JP7173783B2 - ゼロクロス判別装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明はゼロクロス判別装置および画像形成装置に関する。
画像形成装置の定着装置はシートに担持されたトナー画像を加熱することでトナー画像をシートに定着させる。定着温度はシートの坪量などに応じて適切に制御される必要がある。一般に、定着装置のヒーターに供給される電力はトライアックにより制御される。特許文献1によれば、トライアックの故障を検知する技術が記載されている。
特開平8-066005号公報
ところで、ヒーターに供給される電力は交流電源から供給される交番電流のゼロクロスを基準として制御される。したがって、ノイズ等が原因でゼロクロスの検知精度が低下すると、ヒーターに供給される電力が過剰になったり、不足したりしてしまう。そこで、本発明は、検知されたゼロクロスが正しいかどうかを判別する技術を提供する。
本発明は、たとえば、
交流電源から供給される交番電流のゼロクロスを検知する検知手段と、
前記ゼロクロスが検知されたタイミングに基づき負荷に対する交番電流の供給を制御する制御手段と、
前記検知手段により第一ゼロクロスが検知された第一タイミングから所定の測定期間において前記負荷に供給される交番電流の合計値に応じた値である第一の値を取得する取得手段と、を有し
前記制御手段は、前記第一の値が所定範囲外であるかどうかに基づき、前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスかどうかを判別し、
前記制御手段は、前記検知手段による前記ゼロクロスの検知に応じて前記負荷に対する前記交番電流の供給を開始する制御を、予め定められたマスク時間にわたり行わないマスク手段をさらに有し、前記取得手段により取得された前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスであると判定した場合、前記第一の値に基づいて前記マスク時間を補正することを特徴とするゼロクロス判別装置を提供する。
本発明によれば、検知されたゼロクロスが正しいかどうかを判別する技術が提供される。
ゼロクロス判別装置を説明する図 ゼロクロス検知回路を説明する図 電流検知電圧の理想値とそれに対応するパラメータを示す表 電流検知回路を説明する図 ゼロクロス判別方法を説明する図 ゼロクロス判別方法を説明する図 電流検知電圧の理想値とそれに対応するパラメータを示す表 正しいゼロクロスが判別された事例を説明する図 誤ったゼロクロスが判別された事例を説明する図 画像形成装置を示す図 CPUの機能を説明する図
<実施例1>
●電源回路
図1は電源回路100を示す図である。電源回路100は交流電源150から供給される交番電流を負荷に供給する回路である。コントローラ101は電源回路100を制御する制御部であり、CPU105とメモリ106を有している。メモリ106はプログラなどを記憶するROMと一時的なデータを記憶するRAMなどを有している。CPUは中央演算処理装置の略称である。ROMはリードオンリーメモリの略称である。RAMはランダムアクセスメモリの略称である。電源回路100とコントローラ101はゼロクロス判別装置190を形成している。ゼロクロス判別装置190は負荷に供給される電力を制御する制御装置として機能してもよい。CPU105はメッセージなどを表示装置107に表示してもよい。
定着装置14は負荷の一例であり、ヒーター102と温度センサ103とを有している。負荷は定着装置14に限定されることはなく、交番電圧を印加されることで交番電流が流れる負荷であれば採用可能である。ヒーター102はトナー画像を加熱する加熱手段や熱源の一例である。
電流検知回路125の一次側はホット(ライブ)側の電源ライン151Hとヒーター102とに接続されている。電流検知回路125の二次側はコントローラ101に接続されている。電流検知回路125は、交流電源150から供給される交番電流を電流検知信号126に変換して、コントローラ101に出力する。これによりコントローラ101は負荷に流れる交番電流の値を取得する。電流検知信号126の電圧は電流検知電圧Vsnsiと呼ばれてもよい。
ゼロクロス検知回路130は、交流電源150から供給される交番電流のゼロクロスを検知し、ゼロクロスが発生したタイミングを示すゼロクロス信号131をコントローラ101に出力する。半導体スイッチ(以降、半導体SWと称す)110は、ヒーター102へ給電をON/OFFすることのできるトライアックなどの半導体スイッチである。コントローラ101は、温度検知信号104により通知されるヒーター102の温度が目標温度に維持されるように、半導体SW110にスイッチ制御信号(以降、SW制御信号と称す)112を出力する。これにより、ヒーター102の温度(定着温度)が目標温度に維持される。このように、コントローラ101は、負荷の状態が目標状態となるように、現在の負荷の状態を示すパラメータに基づき半導体SW110を制御する。なお、コントローラ101は、ゼロクロス信号131により通知されるゼロクロスタイミングを基準として負荷に流れる交番電流を位相制御する。コントローラ101が半導体SW110をONにしたタイミング(ONタイミング)から次のゼロクロスタイミングまで、ヒーター102には交番電流が流れる。したがって、コントローラ101は半導体SW110のONタイミングを制御することで、ヒーター102に供給される電力量を制御できる。たとえば、コントローラ101はヒーター102の温度と目標温度との差分から必要な電力量を求め、必要な電力量が達成されるようにONタイミングを決定する。なお、先行するゼロクロスタイミングからONタイミングまでの時間はON時間Tonと呼ばれてもよい。ON時間Tonが短くなれば負荷に供給される電力量が増加し、ON時間Tonが長くなれば負荷に供給される電力量が減少する。これは、先行するゼロクロスタイミングからONタイミングまでの期間には交番電流が負荷に流れず、ONタイミングから後続のゼロクロスタイミングまでの期間に交番電流が負荷に流れるからである。
電圧検知回路127は、交流電源150から供給される交番電圧を検知し、交番電圧を示す電圧検知信号128をコントローラ101に出力する。電圧検知回路127はオプションである。
●ゼロクロス検知回路
図2(A)はゼロクロス検知回路130を示している。電源ライン151Hは制限抵抗132を介してフォトカプラ134内のLEDのアノード側に接続されている。LEDは発光ダイオードの略称である。フォトカプラ134内のLEDのカソード側は電源ライン151Nと接続されている。フォトカプラ134内のLEDに対して並列に制限抵抗133が接続されている。
フォトカプラ134内のフォトトランジスタのコレクタはゼロクロス検知回路130の出力部と接続されている。ゼロクロス検知回路130の出力部と制御電源との間にプルアップ抵抗135が接続されているフォトトランジスタのコレクタからゼロクロス信号131が出力される。フォトトランジスタのエミッタは接地されている。
図2(B)はゼロクロス検知回路130の動作タイミングを説明する図である。VinはAC入力の最大値(振幅)を示している。AC入力とは交流電源150から電源回路100に印加される交番電圧である。電源ライン151Hと電源ライン151Nと間の交番電圧はVin×Sin(wt)と表記される。ここでw=2×pi×fである。tは時間である。piは円周率である。fは交流周波数であり、交流周期Tの逆数である。時刻T0で電源ライン151Hの電位が電源ライン151Nの電位より高くなりはじめる。時刻T0以降、フォトカプラ134内のLEDのアノードとカソードの間に電圧が印可される。これにより、フォトカプラ134内のLEDが点灯する。フォトトランジスタがLEDからの光を受光すると、エミッタ-コレクタ間に電流が流れる。これによりプルアップ抵抗135にも電流が流れ、ゼロクロス信号131の電位がL(ローレベル)になる。時刻T1で、Vin×Sin(wt)の値が再び0となる。これによりフォトカプラ134内部のLEDが消灯する。これに連動して、フォトカプラ134内のフォトトランジスタに電流が流れなくなるため、ゼロクロス信号131の出力レベルはH(ハイレベル)になる。時刻T2で再びVin×Sin(wt)が0Vを超えはじめる。そのため、ゼロクロス信号131のレベルが再びLになる。このようにゼロクロス信号131はゼロクロスタイミングTi(i=0、1、2...)を示しており、コントローラ101はゼロクロス信号131に基づきゼロクロスタイミングを認識する。
図3は位相制御に使用される表を示している。図3には電流検知電圧Vsnsiの理想値Videalごとの、オン時間Ton、電力比および電流積分値が示されている。コントローラ101は、負荷の状態に応じて、負荷を駆動するために必要となる電力比を決定する。たとえば、ヒーター102の温度を目標温度に制御するために必要となる電力比をヒーター102の温度と目標温度との差分に基づき決定する。コントローラ101は、電流検知電圧Vsnsiと電力比との組み合わせに対応するオン時間Tonを表から求め、ON時間Tonに基づき半導体SW110をONにする。電力比PRは次式から求められる。
PR=(Pj/P100) × 100 [%] ・・・(1)
ここでPjは負荷に投入される電力量を示す。P100は、Vin×Sin(wt)の半周期(以下、一半波と呼ぶ)の区間において、ヒーター102に対してVin×Sin(wt)の電圧を常に印可した場合の電力の積分値(電力量)である。
一般に、SW制御信号112のONにより半導体SW110に電流が流れ始めると、ゼロクロスタイミングまで半導体SW110には電流が流れ続ける。よって、Pjは、SW制御信号112のレベルがONになってから次のゼロクロスタイミングまでの電力の積分値である。
●電流検知回路
図4(A)は電流検知回路125を示している。電流検知回路125の全波整流回路により構成されている。電流検知回路125の一次側は電流検知トランス140の一次側のコイルL1により構成されている。コイルL1の一端は電源ライン151Hに接続されている。コイルL1の他端はヒーター102に接続されている。よって、電流検知回路125は交流電源150とヒーター102との間に接続されている。電流検知回路125の二次側には整流回路と平滑回路(積分回路)とが設けられている。電流検知トランス140の二次側のコイルL2には整流ダイオード141、142、143、144が接続されている。コイルL1において矢印Aが示す方向に電流が流れると、コイルL1、L2の相互インダクタンスにより、コイルL2には矢印Bが示す方向に電流が流れる。具体的には、コイルL2を介して整流ダイオード144から整流ダイオード141に電流が流れる。この電流は抵抗145とコンデンサ146とにより構成された平滑回路によって平滑化(積分)される。この平滑回路の出力が電流検知信号126となる。つまり、電流検知信号126は負荷に流れた交流電流の積分値を示す信号である。
コイルL1において矢印Cが示す方向に電流が流れると、コイルL2において矢印Dが示す方向に電流が流れる。具体的には、コイルL2を介して整流ダイオード142から整流ダイオード143に電流が流れる。この電流が抵抗145とコンデンサ146で平滑化(積分)されて、電流検知信号126が生成される。
以上の動作原理により、交番電流の極性によらずに電流検知信号126が生成される。つまり、電流検知信号126の電圧である電流検知電圧Vsnsiは負荷を駆動する駆動電流の積分値と比例する。図3に示された電流積分値は、あるゼロクロスタイミングから次のゼロクロスタイミングまでにおける駆動電流の積分値に対する、任意のタイミングから次のゼロクロスタイミングまでにおける駆動電流の積分値の百分率である。図3に示されたVidealは、電流積分値に対する電流検知電圧Vsnsiの理想値を表している。なお、駆動電流(負荷電流)Iinは次式により表現される。
Iin=(Vin×Sin(wt)) / R ・・・(2)
ここでRはヒーター102の抵抗値である。
図4(B)はゼロクロスタイミングで半導体SW110がONしたときの電流検知回路125の動作を示すタイミングチャートである。図4(B)においてAC入力は電源ライン151Hの電位を示している。AC入力がゼロになる時刻TaにSW制御信号112がONすると、ヒーター102にはAC入力の斜線部に相当する駆動電流Iinが流れる。駆動電流Iinの積分値に比例した電流検知信号126(電流検知電圧Vsnsi)が発生する。電流検知トランス140のインダクタンスや、平滑回路の時定数の影響で、電流検知電圧Vsnsiが発生しはじめるタイミングは、時刻Taから遅延時間Tid[ms]が経過したとき(時刻Tb)である。このため、駆動電流が流れなくなる時刻Tcから遅延時間Tidが経過したとき(時刻Td)に電流検知電圧Vsnsiが最大値Vmaxになる。電流検知電圧Vsnsiの最大値Vmaxの理想値がVidealである。
コントローラ101は、最大値Vmaxが理想値Videalに等しければ、正確にゼロクロスが検知されていると判定できる。なお、多少の誤差eが考慮されてもよい。この場合、次式が満たされていれば、コントローラ101は正確なゼロクロスが検知されていると判定する。
Videal - e < Vmax =< Videal + e ・・・(3)
最大値Vmaxが所定範囲を逸脱している場合、コントローラ101は正確なゼロクロスが検知されていないと判定する。たとえば、ノイズ等によりゼロクロス検知回路130が誤ったゼロクロス信号131を出力した場合、このゼロクロス信号131に基づき決定される最大値Vmaxは理想値Videalよりも小さくなる。
●フローチャート
図5および図6はCPU105が実行する負荷の駆動方法を示すフローチャートである。負荷がヒーター102である場合、CPU105は、画像形成装置が起動したときや画像形成装置がスタンバイモードから画像形成モードに遷移するときなどに、以下の処理を実行する。CPU105は、予めの交流周波数fを測定し、メモリ106のRAMに保持していてもよい。また、CPU105は、交流周波数fから演算される交流周期TもRAMに保持していてもよい。
S501でCPU105はゼロクロス信号131のレベルがLになったかどうかを判定する。ゼロクロス信号131のレベルがHからLに切り替わるときに生じる信号波形は立下りエッジと呼ばれる。よって、CPU105はゼロクロス信号131の立下りエッジを検知してもよい。立下りエッジが検知されると、CPU105は処理をS502に進める。
S502でCPU105は時間Tnの計時を開始する。この計時は、タイマーやカウンタによって実行されてもよい。時間Tnは隣り合った二つのゼロクロス間の時間や、AC入力の立下りから次の立下りまでの時間を計時するための変数である。S503でCPU105はゼロクロス信号131をマスクする。ゼロクロス信号131がマスクされている間、CPU105はゼロクロス信号131を無視する。S504でCPU105は半導体SW110をONにする。S502ないしS504の実行順番は入れ替え可能であり、ほぼ同時に実行されてもよい。
S505でCPU105は時間Tnが閾値Tth(例:13[ms])以下であるかを判定する。閾値Tthは電流検知電圧Vsnsiの測定期間である。また、閾値Tthは初期のマスク時間Tmaskとしても機能する。時間Tnが閾値Tth以下であれば、CPU105は処理をS506に進める。時間Tnが閾値Tth以下でなければ、CPU105は処理をS509に進める。ここで閾値Tthは、半導体SW110の動作時間、遅延時間TidおよびマージンTmを加算することで決定される。たとえば、動作時間が10[ms]であり、遅延時間Tidが2[ms]であり、マージンTmが1[ms]である場合、閾値Tthが13[ms]に決定される。
S506でCPU105は電流検知回路125が出力する電流検知電圧Vsnsiをサンプル(計測)する。電流検知電圧Vsnsiは電流検知信号126の信号レベル(電圧である)。たとえば、CPU105はA/D変換回路を用いて電流検知電圧Vsnsiをアナログ値からデジタル値に変換して取り込む。
S507でCPU105は電流検知電圧Vsnsiが、メモリ106に記憶されている最大値Vmaxを超えているかどうかを判定する。最大値Vmaxの初期値は、たとえば、0である。電流検知電圧Vsnsiが最大値Vmaxを超えていなければ、CPU105は処理をS505に進める。電流検知電圧Vsnsiが最大値Vmaxを超えていれば、CPU105は処理をS508に進める。
S508でCPU105はメモリ106に保持されている最大値Vmaxを更新する。たとえば、CPU105は、電流検知電圧Vsnsiを新しい最大値Vmaxとしてメモリ106に書き込む。S509でCPU105はゼロクロス信号131のマスクを解除する。
S510でCPU105はメモリ106に保持されている最大値Vmaxが所定範囲内かどうかを判定する。所定範囲は理想値Videalに基づき予め決定されて、メモリ106に保持されている。最大値Vmaxが所定範囲内であれば、CPU105は処理をS511に進める。最大値Vmaxが所定範囲外であれば、CPU105は処理を図6に示されたS601に進める。
●●正しいゼロクロス信号が検知された場合
S511でCPU105はS501で検知されたゼロクロス信号は正しいゼロクロス信号であると判別する。たとえば、正しいゼロクロス信号が検知されたときに0とされ、誤ったゼロクロス信号が検知されたときに1とされるフラグをCPU105が操作してもよい。フラグはメモリ106に保持される。S512でCPU105はメモリ106に保持されている最大値Vmaxを初期化する。
S513でCPU105はゼロクロス信号131のレベルがLになったかどうかを判定する。ゼロクロス信号131のレベルがLになると、CPU105は処理をS514に進める。S514でCPU105は時間Tnの計時を終了する。この時点での時間TnはAC入力の一周期に相当する値になっている。
S515でCPU105は負荷を位相制御する際に使用されるマスク時間Tmaskを決定する。たとえば、マスク時間Tmaskは次式を用いて決定されてもよい。
Tmask = Tn - Ca ・・・(4)
ここで定数Caは予め定められたマージンであり、たとえば、500[us]である。このマージンはゼロクロスタイミングの誤差に相当する。usはマイクロ秒を示す。CPU105はメモリ106に、マスク時間Tmaskを書き込む。CPU105は、ヒーター102に電力を位相制御により供給する際に、メモリ106からマスク時間Tmaskを読み出して使用する。
●●誤ったゼロクロス信号が検知された場合
S601でCPU105はS501で検知されたゼロクロス信号は誤ったゼロクロス信号であると判別する。たとえば、メモリ106に保持されるフラグに1を設定する。
S602でCPU105は、変数mが規定回数以下であるかを判定する。変数mは、誤ったゼロクロス信号が検知された回数を示す変数である。変数mの初期値は0であり、メモリ106に記憶されている。規定回数は、たとえば、10回である。変数mが規定回数を超えている場合、CPU105は処理をS610に進める。S610でCPU105は交流電源150のエラーと判別し、負荷への電力供給を停止する。CPU105は表示装置107に交流電源150のエラーを示すメッセージを出力してもよい。変数mが規定回数以下であれば、CPU105は処理をS603に進める。
S603でCPU105は最大値Vmaxなどに基づき補正値Tcorrectを決定する。たとえば、CPU105はメモリ106に記憶されているテーブルを参照し、最大値Vmaxに対応する補正値Tcorrectを取得する。なお、50Hz用のテーブルと60Hz用のテーブルとがメモリ106に記憶されていてもよい。たとえば、変数mが偶数であるときに、CPU105は50Hz用のテーブルを選択する。変数mが奇数であるときに、CPU105は60Hz用のテーブルを選択する。
S604でCPU105は変数mに1を加算する。S605でCPU105は補正値Tcorrectに基づきマスク時間Tmaskを求める。CPU105は、補正値Tcorrectから500[us]を減算することでマスク時間Tmaskを求めてもよい。
S606でCPU105はマスク時間Tmaskにわたりゼロクロス信号131をマスクする。CPU105はマスク時間Tmaskが過ぎると、ゼロクロス信号131のマスクを解除する。S607でCPU105はメモリ106に記憶されている最大値Vmaxを初期化する。S608でCPU105は時間Tnの計時を終了する。CPU105は処理を再びS501に進める。
●所定範囲の決定方法と補正値Tcorrectの決定方法
図7は測定された最大値Vmaxに対応する各種のパラメータを示すテーブルである。最大値Vmaxに対応する補正値Tcorerctが予め格納されている。このテーブルはメモリ106に記憶されている。理想値Videalが2.5[V]である場合、誤差eとして±0.05Vを考慮して、所定範囲の下限値が2.31[V]に決定され、上限値が2.55[V]に決定される。つまり、i行目の上限値は理想値Videalに誤差eを加算することで決定されている。一行目の上限値である2.55[V]は、一行目の理想値である2.50[V]に誤差である0.05[V]を加算することで求められている。一行目の下限値である2.31[V]は、二行目の上限値である2.31[V]と一致している。また、補正値Tcorerctは、図3に示されたTonを考慮して決定されている。補正値Tcorrect、ON時間Tonおよび測定時間(例:13ms)との和は、交流の一周期または二周期に相当する。一周期または二周期から、時間Tonおよび測定時間(閾値Tth)を減算することで、補正値Tcorrectが算出される。たとえば、Videalが2.26[V]であり、周波数が50Hzである場合、図3からTonは2.05[ms]である。この場合、補正値Tcorerctは20[ms]-13[ms]-2.05[ms]=4.95[ms]である。Videalが0.64[V]であり、周波数が50Hzである場合、図3からTonは6.65[ms]である。この場合、補正値Tcorerctは40.0[ms]-13[ms]-6.65[ms]=20.35[ms]である。このような計算手法により図7のテーブルは作成される。なお、数値は一例に過ぎない。
CPU105は最大値Vmaxに対応する補正値Tcorerctをこのテーブルから取得してもよい。たとえば、最大値Vmaxが2.20[V]であり、交流周波数fが50Hzである場合、補正値Tcorerctは4.95[ms]に決定される。最大値Vmaxが2.20[V]であり、交流周波数fが60Hzである場合、補正値Tcorerctは1.99[ms]に決定される。
●ゼロクロス信号が正しい場合の具体例
図8はゼロクロス信号が正しい場合におけるコントローラ101の動作を示している。ここでは、Vinが200[V]であり、交流周波数fが50[Hz]であり、遅延時間Tidが2[ms]であると仮定されている。
時刻T1は、S501でゼロクロス信号131がLに変化したと判定されたタイミングである。S502で時間Tnの計時が開始され、S503でゼロクロス信号がマスクされる。S504で半導体SW110がONになる。電流検知信号126に基づく電流検知電圧Vsnsiは、時定数等に依拠した遅延時間Tidの影響を受ける。そのため、時刻T1から遅延時間Tid(この例では2[ms])が経過した時刻T2に、電流検知電圧Vsnsiが上昇し始める。S505ないしS508において電流検知電圧Vsnsiが測定され、最大値Vmaxが更新される。
時刻T3は時刻T1から10[ms]が経過した時刻である。10[ms]は50[Hz]の交流の半周期に相当する。時刻T3のゼロクロスタイミングで、CPU105は半導体SW110をOFFにするため、負荷には電流が流れなくなる。しかし、時刻T3では遅延時間Tidの影響で電流検知電圧Vsnsの最大値Vmaxは本来の最大値である理想値Videalに達していない。時刻T3から遅延時間Tidが経過したとき(時刻T4)に最大値Vmaxが理想値Videalに達する。
時刻T5は、時刻T1から閾値Tthである13[ms]が経過した時刻である。S509は時刻T5に実行される。つまり、ゼロクロス信号131のマスクが解除される。S510では、時刻T4に取得された最大値Vmaxが所定範囲である2.5±0.05[V]に入っていると判別される。この判別は(3)式を用いて実行される。
時刻T6ではてゼロクロス信号131のレベルが再びLになる。時刻T6はS513に相当する。S514で時間Tnの計時が終了する。図8が示すように、時間Tnは一周期に相当する。ノイズによる誤動作を避けるため、マスク時間Tmaskは時間Tnから定数Caである500[us]を減算することで決定される。ここで定数Caを減算する理由はゼロクロス信号の発生タイミングの誤差を考慮するためである。
時刻T7は時刻T6からマスク時間Tmaskが経過したタイミングである。なお、時刻T6から時刻T7までの期間においてノイズが発生し、誤ったゼロクロス信号が発生している。しかし、時刻T6から時刻T7までの期間においてゼロクロス信号がマスクされているため、CPU105はノイズの影響を受けない。CPU105は時刻T7にゼロクロス信号のマスクを解除する。これにより、CPU105はゼロクロス信号の立下りエッジを検知可能となる。
時刻T8でゼロクロス信号の立下りエッジが発生し、CPU105はゼロクロス信号の立下りエッジを基準として負荷に対する電力を位相制御する。
●ゼロクロス信号が誤っている場合の具体例
図9はゼロクロス信号が誤っている場合におけるコントローラ101の動作を示している。交流電源150から供給される交番電圧Vinは200[V]である。交流周波数fは60[Hz]である。遅延時間Tidは2[ms]である。
時刻T10でノイズに起因したゼロクロス信号131の立下りエッジが発生する。S501でゼロクロス信号131の立下りエッジが検知される。これに伴い、S502で時間Tnの計時が開始され、S503でゼロクロス信号131がマスクされる。S504で半導体SW110がONになる。
・時刻T11で次のゼロクロスが発生するため、半導体SW110がオフとなる。よって負荷に対して駆動電流が流れなくなる。時刻T12は時刻T10から遅延時間Tidが経過した時刻である。
・時刻T12から電流検知信号126に基づく電流検知電圧Vsnsiが上昇し始める。S505ないしS508により最大値Vmaxが更新され、メモリ106に保持される。
・時刻T13は時刻T11から遅延時間Tidが経過した時刻である。時刻T13で電流検知電圧Vsnsiが最大値Vmaxとなる。このときの最大値Vmaxがメモリ106に保持される。交流周波数fは60[Hz]であるため、時刻T11から8.7[ms]が経過した時刻T14に次のゼロクロスが発生する。
・時刻T15は時刻T10から閾値時間である13[ms]が経過した時刻である。S509でマスクが解除される。S510で最大値Vmaxが所定範囲(2.45[V]から2.55[V]まで)に入っているかが判定される。図9から明らかなように、ノイズに起因してゼロクロス信号131が生成されているため、最大値Vmaxは0.24[V]である。最大値Vmaxは所定範囲外と判定される。S601でゼロクロス信号131が誤っていると判別される。変数mはまだ初期値の0である。よって、S603で50Hzテーブルが参照され、最大値Vmaxに対応する補正値Tcorrectが取得される。図7に示されたテーブルによれば、最大値Vmaxである0.24[V]に対応する補正値Tcorrectは19[ms]である。S604で変数mに1が加算される。S605でマスク時間Tmask算出され、S606でマスク時間Tmaskにわたりゼロクロス信号131がマスクされる。マスク時間Tmaskは18.5[ms]である。よって、時刻T15にマスクが開始され、18.5[ms]が経過した時刻T16までゼロクロス信号131がマスクされる。S606で最大値Vmaxは初期化される。S607で時間Tnの計時が終了する。
時刻T17でノイズに起因してゼロクロス信号131の立下りエッジが発生する。再びS501で立下りエッジが検知され、S502で時間Tnの計時が開始される。S503でゼロクロス信号131がマスクされ、S504で半導体SW110がONになる。
・時刻T18で本来のゼロクロスが発生するため、半導体SW110がオフとなり、負荷に駆動電流が流れなくなる。時刻T19は時刻T17から遅延時間Tidが経過した時刻である。時刻T19に検知電圧Vsnsが上昇し始める。S505ないしS508で電流検知電圧Vsnsiの最大値Vmaxが随時更新される。
・時刻T20は時刻T18から遅延時間Tidが経過した時刻である。時刻T20に検知電圧Vsnsが最大値Vmaxとなる。メモリ106には最大値Vmaxが保持される。時刻T21は時刻T17から閾値時間(測定期間)が経過した時刻である。時刻T21にS509が実行され、ゼロクロス信号131のマスクが解除される。S510で最大値Vmaxが所定範囲外であることが判明する。これは時刻T17で検知されたゼロクロス信号131の立下りがノイズに起因したものだからである。この時に最大値Vmaxは0.39[V]であった。このため、S601でゼロクロス信号が誤っていると判別される。S603で、変数mが1であるため、60Hzテーブルが参照され、メモリ106に保持されている最大値Vmaxに対応する補正値Tcorrectが取得される。図7によれば、0.39[V]に対応する補正値Tcorrectは14.09[ms]である。S604でmに1が加算される。S605でマスク時間Tmaskが13.6[ms]に決定される。時刻T21にS606が実行され、ゼロクロス信号131がマスクされる。時刻T21から13.6[ms]が経過した時刻T22にマスクが解除される。時刻T23は時刻T22から500[us]が経過した時刻である。時刻T23に正しいゼロクロスが発生する。S501でこのゼロクロスが検知される。その後の処理は図8を用いて説明した通りである。つまり、CPU105は時刻T23に発生したゼロクロス信号の立下りエッジを基準として負荷に対する電力を位相制御する。
<実施例2>
実施例1では交流電源150から供給される交番電圧Vinの値は公称値Vin_i(例:200V)であることが前提とされている。しかし、交流電源150から供給される交番電圧Vinが公称値Vin_iと一致しない地域も存在する。交番電流Iinの理想値Iidealは交番電圧Vin×Sin(wt)を負荷の抵抗値Rで除算することで求めされる。したがって、交番電圧Vinが変動すると、理想値Iidealも変動する。電流検知電圧Vsnsiの理想値Videalは理想値Iidealと比例しているため、理想値Videalも変動してしまう。したがって、交番電圧Vinに応じて理想値Videal自体または理想値Videalから導出されるパラメータは補正される必要がある。実際の交番電圧VinはVin_rと表記される。
電圧検知回路127は、電流検知回路125における電流検知トランス140を電圧変換トランスに置換したものとなる。電圧検知回路127は、交番電圧Vin_rを示す電圧検知信号128をコントローラ101に出力する。電圧検知信号128の電圧は電圧検知電圧Vsnsvと表記される。CPU105は、数式またはテーブルを用いて電圧検知電圧Vsnsvから交番電圧Vin_rを求める。公称値Vin_iはメモリ106に記憶されている。
CPU105は、公称値Vin_iと、電圧検知回路127により測定された実際の交番電圧Vin_rとから補正係数Cvを演算する。
Cv=Vin_i/Vin_r ・・・(4)
CPU105はテーブルにおける理想値Videalに補正係数Cvを乗算することで、図7に示されてテーブルにおける理想値Videalを補正する。とりわけ、図7に示されてテーブルにおいては、補正された理想値Videalに基づき、所定範囲を定義する下限値minと上限値maxとが再計される。
なお、交番電圧Vin_rの検知、補正係数Cvの取得およびテーブルの補正は、S501の前に実行される。CPU105は補正されたテーブルを用いてS501以降の処理を実行する。
なお、交番電圧Vinが非常に不安定な地域では、交番電圧Vin_rの検知、補正係数Cvの取得およびテーブルの補正は、負荷への電力の供給が開始される際には毎回実行されてもよい。これにより、交番電圧Vinが非常に不安定な地域でも正確にゼロクロス信号が正しいかどうかが判別可能となる。
<実施例3>
図10は電源回路100を搭載した画像形成装置1000を示す。画像形成装置1000は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いてそれぞれトナー画像を形成する四つの像形成ステーションを有している。参照番号の末尾に付与されたY、M、C、Kの文字はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを意味している。この色を示す文字は、四つのステーションに共通する事項が説明される際には、省略される。感光体ドラム1は静電潜像やトナー画像を担持する像担持体(感光体)である。プロセスカートリッジ5は感光体ドラム1の表面を一様に帯電させる帯電器2と、トナーを静電潜像に付着させて現像してトナー画像を生成する現像器4とを有している。トナー補給装置16はトナー容器に保持されているトナーをプロセスカートリッジ5に補給する。露光装置3は、一様に帯電した感光体ドラム1の表面に光Eを照射して静電潜像を形成する。一次転写器6は、感光体ドラム1に担持されているトナー画像を中間転写体7に転写する。中間転写体7は無端状のベルトであり、駆動ローラ8によって駆動されて回転する。中間転写体7上にはそれぞれ異なる色のトナー画像が重畳的に転写され、カラー画像が形成される。中間転写体7はトナー画像を二次転写部に搬送する。
給紙カセット10はシートPを収容する収容庫である。ピックアップローラ11はシートPをピックアップして搬送路へ送り出す。搬送ローラ12はシートPを搬送路においてさらに下流側に搬送する。レジストローラ13は、トナー画像が二次転写部に到着するタイミングと、シートPが二次転写部に到着するタイミングとが一致するようにシートPを二次転写部に供給する。
二次転写部は、中間転写体7と二次転写ローラ9とによって構成されている。二次転写ローラ9は、中間転写体7とともにシートPを挟持しながら搬送することで、中間転写体7が担持しているトナー画像をシートPに転写する。定着装置14は、トナー画像とシートPとに熱と圧力を加え、トナー画像をシートP上に定着させる。定着装置14は、シートに担持されているトナー画像に熱源(例:ヒーター102)から熱を加えてトナー画像をシートに定着させる定着手段の一例である。排出ローラ15は、シートPを排出トレイ上に排出する。
図11はCPU105が制御プログラムを実行することで実現する機能を示している。これらの機能のすべてまたは一部はASICやFPGAなどのハードウエア回路によって実現されてもよい。ASICは特定用途集積回路の略称である。FPGAはフィールドプログラマブルゲートアレイの略称である。
ゼロクロス検知回路130は交流電源150から供給される交番電流のゼロクロスを検知する検知手段の一例である。SW制御部1107はゼロクロスが検知されたタイミングに基づき負荷(例:ヒーター102)に対する交番電流の供給を制御する制御手段の一例である。電流検知回路125はゼロクロス検知回路130により第一ゼロクロスが検知された第一タイミングを起点とした所定の測定期間(例:閾値Tth)において負荷に供給される交番電流の合計値を取得する取得手段の一例である。判別部1113は交番電流の合計値が所定範囲内にあるかどうかに基づき、第一ゼロクロスが正しいゼロクロスかどうかを判別する判別手段の一例である。このように、本発明によれば、検知されたゼロクロスが正しいかどうかを判別する技術が提供される。
図4(A)が示すように、電流検知回路125は、負荷に供給される交番電流を積分することで合計値を取得する積分手段を有していてもよい。電流検知トランス140は交流電源150から一次側に供給される電流を変換して二次側に出力するトランスの一例である。整流ダイオード141~144はトランスの二次側に接続され、二次側に出力された電流を整流する整流回路の一例である。抵抗145とコンデンサ146とはRC回路である。このRC回路は、整流回路から出力される電流を積分することで負荷に供給される交番電流の積分値を示す電流検知信号を生成し、判別手段に供給する積分回路の一例である。電流検知信号126により電流検知電圧Vsnsiが判別部1113に供給される。上述したように、測定期間においてサンプル部1111は電流検知電圧Vsnsiをサンプルし、更新部1112が電流検知電圧Vsnsiとメモリ106に保持されている最大値Vmaxとを比較することで、最大値Vmaxを更新してもよい。判別部1113は、電流検知電圧Vsnsiに基づき決定され、メモリ106に保持されている最大値Vmaxを用いて正しいゼロクロスを判別してもよい。
交番電流の測定期間である時間Tnは、半導体SW110の動作時間と、電流検知回路125における遅延時間Tidと、予め定められたマージンとの和であってもよい。電流検知電圧Vsnsiは、測定期間における交流電流の合計値に比例している。このように、電流検知回路125は、合計値を示す電流検知電圧Vsnsiを判別部1113に供給することで合計値を通知する。範囲設定部1103は、交流電源の公称交番電圧が入力されているときに求められる電流検知電圧(例:Videal)と予め想定された誤差(例:e)とから所定範囲を決定してもよい。
マスク部1104は、マスク決定部1105により予め定められたマスク時間(例:Tn-500[us]やTmaskなど)にわたり電流検知回路125によるゼロクロスの検知結果をマスクしてもよい。エッジ検知部1106はゼロクロス信号131の立下りエッジを検知する。ゼロクロス信号131の立下りエッジはゼロクロスが発生したタイミングを示している。SW制御部1107はゼロクロスが発生したタイミングを基準として負荷に対する交流電流の供給量を制御する。SW制御部1107は、マスク時間が経過した後に検知手段により検知された第二ゼロクロスに対応する第二タイミング(例:時刻T8、T23)を基準として負荷に対する交番電流の供給を制御してもよい。
制御手段は、交流電源150と負荷であるヒーター102との間に接続されたスイッチ(例:半導体SW110)と、当該スイッチに制御信号を供給するコントローラ101)とを有していてもよい。初期のマスク時間は、測定された交番電流の一周期(例:Tn)からゼロクロスタイミングの誤差時間(例:500[us])を減算することで求められる時間である。タイマー1108は時間Tnなどを計時するために使用されうる。つまり、正しいゼロクロス信号の立下りから次のゼロクロス信号の立下りまでの時間は一周期に相当するため、タイマー1108により計測可能である。
補正値決定部1121は、第一ゼロクロスが正しいゼロクロスではないと判別されると、交番電流の合計値に基づきマスク時間を補正する補正手段の一例である。補正値決定部1121は、メモリ106に保持されているテーブル1122を参照し、最大値Vmaxに対応する補正値Tcorrectを決定し、マスク決定部1105に出力してもよい。テーブル1122は、図3に示されたテーブルや図7に示されたテーブルであってもよい。マスク決定部1105は、補正値Tcorrectに基づきマスク時間Tmaskを決定し、マスク部1104に設定する。マスク部1104は、タイマー1108を用いてマスク時間Tmaskを監視し、マスク時間Tmaskにわたりゼロクロス信号131をマスクする。
カウンタ1123は、変数mをカウントする計数手段である。回数判定部1124は、変数mが規定回数thm以下であるかどうかを判定する判定手段の一例である。変数mが規定回数thmを超えると、エラー通知部1125は表示装置107にエラーメッセージを出力してもよい。これによりユーザーは交流電源150にエラーがあることを認識できるであろう。
補正値決定部1121は、変数mに基づきテーブル1122を選択し、テーブル1122を参照して最大値Vmaxに対応する補正値Tcorrectを決定してもよい。たとえば、変数mが偶数であれば50Hzテーブルが選択され、変数mが奇数であれば60Hzテーブルが選択されてもよい。
実施例2で説明されたように、電圧検知回路127は交流電源150から供給される交番電圧を検出する検出手段の一例である。テーブル補正部1130は、検出手段により検出された交番電圧に基づき所定範囲を修正する修正手段の一例である。テーブル補正部1130は検出された交番電圧に基づき、理想値Videalを補正する。さらに、テーブル補正部1130は、補正された理想値Videalを用いて所定範囲の下限値minと上限値maxとを補正してもよい。このように、交番電圧に基づき所定範囲を修正することで、交番電圧が公称値と異なる地域においても正確にゼロクロスを判別可能となる。ゼロクロスの判別が正確になるため、負荷に対する電力供給制御も正確となる。たとえば、電力供給過多によるヒーター102の過昇温は発生しにくくなる。また、ヒーター102への電力供給不足が発生すると、目標温度への到達時間が長くなる。本実施例を適用することで、ヒーター102への電力供給不足が発生しにくくなるため、より迅速に定着装置14が使用可能となる。
CPU105は、第一ゼロクロスが正しいゼロクロスである場合、第一ゼロクロスを基準として負荷に対する交番電流の供給を制御する。一方、CPU105は、第一ゼロクロスが正しいゼロクロスでない場合、第一ゼロクロスを基準として負荷に対する交番電流の供給を制御しない。さらに、CPU105は、第一ゼロクロスが正しいゼロクロスでない場合、さらに第一ゼロクロスよりも後に発生する正しいゼロクロスを判別部1113に探索させてもよい。これにより、より正確なゼロクロスが見つかるであろう。
温度センサ103は熱源の温度を測定する測定手段の一例である。SW制御部1107は、熱源の温度が目標温度となるように熱源に対する交番電流の供給を制御する。
判別部1113は、画像形成装置1000が起動したとき、または、画像形成の実行を待ち受けるスタンバイモードにおいて画像形成を指示されたときに、第一ゼロクロスが正しいゼロクロスかどうかを判別してもよい。これにより、より正確なゼロクロスが判別されるため、ヒーター102の温度をより正確に制御することが可能となる。
130...ゼロクロス検知回路、101...コントローラ、125...電流検知回路、105...CPU

Claims (13)

  1. 交流電源から供給される交番電流のゼロクロスを検知する検知手段と、
    前記ゼロクロスが検知されたタイミングに基づき負荷に対する交番電流の供給を制御する制御手段と、
    前記検知手段により第一ゼロクロスが検知された第一タイミングから所定の測定期間において前記負荷に供給される交番電流の合計値に応じた値である第一の値を取得する取得手段と、を有し
    前記制御手段は、前記第一の値が所定範囲外であるかどうかに基づき、前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスかどうかを判別し、
    前記制御手段は、前記検知手段による前記ゼロクロスの検知に応じて前記負荷に対する前記交番電流の供給を開始する制御を、予め定められたマスク時間にわたり行わないマスク手段をさらに有し、前記取得手段により取得された前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスであると判定した場合、前記第一の値に基づいて前記マスク時間を補正することを特徴とするゼロクロス判別装置。
  2. 前記取得手段は、前記負荷に供給される交番電流を積分することで前記第一の値を取得する積分手段を有することを特徴とする請求項1に記載のゼロクロス判別装置。
  3. 前記積分手段は、
    前記交流電源から一次側に供給される電流を変換して二次側に出力するトランスと、
    前記トランスの二次側に接続され、前記二次側に出力された電流を整流する整流回路と、
    前記整流回路から出力される電流を積分することで前記負荷に供給される交番電流の積分値である前記第一の値を示す電流検知信号を生成し、前記制御手段に供給する積分回路と、を有することを特徴とする請求項2に記載のゼロクロス判別装置。
  4. 前記積分回路は抵抗とコンデンサとを有するRC回路を含むことを特徴とする請求項3に記載のゼロクロス判別装置。
  5. 前記マスク時間は、前記交番電流の一周期から前記ゼロクロスについて誤差時間を減算することで求められる時間であることを特徴とする請求項に記載のゼロクロス判別装置。
  6. 前記交流電源と前記負荷との間に接続されたスイッチをさらに有し、
    前記測定期間は、前記スイッチの動作時間と、前記取得手段における遅延時間と、予め定められたマージンとの和であることを特徴とする請求項に記載のゼロクロス判別装置。
  7. 前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスであると判定した場合、前記マスク時間が経過した後に前記検知手段により検知された第二ゼロクロスに対応する第二タイミングを基準として前記負荷に対する交番電流の供給を制御することを特徴とする請求項5または6に記載のゼロクロス判別装置。
  8. 交流電源から供給される交番電流のゼロクロスを検知する検知手段と、
    前記ゼロクロスが検知されたタイミングに基づき負荷に対する交番電流の供給を制御する制御手段と、
    前記検知手段により第一ゼロクロスが検知された第一タイミングから所定の測定期間において前記負荷に供給される交番電流の合計値に応じた値である第一の値を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得される前記第一の値の最大値を更新しながら記憶する記憶手段と、を有し
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記第一の値が所定範囲外であるかどうかに基づいて前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスかどうかを判別し、
    前記所定範囲は、前記交流電源の公称交番電圧が入力されているときに求められる前記第一の値と予め想定された誤差とから決定された範囲であることを特徴とするゼロクロス判別装置。
  9. 交流電源から供給される交番電流のゼロクロスを検知する検知手段と、
    前記ゼロクロスが検知されたタイミングに基づき負荷に対する交番電流の供給を制御する制御手段と、
    前記検知手段により第一ゼロクロスが検知された第一タイミングから所定の測定期間において前記負荷に供給される交番電流の合計値に応じた値である第一の値を取得する取得手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記第一の値が所定範囲外であるかどうかに基づき、前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスかどうかを判別し、誤ったゼロクロスの回数が所定回数を超えるとエラーメッセージを出力することを特徴とするゼロクロス判別装置。
  10. 交流電源から供給される交番電流のゼロクロスを検知する検知手段と、
    前記ゼロクロスが検知されたタイミングに基づき負荷に対する交番電流の供給を制御する制御手段と、
    前記検知手段により第一ゼロクロスが検知された第一タイミングから所定の測定期間において前記負荷に供給される交番電流の合計値に応じた値である第一の値を取得する取得手段と、
    前記交流電源から供給される交番電圧の大きさを検出する電圧検出手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記取得手段により取得された前記第一の値が所定範囲外であるかどうかに基づいて前記第一ゼロクロスが誤ったゼロクロスかどうかを判別し、
    前記所定範囲は前記電圧検出手段により検出された前記交番電圧の大きさに基づき決定されることを特徴とするゼロクロス判別装置。
  11. 前記負荷は、前記交流電源から供給される前記交番電流により発熱することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のゼロクロス判別装置。
  12. シートにトナー画像を形成する画像形成手段と、
    前記シートに前記トナー画像を熱により定着するする定着手段と、
    請求項1ないし11のいずれか一項に記載のゼロクロス判別装置と、
    を備え、前記定着手段は前記ゼロクロス判別装置の前記負荷として動作することを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記定着手段の温度を測定する測定手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記定着手段の温度が目標温度となるように前記定着手段に対する前記交番電流の供給を制御することを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
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