JPH11304657A - センサ信号のピーク値検出方法及びセンサ信号処理装置 - Google Patents

センサ信号のピーク値検出方法及びセンサ信号処理装置

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JPH11304657A
JPH11304657A JP10115642A JP11564298A JPH11304657A JP H11304657 A JPH11304657 A JP H11304657A JP 10115642 A JP10115642 A JP 10115642A JP 11564298 A JP11564298 A JP 11564298A JP H11304657 A JPH11304657 A JP H11304657A
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sensor signal
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peak value
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JP10115642A
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Takayoshi Honda
隆芳 本多
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動波であるセンサ信号の最大レベル或いは
最小レベルを、ノイズに影響されることなく且つ容易
に、ピーク値として検出する。 【解決手段】 ノックセンサからのセンサ信号を入力
し、その信号の振動中心レベル(基準値)に対する振れ
幅の最大値をピーク値として検出するECUは、センサ
信号のレベルと上記基準値との差を2μs毎に検出し
(S240)、更に今回の検出値と前回の検出値との差をセ
ンサ信号の微分値として順次算出する(S250)。そし
て、連続3つの微分値(DVOLD,DVNOW,DVNEXT)が一定
方向に変化し且つその中に正負が異なるものがある場合
に(S280:YES又はS320:YES)、3つの微分値のうちで正
負が変化した直後の微分値(DVNOW )に対応する検出値
の一方(NOWAD )を、センサ信号の真の極大又は極小レ
ベルと見なし、その絶対値が前回までのピーク値より大
きければ、それを最新のピーク値とする(S290:YES,S3
00)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサから振動波
として出力されるセンサ信号を入力して、そのセンサ信
号の最大レベル或いは最小レベルをピーク値として検出
するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両においては、内燃
機関に発生するノック(ノッキング)を検出するため
に、ノックセンサが用いられている。尚、この種のノッ
クセンサとしては、特開平9−329052号公報に記
載されているように、センサ信号として、内燃機関のシ
リンダブロックに伝わるノックによる振動に応じた振動
波を出力する振動型のものや、特開平6−159129
号公報に記載されているように、センサ信号として、内
燃機関のシリンダ内に流れるイオン電流に応じた振動波
を出力するものがある。
【0003】そして、内燃機関を制御する電子制御装置
は、例えば、内燃機関にノックが発生すると見なされる
期間として設定されるノック判定区間において、ノック
センサからのセンサ信号のレベルをピークホールドし、
そのノック判定区間の終了時におけるピークホールド値
を用いて、ノックの有無やノックの強さを判定するよう
にしていた。つまり、この例の場合、ノック判定区間の
終了時におけるピークホールド値は、センサ信号の最大
レベル(最大波高値)となるため、その値に基づきノッ
クの有無やノックの強さを判定している。
【0004】ところが、センサ信号にスパイク状の大き
なノイズが重畳して、そのノイズをピークホールドして
しまった場合には、ノック判定区間の終了時におけるピ
ークホールド値が、センサ信号の真の最大レベルよりも
大きくなってしまい、その結果、ノックの有無等を誤判
定してしまうこととなる。
【0005】特に、デジタル信号処理の手法を採用し
て、センサ信号のレベルを一定時間毎のサンプリングに
よりA/D変換すると共に、そのデジタル化された各検
出値を順次大小比較することにより、センサ信号の最大
レベルを検出するようにした場合には、ノイズの発生が
極めて瞬時的なものであっても、その発生タイミングと
サンプリングタイミングとが一致すると、そのノイズの
波高値をそのまま検出値として取り込んでしまうため、
ノイズの影響が極めて顕著になる。
【0006】そこで、こうしたノイズの影響を除去する
ために、特開平9−329052号公報には、A/D変
換によって検出されるセンサ信号のレベルの検出値に対
して、上下限判定値を設定し、その上下限判定値の範囲
内にある検出値だけを最大レベルの候補として用いるこ
とが提案されている。つまり、この技術では、設定した
上下限判定値の範囲外にある検出値は、ノイズによるも
のであると判定して、センサ信号の最大レベルを求める
対象から除外するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−329052号公報に開示の技術では、設定さ
れる上下限判定値によって、ノイズを取り込んでしまっ
たり、或いは、センサ信号の本来の最大レベルを取り込
めなかったりする虞がある。
【0008】よって、上記公報に開示の技術を実際に採
用する場合には、上下限判定値をどの様に設定するのか
が非常に重要となるが、その上下限判定値の設定作業
は、内燃機関の特性や発生すると予想されるノイズの特
性等、様々な条件を考慮して行わなければならず、極め
て困難なものとなる。このため、上記公報に開示の技術
は、実現性に欠けるものであった。
【0009】そして、こうした問題は、センサ信号の最
大レベルをピーク値として検出する場合に限らず、逆
に、センサ信号の最小レベルをピーク値として検出する
場合、或いは、センサ信号の振動中心レベルに対する正
方向と負方向との両方への振れ幅の最大値(即ち、セン
サ信号の最大レベルと最小レベルとのうちで、振動中心
レベルから最も離れているレベル)をピーク値として検
出する場合についても全く同様である。また、上記問題
は、ノックセンサからのセンサ信号を検出対象とする場
合に限らず、振動波としてのあらゆるセンサ信号の最大
レベル或いは最小レベルをピーク値として検出する場合
についても同様である。
【0010】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、振動波としてのセンサ信号の最大レベル或い
は最小レベルを、ノイズに影響されることなく且つ容易
に、ピーク値として検出できるようにすることを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】上記目
的を達成するためになされた本発明のセンサ信号のピー
ク値検出方法では、センサから入力した振動波としての
センサ信号を微分し、その微分波形から、センサ信号の
極大点或いは極小点とセンサ信号に重畳したノイズとを
区別して、その区別したセンサ信号の極大点或いは極小
点のレベルから、前記センサ信号の最大レベル或いは最
小レベルであるピーク値を検出する。
【0012】つまり、振動波としてのセンサ信号を微分
した微分波形の正負極性は、センサ信号の極大点と極小
点とで変化し、センサ信号にノイズが重畳していなけれ
ば、上記微分波形の正負極性は、センサ信号の半周期毎
に1回だけ変化することとなる。これに対して、センサ
信号にスパイク状のノイズが重畳していれば、微分波形
の正負極性は、センサ信号の半周期よりも極めて短い時
間内に2回以上変化することとなる(図7のP3及びP
4の部分参照)。よって、微分波形の正負極性の変化状
態から、センサ信号の真の極大点或いは極小点と、ノイ
ズによる極大点或いは極小点とを区別することができ
る。
【0013】そこで、本発明のピーク値検出方法では、
センサ信号の微分波形から、センサ信号のノイズではな
い真の極大点或いは極小点を見つけるようにしているの
である。そして、例えば、:センサ信号の最大レベル
をピーク値として検出する場合には、センサ信号の極大
点のレベルのうちで最大のものをピーク値とすれば良
く、逆に、:センサ信号の最小レベルをピーク値とし
て検出する場合には、センサ信号の極小点のレベルのう
ちで最小のものをピーク値とすれば良い。また、:セ
ンサ信号の最大レベルと最小レベルとのうちで振動中心
レベルから最も離れているレベルをピーク値として検出
する場合には、センサ信号の極大点及び極小点のレベル
のうちで、振動中心レベルから最も離れているもの(即
ち、振動中心レベルとの差の絶対値が最大のもの)をピ
ーク値とすれば良い。
【0014】このような本発明のピーク値検出方法によ
れば、従来技術のような上下限判定値を設定する必要が
ない。よって、振動波としてのセンサ信号の最大レベル
或いは最小レベルを、ノイズに影響されることなく且つ
容易に、ピーク値として検出することができる。
【0015】ところで、本発明のピーク値検出方法は、
請求項2に記載の如く、センサ信号の微分波形の正負極
性が、予め定められた設定時間の間に1回のみ変化した
場合に、その正負極性の変化時におけるセンサ信号のレ
ベルを仮のピーク値とし、それが前回までのピーク値を
越えていれば、その仮のピークを最新のピーク値として
更新する、といった手順で実施することができる。
【0016】つまり、前述したように、センサ信号にス
パイク状のノイズが重畳していれば、その微分波形の正
負極性は、センサ信号の半周期よりも短い時間内に2回
以上変化することとなるため、上記設定時間を、センサ
信号の半周期よりも短く、且つ、発生すると予想される
ノイズの最大時間幅よりも長い時間に設定しておけば、
「センサ信号の微分波形の正負極性が上記設定時間の間
に1回のみ変化した」という条件が成立した場合に、そ
の正負極性の変化時におけるセンサ信号のレベルを、ノ
イズではない真の極大点或いは極小点のレベルと見なす
ことができる。そして、その極大点或いは極小点のレベ
ルを仮のピーク値とし、それが前回までのピーク値を越
えていれば、その仮のピークを最新のピーク値として更
新する、という処理を行うことにより、最終的に更新さ
れているピーク値を、検出すべきピーク値として取得で
きるのである。
【0017】尚、「越えている」とは、:センサ信号
の最大レベルをピーク値として検出する場合には、「仮
のピーク値が前回までのピーク値よりも大きい」という
ことであり、逆に、:センサ信号の最小レベルをピー
ク値として検出する場合には、「仮のピーク値が前回ま
でのピーク値よりも小さい」ということである。また、
:センサ信号の最大レベルと最小レベルとのうちで振
動中心レベルから最も離れているレベルをピーク値とし
て検出する場合には、「仮のピーク値と振動中心レベル
との差の絶対値が、前回までのピーク値と振動中心レベ
ルとの差の絶対値よりも大きい」ということである。
【0018】そして、このような本発明のピーク値検出
方法によれば、請求項3に記載のように、センサが、内
燃機関に発生するノックを検出するためのノックセンサ
である場合に、そのノックセンサからのセンサ信号の最
大レベル或いは最小レベルを、ノイズに影響されること
なくピーク値として検出することができるため、内燃機
関のノックの有無やノックの強さを正確に判定できるよ
うになる。
【0019】一方、請求項4に記載の本発明のセンサ信
号処理装置は、センサから振動波として出力されるセン
サ信号を入力して、前述した本発明のピーク値検出方法
を実施することにより、そのセンサ信号の最大レベル或
いは最小レベルをピーク値として検出する。
【0020】まず、本発明のセンサ信号処理装置では、
サンプリング手段が、センサ信号のレベルを一定時間毎
に検出し、微分手段が、そのサンプリング手段による今
回の検出値(所謂サンプリング値)と前回の検出値との
差を、センサ信号の前記一定時間毎の微分値として順次
算出する。
【0021】そして、判定手段が、微分手段により連続
して算出された少なくとも3つ以上の微分値が一定方向
に変化しており、且つ、その3つ以上の微分値からなる
微分値群の中に正負極性の異なる微分値があるか否かを
判定する。このため、判定手段によって肯定判定された
場合には、サンプリング手段による少なくとも3回以上
の検出回数(所謂サンプリング回数)に相当する設定時
間の間に、センサ信号の微分波形の正負極性が1回のみ
変化したこととなる。そして、判定手段により肯定判定
された微分値群をなす微分値のうちで、正負極性が変化
した直後の微分値に対応する2つの検出値(つまり、そ
の微分値を算出する元となった2つの検出値)の何れか
一方は、センサ信号の微分波形の正負極性が変化した時
におけるセンサ信号のレベルであって、ノイズではない
真の極大点或いは極小点のレベルと見なすことができ
る。
【0022】そこで、本発明のセンサ信号処理装置で
は、ピーク値検出手段が、判定手段により肯定判定され
ると、その肯定判定された前記微分値群をなす微分値の
うちで、正負極性が変化した直後の微分値に対応する2
つの検出値の何れか一方を仮のピーク値とし、それが前
回までのピーク値を越えていれば、その仮のピーク値を
最新のピーク値として更新記憶するようにしている。よ
って、ピーク値検出手段に最終的に記憶されるピーク値
が、検出すべきピーク値となる。
【0023】このような本発明のセンサ信号処理装置に
よれば、従来技術の如き上下限判定値を設定することな
く、センサ信号のノイズではない真の極大点或いは極小
点を判別して、その判別した極大点或いは極小点のレベ
ルから、センサ信号の最大レベル或いは最小レベルであ
るピーク値を検出することができる。このため、センサ
信号の最大レベル或いは最小レベルを、ノイズに影響さ
れることなく且つ容易に、ピーク値として検出すること
ができる。
【0024】尚、本発明のセンサ信号処理装置における
「越えている」とは、本発明のピーク値検出方法につい
て述べた意味と同じである。よって、:センサ信号の
最大レベルをピーク値として検出するのであれば、ピー
ク値検出手段は、上記仮のピーク値が前回までのピーク
値よりも大きい場合に、その仮のピーク値を最新のピー
ク値として更新記憶すれば良く、逆に、:センサ信号
の最小レベルをピーク値として検出するのであれば、ピ
ーク値検出手段は、上記仮のピーク値が前回までのピー
ク値よりも小さい場合に、その仮のピーク値を最新のピ
ーク値として更新記憶すれば良い。また、:センサ信
号の最大レベルと最小レベルとのうちで振動中心レベル
から最も離れているレベルをピーク値として検出するの
であれば、ピーク値検出手段は、上記仮のピーク値と振
動中心レベルとの差の絶対値が、前回までのピーク値と
振動中心レベルとの差の絶対値よりも大きい場合に、そ
の仮のピーク値を最新のピーク値として更新記憶すれば
良い。
【0025】また更に、判定手段が判定する一定方向
(即ち、微分値の変化方向)としては、基本的には減少
方向と増加方向との両方の一定方向で良いが、上記の
場合は、センサ信号の極大点だけを判別すれば良いた
め、減少方向のみとすることができ、逆に、上記の場
合は、センサ信号の極小点だけを判別すれば良いため、
増加方向のみとすることができる。
【0026】次に、請求項5に記載のセンサ信号処理装
置は、更に検出動作制限手段を備えている。そして、こ
の検出動作制限手段は、センサ信号のレベルが極大或い
は極小になる時点を含むと見なされる時間領域を設定
し、その設定した時間領域の間のみ、前記判定手段と前
記ピーク値検出手段を作動させる。
【0027】つまり、請求項5に記載のセンサ信号処理
装置では、センサ信号のレベルが極大或いは極小になる
時点を含むと見なされる時間領域においてのみ、ピーク
値の検出動作を行うようにしている。このため、ピーク
値検出に対するノイズの影響を一層確実に除去すること
ができる。
【0028】ここで、振動波としてのセンサ信号のレベ
ルは、振動中心レベルを横切ってから4分の1周期が経
過した時点で、極大或いは極小になると予想することが
できる。そこで、検出動作制限手段は、請求項6に記載
のように、サンプリング手段による検出値の変化状態か
ら、センサ信号のレベルが該センサ信号の振動中心レベ
ルを横切った時点を検出するゼロクロス時点検出手段
と、該ゼロクロス時点検出手段により検出される時点の
時間間隔を、センサ信号の半周期として検出する半周期
検出手段とを備え、ゼロクロス時点検出手段により検出
された時点を基準にして、半周期検出手段により検出さ
れた半周期の半分の時間(つまり、センサ信号の4分の
1周期)よりも所定時間T1だけ短い時間が経過した時
から、前記半周期の半分の時間よりも所定時間T2だけ
長い時間が経過するまでの間を、前記時間領域として設
定するように構成することができる。
【0029】そして、検出動作制限手段を請求項6に記
載の如く構成すれば、センサ信号の周期が変化しても、
最適な時間領域を設定できるようになる。尚、上記2つ
の所定時間T1,T2は、同じ値であっても良いし、異
なる値であっても良い。次に、請求項7に記載のセンサ
信号処理装置は、請求項4〜6のセンサ信号処理装置に
対して、更にノイズ判定手段を備えている。そして、こ
のノイズ判定手段は、微分手段により算出された微分値
の正負極性が、所定サンプリング回数以内に2回以上変
化した場合に、センサ信号にノイズが重畳していると判
定する。
【0030】このようなセンサ信号処理装置によれば、
例えば、ノイズ判定手段によってセンサ信号へのノイズ
の重畳が頻繁に判定された場合に、ピーク値検出手段に
記憶されているピーク値を破棄するといった処理等、ノ
イズによる悪影響を防ぐための様々な処理を行うことが
できるようになり、有利である。
【0031】そして、上記請求項4〜7のセンサ信号処
理装置によれば、請求項8に記載のように、センサが、
内燃機関に発生するノックを検出するためのノックセン
サである場合に、そのノックセンサからのセンサ信号の
最大レベル或いは最小レベルを、ノイズに影響されるこ
となくピーク値として検出することができるため、内燃
機関のノックの有無やノックの強さを正確に判定できる
ようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、車両に搭載された4気筒エ
ンジン(内燃機関)を制御する実施形態の電子制御装置
について、図面を用いて説明する。 [第1実施形態]まず図1は、第1実施形態の電子制御
装置(以下、ECUという)1の構成を表すブロック図
である。
【0033】図1に示すように、ECU1は、エンジン
のシリンダブロックに装着されたノックセンサ3から振
動波として出力されるセンサ信号(以下、ノックセンサ
信号という)を入力して、そのノックセンサ信号のうち
ノックに特有の周波数成分(本実施形態では6kHz〜
10kHz)のみを通過させる帯域通過フィルタ(BP
F)5と、エンジンのクランク軸が所定角度回転する毎
にパルス信号を出力する回転角センサ7やアクセルペダ
ルの踏込時にオンするアクセルスイッチ9等からのパル
ス信号やスイッチ信号を入力して、それら信号を波形整
形して出力する入力回路11と、エンジンの点火系機器
13やインジェクタ15等のアクチュエータを駆動する
ための駆動回路17とを備えている。
【0034】そして更に、ECU1は、帯域通過フィル
タ5から出力されるノックセンサ信号を始め、エンジン
の吸入空気量を検出するための吸気量センサ19やエン
ジンの冷却水温を検出するための水温センサ21等から
出力されるアナログのセンサ信号を入力して、それらの
信号を択一的に切り替えて出力するマルチプレクサ(M
PX)23と、マルチプレクサ23から出力されるアナ
ログ信号のレベルをデジタルデータに変換(A/D変
換)するA/D変換器25と、上記マルチプレクサ23
及びA/D変換器25を制御して、マルチプレクサ23
に入力されるセンサ信号のレベルをデジタルデータに変
換して取得するための信号処理を行う第1CPU27
と、第1CPU27によって取得されたデジタルデータ
や、入力回路11から出力されるパルス信号やスイッチ
信号等に基づいて、エンジンを制御するための制御処理
を行い、駆動回路17へ点火系機器13やインジェクタ
15等を駆動するための駆動信号を出力する第2CPU
29と、第1CPU27及び第2CPU29が実行する
プログラムを格納したROM31と、第1CPU27及
び第2CPU29の演算結果等を一時記憶するRAM3
3とを備えている。
【0035】尚、本実施形態において、上記マルチプレ
クサ23,A/D変換器25,第1CPU27,第2C
PU29,ROM31,及びRAM33は、1つのマイ
クロコンピュータ(マイコン)35としてECU1に搭
載されている。また、ノックセンサ信号は、図5の上段
に示すように、基準値である2.5Vを振動中心レベル
として、0Vから5Vの範囲で振動する6kHz〜10
kHzの振動波であり、ほぼSIN波(正弦波)であ
る。
【0036】以上のように構成された本実施形態のEC
U1では、第2CPU29が、入力回路11を介して入
力される回転角センサ7やアクセルスイッチ9等からの
信号と、第1CPU27により取得された吸気量センサ
19や水温センサ21等からのセンサ信号のレベルとに
基づいて、エンジンへの最適な燃料噴射量や点火時期等
を演算すると共に、その演算結果に応じて点火系機器1
3やインジェクタ15等を駆動することにより、エンジ
ンを制御する。
【0037】そして特に、本実施形態のECU1では、
第1CPU27が、ノックセンサ信号の振動中心レベル
(基準値=2.5V)に対する正方向と負方向との両方
への振れ幅の最大値(換言すれば、ノックセンサ信号の
最大レベルと最小レベルとのうちで振動中心レベルから
最も離れているレベル)を、そのノックセンサ信号のピ
ーク値として検出する。そして、第2CPU29は、第
1CPU27によって検出されたノックセンサ信号のピ
ーク値に基づき、エンジンにノックが発生しているか否
かを判定し、ノックが発生していると判定すると、エン
ジンの点火時期を遅角側に補正する等して、ノックの発
生を抑制するようにしてる。
【0038】そこで以下、エンジンにノックが発生して
いるか否かを判定するために、第1CPU27と第2C
PU29とで実行される処理について説明する。まず、
第2CPU29は、回転角センサ7からのパルス信号に
基づいて、エンジンのクランク軸の回転角度位置を逐次
検出しており、そのクランク軸の回転角度位置が、各気
筒の圧縮工程上死点(TDC)から10°進んだ回転角
度位置(以下、ATDC10°CAという)になると、
図2のノック判定区間スタート処理を実行し、その後、
クランク軸の回転角度位置が上記ATDC10°CAか
ら更に80°進んだ回転角度位置(即ち、各気筒の圧縮
工程上死点から90°進んだ回転角度位置であり、以
下、ATDC90°CAという)になると、図4のノッ
ク判定区間ストップ処理を実行する。
【0039】一方、第1CPU27は、第2CPU29
が図2のノック判定区間スタート処理を実行してから図
4のノック判定区間ストップ処理を実行するまでの期間
であって、エンジンのクランク軸がATDC10°CA
からATDC90°CAまでの範囲内にあるノック判定
区間において、図3の2μs毎処理を繰り返し実行す
る。そして、第1CPU27は、その2μs毎処理を実
行する度に、マルチプレクサ23からA/D変換器25
へノックセンサ信号を入力させると共に、そのノックセ
ンサ信号のレベルをA/D変換器25にA/D変換さ
せ、そのA/D変換値からノックセンサ信号のピーク値
を検出する。尚、このように、ATDC10°CAから
ATDC90°CAまでの期間をノック判定区間として
いるのは、その期間中にノックが発生するためである。
【0040】次に、第1CPU27と第2CPU29と
で実行される処理について、図2〜図4に従い具体的に
説明する。尚、以下の説明において、「NEXTA
D」,「NOWAD」,及び「OLDAD」の各々は、
RAM33に記憶されるデータのうち、図6に示す如
く、ノックセンサ信号のレベルの2μs毎の検出値を最
新のものから順に表すものであり、本実施形態では、ノ
ックセンサ信号のレベルを2μs毎にA/D変換した各
A/D変換値から、ノックセンサ信号の振動中心レベル
である基準値(=2.5V)を引いた検出値である(図
3のS240参照)。そして、「NEXTAD」は、第
1CPU27が今回の2μs毎処理で検出した値であ
り、「NOWAD」は、第1CPU27が前回の2μs
毎処理で検出した値であり、「OLDAD」は、第1C
PU27が前々回の2μs毎処理で検出した値である。
【0041】また、「DVNEXT」,「DVNO
W」,及び「DVOLD」の各々は、RAM33に記憶
されるデータのうち、図6に示す如く、ノックセンサ信
号の2μs毎の微分値を最新のものから順に表すもので
ある。そして、「DVNEXT」は、「NEXTAD」
と「NOWAD」との差(「NEXTAD」−「NOW
AD」)であり、「DVNOW」は、「NOWAD」と
「OLDAD」との差(「NOWAD」−「OLDA
D」)であり、「DVOLD」は、「OLDAD」とそ
の前の検出値との差である。
【0042】また更に、「NOWMAX」は、第1CP
U27が2μs毎処理によってRAM33内に更新記憶
するノックセンサ信号の最新のピーク値(本実施形態で
は、ノックセンサ信号の2.5Vに対する正方向と負方
向との両方への振れ幅の最新の最大値)を表すものであ
る。
【0043】まず図2は、第2CPU29がATDC1
0°CAのタイミングで実行するノック判定区間スター
ト処理を表すフローチャートである。図2に示すよう
に、第2CPU29がノック判定区間スタート処理の実
行を開始すると、まずステップ(以下、単に「S」と記
す)100にて、RAM33内のデータを初期値に設定
するための初期化処理を行う。尚、この初期化処理によ
り、少なくとも「DVNOW」,「DVNEXT」,
「NOWAD」,「NEXTAD」,及び「NOWMA
X」の各値と、後述するカウンタCTの値とが、0に初
期化される。
【0044】そして、第2CPU29は、続くS110
にて、第1CPU27が2μs毎処理を実行するのを許
可した後、当該ノック判定区間スタート処理を終了す
る。すると、以後、第1CPU27は、図3の2μs毎
処理を、その名の如く2μs毎に繰り返し実行すること
となる。
【0045】即ち、図3に示すように、第1CPU27
が2μs毎処理の実行を開始すると、まずS200に
て、それまでの「DVNOW」を「DVOLD」として
記憶し直し、続くS210にて、それまでの「DVNE
XT」を「DVNOW」として記憶し直す。そして更
に、次のS220にて、それまでの「NOWAD」を
「OLDAD」として記憶し直し、続くS230にて、
それまでの「NEXTAD」を「NOWAD」として記
憶し直す。
【0046】そして、続くS240にて、マルチプレク
サ23に指令を与えてA/D変換器25へノックセンサ
信号を入力させると共に、そのノックセンサ信号のレベ
ルをA/D変換器25にA/D変換させ、その今回のA
/D変換値から基準値(=2.5V)を引いた値を、
「NEXTAD」として記憶する。そして更に、続くS
250にて、「NEXTAD」と「NOWAD」との差
(=「NEXTAD」−「NOWAD」)を、「DVN
EXT」として記憶する。
【0047】次に、S260にて、「DVOLD」が0
よりも大きく且つ「DVNOW」が0よりも小さいか否
かを判定し、肯定判定した場合には(S260:YE
S)、続くS270にて、「DVNEXT」が0よりも
大きいか否かを判定する。そして、「DVNEXT」が
0より大きくなければ(S270:NO)、S280に
進んで、「DVNEXT」が「DVNOW」よりも小さ
いか否かを判定し、「DVNEXT」が「DVNOW」
より小さければ(S280:YES)、S290に進
む。
【0048】そして、このS290にて、「NOWA
D」の絶対値(|NOWAD|)が「NOWMAX」よ
りも大きいか否かを判定し、「NOWAD」の絶対値が
「NOWMAX」より大きくなければ(S290:N
O)、そのまま当該2μs毎処理を一旦終了するが、
「NOWAD」の絶対値が「NOWMAX」より大きけ
れば(S290:YES)、S300にて、その「NO
WAD」の絶対値を「NOWMAX」として記憶し直し
てから、当該2μs毎処理を一旦終了する。
【0049】また、上記S260で否定判定した場合に
は(S260:NO)、S310に移行して、「DVO
LD」が0よりも小さく且つ「DVNOW」が0よりも
大きいか否かを判定し、肯定判定した場合には(S31
0:YES)、続くS320にて、「DVNEXT」が
0よりも小さいか否かを判定する。そして、「DVNE
XT」が0より小さくなければ(S320:NO)、S
330に進んで、「DVNEXT」が「DVNOW」よ
りも大きいか否かを判定し、「DVNEXT」が「DV
NOW」より大きければ(S330:YES)、前述し
たS290に移行する。
【0050】そして、「NOWAD」の絶対値が「NO
WMAX」より大きければ(S290:YES)、その
「NOWAD」の絶対値を「NOWMAX」として記憶
し直し(S300)、その後、当該2μs毎処理を一旦
終了する。一方、上記S280で「DVNEXT」が
「DVNOW」より小さくないと判定した場合(S28
0:NO)、或いは、上記S310で否定判定した場合
(S310:NO)、或いは更に、上記S330で「D
VNEXT」が「DVNOW」より大きくないと判定し
た場合には(S330:NO)、S290に移行するこ
となく、そのまま当該2μs毎処理を一旦終了する。
【0051】また、上記S270で「DVNEXT」が
0より大きいと判定した場合には(S270:YE
S)、ノックセンサ信号にノイズが重畳していると判断
して、S340に移行し、ノックセンサ信号にノイズが
重畳していると判定した回数をカウントするためのカウ
ンタCTの値を1インクリメントした後、当該2μs毎
処理を一旦終了する。また同様に、上記S320で「D
VNEXT」が0より小さいと判定した場合にも(S3
20:YES)、ノックセンサ信号にノイズが重畳して
いると判断して、S350に移行し、上記カウンタCT
の値を1インクリメントした後、当該2μs毎処理を一
旦終了する。
【0052】次に、図4は、第2CPU29がATDC
90°CAのタイミングで実行するノック判定区間スト
ップ処理を表すフローチャートである。図4に示すよう
に、第2CPU29がノック判定区間ストップ処理の実
行を開始すると、まずS400にて、第1CPU27が
2μs毎処理を実行するのを禁止する。すると、以後、
第1CPU27は、第2CPU29がノック判定区間ス
タート処理のS110を次に実行するまでの間、図3の
2μs毎処理を実行しなくなる。
【0053】そして、第2CPU29は、続くS410
にて、第1CPU27による2μs毎処理でRAM33
内に最終的に記憶された「NOWMAX」を読み込み、
続く420にて、その読み込んだ「NOWMAX」を、
ノック判定区間におけるノックセンサ信号の検出すべき
ピーク値(所謂ピークホールド値)P/Hmax として記
憶する。
【0054】そして更に、続くS430にて、上記ピー
ク値P/Hmax が所定のノック判定値(Ko×Av)よ
りも大きいか否かを判定し、ピーク値P/Hmax がノッ
ク判定値(Ko×Av)より大きければ、S440に進
んで、ノックの発生を示すノック判定フラグをセット
し、逆にピーク値P/Hmax がノック判定値(Ko×A
v)より大きくなければ、S450に移行して、ノック
判定フラグをリセットする。
【0055】尚、上記S440の処理によってノック判
定フラグがセットされると、第2CPU29は、前述し
たように、エンジンの点火時期を遅角側に補正する等し
て、ノックの発生を抑制する。また、上記ノック判定値
(Ko×Av)を構成する変数のうち、Koは、任意の
定数であり、Avは、前回のノック判定区間までのピー
ク値P/Hmax の平均値である。
【0056】そして、上記S440及びS450のうち
の何れかの処理を行った後、S460に移行して、上記
平均値Avを、下記の式1の如く更新する。つまり、本
実施形態では、平均値Avを、所謂8分の1なましの考
え方で更新している。
【0057】
【数1】 Av=(7×Av+P/Hmax )÷8 …式1 そして最後に、続くS470にて、第1CPU27によ
る2μs毎処理でRAM33内に最終的に記憶されたカ
ウンタCTの値をチェックし、そのカウンタCTの値に
応じてノイズ対策用の処理を行ってから、当該ノック判
定区間ストップ処理を終了する。
【0058】尚、上記S470では、例えば、カウンタ
CTの値が所定値を越えている場合に、エンジンの点火
時期を最も遅角側に補正するための指示フラグをセット
する、といった処理を行う。そして、この指示フラグが
セットされると、第2CPU29は、図示しない点火時
期制御処理の実行時において、エンジンの点火時期を最
も遅角側に補正する。これは、ノックセンサ信号にノイ
ズが頻繁に重畳したと考えられ、ピーク値P/Hmax が
ノイズの影響を受けた値になっている可能性を否定でき
ないためである。
【0059】次に、本実施形態におけるピーク値P/H
max の検出原理について説明する。まず、一般に、ノッ
クセンサ信号は、図5の上段に示す如く、ほぼSIN波
であるため、そのノックセンサ信号を1回微分した微分
波形は、図5の下段に示す如く、ほぼCOS波(余弦
波)となる。
【0060】そのため、ノックセンサ信号の微分波形の
正負極性は、ノックセンサ信号の極大点と極小点とにお
いて、0を横切り正から負へ或いは負から正へと変化す
る。そして、ノックセンサ信号にノイズが重畳していな
ければ、上記微分波形の正負極性は、ノックセンサ信号
の半周期T(6kHz時:83μs〜10kHz時:5
0μs)毎に1回だけ変化することとなる。
【0061】これに対して、図7の上段に示すように、
ノックセンサ信号にスパイク状のノイズが重畳していれ
ば、図7の下段に示すように、ノックセンサ信号の微分
波形の正負極性は、ノックセンサ信号の半周期Tよりも
極めて短い時間内に2回以上変化することとなる。
【0062】よって、ノックセンサ信号の微分波形の正
負極性が、ある設定時間の間に1回のみ変化したことを
判別して、その正負極性の変化時におけるノックセンサ
信号のレベルを、ノイズではない真の極大点或いは極小
点のレベルと見なすようにすれば、上記設定時間よりも
短いパルス幅のノイズによる偽りの極大点或いは極小点
のレベルと、ノックセンサ信号の真の極大点或いは極小
点のレベルとを、区別することができる。
【0063】そこで、本実施形態の第1CPU27で実
行される図3の2μs毎処理においては、ノックセンサ
信号のレベルを2μs毎にA/D変換して、そのA/D
変換値から振動中心レベルである基準値を引いた値を、
ノックセンサ信号のレベルの2μs毎の検出値とし(S
240)、更に、その2μs毎の検出値のうちで、最新
のものから連続する3個分(「NEXTAD」,「NO
WAD」,「OLDAD」)を保持するようにしている
(S220,S230)。
【0064】また、今回の検出値(「NEXTAD」)
と前回の検出値(「NOWAD」)との差を、ノックセ
ンサ信号の2μs毎の微分値として順次算出し(S25
0)、更に、その2μs毎の微分値のうちで、最新のも
のから連続する3個分(「DVNEXT」,「DVNO
W」,「DVOLD」)を保持するようにしている(S
200,S210)。
【0065】そして、図3の2μs毎処理においては、
S260,S270,及びS280の判定処理により、
下記の式2の関係が成立しているか否かを判定してい
る。
【0066】
【数2】「DVOLD」>0>「DVNOW」>「DVNEXT」 …式2 即ち、S260,S270,及びS280の判定処理で
は、連続する3つの微分値(「DVOLD」,「DVN
OW」,「DVNEXT」)が減少方向に変化してお
り、且つ、その3つの微分値からなる微分値群の中に正
負極性の異なる微分値がある(本実施形態では、「DV
OLD」の正負極性と「DVNOW」及び「DVNEX
T」の正負極性とが異なっている)か否かを判定してい
る。
【0067】そして、上記S260〜S280の判定処
理によって肯定判定された場合(S260:YES,S
270:NO,及びS280:YES)には、3回のサ
ンプリング回数に相当する設定時間(本実施形態では3
×2μ=6μs)の間に、ノックセンサ信号の微分波形
の正負極性が正から負へ1回のみ変化したことになるた
め、その判定時における3つの微分値(「DVOL
D」,「DVNOW」,「DVNEXT」)のうちで、
正負極性が変化した直後の微分値(「DVNOW」)に
対応する2つの検出値(「OLDAD」と「NOWA
D」)の一方(本実施形態では「NOWAD」)を、微
分波形の正負極性の変化時におけるノックセンサ信号の
レベルであってノックセンサ信号のノイズではない真の
極大点のレベルと見なしている。そして更に、その真の
極大点のレベルと見なした「NOWAD」の絶対値を仮
のピーク値とし、それが前回までのピーク値「NOWM
AX」よりも大きければ(S290:YES)、その
「NOWAD」の絶対値を最新のピーク値「NOWMA
X」として更新記憶するようにしている(S300)。
また、図3の2μs毎処理においては、S310,S3
20,及びS330の判定処理により、下記の式3の関
係が成立しているか否かを判定している。
【0068】
【数3】「DVOLD」<0<「DVNOW」<「DVNEXT」 …式3 即ち、S310,S320,及びS330の判定処理で
は、連続する3つの微分値(「DVOLD」,「DVN
OW」,「DVNEXT」)が増加方向に変化してお
り、且つ、その3つの微分値からなる微分値群の中に正
負極性の異なる微分値がある(本実施形態では、「DV
OLD」の正負極性と「DVNOW」及び「DVNEX
T」の正負極性とが異なっている)か否かを判定してい
る。
【0069】そして、上記S310〜S330の判定処
理によって肯定判定された場合(S310:YES,S
320:NO,及びS330:YES)には、3回のサ
ンプリング回数に相当する設定時間(6μs)の間に、
ノックセンサ信号の微分波形の正負極性が負から正へ1
回のみ変化したことになるため、その判定時における3
つの微分値(「DVOLD」,「DVNOW」,「DV
NEXT」)のうちで、正負極性が変化した直後の微分
値(「DVNOW」)に対応する2つの検出値(「OL
DAD」と「NOWAD」)の一方(本実施形態では
「NOWAD」)を、微分波形の正負極性の変化時にお
けるノックセンサ信号のレベルであってノックセンサ信
号のノイズではない真の極小点のレベルと見なしてい
る。そして更に、この場合にも、前述のS260〜S2
80の判定処理によって肯定判定された場合と同様に、
真の極小点のレベルと見なした「NOWAD」の絶対値
を仮のピーク値とし、それが前回までのピーク値「NO
WMAX」よりも大きければ(S290:YES)、そ
の「NOWAD」の絶対値を最新のピーク値「NOWM
AX」として更新記憶するようにしている(S30
0)。
【0070】つまり、図7におけるP1の部分を拡大し
て表す図8(a)に示すように、ノックセンサ信号の真
の極大点では、上記式2の関係が成立し、連続する3つ
の微分値(「DVOLD」,「DVNOW」,「DVN
EXT」)が減少方向に変化すると共に、その3つの微
分値からなる微分値群の中に正負極性の異なる微分値が
存在することとなる。また、図7におけるP2の部分を
拡大して表す図8(b)に示すように、ノックセンサ信
号の真の極小点では、上記式3の関係が成立し、連続す
る3つの微分値(「DVOLD」,「DVNOW」,
「DVNEXT」)が増加方向に変化すると共に、その
3つの微分値からなる微分値群の中に正負極性の異なる
微分値が存在することとなる。
【0071】これに対して、ノックセンサ信号に4μ程
度のパルス幅を有するノイズが重畳した場合には、図7
におけるP3の部分を拡大して表す図8(c)、或い
は、図7におけるP4の部分を拡大して表す図8(d)
に示すように、連続する3つの微分値(「DVOL
D」,「DVNOW」,「DVNEXT」)が一定方向
に変化せず、下記の式4或いは式5の関係が成立するこ
ととなる。
【0072】
【数4】「 DVOLD」>0>「DVNOW」,且つ,「DVNEXT」>0 …式4
【0073】
【数5】「 DVOLD」<0<「DVNOW」,且つ,「DVNEXT」<0 …式5 そこで、本実施形態のECU1では、上記式2と式3と
の何れか一方の関係が成立した場合(S280:YES
或いはS330:YES)にのみ、その時の「NOWA
D」の絶対値と前回までのピーク値「NOWMAX」と
を比較して、最新のピーク値「NOWMAX」を更新す
るようにしている(S290,S300)。そして、ノ
ック判定区間の終了時における「NOWMAX」を、検
出すべきピーク値P/Hmax としている(S420)。
【0074】このようなECU1によれば、従来技術の
如き上下限判定値を設定しなくても、ノックセンサ信号
の最大レベル或いは最小レベルを、ノイズに影響される
ことなく且つ容易に、ピーク値P/Hmax として検出す
ることができる。そして、ノイズに影響されることなく
ノックセンサ信号のピーク値検出を行うことができるた
め、エンジンのノックの有無を正確に判定できるように
なる。
【0075】一方更に、本実施形態の第1CPU27で
実行される図3の2μs毎処理においては、S260及
びS270の判定処理により、上記式4の関係が成立し
ているか否かを判定し、また、S310及びS320の
判定処理により、上記式5の関係が成立しているか否か
を判定している。
【0076】そして、上記S260及びS270の判定
処理によって式4の関係が成立していると判定した場合
(S260:YES及びS270:YES)、或いは、
上記S310及びS320の判定処理によって式5の関
係が成立していると判定した場合(S310:YES及
びS320:YES)には、ノックセンサ信号にノイズ
が重畳していると判断して、カウンタCTの値をインク
リメントするようにしている(S340,S350)。
【0077】つまり、本実施形態のECU1では、連続
する3つの微分値(「DVOLD」,「DVNOW」,
「DVNEXT」)の正負極性が、正→負→正、或い
は、負→正→負、といった具合に2回変化している場合
であって、図3のS250で順次算出される微分値の正
負極性が、3回のサンプリング回数内に2回変化した場
合に、ノックセンサ信号にノイズが重畳していると判定
して、カウンタCTの値を増加させるようにしている。
このため、ノイズの発生状況を的確に監視して、図4の
S470について説明したようなノイズによる悪影響を
防ぐための様々な処理を行うことができ、有利である。
【0078】尚、本第1実施形態では、図3に示した各
ステップのうちで、S240の処理が、サンプリング手
段に相当し、S250の処理が、微分手段に相当してい
る。そして、S260,S270,及びS280の処理
とS310,S320,及びS330の処理とが、判定
手段に相当し、S290及びS300の処理が、ピーク
値検出手段に相当している。また、S260及びS27
0の処理とS310及びS320の処理とが、ノイズ判
定手段に相当している。
【0079】[第2実施形態]次に、第2実施形態のE
CUについて説明する。本第2実施形態のECUは、前
述した第1実施形態のECU1に対して、下記の
(A),(B)の2点が異なっている。
【0080】(A)まず、第2CPU29は、図2のノ
ック判定区間スタート処理のS100にて、RAM33
内の「OLDAD」の値も0に初期化する。そして更
に、このS100にて、RAM33内に設定されている
時刻記憶領域TIMEに、その時の現在時刻を初期値と
してセットすると共に、RAM33内に設定されている
半周期計測領域TMに、ノックセンサ信号の通常の半周
期に相当する時間を初期値としてセットする。
【0081】尚、現在時刻は、実際には、マイコン35
内において所定の動作クロックにより常時カウントアッ
プされている周知のフリーランニングカウンタ(図示省
略)のカウント値である。また、半周期計測領域TMに
セットされる初期値は、実際には、ノックセンサ信号の
通常の半周期の時間(例えば約8kHzに相当する60
μs)を、上記動作クロックの周期で割った値である。
【0082】(B)そして、第1CPU27は、図3の
2μs毎処理に代えて、図9に示す2μs毎処理を実行
する。そこで以下、第2実施形態のECUにて第1CP
U27が実行する2μs処理について、図9に従い説明
する。
【0083】尚、図9の2μs毎処理では、図3の2μ
s毎処理に対して、S500〜S560の処理が追加さ
れている。そして、図9において、図3と同じ処理につ
いては、同一のステップ番号を付しているため、詳細な
説明は省略する。また、図9における「WOLDAD」
は、「OLDAD」よりも更に1回前の検出値(即ち、
ノックセンサ信号のレベルを前前々回にA/D変換した
A/D変換値から基準値を引いた検出値)である。
【0084】まず、第2実施形態の2μs毎処理では、
S210の処理を行った後、S500に進んで、それま
での「OLDAD」を「WOLDAD」として記憶し、
その後、S220へ進む。つまり、本第2実施形態で
は、ノックセンサ信号のレベルの2μs毎の検出値を、
最新のものから順に4つ保持するようにしている。
【0085】そして、S220〜S250の処理を行っ
た後、S510に進んで、下記の式6の関係が成立して
いるか否かを判定する。
【0086】
【数6】「 WOLDAD」<「OLDAD」<0<「NOWAD」<「NEXTAD」 …式6 つまり、図10におけるP5の部分を拡大して表す図1
1(a)に示すように、ノックセンサ信のレベルが、振
動中心レベルである基準値よりも小さい負側から上記基
準値よりも大きい正側へと変化して、その基準値を負側
から正側へ横切ったゼロクロス点では、上記式6の関係
が成立する。そこで、S510では、連続する4つの検
出値(「WOLDAD」,「OLDAD」,「NOWA
D」,「NEXTAD」)が式6の関係を満たす変化状
態にあるか否かを判定することで、ノックセンサ信号の
レベルが基準値を負側から正側へ横切ったか否かを判定
している。
【0087】そして、上記S510で式6の関係が成立
していると判定した場合には、S520に進んで、その
時の現在時刻から時刻記憶領域TIMEに記憶されてい
る時刻を引き、その引いた時間(現在時刻−TIME)
を、ノックセンサ信号の半周期の計測値として半周期計
測領域TMに記憶する。そして更に、続くS530に
て、その時の現在時刻を時刻記憶領域TIMEに更新記
憶し、その後、当該2μs毎処理を一旦終了する。
【0088】また、上記S510で式6の関係が成立し
ていないと判定した場合には、S540に進んで、今度
は下記の式7の関係が成立しているか否かを判定する。
【0089】
【数7】「 WOLDAD」>「OLDAD」>0>「NOWAD」>「NEXTAD」 …式7 つまり、図10におけるP6の部分を拡大して表す図1
1(b)に示すように、ノックセンサ信のレベルが、振
動中心レベルである基準値よりも大きい正側から上記基
準値よりも小さい負側へと変化して、その基準値を正側
から負側へ横切ったゼロクロス点では、上記式7の関係
が成立する。そこで、S540では、連続する4つの検
出値(「WOLDAD」,「OLDAD」,「NOWA
D」,「NEXTAD」)が式7の関係を満たす変化状
態にあるか否かを判定することで、ノックセンサ信号の
レベルが基準値を正側から負側へ横切ったか否かを判定
している。
【0090】そして、上記S540で式7の関係が成立
していると判定した場合にも、前述したS520に進ん
で、その時の現在時刻から時刻記憶領域TIMEに記憶
されている時刻を引き、その引いた時間(現在時刻−T
IME)を、ノックセンサ信号の半周期の計測値として
半周期計測領域TMに記憶する。そして更に、続くS5
30にて、その時の現在時刻を時刻記憶領域TIMEに
更新記憶してから、当該2μs毎処理を一旦終了する。
【0091】このため、半周期計測領域TMには、上記
S510とS540とによりノックセンサ信号のレベル
が基準値を横切ったと判定された時点の時間間隔が、ノ
ックセンサ信号の半周期の計測値として記憶されること
となる。また、時刻記憶領域TIMEには、上記S51
0とS540とによりノックセンサ信号のレベルが基準
値を横切ったと判定された時点の時刻が、記憶されるこ
ととなる。
【0092】一方、上記S540で式7の関係が成立し
ていないと判定した場合、即ち、ノックセンサ信号のレ
ベルが基準値を横切っていない場合には、S550へ進
んで、その時の現在時刻から時刻記憶領域TIMEに記
憶されている時刻を引き、その引いた時間(現在時刻−
TIME)を、ノックセンサ信号のレベルが基準値を横
切った時点からの経過時間WKとしてRAM33に記憶
する。
【0093】次に、続くS560にて、上記S550で
記憶した経過時間WKが、半周期計測領域TMに記憶さ
れている計測値の半分の時間(即ち、ノックセンサ信号
の4分の1周期)よりも所定時間T1だけ短い時間(T
M/2−T1)から、上記計測値の半分の時間よりも所
定時間T2だけ長い時間(TM/2+T2)までの時間
範囲内にあるか否かを判定する。
【0094】尚、所定時間T1,T2は、ノックセンサ
信号の最小の4分の1半周期(10kHz時:25μ
s)よりも短い時間であり、例えば15μs程度に設定
されている。また、その両時間T1,T2は、同じ値で
あっても良いし、異なる値であっても良い。
【0095】そして、上記S560で肯定判定した場合
(S560:YES)には、S260へ移行して、第1
実施形態の場合と同様にS260〜S350の何れかの
処理を行ってから、当該2μs毎処理を一旦終了する。
これに対して、上記S560で否定判定した場合(S5
60:NO)には、そのまま何もせずに当該2μs毎処
理を一旦終了する。
【0096】つまり、本第2実施形態では、ノックセン
サ信号のレベルが、基準値を横切ってから4分の1周期
が経過した時点で極大或いは極小になる点に着目してお
り、そのため、S510とS540の処理により、ノッ
クセンサ信号のレベルが基準値を横切った時点を検出
し、更にS520とS530の処理により、ノックセン
サ信号のレベルが基準値を横切った時点の時間間隔を、
ノックセンサ信号の半周期の計測値として半周期計測領
域TMに記憶するようにしている。
【0097】そして、S550とS560の処理を行う
ことで、図10に示すように、S510とS540の処
理によりノックセンサ信号のレベルが基準値を横切った
と判定された時点を基準にして、半周期計測領域TMに
記憶されている半周期の計測値の半分の時間よりも所定
時間T1だけ短い時間(TM/2−T1)が経過した時
から、上記計測値の半分の時間よりも所定時間T2だけ
長い時間(TM/2+T2)が経過するまでの間の時間
領域だけを、ピーク値「NOWMAX」を更新するため
のS260〜S330の処理を行う処理区間としてい
る。
【0098】以上のような本第2実施形態のECUで
は、ノックセンサ信号のレベルが極大或いは極小になる
時点を含むと見なされる時間領域の間のみ、ピーク値
「NOWMAX」を更新するための処理が行われること
となるため、ピーク値検出に対するノイズの影響を一層
確実に除去することができる。
【0099】また、本第2実施形態によれば、ノックセ
ンサ信号の半周期を逐次計測しているため、ノックセン
サ信号の周期が変化しても最適な処理区間を設定するこ
とができる。尚、本第2実施形態では、S510〜S5
60の処理が、検出動作制限手段に相当している。そし
て、その中で、S510及びS540の処理が、ゼロク
ロス時点検出手段に相当しており、S520及び530
の処理が、半周期検出手段に相当している。
【0100】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものでは
なく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。 (1)例えば、図3及び図9のS290及びS300で
は、「NOWAD」の代わりに「OLDAD」を用い
て、ピーク値「NOWMAX」を更新するようにしても
良い。尚、このことは、以下に説明する他の変形例につ
いても同様である。
【0101】具体的には、S290にて、「OLDA
D」の絶対値とそれまでのピーク値「NOWMAX」と
を比較し、「OLDAD」の絶対値の方が大きければ、
S300にて、その「OLDAD」の絶対値を最新のピ
ーク値「NOWMAX」として更新記憶するようにして
も良い。
【0102】(2)また、図3及び図9の2μs毎処理
において、S240では、今回のA/D変換値を、その
まま「NEXTAD」として記憶するようにしても良
い。そして、この場合には、「OLDAD」,「NOW
AD」,及び「NEXTAD」の各々が、ノックセンサ
信号のレベルの検出値をそのまま表すこととなるため、
S290では、「NOWAD」から基準値(=2.5
V)を引いた値の絶対値(|「NOWAD」−基準値
|)と、それまでのピーク値「NOWMAX」とを比較
し、前者の方が大きければ、S300にて、その「NO
WAD」から基準値を引いた値の絶対値(|「NOWA
D」−基準値|)を、最新のピーク値「NOWMAX」
として更新記憶すれば良い。
【0103】(3)一方、上記各実施形態では、ノック
センサ信号の最大レベルと最小レベルとのうちで振動中
心レベルから最も離れているレベルを、そのノックセン
サ信号のピーク値P/Hmax として検出するものであ
り、具体的には、ノックセンサ信号の基準値に対する正
方向と負方向との両方への振れ幅の最大値を、ピーク値
P/Hmax として検出するものであった。
【0104】これに対し、図3及び図9の2μs毎処理
において、S290では、「NOWAD」の絶対値では
なく、「NOWAD」のそのままの値と、それまでのピ
ーク値「NOWMAX」とを比較し、前者の方が大きい
場合に、その「NOWAD」の値を最新のピーク値「N
OWMAX」として更新記憶するようにしても良い。
【0105】そして、このようにすれば、ノックセンサ
信号の最大レベル(即ち、ノックセンサ信号の各極大点
のレベルのうちで最大のレベル)を、ピーク値P/Hma
x として検出するように変更することができる。尚、こ
の場合には、図3及び図9のS240にて、今回のA/
D変換値を、そのまま「NEXTAD」として記憶する
ようにしても良い。また、このようにノックセンサ信号
の最大レベルをピーク値P/Hmax として検出する場合
には、ノックセンサ信号の極大点だけを判別すれば良い
ため、極小点を判別するためのS310,S320,S
330,及びS350の処理は削除しても良い。
【0106】(4)また逆に、図3及び図9の2μs毎
処理において、S290では、「NOWAD」のそのま
まの値と、それまでのピーク値「NOWMAX」とを比
較し、前者の方が小さい場合に、その「NOWAD」の
値を最新のピーク値「NOWMAX」として更新記憶す
るようにしても良い。
【0107】そして、このようにすれば、ノックセンサ
信号の最小レベル(即ち、ノックセンサ信号の各極小点
のレベルのうちで最小のレベル)を、ピーク値P/Hma
x として検出するように変更することができる。尚、こ
の場合にも、上記(3)の場合と同様に、図3及び図9
のS240にて、今回のA/D変換値を、そのまま「N
EXTAD」として記憶するようにしても良い。また、
このようにノックセンサ信号の最小レベルをピーク値P
/Hmaxとして検出する場合には、ノックセンサ信号の
極小点だけを判別すれば良いため、極大点を判別するた
めのS260,S270,S280,及びS340の処
理は削除しても良い。
【0108】(5)一方更に、図3及び図9の2μs毎
処理において、S260とS310との両方で否定判定
した場合(S260:NO及びS310:NO)に、そ
のまま当該2μs毎処理を終了するのではなく、S29
0へ移行するようにしても良い。
【0109】(6)ところで、上記各実施形態では、連
続する3つの微分値(「DVOLD」,「DVNO
W」,「DVNEXT」)を用いたが、連続する4つ以
上の微分値からノックセンサ信号のノイズではない真の
極大点或いは極小点を見つけるようにしても良い。
【0110】例えば、連続する4つの微分値を用いる場
合には、まず、図3及び図9におけるS200の前に、
それまでの「DVOLD」を「DVWOLD」として記
憶する処理を追加すれば、その「DVWOLD」を、
「DVOLD」よりも1回前の微分値として保持するこ
とができる。そして、図3及び図9におけるS260〜
S280及びS310〜S330の処理では、下記の式
8或いは式9の関係が成立しているか否かを判定し、式
8或いは式9の関係が成立していれば、S290へ移行
すれば良い。
【0111】
【数8】「 DVWOLD」>「DVOLD」>0>「DVNOW」>「DVNEXT」 …式8
【0112】
【数9】「 DVWOLD」<「DVOLD」<0<「DVNOW」<「DVNEXT」 …式9 そして、このように処理に用いる微分値の数を増やせ
ば、ノックセンサ信号の真の極大点或いは極小点とノイ
ズによる偽りの極大点或いは極小点とを、より確実に区
別することができる。また、3つよりも多くの微分値を
用いる場合には、その並びのうちの2箇所以上におい
て、微分値の正負極性が変化している場合に、ノイズが
重畳していると判定すれば良い。
【0113】(7)一方、上記各実施形態では、エンジ
ンにノックセンサ3が1つだけ取り付けられている場合
について説明したが、V型エンジンのようにノックセン
サ3が複数個取り付けられる場合には、その各ノックセ
ンサについて、前述した処理を行うようにすれば良い。
【0114】(8)また、上記各実施形態では、ノック
センサ3が、エンジンのシリンダブロックに装着される
振動型のセンサであったが、本発明は、内燃機関のシリ
ンダ内に流れるイオン電流に応じた振動波を出力するノ
ックセンサについても、同様に適用することができる。
【0115】(9)また更に、上記各実施形態のECU
は、ノックセンサ3からのセンサ信号を検出対象とする
ものであったが、本発明は、振動波であるセンサ信号の
最大レベル或いは最小レベルをピーク値として検出する
あらゆる装置に対して、同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電子制御装置(ECU)の構成を
表すブロック図である。
【図2】 第2CPUで実行されるノック判定区間スタ
ート処理を表すフローチャートである。
【図3】 第1CPUで実行される2μs毎処理を表す
フローチャートである。
【図4】 第2CPUで実行されるノック判定区間スト
ップ処理を表すフローチャートである。
【図5】 ノックセンサから出力されるノックセンサ信
号及びその微分波形を説明する説明図である。
【図6】 図3の2μs処理で扱われるデータを説明す
る説明図である。
【図7】 ノックセンサ信号にノイズが重畳した場合
の、その微分波形を説明する説明図である。
【図8】 図7の一部を拡大して表す説明図である。
【図9】 第1CPUで実行される第2実施形態の2μ
s毎処理を表すフローチャートである。
【図10】 図9の2μs毎処理の作用を説明する説明
図である。
【図11】 図10の一部を拡大して表す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…電子制御装置(ECU) 3…ノックセンサ
5…帯域通過フィルタ 7…回転角センサ 11…入力回路 23…マルチ
プレクサ 25…A/D変換器 27…第1CPU 29…第
2CPU 31…ROM 33…RAM 35…マイクロコン
ピュータ(マイコン)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサから振動波として出力されるセン
    サ信号を入力し、該センサ信号の最大レベル或いは最小
    レベルを、前記センサ信号のピーク値として検出するセ
    ンサ信号のピーク値検出方法であって、 前記センサ信号を微分し、その微分波形から、前記セン
    サ信号の極大点或いは極小点と前記センサ信号に重畳し
    たノイズとを区別して、その区別したセンサ信号の極大
    点或いは極小点のレベルから前記ピーク値を検出するこ
    と、 を特徴とするセンサ信号のピーク値検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセンサ信号のピーク値
    検出方法において、 前記センサ信号の微分波形の正負極性が、予め定められ
    た設定時間の間に1回のみ変化した場合に、その正負極
    性の変化時における前記センサ信号のレベルを仮のピー
    ク値とし、それが前回までのピーク値を越えていれば、
    その仮のピークを最新のピーク値として更新すること、 を特徴とするセンサ信号のピーク値検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のセンサ信
    号のピーク値検出方法において、 前記センサは、内燃機関に発生するノックを検出するた
    めのノックセンサであること、 を特徴とするセンサ信号のピーク値検出方法。
  4. 【請求項4】 センサから振動波として出力されるセン
    サ信号を入力し、該センサ信号の最大レベル或いは最小
    レベルを、前記センサ信号のピーク値として検出するセ
    ンサ信号処理装置であって、 前記センサ信号のレベルを一定時間毎に検出するサンプ
    リング手段と、 該サンプリング手段による今回の検出値と前回の検出値
    との差を、前記センサ信号の前記一定時間毎の微分値と
    して順次算出する微分手段と、 該微分手段により連続して算出された少なくとも3つ以
    上の微分値が一定方向に変化しており、且つ、その3つ
    以上の微分値からなる微分値群の中に正負極性の異なる
    微分値があるか否かを判定する判定手段と、 該判定手段により肯定判定されると、その肯定判定され
    た前記微分値群をなす微分値のうちで、正負極性が変化
    した直後の微分値に対応する2つの検出値の何れか一方
    を仮のピーク値とし、それが前回までのピーク値を越え
    ていれば、その仮のピーク値を最新のピーク値として更
    新記憶するピーク値検出手段と、 を備えていることを特徴とするセンサ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のセンサ信号処理装置に
    おいて、 前記センサ信号のレベルが極大或いは極小になる時点を
    含むと見なされる時間領域を設定し、その設定した時間
    領域の間のみ、前記判定手段と前記ピーク値検出手段を
    作動させる検出動作制限手段を備えたこと、 を特徴とするセンサ信号処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のセンサ信号処理装置に
    おいて、 前記検出動作制限手段は、 前記サンプリング手段による検出値の変化状態から、前
    記センサ信号のレベルが該センサ信号の振動中心レベル
    を横切った時点を検出するゼロクロス時点検出手段と、
    該ゼロクロス時点検出手段により検出される時点の時間
    間隔を、前記センサ信号の半周期として検出する半周期
    検出手段とを備えており、前記ゼロクロス時点検出手段
    により検出された時点を基準にして、前記半周期検出手
    段により検出された半周期の半分の時間よりも所定時間
    だけ短い時間が経過した時から、前記半周期の半分の時
    間よりも所定時間だけ長い時間が経過するまでの間を、
    前記時間領域として設定すること、 を特徴とするセンサ信号処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6の何れかに記載
    のセンサ信号処理装置において、 前記微分手段により算出された微分値の正負極性が、所
    定サンプリング回数以内に2回以上変化した場合に、前
    記センサ信号にノイズが重畳していると判定するノイズ
    判定手段を備えていること、 を特徴とするセンサ信号処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし請求項7の何れかに記載
    のセンサ信号処理装置において、 前記センサは、内燃機関に発生するノックを検出するた
    めのノックセンサであること、 を特徴とするセンサ信号処理装置。
JP10115642A 1998-04-24 1998-04-24 センサ信号のピーク値検出方法及びセンサ信号処理装置 Pending JPH11304657A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009251380A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Sumitomo Electric Ind Ltd スロットロッドのスロット形状検出方法
JP2012032175A (ja) * 2010-07-28 2012-02-16 Fanuc Ltd ノイズレベル検出機能付きエンコーダ
JP2020024177A (ja) * 2018-08-08 2020-02-13 キヤノン株式会社 ゼロクロス判別装置、制御装置および画像形成装置

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