JP4975794B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
不揮発性半導体記憶装置(メモリ)の記憶容量の増加のために、一括加工型3次元積層メモリが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば積層数によらず、積層メモリを一括して形成することが可能なため、コストの増加を抑えることが可能となる。
この一括加工型3次元積層メモリにおいては、絶縁膜と電極膜(ワード線となる)とを交互に積層させて積層体を形成し、この積層体に貫通ホールが一括して設けられる。そして、貫通ホールの側面に電荷蓄積層(記憶層)が設けられ、貫通ホールの内部にシリコンが埋め込まれ、シリコンピラーが形成される。電荷蓄積層とシリコンピラーとの間にはトンネル絶縁膜が設けられ、電荷蓄積層と電極膜との間にはブロック絶縁膜が設けられる。これにより、各電極膜とシリコンピラーとの交差部分に例えばMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタからなるメモリセルが形成される。
このような一括加工型3次元積層メモリ型において、消去状態をより安定化させることができると、例えば書き込み動作の制御性がさらに向上するなど、メリットが多い。
なお、上記のような一括加工型3次元積層メモリではなく、平面型のメモリセルを単純に積層した3次元積層メモリにおいて、消去動作として複数回の消去ループを行う方法が提案されているが、一括加工型3次元積層メモリとはメモリセルの構造と動作の仕組みが異なるため、その方法を一括加工型3次元積層メモリにそのまま適用することはできず、一括加工型3次元積層メモリに特有の動作方法の開発が必要である。
特開2007−266143号公報
本発明は、安定した消去状態が実現できる一括加工型3次元積層構成の不揮発性半導体記憶装置を提供する。
本発明の一態様によれば、メモリ部と、制御部と、を備え、前記メモリ部は、第1方向に交互に積層された複数の電極膜と複数の電極間絶縁膜とを有する積層構造体と、前記積層構造体を前記第1方向に貫通する第1半導体ピラーと、前記電極膜のそれぞれと前記第1半導体ピラーとの間に設けられた第1記憶層と、前記第1記憶層と前記第1半導体ピラーとの間に設けられた第1内側絶縁膜と、前記電極膜のそれぞれと前記第1記憶層との間に設けられた第1外側絶縁膜と、前記第1半導体ピラーの一端と電気的に接続された第1配線と、前記第1方向に対して直交する第2方向において前記第1半導体ピラーと隣接して設けられ、前記積層構造体を前記第1方向に貫通する第2半導体ピラーと、前記電極膜のそれぞれと前記第2半導体ピラーとの間に設けられた第2記憶層と、前記第2記憶層と前記第2半導体ピラーとの間に設けられた第2内側絶縁膜と、前記電極膜のそれぞれと前記第2記憶層との間に設けられた第2外側絶縁膜と、前記第2半導体ピラーの一端と電気的に接続された第2配線と、前記第1半導体ピラーの前記一端とは反対側の他端と、前記第2半導体ピラーの前記一端とは反対側の他端と、を電気的に接続する接続部と、前記第1半導体ピラーの前記一端と前記積層構造体との間に設けられ、前記第1半導体ピラーに貫通された第1選択ゲートと、前記第2半導体ピラーの前記一端と前記積層構造体との間に設けられ、前記第2半導体ピラーに貫通された第2選択ゲートと、を有し、前記制御部は、前記第1記憶層への正孔の注入、及び、前記第1記憶層からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作の際に、第1期間に、前記第1配線を第1電位に設定しつつ、前記電極膜を前記第1電位よりも低い第2電位に設定する第1動作を実施し、前記第1動作の後の第2期間に、前記第1配線を第3電位に設定しつつ、前記電極膜を前記第3電位よりも低い第4電位に設定する第2動作を含む動作を実施し前記第2期間の長さは、前記第1期間の長さよりも短い、及び、前記第3電圧と前記第4電圧との差は、前記第1電位と前記第2電位との差よりも小さい、の少なくともいずれかであり、前記制御部は、
前記第1動作の前記第1期間において、前記第2配線を浮遊状態に設定し、前記第1選択ゲートを、前記第1電位よりも低く前記第2電位よりも高い第5電位に設定し、前記第2選択ゲートを、前記第5電位に設定する、または、浮遊状態に設定し、前記第2動作の前記第2期間において、前記第2配線を浮遊状態に設定し、前記第1選択ゲートを、前記第3電位よりも低く前記第4電位よりも高い第6電位に設定し、前記第2選択ゲートを、前記第6電位に設定する、または、浮遊状態に設定することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置が提供される。
本発明の他の一態様によれば、メモリ部と、制御部と、を備え、前記メモリ部は、第1方向に交互に積層された複数の電極膜と複数の電極間絶縁膜とを有する積層構造体と、前記積層構造体を前記第1方向に貫通する半導体ピラーと、前記電極膜のそれぞれと前記半導体ピラーとの間に設けられた記憶層と、前記記憶層と前記半導体ピラーとの間に設けられた内側絶縁膜と、前記電極膜のそれぞれと前記記憶層との間に設けられた外側絶縁膜と、前記半導体ピラーの一端と電気的に接続された配線と、を有し、前記制御部は、前記複数の記憶層のうちのいずれかの前記記憶層への正孔の注入、及び、前記いずれかの前記記憶層からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作の際に、前記配線を第1電位に設定し、前記いずれかの前記記憶層に対向する前記電極膜を前記第1電位よりも低い第2電位に設定しつつ、前記いずれかの前記記憶層を除く前記記憶層に対向する前記電極膜を、浮遊状態にすることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置が提供される。
本発明の他の一態様によれば、メモリ部と、制御部と、を備え、前記メモリ部は、第1方向に交互に積層された複数の電極膜と複数の電極間絶縁膜とを有する積層構造体と、前記積層構造体を前記第1方向に貫通する半導体ピラーと、前記電極膜のそれぞれと前記半導体ピラーとの間に設けられた記憶層と、前記記憶層と前記半導体ピラーとの間に設けられた内側絶縁膜と、前記電極膜のそれぞれと前記記憶層との間に設けられた外側絶縁膜と、前記半導体ピラーの一端と電気的に接続された配線と、を有し、前記制御部は、前記記憶層への正孔の注入、及び、前記記憶層からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作の際に、前記配線を第1電位に設定しつつ、前記複数の前記電極膜のうちのいずれかの前記電極膜を前記第1電位よりも低い第2電位に設定し、前記複数の前記電極膜のうちの他のいずれかの前記電極膜を前記第1電位よりも低く、前記第2電位とは異なる第7電位に設定することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置が提供される。
本発明によれば、安定した消去状態が実現できる一括加工型3次元積層構成の不揮発性半導体記憶装置が提供される。
第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示するフローチャート図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の電極膜の構成を例示する模式的平面図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示するフローチャート図である。 第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。 第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的断面図である。 第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示するフローチャート図である。
図2、図3及び図4は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する、それぞれ、模式的断面図、模式的斜視図及び模式的断面図である。
なお、図3においては、図を見易くするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図5は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の電極膜の構成を例示する模式的平面図である。
本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110は、一括加工型3次元積層メモリである。
まず、図2〜図5により、不揮発性半導体記憶装置110の構成の概要を説明する。
図2に表したように、不揮発性半導体記憶装置110は、メモリ部MUと、制御部CTUと、を備える。これらメモリ部MU及び制御部CTUは、例えば単結晶シリコンからなる基板11の主面11aの上に設けられる。ただし、制御部CTUは、メモリ部MUが設けられる基板とは別の基板上に設けられても良い。以下では、メモリ部MU及び制御部CTUが同じ基板(基板11)に設けられる場合として説明する。
基板11においては、例えば、メモリセルが設けられるメモリアレイ領域MRと、メモリアレイ領域MRの例えば周辺に設けられる周辺領域PRと、が設定される。周辺領域PRにおいては、基板11の上に、各種の周辺領域回路PR1が設けられる。
メモリアレイ領域MRにおいては、基板11の上に例えば回路部CUが設けられ、回路部CUの上にメモリ部MUが設けられる。なお、回路部CUは必要に応じて設けられ、省略可能である。回路部CUとメモリ部MUとの間には、例えば酸化シリコンからなる層間絶縁膜13が設けられている。
例えば制御部CTUの少なくとも一部は、例えば、上記の周辺領域回路PR1及び回路部CUの少なくともいずれかに設けることができる。
メモリ部MUは、複数のメモリトランジスタMTを有するマトリクスメモリセル部MU1と、マトリクスメモリセル部MU1の配線を接続する配線接続部MU2と、を有する。
図3は、マトリクスメモリセル部MU1の構成を例示している。
図2においては、マトリクスメモリセル部MU1として、図3のA−A’断面の一部と、図3のB−B’線断面の一部が例示されている。
図2及び図3に表したように、マトリクスメモリセル部MU1においては、基板11の主面11a上に、積層構造体MLが設けられる。積層構造体MLは、主面11aに対して垂直な方向に交互に積層された複数の電極膜WLと複数の電極間絶縁膜14とを有する。
ここで、本願明細書において、説明の便宜上、XYZ直交座標系を導入する。この座標系においては、基板11の主面11aに対して垂直な方向をZ軸方向(第1方向)とする。そして、主面11aに対して平行な平面内の1つの方向をY軸方向(第2方向)とする。そして、Z軸とY軸とに垂直な方向をX軸方向(第3方向)とする。
積層構造体MLにおける電極膜WL及び電極間絶縁膜14の積層方向は、Z軸方向である。すなわち、電極膜WL及び電極間絶縁膜14は、主面11aに対して平行に設けられる。
図4は、マトリクスメモリセル部MU1の構成を例示しており、例えば図3のB−B’線断面の一部に相当する。
図3及び図4に表したように、不揮発性半導体記憶装置110のメモリ部MUは、上記の積層構造体MLと、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する半導体ピラーSP(第1半導体ピラーSP1)と、記憶層48(第1記憶層48a)と、内側絶縁膜42(第1内側絶縁膜42a)と、外側絶縁膜43(第1外側絶縁膜43a)と、配線WR(第1配線W1)と、を有する。
記憶層48は、電極膜WLのそれぞれと半導体ピラーSPとの間に設けられる。内側絶縁膜42は、記憶層48と半導体ピラーSPとの間に設けられる。外側絶縁膜43は、電極膜WLのそれぞれと記憶層48との間に設けられる。配線WRは、半導体ピラーSPの一端(第1端)と電気的に接続される。
例えば、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する貫通ホールTHの内部の壁面に、外側絶縁膜43、記憶層48及び内側絶縁膜42がこの順番で形成され、その残余の空間に半導体が埋め込まれ、半導体ピラーSPが形成される。
積層構造体MLの電極膜WLと、半導体ピラーSPと、の交差部に、メモリセルMCが設けられる。すなわち、電極膜WLと半導体ピラーSPとが交差する部分において、記憶層48を有するメモリトランジスタMTが3次元マトリクス状に設けられ、この記憶層48に電荷を蓄積させることにより、各メモリトランジスタMTが、データを記憶するメモリセルMCとして機能する。
内側絶縁膜42は、メモリセルMCのメモリトランジスタMTにおけるトンネル絶縁膜として機能する。一方、外側絶縁膜43は、メモリセルMCのメモリトランジスタMTにおけるブロック絶縁膜として機能する。電極間絶縁膜14は、電極膜WLどうしを絶縁する層間絶縁膜として機能する。
電極膜WLには、任意の導電材料を用いることができ、例えば、不純物が導入されて導電性が付与されたアモルファスシリコンまたはポリシリコンを用いることができ、また、金属及び合金なども用いることができる。電極膜WLには所定の電気信号が印加され、電極膜WLは、不揮発性半導体記憶装置110のワード線として機能する。
電極間絶縁膜14及び内側絶縁膜42及び外側絶縁膜43には、例えばシリコン酸化膜を用いることができる。なお、電極間絶縁膜14、内側絶縁膜42及び外側絶縁膜43は、単層膜でも良く、また積層膜でも良い。
記憶層48には、例えばシリコン窒化膜を用いることができ、半導体ピラーSPと電極膜WLとの間に印加される電界によって、電荷を蓄積または放出し、情報を記憶する部分として機能する。記憶層48は、単層膜でも良く、また積層膜でも良い。
なお、後述するように電極間絶縁膜14、内側絶縁膜42、記憶層48及び外側絶縁膜43には、上記に例示した材料に限らず、種々の材料を用いることができる。
なお、図2及び図3においては、積層構造体MLが電極膜WLを4層有している場合が例示されているが、積層構造体MLにおいて、設けられる電極膜WLの数は任意である。以下では、電極膜WLが4枚である場合として説明する。
本具体例においては、2本の半導体ピラーSPは接続部CPによって接続されている。 すなわち、メモリ部MUは、第2半導体ピラーSP2(複数の半導体ピラーSPのうちの1つ)と、第2記憶層48bと、第2内側絶縁膜42bと、第2外側絶縁膜43bと、第2配線W2と、第1接続部CP1(複数の接続部CPのうちの1つ)と、第1選択ゲートSG1(複数の選択ゲートSGのうちの1つで、例えばソース側選択ゲートSGS)と、第2選択ゲートSG2(複数の選択ゲートSGのうちの1つで、例えばドレイン側選択ゲートSGD)と、をさらに有する。
第2半導体ピラーSP2は、例えばY軸方向において第1半導体ピラーSP1(複数の半導体ピラーSPのうちの1つ)と隣接し、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する。
第2記憶層48bは、電極膜WLのそれぞれと第2半導体ピラーSP2との間に設けられる。第2内側絶縁膜42bは、第2記憶層48bと第2半導体ピラーSP2との間に設けられる。第2外側絶縁膜43bは、電極膜WLのそれぞれと第2記憶層48bとの間に設けられる。
第2配線W2は、第2半導体ピラーSP2の一端(第2端)と電気的に接続される。
第1接続部CP1は、第1半導体ピラーSP1の上記の一端(第1端)とは反対側の他端(第3端)と、第2半導体ピラーSP2の上記の一端(第2端)とは反対側の他端(第4端)と、を電気的に接続する。
具体的には、第3端は、第1半導体ピラーSP1の基板11の側の端であり、第4端は、第2半導体ピラーSP2の基板11の側の端である。第1接続部CP1によって、第1半導体ピラーSP1と第2半導体ピラーSP2とは、基板11の側で互いに接続される。第1接続部CP1は、Y軸方向に延在して設けられる。第1接続部CP1には、第1及び第2半導体ピラーSP1及びSP2と同じ材料が用いられる。
すなわち、基板11の主面11aの上に、層間絶縁膜13を介してバックゲートBG(接続部導電層)が設けられる。そして、バックゲートBGの第1及び第2半導体ピラーSP1及びSP2に対向する部分に溝が設けられ、溝の内部に、外側絶縁膜43、記憶層48及び内側絶縁膜42が形成され、その残余の空間に半導体からなる接続部CPが埋め込まれる。なお、溝における外側絶縁膜43、記憶層48、内側絶縁膜42及び接続部CPの形成は、貫通ホールTHにおける外側絶縁膜43、記憶層48、内側絶縁膜42及び半導体ピラーSPの形成と同時に、一括して行われる。このように、バックゲートBGは、接続部CPに対向して設けられる。
これにより、第1及び第2半導体ピラーSP1及びSP2と、接続部CPと、によって、U字形状のメモリストリングが形成される。このメモリストリングは、例えば、NAND型のメモリストリングである。
ただし、本発明は、これに限らず、後述するように、それぞれの半導体ピラーSPが独立しており、基板11の側で接続部CPによって接続されなくても良い。以下では、2本の半導体ピラーSPが接続部CPによって接続される場合について説明する。
図2及び図3に表したように、第1半導体ピラーSP1の第1接続部CP1とは反対側の一端(第1端)は、ソース線SL(第1配線W1)に接続され、第2半導体ピラーSP2の第1接続部CP1とは反対側の一端(第2端)は、ビット線BL(第2配線W2)に接続されている。なお、半導体ピラーSPとビット線BLとはビアVA1及びビアVA2により接続される。
本具体例では、ビット線BLは、Y軸方向に延在し、ソース線SLは、X軸方向に延在する。
第1選択ゲートSG1(例えばソース側選択ゲートSGS)は、第1半導体ピラーSP1の第1端と、積層構造体MLと、の間に設けられ、第1半導体ピラーSP1に貫通される。
第2選択ゲートSG2(例えばドレイン側選択ゲートSGD)は、第2半導体ピラーSP2の第2端と、積層構造体MLと、の間に設けられ、第2半導体ピラーSP2に貫通される。
これにより、任意の半導体ピラーSPの任意のメモリセルMCに所望のデータを書き込み、また読み出すことができる。
選択ゲートSGには、任意の導電材料を用いることができ、例えばポリシリコンまたはアモルファスシリコンを用いることができる。本具体例では選択ゲートSGは、Y軸方向に分断され、X軸方向に沿って延在する帯状の形状を有している。
なお、図2に表したように、積層構造体MLの最上部(基板11から最も遠い側)には、層間絶縁膜15が設けられている。そして、積層構造体MLの上に層間絶縁膜16が設けられ、その上に選択ゲートSGが設けられ、選択ゲートSGどうしの間には層間絶縁膜17が設けられている。そして、選択ゲートSGに貫通ホールTHが設けられ、その内側面に選択ゲートトランジスタの選択ゲート絶縁膜SGIが設けられ、その内側に半導体が埋め込まれている。この半導体は、半導体ピラーSPと繋がっている。
すなわち、メモリ部MUは、Z軸方向において積層構造体MLに積層され、配線WR(ソース線SL及びビット線BLの少なくともいずれか)の側で半導体ピラーSPに貫通された選択ゲートSGを有している。
そして、層間絶縁膜17の上に層間絶縁膜18が設けられ、その上に、ソース線SLとビア22(ビアVA1、VA2)が設けられ、ソース線SLの周りには層間絶縁膜19が設けられている。そして、ソース線SLの上に層間絶縁膜23が設けられ、その上にビット線BLが設けられている。
なお、層間絶縁膜15、16、17、18、19及び23、並びに、選択ゲート絶縁膜SGIには、例えば酸化シリコンを用いることができる。
なお、不揮発性半導体記憶装置110において複数設けられる半導体ピラーに関し、半導体ピラーの全体または任意の半導体ピラーを指す場合には、「半導体ピラーSP」と言い、半導体ピラーどうしの関係を説明する際などにおいて、特定の半導体ピラーを指す場合に、「第n半導体ピラーSPn」(nは1以上の任意の整数)と言うことにする。
図5に表したように、電極膜WLにおいては、0以上の整数であるmにおいて、nが(4m+1)及び(4m+3)である半導体ピラーSP(4m+1)及びSP(4m+3)に対応する電極膜が共通に接続され電極膜WLAとなり、nが(4m+2)及び(4m+4)である半導体ピラーSP(4m+2)及び(4m+4)に対応する電極膜が共通に接続され電極膜WLBとなる。すなわち、電極膜WLは、X軸方向に対向して櫛歯状に互いに組み合わされた電極膜WLA及び電極膜WLBの形状を有している。
図4及び図5に表したように、電極膜WLは、絶縁層ILによって分断され、電極膜WLは、第1領域(電極膜WLA)及び第2領域(電極膜WLB)に分かれている。
そして、図2に例示した配線接続部MU2のように、X軸方向における一方の端において、電極膜WLBは、ビアプラグ31によってワード配線32に接続され、例えば基板11に設けられる駆動回路と電気的に接続される。そして、同様に、X軸方向における他方の端において、電極膜WLAは、ビアプラグによってワード配線に接続され、駆動回路と電気的に接続される。すなわち、Z軸方向に積層された各電極膜WL(電極膜WLA及び電極膜WLB)のX軸方向における長さが階段状に変化させられ、X軸方向の一方の端では電極膜WLAによって駆動回路との電気的接続が行われ、X軸方向の他方の端では、電極膜WLBによって駆動回路との電気的接続が行われる。
そして、図3に表したように、メモリ部MUは、第3半導体ピラーSP3(複数の半導体ピラーSPのうちの1つ)と、第4半導体ピラーSP4(複数の半導体ピラーSPのうちの1つ)と、第2接続部CP2(複数の接続部CPのうちの1つ)と、をさらに有することができる。
第3半導体ピラーSP3は、Y軸方向において、第1半導体ピラーSP1の第2半導体ピラーSP2とは反対の側で第1半導体ピラーSP1と隣接し、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する。第4半導体ピラーSP4は、Y軸方向において、第3半導体ピラーSP3の第1半導体ピラーSP1とは反対の側で第3半導体ピラーSP3と隣接し、積層構造体MLをZ軸方向に貫通する。
第2接続部CP2は、第3半導体ピラーSP3と第4半導体ピラーSP4とをZ軸方向における同じ側(第1接続部CP1と同じ側)で電気的に接続する。第2接続部CP2は、Y軸方向に延在して設けられ、バックゲートBGに対向している。
記憶層48は、電極膜WLのそれぞれと第3及び第4半導体ピラーSP3及びSP4との間、並びに、バックゲートBGと第2接続部CP2との間、にも設けられる。内側絶縁膜42は、第3及び第4半導体ピラーSP3及びSP4と記憶層48との間、並びに、記憶層48と第2接続部CP2との間、にも設けられる。外側絶縁膜43は、電極膜WLのそれぞれと記憶層48との間、並びに、記憶層48とバックゲートBGとの間、にも設けられる。
そして、ソース線SLは、第3半導体ピラーSP3の第2接続部CP2とは反対の側の端と接続される。そして、ビット線BLは、第4半導体ピラーSP4の第2接続部CP2とは反対の側の端と接続される。
そして、第3半導体ピラーSP3に対向して、第3選択ゲートSG3(複数の選択ゲートSGのうちの1つで、例えばソース側選択ゲートSGS)が設けられ、第4半導体ピラーSP4に対向して、第4選択ゲートSG4(複数の選択ゲートSGのうちの1つで、例えば、ドレイン側選択ゲートSGD)が設けられる。
図1に表したように、このような構成を有する不揮発性半導体記憶装置110においては、制御部CTUは、消去動作を行う際に、以下の第1動作E1(ステップS110)の実施と、以下の第2動作E2(ステップS120)の実施と、を含む動作を実施する。
第1動作E1(第1消去動作)は、第1期間に行われる。第1動作E1においては、制御部CTUは、第1配線W1を第1電位V01に設定しつつ、電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定する。
第2動作E2(第2消去動作)は、第1動作E1の後の第2期間に行われる。第2動作E2においては、制御部CTUは、第1配線W1を第3電位V03に設定しつつ、電極膜WLを第3電位V03よりも低い第4電位V04に設定する。
そして、第2期間の長さは、第1期間の長さよりも短い、及び、第3電位V03と第4電位V04との差は、第1電位V01と第2電位V02との差よりも低い、の少なくともいずれかである。
消去動作は、記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)への正孔の注入、及び、記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作である。メモリセルMCとなるメモリトランジスタMTは、しきい値電圧が低い状態(消去状態)と、前記しきい値電圧が低い状態よりも相対的にしきい値電圧が高い状態(書き込み状態)と、を有する。そして、消去動作は、メモリトランジスタMTのしきい値電圧を、低い側の状態に設定する動作である。
なお、書き込み動作は、記憶層48への電子の注入、及び、記憶層48からの正孔の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作である。すなわち、書き込み動作は、メモリトランジスタMTのしきい値電圧を、高い側の状態に設定する動作である。
第1動作E1においては、第2電位V02が第1電位V01よりも低いので、第1配線W1を基準にした時、電極膜WLは負極性の電位に設定される。これにより、記憶層48への正孔の注入、及び、記憶層48からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかが行われる。
第1動作E1は、消去動作である。第1動作E1においては、目標とするしきい値電圧よりも若干高い値になる状態(浅い状態)を形成する。すなわち、第1動作E1は、「ソフト消去」である。
第2動作E2においても、第4電位V04が第3電位V03よりも低いので、第1配線W1を基準にした時、電極膜WLは負極性の電位に設定される。これにより、記憶層48への正孔の注入、及び、記憶層48からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかが行われる。
第2動作E2も消去動作である。第1動作E1において目標とするしきい値電圧よりも若干高い値に設定されたしきい値電圧が、この第2動作E2によって、目標とする値に設定される。すなわち、第2動作E2は「追加消去」である。
例えば、第2動作E2の第2期間の長さは、第1動作E1の第1期間の長さよりも短く設定される。すなわち、第2動作E2で印加される消去電圧のパルス幅は、第1動作E1で印加される消去電圧のパルス幅よりも短く設定される。また、第3電位V03と第4電位V04との差は、第1電位V01と第2電位V02との差よりも小さく設定される。
すなわち、第2動作E2(追加消去)においては、第1動作E1(ソフト消去)に対して、パルス幅が短い、及び、消去電圧が低い、の少なくともいずれかの動作である。
このように、消去動作において、目標とする値よりも高い(浅い)しきい値電圧に設定するように消去する「ソフト消去」(第1動作E1)の実施と、その後の、目標とする値に設定する「追加消去」(第2動作E2)の実施と、を組み合わせて実施することにより、安定した消去状態が実現できる。
以下では、説明を簡単にするために、まず、第2動作E2の第2期間の長さが第1動作E1の第1期間の長さと同じで、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02との差よりも小さい場合の例について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。すなわち、同図(a)及び(b)は、第1動作E1における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(c)及び(d)は、第2動作E2における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(b)及び(d)において、横軸は時間tを示し、縦軸は電位Vpを示す。
図7は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。すなわち、同図(a)、(b)及び(c)は、第1動作E1及び第2動作E2における、第1配線W1の電位(ソース線SLの電位VSL)、及び、第2配線W2の電位(ビット線BLの電位VBL)、ドレイン側選択ゲートSGDの電位VSGD、及び、ソース側選択ゲートSGSの電位VSGS、並びに、電極膜WLの電位VWL、をそれぞれ示している。
図8は、第1の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。すなわち、同図(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、第1動作E1、第2動作E2、及び、第2動作E2後、におけるエネルギーバンド図である。
図6(a)及び(b)に表したように、制御部CTUは、配線WR(例えば第1配線W1及び第2配線W2)を第1電位V01に設定しつつ、電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定する。以下では第2電位V02が、基準電位V00であるとする。
基準電位V00は任意の電位に設定することができる。以下では、基準電位V00が接地電位GNDであるとする。
例えば、図7(a)〜(c)に表したように、第1動作E1においては、配線WRに印加される第1消去電圧Vera1は、時刻t11において基準電位V00から上昇し、時刻t13のときに第1電位V01に達し、その後、時刻t14まで第1電圧V01を維持し、時刻t14から低下し始め、時刻t16において基準電位V00に戻る。この例では、時刻t13から時刻t14までの時間が、第1期間TE1である。
ソース側選択ゲートSGS及びドレイン側選択ゲートSGDに印加される第1消去時選択ゲート電圧VeraG1は、時刻t12において基準電位V00から上昇し、時刻t13のときに第5電位V05に達し、その後、時刻t14まで第5電位V05を維持し、時刻t14から低下し始め、時刻t15において基準電位V00に戻る。
なお、本具体例では、第1消去時選択ゲート電圧VeraG1が第5電位V05に到達する時刻及び第5電位V05から低下し始める時刻、が、それぞれ、第1消去電圧Vera1が第1電位V01に到達する時刻t13及び第1電位V01から低下し始める時刻t14と、それぞれ同じである例であるが、第5電位V05に到達する時刻と、第5電位V05から低下し始める時刻と、が、第1電位V01に到達する時刻t13と、第1電位V01から低下し始める時刻t14と異なっても良い。
第1動作E1においては、電極膜WL及びバックゲートBGの電位は、第2電位V02(基準電位V00)で、一定である。
第1電位V01は例えば20V(ボルト)であり、第5電位V05は例えば15Vであり、第2電位V02(基準電位V00)は例えば0Vである。このように、第5電位V05は、第1電位V01よりも低く、第1電位V01と第5電位V05との差は、例えば5V程度である。なお、第1消去時選択ゲート電圧VeraG1の最大値(すなわち第5電位V05と基準電位V00との差)は、選択ゲートSGの選択ゲートトランジスタの耐圧よりも低い値である。
時刻t12は時刻t11よりも後の時刻であり、時刻t13は時刻t12よりも後の時刻であり、時刻t14は時刻t13よりも後の時刻であり、時刻t15は時刻t14よりも後の時刻であり、時刻t16は時刻t15よりも後の時刻である。
第1消去電圧Vera1は、どの時刻の場合も第1消去時選択ゲート電圧VeraG1の値以上である。
このような第1消去時選択ゲート電圧VeraG1をドレイン側選択ゲートSGD及びソース側選択ゲートSGSに印加することで、選択ゲートトランジスタのゲート破壊を起こさず、ドレイン側選択ゲートSGD及びソース側選択ゲートSGSに対向する部分近傍の半導体ピラーSPにおいて、GIDL(Gate-Induced-Drain-Leakage)を発生させることができる。
そして、第1消去電圧Vera1を第1配線W1及び第2配線W2に印加することにより、電極膜WLと半導体ピラーSPとの交差部分に形成されるメモリトランジスタMTの記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)に正孔が注入される。この時、第1消去電圧Vera1は、メモリトランジスタMTのしきい値電圧が、消去状態の目標とする値よりも若干高い値になるような電圧にする。例えば目標とするしきい値電圧が−2Vである時には、メモリトランジスタMTのしきい値電圧は、−1V程度に設定される。すなわち、ソフト消去が実施される。
なお、消去動作において、上記のようなGIDLを利用する動作は、平面型のメモリセルを単純に積層した3次元積層メモリにおける動作とは異なり、一括加工型3次元積層メモリに特有の動作である。そして、GIDLを発生させるための、上記の配線WR(第1配線W1及び第2配線W2)の電位(第1消去電圧Vera1)、並びに、上記の選択ゲートSG(第1選択ゲートSG1及び第2選択ゲートSG2)の電位(第1消去時選択ゲート電圧VeraG1)は、平面型のメモリセルを単純に積層した3次元積層メモリにおける動作とは異なり、一括加工型3次元積層メモリに特有の動作である。このように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110の制御部CTUは、一括加工型3次元積層メモリに特有の動作を行う。
これにより、図8(a)に表したように、半導体ピラーSPの側から電極膜WLの方向に向けて、正孔が注入され、正孔cg2aが記憶層48に捕獲される。
この時、メモリトランジスタMTのしきい値電圧が、目標とするしきい値電圧よりも浅い状態(高い状態)になるように、第1消去電圧Vera1が設定されるため、半導体ピラーSPと内側絶縁膜42との間の界面や、内側絶縁膜42の半導体ピラーSP側の部分の、浅いエネルギー準位のトラップに、正孔cg2bが捕獲されることが抑制される。
そして、この後、図6(c)及び(d)に表したように、第2動作E2においては、制御部CTUは、配線WR(例えば第1配線W1及び第2配線W2)を、第3電位V03に設定しつつ、電極膜WLを第3電位V03よりも低い第4電位V04に設定する。ここで、第4電位V04は任意であるが、以下では、第4電位V04が第2電位V02(すなわち、この例では基準電位V00)と同じであるとする。
第3電位V03と第4電位V04との差は、第1電位V01と第2電位V02との差よりも小さいので、第3電位V03は、第1電位V01よりも低い電位である。第3電位V03は、例えば18Vである。
例えば、図7(a)〜(c)に表したように、第2動作E2において、配線WRに印加される第2消去電圧Vera2は、時刻t21において基準電位V00から上昇し、時刻t23のときに第3電位V03に達し、その後、時刻t24まで第3電圧V03を維持し、時刻t24から低下し始め、時刻t26において基準電位V00に戻る。この例では、時刻t23から時刻t24までの時間が、第2期間TE2であり、第2期間TE2の長さは第1期間TE1の長さと同じである。
ソース側選択ゲートSGS及びドレイン側選択ゲートSGDに印加される第2消去時選択ゲート電圧VeraG2は、時刻t22において基準電位V00から上昇し、時刻t23のときに第6電位V06に達し、その後、時刻t24まで第6電位V06を維持し、時刻t24から低下し始め、時刻t25において基準電位V00に戻る。この場合も、第6電位V06に到達する時刻と、第6電位V06から低下し始める時刻と、が、第3電位V03に到達する時刻t23と、第3電位V03から低下し始める時刻t24と、それぞれ異なっても良い。
第2動作E2においては、電極膜WL及びバックゲートBGの電位は、第4電位V04、すなわち、第2電位V02である基準電位V00で、一定である。
第3電位V03は例えば18Vであるとき、第6電位V06は例えば13Vである。第6電位V06は、第3電位V03よりも低く、第4電位V04(この例では第2電位V02である基準電位V00)よりも高ければ良く、第6電位V06は、第5電位V05と同じでも良い。
第6電位V06は、第3電位V03よりも低く、この例では、第3電位V03と第6電位V06との差は5V程度である。このときも、第2消去時選択ゲート電圧VeraG2の最大値(すなわち第6電位V06と基準電位V00との差)は、選択ゲートSGの選択ゲートトランジスタの耐圧よりも低い値である。
時刻t22は時刻t21よりも後の時刻であり、時刻t23は時刻t22よりも後の時刻であり、時刻t24は時刻t23よりも後の時刻であり、時刻t25は時刻t24よりも後の時刻であり、時刻t26は時刻t25よりも後の時刻である。
第2消去電圧Vera2は、どの時刻の場合も第2消去時選択ゲート電圧VeraG2の値以上である。
このような第2消去時選択ゲート電圧VeraG2をドレイン側選択ゲートSGD及びソース側選択ゲートSGSに印加することで、選択ゲートトランジスタのゲート破壊を起こさず、ドレイン側選択ゲートSGD及びソース側選択ゲートSGSに対向する部分近傍の半導体ピラーSPにおいて、GIDLを発生させる。
第2消去電圧Vera2を第1配線W1及び第2配線Vera2に印加することにより、メモリトランジスタMTの記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)に正孔が注入される。
この時、第2消去電圧Vera2は、第1消去電圧Vera1よりも低く設定されており、これにより、第1消去電圧Vera1の印加によって若干高く設定されていたしきい値電圧を少しだけ下げ、目標とする値に設定する。その結果、メモリトランジスタMTのしきい値電圧は、例えば目標とする値である−2Vに設定される。
すなわち、図8(b)に表したように、半導体ピラーSPの側から電極膜WLの方向に向けて、正孔が注入され、第1動作E1による正孔cg2aに加えて、さらに正孔cg2aが記憶層48に捕獲される。
この時、印加される第2消去電圧Vera2は、低い電圧であるため、このときも、半導体ピラーSPと内側絶縁膜42との間の界面や、内側絶縁膜42の半導体ピラーSP側の部分の、浅いエネルギー準位のトラップに、正孔cg2bが捕獲されることが抑制される。
これにより、図8(c)に表したように、半導体ピラーSPと内側絶縁膜42との間の界面や、内側絶縁膜42の半導体ピラーSPの側の部分の、浅いエネルギー準位のトラップに、正孔cg2bが捕獲されることが抑制されて、記憶層48に所望の正孔cg2aが捕獲された所望の消去状態が形成される。
そして、この第2動作E2により、メモリトランジスタMTのしきい値電圧は、第1動作E1の後よりも例えば1V程度低下し、結果として、目標の値(例えば−2V)になる。
このように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置110においては、消去動作EPが、ソフト消去の第1動作E1と、追加消去の第2動作E2と、の組みあわせを含むことにより、消去状態を均一化できる。すなわち、過度に深い消去状態(しきい値電圧が過度に低い状態)が抑制できる。これにより、例えば、書き込み前の状態が均一化でき、書き込みが容易になり、書き込み動作の制御性が向上できる。
例えば、消去動作EPを単一の動作(例えば第1動作E1)のみで行う比較例の場合には、複数のメモリトランジスタMTの特性のばらつきに係わらず消去状態を形成するために、消去電圧を過度に高くする必要が生じる。消去電圧が過度に高いと、過度に深く消去され、所望のしきい値電圧から外れたメモリトランジスタMTが発生する可能性がある。また、消去電圧が過度に高いと、半導体ピラーSPと内側絶縁膜42との間の界面や、内側絶縁膜42の半導体ピラーSP側の部分の、浅いエネルギー準位のトラップに、正孔cg2bが捕獲されることがあり、場合によっては保持特性を低下させることがある。また、例えば外側絶縁膜43(第1外側絶縁膜43a及び第2外側絶縁膜43b)を介して記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)に電子が注入される、いわゆるバックトンネリングによる誤書き込みが発生する可能性がある。また、メモリトランジスタMTに過度のストレスが印加され、信頼性が低下するおそれがある。
これに対し、消去動作EPが、ソフト消去の第1動作E1と、追加消去の第2動作E2と、の組み合わせを含むことにより、過度に深く消去されることがなく、しきい値電圧が均一化できる。これにより、書き込み動作が容易になる。そして、浅いエネルギー準位のトラップに、正孔cg2bが捕獲されることが抑制され、保持特性が向上し、消去状態が安定化する。さらに、バックトンネリングが抑制され、誤書き込みが抑制される。また、メモリトランジスタMTへのストレスが抑制され、信頼性が向上する。
なお上記のように、メモリ部MUは、第1方向(Z軸方向)において積層構造体MLに積層され、半導体ピラーSPの一端に貫通された選択ゲートSGをさらに有し、制御部CTUは、第1動作E1の第1期間TE1において、選択ゲートSGを、第1電位V01よりも低く第2電位V02よりも高い第5電位V05に設定し、第2動作E2の第2期間TE2において、選択ゲートSGを、第3電位V03よりも低く第4電位V04よりも高い第6電位V06に設定する。これにより、GIDLを発生させ、消去動作EPが実行される。
以下では、第2動作E2の第2期間TE2の長さが第1動作E1の第1期間TE1の長さよりも短く、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02と同じである場合の例について説明する。この動作が実施される不揮発性半導体記憶装置111の構成は不揮発性半導体記憶装置110と同じであるが、制御部CTUの動作が異なる。
図9は、第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)及び(b)は、第1動作E1における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(c)及び(d)は、第2動作E2における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(b)及び(d)において、横軸は時間tを示し、縦軸は電位Vpを示す。
図10は、第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)、(b)及び(c)は、第1動作E1及び第2動作E2における、第1配線W1の電位(ソース線SLの電位VSL)、及び、第2配線W2の電位(ビット線BLの電位VBL)、ドレイン側選択ゲートSGDの電位VSGD、及び、ソース側選択ゲートSGSの電位VSGS、並びに、電極膜WLの電位VWL、をそれぞれ示している。
図9(a)及び(b)に表したように、不揮発性半導体記憶装置111においては、制御部CTUは、配線WR(例えば第1配線W1及び第2配線W2)を第1電位V01に設定しつつ、電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定する。
例えば、図10(a)〜(c)に表したように、第1動作E1の第1期間TE1において、配線WRに印加される第1消去電圧Vera1は、時刻t11において基準電位V00から上昇し、時刻t13のときに第1電位V01に達し、その後、時刻t14まで第1電圧V01を維持し、時刻t14から低下し始め、時刻t16において基準電位V00に戻る。時刻t13から時刻t14までの時間が、第1期間TE1である。
ソース側選択ゲートSGS及びドレイン側選択ゲートSGDに印加される第1消去時選択ゲート電圧VeraG1は、時刻t12において基準電位V00から上昇し、時刻t13のときに第5電位V05に達し、その後、時刻t14まで第5電位V05を維持し、時刻t14から低下し始め、時刻t15において基準電位V00に戻る。なお、このときも、第5電位V05に到達する時刻と、第5電位V05から低下し始める時刻と、が、第1電位V01に到達する時刻t13と、第1電位V01から低下し始める時刻t14と、異なっても良い。
第1動作E1においては、電極膜WL及びバックゲートBGの電位は、第2電位V02(基準電位V00)で、一定である。
第1電位V01は例えば20Vであり、第5電位V05は例えば15Vであり、第2電位V02(基準電位V00)は例えば0Vである。
時刻t12は時刻t11よりも後の時刻であり、時刻t13は時刻t12よりも後の時刻であり、時刻t14は時刻t13よりも後の時刻であり、時刻t15は時刻t14よりも後の時刻であり、時刻t16は時刻t15よりも後の時刻である。
第1消去電圧Vera1は、どの時刻の場合も第1消去時選択ゲート電圧VeraG1の値以上である。
これにより、GIDLを発生させ、メモリトランジスタMTの記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)に正孔が注入される。
この時も、第1消去電圧Vera1は、メモリトランジスタMTのしきい値電圧が、消去状態の目標とする値よりも若干高い値になるような電圧にする。例えば目標とするしきい値電圧が−2Vである時には、メモリトランジスタMTのしきい値電圧は、−1V程度に設定される。
そして、この後、図9(c)及び(d)に表したように、第2動作E2においては、制御部CTUは、配線WR(例えば第1配線W1及び第2配線W2)を、第3電位V03に設定しつつ、電極膜WLを第3電位V03よりも低い第4電位V04に設定する。ここで、第4電位V04は、第2電位V02と同じであるとする。そして、この場合は、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02と同じ例である。すなわち、第3電位V03は、第1電位V01と同じ20Vである。
そして、第2動作E2においては、第3電位V03(この場合は第1電位V01と同じ)が印加される時間が、第1動作E1において第1電位V01が印加される時間よりも短い。
例えば、図10(a)〜(c)に表したように、第2動作E2において、第2消去電圧Vera2は、時刻t21において基準電位V00から上昇し、時刻t23のときに第3電位V03に達し、その後、時刻t24まで第3電圧V03を維持し、時刻t24から低下し始め、時刻t26において基準電位V00に戻る。この例では、時刻t23から時刻t24までの時間が、第2期間TE2であり、第2期間TE2の長さは第1期間TE1の長さよりも短い。
このときも、第2消去時選択ゲート電圧VeraG2は、時刻t22において基準電位V00から上昇し、時刻t23のときに第6電位V06に達し、その後、時刻t24まで第6電位V06を維持し、時刻t24から低下し始め、時刻t25において基準電位V00に戻る。この場合も、第6電位V06に到達する時刻と、第6電位V06から低下し始める時刻と、が、第3電位V03に到達する時刻t23と、第3電位V03から低下し始めるt24と、異なっても良い。
第2動作E2においては、電極膜WL及びバックゲートBGの電位は、第4電位V04、すなわち、第2電位V02である基準電位V00で、一定である。
第3電位V03は、第1電位V01と同じであり、例えば20Vである。第6電位V06は、第5電位V05と同じであり、例えば15Vである。
時刻t22は時刻t21よりも後の時刻であり、時刻t23は時刻t22よりも後の時刻であり、時刻t24は時刻t23よりも後の時刻であり、時刻t25は時刻t24よりも後の時刻であり、時刻t26は時刻t25よりも後の時刻である。
第2消去電圧Vera2は、どの時刻の場合も第2消去時選択ゲート電圧VeraG2の値以上である。
これによりGIDLを発生させ、メモリトランジスタMTの記憶層48(第1記憶層48a及び第2記憶層48b)に正孔が注入される。
既に説明したように、第1動作E1が実施される第1期間TE1は、第1消去電圧Vera1が第1電位V01である時間とされる。そして、第2動作E2が実施される第2期間TE2は、第2消去電圧Vera2が第3電位V03(この例では第1電位V01と同じ)である時間とされる。そして、第2期間TE2は第1期間TE2よりも短い。
このような第2動作E2によって、第1動作E1によって若干高く設定されていたしきい値電圧を少しだけ下げ、目標とする値に設定する。すなわち、メモリトランジスタMTのしきい値電圧は、例えば目標とするしきい値電圧である−2Vに設定される。
以上、第2動作E2の第2期間TE2の長さが、第1動作E1の第1期間TE1の長さと同じで、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02との差よりも小さい例と、第2動作E2の第2期間TE2の長さが、第1動作E1の第1期間TE1の長さよりも短く、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02との差と同じである例と、に関して説明したが、第2動作E2の第2期間TE2の長さが、第1動作E1の第1期間TE1の長さよりも短い、及び、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02との差よりも小さい、の少なくともいずれかであれば良い。
本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置においては、制御部CTUは、さらに、以下のようなベリファイ読み出し動作を行うことができる。
図11は、第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示するフローチャート図である。
図11(a)に表したように、本実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置112においては、第1動作E1(ステップS110)と第2動作E2(ステップS120)との間に、半導体ピラーSPと電極膜WLとの交差部に形成されるメモリトランジスタMTのしきい値電圧を読み出す第3動作E3(ステップS130)を実施する。
不揮発性半導体記憶装置112の構成は不揮発性半導体記憶装置110及び111と同様とすることができるので説明を省略する。
第3動作E3は、いわゆるベリファイ読み出し動作である。
第3動作E3においては、例えば、例えば第1配線W1(ソース線SL)を第2電位V02(例えば0V)に設定し、第2配線W2(ビット線BL)を低電位Vcc(例えば3V程度)に設定し、第1選択ゲートSG1及び第2選択ゲートSG2を低電位Vccに設定し、電極膜WLを探索電位Vseに設定して、探索電位Vseを変化させながら、各電極膜WLに対応する各メモリトランジスタMTのしきい値電圧を読み出す。この動作も、制御部CTUによって行われる。
そして、第3動作E3によって読み出されたメモリトランジスタMTのしきい値電圧が目標とする値に達していないと、第2動作E2へ進み、そして、しきい値電圧が目標とする値に達している場合は、終了する(ステップS131)。
そして、しきい値電圧が目標とする値に達していないときに、第2動作E2(ステップS120)を実施する。
このように、本具体例では、第1動作E1後のメモリトランジスタMTのしきい値電圧の状態に基づいて、第2動作E2を実施する。このように、制御部CTUは、消去動作EPにおいて、第1動作E1の実施と、第2動作E2の実施と、を含む動作を実施する。
これにより、必要な場合に第2動作E2を実施でき、消去動作EPを効率的に行うことができる。
図11(b)に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置113においては、第2動作E2の後に、半導体ピラーSPと電極膜WLとの交差部に形成されるメモリトランジスタMTのしきい値電圧を読み出す第3動作E3a(ステップS130a)を実施する。
不揮発性半導体記憶装置113の構成は不揮発性半導体記憶装置110及び111と同様とすることができるので説明を省略する。
第3動作E3aもベリファイ読み出し動作であり、第3動作E3aにおいては、上記の第3動作E3と同様の動作が行われる。
第3動作E3aによって読み出されたメモリトランジスタMTのしきい値電圧が目標とする値に達していないと、第2動作E2へ戻り、そして、しきい値電圧が目標とする値に達している場合は、終了する(ステップS131a)。そして、上記のステップS120、ステップS130a及びステップS131aが、しきい値電圧が目標とする値に達するまで繰り返される。
本具体例では、第1動作E1(ステップS110)と第2動作E2(ステップS120)との間に、上記の第3動作E3(ステップS130)が実施され、第3動作E3によって読み出されたメモリトランジスタMTのしきい値電圧が目標とする値に達していないと、第2動作E2へ進み、そして、しきい値電圧が目標とする値に達している場合は、終了する(ステップS131)。
そして、第2動作E2の後に、上記のステップS130a及びステップS131aが実施される。
ただし、本発明は、これに限らず、ステップS130及びステップS131は省略し、ステップS110とステップS120とを実施し、その後、ステップS130a及びステップS131aを実施し、上記のステップS120、ステップS130a及びステップS131aを、しきい値電圧が目標とする値に達するまで繰り返しても良い。
すなわち、第3動作E3(または第3動作E3a)は、第1動作E1と第2動作E2との間、及び、第2動作E2の後、の少なくともいずれかにおいて実施することができる。
これにより、必要のある場合に第2動作E2を繰り返して実施でき、消去動作EPを効率的に行うことができる。
なお、第2動作E2が繰り返して実施される場合において、第2動作E2の第2期間TE2、及び、第3電位V03と第4電位V04との差、の少なくともいずれかを、繰り返しの回数に応じて変化させても良い。これにより、より効率的に消去動作EPを行うことができる。
図12は、第1の実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)及び(b)は、第1動作E1における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(c)及び(d)は、第2動作E2における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(b)及び(d)において、横軸は時間tを示し、縦軸は電位Vpを示す。
図12に表したように、本実施形態に係る別の不揮発性半導体記憶装置114の動作においては、第1配線W1(ソース線SL)に消去電圧(第1消去電圧Vera1)が印加されるが、第2配線W2(ビット線BL)は浮遊状態FLTに設定される。また、このとき、第1選択ゲートSG1(ソース側選択ゲートSGS)には、消去時選択ゲート電圧(第1消去時選択ゲート電圧VeraG1)が印加されるが、第2配線W2の側の第2選択ゲートSG2(ドレイン側選択ゲートSGD)は浮遊状態FLTに設定される。
すなわち、メモリ部MUは、第1方向(Z軸方向)に対して直交する第2方向(Y軸方向)において第1半導体ピラーSP1と隣接して設けられ、積層構造体MLを第1方向に貫通する第2半導体ピラーSP2と、電極膜WLのそれぞれと第2半導体ピラーSP2との間に設けられた第2記憶層48bと、第2記憶層48bと第2半導体ピラーSP2との間に設けられた第2内側絶縁膜42bと、電極膜WLのそれぞれと第2記憶層48bとの間に設けられた第2外側絶縁膜43bと、第2半導体ピラーSP2の一端(第2端)と電気的に接続された第2配線W2と、第1半導体ピラーSP1の一端(第1端)とは反対側の他端(第3端)と、第2半導体ピラーSP2の一端(第2端)とは反対側の他端(第4端)と、を電気的に接続する接続部CP(第1接続部CP1)と、第1半導体ピラーSP1の一端(第1端)と積層構造体MLとの間に設けられ、第1半導体ピラーSP1に貫通された第1選択ゲートSG1と、第2半導体ピラーSP2の一端(第2端)と積層構造体MLとの間に設けられ、第2半導体ピラーSP2に貫通された第2選択ゲートSG2と、をさらに有する。
そして、制御部CTUは、第1動作E1の第1期間TE1において、第1配線W1を第1電位V01に設定しつつ、第2配線W2を浮遊状態FLTに設定し、電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定する。
そして、第1動作E1の後の第2動作E2の第2期間TE2において、第1配線W1を第3電位V03に設定しつつ、第2配線W2を浮遊状態FLTに設定し、電極膜WLを第3電位V03よりも低い第4電位V04に設定する。
そして、第1動作E1の第1期間TE1において、第1選択ゲートSG1を、第1電位V01よりも低く第2電位V02よりも高い第5電位V05に設定する。このとき、第2選択ゲートSG2は、浮遊状態FLTに設定されることが望ましい。
そして、第2動作E2の第2期間TE2において、第1選択ゲートSG1を、第3電位V03よりも低く第4電位V04よりも高い第6電位V06に設定する。このとき、第2選択ゲートSG2は、浮遊状態FLTに設定することが望ましい。
このように、メモリストリングの一方の端に対応する第1配線W1と第1選択ゲートSG1にそれぞれ消去電圧(第1消去電圧Vera1及び第2消去電圧Vera2)と消去時選択ゲート電圧(第1消去時選択ゲート電圧VeraG1及び第2消去時選択ゲート電圧VeraG2)が印加されれば、メモリストリングの他方の端に対応する第2配線W2及び第2選択ゲートSG2は、浮遊状態FLTでも良い。
(第2の実施の形態)
図13は、第2の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)及び(b)は、第1動作E1における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(c)及び(d)は、第2動作E2における電位の状態を例示する、それぞれ模式図及びグラフ図である。同図(b)及び(d)において、横軸は時間tを示し、縦軸は電位Vpを示す。
本実施形態においては、第2動作E2は、第1動作E1の後に第1動作E1との組みとして必ずしも実施されなくても良く、第1動作E1と第2動作E2とをそれぞれ単独で実施しても良い。
図13(a)に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置120においては、制御部CTUは、複数の記憶層48のうちのいずれかの記憶層48(選択された記憶層48)への正孔の注入、及び、上記いずれかの記憶層48(選択された記憶層48)からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作の際に、配線WR(例えば第1配線W1及び第2配線W2)を第1電位V01に設定する。
そして、上記いずれかの記憶層48に対向する電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定しつつ、上記いずれかの記憶層48を除く上記の記憶層48に対向する電極膜WLを、浮遊状態FLTにする。
本具体例では、選択された記憶層48に対向する電極膜WL0S、WL1S、WL0D及びWL1Dが、第2電位V02である基準電位V00に接地され、それ以外の記憶層48に対向する電極膜WL2S、WL3S、WL2D及びWL3Dが浮遊状態FLTに設定される。
このような動作により、特定の電極膜WLに対応するメモリトランジスタMTを選択的に消去できる。本具体例の場合は、電極膜WL0S、WL1S、WL0D及びWL1Dに対応するメモリトランジスタMTが選択的に消去される。
一方、電極膜WL2S、WL3S、WL2D及びWL3Dが浮遊状態FLTに設定されるので、これらの電極膜WLは、容量カップリングで昇圧されるため、電極膜WLと配線WRとの間に電位差が生じず、これらの電極膜WLに対応するメモリトランジスタMTにおいては、消去は行われない。
このとき、消去電圧(第1消去電圧Vera1)、及び、第1期間TE1の長さ、の少なくともいずれかに、これらのメモリトランジスタMTに対して最適な値を用いることができる。
例えば積層構造体MLに設ける貫通ホールTHのサイズが、基板11からの距離によって不均一になることがあり得る。例えば、基板11に近い下部(基板近接部)と、基板11からの距離が下部よりも遠い上部(基板遠隔部)と、を比較すると、上部の方が貫通ホールTHの径が大きくなり、貫通ホールTHの曲率半径が大きくなることがある。この場合には、上部のメモリトランジスタMTを消去する際には、下部のメモリトランジスタMTと比べて相対的に大きい電位差が、配線WRと電極膜WLとの間に印加される。上部と下部とのそれぞれで最適な消去電圧を用いることで、それぞれのメモリトランジスタMTを適切な消去状態に設定できる。
例えば、第1消去電圧Vera1の最大値である第1電位V01は、例えば20Vとして、第2電位V02は基準電位V00であり、接地電位GND(0V)とする。
なお、この時の第1選択ゲートSG1及び第2選択ゲートSG1の電位(第5電位V05、すなわち、第1消去時選択ゲート電圧VeraG1)の設定は、図6に関して説明したのと同様とすることができるので説明を省略する。
このような電圧を用いることで、所望のメモリトランジスタMTのみを最適な消去電圧で消去することができ、消去状態を均一化でき、例えば次の書き込み動作の制御性が向上できる。また、保持特性が向上し、消去状態が安定化する。誤書き込みも抑制される。また、所望のメモリトランジスタMTのみを選択的に消去することで、信頼性が向上し、また、消去動作が高速化できる。
図13(b)に表した第2動作E2においては、電極膜WL2S、WL3S、WL2D及びWL3Dが、第4電位V04である基準電位V00に接地され、それ以外の記憶層48に対向する電極膜WL0S、WL1S、WL0D及びWL1Dが浮遊状態FLTに設定される。
このような動作により、電極膜WL2S、WL3S、WL2D及びWL3Dに対応するメモリトランジスタMTが選択的に消去される。
このとき、消去電圧(第2消去電圧Vera2)、及び、第2期間TE2の長さ、の少なくともいずれかに、これらのメモリトランジスタMTに対して最適な値を用いることができる。
第2消去電圧Vera2の最大値である第3電位V03は、例えば19Vとして、第4電位V04は基準電位V00であり、接地電位GND(0V)とする。
なお、この時の第1選択ゲートSG1及び第2選択ゲートSG1の電位(第6電位V06、すなわち、第2消去時選択ゲート電圧VeraG2の最大値)の設定は、図6に関して説明したのと同様とすることができるので説明を省略する。
このような電圧を用いることで、所望のメモリトランジスタMTのみを最適な消去電圧で消去することができ、消去状態を均一化でき、例えば次の書き込み動作の制御性が向上でき、また、保持特性が向上し、消去状態が安定化する。また、誤書き込みが抑制され、さらに、選択消去によって信頼性が向上し、消去動作が高速化できる。
このように、制御部CTUは、第1の選択された記憶層48(複数の記憶層48のうちのいずれかの記憶層48)の選択的な第1の消去動作EPの際に、第1期間TE1において、配線WR(第1配線W1及び第2配線W2)を第1電位V01に設定し、第1の選択された記憶層48に対向する電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定しつつ、第1の非選択の記憶層48(上記第1の選択された記憶層48を除く上記の記憶層48)に対向する電極膜WLを、浮遊状態FLTにする第1動作E1を実施する。さらに、制御部CTUは、第2期間TE2において、上記の第1の選択された記憶層48以外の第2の選択された記憶層48(複数の記憶層48のうちの別のいずれかの記憶層48)の選択的な第2の消去動作EPの際に、配線WR(第1配線W1及び第2配線W2)を、第3電位V03に設定し、第2の選択された記憶層48に対向する電極膜WLを第3電位V03よりも低い第4電位V04に設定しつつ、第2の非選択の記憶層48(上記第2の選択された記憶層48を除く上記の記憶層48)に対向する電極膜WLを、浮遊状態FLTにする第2動作E2を実施することができる。
そして、第2期間TE2の長さが第1期間TEの長さと異なる、第3電位V03と第4電位V04との差が、第1電位V01と第2電位V02との差と異なる、の少なくともいずれかとすることができる。
これにより、所望のメモリトランジスタMTのそれぞれを選択的に消去でき、さらに、それぞれに対して最適な消去電圧で消去することができ、消去状態がより均一化できる。
また、この場合も、図12に関して説明したのと同様に、第1動作E1において、第1配線W1を第1電位V01に設定しつつ、第2配線W2を浮遊状態FLTに設定することができ、第1選択ゲートSG1を第5電位V05に設定し、第2選択ゲートSG2を、浮遊状態FLTに設定することができる。そして、第2動作E2において、第1配線W1を第3電位V03に設定しつつ、第2配線W2を浮遊状態FLTに設定することができ、第1選択ゲートSG1を第5電位V05に設定し、第2選択ゲートSG2を、浮遊状態FLTに設定することができる。
(第3の実施の形態)
図14は、第3の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)は、不揮発性半導体記憶装置130における電位の状態を例示する模式図である。同図(b)〜(d)は、電位の状態を例示するグラフ図であり、同図(b)は、消去電圧Veraと消去時選択ゲート電圧VeraGを示しており、同図(c)〜(f)は、それぞれ、電極膜WL3S及びWL3Dへの印加電圧VWL3、電極膜WL2S及びWL2Dへの印加電圧VWL2、電極膜WL1S及びWL1Dへの印加電圧VWL1、並びに、電極膜WL0S及びWL0Dへの印加電圧VWL0、を示している。
図14(a)〜(f)に表したように、制御部CTUは、記憶層48への正孔の注入、及び、記憶層48からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作の際に、以下を行う。
制御部CTUは、配線WR(例えば第1配線W1及び第2配線W2)を第1電位V01に設定しつつ、複数の電極膜WLのうちのいずれかの電極膜WLを第1電位V01よりも低い第2電位V02に設定する。そして、複数の電極膜WLのうちの他のいずれかの電極膜WLを第1電位V01よりも低く、第2電位V02とは異なる第7電位V07に設定する。
第1電位V01は例えば20Vであり、第2電位V02は例えば基準電位V00である0Vである。
図14(b)に例示した消去電圧Vera、消去時選択ゲート電圧VeraG、第5電位V05、期間TE、並びに、時刻t11、t12、t13、t14、t15及びt16は、図6に関して説明した第1消去電圧Vera1、第1消去時選択ゲート電圧VeraG1、第5電位V05、第1期間TE1、並びに、時刻t11、t12、t13、t14、t15及びt16と同様とすることができるので説明を省略する。
図6に例示した第1動作E1においては、全ての電極膜WLが同時に第2電位V02に設定されているが、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置130においては、電極膜WLの少なくとも2つが互いに異なる電位に設定されている。
例えば、電極膜WL3S及びWL3Dへの印加電圧VWL3は、第2電位V02(基準電位V00)である0Vで、一定である。電極膜WL2S及びWL2Dへの印加電圧VWL2の最大値は、例えば、1Vである。電極膜WL1S及びWL1Dへの印加電圧VWL1の最大値は、例えば、2Vである。電極膜WL0S及びWL0Dへの印加電圧VWL0の最大値は、例えば、3Vである。
そして、印加電圧VWL0〜印加電圧VWL2のそれぞれは、時刻t11において基準電位V00から上昇し、時刻t13のときにそれぞれの最高の電位(3V、2V及び1V)に達し、その後、時刻t14までその最高の電位を維持し、時刻t14から低下し始め、時刻t16において基準電位V00に戻る。この例では、時刻t13から時刻t14までの時間が、期間TEである。
このように、電極膜WLのそれぞれで互いに異なった値の電位に設定することで、それぞれの電極膜WLに対向して設けられるメモリトランジスタMTのそれぞれを最適な状態で消去することができる。
例えば、既に説明したように、積層構造体MLに設ける貫通ホールTHのサイズが、基板11からの距離によって不均一になることがあり得る。例えば、基板11に近い下部(基板近接部)よりも、基板11からの距離が下部よりも遠い上部(基板遠隔部)において、貫通ホールTHの径が大きくなり、貫通ホールTHの曲率半径が大きい場合は、配線WRに印加する消去電圧Veraを一定にしておき、例えば曲率半径が相対的に大きい上部の電極膜WLを0Vに設定し、曲率半径が相対的に小さい下部の電極膜WLを0Vよりも高い電圧に設定する。
すなわち、第1方向(Z軸方向)に対して垂直な第2方向(Y軸方向)に沿った外側絶縁膜43の外径が大きい第1領域(例えば基板遠隔部である上部)と、第1領域よりも第2方向に沿った外径が小さい第2領域(例えば基板近接部である下部)と、が設けられ、複数の電極膜WLのうちの上記のいずれかの電極膜WLは、第1領域に属する電極膜WLであり、複数の電極膜WLのうちの上記の他のいずれかの電極膜WLは、第2領域に属する電極膜WLであり、この時、上記の第7電位V07は、第2電位V02(例えば0V)よりも高い、例えば1V〜3Vである。
すなわち、図14に例示したように、下部のメモリトランジスタMTに対応する、例えば電極膜WL0S及び電極膜WL0Dへの印加電圧VWL0の最高値を、上部のメモリトランジスタMTに対応する電極膜WL3S及び電極膜WL3Dへの印加電圧VWL3の最高値よりも高くして、上部と下部とのそれぞれで最適な電位差がメモリトランジスタMTに印加される。これにより、それぞれのメモリトランジスタMTを適切な消去状態に設定できる。
また、この場合も、図12に関して説明したのと同様に、第1配線W1を第1電位V01に設定しつつ、第2配線W2を浮遊状態FLTに設定することができ、第1選択ゲートSG1を第5電位V05に設定し、第2選択ゲートSG2を、浮遊状態FLTに設定することができる。
なお、第1〜第3の実施形態に関して説明した種々の動作を適宜組み合わせて実施しても良い。例えば、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせ、異なる電極膜WLに対向するメモリトランジスタMTを別々に消去するときに、消去電圧Veraを変えつつ、さらに、電極膜WLごとに電位VWLを変えても良い。
(第4の実施の形態)
図15及び図16は、第4の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する、それぞれ模式的断面図及び模式的斜視図である。
なお、図16においては、図を見易くするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図15及び図16に表したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置140も、メモリ部MUと制御部CTUとを備える。
そして、メモリ部MUにおいては、半導体ピラーSPはU字形状に接続されておらず、それぞれの半導体ピラーSPが独立している。すなわち、不揮発性半導体記憶装置140においては、直線状のNANDストリングが設けられる。そして、積層構造体MLの上に上部選択ゲートUSG(第2選択ゲートSG2であり、例えばドレイン側選択ゲートSGDとなる)が設けられ、積層構造体MLの下に下部選択ゲートLSG(第1選択ゲートSG1であり、例えばソース側選択ゲートSGSとなる)が設けられている。
上部選択ゲートUSGと半導体ピラーSPとの間には、例えば酸化シリコンからなる上部選択ゲート絶縁膜USGIが設けられ、下部選択ゲートLSGと半導体ピラーSPとの間には、例えば酸化シリコンからなる下部選択ゲート絶縁膜LSGIが設けられる。
そして、下部選択ゲートLSGの下側に、ソース線SL(配線WRのうちの1つであり、第1配線W1)が設けられている。ソース線SLの下に層間絶縁膜13aが設けられ、ソース線SLと下部選択ゲートLSGとの間に層間絶縁膜13bが設けられている。
下部選択ゲートLSGの下方において半導体ピラーSPはソース線SLに接続され、上部選択ゲートUSGの上方において半導体ピラーSPはビット線BL(配線WRのうちの1つであり、第2配線W2)に接続されている。そして、上部選択ゲートUSGと下部選択ゲートLSGとの間の積層構造体MLにおいて、メモリトランジスタMT(メモリセルMC)が形成され、半導体ピラーSPが、直線状の1つのメモリストリングとして機能する。このメモリストリングは、例えばNAND型のストリングである。
上部選択ゲートUSG及び下部選択ゲートLSGは、それぞれ層間絶縁膜17及び層間絶縁膜13cによってY軸方向に分断されており、X軸方向に沿って延在する帯状の形状を有している。
一方、半導体ピラーSPの上部に接続されるビット線BL、及び、半導体ピラーSPの下部に接続されるソース線SLは、Y軸方向に延在する帯状の形状を有している。
そして、この場合は、電極膜WLは、X−Y平面に平行な板状の導電膜である。
このような構造の不揮発性半導体記憶装置140においても、制御部CTUは、第1〜第3の実施形態に関して説明した動作を実施する。これにより、安定した消去状態が実現できる。
なお、本発明の実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置において、電極間絶縁膜14、内側絶縁膜42及び外側絶縁膜43には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、ハフニア、ハフニウム・アルミネート、窒化ハフニア、窒化ハフニウム・アルミネート、ハフニウム・シリケート、窒化ハフニウム・シリケート、酸化ランタン及びランタン・アルミネートよりなる群から選択されたいずれかの単層膜、または、前記群から選択された複数からなる積層膜を用いることができる。
また、記憶層48には、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、ハフニア、ハフニウム・アルミネート、窒化ハフニア、窒化ハフニウム・アルミネート、ハフニウム・シリケート、窒化ハフニウム・シリケート、酸化ランタン及びランタン・アルミネートよりなる群から選択されたいずれかの単層膜、または、前記群から選択された複数からなる積層膜を用いることができる。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、不揮発性半導体記憶装置を構成する基板、電極膜、絶縁膜、絶縁層、積層構造体、記憶層、電荷蓄積層、半導体ピラー、ワード線、ビット線、ソース線、配線、メモリトランジスタ、選択ゲートトランジスタ等、各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した不揮発性半導体記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての不揮発性半導体記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
11…基板、 11a…主面、 13、13a、13b、13c、15、16、17、18、19、23…層間絶縁膜、 14…電極間絶縁膜、 22…ビア、 31…ビアプラグ、 32…ワード配線、 42…内側絶縁膜、 42a、42b…第1及び第2内側絶縁膜、 43…外側絶縁膜、 43a、43b…第1及び第2外側絶縁膜、 48…記憶層、 48a、48b…第1及び第2記憶層、 110、111、112、113、114、120、130、140…不揮発性半導体記憶装置、 BG…バックゲート、 BL…ビット線、 CP…接続部、 CP1、CP2…第1及び第2接続部、 CTU…制御部、 CU…回路部、 E1〜E4…第1〜第4動作、 EP…消去動作、 FLT…浮遊状態、 GND…接地電位、 IL…絶縁層、 LSG…下部選択ゲート、 LSGI…下部選択ゲート絶縁膜、 MC…メモリセル、 ML…積層構造体、 MR…メモリアレイ領域、 MT…メモリトランジスタ、 MU…メモリ部、 MU1…マトリクスメモリセル部、 MU2…配線接続部、 PR…周辺領域、 PR1…周辺領域回路、 SG…選択ゲート、 SG1〜SG4…第1〜第4選択ゲート、 SGD…ドレイン側選択ゲート、 SGI…選択ゲート絶縁膜、 SGS…ソース側選択ゲート、 SL…ソース線、 SP…半導体ピラー、 SP1〜SP4…第1〜第4半導体ピラー、 TE…期間、 TE1、TE2…第1及び第2期間、 TH…貫通ホール、 USG…上部選択ゲート、 USGI…上部選択ゲート絶縁膜、 V00…基準電位、 V01〜V07…第1〜第7電位、 VA1、VA2…ビア、 VBL、VSGD、VSGS、VSL、VWL、VWL0〜VWL3…電位、 Vcc…低電圧、 Vera…消去電圧、 Vera1、Vera2…第1及び第2消去電圧、 VeraG…消去時選択ゲート電圧、 VeraG1、VeraG2…第1及び第2消去時選択ゲート電圧、 Vp…電位、 Vse…探索電位、 W1、W2…第1、第2配線、 WL、WL0D、WL0S、WL1D、WL1S、WL2D、WL2S、WL3D、WL3S、WLA、WLB…電極膜、 WR…配線、 cg2a、cg2b…正孔、 t…時間、 t11〜t16、t21〜t26…時刻

Claims (2)

  1. メモリ部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記メモリ部は、
    第1方向に交互に積層された複数の電極膜と複数の電極間絶縁膜とを有する積層構造体と、
    前記積層構造体を前記第1方向に貫通する第1半導体ピラーと、
    前記電極膜のそれぞれと前記第1半導体ピラーとの間に設けられた第1記憶層と、
    前記第1記憶層と前記第1半導体ピラーとの間に設けられた第1内側絶縁膜と、
    前記電極膜のそれぞれと前記第1記憶層との間に設けられた第1外側絶縁膜と、
    前記第1半導体ピラーの一端と電気的に接続された第1配線と、
    前記第1方向に対して直交する第2方向において前記第1半導体ピラーと隣接して設けられ、前記積層構造体を前記第1方向に貫通する第2半導体ピラーと、
    前記電極膜のそれぞれと前記第2半導体ピラーとの間に設けられた第2記憶層と、
    前記第2記憶層と前記第2半導体ピラーとの間に設けられた第2内側絶縁膜と、
    前記電極膜のそれぞれと前記第2記憶層との間に設けられた第2外側絶縁膜と、
    前記第2半導体ピラーの一端と電気的に接続された第2配線と、
    前記第1半導体ピラーの前記一端とは反対側の他端と、前記第2半導体ピラーの前記一端とは反対側の他端と、を電気的に接続する接続部と、
    前記第1半導体ピラーの前記一端と前記積層構造体との間に設けられ、前記第1半導体ピラーに貫通された第1選択ゲートと、
    前記第2半導体ピラーの前記一端と前記積層構造体との間に設けられ、前記第2半導体ピラーに貫通された第2選択ゲートと、
    を有し、
    前記制御部は、前記第1記憶層への正孔の注入、及び、前記第1記憶層からの電子の引き抜き、の少なくともいずれかを行う動作の際に、
    第1期間に、前記第1配線を第1電位に設定しつつ、前記電極膜を前記第1電位よりも低い第2電位に設定する第1動作を実施し、
    前記第1動作の後の第2期間に、前記第1配線を第3電位に設定しつつ、前記電極膜を前記第3電位よりも低い第4電位に設定する第2動作を含む動作を実施し、
    前記第2期間の長さは、前記第1期間の長さよりも短い、及び、前記第3電圧と前記第4電圧との差は、前記第1電位と前記第2電位との差よりも小さい、の少なくともいずれかであり、
    前記制御部は、
    前記第1動作の前記第1期間において、
    前記第2配線を浮遊状態に設定し、
    前記第1選択ゲートを、前記第1電位よりも低く前記第2電位よりも高い第5電位に設定し、
    前記第2選択ゲートを、前記第5電位に設定する、または、浮遊状態に設定し、
    前記第2動作の前記第2期間において、
    前記第2配線を浮遊状態に設定し、
    前記第1選択ゲートを、前記第3電位よりも低く前記第4電位よりも高い第6電位に設定し、
    前記第2選択ゲートを、前記第6電位に設定する、または、浮遊状態に設定することを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記制御部は、前記第1動作と前記第2動作との間、及び、前記第2動作の後、の少なくともいずれかに、前記第1半導体ピラーと前記電極膜との交差部に形成されるメモリトランジスタのしきい値電圧を読み出す第3動作を実施することを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
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