JP4920985B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。特に、加熱手段としてセラミックヒータ方式を用いた加熱手段への供給電力制御に関するものである。
従来の電子写真プロセスを用いた画像形成装置について説明する。
画像形成装置の熱定着器は、電子写真プロセスなどの画像形成手段により転写紙上に形成された未定着画像(トナー像)を転写紙上に定着させるものである。そしてハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の熱定着器やセラミックヒータを熱源とするフィルム加熱式の熱定着器が用いられている(例えば、特許文献1乃至特許文献16参照)。
一般的に、ヒータはトライアック等のスイッチング素子を介して交流電源に接続されており、この交流電源により電力が供給される。ヒータを熱源とする熱定着器(以下、単に定着器とする)には温度検出素子、例えばサーミスタ感温素子が設けられており、この温度検出素子により定着器の温度が検出される。その検出温度情報を基にシーケンスコントローラがスイッチング素子をオン/オフ制御することにより、定着器の熱源であるヒータへの電力供給をオン/オフし、定着器の温度が目標の温度になるように温度制御される。セラミックヒータへのオン/オフ制御は、通常入力商用電源の位相制御または波数制御により行われる。
また、トライアック等のスイッチング素子の故障や電力制御の暴走によりヒータが異常発熱した場合に温度検出素子によりヒータの過昇温を検出して、交流電源からヒータへの電力供給を遮断する。
定着器の温度を温調制御する際に、シーケンスコントローラは、温度検出素子から検出される温度と、予め設定されている目標温度とを比較することによって、ヒータに供給する電力比を算出してそれに相当する位相角または波数を決定する。そして、その位相条件または波数条件でスイッチング素子をオン/オフ制御する。
ヒータに電力供給される交流電源は、例えば85V〜140Vまたは187V〜264Vと電源電圧範囲は広い。このため、全点灯でヒータに通電された場合、電源電圧範囲が85V〜140Vで約2.7倍、187V〜264Vで約2倍の電力差が生じることになる。また、シーケンスコントローラが所定の温度になるようにヒータへの通電電流を制御しているため、定着器に厚紙などの紙が通紙されると普通紙の場合と比べて多めの電力、つまり電流が供給される。そして、所定の温度に維持されるように制御するため、紙種によっては必要以上に電力を供給してしまう場合があった。
そこで、ヒータへの通電電流を検知して最大供給可能電流値以下で供給電力を制御する提案がなされている(例えば、特許文献17乃至特許文献20参照)。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−44076号公報 特開平4−44077号公報 特開平4−44078号公報 特開平4−44079号公報 特開平4−44080号公報 特開平4−44081号公報 特開平4−44082号公報 特開平4−44083号公報 特開平4−204980号公報 特開平4−204981号公報 特開平4−204982号公報 特開平4−204983号公報 特開平4−204984号公報 特開2004−226557号公報 特開2004−264737号公報 特開2004−309518号公報 特開2005−208252号公報
しかしながら、前記従来例では、高出力であるセラミックヒータに電力を供給し温度制御する際に、制御の応答性を速くするため位相制御を行う場合が多い。制御の応答性が速くなると、小さい周期で電流を検出する必要が生じ、制御位相角により電流平均値と実効値の差も大きくなる。供給電力を制御する場合、最大供給可能電流値が実効値で規定されることが多いため、平均値で電流を検知している場合、シーケンスコントローラで実効値に変換する誤差が制御の精度に影響することになる。
また、セラミックヒータが暴走した場合に、温度検出素子で過昇温を検知してヒータへの通電電流を遮断する手段がある。またこれとは別に、ヒータへの電流を検知して通常制御中の電流よりも大きい、つまり、暴走状態であると判断した場合にヒータへの通電電流を遮断する構成をとる場合がある。通常状態と暴走状態の差は、実効電力、つまり、実効電流によって規定される。従って、精度よく検知するためには実効値を検出する必要があり、平均値との差分や商用周波数分の誤差が問題となる。
本発明は、以上の点に着目してなされたもので、ヒータ通電電流を検知して最大供給可能電流値以下で供給電力を制御する画像形成装置を提供することを目的とする。そして、過電流を検知してヒータの暴走を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。これにより、必要以上の電流を、定着器を構成するヒータに供給しないようにする。
本発明の画像形成装置は、前記課題を解決するため、以下の構成を備える。
(1)記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、商用電源から供給される電力で発熱するヒータを有し、未定着トナー像を記録材に定着する定着部と、前記ヒータへの電力供給路に流れる電流を検出する電流検出回路であって、前記電力供給路に設けられたカレントトランスによって電圧変換された波形の2乗値を商用周波数周期もしくは半周期毎の積分値である第一の出力として出力する第一の出力部と、前記カレントトランスによって電圧変換された波形の2乗値を商用周波数周期に比較して長い周期で平均化された積分値である第二の出力として出力する第二の出力部と、を有する電流検出回路と、前記第一の出力を用いて前記ヒータに供給可能な上限の電力デューティを算出して、前記上限の電力デューティを超えない範囲内で前記ヒータの温度に応じた電力を前記ヒータに供給するように電力制御すると共に、前記第二の出力が所定の異常電流値以上となった場合に前記ヒータへの電力供給を遮断するように前記電力供給路に設けられた電力遮断手段を制御する制御部と、を有し、前記電流検出回路が前記カレントトランスによって電圧変換された波形の2乗値を前記第一の出力と前記第二の出力に分流するオペアンプを有することを特徴とする画像形成装置
本発明によれば、発熱体に通電される電流を、入力電源電圧及び波形率に対して、精度よく検知し最大供給可能電流値以下で供給電力を制御することができる。また、発熱体に通電される過電流を商用周波数に依存することなく検知して、発熱体の過昇温を防ぐことができる。さらに本発明によれば、検知される電流値は、制御対象の応答が速く、かつ、応答性の速い制御を行う場合でも、精度の高い値を得ることができる。
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
以下、図面に基づき説明する。
図1は電子写真プロセスを用いた画像形成装置の概略断面構成図であり、例えばレーザプリンタの場合を示している。
レーザプリンタ等の画像形成装置101は、記録紙Sを収納するカセット102を有する。また、カセット102の記録紙Sの有無を検知するカセット有無センサ103、カセット102の記録紙Sのサイズを検知するカセットサイズセンサ104(複数個のマイクロスイッチで構成される)を有する。さらに、カセット102から記録紙Sを繰り出す給紙ローラ105等が設けられている。そして、給紙ローラ105の下流には記録紙Sを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。また、レジストローラ対106の下流にはレーザスキャナ部107からのレーザ光に基づいて記録紙S上にトナー像を形成する画像形成部108が設けられている。さらに、画像形成部108の下流には記録紙S上に形成されたトナー像を熱定着する定着器109が設けられている。また、定着器109の下流には排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録紙Sを排紙する排紙ローラ111、記録の完了した記録紙Sを積載する積載トレイ112が設けられている。この記録紙Sの搬送基準は、記録紙Sの画像形成装置101の搬送方向に直交する方向の長さ、つまり記録紙Sの幅に対して中央になるように設定されている。
また、前記レーザスキャナ107は、後述する外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)128に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113を有する。また、このレーザユニット113からのレーザ光を後述する感光ドラム117上に走査するためのポリゴンモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。
そして、前記画像形成部108は、公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、1次帯電ローラ119、現像器120、転写帯電ローラ121、クリーナ122等から構成されている。また、109aは定着フィルム、109bは加圧ローラである。109cは定着フィルム109a内部に設けられたセラミックヒータ、109dはセラミックヒータ109cの表面温度を検出するサーミスタである。定着器109はこれらにより構成されている。
また、メインモータ123は、給紙ローラ105には給紙ローラクラッチ124を介して、レジストローラ対106にはレジストローラクラッチ125を介して駆動力を与えている。更に感光ドラム117を含む画像形成部108の各ユニット、定着器109、排紙ローラ111にも駆動力を与えている。
そして126はエンジンコントローラであり、レーザスキャナ部107、画像形成部108、定着器109による電子写真プロセスの制御、前記画像形成装置101内の記録紙Sの搬送制御を行っている。
そして、127はビデオコントローラであり、パーソナルコンピュータ等の外部装置131と汎用インタフェース(セントロニクス、RS232C等)130で接続されている。この汎用インタフェース130から送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータをVDO信号として、エンジンコントローラ126へ送出している。
図2に本発明におけるセラミックヒータ109cの駆動及び制御に係る詳細回路を示す。1は、本発明の画像形成装置101を接続する交流電源である。本発明の画像形成装置101は交流電源をACフィルタ2、カレントトランス25、リレー41(電力遮断手段に相当)を介してセラミックヒータ24(図1の109c)の発熱体3、発熱体20へ供給する。これにより、セラミックヒータ24を構成する発熱体3、発熱体20を発熱させる。
この発熱体3への電力の供給は、トライアック4の通電、遮断により制御を行う。抵抗5、6はトライアック4のためのバイアス抵抗でフォトトライアックカプラ7は、1次、2次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ7の発光ダイオードに通電することによりトライアック4をオンする。抵抗8はフォトトライアックカプラ7の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ9によりフォトトライアックカプラ7をオン/オフする。トランジスタ9は抵抗10を介してエンジンコントローラ11(図1の126)からのON1信号に従って動作する。
発熱体20への電力の供給は、トライアック13の通電、遮断により制御を行う。抵抗14、15はトライアック13のためのバイアス抵抗でフォトトライアックカプラ16は、1次、2次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ16の発光ダイオードに通電することによりトライアック13をオンする。抵抗17はフォトトライアックカプラ16の電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ18によりフォトトライアックカプラ16をオン/オフする。トランジスタ18は抵抗19を介してエンジンコントローラ11からのON2信号に従って動作する。
また、ACフィルタ2を介して交流電源1は、ゼロクロス検出回路12に入力される。ゼロクロス検出回路では、商用電源電圧がある閾値以下の電圧になっていることをエンジンコントローラ11に対してパルス信号として報知する。以下、エンジンコントローラ11に送出されるこの信号をZEROX信号と呼ぶ。エンジンコントローラ11はZEROX信号のパルスのエッジを検知し、位相制御または波数制御によりトライアック4または13をON/OFFする。
トライアック4及び13に制御されて発熱体3及び20に通電されるヒータ電流は、カレントトランス25によって電圧変換され、電流検出回路27に入力される。電流検出回路27では、電圧変換されたヒータ電流波形を実効値もしくはその2乗値に変換し、HCRRT1信号(第一の出力に相当)、HCRRT2信号(第二の出力に相当)としてエンジンコントローラ11にA/D入力される。
また、21は発熱体3,20が形成されているセラミックヒータ24の温度を検知するための温度検出素子、例えば、サーミスタ感温素子である。温度検出素子21(図1の109d)は、セラミックヒータ24上に発熱体3,20に対して絶縁距離を確保できるように絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。この温度検出素子21によって検出される温度は、抵抗22と、温度検出素子21との分圧として検出され、エンジンコントローラ11にTH信号としてA/D入力される。セラミックヒータ24の温度は、TH信号としてエンジンコントローラ11において監視され、エンジンコントローラ11の内部で設定されているセラミックヒータ24の設定温度と比較される。これにより、セラミックヒータ24を構成する発熱体3,20に供給するべき電力比を算出し、その供給する電力比に対応した位相角(位相制御)または波数(波数制御)に換算する。そして、その制御条件によりエンジンコントローラ11がトランジスタ9にON1信号、あるいはトランジスタ18にON2信号を送出する。発熱体3,20に供給する電力比を算出する際に、電流検出回路27から報知されるHCRRT1信号を基に上限の電力比を算出して、その上限の電力比以下の電力が通電されるように制御する。例えば、位相制御の場合、下記のような表をエンジンコントローラ11内に有しており、この制御表に基づき制御を行う。
Figure 0004920985
さらに、発熱体3,20に電力を供給しており、電力制御手段が故障し、発熱体3,20が熱暴走に至った場合、過昇温を防止する一手段として、過昇温防止手段23がセラミックヒータ24上に配されている。過昇温防止手段23は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。電力制御手段の故障により、発熱体3,20が熱暴走に至り過昇温防止手段23が所定の温度以上になると、過昇温防止手段23がOPENになり、発熱体3および20への通電が断たれる。
また、エンジンコントーラ11において、温度制御の設定温度とは別に異常高温検知温度が設定されている。ここで、TH信号として監視されているセラミックヒータ24の温度が、その異常高温検知温度以上になった場合は、エンジンコントローラ11がRLD信号をLowレベルとする。そして、トランジスタ42をオフにし、リレー41をオフにすることにより、発熱体3および20への通電を遮断する。通常、温度制御時には常に、エンジンコントローラ11はRLD信号をHighレベルとして送出し、トランジスタ42をオンにし、リレー41をオンにしている。抵抗43は電流制限抵抗であり、抵抗44はトランジスタ42のベース・エミッタ間のバイアス抵抗である。ダイオード45はリレー41のオフ時の逆起電力吸収用素子である。
さらに、電流検出回路27から報知されるHCRRT2信号により、エンジンコントローラ11は発熱体3または20への通電電流を検知する。そして、所定時間予め設定された異常電流値以上になった場合は、RLD信号をLowレベルとし、発熱体3および20への通電を遮断する。
本実施例におけるセラミックヒータ24の概略について、図3に示す。図3において、(a)はセラミックヒータ24の概略断面図である。図3(b)は(a)の矢印b方向からセラミックヒータ24の発熱体32,33の形成面を見た図である。図3(c)は(a)の矢印c方向から見た(b)の面と相対する面を見た図である。
セラミックヒータ24は、SiC、AlN、Al等のセラミックス系の絶縁基板31と、絶縁基板31面上にペースト印刷等で形成されている発熱体32,33と、2本の発熱体を保護しているガラス等の保護層34から構成されている。保護層34上に、セラミックヒータ24の温度を検出する温度検出素子21と過昇温防止手段23が配設されている。これらは、記録紙Sの搬送基準、つまり発熱部32a、33aの長さ方向の中心に対して左右対称な位置であり、かつ通紙可能な最小の記録紙幅よりも内側の位置に配設されている。すなわち図3(b)において、温度検出素子21と過昇温防止手段23は、小サイズ紙域を示す矢印より内側で、a1を中心にそれぞれαの位置に配設される。
発熱体32は、電力が供給されると発熱する部分32aと、コネクタを介して電力が供給される電極部32c,32dと、電極部32c,32dと接続される導電部32bとから構成されている。発熱体33は、電力が供給されると発熱する部分33aと、コネクタを介して電力が供給される電極部32c,33dと、電極部32c,33dと接続される導電部33bとから構成されている。電極部32cは、発熱体32と33の2本の発熱体に接続されており、発熱体32,33の共通の電極となっている。また、発熱体32,33が印刷されている絶縁基板31との対向面側に摺動性を向上させるためにガラス層が形成される場合もある。
共通電極32cには、交流電源1のホット(以下、Hotとする)側端子から過昇温防止手段23を介して接続される。電極部32dは発熱体32を制御するトライアック4に接続され、交流電源1のニュートラル(以下、Neutralとする)端子に接続される。電極部33dは発熱体33を制御するトライアック13に電気的に接続され、交流電源1のNeutral端子に接続される。
セラミックヒータ24は、図4に示したように、フィルムガイド62によって支持されている。
図4は本実施例における定着器109の概略断面図であり、(a)はセラミックヒータ24の発熱体32,33形成面がニップ部と反対側に配設された図、(b)は発熱体32,33形成面がニップ部側に配設された図である。
61(図1の109a)は、円筒状の耐熱材製の定着フィルムであり、セラミックヒータ24を下面側に支持させたフィルムガイド62に外嵌させてある。そして、フィルムガイド62の下面のセラミックヒータ24と、加圧部材としての弾性加圧ローラ63(図1の109b)とを定着フィルム61を挟ませて弾性加圧ローラ63の弾性に抗して所定の加圧力をもって圧接させてある。これにより、加熱部としての所定幅の定着ニップ部を形成させてある。また、過昇温防止手段23、例えば、サーモスタット(以下、サーモスタット23とする)がセラミックヒータ24の絶縁基板31面上または、保護層34面上に当接されている。サーモスタット23はフィルムガイド62に位置を矯正され、サーモスタット23の感熱面がセラミックヒータ24の面上に当接されている。図示はしていないが、温度検出素子21も同様にセラミックヒータ24の面上に当接されている。ここで、図4のように、セラミックヒータ24は、発熱体32、33がニップ部と反対側にあっても(図4(a))、発熱体がニップ部側にあってもかまわない(図4(b))。また、フィルム61の摺動性を上げるために、フィルム61とセラミックヒータ24との界面に摺動性のグリースを塗布してもかまわない。
図5に本発明における電流検出回路27のブロック詳細図を示す。図6に電流検出回路27の各信号の概略動作部分波形を示す。セラミックヒータ24に電流が通電される(601)。カレントトランス25によって電流波形が2次側に電圧変換される。カレントトランス25からの出力をダイオード51,53によって整流し、負荷抵抗として52,54を接続している。ダイオード53によって半波整流された波形(603)を抵抗55を介して、乗算器56に入力する。乗算器56は、2乗した波形(604)を出力する。2乗された波形は抵抗57を介してオペアンプ59の−端子に入力され、オペアンプ59の+端子には抵抗58を介してコンデンサ84によるリファレンス電圧(以下、リファレンス電圧84とする)が入力されている。そして、オペアンプ59の出力信号は、帰還抵抗60により反転増幅される。このように、オペアンプ59は片電源で電源供給されている。
リファレンス電圧84を基準に反転増幅された波形(605)、つまり、オペアンプ59の出力は、オペアンプ72とオペアンプ77に分流され、それぞれの+端子に入力される。
オペアンプ72は、リファレンス電圧84と+端子に入力された波形との電圧差と、抵抗71から決定される電流が、コンデンサ74に流入されるようにトランジスタ73を制御している。コンデンサ74は、リファレンス電圧84と+端子に入力された波形との電圧差と抵抗71から決定される電流で充電される。
ダイオード53による半波整流期間が終わると、コンデンサ74への充電電流がなくなるため、値がピークホールドされ、ダイオード51の半波整流期間にトランジスタ75をオンすることにより、コンデンサ74の電圧をリセットする(606)。トランジスタ75はエンジンコントローラ11からDIS信号(607)によりオン/オフされており、これはZEROX信号(602)を基に制御を行っている。DIS信号は、ZEROX信号の立上がりエッジから所定時間Tdly後にオンし、ZEROX信号の立下がりエッジで、もしくは直前でオフすることにより、ダイオード53の半波整流期間のヒータ電流期間に干渉することなく、制御することができる。
つまり、コンデンサ74のピークホールド電圧は、カレントトランス25によって電流波形が2次側に電圧変換された波形の2乗値の半周期分の積分値となる。このようにして、コンデンサ74の電圧がHCRRT1信号として、エンジンコントローラ11に送出される。
オペアンプ77は、リファレンス電圧84と+端子に入力された波形との電圧差と、抵抗76から決定される電流が、コンデンサ79と抵抗80に流入されるようにトランジスタ78を制御している。コンデンサ79には、リファレンス電圧84と+端子に入力された波形との電圧差と抵抗76から決定される電流で、コンデンサ79と抵抗80の時定数に基づき充電される。ダイオード53による半波整流期間が終わると充電電流がなくなるため、コンデンサ79と抵抗80の時定数に基づき放電される。また、ダイオード53による半波整流期間となると充電され、コンデンサ79の電圧は脈流波形(608)となる。そのセンタ値は、カレントトランス25によって電流波形が2次側に電圧変換された波形の2乗値の積分値を、コンデンサ79と抵抗80の時定数時間で平均した値となる。すなわち、2乗値の積分値の平均値、つまり、この時定数期間の「実効値の2乗値」となる。
さらに、抵抗81とコンデンサ82により平滑(609)され、HCRRT2信号としてエンジンコントローラ11に送出される。
なお、カレントトランス25の基準電位は、リファレンス電圧84からバッファ83を介して決定されている。
次に、本発明における定着器109の立上げ制御シーケンスの概略を説明するフローチャートを図7に示す。
エンジンコントローラ11にて、セラミックヒータ24への電力供給開始の要求が発生すれば(ステップS1)、発熱体3及び20の両方に同一の所定の固定デューティD1で通電する(ステップS2)。固定デューティD1に相当する位相角α1で、ON1,ON2信号のオンパルスがZEROX信号をトリガにして、エンジンコントローラ11よリ送出される。これにより、ヒータには位相角α1で電流が供給される。
固定デューティD1で通電している時に電流検出回路27から報知されるHCRRT1信号により電流値I1fを検知する(ステップS3)。電流値I1fは、図6に示すHCRRT1信号のピークホールド値である。ZEROX信号をトリガにして、本発明では、ZEROX信号の立上がりエッジからDIS信号送出までの間Tdlyにこの値を検知する。時間Tdlyには、エンジンコントローラ11がピークホールド値I1fを検知するのに十分な時間が設定されている。
固定デューティD1は予め想定されている入力電圧範囲や発熱体抵抗値を考慮して、許容電流を超えない設定とする。つまり、入力電圧が最大値,抵抗値が最小値の場合を想定して固定デューティD1を設定する。
エンジンコントローラ11において、検知された電流値I1fと固定デューティD1と予め設定されている通電可能な電流値Ilimitから、通電可能な上限の電力デューティDlimitを算出する(ステップS4)。
ここで、HCRRT1信号が報知するI1f値は、前記で説明したように、2乗波形の商用周波数半周期分の積分値である。商用周波数を特定の周波数、例えば予め50Hzと設定しておくと、50Hzにおける実効値の2乗値となる。ここで、予め設定されている通電可能な電流値Ilimitを、50Hzにおける実効値の2乗値としておく。また、エンジンコントローラ11は、ZEROX信号の立下がりエッジから立下がりエッジまでの時間T1を検出することにより、商用周波数を検知することができる。よって、時間T1と電流値I1fから50Hz換算の実効値の2乗値I1とすると、
I1=I1f×(1/T1)/50
で算出される。通電可能な電流値Ilimitが50Hzにおける実効値の2乗値であるため、Dlimitは以下の式によって算出される。
limit=(Ilimit/I1)×D1
電流値Ilimitは、接続される商用電源の定格電流に対して、ヒータ以外の部分に供給される電流を差し引いた、ヒータに供給可能な許容電流値を設定している。
エンジンコントローラ11に設定されている所定の温度になるように、TH信号からの情報を基にPI制御により、発熱体3,20に供給する電力を制御する。目標の所定温度とTH信号からの温度の差分から供給するデューティを決定している。ただし、算出されたデューティが上限デューティDlimitを超える場合は、上限値としてDlimitの比率の電力を供給する。つまり、上限デューティDlimit以下でのデューティでPI温調制御を行う(ステップS5)。すなわち、Dlimitに相当する位相角αlimit以上の位相角で位相制御を行うことになる。また、入力電圧の大きさによってDlimit(αlimit)が可変となり、入力電圧によらず常にIlimit以下の電流で制御が可能となる。
そして、ヒータの温調制御が終了するまで、算出された上限デューティDlimit以下で制御を行う(ステップS6)。
また、発熱体が1本の場合であっても、同様の制御が可能である。
さらに、エンジンコントローラ11は電流検出回路27から報知されるHCRRT2信号を常に監視している。ここで、HCRRT2信号が報知する電流値I2(図6(609)参照)は、前記で説明したように、電流検出回路27の時定数期間の「実効値の2乗値」であるため、商用周波数に依存せずに、その値を検知することができる。エンジンコントローラ11において、予め異常電流値Iabnを設定しておき、電流値I2が所定時間連続して異常電流値Iabn以上となった場合は、RLD信号をLowレベルとし、発熱体3および20への通電を遮断する。
異常電流値Iabnは、実効値の2乗値として設定しておく。
上記のように、本実施例において、定着器109の立上げ時に所定の電力比の電力を供給して、供給電力比の上限値を算出し、それ以下の比率で電力制御する。これにより、通紙時の温度制御中に予想以上の厚紙や重送紙が通紙され、ヒータ温度が急減した場合でも、許容電流以上の電流を供給することを防ぐことができる。また、実効値の2乗値を検出し周波数補正することにより、入力電源電圧やヒータ抵抗値のバラつきや波形の波形率に対して、精度よく供給可能な最大限の上限値を設定できるため、各条件において最大限に電力性能をだせることが可能となる。さらに、ZEROX信号異常やHCCRT1検出異常や駆動回路の暴走などの過大電流が発熱体に通電される状態が発生しても、ZEROX信号や商用周波数に依存することなく、精度よく電流を検知でき、供給電力を遮断することができる。
本発明の実施例2において、実施例1と重複する点の説明は省略する。また、実施例1と同じ構成のものには同じ符号を付す。
図8に本実施例におけるセラミックヒータ24の駆動及び制御回路を示す。
実施例1において、電流検出回路27から報知されるHCRRT2信号は、エンジンコントローラ11に入力され、所定時間予め設定された異常電流値以上になった場合に、発熱体3および20への通電を遮断した。
本実施例においては、電流検出回路27から報知されるHCRRT2信号がコンパレータ28の−端子に入力される。コンパレータ28の+端子には、抵抗29と抵抗30の分圧値が入力されている。抵抗29と抵抗30で設定される値よりHCCRT2信号が大きければ、コンパレータ28の出力はLowとなり、トランジスタ42のベース電位が下がって、トランジスタ42はRLD信号に依存せずオフとなる。つまり、リレー41がオフする。抵抗29と抵抗30で設定される値よりHCCRT2信号が小さければ、コンパレータ28の出力はHighとなり、トランジスタ42においてはオープンコレクタとなって、トランジスタ42はRLD信号に従い動作する。抵抗29と抵抗30で設定される分圧値を異常電流値に相当する値に設定しておくことにより、異常電流が通電された場合に発熱体への電力供給を遮断することができる。ここで設定する値は、実効値の2乗値である。
上記のように、本実施例において、実効値の2乗値を検出し周波数補正することにより、入力電源電圧やヒータ抵抗値のバラつきや波形の波形率に対して、精度よく供給可能な最大限の上限値を設定できる。このため、各条件において最大限に電力性能を引き出すことが可能となる。さらに、制御用の電流検知信号とは別に、時定数の異なる過昇温防止用の電流検知信号を有する構成とすることもできる。これにより、エンジンコントローラ11やZEROX信号やDIS信号に依存することなく、過大電流が発熱体に通電される状態が発生しても、精度よく電流を検知でき、供給電力を遮断することができる。
本発明における画像形成装置の概略断面構成図 本発明におけるセラミックヒータの駆動及び制御に係る詳細回路図 (a)はセラミックヒータの概略断面図、(b)は(a)の矢印b方向からセラミックヒータの発熱体の形成面を見た図、(c)は(a)の矢印c方向から見た(b)の面と相対する面を見た図 本発明における定着器の概略断面図であり、(a)はセラミックヒータの発熱体形成面がニップ部と反対側に配設された図、(b)は発熱体形成面がニップ部側に配設された図 本発明における電流検出回路のブロック詳細図 電流検出回路の各信号の概略動作部分波形図 本発明における定着器の立上げ制御シーケンスの概略を説明するフローチャート 実施例2におけるセラミックヒータの駆動及び制御に係る詳細回路図
符号の説明
1 交流電
11,126 エンジンコントロー
12 ゼロクロス検出回
21,109d サーミスタ
24,109c セラミックヒー
25 カレントトラン
27 電流検出回路
28 コンパレー
31 絶縁基板
32,33 発熱体
41 リレー(電力遮断手段に相当)
61,109b 定着フィル
63,109c 加圧ロー
101 画像形成装置
109 定着器
126、11 エンジンコントローラ
S 記録

Claims (2)

  1. 記録材に未定着トナー像を形成する画像形成部と、
    商用電源から供給される電力で発熱するヒータを有し、未定着トナー像を記録材に定着する定着部と、
    前記ヒータへの電力供給路に流れる電流を検出する電流検出回路であって、前記電力供給路に設けられたカレントトランスによって電圧変換された波形の2乗値を商用周波数周期もしくは半周期毎の積分値である第一の出力として出力する第一の出力部と、前記カレントトランスによって電圧変換された波形の2乗値を商用周波数周期に比較して長い周期で平均化された積分値である第二の出力として出力する第二の出力部と、を有する電流検出回路と、
    前記第一の出力を用いて前記ヒータに供給可能な上限の電力デューティを算出して、前記上限の電力デューティを超えない範囲内で前記ヒータの温度に応じた電力を前記ヒータに供給するように電力制御すると共に、前記第二の出力が所定の異常電流値以上となった場合に前記ヒータへの電力供給を遮断するように前記電力供給路に設けられた電力遮断手段を制御する制御部と、
    を有し、
    前記電流検出回路が前記カレントトランスによって電圧変換された波形の2乗値を前記第一の出力と前記第二の出力に分流するオペアンプを有することを特徴とする画像形成装置
  2. 前記定着部は更に、内面に前記ヒータが接触する筒状の定着フィルムと、前記定着フィルムを介して前記ヒータと共に記録材を挟持搬送しつつ定着するための定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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