JP4959192B2 - 導電性ポリアニリン組成物、その製造方法及びそれからなる成形体 - Google Patents

導電性ポリアニリン組成物、その製造方法及びそれからなる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、製造及び取り扱いが容易で、且つ極めて優れた電気的特性を有する成形体を与えることができる導電性重合体組成物、特に、導電性の高いプロトネーションされたポリアニリンベースの組成物及び、可溶性のプロトネーションされたポリアニリンベースの複合体の製造方法に関する。
ポリアニリンは、導電性高分子の1つとして周知の材料である。ポリアニリンは、その電気的な特性に加え、安価なアニリンから比較的簡便に合成でき、且つ導電性を示す状態で、空気などに対して優れた安定性を示すという利点及び特性を有する。
ポリアニリンの製造方法としては、アニリン又はアニリン誘導体を電解酸化重合する方法又は化学酸化重合する方法が知られている。
電解酸化重合については、電極上にポリアニリン重合体を得る方法が、特開昭62−230825号公報や特開昭62−149724号公報に記載されている。電解酸化重合では、電気的特性等に優れたフィルムが得られるが、一般に、化学酸化重合に比べて製造コストが高く、大量生産には適しておらず、複雑な形状の成形体を得ることも困難である。
一方、化学酸化重合によって導電性のアニリン又はアニリン誘導体の重合体を得るためには、一般に、非導電性塩基状態(いわゆるエメラルディン塩基状態)で得られるポリアニリンにドーパント(ドーピング剤)を加えてプロトネーションする工程を必要とする。しかしながら、非導電性塩基状態のポリアニリンは大部分の有機溶剤に殆ど溶解しないため、工業的な製造に適するものではない。さらに、プロトネーション後に生成する導電性のポリアニリン(いわゆるエメラルディン塩状態)は、実質的に不溶不融であり、導電性の複合材料及びその成形体を簡便に製造することは難しい。
非導電性塩基状態のポリアニリンのドーピング、及びドーピング後の導電性ポリアニリンの有機溶剤に対する親和性を改善する方法として幾つかの提案がなされている。
Synthetic metals, 48, 1992, 91-97頁では、例えば、ドデシルベンゼンスルフォン酸や、ショウノウスルフォン酸(CSA)等の有機溶剤に親和性のあるプロトン酸がドーパントとして使用されており、優れた電気的特性を示すことが記載されている。
特開平7−70312号公報には、非導電性塩基状態のポリアニリンを、例えば、アダマンタンスルフォン酸をドーパントとし、これをm−クレゾールに溶解してドーピングする方法が記載されている。
J.Phys.:Condens.Matter,10,1998,8293-8303頁には、例えば、2,2−ジクロロ酢酸のような特殊な溶媒(ハロゲン系の強酸)中で、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルフォン酸をドーパントとして、非導電性塩基状態のポリアニリンをドーピングする方法が記載されている。
特開2003−183389号公報には、例えば、特開昭62−149724号公報と同様に、溶媒として2,2−ジクロロ酢酸を用い、スルホコハク酸のジ(2−エチルヘキシル)エステルをドーパントとして、非導電性塩基状態のポリアニリンをドーピングする方法が記載されている。
上記の文献に記載の方法は、いずれも非導電性塩基状態のポリアニリンをドーピングする工程を含むことから、導電性ポリアニリンの簡便な製造方法とは言えない。また、これらの方法で得られた導電性ポリアニリンからなる成形体は、電気伝導率などの電気的特性が必ずしも優れているとは言えない。
本発明は、上記現状に鑑み、高い電気伝導率を有する導電性ポリアニリン成形体を与える導電性ポリアニリン組成物及び、ポリアニリンの非導電性塩基状態を経ずに導電性ポリアニリン複合体並びに、その複合体を含む組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ね、トルエン等の有機溶剤と水との二層系で、特定構造を有するプロトン酸の存在下でアニリンの重合を行うことにより、ポリアニリンと上記プロトン酸との複合体(いわゆるエメラルディン塩)が形成されることを見出した。この複合体は、上記有機溶剤に可溶であり、上記有機溶剤相をガラス等の基材に均一に塗布することが可能であることを見出した。
また、上記のようなトルエン等の有機溶剤と水との二層系で、特定構造を有するプロトン酸の存在下でアニリンの重合を行うことにより、得られるポリアニリンと上記プロトン酸との複合体(いわゆるエメラルディン塩)では、そのポリアニリンの分子量を所望により変化させることができる。驚くべきことに、トルエン等の溶剤に可溶であるのもかかわらず、ポリアニリンの分子量は非常に高分子量体とすることも可能であることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記有機溶剤に溶解しているポリアニリンとプロトン酸との複合体に、少量のフェノール性水酸基を有する化合物を添加した組成物を、ガラス等の基材に塗布して得られる導電性ポリアニリン組成物の成形体は、電気伝導率等の電気的特性が飛躍的に向上していることを見出している。また、少量のフェノール性水酸基を有する化合物を添加した組成物は、その均一性故に、非常に透明性の高い導電性物品となる。
上記Synthetic metals,48,1992,91-97頁では、非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基)にフェノール性水酸基を有する化合物、特にm−Cresolを溶剤として使用し、ドデシルベンゼンスルフォン酸や、ショウノウスルフォン酸(CSA)等をドーピングした時に生成する導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩)が、高い導電性を示すことは知られている。しかし、この場合、フェノール性水酸基を有する化合物は溶剤であり、導電性ポリアニリンの溶解度も低いことから、導電性材料とするためには、多量のフェノール性水酸基を有する化合物が必要である。m−Cresol等のフェノール性水酸基を有する化合物は、高沸点であるため、固体化、材料化には多大なエネルギーを要する。本発明の組成物では、フェノール性水酸基を有する化合物は、少量使用するだけである為、大部分のトルエン等の揮発性溶剤を除くのは、難しくない。
また、本発明の組成物では、過剰量のフェノール性水酸基を有する化合物を使用した場合、溶解度が低くなり均一な溶液とはならず、結果、電気伝導率も低下するという知見を得、適切な濃度調整が必要であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す導電性ポリアニリン組成物等が提供される。
(1)実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含む導電性ポリアニリン組成物。
(2)置換又は未置換ポリアニリンの重量平均分子量が100,000g/mol以上の高分子量体である、(1)に記載の導電性ポリアニリン組成物。
(3)組成物の溶液全体に占める(b)フェノール性水酸基を有する化合物のモル数濃度が、0.01mol/L〜5mol/Lの範囲である、(1)又は(2)に記載の導電性ポリアニリン組成物。
(4)実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体の有機溶剤に対する濃度が、0.01〜300g/Lの範囲である、(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(5)(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に占める、置換又は未置換ポリアニリンの含有率が、20重量%〜70重量%であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(6)a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体は、置換又は未置換ポリアニリンが、下記式(I)
M(XARn)m (I)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)[ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、または−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)であり、
nは2以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}
で示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされてなる(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(7)式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(II)
M(XCR(CR COOR)COOR (II)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
及びRは、それぞれ独立して炭化水素基又は−(RO)−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
pは、Mの価数である}
である(6)に記載の導電性ポリアニリン組成物。
(8)式(II)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(III)
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13 (III)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
12及びR13は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R14O)−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}
で示されるスルホコハク酸誘導体である(7)に記載の導電性ポリアニリン組成物。
(9)(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体が、式(I)〜(III)で示されるプロトン酸又はその塩を含む、置換又は未置換アニリンを化学酸化重合することにより製造されたものである(6)〜(8)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(10)置換又は未置換アニリンを化学酸化重合にて置換又は未置換ポリアニリンを製造する方法であって、上記一般式(I)
M(XARn)m (I)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)[ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、または−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)であり、nは2以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}
で示される有機プロトン酸又はその塩
で示される化合物を含む、実質的に水と混和しない有機溶剤と水溶液の二相系で、実質的に水と混和しない有機溶剤に可溶なプロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を製造する方法。
(11)式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(II)
M(XCR(CR COOR)COOR (II)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
及びRは、それぞれ独立して炭化水素基又は−(RO)−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
pは、Mの価数である}
である、(10)に記載の有機溶剤に可溶なプロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を製造する方法。
(12)式(II)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(III)
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13 (III)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
12及びR13は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R14O)−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}
で示されるスルホコハク酸誘導体である、(11)に記載の有機溶剤に可溶なプロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を製造する方法。
(13)(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体が、(10)〜(12)のいずれかに記載の方法により製造された複合体である(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(14)(b)フェノール性水酸基を有する化合物が、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン、フェノール樹脂、ポリフェノール及びポリ(ヒドロキシスチレン)からなる群から選択される(1)〜(9)、(13)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(15)実質的に水と混和しない有機溶剤が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;及び酢酸エチル等のエステル系溶剤からなる群から選択される(1)〜(9)、(13)、(14)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
(16)(i)実質的に水と混和しない有機溶剤中、下記式(I)
M(XARn)m (I)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)[ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、または−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)であり、
nは2以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}
で示される有機プロトン酸又はその塩の存在下で、置換又は未置換アニリンを化学酸化重合させて、有機溶剤に可溶の(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を得る工程、及び
(ii)実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、該(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に、(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加する工程
を含むことを特徴とする導電性ポリアニリン組成物の製造方法。
(17)式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(II)
M(XCR(CR COOR)COOR (II)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
及びRは、それぞれ独立して炭化水素基又は−(RO)−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
pは、Mの価数である}
で示される有機プロトン酸又はその塩である、(16)に記載の導電性ポリアニリン組成物の製造方法。
(18)上記(1)〜(9)、(13)〜(15)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を成形してなる導電性成形体。
(19)固有伝導率が、少なくとも50S/cm以上である(18)記載の導電性成形体。
(20)上記(1)〜(9)、(13)〜(15)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を、基材に塗布してなる表面導電性物品。
(21)固有表面抵抗値が、少なくとも10Ω以下である(20)記載の表面導電性物品。
(22)450nmの光線透過率が70%以上である(21)記載の表面透明導電性物品。
(23)上記(1)〜(9)、(13)〜(15)のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を、基材に塗布して成形することを特徴とする表面導電性物品の製造方法。
本発明によって、電気的特性に優れ、且つ均質性、透明性に優れた導電性ポリアニリン成形体を提供することが可能となった。
本発明の導電性ポリアニリン組成物は、アニリン重合後から有機溶剤に溶解した状態で得られ、非導電性塩基状態(いわゆる、エメラルディン塩基状態)を経ずに製造できるため、重合後の後処理が簡略化でき、長時間を要するドーピング等の煩雑な工程が不要となり、工業的に極めて有利に導電性ポリアニリン組成物を製造する方法が提供された。
また、所望により、従来にない非常に高分子量でかつ有機溶剤に可溶な導電性ポリアニリン複合体が得られる。ポリアニリンが高分子量である場合、導電性物品とした場合に、強度や延伸性の高い導電性物品となる。
本発明によれば、フェノール性水酸基を有する化合物を第2のドーパントとして添加することにより、電気伝導率を飛躍的に向上させることができる。
本発明の導電性ポリアニリン組成物は、導電性状態で(プロトネーションされた状態で)有機溶剤に溶解しているため、容易に膜やフィルムに成形することができる。そして、得られた成形体の膜やフィルムは、均質性、透明性に優れ、延伸等を施さない状態においても極めて高い電気伝導率を示す。
本発明の導電性ポリアニリン組成物は、安価な原料と通常の設備を用いて容易、且つ経済的に製造することができ、工業的に極めて有用である。
(b)フェノール類化合物を添加した本発明の組成物から製造された成形体(薄膜)の広角X線散乱スペクトルである。 (b)フェノール類化合物を添加していない、有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体から製造された成形体(薄膜)の広角X線散乱スペクトルである。 (b)フェノール類化合物を添加した本発明の組成物から製造された成形体(薄膜)のUV−vis(紫外可視)スペクトルである。 (b)フェノール類化合物を添加していない、有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体から製造された成形体(薄膜)のUV−vis(紫外可視)スペクトルである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性ポリアニリン組成物(以下、本発明の組成物という)は、実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含むことを特徴とする。
本発明の導電性ポリアニリン組成物は、
(i)実質的に水と混和しない有機溶剤中、下記式(I)
M(XARn)m (I)
{式中、
Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
Xは、酸性基であり、
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)[ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、または−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)であり、
nは2以上の整数である]であり、
mは、Mの価数である}
で示される有機プロトン酸又はその塩の存在下で、置換又は未置換アニリンを化学酸化重合させて、有機溶剤に可溶の(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を得る工程、及び
(ii)実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、該(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に、(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加する工程
を含むことを特徴とする導電性ポリアニリン組成物の製造方法で製造することが好ましい。
本発明の組成物で用いる上記(b)フェノール性水酸基を有する化合物(以下、(b)フェノール類化合物という)は、特に限定されず、一般式ArOH(ここで、Arはアリール基又は置換アリール基である)で示される化合物である。具体的には、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、o−,m−若しくはp−エチルフェノール、o−,m−若しくはp−プロピルフェノール、o−,m−若しくはp−ブチルフェノール、o−,m−若しくはp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン等の置換フェノール類;カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール化合物;及びフェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)等の高分子化合物等を例示することができる。
本発明の組成物において、(b)フェノール類化合物は、溶媒ではなく、ドーパントとして存在している。(b)フェノール類化合物がドーパントであることは、(1)(b)フェノール類化合物を添加した本発明の組成物から製造した成形体は、これを添加しない成形体に比べて電気伝導率が非常に高いこと(実施例及び比較例参照)、及び(2)図1及び2に示すように、有機溶剤を除去した後の、(b)フェノール類化合物を含む本発明の導電性ポリアニリン組成物から得られる成形体(実施例7)と(b)フェノール類化合物を含まないポリアニリン組成物から得られる成形体(比較例3)とが、異なるUV−vis(紫外可視)スペクトルを示すことによって裏付けられ、有機溶剤を除去した後の成形体中に(b)フェノール類化合物が残存していることは明らかである。すなわち、(b)フェノール類化合物が単なる溶剤であれば、成形体を形成するときに、熱を加えることによって容易に揮発して除去される。しかしながら、ドーパントとして存在しているときには帯電しており、そのためポリアニリンから除去するには、大きなエネルギーを必要とし、揮発させる程度の加熱では除去されないのである。
本発明の組成物における(b)フェノール類化合物の添加量は、上記(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に対して、通常0.01〜1000質量%、好ましくは0.5〜500質量%の範囲である。
また、組成物全体では(b)フェノール性水酸基を有する化合物のモル数濃度が、0.01mol/L〜5mol/Lの範囲であることが好ましい。この化合物の添加量が少なすぎると、電気伝導率の改善効果が得られないおそれがある。また、多すぎる場合にも、組成物の均一性が損なわれたり、揮発除去する際に多大な熱や時間等の労力を必要とし、結果として、透明性や電気特性が損なわれた材料となるおそれがある。
本発明の組成物で用いる上記(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体(以下、(a)ポリアニリン複合体という)としては、置換又は未置換ポリアニリン(以下、単にポリアニリンという)が、下記式(I)
M(XARn)m (I)
で示される有機プロトン酸又はその塩(以下、有機プロトン酸(I)又はその塩という)によってプロトネーションされてなるものが好ましい。
置換ポリアニリンの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、アリーロキシ基、CF基等の含ハロゲン炭化水素基等が挙げられる。
本発明において、置換又は未置換ポリアニリンの重量平均分子量は、100,000g/mol以上の高分子量体であることが好ましい。これにより組成物から得られる導電性物品の強度や延伸性を向上することができる。
尚、ポリアニリンの分子量は、ゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)により測定したものである。測定方法の詳細は、後述する実施例に記載する。
上記式(I)において、Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基である。有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられ、無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セリウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基であり、例えば、−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基等が挙げられ、−SO 基が好ましい。
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、例えば、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキルやアルケニル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メンチル等の置換基を含んでいてもよいシクロアルキル基、ビシクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル等の縮合してもよいジシクロアルキル基若しくはポリシクロアルキル基、フェニル、トシル、チオフェニル、ピローリニル、ピリジニル、フラニル等の置換基を含んでいてもよい芳香環を含むアリール基、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、キノリニル、インドニル等の縮合していてもよいジアリール基若しくはポリアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)である。ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、または−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)である。Rが炭化水素基である場合の例としては、直鎖若しくは分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。
nは2以上の整数であるであり、mは、Mの価数である。
式(I)で示される化合物としては、ジアルキルベンゼンスルフォン酸、ジアルキルナフタレンスルフォン酸、スルホフタール酸エステル、下式(II)で表される化合物が好ましく利用できる。
M(XCR(CR COOR)COOR (II)
上記式(II)において、Mは、式(I)の場合と同様に水素原子又は有機若しくは無機遊離基である。有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられ、無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セリウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基であり、例えば、−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基等が挙げられ、−SO 基が好ましい。
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)である。R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRの場合と同様である。
及びRは、それぞれ独立して炭化水素基又は−(RO)−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]である。R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられ、R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基の具体例としては、例えば、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
及びRにおける、Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基、芳香環を含むアリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基等である。また、R及びRにおける、R10及びR11が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRの場合と同様であり、qは、1〜10であることが好ましい。
及びRが−(RO)−R10基である場合の具体例としては、例えば、
Figure 0004959192
(式中、Xは−SO基等である)で示される基が挙げられる。
pは、上記Mの価数である。
上記有機プロトン酸(II)又はその塩は、下記式(III)で示されるスルホコハク酸誘導体(以下、スルホコハク酸誘導体(III)という)であることが更に好ましい。
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13 (III)
上記式(III)において、M及びmは、上記式(I)と同様である。
12及びR13は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R14O)−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]である。
12及びR13が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRと同様である。
12及びR13において、R14が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記Rと同様である。また、R12及びR13において、R15及びR16が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R及びRと同様である。
rは、1〜10であることが好ましい。
12及びR13が−(R14O)−R15基である場合の具体例としては、R及びRにおける−(RO)−R10と同様である。
12及びR13が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRと同様であり、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が好ましい。
上記有機プロトン酸(I)又はその塩は、ポリアニリンをプロトネーションする機能を有し、(a)ポリアニリン複合体中においては、ドーパント(カウンターアニオン)として存在している。すなわち、本発明の組成物においては、上記有機プロトン酸(I)又はその塩、及び上記(b)フェノール類化合物の2種類の化合物がドーパントとして機能する。上記有機プロトン酸(I)又はその塩は、本発明の組成物中では、陽イオンとして存在していると考えられる。
(a)ポリアニリン複合体において、ポリアニリンと有機プロトン酸(I)又はその塩との組成比については特に限定されないが、ポリアニリンのモノマーユニット/有機プロトン酸(I)又はその塩のモル比は、通常0.1〜2、好ましくは0.1〜0.5である。有機プロトン酸(I)又はその塩の割合が少なすぎると、電気伝導率が高くならない。また、多すぎる場合にも、成形品の電気特性を支配するポリアニリンの割合が少なくなり電気伝導率は低下する。プロトン酸の分子量により、重量組成比は変化するが、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体中に、置換又は未置換ポリアニリンを20重量%〜70重量%を含む複合体である場合に、高い電気特性を示すので好ましい。
本発明で用いる有機プロトン酸(I)又はその塩は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、スルホフタール酸誘導体又は、スルホコハク酸誘導体と、所望のアルコールとの反応により、対応するスルホフタール酸エステル誘導体又は、コハク酸エステル誘導体を得ることができる。また、マレイン酸エステルを亜硫酸水素ナトリウム等でヒドロスルホニル化することによっても、対応するスルホコハク酸エステル誘導体を得ることも知られている。
有機プロトン酸(I)又はその塩は、市販のものを用いることもできる。市販品の例としては、例えば、エーロゾルOT(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(Diisooctyl Sodium Sulfosuccinate);和光純薬工業社製)、リパール87OP(ライオン株式会社製)等が挙げられる。市販品では、純度の異なるものがあるが、必要に応じて選択して利用することができる。
本発明の組成物で用いる実質的に水と混和しない有機溶剤(以下、水不混和性有機溶剤という)としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;酢酸エチル等のエステル系溶剤等が挙げられ、トルエン、キシレン、クロロホルム、トリクロロエタン、酢酸エチル等が好ましい。
本発明で用いる(a)ポリアニリン複合体の製造は、化学酸化重合法を用いて行うことが好ましい。
化学酸化重合に用いる溶媒としては、一般に、酸性水溶液や、親水性有機溶剤と酸性水溶液の混合溶媒が用いられる。(a)ポリアニリン複合体の製造においては、水不混和性有機溶剤と酸性水溶液との混合溶媒系を利用することもでき、このような混合溶媒系を用いることが好ましい。
水不混和性有機溶剤と水との混合溶媒を使用する場合、アニリンを重合させる際に、上記混合溶媒中に上記有機プロトン酸(I)又はその塩を存在させておけば、重合反応によって生成した(a)ポリアニリン複合体は、水不混和性有機溶剤相に溶解した状態で得られる。水相を分離することで、速やかに水不混和性有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体を得ることができる。
なお、水不混和性有機溶剤と水との混合溶媒を使用し、有機プロトン酸(I)又はその塩の存在下に(a)ポリアニリン複合体を製造する場合、有機プロトン酸(I)又はその塩は界面活性剤としても機能する。
有機プロトン酸(I)又はその塩/重合されるアニリン又は置換アニリンの仕込みモル比率は、通常0.05〜1、好ましくは0.1〜0.5の範囲である。有機プロトン酸(I)又はその塩のモル比率が0.05より小さい場合は、重合の進行が遅くなり、結果的に電気伝導率の高い成形体が得られない。また、このモル比率が1より大きい場合は、重合後に水相との分離が困難になり、結果的に電気伝導率の高い成形体が得られない。
化学酸化重合の開始剤としては、特に制限はないが、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過酸化物塩;二クロム酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硫酸カリウム鉄(III)、三塩化鉄(III)、二酸化マンガン、ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム等の無機化合物が利用でき、室温以下の温度で酸化能を有する化合物が好ましい。また、水不混和性有機溶剤と水との混合溶媒を使用した場合には、未反応の開始剤が有機相に混入するのを防止するため、水溶性の開始剤を使用することが好ましい。好ましい開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過塩素酸アンモニウム等が挙げられ、過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
重合条件については特に制限はないが、重合する際の温度は、−20〜30℃の範囲、好ましくは5℃以下である。
なお、(a)ポリアニリン複合体を、水不混和性有機溶剤中での化学酸化重合によって製造した場合、得られた(a)ポリアニリン複合体は、重合に用いた有機溶剤に溶解した状態のまま、(b)フェノール類化合物を添加してもよいし、有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体から有機溶剤を除去して、固体状の(a)ポリアニリン複合体とした後、再度、水不混和性有機溶剤に溶解した後、(b)フェノール類化合物を添加してもよい。この場合、重合に用いる水不混和性有機溶剤と、再度溶解するために用いる水不混和性有機溶剤は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
水不混和性有機溶剤と水との混合溶媒を使用せずに、酸性水溶液中での化学酸化重合によって、本発明で用いる(a)ポリアニリン複合体を製造することもできる。このような方法は一般に広く知られているが、この場合、ポリアニリン又はポリアニリン複合体は水溶液から析出した状態で得られ、未反応のアニリンモノマーやオリゴマー、その他重合開始剤等の不純物を多く含むことになる。このため、析出したポリアニリン又はポリアニリン複合体を、アンモニアやヒドラジン等の塩基で還元し、エメラルディン塩基状態として精製する必要が有る。
また、化学酸化重合以外の方法で(a)ポリアニリン複合体を製造するには、一般的な電解重合法が利用できる。
本発明の組成物において、水不混和性有機溶剤中の(a)ポリアニリン複合体の割合は、水不混和性有機溶剤の種類によるが、通常、900g/L以下であり、好ましくは0.01〜300g/L以下の範囲である。(a)ポリアニリン複合体の含有量が多すぎると、溶液状態が保持できなくなり、成形体を成形する際の取り扱いが困難になり、成形体の均一性が損なわれ、ひいては成形体の電気特性や機械的強度、透明性の低下を生じる。
水不混和性有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール類化合物を含む本発明の組成物(導電性ポリアニリン組成物)を得るには、上記のようにして得られた水不混和性有機溶剤に溶解した状態で得られる(a)ポリアニリン複合体に、(b)フェノール類化合物を添加する。具体的には、(b)フェノール類化合物を、固体状態又は液状で加えても、水不混和性溶剤中に溶解又は懸濁した状態で添加してもよい。好ましくは、添加後も溶解した状態になるように適切な溶剤添加法を選択する。
次に、本発明の導電性成形体(以下、本発明の成形体という)は、上記本発明の組成物(導電性ポリアニリン組成物)を成形してなることを特徴とする。
本発明の組成物には、目的に応じて他の樹脂材料;無機材料、硬化剤、可塑剤等のその他の配合剤を添加してもよい。
他の樹脂材料は、例えば、バインダー基材や可塑剤、マトリックス基材等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。本発明の組成物は、他の樹脂材料を含む場合には、本発明の組成物は導電性複合材料となる。
無機材料は、例えば、強度、表面硬度、寸法安定性その他の機械的物性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、チタニア(酸化チタン)、アルミナ(酸化アルミニウム)等が挙げられる。
硬化剤は、例えば、強度、表面硬度、寸法安定性その他の機械的物性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、フェノール樹脂等の熱硬化剤、アクリレート系モノマーと光重合性開始剤による光硬化剤等が挙げられる。
可塑剤は、例えば、引張強度や曲げ強度等の機械的特性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、フタル酸エステル類やリン酸エステル類等が挙げられる。
本発明の表面透明導電性物品は、上記のようにして得られた、水不混和性有機溶剤に溶解している、(a)ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール類化合物を含む本発明の組成物を、所望の形状を有する、ガラスや樹脂フィルム、シート等の基材に塗布し、水不混和性有機溶剤を除去することによって製造できる。
本発明の組成物を基材に塗布する方法としては、キャスト法、スプレー法、ディップコート法、ドクターブレード法、バーコード法、スピンコート法、スクリーン印刷、グラビア印刷法等、公知の一般的な方法を用いることができる。
水不混和性有機溶剤を除去するには、加熱して有機溶剤を揮発させればよい。水不混和性有機溶剤を揮発させる方法としては、例えば、空気気流下250℃以下、好ましくは50〜200℃の温度で加熱し、さらに、必要に応じて、減圧下に加熱する。なお、加熱温度及び加熱時間は、特に制限されず、用いる材料に応じて適宜選択すればよい。
本発明の成形体は、本発明の組成物を基材に塗布し、水不混和性有機溶剤を除去してなる薄膜であるが、この薄膜は、基材を有しない自己支持型成形体とすることもできる。自己支持型成形体とする場合には、本発明の組成物に、ポリアニリン以外の上記他の樹脂材料を添加することにより、所望の機械的強度を有する成形体を得ることができる。
本発明の成形体が膜又はフィルムである場合、これらの厚さは、通常1mm以下、好ましくは10nm〜50μmの範囲である。
本発明の成形体の固有伝導率は、10S/cm以上、好ましくは50S/cm以上と極めて高い値を示す。
ここで、固有伝導率は、ガラス基板上に本発明の組成物を展開し、二端子法、四端子法、四探針法、ファンデル・ポー法等の方法で測定することができる。尚、本明細書における固有伝導率は、市販の抵抗率計であるロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による)を使用して測定した値である。
また、本発明の表面透明導電性物品の固有表面抵抗値は、少なくとも10Ω/□以下であることが好ましい。
また、450nmの光線透過率は70%以上であることが好ましい。本発明では、少量のフェノール性水酸基を有する化合物を添加した組成物であり、その均一性故に、非常に透明性の高い導電性物品が得られる。
[実施例]
以下、実施例、比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
尚、ポリアニリンの分子量測定は、ゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)により決定した。具体的に、カラムとしてTOSOH TSK−GEL GMHHR−Hを使用し、0.01MのLiBr/N−メチルピロリドン溶液を使用し、60℃、流速0.35ml/分で測定を行った。試料は、0.2g/L溶液を100μL注入し、260nmのUVにて検出した。標準として、PS換算法にて平均分子量を算出した。
実施例1:導電性ポリアニリン組成物の製造
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、エーロゾルOT(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム;和光純薬工業社製)3.6gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液を撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、氷水浴にてフラスコを冷却した。ここに、過硫酸アンモニウム5.36gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを氷水浴で冷却しながら重合反応させ、18時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調整した。この溶液5mLを1N水酸化ナトリウム水溶液10mLと接触混合することにより、両溶液に不溶な非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)が析出する。この非導電性ポリアニリンをろ別乾燥し、NMP溶媒を用いてGPC測定した結果、PS換算重量平均分子量が614,000g/molと非常に高分子量体であることが分かった。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液1mLに、m−クレゾール0.2mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.2mol/Lである、導電性ポリアニリン組成物を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、14mm×52mmの範囲に展開し、空気気流下80℃で30分間乾燥し、厚さ15μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、59S/cmであった。
実施例2
上記実施例1(3)において、m−クレゾールの添加量を1mmolとしm−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである組成物を用いた以外は実施例1と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜をガラス基板から分離することで、自立型のフィルムとした。得られた自立型フィルムの固有伝導率は、318S/cmであった。
実施例3
上記実施例1(3)において、m−クレゾールの代わりにフェノール1mmolを添加しフェノールの濃度が約0.9mol/Lである組成物を用いた以外は実施例1と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は171S/cmであった。
比較例1
上記実施例1(3)において、m−クレゾールを添加しなかった以外は実施例1と同様にして塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は、3.51×10−3S/cmであった。
実施例4
(1)トルエンの代わりにキシレンを用いた以外は上記実施例1(1)と同様にしてプロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)上記(1)で得たポリアニリン複合体をクロロホルムに溶解し、ポリアニリン複合体のクロロホルム溶液を得た。ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むクロロホルム溶液1mLに、m−クレゾール1mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物を得た。
(3)上記(2)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、14mm×50mmの範囲に展開し、空気気流下80℃で30分間乾燥し、更に80℃、4時間減圧乾燥することにより、厚さ30μmの導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は、308S/cmと極めて高い値を示した。この塗布膜をガラス基板上から剥がした自立性フィルムの広角X線散乱スペクトルを図1示す。
実施例5
m−クレゾールの代わりに、o−クレゾール1mmolを添加した以外は実施例4と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は、355S/cmと極めて高い値を示した。
実施例6
m−クレゾールの代わりに、p−クレゾール1mmolを添加した以外は実施例4と同様にして導電性塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は、277S/cmと極めて高い値を示した。
比較例2
上記実施例4(2)において、m−クレゾールを添加しなかった以外は実施例4と同様にして塗布膜を得た。得られた塗布膜の固有伝導率は、0.02S/cmであった。この塗布膜をガラス基板上から剥がした自立性フィルムの広角X線散乱スペクトルを図2に示す。
図1及び2を比較すると、結晶状態の大きな変化は観測できない。従って、本発明の組成物において、m−クレゾールの添加は、ポリアニリン複合体及び組成物の結晶状態には影響を与えないことが分かり、結晶化度の変化により固有伝導率が変化するわけではない事が明らかである。
実施例7
上記実施例2で用いた導電性ポリアニリン組成物に、トルエンを添加して2倍希釈した25g/L濃度の組成物溶液数mLを5cm×5cmのガラス基板上に展開し、1,000rpmで1分間スピンコートした。このコートガラス基板を120℃、10分間空気気流下に乾燥した。このコートガラス基板の塗膜(成形体)の厚さは50nmであった。このコートガラス基板の塗膜の表面抵抗は1.19kΩ/□であり、非常に高い電気伝導率を有することを示している。このガラス基板上の塗膜のUV−vis(紫外可視)スペクトルを図3に示す。このスペクトルから、450nmの光線透過率は76%であることが分かる。
尚、塗膜の表面抵抗は、前述のロレスターGPを用いて測定した。
比較例3
上記比較例1で用いたm−クレゾールを添加しなかった組成物に、トルエンを添加して2倍希釈した組成物溶液を用いた以外は実施例7と同様にしてコートガラス基板を作製した。得られたコートガラス基板の塗膜(成形体)の厚さは48nmであった。このコートガラス基板の塗膜の表面抵抗は78.0MΩ/□と非常に高く、電気伝導率が低いことを示している。このガラス基板上の塗膜のUV−visスペクトルを図4に示す。
図3及び4を比較すると、図4のm−クレゾールを含まない組成物から得られる塗膜の800nm付近の吸収は、図3のm−クレゾールを含む組成物から得られる塗膜では弱くなっており、また、m−クレゾールを含む組成物から得られる塗膜では450nm付近に吸収が現れている。これらの結果は、m−クレゾール((b)フェノール類化合物)を含む組成物から得られる塗膜(成形体)と、m−クレゾールを含まない組成物から得られる塗膜(成形体)とが、異なる特性を有していることを明確に示している。この結果は、m−クレゾール((b)フェノール類化合物)が塗膜中においてドーパントとして存在していることを示すものである。
実施例8
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業製:純度>95%)3.6gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液に撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、0℃の恒温槽に浸してフラスコを冷却した。フラスコ内温を0℃に保持し、ここに、過硫酸アンモニウム5.36gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを常に0℃となるように冷却しながら重合反応させ、20時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。この固体状ポリアニリン複合体を再度、トルエンに溶解し、少量の不溶部を250μm径フィルターにより除き、不溶物のないトルエン溶液を得た。ろ液側のポリアニリン複合体溶液からトルエンを留去し、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調整した。この溶液5mLと1N水酸化ナトリウム水溶液10mLとを接触混合することにより、両溶液に不溶な非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)が析出する。不溶部をフィルターを用いて、ろ取したところ、54.9mg得られた。従って、この複合体中のポリアニリン含有量は22重量%であることが分かった。また、このポリアニリンのNMP溶媒を用いてGPC測定した結果、PS換算重量平均分子量が108,000g/molと高分子量体であることが分かった。
尚、この製造方法で得られたポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を、ガラス基板上、14mm×51mmの範囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ24μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、29S/cmであり、ポリアニリン複合体としては極めて高い値を示した。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液5mLに、m−クレゾール5mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、15mm×51mmの範囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ17μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、237S/cmであった。
実施例9
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
フラスコ内温を常に5℃となるように冷却しながら重合反応させ以外は、実施例8と同様に重合を行い、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調整した。この溶液5mLと1N水酸化ナトリウム水溶液10mLとを接触混合することにより、析出した非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)をろ取したところ、75.3mg得られた。従って、この複合体中のポリアニリン含有量は30重量%であることが分かった。また、このポリアニリンのNMP溶媒を用いたGPC測定の結果、PS換算重量平均分子量が306,300g/molと非常に高分子量体であることが分かった。
尚、この製造方法で得られたポリアニリン複合体50g/Lの割合で含むトルエン溶液を、ガラス基板上、14mm×51mmの範囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ26μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、29S/cmであり、ポリアニリン複合体としては極めて高い値を示した。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液4mLに、m−クレゾール4mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、15mm×51mmの範
囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ19.5μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、326S/cmであった。
実施例10
上記実施例9(3)において、m−クレゾールの添加量を2mmolとしm−クレゾールの濃度が約0.5mol/Lである組成物を用いた以外は、実施例9(3)と同様にして導電性塗布膜を得た。導電性塗布膜の厚さは24.5μmで、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率は、178S/cmであった。
実施例11
上記実施例9(3)において、m−クレゾールの添加量を1mmolとしm−クレゾールの濃度が約0.24mol/Lである組成物を用いた以外は実施例9(3)と同様にして導電性塗布膜を得た。導電性塗布膜の厚さは37μmで、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率は、108S/cmであった。
実施例12
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業製:純度>95%)を3.6gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液に撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、15℃の恒温槽に浸してフラスコを冷却した。フラスコ内温を15℃に保持し、ここに、過硫酸アンモニウム7.30gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを常に15℃となるように冷却しながら重合反応させ、10時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。この固体状ポリアニリン複合体を再度、トルエンに溶解し、少量の不溶部を250μm径フィルターにより除き、不溶物のないトルエン溶液を得た。ろ液側のポリアニリン複合体溶液からトルエンを留去し、可溶性のプロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調整した。この溶液5mLと1N水酸化ナトリウム水溶液10mLとを接触混合することにより、両溶液に不溶な非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)が析出する。不溶部をフィルターを用いて、ろ取したところ、104.1mg得られた。従って、この複合体中のポリアニリン含有量は42重量%であることが分かった。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液5mLに、m−クレゾール5mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、15mm×50mmの範
囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ22μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、261S/cmであった。
実施例13
上記実施例12(3)において、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液4mLに、m−クレゾール1mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.24mol/Lである組成物を用いた以外は実施例12(3)と同様にして導電性塗布膜を得た。導電性塗布膜の厚さは33μmで、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率は、156S/cmであった。
実施例14
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業製:純度>95%)を2.7gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液に撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、5℃の恒温槽に浸してフラスコを冷却した。フラスコ内温を5℃に保持し、ここに、過硫酸アンモニウム9.13gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを常に5℃となるように冷却しながら重合反応させ、10時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。この固体状ポリアニリン複合体を再度、トルエンに溶解し、少量の不溶部を250μm径フィルターにより除き、不溶物のないトルエン溶液を得た。ろ液側のポリアニリン複合体溶液からトルエンを留去し、可溶性のプロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調整した。この溶液5mLと1N水酸化ナトリウム水溶液10mLとを接触混合することにより、両溶液に不溶な非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)が析出する。不溶部をフィルターを用いて、ろ取したところ、150.2mg得られた。従って、この複合体中のポリアニリン含有量は60重量%であることが分かった。また、このポリアニリンのNMP溶媒を用いたGPC測定の結果、PS換算重量平均分子量が26,300g/molであることが分かった。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液4mLに、m−クレゾール1mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.24mol/Lである導電性ポリアニリン組成物を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、15mm×50mmの範
囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ10.5μmの導電性塗布膜を作製し、ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、251S/cmであった。
実施例15
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(東京化成工業製:純度>95%)を2.7gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液に撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、0℃の恒温槽に浸してフラスコを冷却した。フラスコ内温を0℃に保持し、ここに、過硫酸アンモニウム5.36gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを常に0℃となるように冷却しながら重合反応させ、6時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。この固体状ポリアニリン複合体を再度、トルエンに溶解し、少量の不溶部を250μm径フィルターにより除き、不溶物のないトルエン溶液を得た。ろ液側のポリアニリン複合体溶液からトルエンを留去し、可溶性のプロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。
(2)ポリアニリン複合体の分子量及び組成
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液を調整した。この溶液5mLと1N水酸化ナトリウム水溶液10mLとを接触混合することにより、両溶液に不溶な非導電性ポリアニリン(所謂、エメラルディン塩基状態)が析出する。不溶部をフィルターを用いて、ろ取したところ、37.6mg得られた。従って、この複合体中のポリアニリン含有量は15重量%であることが分かった。また、このポリアニリンのNMP溶媒を用いたGPC測定の結果、PS換算重量平均分子量が91,200g/molであることが分かった。
(3)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得たポリアニリン複合体を、再度トルエンに溶解し、ポリアニリン複合体を50g/Lの割合で含むトルエン溶液2mLに、m−クレゾール2mmolを添加して、m−クレゾールの濃度が約0.9mol/Lである導電性ポリアニリン組成物を得た。
(4)導電性ポリアニリン成形体の製造
上記(3)で得た導電性ポリアニリン組成物を、ガラス基板上、14mm×50mmの範
囲に展開し、空気気流下80℃で120分間乾燥し、厚さ35μmの若干粘性のある導電性塗布膜をが得られた。ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて固有伝導率を測定した。得られた塗布膜の固有伝導率は、38S/cmであった。
実施例16
(1)プロトネーションされたポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、トルエン100mLを入れ、ジノニルナフタレンスルフォン酸(アルドリッチ社製:50重量/容量%ヘプタン溶液から、ヘプタンを減圧留去して得た)を4.67gとアニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させた。この溶液に撹拌しながら、1N塩酸300mLを加え、−5℃の恒温槽に浸してフラスコを冷却した。フラスコ内温を−5℃に保持し、ここに、過硫酸アンモニウム7.30gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを常に−5℃となるように冷却しながら重合反応させ、10時間後に撹拌を停止した。反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。目的物を含むトルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去して、プロトネーションされた固形状のポリアニリン複合体を得た。この固体状ポリアニリン複合体を再度、トルエンに溶解し、不溶部を250μm径フィルターにより除き、不溶物のないトルエン溶液を得た。ろ液側のポリアニリン複合体溶液からトルエンを留去し、可溶性のプロトネーションされたポリアニリン複合体4.47gを得た。
比較例4
(1)ポリアニリン複合体の製造
機械式攪拌機、滴下ロートを備える1Lのガラスフラスコに、(±)カンファースルホン酸(和光純薬製)1.36gを溶解した1N塩酸300mLと、アニリン(和光純薬工業社製)3.74gを溶解させたトルエン100mLを入れ、5℃の恒温槽に浸してフラスコを冷却した。フラスコ内温を5℃に保持し、ここに、過硫酸アンモニウム7.30gを1N塩酸100mLに溶解した溶液を、上記滴下ロートより滴下してアニリンの重合を開始させた。フラスコを常に5℃となるように冷却しながら重合反応させ、10時間後に撹拌を停止した。反応溶液中に生成した多量の析出物をろ別し、反応溶液を分液ロートに移し、二層に分離した反応溶液から水相を廃棄し、トルエン有機相をイオン交換水で2回、1N塩酸溶液で2回洗浄した。トルエン溶液から揮発分(有機溶剤)を減圧留去したがトルエンに可溶な成分は得られなかった。
従って、(±)カンファースルホン酸を用いた場合には、トルエン可溶性のポリアニリン複合体は得られなかった。
本発明の導電性ポリアニリン組成物は、優れた電気特性を有する成形体を形成することができるので、特にパワーエレクトロニクス、オプトエレクトロニクス分野において、静電・帯電防止材料、電磁遮蔽フィルム・材料、透明電極や導電性フィルム・材料、エレクトロルミネッセンス素子の材料、回路材料、コンデンサの誘電体・電解質・陰極、太陽電池や二次電池の極材料、燃料電池セパレータ、電解質膜材料、熱電変換材料など、広い分野で利用できる。

Claims (18)

  1. 実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び
    (b)フェノール性水酸基を有する化合物
    を含み、
    (a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体は、置換又は未置換ポリアニリンが、下記式(II)
    M(XCR (CR COOR )COOR (II)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    Xは、酸性基であり、
    及びR は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、R は、炭化水素基であり、3つのR は同一又は異なっていてもよい)であり、
    及びR は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R O) −R 10 基[ここで、R は炭化水素基、シリレン基であり、R 10 は水素原子、炭化水素基又はR 11 Si−(R 11 は、炭化水素基であり、3つのR 11 は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
    pは、Mの価数である}
    で示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされてなることを特徴とする導電性ポリアニリン組成物。
  2. 実質的に水と混和しない有機溶剤に可溶な(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び
    (b)フェノール性水酸基を有する化合物
    を含み、
    (a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体は、置換又は未置換ポリアニリンが、下記式(II)
    M(XCR (CR COOR )COOR (II)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    Xは、酸性基であり、
    及びR は、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、R は、炭化水素基であり、3つのR は同一又は異なっていてもよい)であり、
    及びR は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R O) −R 10 基[ここで、R は炭化水素基、シリレン基であり、R 10 は水素原子、炭化水素基又はR 11 Si−(R 11 は、炭化水素基であり、3つのR 11 は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
    pは、Mの価数である}
    で示される有機プロトン酸又はその塩によってプロトネーションされてなることを特徴とする導電性ポリアニリン組成物。
  3. 置換又は未置換ポリアニリンの重量平均分子量が100,000g/mol以上の高分子量体である、請求項1又は2記載の導電性ポリアニリン組成物。
  4. 組成物の溶液全体に占める(b)フェノール性水酸基を有する化合物のモル数濃度が、0.01mol/L〜5mol/Lの範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  5. 実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体の有機溶剤に対する濃度が、0.01〜300g/Lの範囲である、請求項1、3及び4のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  6. (a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に占める、置換又は未置換ポリアニリンの含有率が、20重量%〜70重量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  7. (a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体が、式(II)で示されるプロトン酸又はその塩を含む、置換又は未置換アニリンを化学酸化重合することにより製造されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  8. 式(II)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(III)
    M(OSCH(CHCOOR12)COOR13 (III)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    12及びR13は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R14O)−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]であり、
    mは、Mの価数である}
    で示されるスルホコハク酸誘導体である請求項1〜7のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  9. (b)フェノール性水酸基を有する化合物が、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、カテコール、レゾルシノール、クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン、フェノール樹脂、ポリフェノール及びポリ(ヒドロキシスチレン)からなる群から選択される請求項1〜8のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  10. 実質的に水と混和しない有機溶剤が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン及び酢酸エチルからなる群から選択される請求項1〜9のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物。
  11. (i)実質的に水と混和しない有機溶剤中、下記式(I)
    M(XARn)m (I)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    Xは、酸性基であり、
    Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、
    Rは、それぞれ独立して、−R、−OR、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)[ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、または−(RO)x−R基、−(OSiR )x−OR(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)であり、
    nは2以上の整数である]であり、
    mは、Mの価数である}
    で示される有機プロトン酸又はその塩の存在下で、置換又は未置換アニリンを化学酸化重合させて、有機溶剤に可溶の(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を得る工程、及び
    (ii)実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、該(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に、(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加する工程
    を含むことを特徴とする導電性ポリアニリン組成物の製造方法。
  12. 式(I)で示される有機プロトン酸又はその塩が、下記式(II)
    M(XCR(CR COOR)COOR (II)
    {式中、
    Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、
    Xは、酸性基であり、
    及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)であり、
    及びRは、それぞれ独立して炭化水素基又は−(RO)−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]であり、
    pは、Mの価数である}
    で示される有機プロトン酸又はその塩である、請求項11に記載の導電性ポリアニリン組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を成形してなる導電性成形体。
  14. 固有伝導率が、少なくとも50S/cm以上である請求項13記載の導電性成形体。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を、基材に塗布してなる表面導電性物品。
  16. 固有表面抵抗値が、少なくとも10Ω以下である請求項15記載の表面導電性物品。
  17. 450nmの光線透過率が70%以上である請求項16記載の表面透明導電性物品。
  18. 請求項1〜10のいずれかに記載の導電性ポリアニリン組成物を、基材に塗布して成形することを特徴とする表面導電性物品の製造方法。
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