JPH09218720A - Ac制御装置 - Google Patents

Ac制御装置

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JPH09218720A
JPH09218720A JP8046675A JP4667596A JPH09218720A JP H09218720 A JPH09218720 A JP H09218720A JP 8046675 A JP8046675 A JP 8046675A JP 4667596 A JP4667596 A JP 4667596A JP H09218720 A JPH09218720 A JP H09218720A
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heater
load
switch element
load current
power supply
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JP8046675A
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Masahide Nakatani
正秀 中谷
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大幅に力率を向上できる信頼性の高いAC制
御装置を提供する。 【解決手段】 負荷に対しAC電源を電力制御して供給
するためのAC制御装置であって、負荷に対してAC電
源から整流回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介して
非平滑電圧を供給するに際し、上記スイッチ素子をAC
電源の周波数よりも高い周波数でスイッチングし、定着
ローラの温度が所定値になるようにスイッチ素子の導通
比率を制御すると共に、上記負荷を流れる負荷電流を検
出し、負荷電流が所定値以上の時には導通比率を制限す
るようにした構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
などに用いる定着ヒータおよび露光ランプ等の電力制御
を行うためのAC制御装置に関し、特に、大幅に力率を
向上させることができる信頼性の高いAC制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機やプリンタなどに用いる
定着ヒータおよび露光ランプ等の電力制御を行うための
AC制御装置が知られている。すなわち、複写機やプリ
ンタでは転写紙にトナーを固定するため、ヒータを内蔵
したローラによる熱定着装置が一般に用いられており、
ヒータとしてはタングステンのフラメントを、棒状のガ
ラス管に不活性ガスとともに封入したハロゲンヒータが
使われており、ヒータはトライアックなどのスイッチ素
子を介してAC電源に接続され、ローラの温度が所定値
になるように導通時間が調整されている。これは一般に
位相制御と言われている方式で、トライアックがオフか
らオン状態に移行するトリガ点(位相角)を制御してい
る。この位相制御方式はトライアックの特性を利用し
て、少ない部品で効率よく負荷電力を制御できる利点が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この位
相制御方式は、AC電源の半周期毎の制御のため電源の
力率が低く、さらに負荷電流のピークが負荷電力に比例
しないため、小容量の負荷でも大きな定格のスイッチ素
子が必要になる欠点があった。図9に、上記位相制御方
式の具体的な波形を示す。負荷電力の大きさは図9の
(a)の場合>図9の(b)の場合>図9の(c)の場
合という関係であり、トリガの位相角θに対応してい
る。負荷電流のピーク値Ipの大きさは図9の(a)の
場合=図9の(b)の場合>図9の(c)の場合とな
り、負荷電力が最大から1/2までは負荷電力を下げて
もピーク値は変化しないので、使う負荷の領域によって
は負荷電力に対し、比較的大きな電流容量のスイッチ素
子が必要になる不具合があった。さらに、トライアック
は一度オンすると、その周期が終了するまで負荷電流が
流れ続けるため、その周期内での電源電圧の変動には対
処できない不具合があった。特に、配電系統の切り替え
等により、電源にサージが乗った時などには、過電流の
状態で負荷が駆動されるため負荷が破損する恐れもあっ
た。
【0004】また、ハロゲンヒータは冷寒時には内部抵
抗が低下する特性があるため、ヒータが冷えているとき
には図10に示すような大きな起動電流が負荷を流れ
る。このためスイッチ素子やヒータ自体の保護のため
に、起動時に徐々に位相角を広げていくソフトスタート
を行っている。しかし、ソフトスタートは起動時のヒー
タの通電比率が小さいため、ヒータが所定の温度に達す
るまでの時間が長くなる欠点があった。
【0005】上記問題に対応するための従来技術とし
て、特公平6−87432号公報には、AC電源に負荷
と整流器を介してスイッチ素子を接続し、高周波でスイ
ッチングすることが開示されており、これにより、電源
の力率は向上している。しかし、この方式では電源電圧
をモニターしていないので、電源系統にサージ等が発生
したときには、負荷に過電流が流れる恐れがあった。ま
た、特開平5−216358号公報には、AC電源を整
流し、スイッチ手段を設け、定着器ヒータへの通電の出
力電圧が大略一定となるように制御する定着ヒータ駆動
装置が提案されている。そして、この提案により、AC
電源の変動によらずヒータに一定電力を供給でき、安定
した定着特性を提供することができる。しかし、この方
式では、出力電圧を大略一定にするために、入力交流電
圧に対応した平均電圧を、抵抗とコンデンサの平滑回路
で検出している。このためAC電源にサージ等の急峻な
異常電圧が入力した場合には、平滑回路での遅れのため
PWM変調で対応が遅くなり、負荷であるヒータや、ス
イッチ手段に過電流が流れ装置が破損するおそれがあっ
た。本発明は、上述の如き従来の問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、大幅に力率を向上でき
ると共に、AC電源の電圧変動にも十分に対応できるA
C制御装置を提供することである。本発明の他の目的
は、負荷異常時の過電流を防ぐことができるAC制御装
置を提供することである。本発明のさらに他の目的は、
定着装置のヒータが所定温度にまで立ち上がる時間を短
縮できるAC制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、負荷に対しAC電源を電
力制御して供給するためのAC制御装置において、負荷
に対してAC電源から整流回路と温度ヒューズとスイッ
チ素子を介して非平滑電圧を供給するに際し、上記スイ
ッチ素子をAC電源の周波数よりも高い周波数でスイッ
チングし、負荷の温度が所定値になるようにスイッチ素
子の導通比率を制御すると共に、上記負荷を流れる負荷
電流を検出し、負荷電流が所定値以上の時には導通比率
を制限するようにしたことを特徴とする。請求項1に記
載のAC制御装置によれば、負荷に、AC電源から整流
回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介して非平滑電圧
を供給し、スイッチ素子を交流電源の周波数よりも高い
周波数でスイッチングし、定着ローラの温度が所定値に
なるようにスイッチ素子の導通比率を制御すると共に、
ヒータを流れる負荷電流を検出し、負荷電流が所定値以
上の時には導通比率を制限するようにしたので、AC電
源の全周期に渡って、負荷電流が流れるので電源の力率
が向上する。また、負荷電流のピークが負荷電力に比例
するので、負荷電力に対応した最適な容量のスイッチ素
子を使うことができる。
【0007】請求項2に記載の発明は、AC電源を整流
した電源に負荷とスイッチ素子の直列回路を接続し、上
記負荷が所定の温度となるようにスイッチ素子の導通比
率を制御するAC制御装置において、上記スイッチ素子
をAC電源の半周期よりも短い周期でスイッチングさせ
ると共に、スイッチング時の導通比率の最大値を電源電
圧に応じて設定するようにしたことを特徴とする。請求
項2に記載のAC制御装置によれば、交流電源を整流し
た電源にヒータとスイッチ素子の直列回路を接続し、上
記負荷が所定の温度となるようにスイッチ素子の導通比
率を制御すると共に、スイッチ素子をAC電源の半周期
よりも短い周期でスイッチングさせると共に、スイッチ
ング時の導通比率の最大値を電源電圧に応じて設定する
ようにしたので、サージ等が電源に発生したときでも、
ほぼリアルタイムに対応することができ従来の方式に比
べ信頼性が向上する。
【0008】請求項3に記載の発明は、負荷に対しAC
電源を電力制御して供給するためのAC制御装置におい
て、負荷に対してAC電源から整流回路と温度ヒューズ
とスイッチ素子を介して非平滑電圧を供給しスイッチ素
子を交流電源の周波数よりも高い周波数でスイッチング
するためのインバータと、ヒータの温度が所定値となる
ように上記負荷に流れる負荷電流を制御する電力制御手
段と、負荷電流の平均値が電力制御手段が設定した負荷
電流となるようにスイッチ素子の導通比率を制御するヒ
ータ制御手段とを有することを特徴とする。上記請求項
3に記載のAC制御装置によれば、入力電流がAC電源
の全域で流れるので波形が正弦波になり、ヒータの通電
量を可変しても同じ波形が維持される。従って、負荷電
力の大小に入力電流のピークが追従するので、負荷電力
に応じた最適な電流容量のスイッチ素子を選択すること
ができる。さらに、入力電流の正弦波化により電源の力
率が向上する効果もある。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のAC制御装置において、電源電圧に応じて導通比率の
最大値を制限するようにしたことを特徴とする。請求項
4に記載のAC制御装置によれば、電源ラインにサージ
が乗ったときでも、リアルタイムで次のスイッチングか
ら導通比率を制限することができる。このため従来のよ
うに電源のその周期が終わるまで待たなくても、対応で
きるので信頼性が向上する。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
のAC制御装置において、負荷電流の値をヒータの温度
に応じて設定すると共に、負荷電流のピーク値が所定値
を越えたときにスイッチ素子の導通比率を制限するよう
にしたことを特徴とする。請求項5に記載のAC制御装
置によれば、冷寒時の起動でも、負荷電流に過電流が流
れるのを防ぐことができる。また、電源周期の全域に渡
って、負荷電流を流しているので、電源電圧の低い部分
では大きな導通比率で駆動することができる。このため
従来の方式に比べ電源の半周期あたりの通電量が多くな
り、ヒータが所定温度まで立ち上がる時間が短縮できる
効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明を実施したAC制
御装置(温度制御部)の構成図であり、このAC制御装
置は、複写機の定着装置における温度制御部として機能
する様になっている。図1において、AC電源1よりの
電流がノイズフィルタを構成する第4のコンデンサ3と
第2のコイル5、さらに、機械に異常が発生したときに
電源を遮断する安全リレー(RA)7の接点S1および
S2を介して整流器9に入力されている。整流器9には
第2および第3コンデンサ11、13と第1のコイル1
5で構成されるノイズフィルタと電流検出器16が設け
てあり、これらを介して、インバータ回路17が接続さ
れている。インバータ回路17にはヒータ19と温度ヒ
ューズ21およびスイッチ素子23が直列に接続してあ
り、さらにヒータ19には共振用の第1のコンデンサ2
5が並列に接続してある。また、ヒータ19の外周には
図示していない定着ローラが設置してあり、このローラ
の近傍に温度検出用のサーミスタ27が配置されてい
る。そして、上記インバータ回路17にはヒータ制御回
路29およびドライブ回路31が接続され、ヒータ制御
回路29および安全リレー7にはメイン制御回路33が
接続されている。
【0012】次に、本発明によるAC制御装置の第1実
施形態の制御動作について説明する。この第1実施形態
は、サーミスタ27で検出した定着ローラの温度を、直
接インバータ回路17にフィードバックし、目標値の温
度TagHTとなるように定温度制御しているものであ
り、定着ローラの温度を直接検出してフィードバック制
御しているので、AC電源1に電圧変動があっても定着
ローラの温度を所定値に保つことができる。すなわち、
複写機全体の動きを制御しているメイン制御回路33
が、安全リレー7の接点をオンし、ヒータ制御回路29
にヒータ温度設定信号TagHTを出力するとスイッチ
素子23がスイッチングを開始し、ヒータ19が通電さ
れる。スイッチ素子23はAC電源1の周波数に比べ遥
かに高い周波数(例えば20KHz)でオンとオフを繰
り返すスイッチングを行っている。このため各部の波形
は図2に示すように、交流のAC電源1をダイオードブ
リッジ9で全波整流し、非平滑電圧Vc3をヒータ19
に給電し、スイッチング周波数に同期したパルス状の負
荷電流IHTが流れている。AC電源1からの入力電流
は、この負荷電流IHTにほぼ等しい波形となる。この
負荷電流IHTによりヒータ19および周囲の定着ロー
ラが加熱される。上記のように制御することにより図2
に示すようにAC電源1の全期間にわたって入力電流が
流れ、波形も正弦波に近い形となるため、従来の位相制
御に比べ大幅に力率を向上することができる。
【0013】また、これによりヒータ19および周囲の
定着ローラが加熱されると、ローラの温度はサーミスタ
27で検出し、ヒータ制御回路29によりヒータ温度設
定信号TagHTに対応した所定値になるように、スイ
ッチ素子23の導通比率を制御している。スイッチ素子
23のスイッチングは図3(b)に示すように、固定の
周期T1で繰り返しており、オンしている期間T2との
比が導通比率(T2/T1*100)である。導通比率
が大きくなるとヒータ19の通電量が増し、ローラの温
度が上昇する。このようにローラの温度を直接ヒータ制
御回路29にフィードバックし、ローラ温度が所定値と
なるように定温度制御することにより、AC電源1の電
圧変動があってもローラの温度を所定値に保つことがで
きる。
【0014】次に、本発明によるAC制御装置の第2実
施形態の制御動作について説明する。この第2実施形態
では、導電比率は上記第1実施形態で述べたローラ温度
の他に、電源電圧とヒータ19を流れる負荷電流IHT
の値に応じて制御している。すなわち、ハロゲンヒータ
(ハロゲンランプも同じ)は低温時に抵抗が低くなる特
性があるため、起動時に大きな負荷電流が流れる(突入
電流)。このためスイッチ素子の保護のため、電流検出
器16で負荷電流IHTを検出し、所定値よりも大きい
時にはPWMによるパルス幅を制限し、定電流制御を行
っているものであり、負荷電流の制限機能があり、しか
も交流電源の周波数よりも遥かに高い周波数で、PWM
制御しているので、突入電流を少なくすることができ
る。これにより突入電流を考慮した大電流容量のスイッ
チ素子を使わなくても済むようになる。したがって電流
容量の小さい最適で安価なスイッチ素子を用いることが
できるようになり、安価な装置を提供することができ
る。さらに回路の電流を低くすることができるので、イ
ンバータ回路自体の発熱も少なくなり、装置の信頼性を
向上することができる。
【0015】より詳しく説明すると、まず、電源電圧に
よる制御の特性を、図4のグラフを参照し説明する。図
4は電源電圧と導通比率の最大値との関係であり、電圧
が約140Vまでは導通比率Dutyの最大値が100
%であり、140V以上では19V毎に約10%の比率
で導通比率Dutyの最大値が小さくなるようにしてい
る。具体的には図3に示す電圧波形となる。上記の様
に、ヒータ制御の主な制御特性であるローラ温度と並列
に、ヒータ19に加わるAC電源1の電圧を検出してヒ
ータ制御回路29にフィードバックし、電圧が所定値よ
りも高い時に導通比率を制限するようにしたので、AC
電源1にサージ等の異常電圧が発生しても素早く対応す
る事ができる。これにより異常電圧時に負荷に流れる過
電流等によるスイッチ素子の劣化等を防ぐことができ
る。
【0016】次に、上記第2実施形態における負荷電流
IHTによる導通比率の制御を説明する。これは前述の
電源電圧による制御と同じく、異常時の保護機能が主な
目的である。ヒータ19を介して流れる負荷電流IHT
を、電流検出器16で検出し、所定値よりも大きいとき
にスイッチ素子23の導通比率を制限するようにしてい
る。この様にすれば、負荷であるヒータ19の劣化や短
絡により、スイッチ素子23に所定値よりも大きい過電
流が流れたときに、スイッチ素子23の導通比率を制限
される。これにより負荷異常時の過電流を防ぐことがで
き、安全な装置を提供する事ができる。
【0017】次に、本発明によるAC制御装置の第3実
施形態の制御動作について説明する。この第3実施形態
では、交流電圧(電源電圧)が所定値よりも高いとき
に、PWMによるパルス幅を制限している。すなわち、
AC電源1のサージ等により、異常な電圧が装置に入力
することがあるので、この第3実施形態では電力制御の
主目的であるヒータ温度のフィードバック制御とは別
に、電源電圧を検出しフィードバック制御する回路を設
けている。これによりサージ発生時においても、素早く
PWMによるパルス幅を制限し、ヒータ19のスイッチ
ング素子に過電流が流れるの防ぐことができる。
【0018】次に、この第3実施形態の要部であるヒー
タ制御回路29について、図5の構成図を参照して詳細
に説明する。ヒータ制御回路29には四つの信号が入力
し、内部で生成するクロックVCLKに同期して、これ
らの信号に応じたスイッチ素子23の駆動信号VBを出
力している。第1のエラーアンプ35には二つの信号が
入力されており、この第1のエラーアンプ35では定温
度制御を行っていて、一方の入力端子にヒータ温度設定
信号TagHTが、他方にサーミスタTHで検出したロ
ーラ温度が入力されている。ここではローラ温度がヒー
タ温度設定信号TagHTよりも低い時に、スイッチ素
子23の導通比率が大きくなり、ヒータHTの通電量が
増加するように構成されている。第2のエラーアンプ3
7には、負荷電流IHTの検出信号が入力されており、
この第2のエラーアンプ37では負荷電流の過電流制限
を行っていて、一方の入力端子に電流検出器16で検出
した負荷電流IHTが、他方には抵抗39、41で設定
される基準値が入力している。負荷電流IHTが所定の
値(基準値)よりも大きくなったときに、スイッチ素子
23の導通比率が小さくなり、ヒータ19の通電量が減
少するように構成されている。四つ目の入力信号が、デ
ットタイムコンパレータ43に入力されており、このデ
ットタイムコンパレータ43では、電源電圧に応じてス
イッチ素子23の最大導通比率を設定しており、一方の
入力に発振器44で生成した鋸波のクロックVCLKが
入力され、他方にダイオードブリッジの出力電圧Vc3
を分圧した電圧検出信号が入力されている。
【0019】なお、出力電圧Vc3の電圧値は、AC電
源1およびヒータ19に入力する電圧とほぼ等しい。電
圧検出信号には、バイアス電圧Vofでオフセットが加
わっていて、所定電圧異常(約140V)で導通比率が
制限されるように構成してある。図3に各電源電圧で
の、最大導通比率が示されている。以上の各エラーアン
プ35、37はダイオードオアを取られ、その出力がパ
ルス幅変調コンパレータ45の一方の入力端子に入力さ
れている。他方には発振器44で生成した鋸波のクロッ
クVCLKが入力されており、パルス幅変調コンパレー
タ45では両方の入力信号を比較し、エラーアンプ3
5、37の出力電圧がクロックVCLKよりも高い期間
に、スイッチ素子23をオンする信号が出力する構成と
なっている。パルス幅変調コンパレータ45の出力は、
さらにデットタイムコンパレータ43の出力とAND回
路47で論理積を取り、ドライブ回路31を介して出力
している。これによりクロックVCLKに同期したスイ
ッチ素子23の駆動信号VBが生成され、スイッチ素子
23はAC電源1よりも遥かに高い周波数でスイッチン
グを行っている。このようにヒータ制御回路29では、
クロックVCLKの周期毎にローラ温度・電源電圧・負
荷電流を検出し、通常はローラ温度が所定値になるよう
にパルス幅制御している。さらに電源のサージ等により
過電圧が入力したときや、負荷電流IHTが急増した場
合にスイッチ素子23の導通比率を制限し、過負荷を回
避するようにしている。
【0020】以上のように、この第3実施形態のAC制
御装置では、交流電源の周波数よりも遥かに高い周期で
スイッチングすることにより、電源電圧に近似した波形
の負荷電流となり、入力電流もほぼ同じ波形となる。ま
た、電源の力率を従来の位相制御方式に比べ、大幅に向
上することができ高調波を減らすことができる。また、
負荷電力(負荷電流IHT)を可変したときには図6に
示すように、負荷電力の大きさに対応して、電源周期の
全域で導通比率が変化する。これにより負荷電力の大き
さに追従して、入力電流のピーク値Ipが変化するよう
になる。従って、スイッチ素子を流れる負荷電流IHT
も負荷電力に比例するようになるので、負荷の大きさに
応じた最適な電流容量のスイッチ素子23を選択するこ
とが可能になる。さらに、定着ローラの温度を直接フィ
ードバック制御すると共に、負荷電流IHTおよび入力
電圧を検出して前述の条件で保護機能を起動するように
構成することにより、ローラの温度を安定に保つと共に
安全な電力制御を行うことのできるAC制御装置を提供
することができる。
【0021】次に、本発明によるAC制御装置の第4実
施形態の制御動作について説明する。まず、複写機全体
の動きを制御しているメイン制御回路33が、安全リレ
ー7の接点をオンすると、ダイオードブリッジ9で全波
整流された電圧Vc3が非平滑のままヒータ19に給電
される。次に、メイン制御回路33から、負荷電流設定
信号TagIHがヒータ制御回路29に出力されると、
スイッチ素子23がスイッチングを開始しヒータ19に
通電される。ヒータ制御回路29では負荷電流IHTの
平均値が、負荷電流設定信号TagIHと等しくなるよ
うに定電流制御を行っている。スイッチ素子23のスイ
ッチングは、AC電源1の周波数に比べ遥かに高い周波
数(例えば20KHz)でオンとオフを繰り返している
ので、ヒータ19にはパルス状の負荷電流IHTが流
れ、波形はAC電源1の正弦波に近似した形となる。ヒ
ータ19の通電でヒータおよび周囲の定着ローラが加熱
される。ローラの温度はサーミスタ27で検出し、メイ
ン制御回路31のA/D変換器に入力している。メイン
制御回路33ではローラの温度が、複写機の定着工程に
必要な温度となるように、ヒータ19を流れる負荷電流
IHTの平均値を制御している。この制御はサーミスタ
27の電圧をA/D変換器で、デジタル値に変換しマイ
クロコンピュータCPU内でソフトウェアで処理してお
り、図7に示すフローチャートの手順で実行している。
【0022】図7において、はじめに現在複写機で処理
している複写作業に必要な定着装置のローラの温度を、
ローラ温度目標値TagT(以下、温度目標値と称す)
として設定し、次にローラ温度の検出値と温度目標値と
の差を演算している(S101、S103、S10
5)。この差に応じた負荷電流を演算し、これにヒータ
からローラまでの熱伝導の遅れ時間と複写処理の残り量
に応じた補正を加えて、負荷電流IHTの目標値を設定
している(S107)。さらに目標値はレベル変換を行
ってから(S109)、D/A変換器でアナログ値に変
換し、負荷電流設定信号TagIHとしてヒータ制御回
路29に出力している(S111)。ヒータ制御回路2
9では負荷電流IHTを、負荷電流設定信号TagIH
で設定された値に定電流制御している。図8にヒータ制
御回路の回路図を示す。入力信号としてヒータ印加電圧
Vc3と、ヒータ温度、および負荷電流IHTの瞬時値
と平均値、さらに負荷電流設定信号TagIHの5信号
が入力し、出力信号として駆動信号VBを出力してい
る。
【0023】駆動信号VBは発振器51の出力である鋸
波のクロックVCLKに同期したパルスであり、入力信
号に応じてパルス幅変調された信号である。クロックV
CLKは固定周波数であり、この第4実施形態では約2
0kHzである。駆動信号VBの最大パルス幅は、デッ
トタイムコンパレータ53に入力するクロックVCLK
と、ヒータ印加電圧Vc3により設定し、最大パルス幅
信号VDTとして出力している。最大パルス幅は図3に
示すように、ヒータ印加電圧Vc3に応じて設定してい
て、電圧が高いほど最大パルス幅が狭くなるようにして
いる。パルスの幅T2と周期T1の比が、スイッチ素子
23の導通比率Dutyで、図4に示すようにヒータ印
加電圧Vc3が140V以上で、約19V毎に10%の
比率で最大導通比率が小さくなるように設定してある。
【0024】なお、ヒータ印加電圧Vc3は、AC交流
電源1とほぼ同じ電圧である。インバータ回路17の主
な制御ループである負荷電流IHTの定電流制御は、第
1のエラーアンプ55で行っている。第1のエラーアン
プ55の入力端子の一方には、負荷電流設定信号Tag
IHが入力し、他方には電流検出器16で検出した負荷
電流IHTが抵抗57とコンデンサ59で構成されるロ
ーパスフィルタを介して入力している。ローパスフィル
タのカットオフ周波数は、AC交流電源1の周波数より
も低い値に設定してあるので、第1のエラーアンプ55
には負荷電流IHTの平均値IAVが入力する。第1の
エラーアンプ55では負荷電流設定信号TagIHを基
準電圧として、負荷電流IHTの平均値IAVと差を増
幅しダイオードを介してパルス幅変調器61に出力して
いる。パルス幅変調器61では、クロックVCLKと第
1のエラーアンプ55の出力を比較して、パルス幅変調
を行い駆動信号VBを生成している。さらに、駆動信号
VBは、最大パルス幅信号VDTとの論理積をとって、
ドライブ回路31に出力している。以上のような経路に
より負荷電流IHTは定電流制御される。
【0025】次に、負荷に異常検出のために、定着ロー
ラの温度と負荷電流IHTの瞬時値を読み込んでいる。
第2のエラーアンプ63では前者の温度監視を行ってお
り、サーミスタ27の電圧と抵抗65および67で設定
された基準電圧が入力している。サーミスタ27の電圧
は前述のようにメイン制御回路33でもソフトウェアで
処理しているが、ここではハードウェアで信号処理を行
うことで、制御系を二重化している。動作はサーミスタ
27での検出温度が、上限温度を越えたら駆動信号VB
のパルス幅を狭め、スイッチ素子23の導通比率を小さ
くしている。第3のエラーアンプ69では後者の過電流
の監視を行っており、電流検出器16の電圧と抵抗69
および71で設定された基準電圧を比較している。電流
検出器16から入力する信号はフィルタを通していたい
ので、図2に示すようなパルス状の負荷電流IHTを読
み込んでいる。このため負荷異常で過電流が流れ、検出
電圧が基準電圧よりも大きくなると、次のクロックVC
LKのスイッチングからパルス幅が狭まり、負荷電流I
HTが制限される。エラーアンプ55、63、69の出
力は、ダイオードORで接続されているので、最も高い
電圧(パルス幅を狭める)を出力しているエラーアンプ
の出力が、駆動信号VBに対しアクティブとなる構成と
なっている。以上のように、この第4実施形態では、交
流電源の周波数よりも遥かに高い周期でスイッチングす
ることにより、電源電圧に近似した波形の負荷電流とな
り入力電流もほぼ同じ波形となる。従って、負荷電力を
可変したときには図6に示すように、負荷電力の対応し
て導通比率が電源周期の全域で変化するので、負荷電力
の大きさに追従して入力電流のピーク値Ipも変化する
ようになる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、定着ローラに内蔵する
ヒータに、交流電源から整流回路と温度ヒューズとスイ
ッチ素子を介して非平滑電圧を供給し、スイッチ素子を
交流電源の周波数よりも高い周波数でスイッチングし、
定着ローラの温度が所定値になるようにスイッチ素子の
導通比率を制御すると共に、ヒータを流れる負荷電流を
検出し、負荷電流が所定値以上の時には導通比率を制限
するようにしたので、交流電源の全周期に渡って、負荷
電流が流れるので電源の力率が向上する。また、負荷電
流のピークが負荷電力に比例するので、負荷電力に対応
した最適な容量のスイッチ素子を使うことができる。
【0027】また、交流電源を整流した電源にヒータと
スイッチ素子の直列回路を接続し、ヒータまたは周辺の
部材が所定の温度となるようにスイッチ素子の導通比率
を制御すると共に、スイッチ素子を交流電源の半周期よ
りも短い周期でスイッチングさせると共に、スイッチン
グ時の導通比率の最大値を電源電圧に応じて設定するよ
うにしたので、サージ等が電源に発生したときでも、ほ
ぼリアルタイムに対応することができ従来の方式に比べ
信頼性が向上する。
【0028】また、定着ローラに内蔵するヒータに、交
流電源から整流回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介
して非平滑電圧を供給し、スイッチ素子を交流電源の周
波数よりも高い周波数でスイッチングするインバータ
と、ヒータまたはヒータ周辺の温度が所定値となるよう
に定着ヒータに流れる負荷電流を制御する電力制御手段
と、負荷電流の平均値が電力制御手段が設定した負荷電
流となるようにスイッチング素子の導通比率を制御する
ヒータ制御手段とを設けたので、入力電流が交流電源の
全域で流れるので波形が正弦波になり、ヒータの通電量
を可変しても同じ波形が維持される。従って、負荷電力
の大小に入力電流のピークが追従するので、負荷電力に
応じた最適な電流容量のスイッチ素子を選択することが
できる。さらに、入力電流の正弦波化により電源の力率
が向上する効果もある。
【0029】また、定着ローラに内蔵するヒータに、交
流電源から整流回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介
して非平滑電圧を供給し、スイッチ素子を交流電源の周
波数よりも高い周波数でスイッチングし、定着ヒータに
流れる負荷電流の平均値が所定値となるようにスイッチ
素子の導通比率を制御すると共に、電源電圧に応じて導
通比率の最大値を制限するようにしたので、電源ライン
にサージが乗ったときでも、リアルタイムで次のスイッ
チングから導通比率を制限することができる。このため
従来のように電源のその周期が終わるまで待たなくて
も、対応できるので信頼性が向上する。
【0030】また、定着ローラに内蔵するヒータに、交
流電源から整流回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介
して非平滑電圧を供給し、スイッチ素子を交流電源の周
波数よりも高い周波数でスイッチングし、定着ヒータに
流れる負荷電流の平均値が定電流となるようにスイッチ
素子の導通比率を制御し、負荷電流の値をヒータの温度
に応じて設定すると共に、負荷電流のピーク値が所定値
を越えたときにスイッチ素子の導通比率を制限するよう
にしたので、冷寒時の起動でも、負荷電流IHTに過電
流が流れるのを防ぐことができる。また、電源周期の全
域に渡って、負荷電流IHTを流しているので、電源電
圧の低い部分では大きな導通比率で駆動することができ
る。このため従来の方式に比べ電源の半周期あたりの通
電量が多くなり、ヒータが所定温度まで立ち上がる時間
が短縮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したAC制御装置(温度制御部)
の構成図である。
【図2】本発明によるAC制御装置の実施形態の制御結
果を示す説明図である。
【図3】(a)乃至(d)は本発明によるAC制御装置
の実施形態におけるスイッチングの結果を示す説明図で
ある。
【図4】本発明によるAC制御装置の第2実施形態にお
ける制御特性を示す図である。
【図5】本発明によるAC制御装置の第3実施形態にお
けるヒータ制御回路の構成図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明によるAC制御装置
の第3実施形態におけるスイッチングの結果を示す説明
図である。
【図7】本発明によるAC制御装置の第4実施形態にお
けるヒータ制御フローチャートである。
【図8】本発明によるAC制御装置の第4実施形態にお
けるヒータ制御回路の構成図である。
【図9】(a)(b)及び(c)は一般の位相制御方式
の波形説明図である。
【図10】ヒータが冷えている場合の起電流の状態図で
ある。
【符号の説明】
1…AC電源、 3…第4の
コンデンサ、5…第2のコイル、
7…安全リレー 9…整流器、11、13…第2および第3コンデンサ、
15…第1のコイル、16…電流検出器、
17…インバータ回路、19…ヒータ、
21…温度ヒューズ、23…
スイッチ素子、 25…第1のコン
デンサ、27…サーミスタ、 2
9…ヒータ制御回路、31…ドライブ回路、
33…メイン制御回路、35、37…エラー
アンプ、 39、41…抵抗、43…デッ
トタイムコンパレータ、 44…発振器、45…
パルス幅変調コンパレータ、 47…AND回
路、S101〜S111…各ステップ、

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷に対しAC電源を電力制御して供給
    するためのAC制御装置であって、負荷に対してAC電
    源から整流回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介して
    非平滑電圧を供給するに際し、上記スイッチ素子をAC
    電源の周波数よりも高い周波数でスイッチングし、負荷
    の温度が所定値になるようにスイッチ素子の導通比率を
    制御すると共に、上記負荷を流れる負荷電流を検出し、
    負荷電流が所定値以上の時には導通比率を制限するよう
    にしたことを特徴とするAC制御装置。
  2. 【請求項2】 AC電源を整流した電源に負荷とスイッ
    チ素子の直列回路を接続し、上記負荷が所定の温度とな
    るようにスイッチ素子の導通比率を制御するAC制御装
    置であって、上記スイッチ素子をAC電源の半周期より
    も短い周期でスイッチングさせると共に、スイッチング
    時の導通比率の最大値を電源電圧に応じて設定するよう
    にしたことを特徴とするAC制御装置。
  3. 【請求項3】 負荷に対しAC電源を電力制御して供給
    するためのAC制御装置であって、負荷に対してAC電
    源から整流回路と温度ヒューズとスイッチ素子を介して
    非平滑電圧を供給しスイッチ素子をAC電源の周波数よ
    りも高い周波数でスイッチングするためのインバータ
    と、ヒータの温度が所定値となるように上記負荷に流れ
    る負荷電流を制御する電力制御手段と、負荷電流の平均
    値が電力制御手段が設定した負荷電流となるようにスイ
    ッチ素子の導通比率を制御するヒータ制御手段とを有す
    ることを特徴とするAC制御装置。
  4. 【請求項4】 電源電圧に応じて導通比率の最大値を制
    限するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のA
    C制御装置。
  5. 【請求項5】 負荷電流の値をヒータの温度に応じて設
    定すると共に、負荷電流のピーク値が所定値を越えたと
    きにスイッチ素子の導通比率を制限するようにしたこと
    を特徴とする請求項3に記載のAC制御装置。
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