JP4890393B2 - 用紙処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は動作する部材のホームポジションを検出する検出手段を有し、シート状記録媒体(本明細書では、単に「用紙」と称する)を搬送し、所定の処理を行う用紙処理装置、及びこの用紙処理装置を備えた画像形成装置に関する。
用紙の搬送、あるいは用紙に対して所定の処理を行う機能を有する所謂用紙処理装置では、用紙穿孔、用紙整合、スティプル、等を行う各種機構の位置制御のためにホームポジション復帰動作、所謂ホーミング動作が不可欠である。このホーミング動作は規定のパターンの動作と、位置検出センサの検出情報を組み合わせて行う。ホーミング動作は異常検出動作も兼ねており、ホーミング動作が正常に行えない場合機構異常と判断する。ホーミング動作は、主に電源ON時、ドア閉時に行う。
このような用紙処理装置のホーミング動作に関する技術として、例えば特許文献1あるいは2に記載された発明が公知である。このうち、特許文献1には、 シート後処理装置で、シートに綴じ処理を施す場合、シートに対する綴じ位置のずれを簡単な構成で検出することを可能にし、綴じ処理に対する信頼性を高めることを目的に、シートに対して処理を施す処理手段と、シートの処理位置まで処理手段をパルスモータ駆動によって移動させる処理ユニット移動手段と、前記処理ユニット移動手段を駆動するパルスモータに対してパルスを送るパルス発生手段と、前記処理ユニット移動手段の動作完了を確認するためのホームポジション検出手段とを具備し、前記処理ユニット移動手段が移動を行う際に、前記ホームポジション検出手段がホームポジションを検出したときの、予め予定する発生パルス数と、パルス発生手段が発生したパルス数を比較することにより、処理ユニット移動手段の動作異常を検出することが記載されている。
また、特許文献2には、画像形成装置と、該画像形成装置から排出された用紙を後処理する用紙後処理装置とを具備する画像形成システムにおいて、用紙後処理装置へ電源が供給され、かつ用紙後処理装置と画像形成装置との通信が可能である省エネモード時に、前記通信以外の用紙後処理装置の動作が全て禁止されるように、用紙後処理装置を制御する制御手段を有し、該制御手段は、省エネモード時に用紙後処理装置の本体ドアが開閉された場合、省エネモードから通常モードに移行したとき、用紙後処理装置がイニシャル動作を実行することが記載されている。
特開平11−334983号公報 特許第3635898号公報
前述のようにホーミング動作を行う場合には、前記各種機構を駆動し、位置制御を行う対象となる部材を移動させ、あるいは停止させることから、動作に伴う騒音、電力消費、部品磨耗等が発生する。特に近年の用紙後処理装置(フィニッシャ等)のような多機能装置になると、ホーミングを行う機構が多く、前記不具合に加え、前機構のホーミング動作終了までに要する時間も長くなり、処理動作の遅延等を引き起こすことになる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、動作に伴う騒音、電力消費、部品磨耗等を抑制し、処理動作の遅延を最小限に抑えることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、用紙を搬送し、搬送の過程で用紙に対して所定の処理を行う処理手段と、前記処理手段の動作する部材の一部を検出することにより前記部材のホームポジションを検出するホームポジション検出手段とを有し、前記ホームポジション検出手段は、予めホームポジションとして認定できる検出範囲を設定しておき、前記動作する部材の停止状態で前記検出手段が前記動作する部材のホームポジションを検出するための部分を検出しているときには、前記動作する部材を動作させて一旦前記検出手段の検出範囲から外すことなく、前記検出位置が前記検出範囲にあるとして当該検出位置をホームポジションとする用紙処理装置において、前記各処理手段の異常状態を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段によって前記各処理手段のいずれかの異常を検出したとき、前記異常を検出した情報を記憶する異常情報記憶手段と、前記各処理手段についてホームポジション復帰を行う際、前記ホームポジション検出手段によって前記各処理手段がホームポジション状態であるか否かを判断し、ホームポジション状態でなければ、ホームポジション復帰動作を行わせ、ホームポジション状態であれば、前記異常情報記憶手段の前記情報を参照し、直前の動作で異常が発生していた場合には、ホームポジション復帰動作を行わせ、直前の動作で異常が発生していない場合には、正常にホームポジションに位置していると見なす制御手段と、を備えていることを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、動作する部材の一部がシフトセンサフィラー20の切り欠き20a、凸形状部110a’,110b’,110c’に、ホームポジション検出手段はシフトセンサ336、ホームセンサ111a,111b、111c、スティプラ移動HPセンサ312に、制御手段、異常検出手段、及び通信手段はCPU360の機能に、記憶手段は揮発メモリ381又は不揮発メモリ382に、プルーフトレイに搬送する経路は搬送路Bに、処理手段はパンチユニット100に、整合機能は後端フェンス51+ジョガーフェンス53、可動後端フェンス73+上ジョガーフェンス250a+下ジョガーフェンス250bに、スティプル機能は端面綴じスティプラS1、中綴じスティプラS2に、折り機能は折りプレート74+折りローラ81に、裁断機能は小口裁断機に、それぞれ対応する。
本発明によれば、ホーミング動作を行う場合の動作に伴う騒音、電力消費、部品磨耗等の発生を抑制し、処理動作の遅延等の不具合の発生を防止することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
1.全体構成
図1は本実施形態に係るシート処理装置としてのシート後処理装置PDと画像形成装置PRとからなるシステムを示すシステム構成図である。
図1において、シート後処理装置PDは、画像形成装置PRの側部に取り付けられており、画像形成装置PRから排出されたシートはシート後処理装置PDに導かれる。前記シートは、1枚のシートに後処理を施す後処理手段(この実施形態では穿孔手段としてのパンチユニット100)を有する搬送路Aと、この搬送路Aを通り、上トレイ201へ導く搬送路B、シフトトレイ202へ導く搬送路C、整合及びスティプル綴じ等を行う処理トレイF(以下「端面綴じ処理トレイ」とも称する)へ導く搬送路Dへ、それぞれ分岐爪15及び分岐爪16によって振り分けられるように構成されている。
画像形成装置PRは、特に図示しないが入力される画像データを印字可能な画像データに変換する画像処理回路、画像処理回路から出力される画像信号に基づいて感光体に光書き込みを行う光書き込み装置、光書き込みにより感光体に形成された潜像をトナー現像する現像装置、現像装置によって顕像化されたトナー像をシートに転写する転写装置、及びシート転写されたトナー像を定着する定着装置を少なくとも備え、トナー画像が定着されたシートをシート後処理装置PDに送り出し、シート後処理装置PDによって所望の後処理が行われる。画像形成装置PRはここでは前述のように電子写真方式のものであるが、インクジェット方式、熱転写方式などの公知の画像形成装置が全て使用できる。なお、この実施形態では、前記画像処理回路、光書き込み装置、現像装置、転写装置、及び定着装置が画像形成手段を構成している。
搬送路A及びDを経て端面綴じ処理トレイFへ導かれ、この端面綴じ処理トレイFで整合及びスティプル等を施されたシートは、ガイド部材44により、シフトトレイ202へ導く搬送路C、折り等を施す中綴じ・中折り処理トレイG(以下、単に「中綴じ処理トレイ」とも称する)へ振り分けられるように構成され、中綴じ処理トレイGで折り等を施されたシートは搬送路Hを通り下トレイ203へ導かれる。また、搬送路D内には分岐爪17が配置され、図示しない低荷重バネにより図の状態に保持されており、搬送ローラ7によって搬送されるシートの後端が前記分岐爪17を通過した後、搬送ローラ9、10、スティプル排紙ローラ11のうち少なくとも搬送ローラ9を逆転させ、シートをターンガイド8に沿って逆行させる。これにより、シート後端からシートをシート収容部Eへ導いて滞留(プレスタック)させ、次シートと重ね合せて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって2枚以上のシートを重ね合せて搬送することも可能である。なお、符号304はシートをプレスタックさせる際の逆送タイミングを設定するためのプレスタックセンサである。
搬送路B、搬送路C及び搬送路Dの上流で各々に対し共通な搬送路Aには、画像形成装置PRから受け入れるシートを検出する入口センサ301、その下流に入口ローラ1、パンチユニット100、パンチかすホッパ101、搬送ローラ2、分岐爪15及び分岐爪16が順次配置されている。分岐爪15、分岐爪16は図示しないバネにより図1の状態に保持されており、図示しないソレノイドをONすることにより、分岐爪15、16をそれぞれ駆動し、両者の組み合わせを変えることによって、搬送路B、搬送路C、搬送路Dへシートを振り分ける。
搬送路Bへシートを導く場合は、図1の状態で前記ソレノイドはOFF、搬送路Cへシートを導く場合は、図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、分岐爪15は上方に、分岐爪16は下方にそれぞれ回動した状態となり、シートは搬送ローラ3から排紙ローラ4を経て上トレイ201に排出される。搬送路Dへシートを導く場合は、分岐爪16は図1の状態で前記ソレノイドはOFF、分岐爪15は図1の状態から前記ソレノイドをONすることにより、上方に回動した状態となり、搬送ローラ5及び排紙ローラ対6(6a,6b)を経てシートをシフトトレイ202側に搬送する。
このシート後処理装置では、シートに対して、穴明け(パンチユニット100)、シート揃え+端部綴じ(ジョガーフェンス53、端面綴じスティプラS1)、シート揃え+中綴じ(中綴じ上ジョガーフェンス250a、中綴じ下ジョガーフェンス250b、中綴じスティプラS2)、シートの仕分け(シフトトレイ202)、中折り(折りプレート74、折りローラ81)などの各処理を行うことができる。
2.シフトトレイ部
図1に示すように、このシート後処理装置PDの最下流部に位置するシフトトレイ排紙部は、シフト排紙ローラ対6(6a,6b)と、戻しコロ13と、紙面検知センサ330と、シフトトレイ202と、シフトトレイ202をシート搬送方向に直交する方向に往復動させる図2に示すシフト機構と、シフトトレイ202を昇降させるシフトトレイ昇降機構とにより構成される。
図1において、符号13は戻しコロを示し、戻しコロ13はシフト排紙ローラ対6から排出されたシートと接して前記シートの後端をエンドフェンス32に突き当てて揃えるためのスポンジ製のコロからなる。この戻しコロ13は、シフト排紙ローラ対6の回転力で回転するようになっている。戻しコロ13の近傍にはトレイ上昇リミットスイッチ333が設けられており、シフトトレイ202が上昇して戻しコロ13を押し上げると、前記トレイ上昇リミットスイッチ333がオンしてトレイ昇降モータが停止する。これによりシフトトレイ202のオーバーランが防止される。また、戻しコロ13の近傍には、図1に示すように、シフトトレイ202上に排紙されたシートもしくはシート束の紙面位置を検知する紙面位置検知手段としての紙面検知センサ330が設けられている。
本実施形態では、紙面検知センサ(スティプル用)330a及び紙面検知センサ(ノンスティプル用)330bは、遮蔽部30bによって遮られたときにオンするようになっている。したがって、シフトトレイ202が上昇して紙面検知レバー30の接触部30aが上方に回動すると、紙面検知センサ(スティプル用)330aがオフし、さらに回動すると紙面検知センサ(ノンスティプル用)330bがオンする。シートの積載量が所定の高さに達したことが紙面検知センサ(スティプル用)330aと紙面検知センサ(ノンスティプル用)330bによって検知されると、シフトトレイ202はトレイ昇降モータ168の駆動により所定量下降する。これにより、シフトトレイ202の紙面位置は略一定に保たれる。
すなわち、図3に示すようにシフトトレイ202は駆動軸21を駆動ユニットが駆動することにより昇降する。駆動軸21と従動軸22との間にはタイミングプーリを介してタイミングベルト23がテンションをもって掛けられている。このタイミングベルト23にシフトトレイ202を支持する側板24が固定されており、この構成によってシフトトレイ202を含むユニットが昇降可能に吊り下げられている。
シフトトレイ202を上下方向に移動させる駆動源は、正逆転可能なトレイ昇降モータ168であり、このトレイ昇降モータ168で発生した動力がウォームギヤ25を介して駆動軸21に固定されたギヤ列の最終ギヤに伝達されるようになっている。途中ウォームギヤ25を介しているため、シフトトレイ202を一定位置に保持することができ、シフトトレイ202の不意の落下事故等を防止することができるようになっている。
シフトトレイ202の側板24には、遮蔽板24aが一体に形成され、下方には積載シートの満載を検出する満杯検知センサ334と下限位置を検出する下限センサ335が配置されて、遮蔽板24aによって満杯検知センサ334と下限センサ335とがオン・オフされるようになっている。満杯検知センサ334と下限センサ335はフォトセンサであり、遮蔽板24aによって遮られたときにオンするようになっている。なお、図3において、シフト排紙ローラ6は省略している。
シフトトレイ202の揺動機構は図2に示すように、シフトモータ169を駆動源にシフトカム31を回転させる。そのシフトカム31には回転軸中心から一定量離れた位置にピンが立っておりそのピンと、シフトトレイ202上の積載紙の後端をガイドしシート排紙方向と直交する方向に嵌合しているエンドフェンス32の長穴部と遊嵌しており、シフトカム31の回転によりエンドフェンス32はシート排紙方向と直交する方向に移動し、それに伴いシフトトレイ202も移動する。前記シフトトレイ202は手前と奥の2つの位置で停止しその停止位置はシフトセンサ336により検出され、シフトモータ169のON、OFFによりシート排紙方向と直交する方向の移動制御が行われる。
シフト排紙ローラ6は、駆動ローラ6aと従動ローラ6bを有し、図1及び図4に示すように、従動ローラ6bはシート排出方向上流側が支持され上下方向に回動自在設けられた開閉ガイド板33の自由端部に回転自在に支持されている。従動ローラは6b自重又は付勢力により駆動ローラ6aに当接しシートは両ローラ間に挟持されて排出される。綴じ処理されたシート束が排出されるときは、開閉ガイド板33が上方に回動され、所定のタイミングで戻されるようになっており、このタイミングはシフト排紙センサ303の検知信号に基づいて決定される。その停止位置は排紙ガイド板開閉センサ331の検知信号に基づいて決定され、排紙ガイド板開閉モータ167により駆動される。
3.端面綴じ処理トレイ部
スティプル処理を施す端面綴じ処理トレイFの構成を図5、図6、図12及び図13に示す。
3.1 端面綴じ処理トレイの全体構成
スティプル排紙ローラ11によって端面綴じ処理トレイFへ導かれたシートは、端面綴じ処理トレイF上に順次積載される。この場合、シート毎に戻しコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われ、ジョガーフェンス53によって横方向(シート搬送方向と直交する方向−シート幅方向とも称す)の整合が行われる。ジョブの切れ目、すなわち、シート束の最終紙から次のシート束先頭紙までの間で、制御装置350(図33参照)からのスティプル信号により端面綴じスティプラS1が駆動され、綴じ処理が行われる。綴じ処理が行われたシート束は、直ちに放出爪52aが突設された放出ベルト52によりシフト排紙ローラ6へ送られ、受け取り位置にセットされているシフトトレイ202に排出される。
3.2 シート放出機構
放出爪52aは、図12に示すように放出ベルトHPセンサ311によりホームポジションが検知されるようになっており、この放出ベルトHPセンサ311は放出ベルト52に設けられた放出爪52aによりオン・オフする。放出ベルト52の外周上には対向する位置に2つの放出爪52aが配置され、端面綴じ処理トレイFに収容されたシート束を交互に移動搬送する。また必要に応じて放出ベルト52を逆回転させ、これからシート束を移動するように待機している放出爪52aと対向側の放出爪52aの背面で端面綴じ処理トレイFに収容されたシート束の搬送方向先端を揃えるようにすることもできる。したがって、この放出爪52aはシート束のシート搬送方向の揃え手段としても機能する。
また、図5に示すように、放出ベルト52はシート幅方向の整合中心に位置し、駆動プーリ52dと従動プーリ52e間に張架されて図12に示すように駆動軸52b及びプーリ52cを介して放出モータ157により駆動される。また、複数の放出ローラ56が前記放出ベルト52に関して対称に配置され、駆動軸52bに対して回転自在に設けられ、従動コロとして機能している。なお、符号64a,64bは前側板及び後側板、符号51a及び51bはそれぞれ前側及び後ろ側の後端フェンス(図1では符号51で示す)、符号53a、53bは前側及び後ろ側のジョガーフェンスである。
3.3 処理機構
図6に示すように、戻しコロ12は支点12aを中心に叩きSOL170によって振り子運動を与えられ、端面綴じ処理トレイFへ送り込まれたシートに間欠的に作用してシート後端を後端フェンス51に突き当てる。なお、戻しコロ12は反時計回りに回転する。ジョガーフェンス53は、図5に示すように前後一対設けられ、正逆転可能なジョガーモータ158によりタイミングベルトを介して駆動されてシート幅方向に往復移動する。
端面綴じスティプラS1は、図13に示すように、正逆転可能なスティプラ移動モータ159によりタイミングベルトを介して駆動され、シート端部の所定位置を綴じるためにシート幅方向に移動する。その移動範囲の一側端には、端面綴じスティプラS1のホームポジションを検出するスティプラ移動HPセンサ312が設けられており、シート幅方向の綴じ位置は、前記ホームポジションからの端面綴じスティプラS1移動量により制御される。
図14はスティプラS1の斜め綴じ機構を示す斜視図である。端面綴じスティプラS1は、針の打ち込み角度をシート端部と平行あるいは斜めに変更できるように、さらに、前記ホームポジション位置でスティプラS1の綴じ機構部だけを所定角度斜めに回転させ、スティプル針の交換が容易にできるように構成されている。すなわち、スティプラS1は斜めモータ160によって斜め回転し、針交換位置センサによって所定の斜めの角度に、あるいは、前記針の交換位置まで達したことが斜めセンサ313によって検出されると、斜めモータ160は停止する。斜め打ちが終了し、あるいは針交換が終了すると、元の位置まで回転して次のスティプルに備える。なお、図1及び図5中符号310は端面綴じ処理トレイF上のシートの有無を検出する紙有無センサである。
3.4 シート束後端押さえ機構
端面綴じ処理トレイFに積載されたシート束の後端部の膨らみを押さえる機構を図7ないし図11に示す。
端面綴じ処理トレイFに排出されたシートは、前述のようにシート毎に戻しコロ12で縦方向(シート搬送方向)の整合が行われるが、端面綴じ処理トレイFに積載されたシート後端がカールしていたり、腰が弱かったりするとシート自身の重量によって後端が座屈し膨らむ傾向にある。さらに、その積載枚数が増えることによって、後端フェンス51内の次のシートが入る隙間が小さくなり、縦方向の揃えが悪くなる傾向にある。そこで、シート後端の膨らみを少なくしてシートが後端フェンス51に入りやすくするようにしたのが、後端押さえ機構である。図7はその後端押さえ機構を正面から見た概略構成図である。後端押さえレバー110は、後端フェンス51に収容されたシート束SBの後端を押さえることができる後端フェンス51の下端部に位置し、端面綴じ処理トレイFに対してほぼ垂直な方向に往復動する。
図8に示すように端面綴じ処理トレイFに積載されたシート後端を押さえる後端押さえレバー110a,110b,110cは機械手前、中央、奥に各々配置されている。ここでは、手前の後端押さえレバー110aの機構について説明する。まず、後端押さえレバー110aはタイミングベルト114aに固定されており、タイミングベルト114aは後端押さえレバーモータ112aとプーリ113aを介しているため、後端押さえレバーモータ112aの回転に合わせて動作する。また、後端押さえレバー110aに突設された凸形状の遮蔽部がホームセンサ111aを遮蔽することにより後端押さえレバー110aのホームポジションが検出される。後端押さえレバー110aのホームポジションはスティプラS1が図13のような矢印方向(シート端部を綴じるためにシート幅方向)に移動する範囲において、スティプラS1と干渉しない位置に設定されている。シート束後端を押さえる方向、すなわち図12の矢印方向に動作させる量は、後端押さえレバーモータ112aへの入力パルス数で決められており、後端押さえレバー110aの先端がシート束SBに接触してシート束後端の膨らみを押さえる位置まで動作する。積載されているシート束SBの厚さの変化には、スプリング115aの伸縮動作によって吸収し、対応するようにしている。後端押さえレバー110b,110cの動作も上記後端押さえレバー110aと同等である。したがって、後端押さえレバー110b,110cに関する周辺機構に関しても添え字aに対して添え字b及びcを付して、説明は省略する。
各綴じモードにおける後端押さえレバー110a,110b,110cと端面綴じスティプラS1との関係については、図9が手前綴じ、図10が2箇所綴じ、図11が奥綴じのときのスティプラS1の待機位置になる。各待機位置で、後端押さえレバー110a,110b,110cのいずれかが作動したときにスティプラS1と干渉しないようにしなければならない。図9の手前綴じのときには、後端押さえレバー110b,110c、2箇所綴じのときには、後端押さえレバー110a,110b、110c、奥綴じのときには、後端押さえレバー110a,110bが作動する。図9から図11に各綴じモードにおける後端押さえレバーの作動位置を示す。これらの後端押さえレバー110a,110b,110cの作動タイミングは、排出されたシートが後端フェンス51内に積載されてジョガーフェンス53によってシート幅方向の揃えが行われてから、次のシートが戻しコロ12によって整合されるまでの間に設定されている。
4.シート束偏向機構
図15はシート束偏向機構の要部を示す図である。
図1及び図15に示すように端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ、また端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へシート束を送る搬送路、及びシート束を搬送する搬送手段は、シート束に搬送力を与える搬送機構35、シート束をターンさせる放出ローラ56、シート束のターン搬送路57(図18)のガイドを行うガイド部材44とから構成されている。各々の詳細な構成を説明すると、図15に示すように搬送機構35のローラ36には駆動軸37の駆動力がタイミングベルト38によって伝達される構成となっており、ローラ36と駆動軸37はアーム39によって連結支持され、駆動軸37を回転支点として揺動可能となっている。搬送機構35のローラ36の揺動駆動はカム40によって行われ、カム40は回転軸41を中心に回転し、駆動はモータM1から伝達される。搬送機構35を回転移動させるカム40のホームポジションはセンサSN1で検知される。ホームポジションからの回転角度は図15に示した機構に対してセンサを増設して制御しても良いし、モータM1のパルス制御で調整しても良い。なお、この搬送機構35の構成としては例えば大きく分けて図16(a),(b)の2つの構成がある。すなわち駆動軸37をシート搬送方向上流側(図16(a))に配置するか下流側(図16(b))に配置するかである。いずれかを選択するかは、他の機構との配置の問題であり、優劣があるわけでない。
搬送機構35では、ローラ36の対向する位置には従動ローラ42が配置され、従動ローラ42とローラ36によってシート束を挟み、弾性材43によって加圧し、搬送力を与えている。またシート束Pの紙厚が厚くなるほど搬送力、つまり加圧力が必要になるため、図17のような構成として、弾性材43を介して搬送機構35のローラ36をカム40によって押し付ける構成にし、加圧力はカム40の押し付け角度で調整しても良い。また図18(a)のように搬送機構35のローラ36と対向するローラを従動ローラ42に代えて放出ローラ56としても良く、このときローラ36と放出ローラ56とのニップ位置は、束の搬送軌跡線D1と放出ローラ56の同心円C1とが接する接点位置近傍とすることが望ましい。
端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへシート束を搬送する搬送路であるターン搬送路57は、放出ローラ56と放出ローラ56の対向する側のガイド部材44から構成され、ガイド部材44は支点45を中心に回動し、その駆動は束分岐駆動モータ161から伝達される。またガイド部材44のホームポジションはセンサSN2によって検知される。また、端面綴じ処理トレイFから積載手段であるシフトトレイ202へシート束を搬送する搬送路は、図18(b)のようにガイド部材44が支点45を中心に図示時計方法に回動し、ガイド部材44とガイド板46間の空間を搬送路として使用する。
図19ないし図22は、前記搬送機構35、ガイド部材44及び放出ローラ56を使用したシート束変更機構の基本動作を示す動作説明図である。
ここで端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへシート束Pを送る場合、図19のように端面綴じ処理トレイFで整合されたシート束の後端を放出爪52aで押し上げ、搬送機構35のローラ36と対向する従動ローラ42とでシート束を挟み搬送力を与える。このとき搬送機構35のローラ36は、シート束P先端にぶつからないような位置で待機している。
ここで図20(a)のように、シート束が端面綴じ処理トレイFにおいて整合時に積載される面、もしくは放出爪52aで押し上げられるときにシート束Pがガイドされる面とローラ36との距離L1は、端面綴じ処理トレイFから中綴じ処理トレイGへ送るシート束の最大紙厚L2よりも広くし、シート束先端とローラ36との衝突を回避する。その際、端面綴じ処理トレイFで整合するシート枚数や、シート種(紙種)によってシート束の厚みが変わるため、ローラ36がシート束Pの先端との衝突を回避する必要最小限の位置も変わる。そこで、前記シート枚数、シート種(紙種)の情報によって退避位置を変動させれば、退避位置から搬送力を与える位置までの移動時間も必要最小限にでき、生産性に有利に働くこととなる。この枚数やシート種(紙種)の情報は画像形成装置PR本体からのjob情報でも良いし、シート後処理処理装置PD内のセンサで得ても良い。しかし、端面綴じ処理トレイFで整合したシート束Pに想定外の大きなカールが発生している場合、そのシート束Pを放出爪52aで押し上げるときにシート先端とローラ36とが接触してしまう場合も考えられるため、図20(b)のようにローラ36の直前にガイド47を設け、シート先端とコロとの接触角度が小さくなるような構成にしておく必要がある。このガイド47は固定部材でも弾性部材でも同様の効果を得ることができる。
次に、図21のようにシート束P先端が通過してからシート表面に搬送機構35のローラ36を接触させ、搬送力を与える。このときガイド部材44と放出ローラ56とでターン搬送路57のガイドを形成し、シート束Pを下流の中綴じ処理トレイGへと搬送する。
端面綴じ処理トレイFからシフトトレイ202へシート束Pを送る場合には、図22のようにガイド部材44を中綴じ処理トレイGに送り込む図21に示した角度よりもさらに図示時計方向に回動させ、ガイド部材44とガイド板46とでシフトトレイ202へつながる搬送路を形成する。そして、端面綴じ処理トレイFで整合されたシート束Pの後端を放出爪52aで押し上げ、シフトトレイ202へと搬送する。この場合には、搬送機機構35のローラ36の搬送力は使用しない。
なお、本発明では放出ローラ56を、放出ベルト52を駆動する駆動軸に対して拘束されず、シート束の搬送に追従する従動ローラとして機能させているが、モータ157によって駆動される駆動ローラとして機能させることもできる。駆動ローラとして機能させる場合には、放出ローラ56の周速が放出ベルト52の周速より速くなるように設定する。
5.中綴じ処理トレイ
中綴じ及び中折りは端面綴じ処理トレイFの下流側設けられた中綴じ処理トレイGにおいて行われる。シート束は端面綴じ処理トレイFから前記シート束偏向機構により中綴じ処理トレイGに導かれる。以下、中綴じ処理トレイGの構成について説明する。
5.1 折り処理トレイの構成
図1に示すように搬送機構35、ガイド部材44及び放出ローラ56からなるシート束偏向機構の下流側に中綴じ処理トレイGが設けられている。中綴じ処理トレイGは、前記シート束偏向機構の下流側にほぼ垂直に設けられており、中央部に中折り機構が、その上方に束搬送ガイド板上92が、また、下方に束搬送ガイド板下91が配置されている。また、束搬送ガイド板上92の上部には束搬送ローラ上71が、下部には束搬送ローラ下72がそれぞれ設けられているとともに、両ローラ71,72間を跨ぐように束搬送ガイド板上92の側面に沿って両側に中綴じ上ジョガーフェンス250aが配置されている。同様に束搬送ガイド板下91の側面に沿って両側に中綴じ下ジョガーフェンス250bが設けられ、この中綴じ下ジョガーフェンス250bが設置されている個所に中綴じスティプラS2が配置されている。中綴じ上ジョガーフェンス250a及び中綴じ下ジョガーフェンス250bは図示しない駆動機構により駆動され、用搬送方向に直交する方向(シートの幅方向)の整合動作を行う。中綴じスティプラS2は、クリンチャ部とドライバ部とが対となったもので、シートの幅方向に所定の間隔をおいて2対設けられている。なお、ここでは、2対固定した状態で設けているが、一対のクリンチャ部とドライバ部とをシートの幅方向に移動させて2箇所綴じを行うように構成することもできる。
また、束搬送ガイド板下91を横切るように可動後端フェンス73が配置され、タイミングベルトとその駆動機構とを備えた移動機構によりシート搬送方向(図において上下方向)に移動可能となっている。駆動機構は図1に示すように前記タイミングベルトが掛け渡された駆動プーリと従動プーリと、駆動プーリを駆動するステッピングモータとにより構成されている。同様に束搬送ガイド板上92の上端側には、後端叩き爪251と、その駆動機構が設けられている。後端叩き爪251はタイミングベルト252と図示しない駆動機構とによって前記シート束偏向機構から離れる方向とシート束の後端(シート束導入時に後端に当たる側)を押す方向とに往復移動可能となっている。なお、図1において、符号326は後端叩き爪251のホームポジションを検出するためのホームポジションセンサである。
中折り機構は、中綴じ処理トレイGのほぼ中央部に設けられ、折りプレート74と折りローラ81と、折られたシート束を搬送する搬送路Hとからなっている。
5.2 折りプレート及びその作動機構
図23は折りプレート74の移動機構を示す動作説明図である。
折りプレート74は前後側板に立てられた各2本の軸に長穴部74aを遊嵌させることによって長穴部74aの長軸方向に移動可能に支持され、軸部74bとリンクアーム76の長穴部76bは嵌合されており、リンクアーム76が支点76aを中心に揺動することにより折りプレート74は図23中を左右に往復移動する。このリンクアーム76の支点76aに関して前記長穴部76bと反対側の端部には、長穴部76cが設けられている。この長穴部76cには折りプレート駆動カム75の軸部75bが遊嵌しており、折りプレート駆動カム75の回転運動によりリンクアーム76が揺動する。折りプレート駆動カム75は折りプレート駆動モータ166により図23中の矢印方向に回転する。その停止位置は半月形状の遮蔽部75aの両端部を折りプレートHPセンサ325により検知することで決定される。
図23(a)は、中綴じ処理トレイGのシート束収容領域から完全に退避したホームポジション位置を示す。折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、中綴じ処理トレイGのシート束収容領域に突出する。図23(b)は、中綴じ処理トレイGのシート束中央を折りローラ81のニップに押し込むときの各部の状態を示す。折りプレート駆動カム75を矢印方向に回転させると折りプレート74は矢印方向に移動し、中綴じ処理トレイGのシート束収容領域から退避する。
なお、この実施形態では、中折りについてはシート束を綴じることを前提にしているが、この発明は1枚のシートを折る場合でも適用できる。この場合は、1枚だけの場合には中綴じは不要なので、1枚排紙された時点で中綴じ処理トレイG側に送り込み、折りプレート74と折りローラ81とによって折り処理を実行して排紙ローラ83から下トレイ203に排紙するようにする。符号323は中折りされたシートを検出するための折り部通過センサ、符号321はシート束が中折り位置に到達したことを検知する束検出センサ、符号322は可動後端フェンス73のホームポジションを検出する稼働後端フェンスホームポジションセンサである。
また、この実施形態では、下トレイ203に中折りされたシート束の積層高さを検出する検出レバー501が支点501aによって揺動自在に設けられ、この検出レバー501の角度を紙面センサ505によって検出し、下トレイ203の昇降動作及びオーバーフロー検出を行っている。
5.3 モードと排出形態
本実施形態では、下記の後処理モードが設定され、そのモードに応じてシートが排出される。その後処理モードとは、
・ノンスティプルモードa:搬送路A及び搬送路Bを通り上トレイ201へシートが排出されるモード。
・ノンスティプルモードb:搬送路A及び搬送路Cを通りシフトトレイ202へシートが排出されるモード。
・ソート、スタックモード:搬送路A及び搬送路Cを通りシフトトレイ202へシートが排出され、排出の際、シフトトレイ202が、部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動し、排出されるシートの仕分けを行うモード。
・スティプルモード:搬送路A及び搬送路Dを経て端面綴じ処理トレイFでシート束の整合及び綴じが施され、シート束が搬送路Cを通りシフトトレイ202へ排出されるモード。
・中綴じ製本モード:搬送路A及び搬送路Dを経て端面綴じ処理トレイFでシート束の整合及び中央綴じが施され、さらにシート束が処理トレイGで中央折りを施され、搬送路Hを通り下トレイ203へ排出されるモード。
の5つのモードである。以下、各モードの動作を示す。
(1)ノンスティプルモードaの動作
搬送路Aから分岐爪15で振り分けられたシートは搬送路Bに導かれ、搬送ローラ3と上排紙ローラ4によって上トレイ201へ排出される。また、上排紙ローラ4の近傍に配置されシートの排出を検出する上排紙センサ302によって排紙の状態を監視する。
(2)ノンスティプルモードbの動作
搬送路Aから分岐爪15分岐爪16で振り分けられたシートは搬送路Cに導かれ、搬送ローラ5シフト排紙ローラ6によってシフトトレイ202へ排出される。また、シフト排紙ローラ6の近傍に配置されシートの排出を検出するシフト排紙センサ303によって排紙の状態を監視する。
(3)ソート、スタックモードの動作
(2)ノンスティプルモードb時と同様の搬送排紙を行う。その際、シフトトレイ202が部の区切れ毎に排紙方向と直交方向に揺動することにより、排出されるシートは仕分けられる。
(4)スティプルモードの動作
搬送路Aから分岐爪15分岐爪16で振り分けられたシートは、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7、搬送ローラ9、搬送ローラ10、スティプル排紙ローラ11により端面綴じ処理トレイFに排出される。前記端面綴じ処理トレイFでは、排紙ローラ11により順次排出されるシートを整合し、所定枚数に達すると端面綴じスティプラS1により綴じ処理を行う。その後、綴じられたシート束は放出爪52aにより下流へ搬送されシフト排紙ローラ6によりシフトトレイ202へ排出される。またシフト排紙ローラ6の近傍に配置されシートの排出を検出するシフト排紙センサ303によって排紙の状態を監視する。
(4−1)スティプル後の放出処理
スティプルモードが選択されると、図6に示すように、ジョガーフェンス53はホームポジションから移動し、端面綴じ処理トレイFに排出されるシート幅より片側7mm離れた待機位置で待機する。シートがスティプル排紙ローラ11によって搬送され、シート後端がスティプル排紙センサ305を通過すると、ジョガーフェンス53が待機位置から5mm内側に移動して停止する。また、スティプル排紙センサ305はシート後端通過時点にそれを検知し、その信号がCPU360に入力される(図33参照)。CPU360ではこの信号の受信時点からスティプル排紙ローラ11を駆動する図示しないスティプル搬送モータからの発信パルス数をカウントし、所定パルス発信後に叩きSOL170をオンさせる。戻しコロ12は、叩きSOL170のオン・オフにより振り子運動をし、オン時にはシートを叩いて下方向に戻し、後端フェンス51に突き当てて紙揃えを行う。このとき、端面綴じ処理トレイFに収容されるシートが入口センサ101あるいはスティプル排紙センサ305を通過するたびにその信号がCPU360に入力され、シート枚数がカウントされる。
叩きSOL170がオフされて所定時間経過後、ジョガーフェンス53は、ジョガーモータ158によってさらに2.6mm内側に移動して一旦停止し、横揃えが終了する。ジョガーフェンス53はその後7.6mm外側に移動して待機位置に戻り、次のシートを待つ。この動作を最終頁まで行う。その後再び7mm内側に移動して停止し、シート束の両側端を押さえてスティプル動作に備える。その後、所定時間後に図示しないスティプルモータにより端面綴じスティプラS1が作動し、綴じ処理が行われる。このとき2箇所以上の綴じが指定されていれば、1箇所の綴じ処理が終了した後、スティプル移動モータ159が駆動され、端面綴じスティプラS1がシート後端に沿って適正位置まで移動され、2箇所目の綴じ処理が行われる。また、3箇所目以降が指定されている場合は、これを繰り返す。
綴じ処理が終了すると、放出モータ157が駆動され、放出ベルト52が駆動される。このとき、排紙モータも駆動され、放出爪52aにより持ち上げられたシート束を受け入れるべくシフト排紙ローラ6が回転し始める。このとき、ジョガーフェンス53はシートサイズ及び綴じ枚数により異なるように制御される。例えば、綴じ枚数が設定枚数より少ない、あるいは設定サイズより小さい場合には、ジョガーフェンス53によりシート束を押さえながら放出爪52aによりシート束後端を引っかけ搬送する。そして、紙有無センサ310あるいは放出ベルトHPセンサ311による検知より所定パルス後にジョガーフェンス53を2mm退避させジョガーフェンス53によるシートへの拘束を解除する。この所定パルスは、放出爪52aがシート後端と接触してからジョガーフェンス53の先端を抜ける間で設定されている。また、綴じ枚数が設定枚数より多い、あるいは設定サイズより大きい場合には、予めジョガーフェンス53を2mm退避させ、放出を行う。いずれの場合もシート束がジョガーフェンス53を抜けきると、ジョガーフェンス53は、さらに5mm外側に移動して待機位置に復帰し、次のシートに備える。なお、シートに対するジョガーフェンス53の距離により拘束力を調整することも可能である。
(5)中綴じ製本モードの動作
図24は端面綴じ処理トレイFと中綴じ処理トレイGを示す正面図、図25ないし図32は中綴じ製本モードの場合の動作説明図である。
図1において、搬送路Aから分岐爪15と分岐爪16とによって振り分けられたシートは、搬送路Dに導かれ、搬送ローラ7、搬送ローラ9、搬送ローラ10、及びスティプル排紙ローラ11により図24に示す端面綴じ処理トレイFに排出される。端面綴じ処理トレイFでは、前記(4)で説明したスティプルモード時と同様に排紙ローラ11により順次排出されるシートを整合し、スティプルする直前までは前記スティプルモード時と同様に動作する(図25参照−シート束が後端フェンス51で整合された状態を示す)。
シート束が端面綴じ処理トレイFで仮整合された後、図26に示すようにシート束先端部は放出爪52aにより押し上げられ、シート束先端と干渉しない間隔まで開放されたコロ36と従動ローラ42を通過し、ガイド部材44の内面と放出ローラ56の外周面とが対向する位置まで進入する。次いで、ローラ36が揺動駆動機構であるモータM1とカム40とによって閉じ、シート束先端部はローラ36と従動ローラ52とによって所定圧で挟持され、ローラ36がタイミングベルト38から駆動力を得て回転し、また、放出ローラ56の回転により図27に示すように中綴じ処理トレイGへ導かれる経路に沿って下流側へ搬送される。放出ローラ56は放出ベルト52の駆動軸に設けられており放出ベルト52と同期して駆動される。
シート束は、図27の位置から図28の位置まで搬送されるが、中綴じ処理トレイGに入ってからは束搬送ローラ上71と束搬送ローラ下72によって搬送される。そのとき、各シート束の搬送方向のサイズに応じて可動後端フェンス73は異なる停止位置で待機している。待機している可動後端フェンス73にシート束先端が当接してスタックされたとき、図28に示すように束搬送ローラ下72の圧が解除され、図29に示すように後端叩き爪251によりシート束の後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う。これは、端面綴じ処理トレイFで仮整合されたシート束が可動後端フェンス73にスタックされるまでにシート束にずれが発生している可能性があるため、最終的な揃えを後端叩き爪251で行う必要があるからである。
図29に示す位置は、中綴じ位置であり、可動後端フェンス73は前記中綴じ位置で待機し、中綴じ上ジョガーフェンス250aと中綴じ下ジョガーフェンス250bによって幅方向の最終的な揃えが行われ、その中央を中綴じスティプラS2により綴じ処理する。ここで、可動後端フェンス73は可動後端フェンスHPセンサ322からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪251は後端叩き爪HPセンサ326からのパルス制御により位置決めされる。
図30に示すように、中綴じされたシート束は束搬送ローラ下72の加圧が解除されたまま、可動後端フェンス73の移動に伴って中折り位置が折りプレート74に対応する位置まで上方に運ばれ、その後、図31に示すように、綴じられた針部近傍を折りプレート74により略直角方向に押し込み、折りプレート74の進出方向に配置された対向する折りローラ81のニップへと導かれる。予め回転していた折りローラ81はそのシート束を銜え込み、加圧搬送することによってシート束中央に折りを施す。このように中綴じされたシート束を折り処理のために上方に移動させると、可動後端フェンス73の移動のみで確実にシート束を搬送することができる。仮に折り処理のために下方に移動させようとすると可動後端フェンス73の移動のみでは確実性に乏しくなり、搬送ローラ等の別の手段を要することになり、構成的にも複雑になる。
図32に示すように、折りを施されたシート束は第2の折りローラ82により折りぐせを強化され、下排紙ローラ83により下トレイ203へ排出される。このとき、シート束後端が折り部通過センサ323に検知されると、折りプレート74と可動後端フェンス73はホームポジションに復帰し、束搬送ローラ下72の加圧も復帰し、次のシートの搬入に備える。なお、次のジョブが同シートサイズ同枚数であれば、可動後端フェンス73は再び図24の位置に移動して待機しても良い。なお、図1には図31及び図32に示した第2の折りローラ82は図示されていないが、この第2の折りローラ82を設置するか否かは設計条件に応じて決定される。また、下排紙ローラの後段に裁断手段として小口裁断機を設けることもできる。
6.制御回路
図33は本実施形態に係るシステム全体の制御構成を示すブロック図である。シート後処理装置PDの制御回路350は、図33に示すように、CPU360、I/Oインターフェース370等を有するマイクロコンピュータであり、画像形成装置PR本体の図示しないコントロールパネルの各スイッチ、及び紙面検知センサ330等の各センサからの信号がI/Oインターフェース370を介してCPU360へ入力される。CPU360は、入力された信号に基づいて、シフトトレイ202用のトレイ昇降モータ168、開閉ガイド板を開閉する排紙ガイド板開閉モータ167、シフトトレイ202を移動するシフトモータ169、戻しコロ12を駆動する戻しコロモータ、叩きSOL170等の各ソレノイド、各搬送ローラを駆動する搬送モータ、各排紙ローラを駆動する排紙モータ、放出ベルト52を駆動する放出モータ157、端面綴じスティプラS1を移動させるスティプラ移動モータ159、端面綴じスティプラS1を斜めに回転させる斜めモータ160、ジョガーフェンス53を移動させるジョガーモータ158、ガイド部材44を回動させる束分岐駆動モータ161、シート束を搬送する搬送ローラ56を駆動する束搬送モータ、可動後端フェンス73を移動させる後端フェンス移動モータ、折りプレート74を移動させる折りプレート駆動モータ166、折りローラ81を駆動する折りローラ駆動モータ等の駆動を制御する。スティプル排紙ローラを駆動する図示しないスティプル搬送モータのパルス信号はCPU360に入力されてカウントされ、このカウントに応じて叩きSOL170及びジョガーモータ158が制御される。
なお、後述の制御は図示しないROMに格納されたプログラムコードをCPU360が読み込み、図示しないRAMに展開し、当該RAMをワークエリアとして使用しながら前記プログラムコードで示されたプログラムに基づいて実行される。
7.ホーミング機構及び動作
7.1 シフトトレイのホーミング機構及び動作
図2は前述のようにシフトトレイのシフト(揺動)機構を示す図である。図2において、シフトセンサ336は光透過型センサからなり、シフトセンサフィラー20の切り欠き(2箇所)20aを光が透過することによって切り欠き20aを検出し、この検出した位置をホームポジションとする。シフトセンサフィラー20の切り欠き20aを検出した状態でシフトセンサフィラー20が停止しているときは、シフトセンサ336の検出状態、ここではON状態によって、シフトモータ169を動作させることなくホームポジション状態とする。
例えば、シフトセンサフィラー20が図2に示す状態で停止していたときに電源がオンになると、従来では、シフトセンサ336がONの状態であっても、シフトモータ169を駆動し、シフトセンサフィラー20を回転させてシフトセンサ336を一旦OFF状態とする。そして、この位置から回転を戻してシフトセンサ336がONになった位置をホームポジションとしていた。このため、ホームポジション位置はシフトセンサ336のエッジを切った位置となり、検出精度はシフトセンサ336の光束の径によって左右され、比較的高いものであった。
しかし、シフトトレイは、ストロークが15mmから30mm程度であり、しかも、積み重ねられた用紙又は用紙束が上、下の用紙あるいは用紙束との間で区別できれば良いという程度の精度である。そのため、ホームポジションとしてシフトセンサ336の光束を切り欠き20aのエッジが切った部分とする必要はなく、切り欠き20a部分に位置していれば、次の制御を行うに際して問題はない。すなわち、シフトトレイ202のシフト動作に際しては、切り欠き20aの幅(円周方向の切り欠き寸法)のどの位置にシフトセンサ336が位置しても問題はない。
そこで、このシフトトレイ202のホームポジション検知では、電源オン時のような初期化とき、あるいは制御開始時の位置確認時にシフトセンサ336がONになっていれば、ホームポジションに位置していると見なしてホームポジション検知動作を行わずに、そのまま次の制御を実行する。この場合、ホームポジションとして設定されるシフトセンサ336の検出範囲は、切り欠きの20aの幅となる。この幅が大きければ、その分ホームポジションに位置している確率も大きくなり、全体の制御に占めるホーミング時間の短縮化を図ることができる。
7.2 後端押さえレバーのホーミング機構及び動作
図8ないし図11は前述のように後端押さえ機構の動作を示す動作説明図である。これらの図において、これらの後端押さえ機構では、後端押さえレバー110a,110b,110cの進出方向に対して後端の部分に凸形状部110a’,110b’,110c’が突設されている。この凸形状部110a’,110b’,110c’がホームセンサ111a,111b,111cの光透過部を遮蔽することによってホームポジションを検出している。そこで、前記凸形状部110a’,110b’,110c’がホームセンサ111a,111b,111cによって検出されている場合は、後端押さえレバー110a,110b,110cがホームポジション位置で停止していると見なす。これにより、後端押さえレバーモータ112を動作させることなくホームポジション状態を検出することができる。この場合も、凸形状部110a’,110b’,110c’のホームセンサ111a,111b,111cの検出位置に精度の高さは要求されておらず、ホームセンサ111a,111b,111cの検出幅(検出範囲)のどの位置に凸形状部110a’,110b’,110c’が位置していても、その位置から後端押さえ動作を開始することができる。
7.3 スティプラのホーミング機構及び動作
図13に示したスティプラ移動機構においても、スティプラ移動HPセンサ312が端面綴じスティプラS1のホームポジションを検出する。この端面綴じスティプラS1の場合もスティプル針を打ち込む位置の精度が問題となるが、それほどの精度は要求されていない。そこで、スティプラ移動HPセンサ312がON状態であれば、最移動、再検知動作を行うことなく、検知した位置をホームポジションと見なして次制御に以降することができる。
7.4 ホーミング動作制御
このように本実施形態では、前記各種部材のホーミングを行う際に、ホームポジション検出手段としてのホームセンサによってホームポジション状態を検出した部材についてはホーミング動作を行わず、非ホームポジション状態を検出した部材のみホーミング動作を行う。このときの動作手順を図34のフローチャートに示す。
図34は用紙処理装置のホーミング動作を示すフローチャートである。同図において、複数の機構A,B,Cがある場合、各機構A,B,Cについて順にホームセンサにより前記機構の検出対象部を検出し、ホームポジションに位置しているかどうかを判定し(ステップS101)、ホームポジション外であれば、ホーミング動作を行い(ステップS102)、ホームポジションであれば、ホームポジション検知動作を行わずに次の機構Bについてホームポジションかどうかを判定する(ステップS103)。ここでもステップS101、ステップS102と同様の動作を行い、次の機構Cへとホームポジション検知動作を行って(ステップS103−S106)処理を終える。ここでは、機構としてA,B,Cの3機構しか例示していないが、ホームポジション検知動作が必要な全ての制御対象となる機構について前記処理を繰り返す。
前記ステップS101,103,105において、仮にホームポジションを検出した状態で機構の異常状態を検出した場合、規定の異常処置を行った後、電源OFF/ON等の異常復帰処置が取られることになる。しかし、依然としてホームポジションを検出した状態の場合、機構異常が解消されていないにも拘わらずホーミング動作、すなわち異常検出が行われないため、異常を検出できない状態で用紙搬送を開始させる場合も生じ得る。
そこで、本実施形態では、前記各種機構の異常状態を検出する異常検出手段を設けた。この異常検出手段は、少なくともホームポジション検出動作中に各種機構の異常を検出する機能と、前記異常を検出した情報を記憶する異常情報記憶手段を有し、前記異常情報記憶手段に記憶された異常情報によって、前記各種機構のホーミングを行う際に、ホーミング動作を行うか否かを決定するようにした。図35は異常検出手段の構成を示すブロック図である。異常検出手段はCPU360、揮発性メモリ381及び不揮発性メモリ382からなり、CPU360は図33に示したI/O370から、あるいはI/Oを介さずに取り込んだセンサ情報からホーミングの異常検出や、ホーミングのモータ駆動制御を実行する。すなわち、異常検出手段はCPU360の機能として実現されるものである。すなわち、この機能は、図示しないROMに格納されたプログラムコードをCPU360が読み出し、図示しないRAMに展開するととともに、当該RAMをワークエリアとして使用し、前記プログラムコードに沿った動作を実行することにより実現される。なお、CPU360の動作をASICに置換して実行させることも可能である。
図36は、異常検出をホーミング動作中及び用紙処理動作中に行って異常処理を行うときのCPU360の動作手順を示すフローチャートである。同図において、機構Aのホーミング動作中にホーミングを行うモータを駆動する(ステップS201)。次いで、ホームセンサによって機構Aがホームポジションに位置しているかどうかをチェックする(ステップS202)。ホームポジションに位置していれば、前記モータを停止させ(ステップS203)、機構Aの異常情報をクリアする(ステップS204)。
一方、ステップS202で機構Aがホームポジションに位置していなければ、機構Aを駆動させるモータを規定最大量まで駆動し(ステップS205−YES)、機構Aの異常処理を実行する(ステップS206)。そして、異常が検出された場合は、機構Aの異常情報をメモリに記憶する(ステップS207)。メモリは前記揮発性メモリ381あるいは不揮発性メモリ382であり、ステップS204でクリアする異常情報も前記メモリ381,382に記憶されたものである。このように異常情報をメモリ381,382に記憶しておくと、機構のホーミングを行う際に前記異常情報を参照し、直前の動作で異常が発生していた場合は、ホームポジション状態に拘わらずホーミング動作を行う。図37はこのときの動作手順を示すフローチャートである。
図37において、この動作手順では、用紙処理装置のホーミングを行う際に、機構Aがホームポジションに位置しているかどうかをチェックし(ステップS301)、ホームポジションに位置していなければ、ホーミング動作を実行し(ステップS302)、ホームポジションに位置していれば(ステップS301−NO)、機構Aについての異常情報がメモリにセットされているかどうかをチェックする(ステップS303)。そして、セットされていればステップS302でホーミング動作を実行し、セットされていなければ、正常にホームポジションに位置していると見なして、次の機構である機構Bに対して同様の動作を繰り返し(ステップS304,S305,S306)、さらに次の機構のホームポジションと異常チェックを繰り返す(ステップS307,S308,S309)。
なお、前記ステップS207で異常情報をメモリ381,382に記憶するようになっているが、直前に発生した異常情報を揮発性メモリ381に保存した場合、電源OFF/ONで異常情報が消えてしまうので、ホーミング動作、すなわち異常検出が行われない。そこで、本実施形態では、異常情報は不揮発性メモリ382に保存するようにしている。
また、本実施形態に係る用紙後処理装置PDは、用紙搬送上流機、ここでは画像形成装置PRとの通信手段を有し、異常状態を検出した情報を用紙搬送上流機(画像形成装置PR)380から受信し、また、異常情報を送信する。前述した図33のシステム構成図には画像形成装置(上流機)380との通信(TXD:送信、RXD:受信)接続状態が図示されている。
7.5 ホーミングの動作タイミング
ホーミング動作を行った場合、前記機構が動作することから動作音が発生する。特に、電源ON時やカバー閉時はユーザにとって動作音が発生する必要性が分かりづらいため、耳障りと感じやすい。そこで、本実施形態では、用紙搬送、用紙処理の停止直後に前記ホーミング動作を行うようにしている。用紙搬送、用紙処理の停止直後にホーミング動作を行えば、ホーミング動作音は用紙搬送、用紙処理の動作音と重なるので、ユーザが気づき難く、ユーザに不快感を与えることが少ない。
一方、各種機構のホーミング動作が長く、動作音によりユーザに不快感を与える場合、あるいは電力消費、部品磨耗等が問題になる場合がある。例えば前述のように機構A,B,Cについてホームポジション検知制御を行っているとき、機構によってホーミング処理に要する時間が異なり、停止直前の動作モードによってはホーミングの動作音がより耳障りになる場合もある。そこで、このような場合には、停止直前の動作モード、例えば、前述の5.3で述べたモードに応じて図34、図36、図37に示したようなフローチャートの機構AからCの処理順序を変更することもできる。これにより、動作モードと機構との関係で、ユーザに最も不快感を与えることのない動作モードとホーミング動作との関係を選択することができる。さらに、ホーミング動作が最小で済むような組み合わせも可能となる。
なお、全ての機構について電源ON時、カバー閉時にホームセンサがON状態にあれば当該機構がホーム位置に位置しているとして制御できるわけではない。前述のようにホームポジションと認定できる検知幅を設定できる場合だけである。そのため、このように検知幅を設定し、その幅内で当該機構の一部を検知したときにホームポジションに位置していると認定できない場合には、該当する機構に関しては従来技術のように電源ON時、カバー閉時にホーミング動作を行う必要がある。例えばドアの開閉が複数回行われれば、そのたびにホーミング動作も行わなくてはならなくなる。
このような場合に、用紙搬送、用紙処理の開始直前に前記ホーミング動作を行うようにする。このようにすると、その後、引き続いて用紙搬送、あるいは用紙処理が開始されるので、ユーザは一連の処理の動作として認識し、これによりユーザに不快感を与えることがなくなる。なお、用紙搬送、用紙処理の開始直前にホーミング動作を行えば、電源ON時、カバー閉時にホーミング動作を行う必要はない。
また、前述のようにホームポジション検出動作中に各種機構の異常を検出した場合、異常の発生した機構部へ用紙搬送を行えば、用紙ジャム等の不具合が発生する。そこで、前記CPU351(異常検出手段)によって異常を検出した場合、動作中の動作モードの用紙搬送経路とは異なる経路に用紙を搬送し、異常の発生した機構部に用紙を送らないようにする。このときの動作手順を図38に示す。図38は異常時経路切替の動作手順を示すフローチャートである。
図38において、用紙搬送が開始され(ステップS401)、用紙処理装置のホーミング動作が実行され(ステップS402)、ホーミング動作中に機構の異常が検出されると(ステップS403−YES)、搬送経路の切り替え、及び排出動作が行われ、用紙はプルーフトレイ201に排紙される(ステップS404)。ホーミング動作中に異常が検出されない場合には、通常の用紙搬送が行われ、その搬送動作にしたがって用紙は所定のトレイに排紙される(ステップS405)。
これによりホーミング動作中に機構異常が発生した場合に、用紙ジャムが発生することがなく、ユーザへの負担を最小限に抑えることができる。
なお、ここでは、最適な実施形態を示しているが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる。
本発明の実施形態に係るシート後処理装置と画像形成装置とからなるシステムの全体構成図である。 図1におけるシート後処理装置のシフト機構を示す斜視図である。 図1におけるシート後処理装置のシフトトレイの昇降機構を示す斜視図である。 図1におけるシート後処理装置のシフト排紙ローラと開閉ガイド板の機構を示す斜視図である。 スティプル処理を施す端面綴じ処理トレイの構成を示す平面図である。 スティプル処理を施す端面綴じ処理トレイの構成を示す斜視図である。 端面綴じ処理トレイに積載されたシート束の後端部の膨らみを押さえる機構を示す図である。 図7のa方向矢視図である。 手前綴じ時の端面綴じレバーとスティプラの待機位置との関係を示す図である。 2箇所綴じ時の端面綴じレバーとスティプラの待機位置との関係を示す図である。 奥綴じ時の端面綴じレバーとスティプラの待機位置との関係を示す図である。 シート束を押し上げる放出ベルトと放出爪の駆動機構を示す斜視図である。 端面綴じスティプラの構成を示す斜視図である。 端面綴じスティプラの斜め綴じ機構を示す斜視図である。 シート束偏向機構を示す図である。 シート束偏向機構におけるシート束搬送機構の一例を示す図である。 シート束偏向機構におけるシート束搬送機構の他の例を示す図である。 シート束偏向機構によりシートを偏向させて送る場合と、偏向させないでシフトトレイ側に送る場合の動作説明図である。 端綴じ処理部で整合されたシート束の後端を放出爪で押し上げるときの状態を示す図である。 シート束を送るときにジャムを生じないようにする機構の動作説明図である。 シート束を偏向させる際に、シート先端が通過してからシート表面に搬送手段のコロを接触させ、搬送力を与えるときの動作説明図である。 ガイド部材を回動させ、ガイド部材とガイド板とでシフトトレイへつながる搬送路を形成し、端綴じ処理部で整合されたシート束の後端を放出爪で押し上げてシフトトレイへと搬送するときの動作説明図である。 中折り機構の動作を示す動作説明図である。 端面綴じ処理トレイと中綴じ処理トレイを示す正面図である。 スティプル処理トレイにシートが整合されて集積された状態を示す図である。 図25の状態から放出爪でシート束の押し上げを開始したときの状態を示す図である。 図26の状態からシート偏向機構に導入された初期の状態を示す図である。 図27の状態から中折り処理トレイにシート束が搬送されたときの状態を示す図である。 図28の状態から中折り処理トレイに搬送されたシート束を整合している状態を示す図である。 図29の状態から中折り位置までシート束を押し上げた状態を示す図である。 図30の状態から中折りを開始したときの状態を示す図である。 図31の状態から折りローラ位置で中折りを強化しているときの状態を示す図である。 本実施形態に係るシステムの制御構成を示すブロック図である。 本実施形態における用紙処理装置のホーミング動作の動作手順を示すフローチャートである。 本実施形態における異常検出手段の構成を示すブロック図である。 本実施形態における異常検出をホーミング動作中及び用紙処理動作中に行って異常処理を行うときの動作手順を示すフローチャートである。 本実施形態における異常情報を参照し、直前の動作で異常が発生していた場合は、ホームポジション状態に拘わらずホーミング動作を行うときの動作手順を示すフローチャートである。 本実施形態にける異常時経路切替の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
20 シフトセンサフィラー
20a 切り欠き
110a’,110b’,110c’ 凸形状部
111a,111b,111c ホームセンサ
312 スティプラ移動HPセンサ
336 シフトセンサ
351 CPU
382 不揮発性メモリ
PD シート後処理装置
PR 画像形成装置

Claims (10)

  1. 用紙を搬送し、搬送の過程で用紙に対して所定の処理を行う処理手段と、
    前記処理手段の動作する部材の一部を検出することにより前記部材のホームポジションを検出するホームポジション検出手段と
    を有し、
    前記ホームポジション検出手段は、予めホームポジションとして認定できる検出範囲を設定しておき、前記動作する部材の停止状態で前記検出手段が前記動作する部材のホームポジションを検出するための部分を検出しているときには、前記動作する部材を動作させて一旦前記検出手段の検出範囲から外すことなく、前記検出位置が前記検出範囲にあるとして当該検出位置をホームポジションとする用紙処理装置において、
    前記各処理手段の異常状態を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段によって前記各処理手段のいずれかの異常を検出したとき、前記異常を検出した情報を記憶する異常情報記憶手段と、
    前記各処理手段についてホームポジション復帰を行う際、前記ホームポジション検出手段によって前記各処理手段がホームポジション状態であるか否かを判断し、
    ホームポジション状態でなければ、ホームポジション復帰動作を行わせ、
    ホームポジション状態であれば、前記異常情報記憶手段の前記情報を参照し、直前の動作で異常が発生していた場合には、ホームポジション復帰動作を行わせ、直前の動作で異常が発生していない場合には、正常にホームポジションに位置していると見なす制御手段と、
    を備えていることを特徴とする用紙処理装置
  2. 請求項1記載の用紙処理装置において、
    前記情報が、異常を検出した個所、異常を検出したタイミング、異常を検出したときのセンサとモータとの関係の1つを含むこと
    を特徴とする用紙処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の用紙処理装置において、
    前記異常検出手段によって検出される異常が、ホームポジション復帰動作中の異常であること
    を特徴とする用紙処理装置。
  4. 請求項記載の用紙処理装置において、
    前記異常情報記憶手段が用紙搬送上流機側に設けられ、
    前記用紙処理装置側には前記用紙搬送上流機との通信手段を有し、
    異常状態を検出した情報を用紙搬送上流機から前記通信手段を介して受信すること
    を特徴とする用紙処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1記載の用紙処理装置において、
    前記制御手段は、用紙搬送又は用紙処理の停止直後又は開始直前に前記ホームポジション復帰動作を行わせること
    を特徴とする用紙処理装置。
  6. 請求項5記載の用紙処理装置において、
    前記制御手段は、前記用紙搬送又は用紙処理の停止直前又は開始直後の動作モードによって前記ホームポジション復帰動作を行う処理手段を選択すること
    を特徴とする用紙処理装置。
  7. 請求項5又は6記載の用紙処理装置において、
    ホームポジション復帰動作中に各種機構の異常を検出する異常検出手段を有し、前記異常検出手段によって異常を検出した場合、動作中の動作モードの用紙搬送経路とは異なる経路に用紙を搬送すること
    を特徴とする用紙処理装置。
  8. 請求項記載の用紙処理装置において、
    前記異なる経路が前記用紙に対して処理を行わずに排紙するプルーフトレイに搬送する経路であること
    を特徴とする用紙処理装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の用紙処理装置において、
    前記処理手段が、穿孔、整合、スティプル、折り、裁断の少なくとも1つの処理機能を備えていること
    を特徴とする用紙処理装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の用紙処理装置を備えていること
    を特徴とする画像形成装置
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