部23A側に転がりやすいという特性を有している。そして、このように渦巻き部63が転がることにより、エアバッグ33がリヤウインドウ27に沿って展開しやすくなる。
展開状態のエアバッグ33がその展開方向前側の端縁42,46から基端部33Aへ向けて折り畳まれる際、上記とは異なる態様で、例えばエアバッグ33の全体が蛇腹状に折り畳まれてもよい。
この時点では、長尺体65の車幅方向についての長さLは採り得る最大長さとなり、図6における幅Wの最大値(最も幅広の箇所での幅)と同一になる。この長さLは、左右両リヤピラーガーニッシュ16,16の上端部16A,16A間の間隔D(図8参照)よりも長い。このままでは、上記間隔Dに対応した幅を有する収納部32に長尺体65を収納することができない。
そこで、図8(B)に示すように、長尺体65の車幅方向についての両外端部69(図7(B)参照)に折り重ね部61,61が設けられることにより、同長尺体65の車幅方向についての長さLが短くされている。両折り重ね部61,61は、長尺体65の車幅方向についての両外端部69,69を内側及び外側へ複数回(2回)折り返すことにより形成されたものであり、3つの層66〜68からなる蛇腹状をなしている。層66〜68は、この順で上方から下方へ向けて積層されている。
上記各折り重ね部61は、次の手順を経て設けられる。まず、図7(B)に示すように、長尺体65の車幅方向についての両外端部69,69に対し、それぞれ上下方向に直線状に延びる谷折り線71及び山折り線72が設定される。各外端部69においては、谷折り線71が山折り線72よりも車幅方向外側に設定される。長尺体65において各谷折り線71よりも外側の部分が、それぞれ同谷折り線71に沿って谷折りされる。続いて、長尺体65において各山折り線72よりも外側の部分が、それぞれ同山折り線72に沿って山折りされる。なお、上記とは異なる順に、すなわち山折り線72に沿った山折り、谷折り線71に沿った谷折りの順に、外端部69が折り返されてもよい。上記の折り返しにより、図8(A),(B)に示すように、長尺体65の車幅方向についての両外端部69,69にそれぞれ折り重ね部61,61が形成され、エアバッグ33が上記収納用形態となる。
この収納用形態では、エアバッグ33の車幅方向についての長さLは、両リヤピラーガーニッシュ16,16の上端部16A,16A間の間隔Dよりも若干短くなる。両折り重ね部61,61が形成される前の段階の長尺体65は収納部32よりも車幅方向に長いものの、上記のように車幅方向についての長さLが短い収納用形態とされることでエアバッグ33を収納部32に収納することが可能となる。また、両折り重ね部61,61は、車幅方向について互いに線対称の関係となる。
なお、長尺体65における折り重ね部61の形態は適宜変更されてもよい。例えば、折り重ね部61が、長尺体65の車幅方向についての一方の外端部69にのみ設けられてもよいし、一方の外端部69又は両方の外端部69,69に加え中間部分に設けられてもよい。また、各折り重ね部61が、上記蛇腹状に代えて、渦巻き状に形成されてもよい。さらに、各折り重ね部61における折り返し回数が上記参考例とは異なる回数に変更されてもよい。
また、左右各折り重ね部61は、車幅方向について線対称の関係とならない態様で折り重ねられてもよい。
上記収納用形態にされてコンパクトにされたエアバッグ33は、両折り重ね部61,61を含む複数箇所において結束テープ(図示略)等によって結束される。
エアバッグ33は、両折り重ね部61,61がそれ以外の部分よりも下側にされた状態で、車幅方向についての両外端部が両リヤピラーガーニッシュ16,16の上端部16A,16A間であって同上端部16A,16Aの内方近傍に位置するように収納部32に配置されている。
さらに、上記エアバッグ33を固定するために、次の構成が採用されている。
図6に示すように、エアバッグ33の基端部33Aにおいてガス供給部35の側方近傍には取付部81が設けられている。従って、エアバッグ33が折り畳まれて長尺状とされているときには、取付部81がエアバッグ33における展開方向後側に位置する。そして、取付部81は、インフレータ31よりも後側の位置において、インナパネル24に対し締結具82によって締結されている(図5(A)参照)。
また、エアバッグ33の基端部33Aにおいて車幅方向についての両外側部には、取付部83が設けられている。ここでは、各取付部83がエアバッグ33と一体に形成されているが、エアバッグ33とは別部材によって形成されてもよい。そして、上記のように折り畳まれて収納用形態とされたエアバッグ33は、その長手方向(車幅方向)両外側方へ引張られた状態で、両取付部83においてボルト等の締結具84によってインナパネル24に取付けられている(図8(B)参照)。
さらに、後突用エアバッグ装置は、図1及び図2に示すように、センサ91及び制御装置92を備えている。センサ91は、車両10の後部、例えば後部バンパ93に取付けられており、車両10に対し後方から加えられる衝撃を検出する。制御装置92は、センサ91からの検出信号に基づきインフレータ31の作動を制御する。
上記のようにして、第1参考例の後突用エアバッグ装置が構成されている。この後突用エアバッグ装置の非作動時には、エアバッグ33は、収納用形態にされて車両10におけるルーフ21の後端部の収納部32に収納されている。
車両10に後方から所定値以上の衝撃が加わり、そのことがセンサ91によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置92からインフレータ31に対しこれを作動させるための信号(作動信号)が出力される。この作動信号に応じ、インフレータ31ではガス発生剤が反応して膨張用ガスGを発生する。
この膨張用ガスGは、図6において破線の矢印で示すように、まずインナチューブ51の供給部53内を流れる。この膨張用ガスGにより供給部53が膨張し、それに伴い供給部53の外側のガス供給部35もまた膨張する。
上記膨張用ガスGは、ガイド部54に対し、その車幅方向についての中央部から流入する。この膨張用ガスGの圧力により、エアバッグ33の各部(この場合、ガイド部54及び横膨張セル36)が膨張を開始して折り状態を解消しようとするが、両折り重ね部61,61がエアバッグ33の斜め後ろ下方への膨張を妨げようとする。そのため、収納用形態にあるエアバッグ33では、次のように展開膨張が行われる。
供給部53からインナチューブ51内に流入した膨張用ガスGは、車幅方向両外側方へ、すなわち、車幅方向について互いに反対となる方向へ向きを変え、同方向へ略均等に分配される。これに伴い、膨張用ガスGの圧力が車幅方向の中央部から両外側方へ伝わり、インナチューブ51及び横膨張セル36が同方向へ向けて膨張し始める。この膨張により、エアバッグ33を結束していた結束テープが破断される。また、上記インナチューブ51及び横膨張セル36により、リヤルーフヘッドライニング23の後部(図5参照)に対し、下方へ向かう押圧力が加えられる。
膨張用ガスGは、各導出口55から横膨張セル36内へ流出した後も車幅方向外方へ流れ、折り重ね部61,61を膨張させながら折り状態を解消させようとする。この解消に際し、各折り重ね部61では、図9に示すように、まず層66が膨張して、層67,68を下方へ押圧する。この押圧により、層67,68が、層67の層66との境界部分を支点として、下側かつ車幅方向外側方へ円弧状の軌跡を描きながら変位し始める。この変位により、各折り重ね部61が形を崩しながら(膨張しながら)車幅方向外側方及び下方へ展開し始めるとともに、同折り重ね部61を結束していた結束テープが破断される。
上記の変位により、折り重ね部61の層67,68は、リヤルーフヘッドライニング23の側縁部23Bを下方へ押圧する。この押圧により、同側縁部23Bが押し下げられて下方へ撓む。この押し下げにより、同図9に示すように側縁部23Bが対応するリヤピラーガーニッシュ16の上端部16Aを乗り越えると、同側縁部23Bが上端部16Aよりも低くなる。
さらに、各折り重ね部61では、層67が膨張用ガスGの流入により膨張し、層68を下方へ押圧する。この押圧により、図10に示すように層68が、層67との境界部分を支点として、下側かつ車幅方向についての内方へ円弧状の軌跡を描きながら変位する。この変位により、側縁部23B及びリヤピラーガーニッシュ16間に間隙95が生ずる。この間隙95は、折り重ね部61の上記変位が進むにつれて押し拡げられる。折り重ね部61は、折り状態を解消しつつ間隙95を通ることで収納部32から車室11へ向け斜め後ろ下方へ出ることが可能となる。
その後も折り重ね部61に膨張用ガスGが流入することで、折り重ね部61が折り状態を解消しながら、リヤピラーガーニッシュ16よりも内側で、車幅方向外側方へ拡がりながら下側へ展開する。
ところで、上記折り重ね部61の折り状態の解消に際しては、両側部縦膨張セル37,40の展開膨張も行われる。すなわち、各折り重ね部61において、層67及び層68が順に円弧状の軌跡を描きながら変位する際、膨張用ガスGは横膨張セル36、側部縦膨張セル37,40の順に流れる。膨張用ガスGは横膨張セル36では車幅方向外側方へ導かれ、側部縦膨張セル37,40では斜め外下方へ導かれる。
なお、両折り重ね部61,61が車幅方向について線対称の関係を有するように折り重ねられていることから、両折り重ね部61,61では、各層66〜68が上記のように円弧状の軌跡を描きながら互いに反対方向に向けて略同じタイミングで変位する。
一方、各折り重ね部61の車幅方向外側方への展開がある程度進行すると、横膨張セル36の折り線62Iでの折り状態も解消され始める。インナチューブ51内の膨張用ガスGは、両導出口55,55から流出することに加え、導出孔56からも流出するようになる。これらの膨張用ガスGにより蛇腹折り部64の折り状態が完全に解消されると、インナチューブ51のガイド部54及び横膨張セル36が円筒状に膨張する(図11の二点鎖線参照)。
導出孔56から流出した膨張用ガスGの一部、及び両導出口55,55から流出した膨張用ガスGの一部は、それぞれ下方へ流れ方向を変えて、中間部縦膨張セル38,39に入り込む。この膨張用ガスGの圧力により、エアバッグ33に対し、車幅方向外側方に加え、斜め後ろ下方へ向かう力が増大する。インナチューブ51から流出した膨張用ガスGは、横膨張セル36に加え両側部縦膨張セル37,40及び中間部縦膨張セル38,39内にも流入し始める。この膨張用ガスGにより、エアバッグ33は、上記各折り重ね部61の車幅方向外側方への展開と並行して蛇腹折り部64及び渦巻き部63の斜め後ろ下方への展開を開始する。
蛇腹折り部64及び渦巻き部63の斜め後ろ下方への展開に伴い図5に示すように、リヤルーフヘッドライニング23の後部に対し、下方への押圧力が増大する。この増大した押圧力が、係止片29Aがリヤルーフヘッドライニング23との係合状態を保持しようとする力に打ち勝つと、係止片29Aによるリヤルーフヘッドライニング23のインナパネル24との係合状態が、車幅方向の広い領域で解除される。そして、リヤルーフヘッドライニング23の後部が同図5において二点鎖線で示すように下方へ撓もうとする。上記係合状態の解除後もエアバッグ33が膨張することにより、リヤルーフヘッドライニング23の後部が全体的に下方へ変位し、リヤルーフヘッドライニング23とインナパネル24との間に車幅方向に広い開口96が形成される。
リヤルーフヘッドライニング23の後部の押し下げが進むにつれて開口96が拡大する。エアバッグ33が渦巻き部63の折り状態を解消しながら、開口96を通り、リヤウインドウガラス28に沿って、図11において二点鎖線で示すようにリヤシート12とリヤウインドウガラス28との間を仕切るように下方へ展開膨張する。
このようにエアバッグ33は、車幅方向外側方に加え、斜め後ろ下方にも折り状態を解消しつつ展開する。エアバッグ33は、横膨張セル36において車幅方向外側方へ拡がりながら、両側部縦膨張セル37,40、中間部縦膨張セル38,39及び非膨張部41,45において斜め後ろ下方へ展開する。
図12に示すように、側部縦膨張セル37,40は、ヘッドレスト14L,14Rよりも高い箇所からヘッドレスト14L,14Rの外側方を通って略下方へ展開膨張する。より正確には、側部縦膨張セル37,40は、リヤシート12においてヘッドレスト14L,14Rのない箇所とリヤウインドウガラス28との間で、斜め後ろ下方へ展開膨張するほか、下側ほど中間部縦膨張セル38,39から車幅方向外側方へ離れるように斜め外下方へ展開膨張する。
また、中間部縦膨張セル38,39は、ヘッドレスト14L,14Rよりも高い箇所から同ヘッドレスト14L,14Rの内側方を通って下方へ展開膨張する。表現を変えると、上記2つの中間部縦膨張セル38,39は、車幅方向については、リヤシート12においてヘッドレスト14L,14Rのない箇所である左右両ヘッドレスト14L,14R間で、また、前後方向については両ヘッドレスト14L,14R間とリヤウインドウガラス28との間へ展開膨張する。
上述した両側部縦膨張セル37,40の斜め外下方かつ斜め後ろ下方への展開膨張、及び中間部縦膨張セル38,39の斜め後ろ下方への展開膨張は略同じタイミングで行われる。
ところで、一方の側部縦膨張セル37及び中間部縦膨張セル38を連結する布帛により構成された非膨張部41は、膨張用ガスGが供給されず膨張しない。この非膨張部41は、本来はその展開方向前方に位置するヘッドレスト14Rを乗り越えて同ヘッドレスト14Rの後方近傍で展開するよう設計されている。この際、両縦膨張セル37,38の斜め後ろ下方への展開膨張に伴い非膨張部41に対し、側部縦膨張セル37により車幅方向外側へ向かう張力が加わっていると、非膨張部41がヘッドレスト14Rの角部等に引っ掛かった場合、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位が規制される。この規制により、両縦膨張セル37,38では、後方へ展開膨張しようとする力が弱くなり下方へ展開しようとする力を下回る。そのため、非膨張部41のそれ以上の展開が進まず、同非膨張部41が、ヘッドレスト14Rを乗り越えて、その後方近傍で展開することが困難となる。これに伴い、非膨張部41に連結された両縦膨張セル37,38の展開膨張も阻害される。
この点、非膨張部41に変位許容部としてスリット43が設けられた第1参考例では、同非膨張部41においてスリット43を挟んで隣り合う分割部44i,44oが互いに独立している。そのため、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位が非膨張部41によって規制されにくい。非膨張部41がヘッドレスト14Rに触れても、側部縦膨張セル37が車幅方向外側へ変位することで、側部縦膨張セル37の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回った状態が続く。そのため、非膨張部41は、展開途中でヘッドレスト14Rに触れたとしても引掛かからずに、同ヘッドレスト14Rを乗り越えるようになる。非膨張部41は、その後も、ヘッドレスト14Rの後方近傍で折り状態を解消しながら所定の位置までスムーズに展開する。
なお、他方の非膨張部45でも、ヘッドレスト14Lとの関係において、上記非膨張部41と同様の作用が行われる。非膨張部45は、展開途中でヘッドレスト14Lに触れたとしても引掛かからずに、同ヘッドレスト14Lを乗り越えるようになる。非膨張部45は、その後も、ヘッドレスト14Lの後方近傍で折り状態を解消しながら所定の位置までスムーズに展開する。
上記のように、両非膨張部41,45がともにヘッドレスト14R,14Lに引っ掛からずにスムーズに展開することから、側部縦膨張セル37,40がヘッドレスト14R,14Lよりも高い箇所からそのヘッドレスト14R,14Lの外側方を通過して略下方へ展開膨張する。この際、側部縦膨張セル37,40は、前後方向については、下側ほどヘッドレスト14R,14Lから後方へ離れるように斜め後ろ下方へ展開膨張する。また、側部縦膨張セル37,40は、車幅方向については、下側ほどヘッドレスト14R,14Lから外側方へ離れるように斜め外下方へ展開膨張する。
また、中間部縦膨張セル38,39がヘッドレスト14R,14Lよりも高い箇所からそれらのヘッドレスト14R,14Lの内側方を通過して略下方へ展開膨張する。この際、中間部縦膨張セル38,39は、前後方向については、下側ほどヘッドレスト14R,14Lから後方へ離れるように斜め後ろ下方へ展開膨張する。
そして、エアバッグ33が採り得る最下位置まで拡がったときには、エアバッグ33の全体が展開された状態となる。この状態では、エアバッグ33は、左右両リヤピラーガーニッシュ16,16間の形状と略同一の略台形形状になってリヤウインドウガラス28の略全域を覆う。
エアバッグ33の全体が上記のように展開すると、リヤシート12に着座している乗員Pの頭部Phとリヤウインドウガラス28とがエアバッグ33(図1及び図11の各二点鎖線参照)を介して隔離される。従って、展開膨張された膨張セル36〜40、及び展開された非膨張部41,45により、車両10の後方に加えられた衝撃が吸収されるだけでなく、車両後方からの飛散物や、侵入物等による車室11内への影響が低減される。さらには、乗員Pの後方への姿勢変化が抑制される。
以上詳述した第1参考例によれば、次の効果が得られる。
(1)一方の非膨張部41に変位許容部を設けている。そのため、変位許容部により側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を可能とし、非膨張部41が展開途中でヘッドレスト14Rに引っ掛かって干渉しないようにし、同非膨張部41をヘッドレスト14Rの後方近傍の所定の位置までスムーズに展開させることができる。それに伴い、非膨張部41の両側の両縦膨張セル37,38もヘッドレスト14Rの側方近傍の所定の位置まで確実に展開膨張させることができる。
上記の効果は、他方の非膨張部45についても上記非膨張部41と同様に得られる。
また、上記の効果は、ヘッドレスト14R,14Lに対する収納部32の前後位置に左右されず得られる。そのため、第1参考例の後突用エアバッグ装置は、収納部32が天井裏の後端部に設定されている車両10に対してだけでなく、収納部32が天井裏の後端部よりも前方側に設定されている車両10に対しても有効である。
(2)一方の非膨張部41に対し、その展開方向前側の端縁42からエアバッグ33の基端部33Aに向けて延びるスリット43を設けることにより、同非膨張部41を車幅方向に複数の分割部44i,44oに分割して弛緩状態にしている。そのため、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を可能とし、上記(1)の効果を確実に得ることができる。
また、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部としては、種々の態様で実現可能であるが、第1参考例では、スリット43という非常に簡単な構成でありながら変位許容部を実現することができる。また、スリット43も、非膨張部41に対し切り込みを入れるという簡単な作業を行うだけで形成することができる。
なお、非膨張部41においてスリット43よりも車幅方向外側の部分(分割部44o)と、車幅方向内側の部分(分割部44i)とは、分断されているものの相互に接近していて、ヘッドレスト14Rの後方近傍に位置する。そのため、車両後方からの飛散物を受け止める効果は、こうした構成でも得られる。
上記の効果は、他方の非膨張部45についても上記非膨張部41と同様に得られる。
(3)図13に示すように、一方の非膨張部41にスリット43を形成した場合、そのスリット43を挟んで車幅方向両側に分割部44i,44oが形成される。これらの分割部44i,44oは、基本的には常に弛緩状態となり、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を許容する。
しかし、厳密にはスリット43と中間部縦膨張セル38との間に位置する分割部44iのうちの特定の部位Bは、その構造上緊張状態となる。特定の部位Bとは、中間部縦膨張セル38の展開方向前側部分であって、分割部44iとの境界部分38Aと、スリット43の上端43U(基端部33A側の端部)とを繋ぐ線L1を設定した場合、その線L1と中間部縦膨張セル38とによって挟まれる箇所である。中間部縦膨張セル38は膨張時には側部縦膨張セル37に比べて高い剛性を有していることから、上記特定の部位Bが常に緊張状態となり、上述した弛緩状態による効果が得られにくい。
そこで、スリット43を、非膨張部41における中間部縦膨張セル38近傍に設ける。こうすることにより、緊張状態となる上記特定の部位Bが小さくなり、弛緩状態による側部縦膨張セル37の変位許容作用がより得やすくなる。
上記の効果は、他方の非膨張部45についても上記非膨張部41と同様に得られる。
(4)なお、本件に関連する後突用エアバッグ装置として、特開2007−261512号公報に記載されたものがある。この後突用エアバッグ装置では、エアバッグにおける各ヘッドレストの後方側となる箇所に、同エアバッグの展開方向前側の端縁から基端部に向けて延びる凹部が設けられている。しかし、このエアバッグにおいて各ヘッドレストの後方側となる箇所は非膨張部ではなく、膨張部とされている。そのため、この公報に記載された後突用エアバッグ装置では、非膨張部がなく、これに起因する不具合、この場合非膨張部がヘッドレストに引っ掛かるという現象がそもそも起らない。凹部には、非膨張部のヘッドレストとの干渉を抑制する効果はない。ちなみに、この凹部は、ルーフヘッドライニングの後端部の下方移動を規制するストラップとエアバッグとの干渉抑制を目的として設けられたものである。
(第2参考例
次に、第参考例について、図14を参照して説明する。
上記第1参考例(図7(A)参照)によるように、スリット43,47を非膨張部41,45の端縁42,46から延ばし、スリット43,47を挟んで隣り合う分割部44i,44o,48i,48oを車幅方向に相互に連結しない構成とすることは、側部縦膨張セル37,40の車幅方向外側への変位を許容するうえで有効である。しかし、収納部32への収納に先立ち展開状態のエアバッグ33を折り線62A〜62Iに沿って折り畳む際に、非膨張部41,45の分割部44i,44o,48i,48o毎に折り畳む作業が必要となり、煩雑である。
そこで、第2参考例では、各非膨張部41,45における変位許容部の少なくとも一方を、スリット及び破断予定部によって構成することで対処している。第2参考例では、こうした形態の変位許容部が非膨張部41,45のいずれにも設けられている。これらの変位許容部は共通の構成を有している。そのため、ここでは、一方の非膨張部41における変位許容部の構成・作用・効果について説明し、他方の非膨張部45の変位許容部については説明を省略する。
図14に示すように、スリット101は、非膨張部41の展開方向前側の端縁42の近傍からエアバッグ33の基端部33Aに向けて真っ直ぐ延びている。破断予定部102は、スリット101よりも展開方向前側(図14の下側)に設けられている。ここでは、破断予定部102が、非膨張部41の端縁42から基端部33A側へ若干離れた箇所に設けられているが、同破断予定部102は端縁42に繋がっていてもよい。
上記以外の構成は第1参考例と同様である。そのため、第2参考例において第1参考例と同様の箇所、部材等については、第1参考例と同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
上記の構成を有する第2参考例の後突用エアバッグ装置では、エアバッグ33の非膨張時には、非膨張部41において、スリット101を挟んでその車幅方向両側となる部分103i,103oが破断予定部102において連結されている。従って、上記のように展開状態のエアバッグ33を折り畳む際に、非膨張部41においてスリット43を挟んで車幅方向に隣り合う部分103i,103oの一方を折り畳めば、他方も追従して折り畳まれる。そのため、非膨張部41の折り畳み作業が容易となる。
破断予定部102は、エアバッグ33(特に、側部縦膨張セル37及び中間部縦膨張セル38)の展開膨張に際し、非膨張部41に車幅方向の張力が作用した場合に破断される。この破断により、スリット101が非膨張部41の端縁42まで延長した状態、すなわち、非膨張部41にスリット43が形成された第1参考例と同様の状態となる。
非膨張部41がスリット101(43)を挟んで車幅方向に分割部44i,44oに分割される。そのため、その後は、第1参考例と同様にして非膨張部41のヘッドレスト14Rとの干渉が抑制される。
従って、第2参考例によれば、第1参考例における上記(1)〜(4)に加え、次の効果が得られる。
(5)スリット101及び破断予定部102により非膨張部41の変位許容部を構成している。そのため、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を許容して非膨張部41のヘッドレスト14Rとの干渉を抑制する効果を維持しつつ、エアバッグ33を収納用形態にする際の非膨張部41の折り畳み作業を容易に行うことができるようになる。
(第実施形態)
次に、本発明を具体化した第実施形態について、図15及び図16を参照して説明する。
展開状態のエアバッグ33を長尺体65にする際に、展開状態のエアバッグ33を折り線62A〜62Hに沿って渦巻き状に折り畳む作業を行うことについては、第1参考例で説明した通りである(図7(A),(B)参照)。しかし、第1参考例では具体的にどのようにして上記作業を行うかについては、説明を省略した。
この作業の実施に際しては、エアバッグ33を展開させた状態でテーブル105上に載置する。車幅方向に細長い、より詳しくは、展開状態のエアバッグ33の幅Wと同程度の長さを有する薄板状の折り補助具107を用いる。この折り補助具107を芯とし、エアバッグ33を、その展開方向前側の端縁42,46から基端部33Aに向けて折り補助具107とともに折り返す。この折り返しを複数回繰り返し行うことにより、折り補助具107を芯として、その周りにエアバッグ33が渦巻き状に折り畳まれて渦巻き部63が形成される。
ここで、エアバッグ33が展開させられた状態では、スリット43,47を挟んで隣り合う分割部44i,44o,48i,48oは車幅方向に相互に連結されていない。そのため、折り補助具107を用いたエアバッグ33の上記折り返しの際に分割部44i,44o,48i,48oが適正な位置からずれるおそれがある。
そこで、第実施形態では、分割部44i,44o,48i,48oにおけるスリット43,47の近傍、かつ同スリット43,47に沿う複数箇所に、エアバッグ33が折り返される直前まで、テーブル105の係止部に係止される被係止部を設けることで、対処している。第実施形態では、こうした被係止部が非膨張部41,45のいずれにも設けられている。これらの被係止部は共通の構成を有している。そのため、ここでは、一方の非膨張部41における被係止部の構成・作用・効果について説明し、他方の非膨張部45の被係止部については説明を省略する。
分割部44oにおけるスリット43の近傍であって、そのスリット43に沿う複数箇所には係止孔108があけられている。また、分割部44iにおけるスリット43の近傍であって、そのスリット43に沿う複数箇所には係止孔109があけられている。これらの係止孔108,109は被係止部を構成するものであり、いずれもスリット43に沿いながら列をなしている。
一方、テーブル105において、上記各係止孔108に対応する複数箇所には上方へ向けて突出するピン111が設けられている。また、テーブル105において、上記各係止孔109に対応する複数箇所には上方へ向けて突出するピン112が設けられている。これらのピン111,112は、上記係止部を構成している。
さらに、テーブル105には、上記折り補助具107を用いたエアバッグ33の折り返しが行われる直前まで、上記ピン111,112を係止孔108,109に挿通させ、折り返し直前になるとピン111,112を係止孔108,109から抜き出させるピン駆動機構(図示略)が設けられている。
上記以外の構成は第1参考例と同様である。そのため、第実施形態において第1参考例と同様の箇所、部材等については、第1参考例と同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
上記の構成を有する第実施形態の後突用エアバッグ装置では、展開状態のエアバッグ33がテーブル105上に載置される際、そのエアバッグ33における分割部44o,44i毎の複数の係止孔108,109に対し、テーブル105から突出する複数のピン111,112が挿通される。エアバッグ33が展開させられた状態では、スリット43を挟んで隣り合う分割部44o,44iは車幅方向に相互に連結されていない。しかし、上記のようにピン111,112が係止孔108,109に挿通されることで、各分割部44o,44iが係止孔108,109においてピン111,112に係止される。各分割部44o,44iは、ピン111,112を通じてテーブル105に位置決めされる。従って、折り補助具107を芯としてエアバッグ33を折り返していく際に分割部44o,44iが適正な位置からずれる現象が起こりにくい。
なお、各ピン111,112は、エアバッグ33が折り返される直前まで係止孔108,109に挿通され続ける。エアバッグ33が折り返されるときには各ピン111,112が係止孔108,109から抜け出る。そのため、ピン111,112による係止が折り返し作業の支障となることはない。
従って、第実施形態によれば、第1参考例における上記(1)〜(4)に加え、次の効果が得られる。
(6)分割部44o,44iにおけるスリット43の近傍、かつ同スリット43に沿う複数箇所に被係止部を設けている。そのため、テーブル105の係止部を被係止部に係止させることで、分割部44o,44iをテーブル105に位置決めすることができる。分割部44o,44iを適正な位置からずらすことなく、適正に渦巻き状に折り畳むことができる。
(7)列をなした状態でテーブル105から突出する複数のピン111,112を上記係止部とし、各ピン111,112が抜き出し可能に挿入される複数の係止孔108,109を上記被係止部としている。このような簡単な構成で係止部及び被係止部を成立させることができる。
なお、上記(6),(7)の効果は、第2参考例のように変位許容部をスリット及び破断予定部によって構成した場合にも得られる。
第3参考例
次に、第3参考例について、図17及び図18を参照して説明する。第3参考例は、非膨張部及び変位許容部の構成が上述した第1参考例と異なっている。ただし、一方の非膨張部及び変位許容部と、他方の非膨張部及び変位許容部とは、共通の構成を有している。そのため、ここでは、一方の非膨張部及び変位許容部の構成・作用・効果について説明し、他方の非膨張部及び変位許容部については説明を省略する。
一方の側部縦膨張セル37、及び横膨張セル36の側部縦膨張セル37側となる部分には非膨張外構成片116が設けられている。この非膨張外構成片116は裏側(車両後側)の布帛34Bによって構成されており、中間部縦膨張セル38から分離されている。
また、中間部縦膨張セル38には、同中間部縦膨張セル38から側部縦膨張セル37側へ向けて突出する非膨張内構成片117が設けられている。この非膨張内構成片117は表側(車両前側)の布帛34Aによって構成されており、側部縦膨張セル37から分離されているが、上記非膨張外構成片116に接近又は接触している。
従って、第3参考例における非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117の関係は、第1参考例において、スリット43を介して相互に接近している非膨張部41の分割部44i,44oの関係に近いといえる。そして、上記非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117によって、変位許容部を有する一方の非膨張部118が構成されている。
上記以外の構成は第1参考例と同様である。そのため、第3参考例において第1参考例と同様の箇所、部材等については、第1参考例と同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
上記の構成を有する第3参考例の後突用エアバッグ装置では、側部縦膨張セル37と、その内側に隣り合う中間部縦膨張セル38との間には非膨張部118が位置する。この非膨張部118に仮に変位許容部が設けられていなければ、すなわち、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117が連結されていれば、上記両縦膨張セル37,38は非膨張部118によって連結された状態となる。
しかし、第3参考例では、非膨張部118及び変位許容部が、側部縦膨張セル37等に設けられた非膨張外構成片116と、中間部縦膨張セル38に設けられた非膨張内構成片117とを備えて構成されていることから、上記両縦膨張セル37,38は非膨張部118において車幅方向に分断された状態となる。この分断により、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位が規制されにくい。非膨張部118がヘッドレスト14Rに触れても、側部縦膨張セル37が車幅方向外側へ変位することで、側部縦膨張セル37の後方へ展開膨張しようとする力が下方へ展開しようとする力を上回った状態が続く。そのため、非膨張部118は展開途中でヘッドレスト14Rに触れたとしても引っ掛からずに、同ヘッドレスト14Rを確実に乗り越えて展開する。
従って、第3参考例によれば、第1参考例における上記(1),(3),(4)と同様の効果が得られるほか、(2)に相当する次の効果も得られる。
(2′)中間部縦膨張セル38から分離した状態で側部縦膨張セル37に設けられた非膨張外構成片116と、側部縦膨張セル37から分離し、かつ非膨張外構成片116に接近又は接触した状態で中間部縦膨張セル38に設けられた非膨張内構成片117とによって、非膨張部118及び変位許容部を構成している。
そのため、側部縦膨張セル37の車幅方向外側への変位を可能とし、上記(1)の効果を確実に得ることができる。また、第3参考例では、側部縦膨張セル37に非膨張外構成片116を設け、中間部縦膨張セル38に非膨張内構成片117を設けるという簡単な構成でありながら変位許容部を有する非膨張部118を実現することができる。
なお、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117は相互に接近又は接触していて、ヘッドレスト14Rの後方近傍に位置する。そのため、車両後方からの飛散物を受け止める効果は、こうした構成でも得られる。
(第実施形態)
次に、本発明を具体化した第実施形態について、図19及び図20を参照して説明する。
展開状態のエアバッグ33を長尺体65にする際に、展開状態のエアバッグ33を折り線62A〜62Hに沿って渦巻き状に折り畳む作業を行うことについては、第1参考例で説明した通りである(図7(A),(B)参照)。また、この作業の内容の概要については、第実施形態で説明した通りである。
ここで、上記第3参考例におけるエアバッグ33が展開させられた状態では、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117は車幅方向に相互に連結されていない。そのため、折り補助具107を用いたエアバッグ33の上記折り返しの際に、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117の少なくとも一方が適正な位置からずれるおそれがある。
そこで、第実施形態では、非膨張外構成片116における非膨張内構成片117側の部分116A、及び非膨張内構成片117における非膨張外構成片116側の部分117Aに、エアバッグ33が折り返される直前まで、テーブル105の係止部に係止される被係止部をそれぞれ設けることで、上記の不具合に対処している。第実施形態では、こうした被係止部が左右の両非膨張部のいずれにも設けられている。これらの被係止部は共通の構成を有している。そのため、ここでは、一方の非膨張部における被係止部の構成・作用・効果について説明し、他方の非膨張部の被係止部については説明を省略する。
非膨張外構成片116の上記部分116Aにおいて、非膨張部118の展開方向に沿う複数箇所には係止孔121があけられている。また、非膨張内構成片117の上記部分117Aにおいて、非膨張部118の展開方向に沿う複数箇所には係止孔122があけられている。これらの係止孔121,122は被係止部を構成するものであり、いずれも非膨張部118の展開方向に沿って列をなしている。
一方、テーブル105において、上記各係止孔121に対応する複数箇所には上方へ向けて突出するピン123が設けられている。また、テーブル105において、上記各係止孔122に対応する複数箇所には上方へ向けて突出するピン124が設けられている。これらのピン123,124は、上記係止部を構成している。
さらに、テーブル105には、上記折り補助具107を用いたエアバッグ33の折り返しが行われる直前まで、上記ピン123,124を係止孔121,122に挿通させ、折り返し直前になるとピン123,124を係止孔121,122から抜き出させるピン駆動機構(図示略)が設けられている。
上記以外の構成は第3参考例と同様である。そのため、第実施形態において第3参考例と同様の箇所、部材等については、第3参考例と同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
上記の構成を有する第実施形態の後突用エアバッグ装置では、展開状態のエアバッグ33がテーブル105上に載置される際、そのエアバッグ33における非膨張外構成片116の係止孔121に対しピン123が挿通され、非膨張内構成片117の係止孔122に対しピン124が挿通される。エアバッグ33が展開させられた状態では、隣り合う非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117は車幅方向に相互に連結されていない。しかし、上記のようにピン123,124が係止孔121,122に挿通されることで、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117が係止孔121,122においてピン123,124に係止される。非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117は、ピン123,124を通じてテーブル105に位置決めされる。従って、折り補助具107を芯としてエアバッグ33を折り返していく際に非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117が適正な位置からずれる現象が起こりにくい。
なお、各ピン123,124は、エアバッグ33が折り返される直前まで係止孔121,122に挿通され続ける。エアバッグ33が折り返されるときには各ピン123,124が係止孔121,122から抜け出る。そのため、ピン123,124による係止が折り返し作業の支障となることはない。
従って、第実施形態によれば、第3参考例における上記(1),(2′),(3),(4)に加え、次の効果が得られる。
(8)非膨張外構成片116における非膨張内構成片117側の部分116A、及び非膨張内構成片117における非膨張外構成片116側の部分117Aに被係止部を設けている。そのため、テーブル105の係止部を被係止部に係止させることで非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117をテーブル105に位置決めすることができる。非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117を適正な位置からずらすことなく、適正に渦巻き状に折り畳むことができる。
(9)列をなした状態でテーブル105から突出する複数のピン123,124を上記係止部とし、各ピン123,124が抜き出し可能に挿入される複数の係止孔121,122を上記被係止部としている。このような簡単な構成で係止部及び被係止部を成立させることができる。
(第実施形態)
次に、本発明を具体化した第実施形態について、図21及び図22を参照して説明する。第実施形態では、一方の非膨張部118における非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117が、それらの少なくとも一部において車幅方向に重なり合っている。ここでの一部とは、非膨張外構成片116における非膨張内構成片117側の部分116B、及び非膨張内構成片117における非膨張外構成片116側の部分117Bである。部分116Bは、特許請求の範囲における非膨張外構成片116の非膨張内構成片117との重なり部分に該当し、部分117Bは、非膨張内構成片117の非膨張外構成片116との重なり部分に該当する。なお、説明を省略するが、他方の非膨張部における非膨張外構成片及び非膨張内構成片についても同様である。また、図22では、部分116B及び係止孔121も併せて図示するために、部分117Bを含む中間部縦膨張セル38の一部(下部)が折り曲げられた状態で示されている。
また、上記部分116Bにおいて、非膨張部118の展開方向に沿う複数箇所に係止孔121があけられている点、部分117Bにおいて、非膨張部118の展開方向に沿う複数箇所に係止孔122があけられている点については、第実施形態と同様である。ただし、係止孔122は、部分116B,117Bが重なり合った状態で係止孔121と同一軸線上に位置している。
一方、テーブル105において、上記各係止孔121,122に対応する複数箇所には上方へ向けて突出するピン126が、上記係止部として設けられている。これらのピン126は列をなした状態で配置されている。この点で、第実施形態は、ピン123及びピン124が互いに異なる列をなすように配置された第実施形態と異なっている。
さらに、テーブル105には、上記折り補助具107を用いたエアバッグ33の折り返しが行われる直前まで、上記ピン126を係止孔121,122に挿通させ、折り返し直前になるとピン126を係止孔121,122から抜き出させるピン駆動機構(図示略)が設けられている。
上記以外の構成は第実施形態と同様である。そのため、第実施形態において第実施形態と同様の箇所、部材等については、第実施形態と同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
上記の構成を有する第実施形態の後突用エアバッグ装置では、非膨張部118の展開方向に列をなした状態でテーブル105から突出する各ピン126が、部分116B,117Bの係止孔121,122に挿通されることで、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117がテーブル105に対しそれぞれ位置決めされた状態で係止される。
この際、仮に、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117が相互に重なり合う部分116B,117Bを有しない場合には、非膨張外構成片116の係止孔121に挿通するピン123と、非膨張内構成片117の係止孔122に挿通するピン124とが別々に必要となる。この点、第実施形態では、部分117Bにおける係止孔122が部分116Bにおける係止孔121と同一軸線上に設けられている。そのため、各ピン126は非膨張外構成片116の係止孔121にも非膨張内構成片117の係止孔122にも挿通される。
なお、各ピン126は、エアバッグ33が折り返される直前まで係止孔121,122に挿通される。エアバッグ33が折り返されるときには各ピン126が係止孔121,122から抜け出る。そのため、ピン126による係止が折り返し作業の支障となることはない。
従って、第実施形態によれば、第実施形態における(1),(2′),(3),(4),(8),(9)に加え、次の効果が得られる。
(10)非膨張外構成片116の非膨張内構成片117との重なり部分(部分116B)と、非膨張内構成片117の非膨張外構成片116との重なり部分(部分117B)とに、共通のピン126が抜き出し可能に挿通される係止孔121,122をあけ、これらの係止孔121,122によって被係止部を構成している。そのため、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117をテーブル105に係止するために必要なピン126の数が、非膨張外構成片116及び非膨張内構成片117が相互に重なり合う部分を有しない場合の半分ですむ。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・非膨張部の少なくとも一部に、同非膨張部を車幅方向に折り畳むことにより蛇腹状をなす部分を設け、この部分を、側部縦膨張セル37,40の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部としてもよい。
・非膨張部41,45にスリット43,47を複数設けてもよい。
・非膨張部41,45におけるスリット43,47の上端43U,47Uを上記第1実施形態よりも低い位置に設定してもよい。
・膨張流体として膨張用ガスG以外の流体を用いてもよい。これに伴い膨張流体供給源として上記インフレータ31とは異なる構成を有するものを用いてもよい。
・本発明は、エアバッグ33内にインナチューブ51を有しない後突用エアバッグ装置にも適用可能である。
・本発明は、ヘッドレスト14L,14Rの側方近傍に膨張部が位置し、ヘッドレスト14L,14Rの後方近傍に非膨張部が位置するエアバッグを用いた後突用エアバッグ装置であれば広く適用可能である。
・本発明は、リヤシート12がリヤウインドウガラス28の前方近傍に配置された車両だけでなく、同リヤウインドウガラス28から前方へ大きく離れた箇所に配置された車両にも適用可能である。例えば、リヤシート12とリヤウインドウガラス28との間に大きな荷室が設けられた車両がこれに該当する。
本発明を具体化した第1参考例における車両の後部を示す側面図。 車両を後方から見た状態を示す背面図。 車室内で斜め後方を見たときのリヤルーフヘッドライニング、リヤピラーガーニッシュ及びロアガーニッシュの位置関係を示す斜視図。 図3におけるA−A線に沿った断面構造を拡大して示す断面図。 (A)は車両におけるルーフの後端部の断面構造を示す部分側断面図、(B)は(A)中のエアバッグ部分を拡大して示す部分側断面図。 展開状態のエアバッグを示す正面図。 (A)は展開状態のエアバッグと折り線との位置関係を示す正面図、(B)は長尺体にされたエアバッグと折り線との位置関係を示す正面図。 (A)は収納用形態にされたエアバッグを示す正面図、(B)は同エアバッグが収納部に収納された状態を示す概略断面図。 図8における一方の折り重ね部の折り状態が解消される途中の段階を示す説明図。 同じく一方の折り重ね部の折り状態が解消される途中の段階を示す説明図。 エアバッグが収納部から斜め後ろ下方へ展開膨張する状態を示す部分側断面図。 エアバッグの非膨張部がヘッドレストを乗り越えて展開する作用を示す説明図。 スリットを中間部縦膨張セル寄りの箇所に設けた場合の作用を説明するための部分正面図。 本発明を具体化した第2参考例において、エアバッグの一部を示す部分正面図。 本発明を具体化した第実施形態において、一方の非膨張部、テーブル及び折り補助具の関係を示す部分斜視図。 同第3実施形における一方の非膨張部及びピンを示す部分正面図。 本発明を具体化した第3参考例において、一方の非膨張部を示す部分正面図。 第3参考例において、エアバッグの表裏両布帛を縫合する前の状態を示す部分斜視図。 本発明を具体化した第実施形態における一方の非膨張部及びピンを示す部分正面図。 同第実施形において、一方の非膨張部、テーブル及び折り補助具の関係を示す部分斜視図。 本発明を具体化した第実施形態において、一方の非膨張部、テーブル及び折り補助具の関係を示す部分斜視図。 同第実施形態における一方の非膨張部を示す部分正面図。
符号の説明
10…車両、11…車室、12…リヤシート(最後部座席)、14L,14R…ヘッドレスト、23…リヤルーフヘッドライニング(天井)、31…インフレータ(膨張流体供給源)、32…収納部、33…エアバッグ、33A…基端部、37,40…側部縦膨張セル(側膨張部),38,39…中間部縦膨張セル(中間膨張部)、41,45,118…非膨張部、42,46…端縁、43,47,101…スリット(変位許容部)、102…破断予定部(変位許容部)、105…テーブル、107…折り補助具、108,109,121,122…係止孔(被係止部)、111,112,123,124,126…ピン(係止部)、116…非膨張外構成片(非膨張部、変位許容部)、116B,117B…部分(重なり部分)、117…非膨張内構成片(非膨張部、変位許容部)、G…膨張用ガス(膨張流体)。

Claims (6)

  1. 車両の天井裏に設けた収納部に、折り畳まれた状態のエアバッグと同エアバッグに車両前方側から膨張流体を供給する膨張流体供給源とを収納し、さらに同エアバッグの基端部を車両に固定し、後突による車両後方からの衝撃に応じて前記膨張流体供給源から供給される膨張流体により、前記エアバッグの前記基端部を前記収納部に残した状態で、同エアバッグを前記収納部から車室内の斜め後ろ下方へ向けて飛び出させ、最後部座席の後方近傍で展開膨張させるようにした後突用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグには、前記最後部座席のヘッドレストの側方近傍で前記膨張流体により展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部間に位置し、かつ前記膨張流体により膨張せずに前記ヘッドレストの後方近傍で展開する布帛製の非膨張部とを設け、
    複数の前記膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、前記各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を前記非膨張部に設け
    前記変位許容部は、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記エアバッグの前記基端部に向けて延びるスリットからなり、
    前記エアバッグは、展開させられた状態でテーブル上に載置されるとともに、車幅方向に細長い板状の折り補助具を芯とし、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記基端部に向けて前記折り補助具とともに折り返されることにより渦巻き状に折り畳まれるものであり、
    前記非膨張部における前記スリットの近傍、かつ同スリットに沿う複数箇所には、前記エアバッグが折り返される直前まで、前記テーブルの係止部に係止される被係止部が設けられていることを特徴とする後突用エアバッグ装置。
  2. 車両の天井裏に設けた収納部に、折り畳まれた状態のエアバッグと同エアバッグに車両前方側から膨張流体を供給する膨張流体供給源とを収納し、さらに同エアバッグの基端部を車両に固定し、後突による車両後方からの衝撃に応じて前記膨張流体供給源から供給される膨張流体により、前記エアバッグの前記基端部を前記収納部に残した状態で、同エアバッグを前記収納部から車室内の斜め後ろ下方へ向けて飛び出させ、最後部座席の後方近傍で展開膨張させるようにした後突用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグには、前記最後部座席のヘッドレストの側方近傍で前記膨張流体により展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部間に位置し、かつ前記膨張流体により膨張せずに前記ヘッドレストの後方近傍で展開する布帛製の非膨張部とを設け、
    複数の前記膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、前記各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を前記非膨張部に設け、
    前記変位許容部は、
    前記非膨張部における展開方向前側の端縁の近傍から前記エアバッグの前記基端部に向けて延びるスリットと、
    前記非膨張部の前記スリットよりも展開方向前側に設けられ、前記膨張部の展開膨張に伴い破断して前記スリットを前記非膨張部の前記端縁まで延長する破断予定部と
    を備え
    前記エアバッグは、展開させられた状態でテーブル上に載置されるとともに、車幅方向に細長い板状の折り補助具を芯とし、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記基端部に向けて前記折り補助具とともに折り返されることにより渦巻き状に折り畳まれるものであり、
    前記非膨張部における前記スリットの近傍、かつ同スリットに沿う複数箇所には、前記エアバッグが折り返される直前まで、前記テーブルの係止部に係止される被係止部が設けられていることを特徴とする後突用エアバッグ装置。
  3. 前記係止部は、列をなした状態で前記テーブルから突出する複数のピンであり、前記被係止部は、前記各ピンが抜き出し可能に挿通される複数の係止孔からなる請求項1又は2に記載の後突用エアバッグ装置。
  4. 複数の前記膨張部のうち前記側膨張部に対し車幅方向内側に隣接するものは中間膨張部とされ、前記スリットは、前記非膨張部における前記中間膨張部近傍に設けられている請求項1〜3のいずれか1つに記載の後突用エアバッグ装置。
  5. 車両の天井裏に設けた収納部に、折り畳まれた状態のエアバッグと同エアバッグに車両前方側から膨張流体を供給する膨張流体供給源とを収納し、さらに同エアバッグの基端部を車両に固定し、後突による車両後方からの衝撃に応じて前記膨張流体供給源から供給される膨張流体により、前記エアバッグの前記基端部を前記収納部に残した状態で、同エアバッグを前記収納部から車室内の斜め後ろ下方へ向けて飛び出させ、最後部座席の後方近傍で展開膨張させるようにした後突用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグには、前記最後部座席のヘッドレストの側方近傍で前記膨張流体により展開膨張する複数の膨張部と、隣り合う膨張部間に位置し、かつ前記膨張流体により膨張せずに前記ヘッドレストの後方近傍で展開する布帛製の非膨張部とを設け、
    複数の前記膨張部のうち車幅方向両側に位置するものを側膨張部とし、前記各側膨張部の車幅方向外側への変位を許容する変位許容部を前記非膨張部に設け、
    複数の前記膨張部のうち前記側膨張部に対し車幅方向内側に隣接するものは中間膨張部とされ、
    前記非膨張部及び前記変位許容部は、前記中間膨張部から分離した状態で前記側膨張部に設けられた非膨張外構成片と、前記側膨張部から分離し、かつ前記非膨張外構成片に接近又は接触した状態で前記中間膨張部に設けられた非膨張内構成片とを備え、
    前記エアバッグは、展開させられた状態でテーブル上に載置されるとともに、車幅方向に細長い板状の折り補助具を芯とし、前記非膨張部の展開方向前側の端縁から前記基端部に向けて前記折り補助具とともに折り返されることにより渦巻き状に折り畳まれるものであり、
    前記非膨張外構成片における前記非膨張内構成片側の部分、及び前記非膨張内構成片における前記非膨張外構成片側の部分には、前記エアバッグが折り返される直前まで、前記テーブルの係止部に係止される被係止部がそれぞれ設けられていることを特徴とする後突用エアバッグ装置。
  6. 前記非膨張内構成片及び前記非膨張外構成片は、それらの少なくとも一部において車幅方向に重なり合っており、
    前記係止部は、前記非膨張部の展開方向に列をなした状態で前記テーブルから突出する複数のピンからなり、
    前記被係止部は、前記非膨張外構成片の前記非膨張内構成片との重なり部分、及び前記非膨張内構成片の前記非膨張外構成片との重なり部分にそれぞれ設けられ、前記各ピンが共通の係止部として抜き出し可能に挿通される複数の係止孔からなる請求項に記載の後突用エアバッグ装置。
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