JP6544940B2 - 交流の実効値を検知する検知装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

交流の実効値を検知する検知装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、交流の実効値を検知する検知装置、定着装置および画像形成装置に関する。
定着装置は未定着のトナー画像にヒーターから熱を加えて記録媒体に定着させる。ヒーターの温度はサーミスタにより検知され、記録媒体の厚み等に適した温度となるようにヒーターに通電される電力や電流が調節される。精度よく温度を調節するためには、精度よく電流が検知されなければならない。特許文献1によれば、商用交流電源から供給される交流電圧の周期または半周期毎に、定着装置に供給される交流電流の実効値を検知して、定着装置への供給電力を最大供給可能値以下に制限する技術が提案されている。
特開2007−212503号公報
しかし、特許文献1の発明についてさらに改良することが要求されている。たとえば、商用交流電源から定着装置に供給される交流電流の実効値の検知精度を向上できれば、さらに精度よくヒーターの温度を調節できるようになろう。ところで、交流電圧の周期を精度よく検知するためには、交流電圧のゼロクロスポイントを示す信号(以下、ゼロクロス信号と記す)のノイズ耐性が向上される必要がある。ノイズ耐性を向上させるためにはノイズフィルタを設ければよいが、ノイズフィルタを通過することで交流電圧の検知周期を示すゼロクロス信号が遅延してしまう。とりわけ、ゼロクロス信号を基準として交流電流の実効値を演算する場合、ゼロクロス信号のタイミング精度が交流電流の実効値の検知精度を左右する。そこで、本発明は、ゼロクロス信号の検知精度を向上させることで交流電流の実効値の検知精度を向上させることを目的とする。
本発明は、たとえば、
交流電源から供給された交流電流の実効値を検知する検知装置であって、
前記交流電源から供給された交流電圧のゼロクロスポイントを検知し、当該ゼロクロスポイントを示す第1ゼロクロス信号を出力する検知手段と、
前記検知手段で検知された前記第1ゼロクロス信号に重畳されるノイズをフィルタリングして得られた第2ゼロクロス信号を出力するフィルタ手段と、
前記第1ゼロクロス信号が前記フィルタ手段を通過してフィルタリングされることで生じる、前記第1ゼロクロス信号のタイミングに対して生じる前記第2ゼロクロス信号の遅延時間に基づき当該第2ゼロクロス信号のタイミングを補正して、前記フィルタ手段を通過する前の前記第1ゼロクロス信号のタイミングを復元する復元手段と、
前記復元手段により復元された前記第1ゼロクロス信号のタイミングを基準として前記交流電源から供給される交流電流の実効値を取得する取得手段と
を有することを特徴とする検知装置を提供する。
本発明によれば、安価な構成により、商用交流電源から定着装置に供給される電流実効値を高精度に検知するとともに、ゼロクロス信号に重畳するノイズ耐量も向上させることができる。
画像形成装置の構成を示す図。 検知装置の構成概念を示す図。 ゼロクロス検知部の構成を示す図。 ゼロクロス検知部の動作を示す図。 ゼロクロスフィルタ部の構成を示す図。 ゼロクロスフィルタ部の動作を示す図。 復元部の構成を示す図。 復元部の動作を示す図。 一次検知部の構成を示す図。 一次検知部の動作を示す図。 実効値取得部の構成を示す図。 実効値取得部の動作を示す図。 電力制御部の構成を示す図。 実効値評価部の構成を示す図。 定着装置の位相制御の動作を示す図。 ゼロクロス異常時の動作を示す図。 検知装置の構成概念を示す図。
[実施例1]
<画像形成装置>
図1は実施例の基本的な特徴を具現化した画像形成装置100を示す図である。帯電ローラ102は感光ドラム101の表面を一様に帯電させる帯電装置である。露光装置103は画像データに応じて感光ドラム101の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する光走査装置である。現像装置104はトナー(現像剤)により静電潜像を可視化して感光ドラム101上にトナー画像を形成する。給紙ローラ107は給紙カセット105に収容されている記録紙106を搬送路へ送り出し、転写ローラ108により構成される転写装置へ搬送する。転写ローラ108は感光ドラム101上のトナー画像を記録紙106上に転写する転写装置である。定着装置2は熱と圧力をトナー画像と記録紙106に加えることにより記録紙106上にトナー画像を定着させる。トナー画像が定着された記録紙106は搬送されて排出トレイ111に排出される。画像形成装置100は外部電源である商用交流電源1に接続されている。CPU109は画像形成装置100の全体を統括的に制御する。また、検知装置110は商用交流電源1から供給され、定着装置2に流れる交流電流の実効値を検知する機能を有する。
<検知装置>
図2を用いて商用交流電源1から定着装置2に供給される交流電流を検知する検知装置110の構成例について説明する。定着装置2は電子写真プロセスの定着工程を担当している。定着装置2のヒーターの定着温度は記録紙106の紙種(サイズ、厚み、坪量、コートの有無、紙系素材化や樹脂系素材化など)に応じて調節される。たとえば、A4サイズの記録紙106については定着装置2が備える複数のヒーターのうち一部のヒーターに電力が供給され、A3サイズの記録紙106についてはすべてのヒーターに電力が供給される。また、定着装置2に供給される電力は目標定着温度とサーミスタにより検知されたヒーターの温度との差分に応じて制御される。この制御としては、たとえば、商用交流電源1から供給される交流のゼロクロスポイントに基づく位相制御や波数制御などが採用される。検知装置110の電力制御部6は、スイッチング部であるトライアック9をオン/オフすることにより、ヒーターに供給される電力を制御する。なお、電力制御部6の一部の機能はCPU109により実現されてもよい。なお、電力制御部6は検知装置110の外部に設けられていてもよい。また、定着装置2だけでなく、検知装置110を含めて定着装置や定着システムとよばれてもよい。
一次検知部4は商用交流電源1から供給される交流電流を検知し、検知した値を電流情報DATAとして実効値取得部5に出力する。商用交流電源1から供給される交流電流は一次交流電流と呼ばれてもよい。実効値取得部5は電流情報DATAに基づき実効値RMSを取得し、電力制御部6に出力する。実効値取得部5は、たとえば、商用交流電源1の交流電圧の半周期毎に実効値を取得するように構成されていてもよい。電力制御部6は、実効値RMSに基づいて定着装置2へ供給可能な最大電力を制限しうる。たとえば、電力制御部6は、実効値RMSに応じて、定着装置2に供給される交流電流の位相制御における最大位相角、または、波数制御における最大波数等を決定する。
上記の制御に加えて、特徴的な制御方法としては、復元部8から出力されるタイミング信号ZEROX_EDGEに応じて実効値取得部5が演算タイミングを制御することにある。次に、タイミング信号ZEROX_EDGEの生成過程について説明する。ゼロクロス検知部3は商用交流電源1から供給された交流電圧のゼロクロスポイントを検知し、ゼロクロスポイントを示すゼロクロス信号ZEROXをゼロクロスフィルタ7に出力する。ゼロクロスフィルタ7は、ノイズ低減手段であり、ゼロクロス信号ZEROXに含まれているノイズをフィルタリングして、フィルタ出力信号F_ZEROXを生成して復元部8に出力する。フィルタ出力信号は、フィルタ処理されたゼロクロス信号であり、フィルタ後ゼロクロス信号と呼ばれてもよい。復元部8は、フィルタ出力信号F_ZEROXを基に、フィルタ前のゼロクロス信号における立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとを復元し、復元したタイミングを示すタイミング信号ZEROX_EDGEを生成する。
<ゼロクロス検知部>
図3において、ゼロクロス検知部3は、抵抗10、11、12、13、14、15、コンデンサ16、ダイオード17、トランジスタ18、及び、フォトカプラ19を有している。商用交流電源1の両端Live、Neutralに接続されている。図3では、商用交流電源1のLive端子にダイオード17のアノード端子が接続されている。商用交流電源1のNeutral端子にはコンデンサ16の一端、抵抗12の一端、及び、トランジスタ18のエミッタ端子が接続されている。ダイオード17のカソード端子は抵抗10の一端に接続されている。抵抗10の他端は、コンデンサ16の他端と、抵抗11の一端に接続されている。抵抗11の他端と抵抗12の他端はともにトランジスタ18のベース端子に接続されている。LiveとNeutralは逆であってもよい。
商用交流電源1のLive端子またはNeutral端子から供給された交流電圧は、ダイオード17によって、半波整流される。また、電流制限用の抵抗10、11、12によって定められる電流が、トランジスタ18のベース端子に供給される。ここで、コンデンサ16は、外部からのノイズ除去のために挿入されている。
一次側と二次側との間を絶縁するためにフォトカプラ19が用いられている。また、不図示の一次側回路から生成される直流電源電圧Vddが、電流制限用の抵抗13を介して、フォトカプラ19の発光ダイオードに供給されている。さらに、不図示の二次側回路から生成される直流電源電圧Vccが電流制限用の抵抗14を介して、フォトカプラ19の受光トランジスタのコレクタ端子に供給されている。フォトカプラ19の出力は、抵抗15を介し、ゼロクロス信号ZEROXとしてゼロクロスフィルタ7に出力される。
図4はゼロクロス検知部3の動作を示す図である。Live点の電圧がトランジスタ18の閾値電圧よりも高くなると、トランジスタ18及びフォトカプラ19がオンし、ゼロクロス信号が“L(ロー)”レベルとなる。一方、Live点の電圧がトランジスタ18の閾値電圧よりも低くなると、ゼロクロス信号が“H(ハイ)”レベルとなる。従って、ゼロクロス信号ZEROXは“H”/“L”を繰り返すパルス信号となる。
<ゼロクロスフィルタ>
図5を用いてゼロクロスフィルタ7の構成について説明する。論理判定部20はゼロクロス信号ZEROXの論理(HorL)とフィルタ出力信号F_ZEROXの論理が異なっているか否かを判定する。両者が異なっていれば判定結果としてH(ハイ)が出力される。両者が一致していれば判定結果としてL(ロー)が出力される。フィルタカウンタ21は、時間カウンタであり、論理判定部20からHが出力されると、フィルタ時間fltのカウントを開始する。フィルタ時間fltは、ゼロクロスフィルタ7においてフィルタリングが完了するために必要となる処理時間であるため、完了時間と呼ばれてもよい。フィルタカウンタ21は、入力信号のレベルがLに変化するか、または、カウント値がフィルタ時間に達するまでカウントを継続する。カウント値flt_cは完了判定部22に出力される。完了判定部22は、カウント値flt_cとフィルタ時間fltとを比較し、ゼロクロスフィルタ7によるフィルタリングが完了したかどうかを判定する。時間設定部23はフィルタ時間を完了判定部22に設定する。
図6はゼロクロスフィルタ7の動作を示す図である。論理判定部20でゼロクロス信号ZEROXの論理とフィルタ出力信号F_ZEROXとの論理が判定される。両者の論理が異なっていれば、フィルタカウンタ21がカウントアップを開始する。これにより、ゼロクロスフィルタ7のフィルタ動作が開始される。完了判定部22では、フィルタカウンタ21のカウント値flt_cが時間設定部23で設定されたフィルタ時間fltに到達すると、フル信号を立てる。フル信号は完了判定部22の内部で生成されて利用される信号である。完了判定部22はフル信号が立つと、フィルタ動作が完了したと判定する。また、完了判定部22はフル信号が立つと、フィルタカウンタ21のカウント値flt_cをゼロにリセットする。完了判定部22は、フィルタ動作が完了した時点からゼロクロス信号ZEROXをフィルタ出力信号F_ZEROXとして取り込んで、出力する。
一方、図6が示すように、ゼロクロス信号ZEROXにノイズが重畳されると、ゼロクロス信号ZEROXの論理とフィルタ出力信号F_ZEROXの論理が異なる。よって、ノイズが発生している間はフィルタカウンタ21がカウントアップを継続することになる。フィルタカウンタ21のカウント値がフィルタ時間fltまで到達する前にノイズが消失すると、ゼロクロス信号ZEROXの論理とフィルタ出力信号F_ZEROXの論理が同じになる。よって、論理判定部20がフィルタカウンタ21のカウント値を初期値にリセット(クリア)する。これより、フィルタ出力信号F_ZEROXにはノイズが影響しない。つまり、ゼロクロスフィルタ7におけるノイズ除去性能は、設定されるフィルタ時間fltにより決定される。
<ゼロクロス復元部>
図7を用いて復元部8の構成について説明する。エッジ生成部24は、入力されたフィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりエッジを検知し、エッジの位置を示すエッジ信号flt_edgeを生成する。エッジ信号flt_edgeは周期カウンタ25と周期格納部26に入力される。周期格納部26はRAMなどの記憶装置を有している。周期カウンタ25はゼロクロス周期を計測するカウンタである。周期カウンタ25のカウント値ZEROX_Cは周期格納部26に入力される。周期格納部26は周期カウンタ25により直近に計測された、つまり、最新のゼロクロス周期ZEROX_PRDを格納する。エッジ復元部27は、フィルタ処理される前のゼロクロス信号ZEROXの立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとを復元し、これらのタイミングを示すタイミング信号ZEROX_EDGEを生成する。復元部8には時間設定部23に設定されたフィルタ時間fltが入力されている。
図8は復元部8の動作を示す図である。エッジ生成部24は、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりエッジを検知してエッジ信号flt_edgeを生成する。周期カウンタ25は、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりエッジが発生したタイミング毎に、それまでのカウント値ZEROX_Cを周期格納部26に格納する。つまり、エッジ信号flt_edgeが入力されると、周期カウンタ25は、最新のカウント値ZEROX_Cによって周期格納部26に保持されているゼロクロス周期ZEROX_PRDを更新する。あるいは、エッジ信号flt_edgeが入力されると、周期格納部26は、周期カウンタ25から最新のカウント値ZEROX_Cを読み出して、周期格納部26が備える内部のメモリにゼロクロス周期ZEROX_PRDとして記憶させる。これと並行して、周期カウンタ25はカウント値ZEROX_Cを初期値にリセットする。ゼロクロス周期ZEROX_PRDは、図8が示すように、前回のゼロクロス周期Aiと呼ばれてもよい(iは自然数)。たとえば、i番目のエッジをトリガーとして周期カウンタ25がカウントアップを開始してから、i+1番目のエッジが発生したタイミングまでのカウント値を前回のゼロクロス周期Aiとして周期格納部26に格納する。このようにしてフィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりエッジが検知されるたびにゼロクロス周期が検知されて保持される。
ところで、ゼロクロス検知部3のフォトカプラ19では、一般的に発光ダイオードが発光を開始して受光トランジスタがオンするまでの応答時間の方が、発光ダイオードが発光を停止して受光トランジスタがオフするまでの応答時間よりも短い。そのため、フォトカプラ19がオンしてゼロクロス信号ZEROXが“H”から“L”に遷移する応答時間の方が、フォトカプラ19がオフしてゼロクロス信号ZEROXが“L”から“H”に遷移する応答時間よりも短い。従って、ゼロクロス周期ZEROX_PRDを計測するにあたっては、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりを計測開始のトリガーとすることで、ゼロクロス周期ZEROX_PRDの検知精度が向上する。つまり、エッジ生成部24は、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりを検知すると、エッジ信号flt_edgeを生成して周期カウンタ25に出力する。なお、ゼロクロス周期ZEROX_PRDの要求精度に余裕がある場合は、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち上がりが計測開始のトリガーとして採用されてもよい。
また、ところで、周期カウンタ25により計測された周期が予め想定された範囲から逸脱していることがあるかもしれない。このような周期は演算結果を誤らせる要因になる。そこで、周期格納部26は、周期カウンタ25により計測された周期が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断部を有していてもよい。さらに、周期格納部26は、周期カウンタ25により計測された周期が所定の範囲内であればメモリに記憶されている周期を更新する更新部を有していてもよしてもよい。また、周期格納部26は、周期カウンタ25により計測された周期が所定の範囲内でなければメモリに記憶されている周期を更新しない更新部を有していてもよい。
ところで、図8に示す通り、フィルタ出力信号F_ZEROXは、ゼロクロス信号ZEROXに対して、フィルタ時間fltだけ遅延した信号になっている。実効値取得部5の演算開始トリガーとして、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを出力すると、実効値の精度が低下してしまう。なぜなら、オリジナルのゼロクロス信号ZEROXのエッジが生じるタイミングに対してフィルタ出力信号F_ZEROXのエッジが生じるタイミングが遅延しているからである。そこで、本実施例では、ゼロクロス信号ZEROXの周期性と、フィルタ通過に要した遅延時間であるフィルタ時間fltに着目し、ゼロクロス信号ZEROXの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのタイミングを復元する。
以下ではフィルタ出力信号F_ZEROXの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジにおけるタイミングを復元する方法の一例について説明する。エッジ復元部27は、フィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりエッジが検知されたタイミングで取得されたゼロクロス周期Aiを1/2倍して半周期(Ai/2)を決定する。さらに、エッジ復元部27は、半周期からフィルタ時間fltを減算して得られる値(Ai/2−flt)を閾値(立ち上がり閾値)として記憶装置(例:周期格納部26)に保持する。また、エッジ復元部27は、ゼロクロス周期Aiからフィルタ時間fltを減算して得られる値(Ai−flt)を閾値(立ち下がり閾値)として記憶装置に保持している。エッジ復元部27は、周期カウンタ25のカウント値が立ち上がり閾値に到達したタイミングに、エッジ復元部27はフィルタ出力信号F_ZEROXの立ち上がりエッジを示すタイミング信号ZEROX_EDGEを生成して出力する。同様に、周期カウンタ25のカウント値が立ち下がり閾値に到達したタイミングに、エッジ復元部27はフィルタ出力信号F_ZEROXの立ち下がりエッジを示すタイミング信号ZEROX_EDGEを生成して出力する。
図8に示した周期A1に着目して、タイミング信号ZEROX_EDGEのエッジの位置をフィルタ時間fltに応じて補正する方法をより具体的に説明する。たとえば、ゼロクロス信号ZEROXにおける1番目の立ち下りエッジのタイミングで、1番目の立ち下りエッジから2番目の立ち下りエッジまでの周期A1が計測される(iは自然数)。2番目のタイミングからA1 / 2 − fltだけ経過したタイミングは、ゼロクロス信号ZEROXにおける立ち上がりエッジタイミングとして採用される。同様に、2番目のタイミングからA1 − fltだけ経過したタイミングは、ゼロクロス信号ZEROXにおける立ち下がりエッジタイミングとして採用される。これにより、ゼロクロス信号ZEROXの立ち上がりエッジのタイミングと立ち下がりエッジのタイミングとが復元されることになる。ただし、ゼロクロス信号ZEROXから見ると、エッジ信号flt_edgeのエッジは一周期だけ遅れたタイミングを基準として復元されているが、ゼロクロス信号ZEROXの周期性を考慮すれば、これは問題がないだろう。
このように、エッジ復元部27は、順次、前回のゼロクロス周期Aiを基準にして遅延時間(フィルタ時間flt)を補正し、タイミング信号ZEROX_EDGEを生成し、実効値取得部5に出力する。エッジ信号ZEROX_EDGEは実効値取得部5においてタイミング信号として使用される。
なお、上記の説明では、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとの両方を復元するものとして説明した。しかし、必ずしも両方のエッジを復元することは必須ではない。なぜなら、少なくとも立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれかが復元されていれば、ゼロクロスポイントの対称性を根拠として、一方のエッジから他方のエッジを復元できるからである。よって、エッジ信号ZEROX_EDGEは実効値取得部5におけるタイミング信号としての機能を満足できる。
<一次検知部>
図9を用いて一次検知部4の構成について説明する。一次検知部4は、負荷である定着装置2に流れる一次側の交流電流を示す一次情報を二次側に伝達する回路である。図9によれば、カレントトランス28はライブラインに設けられており、商用交流電源1から供給された交流電流を検知する。抵抗29はカレントトランス28の2次側に出力された交流電流を電圧情報に変換する変換回路である。ADコンバータ31はアナログの電圧情報をデジタルデータに変換する変換回路である。絶対値演算部32は2つの入力値の絶対値を演算する回路である。
定着装置2に流れる一次交流電流は、カレントトランス28を介して巻線数比に比例した二次電流に変換されて二次側に出力される。カレントトランス28の二次側端子のうち一方の端子はADコンバータ31の第一入力端子に接続されている。カレントトランス28の二次側端子のうち他方の端子は、ADコンバータ31の基準電圧REFを生成する基準電圧源30とADコンバータ31の第二入力端子に接続されている。ADコンバータ31の第一入力端子と第二入力端子との間には抵抗29が接続されている。よって、ADコンバータ31は一次側の交流電流に比例した電圧Ifsrと基準電圧REFをデジタルデータに変換して絶対値演算部32に出力する。
図10は一次検知部4の動作を示す図である。定着装置2が公知の位相制御により制御された場合に流れる交流電流に比例した電圧Ifsrの波形は、基準電圧REFでバイアスされた波形となる。電圧Ifsrと基準電圧REFが絶対値演算部32により絶対値Iabsに変換されて、実効値取得部5に出力される。ここで、一次検知部4の出力であるDATA信号は絶対値Iabsを伝達する信号である。
<実効値取得部>
図11を用いて実効値取得部5について説明する。実効値取得部5は、乗算器33、積分器34及び除算器35を備えたロジック回路である。乗算器33は、一次検知部4の出力である絶対値Iabsを自乗して、積分器34に出力する。つまり、乗算器33は自乗回路を形成している。積分器34は、復元部8の出力であるエッジ信号ZEROX_EDGEの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジをトリガーにしてN番目の積分演算を開始する。
図12を用いて実効値取得部5における積分演算について説明する。図12は、上から順番に、絶対値Iabs、ゼロクロス信号ZEROX、エッジ信号ZEROX_EDGEを示している。積分器34は、所定のサンプリングレートで乗算器33の出力値を取り込み、それを累積して行き、累積値を保持することによって積分演算を実行する。そして、積分器34は、次のエッジ信号ZEROX_EDGEが発生すると、現在の積分演算であるN番目の積分演算を終了する。つまり、積分器34はT0の期間にわたって実行した積分演算を終了する。それに続いて、積分器34は、次の積分演算であるN+1番目の積分演算を開始する。そして、除算器35は、N番目の積分演算結果に対して、N番目のエッジ信号ZEROX_EDGEからN+1番目のエッジ信号ZEROX_EDGEまでの期間T0で除算を行って実効値RMSを算出して電力制御部6に出力する。実効値取得部5には期間T0を計測するカウンタなどの計時手段やこれを記憶するメモリなどの記憶手段が設けられていてもよい。なお、実効値取得部5は期間T0が所定範囲内になければ、これを廃棄し、記憶装置に記憶されている期間T−1を除算器35に設定してもよい。実効値取得部5は期間T0が所定範囲内であれば、これを記憶装置に格納して、期間を更新してもよい。これにより期間T0が乱れたときには、その影響が実効値の演算に影響しないようにすることができる。
上述したように、一次検知部4は、定着装置2に供給される交流電流に比例した電圧Ifsrを絶対値に変換している。そのため、定着装置2に流れる一次交流電流が正の場合と負の場合とのそれぞれについて、実効値取得部5が演算を実行できる。また、積分演算の期間は商用交流電源1が供給する交流電圧の周期かまたは半周期のどちらであっても良く、要求される演算精度に応じて適宜選択されうる。
<電力制御部>
図13を用いて電力制御部6の構成について説明する。電力制御部6は、実効値取得部5から出力された実効値RMSを評価する実効値評価部36と定着装置2へ供給可能な最大電力を決定する最大電力決定部37を有している。実効値評価部36は、たとえば、実効値RMSの平均値を算出し、実効値RMSの瞬時変動の影響を緩和する。実効値評価部36と最大電力決定部37の機能はCPU109により実現されてもよい。
公知の通り、電力制御部6は、トライアック9をオン/オフすることにより定着装置2に供給される電力を制御する。電力制御部6は、最大電力決定部37が決定した最大電力を超えない範囲で定着装置2に供給される電力を制御する。なお、最大電力決定部37は、商用交流電源1の半周期毎に実効値取得部5から出力される実効値RMSに基づいて定着装置2に供給可能な最大電力を決定する。たとえば、ヒーターの過昇温が生じないように用紙サイズ(例:A4サイズ、A3サイズ)ごとに予め決定された関数やテーブルに実効値RMSを入力することで最大電力決定部37が最大電力を決定する。このように、最大電力決定部37は実効値RMSを最大電力に変換する変換機能である。変換機能における変換アルゴリズムは公知のものだけでなく、未公知のものなど、実効値RMSを入力とするものであればどのようなものが採用されてもよい。なお、実効値評価部36はオプションであり、必須ではない。実効値評価部36の詳細は実施例2で説明する。
以上説明したように、商用交流電源1の交流電圧の一周期または半周期毎に、定着装置2に供給される交流電流の実効値が精度よく取得されるようになる。とりわけ、ゼロクロスフィルタ7を用いることで、ゼロクロス信号に重畳されたノイズを抑圧することが可能となる。ゼロクロスフィルタ7を用いると、フィルタ処理にともなう遅延時間が発生する。よって、ゼロクロス信号におけるエッジのタイミングをトリガーとする様々な処理の精度が低下しうる。本実施例では、復元部8において遅延を低減し、ゼロクロス信号におけるエッジのタイミングを復元している。これにより、ゼロクロス信号におけるエッジのタイミングをトリガーとする様々な処理の精度が向上する。このように、本実施例ではゼロクロス信号におけるノイズ耐量の向上と、実効値の精度の向上との両立を図ることが可能となる。上記の構成は比較的に安価で、かつ、サイズアップを伴うことなく実装可能であるといった利点ももたらす。たとえば、ゼロクロスフィルタ7はカウンタ回路によって構成可能であるため、比較的に安価かつ、小型化が可能である。
[実施例2]
図14から図15を用いて実施例2について説明する。なお、実施例2において実施例1と同一または類似の構成については同一の参照符号を付与することで説明の簡明化を図る。本実施例の特徴は、図14に示すように、実効値評価部36が、実効値取得部5から出力される実効値RMSを複数回分格納する実効値格納部38と、その平均値RMS_AVEを演算する平均化部39を備えていることである。
図15は電力制御部6が実行する定着装置2に供給される電力の位相制御の一例を示す図である。電力制御部6は、半波毎に様々な通電パターンを用いて電力を制御する。このような場合に電力制御部6で毎半波毎に送られてくる実効値RMSを逐次評価すると、問題が生じることがある。たとえば、実効値RMSの変動幅が大きくなると、実効値RMSは電力制御に対しての有用な情報にならない。そこで、図15に示すような複数の半波からなる所定期間を1つの制御サイクルとし、制御サイクル内における平均的な実効値を基に電力制御を行えば、実効値RMSは概ね有用な情報になる。図15は1つの制御サイクルにおいて4つの半波を位相制御する例を示しているものの、1つの制御サイクルを構成する半波の数は4つ以外であってもよい。1つの制御サイクルをいくつの半波で構成するかは、実効値RMSに求められる演算精度に依拠する。
図15に示した制御サイクルiを一例とすると、制御サイクルiにおける4つの半波の各実効値A、B、C、Dが実効値格納部38に格納される。制御サイクルiが終了すると、平均化部39は、実効値格納部38から実効値A、B、C、Dを読み出して、平均値を算出する。なお、平均化部39は、実効値A、B、C、Dは最大値と最小値を除外した残りの2つの実効値を用いて平均値を算出してもよい。電力制御部6は、実効値RMSの平均値を用いて次サイクルである制御サイクルiiにおいて供給可能な最大電力を決定し、電力制御を実行する。制御サイクルii以降もおいて制御サイクルiと同様の処理が実行される。
以上説明したように、実効値評価部36は実効値取得部5から出力される実効値RMSを平均化することで、実効値RMSの瞬時変動を低減する。これにより、瞬時変動の影響が緩和されるため、より精度よく、定着装置2を制御できるようになる。
[実施例3]
図16から図17を用いて実施例3について説明する。なお、実施例1または実施例2と同一または類似の機能については同一の参照符号を付与することで説明の簡明化を図る。本実施例はゼロクロス異常状態に関連している。ゼロクロス異常状態は、実効値取得のトリガーとなるゼロクロス信号が出力されなかったり、ゼロクロス信号の周期が想定される周期から外れた周期となったりした状態である。ゼロクロス異常状態では積分演算の周期が影響を受けるため、実効値RMSが誤った値となる。そこで、本実施例では、ゼロクロス異常状態が発生している期間に取得された実効値RMSを電力制御に反映させないことにする。
図16はゼロクロス異常状態を説明する図である。たとえば、ゼロクロス検知部3の誤動作により、ゼロクロス信号ZEROXが“L”に固定されてしまうことがあるかもしれない。図16ではZEROX異常期間において、ゼロクロス信号ZEROXが“L”に固定されている。図17が示すように、復元部8は、フィルタ出力信号F_ZEROXの周期または周波数を監視し、それが所定範囲(例:40Hz〜70Hz)内であるかどうかを判定する監視部40を有している。周期と周波数は相関しているため、どちらが監視されてもよい。ここでは周期のエラーを監視するために、周波数を監視するものとする。所定範囲は、商用交流電源1の公称周波数(例:50Hzや60Hz)に依存して決定される。図16が示すように、ゼロクロス信号ZEROXが“L”に固定されてしまうと、監視部40は、ゼロクロス信号のエラーを示す報知信号ZEROX_ERRORを生成する。図17が示すように、復元部8から電力制御部6に報知信号ZEROX_ERRORが出力される。復元部8は、商用交流電源1の周波数が許容範囲内か否かを判定する閾値を記憶する記憶部41を有している。記憶部41はROMなどのメモリであってもよい。許容範囲は、たとえば、上限閾値と下限閾値とによって定義されうる。監視部40は記憶部41に記憶されている2つの閾値と商用交流電源1の周波数とを比較することで、商用交流電源1の周波数が許容範囲内かどうかを判定する。
ゼロクロス異常が発生している場合、復元部8は正常なゼロクロスエッジを復元できなくなる。そのため、実効値取得部5から出力される実効値RMSもゼロクロス異常の影響を受ける。そこで、電力制御部6の実効値評価部36は報知信号EROX_ERRORが発生している期間においては実効値RMSを廃棄する。これにより、ゼロクロス異常が発生している期間に取得された実効値RMSが電力制御に反映されないようになり、電力制御の精度が向上する。たとえば、実効値評価部36は、ゼロクロス異常が発生する前に取得された実効値RMSを継続して最大電力決定部37に出力する。やがて、ゼロクロス異常が解消されると、監視部40は報知信号ZEROX_ERRORの出力を停止する。報知信号ZEROX_ERRORの出力が停止すると、実効値評価部36は、ゼロクロス異常が解消したことを認識し、入力された実効値RMSを平均化して最大電力決定部37に出力する。
以上説明したようにゼロクロス異常状態において取得された実効値RMSの影響を低減することで、電力制御を精度よく実行することが可能となる。たとえば、定着装置2の過昇温を低減したり、熱暴走を抑制したりすることが可能となる。
<まとめ>
本実施例によれば、外部の交流電源である商用交流電源1から供給された交流電流の実効値RMSを検知する検知装置110が提供される。ゼロクロス検知部3は交流電源から供給された交流電圧のゼロクロスポイントを検知し、当該ゼロクロスポイントを示すゼロクロス信号を出力する検知手段の一例である。ゼロクロスフィルタ7はゼロクロス信号に重畳されるノイズをフィルタリングして出力するフィルタ手段の一例である。復元部8はゼロクロス信号がゼロクロスフィルタ7を通過することで生じる遅延時間に基づき当該ゼロクロス信号のタイミングを補正して、ゼロクロスフィルタ7を通過する前のゼロクロス信号のタイミングを復元する復元手段の一例である。実効値取得部5は復元部8により復元されたゼロクロス信号のタイミングを基準として商用交流電源1から供給される交流電流の実効値を取得する取得手段の一例である。なお、商用交流電源1は一例であり、ソーラーパネルやコジェネレーションシステムなどの自家発電設備が交流電源として採用されてもよい。自家発電設備は商用交流電源1よりも交流電流の実効値が変動しやすいため、本実施例を適用するメリットが大きいだろう。
図6を用いて説明したように、ゼロクロスフィルタ7は、たとえば、交流電圧の半周期よりも短い継続時間のノイズを低減するように構成されていてもよい。これにより、瞬時的なノイズを低減することが可能となる。
図6を用いて説明したように、ゼロクロスフィルタ7は、当該ゼロクロスフィルタ7入力されたゼロクロス信号の立ち上がりと立ち下がりを基準としてそれぞれカウントを実行するフィルタカウンタ21を有していてもよい。ゼロクロスフィルタ7は入力されたゼロクロス信号の立ち上がりタイミングをトリガーとしてフィルタカウンタ21のカウントを開始させてもよい。ゼロクロスフィルタ7はフィルタカウンタ21のカウント値が所定値に達すると当該カウント値をリセットするとともにゼロクロスフィルタ7から出力されるゼロクロス信号を立ち上げる。さらにゼロクロスフィルタ7は、入力されたゼロクロス信号の立ち下がりタイミングをトリガーとしてフィルタカウンタ21のカウントを開始させてもよい。ゼロクロスフィルタ7はフィルタカウンタ21のカウント値が所定値に達すると当該カウント値をリセットするとともにゼロクロスフィルタ7から出力されるゼロクロス信号を立ち下げてもよい。図6が示すように、フィルタカウンタ21が所定値のカウントを完了する前にゼロクロスフィルタ7に入力された信号のレベルが変化することがある。これがまさに瞬時的なノイズである。この場合、ゼロクロスフィルタ7はゼロクロスフィルタ7から出力されるゼロクロス信号のレベルを維持しつつ、フィルタカウンタ21のカウント値をリセットする。これにより、瞬時的なノイズを低減することができる。
論理判定部20は、ゼロクロスフィルタ7に入力された信号の論理とゼロクロスフィルタ7から出力される信号の論理とが異なっているかを判定する判定手段の一例である。フィルタカウンタ21は、ゼロクロスフィルタ7に入力された信号の論理とゼロクロスフィルタ7から出力される信号の論理とが異なるようになると計時を開始する計時手段の一例である。完了判定部22はフィルタカウンタ21の計時値が所定の閾値を超えたかどうかを判別する判別手段の一例である。ゼロクロスフィルタ7は、フィルタカウンタ21の計時値が所定の閾値を超えたことに応じてゼロクロスフィルタ7からゼロクロス信号として出力している信号のレベルを変化させてもよい。
図8を用いて説明したように、復元部8は、ゼロクロスフィルタ7を通過する前のゼロクロス信号のタイミングに同期したタイミング信号を生成して出力する。これにより、ゼロクロスフィルタ7を通過する前のゼロクロス信号のタイミングが復元されてもよい。実効値取得部5は、タイミング信号を基準として商用交流電源1から供給される交流電流の実効値RMSを取得するように構成されていてもよい。
復元部8は、ゼロクロスフィルタ7から出力されるフィルタリングされたゼロクロス信号のレベルが変化したタイミングから一周期または半周期が経過するタイミングよりも遅延時間だけ早めたタイミングにタイミング信号を出力してもよい。これらのタイミングは、Ai−fltやAi/2−fltにより規定される。これにより、ゼロクロス信号のタイミングが補正される。
図7を用いて説明したように、周期カウンタ25は、ゼロクロスフィルタ7から出力されるフィルタリングされたゼロクロス信号の周期を計測する計測手段の一例である。また、エッジ復元部27はタイミング信号を生成して出力する生成手段の一例である。エッジ復元部27は周期カウンタ25により計測された周期から半周期を求める。エッジ復元部27は、半周期から遅延時間だけ早いタイミング(Ai/2−flt)と一周期から遅延時間だけ早いタイミング(Ai−flt)とのそれぞれでタイミング信号を生成する。このように、ゼロクロス信号の周期性を利用することで、効率よく、ゼロクロス信号のタイミングを復元できるようになる。
図8を用いて説明したように、周期カウンタ25は、ゼロクロスフィルタ7から出力されるフィルタリングされたゼロクロス信号におけるi番目のレベル変化タイミングからi+1番目のレベル変化タイミングまでの時間を周期Aiとして計測してもよい。エッジ復元部27は、i+1番目のレベル変化タイミングから補正時間が経過したタイミングにタイミング信号を生成して出力してもよい。この補正時間は、周期Aiの半分から遅延時間を減算して得られる。さらに、エッジ復元部27は、i+1番目のレベル変化タイミングから補正時間が経過したタイミングにタイミング信号を生成して出力してもよい。この補正時間は、周期Aiから遅延時間を減算して得られる。これにより、ゼロクロス信号における立ち下がりタイミングと立ち上がりタイミングとを精度よく復元することが可能となる。
周期カウンタ25は、とりわけ、ゼロクロスフィルタ7から出力されるフィルタリングされたゼロクロス信号におけるi番目の立ち下がりタイミングからi+1番目の立ち下がりタイミングまでの時間を周期Aiとして計測してもよい。上述したように、フォトカプラ19では、発光ダイオードが発光を開始して受光トランジスタがオンするまでの応答時間の方が、発光ダイオードが発光を停止して受光トランジスタがオフするまでの応答時間よりも短い。よって、立ち下がりタイミングを基準とした方が、精度よく、周期を計測できるようになる。
図7を用いて説明したように、周期格納部26が備えるメモリは、周期カウンタ25により計測された周期を記憶する記憶手段の一例である。周期格納部26は、周期カウンタ25により計測された周期が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断部を有していてもよい。さらに、周期格納部26は、周期カウンタ25により計測された周期が所定の範囲内であればメモリに記憶されている周期を更新する更新部を有していてもよしてもよい。また、周期格納部26は、周期カウンタ25により計測された周期が所定の範囲内でなければメモリに記憶されている周期を更新しない更新部を有していてもよい。エッジ復元部27は、メモリに記憶されている周期を用いてタイミング信号を生成して出力するように構成されていてもよい。これにより、周期カウンタ25により計測された周期にエラーが生じても、その影響を低減することが可能となる。
実施例2において説明したように、実効値取得部5は、複数の実効値を平均化して出力するように構成されていてもよい。これにより実効値の変動の影響を低減することが可能となる。また、実施例3において説明したように、実効値取得部5は、交流電流の実効値が所定の範囲内にないときに所定の範囲内にない実効値を廃棄してもよい。これにより、実効値の修司変動の影響を低減することが可能となる。
実効値取得部5は、復元部8により復元されたゼロクロス信号のタイミングを基準とした交流電流の正の半波の期間または負の半波の期間において交流電流の実効値を取得するように構成されていてもよい。
また、実施例1ないし3によれば、定着装置2が提供される。定着装置2は、交流電源から供給された交流電流により発熱してトナー画像を記録媒体に定着させる定着手段の一例である。定着装置2は、上述した検知装置110を備えていてもよい。電力制御部6は、検知装置110により取得された交流電流の実効値に応じて定着装置2に交流電源からの交流電流を供給するか否かを制御する制御手段の一例である。実効値の検知精度が向上するため、定着装置2の定着温度も精度よく調整されることになる。
図1を用いて説明したように、画像形成装置100は、トナー画像を担持する像担持体である感光ドラム101と、感光ドラム101からトナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ108と、トナー画像を記録媒体に定着させる定着装置2を有している。定着装置2に供給される電力を精度よく制御することが可能となるため、トナー画像の定着性能が向上し、トナー画像の品質が向上しよう。
1…商用交流電源、2…定着装置、3…ゼロクロス検知部、4…一次検知部、5…実効値取得部5…電力制御部、7…ゼロクロスフィルタ、8…復元部、9…スイッチング部、100…画像形成装置、110…検知装置

Claims (14)

  1. 交流電源から供給された交流電流の実効値を検知する検知装置であって、
    前記交流電源から供給された交流電圧のゼロクロスポイントを検知し、当該ゼロクロスポイントを示す第1ゼロクロス信号を出力する検知手段と、
    前記検知手段で検知された前記第1ゼロクロス信号に重畳されるノイズをフィルタリングして得られた第2ゼロクロス信号を出力するフィルタ手段と、
    前記第1ゼロクロス信号が前記フィルタ手段を通過してフィルタリングされることで生じる、前記第1ゼロクロス信号のタイミングに対して生じる前記第2ゼロクロス信号の遅延時間に基づき当該第2ゼロクロス信号のタイミングを補正して、前記フィルタ手段を通過する前の前記第1ゼロクロス信号のタイミングを復元する復元手段と、
    前記復元手段により復元された前記第1ゼロクロス信号のタイミングを基準として前記交流電源から供給される交流電流の実効値を取得する取得手段と
    を有することを特徴とする検知装置。
  2. 前記フィルタ手段は、前記交流電圧の半周期よりも短い継続時間のノイズを低減するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
  3. 前記フィルタ手段は、当該フィルタ手段に入力された前記第1ゼロクロス信号の立ち上がりと立ち下がりを基準としてそれぞれカウントを実行するカウンタを有し、前記第1ゼロクロス信号の立ち上がりタイミングをトリガーとして前記カウンタのカウントを開始させ、前記カウンタのカウント値が所定値に達すると当該カウント値をリセットするとともに前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号を立ち上げ、さらに前記フィルタ手段は、前記第1ゼロクロス信号の立ち下がりタイミングをトリガーとして前記カウンタのカウントを開始させ、前記カウンタのカウント値が前記所定値に達すると当該カウント値をリセットするとともに前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号を立ち下げ、前記カウンタが前記所定値のカウントを完了する前に前記フィルタ手段に入力された前記第1ゼロクロス信号のレベルが変化したときは前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号のレベルを維持しつつ、前記カウンタのカウント値をリセットすることを特徴とする請求項2に記載の検知装置。
  4. 前記フィルタ手段は、
    前記第1ゼロクロス信号として前記フィルタ手段に入力された信号の論理と前記第2ゼロクロス信号として前記フィルタ手段から出力される信号の論理とが異なっているかを判定する判定手段と、
    前記フィルタ手段に入力された信号の論理と前記フィルタ手段から出力される信号の論理とが異なるようになると計時を開始する計時手段と、
    前記計時手段の計時値が所定の閾値を超えたかどうかを判別する判別手段と
    を有し、
    前記フィルタ手段は、前記計時手段の計時値が所定の閾値を超えたことに応じて前記フィルタ手段から前記第2ゼロクロス信号として出力している信号のレベルを変化させることを特徴とする請求項2に記載の検知装置。
  5. 前記復元手段は、前記フィルタ手段を通過する前の前記第1ゼロクロス信号のタイミングに同期したタイミング信号を生成して出力することで、前記フィルタ手段を通過する前の前記第1ゼロクロス信号のタイミングを復元するように構成されており、
    前記取得手段は、前記タイミング信号を基準として前記交流電源から供給される交流電流の実効値を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の検知装置。
  6. 前記復元手段は、
    前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号のレベルが変化したタイミングから一周期または半周期が経過するタイミングよりも前記遅延時間だけ早めたタイミングに前記タイミング信号を出力することで、前記第2ゼロクロス信号のタイミングを補正することを特徴とする請求項5に記載の検知装置。
  7. 前記復元手段は、
    前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号の周期を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された周期から半周期を求め、前記半周期から前記遅延時間だけ早いタイミングと前記周期から前記遅延時間だけ早いタイミングとのそれぞれに前記タイミング信号を生成して出力する生成手段と
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の検知装置。
  8. 前記計測手段は、前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号におけるi番目のレベル変化タイミングからi+1番目のレベル変化タイミングまでの時間を前記周期として計測するように構成されており、
    前記生成手段は、前記周期の半分から前記遅延時間を減算して得られる補正時間だけ前記i+1番目のレベル変化タイミングから経過したタイミングに前記タイミング信号を生成して出力するとともに、前記周期から前記遅延時間を減算して得られる補正時間だけ前記i+1番目のレベル変化タイミングから経過したタイミングに前記タイミング信号を生成して出力するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の検知装置。
  9. 前記計測手段は、前記フィルタ手段から出力される前記第2ゼロクロス信号におけるi番目の立ち下がりタイミングからi+1番目の立ち下がりタイミングまでの時間を前記周期として計測するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の検知装置。
  10. 前記計測手段により計測された前記周期を記憶する記憶手段と、
    前記計測手段により計測された前記周期が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段と、
    前記計測手段により計測された前記周期が前記所定の範囲内であれば前記記憶手段に記憶されている周期を更新し、前記計測手段により計測された前記周期が前記所定の範囲内でなければ前記記憶手段に記憶されている周期を更新しない更新手段と
    をさらに有し、前記生成手段は、前記記憶手段に記憶されている周期を用いて前記タイミング信号を生成して出力するように構成されていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の検知装置。
  11. 前記取得手段は、複数の前記交流電流の実効値を平均化して出力するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の検知装置。
  12. 前記取得手段は、前記交流電流の実効値が所定の範囲内にないときに当該所定の範囲内にない実効値を廃棄することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の検知装置。
  13. 交流電源から供給された交流電流により発熱してトナー画像を記録媒体に定着させる定着手段と、
    請求項1ないし12のいずれか1項に記載された検知装置と、
    前記検知装置により取得された前記交流電流の実効値に応じて前記定着手段に前記交流電源からの交流電流を供給するか否かを制御する制御手段と
    を有することを特徴とする定着装置。
  14. トナー画像を担持する像担持体と、
    前記像担持体から前記トナー画像を記録媒体に転写する転写装置と、
    前記トナー画像を前記記録媒体に定着させる、請求項13に記載された定着装置と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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