JP2014026695A - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷保持特性の向上を図る。
【解決手段】本実施形態による不揮発性半導体記憶装置は、n(nは2より大きい整数)値の閾値レベルに応じて情報を記憶する複数のメモリセルトランジスタMTrを有するメモリセルアレイ5と、前記メモリセルアレイを制御する制御回路10と、を具備する。前記制御回路は、書き込み動作において、前記複数のメモリセルトランジスタの閾値レベルを、前記n値の閾値レベルのうち最も電圧の大きい閾値レベルおよび最も電圧の小さい閾値レベル以外のベース閾値レベルにシフトした後、前記n値の閾値レベルのうちのいずれかにシフトする。
【選択図】図9

Description

本発明の実施形態は、不揮発性半導体記憶装置に関する。
NAND型フラッシュメモリとして、垂直方向に積層され、一括加工により形成される3次元積層型メモリが提案されている。
3次元積層型メモリでは、半導体基板上に積層された複数の電極に一括で円筒型の孔(メモリホール)を開口し、メモリホールの内壁にメモリ層を形成し、その後、孔の内部に半導体層を形成する。これにより、積層方向に直列接続された複数のMONOSメモリセルからなるメモリストリング(NANDストリング)を一括で形成することができる。
3次元積層型メモリにおけるMONOS構造は、メモリホールの外側から順に絶縁層を堆積することにより形成される。この場合、トンネル絶縁層は、熱酸化ではなく、堆積法により形成される酸化膜となる。堆積法による酸化膜は、熱酸化による酸化膜と比べて欠陥が多い。このため、書き込み/消去動作の繰り返しによりトンネル絶縁層に電荷が捕獲され、電荷保持特性が劣化してしまう。この劣化は、トンネル絶縁層に大きな電界がかかるほど顕著になる。
従来、多値書き込みにおいて、書き込みを開始するベース閾値レベルを、多値閾値レベルのうち最も下端(負側)のレベルとしている。このとき、下端のベース閾値レベルから上端の閾値レベルまで書き込む場合、トンネル絶縁層に大きな電界がかかる。その結果、トンネル絶縁層への電荷捕獲が促進され、メモリセルの電荷保持特性が劣化してしまう。
このように、堆積法でトンネル絶縁層を形成せざるを得ない3次元積層型メモリでは、特に書き込み/消去動作におけるトンネル絶縁層にかかる電界を低減する必要がある。
特開2011−159364号公報
電荷保持特性の向上を図る不揮発性半導体記憶装置を提供する。
本実施形態による不揮発性半導体記憶装置によれば、n(nは2より大きい整数)値の閾値レベルに応じて情報を記憶する複数のメモリセルトランジスタMTrを有するメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイを制御する制御回路と、を具備する。前記制御回路は、書き込み動作において、前記複数のメモリセルトランジスタの閾値レベルを、前記n値の閾値レベルのうち最も電圧の大きい閾値レベルおよび最も電圧の小さい閾値レベル以外のベース閾値レベルにシフトした後、前記n値の閾値レベルのうちのいずれかにシフトする。
本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体構成例を示すブロック図。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体構成例を示す斜視図。 本実施形態に係るメモリセルアレイを示すブロック図。 本実施形態に係るブロックを示す回路図。 本実施形態に係るメモリストリングを示す斜視図。 図5におけるメモリストリングを拡大した断面図。 図5におけるメモリストリングを示す回路図。 本実施形態に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 本実施形態に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的な平面回路図。 図10のメモリグループGPを示す模式的な断面回路図。 繰り返し書き込み/消去動作における閾値電圧ウィンドウと電荷保持時における閾値電圧シフト量との関係を示す実験結果のグラフ。 繰り返し書き込み/消去動作回数とトンネル絶縁層の電子トラップ密度との関係を示すシミュレーショングラフ。 変形例1に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 変形例1に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 変形例2に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 変形例2に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 変形例3に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。 変形例3に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図。
本実施形態を以下に図面を参照して説明する。図面において、同一部分には同一の参照符号を付す。また、重複する説明は、必要に応じて行う。
<本実施形態>
図1乃至図16を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について説明する。本実施形態は、多値の情報を記憶するメモリセルにおいて、書き込みを開始するベース閾値レベルを、複数の閾値レベルのうち中間付近の閾値レベルに設定する。これにより、書き込み/消去動作における閾値電圧のシフト量(変化量)を小さくすることができ、電荷保持特性の向上を図ることができる。以下に、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置について詳説する。
[全体構成例]
以下に、図1を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体構成例について説明する。ここでは、3次元積層型メモリとして、U字状半導体層31に沿ってメモリストリングが形成され、上部側にビット線BLおよびソース線SLが設けられる構造を例に説明するが、これに限らない。3次元積層型メモリとして、I字状半導体層に沿ってメモリストリングが形成され、上部側にビット線BL、下部側にソース線SLが設けられる構造にも本実施形態は適用可能である。
図1は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、不揮発性半導体記憶装置は、制御回路10、センスアンプ4、メモリセルアレイ5、カラムデコーダ6、ロウデコーダ7、ワード線駆動回路13、選択ゲート線駆動回路(ソース側選択ゲート線駆動回路14およびドレイン側選択ゲート線駆動回路15)、ソース線駆動回路17、およびバックゲート線駆動回路18を備える。
メモリセルアレイ5は、複数のブロックBLKを備える。複数のブロックBLKはそれぞれ、複数のワード線WLおよびビット線BLと、マトリクス状に配置された複数のメモリストリング40とを備える。
制御回路10は、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、メモリセルアレイ5内のメモリセルに供給される電圧を生成かつ制御するとともに、外部からのコマンドに応じて、カラムデコーダ6、ロウデコーダ7、選択ゲート線駆動回路、ソース線駆動回路17、およびバックゲート線駆動回路18を制御する。
カラムデコーダ6は、制御回路10の制御に従い、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、ビット線BLを選択する。
センスアンプ4は、カラムデコーダ6に接続され、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、カラムデコーダ6によって選択および非選択されたビット線BLに対して電圧を供給する。なお、センスアンプ4は、カラムデコーダ6と一体であってもよい。
ロウデコーダ7は、制御回路10の制御に従い、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、ワード線WLを選択する。
ワード線駆動回路13は、ロウデコーダ7に接続され、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、ロウデコーダ7によって選択および非選択されたワード線WLに対して電圧を供給する。なお、ワード線駆動回路13は、ロウデコーダ7と一体であってもよい。
選択ゲート線駆動回路は、制御回路10の制御に従い、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、選択ゲートSGに対して電圧を供給する。
ソース線駆動回路17は、制御回路10の制御に従い、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、ソース線SLに対して電圧を供給する。
バックゲート線駆動回路18は、制御回路10の制御に従い、書き込み動作時、読み出し動作時および消去動作時において、バックゲートBGに対して電圧を供給する。
図2は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の全体構成例を示す斜視図である。
図2に示すように、メモリセルアレイ5には、複数のワード線WL(コントロールゲートCG)、複数のビット線BL、複数のソース線SL、複数のバックゲートBG、複数のソース側選択ゲートSGS、および複数のドレイン側選択ゲートSGDが設けられる。
このメモリセルアレイ5において、積層された複数のワード線WLと後述するU字状半導体層31との各交差部に、データを記憶するメモリセルトランジスタMTr(以下、単にメモリセルと称す場合がある)が配置される。
積層された複数のワード線WLのロウ方向における端部は階段状になっており、各段の上面にコンタクトが接続される。これらのコンタクトは、その上部においてそれぞれ配線に接続される。また、カラム方向において、偶数番目のコントロールゲートCGはロウ方向の一端で互いに接続され、奇数番目のコントロールゲートCGはロウ方向の他端で互いに接続される。なお、図2において、ワード線WLが4層積層された例を示しているが、これに限らない。
また、ソース線SL、バックゲートBG、ソース側選択ゲートSGS、およびドレイン側選択ゲートSGDのロウ方向における端部の上面にそれぞれコンタクトが接続され、その上部において配線が接続される。
ワード線駆動回路13は、上部に形成された配線およびコンタクトを介してワード線WLに接続される。
ソース側選択ゲート線駆動回路14は、上部に形成された配線およびコンタクトを介してソース側選択ゲートSGSに接続される。
ドレイン側選択ゲート線駆動回路15は、上部に形成された配線およびコンタクトを介してドレイン側選択ゲートSGDに接続される。
バックゲート駆動回路18は、上部に形成された配線およびコンタクトを介してバックゲートBGに接続される。
ソース線駆動回路17は、上部に形成された配線およびコンタクトを介してソース線SLに接続される。このソース線駆動回路17は、複数配置される。各ソース線駆動回路17は、所定個のソース線SLに対して共通に接続され、制御回路10によってそれぞれ独立して制御される。
センスアンプ4は、ビット線BLのカラム方向における端部の下面に接続されるコンタクトを介して接続される。
また、図2において、各種駆動回路に接続される配線は全て、同レベルの配線層に形成されているが、これに限らず、異なるレベルの配線層に形成されてもよい。また、各種駆動回路の数は、各ゲートの数に応じて決定されるが、1つのゲートに対して1つの駆動回路が接続されてもよいし、所定個のゲートに対して1つ接続されてもよい。
[メモリセルアレイの構成例]
以下に、図3および図4を用いて、本実施形態に係るメモリセルアレイ5の構成例について説明する。
図3は、本実施形態に係るメモリセルアレイ5を示すブロック図である。
図3に示すように、メモリセルアレイ5は、複数のブロック(ここでは、ブロックBLK0〜3)を有する。各ブロックBLKは、複数のメモリグループ(ここでは、メモリグループGP0〜3)を有する。各メモリグループGPは、複数のメモリストリング40を有する。なお、説明において、特に区別しない場合は、ブロックBLK0〜3を単にブロックBLKと称し、メモリグループGP0〜3を単にメモリグループGPと称する場合がある。
図4は、本実施形態に係るブロックBLKを示す回路図である。
図4に示すように、ブロックBLKは、例えばカラム方向に並ぶ4個のメモリグループGP0〜3を有する。また、各メモリグループGPは、ロウ方向に並ぶn個(nは自然数)のメモリストリング40を有する。
メモリストリング40は、例えば8個のメモリセルトランジスタMTr0〜7、ソース側選択トランジスタSSTr、ドレイン側選択トランジスタSDTr、およびバックゲートトランジスタBGTrで構成される。これらメモリセルトランジスタMTr0〜7、ソース側選択トランジスタSSTr、ドレイン側選択トランジスタSDTr、およびバックゲートトランジスタBGTrは、電流経路が直列に接続される。ソース側選択トランジスタSSTrの一端はこの電流経路の一端側(ここでは、メモリセルトランジスタMTr0の一端)に接続され、ドレイン側選択トランジスタSDTrの一端はこの電流経路の他端側(ここでは、メモリセルトランジスタMTr7の一端)に設けられる。また、バックゲートトランジスタBGTrは、メモリセルトランジスタMTr3とメモリセルトランジスタMTr4との間に設けられる。
なお、メモリセルトランジスタMTrの個数は8個に限られず、16個や32個、64個、128個等であってもよく、その数は限定されるものではない。また、図4において、メモリストリング40の電流経路がカラム方向に並行するように示しているが、本実施形態では後述するように積層方向に並行する。
同一のメモリグループGP内におけるソース側選択トランジスタSSTrのゲートはソース側選択ゲートSGSに共通接続され、ドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートはドレイン側選択ゲートSGDに共通接続される。また、同一のブロックBLK内におけるメモリセルトランジスタMTr0〜MTr7の制御ゲートはワード線WL0〜WL7に共通接続され、バックゲートトランジスタBTの制御ゲートはバックゲートBGに共通接続される。
また、ワード線WL0〜WL7およびバックゲートBGは同一ブロックBLK内の複数のメモリグループGP0〜GP3間で共通に接続されているのに対し、ソース側選択ゲートSGSおよびドレイン側選択ゲートSGDは同一ブロックBLK内であってもメモリグループGP0〜GP3毎に独立している。
メモリセルアレイ5内においてマトリクス状に配置されたメモリストリング40のうち、カラム方向に並ぶメモリストリング40のドレイン側選択トランジスタSDTrの電流経路の他端は、いずれかのビット線BL(BL0〜BLn、nは自然数)に共通接続される。すなわち、ビット線BLは、複数のブロックBLK間において、メモリストリング40を共通に接続する。ビット線BL0〜BLnはそれぞれ、メモリセルアレイ5外においてセンスアンプ4−0〜4−nに接続される。このため、ビット線BL0〜BLnの電圧レベルは、独立して制御される。
メモリグループGP内におけるソース側選択トランジスタSSTrの電流経路の他端は、ソース線SLに共通に接続される。ブロックBLK内において、複数のソース線SL(ここでは、ソース線SL0,SL1)が配置される。ソース線SL0はメモリグループGP0,GP1内におけるソース側選択トランジスタSSTrの電流経路の他端に共通接続され、ソース線SL1はメモリグループGP2,GP3内におけるソース側選択トランジスタSSTrの電流経路の他端に共通接続される。すなわち、ソース線SLは、隣接する2つのメモリグループGP間において、メモリストリング40を共通に接続する。ソース線SL0,SL1はそれぞれ、メモリセルアレイ外においてソース線駆動回路17−0,17−1に接続される。このため、ソース線SL0,SL1の電圧レベルは、独立して制御される。
なお、ソース線SLの数は、これに限らず、ブロックBLK内におけるメモリグループGPの数に応じて決定される。
上述したように、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMTrのデータは、一括して消去される。これに対し、データの読み出しおよび書き込みは、いずれかのブロックBLKのいずれかのメモリグループGPにおける、いずれかのワード線WLに共通に接続された複数のメモリセルトランジスタMTrにつき、一括して行われる。この単位を「ページ」と呼ぶ。
[メモリストリングの構成例]
以下に、図5乃至図7を用いて、本実施形態に係るメモリストリング40の構成例について説明する。
図5は、本実施形態に係るメモリストリング40を示す斜視図である。図6は、図5におけるメモリストリング40を拡大した断面図である。
図5および図6に示すように、メモリセルアレイ5において、メモリストリング40は、半導体基板30の上方に形成され、バックゲートBG、複数のワード線WL、選択ゲートSG、U字状半導体層31、およびメモリ層54を有する。
バックゲートBGは、半導体基板30上に図示せぬ絶縁層を介して形成される。バックゲートBGは、平面状に広がるように形成される。バックゲートBGは、例えば、不純物(例えばリン)が導入されたポリシリコン(poly−Si)等の導電層で構成される。
複数のワード線WLは、バックゲートBG上に、それぞれ間に電極間絶縁層を介して形成される。言い換えると、バックゲートBG上に、複数の電極間絶縁層および複数のワード線WLが交互に積層される。ワード線WLは、例えば、不純物(例えばボロン)が導入されたpoly−Si、または金属等の導電層で構成される。
選択ゲートSGは、最上層のワード線WL上に、図示せぬ絶縁層を介して形成される。選択ゲートSGは、例えば、ワード線WLと同様に、不純物が導入されたpoly−Si、または金属等の導電層で構成される。
選択ゲートSGの上方に図示せぬ絶縁層を介してソース線SLが形成され、さらに上方に図示せぬ絶縁層を介してビット線BLが形成される。
選択ゲートSG、ワード線WL、バックゲートBG、および電極間絶縁層内には、U字状メモリホール58が設けられる。このU字状メモリホール58は、カラム方向に並ぶ一対の貫通ホール56と、一対の貫通ホール56の下端を連結する連結ホール57とで構成される。貫通ホール56は、選択ゲートSG、ワード線WL、および電極間絶縁層内において積層方向に延びるように形成される。連結ホール57は、バックゲートBG内においてカラム方向に延びるように形成される。
また、ワード線WLおよび電極間絶縁層には、一対の貫通ホール56の間で、かつロウ方向および積層方向に拡がる図示せぬスリットが設けられる。これにより、ワード線WLおよび電極間絶縁層は、ロウ方向に沿って分断される。さらに、選択ゲートSGには、スリットが開口するように、スリットの上部にロウ方向および積層方向に拡がる図示せぬ開口部が設けられる。これにより、選択ゲートSGは、ロウ方向に沿って分断され、一方がドレイン側選択ゲートSGD、他方がソース側選択ゲートSGSとなる。スリットおよび開口部には、例えば絶縁材が埋め込まれる。
メモリ層54は、U字状メモリホール58の内面上に形成される。すなわち、メモリ層54は、U字状メモリホール58内における選択ゲートSG、ワード線WL、バックゲートBG、および電極間絶縁層上に形成される。メモリ層54は、U字状メモリホール58の内面上から順に形成されたブロック絶縁層51、電荷蓄積層52、およびトンネル絶縁層53で構成される。
U字状半導体層31は、U字状メモリホール58内におけるメモリ層54上に形成される。すなわち、U字状半導体層31は、一対の貫通ホール56内におけるメモリ層54上に形成された一対の柱状部と、連結ホール57内におけるメモリ層54上に形成された連結部とで構成される。U字状半導体層31は、不純物(例えばリン)を含有するpoly−Siまたはアモルファスシリコン(a−Si)等の導電層で構成され、チャネルとして機能する。
U字状メモリホール58内におけるU字状半導体層31上には、コア層55が形成される。コア層55は例えば酸化シリコン(例えば、SiO)からなる絶縁層で構成され、これにより、U字状メモリホール58内が埋め込まれる。なお、コア層55を空洞として、U字状メモリホール58内を埋め込まなくてもよい。
また、図示はしないが、選択ゲートSGおよびワード線WLの絶縁材(スリットおよび開口部)に接する部分をシリサイド化してもよい。
U字状半導体層31と、その周囲に形成されたメモリ層54および各種ゲートによって、各種トランジスタが構成される。そして、U字状半導体層31をチャネルとして、これに沿ってメモリストリング40が構成される。
より具体的には、ワード線WL、U字状半導体層31、およびこれらの間に形成されたメモリ層54でメモリセルトランジスタMTrが構成される。また、選択ゲートSG(ドレイン側選択ゲートSGDおよびソース側選択ゲートSGS)、U字状半導体層31、およびこれらの間に形成されたメモリ層54で選択トランジスタ(ドレイン側選択トランジスタSDTrおよびソース側選択トランジスタSSTr)が構成される。
また、バックゲートBG、U字状半導体層31、およびこれらの間に形成されたメモリ層54でバックゲートトランジスタBGTrが構成される。バックゲートBGには、バックゲートトランジスタBGTrが常にオン状態になるように電圧が印加される。
なお、メモリ層54と称したが、選択トランジスタおよびバックゲートトランジスタBGTrにおいて、メモリ層54はデータを記憶するものではなく、単にゲート絶縁膜として機能する。
図5においてロウ方向に沿って配列された複数のメモリストリング40の集合が、図5で説明したメモリグループGPに相当する。
図7は、図5におけるメモリストリング40を示す回路図である。
図7に示すように、メモリストリング40は、ソース側選択トランジスタSSTr、ドレイン側選択トランジスタSDTr、メモリセルトランジスタMTr0〜MTr7、およびバックゲートトランジスタBGTrを備える。
上述したように、メモリセルトランジスタMTr0〜MTr7は、ソース側選択トランジスタSSTrとドレイン側選択トランジスタSDTrとの間に電流経路が直列に接続される。バックゲートトランジスタBGTrは、メモリセルトランジスタMTr3とMTr4との間に電流経路が直列に接続される。
より具体的には、メモリセルトランジスタMTr0〜MTr3の電流経路、およびメモリセルトランジスタMTr4〜MTr7の電流経路はそれぞれ積層方向に直列接続される。そして、積層方向の下部側においてバックゲートトランジスタBGTrがメモリセルトランジスタMTr3とMTr4との間に配置されることで、これらの電流経路を直列に接続している。すなわち、図6に示すU字状シリコンピラーに沿って、メモリストリング40として、ソース側選択トランジスタSSTr、ドレイン側選択トランジスタSDTr、メモリセルトランジスタMTr0〜MTr7、およびバックゲートトランジスタBGTrの電流経路が直列に接続される。データの書き込み動作および読み出し動作時において、バックゲートトランジスタBGTrは常にオン状態とされる。
また、メモリセルトランジスタMTr0〜MTr7の制御ゲートはワード線WL0〜WL7に接続され、バックゲートトランジスタBGTrの制御ゲートはバックゲートBGに接続される。また、ソース側選択トランジスタSSTrのゲートはソース側選択ゲートSGSに接続され、ドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートはドレイン側選択ゲートSGDに接続される。
[動作方法]
以下に、図8および図9を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作方法について説明する。ここでは、メモリセル(メモリセルトランジスタMTr)がN型トランジスタであり、1つのメモリセルを2ビットとして用いて4値の情報を記憶する(4個の閾値レベルを用いる)多値動作について説明する。
図8は、本実施形態に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
比較例において、まず、図8(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図8(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEaにシフトさせる。閾値レベルEaは、正の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、Cの分布と同程度である。閾値レベルEaは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、4個の閾値レベルのうち最も下端(負側)のレベルである。
なお、以下の説明において、下端の閾値レベルとは複数の閾値レベルのうち、最も電圧の小さい閾値レベルを示す。また、上端の閾値レベルとは複数の閾値レベルのうち、最も電圧の大きい閾値レベルを示す。また、下端/上端からm(mは正の整数)番目の閾値レベルとは、下端/上端の閾値レベルを1番目として起算されたm番目の閾値レベルを示す。
次に、図8(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEaから閾値レベルA、B、Cのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEaを基準として、低いほうから順に閾値レベルEa、A、B、Cの4値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEaへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。
ここで、閾値レベルEa、A、B、Cの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEaからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量(閾値レベルEaから閾値レベルA、B、Cまでの閾値電圧シフト量の平均)は、(1+2+3)/3=2[ユニット]となる。詳細は後述するが、この書き込み動作における平均閾値電圧シフト量が大きくなると、電荷保持特性が劣化してしまう。これに対し、本実施形態は、この書き込み動作における平均閾値電圧シフト量を小さくするものである。
図9は、本実施形態に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
本実施形態において、まず、図9(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図9(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEbにシフトさせる。閾値レベルEbは、正の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、Cの分布と同程度である。閾値レベルEbは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、4個の閾値レベルのうち下端(負側)から2番目の閾値レベルである。閾値レベルEbは、比較例における閾値レベルAと同程度のレベルである。
次に、図9(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEbから閾値レベルA、B、Cのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEbを基準として、低いほうから順に閾値レベルA、Eb、B、Cの4値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEbへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。また、閾値レベルAへの書き込みは、実質的に消去動作と同様である。すなわち、閾値レベルEbから閾値レベルAへの書き込みは、書き込み対象のメモリセルに選択的に消去動作を行うことと同様である。この選択消去動作についての詳細は、後述する。
ここで、閾値レベルA、Eb、B、Cの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEbからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量は、(1+1+2)/3=1.33[ユニット]となる。
このように、本実施形態における平均閾値電圧シフト量は、比較例における平均閾値電圧シフト量よりも小さくなり、4値の書き込み動作において最小となる。これにより、書き込み/消去動作の繰り返しによるトンネル絶縁層53の劣化を抑制し、それに伴う電荷保持特性の劣化を抑制することができる。トンネル絶縁層53への電荷捕獲量は、閾値電圧のシフト量にほぼ比例する。このため、本実施形態における書き込み/消去動作の繰り返しによるメモリセルのデバイス寿命は、比較例と比べて2/1.33=1.5倍になると考えられる。
なお、ベース閾値レベルEbを4個の閾値レベルのうち下端(負側)から2番目の閾値レベルにしたが、これに限らない。例えば、ベース閾値レベルEbを4個の閾値レベルのうち下端(負側)から3番目の閾値レベル、すなわち、図9における閾値レベルBと同程度のレベルにしてもよい。言い換えると、ベース閾値レベルEbを4個の閾値レベルのうち両端(最も下端および上端)以外の閾値レベルにしてもよい。これにより、書き込み動作における平均閾値電圧シフト量を最小にすることができる。
しかし、トンネル絶縁層53が酸化シリコンで構成されたN型トランジスタにおいて、トンネル絶縁層53への正孔の注入速度は電子の注入速度よりも小さい。このため、N型トランジスタにおいて、正孔注入によって行う選択消去動作(正側から負側への書き込み動作)の動作速度は、電子注入によって行う書き込み動作(負側から正側への書き込み動作)の動作速度よりも遅い。一例として、ベース閾値レベルを下端(負側)から3番目の閾値レベルにした場合のベース閾値レベルから最も下端の閾値レベル(1番目の閾値レベル)への書き込み動作の動作速度は、ベース閾値レベルを下端(負側)から2番目の閾値レベルにした場合のベース閾値レベルから最も上端の閾値レベル(4番目の閾値レベル)への書き込み動作の動作速度よりも遅い。このため、本実施形態において、正孔注入による選択消去動作を少なくするのが好ましく、ベース閾値レベルEbを4個の閾値レベルのうち下端(負側)から2番目の閾値レベルに設定することがより望ましい。
[選択消去動作方法]
以下に、図10および図11を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の選択消去動作方法について説明する。ここでは、I字状半導体層に沿ってメモリストリングが形成される構造を例に説明するが、U字状半導体層に沿ってメモリストリングが形成される構造でも同様の動作が可能である。
上述したように、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み動作方法では、基準となる閾値レベルから負方向へ閾値電圧を動かす必要がある。この動作は、1つのメモリセルトランジスタMTrのみを選択して消去するいわゆる「選択消去動作」によって実現される。以下に、選択消去動作について詳説する。
図10は、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示す模式的な平面回路図であり、メモリストリング40の選択消去方法を示す図である。図11は、図10の選択メモリストリング40aを含むメモリグループGPを示す模式的な断面回路図であり、メモリセルトランジスタMTrの選択消去方法を示す図である。
まず、図10および図11を用いて、選択メモリセルトランジスタMTr、および選択メモリセルトランジスタMTrを含む選択メモリストリング40aに印加される電圧について説明する。
図10および図11に示すように、選択メモリストリング40aにおけるドレイン側選択ゲートSGDに、電圧Vera,gが印加される。また、選択メモリストリング40aに接続されるビット線BLに、電圧Veraが印加される。すなわち、ドレイン側選択トランジスタSDTrのゲートに電圧Vera,gが印加され、ドレインに電圧Veraが印加される。ここで、Vera>Vera,gである。ドレイン側選択トランジスタSDTrに上記電圧を印加することにより、ドレイン側選択トランジスタSDTrのドレイン領域においてGIDL(Gate-induced drain leakage)が発生する。選択消去は、GIDLによる正孔電流を選択メモリストリング40aのチャネル領域に流し、選択メモリセルトランジスタMTrに導入することによって行われる。
図11に示すように、GIDLによる正孔電流を選択メモリストリング40aのチャネル領域に流し、選択メモリセルトランジスタMTrに導入するために、選択メモリストリング40a内の非選択メモリセルトランジスタMTrのゲート(ワード線WL)に電圧Vpassが印加され、選択メモリセルトランジスタMTrのゲート(ワード線WL)に電圧Vpgmが印加される。ここで、電圧Vpassはチャネル領域に正孔電流が流れる程度に十分大きな値であり、電圧Vpgmは例えば0Vである。また、0≦Vpgm≦Vpass≦Vera,g≦Veraの関係が成り立つ。このように、電圧Vpassおよび電圧Vpgmを調整することにより、選択メモリセルトランジスタMTrに正孔電流を導入し、選択メモリセルトランジスタMTrのみを選択消去することができる。
選択メモリストリング40aのチャネル領域に流れるGIDLによる正孔電流は、選択メモリセルトランジスタMTrを越えて、ソース側選択トランジスタSSTrまで達する。しかし、選択メモリストリング40aにおけるソース側選択ゲートSGSに電圧Veraが印加され、選択メモリストリング40に接続されるソース線SLにも電圧Veraが印加される。すなわち、ソース側選択トランジスタSSTrのゲートおよびソースに、電圧Veraが印加される。このため、ソース側選択トランジスタSSTrにおいてGIDLの発生はなく、カットオフ状態である。したがって、ソース側選択トランジスタSSTrにおいて、正孔電流は止まる。
次に、再度図10および図11を用いて、選択メモリストリング40aと同じメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40bに印加される電圧について説明する。
図10および図11に示すように、選択メモリストリング40aと同じメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40bにおけるドレイン側選択ゲートSGDには、選択メモリストリング40aにおけるドレイン側選択ゲートSGDと共通に電圧Vera,gが印加される。一方、非選択メモリストリング40bに接続されるビット線BLは浮遊(フローティング)状態に設定される。この場合、ドレイン側選択ゲートSGDのドレイン領域において、GIDLは発生しない。
また、選択メモリストリング40aと同じメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40bにおけるソース側選択ゲートSGSには、選択メモリストリング40aにおけるソース側選択ゲートSGSと共通に電圧Veraが印加される。ソース線SLにも、共通に電圧Veraが印加される。このため、ソース側選択トランジスタSSTrにおいてGIDLの発生はなく、カットオフ状態である。したがって、選択メモリストリング40aと同じメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40bでは、メモリセルトランジスタMTrのゲート(ワード線WL)に電圧Vpgmが印加されても、消去動作は進行しない。
次に、再度図10を用いて、選択メモリストリング40aと異なるメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40cに印加される電圧について説明する。
図10に示すように、選択メモリストリング40aと異なるメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40cにおけるドレイン側選択ゲートSGDに、電圧Veraが印加される。また、選択メモリストリング40aと異なるメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40cに接続されるビット線BLには、選択メモリストリング40aと共通にVeraが印加される、または浮遊状態に設定される。すなわち、ドレイン側選択トランジスタSDTrは、ゲートおよびドレインにVeraが印加されることでカットオフ状態である、または、ゲートにVeraが印加され、ドレインが浮遊状態に設定される。このため、ドレイン側選択トランジスタSDTrのドレイン領域において、GIDLは発生しない。したがって、選択メモリストリング40aと異なるメモリグループGPに属する非選択メモリストリング40cでは、メモリセルトランジスタMTrの消去動作は進行しない。
このようにして、1つのメモリセルトランジスタMTrのみに対する選択消去を実行することができる。
[効果]
上記本実施形態によれば、4値の情報を記憶するメモリセルにおいて、書き込みを開始するベース閾値レベルを、複数の閾値レベルのうち中間付近の閾値レベルに設定する。より具体的には、書き込みを開始するベース閾値レベルを、4個の閾値レベルのうち下端側から2番目の閾値レベルに設定する。これにより、書き込み/消去動作の繰り返しにおける平均閾値電圧シフト量を小さくすることができる。すなわち、書き込み動作におけるトンネル絶縁層53にかかる電界を小さくし、トンネル絶縁層53の劣化を抑制することができる。その結果、電荷保持特性の劣化を抑制することができる。
以下に図12および図13を用いて、上記効果の根拠について説明する。
図12は、繰り返し書き込み/消去動作における閾値電圧ウィンドウと電荷保持時における閾値電圧シフト量との関係を示す実験結果のグラフである。
ここで、閾値電圧ウィンドウとは、書き込み動作による閾値電圧シフト量(Vth,win)を示す。言い換えると、書き込み後の閾値レベル(書き込み閾値レベルVth,w)と書き込み前の閾値レベル(消去閾値レベルVth,e(例えば、ベース閾値レベル))との差の絶対値である。また、電荷保持時における閾値電圧シフト量とは、書き込み動作後、一定温度において一定時間経過した後の電荷蓄積層からの電荷(電子)の放出量を示す。電荷蓄積層からの電荷(電子)の放出量が多いことは、電荷保持特性が劣化することを示す。すなわち、図12は、書き込み動作による閾値電圧シフト量に対する電荷保持特性を示す実験結果である。
図12に示すように、繰り返し書き込み/消去動作における閾値ウィンドウと、電荷保持時における閾値電圧シフト量とは、比例関係であり、繰り返し書き込み/消去動作における閾値電圧ウィンドウが大きくなると電荷保持時における閾値電圧シフト量が大きくなる。すなわち、上記本実施形態のように、繰り返し書き込み/消去動作における閾値電圧ウィンドウを小さくすることで、電荷保持特性の劣化を抑制することができる。
図13は、各閾値電圧ウィンドウVth,winにおける、繰り返し書き込み/消去動作回数とトンネル絶縁層の電子トラップ密度との関係を示すシミュレーショングラフである。
ここで、閾値電圧ウィンドウVth,win(=Vth,w−Vth,e)は、以下の(1)〜(3)の場合を計算した。(1)消去閾値レベルVth,eを1Vに固定し、書き込み閾値レベルVth,wを2〜7Vの範囲で変化させた場合、(2)消去閾値レベルVth,eを2〜6Vの範囲で変化させ、閾値電圧ウィンドウVth,winを1Vに固定した場合、(3)閾値電圧ウィンドウVth,winを3Vとした場合(Vth,w=7V、Vth,e=4V)。なお、この計算では、電荷蓄積層への電荷蓄積効率は100%としているため、浮遊ゲート型のメモリセルの書き込み/消去の場合と同様の計算になっている。
図13に示すように、各閾値電圧ウィンドウVth,winにおいて、繰り返し書き込み/消去動作回数を増やすと、トンネル絶縁層における電子トラップ密度が増加する。そして、トンネル絶縁層の電子トラップ密度は、閾値電圧ウィンドウVth,winに依存している。より具体的には、閾値電圧ウィンドウVth,winが大きくなればトンネル絶縁層の電子トラップ密度は増加し、小さくなれば減少する。そして、トンネル絶縁層の電子トラップ密度は、閾値電圧ウィンドウVth,winが大きくなるにつれて線形的に増加している。このとき、トンネル絶縁層の電子トラップ密度は、消去閾値レベルVth,eおよび書き込み閾値レベルVth,wには依存せず、これらの差、すなわち、閾値電圧ウィンドウVth,winのみに依存している。
一旦トンネル絶縁層に捕獲された電子は、その後の電荷保持の際に放出されて閾値電圧シフトを引き起こすため、電荷保持特性の劣化に影響を与える。すなわち、トンネル絶縁層の電子トラップ密度の増加は、電荷保持特性の劣化につながる。したがって、図13に示すシミュレーション結果は、図12に示す実験結果の傾向、すなわち、閾値電圧ウィンドウVth,winの増加が電荷保持特性を劣化させるという傾向と一致している。
これらの実験結果およびシミュレーション結果は、繰り返し書き込み/消去動作における閾値電圧シフト量(閾値電圧ウィンドウ)を減少することによって、トンネル絶縁層にかかる電界を緩和してトンネル絶縁層の電子トラップ密度の減少を図り、さらには電荷保持特性の劣化を抑制することができる、ということを示している。すなわち、本実施形態に示すように、書き込み動作における平均閾値電圧シフト量を減少させることにより、上記効果を得ることができる。
なお、上記効果は、特に、3次元積層型メモリ等の堆積法により形成され、欠陥(トラップ)が生じやすいトンネル絶縁層を有するメモリに対して有効であるが、これに限らない。本例は、上述した選択消去動作が可能なメモリ全般に対して適用可能である。
また、チャネル材料としてSiを用いる場合、GIDLの電流量が小さく、消去動作が正孔供給律速となる懸念がある。これに対し、ドレイン側選択トランジスタSGDのドレイン領域にSiGeを用いてもよい。これにより、ドレイン側選択トランジスタSGDのドレイン領域におけるバンドギャップを小さくすることができ、GIDLの発生を促進することができる。
また、本実施形態においてMONOS構造のメモリセルを有する3次元積層型メモリを例に説明したが、これに限らず、浮遊ゲート型のメモリセルを有する3次元積層型メモリであってもよい。
また、チャネル材料としてSiに限らず、GeまたはSiGeを用いてもよい。このとき、メモリセルはN型またはP型トランジスタのいずれも適用可能である。
[変形例1]
以下に、図14および図15を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例1について説明する。変形例1は、メモリセルがN型トランジスタであり、1つのメモリセルを3ビットとして用いて8値の情報を記憶する(8個の閾値レベルを用いる)例である。
図14は、変形例1に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
比較例において、まず、図14(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図14(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEcにシフトさせる。閾値レベルEcは、正の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gの分布と同程度である。閾値レベルEcは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、8個の閾値レベルのうち最も下端(負側)のレベルである。
次に、図14(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEcから閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEcを基準として、低いほうから順に閾値レベルEc、A、B、C、D、E、F、Gの8値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEcへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。
ここで、閾値レベルEc、A、B、C、D、E、F、Gの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEcからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量(閾値レベルEcから閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gまでの閾値電圧シフト量の平均)は、(1+2+3+4+5+6+7)/7=4[ユニット]となる。
図15は、変形例1に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
変形例1において、まず、図15(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図15(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEdにシフトさせる。閾値レベルEdは、正の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gの分布と同程度である。閾値レベルEdは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、8個の多値閾値レベルのうち下端(負側)から4番目の閾値レベルである。閾値レベルEdは、比較例における閾値レベルCと同程度のレベルである。
次に、図15(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEdから閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEdを基準として、低いほうから順に閾値レベルA、B、C、Ed、D、E、F、Gの8値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEdへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。また、閾値レベルA、B、Cへの書き込みは、実質的に消去動作と同様である。すなわち、閾値レベルEdから閾値レベルA、B、Cへの書き込みは、書き込み対象のメモリセルに選択的に消去動作を行うことと同様である。
ここで、閾値レベルA、B、C、Ed、D、E、F、Gの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEdからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量は、(3+2+1+1+2+3+4)/7=2.29[ユニット]となる。
このように、変形例1における平均閾値電圧シフト量は、比較例における平均閾値電圧シフト量よりも小さくなり、8値の書き込み動作において最小となる。これにより、書き込み/消去動作の繰り返しによるトンネル絶縁層53の劣化を抑制し、それに伴う電荷保持特性の劣化を抑制することができる。また、変形例1における書き込み/消去動作の繰り返しによるメモリセルのデバイス寿命は、比較例と比べて4/2.29=1.75倍になると考えられる。
上記本実施形態および変形例1に示したように、トンネル絶縁層53の劣化の抑制効果は、メモリセルのビット数が大きいほど顕著に現れる。すなわち、メモリセルのビット数が大きいほど、比較例に対するメモリセルのデバイス寿命が長くなる。
なお、ベース閾値レベルEdを8個の閾値レベルのうち下端(負側)から4番目の閾値レベルにしたが、これに限らない。例えば、ベース閾値レベルEdを8個の閾値レベルのうち下端(負側)から5番目の閾値レベル、すなわち、図15における閾値レベルDと同程度のレベルにしてもよい。これにより、書き込み動作における平均閾値電圧シフト量を最小にすることができる。また、これに限らず、ベース閾値レベルEdを8個の閾値レベルのうち両端(最も下端および上端)以外の閾値レベルにしてもよい。しかし、変形例1において、ベース閾値レベルEdを8個の多値閾値レベルのうち下端(負側)から4番目の閾値レベルに設定することがより望ましい。
また、上記本実施形態および変形例1に示したメモリセル動作は、1つのメモリセルを4ビット以上として使う多値動作の場合でも同様に実現できる。例えば、4ビット(16値)の比較例の場合(ベース閾値レベルを16個の閾値レベルのうち最も下端の閾値レベルにした場合)では、書き込み/消去を繰り返す際の平均閾値電圧シフト量は(1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12+13+14+15)/15=8[ユニット]である。これに対して、4ビットに本実施形態を適用した場合(ベース閾値レベルを16個の多値閾値レベルのうち下端から8番目の閾値レベルにした場合)では、平均閾値電圧シフト量は(7+6+5+4+3+2+1+1+2+3+4+5+6+7+8)/15=4.26[ユニット]となる。4ビットの場合、書き込み/消去動作の繰り返しによるメモリセルのデバイス寿命は、比較例と比べて8/4.26=1.875倍になると考えられる。
[変形例2]
以下に、図16および図17を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例2について説明する。
上記本実施形態および変形例1において、poly−Siやa−Siをチャネル材料とし、メモリセルがN型トランジスタである例について説明した。しかし、MONOS構造を堆積法により形成する3次元積層型メモリにおいて、チャネル領域のキャリア移動度を向上させるため、Geをチャネル材料として用いることも考えられる。Geをチャネル材料として用いる場合、メモリセルをN型トランジスタにすると、コンタクト抵抗が大きくなる。また、Geに欠陥が発生することで導電型がP型に変化しやすくなる。
これに対し、変形例2は、チャネル材料としてGeを用いて、かつ、メモリセルをP型トランジスタとする例である。また、変形例2は、1つのメモリセルを2ビットとして用いて4値の情報を記憶する(4個の閾値レベルを用いる)例である。
図16は、変形例2に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
比較例において、まず、図16(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図16(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEeにシフトさせる。閾値レベルEeは、負の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、Cの分布と同程度である。閾値レベルEeは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、4個の閾値レベルのうち上端(最も正側)のレベルである。
次に、図16(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEeから閾値レベルA、B、Cのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEeを基準として、高いほうから順に閾値レベルEe、A、B、Cの4値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEeへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。
ここで、閾値レベルEe、A、B、Cの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEeからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量(閾値レベルEeから閾値レベルA、B、Cまでの閾値電圧シフト量の平均)は、(1+2+3)/3=2[ユニット]となる。
図17は、変形例2に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
変形例2において、まず、図17(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図17(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEfにシフトさせる。閾値レベルEfは、負の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、Cの分布と同程度である。閾値レベルEfは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、4個の閾値レベルのうち上端(最も正側)から3番目のレベルである。閾値レベルEfは、比較例における閾値レベルBと同程度のレベルである。
次に、図17(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEfから閾値レベルA、B、Cのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEfを基準として、高いほうから順に閾値レベルA、B、Ef、Cの4値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEfへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。また、閾値レベルA、Bへの書き込みは、実質的に消去動作と同様である。すなわち、閾値レベルEfから閾値レベルA、Bへの書き込みは、書き込み対象のメモリセルに選択的に消去動作を行うことと同様である。
ここで、閾値レベルA、B、Ef、Cの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEfからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量は、(1+1+2)/3=1.33[ユニット]となる。
このように、変形例2における平均閾値電圧シフト量は、比較例における平均閾値電圧シフト量よりも小さくなり、4値の書き込み動作において最小となる。これにより、書き込み/消去動作の繰り返しによるトンネル絶縁層53の劣化を抑制し、それに伴う電荷保持特性の劣化を抑制することができる。また、変形例2における書き込み/消去動作の繰り返しによるメモリセルのデバイス寿命は、比較例と比べて2/1.33=1.5倍になると考えられる。
なお、ベース閾値レベルEfを4個の閾値レベルのうち上端(正側)から3番目の閾値レベルにしたが、これに限らない。例えば、ベース閾値レベルEfを4個の閾値レベルのうち上端(正側)から2番目の閾値レベル、すなわち、図17における閾値レベルBと同程度のレベルにしてもよい。言い換えると、ベース閾値レベルEfを4個の閾値レベルのうち両端(最も下端および上端)以外の閾値レベルにしてもよい。これにより、書き込み動作における平均閾値電圧シフト量を最小にすることができる。
しかし、P型トランジスタにおいても、トンネル絶縁層53への電子の注入速度は正孔の注入速度よりも大きい。このため、P型トランジスタにおいて、電子注入によって行う選択消去動作(負側から正側への書き込み動作)の動作速度は、正孔注入によって行う書き込み動作(正側から負側への書き込み動作)の動作速度よりも速い。一例として、ベース閾値レベルを上端(正側)から3番目の閾値レベルにした場合のベース閾値レベルから最も上端の閾値レベル(1番目の閾値レベル)への選択消去動作(負側から正側への書き込み動作)の動作速度は、ベース閾値レベルを上端(正側)から2番目の閾値レベルにした場合のベース閾値レベルから最も下端の閾値レベル(4番目の閾値レベル)への書き込み動作(正側から負側への書き込み動作)の動作速度よりも速い。このため、変形例2において、正孔注入による書き込み動作(正側から負側への書き込み動作)を少なくすることが好ましく、ベース閾値レベルEfを4個の閾値レベルのうち上端(正側)から3番目の閾値レベルに設定することがより望ましい。
一般的に、チャネルとしてGeを用いたP型トランジスタでは、書き込み動作において正孔がキャリアとして機能する。しかし、SiOで構成されるトンネル絶縁層53は価電子帯のバンドオフセットが大きいため、正孔による書き込み動作の速度は比較的遅い。これに対し、変形例2では、電子をキャリアとした選択消去動作(負側から正側への書き込み動作)が一部行われる。このため、正孔のみをキャリアとした比較例の書き込み動作に比べて、電子もキャリアとして用いる書き込み動作(電子による選択消去動作も用いる書き込み動作)を行う変形例2の書き込み動作のほうが、平均動作速度を速くすることができる。
なお、変形例2における選択消去動作(負側から正側への書き込み動作)は、上記本実施形態における図10および図11に示す選択消去動作(正側から負側への書き込み動作)の各電圧の正負を逆転することで実現することができる。
[変形例3]
以下に、図18および図19を用いて、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の変形例3について説明する。変形例3は、メモリセルがP型トランジスタであり、1つのメモリセルを3ビットとして用いて8値の情報を記憶する(8個の閾値レベルを用いる)例である。
図18は、変形例3に対する比較例に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
比較例において、まず、図18(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図18(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEgにシフトさせる。閾値レベルEgは、負の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gの分布と同程度である。閾値レベルEgは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、8個の閾値レベルのうち上端(最も正側)の閾値レベルである。
次に、図18(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEgから閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEgを基準として、高いほうから順に閾値レベルEg、A、B、C、D、E、F、Gの8値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEgへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。
ここで、閾値レベルEg、A、B、C、D、E、F、Gの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEgからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量(閾値レベルEgから閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gまでの閾値電圧シフト量の平均)は、(1+2+3+4+5+6+7)/7=4[ユニット]となる。
図19は、変形例3に係る書き込み/消去動作におけるメモリセルの閾値分布を示す図である。
変形例3において、まず、図19(a)に示すように、複数のメモリセルの情報が一括消去される。この消去動作により、メモリセルの閾値レベルが閾値レベルErとなるように設定される。閾値レベルErは、正または負の閾値レベルであり、その分布は比較的広い状態である。
次に、図19(b)に示すように、メモリセルの閾値レベルを閾値レベルErから閾値レベルEhにシフトさせる。閾値レベルEhは、負の閾値レベルであり、その分布は閾値レベルErの分布よりも狭く、後述する閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gの分布と同程度である。閾値レベルEhは、書き込みを開始するベース閾値レベルであり、8個の多値閾値レベルのうち上端(最も正側)から5番目のレベルである。閾値レベルEhは、比較例における閾値レベルDと同程度のレベルである。
次に、図19(c)に示すように、書き込み対象のメモリセルに情報が書き込まれる。これにより、書き込み対象のメモリセルの閾値レベルを閾値レベルEhから閾値レベルA、B、C、D、E、F、Gのいずれかにシフトする、またはシフトしない。すなわち、メモリセルは、閾値レベルEhを基準として、高いほうから順に閾値レベルA、B、C、D、Eh、E、F、Gの8値に書き込まれる。このとき、閾値レベルEhへの書き込みは、実質的に書き込み動作が行われない。また、閾値レベルA、B、C、Dへの書き込みは、実質的に消去動作と同様である。すなわち、閾値レベルEhから閾値レベルA、B、C、Dへの書き込みは、書き込み対象のメモリセルに選択的に消去動作を行うことと同様である。
ここで、閾値レベルA、B、C、D、Eh、E、F、Gの隣接する各閾値電圧差を同等として1[ユニット]とする。この場合、ベース閾値レベルEhからの書き込み動作における平均閾値電圧シフト量は、(3+2+1+1+2+3+4)/7=2.29[ユニット]となる。
このように、変形例3における平均閾値電圧シフト量は、比較例における平均閾値電圧シフト量よりも小さくなり、8値の書き込み動作において最小となる。これにより、書き込み/消去動作の繰り返しによるトンネル絶縁層53の劣化を抑制し、それに伴う電荷保持特性の劣化を抑制することができる。また、変形例3における書き込み/消去動作の繰り返しによるメモリセルのデバイス寿命は、比較例と比べて4/2.29=1.75倍になると考えられる。
なお、ベース閾値レベルEhを8個の多値閾値レベルのうち上端(最も正側)から5番目の閾値レベルにしたが、これに限らない。例えば、ベース閾値レベルEhを8個の閾値レベルのうち上端(最も正側)から4番目の閾値レベル、すなわち、図19における閾値レベルDと同程度の閾値レベルにしてもよい。これにより、書き込み動作における平均閾値電圧シフト量を最小にすることができる。また、これに限らず、ベース閾値レベルEhを8個の閾値レベルのうち両端(最も下端および上端)以外の閾値レベルにしてもよい。しかし、変形例3において、ベース閾値レベルEhを8個の閾値レベルのうち上端(正側)から5番目の閾値レベルに設定することがより望ましい。
その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
5…メモリセルアレイ、10…制御回路、30…半導体基板、31…半導体層、51…ブロック絶縁層、52…電荷蓄積層、53…トンネル絶縁層、56…貫通ホール、57…連結ホール、58…U字状メモリホール、MTr…メモリセルトランジスタ

Claims (10)

  1. 4値の閾値レベルに応じて情報を記憶するN型トランジスタである複数のメモリセルトランジスタを有するメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイを制御する制御回路と、
    を具備し、
    前記制御回路は、書き込み動作において、前記複数のメモリセルトランジスタの閾値レベルを、前記4値の閾値レベルのうち電圧の小さいほうから2番目の閾値レベルであるベース閾値レベルにシフトした後、前記4値の閾値レベルのうちのいずれかにシフトし、
    前記ベース閾値レベルは、前記4値の閾値レベルのうちのいずれかにシフトする際にその平均閾値シフト量が最小になる閾値レベルである
    ことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. n(nは2より大きい整数)値の閾値レベルに応じて情報を記憶する複数のメモリセルトランジスタを有するメモリセルアレイと、
    前記メモリセルアレイを制御する制御回路と、
    を具備し、
    前記制御回路は、書き込み動作において、前記複数のメモリセルトランジスタの閾値レベルを、前記n値の閾値レベルのうち最も電圧の大きい閾値レベルおよび最も電圧の小さい閾値レベル以外のベース閾値レベルにシフトした後、前記n値の閾値レベルのうちのいずれかにシフトすることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記ベース閾値レベルは、前記n値の閾値レベルのうちのいずれかにシフトする際にその平均閾値シフト量が最小になる閾値レベルであることを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記複数のメモリセルトランジスタは、N型トランジスタであり、4値の閾値レベルに応じて情報を記憶し、
    前記ベース閾値レベルは、前記4値の閾値レベルのうち電圧の小さいほうから2番目の閾値レベルであることを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記複数のメモリセルトランジスタは、N型トランジスタであり、8値の閾値レベルに応じて情報を記憶し、
    前記ベース閾値レベルは、前記4値の閾値レベルのうち電圧の小さいほうから4番目の閾値レベルであることを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記複数のメモリセルトランジスタのチャネル材料は、Siを含むことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 前記複数のメモリセルトランジスタは、P型トランジスタであり、4値の閾値レベルに応じて情報を記憶し、
    前記ベース閾値レベルは、前記4値の閾値レベルのうち電圧の大きいほうから3番目の閾値レベルであることを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  8. 前記複数のメモリセルトランジスタは、P型トランジスタであり、8値の閾値レベルに応じて情報を記憶し、
    前記ベース閾値レベルは、前記8値の閾値レベルのうち電圧の大きいほうから5番目の閾値レベルであることを特徴とする請求項3に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記複数のメモリセルトランジスタのチャネル材料は、Geを含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  10. 前記複数のメモリセルトランジスタは、
    半導体基板上に交互に積層された複数の電極間絶縁層および複数のワード線と、
    前記複数の電極間絶縁層および前記複数のワード線を貫通するメモリホールの内面上に形成されたブロック絶縁層と、
    前記ブロック絶縁層上に形成された電荷蓄積層と、
    前記電荷蓄積層上に形成されたトンネル絶縁層と、
    前記トンネル絶縁層上に形成された半導体層と、
    を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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