JP3635898B2 - 画像形成システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置と、該画像形成装置から排出された用紙を後処理する用紙後処理装置とを具備する画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、印刷機又はこれらの少なくとも2つの機能を備えた画像形成装置と、その画像形成装置から1枚ずつ排出された用紙に、後処理手段によって穴をあけたり、或いはその用紙の束をステープル針によって綴じるなどの後処理を施す用紙後処理装置とを備えた画像形成システムは従来より周知である。
【0003】
近年、このような画像形成システムも、エネルギーの無駄な省費をなくすべく、省エネルギー思想が採り入れられ、夜間などには、画像形成システムに最小限必要とされる機能以外の動作を禁止するようにしている。このときのモードは、一般に省エネモードと称せられており、かかる省エネモード時には、後処理手段の動作などは禁止されるが、用紙後処理装置へ電源は供給されていて、用紙後処理装置と画像形成装置との通信は可能となっている。このようにして省電力化を可能とした画像形成システムが構築される。
【0004】
ところが、従来の画像形成システムにおいては、用紙後処理装置に対する考慮が充分に払われておらず、省エネモード時に、用紙後処理装置の本体ドアが開閉されると、そのドア開閉信号が画像形成装置側に送信され、用紙後処理装置が後処理のための準備動作、すなわちイニシャル動作を実行するように構成されていた。このため、省エネルギー化の目的を充分に果すことができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した認識に基づきなされたものであって、その目的とするところは、省エネルギー化を一層確実なものとすることのできる冒頭に記載した形式の画像形成システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成システムにおいて、用紙後処理装置へ電源が供給され、かつ用紙後処理装置と画像形成装置との通信が可能である省エネモード時に、前記通信以外の用紙後処理装置の動作が全て禁止されるように、用紙後処理装置を制御する制御手段を有し、該制御手段は、省エネモード時に用紙後処理装置の本体ドアが開閉された場合、省エネモードから通常モードに移行したとき、用紙後処理装置がイニシャル動作を実行するように構成されていることを特徴とする画像形成システムを提案する(請求項1)。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0009】
図1は本例の画像形成システムの正面図、図2はその平面図であり、この画像形成システムは、画像形成装置50と、用紙後処理装置51とを具備し、ここに示した画像形成装置50は、複写機の機能と、プリンタの機能と、ファクシミリの機能を兼ね備えている。画像形成装置50の本体55の上部には、原稿を画像形成装置本体55のコンタクトガラス(図示せず)上に自動給送する自動原稿給送装置52から成る周辺機が搭載されている。
【0010】
用紙後処理装置51の本体1には、前部の本体ドア53と上部の本体ドア54が開閉自在に支持され、その本体ドアを開くことによって、後処理装置本体1の内部の各要素の修理や保守点検などのメインテナンス作業を行うことができる。同様に、画像形成装置本体55の前部にも、本体ドア56が開閉自在に支持され、その本体ドア56を開くことによって、画像形成装置本体内部の要素のメインテナンス作業を容易に遂行することができる。
【0011】
画像形成装置50の本体出口57からは、表面に画像の形成された用紙、例えばコピー済みの複写紙が1枚ずつ排出され、その排出された用紙は、用紙後処理装置51によって所定の後処理を施される。このように、図示した画像形成システムは、画像形成装置50と、該画像形成装置50から排出された用紙を後処理する用紙後処理装置51とを具備している。
【0012】
図3は用紙後処理装置51の内部構造を正面側から示した図であり、図4は図3の部分拡大正面図、図5はさらに図4の一部を拡大して示す正面図である。本例の用紙後処理装置51は、画像形成装置50から送られてくる各用紙を揃え、その用紙束をステープル針によって綴じるように構成されているが、パンチより成る後処理手段によって、用紙に穴をあける後処理装置などを用いたときも本発明を適用できる。
【0013】
画像形成装置50の本体55から排出される各用紙は、図3に示した後処理装置本体1の入口ガイド板2,3によって矢印A方向に案内されながら後処理装置本体1内に搬入され、搬送ローラ対4,5によって後処理装置本体1内の用紙搬送路6を搬送される。
【0014】
用紙搬送路6中には分岐爪7が設けられ、その分岐爪7は、図3及び図5に実線で示した第1の位置と、一点鎖線で示した第2の位置との間を作動可能に枢ピン7Aを介して後処理装置本体1の支持フレーム(図示せず)に枢支されている。用紙を綴じずに、その用紙を後処理装置本体1から排出させるときは、分岐爪7は第2の位置を占め、これによって用紙は用紙搬送路8に導かれ、搬送ローラ対9,10によって矢印B方向に搬送され、排紙ローラ対11によって矢印Cで示すように排紙トレイ12上に排出される。
【0015】
後処理装置本体1に搬入された用紙を綴じるときは、分岐爪7が実線で示した第1の位置を占め、よって、図4に示すように搬送ローラ対5により搬送される用紙Pは、この分岐爪7によって案内されながら、後処理装置本体1の支持フレームに固定支持されたステープルトレイ13上に送り込まれる。図5には、1枚の用紙Pが搬送ローラ対5から出てステープルトレイ13に送り込まれるときの様子を二点鎖線で示してあり、矢印Dはこのときの用紙Pの動きを示している。
【0016】
図6は、ステープルトレイ13の一部とこれに関連する各要素を図3の斜め右側から見たときの斜視図であり、図7はこれらの要素を図6とは反対の側から見たときの斜視図であって、これらの図では、ステープルトレイ13を一点鎖線で示し、用紙を二点鎖線で表わしてある。
【0017】
図3乃至図7に示すように、ステープルトレイ13の下部には適数の、図の例では2個のストッパ14が固着され、搬送ローラ対5を出た用紙Pは、その自重でステープルトレイ13に落ち込み、その後端縁31がストッパ14によって受け止められてステープルトレイ13上に載置される。このようにして、画像形成装置50から1枚ずつ排出される用紙Pは、ステープルトレイ13に送り込まれ、ここにスタックされる。各用紙がステープルトレイ13に積み重ねられた状態で載置されるのである。このとき、各用紙Pの後端縁31は、ストッパ14に当接し、当該ストッパ14を基準として、その各用紙の後端縁31の位置が揃えられる。後処理装置本体1に搬入される用紙の枚数は、後処理装置本体1の用紙入口近傍に設けられたセンサ42によって検知される。
【0018】
上述のように、図示した用紙後処理装置は、画像形成装置から排出された用紙Pを1枚ずつ送り込んで当該用紙Pをスタックするためのステープルトレイ13を有しているが、そのほか、ステープルトレイ13に送り込まれた各用紙Pをその幅方向に揃える用紙揃え装置を具備している。本例の用紙揃え装置は、図6及び図7に示すように、基準フェンス15とジョガーフェンス16とを有している。基準フェンス15とジョガーフェンス16は、ステープルトレイ13に送り込まれてスタックされた用紙の側縁17,18に対して平行に長く延び、基準フェンス15の幅方向の各端縁には、板状のフランジ19,20がそれぞれ一体に付設され、その全体がほぼコの字形の横断面形状となっている。同じく、ジョガーフェンス16の幅方向各端縁にも板状のフランジ21,22が一体に付設され、その全体がほぼコの字形の横断面形状となっている。
【0019】
ここで、用紙Pが載置される側のステープルトレイ13の面を表面13Aとし、その反対側の面を裏面13Bとすると、基準フェンス15とジョガーフェンス16は、ステープルトレイ13の表面13Aの側に位置し、その各フェンス15,16はステープルトレイ13の表面13Aに対してほぼ垂直な姿勢をとり、各フェンス15,16に一体に付設された一方のフランジ19,21が、それぞれステープルトレイ13の表面13Aに摺動可能に当接している。
【0020】
また図7に示すように、ステープルトレイ13の裏面13Bの側には、フェンス駆動モータ23とジョガー駆動モータ24が配置され、これらのモータ23,24はそれぞれ後処理装置本体1の支持フレームに固定支持されている。同じく、ステープルトレイ13の裏面13Bの側には、後処理装置本体1の支持フレームに回転自在に支持されたプーリ25,26がそれぞれ配置され、フェンス駆動モータ23の出力軸に固定された図示していないプーリと、図7に示したプーリ25とに無端状のベルト27が巻き掛けられている。同じくジョガー駆動モータ24の出力軸に固定された図示していないプーリと、図7に示したプーリ26にも無端状のベルト28が巻き掛けられている。一方のベルト27は、基準フェンス15と一体のフランジ19に固設された取付部片29に係止され、同様に他方のベルト28も、ジョガーフェンス16と一体のフランジ21に固設された取付片30に係止されている。フェンス駆動モータ23とジョガー駆動モータ24は、共にステッピングモータより成る。
【0021】
また、両フランジ19,21に一体に突設された突出部46,47は、ガイドロッド33に摺動自在に嵌合し、このガイドロッド33は用紙Pの幅方向Wに延び、後処理装置本体1の支持フレームに固定されている。
【0022】
各駆動モータ23,24が作動して各ベルト27,28が駆動されると、基準フェンス15とジョガーフェンス16は、ガイドロッド33に案内されながらステープルトレイ13にスタックされた用紙の幅方向Wに作動する。このとき、取付部片29,30と突出部46,47がステープルトレイ13に干渉しないように、そのステープルトレイ13には用紙の幅方向に延びる切欠(図示せず)がそれぞれ形成されている。
【0023】
前述のようにステープルトレイ13に用紙Pが送り込まれてくるとき、基準フェンス15とジョガーフェンス16は、その用紙Pの各側縁よりも外側の位置で待機している。図6及び図7に符号P1で示した用紙がステープルトレイ13に送り込まれてくる用紙であるとしたとき、基準フェンス15とジョガーフェンス16は、その用紙P1の幅方向Wに対して直交する一方の側縁17Aと他方の側縁18Aから所定距離δ(図6)だけ外側の位置で待機している。この所定距離δは例えば10mm程度である。このときの基準フェンス15の位置が基準位置であり、同じくこのときのジョガーフェンス16の位置が揃え動作開始位置である。
【0024】
用紙P1がステープルトレイ13に送り込まれ、その後端縁31がストッパ14に当ったとき、ジョガー駆動モータ24の作動により、ジョガーフェンス16は、停止したままの基準フェンス15に接近する向きに作動を開始し、用紙P1の他方の側縁18Aを押圧し、当該用紙P1の一方の側縁17Aを基準フェンス15に当接させ、用紙P1を所定の位置に揃える。
【0025】
ジョガーフェンス16が基準フェンス15に対して最も近づいたときの位置が、当該ジョガーフェンス16の揃え位置である。揃え位置へ作動したジョガーフェンス16は、引き続きジョガー駆動モータ24の逆転動作により、再び図6及び図7に示した揃え動作開始位置に戻され、ここで停止する。
【0026】
用紙がステープルトレイ13に送り込まれてくるたびに、ジョガーフェンス16が上述の揃え動作を実行し、これによって各用紙は、図6及び図7に符号P2で示すように揃えられた用紙束となってステープルトレイ13上にスタックされる。ジョガーフェンス16が揃え動作開始位置から揃え位置まで移動するストロークは、例えば、2×δよりも数mm大きな距離である。
【0027】
一方、基準フェンス15は、通常、上述の基準位置以外の待機位置で停止して待機しており、画像形成装置側において画像形成動作を開始したとき、フェンス駆動モータ23の作動によって、基準フェンス15が図6及び図7に示した基準位置に移動して停止する。この基準位置は、ステープルトレイ13に送り込まれてくる用紙P1の一方の側縁17Aから所定の距離δだけ離れた位置であるから、その用紙の幅サイズに応じて、基準フェンス15の基準位置は変動する。フェンス駆動モータ23の作動により、基準フェンス15が、ステープルトレイ13に送り込まれてくる用紙の幅サイズに応じた基準位置に移動し、用紙が送り込まれるのを待つのである。
【0028】
同様に、ジョガーフェンス16の揃え動作開始位置も用紙の幅サイズに応じて変化し、当該ジョガーフェンス16も、通常は揃え動作開始位置と揃え位置以外の待機位置で待機しており、画像形成装置側で画像形成動作が開始されたとき、ジョガー駆動モータ24の作動によって、用紙の幅サイズに応じた揃え動作開始位置に移動する。
【0029】
ステープルトレイ13上に所定枚数の用紙がスタックされ、これらが全て用紙揃え装置によって揃えられたとき、その用紙束P2は、図6及び図7に示したステープル装置32より成る後処理手段の一方の部材32Aと他方の部材32Bの間32Cに入り込んだ状態となっていて、この状態でステープル装置32が作動し、両部材32A,32Bが互いに近づき、図示していないステープル針によって用紙束P2が綴じられる。用紙束P2がホッチキス留めされるのである。このようにして、画像形成装置から排出された用紙が後処理される。
【0030】
図6及び図7には、後処理装置本体1の手前側に符号Fを付し、これとは反対の奥側には符号Rを付してあるが、これらの図から判るように、本例のステープル装置32は、ステープルトレイ13にスタックされた用紙束P2の後処理装置本体奥側Rの部位を綴じるように配置され、当該ステープル装置32は、連結部材43(図6)を介して、基準フェンス15に固定連結され、ステープル装置32が基準フェンス15と一体に作動するように構成されている。このため、基準フェンス15がいかなる基準位置を占めようとも、用紙束に対する綴じ位置は不変となり、確実に綴じ位置精度が高められる。ステープル装置32が基準フェンス15と共に作動したとき、ステープル装置32がステープルトレイ13と干渉しないように、当該ステープルトレイ13には切欠(図示せず)が形成されている。
【0031】
また、図示した用紙後処理装置は、綴じられた用紙束P2をステープルトレイ13から排出させる用紙排出装置を具備し、この用紙排出装置は、図3、図4及び図6に示すように、後処理装置本体1の支持フレームに回転自在に支持されたプーリ133,134,135と、これらに巻き掛けられた無端状のベルト36と、このベルト36の表面に固定され、当該表面から外方に突出する排出爪37(図3及び図6)と、後処理装置本体1の支持フレームに支持されたステッピングモータより成る駆動モータ38(図3)と、その出力軸に固定された駆動プーリ39と、前述のプーリ133と同軸に配置された従動プーリ40と、これらのプーリ39,40に巻き掛けられた無端状の伝動ベルト41とを有している。プーリ133と他のプーリ135との間のベルト部分は、ステープルトレイ13の表面13Aの側に位置し、このベルト部分が当接するステープルトレイ13の表面部分は、他の表面部分よりもわずかに凹んでいる(図6)。プーリ39,40,133,134,135、ベルト36,41及び駆動モータ38は、排出爪37を作動させる排出爪駆動装置を構成する。
【0032】
排出爪37は、通常、図1に示した位置、すなわちホームポジションで待機している。この位置は、図示していない排出爪ホームセンサが排出爪37を検知した位置であり、用紙後処理装置や画像形成装置が作動していないとき、排出爪37は、この位置(ホームポジション)で停止している。ステープル装置32によって用紙束P2を綴じるステープル動作が行われるとき、又はそれ以前の適時に、駆動モータ38の作動によって、プーリ39が回転し、その回転がベルト41を介して従動プーリ40に伝えられ、これによってそのプーリ40と同軸のプーリ133が回転し、ベルト36が矢印E(図4、図6)方向に作動する。これに伴って、排出爪37はホームポジションから図6に示した用紙束P2よりも少し下方の待機位置まで移動し、ここで待機する。
【0033】
用紙束P2に対する綴じ(ステープル)動作を終了すると、駆動モータ38の作動によって、ベルト36は再び矢印E方向に作動を開始し、排出爪37が上昇する。これによって綴じられた用紙束P2の後端縁31が排出爪37によって持ち上げられる。このようにして用紙束P2は上方に搬送され、前述の排紙ローラ対11によって矢印Cで示すように排紙トレイ12上に放出される。排出爪37は、そのホームポジションから用紙束P2の少し下方の待機位置まで移動して待機し、この位置から上昇して用紙束P2を持ち上げるので、排出爪37は短時間で用紙束P2の後端縁31に接触でき、用紙後処理装置の処理能力を高めることができる。排出爪37が用紙束P2の後端縁を離れた後も、排出爪37はベルト36と共に矢印E方向に回動し、再び図3に示したホームポジションに至り、次いで次の用紙束を搬送するため、図6に示した待機位置へ移動し、上述した動作を繰返す。
【0034】
以上のように構成された画像形成システムは、エネルギーの無駄な消費をなくすため、省エネモードを含む各種のモード下に置かれるように構成されている。図8は各モードの遷移を説明する図である。
【0035】
この図における「通常モード」は最も普通のモードであって、画像形成装置50、用紙後処理装置51、及び自動原稿給送装置52などの周辺機の全てに電源が供給され、画像形成装置50は立上り状態にあり、画像形成装置本体55の前面に設けられた表示部を兼ねる操作部58(図2)もオン状態にあり、ここに所定の情報が表示されている。従って、この通常モードでは、オペレータが操作部58のスタートキーを押下すれば、すぐに画像形成動作が開始され、また画像形成装置50のファクシミリを利用して外部に送信し、又は外部から受信でき、さらに図示していないパソコンなどからの指令によってその情報をすぐにプリントすることができる。また、この画像形成システムには、画像形成装置50と用紙後処理装置51との間の各々の状態や指令などを通信する通信手段が設けられているが、これによって、両者間で自由に通信できる状態にある。また、画像形成装置50にて画像形成動作が開始され、用紙が用紙後処理装置51に送られると、前述のように用紙後処理装置51は用紙の綴じ動作を実行する。このように、画像形成装置50がすぐに画像形成動作を開始でき、用紙後処理装置51もこれに応じて、すぐに用紙の後処理動作を実行できるモードである。
【0036】
次に、「予熱モード」とは、画像形成装置本体55の操作部58と、自動原稿給送装置52などの周辺機の表示部(図示せず)の表示を全てオフした状態であり、すぐに画像形成動作待機状態となれる状態であって、他の状態は通常モードと変りはない。なお、本例の用紙後処理装置51には表示部は設けられていないものとする。操作部58と他の表示部をオフするので、それだけ省エネルギー化を達成できる。
【0037】
「省エネモード」は、画像形成装置50の電源がオンされ、自動原稿給送装置52などの周辺機や、用紙後処理装置51へ電源が供給され、用紙後処理装置51と画像形成装置50との通信が可能な状態であるが、その通信以外の用紙後処理装置51の動作が全て禁止された状態である。予熱モードの状態に加えて、用紙後処理装置51の通信動作以外の全ての動作が禁止されている状態である。この点については後に詳しく説明する。
【0038】
本例の画像形成装置は、ファクシミリ機能とプリンタ機能を有しているが、省エネモード時も、外部からの指令や送信を受け付ける。その受信後、プリンタによってその情報をプリントすることができる。
【0039】
「夜間モード」は、上記省エネモードの状態に加え、ファクシミリ及びプリンタと、外部とのインターフェース以外の電源はオフされ、自動原稿給送装置52などの周辺機や、用紙後処理装置51への電源供給もオフされ、従って、用紙後処理装置51と画像形成装置50との通信も不可能である。画像形成装置50のメイン電源はオン状態にある。このモードは、最も効果的に省エネルギー化を達成できるモードである。画像形成装置50に対し外部から送信があったとき、これを受け付けるが、その情報は画像形成装置50のメモリに記憶されるだけで、これがプリントされることはない。通常モードに切換えられたとき、これがプリントされる。
【0040】
図8に示すように、通常モードから予熱モードへの移行は、図2に示した画像形成装置本体55の操作部58の予熱キーをオペレータが押下すること、すなわち操作部指示によってか、又はタイマによって行われる。例えば、画像形成装置50の使用を終えた後、1分経過すると、通常モードから予熱モードに移行する。また予熱モードから通常モードへの復帰は、操作部58のキー操作、すなわち操作部指示によってか、又は画像形成装置本体55又は後処理装置本体1の本体ドア56,53,54を開閉することによって行われる。図8には、この後者を「後処理機動作」として示してある。
【0041】
予熱モードから省エネモードへの移行又はその復帰は、タイマによる。例えば、夜の6時になると、予熱モードから省エネモードに移行し、また朝の7時になると、省エネモードから予熱モードに復帰する如きである。また、操作部58のキー操作、すなわち操作部指示によって、通常モードから省エネモードに移行し、逆に省エネモードから通常モードに復帰する。但し、この用紙後処理装置51や画像形成装置50の本体ドア53,54,56の開閉によっては、省エネモードから通常モードへの復帰は行われない。
【0042】
省エネモードから夜間モードへの移行、又はその復帰は、タイマによる。例えば、夜の8時になると、夜間モードに移行し、朝の8時になると省エネモードに復帰する。夜間モードの場合、用紙後処理装置51への電源供給はされていないので、通常モードへの復帰は、オペレータによる操作部58の操作、すなわち操作部指示のみによる。
【0043】
上述のように、図示した画像形成システムは各種のモード下に置かれるが、従来の画像形成システムにおいては、省エネモード時に、用紙後処理装置の本体ドアが開閉されると、用紙後処理装置が即座にイニシャル動作を実行するように構成されていたため、効果的な省エネルギー化を達成できなかった。
【0044】
これに対し、本例の画像形成システムにおいては、前述のように、省エネモード時には、画像形成装置50との通信以外の用紙後処理装置51の動作が全て禁止され、省エネモード時に、本体ドア53,54が開閉されても、用紙後処理装置51はイニシャル動作を行うことはない。画像形成装置50の省エネモード時に、通信手段によって、省エネモードであることが用紙後処理装置51の側に通知された場合には、当該用紙後処理装置51は、画像形成装置50との通信以外の全ての動作を禁止するのである。
【0045】
このように、本例の画像形成システムは、用紙後処理装置51へ電源が供給され、かつ用紙後処理装置51と画像形成装置50との通信が可能である省エネモード時に、この通信以外の用紙後処理装置51の動作が全て禁止されるように、用紙後処理装置51を制御する制御手段を有している。これにより、省エネモード時に本体ドア53,54が開閉されても、用紙後処理装置51がイニシャル動作を行わず、画像形成システム全体の省エネルギー化を効率よく達成することができる。
【0046】
ここで、用紙後処理装置51のイニシャル動作は、本体ドア53,54が開閉された後の用紙後処理動作の準備動作である。すなわち、後処理装置本体1の本体ドア53,54が開閉されると、その作業者が後処理装置本体1内の要素に手を触れる可能性があるため、本体ドア53,54の開閉があったときは、用紙後処理装置51の各要素を初期状態にセットし直す必要があり、この動作がイニシャル動作である。図3乃至図7に示した用紙後処理装置の場合には、フェンス駆動モータ23とジョガー駆動モータ24を作動させ、基準フェンス15とジョガーフェンス16を待機位置に正しく戻し、また駆動モータ38を作動させ、排出爪37を正しくホームポジションに位置決めする動作がイニシャル動作である。
【0047】
従って、省エネモード時に本体ドア53,54が開閉された場合、上述のイニシャル動作を実行しなければ、省エネルギー化は達成できるものの、そのまま通常モードに移行して画像形成動作が行われ、用紙後処理装置51が用紙後処理動作を開始したとすれば、正しい後処理動作を行えなくなるおそれがある。
【0048】
そこで、本例の画像形成システムにおいては、前記制御手段が、省エネモード時に用紙後処理装置51の本体ドア53,54が開閉された場合、省エネモードから通常モードに移行したとき、用紙後処理装置51がイニシャル動作を実行するように構成されている。かかる構成により、用紙後処理装置51は常に正しい用紙後処理動作を行うことができる。
【0049】
次に、上述した制御手段の具体的構成を図9及び図10に示したフローチャートに基づき説明する。
【0050】
図9は、用紙後処理装置51の本体ドア開閉時のモード移行を説明するフローチャートである。先ず本体ドア53,54の開閉をチェックし(ステップ1−1)、本体ドア53,54が開閉された場合には、画像形成装置50にドア開閉信号を送信する(ステップ1−2)。このとき、予熱モードであるかをチェックし(ステップ1−3)、予熱モードの場合には通常モードに移行し(ステップ1−4)、ドア開閉に伴い、用紙後処理装置において必要とされる前述のイニシャル動作を行う(ステップ1−5)。ステップ1−3で予熱モードでないときは、省エネモードであるかをチェックし(ステップ1−6)、省エネモードでないときは通常モードであるから、前述と同じように、ドア開閉に伴うイニシャル動作を行う(ステップ1−5)。ステップ1−6で省エネモードのときは、用紙後処理装置は何も動作を行わず、省エネモードを継続する。本体ドア53,54が開閉されたのであるが、イニシャル動作を実行しないのである。これにより、効果的に省エネルギー化を達成できる。
【0051】
次に図10は、省エネモード時のドア開閉による動作を説明するフローチャートである。省エネモード時は、前述したように本体ドア53,54のドア開閉チェックを行い(ステップ2−1)、本体ドアが開閉された場合は、ドア開閉信号のみを画像形成装置に送信し(ステップ2−2)、他の動作は行わない。その後、通常モードへの復帰時に(ステップ2−3)、省エネモード中に本体ドア43,44の開閉が行われたかをチェックし(ステップ2−4)、ドア開閉が行われていた場合は、ドア開閉に伴うイニシャル動作を行い(ステップ2−5)、通常モードの処理を行う。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の画像形成システムによれば、省エネモード時には、用紙後処理装置において、画像形成装置との通信以外の全ての動作が禁止されるので、用紙後処理装置の本体ドア開閉に伴うイニシャル動作が実行されず、省エネルギーの目的である省電力化状態を保つことができる。しかも、省エネモード時に用紙後処理装置の本体ドアが開閉された場合、省エネモードから通常モードに移行したときに、用紙後処理装置のイニシャル動作を実行するように制御されるので、省エネモードから通常モードへ復帰した後、画像形成動作を行ったとき、用紙後処理装置は正常に動作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成システムの正面図である。
【図2】画像形成システムの平面図である。
【図3】用紙後処理装置の内部をその手前側から見たときの正面図であって、奥側の基準フェンスを示した図である。
【図4】図3の一部を拡大して示す正面図である。
【図5】さらに図4の一部を拡大して示す正面図である。
【図6】ステープルトレイとこれに関連する要素の斜視図である。
【図7】図6とは反対側から、ステープルトレイとこれに関連する要素を見たときの斜視図である。
【図8】画像形成システムの各モードとその遷移を示す説明図である。
【図9】ドア開閉時のモード移行を説明するフローチャートである。
【図10】省エネモード時のドア開閉による動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
50 画像形成装置
51 用紙後処理装置
53 本体ドア
54 本体ドア
P 用紙
P1 用紙

Claims (1)

  1. 画像形成装置と、該画像形成装置から排出された用紙を後処理する用紙後処理装置とを具備する画像形成システムにおいて、用紙後処理装置へ電源が供給され、かつ用紙後処理装置と画像形成装置との通信が可能である省エネモード時に、前記通信以外の用紙後処理装置の動作が全て禁止されるように、用紙後処理装置を制御する制御手段を有し、該制御手段は、省エネモード時に用紙後処理装置の本体ドアが開閉された場合、省エネモードから通常モードに移行したとき、用紙後処理装置がイニシャル動作を実行するように構成されていることを特徴とする画像形成システム。
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