JP4956890B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
膜−電極アッセンブリは、イオン交換膜からなる電解質膜11とこの電解質膜の一面に配置された触媒層12からなる電極(アノード、燃料極)14および電解質膜の他面に配置された触媒層15からなる電極(カソード、空気極)17とからなる。膜−電極アッセンブリとセパレータ18との間には、アノード側、カソード側にそれぞれ拡散層13、16が設けられる。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2 O
セル積層体のセル積層方向の一端にばね34が配置されるとともに首振り部35と調整ねじ36が設けられる。スタック23のモジュールは、ばね34のばね力でセル積層方向に定荷重が付与されて保持され、セル積層方向と直交する方向には、ばね力×まさつ係数をまさつ力として保持される。
モジュールをセル積層方向と直交する方向に、より一層確実に保持するために、モジュールをセル積層体の外側から外部拘束材で拘束することもある。
1.セル積層体の総質量Mに、セル積層方向と直交する方向に数G〜20G程度(Gは重力の加速度)の加速度αの衝撃がかかると、セル積層体の端部近傍には、Mα/2の剪断力がかかり、この剪断力がばね力×まさつ係数より大となると、セル積層体の端部近傍のモジュール間ですべりが生じて、スタックがばらけてしまう。
2.モジュールをセル積層体の外側から外部拘束材で保持すると、ばね力でMEAや拡散層などのセル構成部材がクリープした時の、スタック端部セルが外部拘束材に対してセル積層方向に移動した時に外部拘束材にひっかかり、セルが損傷するおそれがある。クリープ量を少なくするためにばね力を小さくすると、必要なセル間接触面圧を得ることができなくなる。
本発明が解決しようとする第2の課題は、(イ)セル積層方向と直交する方向の加速度の衝撃がかかった時のスタックのばらけと、(ロ)外部拘束材を設けた場合、セル構成部材のクリープによってセルが移動し、セル積層体の端部近傍でセルが外部拘束材にひっかかって生じるセルの損傷である。
本発明の第2の目的は、セル積層体にセル積層方向と直交する方向の加速度の衝撃がかかった時にセル積層体の端部近傍でモジュールがすべってスタックがばらけることを防止でき、かつ、外部拘束材を設けた場合でも、セル積層体の端部近傍でセルが外部拘束材にひっかかることがない燃料電池を提供することである。
(1) 単セルを複数積層した多セル集合体と該多セル集合体のセル積層方向両端に配置した端部セルとを含む多セルモジュールを、複数、セル積層方向に直列に積層して構成した燃料電池スタックと、
全多セルモジュールにわたってセル積層方向に延び、各多セルモジュールを、該各多セルモジュールの端部セルにてセル積層方向と直交する方向に拘束する拘束シャフトと、
を備え、
前記多セルモジュールの前記端部セルがセル積層方向と直交する方向に延長されて該端部セルに延長部が設けられ、該延長部にて多セルモジュールがセル積層方向と直交する方向に前記拘束シャフトにより拘束され、
前記端部セルが、発電をしないダミーセルであり、
前記端部セルが、前記多セル集合体のセルの形状とほぼ同じ形状の導電性のセパレータ部分と、中央に孔をもち枠状とされた前記延長部とを有し、前記セパレータ部分が前記延長部の前記中央の孔に嵌まり込む凸部を有する、燃料電池。 (2) 前記多セルモジュールの前記端部セルの前記延長部に孔を設け、該孔に拘束シャフトを挿通して多セルモジュールをセル積層方向と直交する方向に拘束した(1)記載の燃料電池。
(3) 前記拘束シャフトが燃料電池スタックの締結シャフトと共通のシャフトである(2)記載の燃料電池。
(4) 隣接する多セルモジュールの端部セル同士が、前記拘束シャフトとは別の連結部材により連結されている(1)記載の燃料電池。
(5) 前記連結部材がクリップである(4)記載の燃料電池。
(6) 前記連結部材がボルトまたはリベットである(4)記載の燃料電池。
(7) 前記連結部材が多セルモジュールの端部セルの延長部に形成された耳を隣接する多セルモジュールの端部セルの延長部を抱き込むように折り曲げたかしめ構造である(4)記載の燃料電池。
(8) 前記端部セルの孔と、該孔を挿通する前記拘束シャフトとは、絶縁部材により互いに電気的に絶縁される(2)記載の燃料電池。
(9) 前記絶縁部材が前記孔に固定されたブッシュである(8)記載の燃料電池。
(10) 前記ブッシュに該ブッシュの前記孔からの抜けを防止するつば部が設けられている(9)記載の燃料電池。
(11) 前記絶縁部材が前記拘束シャフトに支持された筒状部材である(8)記載の燃料電池。
(12) 前記多セルモジュールの前記端部セルをセル積層方向と直交する方向に延長して該端部セルに前記延長部を設け、前記多セルモジュールの両端の端部セルの前記延長部間に、該端部セルの前記延長部のセル積層方向の変形を抑制する変形抑制部材を設けた(1)記載の燃料電池。
(13) 前記変形抑制部材が弾性体からなる(12)記載の燃料電池。
また、各多セルモジュールにセル積層方向にかけるばね力は、Mα/2の剪断力に打ち勝つ摩擦力を生じさせるだけの力が必要でなく、接触抵抗を低くするために必要な力をかければよくなり、セル積層方向にかけるばね力を小さくすることができ、クリープ量も減少する。
また、スタックを複数の多セルモジュールに分割したため、MEAなどのクリープによるセル積層方向の変位量も、従来のようにスタック両端のセルに集中することなく、各多セルモジュールに分散され、各多セルモジュールのセルのセル積層方向の変位量が従来に比べて大幅に低減する。しかも、ばね力減少によるクリープ量も減少によって、各多セルモジュールのセルのセル積層方向の変位量も低減する。
また、多セルモジュールをセル積層体の外側から外部拘束部材で保持する構造をとらないので、多セルモジュールのセルが、熱膨張などにより変位したとしても、外部拘束部材にひっかかって割れたりすることがない。
また、多セルモジュールをセル積層体の外側から外部拘束部材で保持する構造をとらないので、外部拘束部材やモジュール枠が不要であり、燃料電池スタックをコンパクトかつ軽量にすることができる。軽量化によって高Gの横方向衝撃への対応にさらに有利となる。また、枠が廃止できることで、セルモニター等のセルへの取付けも容易になる。
また、多セルモジュールの端部セルをセル積層方向と直交する方向に延長して該端部セルに延長部を設け、該延長部にて多セルモジュールをセル積層方向と直交する方向に拘束したので、多セルモジュールのセル構成に大幅な設計変更を加える必要がない。
上記(1)の燃料電池では、セパレータ部分が前記延長部の前記中央の孔に嵌まり込む凸部を有するので、凸部は隣りの多セルモジュールの端部セルと接触し得る。
上記(2)の燃料電池では、多セルモジュールの端部セルの前記延長部に孔を設け、該孔に拘束シャフトを挿通して多セルモジュールをセル積層方向と直交する方向に拘束したので、多セルモジュールの横方向支持が強度大で、かつ、安定した支持となる。
上記(3)の燃料電池では、拘束シャフトが燃料電池スタックの締結シャフトと共通のシャフトであるため、拘束シャフトとして新たにシャフトを追加して設ける必要がなく、構成の単純化、部品点数の削減をはかることができる。
上記(5)、(6)、(7)の燃料電池では、連結部材の態様が例示されている。
上記(8)、(9)、(10)、(11)の燃料電池では、端部セルの孔と、該孔を挿通する拘束シャフトとは、絶縁部材により互いに電気的に絶縁されるので、端部セルにカーボンセパレータや金属セパレータを用いることができる。端部セルの延長部が樹脂である場合は、孔と拘束シャフト間に絶縁部材を設ける必要はない。
上記(12)、(13)の燃料電池では、多セルモジュールの両端の端部セル延長部間に、該端部セル延長部のセル積層方向の変形を抑制する変形抑制部材を設けたので、端部セル延長部が片持ち状態となり強度的に不安定で変形しやすいにもかかわらず、変形抑制部材によって倒れ込み・変形が抑えられ、多セルモジュールの動きを悪くする要因を排除できる。
図1〜図4は本発明の実施例1を示し、図5〜図7は本発明の実施例2を示し、図8、図9は本発明の実施例3を示し、図10は本発明の実施例4を示し、図11は本発明の実施例5を示し、図12は本発明の実施例6を示し、図13、図14は本発明の実施例7を示す。図15は本発明の何れの実施例にも適用可能である。本発明の全実施例に共通する、または類似する部分には、本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。
本発明の燃料電池は、低温型燃料電池であり、たとえば、固体高分子電解質型燃料電池10である。該燃料電池10は、たとえば燃料電池自動車に搭載される。ただし、自動車以外に用いられてもよい。
固体高分子電解質型燃料電池10は、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )とセパレータ18との積層体からなる。積層の方向は、上下方向でもよいし、水平方向でもよいし、あるいは斜め方向でもよく、任意である。
膜−電極アッセンブリは、図15に示すように、イオン交換膜からなる電解質膜11と、この電解質膜の一面に配置された触媒層12からなる電極(アノード、燃料極)14および電解質膜11の他面に配置された触媒層15からなる電極(カソード、空気極)17とからなる。膜−電極アッセンブリとセパレータ18との間には、アノード側、カソード側にそれぞれ拡散層13、16が設けられる。
セパレータ18には、アノード14、カソード17に燃料ガス(水素)および酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための反応ガス流路27、28(燃料ガス流路27、酸化ガス流路28)と、その裏面に冷媒(通常、冷却水)を流すための冷媒流路26が形成されている。
各種流体流路は、各種流体が互いに混じり合わないよう、また外部にリークしないように、シール材32、33によってシールされている。32はゴムシール(ゴムガスケットともいう)であり、33は接着剤シールである。
そして、図1に示すように、多セルモジュール40をセル積層方向に直列に配置し、直列配置された複数の多セルモジュール40の、セル積層方向両端に、ターミナル20、インシュレータ21、エンドプレート22を配置し、直列に配置された複数の多セルモジュール40をセル積層方向に締め付け、多セルモジュール40の外側で全多セルモジュール40にわたってセル積層方向に延びる外側部材24と、ボルト・ナット25にて固定して、スタック23を構成する。
外側部材24は、たとえば、複数(4本以上、望ましくは6本以上、たとえば、10本)の締結シャフトからなり、図14に示した従来のテンションプレート24の役割を兼ねるので、締結シャフトの符号はテンションプレートと同じく「24」とする。
本発明の燃料電池10は、単セルを、複数、セル厚み方向に直列に、積層して構成した多セルモジュール40を、複数、直列に積層して燃料電池スタック23を構成してある。複数の多セルモジュールの各多セルモジュール40は、複数のセルを積層した多セル集合体41と、多セル集合体41の両端の端部セル42と有する。そして、各多セルモジュール40は、端部セル42にて、セル積層方向と直交する方向に拘束してある。
両端の端部セル42の間に、セル同士を接着剤にて接着した一体型の多セル集合体41を配置するとともに、多セル集合体41と端部セル42とを接着剤にてシール接着する。端部セル42は、発電をしないダミーセルとしてもよいし、あるいは発電を行う発電セルとしてもよい。端部セル42を、発電をしないダミーセルとした場合は、端部セル42は力を受ける構造部材として設計される。
端部セル42は、多セル集合体41のセルの形状とほぼ同じ形状の導電性のセパレータ部分42bと、中央に孔42cをもつ枠状の延長部42aとを有していてもよい。セパレータ部分42bは延長部42aの孔42cに嵌まり込む凸部42dを有する。凸部42dの高さは延長部42aの孔42cの縁部の厚さと等しい。これによって、凸部42dは隣りの多セルモジュール40の端部セル42のセパレータと接触し得る。枠状の延長部42aとセパレータ部分42bには、燃料ガス、酸化ガス、冷媒の各マニホールド29、30、31が形成されている。
延長部42aがセパレータ部分42bと一体に形成される場合は、延長部42aもセパレータ部分42bと同様に導電性を有するが、延長部42aがセパレータ部分42bと別体に形成される場合は、延長部42aは導電性を有する材料から構成されてもよいし、あるいは、樹脂のように導電性を有さない材料から構成されてもよい。
また、延長部42aは、図3、図4に示すように、セル積層方向に、セパレータ部分42bよりも厚く形成されて剛性が高められていてもよいし、あるいはセパレータ部分42bと同じ厚さであってもよい。
端部セル42の延長部42aの孔43に拘束シャフト24を挿通して多セルモジュール40をセル積層方向と直交する方向に拘束する。
燃料電池スタック23を複数の多セルモジュール40に分割し、各多セルモジュール40を、該各多セルモジュール40の端部セル42にてセル積層方向と直交する方向に拘束したので、セル積層体の全体の質量をM、衝撃を受けた時の横方向加速度をαとした場合、従来、セル積層体全体にMαの横力が作用しMα/2の剪断力Sがセル積層体の端部のモジュールにかかっていたのに対し、本発明では分割数をnとすると、各多セルモジュール40に作用する横力がMα/nとなり、各多セルモジュール40における剪断力が最大S/nとなり、高加速度の横方向衝撃に対応可能となる。
多セルモジュール40の端部セル42をセル積層方向と直交する方向に延長して該端部セル42に延長部42aを設け、該延長部42aにて多セルモジュール40をセル積層方向と直交する方向に拘束したので、多セルモジュール40のセル構成を従来と同じ構成とすることができ、セル構成に大幅な設計変更を加える必要がない。
また、拘束シャフト24が燃料電池スタックの締結シャフト24と共通のシャフトであるため、拘束シャフトとして新たにシャフトを追加して設ける必要がなく、構成の単純化、部品点数の削減をはかることができる。
〔実施例1〕
本発明の実施例1では、図1〜図4に示すように、多セルモジュール40の端部セル42の延長部42aは樹脂材にて構成され、セパレータ部分42bはステンレスにて構成される。延長部42aに形成される孔43は矩形枠状の延長部42aの4隅に設けられている。
多セルモジュール40の多セル集合体41のセルは互いに接着剤33にてシール接着される。多セル集合体41のセルと端部セル42とは互いに接着剤33にてシール接着される。隣接する多セルモジュール40と多セルモジュール40との間のシールはシールゴム32である。
締結シャフト24が拘束シャフトとして延長部42aに形成される孔43を挿通し、多セルモジュール40をセル積層方向と直交する方向に拘束する。端部セル42は延長部42aが樹脂材であるため、締結シャフト24とは絶縁されており、特別な電気絶縁構造は不要である。
その他の構成は前述の本発明の全実施例に共通する構成に準じる。
その他の作用・効果は前述の本発明の全実施例に共通する作用・効果に準じる。
本発明の実施例2では、図5〜図7に示すように、隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士が、拘束シャフト24とは別の連結部材50により連結されている。本発明の実施例2では、連結部材50はクリップ50Aである。クリップ50Aはばね性を有していてもよいし、あるいは有していなくてもよい。
しかし、本発明の実施例2では、隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士を、延長部42aの端で、クリップ50Aで押さえることにより、十分なシール面圧をシールゴム32に与えることができるようになる。クリップ50Aによって、端部セル42の面剛性不足をカバーすることができ、端部セル42の板厚の低減をはかることができ、薄肉化によって、軽量化をはかることができる。
本発明の実施例3では、図8、図9に示すように、隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士が、拘束シャフト24とは別の連結部材50により連結されている。本発明の実施例3では、連結部材50はボルト50Bやリベットである。
しかし、本発明の実施例3では、隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士を、延長部42aの端で、ボルト50Bやリベットで押さえることにより、十分なシール面圧をシールゴム32に与えることができるようになる。ボルト50Bやリベットによって、端部セル42の面剛性不足をカバーすることができ、端部セル42の板厚の低減をはかることができ、薄肉化によって、軽量化をはかることができる。
本発明の実施例4では、図10に示すように、隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士が、締結シャフト24とは別の連結部材50により連結されている。締結シャフト24と連結部材50の両方が用いられてもよいし、連結部材50のみで連結されてもよい。本発明の実施例4では、連結部材50は多セルモジュール40の端部セル42の延長部42aに形成された耳50Cであり、この耳50Cを隣接する多セルモジュール40の端部セル42の延長部42aを抱き込むように折り曲げてかしめる。かしめた後にかしめ部にスポット溶接を施すとより強固になる。
しかし、本発明の実施例4では、隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士を、かしめ構造により、またはかしめ構造と溶接構造により押さえることにより、十分なシール面圧をシールゴム32に与えることができるようになる。ボルト50Bやリベットによって、端部セル42の面剛性不足をカバーすることができ、端部セル42の板厚の低減をはかることができ、薄肉化によって、軽量化をはかることができる。
本発明の実施例5では、図11に示すように、隣接する多セルモジュール40の端部セル42が、カーボンプレートやメタルプレートなどの導電性材料から構成されていて、端部セル42の孔43に拘束シャフト24が挿通している場合、端部セル42の孔43と、該孔43を挿通する拘束シャフト24とは、絶縁部材51により互いに電気的に絶縁される。
絶縁部材51は、孔43に固定された絶縁性樹脂ブッシュ51Aからなる。「ブッシュ」は「グロメット」である場合を含む。ブッシュ51Aの厚さaは、使用する電圧環境に応じて決定する。
ブッシュ51Aは一端にブッシュの径方向に拡がるつば部52が設けられており、端部セル42には孔43まわりにつば部52を雌雄の関係で受け入れる段差状凹部53が形成されている。隣接する多セルモジュール40の端部セル42に、つば部52を段差状凹部53に嵌めてブッシュ51Aを装着し、つば部52を対向させた状態で隣接する多セルモジュール40の端部セル42同士を連結部材にて連結する。
本発明の実施例6では、図12に示すように、隣接する多セルモジュール40の端部セル42が、カーボンプレートやメタルプレートなどの導電性材料から構成されていて、端部セル42の孔43に拘束シャフト24が挿通している場合、端部セル42の孔43と、該孔43を挿通する拘束シャフト24とは、絶縁部材51により互いに電気的に絶縁される。
絶縁部材51は、締結シャフト24に被せられた絶縁性樹脂パイプ51Bからなる。「パイプ」は締結シャフト24に施された絶縁コーティングで置き換えられてもよい。樹脂パイプ51Bの厚さaは、使用する電圧環境に応じて決定する。
本発明の実施例7では、図13(実施例7の第1の構造を示す)、図14(実施例7の第2の構造を示す)に示すように、多セルモジュール40の端部セル42をセル積層方向と直交する方向に延長して該端部セル42に延長部42aが設けられる。そして、各多セルモジュール40のセル積層方向の両端の端部セル42延長部42a間に、該端部セル延長部42aのセル積層方向の変形を抑制する変形抑制部材54が設けられている。
変形抑制部材54は弾性体からなる。
端部セル42の延長部42aは、多セル集合体(マルチセル集合体)41からセル積層方向と直交する方向に突出しており、多セル集合体(マルチセル集合体)41部分(セパレータ部分42b)に対して片持ち状態となり、多セルモジュール40のセル積層方向内側方向に倒れやすく、変形しやすいので、強度的に不安定である。端部セル42の延長部42aが多セルモジュール40のセル積層方向内側方向に倒れたり変形すると、貫通孔55の角部が拘束シャフト24に当たって摺動の抵抗となりやすい。また、延長部42aが多セルモジュール40のセル積層方向内側方向に倒れたり変形すると、多セルモジュール40間のシールゴム32に必要な面圧を与えられない。
また、変形抑制部材54を弾性体としたので、端部セル延長部42aをある荷重まで支えることができるようにし、それ以上の荷重、たとえば熱膨張を拘束する荷重は逃がすことができる。これによって、無理なく、端部セル延長部42aの倒れ込み・変形が抑えられる。
11 電解質膜
12 触媒層
13 拡散層
14 電極(アノード、燃料極)
15 触媒層
16 拡散層
17 電極(カソード、空気極)
18 セパレータ
19 セル
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 スタック
24 締結シャフト(拘束シャフト)
25 ボルト
26 冷媒流路
27 燃料ガス流路
28 酸化ガス流路
29 冷媒マニホールド
30 燃料ガスマニホールド
31 酸化ガスマニホールド
32 シール材(ゴムガスケット)
33 シール材(接着剤)
34 ばね
35 首振り部
36 調整ねじ
40 多セルモジュール(マルチセルモジュール)
41 多セル集合体(マルチセル集合体)
42 端部セル
42a 延長部
42b セパレータ部分
42c 孔
42d 凸部
43 孔
50 連結部材
50A クリップ
50B ボルトまたはリベット
50C かしめの耳
51 絶縁部材
51A 樹脂ブッシュ
51B 樹脂パイプ
52 つば部
53 段差状凹部
54 変形抑制部材
55 段付き貫通孔
55a 大径孔
55b 小径孔
56 カラー
57 ウエーブワッシャ
58 ゴム系カラー
Claims (13)
- 単セルを複数積層した多セル集合体と該多セル集合体のセル積層方向両端に配置した端部セルとを含む多セルモジュールを、複数、セル積層方向に直列に積層して構成した燃料電池スタックと、
全多セルモジュールにわたってセル積層方向に延び、各多セルモジュールを、該各多セルモジュールの端部セルにてセル積層方向と直交する方向に拘束する拘束シャフトと、
を備え、
前記多セルモジュールの前記端部セルがセル積層方向と直交する方向に延長されて該端部セルに延長部が設けられ、該延長部にて多セルモジュールがセル積層方向と直交する方向に前記拘束シャフトにより拘束され、
前記端部セルが、発電をしないダミーセルであり、
前記端部セルが、前記多セル集合体のセルの形状とほぼ同じ形状の導電性のセパレータ部分と、中央に孔をもち枠状とされた前記延長部とを有し、前記セパレータ部分が前記延長部の前記中央の孔に嵌まり込む凸部を有する、燃料電池。 - 前記多セルモジュールの前記端部セルの前記延長部に孔を設け、該孔に拘束シャフトを挿通して多セルモジュールをセル積層方向と直交する方向に拘束した請求項1記載の燃料電池。
- 前記拘束シャフトが燃料電池スタックの締結シャフトと共通のシャフトである請求項2記載の燃料電池。
- 隣接する多セルモジュールの端部セル同士が、前記拘束シャフトとは別の連結部材により連結されている請求項1記載の燃料電池。
- 前記連結部材がクリップである請求項4記載の燃料電池。
- 前記連結部材がボルトまたはリベットである請求項4記載の燃料電池。
- 前記連結部材が多セルモジュールの端部セルの延長部に形成された耳を隣接する多セルモジュールの端部セルの延長部を抱き込むように折り曲げたかしめ構造である請求項4記載の燃料電池。
- 前記端部セルの孔と、該孔を挿通する前記拘束シャフトとは、絶縁部材により互いに電気的に絶縁される請求項2記載の燃料電池。
- 前記絶縁部材が前記孔に固定されたブッシュである請求項8記載の燃料電池。
- 前記ブッシュに該ブッシュの前記孔からの抜けを防止するつば部が設けられている請求項9記載の燃料電池。
- 前記絶縁部材が前記拘束シャフトに支持された筒状部材である請求項8記載の燃料電池。
- 前記多セルモジュールの前記端部セルをセル積層方向と直交する方向に延長して該端部セルに前記延長部を設け、前記多セルモジュールの両端の端部セルの前記延長部間に、該端部セルの前記延長部のセル積層方向の変形を抑制する変形抑制部材を設けた請求項1記載の燃料電池。
- 前記変形抑制部材が弾性体からなる請求項12記載の燃料電池。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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