JP4943304B2 - パターン検査装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パターン検査装置および方法に関し、より具体的には、例えば、設計データに基づき製造された、半導体集積回路(LSI)や液晶パネルおよびそれらのホトマスク(レチクル)などの微細パターンを検査するためのパターン検査装置および方法に関する。
半導体集積回路の製造工程におけるウェーハのパターン検査、あるいはそのパターン形成用のホトマスクのパターン検査には、ダイ・ツー・ダイ(die to die)比較方法を用いた光学式パターン検査装置が使われている。このダイ・ツー・ダイ比較方法は、検査対象のダイと呼ばれる半導体デバイスとその近接ダイの同じ位置から得られる画像どうしを比較することで欠陥を検出する方法である。
一方、近接ダイの存在しないレチクルと呼ばれるホトマスクの検査には、ダイ・ツー・データベース(die to database)比較と呼ばれる方法が使用されている。この方法は、マスクデータを画像に変換してダイ・ツー・ダイ比較方法で用いた近接ダイの画像の代わりとし、前述同様の検査をする方法である。マスクデータとは設計データにホトマスク用の補正を施して得られるデータである。当該技術は、たとえば米国特許5563702号“Automated photomask inspection apparatus and method”に記載されている。
しかし、ダイ・ツー・データベース比較方法をウェーハ検査に使用すると、実際にウェーハに形成されたパターンのコーナーラウンドが欠陥として検出される。ホトマスクの検査では、マスクデータから変換された画像にスムージングフィルタでコーナーラウンドをもたせる前処理でコーナーラウンドを欠陥として検出しないようにしている。しかしながら、ウェーハ検査では、この前処理によるコーナーラウンドは、ウェーハに形成されたそれぞれのパターンのコーナーラウンドに等しくないので、コーナーラウンドを欠陥として検出しないようにできないことがある。そこで、この違いを無視するように許容パターン変形量を設定すると、コーナー以外に存在する微少欠陥を検出できないという問題が発生している。
ホトマスクはマスクデータに可能な限り一致する必要があるので、上記の問題はダイ・ツー・データベース比較ホトマスク検査では致命的ではない。よって、現在、ダイ・ツー・データベース比較ホトマスク検査が実用化されている。しかしながら、ウェーハに形成されたパターンは電気特性が保証される限りパターン変形が許されているので、上記の問題はダイ・ツー・データベース比較ウェーハ検査では致命的である。この許容パターン変形量はかなり大きい。また、実際に、ステッパーの露光条件の違いなどに起因して上記のパターン変形が発生している。よってダイ・ツー・データベース比較ウェーハ検査は実用化されていない。
半導体集積回路生産での問題に注目すると、ゴミなどに起因するランダム欠陥よりも繰り返し発生する欠陥が重要視されている。繰り返し発生する欠陥(システマティック欠陥)とは、ホトマスク不良などを原因としてウェーハ上の全ダイにおいて繰り返し発生する欠陥と定義される。繰り返し発生する欠陥は検査対象のダイおよびその比較対象の近接ダイの両方に発生しているため、ダイ・ツー・データベース比較では検出できない。ゆえに、ダイ・ツー・データベース比較方式でのウェーハ検査が必要とされている。
そこで、ダイ・ツー・データベース比較ウェーハ検査は、計算コストなどで問題があり実用化には至っていないが、設計データとウェーハ画像を使う検査方法が提案されている。たとえば、NEC技報Vol.50 No.6/1997の「電子ビームテスタを用いたロジックLSIの自動故障箇所トレース法」がある。この文献では、配線エッジのX,Y軸へのプロジェクションを用いる方法、配線コーナーに着目した方法、遺伝的アルゴリズムを応用した方法が記述されている。また、この文献で使用した方法として、エッジを直線近似した後に閉領域を抽出し、この閉領域を使うマッチング方法が説明されている。しかし、これらいずれの方法も高速検査に使用可能な検査速度を実現できず、さらに、パターン変形量を検出しながらマッチングすることができない。
また現在では、欠陥を含む画像を使用する自動欠陥種分類(Automatic Defect Classification:ADC)が使われている。しかし、この方法では欠陥が回路のどの部分を破壊しているか認識できないので、致命的欠陥とそうでない欠陥の分類ができない。
さらに、ダイ・ツー・ダイ比較での検査で得られる欠陥の位置は、検査装置のステージ精度および画像生成装置の精度に起因する誤差をもっており、その誤差は検査対象パターン線幅より10倍程度以上大きい。これらの誤差が原因で、欠陥位置を設計データに関連付けても、欠陥が設計データ上のどの位置に存在しているか分からない。
近年、半導体集積回路の線幅はリソグラフィー工程で使用する光源波長を大きく下回るようになってきている。このようなリソグラフィー工程には、OPC(Optical Proximity Correction、光近接効果補正)パターンを付加する方法が使用されている。この方法は、設計データにOPCパターンを付加して生成したマスクデータを使用して製造されたホトマスクを用い、このホトマスクを使用して製造されるウェーハ上のパターンを設計データに可能なかぎり一致させることができる。OPCパターンを付加することは、ホトマスクを補正する最も重要な技術の一つである。
OPCパターンがウェーハ上に形成されたパターンの補正として有効に作用していないとシステマティック欠陥が発生するが、ダイ・ツー・ダイ比較ウェーハ検査ではこの欠陥は検出できない。この解決として、許容パターン変形量を考慮して、ウェーハに形成されたパターンと設計データとを比較検査する方法が必要とされている。
また、システムオンチップ(system-on-a-chip:SoC)生産工程などの多品種少量生産工程では、短納期が求められている。この生産工程では、最終検査である電気的検査でシステマティック欠陥を発見しても、短納期に応えられない場合がある。この対策として、リソグラフィー工程ごとにウェーハ上に形成されたパターンと設計データとの差異を検査することが必要とされる。この検査方法では、電気特性に影響しないパターン変形を許容パターン変形量として設定しておき、許容パターン変形量以上の変形を検出する必要がある。
また、OPCパターンの評価として、リソグラフィ・シミュレータにより設計データとOPCパターンが付加されたマスクデータから得られたシミュレーションパターンとの比較検査が行われている。リソグラフィ・シミュレータはデバイス全体の検証が可能であるが、シミュレーションパターンは、必ずしも実際のパターンと等しくはない。また、リソグラフィ・シミュレータではOPCパターン以外の問題に起因する欠陥が検出できない。このような欠陥としてホトマスクに存在するランダム欠陥、ステッパーの歪などがある。
さらに、このシミュレーションの正当性を検証するために、リソグラフィ・シミュレータが出力したシミュレーションパターンと実際にウェーハ上に形成されたパターンの画像との比較検討手段が必要とされている。また、設計データに対するパターン変形量を厳密に設定することにより、回路設計上の技術を向上させることがますます重要になっている。
現在、半導体集積回路の製造工程における線幅管理用に、CD−SEM(Critical Dimension Scanning Electron Microscope)が用いられている。CD−SEMは、プロファイル(ラインプロファイル)を使って指定された位置にある直線形状パターンの線幅を自動的に測長するものである。CD−SEMを使ってステッパーの露光条件を管理するために、1ロットごとに、数枚のウェーハ上の数ショット中の数ヶ所が測長される。
半導体集積回路の製造工程における管理項目としては線幅以外にも、配線終端の縮み、孤立パターンの位置なども重要であるが、CD−SEMの自動測長機能は1次元対応で線幅など長さしか測定できない。したがって、これら2次元形状は、CD−SEMや他の顕微鏡から取得された画像を使って操作者が手動で検査している。
孤立パターンには、ホールパターンと島パターンがある。島パターンはホールパターンのネガであることが多い。また、ホールパターンには、コンタクトホール/ビアホールとテストパターンがある。
OPCパターンは、ゲート線幅の線幅を確保するのはもとより、コーナーや孤立パターンの形状形成にも重要な役目を担っている。またさらに、動作周波数の向上により現在では、ゲート線幅に加えて、エンドキャップと呼ばれるゲートパターンの終端や、フィールドエクステンションと呼ばれるゲートパターンの付け根の形状管理も重要になってきている。
このような2次元パターンの検査は、製造工程での抜き取り検査でも、試作段階でも重要であり、特に試作段階では、ウェーハ上に形成された全パターンの検査が必要とされる。しかし、現在は、2次元形状の管理は人的作業により実施され、完全に実施されてはいない。この問題を解決するために、自動化されたダイ・ツー・データベース比較ウェーハ検査が求められている。
これらの自動化の要請の具体的なものとして、以下の課題があげられる。
(1)プロファイル取得区間ごとに検査する方法が使用されている。しかし、このような局所的な検査方法では検査対象パターンごとの変形を検査できない。
(2)配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの短絡した部分を高速に検出する必要がある。また、電子線のビーム径の影響を低減する必要がある。
(3)ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンが存在しない場合に、ビーム径より狭い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの欠陥検出精度の劣化を防止する必要がある。
(4)従来の二重露光方式の工程で発生するオーバーレイエラー管理は半導体デバイスの限られた箇所での測定に拠っていたので、ステッパーの歪みに起因する局所的なオーバーレイエラーなどは管理することができなかった。
(5)長時間検査では画像生成装置の設定値をリアルタイムに調整する必要がある場合がある。このような場合には、検査対象パターン画像から、最適な画像生成装置の設定値を推定して、推定された設定値を使って、画像生成装置の設定値を調整する必要がある。
(6)ゲートの線幅と両脇のスペース幅を使ってゲートのOPCパターンを管理する方法が使用されている。しかし、片方に異なるスペース幅を持つゲートには、一意に両脇のスペース幅を決めることができないので、このゲートのOPCパターンの管理ができなかった。
(7)フォーカス条件、照射線量条件などのステッパーの露光条件が最適値から大きく違った露光で製造された検査対象パターンの一部分は、許容パターン変形量を大きく超えて変形することがある。このような場合には、前記の部分からパターン変形量を得ることができなかった。
本発明は、これらの課題に対して、検査対象パターン画像と、設計データ等の検査対象パターンを製造するために使用するデータを用いて検査対象パターンを検査するパターン検査装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のパターン検査装置の第1の態様は、基準となるパターン画像と検査対象パターン画像と前記検査対象パターンを製造するために使用するデータを用いて検査対象パターンを検査するパターン検査装置であって、前記データから線分もしくは曲線で表現された基準パターンを生成する生成手段と、前記基準となるパターン画像と前記検査対象パターン画像を生成する生成手段と、前記基準パターンを用いて前記基準となるパターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得る手段と、前記基準パターンを用いて前記検査対象パターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得る手段と、前記基準となるパターン画像から得られた統計量と前記検査対象パターン画像から得られた統計量とを比較することにより検査対象パターンを検査する検査手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像を検査する検査手段は、統計量として、エッジプレイスメントエラーの平均値、エッジプレイスメントエラーの標準偏差と、エッジプレイスメントエラーのパワースペクトラム、エッジプレイスメントエラーの自己相関、検査対象パターンの線幅の標準偏差のうち少なくとも一つを使用することを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像を検査する検査手段は、測定による測定値の変化を相殺して変形量の統計量の繰り返し測定の再現性データを取得することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像のエッジを検出する手段は、プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法で検出することを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、請求項4に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像のエッジを検出する手段は、検査対象パターン画像であってビーム径より広い検査対象パターンの存在する場所の輝度値を使うことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像のエッジを検出する手段は、プロファイルに逆フィルタでビーム径の広がりを補正した後に、エッジを検出することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記基準パターン生成手段は、1回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、2回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得て、前記論理演算で発生した頂点と前記論理演算で発生した頂点以外の頂点に異なるコーナーラウンドを適用することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記基準パターン生成手段は、1回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、2回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得ることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像を生成する生成手段は、前記検査対象パターン画像から特徴量を取得し、前記取得された特徴量から前記検査対象パターン画像を生成する生成条件を推定して、前記推定された生成条件で前記検査対象パターン画像を生成することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項1に記載のパターン検査装置において、前記基準パターンを生成する生成手段は、前記検査対象パターン画像のエッジと前記基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより得られた結果を使って前記基準パターンを変形させ、前記検査手段は、前記検査対象パターン画像のエッジと前記変形された基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより、前記検査対象パターンを再度、検査することを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、請求項10に記載のパターン検査装置において、前記基準パターンを生成する生成手段が変形した部分として終端、直線部分、切断もしくは短絡しやすい部分のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする。
本発明のパターン検査方法の第1の態様は、基準となるパターン画像と検査対象パターン画像と前記検査対象パターンを製造するために使用するデータを用いて検査対象パターンを検査するパターン検査方法であって、前記データから線分もしくは曲線で表現された基準パターンを生成し、前記基準となるパターン画像と前記検査対象パターン画像を生成し、前記基準パターンを用いて前記基準となるパターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得、前記基準パターンを用いて前記検査対象パターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得前記基準となるパターン画像から得られた統計量前記検査対象パターン画像から得られた統計量とを比較することにより検査対象パターンを検査することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項12に記載のパターン検査方法において、前記基準パターンの生成で、1回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、2回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得て、論理演算で発生した頂点と前記論理演算で発生した頂点以外の頂点に異なるコーナーラウンドを適用することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項12に記載のパターン検査方法において、前記基準パターンの生成で、1回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、2回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得ることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、請求項12に記載のパターン検査方法において、前記検査対象パターン画像のエッジと前記基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより得られた結果を使って前記基準パターンを変形させ、前記検査対象パターン画像のエッジと前記変形された基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより、前記検査対象パターンを再度、検査することを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)検査対象パターンを一周するエッジプレイスメントエラーを使って変形量の統計量を得るので切出し処理が不要である。エッジプレイスメントエラーとは、対応づけを行った検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジ間のベクトルである。また、直線部分より広い区間に存在するエッジプレイスメントエラーを使って変形量の統計量を得るのでより誤差が少ない情報が得られ、曲線部分の情報などの情報を得ることが可能になる。また、測定による測定値の変化を相殺すれば変形量の統計量の繰り返し測定の再現性データが得られる。
(2)配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの短絡した部分を高速に検出することができる。また、ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンを使ってプロファイルのボトムを求めれば、ビーム径より狭い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの欠陥検出精度の劣化を防止できる。
(3)ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンが存在しない場合でも、ビーム径より狭い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの欠陥検出精度の劣化を防止できる。また、プロファイルが補正されるので、エッジの位置がより正確に得られる。
(4)二重露光方式で製造された検査対象パターンのオーバーレイエラーを得ることによりオーバーレイエラー分布が得られ、半導体デバイス全体にわたる局所的なオーバーレイエラーの管理が可能になる。また、二重露光に関する設計データの多角形を論理和演算して得られた多角形にコーナーラウンドを付加して作成された基準パターンを使用すれば、コーナー部分に発生する擬似欠陥を低減できる。この場合は、論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに適用する円の半径をその他のコーナーに適用する円の半径より小さくする。さらにこの方法を、二重露光に関する設計データから得られた基準パターンの論理和演算の結果に置き換えれば、複雑な計算と計算時間が必要であるが、より正確にコーナーラウンドを表現できる。
(5)画像生成装置のブライトネス値などの設定値の時間的な変動をリアルタイムに調整できるので、測定値の精度が向上する。また、画像生成装置の状態がリアルタイムにモニターできるので、画像生成装置の状態が適切でないときに得られた測定値を、再度測定して得られた値で置き換えることにより、測定値の信頼性が向上する。
(6)ゲートの線幅と両脇のスペース幅を使ってゲートのOPCパターンを管理する方法が使用されている。片方に異なるスペース幅を持つゲートを一意に両脇のスペース幅を持つ部分に分割して、分割されたゲートごとに線幅を計測することにより、全てのゲートのOPCパターンの管理が可能になる。
(7)許容パターン変形量を越えた検査対象パターンの変形量を得ることができる。従って、許容パターン変形量を越えて変形をした検査対象パターンを使ってマッチングを実施することが可能になる。また、許容パターン変形量を越えて変形をした検査対象パターンの外形も得ることが可能になる。
以下、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
内容
1.概要
2.ハードウェア構成
2.1 画像生成装置の基本構成
2.2 画像生成装置の走査方法
2.3 パターン検査装置の基本構成
2.4 機能ブロック図
3.用語の説明
3.1 エッジ
3.2 基準パターン
3.3 レシピデータ
3.4 検査単位領域
3.5 検査結果
4.基本検査処理
4.1 第1のエッジ検出
4.1.1 第1のエッジ検出方法1
4.1.2 第1のエッジ検出方法2
4.2 直線形状パターンのマッチング方法
4.2.1 ユニークパターンを使うマッチング方法
4.2.2 ネガティブパターンを使うマッチング方法
4.2.3 エッジの水平軸垂直軸への射影データを使ったマッチング方法
4.3 幾何学情報を使う孤立パターンのマッチング方法
4.4 統計量を使う孤立パターンのマッチング方法
4.5 マッチング後の処理
4.6 第1の検査
4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法
4.6.2 ピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法
4.7 検査対象パターン画像から得られる特徴量を使った欠陥種の判定方法
4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量
4.9 基準パターンの属性の抽出ルール
4.10 パターンの属性を使って欠陥を検出する方法
4.10.1 終端のエッジプレイスメントエラーを持った欠陥
4.10.2 直線部分、コーナーのエッジプレイスメントエラーを持った欠陥
4.10.3 孤立パターンのプレイスメントエラーを持った欠陥
4.10.4 孤立パターンの他の欠陥
4.10.5 コーナーの曲率異常欠陥
4.11 第2のエッジ検出
4.12 第2の検査
5.応用検査処理
5.1 繰り返し発生する欠陥の認識方法
5.2 領域検査方法
5.2.1 直線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法
5.2.2 曲線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法
5.2.3 切断もしくは短絡しやすい部分の検査方法
5.3 信号強度補正を必要とするパターンの検査方法
5.4 オーバーレイエラーの検査方法
5.4.1 前工程のパターンと検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法
5.4.2 二重露光方式で製造された検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法
5.5 外形を使った検査方法
5.5.1 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法
5.5.2 検査対象パターンごとの変形量を使った検査方法
5.5.3 外形の補正方法と外形上のノイズ除去方法
5.6 基準パターンのスペース幅を使ったゲートのグループ分け方法
5.7 プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法
5.8 逆フィルタによるプロファイルの補正方法
5.9 自動画像調整に適した領域の抽出方法
5.10 画像生成装置の設定値の時間的変化の調整方法
5.11 検査対象パターンから得られるパターン変形量を使って基準パターンを変形する方法
1.概要
本発明の実施形態に係るパターン検査装置は、図1に示す画像生成装置7により得られた検査対象パターン画像を、基準パターンと比較して検査する。
図2は、設計データから得られた基準パターンの例を示す模式図である。図3は、設計データに基づいて製造された検査対象パターンの画像の例を示す模式図である。図3に示すように、検査対象パターン画像には、短絡欠陥があったり、粒子付着による欠陥があったり、許容パターン変形量内の変形があったりする。特にコーナーには大きなコーナーラウンドがある。このように、検査対象パターン画像は、基準パターンとはかなり異なったものになる。
図4は、本実施形態におけるパターン検査装置が行う検査処理の概要を示す模式図である。第1の検査処理では、まず、検査対象パターン画像から第1のエッジを検出する。次に、検出された第1のエッジと第1の基準パターンのエッジとを比較することにより、検査対象パターン画像と基準パターンとのマッチングを行う。マッチングを行った結果、シフト量S1が求まるので、このシフト量S1を用いて第1の基準パターンをシフトする。次に、検出された第1のエッジとシフトした第1の基準パターンのエッジとを比較することにより、検査対象パターンを検査する。この第1の検査では、検出された第1のエッジと第1の基準パターンのエッジとを比較することにより、パターン変形量を求め、求めたパターン変形量から欠陥を検出する。パターン変形量の1つとしてシフト量S2が求まる。
次に、検査対象パターン画像から第2のエッジを検出するため、第2の基準パターンをシフト量S1+S2分シフトする。シフトした第2の基準パターンを用いて、検査対象パターン画像上でプロファイルを求め、第2のエッジを検出する。そして、検出された第2のエッジとシフトした第2の基準パターンのエッジとを比較することにより、検査対象パターンを検査する。この第2の検査においても、検出された第2のエッジと第2の基準パターンのエッジとを比較することにより、パターン変形量を求め、求めたパターン変形量から欠陥を検出する。パターン変形量の1つとしてシフト量S3が求まる。
以上の方法により、検査対象パターン画像から、短絡欠陥、粒子付着による欠陥、パターン変形量を検出し、設計データの持つ属性などから欠陥やパターン変形量をクラス分けすることが可能になる。
2.ハードウェア構成
2.1 画像生成装置の基本構成
図1は、本発明の実施形態におけるパターン検査装置の画像生成装置の基本構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明のパターン検査装置における画像生成装置7は、照射系装置310と試料室320と2次電子検出器330とから構成されている。
照射系装置310は、電子銃311と、電子銃311から放出された1次電子を集束する集束レンズ312と、電子線(荷電粒子線)を,X方向,Y方向に偏向するX偏向器313およびY偏向器314と、対物レンズ315とから構成されている。試料室320はX方向,Y方向に可動のXYステージ321を備えている。試料室320にはウェーハ搬送装置340によって試料であるウェーハWが搬出入されるようになっている。
照射系装置310においては、電子銃311から放出された1次電子は集束レンズ312で集束された後に、X偏向器313およびY偏向器314で偏向されつつ対物レンズ315により集束されて試料であるウェーハWの表面に照射される。
ウェーハWに1次電子が照射されるとウェーハWからは2次電子が放出され、2次電子は2次電子検出器330により検出される。集束レンズ312および対物レンズ315はレンズ制御装置316に接続され、このレンズ制御装置316は制御コンピュータ350に接続されている。2次電子検出器330は画像取得装置317に接続され、この画像取得装置317も同様に制御コンピュータ350に接続されている。2次電子検出器330で検出された2次電子強度が画像取得装置317によって検査対象パターン画像に変換される。歪みの無い最大の検査対象パターン画像を取得できる1次電子の照射領域を視野と定義する。
前記X偏向器313およびY偏向器314は、偏向制御装置318に接続され、この偏向制御装置318も同様に制御コンピュータ350に接続されている。XYステージ321は、XYステージ制御装置322に接続され、このXYステージ制御装置322も同様に制御コンピュータ350に接続されている。またウェーハ搬送装置340も同様に制御コンピュータ350に接続されている。制御コンピュータ350は、操作コンピュータ360に接続されている。
2.2 画像生成装置の走査方法
図5は、図1で示す画像生成装置の2次電子検出器330で検出した2次電子の強度を示す模式図である。図5は、検査対象パターンPについて1本の電子線をX方向に走査した場合の2次電子検出器330によって得られた2次電子の強度を示している。図5に示すように、エッジ効果により、検査対象パターンPのエッジから発生する2次電子の強度が、検査対象パターンPの中心部から発生する2次電子の強度より強い。また、検査対象パターンの左側から発生する2次電子の強度と右側から発生する2次電子の強度では2次電子の強度は対称ではない。例えば、電子線が検査対象パターンPに進入する側である図5の左側のエッジから発生する2次電子の強度より、電子線がパターンから進出する側である図5の右側のエッジ(反対側のエッジ)から発生する2次電子の強度が弱い。
図6は、図5に示す検査対象パターンPを90度回転させ、この検査対象パターンPのプロファイルを取得した場合の2次電子の強度を示す模式図である。図6は、検査対象パターンPについてX方向に複数の電子線を走査することにより、2次電子検出器330で検出される2次電子の強度を図示したものである。図6に示すように、走査方向に近い方向を持つ検査対象パターンPのエッジでは図5に比べてエッジ効果を明瞭に得ることが難しい。
図7は、本発明の実施形態におけるパターン検査装置によって検査対象パターンの検査を行う場合の走査領域を示す模式図である。図7において、点線で書かれている長方形は、3.4 検査単位領域で後述する検査領域である。検査領域の中に、実線で書かれている検査対象パターンPがある。検査領域は視野で分割して得られる検査単位領域ごとに検査される。走査領域は1回の走査によって走査される領域である。走査領域の最大の大きさは視野である。検査領域の境界内部の検査単位領域と走査領域は同じである。検査領域の境界を含む走査領域の場合は、走査領域で、かつ、検査領域である領域が検査単位領域になる。図7の一点鎖線で書かれている縦3つ横3つの計9つのブロックB1からB9は、走査領域を示している。
検査対象パターン画像のエッジの近傍から得られるプロファイルのピークとボトムに差があるほどエッジ検出精度は高くなる。図8は、検査対象パターンについて横方向(X方向)の走査を行った場合のエッジ検出精度を示す模式図である。図8に示すように、横方向に検査対象パターンを走査した場合、図5と同様に縦方向のエッジについてのエッジ検出精度は良好であるが、横方向のエッジについては良好なエッジ検出精度が得られない。
図9は、検査対象パターンについて上方向に向かって縦方向(Y方向)の走査を行った場合のエッジ検出精度を示す模式図である。図9に示すように、縦方向に検査対象パターンを走査した場合、横方向のエッジについてのエッジ検出精度は良好であるが、縦方向のエッジについては良好なエッジ検出精度が得られない。
縦横方向のエッジがある図7の左下のブロックB7においては、縦横両方向のエッジについて良好なエッジ検出精度を得ようとすると、図8に示す横方向の走査と図9に示す縦方向の走査の2方向の走査が必要である。ブロックB7の右隣に示す横方向のエッジのみのブロックB8においては、図9に示す縦方向の走査が必要である。また、中段1番左に示す縦方向のエッジのみのブロックB4においては、図8に示す横方向の走査が必要である。これらの例では、検査対象パターンを構成するエッジの方向のすべてにより垂直になる走査方向が選択されている。このように、横方向、縦方向のいずれかの走査を行う、あるいは横方向および縦方向の2方向の走査が、基準パターンを構成するエッジの方向の分布を使って採択される。
半導体集積回路(LSI)や液晶パネルの検査対象パターンの大部分は、横縦方向のエッジで構成されているために、これらの横縦方向のエッジを持つ検査対象パターン画像のエッジを精度良く検出するためには、検査対象パターンに横方向および縦方向の走査をする必要がある。
図10は、検査対象パターンについて双方向の走査を行う方法の模式図である。図5を使って説明したように、電子線の進入側のエッジ(図5の左側のエッジ)が、反対側のエッジ(図5の右側のエッジ)に比べて2次電子の強度が弱く観測される。そこで、図10に示すように、走査方向を交互に逆転して検査対象パターン画像を取得する。すなわち、左方向と右方向の交互の走査を行って検査対象パターン画像を取得する。左方向走査の検査対象パターン画像で検査対象パターンの左側のエッジを計測し、右方向走査の検査対象パターン画像で検査対象パターンの右側のエッジを計測することにより、右側左側いずれのエッジにおいても良好なエッジ検出精度を得ることができる。
図11(a)、図11(b)および図11(c)は、45度、もしくは−45度方向の走査方法を示す模式図である。図11(a)で示される横縦方向のエッジから成る検査対象パターンP1については図11(b)に示す45度方向、もしくは図11(c)に示す−45度方向の走査を1回行うことによって良好な縦横方向のエッジについてのエッジ検出精度を得ることができる。
もし、図11(a)で示される45度方向のエッジから成る検査対象パターンP2があった場合、検査対象パターンP2に対する45度と−45度方向の2方向の走査を行う必要があるが、検査対象パターンP2に対する2方向の走査が必要とされる頻度は、縦横方向のエッジのみの検査対象パターンP1に対する1方向の走査が必要とされる頻度より少ないことが期待される。よって、一方向の走査の場合は、45度方向または−45度方向の走査がエッジ検出精度を得る方法として有効である。
次に、45度方向と−45度方向の走査が実施される場合を説明する。検査対象パターンP2を成す右下方向(−45度)のエッジについての良好なエッジ検出精度は、図11(b)に示す45度方向の走査で得られるが、図11(c)に示す−45度方向の走査では、走査方向と検出すべきエッジが平行なので得られない。検査領域を−45度方向の走査で検査している場合は、検査対象パターンP2を含む検査単位領域を45度方向と−45度方向の走査で検査する。一般に、45度方向と−45度方向の走査が必要な頻度は、0度方向、90度方向の走査が必要な頻度に比べて少ない。
図5から図11で説明したように、画像生成装置7は、以下の3方法のいずれかによって検査対象パターン画像を得る。
(1)走査方法1
0度、90度、45度あるいは−45度方向の1方向の走査
(2)走査方法2
0度と180度方向の交互の走査
(3)走査方法3
0度および90度方向の2方向の走査もしくは45度と−45度方向の2方向の走査
座標系は、設計データと同じく、X軸を右方向、Y方向を上方向に取る。エッジ方向は、右手側が検査対象パターン内部になるような方向として定義する。図7のブロックB4には、縦方向のエッジが2本あるが、左側のエッジの方向が90度、右側のエッジの方向が270度となる。
4.1 第1のエッジ検出で後述するように、第1のエッジは局所的な検査対象パターン画像から検出されたエッジである。この第1のエッジの方向は検出された時点で決められる。以下では、前記走査方法1から前記走査方法3で得られた検査対象パターン画像から第1のエッジを検出する方法を説明する。
前記走査方法1である1方向の走査と前記走査方法2である交互の走査では、1枚の検査対象パターン画像からエッジを検出する。前記走査方法3である2方向の走査では、2枚の検査対象パターン画像からエッジを検出し、検出されたエッジ情報を融合させる。0度および90度方向の2方向の走査の場合は、0度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から45度から135度と、225度から−45度の間のエッジを抽出し、90度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から135度から225度と、−45度から45度の間のエッジを抽出し、両者を合成して1検査対象パターン画像から検出されたエッジとして扱う。
45度および−45度方向の2方向の走査の場合は、45度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から90度から180度と270度から360度の間のエッジを抽出し、−45度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から0度から90度と180度から270度の間のエッジを抽出し、両者を合成して、1検査対象パターン画像から検出されたエッジとして扱う。
4.11 第2のエッジ検出で後述するように、第2のエッジはプロファイル(1次元データ)から検出されたエッジである。この第2のエッジの方向はプロファイルが設定された時点で決められる。以下では、前記走査方法1から前記走査方法3で得られたプロファイルから第2のエッジを検出する方法を説明する。
前記走査方法1である1方向の走査では、プロファイルは同一の検査対象パターン画像から求める。
前記走査方法2である0度、180度交互の走査では右側のエッジ(180度から360度のエッジ)を得るプロファイルを0度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から、左側のエッジ(0度から180度のエッジ)を得るプロファイルを180度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から求める。
前記走査方法3である2方向の走査では、45度から135度と、225度から−45度の間のエッジを検出するプロファイルを0度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から、135度から225度と、−45度から45度の間のエッジを検出するプロファイルを90度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から求める。
図12は、0度方向の走査で得られた検査対象パターン画像もしくは90度方向の走査で得られた検査対象パターン画像を用いて検査されるべき線分の例を示す模式図である。図12で示されるように、0度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から縦方向(90度または270度の方向)、左上方向(135度)、右下方向(−45度)の直線部分、コーナー、終端の線分を検査すれば良い。また、90度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から横方向(0度または180度)、右上方向(45度)、左下方向(225度)の直線部分、コーナー、終端の線分を検査すれば良い。
45度および−45度の2方向の走査の場合は、90度から180度と270度から360度の間のエッジを検出するプロファイルを45度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から、0度から90度と180度から270度の間のエッジを検出するプロファイルを−45度方向の走査で得られた検査対象パターン画像から求める。
このように、検査対象パターン画像のエッジは、複数の走査方向のうちの一方向で生成された検査対象パターン画像から検出される。選択された走査方向は、基準パターンのエッジにより垂直になる方向である。
検査対象パターン画像が45度もしくは−45度方向の走査で得られた場合においては、設計データと検査対象パターン画像の間に回転が存在するので、その回転を補正する必要がある。回転補正の方法として、設計データを回転する方法が使用できるが、設計データを回転すると傾斜画像が最終出力となるので見難いという欠点がある。そこで、本実施例では検査対象パターン画像を回転する方法を採用した。しかしながら、X,Y方向に均等にサンプリングする走査をした場合に、その検査対象パターン画像を回転すると、ピクセル間の内挿値を回転した検査対象パターン画像の値として用いなければならない。この場合には、回転された検査対象パターン画像が内挿によってぼけたりする弊害があるので、本実施例では内挿を用いずに、ピクセルの位置を置き換えることによってのみ回転された検査対象パターン画像を得る方法を採用した。この方法を用いる場合は、次に述べるような特別な走査方法を採用する必要がある。
図13はピクセルの位置を置き換えることによって回転された検査対象パターン画像を得る方法を示す模式図である。図13の左側に示された45度傾斜走査方法の図は図13の右側に示された45度傾斜画像の図と全く同じものを45度回転して描いてある。最終的に取得しようとする検査対象パターン画像は右側の形のものである。図中、碁盤の目の格子点はX,Y方向に均等にサンプリングされて得られるべき検査対象パターン画像の位置である。黒丸(●)は実際にサンプリングされる位置を示している。黒丸が無い位置はこの走査方法ではサンプリングされない位置である。この右側の形の検査対象パターン画像を取得するために左側の走査方法で行う。
この場合は、X方向のサンプリング間隔Sは各々の走査線で同一であるが、Y方向のサンプリング間隔についてはX方向のサンプリング間隔Sの半分である。また奇数行と偶数行では、サンプリングされる位置がX方向にサンプリング間隔Sの半分だけずれている。このサンプリング間隔Sは、右側のピクセル間隔に√2をかけたものになる。そうすると、左側の図を横に寝かせるだけで所望の検査対象パターン画像が得られるということになる。この場合は、実際にサンプリングされた順番とは違う順番で値を入れていく作業が必要となる。
図13は45度の角度の走査方法を示すものであるが、図14は、arctan(2)の角度の走査方法および回転された検査対象パターン画像を示す模式図である。
本実施例を使用すれば、検査対象パターン画像を得るために、最小限度の電子線(荷電粒子線)を走査すればよく、したがって最小の時間で検査対象パターン画像を得ることができる。また、内挿による画質低下を伴わない検査対象パターンの回転画像を取得することができ、エッジの検出精度の低下を避けられる。
2.3 パターン検査装置の基本構成
図15は、本実施形態におけるパターン検査装置の基本構成を示す模式図である。本実施形態におけるパターン検査装置は、主制御部1、記憶装置2、入出力制御部3、入力装置4、表示装置5、印刷装置6および、図1に示す画像生成装置7を備える。
主制御部1はCPU(Central Processing Unit)等により構成され、装置全体を統括的に制御する。主制御部1には記憶装置2が接続されている。記憶装置2は、ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク等の形態をとることができる。また、主制御部1には、入出力制御部3を介して、キーボード、マウス等の入力装置4、入力データ、計算結果等を表示するディスプレイ等の表示装置5、および検査結果等を印刷するプリンタ等の印刷装置6が接続されている。
主制御部1は、OS(Operating System)等の制御プログラム、パターン検査のためのプログラム、および所要データ等を格納するための内部メモリ(内部記憶装置)を有し、これらプログラム等によりパターン検査を実現している。これらのプログラムは、フレキシブルディスク、光ディスク等に記憶しておき、実行前にメモリ、ハードディスク等に読み込ませて実行されるようにすることができる。
2.4 機能ブロック図
図16は、本実施形態におけるパターン検査装置の機能ブロック図を示す模式図である。基準パターン生成部11、検査部12、出力部13および欠陥種認識部14はプログラムにより実現されている。基幹データベース21、レシピデータベース22および欠陥種参照データベース23は記憶装置2内に設けられている。
基幹データベース21を外部に設け、パターン検査装置がLAN(Local Area Network)を経由して基幹データベース21にアクセスするようにしても良い。
図17は、本発明の別の実施形態におけるパターン検査装置の機能ブロック図を示す模式図である。図17に示す例は、繰り返し発生する欠陥を認識する機能を有した構成を示す模式図であり、図16の機能ブロック図に対して、欠陥情報記憶部24と、繰り返し発生する欠陥を認識する繰り返し欠陥認識部25とが追加されている。
3.用語の説明
3.1 エッジ
エッジは、検査対象パターンの内部と下地の境を意味する。エッジとして、検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジが使用される。検査対象パターン画像のエッジは、エッジ検出方法で検出され、基準パターンのエッジは直線もしくは曲線で表現された基準パターンをピクセル単位で分割して得られる。後述の4.6 第1の検査の図60で示されるように、検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジとを対応づけて検査が行われる。
エッジは、ピクセルごとに開始点(サブピクセル精度)、方向、および強度の情報を有するベクトルで表現される。検査対象パターン画像のエッジの場合は、強度は、ベクトルの長さとエッジの明確さを乗じた値である。ここで、エッジの明確さは実際にエッジである確からしさと定義される。また、基準パターンのエッジの場合は、強度は、ベクトルの長さとマッチングに寄与する度合いを乗じた値である。
3.2 基準パターン
基準パターンとは線分もしくは曲線で表現されたもので、検査対象パターン画像と比較されるものである。基準パターンにもっとも適したものとして設計データが使われる。この設計データとして、たとえばGDSII(Graphic Design System II)データストリ−ム形式のレイアウトデータに、レイアの融合やフラクチャリングを行ったものが使える。
まず、検査対象パターン画像から検出されるエッジ位置に最も適したように設計データに対し、シュリンク処理(設計データの倍率を変える処理)、サイズ処理(線幅を変える処理)などを施す。また、第1のエッジ検出と第2のエッジ検出とでは一般的に検出されるエッジ位置が異なるので、第1エッジ検出用、および第2エッジ検出用に基準パターンを2種類用意する。
次に、この処理で得られた多角形を、視野にXYステージ321の誤差および検査対象パターンの最大許容パターン変形量を加えた長さを一辺とする長方形領域でクリッピングする。
次に、得られた多角形のコーナーに丸みがつけられる。図18に示すように、通常、設計データは、鋭角をもった多角形(図中点線)である一方、ウェーハに形成される検査対象パターンのコーナーはコーナーラウンド(図中実線)がつく。そこで、得られた多角形のコーナー部分に円、楕円、直線、もしくは他の方法で記述した曲線を適用し、検査対象パターンに近くなるように補正する。
最後に、以上で得られた結果を基準パターンとし、レシピデータベース22に登録する。XYステージ321の誤差が無視できる場合は、パターン変形の絶対座標値が計測できる。本実施形態では、XYステージ321の誤差および検査対象パターンの最大許容パターン変形量を考慮し、基準パターンを検査対象パターン画像よりも大きくとって検査に使用しているが、代わりに検査対象パターン画像を基準パターンよりも大きくとって検査に使用しても良い。
基準パターンに設計データを使えば、ウェーハ上に形成された検査対象パターンと設計データとを比較する欠陥検査が実行できる。この場合は、許容パターン変形量として電気特性に影響しない許容量を設定する。この許容パターン変形量は、基準パターンの属性ごとに設定でき、さらに、検査対象パターンの込み入っている場所とそうでない場所とで可変にすることも可能である。
基準パターンにリソグラフィ・シミュレータで得られたシミュレーションパターンの外形を形成する曲線(図73の実線)を使えば、シミュレーションの正当性を検証できる。シミュレーションパターンはマスクデータを使って、光学的にシミュレートして得られた光強度分布から得られる。この分布から外形の曲線を得る。この場合の許容パターン変形量は、シミュレーションで許される誤差量を設定する。
本実施形態においては、基準パターンとして設計データを使う方法を説明する。
図19は基準パターンの例を示す模式図であり、図20は図19の基準パターンSをピクセルごとのエッジに変換した例を示す模式図である。図19において、基準パターンS(点線)はサブピクセル精度で示されている。通常、基準パターンのエッジ方向は、ピクセルの横方向(X方向)または縦方向(Y方向)に平行である。基準パターンのエッジも、検査対象パターン画像のエッジと同様に、ピクセルごとに開始点(サブピクセル精度)、方向、および強度の情報を有する。本実施形態においては、後述の4.2.1 ユニークパターンを使うマッチング方法4.2.2 ネガティブパターンを使うマッチング方法を除いて基準パターンのエッジの強度をすべて1にしている。
図21に示すように、基準パターンは、コーナー部分に曲線が含まれる。基準パターンの曲線部分を基準パターンのエッジに変換するために、ピクセルの中心261に最も近い基準パターン上の点262での接線263を生成する。
3.3 レシピデータ
検査の前に、以下のレシピデータと称される検査パラメータの組を設定する。レシピデータの内でオペレータ入力パラメータとして、設計データ検索用パラメータ、画像取得パラメータ、およびにエッジ検出および検査のためのパラメータがある。また、レシピデータの内で出力データとして、基準パターン生成部11が生成する基準パターンがある。
設計データ検索用パラメータとして、検査対象ウェーハ(試料)のデバイス名、およびプロセス名を指定するパラメータを設定する。画像取得パラメータとして、ウェーハを特定するためのスロット番号、照射系装置310の条件設定パラメータ、ピクセル間隔、ピクセル数、および検査領域を設定する。
ピクセル間隔とは、検査対象パターン画像のピクセル間隔に対するウェーハ上の距離を意味する。ピクセル数には、1024×1024、8192×8192などの値が使われる。ピクセル間隔にピクセル数を乗じた数は、検査対象パターン画像の大きさになる。この大きさを持つ領域は、前述の2.1 画像生成装置の基本構成で説明した視野である。例えば、ピクセル間隔が9nmでピクセル数が8192×8192であれば、視野は約70μm×70μmである。
エッジ検出および検査のためのパラメータとして、以下のパラメータを設定する。
(1)検査すべきパターン変形量
エッジプレイスメントエラー
線幅の変形量
最小線幅
スペース幅の変形量
最小スペース幅
接触面積検査比
孤立パターンの場合の検査対象パターンの重心のプレイスメントエラーと直径変形量
ウェーハに形成されてはならない補正パターンの欠陥判断係数
(2)上記パターン変形量に対応する許容パターン変形量の−側の限界値および+側の限界値、ならびにマッチングで使用するエッジの許容方向差の限界値
これらのパターン変形量は、基準パターンの属性ごとに設定される。
(3)検査対象パターン画像から経験的に決められる第1のエッジ検出パラメータ
第1のエッジ検出方法
エッジ膨張用のフィルタ係数
検査対象パターン画像のエッジの2値化しきい値
検査対象パターン画像のエッジの2値化で使われるpタイル法の係数p
(4)基準パターンの属性(直線部分、コーナー、終端、孤立パターン等)を認識するための抽出ルールが使用するパラメータ
基準パターンの属性は、基準パターンの一部もしくは全部を区別するために使用される。典型的な基準パターンの一部を区別するために使用する属性は3種類ある。1つ目は、直線部分(基準パターンの終端に対応しない直線部分)である。2つ目はコーナー(終端の属性を持つ直線部分に接触しない頂点の部分)である。3つ目は終端(基準パターンの終端に対応する直線部分)である。基準パターンの全部を区別するために使用する属性として、孤立パターン(他のパターンから孤立しているパターン)がある。
(5)領域検査に適した部分を認識するための抽出ルールが使用するパラメータ
線幅検査用に適した基準パターンの最大線幅、最小線長、終端非使用長
スペース検査用に適した基準パターンの最大線幅、最小線長、終端非使用長
切断しやすい部分の最大線幅
切断しやすい部分の最大線長
短絡しやすい部分の最大スペース幅
短絡しやすい部分の最大スペース長
(6)検査対象パターン画像から経験的に決められる第2のエッジ検出パラメータ
プロファイル取得区間の長さ
プロファイル取得区間の間隔
プロファイル取得区間内のサンプリングポイントの間隔
プロファイルからエッジを認識する方法(しきい値法を使うかなど)
プロファイル取得区間をレシピデータ設定時に設定するか第1のエッジを検出してから設定するかのフラグ
(7)孤立パターンの大きさの最小値と最大値および安全係数
(8)大域的変形量を求めるために使用する検査単位領域の数
(9)欠陥画像の最大登録数
(10)再検査対象とする欠陥の最大登録数
(11)自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整、および自動非点収差調整に適した領域
(12)歪補正回路が持つ代表歪ベクトルの間隔
レシピデータは、設計データ検索用パラメータであるデバイス名、プロセス名、および検査モードをキーにして管理される。検査モードとは、画像取得パラメータとエッジ検出および検査のためのパラメータを総称した名前である。
図22は、本実施形態におけるレシピ登録処理の例を示すフローチャートである。まず、オペレータは、入力装置4を介して基準パターン生成部11に、オペレータ入力パラメータ(設計データ検索用パラメータ等)を入力する(ステップS202)。
基準パターン生成部11は、設計データ検索用パラメータ(デバイス名、およびプロセス名)をキーとして基幹データベース21を検索し、設計データを取り出す(ステップS204)。基幹データベース21は、基準パターンに対応する設計データを格納したデータベースである。次に、基準パターン生成部11は、設計データから基準パターンを生成する(ステップS206)。
最後に、基準パターン生成部11は、基準パターンとオペレータ入力パラメータを、レシピデータとして、レシピデータベース22に登録する(ステップS208)
3.4 検査単位領域
検査は、入力された検査領域を、視野で分割して得られる検査単位領域ごとに行われるので、基準パターンは検査単位領域ごとに生成される。検査には、逐次検査およびランダム検査がある。
図23は、逐次検査を示す模式図である。検査領域は、図23で示されるようにウェーハ全面を単位として設定されるのではなく、長方形で指定された複数の領域(図23のように上側の短い長方形と下側の長い長方形など)として設定されるので、その領域を高速検査するために、検査単位領域ごとに逐次走査を実施する。検査単位領域ごとに基準パターンを作成する。
図24は、ランダム検査を示す模式図である。ランダム検査においては、ある領域を逐次に検査するのではなく、限定された領域を検査する。図24では、検査単位領域301から304についてのみ検査を行う。
3.5 検査結果
検査結果として、以下の種類の基本情報がある。
(1)異常パターン変形量を持った欠陥の情報
(2)ピクセルの輝度分布から検出される欠陥の情報
(3)検査単位領域全体から得られるパターン変形量
基準パターンの属性に関するパターン変形量を使用して得られる以下の情報がある。
(4)基準パターンの属性を使って検出される欠陥の情報
対向するエッジを使用して得られる以下の情報がある。
(5)領域検査方法で検出される欠陥の情報
4.基本検査処理
図25は、本実施形態における基本検査処理の例を示すフローチャートである。図26および図27は、本実施形態における検査処理の他の例を示すフローチャートであり、繰り返し発生する欠陥を認識する場合の検査処理の例を示すフローチャートである。図27のブロックAは図26のブロックAと同じものであり、検査の前に準備する工程を示している。図27のブロックBは図26のブロックBと同じものであり、各検査領域の検査の工程を示している。
図25に示すフローチャートに基づく基本検査処理において、まず、オペレータは、入力装置4を介して検査部12に、レシピ検索用パラメータ(デバイス名、プロセス名および検査モード)を入力する(ステップS302)。
検査部12は、レシピ検察用パラメータをキーとしてレシピデータベース22を検索し、基準パターンを含むレシピデータを取り出す(ステップS304)。そして、検査部12は、検査対象パターン画像を取得するため、画像生成装置7に対して画像取得パラメータを設定し、ウェーハ搬送、アライメント、および照射系装置310の条件設定を指示する(ステップS306)。
アライメントとは、設計データが使用している座標系とウェーハ(試料)の観察位置を管理する座標系との変換係数を求める方法をいう。これはCAD(Computer Aided Design)ナビゲーションで具現化されている。CADナビゲーションは、アライメントの後に、CADデータ上の観察したい座標値を、ウェーハ観察位置を管理する座標値に変換し、その位置へ画像生成装置の視野を移動させて、その位置の画像を入手する方法で、よく知られているものである。
画像生成装置7としては、図1に示す走査型電子顕微鏡が最も適しているが、走査型フォーカスイオンビーム顕微鏡、走査型レーザー顕微鏡や走査型プローブ顕微鏡などの各種の走査型顕微鏡もしくは各種顕微鏡を使用することができる。
画像生成装置7は、検査単位領域ごとに、検査対象パターン画像および画像の中心位置を検査部12に出力する(ステップS308)。
4.1 第1のエッジ検出
次に、検査部12は、検査対象パターン画像から第1のエッジを検出する(ステップS310)。第1のエッジ検出として次の2つのエッジ検出方法が使用できる。第1のエッジ検出方法は、前述の3.3 レシピデータ「(3)第1のエッジ検出方法」によって選択される。
4.1.1 第1のエッジ検出方法1
1つは、検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像に適した方法である。このような画像の多くは2値化処理でエッジを検出できるが、コントラストが比較的明瞭でない場合は明確にエッジを検出できない。このときに、[文献1]:R.M.Haralick, “Digital step edges from ZERO crossing of second directional derivatives”, IEEE Trans. Pattern Anal. Machine Intell., vol. PAMI-6,No.1,pp.58-68,1984に開示の方法を応用してエッジを検出することができる。この方法を応用すれば、エッジ部分の変曲点をサブピクセル精度で検出することができる。
4.1.2 第1のエッジ検出方法2
もう1つは、エッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない画像からエッジを検出する方法である。例えば、[文献2]:“Cartan Steger. An unbiased detector of curvilinear structures”, IEEE Trans. Pattern Anal. Machine Intell., 20(2), February 1998に開示の方法が使用できる。この方法によれば、エッジ部分の峰をサブピクセル精度で検出することができる。ただし、この方法では検査対象パターンの内部と下地を区別できないのでエッジの方向は0度から180度の値のみをもつ。
前述の4.1.1 第1のエッジ検出方法1の別の方法として前述の文献2の方法を使用しても良い。この場合は検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像に微分フィルタ(例えば、Sobelフィルタやバンドパスフィルタ)をかけてエッジ強度画像を得て、得られたエッジ強度画像からエッジが検出される。この場合は検査対象パターン内部と下地を区別できる。
これらの方法はある程度大きな窓を使った処理であるので、サブピクセル精度が得られるだけでなく、エッジの方向も安定している。ゆえに、エッジ検出精度を向上するために、エッジを連結し、連結したエッジを直線近似する方法は必ずしも必要ではない。
ステップS310の第1のエッジ検出では、検査対象パターン画像からピクセル単位でエッジの強度および方向を求める。強度は、3.1 エッジで説明したように、ベクトルの長さとエッジの明確さを乗じた値である。前述の4.11 第1のエッジ検出方法1で説明した検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像の場合は、前述の文献1の方法を用いて、画像の1次微分値の絶対値をエッジの明確さとし、画像の2次微分値のゼロクロス点をエッジ位置とするエッジが認識される。
一方、前述の4.12 第1のエッジ検出方法2で説明したエッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない画像の場合には、前述の文献2の方法を用いて、画像の2次微分値の符号反転値(絶対値)をエッジの明確さとし、画像の1次微分値のゼロクロス点をエッジ位置とするエッジが認識される。いずれの画像もエッジはサブピクセル精度で得られる。
図28は、前述の4.11 第1のエッジ検出方法1で説明した検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある検査対象パターン画像の例を示す模式図であり、図29は図28の画像から検出したエッジを示す模式図である。図28には、ピクセルごとにその輝度値が示されている。輝度値は2次電子強度をデジタル化した値である。図29に示すように、エッジはピクセルごとに検出され、ピクセルごとに開始点(サブピクセル精度)、方向(0度から360度)、および強度の情報が得られる。強度は、前述のように、明確なエッジであるほど大きい値を取る。
図30は、前述の4.12 第1のエッジ検出方法2で説明した、エッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない検査対象パターン画像の例を示す模式図であり、図31は図30の画像から検出したエッジを示す模式図である。図30においても、ピクセルごとにその輝度値が示されている。また、図31に示すように、エッジはピクセルごとに検出され、ピクセルごとに開始点(サブピクセル精度)、方向(0度から180度)、および強度の情報が得られる。
4.2 直線形状パターンのマッチング方法
次に、検査部12は、検査対象パターン画像のエッジを膨張させる。以降、得られた結果を膨張エッジと呼ぶ(ステップS312)。本実施形態においては、エッジは、電気特性的に影響しない許容パターン変形量分膨張させている。この段階では許容パターン変形量は正の整数である。この値は、前述の3.3 レシピデータ「(2)許容パターン変形量の−側の限界値および+側の限界値」の値の最大値を整数化した値である。エッジを、許容パターン変形量分膨張させることにより、電気特性的に影響を与えないパターン変形を許容してマッチングすることができる。
膨張エッジを得る方法を説明する。図32は1次元の検査対象パターン画像のエッジの強度の例を示す模式図であり、図33は図32のエッジを膨張させた例を示す模式図である。図33が膨張エッジを示している。図32および図33では、説明を簡単にするために、1次元データが使用されている。図32から図33を得る方法として以下の方法が使用できる。これらの方法では、エッジの強度を示す図を画像として扱い、適切なフィルタを考察している。
許容パターン変形量内の変形を無視するために、許容パターン変形量の2倍の大きさの窓を持った最大値フィルタによって、図32に示されたエッジの強度を示す図が処理され、図33に示された膨張エッジを得る。最大値フィルタとは、対象となるピクセルの近傍である窓の中の各ピクセルが持つ値の最大値を求め、求めた最大値をフィルタ後のピクセルの値とするものである。図33では、図32の検査対象パターン画像のエッジを左右に2ピクセル分膨張させている。これは許容パターン変形量が2ピクセルの場合の例である。
基準パターンのエッジが図34で示される場合を考察する。まず、図34をシフトして得られる図を作成する。シフト量はおのおの左方向に2ピクセルから右方向に2ピクセルである。次に、図33およびシフトされた各図からマッチング評価値を求めると、各マッチング評価値は同じ値になる。よって、シフト量は一意的に決められない。マッチング評価値は後述する。
この問題を解決するために、図35に示すように、図32のエッジに重み付けをしてエッジを膨張する。図35の膨張を実現するには、係数が0.5、0.75、1.0、0.75、0.5のスムージングフィルタを用いれば良い。図35で示した例の場合、図34(基準パターンのエッジ)が左右に1ピクセル以上シフトすると評価値が下がる。
次に、図36に示すように、図34で示された基準パターンのエッジに対して2ピクセル分広がった基準パターンのエッジを考察する。まず、図36をシフトして得られる図を作成する。シフト量は左方向に1ピクセルと右方向に1ピクセルである。次に、図35およびシフトされた各図から後述するマッチング評価値を求めると、各マッチング評価値は同じ値になる。よって、シフト量は一意的に決められない。
この問題を解決するために、図37に示すように、図32のエッジに重み付けをして膨張すれば良い。図37の膨張を実現するには、係数が0.5、0.9、1.0、0.9、0.5のスムージングフィルタ(図38)を用いれば良い。
以上の考察から、図37に示すような膨張が最も適している。処理速度やエッジの込み具合などの観点から図33や図35に示すような膨張を用いても良い。
スムージングフィルタの係数を決めた後、係数は、前述の3.3 レシピデータ「(3)エッジ膨張用のフィルタ係数」に登録されて使用される。
図39は2次元の検査対象パターン画像のエッジの強度の例を示す模式図であり、図40および図41は図39のエッジを膨張させた例を示す模式図である。図39において、エッジの強度は、20のところ以外はすべて0である。図40は図33と同様の膨張を行った場合の結果を示し、図41は図37と同様の膨張を行った場合の結果を示す。
図42は2次元の検査対象パターン画像のエッジベクトルの例を示す模式図であり、図43および図44は図42のエッジを膨張させた例を示す模式図である。図43は図33と同様の膨張を行った場合の結果を示し、図44は図37と同様の膨張を行った場合の結果を示す。膨張はX、Y成分ごとに行っている。
検査部12は、膨張エッジと基準パターンのエッジとを比較して、検査対象パターン画像と基準パターンとのピクセル単位でのマッチングを行う(ステップS314)。
本実施形態においては、後述する4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量の中で説明するように、サブピクセル精度でのシフト量S2を使用してマッチングを行う。よって、ここでは高速化を目的としてピクセル単位でのマッチングを行う。したがって、図45で示すように、図20の基準パターンのエッジベクトルをピクセル単位で表したエッジベクトルを使用してマッチングを実施する。
本実施形態におけるマッチングでは、評価値F0が最大になる位置を得るために、検査対象パターン画像に対して基準パターンをピクセルごとに上下左右にシフトし、得られた評価値F0が最大になる位置をマッチング位置とする(図46)。本実施形態においては、以下の式で示すように、基準パターンのエッジが存在するピクセルにおける膨張エッジの強度の総和を評価値F0としている。
Figure 0004943304
ここで、E(x,y)は、膨張エッジの強度をその大きさとして持ち、膨張エッジの方向をその方向として持つベクトルである。エッジの存在しない場所ではE(x,y)の大きさは0である。R(x+xs,y+ys)は、基準パターンのエッジ方向をその方向として持つベクトルである。ただし、R(x+xs,y+ys)の大きさは、基準パターンのピクセル内での長さである。ここで、ベクトル(xs,ys)は基準パターンのエッジのシフト量S1である。
評価値F0の計算においてR(x,y)が0でないピクセルのみを記憶すれば、高速に計算が行え、記憶領域が少なくてすむ。さらに、残差逐次検定法(SSDA:Sequential Similarity Detection Algorithm)で使われている計算の打切りを用いれば計算がさらに高速化される。
図47および図48は、図43(膨張エッジ)と図45(基準パターンのエッジ)とを重ね合わせた模式図である。図47において、ピクセル254は、図43のピクセル251および図45のピクセル252に対応する。図48は、図47で示される位置関係から図43を右に1ピクセル、下に1ピクセルシフトさせた場合の図43および図45の位置関係を示している。したがって、ピクセル255は、図43のピクセル251および図45のピクセル253に対応する。評価値F0を用いれば、エッジの存在するピクセルが重なり合う度合いが大きいほど、評価値が高くなる。評価値F0を用いる場合には、図39から図41で示したような膨張処理を行えば良い。なお、評価値F0は、前述の4.1.1 第1のエッジ検出方法1と前述の4.1.2 第1のエッジ検出方法2で説明したいずれの画像にも適用可能である。
本実施形態においては、上記評価値F0を用いているが、他の評価値を用いることもできる。例えば、前述の4.1.1 第1のエッジ検出方法1で説明した検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像の場合には、以下の評価値Faを用いることができる。
Figure 0004943304
また、例えば、前述の4.1.2 第1のエッジ検出方法2で説明したエッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない画像の場合には、以下の評価値Fbを用いることができる。
Figure 0004943304
評価値FaまたはFbを用いる場合には、図42から図44で示したような膨張処理を行えば良い。
評価値F0、Fa、およびFbを考察する。評価値F0はデータがスカラのため高速計算に関して有利である。一方、評価値FaおよびFbは、例えば、図49に示すような場合に有効である。評価値FaおよびFbを用いた場合には、基準パターン(図49(a))の縦線部分のエッジ(ベクトル)と検査対象パターン画像(図49(b))の横線部分のエッジ(ベクトル)との内積をとると0に近くなるため、101の部分と102の部分とがうまくマッチングする。しかし、評価値F0を用いた場合には、方向は関係なく強度のみで判断するため、101の部分と103の部分とが誤ってマッチングする可能性がある。
評価値Faは検査対象パターン内部と下地の区別がつくので評価値Fbよりマッチングが堅牢である。例えば、図50に示すように、線幅111、113とスペース幅112、114が同じ場合にFaを用いると、どちらがラインかスペースかの区別がつくのでFbより望ましい結果が得られる。
本実施形態においては、検査対象パターン画像のエッジを膨張してマッチングを行っているが、代わりに基準パターンのエッジを膨張してマッチングを行うこともできる。
4.2.1 ユニークパターンを使うマッチング方法
前述のマッチング方法では全ての基準パターンのエッジの強度を同等に扱って処理を実施した。前述の3.1 エッジで説明したように、強度はベクトルの長さとマッチングに寄与する度合を乗じた値である。前述の方法とは別の方法として、基準パターンのエッジの強度に異なる値を与えてマッチングがより堅牢になるマッチング方法が使用できる。この方法は図51を用いて以下の手順で実施される。
図51の(a)は基準パターンの例を示す模式図であり、図51の(b)は(a)の基準パターン(点線)と検査対象パターン画像(実線)との関係の例を示す模式図である。図51(a)に示す基準パターンは周期的なパターンであるが、1ヶ所ギャップがある。この基準パターンと検査対象パターン画像とのマッチングを行う際に、図51(b)に示すように、両パターンが1周期ずれていても、ギャップの部分以外は一致するので、マッチングの評価値は高くなってしまう。そこで、このギャップの部分に対応する基準パターンのエッジのマッチングに寄与する度合を大きくして、検査対象パターン画像のギャップと基準パターンのギャップとが一致しない場合にはマッチング評価値が大きく低下するようにする。
まず自己相関法で基準パターンの周期を求める。次に、もとの基準パターンと一周期ずらした基準パターンを比較してもとの基準パターンにあって1周期ずらした基準パターンにないパターンを求める。求めたパターンをユニークパターンとして認識する。ユニークパターンのエッジのマッチングに寄与する度合を他の基準パターンより大きい値にする。この値は1より大きい値にする。この値として経験から得られた固定値もしくは、固定値÷全基準パターン中のユニークパターンの比率などが使用できる。
4.2.2 ネガティブパターンを使うマッチング方法
ユニークパターンをより効率的に使う方法として、ユニークパターンの対であるネガティブパターンを使うマッチング方法が使用できる。図52(a)および図52(b)は長方形パターンが周期的に並んでいる基準パターンのマッチング評価値の計算方法を示す模式図である。図52(a)および図52(b)に示された検査対象パターンの右側にも長方形パターンが周期的に並んでいるが、画像が限定されているので、右側の長方形パターンの終わりがどこか分からない。このような場合に、前述の4.2.1 ユニークパターンを使うマッチング方法を使ってマッチングを施すと図52の(a)と(b)とではマッチング評価値がほぼ同じになり、マッチング位置が一意的に決まらない。
この対策として以下の手順でユニークパターンの対であるネガティブパターンを抽出してマッチング評価値計算に使用する。
図53(a)、図53(b)および図53(c)はユニークパターンの対であるネガティブパターンを使ってマッチング評価値を計算する方法を示す模式図である。もとの基準パターンから左方向に一周期ずれた部分に基準パターンが無い場合に、もとの基準パターンの位置はユニークパターン(点線で示された長方形)とする。ユニークパターンを左側に一周期ずらした部分をネガティブパターン(実線で示された長方形)とする。同様に、右方向、上方向、下方向などの他の方向についても実施する。
ユニークパターンについては、前述のようにマッチングに寄与する度合いを1より大きい値にする。一方、ネガティブパターンについては、マッチングに寄与する度合を前述の1より大きい値に(−1)を乗じた値にする。
ネガティブパターンを使う評価値を考察する。1つのユニークパターンに検査対象パターンが存在しているときの評価値をF1とする。図53(a)の評価値は(3・F1)、図53(b)の評価値は(0)である。図53(c)の評価値は(3・F1)-(3・F1)≒(0)である。この計算から、図53(a)がマッチング位置と判断される。
本実施例によれば、ネガティブパターンが最適なマッチング位置からの一周期のズレに対して大きなペナルティーを課すので、周期的に同じパターンが並んだ部分とそうでない部分の境界を正確にマッチングできる。
4.2.3 エッジの水平軸垂直軸への射影データを使ったマッチング方法
以上のマッチング方法は十分高速であるが、より高速に実行できる方法が求められる。高速化するために、ステップS314の中の「ピクセルごとにマッチングを行う」部分を改良する。
設計データの多くは横線と縦線である。この性質を使って、基準パターンのエッジの水平軸垂直軸への射影データと検査対象パターン画像から検出されたエッジの水平軸垂直軸への射影データを使ってより高速にマッチングをすることが可能になる。
図54(a)および図54(b)は前述の4.1 第1のエッジ検出方法で検出されたエッジの水平軸垂直軸への射影データをつかったマッチング方法を示す模式図である。本実施例では、4.1.1 第1のエッジ検出方法1で説明した検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像に適したエッジ検出を用いて説明する。また基準パターンを成す線分は上下左右の4方向があるが、ここでは代表例として上方向の線分を例にマッチングの方法を説明する。
(1)基準パターンを成す全ての線分の線分長の合計値Lrpを求める。次に4.1.1 第1のエッジ検出方法1で検出されたエッジを強度ごとにソートする。ソートされたエッジを強度がより大きいものからLrp個選んでエッジとして残し他のエッジを消去する。基準パターンはピクセル単位の座標系で表現されていて、基準パターンと検査対象パターン画像の大きさは大よそ同じだから、選択されたエッジは、大よそ基準パターンのエッジに対応する。
(2)基準パターンを成す線分で上方向の線分を抽出する。抽出された線分を水平軸(X軸)に射影して1次元データを作成する。この1次元データは配列の形でインデックスはX座標値で要素は線分の長さになる。同様に、この線分を垂直軸(Y軸)に射影して1次元データを作成する。この1次元データは配列の形でインデックスはY座標値で要素は線分の長さになる。この結果は図54(a)に示すものになる。
(3)前述の選ばれたエッジから上方向エッジを抽出する。このエッジを水平軸(X軸)に射影して1次元データを作成する。この1次元データは配列の形でインデックスはX座標値で要素の値はエッジ(ベクトル)のY成分になる。同様に、このエッジを垂直軸(Y軸)に射影して1次元データを作成する。この1次元データは配列の形でインデックスはY座標値で要素の値はエッジ(ベクトル)のY成分になる。この結果は図54(b)に示すものになる。
(4)上方向エッジの水平軸への射影データを図46に示すX方向の範囲の中をシフトさせながら、上方向のエッジの水平軸への射影データと上方向線分の水平軸への射影データとのX方向のマッチング誤差値Epmを計算する。同様に、上方向エッジの垂直軸への射影データを図46に示すY方向の範囲の中をシフトさせながら、上方向エッジの垂直軸への射影データと上方向線分の垂直軸への射影データとのY方向のマッチング誤差値Epmを計算する。マッチング誤差値Epmの計算結果が図55に示されている。マッチング誤差値Epmは後述する。
(5)X方向のマッチング誤差値Epmの最大値EpmMaxと最小値EpmMinを求めてしきい値を以下の式で求める。Y方向のしきい値も同様に求める。
Figure 0004943304
このしきい値以下のマッチング誤差値Epmをもつシフト量がマッチングに適したシフト量と判断される。係数kmtは経験的に決められる値で0から1の間の値を取り、0に近いほどマッチングに適したと判断されたシフト量の数が多くなる。図56の矢印で示したシフト量がマッチングに適したと判断されたシフト量である。
(6)次に、(5)で得られたマッチングに適したと判断されたシフト量から最適解を求める。前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法では、「本実施形態におけるマッチングでは、評価値F0が最大になる位置を得るために、検査対象パターン画像に対して基準パターンをピクセルごとに上下左右にシフトし、得られた評価値F0が最大になる位置をマッチング位置とする(図46)。」と説明した。本方法を採用すると、この部分を「本実施形態におけるマッチングでは、評価値F0が最大になる位置を得るために、検査対象パターン画像に対して基準パターンを上記(5)で得られたシフト量ごとに上下左右にシフトし、得られた評価値F0が最大になる位置をマッチング位置とする(図46)。」と読み替えて前述の直線形状パターンのマッチング方法を実施することになる。
マッチング誤差値Epmは図57(a)に示す方法で計算される。本実施例では、代表例として、上方向線分の水平軸への射影データの要素Rp[i]、上方向エッジの水平軸への射影データの要素Ep[i]と、シフト量Spを使用する方法を示す。単純なマッチング誤差値EpmSは、上方向線分の水平軸への射影データの要素Rp[i]とこれに対応するシフトされた上方向エッジの水平軸への射影データの要素Ep[i+Sp]を使い次の式で求められる。
Figure 0004943304
総和Σは、全ての要素Ep[i]に対する和を意味する。
ステップS312(検査対象パターン画像のエッジを膨張させて、膨張エッジを求める。)で説明したように、電気特性的に影響しない許容パターン変形量内のパターン変形を無視する必要がある。ステップS312と同様の方法を使用しても良いが、他の方法として以下の方法を使用する。
ここでは、許容パターン変形量が1ピクセルの場合を説明する。まず、以下の計算を全ての要素Ep[i]に対して実行する。
(1)もし、
Figure 0004943304
であれば、以下の計算を実行する。
Figure 0004943304
(2)もし、
Figure 0004943304
で、次のδRが正であれば、以下のρ-1からのEp[i+Sp]の計算を実行する。
Figure 0004943304
(3)もし、
Figure 0004943304
で、δRが負であれば、以下の計算を実行する。
Figure 0004943304
以上の計算が終了した後、許容パターン変形量を考慮したマッチング誤差値EpmDを、下記の式で求める。
Figure 0004943304
この計算の結果が図57(b)、(c)に示されている。図57(b)ではRp[i]とEp[i+Sp]がマッチングに適した位置に置かれている。一方、図57(c)ではRp[i]とEp[i+Sp]がマッチングに適した位置から1ピクセルずれた位置に置かれている。図57(b)、(c)に示されるように、許容パターン変形量を考慮したマッチング誤差値EpmDは、単純なマッチング誤差値EpmSより許容パターン変形量を考慮して対応付けられた量だけ小さな値になっている。よって、マッチング誤差値Epmとして許容パターン変形量を考慮したマッチング誤差値EpmDが適している。
許容パターン変形量が1ピクセルより大きい場合は、Rp[i-1]、Rp[i+1]の他にRp[i-2]、Rp[i+2]、などを使用して処理を行えば良い。
以上のマッチング誤差値Epmの、計算を下方向左方向右方向のエッジと線分にも実施する。また、他の方向例えば45度の倍数の方向の線分を使用しても良い。
本実施例では上方向下方向のエッジなど180度逆方向のエッジの区別がつくが、4.1.2 第1のエッジ検出方法2を使用する場合は、180度逆方向のエッジの区別がつかない。この場合は、180度逆のエッジを混合して計算する。
図46では、検査対象パターン画像に対して基準パターンをピクセルごとに上下左右にシフトして、評価値F0が最大になる位置をマッチング位置とする方法を示した。しかし、本実施例によれば、ピクセルごとにシフトする代わりに、飛び飛びのピクセルの間隔でシフトできるので計算時間が大幅に短縮できる。
4.3 幾何学情報を使う孤立パターンのマッチング方法
前述のマッチング方法は、直線形状パターンには最適である。しかし、孤立パターンであるホールパターン、島パターンのマッチングには別の方法が使用可能である。ホールパターン、島パターンとは、長方形であって、長辺と短辺とも最小線幅の2,3倍以下のパターンである。ホールパターン、島パターンは直線形状パターンより小さく、かつ、より多いので、マッチングにはより計算時間が必要とされる。この課題を解決するために、前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法に比べて計算量が減らせて高速化が可能な以下の方法が使用できる。
この方法は全ての検査対象パターンがホールパターン、島パターンである場合に使用することができる。また、通常、ホールパターンと、島パターンとは同時には存在しない。よって、本実施例では全ての検査対象パターンがホールパターンの場合の方法を説明する。島パターンについては本実施例のホールを島に読み替えればホールパターンのマッチング方法が使用できる。
ホールパターンのマッチングの第1の方法は検査対象パターン画像のエッジから得られた幾何学情報を使用する方法である。図58はホールパターンのマッチングの第1の方法を示す模式図である。図58(a)には、検査対象パターン画像から検出されたエッジが太線で表示されている。また、そのエッジの重心が黒丸(●)点で示されている。
第1段階として、図58(a)で示すようにエッジを検出して、連結しているエッジの最外枠と重心を求める。検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像の場合は、前述の4.1.1 第1のエッジ検出方法1で説明したエッジ検出が使用できる。
前述の4.1.2 第1のエッジ検出方法2で、説明したエッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない画像の場合は、前述の4.1.2 第1のエッジ検出方法2で説明したエッジ検出が使用できる。この場合は、エッジは必ずしも連結したピクセルとして認識されないので、エッジを膨張して連結した後に、ラベリング処理をして連結したピクセルを求めて、これらの連結したピクセルの最外枠と重心を求めエッジの最外枠と重心とする。ラベリング処理とは、4近傍もしくは8近傍で連結しているピクセルに同一の値を書き込み、連結ピクセル群を生成する方法である。
第2段階として、得られたエッジを、図58(b)を使って、次の手順で選別する。
(1)予め、前述の3.3 レシピデータ「(7)孤立パターンの大きさの最小値Shminと最大値Shmaxおよび安全係数khmin、khmax」を決めて登録しておく。
(2)エッジの最外枠の大きさがShmax×khmaxより大きい場合は、エッジはホールパターンのエッジとは見なさない。安全係数khmaxは、1から2程度の値で経験的に決められる値である。
(3)また、エッジの最外枠の大きさがShmin×khminより小さい場合は、ノイズやゴミとみなしホールパターンのエッジとは見なさない。安全係数khminは、0.5から1程度の値で経験的に決められる値である。
(4)連結したエッジが、リング状を成さねば、ホールパターンのエッジとは見なさない。
(5)検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある画像の場合は、上記の(4)のリング状の内部がホールか島の判定ができる。もしリング状の内部がホールでない場合は、エッジをホールパターンのエッジとは見なさない。
本実施例は、前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法で使用したF0、FaおよびFbの代わりに評価値Fhを使ってマッチングが実施される。評価値にFhを使用すること以外は、前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法と同様の処理を使用する。本実施例では基準パターンは単純に設計データを変換して得る。評価値Fhは以下の方法で得られた値を全てのホールパターンである基準パターンについて求めて総和をとった値である。
(1)図58(c)の第1列で示すように基準パターン内にエッジの重心が存在しなければ値は0になる。
(2)図58(c)の第2列のように基準パターン内に重心が存在すれば値は1になる。
前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法で使用した4.2.1 ユニークパターンを使うマッチング方法4.2.2 ネガティブパターンを使うマッチング方法を本例に使用するために、以下の2計算を追加する。ユニークパターンとネガティブパターンの認識法とマッチングに寄与する度合の設定は前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法と同じである。
(3)ユニークパターンに重心が存在すれば、値は前述のマッチングに寄与する度合になる。
(4)ネガティブパターンに重心が存在すれば、値は前述のマッチングに寄与する度合×(−1)になる。
本実施例を使用すれば、複数のエッジをまとめた情報を使用してマッチングする方法が実現できる。この方法は、個々のエッジを使用してマッチングする方法に比べて高速に実行できる。さらに、大幅に計算コストが減らせる。
さらに、前述の4.2.3 エッジの水平軸垂直軸への射影データを使ったマッチング方法を応用して高速化な計算が可能である。この場合は、エッジの射影データではなくて、エッジの重心の射影データが使用される。
4.4 統計量を使う孤立パターンのマッチング方法
ホールパターンのマッチングの第2の方法は基準パターンの内部に相当する検査対象パターン画像の統計量と、基準パターンの外部に相当する検査対象パターン画像の統計量とを比較する方法である。図59はホールパターンのマッチングの第2の方法を示す模式図である。図59(a)は、本実施例で使用する基準パターンを表している。これらの基準パターンは、設計データにサイズ処理を実施して得られる。サイズ処理で大きくする量は、3.3 レシピデータ「(2)孤立パターンの場合の許容直径変形量」の+側の限界値の半分未満の量である。図59(b)は、典型的なホールパターンの検査対象パターン画像である。ホールパターンのエッジは下地より明るく、ホールパターンの内部は下地より暗い。
本実施例は、前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法で使用したF0、FaおよびFbの代わりに評価値Fdを使ってマッチングが実施される。評価値にFdを使用すること以外の処理は前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法と同様の処理を使用する。評価値Fdは、以下の手順で得られる。
(1)図59(c)のように全ての基準パターンの内部に対応するホールパターンの検査対象パターン画像のピクセルに対してヒストグラムHinsideを求める。得られたヒストグラムHinsideを規格化する。
(2)全ての基準パターンの外部に対応するホールパターンの検査対象パターン画像のピクセルに対してヒストグラムHoutsideを求める。得られたヒストグラムHoutsideを規格化する。
(3)各差分ヒストグラムHdifferenceの要素は、それぞれ差分ヒストグラムHdifferenceの要素に対応するヒストグラムHinsideの要素とヒストグラムHoutsideの要素の差として計算される。差分ヒストグラムHdifferenceの各要素の絶対値の和を評価値Fdとする。
前述の4.2 直線形状パターンのマッチング方法で使用した4.2.1 ユニークパターンを使うマッチング方法4.2.2 ネガティブパターンを使うマッチング方法を本実施例に使用するために、以下の2計算を追加する。ユニークパターンとネガティブパターンの認識法とマッチングに寄与する度合いの設定は4.2 直線形状パターンのマッチング方法と同じである。
(4)ユニークパターンの内部に対応するホールパターンの検査対象パターン画像のピクセルの場合は、これらの各ピクセルを前述のマッチングに寄与する度合に相当する数のピクセルに換算し、換算したピクセルを使ってヒストグラムHinsideを求める。
(5)ネガティブパターンの内部に対応するホールパターンの検査対象パターン画像のピクセルの場合は、これらの各ピクセルを前述のマッチングに寄与する度合に相当する数×(−1)のピクセルに換算し、換算したピクセルを使ってヒストグラムHinsideを求める。
上記の(5)の計算が意味することは以下である。ネガティブパターン内にホールが存在するとヒストグラムHinsideの要素の総和は減るが形はあまり変わらない。よって、この場合は、評価値Fdはネガティブパターンの計算前の評価値Fdとほぼ等しい。一方、ネガティブパターン内にホールが存在しないとヒストグラムHinsideは差分ヒストグラムHdifferenceに似てくる。差分ヒストグラムHdifference(手順(1)で作成されるHinsideのかわりに使用される。)とヒストグラムHoutsideを使った評価値Fdは、ヒストグラムHinsideとヒストグラムHoutsideを使った評価値Fdより大きい。ゆえにこの場合は、評価値Fdはネガティブパターンの計算前の評価値Fdより大きくなる。
ホールパターン、島パターンは、帯電現象などの影響で下地部分の画像の明るさの分布が場所によって変化する。このことはヒストグラムHoutsideが広がることを意味している。しかし、ヒストグラムHoutsideが広がることによる評価値Fdの影響はあまり大きくない。
本実施例によれば、評価値としてホールパターン、島パターンの内部と外部の差分ヒストグラムを使用しているので、帯電現象などの影響で下地部分の画像の明るさの分布が場所によって変化しても影響を受けにくいマッチング方法が実現できる。なお、本方法は、直線形状パターンのマッチングとして使用することも可能である。
4.5 マッチング後の処理
マッチングを行い、最大の評価値をとるシフト量S1=(xs,ys)が求まったら、シフト量S1の分だけ基準パターンをシフトさせる。以後の処理は、このシフトを行った状態で行う。シフト量S1は検査結果として、表示装置5および印刷装置6に出力することができる。
マッチングが終わった後、検査対象パターン画像のエッジを2値化する。この2値化は、検査対象パターン画像のエッジの強度に対して前述の3.3 レシピデータ「(3)検査対象パターン画像のエッジの2値化しきい値」を使用して実行される。すなわち、検査対象パターン画像のエッジの強度が、前述の3.3 レシピデータ「(3)検査対象パターン画像のエッジの2値化しきい値」より大きい検査対象パターン画像のエッジを2値化処理後の検査対象パターン画像のエッジとし、そうでなければ、2値化処理後の検査対象パターン画像のエッジとしない。以降の処理では、検査対象パターン画像のエッジの強度は使用されない。
2値化の方法の別の方法としてpタイル法が使用できる。この方法では、検査対象パターン画像のエッジの個数が、基準パターンのエッジに相当するピクセル数×p個になるようにする。すなわち、検査対象パターン画像のエッジの強度の大きい順に、基準パターンのエッジに相当するピクセル数×p個分の検査対象パターン画像のエッジを、2値化処理後の検査対象パターン画像のエッジとし、残りを2値化処理後の検査対象パターン画像のエッジとしない。ここで係数pは通常0.9から1.1程度の数で、3.3 レシピデータ「(3)検査対象パターン画像のエッジのpタイル法の係数p」に設定されて使用される。
4.6 第1の検査
次に、検査部12は、第1の検査を行う。具体的には、パターン変形量の計算、欠陥検出、および欠陥種の認識を行う。検査部12は、まず、検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジとの対応づけを行う(ステップS318)。エッジ位置は、サブピクセル精度で扱われる。したがって、エッジ間の距離もサブピクセル精度で得られる。エッジの方向は、右方向を0度として0度から360度の値として決定される。
本実施形態においては、検査対象パターン画像のエッジとシフト量S1シフトされた基準パターンのエッジとの距離、および両エッジの方向を考慮して対応づけを以下の手順で実施している。
基準パターンの各エッジについて、前述の3.3 レシピデータ「(2)許容パターン変形量」の距離内にある検査対象パターン画像のエッジを探す。そして、検出されたエッジの中で基準パターンのエッジとの方向差が前述の3.3 レシピデータ「(2)エッジの許容方向差」以下のものを、許容パターン変形量内のエッジとして対応づける。対応づけた両エッジ間のベクトルd(x,y)は、パターン変形量を求めるのに用いることができる。なお、前述の手順で複数のエッジが認識された場合は、最も距離が短く、最も方向差が小さいエッジを採用する。
図60は、検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジとの対応づけの例を示す模式図である。図60においては、方向を示すために、エッジを矢印で示している。図60の例では、基準パターンのエッジを含む各ピクセルにおいて、基準パターンのエッジの中心から、エッジ方向と垂直な方向に検査対象パターン画像のエッジを探していくことにより、対応づけを行っている。基準パターンのエッジの中心からの距離が許容パターン変形量以下であり、かつ、方向の差がエッジの許容方向差以下である検査対象パターン画像のエッジが見つかれば、両エッジを対応づける。図60においてエッジ間のベクトルd(x,y)が、前記のベクトルの例である。
図61において、(a)は基準パターンのエッジの例を示し、(b)は(a)の基準パターンに対応する検査対象パターン画像のエッジの例を示している。図61を用いて、両エッジの対応づけの例を説明する。この例では、許容パターン変形量は1ピクセル分とする。また、エッジの許容方向差は60度とする。例えば、基準パターンのエッジ81に対応する検査対象パターン画像のエッジを探したところ、エッジ68がエッジ81の許容パターン変形量の距離内にあり、かつ、方向の差がエッジの許容方向差以下であることから、エッジ68はエッジ81に対応するエッジと認定される。基準パターンのエッジ84についても、対応する検査対象パターン画像のエッジとしてエッジ70が認定される。
基準パターンのエッジ82に対して、エッジ61は許容パターン変形量の距離内にない。エッジ64は、許容パターン変形量の距離内になく、方向差もエッジの許容方向差より大きい。また、エッジ66および69は、許容パターン変形量の距離内にはあるが、方向差がエッジの許容方向差より大きい。したがって、エッジ82に対応するエッジは得られない。エッジ83に対応するエッジについても同様に得られない。
なお、図61(a)および図61(b)の例はパターンの内側か外側かを区別しない方法で、方向が0から180度の範囲の値のみをもつ場合であるが、パターン内外を区別する方法とすることも可能である。例えば、エッジ方向はパターン内側を必ずエッジの右手におくように決定しておけば、図61(a)の基準パターンのエッジは、図62のようになり、対応づけをより厳密に実行することができる。
次に、検査部12は、欠陥検出を行う(ステップS320)。欠陥検出には次の2つの方法が使用できる。
4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法
欠陥検出の第1の方法として以下の手順で、異常パターン変形量を持つ欠陥を認識する。図63は、異常パターン変形量を持った欠陥を認識する方法を示す模式図である。検査部12は、基準パターンと対応づけができなかった検査対象パターン画像のエッジ(例えば、図61(b)のエッジ61から67、69および75)を、欠陥ピクセルとして認識する。上記の欠陥ピクセルを表現する2値化ビットマップを得る。
次に、図63(a)で示すように得られた2値化ビットマップを膨張幅Wdilation分(本図では2ピクセル)膨張させ、欠陥ピクセルどうしを連結する。膨張させた2値化ビットマップは、2値化ビットマップのDilation演算の結果として得ることができる。このDilation演算はモルフォロジーの代表的な演算の一つである。
図63(b)で示すように欠陥検出時にはノイズ等の要因で欠陥が分断されて検出されることがある。この場合は、分断されて検出された部分を経験的な値である膨張幅Wdilationを使って融合して、融合された部分である領域を1個の欠陥として認識する。
モルフォロジーの代表的な演算であるDilation演算とErosion演算を説明する。Dilation演算δとErosion演算εとはAを対象画像(2値化ビットマップ)、Bを構造要素(2値化ビットマップ)とすると以下の結果を出力する演算である。
Figure 0004943304
(A)-bはAを-b平行移動することを意味する。また、∪、∩は、b∈Bを満たす全てのbに対する2値化ビットマップの和演算(OR)、積演算(AND)を意味する。
次に、ラベリング処理で互いに連結されたピクセルを1つの領域として認識する。ラベリング処理とは、4近傍もしくは8近傍で連結しているピクセルに同一の値を書き込み、連結ピクセル群を生成する方法である。互いに連結していない連結ピクセル群に別の値を与えることで、各連結ピクセル群を区別できる。この連結ピクセル群を欠陥が存在する領域と認識し、欠陥の外接長方形を求める。欠陥の外接長方形とは、連結ピクセル群を含む最小の長方形を意味する。
以上の手順は、図63(b)で示すように実行される。図63(b)では、基準パターンの右下方向(−45度)の線分に対応する欠陥が不連続に存在している。これらの欠陥は本来1つの欠陥であるが分断されている。まず、欠陥と認識された領域を二値化画像(黒いピクセルで示す)として求める。この二値化画像を膨張幅Wdilation分ふくらませると白いピクセルで示された領域ができる。次に黒いピクセルと白いピクセルとをラベリング処理で領域として認識して、この認識された領域を包含する最小の長方形領域が外接長方形として得られる。
最後に、外接長方形の中心を計算して欠陥位置とし、外接長方形の大きさを計算して欠陥サイズとする。得られた欠陥位置と欠陥サイズを欠陥情報とする。
4.6.2 ピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法
欠陥検出の第2の方法として以下の手順で、ピクセルの輝度分布を使い欠陥を認識する。まず、基準パターンとの対応づけが行われた検査対象パターン画像のエッジを連結して領域を求める。得られた領域の内側と外側の部分に存在するピクセルの輝度値を求める。各々の輝度値の分布は欠陥が無ければ正規分布をなす。よって、正規分布ではない輝度値を持つピクセルを欠陥ピクセルとして認識することが可能である。
正規分布ではない輝度値を持つピクセルを検出し、それらをラベリング処理で領域として認識して、この認識された領域を包含する最小の長方形領域が外接長方形として得られる。最後に、外接長方形の中心を計算して欠陥位置とし、外接長方形の大きさを計算して欠陥サイズとする。得られた欠陥位置と欠陥サイズを欠陥情報とする。
図64は、ピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法を示す模式図である。破線201は検査対象パターン画像のエッジを示す。破線201の両サイドの実線202、203は、エッジを指定幅太らせてできた領域の境界であり、実線202、203で囲まれた部分をエッジ領域と認識する。下地204と検査対象パターン内部205の輝度値は、おおよそ正規分布をなす。
図65に示すように、輝度値の分布が±3σ程度を越した部分Dは欠陥である可能性が高い。区間Dにはノイズも含まれるが、ノイズは領域内に比較的均一に存在する一方、欠陥は固まって存在する。区間Dに対応する輝度値を持つピクセルを1、それ以外の輝度値を持つピクセルを0とした2値化マップを作成する。指定された大きさ(例えば2×2ピクセル)以下の輝度値1を持ったピクセルの固まり(例えば、図64のピクセルの固まり207)を消去する。この処理にはミディアンフィルタなどが使用できる。このフィルタのウインドウサイズは検出したい欠陥の大きさを考慮した経験値である。残った輝度値1を持ったピクセルの固まり(例えば、図64のピクセルの固まり206)を欠陥と認識する。
前述の4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法は、基準パターンのエッジの近傍の欠陥を検出する。一方、本方法であるピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法は、基準パターンのエッジの近傍以外の場所に存在する欠陥を検出する。
欠陥が検出された場合には、欠陥情報(欠陥位置、欠陥サイズ、および、欠陥を含む画像)を欠陥種認識部14に出力する(ステップS322、324)。
4.7 検査対象パターン画像から得られる特徴量を使った欠陥種の判定方法
欠陥種認識部14は、欠陥情報および欠陥種参照データベース23の情報を使用して欠陥種を判定する(ステップS326)。具体的には、欠陥に対応する検査対象パターン画像の部分から特徴量を得て、基準となる特徴量と比較して欠陥種を判定する。基準となる特徴量は、典型的な各種の欠陥に対応する検査対象パターン画像の部分から得られた特徴量であり、欠陥種参照データベース23に蓄積されている。欠陥種認識部14は、欠陥情報(欠陥位置、欠陥サイズ、および、欠陥を含む画像)および欠陥種を、出力部13を介して表示装置5および印刷装置6に出力する(ステップS328)。欠陥種参照データベース23は、既に取得された画像を欠陥種ごとに登録したデータベースである。
欠陥種認識部14は、以下の手順で欠陥種を判定する。
欠陥と認識された連結したピクセルの幾何学情報を得る。幾何学情報は特徴量の一種である。得られた幾何学情報から、丸い、細長いなど欠陥の形状的特徴を認識することができ、丸ければ異物など、細長ければスクラッチなどと認識できる。欠陥と認識されたピクセルを検査対象パタ−ンの内側、外側、境界の3部分に区分する。これらの各部分ごとに、検査対象パターン画像のピクセルの輝度値を使ったピクセルの特徴量を得る。ここで得られる特徴量により、異物が金属片であるか有機物(例えば人間のあか)であるかなどの判断をつけることができる。すなわち、異物が金属であれば明るく、有機物であれば暗いということで種類を判別することができる。
また、検査対象パターンの内部に異物がある場合は、異物と認識されたピクセルの輝度値の変化が大きい場合に、異物が検査対象パターンの上に存在している可能性が高いと判断され、逆に、輝度値の変化が小さい場合は、異物が検査対象パターンの下に存在している可能性が高いと判断される。欠陥が検査対象パターン内部に存在するか外部に存在するか、検査対象パターン画像だけでは区別できないので、この処理は従来のダイ・ツー・ダイ法では困難である。本方法は、これらの特徴量を使い、良く知られた分類法で欠陥種を判定する。その分類法として、k最短距離法が使用できる。
上記の欠陥種判定方法は、従来行われている光学方式、SEM方式のADC(Automatic Defect Classification)を基にした方法であるが、本実施例によれば、設計データを使って検査対象パターンの内部と外部が認識できるので、各部分の特徴量が正確に得られ、分類精度が向上する。
4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量
次に、検査部12は、対応づけを行った検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジとの関係からパターン変形量を求める(ステップS330)。パターン変形量は、欠陥が検出されなかった部分から求める。そして、パターン変形量を、出力部13を介して表示装置5および印刷装置6に出力する(ステップS332)。
パターン変形量には、検査単位領域全体から得られるパターン変形量と、基準パターンの属性を使って検出されるパターン変形量の2種類がある。検査単位領域全体から得られるパターン変形量としては、例えば、エッジプレイスメントエラーの平均値、倍率変化量、および線幅の変形量が使用できる。
エッジプレイスメントエラーの平均値は、対応づけを行った検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジ間のベクトルd(x,y)の平均値として求められる。このエッジプレイスメントエラーの平均値はサブピクセル精度でのシフト量S2となる。このシフト量S24.5 マッチング後の処理で説明したシフト量S1を加えたものがサブピクセル精度でのシフト量になる。XYステージ321の誤差が無視できる場合は、シフト量S1+S2が検査単位領域ごとに検査対象パターンのエッジプレイスメントエラーの平均値になる。
XYステージ321の誤差が無視できなくて、検査をサブピクセル精度で実施する場合は、ここでシフト量S1+S2の値をシフト量S1に代入し、基準パターンをシフト量S1シフトさせて、ステップS318からS330を再度実行する。
X方向の倍率変化量を求めるには、縦方向の基準パターンの線分に関するベクトルd(x,y)のX成分を回帰直線で近似して回帰直線D(x)を求める。そして、回帰直線の勾配をX方向の倍率変化量とする。Y方向の倍率変化量についても同様の手順である。
図66において、(a)は基準パターンのエッジ(破線)、および検査対象パターン画像のエッジ(実線)の例を示し、(b)は(a)に示すエッジ間のy=y0におけるベクトルd(x,y0)のX成分を回帰直線D(x)で近似した例を示す。ベクトルd(x,y0)のX成分を回帰直線D(x)=ax+bで近似すると、傾きaが倍率変化量に相当する。図66(a)の例では、検査対象パターンが基準パターンよりも全体に大きいことがわかる。
図67において、(a)は基準パターンのエッジ(破線)、および検査対象パターン画像のエッジ(実線)の別の例を示し、(b)は(a)に示すエッジ間のy=y0におけるベクトルd(x,y0)のX成分を回帰直線D(x)で近似した例を示す。図67(a)の例では、検査対象パターン画像のパターンが基準パターンよりも全体に大きいことに加えて、直線形状パターンの幅が太っている。図67(a)において、基準パターンの直線形状パターン121、122、123は、それぞれ検査対象パターン画像の直線形状パターン124、125、126に対応する。
X方向の線幅の変形量は、例えば、sign(x,y0)・{d(x,y0)のX成分-D(x)}の平均値として求めることができる。ここで、sign(x,y0)は、(x,y0)の位置がラインの左側であれば−1をとり、ラインの右側であれば1をとる。なお、線幅の変形量に関して、sign(x,y0)・{d(x,y0)のX成分-D(x)}の標準偏差を求めれば、線幅の標準偏差が得られる。
4.9 基準パターンの属性の抽出ルール
前述の3.3 レシピデータ「(4)基準パターンの属性(直線部分、コーナー、終端、孤立パターン等)を認識するための抽出ルールが使用するパラメータ」の例を図68に従い説明する。直線部分171は、所定長L以上の長さをもつ線分として抽出される。コーナー172は、所定角度(90度、135度や270度など)で接触する2線分の接点近傍にある部分として抽出される。終端173は、所定長L以下の長さをもつ線分で、直線部分171,171と90度の角度をもって接する両端173t,173tをもつ線分として抽出される。終端173と二つの直線部分171,171はコの字型の形状をなす。孤立パターンは、所定面積以下の閉図形として抽出される。
4.10 基準パターンの属性を使って欠陥を検出する方法
図68で示したように、基準パターンの属性として、直線部分171、コーナー172、終端173、孤立パターン174などを使用する。基準パターンに基準パターンの属性を自動的に付加して検査時に使用する。
基準パターンの属性に関するパターン変形量として、前述の4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量で説明したエッジプレイスメントエラーの平均値、倍率変化量、および線幅の変形量のほか、直径、面積、周囲長、円形度、モーメント、曲率半径などの特徴量の変形量が使用できる。
4.10.1 終端のエッジプレイスメントエラーを持った欠陥
図69(a)および(b)は、終端のエッジプレイスメントエラーを示す模式図である。終端のエッジプレイスメントエラーは、図69(a)に示すように、基準パターンの終端を構成するエッジ164と検査対象パターン画像のエッジ163の間の最小距離である。
他の方法として、図69(b)に示すように、任意の幅をもった区間157に対応する複数の距離の平均値、最大値、最小値、または、中央値などを、終端のエッジプレイスメントエラーとしても良い。
もし、エッジプレイスメントエラーが、3.3 レシピデータ「(2)許容パターン変形量の−側の限界値および+側の限界値」の中の終端の許容エッジプレイスメントエラーの範囲になければ、この終端は欠陥を持っていると認識される。
4.10.2 直線部分、コーナーのエッジプレイスメントエラーを持った欠陥
図69(a)および(b)では、終端のエッジプレイスメントエラーについて説明したが、直線部分、コーナーも同様にエッジプレイスメントエラーを測定できる。直線部分については直線部分に対応する区間について得たエッジプレイスメントエラーから欠陥を検出する。コーナーについては、コーナーの成す角度の半分の角度もしくは指定した角度を持つ方向でのエッジプレイスメントエラーを求めて欠陥を検出する。
これらの場合は、終端の許容エッジプレイスメントエラーの代わりに、それぞれ、直線部分、コーナーの許容エッジプレイスメントエラーを使用する。
4.10.3 孤立パターンのプレイスメントエラーを持った欠陥
図70は、孤立パターンのプレイスメントエラーを示す模式図である。プレイスメントエラーは、(孤立パターンを構成する)基準パターンのエッジ160の重心162と、(孤立パターンを構成する)検査対象パターン画像のエッジ159の重心161との距離である。
もし、プレイスメントエラーが、3.3 レシピデータ「(2)許容パターン変形量の−側の限界値および+側の限界値」の中の孤立パターンの許容プレイスメントエラーの範囲になければ、この孤立パターンは欠陥を持っていると認識される。
4.10.4 孤立パターンの他の欠陥
また、孤立パターンから得られる特徴量の変形量を検査することができる。特徴量として、直径、面積、周囲長、円形度、モーメントなどが使用できる。図70で示すように、基準パターンのエッジ160と検査対象パターン画像のエッジ159から前記の特徴量を計算して、両者の特徴量の差異を検査して欠陥を検出することができる。
4.10.5 コーナーの曲率異常欠陥
図71において、(a)は基準パターンのコーナーのエッジの例を示し、(b)は検査対象パターン画像のコーナーのエッジの例を示す。図71(a)に示す基準パターンのエッジ166のコーナーには半径R1の丸みをつける処理がなされている。検査対象パターン画像のエッジ165の曲率半径として、最小自乗近似して得られた半径R2が得られる。半径R2の代わりに、コーナーの曲線を楕円で最小自乗近似して得られた長径、短径を用いても良い。半径R1と半径R2の差異を検査して欠陥を検出することができる。
以上の検査は、視野内の複数の箇所に対し同時に実行される。検査項目は、前述の3.3 レシピデータ「(1)求めたいパターン変形量」に従い選択される。
4.11 第2のエッジ検出
検査部12は、検査対象パターン画像から再度エッジ(第2のエッジ)を検出する(ステップS334)。第2のエッジは、検査対象パターン画像から得られたプロファイルから検出される。第2の基準パターンとしては、図76の点Qがエッジになる基準パターンを用いる。これに対し、前述の4.1.2 第1のエッジ検出方法2で説明したエッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない画像の場合、第1の基準パターンとしては、点Pがエッジになる基準パターンが用いられる。したがって、第2の基準パターンと第1の基準パターンは一般に異なる。
検査対象パターン画像の第2のエッジ検出を行う前に、前述のシフト量S1+S2の分だけ第2の基準パターンをシフトさせる。以後の処理は、このシフトを行った状態で行う。
プロファイルからエッジ位置を検出するには、しきい値法、直線近似法など各種開示されているが、本実施形態では、その中のしきい値法を用いて、CD−SEMで行っている線幅測長を2次元パターン画像(検査対象パターン画像)に応用している。ただし、しきい値法を、直線近似法など別の方法に置き換えても同様に処理が可能である。ここで、直線近似法とは、プロファイルを直線で近似し、交点を使ってエッジを検出する方法である。
図72は、プロファイル取得区間の例を示す模式図である。図72で示すように、プロファイル取得区間は、第2の基準パターンを中点として、第2の基準パターンのエッジの垂直方向に設定される(二重線で示された線分)。プロファイル取得区間の長さは、前述の3.3 レシピデータ「(6)プロファイル取得区間の長さ」であり、プロファイル取得区間の間隔は、前述の3.3 レシピデータ「(6)プロファイル取得区間の間隔」である。
なお、前述の第2の基準パタ−ンの代わりに、図73に示すように、リソグラフィ・シミュレータで得られた露光パターンの外形を(図中実線)を使用しても良い。
プロファイル取得区間に対応する検査対象パターン画像の区間から、前述の3.3 レシピデータ「(6)プロファイル取得区間内のサンプリングポイントの間隔」である間隔で、プロファイルのデータを取得する。プロファイル取得区間の長さは許容パターン変形量より長くする。またサンプリングポイントの間隔は通常ピクセル間隔以下の値とする。プロファイルのデータの作成には、双一次補間、スプライン補間、フーリエ級数などの方法を用いる。
図74は図72の一部(Bの部分)を拡大した模式図であり、図75は図74の一部(Cの部分)を拡大した模式図である。図74もしくは図74の二重線は図72のプロファイル取得区間と同じである。図75の格子の交点はピクセルの位置を、プロファイル取得区間上の黒点はプロファイル取得区間上の輝度値を取得する位置を示している。
双一次補間法とは、(0,0)(0,1)(1,0)(1,1)で示されたピクセルの輝度値I(0,0)、I(0,1)、I(1,0)、I(1,1)を使って、位置(x,y)、(0<x≦1,0<y≦1)にある点の輝度値I(x,y)を次の計算式で計算するものである。
Figure 0004943304
この式を使って得られたプロファイルから、しきい値法を使って第2のエッジ位置を検出する。図76に示すように、得られたプロファイルの中の最大輝度値Vとその位置Pを求める。その最大輝度値Vに予め指定された係数kをかけた数値をしきい値Tとし、輝度値=しきい値Tの直線とプロファイル曲線との交点を求める。これらの交点で、点Pから検査対象パターンの外側方向にあり、最も点Pに近い交点Qを求める。すべてのプロファイルから交点Qを計算して第2のエッジを検出する。
ウェーハに形成された検査対象パターンの断面形状は台形状をなす。測長を、この断面形状の上辺で行うのか、下辺で行うのか、あるいは中間部で行うかを係数kで設定することができる。
例えば、図76に示す係数kとして0.5を使用すれば、検出されたエッジは、理想的なエッジ位置から検査対象パターンの外側方向に電子線のビーム径の半分の量だけ移動した位置になる。電子線のビーム径とは区間の幅であって、その区間内の輝度値が、輝度値の最大値の半分以上を持っている。
第2のエッジを検出したら、検出された第2のエッジを使って曲線近似(多角形近似を含む)を行い、検出された第2のエッジを連結する。最も単純な方法は、検出されたエッジを単に折れ線(多角形形状の線)で連結する方法である。例えば、以下の分割融合法を用いると、最小自乗法による多角形近似で検出された第2のエッジをスムーズに連結できる。T. Pavlidis and S. L. Horowitz : “Segmentation of plane curves”, IEEE Trans. On Computers,vol. C-23, no.8 Aug., 1974。図77(a)は、この方法の例を示す模式図である。
これ以外にも、図77(b)に示すような最小自乗法と2次元スプライン関数を使った平面データの平滑化による曲線近似を用いることもできる。前者は、高速に処理できるが丸まった形状を多く含む曲線には柔軟性がない。一方、後者は、高速性を満たし且つ柔軟性をもつ特性がある。これら以外にも、フーリエ記述子による方法など各種の方法が開示されており、これらでも置き換え可能である。
なお、以上のような曲線近似は、第1のエッジ検出を行った後に行っても良い。
プロファイル取得区間を設定する方法として次の2つの方法が使用できる。その1つは、前述の方法であって、プロファイルを取得する方向および位置を第2の基準パターンを使って予め設定する方法である。この方法は、前述の3.3 レシピデータ「(6)プロファイル取得区間をレシピデータ設定時に設定するか第1のエッジを検出してから設定するかのフラグ」がレシピデータ設定時のときに使用される。この方法では、プロファイル取得区間が、第2の基準パターンを使って一意的に設定される。
プロファイル取得区間を設定する別の方法として、プロファイル取得区間を第1のエッジを検出してから適応的に設定する方法が使用できる。前述の3.3 レシピデータ「(6)プロファイル取得区間をレシピデータ設定時に設定するか第1のエッジを検出してから設定するかのフラグ」が、「第1のエッジを検出してから」の場合に使用される。
この方法は、図78(a)に示すように、検出された検査対象パターン画像の第1のエッジの垂直方向にプロファイル取得区間を設定する方法である。この方法によれば、図78(b)に示すように、検出された検査対象パターン画像の第1のエッジ(実線)が前述の第2の基準パターン(点線)からずれていたとしても、プロファイル取得区間を前述の方法より短くできる。また、この方法は、前述の方法に比べ、パターンの変形に追従しやすい。プロファイル取得区間の設定後は、前述の方法と同様の処理を行う。
4.12 第2の検査
第2のエッジ検出の後、検査部12は、第2の検査を行う(ステップS336)。この検査は、4.6 前述の第1の検査のS320からS332と同じ処理であるが第1のエッジのかわりに第2のエッジを使用することが異なっている。ステップS318では、検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジとの対応づけを行うが、第2の検査ではプロファイル取得区間によって対応づけられている。
第2の検査で欠陥検出を行い、パターン変形量を求める。ここで求められる画像全体に関するシフト量S3は、前述の4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量で説明したシフト量S2に対応する。ここで求めたシフト量S3に、前述のシフト量S1およびシフト量S2を加えたものが、第2の基準パターンと検査対象パターン画像のパターンとの間の全シフト量となる。
第2の検査では、前述の4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法と前述の4.6.2 ピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法を以下の方法にする。
第1の検査の4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法では、基準パターンのエッジと対応づけができなかった検査対象パターン画像のエッジのピクセルは、欠陥として認識される。しかし、第2の検査では、前述の3.3 レシピデータ「(2)許容パターン変形量の−側の限界値および+側の限界値」の範囲にエッジが存在しないプロファイル取得区間を欠陥として扱う。
第1の検査の4.6.2 ピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法では、基準パターンのエッジと対応づけが行われた検査対象パターン画像のエッジを連結して領域を求める。しかし、第2の検査では、基準パターンのエッジを連結して領域を求める。
以上の基本検査処理をすべての検査単位領域について行った場合には検査処理を終了し、そうでない場合にはステップS308に戻る(ステップS340)。
5.応用検査処理
以上は図25に示されたフローチャートに基づく基本検査処理の説明である。この章では、この基本検査処理を発展させた応用検査処理を説明する。
5.1 繰り返し発生する欠陥の認識方法
前述の4.基本処理で説明したように、繰り返し発生する欠陥を認識する場合の検査処理の例が図27に示されている。この検査処理は図25に示された検査処理を拡張したものである。
第1の繰り返し発生する欠陥の認識方法として、以下の手順を実行する。
まず検査の前に準備する工程を示すブロックAが実行される。次に、各半導体デバイスの検査領域の検査の工程であるブロックBで欠陥を検出した後に、検出された欠陥を融合する(ステップS402)。図27のブロックAおよびブロックBは、それぞれ図26のブロックAおよびブロックBと同一である。ブロックAにおけるステップS302からS306は、図25におけるステップS302からS306とそれぞれ同一である。またブロックBにおけるステップS308からS336はそれぞれ図25のステップS308からS336と同一である。
ブロックBにおいては、欠陥情報を欠陥情報記憶部24に出力するステップS338が追加されていることが、図25と異なっている。ブロックBにおけるステップS340は図25のステップS340と同一である。ステップS340における検査単位領域は、設計データで使われている座標系で表現された検査領域を分割して得られたものであり、各半導体デバイスの検査単位領域が検査される。
図23に示す検査単位領域より広範囲の検査領域を検査する場合は、複数の検査単位領域に存在する欠陥が複数箇所に分断されて検出されることがある。これらの複数箇所に分断された欠陥を融合することにより、検査単位領域の間にある境界による欠陥の分割を解消することができる。
図79は検査領域が4つの検査単位領域に分割されている場合を示す模式図である。欠陥Aは、右上側の検査単位領域と右下側の検査単位領域にまたがって存在している。まず、右上側の検査単位領域に存在する欠陥Aの部分の外接長方形31と右下側の検査単位領域に存在する欠陥Aの部分の外接長方形32が求められる。外接長方形31、外接長方形32は、4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法で説明した手順で求められたものである。
次に、検査領域を構成する全ての検査単位領域内に含まれる外接長方形について重なり検査をする。もし重なっている場合は、上記の重なり合った外接長方形全てを含む最小の外接長方形が融合された外接長方形とされる。本例では、外接長方形31と外接長方形32から融合された外接長方形Mが得られる。なお、外接長方形M(点線で示す)と、外接長方形31および外接長方形32とは、一部の線が重なっているべきであるが、図示上の便宜上、外接長方形Mの方が若干大きく描かれている。
同様に4つの検査単位領域にまたがって存在している欠陥Bも融合される。この場合は4つの外接長方形が融合して1つの融合された外接長方形が得られる(ステップS402)。得られた外接長方形の内に存在する欠陥情報を融合し、融合された欠陥情報を欠陥情報記憶部24に記憶させる(ステップS403)。
検査対象半導体デバイスの全ての検査を行ったか否かのチェックをしたのちに(ステップS404)、全ての検査が終了したと判断された場合には、繰り返し発生する欠陥を認識する(ステップS406)。これらの欠陥情報は同一の設計データに基づいて製造された各半導体デバイスの同じ検査領域から得られたものであり、設計データで使われている座標系で表現されており、ステップS338によって欠陥情報記憶部24に記憶されている。
図80は、第1の半導体デバイスと第2の半導体デバイスから得られた欠陥情報を示す模式図である。第1の半導体デバイスから得られた欠陥情報と第2の半導体デバイスから得られた欠陥情報を重ねると、外接長方形33Aと外接長方形33Bが外接長方形34と重なると判定される。この処理は図形の論理演算として広く知られている。これら3つの外接長方形を含む最小の外接長方形として共通外接長方形35を得る。この共通外接長方形35内に存在する欠陥(図示されていない)を、複数の半導体デバイスに共通に存在する欠陥、すなわち繰り返し発生する欠陥として認識する。
この場合は、共通外接長方形35の内部に繰り返し発生する欠陥が存在し、第1の半導体デバイスの欠陥検出時にはノイズなどの要因で外接長方形33Aと外接長方形33Bとに分断されて検出され、第2の半導体デバイスの欠陥検出時には一塊の外接長方形34として検出されたことを意味する。外接長方形33Aと外接長方形33Bと、外接長方形34がずれているのは、欠陥がわずかにずれた位置で検出されたことを意味する。
以上の処理は、3つ以上の数であるN個の半導体デバイスから得られた欠陥情報を使用する方法でも同様に実行できる。この場合は、M個以上の半導体デバイスから得られた外接長方形が重なり合うときに、繰り返し発生する欠陥が認識される。数Mは2からNまでの数値で、大きいほどより厳密に繰り返し発生する欠陥を取得できる。
以上の検査で得られた繰り返し発生する欠陥の欠陥情報を欠陥情報記憶部24に出力する(ステップS408)。この欠陥情報記憶部24の欠陥情報は、出力部13を介して表示装置5および印刷装置6に出力される(ステップS410)。
本実施例によれば、オペレータの大量の単純労働を不要にし、オペレータのミスによる欠陥認識低下を防ぐことが可能になる。また、試料が汚染された場合でも、汚染物が異なるダイの同一箇所に存在することがほとんど無いので、汚染物を繰り返し発生する欠陥として認識することがない。
5.2 領域検査方法
前述の4.6 第1の検査4.12 第2の検査では設計データを単純に基準パターンに変換している。他の検査方法として、領域検査方法に適した基準パターンを、設計データを成す線分の幾何学情報もしくは接するか近接する設計データを成す線分同士の関係を使用して抽出する検査方法が使用できる。領域検査方法とは対向するエッジを使用する検査方法を意味している。
領域検査方法として、直線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、平均スペース幅検査方法、曲線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、平均スペース幅検査方法、切断もしくは短絡しやすい部分の検査方法、および、ゲート線幅検査方法が使用できる。
5.2.1 直線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法
線幅、平均線幅、スペース幅、および平均スペース幅のモニタリングによって半導体デバイスのプロセスを管理する方法がある。本実施例によれば、線幅、平均線幅、スペース幅、もしくは平均スペース幅の検査に適した基準パターンを、設計データから抽出し、抽出された基準パターンごとに、線幅、平均線幅、スペース幅、もしくは平均スペース幅の許容パターン変形量を設定する検査方法が実現できる。これらの検査方法は以下の手順で実施される。
図81は、線幅検査用に適した基準パターンを設計データから自動的に抽出する規則を示す模式図である。設計データの直線形状パターンであって、指定された最大線幅Lwより細く、かつ、指定された最小線長Lmより長い直線形状パターンが線幅検査用に適した基準パターンが対象になる。図81の左側で示すように、設計データには3つの直線形状パターンがある。左の直線形状パターンは処理の対象になるが、中の直線形状パターンは最大線幅Lw以上なので、処理の対象にならない。また右の直線形状パターンは最小線長Lm以下なので処理の対象にならない。
次に、図81の右側の部分で示すように、選別された直線形状パターンを、その終端から指定された終端非使用長Lo分内側に縮める。この直線形状パターンを区間長Liの長方形に分割し、分割された長方形が線幅検査用基準パターンA(実線で示されている)として登録される。また、ここで得られた線幅検査用基準パターンAの境界が中心にくる基準パターンB(二重線で示されている)を線幅検査用基準パターンBとして追加しても良い。
基準パターンBを付加することによって、基準パターンAの境界およびその近傍に存在している欠陥の検出能力が向上する。基準パターンの大きさに対する欠陥の大きさの割合が高いほど、欠陥の検出能力は高い。欠陥が一つの基準パターンに存在している場合の基準パターンの大きさに対する欠陥の大きさの割合をRとする。同じ大きさの欠陥が二つの基準パターンに分割されて存在している場合の基準パターンの大きさに対する欠陥の大きさの各割合はRより小さくなる。従って、欠陥が一つの基準パターンに存在する場合の方が欠陥の検出能力が高くなる。
図82に示すように、少なくとも1つのコーナーを持つ設計データの直線形状パターンに対しては、コーナー部分で長方形に分離してから処理を施す。図82の点線で示すコーナーを有したL字状多角形が実線で示す2つの長方形に分離されることになる。
スペース幅検査は反転された設計データを使って上記と同様の処理を施すことで実現できる。反転された設計データとは、設計データの中のパターンの内部を外部に、外部を内部に反転したものである。図83は、スペース幅検査用に適した基準パターンを設計データから自動的に抽出する規則を示す模式図である。図83で示すように、Lm’、Lw’、Li’、Lo’はLm、Lw、Li、Loと意味は同じだが、一般に異なる値を使用する。これらの値を用いて、図81で説明した方法と同じ方法によりスペース幅検査を行えば良い。以上で使用したLm、Lw、Li、Lo、Lm’、Lw’、Li’とLo’の値は前述の3.3 レシピデータ「(5)線幅検査用に適した基準パターンの最大線幅、最小線長、終端非使用長、スペース検査用に適した基準パターンの最大線幅、最小線長、終端非使用長」として管理される。
線幅検査用に適した基準パターンとスペース幅検査用に適した基準パターンを使う検査方法は、次の手順で実施される。
得られた基準パターンの線分であって設計データに存在していた線分に対応する検査対象パターン画像のエッジの平均エッジ位置を計算する。この平均エッジ位置間の距離を計算し、得られた距離と設計データの線幅もしくはスペース幅Wとの差が3.3 レシピデータ「(2)線幅の許容パターン変形量」もしくは「(2)スペース幅の許容パターン変形量」を超えた場合にこの基準パターンに対応する部分が欠陥をもつと認識する。
図84は、線幅検査用に適した基準パターンとスペース幅検査用に適した基準パターンを使う検査方法を示す模式図である。基準パターンには設計データに存在していた二重線で示された線分Ldと基準パターンが生成されたときに付加された線分Leがある。図72に示すように、線分Ldに対して垂直方向にプロファイルを取得し、図76に示すようにそのプロファイルからエッジを求める。これらの求めたエッジ位置の平均を取り平均エッジ位置を求める。
図84では左側の平均エッジ位置Aと右側の平均エッジ位置Bが得られる。次に左側の平均エッジ位置Aと右側の平均エッジ位置Bの距離W’を求め、この距離W’と設計データの線幅Wとの差を求める。この差が許容パターン変形量以上なら、基準パタ−ンに対応する部分に欠陥があると認識する。
別の方法として、線分Ld上の各プロファイルを取得してこれらのプロファイルを平均して平均エッジ位置を求める方法が使用できる。
以上では平均線幅検査もしくは平均スペース幅検査の方法を示したが、平均値を使用せずに各々の線幅もしくはスペース幅を検査する方法を使用しても良い。
5.2.2 曲線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法
前述の領域検査方法では実施できない曲線形状パターンの線幅、平均線幅、スペース幅、および、平均スペース幅検査方法が使用できる。曲線形状パターンとして設計データのコーナー部分が典型である。曲線形状パターン検査方法には複雑な計算を必要とするが、直線形状パターンと同様にこれらの検査方法が半導体デバイスのプロセスを管理する方法として重要である。
図85は、設計データのコーナー部分から線幅検査に適した基準パターンを得る手順を示す模式図であり、図86は、設計データのコーナー部分である曲線形状パターンの最小線幅検査の手順を示す模式図である。
図85に示すように、設計データから得られた基準パターン(点線で示されたL字状多角形)から直線形状パターンの線幅検査に適した基準パターン(実線で示された二つの長方形)を削除して得られた多角形CP1,CP2,CP3を得る。得られた多角形であって終端を含むパターンではない多角形CP2が設計データのコーナー部分の線幅検査に適した基準パターンとして選ばれる。
検査の対象となる線幅とは、設計データに存在していた線分に対応する曲線(図86の太い実線で示され、図18に示すように曲線で補正されたコーナー部分を有するL字状の線分に相当する曲線)間の最小距離である。まず、これらの曲線に対応する第2のエッジを検出する(図72から図76参照)。図86で図示の二重線はプロファイル取得区間を表し、黒丸(●)は検出された第2のエッジを表している。
以下の処理を左下側の曲線に対応する全ての検出された第2のエッジについて実行する。
(1)左下側の曲線に対応する1つの検出された第2のエッジと右上側の曲線に対応する全ての検出された第2のエッジとの距離を求める。
(2)得られた距離の中で最小のものを得る。
得られたそれぞれの距離の最小値が前述の3.3 レシピデータ「(2)許容される最小線幅」未満なら、この基準パターンに対応する部分に欠陥が存在していると判断する。ここで、最小距離の代わりに、平均線幅を計算して、平均線幅を検査する方法を実行しても良い。
曲線形状パターンは一般に線幅の異なる複数の直線形状パターンからなっている。また、曲線形状パターンは回路の接続に使用される。以上の理由から許容パターン変形量を使用する線幅検査方法よりも最小線幅検査方法が適している。
他の方法として、Erosion演算を使用する方法が使用できる。Erosion演算は、前述の4.6.1 異常パターン変形量を持った欠陥の認識方法で説明した。図87は、Erosion演算を使用して設計データのコーナー部分である曲線形状パターンの最小線幅検査の手順を示す模式図である。Erosion演算を使用する最小線幅検査方法は以下の手順で実行される。
(1)左下側の検出された第2のエッジと右上側の検出された第2のエッジを時計回り又は反時計回りに連続的に連結して多角形を作る。図87においては、全ての検出された第2のエッジは、矢印CW1−CW5で示すように、線分によって時計回りに連続的に接続されている。
(2)得られた多角形を2値化ビットマップに変換する。(図87の格子状の部分)
(3)多角形CP2を作成したときに付加された線分Lcに、Erosion演算で使用される構造要素の半径の幅を持った長方形を付加する。(図87のドットで示す2つの長方形部分)
(4)得られた2値化ビットマップのErosion演算の結果を求める(図87の太線で囲まれた2つの領域Me)。Erosion演算で使用する構造要素は、前述の3.3 レシピデータ「(2)線幅の許容パターン変形量の−側の限界値」の絶対値を直径とする円を使用する。
(5)もし線分Lcに対応するビットマップの部分ILcが上記の領域Meで連結していれば、この基準パターンに対応する部分に欠陥がないと判断される。しかしこの場合、線分Lcに対応するビットマップの部分ILcが上記の領域Meで連結していないので、この部分に欠陥が存在すると判断される。
前述の方法の(1)から(5)の等価な処理として、矢印CW1−CW5で示された多角形をサイズ処理しても良い。この場合は、2本の線分Lcはサイズ処理を実施しない。それ以外の多角形の線分は、前述の3.3 レシピデータ「(2)線幅の許容パターン変形量の−側の限界値」の絶対値の半分の量のサイズ処理を実施し多角形を縮める。サイズ処理後の多角形が2本の線分Lcそれぞれに対応する線分を含んでいれば、この基準パターンに対応する部分に欠陥がないと判断される。そうでなければこの部分に欠陥が存在すると判断される。
以上の処理は線幅検査であったが、スペース幅についても同様に検査される。
以上の領域検査に関わる本実施例を使用すれば、これらの領域検査が複数のエッジの情報を使用しているので、欠陥検出能力、および欠陥認識精度が向上する。
5.2.3 切断もしくは短絡しやすい部分の検査方法
前述の5.2.2 直線形状パターンの線幅もしくはスペース幅検査方法の一種に、切断もしくは短絡しやすい部分の検査方法が使用できる。図88は、切断もしくは短絡しやすい部分の抽出方法を示す模式図である。図88の左側に示すように、線幅が前述の3.3 レシピデータ「(5)切断しやすい部分の最大線幅Bw」より狭く、かつ、前述の3.3 レシピデータ「(5)切断しやすい部分の最大線長Bl」より短い、設計データの直線形状パターンの部分である長方形γによって示される部分が抽出される。
この抽出された部分である長方形γが切断されやすい部分に該当し基準パターンとして登録される。長方形γの両側である線分αと線分βに対して図84で示した第2のエッジ検出を行うことで検査を行う。線分βはコーナーの丸みがあるので平均線幅を試用せずに各々の線幅が検査される。
同様に、短絡しやすい部分については、図88の右側に示すように、前述の3.3 レシピデータ「(5)短絡しやすい部分の最大スペース幅Sw」,前述の3.3 レシピデータ「(5)短絡しやすい部分の最大スペース長Sl」を使って得られた長方形ζが短絡しやすい部分として登録され、スペース幅が検査される。
切断もしくは短絡しやすい部分の別の検査方法は、図89に示すように以下の手順で行われる。
図89の左側は切断しやすい部分の検査方法を示す模式図であり、図89の右側は短絡しやすい部分の検査方法を示す模式図である。図89の太い黒枠で示された長方形パターンは、図88の長方形γ,長方形ζと同じである。また、図89の格子状の部分に対応する画像部分には明確に下地とコントラストがあるが、ドットで示す部分に対応する画像部分には下地に薄いコントラストがある。図89の左側のドットで示す部分は、切断している状態が示されている。また、図89の右側のドットで示す部分は、短絡している状態が示されている。
このような場合には3種類のエッジが存在している。1つは下地と格子状の部分の境界に存在するエッジであり、もう1つは下地とドットで示す部分の境界に存在するエッジである。最後は格子状の部分とドットで示す部分の境界に存在するエッジである。図89の左側に示すような切断の場合は、下地とドットで示す部分の境界に存在するエッジが検出されてしまい、欠陥が検出されない。また図89の右側に示すような短絡の場合は格子状の部分とドットで示す部分の境界に存在するエッジを検出してしまい、欠陥が検出されない。このような場合でもドットで示す部分に存在する欠陥を以下の方法で検出できる。
Gで示された長方形γおよび長方形ζが含まれる8つの区間について図示の矢印方向に第2のエッジが存在するか検査する。これら8つの区間には、切断もしくは短絡しやすい部分ともに第2のエッジが存在してはならない。よって、これらの8つの区間に第2のエッジが検出された場合には、長方形γもしくは長方形ζは欠陥と認識されることになる。
本実施例によれば、薄いコントラストで観察される切断もしくは短絡した欠陥を検出できる。また、切断もしくは短絡したという情報を持つ欠陥種を設定できる。
以上のこれらの領域検査に関わる本実施例によれば、オペレータの検査では不可能な広い範囲の検査が可能になる。
5.3 信号強度補正を必要とするパターンの検査方法
前述の4.6 第1の検査4.12 第2の検査では検査対象パターンは個別に検査される。しかし、2次荷電粒子発生率や捕獲率の変動などに起因する現象により、検査対象パターンのエッジ間の距離が実体より狭まって観察されることや、広がって観察されることがある。これらの現象は、基準パターンの近接線分と離隔線分に対応する検査対象パターンの部分に発生する。近接線分とは、対向する線分のうち最も近い線分間の距離が指定値よりも小さい線分である。離隔線分とは、対向する線分のうち最も近い線分間の距離が指定値よりも大きい線分である。
例えば、上記近接線分に対応するエッジ間の距離が広がって観察されることがあり、上記離隔線分に対応するエッジ間の距離が狭まって観察されることがある。本実施例によれば、それらの近接/離隔線分の位置を補正し、他の基準パターンの線分の許容パターン変形量とは異なる近接/離隔線分の許容パターン変形量を設定して、この現象を補正する。
また、離隔線分に対応する2つのエッジ間の距離が、プロセス条件の変動で設計データの距離より短くなることがあるが、必ずしも半導体デバイスの電気特性に影響するわけではない。このような場合には、パターンの離隔線分では許容パターン変形量を大きくして、このような短くなった距離を無視することができる。
図90では、基準パターンから近接線分を抽出する方法が模式的に示されている。補正が必要な近接線分どうしの最大距離をDpとする。まず、図90の左の枠内の左の長方形の右側の太線で示す線分について近い線分を求める。求めるべき線分は太線で示された線分に対向して右方向に存在し、かつ、基準パターンの左側を形成する線分である。図90の左の枠内の点線の線分がこの条件に当てはまる。次に、これらの線分であって太線で示す線分との距離がDp以下である中央の長方形の点線で示された線分Lpが選ばれる。最後に、選ばれた線分Lpを太線で図示の線分に射影して重なる部分が、補正が必要な近接線分として認識される。これは図90の右の枠内の波線で示された線分である。
近接線分について、線分の位置の補正をすることと、許容パターン変形量を他の線分とは異なった値に設定する。ここで、位置の補正量や許容パターン変形量を距離にしたがって可変にしても良い。
図91では、基準パターンから離隔線分を抽出する方法が模式的に示されている。補正が必要な離隔線分どうしの最小距離をDtとする。まず、図91の左の枠内の左の長方形の右側の太線で示す線分について近い線分を求める。この太線で示された線分に対向する線分は右方向に存在し、かつ、基準パターンの左側を形成する線分である。図91の左の枠内の点線の線分Ltがこの条件に当てはまる。
次に、これらの線分のうち太線で示す線分との距離がDt以下である線分Ltが選ばれる。最後に、選ばれた線分Ltを太線で示す線分に射影して重なる部分が補正対象線分ではないものとして認識される。これは図91の右の枠内の波線で示された線分である。この結果、太線で示す線分であって前述の波線の線分を除いた線分が離隔線分として認識される。
離隔線分についても、線分の位置の補正をすることと、許容パターン変形量を他の線分とは異なった値に設定する。ここで、位置の補正量や許容パターン変形量を近接する距離にしたがって可変にしても良い。例えばH部分の線分の位置の補正量を上記で得られた離隔線分の位置の補正量より小さく設定して、J部分の線分の位置の補正をしないことが可能である。
本実施例によれば、基準パターンの線分の位置を補正すること、もしくは、許容パターン変形量を設定することにより、前述の現象の効果を低減することができる。
5.4 オーバーレイエラーの検査方法
5.4.1 前工程のパターンと検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法
下層に検査時の工程の前工程パターンが存在している検査対象パターンの検査方法として、検査時の工程の前工程の検査対象パターンと検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法が使用できる。
本実施例では、基準パターンとして、検査時の工程に関する基準パターンと検査時の工程の前工程に関する前記基準パターンを使用する。図92は、検査対象パターン画像、および、検査時の工程に関する基準パターンと検査時の工程の前工程に関する基準パターンの例を示す模式図である。
まず、検査時の工程に関する基準パターンと検査時の工程の前工程に関する前記基準パターンと検査対象パターン画像とを使ってマッチングを実施する。一般的には、検査時の工程で形成されたパターンと検査時の工程の前工程で形成されたパターン間にオーバーレイエラーと呼ばれるエッジプレイスメントエラーが発生している。次に4.12 第2の検査で説明したシフト量S3を、検査対象パターン画像と検査時の工程に関する基準パターンとを使って求める。得られたシフト量S3をシフト量SUとする。同様に検査時の工程の前工程に関する基準パターンを使ってシフト量SDを求める。最後に、シフト量SUとシフト量SDの差がオーバーレイエラーとして得られる。
本実施例によれば、半導体デバイス全体に対する検査単位領域ごとにオーバーレイエラーを求めることにより、半導体デバイス全体のオーバーレイエラー分布が得られる。従来のオーバーレイエラー管理は半導体デバイスの限られた箇所での測定に拠っていたので、ステッパーの歪みに起因する局所的なオーバーレイエラーなどは管理することができなかった。しかし、本実施例によれば、得られたオーバーレイエラー分布を使用して半導体デバイス全体にわたる局所的なオーバーレイエラーの管理が可能になる。
5.4.2 二重露光方式で製造された検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法
図93は、二重露光方式でゲートを製造する方法を示す模式図である。図93(a)で示されたマスク1は、バイナリーマスクもしくは、ハーフトーン位相シフトマスク(Half-tone Phase Shift Mask)である。マスク1は、ゲート部分より線幅の広いパターンであるゲート配線を製造するために使用する。図93(b)で示されたマスク2は、位相配置型位相シフトマスク(Alternating Aperture Phase Shift Mask)である。マスク2の透過領域0とマスク2の透過領域πの位相が反転した関係を持っているので、マスク2の透過領域0とマスク2の透過領域πの間の部分は高解像度で露光される。ゲート部分はマスク2の透過領域0とマスク2の透過領域πの間の部分を使って製造される。
二重露光方法とは、マスク1を使った露光とマスク2を使った露光の二回の露光で、ゲート配線とゲート部分を露光する方法である。マスク1の透過部分とマスク2の透過部分のいずれかもしくは両方で露光された部分が検査対象パターンの下地になる。すなわち、図93(c)で示されたマスク1の設計データとマスク2の設計データの論理和演算の結果に対応する部分がパターンの下地になる。図93(d)は、二重露光方式でウェーハに形成された検査対象パターンを示す模式図である。
図94は、二重露光方式で製造された検査対象パターンの検査で使用する基準パターンの例を示す模式図である。二重露光方式で製造された検査対象パターンの検査で使用する基準パターンは以下の手順で作成される。
(1)図94(a)で示すように、図93(c)で示されたマスク1の設計データと図93(c)で示されたマスク2の設計データの論理和演算の結果を得る。図94(a)の実線はマスク1の設計データの直線を表し、図94(a)の点線はマスク2の設計データの直線を表している。図94(a)の黒丸(●)の近傍は、論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに対応し、図94(a)の白丸(○)の近傍は、それら以外のコーナーに対応している。
(2)前述の3.2 基準パターンで説明したように、得られた論理和演算の結果である多角形の頂点に対応するコーナー部分に円、楕円、直線、もしくは他の方法で記述した曲線を適用し、検査対象パターンに近くなるように補正する。
論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに、それら以外のコーナーに適用する円と同じ円を適用すると、擬似欠陥が発生する。論理和演算で発生した頂点に関するコーナーのコーナーラウンドは、二重露光の強度の和の値で形成されるが、それら以外のコーナーのコーナーラウンドは、OPCに関する効果で形成されるからである。
この問題を解決するために、論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに、それ以外のコーナーに適用した円、楕円、直線、もしくは他の方法で記述した曲線とは異なるものを適用して補正する。具体的には、図94(a)の黒丸(●)の近傍である論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに適用する円の半径を、図94(a)の白丸(○)の近傍であるそれら以外のコーナーに適用する円の半径より小さくする。図94(b)は、コーナーに適用される円の例を示す模式図である。
他の方法として、マスク1とマスク2の設計データから得られた基準パターンの論理和演算の結果を基準パターンとして使用する方法が使用できる。図95は、前記の方法で作られた基準パターンの例を示す模式図である。図95(a)で示されたマスク2の設計データから得られた基準パターンに適用された円と図95(a)で示されたマスク1の設計データから得られた基準パターンの直線が交差している。図94で示した方法をこの場合に使用すると、マスク2の設計データから得られた基準パターンに適用された円の分割が正確にできない。本方式を使用すれば、図95(b)に示すように、マスク1とマスク2の設計データから得られた基準パターンの論理和演算の結果を基準パターンとして得られる。図94で使用した方法を使用すると、より正確にコーナーラウンドを表現できる。なお、図94で使用した方法と同様の方法で、論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに円を適用する。
前述の5.4.1 前工程のパターンと検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法に準じた方法で、マスク1を使って露光した検査対象パターンの部分とマスク2を使って露光した検査対象パターンの部分のオーバーレイエラーの検査ができる。この方法は、前述の5.4.1 前工程のパターンと検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法と以下の部分が異なる。
図96は、二重露光方式で製造された検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法を示す模式図である。検査時の工程に関する基準パターンを使う代わりに、マスク1の設計データから作られた基準パターンの直線と円を使ってシフト量Smask1を求める。同様に、検査時の工程の前工程に関する基準パターンを使う代わりに、マスク2の設計データから作られた基準パターンの直線と円を使ってシフト量Smask2を求める。シフト量mask1とシフト量mask2の差がオーバーレイエラーとして得られる。なお、論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに適用された円は、マスク1の露光とマスク2の露光の両方で製造されたから使用しない。
本実施例によれば、二重露光方式で製造された検査対象パターンのオーバーレイエラーを得ることによりオーバーレイエラー分布が得られ、半導体デバイス全体にわたる局所的なオーバーレイエラーの管理が可能になる。また、二重露光に関する設計データの多角形を論理和演算して得られた多角形にコーナーラウンドを付加して作成された基準パターンを使用すれば、コーナー部分に発生する擬似欠陥を低減できる。この場合は、論理和演算で発生した頂点に関するコーナーに適用する円の半径をその他のコーナーに適用する円の半径より小さくする。さらにこの方法を、二重露光に関する設計データから得られた基準パターンの論理和演算の結果に置き換えれば、複雑な計算と計算時間が必要であるが、より正確にコーナーラウンドを表現できる。
5.5 外形を使った検査方法
5.5.1 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法
従来のダイ・ツー・ダイ比較方法は、2枚の対応する画像の比較により実施されていた。この方法では、2枚の画像が検査対象パターンとピクセルの境界の同一の関係を持つように、ピクセルの輝度値を補間する必要がある。しかし、本実施例では検査対象パターン画像のエッジを比較する方法を使用するので、輝度値の補間が不要になり、検出精度が向上する。
図97は、外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法を示すフローチャートである。図97は、図27を基にして作成されている。図97のブロックAは図27のブロックAと同じものであり、検査の前に準備する工程を示している。図97のブロックBsは、基準となる半導体デバイスに対する検査領域の検査の工程を示すフローチャートである。ブロックBsは、以下のステップを除き、図27のブロックBと同じである。
(1)ステップS336(第2の検査)を実行する代わりに、基準となる半導体デバイスから外形を取得する。以降、この処理をステップS336−1とする。
(2)ステップS338(欠陥情報を欠陥情報記憶部24に出力する)を実行する代わりに、ステップS336−1で得られた外形を欠陥情報記憶部24に出力する。以降、この処理をステップS338−1とする。
図97のブロックBtは、検査対象半導体デバイスに対する検査領域の検査の工程を示すフローチャートである。ブロックBtは、以下の項目を除き、図27のブロックBと同じである。
(3)ステップS336(第2の検査を行う)の代わりに、欠陥情報記憶部24に記憶された外形と検出された第2のエッジとの比較を行う。以降、この処理をステップS336−2とする。
ステップS510(欠陥情報記憶部24の欠陥情報を、出力部13を介して表示装置5および印刷装置6に出力する。)は、ステップS410と同じであるが、ダイ・ツー・ダイ比較方法の結果を欠陥情報として出力することが異なる。
図98は外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法を示す模式図である。ステップS340における検査単位領域は、設計データで使われている座標系で表現された検査領域を分割して得られたものであり、各半導体デバイスの検査単位領域が検査される。本実施例の検査単位領域は、基準となる半導体デバイスの検査単位領域G1からG8と検査対象半導体デバイスの検査単位領域H1からH8である。検査単位領域G1からG8と、検査単位領域H1からH8は、おのおの対応している。
第1に、(ステップS336−1)と(ステップS338−1)を説明する。ブロックAとブロックBsのステップS308からS332が実施される。基準となる半導体デバイスの検査単位領域G1から、ステップS334(第2のエッジ検出)で第2のエッジを検出する。検出された第2のエッジを検出された順につなげて多角形とし、外形として、得られた多角形を使用する(ステップS336−1)。得られた外形を欠陥情報記憶部24に出力する(ステップS338−1)。
同様の処理を検査単位領域G2から検査単位領域G4について逐次実施する。基準となる半導体デバイスとは、他の検査で良品と判断された半導体デバイスである。以上の処理で、基準となる半導体デバイスに対する検査領域の検査の工程が終了する。
次に、(ステップS336−2)を説明する。ブロックBsのステップS308からS332が実施される。検査対象半導体デバイスの検査単位領域H1から、ステップS334(第2のエッジ検出)で第2のエッジを検出する。欠陥情報記憶部24に記憶された基準となる半導体デバイスの検査単位領域G1に関する外形と検出された第2のエッジとを比較する(ステップS336−2)。
同様の処理を検査単位領域H2から検査単位領域H4について逐次実施する。以上の処理で、検査対象半導体デバイスに対する検査領域の検査の工程が終了する。
図99は、外形と第2のエッジとの比較方法を示す模式図である。2つの画像が同じピクセル間隔を持ち、プロファイルを取得する方向および位置を第2の基準パターンを使って予め設定する方法を使用した場合は、検査対象半導体デバイスのプロファイル取得区間から得られた第2のエッジEDIと基準となる半導体デバイスのプロファイル取得区間から得られたエッジEDS間の距離Dを計算する。これらのプロファイル取得区間は同じ位置にある。ここで、エッジEDSは、記憶された外形の頂点である。
計算された距離Dが予め決められたダイ・ツー・ダイ比較検査用の許容パターン変形量より大きい場合は、検査対象半導体デバイスのプロファイル取得区間に対応する部分に欠陥が存在していると判断される。前述のダイ・ツー・ダイ比較検査用の許容パターン変形量は、全ての基準パターンの属性に一意に決めても基準パターンの属性ごとに決めても良い。
図100は、外形と第2のエッジとの比較方法を示す別の模式図である。2つの画像が異なるピクセル間隔を持つ場合または、プロファイル取得区間を第1のエッジを検出してから適応的に設定する方法を使用した場合は、プロファイル取得区間は同じ位置にない。この場合は、外形とプロファイル取得区間の交点EXを求め、第2のエッジEDIと交点EX間の距離D'を計算する。距離Dの代わりに距離D'を使用して、前述と同じ方法を実施する。
以上では、基準となる半導体デバイスの外形を使用して検査したが、検査対象パターン画像に対応するシミュレータで得られた外形を使用して検査しても良い。また、メモリ部分などの周期的なパターンを検査する場合は、基準となる繰り返しパターンの外形または、シミュレータで得られた周期的なパターンに対応する外形を使用しても良い。他の方法として、良品の生産開始時の半導体デバイスの外形を保存し、保存された半導体デバイスの外形と、生産中の半導体デバイスから得られる第2のエッジを比較してプロセスを管理する方法が使用できる。
本実施例によれば、検査対象パターン画像の外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較検査がサブピクセル精度で実施できる。また、一方の検査対象パターン画像とは異なるピクセル間隔を持った他方の検査対象パターン画像から得られた外形、もしくは、シミュレータ等で得られた外形などを使ってダイ・ツー・ダイ比較検査を行うことができる。さらに、良品の生産開始時の半導体デバイスの外形を使用するプロセス管理方法が実現できる。
5.5.2 検査対象パターンごとの変形量を使った検査方法
前述の5.5.1 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法では、プロファイル取得区間ごとに検査する方法を説明した。しかし、このような局所的な検査方法では検査対象パターンごとの変形を検査できない。この課題を解決するために、検査対象パターンごとの変形量を使った検査方法が使用できる。この方法では、5.5.1 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法のステップに以下の部分が追加される。
(1)ステップS336−1で、基準となる半導体デバイスの外形を取得する時に、基準となる半導体デバイスから検査対象パターンごとに変形量の統計量を取得する。
(2)ステップS338−1で、ステップS336−1で得られた外形を欠陥情報記憶部24に出力する時に、ステップS336−1で得られた検査対象パターンごとの変形量の統計量も出力する。
(3)ステップS336−2で、欠陥情報記憶部24に記憶された外形と検出された第2のエッジとの比較を行った後に次の処理を追加する。検査対象半導体デバイスから検査対象パターンごとに変形量の統計量を取得する。基準となる半導体デバイスから得られた変形量の統計量を欠陥情報記憶部24から読む。取得された変形量の統計量が、基準となる半導体デバイスから得られた変形量の統計量と比較される。
前述の変形量の統計量の計算に、前述の4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量で説明した対応づけられたエッジ間のベクトルd(x,y)が使える。ベクトルd(x,y)は、エッジプレイスメントエラーを意味している。また、前述の5.2.1 直線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法で説明した各々の線幅も使用できる。曲線形状パターンの線幅が一定であれば、前述の5.2.2 曲線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法で説明した線幅も使用できる。以下は変形量の統計量の例である。
(1)検査対象パターンの
エッジプレイスメントエラーの平均値<d>は次の式で定義される。
Figure 0004943304
ここで、Nは、検査対象パターンのエッジプレイスメントエラーの数、d(k)はk番目のエッジプレイスメントエラーの値を表す。
図101は、検査対象パターンのエッジプレイスメントエラーを示す模式図である。図101のk番目のエッジプレイスメントエラーの値d(k)は、前述の4.8 検査単位領域全体から得られるパターン変形量で説明した対応づけられたエッジ間のベクトルd(x,y)の長さである。
(2)検査対象パターンの
エッジプレイスメントエラーの3σ値(標準偏差の3倍)3σEPE は次の式で定義される。
Figure 0004943304
(3)検査対象パターンのエッジプレイスメントエラーのパワースペクトラムは、周波数成分G(n)の絶対値で定義される。
Figure 0004943304
ここで、Wは回転子exp(-2πi /N)を表す。
(4)検査対象パターンの
エッジプレイスメントエラーの自己相関R(s)は次の式で定義される。
Figure 0004943304
(5)検査対象パターンの線幅の3σ値(標準偏差の3倍)3σLWEは次の式で定義される。
Figure 0004943304
ここで、Nは、検査対象パターンの線幅の数、w(k)はk番目の線幅の値、wrefは基準パターンの線幅の値を表す。
図102は、検査対象パターンの線幅を示す模式図である。前述の5.2.1 直線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法で説明した線幅検査用に適した基準パターンを使って各々の線幅w(k)を求める。直線形状パターンの場合は、エッジとその反対側のエッジ間の距離が線幅w(k)である。5.2.2 曲線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法、および平均スペース幅検査方法で説明した線幅検査用に適した基準パターンを使って線幅w(k)を求める。曲線形状パターンの場合は、対向するエッジ間の距離の中の最小距離が線幅w(k)になる。この場合は曲線形状パターンの基準パターンの線幅wrefが場所に依存してはならない。
以上では、基準となる半導体デバイスから変形量の統計量を取得して検査する方法を示したが、基準となる半導体デバイスから変形量の統計量の代わりに経験から得られた値を使用しても良い。
これらの変形量の統計量の繰り返し測定の再現性データを得るためには、測定による測定値の変化を相殺する必要がある。測定値の変化として、カーボンコンタミネーションの付着による線幅の膨張や、ArFレジストのシュリンクによる線幅の縮小が発生する。以下の測定値の変化を相殺する方法が使用できる。
(1)相殺方法1
2回目の測定で得られたエッジプレイスメントエラーの平均値<d>が、1回目の測定で得られたエッジプレイスメントエラーの平均値<d>になるように、2回目の測定で得られたエッジプレイスメントエラーの値d(k)に固定値を加算する。3回目以降の測定でも同様の方法が使用される。
(2)相殺方法2
測定回数ごとにエッジプレイスメントエラーの平均値<d>iを得る。添え字iは既に実施された測定の回数を表す。得られたエッジプレイスメントエラーの平均値<d>iを最小自乗法で直線近似して以下の式を得る。
Figure 0004943304
ここで、f(i)は、直線近似で得られるエッジプレイスメントエラーの平均値、a、bは得られた係数を表す。
エッジプレイスメントエラーの平均値<d>iの測定値の変化が、a・iで相殺される。
(3)相殺方法3
前述の相殺方法2で使用した係数aの代わりに経験から得られた値を使用して、相殺方法2と同じ方法が実施される。
検査対象パターンの直線部分に存在するエッジプレイスメントエラーのパワースペクトラムや自己相関を求めるために、窓関数などにより直線部分に存在するエッジプレイスメントエラーの切出し処理が必要である。しかし、本実施例によれば、検査対象パターンを一周するエッジプレイスメントエラーを使って変形量の統計量を得るので切出し処理が不要である。
また、直線部分より広い区間に存在するエッジプレイスメントエラーを使って変形量の統計量を得るのでより誤差が少ない情報が得られ、曲線部分の情報など有用な情報を得ることが可能になる。また、測定による測定値の変化を相殺すれば変形量の統計量の繰り返し測定の再現性データが得られる。
5.5.3 外形の補正方法と外形上のノイズ除去方法
前述の4.11 第2のエッジ検出で説明したように前述の5.5.1 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法で得られた第2のエッジは理想的に検出されるべき位置とは異なった位置に検出される。例えば、図76に示す係数kとして0.5を使用すれば、エッジは、理想的なエッジ位置から検査対象パターンの外側方向に電子線のビーム径の半分の量だけ移動した位置になる。もし、異なったビーム径を持つ電子線を使って得られた画像から得られた外形を比較する場合は、電子線のビーム径によるエッジの移動量を補正してからダイ・ツー・ダイ比較検査する必要がある。
電子線のビーム径によるエッジの移動量Wbeamは、以下の式で得られる。
Figure 0004943304
ここで、線幅Wstandardは、基準となる線幅を意味し、線幅Wmeasureは、基準となる線幅Wstandardを持つ検査対象パターンを測定して得られた線幅を意味する。
図103は、外形の補正方法を示す模式図である。図103に示すように、第2のエッジを、プロファイル取得区間に沿って、検査対象パターンの内側方向(逆方向)に、エッジの移動量Wbeamだけ移動して、エッジの移動量Wbeamを相殺する。移動されたエッジの位置を外形の頂点の位置として登録する。
次に、外形のスパイクノイズの除去方法を説明する。図104は、外形のスパイクノイズの除去方法を示す模式図である。図104の左側に点線で示された外形にはスパイクノイズが含まれている。スパイクノイズは幅が1ピクセル程度で長さが2から3ピクセルである。このようなスパイクノイズを除去するために外形を半ピクセル間隔分サイズ処理で縮めると図104の左側に実線で示された外形が得られる。得られた外形を論理和処理すると図104の右側に実線で示された外形がノイズ除去後の外形として得られる。右側に実線で示された外形の外側に対応する部分に、左側に実線で示された外形には2つの三角形がある。分かりやすくするために、2つの三角形は大きく描かれているが、実際は無視しうる程小さい。
ノイズ除去後の外形の縮みを相殺するために、ノイズ除去方法を実施する前に、前述の外形の補正方法を実施する必要がある。外形の補正方法で使用するエッジの移動量Wbeamから半ピクセル間隔引いた量を、ノイズ除去を考慮したエッジの移動量として使う。
別の方法として、第2の基準パターンのエッジと対応する検査対象パターン画像の第2エッジ間の距離の平均を使用して外形のノイズを除去する方法が使用できる。図105は第2のエッジとこれに前後する第2のエッジである3点のエッジの平均位置を使って外形のノイズを除去する方法を示す模式図である。平均位置は、X,Y座標値が3点のエッジのX,Y座標値の平均値である位置である。得られた平均位置を外形の頂点として登録する。この方法では、外形のコーナー部分にノイズが無いにも拘らず、ノイズを除去した後のコーナーの曲率がノイズを除去する前のものと異なっている。
図106は、第2の基準パターンのエッジと、対応する検査対象パターン画像の第2のエッジ間との距離の平均値を使って外形のノイズを除去する方法を示す模式図である。4.6 第1の検査では対応するエッジ間のベクトルをd(x,y)と標記したが、外形の頂点と関連させるために対応するエッジ間のベクトルをd(k)と標記する。kは頂点番号である。ベクトルd(0)の終点である第2のエッジのノイズを除去するために前後するベクトルd(-1)、d(0)と、d(1)を使用して以下の計算をする。
Figure 0004943304
ここでlenはベクトルの符号付長さを返す関数である。符号は、ベクトルが検査対象パターンの外部に向かっているときに正、内部に向かっているときに負をとる。得られた長さをもち、ベクトルd(0)の始点と同じ始点を持ち、かつ、ベクトルd(0)の方向と同じ方向を持つベクトルがノイズを除去した後のベクトルd(0)になる。ノイズを除去した後のベクトルd(0)の終点がノイズを除去した第2のエッジとなる。
この方法では、上記の計算で使用したベクトルの長さが基準パターンのコーナー部分に付加した曲線から計られるので、ノイズを除去した後のコーナーの曲率がノイズを除去する前のものと大きく異なっていない。平均の長さを得るために使用するエッジの数として5,7、または、他の数を使っても良い。またベクトルの長さに重みを付けても良い。また、平均の長さではなくて長さの中央値などの別の値を使用しても良い。長さの中央値を使用すれば、スパイクノイズの除去に有効である。
本実施例では、3のエッジの長さの平均値を使う例を説明したが、所望の情報を得るにはに、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを使用すればよい。具体的には、高周波成分を持ったノイズのみを削除したい場合は、短いFIRフィルタを使用し、レジストの高分子が作るうねりを削除したい場合は、長いFIRフィルタを使用すれば良い。
本実施例によれば、エッジを移動することにより外形の補正もしくは外形上のスパイクノイズが除去できるので、画像フィルタによって発生する検査対象パターン画像の劣化が発生しない。別の方法として、基準パターンのエッジと検査対象パターン画像のエッジ間の距離を使用して前記外形のノイズを除去すれば、コーナー部分の曲率の変化を最小にできる。
5.6 基準パターンのスペース幅を使ったゲートのグループ分け方法
ゲートの線幅と両脇のスペース幅を使ってゲートのOPCパターンを管理する方法が使用されている。図107は、異なるOPCパターンを持つゲートの例を示す模式図である。図107(a)の中央部分に存在するゲートの両脇のスペース幅は、図107(b)の部分に存在するゲートの両脇のスペース幅の半分であるので、それらのゲートは異なるOPCパターンを持つ。このような場合に、同じ線幅と同じ両脇のスペース幅を持つゲートを計測して得られた線幅のグループごとに統計的に解析することにより、OPCパターンが容易に管理できる。
図108は、片方に異なるスペース幅を持つゲートの例を示す模式図である。このゲートには、図107(a)(b)のように一意に両脇のスペース幅を決めることができないので、このゲートのOPCパターンの管理ができない。この場合には、前述の5.3 信号強度補正を必要とするパターンの検査方法で説明した近接線分を使ってゲートを分割し、分割したゲートが一意に両脇のスペース幅を持つようにする方法が使用できる。図90では、基準パターンから近接線分を抽出する方法が模式的に示されている。
まず、図90を使って説明した方法を使って近接線分を求める。近接線分とは、対向する線分のうち最も近い線分間の距離が指定値よりも小さい線分である。対向する線分のうち最も近い線分間の距離がスペース幅として得られる。孤立とみなす状態の時のスペース幅の最小値を、補正が必要な近接線分どうしの最大距離Dpに設定する。図108の太線は、それぞれ、スペース幅LS1、スペース幅LS2、スペース幅LS3を持った近接線分として得られる。次に、それぞれ、一意に両脇のスペース幅を持つようにゲートを分割して分割ゲートGD1、GD2、GD3、GD4が得られる。分割ゲートGD1は、左側に孤立状態、右側にスペース幅LS1を持つ。また、分割ゲートGD2は、左側にスペース幅LS2、右側にスペース幅LS1を持つ。
分割されたゲートごとに、線幅を計測する。分割されたゲートから得られた線幅は、分割されなかったゲートから得られた線幅と同等に統計的に解析される。
本実施例によれば、片方に異なるスペース幅を持つゲートを一意に両脇のスペース幅を持つ部分に分割して、分割されたゲートごとに線幅を計測することにより、全てのゲートのOPCパターンの管理が可能になる。なお、本実施例では、ゲートを使ったグループ分けについて説明したが、直線形状パターンの線幅検査方法、平均線幅検査方法、スペース幅検査方法および平均スペース幅検査方法に応用して実施してもよい。
5.7 プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法
図109は、配線レイアのネガパターンである検査対象パターンが短絡した状態を示す模式図である。この場合は、前述の5.2.3 切断もしくは短絡しやすい部分の検査方法を応用して短絡した状態を検出できる。具体的には、図109の矢印の矢印方向に第2のエッジが存在するか検査する。しかし、この方法では、配線レイアの検査対象パターン内部を全て検査するのに時間がかかる。
この問題を解決するために、プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法を使用することができる。図110は、プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法を示す模式図である。図110のプロファイルFuは、欠陥が無い部分から得られたプロファイルである。図110のプロファイルFdは、短絡した部分から得られたプロファイルである。プロファイルFuのピークPuとプロファイルFdのピークPdは、ほぼ等しいが、プロファイルFuのボトムBuよりプロファイルFdのボトムBdが明るい。
このような場合に、ピークとボトムの平均値をしきい値にするしきい値法を使うと、プロファイルFuのしきい値TuよりプロファイルFdのしきい値Tdが大きくなる。もし、しきい値Tdを使ってエッジを検出すると、検出されたエッジ位置は、プロファイルFuから検出されたエッジ位置とあまり変わらない。この問題を解決するためには、プロファイルFdのボトムBdではなく、プロファイルFuのボトムBuを使用すればよい。
前述の2.2 画像生成装置の走査方法で説明したように、電子線がパターンに進入する側である図5の左側のエッジが、電子線がパターンから進出する側である図5の右側のエッジ(反対側のエッジ)に比べて信号量が弱く観測される。従って、プロファイルのピーク(2次電子信号量)は、場所によって異なる。しかし、下層に検査時の工程の前工程パターンが存在していなければ、プロファイルのボトムは、局所的にあまり変化がない。例えば、プロファイルFdのボトムBdの代わりに、プロファイルFdの近傍に存在するプロファイルFuのボトムBuを使用しても、エッジ検出精度は、あまり劣化しない。
図111は、プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使う方法を示す模式図である。図111の実線は、基準パターンを示している。基準パターンの内部に存在するピクセルの輝度値の最小値を求めて、得られた値をプロファイルFd以外の場所から得られたプロファイルFdのボトムとする。基準パターンが大きい場合は、プロファイルFdの近傍の長方形で基準パターンをクリップしてから使用する必要がある。もし、プロファイルを空間的に加算して得られたプロファイルを使用する場合は、前記の加算と同じ結果を出力するフィルタをピクセルの輝度値に施してからフィルタによって得られたピクセルの輝度値の最小値を求める。本実施例では、短絡した欠陥の検出方法を説明したが、切断した欠陥の検出方法も同様に処理できる。
図112は、配線レイアのネガパターンである検査対象パターンから得られる2次電子強度を示す模式図である。図112の断面Pisは、検査対象パターンの断面を示している。図112の検査対象パターンPwの線幅は、検査対象パターンPnの線幅よりも大きい。図112の電子線EBwは、検査対象パターンPwの中心を照射して、2次電子強度Iwを発生させる。一方、図112の電子線EBnは、検査対象パターンPnの中心を照射して、2次電子強度Inを発生させる。電子線EBnの全てが検査対象パターンPnに照射されないので、2次電子強度Inは、2次電子強度Iwより大きい。従って、プロファイルのボトムを、線幅がより広い検査対象パターンPwから得る方法を使用する。
本実施例によれば、配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの短絡した部分を高速に検出することができる。また、ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンを使ってプロファイルのボトムを求めれば、ビーム径より狭い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの欠陥検出精度の劣化を防止できる。
5.8 逆フィルタによるプロファイルの補正方法
前述の5.7 プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法では、ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンを使用したが、ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンが存在しない場合はこの方法が使えない。この場合は、逆フィルタによるプロファイルのボトムの推定方法が使用できる。
逆フィルタによるプロファイルのボトムの推定方法は、以下の手順で実施される。
(1)電子線のビーム径によるエッジの移動量Wbeamを求める。前述の5.5.3 外形の補正方法と外形上のノイズ除去方法で説明したように電子線のビーム径によるエッジの移動量Wbeamは、以下の式で得られる。
Figure 0004943304
ここで、線幅Wstandardは、基準となる線幅を意味し、線幅Wmeasureは、基準となる線幅Wstandardを持つ検査対象パターンを測定して得られた線幅を意味する。線幅Wmeasureは、ビーム径より広い線幅を持った別の試料を使って得られる。
電子線のビームの強度が正規分布を成し、図76に示す係数k=0.5で線幅Wmeasureが測定された場合の電子線のビームの強度は以下の式で記述できる。これが点広がり関数PSF(Point Spread Function)である。
Figure 0004943304
ここで、αは次の式を満たす定数である。
Figure 0004943304
ここで、Lpixel は、1ピクセル間隔を意味している。x=0がビーム形状の中心の位置を意味し、x=1はビーム形状の中心から1ピクセル間隔Lpixel右にずれた位置を意味し、x= -1はビーム形状の中心から1ピクセル間隔Lpixel左にずれた位置を意味している。
(2)逆フィルタを求める。本実施例では逆フィルタとしてWienerフィルタを使用するが他の逆フィルタを用いても良い。まず、点広がり関数PSFを離散Fourier変換する。
Figure 0004943304
ここで、Nは、離散Fourierに与えるデータの数である。次に以下の逆離散Fourier変換によってフィルタの係数を得る。
Figure 0004943304
ここで、Γは、ノイズ成分を表現する数である。簡便な使い方として、経験的に決められた定数を使用することができる。
(3)エッジを検出する前に逆フィルタをプロファイルに適用する。
本実施例によれば、ビーム径より広い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンが存在しない場合でも、ビーム径より狭い線幅を持った配線レイアのネガパターンである検査対象パターンの欠陥検出精度の劣化を防止できる。また、プロファイルが補正されるので、エッジの位置がより正確に得られる。
5.9 自動画像調整に適した領域の抽出方法
長期検査においては、自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整、自動非点収差調整などの自動画像調整が必要になる。自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域は、横方向縦方向の線分や終端が豊富に存在している領域である。設計データからこの要件を満たす領域を求めて、その領域を自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に使用すれば、効率的に自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整が可能になる。ゆえに、自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域を自動的に決める方法が必要とされる。
設計データを成す線分の幾何学情報または近接線分との関係をもとに自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域を抽出する方法は以下の手順で行われる。
図113はこの方法を示す模式図である。
(1)自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整で使用される長方形の領域Rの大きさを決める。この領域Rの大きさは経験により決められる。
(2)自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整で使用する領域Aを決める。この領域は検査領域の近くが望ましい。領域Aは領域Rよりも大きい。
(3)領域Aに対して領域Rを移動しながら、領域Rに対応する設計データの縦方向の線分の長さの合計を求める。同様に、横方向の線分の長さの合計値を求める。この得られた合計値でより小さい値をもつ縦方向か横方向の合計値を評価値とする。ここでは、幾何学情報として線分の長さの合計値を使用している。
(4)前述の(3)で得られた評価値の中で最も大きい評価値を持つ領域Rを最適な領域(縦線も横線も多い領域)として得る。
以上の手順で得られた長方形R(縦線も横線も多い領域)を、前述の3.3 レシピデータ「(11)自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域」に登録しておき、検査時の適切なタイミングで自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整を実施することが可能になる。
自動非点収差調整に適した領域は、線分が多くあり、X方向、Y方向、45度方向、135度方向の線分の長さの合計値がそれぞれ同程度である領域である。この場合は、前述と同様の手順で実行されるが、X方向とY方向に加えて45度方向と135度方向の線分の長さの合計を用いることが異なる。この条件を満たさないときは設計データの終端やコーナーに対応する部分領域を使用して以下の手順で自動非点収差調整を行う。
まず、自動非点収差調整に適した領域を得る。この領域の例は、図114のように左側右側の終端を含む部分領域を含む領域である。他の例は、図114のように左上、左下、右上、右下のコーナーを含む部分領域を含む領域である。これらの領域は上側下側の終端を含む部分領域を含む領域でも良い。このような領域が得られれば、全方向の傾きのエッジが存在するので自動非点収差調整に適する。
前述の自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域を得る手順と同様な以下の手順を実施する。ここでは、図115を使って左上、左下、右上、右下のコーナーを使用する場合の手順を説明する。
(1’)自動非点収差調整で使用する長方形の領域R’の大きさを決める。この領域R’の大きさは経験により決められる。
(2’)自動非点収差調整で使用する領域A’を決める。領域A’は領域R’より大きい。
(3’)領域A’に対して領域R’を移動しながら、領域R’に対応する設計データの左上のコーナーの数を求める。同様に、左下のコーナーの数、右上のコーナーの数、右下のコーナーの数を求める。左上のコーナーの数、左下のコーナーの数、右上のコーナーの数、右下のコーナーの数のなかで最も小さい数を評価値とする。ここでは、幾何学情報としてコーナーの数を使用している。
(4’)前述の(3’)で得られた評価値の中で最も大きい評価値を持つ領域R’を最適な領域(左上、左下、右上、右下の4つのコーナーのいずれもが多い領域)として得る。
(5’)左上、左下、右上、右下のコーナーの数がほぼ同じになるように、いくつかのコーナーを間引く。
以上で得られたコーナーの近傍が部分領域Pとして使用される。
以上の手順で得られた長方形の領域を前述の3.3 レシピデータ「(11)自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域」に登録しておき、検査時の適切なタイミングで自動非点収差調整を実施することが可能になる。この自動非点収差調整は以下の手順で実施する。
(1)自動フォーカス調整を実施する。
(2)検査対象パターン画像と自動非点収差調整に適した領域R’に対応する基準パターンとをマッチングする。
(3)領域R’に含まれる部分領域Pに対応する検査対象パターン画像の部分画像から非点評価値を求める。
(4)非点の値を変えながら前記(2)(3)を実行する。
(5)前記(4)で得られ最適な非点評価値に対応する非点の値を最適非点値として求める。
本実施例によれば、自動画像調整に適した領域を自動的に最適に抽出することが可能になる。また、この抽出すべき領域として検査対象パターン画像の部分領域を使用する場合は、検査対象パターン画像全体を使用する場合より自動画像調整が高精度に実施される。
5.10 画像生成装置の設定値の時間的変化の調整方法
長時間検査では画像生成装置7の設定値をリアルタイムに調整する必要がある場合がある。このような場合には、検査対象パターン画像から、画像生成装置7の最適な設定値を推定して、推定された設定値を使って、画像生成装置7の設定値を調整する方法が使用できる。
本実施例ではブライトネス調整を使う方法を説明する。2次電子強度を0から255のデジタル量に変換した場合は、変換された2次電子強度のヒストグラムが、0から255の範囲を超えないようにブライトネス値を調整する。
図116は、逐次検査に従って緩やかに検査単位領域から得られる2次電子強度が低下した例を示す模式図である。図116で示されたヒストグラムHbの内の変換された2次電子強度の最小値は0に近い。2次電子強度の低下が続けば、いずれ、変換された2次電子強度の最小値が0未満になることが予想される。このような場合は、以下の手順でブライトネス調整を実施する。
(1)2次電子検出器330のバイアスの設定値に対する変換された2次電子強度の変位の割合RBrightを、予め得ておく。2次電子検出器330のバイアスの設定値は、ブライトネス調整で使用する設定値である。
(2)ヒストグラムHbの中央値である127から、変換された2次電子強度の最小の値と最大値の平均値への変位Dbを得る。予め指定された回数分の直近に検査された検査単位領域から得られた変位Dbの平均、もしくは、移動平均を使えば、偶発的な2次電子強度の変動に対してブライトネス調整が安定する。
(3)2次電子検出器330のバイアスの設定値を、(-Db/RBright)増加させる。
2次電子検出器330のバイアスの設定値に対するブライトネス値の変位の割合RBrightを、以下の式でリアルタイムに変化させても良い。
Figure 0004943304
ここで、Db0は前回のブライトネス調整時の変位であり、δMは、前回のブライトネス調整時で使用した2次電子検出器330のバイアスの設定値の増加量である。
以上の実施例では、すべての検査単位領域から得られる2次電子強度を使ったブライトネス調整方法を説明した。しかし、自動ブライトネス調整に適した検査単位領域から得られる2次電子強度を使用するようにすれば、より安定的にブライトネス調整が可能になる。自動ブライトネス調整に適した検査単位領域は5.9 自動画像調整に適した領域の抽出方法を使用して選択する。また、検査単位領域の代わりに副検査単位領域を使用するようにしてもよい。副検査単位領域とは検査単位領域を分割した領域として定義される。
本実施例では、ブライトネス調整を使う方法を説明したが、コントラスト調整などの他の調整を使う方法にしてもよい。
本実施例によれば、画像生成装置7のブライトネス値などの設定値の時間的な変動をリアルタイムに調整できるので、測定値の精度が向上する。また、画像生成装置7の状態がリアルタイムにモニターできるので、画像生成装置7の状態が適切でないときに得られた測定値を、再度測定して得られた値で置き換えることにより、測定値の信頼性が向上する。
5.11 検査対象パターンから得られるパターン変形量を使って基準パターンを変形する方法
フォーカス条件、照射線量条件などのステッパーの露光条件が最適値から大きく違った露光条件で製造された検査対象パターンの一部分は、許容パターン変形量を大きく超えて変形することがある。このような場合には、前記の部分からパターン変形量を得ることができなかった。
この対策として、検査対象パターンから得られるパターン変形量を使って基準パターンを変形する方法が使用できる。基準パターンの終端、直線部分、切断もしくは短絡しやすい部分が変形されうる対象である。
図117は、基準パターンの終端を変形する方法を示す模式図である。図117では、太線は基準パターンを示し、実線は検査対象パターンのエッジを示し、片側に矢印の付いた破線は対応するエッジ間のベクトルd(x,y)を示している。両終端に矢印の付いた破線場所は、エッジ間のベクトルd(x,y)が、求められなかったことを示している。すなわち、この場所は、許容パターン変形量を大きく超えて変形した部分を示している。図117(a)で示すように、直線部分より終端の方がより縮まる傾向がある。また、図117(b)で示すように、直線部分より終端の方がより太る傾向がある。
図117(a)の場合は、ベクトルd(x,y)が求められなかった部分の直前のベクトルd(x,y)が、基準パターンの内側にある。従って、ベクトルd(x,y)が求められなかった部分のベクトルd(x,y)も基準パターンの内側にあると予想される。この場合は、基準パターンの終端を右側に移動すれば、ベクトルd(x,y)が得られるようになる。同様に、図117(b)の場合は、基準パターンの終端を左側に移動し、図117(c)の場合は、基準パターンの終端を左側に移動し、図117(d)の場合は、基準パターンの終端を右側に移動すればよい。移動量は、許容パターン変形量程度とする。
求められなかった部分のベクトルd(x,y)が十分に得られるようにならない場合は、前述の方法を繰り返し実施する。また、求められなかったベクトルd(x,y)の数が減少しなければ、終端の移動方向を逆にするか、エッジの移動量を変更して、前述の方法を実施する。
前述の方法は、基準パターンの直線部分にも使用できる。例えば、前述の5.3 信号強度補正を必要とするパターンの検査方法で説明した近接線分と離隔線分は、他の線分とは異なるパターン変形を起こすことがある。
図91で示した離隔線分を使って基準パターンの直線部分を変形する方法を説明する。図118は、基準パターンの直線部分を変形する方法を示す模式図である。図118の場合は、ベクトルd(x,y)が求められなかった部分の直前のベクトルd(x,y)が、基準パターンの内側にあるので、求められなかった部分のベクトルd(x,y)も基準パターンの内側にあると予想される。この場合は、離隔線分を左側に移動すれば、ベクトルd(x,y)が得られるようになる。近接線分も離隔線分と同様に処理すればよい。
図119は、基準パターンの切断しやすい部分と、短絡しやすい部分を変形する方法を示す模式図である。図119(a)で示された切断しやすい部分である長方形γは、図88で示された長方形γと同じものであり、図119(c)で示された短絡しやすい部分である長方形ζは、図88で示された長方形ζと同じものである。長方形γに対応する検査対象パターンが切断されている場合は、基準パターンから長方形γを削除して基準パターンを分割する。得られた基準パターンは、図119(b)で示されている。同様に、長方形ζに対応する検査対象パターンが短絡された場合は、基準パターンから長方形ζを追加して基準パターンを融合する。得られた基準パターンは、図119(d)で示されている。
本実施例によれば、許容パターン変形量を越えた検査対象パターンの変形量を得ることができる。従って、許容パターン変形量を越えて変形をした検査対象パターンを使ってマッチングを実施することが可能になる。また、許容パターン変形量を越えて変形をした検査対象パターンの外形も得ることが可能になる。
本発明の実施形態におけるパターン検査装置の画像生成装置の基本構成を示す模式図である。 設計データから得られた基準パターンの例を示す模式図である。 設計データに基づいて製造された検査対象パターンの画像の例を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるパターン検査装置が行う検査処理の概要を示す模式図である。 図1で示す画像生成装置の2次電子検出器で検出した2次電子の強度を示す模式図である。 図5に示すパターンを90度回転させ、このパターンのプロファイルを取得した場合の2次電子の強度を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるパターン検査装置によりパターン検査を行う場合の走査領域を示す模式図である。 検査対象パターンについて、横方向(X方向)の走査を行った場合のエッジ検出精度を示す模式図である。 検査対象パターンについて、上方向に向かって縦方向(Y方向)の走査を行った場合のエッジ検出精度を示す模式図である。 検査対象パターンについて、双方向の走査を行う場合の模式図である。 45度、もしくは−45度方向の走査方法を示す模式図である。 0度方向の走査で得られた検査対象パターン画像もしくは90度方向の走査で得られた検査対象パターン画像を用いて検査されるべき線分の例を示す模式図である。 ピクセルの位置を置き換えることによって回転された検査対象パターン画像を得る方法を示す模式図である。 ピクセルの位置を置き換えることによって回転された検査対象パターン画像を得る別の方法を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるパターン検査装置の基本構成例を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるパターン検査装置の機能ブロック図を示す模式図である。 本発明の別の実施形態におけるパターン検査装置の機能ブロック図を示す模式図である。 基準パターンの補正例を示す模式図である。 基準パターンの例を示す模式図である。 図19の基準パターンをピクセルごとのエッジに変換した例を示す模式図である。 曲線を含む基準パターンをエッジベクトルに変換した例を示す模式図である。 本発明の実施形態におけるレシピ登録処理の例を示すフローチャートである。 逐次検査を示す模式図である。 ランダム検査を示す模式図である。 本発明の実施形態における基本検査処理の例を示すフローチャートである。 繰り返し発生する欠陥を認識する場合の検査処理の例を示すフローチャートのサブブロックである。 繰り返し発生する欠陥を認識する場合の検査処理の例を示すフローチャートのメインブロックである。 検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがある検査対象パターン画像の例を示す模式図である。 図28の画像から検出したエッジを示す模式図である。 エッジが明るく検査対象パターン内部と下地との間にコントラストがない検査対象パターン画像の例を示す模式図である。 図30の画像から検出したエッジを示す模式図である。 1次元の検査対象パターン画像のエッジの強度の例を示す模式図である。 図32のエッジを膨張させた例を示す模式図である。 1次元の基準パターンのエッジの例を示す模式図である。 図32のエッジを膨張させた別の例を示す模式図である。 1次元の基準パターンのエッジの別の例を示す模式図である。 図32のエッジを膨張させた別の例を示す模式図である。 スムージングフィルタの例を示す模式図である。 2次元の検査対象パターン画像のエッジの強度の例を示す模式図である。 図39のエッジを膨張させた例を示す模式図である。 図39のエッジを膨張させた別の例を示す模式図である。 2次元の検査対象パターン画像のエッジベクトルの例を示す模式図である。 図42のエッジベクトルを膨張させた例を示す模式図である。 図42のエッジベクトルを膨張させた別の例を示す模式図である。 図19の基準パターンをピクセル単位のエッジベクトルで表した図であり、図20の別の図である。 マッチングを説明するための図である。 図43と図45とを重ね合わせた模式図である。 図43と図45とを重ね合わせた別の模式図である。 (a)は基準パターンの例を示す模式図であり、(b)は検査対象パターン画像の例を示す模式図である。 線幅とスペース幅が同じ場合の例を示す模式図である。 (a)は基準パターンの例を示す模式図であり、(b)は(a)の基準パターンと検査対象パターン画像との関係の例を示す模式図である。 長方形が周期的に並んだパターンのマッチング評価値の計算方法を示す模式図である。 ユニークパターンの対であるネガティブパターンを使ってマッチング評価値を計算する方法を示す模式図である。 第1のエッジ検出で検出されたエッジの水平軸垂直軸への射影データを使ったマッチング方法を示す模式図である。 マッチング誤差値Epmの計算結果を示す模式図である。 マッチング誤差値Epmの中から選ばれたマッチングに適したシフト量を示す模式図である。 マッチング誤差値Epmを計算する方法を示す模式図である。 ホールパターンのマッチングの第1の方法を示す模式図である。 ホールパターンのマッチングの第2の方法を示す模式図である。 検査対象パターン画像のエッジと基準パターンのエッジとの対応づけの例を示す模式図である。 (a)は基準パターンのエッジの例を示す模式図であり、(b)は検査対象パターン画像のエッジの例を示す模式図である。 基準パターンのエッジの別の例を示す模式図である。 異常パターン変形量を持った欠陥を認識する方法を示す模式図である。 ピクセルの輝度分布を使う欠陥の認識方法を示す模式図である。 輝度値に対する頻度の分布の例を示す模式図である。 (a)は基準パターンのエッジ、および検査対象パターン画像のエッジの例を示す模式図であり、(b)は(a)に示すエッジ間のy=y0におけるベクトルd(x,y0)のX成分を回帰直線D(x)で近似した例を示す模式図である。 (a)は基準パターンのエッジ、および検査対象パターン画像のエッジの別の例を示す模式図であり、(b)は(a)に示すエッジ間のy=y0におけるベクトルd(x,y0)のX成分を回帰直線D(x)で近似した例を示す模式図である。 基準パターンの属性の例を示す模式図である。 終端のエッジプレイスメントエラーを示す模式図である。 孤立パターンのプレイスメントエラーを示す模式図である。 (a)は基準パターンのコーナーのエッジの例を示す模式図であり、(b)は検査対象パターン画像のコーナーのエッジの例を示す模式図である。 プロファイル取得区間の例を示す模式図である。 リソグラフィ・シミュレータで得られたシミュレーションパターンの外形を示す模式図である。 図72の一部(Bの部分)を拡大した模式図である。 図74の一部(Cの部分)を拡大した模式図である。 プロファイルの例を示す模式図である。 検出された第2のエッジを使って曲線近似(多角形近似を含む)を行い、検出された第2のエッジを連結した例を示す模式図である。 (a)はプロファイル取得区間の別の例を示す模式図であり、(b)は検査対象パターン画像の第1のエッジと第2の基準パターンとの関係の例を示す模式図である。 検査領域が4つの検査単位領域に分割されている場合を示す模式図である。 第1の半導体デバイスから得られた欠陥情報と第2の半導体デバイスから得られた欠陥情報を示す模式図である。 線幅検査用に適した基準パターンを設計データから自動的に抽出する規則を示す模式図である。 コーナーを持つ直線形状パターンを、コーナー部分で二つの長方形に分離する方法を示す模式図である。 スペース幅検査用に適した基準パターンを設計データから自動的に抽出する規則を示す模式図である。 線幅検査に適した基準パターンとスペース幅検査に適した基準パターンを使う検査方法を示す模式図である。 設計データのコーナー部分から線幅検査に適した基準パターンを得る手順を示す模式図である。 設計データのコーナー部分である曲線形状パターンの最小線幅検査の手順を示す模式図である。 Erosion演算を使用して設計データのコーナー部分である曲線形状パターンの最小線幅検査の手順を示す模式図である。 切断もしくは短絡しやすい部分の抽出方法を示す模式図である。 切断もしくは短絡しやすい部分の検査を行う手順を示す模式図である。 基準パターンから近接線分を抽出する方法を示す模式図である。 基準パターンから離隔線分を抽出する方法を示す模式図である。 検査対象パターン画像、検査時の工程に関する基準パターン、および、検査時の工程の前工程に関する基準パターンの例を示す模式図である。 二重露光方式でゲートを製造する方法を示す模式図である。 二重露光方式で製造された検査対象パターンの検査で使用する基準パターンの例を示す模式図である。 マスク1とマスク2の設計データから得られた基準パターンの論理和演算の結果を基準パターンとした例を示す模式図である。 二重露光方式で製造された検査対象パターンのオーバーレイエラーの検査方法を示す模式図である。 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法を示すフローチャートである。 外形を使ったダイ・ツー・ダイ比較方法を示す模式図である。 外形と第2のエッジとの比較方法を示す模式図である。 外形と第2のエッジとの比較方法を示す別の模式図である。 検査対象パターンのエッジプレイスメントエラーを示す模式図である。 検査対象パターンの線幅を示す模式図である。 外形の補正方法を示す模式図である。 外形のスパイクノイズの除去方法を示す模式図である。 第2のエッジとこれに前後する第2のエッジである3点のエッジの平均位置を使って外形のノイズを除去する方法を示す模式図である。 第2の基準パターンのエッジと対応する検査対象パターン画像の第2のエッジ間の距離の平均値を使って外形のノイズを除去する方法を示す模式図である。 異なるOPCパターンを持つゲートの例を示す模式図である。 片方に異なるスペース幅を持つゲートの例を示す模式図である。 配線レイアのネガパターンである検査対象パターンが短絡した状態を示す模式図である。 プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法を示す模式図である。 プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使う方法を示す模式図である。 配線レイアのネガパターンである検査対象パターンから得られる2次電子強度を示す模式図である。 自動コントラスト・ブライトネス調整、自動フォーカス調整に適した領域を得るための手順を示す模式図である。 自動非点収差調整に適した領域の例を示す模式図である。 自動非点収差調整に適した領域を得るための手順を示す模式図である。 逐次検査に従って緩やかに検査単位領域から得られる2次電子強度が低下した例を示す模式図である。 基準パターンの終端を変形する方法を示す模式図である。 基準パターンの直線部分を変形する方法を示す模式図である。 基準パターンの切断しやすい部分と、短絡しやすい部分を変形する方法を示す模式図である。
符号の説明
1 主制御部
2 記憶装置
3 入出力制御部
4 入力装置
5 表示装置
6 印刷装置
7 画像生成装置
11 基準パターン生成部
12 検査部
13 出力部
14 欠陥種認識部
21 基幹データベース
22 レシピデータベース
23 欠陥種参照データベース
24 欠陥情報記憶部
25 欠陥認識部
33A、33B、41、42 外接長方形
34 外接長方形
35、43 共通外接長方形
61〜70、75、81〜84 エッジ
101〜103 部分
111、113 線幅
112、114 スペース幅
121〜126 直線形状パターン
157 区間
159、163、165 検査対象パターン画像のエッジ
160、166 基準パターンのエッジ
164 基準パターンの終端を構成するエッジ
161 検査対象パターン画像のエッジの重心
162 基準パターンのエッジの重心
171 直線部分
172 コーナー
173 終端
174 孤立パターン
181 検査対象パターン画像のパターン
182、183 位置
184、185 高倍画像
186 検査対象パターン画像のパターンの幅
187 低倍画像
201 破線
202、203 実線
204 下地
205 パターン内部
206、207 ピクセルの固まり
251〜255 ピクセル
261 ピクセルの中心
262 ピクセルの中心に最も近い基準パターン上の点
263 接線
301〜304 検査単位領域
310 照射系装置
311 電子銃
312 集束レンズ
313 X偏向器
314 Y偏向器
315 対物レンズ
316 レンズ制御装置
317 画像取得装置
318 偏向制御装置
320 試料室
321 XYステージ
322 XYステージ制御装置
330 2次電子検出器
340 ウェーハ搬送装置
350 制御コンピュータ
360 操作コンピュータ

Claims (15)

  1. 基準となるパターン画像と検査対象パターン画像と前記検査対象パターンを製造するために使用するデータを用いて検査対象パターンを検査するパターン検査装置であって、
    前記データから線分もしくは曲線で表現された基準パターンを生成する生成手段と、
    前記基準となるパターン画像と前記検査対象パターン画像を生成する生成手段と、
    前記基準パターンを用いて前記基準となるパターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得る手段と、
    前記基準パターンを用いて前記検査対象パターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得る手段と、
    前記基準となるパターン画像から得られた統計量と前記検査対象パターン画像から得られた統計量とを比較することにより検査対象パターンを検査する検査手段を備えたことを特徴とするパターン検査装置。
  2. 請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像を検査する検査手段は、統計量として、エッジプレイスメントエラーの平均値、エッジプレイスメントエラーの標準偏差と、エッジプレイスメントエラーのパワースペクトラム、エッジプレイスメントエラーの自己相関、検査対象パターンの線幅の標準偏差のうち少なくとも一つを使用することを特徴とするパターン検査装置。
  3. 請求項1に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像を検査する検査手段は、測定による測定値の変化を相殺して変形量の統計量の繰り返し測定の再現性データを取得することを特徴とするパターン検査装置。
  4. 請求項1に記載のパターン検査装置において、
    前記検査対象パターン画像のエッジを検出する手段は、プロファイルのボトムを得るために、検査対象パターン画像の前記プロファイル以外の場所の輝度値を使うしきい値法で検出することを特徴とするパターン検査装置。
  5. 請求項4に記載のパターン検査装置において、前記検査対象パターン画像のエッジを検出する手段は、検査対象パターン画像であってビーム径より広い検査対象パターンの存在する場所の輝度値を使うことを特徴とするパターン検査装置。
  6. 請求項1に記載のパターン検査装置において、
    前記検査対象パターン画像のエッジを検出する手段は、プロファイルに逆フィルタでビーム径の広がりを補正した後に、エッジを検出することを特徴とするパターン検査装置。
  7. 請求項1に記載のパターン検査装置において、
    前記基準パターン生成手段は、1回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、2回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得て、前記論理演算で発生した頂点と前記論理演算で発生した頂点以外の頂点に異なるコーナーラウンドを適用することを特徴とするパターン検査装置。
  8. 請求項1に記載のパターン検査装置において、
    前記基準パターン生成手段は、1回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、2回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得ることを特徴とするパターン検査装置。
  9. 請求項1に記載のパターン検査装置において、
    前記検査対象パターン画像を生成する生成手段は、前記検査対象パターン画像から特徴量を取得し、前記取得された特徴量から前記検査対象パターン画像を生成する生成条件を推定して、前記推定された生成条件で前記検査対象パターン画像を生成することを特徴とするパターン検査装置。
  10. 請求項1に記載のパターン検査装置において、
    前記基準パターンを生成する生成手段は、前記検査対象パターン画像のエッジと前記基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより得られた結果を使って前記基準パターンを変形させ、前記検査手段は、前記検査対象パターン画像のエッジと前記変形された基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより、前記検査対象パターンを再度、検査することを特徴とするパターン検査装置。
  11. 請求項10に記載のパターン検査装置において、前記基準パターンを生成する生成手段が変形した部分として終端、直線部分、切断もしくは短絡しやすい部分のうち少なくとも一つを含むことを特徴とするパターン検査装置。
  12. 基準となるパターン画像と検査対象パターン画像と前記検査対象パターンを製造するために使用するデータを用いて検査対象パターンを検査するパターン検査方法であって、
    前記データから線分もしくは曲線で表現された基準パターンを生成し、
    前記基準となるパターン画像と前記検査対象パターン画像を生成し、
    前記基準パターンを用いて前記基準となるパターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得、
    前記基準パターンを用いて前記検査対象パターン画像のエッジを検出し、得られたエッジと前記基準パターンとから、エッジプレースメントエラー,線幅,もしくはスペース幅を得て、得られた値から統計量を得、
    前記基準となるパターン画像から得られた統計量前記検査対象パターン画像から得られた統計量とを比較することにより検査対象パターンを検査することを特徴とするパターン検査方法。
  13. 請求項12に記載のパターン検査方法において、
    前記基準パターンの生成で、1回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、2回目の露光の工程に関する前記基準パターンを作成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得て、論理演算で発生した頂点と前記論理演算で発生した頂点以外の頂点に異なるコーナーラウンドを適用することを特徴とするパターン検査方法。
  14. 請求項12に記載のパターン検査方法において、
    前記基準パターンの生成で、1回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、2回目の露光の工程に関するコーナーラウンドが適用された前記基準パターンを生成し、前記作成された基準パターンに論理演算を実施した結果を得ることを特徴とするパターン検査方法。
  15. 請求項12に記載のパターン検査方法において、
    前記検査対象パターン画像のエッジと前記基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより得られた結果を使って前記基準パターンを変形させ、前記検査対象パターン画像のエッジと前記変形された基準パターンの前記線分もしくは曲線とを比較することにより、前記検査対象パターンを再度、検査することを特徴とするパターン検査方法。
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