JP2012062462A - ポリアニリン導電性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリン、(2)フェノール性化合物、(3)含酸素有機溶剤及び(4)酸性基又はその塩を有する高分子化合物を含む導電性組成物であって、プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンの塩素含有量が、0.6重量%以下であり、プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンが、有機スルホン酸又はその塩でプロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンである。
【選択図】なし
Description
導電性高分子の一種であるポリアニリンは、その電気的な特性に加え、安価なアニリンから比較的簡便に合成でき、且つ導電性を示す状態で酸素等に対して優れた安定性を示すという利点及び特性を有する。また、特許文献1に記載の方法によって簡便に高い導電性のポリアニリンを得ることができる。
しかし、特許文献1に記載の導電性ポリアニリン組成物は、得られる成形品の耐熱性が必ずしも高いとは言えず、125℃の不活性ガス中に10日間放置すると、抵抗値は初期の40倍程度に上昇する。
1.(1)プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリン
(2)フェノール性化合物
(3)含酸素有機溶剤
(4)酸性基又はその塩を有する高分子化合物
を含む導電性組成物。
2.前記プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンの塩素含有量が、0.6重量%以下である1に記載の導電性組成物。
3.前記プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンが、有機スルホン酸又はその塩でプロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンである1又は2に記載の導電性組成物。
4.前記有機スルホン酸又はその塩がスルホコハク酸誘導体である3に記載の導電性組成物。
5.前記有機スルホン酸又はその塩が、下記式(III)で表される3又は4に記載の導電性組成物。
6.前記(4)高分子化合物が、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、カルボキシ基又は水酸基を有する高分子化合物である1〜5のいずれかに記載の導電性組成物。
7.前記(4)高分子化合物が、式(A)及び(B)から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、式(C)の繰り返し単位を含む高分子化合物である、1〜5のいずれかに記載の導電性組成物。
8.前記(4)高分子化合物の酸価が1mg/g以上である1〜7のいずれかに記載の導電性組成物。
9.前記(4)高分子化合物の重量平均分子量が2000以上200000以下である1〜8のいずれかに記載の導電性高分子。
10.前記含酸素有機溶剤が、炭素数1〜12のアルコールである1〜9のいずれかに記載の導電性組成物。
11.さらに低分子酸性化合物又はその塩を含む1〜10のいずれかに記載の導電性組成物。
12.前記低分子酸性化合物が、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基又はカルボキシ基を有する化合物である11に記載の導電性組成物。
13.前記低分子酸性化合物が、ナフタレンスルホン酸又はアルキルナフタレンスルホン酸である11又は12に記載の導電性組成物。
14.1〜13のいずれかに記載の導電性組成物を用いて製造されるコンデンサ。
15.1〜13のいずれかに記載の導電性組成物を用いて製造される導電性成形体。
16.1〜13のいずれかに記載の導電性組成物を、基材に塗布してなる表面導電性物品。
17.16に記載の表面導電性物品を用いて製造される導電性物品。
(1)プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリン
(2)フェノール性化合物
(3)含酸素有機溶剤
(4)酸性基又はその塩を有する高分子化合物
本発明の組成物は成分(4)を含むことにより得られる成形品の耐熱性が高くなる。
以下、各成分について説明する。
本発明の導電性組成物が含むプロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンは、置換又は非置換のポリアニリン分子にプロトン供与体がドープしてなる複合体(ポリアニリン複合体)である。
本明細書において、分子量と分子量分布はゲルパーミェションクロマトグラフィ(GPC)によりポリスチレン換算で測定する。
上記置換ポリアニリン分子の置換基としては、例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分岐の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基(−CF3基)等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
塩素原子を含まない酸の存在下で得られたポリアニリン分子は、ポリアニリン複合体の塩素含有量をより低くすることができる。
ポリアニリン複合体の塩素含有量は、0.6重量%以下が好ましい。より好ましくは0.1重量%以下であり、さらに好ましくは0.04重量%以下であり、最も好ましくは0.0001重量%以下である。
ポリアニリン複合体の塩素含有量が0.6重量%超の場合、ポリアニリン複合体と接触する金属部分が腐食するおそれがある。
上記塩素含有量は、燃焼−イオンクロマト法によって測定することができる。
上記プロトン供与体としては、例えばブレンステッド酸、又はそれらの塩が挙げられ、好ましくは有機酸、又はそれらの塩である。有機酸としては、例えば有機スルホン酸がある。
M(XARn)m (I)
式(I)のMは、水素原子、有機遊離基又は無機遊離基である。
上記有機遊離基としては、例えば、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、アニリニウム基が挙げられる。また、上記無機遊離基としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄が挙げられる。
式(I)のXは、アニオン基であり、例えば−SO3 −基、−PO3 2−基、−PO4(OH)−基、−OPO3 2−基、−OPO2(OH)−基、−COO−基が挙げられ、好ましくは−SO3 −基である。
上記炭化水素基は、鎖状若しくは環状の飽和脂肪族炭化水素基、鎖状若しくは環状の不飽和脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基である。
鎖状の飽和脂肪族炭化水素としては、直鎖若しくは分岐状のアルキル基が挙げられる。環状の飽和脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。ここで環状の飽和脂肪族炭化水素基は、複数の環状の飽和脂肪族炭化水素基が縮合していてもよい。例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基、縮合したアダマンチル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。鎖状の不飽和脂肪族炭化水素としては、直鎖若しくは分岐状のアルケニル基が挙げられる。
ここで、Aが置換の炭化水素基である場合の置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、シリル基又はエステル基である。
Aは、これら置換基の対応するn+1価の残基である。
R101の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、エイコサニル基等が挙げられる。これらの基は直鎖であっても分岐していてもよい。分岐のオクチル基として、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。また、当該炭化水素基の置換基は、例えばアルキル基、シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基又はエステル基である。R103の炭化水素基もR101と同様である。
式(I)のnは1以上の整数であり、式(I)のmは、Mの価数/Xの価数である。
上記エステル結合を2以上含有する化合物は、スルホフタール酸エステル、又は下式(II)で表される化合物がより好ましい。
R104及びR105が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられる。
R108の炭化水素基としては、R104及びR105の場合と同様である。
R106及びR107が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、炭素数1〜24、好ましくは炭素数4以上の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、芳香環を含むアリール基、アルキルアリール基等が挙げられ、R106及びR107が炭化水素基である場合の炭化水素基の具体例としては、例えば、直鎖又は分岐状のブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。分岐のオクチル基として、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
R112及びR113において、R114が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R109と同様である。また、R112及びR113において、R115及びR116が炭化水素基である場合の炭化水素基としては、上記R104及びR105と同様である。
rは、1〜10であることが好ましい。
R112及びR113の炭化水素基としては、R106及びR107と同様であり、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等が好ましい。
尚、ドープ率は(ポリアニリン分子にドープしているプロトン供与体のモル数)/(ポリアニリンのモノマーユニットのモル数)で定義される。例えば非置換ポリアニリンとプロトン供与体を含むポリアニリン複合体のドープ率が0.5であることは、ポリアニリンのモノマーユニット分子2個に対し、プロトン供与体が1個ドープしていることを意味する。
尚、ドープ率は、ポリアニリン複合体中のプロトン供与体とポリアニリン分子のモノマーユニットのモル数が測定できれば算出可能である。例えば、プロトン供与体が有機スルホン酸の場合、プロトン供与体由来の硫黄原子のモル数と、ポリアニリンのモノマーユニット由来の窒素原子のモル数を、有機元素分析法により定量し、これらの値の比を取ることでドープ率を算出できる。但し、ドープ率の算出方法は、当該手段に限定されない。
0.42≦S5/N5≦0.60 (5)
(式中、S5はポリアニリン複合体に含まれる硫黄原子のモル数の合計であり、N5はポリアニリン複合体に含まれる窒素原子のモル数の合計である。
尚、上記窒素原子及び硫黄原子のモル数は、例えば有機元素分析法により測定した値である。)
ここで「溶解している」とは、ポリアニリン複合体が組成物中に分子単位で均一に溶けていることを意味し、例えばポリアニリン複合体を組成物中に溶解し、遠心分離機にて遠心力(1000G、30分)をかけても、組成物中にポリアニリン複合体の濃度勾配が生じないことから確認できる。
溶解しているポリアニリン複合体を含む組成物は、成膜した際に、粒界がない均一なポリアニリン複合体の膜を得ることができる。
ポリアニリン複合体がリンを含む場合、リンの含有量は例えば10重量ppm以上5000重量ppm以下である。またリンの含有量は、例えば2000重量ppm以下、500重量ppm以下、250重量ppm以下である。
上記リンの含有量は、ICP発光分光分析法で測定することができる。
また、ポリアニリン複合体は、不純物として第12族元素(例えば亜鉛)を含まないことが好ましい。
また、「2つの液相を有する溶液」は、片方の液相が連続相であり、他方の液相が分散相である状態も含む。例えば「高極性溶媒の相」が連続相であり「低極性溶媒の相」が分散相である状態、及び「低極性溶媒の相」が連続相であり「高極性溶媒の相」が分散相である状態が含まれる。
上記ポリアニリン複合体の製造方法に用いる高極性溶媒としては、水が好ましく、低極性溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましい。
アニオン性乳化剤(陰イオン乳化剤)の具体例としては、脂肪酸、不均化ロジン石けん、高級アルコールエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、アルケニルコハク酸、ザルコシネート、及びそれらの塩が挙げられる。
カチオン性乳化剤(陽イオン乳化剤)の具体例としては、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩が挙げられる。
双性乳化剤(両イオン乳化剤)の具体例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アミノ酸型、アミンオキサイド型が挙げられる。
非イオン乳化剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレングリセロールボレート脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
アニオン性乳化剤としては、リン酸エステル構造を有するアニオン性乳化剤がさらに好ましい。また、非イオン乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル構造を有する非イオン乳化剤がさらに好ましい。
プロトン供与体の使用量が当該範囲より多い場合、重合終了後に例えば「高極性溶剤の相」と「低極性溶剤の相」を分離することができないおそれがある。
乳化剤の使用量が当該範囲より多い場合、重合終了後に「高極性溶剤の相」と「低極性溶剤の相」を分離することができないおそれがある。
これら酸化剤は単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
重合温度は通常−5〜60℃で、好ましくは−5〜40℃である。また、重合温度は重合反応の途中に変えてもよい。重合温度が当該範囲であることで、副反応を回避することができる。
プロトン供与体及び乳化剤をトルエンに溶解した溶液を、窒素等の不活性雰囲気の気流下においたセパラブルフラスコに入れ、さらにこの溶液に、置換又は非置換のアニリンを加える。その後、不純物として塩素を含まないリン酸を溶液に添加し、溶液温度を冷却する。
溶液内温を冷却した後、攪拌を行う。過硫酸アンモニウムをリン酸に溶解した溶液を、滴下ロートを用いて滴下し、反応させる。その後、溶液温度を上昇させ、反応を継続する。反応終了後、静置することで二相に分離した水相側を分液する。有機相側にトルエンを追加し、リン酸及びイオン交換水で洗浄を行うことでポリアニリン複合体(プロトネーションされたポリアニリン)トルエン溶液が得られる。
得られた複合体溶液に含まれる若干の不溶物を除去し、ポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収する。この溶液をエバポレーターに移し、加温及び減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、ポリアニリン複合体が得られる。
本発明の導電性組成物が含むフェノール性化合物は、フェノール性水酸基を有する化合物であれば特に限定されない。フェノール性水酸基を有する化合物とは、フェノール性水酸基を1つ有する化合物、フェノール性水酸基を複数有する化合物、及びフェノール性水酸基を1つ又は複数有する繰り返し単位から構成される高分子化合物である。
Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基である。)
Rは、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基である。)
Rは、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基である。)
アルケニル基としては、上述したアルキル基の分子内に不飽和結合を有する基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
アルキルアリール基、及びアリールアルキル基としては、上述したアルキル基とアリール基を組み合わせて得られる基等が挙げられる。
また、式(D)で表されるフェノール性化合物の具体例としては、1,6ナフタレンジオール、2,6ナフタレンジオール、2,7ナフタレンジオールが挙げられる。
フェノール性化合物の含有量が少なすぎる場合、電気伝導率の改善効果が得られないおそれがある。一方、フェノール性化合物の含有量が多すぎる場合、膜質が悪くなるおそれがある。また、揮発除去する際に多大な熱や時間等の労力を必要としコスト増となる。
含酸素有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、ベンジルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等の極性エーテル類、Nメチルピロリドン等の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。
成分(1)及びフェノール性化合物は、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、2−ペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコールに溶解する。アルコールは、トルエン等と異なり環境負荷低減の観点から好ましい。
これらの中で、炭素数1〜12のアルコールが好ましく、炭素数1〜6のアルコールがより好ましい。
酸性基又はその塩を有する高分子化合物とは、1分子中に繰り返し構造を有する化合物であって、かつそれら繰り返し構造のうち少なくとも1つが酸性基(又は他のイオンと塩を構成している基)を有することにより、1分子中に複数の酸性基(又は他のイオンと塩を構成している基)を有している化合物である。
高分子化合物が含む酸性基は、特に制限されないが、例えば、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、カルボキシ基、水酸基である。好ましくはカルボキシ基である。
また、高分子化合物の構造も特に制限されないが、例えば、ポリスチレン、ポリビニル、(メタ)アクリル系ポリマーである。成分(4)の重量平均分子量(上記ポリアニリンの重量平均分子量と同様、GPCによりポリスチレン換算で測定される)は、1000以上300000以下が好ましく、より好ましくは、2000以上200000以下である。
これらの高分子化合物は、本願の組成物を乾燥して薄膜等を形成した際に、ポリアニリンと共に固形成分を形成する。組成物中の高分子化合物の量を調整することにより、乾燥後の薄膜等の体積を調整することができる。
低分子酸性化合物又はその塩(低分子耐熱安定化剤)とは、酸性物質又は酸性物質の塩であり、酸性物質は有機酸(有機化合物の酸)、無機酸(無機化合物の酸)のいずれでもよい。また、本発明の導電性組成物は、複数の低分子耐熱安定化剤を含んでいてもよい。
上記アルキルスルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸が挙げられる。ここでのアルキル基は、好ましくは炭素数が1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基である。
上記芳香族スルホン酸としては、例えば、ベンゼン環を有するスルホン酸、ナフタレン骨格を有するスルホン酸、アントラセン骨格を有するスルホン酸、置換又は非置換のベンゼンスルホン酸、置換又は非置換のナフタレンスルホン酸及び置換又は非置換のアントラセンスルホン酸が挙げられ、好ましくはナフタレンスルホン酸である。具体例としては、ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸が挙げられる。
ここで置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アシル基からなる群から選択される置換基であり、1以上置換していてもよい。
上記アルキルカルボン酸としては、例えばウンデシレン酸、シクロヘキサンカルボン酸、2−エチルヘキサン酸が挙げられる。ここでアルキル基は好ましくは炭素数が1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基である。
上記置換若しくは非置換の芳香族カルボン酸としては、例えば、置換又は非置換のベンゼンカルボン酸及びナフタレンカルボン酸が挙げられる。ここで置換基は、例えば、スルホン酸基、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシル基からなる群から選択される置換基であり、1以上置換していてもよい。具体例としては、サリチル酸、安息香酸、ナフトエ酸、トリメシン酸が挙げられる。
上記アルキルリン酸又はアルキルホスホン酸としては、例えば、ドデシルリン酸、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)が挙げられる。ここでアルキル基は好ましくは炭素数が1〜18の直鎖又は分岐のアルキル基である。
上記芳香族リン酸及び芳香族ホスホン酸としては、置換又は非置換のベンゼンスルホン酸又はホスホン酸、及びナフタレンスルホン酸又はホスホン酸等が挙げられる。ここで置換基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、アシル基からなる群から選択される置換基であり、1以上置換していてもよい。例えば、フェニルホスホン酸が挙げられる。
本発明の組成物は、低分子耐熱安定化剤である酸性物質及び/又は酸性物質の塩を2つ以上含んでもよい。具体的には、本発明の組成物は、異なる複数の酸性物質及び/又は異なる複数の酸性物質の塩を含んでいてもよい。
組成物が低分子耐熱安定化剤として酸性物質及び前記酸性物質の塩を含む場合には、酸性物質及び酸性物質の塩のうち少なくとも1つがプロトン供与体と同一又は異なるスルホン酸又はスルホン酸の塩であることが好ましい。
0.01≦S2/N2≦0.5 (12)
0.01≦S3/N3≦0.5 (13)
0.01≦S4/N4≦0.5 (14)
(ここで、S2は組成物に含まれている全ての酸性物質の硫黄原子のモル数の合計であり、N2は組成物に含まれている全てのポリアニリン複合体の窒素原子のモル数の合計を意味し、S3は組成物に含まれている全ての酸性物質の塩の硫黄原子のモル数の合計であり、N3は組成物に含まれている全てのポリアニリン複合体の窒素原子のモル数の合計を意味し、S4は組成物に含まれている全ての酸性物質及び酸性物質の塩の硫黄原子のモル数の合計であり、N4は組成物に含まれている全てのポリアニリン複合体の窒素原子のモル数の合計を意味する。)
0.36≦S1/N1≦1.15 (11)
(ここで、S1は組成物に含まれる硫黄原子のモル数であり、N1は組成物に含まれる窒素原子のモル数を意味する。)
本発明の組成物が酸性物質の塩のみを含む場合、当該酸性物質の塩の酸性度が5.0以下であることが好ましい。酸性度の下限については、上記酸性物質と同様である。
本発明の組成物が酸性物質及び酸性物質の塩の両方を含む場合、当該酸性物質の酸性度が5.0以下及び酸性度が5.0以下の酸性物質の塩のうち、少なくとも1つを満たすことが好ましい。酸性度の下限については、上記と同様である。
具体的には、「TURBOMOLE Version 6.1」(COSMO logic社製)を用いて、基底関数にTZVPを用いて構造を最適化し、この構造を用いてCOSMO−RS法計算を「COSMO therm Version C2.1 Release 01.10」(COSMO logic社製)により行う。
ここで、「COSMO therm Version C2.1 Release 01.10」に25℃の水溶媒中との条件と、分子の化学式と、脱プロトンした分子の化学式と、を入力することで、pKaを算出することができる。
これら成分の他に、本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、無機材料、硬化剤、可塑剤等を含んでもよい。
他の樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコールが挙げられる。
また上記樹脂の代わりに、また樹脂と共に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、もしくはこれら熱硬化性樹脂を形成し得る前駆体を含んでもよい。
無機材料の具体例としては、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、チタニア(二酸化チタン)、アルミナ(酸化アルミニウム)、Sn含有In2O3(ITO)、Zn含有In2O3、In2O3の共置換化合物(4価元素及び2価元素が3価のInに置換した酸化物)、Sb含有SnO2(ATO)、ZnO、Al含有ZnO(AZO)、Ga含有ZnO(GZO)等が挙げられる。
可塑剤の具体例としては、例えば、フタル酸エステル類やリン酸エステル類が挙げられる。有機導電材料としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブのような炭素材料、あるいは、本発明で得られるポリアニリン以外の、導電性高分子等が挙げられる。
これら成分の混合方法には、均一な組成物が得られさえすれば何ら制約はないが、例えば成分(1)と成分(2)、成分(3)を混合し溶液を調製した後に、成分(4)を添加、溶解させて均一な導電性組成物を得る方法が挙げられる。
本発明のポリアニリン組成物から、成形体、導電性積層体(表面導電性物品)、導電性物品、導電性フィルムが得られる。
例えば本発明の組成物を乾燥し、溶剤を除去することによって成形体が得られる。当該成形体の形状は板状、棒状、フィルム状等どのような形状であってもよい。例えば、本発明の組成物を、所望の形状を有するガラスや樹脂フィルム、シート、不織布等の基材に塗布し、溶剤を除去することによって、導電性膜を有する導電性積層体を製造することができる。当該導電性積層体を真空成型や圧空成形等の公知の方法により所望の形状に加工することにより、導電性物品を製造することができる。成形の観点からは、基材は樹脂フィルム又はシート、不織布が好ましい。
自己支持型成形体とする場合には、好ましくは、組成物が上述した他の樹脂を含むようにすると、所望の機械的強度を有する成形体を得ることができる。
本発明の組成物からコンデンサが得られる。
当該コンデンサとしては、具体的には、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサが挙げられる。ここで電解コンデンサには、固体電解コンデンサが含まれる。
また、本発明の組成物からめっき下地剤又は防錆剤が得られる。
[プロネーションされたポリアニリン(ポリアニリン複合体)の製造]
エーロゾルOT(スルホコハク酸誘導体であるジイソオクチルスルホコハク酸ナトリウム、純度75%以上、和光純薬工業製)5.4g(12mmol)、フォスファノールFP120(東邦化学工業株式会社製)0.66g(0.8mmol)をトルエン100mLに攪拌溶解して調製した溶液を、窒素気流下に置いた30Lのガラス反応器(機械式攪拌器、ジャケット、温度計及び滴下ロート付)に入れた。この溶液に、3.7g(40mmol)の原料アニリンを加え、攪拌溶解した。冷媒によるフラスコの攪拌冷却を開始し、1Mリン酸300mLを溶液にさらに添加した。溶液温度を5℃に保持した状態で、7.3g(32mmol)の薬品過硫酸アンモニウムを1Mリン酸100mLに溶解した溶液を滴下ロートで滴下し、2時間で滴下を完了した。静置により二相に分離した水相(下相)を反応器下部から抜き出し、粗ポリアニリン複合体トルエン溶液を得た。
得られた複合体溶液にイオン交換水100mLを加え攪拌した後、静置して水相を分離し、この操作を再度行った。1Nリン酸水溶液100mLで同様に複合体溶液を洗浄し、静置後、酸性水溶液を分離して、ポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収した。この複合体溶液に含まれる若干の不溶物を#5Cの濾紙により除去し、ポリアニリン複合体のトルエン溶液を回収した。この溶液をエバポレーターに移し、60℃の湯浴で加温し、減圧することにより、揮発分を蒸発留去し、7gのポリアニリン複合体を得た。
炭素60.2重量%、水素:7.8重量%、窒素:4.6重量%、硫黄:5.0重量%
このポリアニリン複合体中のポリアニリン骨格の重量平均分子量をGPCにより測定したところ、114,000g/molであった。
また、この方法で調製したポリアニリン複合体の塩素含有量を有機物塩素分−電量滴定法により結果、塩素含有量が10重量ppm定量下限以下であることを確認した。従って、ポリアニリン複合体中の塩素含有量は、10重量ppm以下である。
[導電性ポリアニリン組成物の調製]
製造例1で得た導電性ポリアニリン複合体700mgをイソプロピルアルコール4.65g及びp−tert−アミルフェノール(東京化成工業)4.65gに再度溶解し、均一な導電性ポリアニリン複合体溶液を調製した。この複合体溶液にアルフォンUC3080(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、東亞合成株式会社製、酸価230mg/g、Mw=14000)300mg添加し、均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物約1mlを、窒素雰囲気下でITOでパターニングされた30mm×30mm角のガラス基板上に展開し、1000rpmで15秒間スピンコートした。これを窒素雰囲気下150℃で5分間乾燥し、ガラス基板上に透明で均質な薄膜を形成した。ロレスターGP(三菱化学社製;四探針法による抵抗率計)を用いて薄膜の抵抗を測定し、その値を初期値(R0)とした。
得られた導電性ポリアニリン組成物の薄膜をガラス基板のまま、窒素雰囲気、125℃の条件下で所定時間放置した。所定時間経過後に薄膜の温度を室温に戻してから初期値(R0)と同様にして抵抗の測定を行った。所定時間経過後の抵抗値(R)と初期値との比(R/R0)を算出し、薄膜の経時劣化(抵抗の上昇率)を評価した。結果を表1に示す。表内の値は所定時間経過後の抵抗値Rと初期値R0との比R/R0を示す。
アルフォンUC3080(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、東亞合成株式会社製、酸価230mg/g、Mw=14000)の添加量を500mgに変更した以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の添加量を100mgに変更した以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにアルフォンUC3910(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、東亞合成株式会社製、酸価200mg/g、Mw=8500)に変更した以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにアルフォンUC3920(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、東亞合成株式会社製、酸価240mg/g、Mw=15500)に変更した以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080を300mg添加する代わりに下記式のポリホスマーPE201の10%イソプロピルアルコール溶液(DAP株式会社製、酸価311mg/g、Mw=150000)を3g添加した以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
実施例1にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
実施例2にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例2と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
実施例3にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例3と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
実施例4にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例4と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
実施例5にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例5と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
実施例6にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例6と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにLC6560(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、35wt%溶液(溶媒:酢酸エチル)、東栄化成株式会社製、酸価2.2mg/g、Mw=80000)0.28gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにYB7003(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、38wt%溶液(溶媒:酢酸エチル)、東栄化成株式会社製、酸価2.4mg/g、Mw=50000)0.26gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにPB7050(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、38.5wt%溶液(溶媒:酢酸エチル(60%)IPA(40%))、東栄化成株式会社製、酸価2.5mg/g、Mw=80000)0.26gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにカルボキシ基を有するアクリル系ポリマーであるアニセットL1000(39.9wt%溶液(溶媒:メタノール)、大阪有機化学工業株式会社製、酸価5mg/g、Mw=80000)0.25gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにカルボキシ基を有するアクリル系ポリマーであるアニセットKB−100H(40.8wt%溶液(溶媒:メタノール)、大阪有機化学工業株式会社製、酸価8mg/g、Mw=60000)0.24gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにカルボキシ基を有するアクリル系ポリマーであるアニセットKB―100H未中和(54.8wt%溶液(溶媒:メタノール)、大阪有機化学工業株式会社製、酸価53mg/g、Mw=60000)0.18gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにカルボキシ基を有するアクリル系ポリマーであるアニセットNF―1000(40.0wt%溶液(溶媒:メタノール)、大阪有機化学工業株式会社製、酸価5mg/g、Mw=80000)0.25gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにカルボキシ基を有するアクリル系ポリマーであるアニセットHS―3000(30.1wt%溶液(溶媒:メタノール)、大阪有機化学工業株式会社製、酸価3mg/g、Mw=60000)0.33gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
アルフォンUC3080の代わりにNeocrylB−818(カルボキシ基を有するアクリル系ポリマー、楠本化成株式会社、酸価50mg/g、Mw=38000)1gを用いた以外は実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
実施例16にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例16と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
実施例17にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例17と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
実施例18にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例18と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
実施例19にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例19と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
実施例20にさらに2−ナフタレンスルホン酸一水和物(東京化成工業株式会社製)を47mg加えた以外は実施例20と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を得た。
アルフォンUC3080を添加しなかった他は、実施例1と同様にして均一な導電性ポリアニリン組成物を調製した。
得られた導電性ポリアニリン組成物を用いて、実施例1と同様にして薄膜を形成し、得られた薄膜を評価した。結果を表1に示す。
Claims (17)
- (1)プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリン
(2)フェノール性化合物
(3)含酸素有機溶剤
(4)酸性基又はその塩を有する高分子化合物
を含む導電性組成物。 - 前記プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンの塩素含有量が、0.6重量%以下である請求項1に記載の導電性組成物。
- 前記プロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンが、有機スルホン酸又はその塩でプロトネーションされた置換又は非置換ポリアニリンである請求項1又は2に記載の導電性組成物。
- 前記有機スルホン酸又はその塩がスルホコハク酸誘導体である請求項3に記載の導電性組成物。
- 前記(4)高分子化合物が、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、カルボキシ基又は水酸基を有する高分子化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性組成物。
- 前記(4)高分子化合物が、式(A)及び(B)から選択される少なくとも1種の繰り返し単位と、式(C)の繰り返し単位を含む高分子化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性組成物。
- 前記(4)高分子化合物の酸価が1mg/g以上である請求項1〜7のいずれかに記載の導電性組成物。
- 前記(4)高分子化合物の重量平均分子量が2000以上200000以下である請求項1〜8のいずれかに記載の導電性高分子。
- 前記含酸素有機溶剤が、炭素数1〜12のアルコールである請求項1〜9のいずれかに記載の導電性組成物。
- さらに低分子酸性化合物又はその塩を含む請求項1〜10のいずれかに記載の導電性組成物。
- 前記低分子酸性化合物が、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基又はカルボキシ基を有する化合物である請求項11に記載の導電性組成物。
- 前記低分子酸性化合物が、ナフタレンスルホン酸又はアルキルナフタレンスルホン酸である請求項11又は12に記載の導電性組成物。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の導電性組成物を用いて製造されるコンデンサ。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の導電性組成物を用いて製造される導電性成形体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の導電性組成物を、基材に塗布してなる表面導電性物品。
- 請求項16に記載の表面導電性物品を用いて製造される導電性物品。
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