JP2007073498A - 導電性積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性や低表面抵抗率を損なうことなく、導電層のひび割れや脱落を抑制した導電性積層体を提供する。
【解決手段】無機導電層3を有する導電性基材10と、導電層3上に導電性高分子化合物層4とを有する導電性積層体1。導電性高分子化合物層4は、有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物、を含む導電性ポリアニリン組成物を、製膜した層であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性積層体に関する。さらに詳しくは、導電層(透明電極)上に導電性高分子化合物から形成される層を有する導電性積層体に関する。
ガラスや樹脂からなる透明基材上に、導電層を形成した導電性積層体は、タッチパネルやLCD(液晶ディスプレイ)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、太陽電池等の透明電極基板として使用されている。
導電性積層体において、導電層にはインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛、酸化錫等の無機酸化物が一般的に使用されている。
しかしながら、無機酸化物を導電層とする導電性積層体では、屈曲等によって、導電層のひび割れや脱落が生じる場合がある。
また、基材と導電層の屈折率が異なるため、基材単体と比較した場合に積層体表面の反射率が高くなり、表示面の視認性が低下したり、透明性が低下して、表示面の輝度が低下するという問題があった。
さらに、タッチパネルで使用した場合、基材と導電層の屈折率差により表示光が屈折するため、表示対象の位置が実際に表示されている位置と視認される位置とで異なる(視野位置精度が低い)ことがあり、不具合が生じる場合があった。
導電層の保護を目的とした技術として、例えば、導電層上に酸化ケイ素膜を形成した透明導電性積層体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術より、導電層の耐アルカリ性及び耐湿性を改善できることが示されている。
しかしながら、導電層上に無機膜である酸化ケイ素膜を形成していることから、導電層のひび割れや脱落の抑制には効果が期待できない。
導電層の保護を目的とした他の技術として、高分子シートからなる基材に金属系透明導電性薄膜を積層し、さらに導電性有機物を積層した複合透明導電性基材が開示されている(特許文献2)。特許文献2においては、導電性有機物として、ポリチオフェン、ポリアニリン等の導電性高分子が例示されている。そして、実施例においては、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスルホン酸からなる導電性高分子水溶液をITO面にコーティングしている。しかし、この水溶液は、実際には、ポリチオフェンの水分散体であるため、形成された膜の緻密性が低く、微小な欠陥が存在する可能性がある。この場合、この欠陥を通して導電層が外部環境に曝され、十分な保護が達成されない可能性がある。
特許文献2においては、有機溶媒に可溶な導電性ポリアニリンの記載はないが、このようなポリマー組成物が特許文献3に開示されている。特許文献3には、水と混和しない有機溶媒に溶解している導電性ポリアニリン組成物が開示されている。しかし、特許文献3には、無機導電層を有する導電性基材との組み合わせについての開示や示唆はない。
さらに、従来、ITOに代表される無機導電層がパターニングされている導電性積層体を製造するためには、レジスト材によるITO層上へのパターンの形成、エッチング、レジスト材剥離の工程を経る。レジスト材剥離の工程が必要なのは、通常レジスト材は絶縁体であるため剥離しなければ導電回路のような導電材料として使用できないためである。このように工程が複雑で生産性が低く、コストが高かった。またレジスト材によるパターニングにおいても、無機導電層をマスキングし、さらにレジスト材を真空蒸着するという煩雑な工程が必要であった。
特許文献2には、金属系透明導電性膜上に導電性有機物を積層した場合におけるパターン状の導電体についての記載がある。しかし、上記したように、積層して形成された導電性有機物層に欠陥があるようでは、実用に耐える複合透明導電性基材が実現できたとはいえない。
特開2004−126708号公報 特開2005−19056号公報 国際公開第2005/052058号パンフレット
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、透明性や低表面抵抗率を損なうことなく、導電層のひび割れや脱落を抑制した導電性積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、無機酸化物からなる導電層上に、透明で高伝導性の導電性高分子化合物層を、保護膜、あるいは表面の諸特性改質膜として形成することによって、導電性積層体の透明性や低表面抵抗率を損なうことなく、表面の光学的特性や、導電層のひび割れ、脱落を抑制する等の力学的特性の改善ができることを見出した。さらに、本発明者らは、有機溶剤に可溶な導電性高分子を無機導電層にパターン印刷し、エッチングしてパターン形成することにより、簡便な工程でパターニングされた導電性積層体を製造できることを見出した。本発明者らは、これらの知見により本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の導電性積層体が提供される。
1.無機導電層を有する導電性基材と、前記導電層上に導電性高分子化合物層とを有する導電性積層体。
2.前記導電性高分子化合物層が、有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物、を含む導電性ポリアニリン組成物を、製膜した層である1記載の導電性積層体。
3.前記ポリアニリン組成物が、バインダー樹脂及び/又は硬化性樹脂モノマーを含有する2記載の導電性積層体。
4.前記無機導電層と前記導電性高分子化合物層が同一の形状にパターニングされている1〜3のいずれか記載の導電性積層体。
本発明の導電性積層体では、透明性が高く低表面抵抗率であり、かつ導電層のひび割れや脱落を抑制できる。
以下、本発明の導電性積層体を具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である導電性積層体の概略断面図である。
導電性積層体1は、基材2及び導電層3からなる導電性基材10と、導電層3上に形成した導電性高分子化合物層4からなる。
基材としては、ガラスやシリコン、ポリエステル、ナイロン、ポリサルフォン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、環状オレフィン重合体等の樹脂フィルム又はシートが使用できる。
導電層を形成する導電体としては、ITO、IZO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等の無機酸化物や銅、アルミ、鉄、白金、金、鉛等の金属が使用できる。
基材上に導電層を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の、公知の技術が制限なく採用できる。
また、上記基材に導電層が形成された状態で市販されているものを使用してもよい。
基材及び導電層の厚さは、用途に応じて適宜調整すればよい。一般的には、基材の厚さは1μm〜1cm、導電層の厚さは1nm〜10μmである。導電層の厚さが1nm未満では、導電性が不足する場合があり、10μmを超えると、着色が強くなり、透明性を必要とする用途への使用に支障をきたす恐れがある。
尚、基材と導電層の密着性を向上するため、基材に対して、加熱処理、コロナ処理、プラズマ処理、UVオゾン処理等の処理を行ってもよい。また、接着層(プライマー層)を形成してもよい。
本発明では、上記の導電層上に導電性高分子化合物層を形成する。
導電性高分子化合物としては、溶剤や水に可溶であるポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリピロール類又はポリアニリン類等が使用できる。溶剤や水に可溶な導電性高分子化合物を用いることで、透明性、低表面抵抗率、導電層のひび割れや脱落の抑制に寄与する、表面平滑性に優れた緻密な膜を形成することができる。
本発明においては、特に、有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物を含む導電性ポリアニリン組成物を、製膜して得られる導電性高分子化合物層が好ましい。この組成物を製膜した導電性高分子化合物層は、透明性及び導電性が高いため、導電性積層体の性能低下を抑制できる。また、導電層表面に導電性高分子層を形成することによって、導電層の表面性状を改善できるため、界面屈折率の低下、表面反射率の低下及び視野位置精度の向上が達成できる。さらに、緻密な膜が形成されるため、導電層の保護という点においても優れる。
以下、この導電性ポリアニリン組成物について説明する。
導電性ポリアニリン組成物は、
(i)実質的に水と混和しない有機溶剤中、下記式(I)
M(XAR (I)
{式中、Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基であり、Xは、酸性基であり、Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)[ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、又は−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR基(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)である]であり、
nは2以上の整数であり、mは、Mの価数である}
で示される有機プロトン酸又はその塩の存在下で、置換又は未置換アニリンを化学酸化重合させて、有機溶剤に可溶の(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体を得る工程、及び
(ii)実質的に水と混和しない有機溶剤に溶解している、該(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に、(b)フェノール性水酸基を有する化合物を添加する工程、を含む製造方法で製造することが、高導電性で溶解性に優れる組成物が得られる点で好ましい。
組成物に用いる上記(b)フェノール性水酸基を有する化合物(以下、(b)フェノール類化合物という)は、特に限定されず、一般式ArOH(ここで、Arはアリール基又は置換アリール基である)で示される化合物である。具体的には、フェノール、o−,m−若しくはp−クレゾール、o−,m−若しくはp−エチルフェノール、o−,m−若しくはp−プロピルフェノール、o−,m−若しくはp−ブチルフェノール、o−,m−若しくはp−クロロフェノール、サリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフタレン等の置換フェノール類;カテコール、レゾルシノール等の多価フェノール化合物;及びフェノール樹脂、ポリフェノール、ポリ(ヒドロキシスチレン)等の高分子化合物等を例示することができる。
尚、組成物において、(b)フェノール類化合物は、溶媒ではなく、ドーパントとして存在しているため、高い電気伝導率が発現する。
組成物における(b)フェノール類化合物の添加量は、上記(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体に対して、通常0.01〜1000質量%、好ましくは0.5〜500質量%の範囲である。この範囲で特に優れた導電性が得られる。
また、組成物全体では(b)フェノール性水酸基を有する化合物のモル数濃度が、0.01mol/L〜5mol/Lの範囲であることが好ましい。この化合物の添加量が少なすぎると、電気伝導率の改善効果が得られないおそれがある。また、多すぎる場合にも、組成物の均一性が損なわれたり、揮発成分を除去する際に多大な熱や時間等の労力を必要とし、結果として、透明性や電気特性が損なわれた材料となるおそれがある。
組成物に用いる上記(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体(以下、(a)ポリアニリン複合体という)としては、置換又は未置換ポリアニリン(以下、単にポリアニリンという)が、下記式(I)
M(XAR (I)
で示される有機プロトン酸又はその塩(以下、有機プロトン酸(I)又はその塩という)によってプロトネーションされてなるものが、導電性及び溶解性の点で好ましい。
置換ポリアニリンの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシル基、アリーロキシ基、CF基等の含ハロゲン炭化水素基等が挙げられる。
置換又は未置換ポリアニリンの重量平均分子量は、10,000g/mol以上の高分子量体であることが好ましい。これにより組成物から得られる導電性高分子化合物層の強度や延伸性を向上することができる。重量平均分子量の上限値は特に存在せず、重量平均分子量が数百万g/mol程度のポリアニリンも製造可能である。溶解性の観点からは、重量平均分子量は10,000,000程度以下であることが好ましい。
尚、ポリアニリンの分子量は、ゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)により測定したものである。
上記式(I)において、Mは、水素原子又は有機若しくは無機遊離基である。有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられ、無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セリウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基であり、例えば、−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基等が挙げられる。これらの中では、酸性度が高く、ドープし易い点で、−SO 基が好ましい。
Aは、置換基を含んでもよい炭化水素基であり、例えば、Rで置換されている、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキルやアルケニル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メンチル等の置換基を含んでいてもよいシクロアルキル基;ビシクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチル等の縮合していてもよいジシクロアルキル基若しくはポリシクロアルキル基;フェニル、トシル、チオフェニル、ピローリニル、ピリジニル、フラニル等の置換基を含んでいてもよい芳香環を含むアリール基;ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、キノリニル、インドニル等の縮合していてもよいジアリール基若しくはポリアリール基;アルキルアリール基等が挙げられる。
Rは、それぞれ独立して、−R、−OR1、−COR、−COOR、−CO(COR)、―CO(COOR)である。ここで、Rは炭素数が4以上の置換基を含んでもよい炭化水素基、シリル基、アルキルシリル基、又は−(R2O)x−R基、−(OSiR )x−OR基(Rはアルキレン基、Rはそれぞれ同一でも異なってもいてもよい炭化水素基であり、xは1以上の整数である)である。Rが炭化水素基である場合の例としては、直鎖若しくは分岐のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。
nは2以上の整数であり、mは、Mの価数である。
式(I)で示される化合物としては、ジアルキルベンゼンスルフォン酸、ジアルキルナフタレンスルフォン酸、スルホフタール酸エステル、下式(II)で表される化合物が、ドープし易い点で好ましく利用できる。
M(XCR(CR COOR)COOR (II)
上記式(II)において、Mは、式(I)の場合と同様に水素原子又は有機若しくは無機遊離基である。有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基等が挙げられ、無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セリウム、アンモニウム等が挙げられる。
Xは、酸性基であり、例えば、−SO 基、−PO 2−基、−PO(OH)基、−OPO 2−基、−OPO(OH)基、−COO基等が挙げられ、−SO 基が好ましい。
及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭化水素基又はR Si−基(ここで、Rは、炭化水素基であり、3つのRは同一又は異なっていてもよい)である。R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。これらの中では、有機溶剤に溶解しやすいポリアニリン複合体を得るという観点から炭素数4以上のものが好ましい。Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRの場合と同様である。
及びRは、それぞれ独立して炭化水素基又は−(RO)−R10基[ここで、Rは炭化水素基又はシリレン基であり、R10は水素原子、炭化水素基又はR11 Si−(R11は、炭化水素基であり、3つのR11は同一又は異なっていてもよい)であり、qは1以上の整数である]である。R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられ、R及びRが炭化水素基である場合の炭化水素基の具体例としては、例えば、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
及びRにおける、Rが炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキレン基、芳香環を含むアリーレン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基等である。また、R及びRにおける、R10及びR11が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRの場合と同様であり、qは、1〜10であることが好ましい。
及びRが−(RO)−R10基である場合の具体例としては、例えば、
Figure 2007073498
(式中、Xは−SO基等である)で示される基が挙げられる。
pは、上記Mの価数である。
上記有機プロトン酸(II)又はその塩は、下記式(III)で示されるスルホコハク酸誘導体(以下、スルホコハク酸誘導体(III)という)であることが、導電性及び溶解性の点でさらに好ましい。
M(OSCH(CHCOOR12)COOR13 (III)
上記式(III)において、M及びmは、上記式(I)と同様である。
12及びR13は、それぞれ独立して炭化水素基又は−(R14O)−R15基[ここで、R14は炭化水素基又はシリレン基であり、R15は水素原子、炭化水素基又はR16 Si−基(ここで、R16は炭化水素基であり、3つのR16は同一又は異なっていてもよい)であり、rは1以上の整数である]である。
12及びR13が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRと同様である。
12及びR13において、R14が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記Rと同様である。また、R12及びR13において、R15及びR16が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R及びRと同様である。
rは、1〜10であることが好ましい。
12及びR13が−(R14O)−R15基である場合の具体例としては、R及びRにおける−(RO)−R10と同様である。
12及びR13が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、R及びRと同様であり、有機溶剤に溶解しやすいポリアニリン複合体を得るという観点から、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が好ましく挙げられる。
上記有機プロトン酸(I)又はその塩は、ポリアニリンをプロトネーションする機能を有し、(a)ポリアニリン複合体中においては、ドーパント(カウンターアニオン)として存在している。即ち、組成物においては、上記有機プロトン酸(I)又はその塩、及び上記(b)フェノール類化合物の2種類の化合物がドーパントとして機能する。上記有機プロトン酸(I)又はその塩は、組成物中では、陰イオンとして存在していると考えられる。
(a)ポリアニリン複合体において、ポリアニリンと有機プロトン酸(I)又はその塩との組成比については特に限定されないが、ポリアニリンのモノマーユニット/有機プロトン酸(I)又はその塩のモル比は、通常0.1〜2、好ましくは0.1〜0.7である。有機プロトン酸(I)又はその塩の割合が少なすぎると、電気伝導率が高くならない。また、多すぎる場合にも、成形品の電気特性を支配するポリアニリンの割合が少なくなり電気伝導率は低下する。プロトン酸の分子量により、重量組成比は変化するが、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体中に、置換又は未置換ポリアニリンを20重量%〜70重量%を含む複合体である場合に、高い電気特性を示すので好ましい。
本発明で用いる有機プロトン酸(I)又はその塩は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、スルホフタール酸誘導体又は、スルホコハク酸誘導体と、所望のアルコールとの反応により、対応するスルホフタール酸エステル誘導体又は、コハク酸エステル誘導体を得ることができる。また、マレイン酸エステルを亜硫酸水素ナトリウム等でヒドロスルホニル化することによっても、対応するスルホコハク酸エステル誘導体を得ることも知られている。
有機プロトン酸(I)又はその塩は、市販のものを用いることもできる。市販品の例としては、例えば、エーロゾルOT(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム(Diisooctyl Sodium Sulfosuccinate);和光純薬工業社製)、リパール87OP(ライオン株式会社製)等が挙げられる。市販品では、純度の異なるものがあるが、必要に応じて選択して利用することができる。
組成物に用いる有機溶剤は、実質的に水と混和しない有機溶剤である(以下、水不混和性有機溶剤)。水不混和性有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;酢酸エチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。これらの中では、溶解性に優れる点でトルエン、キシレン、クロロホルム、トリクロロエタン、酢酸エチル等が好ましい。
本発明で用いる(a)ポリアニリン複合体の製造は、化学酸化重合法を用いて行うことが好ましい。
化学酸化重合に用いる溶媒としては、一般に、酸性水溶液や、親水性有機溶剤と酸性水溶液の混合溶媒が用いられる。(a)ポリアニリン複合体の製造においては、実質的に水と混和しない有機溶剤(水不混和性有機溶剤)、又は水不混和性有機溶剤と酸性水溶液との混合溶媒系を利用することもでき、このような混合溶媒系を用いることが、後述するようにポリアニリン複合体の回収が容易となる点で好ましい。酸性水溶液は、例えば、水に塩酸等を加えて作製する。水不混和性有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の炭化水素系溶剤;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等の含ハロゲン系溶剤;酢酸エチル等のエステル系剤等が挙げられ、ポリアニリンの溶解性に優れるため、トルエン、キシレンが好ましい。
水不混和性有機溶剤と酸性水溶液との混合溶媒を使用する場合、アニリンを重合させる際に、上記混合溶媒中に上記有機プロトン酸(I)又はその塩を存在させておけば、重合反応によって生成した(a)ポリアニリン複合体は、水不混和性有機溶剤相に溶解した状態で得られる。水相を分離することで、速やかに水不混和性有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体を得ることができる。
尚、水不混和性有機溶剤と酸性水溶液との混合溶媒を使用し、有機プロトン酸(I)又はその塩の存在下に(a)ポリアニリン複合体を製造する場合、有機プロトン酸(I)又はその塩は界面活性剤としても機能する。
有機プロトン酸(I)又はその塩/重合されるアニリン又は置換アニリンの仕込みモル比率は、通常0.05〜1、好ましくは0.1〜0.5の範囲である。有機プロトン酸(I)又はその塩のモル比率が0.05より小さい場合は、重合の進行が遅くなり、結果的に電気伝導率の高い成形体が得られない。また、このモル比率が1より大きい場合は、重合後に水相との分離が困難になり、結果的に電気伝導率の高い導電性高分子化合物層が得られない場合がある。
化学酸化重合の開始剤としては、特に制限はないが、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過酸化物塩;二クロム酸アンモニウム、過塩素酸アンモニウム、硫酸カリウム鉄(III)、三塩化鉄(III)、二酸化マンガン、ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム等の無機化合物が利用でき、室温以下の温度で酸化能を有する化合物が好ましい。また、水不混和性有機溶剤と酸性水溶液との混合溶媒を使用した場合には、未反応の開始剤が有機相に混入するのを防止するため、水溶性の開始剤を使用することが好ましい。好ましい開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過塩素酸アンモニウム等が挙げられ、過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
重合条件については特に制限はないが、重合する際の温度は、−20〜30℃の範囲、好ましくは5℃以下である。30℃を超える温度下で重合すると、副反応が進行するので好ましくない。
尚、(a)ポリアニリン複合体を、水不混和性有機溶剤中での化学酸化重合によって製造した場合、得られた(a)ポリアニリン複合体は、重合に用いた水不混和性有機溶剤に溶解した状態のまま、(b)フェノール類化合物を添加してもよいし、有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体から有機溶剤を除去して、固体状の(a)ポリアニリン複合体とした後、再度、水不混和性有機溶剤に溶解した後、(b)フェノール類化合物を添加してもよい。この場合、重合に用いる水不混和性有機溶剤と、再度溶解するために用いる水不混和性有機溶剤は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
水不混和性有機溶剤と酸性水溶液中との混合溶媒を使用せずに、酸性水溶液中での化学酸化重合によって、本発明で用いる(a)ポリアニリン複合体を製造することもできる。このような方法は一般に広く知られているが、この場合、ポリアニリン又はポリアニリン複合体は水溶液から析出した状態で得られ、未反応のアニリンモノマーやオリゴマー、その他重合開始剤等の不純物を多く含むことになる。このため、析出したポリアニリン又はポリアニリン複合体を、アンモニアやヒドラジン等の塩基で還元し、エメラルディン塩基状態として精製する必要が有る。
また、化学酸化重合以外の方法で(a)ポリアニリン複合体を製造するには、一般的な電解重合法が利用できる。
組成物において、水不混和性有機溶剤中の(a)ポリアニリン複合体の割合は、水不混和性有機溶剤の種類によるが、通常、900g/L以下であり、好ましくは0.01〜300g/Lの範囲である。(a)ポリアニリン複合体の含有量が多すぎると、溶液状態が保持できなくなり、導電性高分子化合物層を形成させる際の取り扱いが困難になり、導電性高分子化合物層の均一性が損なわれ、ひいては導電性積層体の電気特性や機械的強度、透明性の低下を生じる場合がある。一方、ポリアニリン複合体の含有量が少な過ぎると、後述する方法により成膜したとき、非常に薄い膜しか製造できず、均一な導電性膜の製造が難しくなる恐れがある。
水不混和性有機溶剤に溶解している(a)ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール類化合物を含む組成物(導電性ポリアニリン組成物)を得るには、上記のようにして得られた水不混和性有機溶剤に溶解した状態で得られる(a)ポリアニリン複合体に、(b)フェノール類化合物を添加する。具体的には、(b)フェノール類化合物を、固体状態又は液状で加えても、水不混和性溶剤又は水混和性有機溶剤中に溶解又は懸濁した状態で添加してもよい。好ましくは、添加後も溶解した状態になるように適切な溶剤添加法を選択する。
組成物には、目的に応じて他の樹脂材料、無機材料、硬化剤、可塑剤等のその他の配合剤を添加してもよい。
他の樹脂材料は、例えば、バインダー基材や可塑剤、マトリックス基材等の目的で添加され、バインダー樹脂及び/又は硬化性樹脂モノマーが例示される。バインダー樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。硬化性樹脂モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸エステル類、エポキシ類、フェノール類、イミド類等が挙げられる。組成物が他の樹脂材料を含む場合には、組成物は導電性複合材料となる。硬化性樹脂モノマーは、熱、紫外線又は電子線により硬化させることができる。
無機材料は、例えば、強度、表面硬度、寸法安定性その他の機械的物性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、チタニア(酸化チタン)、アルミナ(酸化アルミニウム)等が挙げられる。
硬化剤は、例えば、強度、表面硬度、寸法安定性その他の機械的物性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、フェノール樹脂等の熱硬化剤、アクリレート系モノマーと光重合性開始剤による光硬化剤等が挙げられる。
可塑剤は、例えば、引張強度や曲げ強度等の機械的特性の向上等の目的で添加され、その具体例としては、例えば、フタル酸エステル類やリン酸エステル類等が挙げられる。
尚、本発明で用いるポリアニリン複合体の製造方法等については国際公開第2005/052058号パンフレットを参照できる。
導電性高分子化合物層は、上述した導電性高分子化合物を含む溶液や上記液状の組成物を、導電層上に塗布した後、溶剤を除去することによって形成できる。
溶剤を除去するには、加熱して有機溶剤を揮発させればよい。溶剤を揮発させる方法としては、例えば、空気気流下250℃以下、好ましくは50〜200℃の温度で加熱し、さらに、必要に応じて、減圧下に加熱する。尚、加熱温度及び加熱時間は、特に制限されず、用いる材料に応じて適宜選択すればよい。
上述した導電性高分子化合物を含む溶液や上記液状の組成物を導電層に塗布する方法としては、キャスト法、スプレー法、ディップコート法、ドクターブレード法、バーコード法、スピンコート法、スクリーン印刷、グラビア印刷法等、公知の一般的な方法を用いることができる。
導電層の膜厚は、1nm〜10μmが好ましく、10nm〜1μmが特に好ましい。この範囲であれば、無機導電層の高い導電性や高い透明性等を損なうことなく、表面の低い表面抵抗値、光学特性及び力学的特性を獲得することができる。
上記の方法で上記の溶液や液状の組成物を導電層に塗布するとき、これらを所望のパターンで塗布し乾燥することによりパターン化した導電性高分子化合物層が形成される。このパターン化した導電性高分子化合物層により導電層を保護しながら、酸等のエッチングで導電層をパターン化することができる。導電層は組成物等を塗布した部分が残り、回路形成等が可能となる。さらに、高分子化合物層は、従来のレジスト材と異なり導電性を有するので、高分子化合物層を剥離することなくそのまま使用できる。このように、導電性高分子化合物層をレジスト材として使用でき、かつ、その後にレジスト剥離工程なしに導電回路等に使用できるので、工程が簡便化する。
本発明の導電性積層体に使用する導電性ポリアニリン組成物等は溶剤に可溶(導電層上へのコーティング可能)なので、簡便なパターン印刷等でパターンが形成でき、さらに、高分子化合物層は導電性と耐エッチング性を併せ持つので、レジスト材として用いることができしかも剥離工程が不要である。
本発明の導電性積層体は、好ましくは全光線透過率は70%以上、より好ましくは84%以上である。全光線は波長が350〜800nmの光線である。また、450nmの光線透過率は70%以上であることが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。
製造例
(1)導電性ポリアニリン複合体の製造
和光純薬工業社製エーロゾルOT(ジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム、純度75%以上)144gをトルエン4Lに攪拌溶解し、窒素気流下においた30Lのガラス反応器(機械式攪拌器、ジャケット、温度計、滴下ロート付)に、溶液を入れ、さらにこの溶液に、150gの原料アニリンを加え、攪拌溶解した。
冷媒によるフラスコの攪拌冷却を開始し、1N塩酸12Lを溶液に添加した。
次に溶液温度が−3℃に冷却された状態で、214gの過硫酸アンモニウムを1N塩酸4Lに溶解した溶液を滴下ロートで滴下し、3時間10分で完了した。滴下開始から18時間30分の間、溶液内温を0℃±1℃に保ったまま攪拌を行った。その後、トルエン8Lを加え、溶液温度を19℃に上昇させ、静置した。
静置により二相に分離した水相(下相)を反応器下部から抜き出し、粗ポリアニリン複合体トルエン溶液を得た。
さらに、この複合体溶液にイオン交換水4Lを加え攪拌した後、静置し、水相を分離した。この操作を再度行った後、1N塩酸水溶液4Lで同様に複合体溶液を洗浄し、静置後、酸性水溶液を分離して、ポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収した。
この複合体溶液に含まれる若干の不溶物を#5Cの濾紙により除去し、トルエンに可溶なポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収した。この溶液をエバポレーターに移し、60℃の湯浴で加温し、減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、208gのポリアニリン複合体を得た。
本ポリアニリン複合体から、揮発分を実質的に取り除いた場合の元素分析について以下に示す。
炭素:61.70重量%、水素:8.20重量%、窒素:3.90重量%、硫黄:5.50重量%、塩素:0.12重量%
アニリン原料に基づく窒素重量%とスルホコハク酸エステルに基づく硫黄重量%の比率から、本複合体中のアニリンモノマーユニット/スルホコハク酸エステルのモル分率は、0.62である。
(2)導電性ポリアニリン組成物の製造
上記(1)で得た、導電性ポリアニリン複合体1gを18mlのトルエンに再度溶解し、均一な導電性ポリアニリン複合体溶液を調製し、さらに、m−クレゾール2mlを添加して、導電性ポリアニリン組成物を得た。
実施例1
製造例で得た導電性ポリアニリン組成物1mlにトルエン99mlを加え、導電性ポリアニリン組成物0.5g/Lを調製した。この後、この組成物約2mlをA5サイズ、厚さ125μmの導電性基材(ITO/ポリエチレンテレフタレートフィルム、尾池工業社製、KB300N−125)のITO層面に展開し、#0のバーによりバーコートを行い、75℃の空気気流下、60秒乾燥することにより、導電性積層体を得た。尚、導電性基材においては、表面抵抗率が280Ω/□となるように、ITO層が形成されている。また、得られた導電性積層体の断面をTEM(透過電子顕微鏡)で観察した結果、導電性ポリアニリン組成物層の厚みは0.1μmであった。
この導電性積層体の全光線透過率は87.3%(基材のみの透過率は87.6%)、固有表面抵抗率は310Ω/□(基材の表面抵抗率は280Ω/□)であり、ほぼ基材と同じであった。また、光沢度は179%(基材の光沢度は、183%)となり、表面光沢度が抑えられ、表示面の視認性が向上することが確認できた。
尚、評価方法について、以下に示す。
(1)全光線透過率の測定方法
タングステンランプ7027を光源とするヘイズメータ(日本電色工業社製:形式NDH(光学部)、300A(計測部))を用いて、JIS K7105規格に準拠して、全光線透過率を測定した。
(2)固有表面抵抗率の測定方法
ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて、JIS K7194の5点測定法により測定した。
(3)光沢度
光沢計GM−60(コニカミノルタセンシング社製、JIS Z8741準拠)を用いて測定した。測定角度は60°である。
実施例2
製造例で得た導電性ポリアニリン組成物7.5ml(導電性ポリアニリン37.5mg)とラックスキン(セイコー化成製、ポリアクリル酸エステル系バインダー)12.5mgを加え、全量が50mlとなるようにトルエンを加え、10g/Lの導電性ポリアニリン組成物を調製した(導電性ポリアニリンとラックスキンの重量比は、75/25)。
この後、この組成物約2mlをA5サイズ、厚さ125μmの導電性基材(ITO/ポリエチレンテレフタレートフィルム、尾池工業社製、KB300N−125)のITO層面に展開し、#0のバーによりバーコートを行い、75℃の空気気流下、60秒乾燥することにより、導電性積層体を得た。実施例2においては、ITO層と導電性ポリアニリン組成物層との密着性向上、及び導電性ポリアニリン組成物層の機械的強度の向上を目的として、ポリアクリル酸エステル系バインダーを添加した。また、得られた導電性積層体の断面をTEM(透過電子顕微鏡)で観察した結果、導電性ポリアニリン組成物層の厚みは0.1μmであった。
この導電性積層体フィルムの全光線透過率は84.4%(基材のみの透過率は87.6%)、固有表面抵抗率は470Ω/□(基材の表面抵抗率は280Ω/□)と、ほぼ基材と同じであった。光沢度が、180%(基材の光沢度は、183%)となり、表面光沢度が抑えられ、表示面の視認性が向上することが確認できた。
実施例3
製造例で得た導電性ポリアニリン組成物10mlにトルエン15mlを加え、2g/100mlの導電性ポリアニリン組成物を調製した。一方で、ITO/ポリエチレンテレフタレートフィルム(尾池工業社製、KB300N−125)を3cm×3cmに切り出し、さらにITO面の半分を市販の粘着テープで覆った。このフィルム断片を、先のポリアニリン組成物溶液に浸漬し、フィルム表面にポリアニリン組成物溶液を塗布した。これを室温で1時間、さらに80℃で1分、乾燥した後、粘着テープを剥離して、導電性ポリアニリン組成物でパターニングしたITO/ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このパターニングしたフィルムの断面をTEM(透過電子顕微鏡)で観察した結果、導電性ポリアニリン組成物層の厚みは0.15μmであった。
上記で得られたフィルムを1N塩酸水溶液で、室温下、30秒間浸漬してITO表面をエッチングした。
この後、ポリアニリンでパターニングされた箇所と、パターニングされていない箇所の、それぞれの固有表面抵抗率を、ロレスタGP(三菱化学社製;4探針法による抵抗率計)を用いてJIS K7194の5点法に従って測定した。その結果、ポリアニリンでパターニングされた箇所では460Ω/□の値が得られたのに対し、パターニングされていない箇所では、絶縁体となり抵抗値が測定できなかった。
またこのフィルムの断面を、透過電子顕微鏡にて10万倍で観察したところ、ポリアニリンでパターニングされた箇所の断面では、ポリアニリン層、ITO層が確認された。
これらの事実から、ポリアニリンにてITO面がパターニング可能であること、酸エッチング時にレジスト材として使用可能なこと、ポリアニリンでパターン形成した場合、酸エッチング後も十分な導電性を有しており、剥離工程なしで導電回路等に使用可能であることが分かった。
本発明の導電性積層体は、タッチパネルや液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、太陽電池等の透明電極基板として使用できる。
本発明の一実施形態である導電性積層体の概略断面図である。
符号の説明
1 導電性積層体
2 基材
3 導電層
4 導電性高分子化合物層
10 導電性基材

Claims (4)

  1. 無機導電層を有する導電性基材と、
    前記導電層上に導電性高分子化合物層とを有する導電性積層体。
  2. 前記導電性高分子化合物層が、有機溶剤に溶解している、(a)プロトネーションされた置換又は未置換ポリアニリン複合体、及び(b)フェノール性水酸基を有する化合物、を含む導電性ポリアニリン組成物を、製膜した層である請求項1記載の導電性積層体。
  3. 前記ポリアニリン組成物が、バインダー樹脂及び/又は硬化性樹脂モノマーを含有する請求項2記載の導電性積層体。
  4. 前記無機導電層と前記導電性高分子化合物層が同一の形状にパターニングされている請求項1〜3のいずれか記載の導電性積層体。
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