JP5004334B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
一般的な電子写真プロセスを用いた画像形成装置(レーザプリンタ)について説明する。
このような画像形成装置の熱定着器は、電子写真プロセス等の画像形成手段により転写紙上に形成された未定着画像(トナー像)を転写紙上に定着させるものである。この熱定着器には、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の熱定着器やセラミック面発ヒータを熱源とするフィルム加熱式の熱定着器が用いられている(特許文献1,2)。
この熱定着器のヒータは一般的に、トライアック等のスイッチング素子を介して交流電源に接続されており、この交流電源から電力が供給されている。またヒータを熱源とする熱定着器には温度検出素子、例えばサーミスタ感温素子が設けられており、この温度検出素子により検出された温度情報を基にスイッチング素子をオン/オフ制御して、熱定着器の温度が目標の温度になるように制御される。またセラミック面発ヒータのオン/オフ制御は通常、入力商用電源の位相制御又は波数制御により行われる。
また、トライアック等のスイッチング素子の故障や電力制御の暴走によりヒータが異常発熱した場合には、温度検出素子によりヒータの過昇温を検出して、交流電源からヒータへの電力供給を遮断している。
特開昭63−313182号公報 特開平02−157878号公報 特開2004−226557号公報
熱定着器の温調制御する際に、シーケンスコントローラは、温度検出素子で検出される温度と、予め設定されている目標温度とを比較して、上述したヒータに供給する電力比を算出する。そして、その電力比に相当する位相角或は波数を決定し、その位相条件又は波数条件で、ヒータを駆動しているスイッチング素子をオン/オフ制御する。
ここで商用電源から画像形成装置に供給される電流は、例えばULや電安法などにより、上限の電流値が定められている。ヒータに電力を供給する交流電源は、例えば85V〜140V或は187V〜264Vというように電圧範囲が広い。またヒータの抵抗値も製造上のバラツキを持つ。例えばヒータの抵抗値精度が±10%の場合、全点灯でヒータに通電される電流は85V〜140Vで約2.1倍、187V〜264Vで約1.7倍の電流差を生じる。また商用電源から画像形成装置に供給される電流は、ヒータとヒータを除く回路に供給される電流の合成電流となる。ヒータに流れる電流が一定の場合でも、上述した合成電流の力率やヒータを除く回路が消費する電力によって、商用電源から画像形成装置に供給される電流値は変化する。前述した様に、商用電源から画像形成装置に供給される電流値が変化する、いずれの場合にも、商用電源から画像形成装置に供給される電流が、所定の上限の電流を超えない様に、ヒータに供給する電力比の上限を設定すると、
つまり、必要以上にヒータに供給可能な電力を低下させてしまう場合があった。
そこで特許文献3で提案されているように、ヒータへの通電電流を検知して最大供給可能な電流値以下になるようにヒータへの供給電力を制御することが考えられる。ここで一般的に、高出力であるセラミック面発ヒータに電力を供給して温度制御する際に、制御の応答性を速くするため位相制御を行う場合が多い。
このように制御の応答性が速くなると小さい周期で電流を検出する必要が生じ、制御位相角により電流平均値と実効値の差も大きなる。ヒータへの供給電力を制御する場合、最大供給可能な電流値が実効値で規定されることが多いため、平均値で電流を検知している場合、シーケンスコントローラで実効値に変換する誤差が制御の精度に影響することになる。
また、特許文献3で提案されているように、ヒータへ供給する電流の上限を予め定められた固定値にすると、前述した様に、商用電源から画像形成装置に供給される電流値が変動する、いずれの場合にも、商用電源から画像形成装置に供給される電流が、所定の上限の電流を超えない様に、ヒータへ供給する電流の上限値を設定する必要がある。つまり、必要以上にヒータに供給可能な電力を低下させてしまう場合があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決することにある。
本発明の特徴は、画像形成装置への入力電流と共にヒータの消費電流を検出し、ヒータに供給する電力比の上限値を算出することによって、商用電源の電圧変動、及び低圧電源の負荷変動に対応しつつ、ヒータへ供給する電力を上限値を超えない範囲で制御する技術を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像形成装置は以下のような構成を備える。即ち、
記録材に画像を形成する画像形成装置において、
商用電源から供給される電力により発熱するヒータを有し、記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
前記ヒータ以外の負荷を駆動する低圧電源と、
商用電源から前記ヒータと前記低圧電源に分岐する前の前記装置への入力電流を検出し、検出した電流に対応する電流実効値または電流実効値の二乗値を出力する第1電流検出手段と、
商用電源から前記ヒータと前記低圧電源に分岐した後の前記ヒータに流れる電流を検出し、検出した電流に対応する電流実効値または電流実効値の二乗値を出力する第2電流検出手段と、
商用電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する電力制御手段と、
を有し、
前記電力制御手段は、
前記第1電流検出手段の電流実効値の二乗値I2fを、前記第2電流検出手段の電流実効値の二乗値I1fの一次方程式に近似した下記式1を用いることで前記一次方程式の切片βを算出し、
I2f=I1f+β(式1)
更に、前記装置に通電可能な電流の上限値として予め設定されている上限値Ilimit2から前記切片βを減じた値を前記ヒータに通電可能な電流の上限値Ilimit1として下記式2に基づき算出し、
Ilimit1=Ilimit2−β(式2)
更に、前記上限値Ilimit1、前記第2電流検出手段の電流実効値の二乗値I1f、前記第1及び第2電流検出手段によって電流を検出する時に前記ヒータに供給した電力比D、から下記式3に基づき前記ヒータに供給する電力比の上限値Dlimitを算出し、
Dlimit=(Ilimit1/I1f)×D(式3)
前記電力比の上限値Dlimit以下の範囲内で前記ヒータに供給する電力を制御することを特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置への入力電流と共にヒータの消費電流を検出し、ヒータに供給する電力比の上限値を算出することによって、商用電源の電圧変動、及び低圧電源の負荷変動に対応しつつ、ヒータへ供給する電力を上限値を超えない範囲で制御することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る電子写真プロセスを用いた画像形成装置(レーザプリンタ)の概略構成図である。
レーザプリンタ本体101(以下、本体101)は、記録シートSを収納するカセット102が装着可能で、このカセット102から供給される記録シートSに画像を形成する。103は、カセット102の記録シートSの有無を検知するカセット有無センサである。104は、カセット102に収容されている記録シートSのサイズを検知するカセットサイズセンサで、ここでは例えば複数のマイクロスイッチで構成されている。105は、カセット102から記録シートSをピックアップして搬送する給紙ローラである。この給紙ローラ105の下流には記録シートSを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。また、このレジストローラ対106の下流には、レーザスキャナ部107からのレーザ光に基づいて記録シートS上にトナー像を形成する画像形成部108が設けられている。更に、この画像形成部108の下流には、記録シートS上に形成されたトナー像を熱定着する定着器109が設けられている。そして、この定着器109の下流には、排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録シートSを排紙する排紙ローラ対111、画像が形成されて定着された記録シートSを積載して収容する積載トレイ112が設けられている。尚、ここでこの記録シートSの搬送基準は、記録シートSの搬送方向に直交する方向の長さ、つまり記録シートSの幅に対して、略中央になるように設定されている。
またレーザスキャナ部107は、外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113を有している。このレーザユニット113からのレーザ光は、ポリゴンモータ114により回転駆動されるポリゴンミラーにより反射され、結像レンズ115、折り返しミラー116等により反射されて感光ドラム117上を走査する。
画像形成部108は、公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、一次帯電ローラ119、現像器120、転写帯電ローラ121、クリーナ122等を有している。また定着器109は、定着フィルム109a、加圧ローラ109b、定着フィルム109a内部に設けられたセラミックヒータ109c、セラミックヒータ109cの表面温度を検出するサーミスタ109dを有している。
また、メインモータ123は、給紙ローラ105に対して給紙ローラクラッチ124を介して回転力を与えている。またレジストローラ対106には、レジストローラクラッチ125を介して回転力を与えている。更に、感光ドラム117を含む画像形成部108の各ユニット、定着器109、排紙ローラ対111にも駆動力を与えている。
126はエンジンコントローラであり、レーザスキャナ部107、画像形成部108、定着器109による電子写真プロセスの制御、及び本体101での記録シートSの搬送制御等を行なっている。127はビデオコントローラであり、パーソナルコンピュータ等の外部装置131と汎用のインタフェース(セントロニクス、RS232C等)130で接続されている。ビデオコントローラ127は、この汎用インタフェース130を介して送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータをVDO信号として、エンジンコントローラ126へ送出している。
図2は、本発明の実施の形態において、セラミックヒータ109cへの通電駆動を制御するヒータ制御回路(電力供給制御回路)の構成を示すブロック図である。
201は、この画像形成装置が接続される交流電源を示している。この画像形成装置は、交流電源201をACフィルタ202,カレントトランス225,リレー241を介してセラミックヒータ109cの発熱体203,発熱体220へ供給している。これによりセラミックヒータ109cを構成する発熱体203、発熱体220を発熱させる。この発熱体203への電力の供給は、トライアック204の通電、遮断により制御される。抵抗205,206は、このトライアック204のバイアス抵抗で、フォトトライアックカプラ207は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。このフォトトライアックカプラ207の発光ダイオードに通電することにより、トライアック204がオンされる。抵抗208は、フォトトライアックカプラ207に流れる電流を制限するための抵抗であり、トランジスタ209によりフォトトライアックカプラ207への通電がオン/オフされる。このトランジスタ209は、抵抗210を介してエンジンコントローラ126から供給される信号(ON1)に従って動作する。
また発熱体220への電力の供給は、トライアック213の通電、遮断により制御される。抵抗214,215は、トライアック213のバイアス抵抗で、フォトトライアックカプラ216は、一次、二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。このフォトトライアックカプラ216の発光ダイオードに通電することにより、トライアック213をオンすることができる。抵抗217は、フォトトライアックカプラ216に流れる電流を制限するための抵抗である。トランジスタ218は、抵抗219を介してエンジンコントローラ126から供給される信号(ON2)に従って、このフォトトライアックカプラ216による通電をオン/オフしている。
また、交流電源201は、ACフィルタ202を介してゼロクロス検出回路212に入力される。このゼロクロス検出回路212は、商用電源電圧が、閾値以下の電圧になっていることをエンジンコントローラ126に対してパルス信号で報知する。以下、このエンジンコントローラ126に送出される信号をZEROX信号と呼ぶ。エンジンコントローラ126は、このZEROX信号のパルスのエッジを検知し、位相制御又は波数制御によりトライアック204或は213のオン/オフを制御している。
これらトライアック204及び213に制御されて発熱体203及び220に通電されるヒータ電流は、カレントトランス225によって電圧変換され、電流検出回路227に入力される。この電流検出回路27は、電圧変換されたヒータ電流波形を実効値もしくはその2乗値に変換し、HCRRT1信号としてエンジンコントローラ126に入力される。こうして入力されたHCRRT1信号は、エンジンコントローラ126でA/D変換され、デジタル値で管理される。
またACフィルタ202を介して入力される交流電源201からの電流は、カレントトランス226によって電圧変換され、電流検出回路228に入力される。この電流検出回路228では、電圧変換されたヒータ電流波形を、実行値もしくはその2乗値に変換し、HCRRT2信号としてエンジンコントローラ126に入力する。こうして入力されたHCRRT2信号は、エンジンコントローラ126でA/D変換され、デジタル値で管理される。
サーミスタ109dは、発熱体203,220が形成されているセラミックヒータ109cの温度を検知するための、例えば、サ−ミスタ感温素子である。このサーミスタ109dは、セラミックヒータ109c上に発熱体203,220に対して絶縁距離を確保できるように、絶縁耐圧を有する絶縁物を介して配置されている。このサーミスタ109dによって検出される温度は、抵抗222と、サーミスタ109dとの分圧として検出され、エンジンコントローラ126にTH信号として入力される。こうして入力されたTH信号は、エンジンコントローラ126でA/D変換され、デジタル値で管理される。
このセラミックヒータ109cの温度は、TH信号としてエンジンコントローラ126で監視されている。そしてエンジンコントローラ126で設定されているセラミックヒータ109cの設定温度と比較することによって、セラミックヒータ109cを構成する発熱体203,220に供給するべき電力比を算出する。そして、その供給する電力比に対応した位相角(位相制御)又は波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりエンジンコントローラ126がトランジスタ209にON1信号、或はトランジスタ218にON2信号を送出する。こうしてセラミックヒータ109cの温度が制御される。ここで発熱体203,220に供給する電力比を算出する際に、電流検出回路227と電流検出回路228から報知されるHCRRT1信号、HCRRT2信号を基に上限の電力比を正確に算出して、その上限の電力比以下の電力が通電されるように制御する。例えば、位相制御の場合、下記のような制御テーブルがエンジンコントローラ126に設けられており、この制御テーブルに基づいて制御する。
Figure 0005004334

更に、発熱体203,220に電力を供給して制御する回路など故障して発熱体203,220が熱暴走に至った場合、その過昇温を防止する一手段として、過昇温防止部223がセラミックヒータ109cに配されている。この過昇温防止部223は、例えば温度ヒューズやサーモスイッチである。発熱体203,220が熱暴走になって過昇温防止部223が所定の温度以上になると、この過昇温防止部223が開放状態となって発熱体203及び220への通電が遮断される。
またTH信号として監視されているセラミックヒータ109cの温度制御のために、エンジンコントローラ126で温度制御の設定温度とは別に異常高温を検知するための異常温度値が設定されている。これによりTH信号が示す温度情報が、その異常温度値以上になった場合は、エンジンコントローラ126はRLD信号をロウレベルにする。これによりトランジスタ242がオフ状態になってリレー241を開放する。こうして発熱体203及び220への通電が遮断される。通常、温度制御時には、エンジンコントローラ126はRLD信号を常にハイレベルで出力してトランジスタ242をオンにし、リレー241をオン(導通状態)にしている。抵抗243は電流制限抵抗であり、抵抗244は、トランジスタ242のベース・エミッタ間のバイアス抵抗である。ダイオード245はリレー241のオフ時の逆起電力吸収用素子である。
図3(A)(B)は、本実施の形態に係るセラミックヒータ109cの概略を説明する図である。図3(A)は、セラミック面発ヒータの断面図、図3(B)の301は、発熱体203,220が形成されている面を示しており、図3(B)の302は、301が示す面と相対する面を示している(図3(A)参照)。
このセラミック面発ヒータ109cは、SiC,AlN,Al2O3等のセラミックス系の絶縁基板331と、この絶縁基板331面上にペースト印刷等で形成されている発熱体203,220と、2本の発熱体を保護しているガラス等の保護層334から構成されている。この保護層334上に、セラミック面発ヒータ109cの温度を検出するサーミスタ109dと過昇温防止部223が配置されている。これらは記録シートの搬送基準、つまり発熱部203a,220aの長さ方向の中心に対して左右対称な位置で、かつ通紙可能な最小の記録シート幅よりも内側の位置に配設されている。
発熱体203は、電力が供給されると発熱する部分203aと、コネクタを介して電力が供給される電極部203c,203dと、これら電極部203c,203dと発熱体203とを接続する導電部203bとを有している。また発熱体220は、電力が供給されると発熱する部分220aと、コネクタを介して電力が供給される電極部203c,220dと、電極部203c,220dと接続される導電部220bとを有している。電極部203cは、2本の発熱体203と220に共通に接続されており、発熱体203,220の共通電極となっている。また発熱体203,220が印刷されている絶縁基板331との対向面側に摺動性を向上させるためにガラス層が形成される場合もある。
この共通電極203cは、交流電源201のHOT側端子から過昇温防止部223を介して接続される。電極部203dは、発熱体203を制御するトライアック204に接続され、交流電源201のNeutral端子に接続される。電極部220dは、発熱体220を制御するトライアック213と電気的に接続され、交流電源201のNeutral端子に接続される。セラミックヒータ109cは、図4(A)(B)に示すように、フィルムガイド62によって支持されている。
図4(A)(B)は、本実施の形態に係る熱定着器109の概略構成を示す図で、図4(A)は、絶縁基板331に対して、発熱体203,220がニップ部と反対側にある場合を示し、図4(B)は、絶縁基板331に対して、発熱体203,220がニップ部側に位置している場合を示している。
定着フィルム109aは、円筒状の耐熱材製の定着フィルムであり、セラミックヒータ109cを下面側に支持させたフィルムガイド62に外嵌させてある。そして、このフィルムガイド62の下面のセラミックヒータ109cと、加圧部材としての弾性加圧ローラ109bとを、定着フィルム109aを挟ませて弾性加圧ローラ109bの弾性に抗して所定の加圧力をもって圧接させている。こうして加熱部としての所定幅の定着ニップ部を形成している。また過昇温防止部223、例えば、サーモスタットがセラミックヒータ109cの絶縁基板331面上、或は保護層334面上に当接されている。この過昇温防止部223は、フィルムガイド62に位置を矯正され、過昇温防止部223の感熱面がセラミックヒータ109cの面上に当接されている。図示はしていないが、サーミスタ109dも同様に、このセラミックヒータ109cの面上に当接されている。ここで、図4(A)のように、セラミックヒータ109cは発熱体203,220がニップ部と反対側にあっても良く、或は図4(B)のように、発熱体203,220がニップ部側にあってもかまわない。また、定着フィルム109aの摺動性を上げるために、定着フィルム109aとセラミックヒータ109cとの界面に摺動性のグリースを塗布してもかまわない。
図5は、本実施の形態に係る電流検出回路227の構成を説明するブロック図、図7は、この電流検出回路227の動作を説明するための波形図である。
図7の601では、発熱体203に電流I1が流されると、カレントトランス225によって、その電流波形が二次側で電圧変換される。このカレントトランス225の電圧出力をダイオード51a,53aによって整流し、負荷抵抗として抵抗52a,54aを接続している。603は、このダイオード53aによって半波整流された波形を示す。この電圧波形は、抵抗55aを介して乗算器56aに入力される。この乗算器56aは、604で示すように、2乗した電圧波形を出力する。この2乗された波形は、抵抗57aを介してオペアンプ59aの−端子に入力される。このオペアンプ59aの+端子には、抵抗58aを介してリファレンス電圧84aが入力されており、帰還抵抗60aにより反転増幅される。尚、このオペアンプ59aは片電源から電源が供給されているものとする。
605は、リファレンス電圧84aを基準に反転増幅された波形を示す。このオペアンプ59aの出力は、オペアンプ72aの+端子に入力される。オペアンプ72aでは、リファレンス電圧84aと、その+端子に入力された波形の電圧差と、抵抗71aで決定される電流がコンデンサ74aに流入されるようにトランジスタ73aを制御している。こうしてコンデンサ74aは、リファレンス電圧84aと、その+端子に入力された波形の電圧差と抵抗71aで決定される電流で充電される。
ダイオード53aによる半波整流区間が終わると、コンデンサ74aへの充電電流がなくなるため、その電圧値がピークホールドされる。そして606に示すように、ダイオード51aの半波整流期間にDIS信号によりトランジスタ75aをオンする。これにより、コンデンサ74aの充電電圧が放電される。607で示すように、トランジスタ75aは、エンジンコントローラ126からのDIS信号によりオン/オフされており、602で示すZEROX信号を基に、トランジスタ75aのオン/オフ制御を行っている。このDIS信号は、ZEROX信号の立上がりエッジから所定時間Tdly後にオンし、ZEROX信号の立下がりエッジと同じタイミング、もしくは直前でオフする。これにより、ダイオード53aの半波整流期間であるヒータの通電期間を干渉することなく制御できる。
つまり、コンデンサ74aのピークホールド電圧V1fは、カレントトランス225によって電流波形が二次側に電圧変換された波形の2乗値の半周期分の積分値となる。こうしてコンデンサ74aにピークホールドされた電圧値が、電流検出回路227からHCRRT1信号としてエンジンコントローラ126に送出される。
図6は、本実施の形態に係る電流検出回路228の構成を説明するブロック図、図8は、この電流検出回路228の動作を説明するための波形図である。
701は、ACフィルタ202を介して供給される電源電流I2を示し、この電流I2はカレントトランス226によって二次側で電圧変換される。この電源電流I2は、ヒータ109c(発熱体203,220)に流す電流I1(601)と、低圧電源(LVPS)電流I3との合計である。
このカレントトランス226からの電圧出力をダイオード51b,53bによって整流し、負荷抵抗として52b,54bを接続している。703は、ダイオード53bで半波整流された電圧波形を示し、この波形は抵抗55bを介して乗算器56bに入力される。704は、この乗算器56bにより2乗された波形を示す。この2乗された電圧波形は、抵抗57bを介してオペアンプ59bの−端子に入力されている。一方、このオペアンプ59bの+端子には、抵抗58bを介してリファレンス電圧84bが入力されており、帰還抵抗60bにより反転増幅される。尚、このオペアンプ59bは、片電源で電源供給されている。こうしてリファレンス電圧84bを基準に反転増幅された波形、つまり、オペアンプ59bの出力は、オペアンプ72bの+端子に入力される。
オペアンプ72bは、リファレンス電圧84bと、その+端子に入力された波形の電圧差と抵抗71bに決定される電流がコンデンサ74bに流入されるようにトランジスタ73bを制御している。これによりコンデンサ74bは、リファレンス電圧84bと+端子に入力された波形の電圧差と抵抗71bで決定される電流で充電される。ダイオード53bによる半波整流区間が終わると、コンデンサ74bへの充電電流がなくなるため、その電圧値がピークホールドされる。ここでダイオード51bの半波整流期間にトランジスタ75bをオンすることにより、コンデンサ74bにチャージされた電圧を放電する。このトランジスタ75bは、707で示す、エンジンコントローラ126からのDIS信号によりオン/オフされており、702で示す、ZEROX信号を基にトランジスタ75bを制御している。DIS信号は、ZEROX信号の立上がりエッジから所定時間Tdly後にオンし、ZEROX信号の立下がりエッジ、もしくは直前でオフすることにより、ダイオード53bの半波整流期間のヒータ電流期間に干渉することなく制御することができる。
つまり、コンデンサ74bのピークホールド電圧V2fは、カレントトランス226によって電流波形が二次側に電圧変換された波形の2乗値の半周期分の積分値となる。706では、コンデンサ74bの電圧が、706で示すHCRRT2信号として、電流検出回路228からエンジンコントローラ126に送出される。
次に、本実施の形態における定着器109の制御シーケンスについて説明する。
図9は、本実施の形態1に係る画像形成装置のエンジンコントローラ126による制御処理を説明するフローチャートである。
まずステップS1で、エンジンコントローラ126にて、セラミックヒータ109cへの電力供給開始の要求が発生するかを判断し、要求が発生するとステップS2に進み、発熱体203及び220の両方に同一の所定の固定デューティDで通電する。ここでは固定デューティDに相当する位相角αで、ON1,ON2信号のオンパルスがZEROX信号をトリガにして、エンジンコントローラ126よリ送出される。これにより発熱体203及び220には、位相角αで電流が供給される。
次にステップS3に進み、低圧電源(LVPS)に流れる電流が画像形成中の最大値となるように、低圧電源の負荷(モータ等)を駆動させる。
画像の形成を開始する前に、ジャムや故障検知のため低圧電源の負荷を駆動させる場合は、そのシーケンスを利用してもよい。
次にステップS4に進み、固定デューティDで通電し、低圧電源の負荷を駆動させている状態で、電流検出回路227から送られてくるHCRRT1信号により電圧V1f(電流値I1fに相当)を取得する。これは前述したようにコンデンサ74aでピークホールドされた電圧値V1fに該当している。即ち、図7に示すHCRRT1信号のピークホールド値である。この実施の形態では、ZEROX信号をトリガにして、ZEROX信号の立上がりエッジからDIS信号を送出するまでの間、Tdlyの期間内にこの値を取得する。この期間Tdlyは、エンジンコントローラ126がピークホールド値V1fを検知するのに十分な時間に設定されている。また固定デューティDは、予め想定されている入力電圧範囲やヒータの抵抗値等を考慮して、許容電流を超えない設定とする。つまり、入力電圧が最大値、抵抗値が最小値、低圧電源(LVPS)電流が最大値の場合を想定して固定デューティDを設定する。尚、図9及び図10のフローチャートの説明では、電流値を検出し、その電流値に基づいて上限電流値及び上限デューティを求めるように説明しているが、前述したように、実際はピークホールドされた電圧値を検出している。そして、この電圧値に対応する電流値を求めて計算を実行している。
次にステップS5に進み、固定デューティDで通電し、低圧電源の負荷を駆動させている状態で、HCRRT2信号により電圧値V2fの値(電流値I2fに相当)を取得する。この電圧値V2fは、商用電源201の電流をACフィルタ202を介した電圧値であり、この電圧値V2f(電流値I2f)を所定の値以内に抑える必要がある。
次にステップS6に進み、エンジンコントローラ126において、その取得した電圧値V1fと電圧値V2f(電流値I1fとI2f)とを基に、ヒータ109c(発熱体203,220)に通電可能な電流の上限電流値Ilimit1を算出する。ここで、HCRRT1信号が示す電圧値V1fと、HCRRT2信号が示す電圧値V2f値は、上述したように、2乗波形の商用周波数の半周期分の積分値である。ここで、電流値I3fをヒータ109cを除いた全回路(LVPS)に流れる電流の2乗波形の商用周波数の半周期分の積分値とすると、
I2f=∫(I1+I3)2・dt
=∫I1(I1+2×I3)・dt+I3f
ここで、I1≫2×I3が成り立つ時、
I2f≒I1f+I3f
となる。こうして固定デューティDで通電し、低圧電源の負荷を駆動させている状態で、HCRRT1信号より取得した電圧値V1f(電流値I1f)と、HCRRT2信号により取得した電圧値V2f(電流値I2f)により、電流値I3fを求めることができる。このI3fの値を切片βと置すると、電流値I2fは、電流値I1fの一次式で近似することができる。即ち、
I2f≒I1f+β
と表すことができる。
ここで、HCRRT2信号が報知するI2f値は、前記で説明したように、2乗波形の商用周波数半周期分の積分値である。商用周波数を特定の周波数、例えば予め50Hzと設定しておくと、I2f値は50Hzにおける電流値となる。
エンジンコントローラ126は、ZEROX信号の立下がりエッジから立下がりエッジまでの時間間隔Tを検出することにより、商用周波数を検知することができる。よって、電流値I1fの50Hz換算値をI150とすると、ZEROX周期Tより、
I150=I1f×(1/T)/50
また、電流値I2fの50Hz換算値をI250とすると、ZEROX周期Tより、
I250=I2f×(1/T)/50
で表すことができる。
こうして固定デューティDで通電し、低圧電源の負荷を駆動させている状態で、HCRRT1信号より取得した電圧値V1f(電流値I1f)とHCRRT2信号により取得した電圧値V2f(電流値I2f)とZEROX周期Tより算出した、50Hz換算の電流値I150と、I250とを用いて、下式り切片βを算出することができる。
β≒I250−I150
ここで、予め設定されている通電可能な電流値Ilimit2を、50Hzにおける電流制限値としておく。エンジンコントローラ126で、Ilimit2から、上記の式より求めた切片βを減算することによって、ヒータ109c(発熱体203,220)に通電可能な電流の上限電流値Ilimit1を算出することができる。ここで、Ilimit1は、50Hzにおける電流制限値とする。
Ilimit1≒Ilimit2−β
但し、算出したIlimit1の電流値を、ヒータ109c(発熱体203,220)に供給すると、ヒータに供給できる定格電力を超えてしまう場合は、ヒータに通電可能な上限電流値Ilimit1を、ヒータに通電可能な許容電流値以下に設定する。
次にステップS7に進み、エンジンコントローラ126において、取得した電圧値V1f(電流値I1f)から算出した、50Hz換算の電流値I150と、固定デューティDと、ステップS4で求めた上限電流値Ilimit1から、通電可能な上限の電力デューティDlimitを算出する。
ここで通電可能な電流値Ilimit1が50Hzにおける電流制限値であるため、上限のデューティDlimitは、以下の式で求められる。
Dlimit=(Ilimit1/I150)×D
このDlimitを上限デューティとし、ステップS8に進みヒータ温調制御を開始する。
ここで、エンジンコントローラ126に設定されている所定の温度になるように、TH信号からの情報を基に、例えばPI制御により発熱体203,220に供給する電力を制御する。目標の温度情報とTH信号からの温度情報の差分から供給する電力デューティを決定している。但し、算出された電力デューティが上限デューティDlimitを超える場合は、その上限値としてDlimitの比率の電力を供給する。つまりステップS8では、上限デューティDlimit以下でのデューティでヒータ温調制御を行う。この上限デューティDlimitに相当する位相角αlimit以下の位相角で位相制御を行うことになる。

そしてステップS9で、ヒータ温調制御終了の要求がくるまで、算出された上限デューティDlimit以下で制御を行う。
上述の説明では。ヒータ109cを構成する発熱体203,220が2つの場合で説明したが本発明はこれに限定されるものでなく、発熱体が1本の場合であっても、同様の制御が可能である。
以上説明したように本実施の形態1によれば、定着器109の立上げ時に所定の電力比で電力を供給し、低圧電源(LVPS)に流れる電流がプリントシーケンス中の最大値となるように、低圧電源の負荷(モータ等)を駆動させた状態において、電流検出回路227と電流検出回路228から報知されるHCRRT1信号とHCRRT2信号とを基に上限の電力比を算出する。そして、その上限の電力比以下の電力が通電されるように制御できる。
これにより、上述した近似式の近似条件“I1≫2×I3”を満たす場合、商用電源に供給される電流が所定の上限電流を超えない範囲で、負荷に供給される電力を制御することができる。
また、実効値の2乗値を検出して周波数を補正し、ヒータ109c(発熱体203,220)に通電可能な電流の上限電流値を、近似式を用いて算出することによって、商用電源の電圧や力率、ヒータ抵抗値のバラつき、波形の波形率に対して、供給できる上限電流値を精度良く設定できる。このため、各条件において最大限に電力性能を発揮できるようになる。
[実施の形態2]
図10は、本発明の本実施の形態2に係るエンジンコントローラ126による定着器109の制御シーケンスを説明するフローチャートである。尚、この実施の形態2に係る装置構成は前述の実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図10においてステップS11〜S15の処理は、前述した図9のステップS1〜S5の処理と同じであるため、その説明を省略する。ステップS16では、エンジンコントローラ126において、取得した電圧値V1f(電流値I1f)と電圧値V2f(電流値I2f)とを基に、ヒータ109cに通電可能な電流の上限電流値Ilimit1を算出する。ここでは、固定デューティD_1で通電しているときに、HCRRT1信号より検知した電流値I1f_1と(50Hz換算の電流値をI150_1とする)、HCRRT2信号より検知した電流値I2f_1と(50Hz換算の電流値をI250_1とする)、ZEROX周期T_1により切片βを求める。
β≒I250_1−I150_1
商用電源201からの入力電流である電流値I2fの上限値Ilimit2から切片βを減算して、エンジンコントローラ126により上限電流値Ilimit1を算出する。ここで、Ilimit1及びIlimit2は50Hzにおける電流制限値とする。
Ilimit1≒Ilimit2−β
但し、算出したIlimit1の電流値を、ヒータ109c(発熱体203,220)に供給すると、ヒータに供給できる定格電力を超えてしまう場合は、ヒータに通電可能な上限電流値Ilimit1を、ヒータに通電可能な許容電流値以下に設定する。
次にステップS17に進み、エンジンコントローラ126において、検知された電流値I1f_1と固定デューティD_1と、ステップS16で求めた上限電流値Ilimit1と、ZEROX周期T_1から、通電可能な上限電力デューティDlimit_1を算出する。
Dlimit_1=(Ilimit1/I150_1)×D_1
この計算によって求めた電力デューティDlimit_1を上限デューティとし、ステップS18に進みヒータ温調制御を開始する。ここで、エンジンコントローラ126に設定されている所定の温度になるように、TH信号からの情報を基に、例えばPI制御により発熱体203,220に供給する電力を制御する。目標の温度情報とTH信号からの温度情報の差分から供給する電力デューティD_2を決定している。但し、算出された電力デューティが上限デューティDlimit_1を超える場合は、その上限値としてDlimit_1の比率の電力を供給する。この時D_2の値はDlimit_1と一致する。つまりステップS8では、上限デューティDlimit_1以下でのデューティでヒータ温調制御を行う。この上限デューティDlimit_1に相当する位相角αlimit_1以下の位相角で位相制御を行うことになる。
ステップS19ではヒータ温調制御が開始し、D_2の比率で電力が供給された後に、HCRRT1信号により電圧値V1f_2(電流値I1f_2)とZEROX周期T_2を検知し、電流値I1f_2の50Hz換算値I150_2を算出する。
I150_2=I1f_2×(1/T_2)/50
そしてステップS20で、HCRRT2信号により電圧値V2f_2(電流値I2f_2)とZEROX周期T_2を検知し、電流値I2f_2の50Hz換算値I250_2を算出する。
I250_2=I2f_2×(1/T_2)/50
そしてステップS21ではステップS20で取得したI250_2が、予め設定されている商用電源201から通電可能な電流値Ilimit2と比較を行う。Ilimit2は50Hzにおける電流制限値とする。
Ilimit2>I250_2の条件を満たす場合はステップS23に
Ilimit2≦I250_2の条件を満たす場合はステップS22に分岐する。
ステップ22では、デューティD_2で通電した状態で電流値I250_2が予め設定されている上限電流値Ilimit2以上の場合であり、HCRRT1信号より取得した電圧値V1f_2(電流値I1f_2)とHCRRT2信号により取得した電圧値V2f_2(電流値I2f_2)とZEROX周期T_2から算出した、50Hz換算の電流値I150_2と、I250_2を用いて、電流上限値Ilimit1の算出し、ヒータ109cに通電可能な電流の上限電流値Ilimit1の値を更新する。
β≒I250_2−I150_2
Ilimit1≒Ilimit2−β
但し、算出したIlimit1の電流値を、ヒータ109c(発熱体203,220)に供給すると、ヒータに供給できる定格電力を超えてしまう場合は、ヒータに通電可能な上限電流値Ilimit1を、ヒータに通電可能な許容電流値以下に設定する。ここで求めたIlimit1の値を新たな上限電流値とし、次のステップS23に移動する。
そしてステップS23で、エンジンコントローラ126において、電流値I150_2と電力デューティD_2と、上限電流値Ilimit1とから、通電可能な上限電力デューティDlimit_2を算出する。
Dlimit_2=(Ilimit1/I150_2)×D_2
以上の処理を、ステップS24で、ヒータ109cの温調制御が終了するまで、商用電源の周期ごとに繰り返し行い、エンジンコントローラ126において、発熱体203,220に供給する電力デューティを算出する。
つまり、Dlimit_n以下の電力デューティD_n+1でヒータを温調制御する際に(S18)、HCRRT1信号により電圧値V1f_n+1(電流値I1f_n+1)を取得し(S19)、HCRRT2信号で電圧値V2f_n+1(電流値I2f_n+1)取得し(S20)、ZEROX周期T_n+1よりI150_n+1及びI250_n+1を算出する(S19,S20)。
デューティD_n+1で通電した状態でI250_n+1が予め設定されている上限値のIlimit2を超えた場合(S21)、近似式を用いて上限電流値Ilimit1を算出し(S22)、新たな上限電流値に設定する。I150_nと電力デューティD_nと、上限電流値Ilimit1から、上限電力デューティDlimit_n+1を算出する(S23)。
このように本実施の形態2によれば、上記近似式を用いてヒータに通電可能な上限電力デューティIlimit1を設定する。
その設定後に商用周波数周期ごとに値が更新されるHCRRT2信号より取得した電流値I2fが予め設定されている商用電源201から通電可能な上限値を超えた場合に、近似式を用いて上限デューティIlimit1を算出し、上限の電力比を更新する。
電力デューティの上限値は、HCRRT2信号より取得した電流値I1f、Ilimit1値と、デューティDと、ZEROX周期Tを用いて繰り返し算出し、商用周波数周期ごとに更新する。
こうすることにより、上述した近似式の近似条件“I1≫2×I3”を満たさない場合でも、商用電源の電圧や力率、ヒータ抵抗値のバラつき、波形の波形率に対して、精度よく供給可能な上限値を設定できる。またプリント動作中の商用電源201の電圧や周波数が変動した場合でも、許容電流以上の電流が供給されるのを防ぐことができる。
こうして各条件において最大限に電力性能を出させることが可能となる。
本実施の形態に係る電子写真プロセスを用いた画像形成装置(レーザプリンタ)の概略構成図である。 本発明の実施の形態において、セラミックヒータへの通電駆動を制御するヒータ制御回路の構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係るセラミックヒータの概略を説明する図である。 本実施の形態に係る熱定着器の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係る電流検出回路227の構成を説明するブロック図である。 本実施の形態に係る電流検出回路228の構成を説明するブロック図である。 本実施の形態に係る電流検出回路227の動作を説明するための波形図である。 本実施の形態に係る電流検出回路228の動作を説明するための波形図である。 本実施の形態1に係る画像形成装置のエンジンコントローラによる制御処理を説明するフローチャートである。 本実施の形態2に係る画像形成装置のエンジンコントローラによる制御処理を説明するフローチャートである。

Claims (2)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成装置において、
    商用電源から供給される電力により発熱するヒータを有し、記録材に形成された画像を記録材に定着する定着部と、
    前記ヒータ以外の負荷を駆動する低圧電源と、
    商用電源から前記ヒータと前記低圧電源に分岐する前の前記装置への入力電流を検出し、検出した電流に対応する電流実効値または電流実効値の二乗値を出力する第1電流検出手段と、
    商用電源から前記ヒータと前記低圧電源に分岐した後の前記ヒータに流れる電流を検出し、検出した電流に対応する電流実効値または電流実効値の二乗値を出力する第2電流検出手段と、
    商用電源から前記ヒータへ供給する電力を制御する電力制御手段と、
    を有し、
    前記電力制御手段は、
    前記第1電流検出手段の電流実効値の二乗値I2fを、前記第2電流検出手段の電流実効値の二乗値I1fの一次方程式に近似した下記式1を用いることで前記一次方程式の切片βを算出し、
    I2f=I1f+β(式1)
    更に、前記装置に通電可能な電流の上限値として予め設定されている上限値Ilimit2から前記切片βを減じた値を前記ヒータに通電可能な電流の上限値Ilimit1として下記式2に基づき算出し、
    Ilimit1=Ilimit2−β(式2)
    更に、前記上限値Ilimit1、前記第2電流検出手段の電流実効値の二乗値I1f、前記第1及び第2電流検出手段によって電流を検出する時に前記ヒータに供給した電力比D、から下記式3に基づき前記ヒータに供給する電力比の上限値Dlimitを算出し、
    Dlimit=(Ilimit1/I1f)×D(式3)
    前記電力比の上限値Dlimit以下の範囲内で前記ヒータに供給する電力を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着部は、前記ヒータが内面に接触する筒状の定着フィルムと、前記定着フィルムを介して前記ヒータと共に画像が形成された記録材を定着処理する定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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