JP3636858B2 - フィニッシャ - Google Patents

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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H31/00Pile receivers
    • B65H31/34Apparatus for squaring-up piled articles

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機、複写機などの画像形成装置から排出されたシート(用紙)の折り加工、パンチ穴あけ、ステープル綴じなどの後処理を行なうフィニッシャに関し、さらに詳しくは、少なくとも、折り加工されないシートサイズよりも小さいサイズにまでシートを折り畳む折りモードを後処理に含み、シート積載部でシート束の整合を行うフィニッシャに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、印刷機や複写機などの画像形成装置から排出された画像形成済み用紙に対して種々の後処理を施すフィニッシャが種々提案されている。ここに、後処理とは、用紙を各部数に仕分けたり、ステープルを用いて綴じたり、2つ折り、中折り、Z字状に折り畳んだり、ファイル用のパンチ穴をあけたりする種々の作業をいう。フィニッシャは、折り加工、穴あけされた用紙を一時的に積載する用紙積載部を備え、この用紙積載部で積載・整合された用紙の束をステープル装置に搬送してステープル処理が施されるようになっている。
【0003】
ところで、一般的な印刷機や複写機の分野においては、用紙の搬送方向に沿って端面を揃える整合を行うに当たり、用紙の自重を利用した整合、減速手段を用いた整合、あるいは、トレイの角度を調整することによる整合などが行われている(特開昭62−12538、特開昭62−46822、特開昭63−185733、特開昭63−185747公報などを参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ステープル機構および紙折り機構を備える従来のフィニッシャでは、紙折り有り/無しを考慮せずに用紙搬送に沿う方向の整合を行っていた。
【0005】
このため、用紙の自重を利用した整合では、不安定な要素が多く整合不良が生じ易い。
【0006】
また、小サイズ用紙や紙折りされた用紙に対してのみ必要な減速手段を用いる整合では、減速手段の追加に伴ってコストアップや消費電力の増加を招き、一連の後処理を迅速に行うことができず生産性が低下するという問題がある。
【0007】
さらに、紙折りされた用紙は、その折り目の存在のために、紙折りされていない用紙に比べて不安定な形状となっている。かかる不安定な形状の紙折りされた用紙を整合するためにのみ必要な角度可変のトレイを用いる整合では、トレイ角度を調整する手段の追加に伴ってコストアップや消費電力の増加を招くという問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、紙折りされたシートがシート束に含まれることを考慮した安定した整合を行うことができ、しかも、コストや消費電力の増加を抑え、生産性も阻害しないフィニッシャを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に連結され、当該画像形成装置から排出され画像形成されたシートに対して種々の後処理を施すフィニッシャにおいて、
シートを積載するシート積載部と、
前記シート積載部から突出して配置され、前記シート積載部に積載されるシート束の一の端面が当接する第1規制部材と、
前記シート積載部から突出して配置され、前記シート積載部に搬入されるシート先端が当接すると共に前記シート束の他の端面を押し込んで前記一の端面を前記第1規制部材に揃える第2規制部材と、を有し、
前記後処理には、折り加工されないシートサイズよりも小さいサイズにまでシートを折り畳む折り加工処理が少なくとも含まれてり、
前記シート束に前記折り加工処理により折り加工されたシートを含むときには、前記第2規制部材は、前記折り加工されたシートを前記第1規制部材に対して押し込む位置まで作動することを特徴とするフィニッシャである。
【0010】
かかる構成のフィニッシャでは、シート積載部に搬入されるシートは、先端が第2規制部材に当接して第1規制部材に向けて跳ね返り、シート積載部上もしくは収容済みの最上位の用紙の上に早く落ちる。このため、シートの搬送・排出の間隔が短くても、整合を最適かつ迅速に行うことができ、シート積載部におけるシートの一時集積が早期に完了することを通して、一連の後処理を迅速に行うことが可能となって生産性が向上する。しかも、第2規制部材に当接して跳ね返る力を利用しているため、自重のみで整合する場合に比べて整合不良が発生し難くなる。
【0011】
また、折り加工されたシートを含むときには、第2規制部材は、当該折り加工されたシートを第1規制部材に対して押し込む位置まで作動することから、紙折りされたシートがシート束に含まれることを考慮した安定した整合がなされる。
【0012】
しかも、減速手段を用いる整合でもないので、この点からも生産性は阻害されず、また、減速手段やトレイ角度を調整する手段を追加しないので、コストや消費電力の増加が抑えられる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記第2規制部材は、前記折り加工処理により折り加工されたシートの折り目が前記シート積載部上で存在する側に配置されると共に前記第1規制部材に向けて湾曲しつつ突出する形状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
紙折りされたシートを集積すると、このシート束は、シート積載部の積載面に対して平行とはならず、第2規制部材側が第1規制部材側よりも浮き上がった斜めの状態になる。このような傾斜状態は、紙折りされたシートの積載数が増すほど顕著なものとなる。このため、シート積載部の積載面に対して直交する形状を有する第2規制部材を用いた場合には、シート束における上位のシートの整合を良好に行うことができない。これに対して、請求項2に記載のように第2規制部材を湾曲形状に形成することにより、紙折りされたシートを含むシート束の整合は、シート束の下位から上位にわたって均一に、かつ、良好になされる。
また、請求項3に記載の発明は、前記第1規制部材は、前記シート積載部から突出するとともに退避可能に設けられていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るフィニッシャ100を画像形成装置としての複写機10に連結した実施の形態を示す概略断面説明図、図2は、同フィニッシャ100の要部を示す概略構成図である。
【0017】
なお、本明細書では、用紙が搬送される方向を「用紙搬送方向」といい、この用紙搬送方向に対して直交する方向を「用紙搬送直交方向」という。また、用紙搬送方向を基準にして、用紙の長手方向が用紙搬送方向に沿う場合の用紙の向きを「タテ」といい、用紙の長手方向が用紙搬送方向に直交する場合の用紙の向きを「ヨコ」という。
【0018】
《複写機10》
フィニッシャ100が接続されている複写機10は、原稿面の画像を読み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編集処理をしたのち、周知の電子写真方法によって用紙上に画像を形成し、排紙部10bからコピー済み用紙を1枚ずつ排出する、いわゆるデジタル複写機と称されるものである。
【0019】
当該複写機10は、上部に自動原稿搬送装置12(以下、ADFと称す)が搭載されている。このADF12は、トレイ14上にセットされた1枚または複数の原稿(原稿群)を1枚ずつ複写機10のプラテンガラス(図示せず)上に送り込み、画像読取り終了後に当該原稿をトレイ16上に排出し積載するものである。
【0020】
本実施形態の複写機10は、原稿群などの第1頁目からコピー動作を開始するいわゆるファーストページシステムであり、ADF12のトレイ14には、第1頁目を上に向けて原稿群などがセットされる。ファーストページシステムの複写機では、例えば、片面原稿を1枚の用紙の表裏にコピーする両面コピーの場合において、原稿群が奇数枚か偶数枚かを指定ないし検出する必要がなく、迅速にコピー動作を行い得るなどの利点がある。
【0021】
ADF12などによりプラテンガラス上にセットされた原稿は、複写機10に内蔵されているイメージリーダ(図示せず)によってその画像を読み取られ、デジタルデータに変換されて制御部のメモリに格納される。コピー動作は、画像データを読み出すことにより、必要な編集、例えば、ぺージ順の変更、画像反転処理あるいは表裏両面へのコピー処理などを加えて実行される。
【0022】
《フィニッシャ100の概略構成および概略動作》
[概略構成]
本実施形態のフィニッシャ100は、複写機10の排出部10bから排出され1枚ずつ搬送される用紙に対し必要に応じて2つ折りやZ字状に3つ折り(Z折り)などをする折り加工、用紙の端部にファイリング用の穴をあける穴あけ加工、および、用紙束をステープル止めするステープル処理を、選択的にあるいは組み合わせて行うものである。また、このフィニッシャ100は、ファーストページシステムの画像形成装置としての複写機10やプリンタに接続して用いることを前提として、用紙の搬送形態、積載形態、あるいは、折り形態などを決定している。
【0023】
フィニッシャ100は、図2にも示すように、前記排出部10bから排出された用紙Pをフィニッシャ100内に搬入する搬入部150と、1枚ずつ搬送される用紙に折り目を付ける紙折り装置200と、1枚ずつ搬送される用紙Pにファイリング用の穴をあけるパンチ装置300と、ステープル処理をする前に用紙を積載し整合する後処理トレイ部400と、後処理トレイ部400の下流側に配置され積載・整合された用紙束にステープル処理を施すステープル装置500と、ステープル処理をした用紙束あるいはステープル処理をしない用紙のいずれをも収容自在な集積トレイ部600と、フィニッシャ100から排出される用紙を積載する排紙トレイ部110と、を有する。
【0024】
搬入部150は、搬送ローラ101およびガイド板を備える。紙折り装置200は、複数の紙折りローラ207、208、209を備え、これら紙折りローラ207、208、209間に用紙Pを挟み込んで折り目を付ける。また、ステープル装置500は、後処理トレイ部400にて積載・整合された用紙束の用紙搬送方向および用紙搬送直交方向の2方向に移動可能に構成されている。
【0025】
フィニッシャ100内の各部に向けて用紙をローラ搬送するため、用紙搬送経路には、搬送ローラ104、106、111、121が配置されている。また、用紙束を搬送するため、用紙束の搬送経路には、用紙束搬送ローラ114と115、116と117、119と120が配置されている。それぞれの搬送経路の終端位置には、排紙トレイ部110に用紙Pを排出する排出ローラ109、後処理トレイ部400に用紙Pを排出する排出ローラ113、集積トレイ部600に用紙Pまたは用紙束を排出する排出ローラ122、123が配置されている。
【0026】
用紙の搬送先を切り換えるため、用紙搬送経路の途上に、複数の切換爪201、103、107が設けられている。搬入部150と紙折り装置200との間に配置される切換爪201は、用紙Pを紙折り装置200に送り込むか否かを切り換える。この切換爪201の下流側にパンチ装置300が配置され、搬入部150から搬送される用紙、または、紙折り装置200から搬送される用紙のいずれに対しても穴あけ加工を行うことができる。パンチ装置300の下流側に配置される切換爪103は、用紙Pを排紙トレイ部110や後処理トレイ部400に向けて搬送するか、用紙Pを集積トレイ部600に向けて直接搬送するかを切り換える。切換爪103の下流側に配置される切換爪107は、用紙Pを排紙トレイ部110に向けて搬送するか、後処理トレイ部400に向けて搬送するかを切り換える。
【0027】
また、フィニッシャ100内の各部の駆動・停止のタイミングをとるため、用紙ないし用紙束の搬送経路の途上には、用紙を検出する複数のセンサ102、105、108、112、118、124、225などが配置されている。
【0028】
さらに、本実施形態のフィニッシャ100は、週刊誌のように中綴じステープル処理された用紙束を集積トレイ部600に排出する際の排出不良を防止する案内手段160を有する。図示例の案内手段160は、排出ローラ122、123から排出されてくる用紙束の下面を支持する進退移動自在な補助ガイド部材125から構成されている。
【0029】
[概略動作]
フィニッシャ100においては、前述したように、複数の用紙後処理(折り加工、穴あけ加工およびステープル処理)が可能であり、ユーザは、これらの処理を複写機10の操作パネルから任意に選択可能である。
【0030】
例えば、ユーザがステープル処理をしないモードを選択をした場合には、複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、紙折り装置200およびパンチ装置300によりユーザが選択した処理が施され、排紙トレイ部110または集積トレイ部600に向けてローラ搬送され、これらトレイ部110、600に積載される。
【0031】
一方、ユーザがステープル処理を行うモードを選択した場合には、ステープル処理をしないモードを選択した場合と同様に、まず、用紙Pは、紙折り装置200およびパンチ装置300によりユーザが選択した処理が施される。そして、折り加工ないし穴あけ加工された所定枚数の用紙Pは、後処理トレイ部400に向けて搬送され、後処理トレイ部400に順次積載され整合される。この後、積載・整合された用紙は、一の用紙束としてローラ搬送され、ステープル装置500に送り込まれる。
【0032】
ステープル装置500においてユーザが所望する位置にステープル打ちをした後、ステープル処理された用紙束は、集積トレイ部600に向けてローラ搬送され、集積トレイ部600に積載される。
【0033】
このフィニッシャ100では、搬送されてくる用紙1枚毎に処理を施す手段つまり紙折り装置200およびパンチ装置300を、複数の用紙積載部(排紙トレイ部110、後処理トレイ部400および集積トレイ部600の総称)のそれぞれに至る搬送経路の最上流の分岐点(切換爪103が配置される位置)よりもさらに上流側に配置されている。このため、いずれの用紙積載部に対しても、1枚毎の用紙処理(本実施形態では折り加工・穴あけ加工)を施した用紙を排出することが可能となる。
【0034】
以下、フィニッシャ100の主要な機構を順次詳細に説明する。
【0035】
《紙折り装置200》
図3は、紙折り装置200の構成を示す断面図、図4は、紙折り装置200のジャム処理を行う状態を示す断面図、図5(A)(B)および図6は、それぞれ、紙折り装置200における第1の折り位置の規制を行う機構を示す要部断面図および底面図、図7は、第1折りストッパの要部を示す斜視図である。
【0036】
紙折り装置200は、フィニッシャ100の正面側(図1の紙面手前側)に引き出し可能に当該フィニッシャ100に内蔵され、フィニッシャ100の前後方向に延びた図示しないレール部材に係合して支持されている。
【0037】
図3に示すように、紙折り装置200は、紙折りを行う用紙を紙折り装置200内へ導く搬入部251と、紙折り装置200内へ搬入された用紙の傾き補正を行うレジスト部252と、レジスト部252から受けとった用紙の第1の折り位置の規制を行う第1搬送部253と、用紙に折り目をつける紙折り部254と、第2の折り位置の規制を行う第2搬送部255と、折りられた用紙を紙折り装置200からパンチ装置300へ搬送するための搬出部256と、から構成されている。
【0038】
[搬入部251]
搬入部251は、紙折り装置200に用紙を選択的に導く切換爪201と、紙折り装置200内に導かれた用紙を搬送する搬送ローラ202、203と、切換爪201を回動動作させる図示しないソレノイドと、紙折り装置200内に搬入された用紙を検出する用紙検出センサ225と、を有する。
【0039】
[レジスト部252]
レジスト部252は、搬入部251の下流側に設けられたレジストローラ205、206と、レジストローラ205、206を駆動する図示しない紙折り用モータと、紙折り用モータとレジストローラ205、206との断続を選択的に行う図示しない電磁クラッチと、を有する。レジストローラ205、206は、ストレートローラからなるローラ対であり、一方のローラ205の表面摩擦係数μは、他方のローラ206の表面摩擦係数μよりも低く設定されている。また、レジストローラ205、206の上流に配置されるガイド260は、表面摩擦係数μが低い方のローラ205に用紙先端を確実に当接させる形状とされている。
【0040】
用紙の傾き補正を行う手順は以下のとおりである。
まず、搬入された用紙の先端を用紙検出センサ225が検出する。このとき電磁クラッチはオフされており、紙折り用モータの駆動力はレジストローラ205、206に伝達されていない。
【0041】
次いで、(t+t1)秒後に電磁クラッチをオンしてレジストローラ205、206に駆動を伝達し、用紙を下流へ搬送する。ここに、tは、用紙先端がレジストローラ205、206のニップ部に到達する時間[秒]である。
【0042】
以上の動作により、用紙には、搬送ローラ202、203とレジストローラ205、206との間で、V×t1[mm](V=用紙搬送スピード[mm/秒])の長さを有するループが形成される。ループが形成されることで、用紙のコシの強さによって用紙先端が前記ニップ部にならい、用紙の傾き補正がなされる。
【0043】
[第1搬送部253]
レジスト部252の下流側に設けられる第1搬送部253は、用紙サイズおよび折り形態に合わせて用紙搬送路内に出退移動すると共に用紙先端に当接して当該用紙の第1折り位置を規制する第1折りストッパ215、216、217および223と、第1折りストッパ215、216および217を動作させるカム211、212および213と、カム211、212および213を回転駆動するステッピングモータ210と、各第1折りストッパ215、216、217および223の用紙先端が当接する当接面に配置されると共に弾性部材から形成された用紙ズレ防止部材226と、を有する。
【0044】
第1折りストッパ215、216、217および223については後に詳述するが、特に、第1折りストッパ217は、1つのストッパで二種類の用紙の第1折り位置を規制する機能を有している。
【0045】
また、3つのカム211、212および213は、それぞれ位相をずらしてカムシャフト224に固着されており、カムシャフト224が1回転する間に3つの第1折りストッパ215、216および217がそれぞれ交互に1回ずつ用紙搬送路内に出退移動するようになっている。
【0046】
[紙折り部254]
レジストローラ205、206の下流位置と第1折りストッパ215の上流位置との間に設けられる紙折り部254は、3本の紙折りローラ207、208および209を有する。各紙折りローラ207、208および209は、ストレート形状を有する。
【0047】
紙折りローラ208、209のそれぞれは、紙折りローラ207に対して圧接し、紙折りローラ207と208とが対をなし、紙折りローラ207と209とが対をなしている。以下、対をなす紙折りローラ207、208を、「紙折りローラ対207、208」と、対をなす紙折りローラ207、209を、「紙折りローラ対207、209」ともいう。紙折りローラ対207、208は、ニップ部が第1搬送部253に連なるように配置されている。
【0048】
[第2搬送部255]
紙折りローラ対207、208の下流位置と紙折りローラ対207、209の上流位置との間に設けられる第2搬送部255は、用紙先端に当接して当該用紙の第2折り位置を規制する第2折りストッパ219と、用紙サイズに応じて第2折りストッパ219の用紙当接位置を切り換える図示しないソレノイドと、紙折りローラ対207、208によって第1の折りがなされた用紙の先端を紙折りローラ対207、209のニップ部に向かう方向、または、第2折りストッパ219に向かう方向へ選択的に案内する切換部材218と、切換部材218を回動動作させる図示しないソレノイドと、を有する。
【0049】
[排出部256]
排出部256は、紙折りローラ対207、209の下流側に設けられ、排出ローラ203、204を有する。なお、ローラ203は、搬送ローラ202、203を構成するローラでもある。
【0050】
[ジャム処理の機構]
図4を参照して、紙折り装置200の紙折り部254で発生した紙づまり、すなわちジャムを処理するための機構を説明する。
【0051】
紙折り部254における紙折りローラ207、208および209は、用紙を強く折る必要があるため、比較的高い圧接力が与えられている。ローラ1本あたり、例えば10kgである。このため、紙づまり時に用紙が紙折りローラ207、208、209のいずれかに巻き付いてしまった場合などにおいては、紙づまりの用紙を取り除くジャム処理はひじょうに困難な作業となる。
【0052】
そこで、本実施形態の紙折り装置200では、紙折りローラ207に対して圧接される2本の紙折りローラ208、209のいずれか一方の圧接状態を解除し、さらに、紙折り部254を開放することにより、紙折りローラ207、208、209周辺におけるジャム処理の作業性の向上を図っている。以下にこの構成を説明する。
【0053】
第2搬送部255、1本の紙折りローラ209、および、排出部256のガイド261は、一体的に保持されて開放ユニット222を構成している。この開放ユニット222は、紙折り装置200のフレームに設けられた支点262を中心として回動自在に支持されている。
【0054】
また、開放ユニット222の支点262から最遠部分(図中上端部分が相当する)の周囲を取り囲むように構成されたロックレバー220が、前記フレームに設けられた支点263を中心として回動自在に支持されている。紙面に直交する方向に沿うロックレバー220の前後部分には、それぞれ、一本のロック軸227が設けられている。開放ユニット222を閉鎖したときには、開放ユニット222に形成した凹部222aにそれぞれのロック軸227が係合して、開放ユニット222が紙折り装置200に確実にロックされる。
【0055】
ロックレバー220と開放ユニット222とは、リンク部材221を介して連結されている。このリンク部材221により、ロックレバー220の回動に連動して開放ユニット222を保持しつつ回動させることにより、ロック解除時における開放ユニット222の落下を防止している。
【0056】
[第1折りストッパの詳細構成]
図5(A)(B)および図6に示すように、第1折りストッパ215、216、217、223、カム211、212、213、ステッピングモータ210、および、カムシャフト224は、ストッパユニットフレーム228に一体的に保持されている。
【0057】
用紙搬送方向の最下流に配置されたストッパ223以外の第1折りストッパ215、216、217は、ストッパユニットフレーム228に支点が設けられ、回動自在に構成されている。一方、第1折りストッパ223は、ストッパユニットフレーム228に固定され、用紙搬送路内に常に突出した状態としてある。
【0058】
第1折りストッパ215、216、217の用紙搬送路に対する出退移動は、フレーム228の下側に配置されたカム211、212、213およびカムシャフト224の回転により行われる。カム211、212、213はカムシャフト224にそれぞれ異なる位相で取り付けられている。第1ストッパ215、216、217のそれぞれは、カムシャフト224が1回転する間に、交互に用紙搬送路内に対して出退移動する。カムシャフト224は、ステッピングモータ210により回転駆動される。折り形態や用紙サイズに応じた既定の角度だけステッピングモータ210を回転駆動することにより、いずれの第1折りストッパを出退移動させるかが制御される。
【0059】
カムシャフト224には遮光板231が設けられており、この遮光板231はカムシャフト224の回転に伴い、ホーム位置センサ230の検出部に出退する。ホーム位置センサ230が遮光板231を検出した位置がカムシャフト224のホーム位置となっており、このとき第1折りストッパ223を除くすべての出退可能な第1折りストッパ215、216、217は突出していない。
【0060】
第1折りストッパ217は、これ一つで、2種類の折り位置を規制する機能を発揮する形状とされている。具体的には、図6に明らかに示されるように、両端部が中央部よりも用紙搬送方向の上流側に向けて突出した形状をなしている。かかる形状は、用紙搬送直交方向の用紙幅が小さい用紙の先端規制位置が、それよりも用紙幅が大きい用紙の先端規制位置よりも用紙搬送方向に沿って下流側にある場合にのみ適用される。この場合、当然のことながら、用紙幅が大きい方の用紙のストッパは、用紙幅が小さい方の用紙のストッパよりも、用紙搬送直交方向に沿って外側に配置されていなければならない。図示する実施形態では、前記外側に配置されA3用紙を袋折りするとき用いるストッパ部217aと、当該ストッパ部217aよりも下流側に配置されB4用紙をZ折りするときに用いるストッパ部217bとを一体化して、第1折りストッパ217を構成している。
【0061】
図7に示すように、第1折りストッパ215、216、217、223の用紙先端が当接する部分には、用紙ズレ防止部材226が取り付けられている。用紙ズレ防止部材226を設けるのは、用紙先端が当接する際に、用紙先端がストッパ当接面上で横すべりし、その結果折り位置がバラツクという不具合を解消するためである。このため、用紙ズレ防止部材226は、表面摩擦係数が高く、硬度が低い弾性部材が用いられる。また、用紙ズレ防止部材226により、用紙先端当接時の衝突音が低減するという効果も得る。
【0062】
上述した構成を採用することによる利点は次のとおりである。
まず第1に、複数の用紙先端規制位置のそれぞれに用紙先端規制部材を1つずつ配置しているため、用紙先端規制位置のバラツキがない。
第2に、複数の用紙先端規制部材を1本のカムシャフトの回転により動作可能であるため、駆動源が1つのモータ210で済む。
第3に、1つの用紙先端規制部材(217)に2種類の用紙先端規制機能をもたせることや、最下流の用紙先端規制部材(223)を固定にすることにより、動作部品を簡略化できる。これらにより、簡単かつ安価な構成で高精度な用紙先端規制機能が得られることにある。
【0063】
[各種折りモード時の動作説明]
紙折り装置200は、(1)Z折り、(2)袋折り、および、(3)中折りの3つの紙折りモードを有し、複写機10に設けられた操作パネルにより紙折りが選択された場合には、それぞれのモードにおける動作が制御される。
【0064】
(1)Z折りモード
図8は、A3Z折りモード時における紙折り装置200の作動状態を示す断面図である。
【0065】
Z折りモードとは、大サイズの用紙(A3やB4)をZ字形状に折り畳んで、用紙搬送方向に沿う長さの略半分のサイズに仕上げるモードである。
【0066】
複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、画像形成面を上にし、「タテ」方向で切換爪201まで搬送され、当該切換爪201の回動により紙折り装置200内へ搬入され、搬送ローラ202、203に挟み込まれる。用紙Pは、さらに搬送され、レジスト部252において用紙先端の傾きを補正する動作がなされた後、第1折りストッパ215、216、217、223に向けて搬送される。
【0067】
コピースタートが指示された直後に、用紙サイズおよび折りモードに応じてステッピングモータ210が既定のステップ数だけ回転し、第1折りストッパ215、216または217の位置(突出位置か、退避位置か)が決定される。Z折りモード時において、用紙がA3タテであるならば、図示するように、3つの第1折りストッパ215、216、217の全てが退避し、固定されている第1折りストッパ223のみが突出した状態になる。なお、用紙がB4タテであるならば、第1折りストッパ217が突出位置に移動される。
【0068】
用紙先端が第1折りストッパ223に当接した後、用紙をさらに搬送し続けると、紙折りローラ対207、208のニップ近傍にループが形成され、ついには紙折りローラ対207、208のニップにかみ込まれる。これにより第1の折りがなされる。
【0069】
ここに、紙折りローラ対207、208のニップ近傍のガイド264の形状は、用紙Pのループが紙折りローラ対207、208のニップに向かう方向に常に安定して形成されるように構成されていることはいうまでもない。
【0070】
また、第1の折り位置は、紙折り装置200に搬入されるときに先端側となる用紙縁から、各用紙サイズにおける用紙全長の略3/4の位置である。なお、本明細書では説明の便宜上、このような第1の折りを「4分の3折り(3/4折り)」と定義する。また、前記先端用紙縁から用紙全長の略1/4の位置でなされるような第1の折りを「4分の1折り(1/4折り)」と定義する。
【0071】
複写機10から「Z折り」が指示されることにより、切換部材218は、用紙Pを第2折りストッパ219に向けて導く位置に動作する。紙折りローラ対207、208により搬送される用紙Pの先端は、用紙サイズに応じて切り替えられた第2折りストッパ219に当接する。
【0072】
用紙先端が第2折りストッパ219に当接した後、紙折りローラ対207、208により用紙をさらに搬送し続けると、紙折りローラ対207、209のニップ近傍にループが形成され、ついには紙折りローラ対207、209のニップにかみ込まれる。これにより第2の折りがなされる。第2の折り位置は、用紙全長の略1/2の位置である。
【0073】
ここにおいても、紙折りローラ対207、209のニップ近傍のガイド265の形状は、用紙Pのループが紙折りローラ対207、209のニップに向かう方向に常に安定して形状されるように構成されていることはいうまでもない。
【0074】
第2の折りがなされてZ折りが完了した用紙Pは、排出部256に向けて紙折りローラ対207、209により搬送され、排出ローラ203、204により紙折り装置200から排出される。
【0075】
Z折りモードでは、折り加工した用紙と、折り加工していない用紙とを混合して後処理するいわゆる混載処理が可能になる。具体的には、A3タテをZ折りした用紙とA4ヨコの折り無し用紙との混載処理、または、B4タテをZ折りした用紙とB5ヨコの折り無し用紙との混載処理が可能になる。
【0076】
これらの混載モードにおいて、折り加工しない用紙の後に、折り加工すべき用紙をフィニッシャ100内に搬入する場合には、折り加工すべき用紙を通常の用紙間隔でフィニッシャ100内に搬入できる。しかしながらこれとは逆に、折り加工すべき用紙の後に、折り加工しない用紙をフィニッシャ100内に搬入する場合には、折り加工しない用紙を通常の用紙間隔でフィニッシャ100内に搬入すると、頁順狂いや、用紙同士の衝突などの不具合が発生する虞がある。そこで、本実施形態では、後者の場合には折り加工しない用紙の搬送にウェイトをかけて、折り加工が完了した用紙が紙折り装置200から排出されるまで次の折り加工しない用紙がフィニッシャ100内に搬入されないようにし、頁順狂いなどの不具合の発生を防止している。
【0077】
また、混載処理後の種類の見栄えの良さを考慮すると、上述した第2の折り目は、折り加工しない用紙よりも外部に飛び出ない方がよい。このため、第2の折り位置は、用紙全長の1/2位置から、紙折り装置200に搬入されるときに先端側となる用紙縁に若干片寄らせるのが好ましい。
【0078】
(2)袋折りモード
図9は、A3袋折りモード時における紙折り装置200の作動状態を示す断面図である。
【0079】
袋折りモードとは、用紙を中央部で2つ折りにするモードである。
【0080】
複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、前述のZ折りモード時と同様の過程を経て、第1折りストッパ215、216、217、223に向けて搬送される。
【0081】
袋折りモード時においても、ステッピングモータ210の回転が制御され、用紙がA3タテであるならば、図示するように、第1折りストッパ217のみが突出位置に移動される。なお、用紙がB4タテであるならば、第1折りストッパ216のみが突出位置に移動され、A4タテであるならば、第1折りストッパ215のみが突出位置に移動される。そして、前述のZ折りモード時と同様の過程を経て、用紙Pは、紙折りローラ対207、208のニップにかみ込まれて第1の折りがなされる。
【0082】
複写機10から「袋折り」が指示されることにより、切換部材218は、用紙Pを紙折りローラ対207、209のニップに向けて導く位置に動作する。すると、紙折りローラ対207、208により搬送される用紙Pは、折り目部分が紙折りローラ対207、209のニップにかみ込まれ、そのまま排出ローラ対203、204へ搬送され、紙折り装置200から排出される。
【0083】
(3)中折りモード
図10は、中折りモード時における紙折り装置200の作動状態を示す断面図である。
【0084】
中折りモードとは、週刊誌のように中央部に折り目のついた用紙束の前記折り目部分にステープル処理を施すために、用紙の中央部に折り目を予めつけておくモードである。
【0085】
複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、前述のZ折りモード、袋折りモードと同様に、第1折りストッパ215、216、217、223に向けて搬送される。
【0086】
中折りモード時は袋折りモード時と折り目の位置が同一であるので、袋折りモード時と同様に第1折りストッパ215、216、217の出退移動が制御され、用紙Pは、紙折りローラ対207、208のニップにかみ込まれて第1の折りがなされる。
【0087】
複写機10から「中折り」が指示されることにより、切換部材218は、用紙Pを第2折りストッパ219に向けて導く位置に動作されている。第1の折りがなされた用紙Pは、紙折りローラ対207、208により第2折りストッパ219に向けて搬送される。
【0088】
搬入部251に設けられた用紙検出センサ225により、第1の折りがなされた用紙Pの後端縁を検出してからt2秒後に、紙折り装置200に設けられたローラ202、205および207の回転駆動方向を、正回転(図中矢印a方向)から逆回転(図中矢印b方向)に切り換える。t2は、
(y/V)>t2>(x/V)
なる条件を満たす時間である。ここに、
V:用紙搬送速度
x:用紙検出センサ225と切換爪201の下端との間の距離
y:用紙後端検出後かつ第1折り終了後の用紙先端と第2折りストッパ219との間の距離である。
【0089】
ローラ202、205および207の逆回転により、用紙Pの中央部に形成された折り目が紙折りローラ対207、208から抜け出す。さらに、紙折り装置200への搬入時に後端となっていた用紙縁が先端となって、用紙搬入時と同一の状態に保たれる紙折り切換爪201に案内され、矢印Wで示される経路を経て、紙折り装置200から排出される。このようにして、中央部に折り目のついた用紙Pが開いた状態で下流側に搬送することが可能となる。
【0090】
なお、すべての折りモードは、搬送される用紙の最小サイズの長さの2倍以上の長さを有する用紙の場合にのみ受け付けられる。
【0091】
[折り時の用紙反転切換]
複写機10の排出部10b近傍には、複写後の用紙の表裏を反転させる用紙反転機構20が設けられている。さらに、複写機10には、用紙を前記用紙反転機構20で反転した後に排出部10bから排出するための第1の経路21、用紙を用紙反転機構20で反転した後に当該用紙を複写機10内で循環させ複写された面の裏側にさらに複写(両面コピー)するための第2の経路22、および、用紙反転機構を通さずに排出部10bからそのまま排出するための第3の経路23の3つの経路を有する。前記3つの経路は、選択的に切換え自在である。
【0092】
複写機10は、使用者により設定された動作モードや複写される用紙サイズに基づいて、複写される用紙が紙折りされるべきものであるか否かを判定し、その情報をフィニッシャ100に出力する。
【0093】
図11は、用紙搬送経路の設定処理を示すフローチャートである。
【0094】
複写モードが両面コピーモードでない場合に(ステップS11で「N」)、「紙折りする用紙である」との判定結果のときには(S12「Y」)、複写機10は、用紙搬送経路を第3経路23に切換える(S13)。用紙は、用紙反転機構20を通らず、反転せずに排出部10bから排出される。一方、「紙折りする用紙でない」との判定結果のときには(S12「N」)、複写機10は、用紙搬送経路を第1経路21に切換える。用紙は、用紙反転機構20を通り、反転してから排出部10bから排出される(S14)。フィニッシャ100は、複写機10から出力された情報に基づいて、紙折り装置200上流に配置された切換爪201の切換制御、および、折りモードに応じた第1と第2の折りストッパ215、216、217、223および219の位置を制御する。
【0095】
複写モードが両面コピーモードの場合には(S11「Y」)、一面目の複写が終了した後に一旦用紙搬送経路を第2経路22に切換える(S15「N」、S16)。二面目の複写が終了した後(S15「Y」)、紙折りするか否かの判定結果に応じて、前述した動作を行う。
【0096】
[ジャム処理時における第1折りストッパの退避動作]
紙折り装置200における紙折りは、前述したとおり、用紙先端を第1と第2の折りストッパ215、216、217、223、219に当接させて用紙途中にループを作成し、このループを紙折りローラ207、208、209でかみ込むことにより達成される。また、用紙搬送方向に沿って設けられた複数の第1折りストッパ215、216、217は、ステッピングモータ210を駆動源としたカム211、212、213により出退移動され、搬送経路の外側に退避可能である。つまり、カムシャフト224を回転させるステッピングモータ210は、与えられたパルスの分だけ回転する。これによって、カムシャフト224に設けられた遮光板231がホーム位置センサ230によって検出された位置(ホームポジション)から、ステッピングモータ210に与えられたパルス数でカムシャフト224の回転角度がコントロールされ、第1折りストッパ215、216、217の出退が制御される。前記ホームポジションは、出退移動可能な第1折りストッパ215、216、217の全てが搬送経路の外側に退避した位置とされる。
【0097】
本実施形態の紙折り装置200では、Z折りする際には、第1折りストッパを、用紙サイズの3/4の長さに相当する距離だけ紙折りローラ対207、208から離れた位置に合わせることにより、第1の折りである3/4折りを行っている。このため、Z折り可能な用紙サイズ(A3タテ,B4タテ)のうち最も長い用紙サイズ(A3タテ)の3/4の長さに相当する距離だけ紙折りローラ対207、208から離れた位置に、1つの第1折りストッパ223を固定してある。
【0098】
図12は、ジャム処理時における第1折りストッパの退避動作処理を示すフローチャートである。
【0099】
紙折り装置200内で紙づまりが発生すると(S21「Y」)、ホーム位置センサ230からの信号に基づいて第1折りストッパ215、216、217がホームポジションにあるか否かを判断する(S22)。
【0100】
第1折りストッパ215、216、217がホームポジションにない場合には(S22「N」)、ホームポジションに復帰するまで、すなわち、カムシャフト224に設けられた遮光板231がホーム位置センサ230によって検出されるまで、ステッピングモータ210を駆動する(S22、S23、S24)。このように第1折りストッパ215、216、217をホームポジションへ復帰させてから、紙折り装置200内で紙づまりが発生したことを複写機10上の操作パネルに表示する。
【0101】
なお、ジャム処理が完了したことを検出すると、ホームポジションに退避していた第1折りストッパ215、216、217は、紙づまり発生時に位置していた元の位置まで出退移動される。
【0102】
《パンチ装置300》
図13および図14は、パンチ装置300を示す斜視図および側面図である。
【0103】
パンチ装置300は、パンチ刃303と、当該パンチ刃303と共働して穴をあけるパンチダイ307と、パンチ刃303に当接して当該パンチ刃303を進退移動させる駆動カム301と、パンチ位置を決めるレジストローラ308(図2参照)と、を有する。パンチダイ307は、ベースプレート306の下面側に所定の隙間Sを隔てて取り付けられている。
【0104】
駆動カム301は、パンチ未使用時には、予め決められた停止位置で停止している。駆動カム301が取り付けられた駆動軸302は、電磁クラッチ305を介してモータ304に連結されている。電磁クラッチ305がオンされモータ304により駆動軸302が回転すると、駆動カム301は、1回転して前記停止位置に戻って停止する。駆動カム301が1回転するのに伴い、パンチ刃303が1回往復動する。
【0105】
パンチダイ307には、パンチ刃303の外径とほぼ等しい内径を有する穴が形成され、パンチ刃303が少なくとも停止位置から最大ストローク移動したときには、パンチ刃303がパンチダイ307の前記穴に嵌り込む。パンチ刃303とパンチダイ307との間の前記隙間Sに用紙を挟み込み、パンチ刃303を1回往復動させることにより、用紙にパンチ穴があけられる。
【0106】
図2に示したように、パンチ刃303は、用紙搬送方向に沿ってレジストローラ308の下流側に配置され、当該パンチ刃303とレジストローラ308のニップとの間の距離は、用紙に開けられるパンチ穴と用紙端縁との間の所望寸法に等しく設定されている。また、レジストローラ308の上流には、フォトセンサなどからなる用紙検出センサ102が設けられている。紙折り装置200から排出された用紙、または、紙折り装置200を経ずに送られてきた用紙は、パンチ装置300下流の切換爪103により搬送先が切り換えられ、搬送ローラ104または搬送ローラ121により搬送される。これら両搬送ローラ104、121は、電磁クラッチを介して任意のタイミングで停止可能な構成とされている。
【0107】
搬送ローラ104、121は、用紙検出センサ102により用紙後端が検出されると、用紙後端をレジストローラ308よりも上流側に若干量残した状態で停止される。レジストローラ308は、搬送ローラ104、121を停止した後も、回転駆動され続けている。このため、用紙は、その後端がレジストローラ308のニップに留まった状態で停止している。このような状態で停止している用紙に対して、パンチ刃303が1往復駆動されてパンチ穴があけられる。この後、搬送ローラ104、121の電磁クラッチが再度オンされ、穴あけ加工の済んだ用紙がさらに下流へと搬送される。
【0108】
上述のように作動するパンチ装置300により、用紙後端から常に一定間隔のパンチ穴が用紙にあけられる。
【0109】
《後処理トレイ部400》
図15は、後処理トレイ部400の構成を示す断面図、図16および図17は、後処理トレイ部400の後処理トレイ401を示す側断面図および一部切り欠いて示す底面図である。
【0110】
なお、説明の便宜上、後処理トレイ401からステープル装置500に向けて搬送されるときの用紙搬送方向(FD方向)に沿う整合を「FD整合」と、用紙搬送直交方向である用紙搬送幅方向(CD方向)に沿う整合を「CD整合」とも言う。
【0111】
後処理トレイ部400は、上流部にて既に表裏反転され排出ローラ113により排出される用紙をフェースダウンの状態で一時的に収容する後処理トレイ401と、後処理トレイ401の用紙排出口401aに配置され用紙のFD整合を行う先端ストッパ409と、排出ローラ113により排出された用紙のCD整合を行う一対の横整合板402と、排出ローラ113により排出される用紙先端を当接させ前記先端ストッパ409によるFD整合を安定して行うための後端ストッパ403と、後処理トレイ401に収容された所定枚数の用紙を一つの束としてステープル装置500に搬送する第1の用紙束搬送ローラ114、115と、を有する。
【0112】
後処理トレイ401が、シートとしての用紙を積載するシート積載部に相当する。また、先端ストッパ409が、後処理トレイ401から突出して配置され、後処理トレイ401に積載される用紙束の一の端面が当接する第1規制部材に相当し、後端ストッパ403が、後処理トレイ401から突出して配置され、後処理トレイ401に搬入される用紙先端が当接すると共に用紙束の他の端面を押し込んで前記一の端面を前記先端ストッパ409に揃える第2規制部材に相当している。
【0113】
後処理トレイ401は、その用紙排出口401aが所定角度で下り傾斜して配置されている。一対の横整合板(以下、「横整合板対」とも言う)402はCD方向に沿って対称的に移動自在に配置され、後端ストッパ403はFD方向に沿って移動自在に配置されている。CD整合は、後処理トレイ401内に用紙が収容される毎になされる。一方、FD整合は、後処理トレイ401内に用紙が収容される毎に、または、所定枚数収容毎になされる。また、第1の用紙束搬送ローラ114、115は、下ローラ114と上ローラ115とからなり、上ローラ115は、略上下方向に移動し、下ローラ114に対して圧接ないし離間自在に構成されている。
【0114】
[横整合板対402]
図15および図16に示すように、横整合板対402は、後処理トレイ401上に収容可能な用紙束の最大高さよりも大きな高さ寸法(L1)を有する板部材から構成され、後処理トレイ401の裏面側にCD方向に沿って設けられた一対のラック420にそれぞれ取り付けられている。ラック対420は、ステッピングモータ408により回転駆動されるギア421を挟むように、相互に向かい合って取り付けられている。ギア421が回転することにより、横整合板対402は、CD方向に沿って対称的に移動する。具体的には、横整合板対402は、ステッピングモータ408の正転時には互いに近付く方向に連動して移動し、逆転時には互いに離れる方向に連動して移動する。
【0115】
また、横整合板対402の待機位置には、第1の待機位置と、第2の待機位置とがある。第1の待機位置は、排出ローラ113により用紙が排出される以前の待機位置である。また、第2の待機位置は、排出される用紙サイズに応じて変更されるが、用紙サイズより若干広く、排出ローラ113により用紙が排出されるのを待ち受ける待機位置である。横整合板対402は、第1待機位置、第2待機位置、および、排出ローラ113により排出された用紙をCD整合する整合位置の間で移動自在となっている。
【0116】
後処理トレイ401下面には、横整合板対402の位置出し用に用いる複数個のセンサ410が設けられ、横整合板対402には、各センサ410からの光を遮る遮光板が一体的に取り付けられている。遮光板がセンサ410の光を遮光することで、第1および第2の待機位置の位置出しが行われる。また、横整合板対402の整合位置の位置出しは、ステッピングモータ408に与えるパルス数を制御し、ギア421の回転量を制御することにより行われる。
【0117】
[先端ストッパ409]
図15および図17に示すように、先端ストッパ409は、底板部409aと、当該底板部409aの先端から立ち上がる閉塞部409bとを備えた略L字形状をなし、底板部409aに設けられた支点430を中心として回動自在に、後処理トレイ401の下面に取り付けられている。先端ストッパ409は、バネ431のバネ力が付勢されて後処理トレイ401下面に当接している。先端ストッパ409の閉塞部409bは、後処理トレイ401に収容される用紙の用紙搬送方向の整合基準辺を形成している。回動支点430に軸支された図示しないリンクアームをソレノイドで引くことにより、先端ストッパ409の閉塞部409bが下方に移動し、用紙束をステープル装置500に搬出する用紙排出口401aが開かれる。
【0118】
[後端ストッパ403]
図15に示すように、後端ストッパ403は、折り加工された用紙の折り目が後処理トレイ401上で存在する側に配置されており、板状部材412と、板状部材412の両面のうち用紙が当接する面に貼り付けられるスポンジ部材411と、板状部材412を支持する構造体413と、を有する。前記板状部材412の略上半分は、後処理トレイ401上面に対して直交する方向から、用紙排出口401aに位置する先端ストッパ409に向けて若干湾曲しつつ突出する略アール形状に形成されている。
【0119】
後端ストッパ403の板状部材412をアール形状とすることにより以下の利点がある。すなわち、後処理トレイ401上に既に排出され収容されている用紙の枚数、用紙サイズ、あるいは、折り処理の有無に拘わらず、後処理トレイ401からステープル装置500に向けて搬送されるときの用紙搬送方向に沿う用紙後端(排出ローラ113から排出されてくるときの用紙先端に相当)が後端ストッパ403の板状部材412に常に安定して当接する。この当接により、排出されてくるときの方向とは逆の方向に用紙が跳ね返る結果、前記用紙搬送方向に沿う用紙先端が先端ストッパ409に当接して、FD整合が確実なものとなる。また、Z折り紙は、その折り目のために、前記用紙搬送方向に沿う用紙後端が若干浮き上がった状態となっている。このため、上部がアール形状をなす板状部材412を用いることで、Z折り紙を含む用紙束を、均一に押し込んで先端ストッパ409に当接させることができ、Z折り紙を含む用紙束をステープル装置500に搬送する際における用紙搬送方向のズレを確実に矯正できる。
【0120】
後端ストッパ403の構造体413は、図17にも示すように、後処理トレイ401の下面中央に用紙搬送方向に沿って延伸して設けられたスパイラル軸404に係合している。このスパイラル軸404は、ギア列からなる駆動伝達部435を介してDCモータからなる駆動モータ406に連結されている。そして、駆動モータ406を正逆適宜方向に回転駆動してスパイラル軸404を回転させることにより、後端ストッパ403は、用紙搬送方向に沿って所望の量だけ進退移動する。
【0121】
図15を参照して、スパイラル軸404を支持するケーシング440にはフォトセンサなどからなるホーム位置センサ405が取り付けられる一方、後端ストッパ403の構造体413には前記センサ405の光を遮る遮蔽板が取り付けられている。この遮蔽板を前記センサ405で検出することにより、後端ストッパ403を、後処理トレイ401上の所定のホームポジションに停止できる。また、駆動モータ406の駆動軸上にはパルス円板407が取り付けられ、後端ストッパ403を、公知のパルス検出手段432(図17参照)の信号に基づいて任意の位置に精度良く停止させることが可能となっている。
【0122】
[後処理トレイ部400における用紙の整合]
図18(A)〜(C)は、後処理トレイ部400における用紙の整合手順の説明に供する説明図、図18(D)は、集積・整合が完了した用紙束をステープル装置500に向けて搬送する手順の説明に供する説明図、図19は、種々のステープルモードの形態を示す図、図20は、後端ストッパ403の移動制御を示すフローチャート、図21は、用紙整合時の第1用紙束搬送ローラ114、115の動作を示すフローチャートである。
【0123】
以下に後処理トレイ部400における用紙の整合手順を説明するが、(1)Z折りされた用紙が無い場合と、(2)Z折りされた用紙がある場合と、に分けて説明する。
【0124】
(1)Z折りされた用紙が無い場合
Z折りされた用紙が無い場合、ステープル処理を行うために後処理トレイ401に用紙を一時的に集積するときには、まず、排出ローラ113により排出されるときの用紙先端を後端ストッパ403に当接ないし衝突させ、続いて、前記当接による跳ね返り力と用紙の自重とにより用紙先端を先端ストッパ409に接触させることによりFD整合が行われる。また、横整合板対402をCD方向に移動させることによりCD整合が行われる。なお、排出ローラ113の上流近傍には、用紙後端を検出し、第1搬送路441から後処理トレイ401に向けて用紙が排出されたことを検出する排紙検出センサ112が配置されている。
【0125】
詳述すると、図20のフローチャートに示すように、後端ストッパ403は、紙折り有、紙折り無、用紙サイズおよび紙折り形態に応じて、用紙端面より一定距離を保った第2停止位置に停止する(S32)。ここに第2停止位置までの移動距離は、ステップS31にて、移動距離=「後処理トレイ401長さ」−「用紙サイズ」−「所定距離」にて算出されている。「用紙サイズ」とは、後処理トレイ401に搬入されるときの用紙サイズであり、紙折り有のときには、折り加工後のサイズである。また、「所定距離」は、紙折り有、紙折り無で異なっている。
【0126】
上記のように算出した第2停止位置に停止される後端ストッパ403に、排出ローラ113から排出中の用紙の先端が当接することにより、当該用紙は、先端ストッパ409に向けて跳ね返り、後処理トレイ401の上面もしくは収容済みの最上位の用紙の上に早く落ちる。このため、用紙の搬送・排出の間隔が短くてもFD整合を最適かつ迅速に行うことができる。しかも、引き続いて行われるCD整合のタイミングを早く設定できることから、後処理トレイ401における用紙の一時集積を早期に完了させることができ、ひいては、一連の後処理を迅速に行うことが可能となって生産性が向上する。
【0127】
Z折りされた用紙が無い場合には、後端ストッパ403は、1ジョブ分の用紙を収容し終わるまで第2停止位置に保持され、収容後に、ホームポジションに復帰される(S33、S34、S35)。
【0128】
なお、ホームポジションに復帰する前に、後端ストッパ403を先端ストッパ409との間の距離が排出された用紙のサイズと同じになる位置まで移動し、用紙束後端に接触させる制御にしてもよい。
【0129】
ところで、後処理トレイ401に収容される用紙は画像形成時の熱や圧力の影響などを受けて若干カールしているため、一部の用紙の先端が先端ストッパ409の閉塞部409bに斜めに乗り上げた状態になることがある。このままの状態で整合を完了してステープル処理を施すと、ステープル綴じされた用紙束にFD方向の整合ズレが存在するので見栄えが悪くなってしまう。
【0130】
そこで、図18(B)(C)に示すように、FD整合時においては、排紙検出センサ112により用紙が排出されたことを検出して一定時間が経過した後に、用紙束の搬送を行う第1用紙束搬送ローラ114、115のうち、圧接離間自在に構成されている上ローラ115が下ローラ114に向けて下降される。前記一定時間は、排出された用紙の先端が先端ストッパ409に接触するのに要する十分な時間である。用紙が1枚排出される毎に上ローラ115を下降動作させることにより、先端ストッパ409の閉塞部409bに斜めに乗り上げた用紙などが後処理トレイ401上に落とされ、FD方向の整合ズレが修正され、先端ストッパ409によるFD整合が確実になされる。この後、上ローラ115は、次の用紙が接触する前に上昇移動され、前記次の用紙との衝突が防止される。
【0131】
なお、第1用紙束搬送ローラ114、115の上ローラ115は、少なくともローラ下降時においては回転しない構成とされ、用紙を押しつける動作を行っても、ローラの回転による不具合、例えば、シワなどの発生を招くことがないようにしてある。かかる構成については後述する。
【0132】
1枚目の用紙を収容するときに着目すると、図18(A)に示すように、第1用紙束搬送ローラ114、115の下ローラ114は、後処理トレイ401の用紙積載面よりも上方に突出しているため、後処理トレイ401に入ってくる1枚目の用紙先端が下ローラ114に突き当たり、この部分で用紙が止まってしまう虞がある。
【0133】
そこで、後処理トレイ401に収容される1枚目の用紙のみに対して、排紙検出センサ112により用紙の排出を検出した後も下ローラ114を数回転回転させて用紙を送り、用紙先端を先端ストッパ409に確実に接触ないし当接させるようにしてある。すなわち、図21のフローチャートに示すように、排紙検出センサ112により用紙後端を検出したにも拘わらず、後処理トレイ401上に用紙がないと判断されると、下ローラ114をn回転回転させる(S41〜S43)。これにより、1枚目の用紙に整合不良が生じることがない。2枚目以降の用紙に対しては、後処理トレイ401上に既に用紙があるため、前述した上ローラ115の圧接離間動作がなされる(S44)。
【0134】
なお、前述した上ローラ115の下降圧接動作を1枚目の用紙に対しても行うと、当該1枚目の用紙が先端ストッパ409に強く押しつけられ、不具合が生じ易くなる。このため、用紙1枚毎に行われる上ローラ115の圧接離間動作は、後処理トレイ401に収容される2枚目以降の用紙に対して行われる。
【0135】
また、2枚目以降の用紙が収容されるときにも下ローラ114を回転させていると、下ローラ114上に載置される用紙の積載重量が増すのに伴い、用紙が不必要に先に送られてしまう。このため、下ローラ114の回転動作は、1枚目の用紙が後処理トレイ401に収容されるときのみ行われ、2枚目以降の用紙が収容されるときには下ローラ114の回転動作を停止してある。
【0136】
後処理トレイ401への複数枚の用紙の集積、CD整合およびFD整合が完了すると、図18(D)に示すように、上ローラ115が下降移動され、後処理トレイ401内の用紙束は、圧着状態となった第1用紙束搬送ローラ114、115により挟持される。さらに、先端ストッパ409が回動され、閉塞部409bが下方に移動して用紙排出口401aが開き、ステープル装置500を備える第2搬送路442が開放される。そして、第1用紙束搬送ローラ114、115が回転駆動されると、用紙束は、用紙排出口401aを通ってステープル装置500に向けて束搬送される。
【0137】
このように本実施形態では、ステープル装置500への用紙束の移送と、用紙のFD方向の整合ズレの修正とを1つの第1用紙束搬送ローラ114、115で行うことが可能である。したがって、用紙束を移送する機構および整合ズレ修正機構のそれぞれを独立して設ける場合に比較して、フィニッシャ100全体の簡素化ないし小型化を達成でき、コストの低減にも寄与し得る。なお、シート束移送手段として第1用紙束搬送ローラ114、115を用いた実施形態について図示したが、FD方向の整合ズレを修正するための圧接・離間動作は、用紙束を挟持してスライド移動するチャック手段から構成したシート束移送手段にも適用可能である。
【0138】
(2)Z折りされた用紙が有る場合
図19に示すように、ステープルモードには、▲1▼ノーマルステープルモード、▲2▼紙折りステープルモード、▲3▼混載ステープルモードの3種類があり、これらの中から選定が可能となっている。ノーマルステープルモードは紙折り無しの用紙のみからなる用紙束をステープル処理するモード、紙折りステープルモードは紙折りされた用紙のみからなる用紙束をステープル処理するモード、混載ステープルモードは紙折り無しの用紙と紙折りされた用紙とが混載された用紙束をステープル処理するモードである。
【0139】
ステープルモードの種類に拘わらず、紙折り有および/または紙折り無の用紙は、ステープル処理の前に後処理トレイ401に集積され、横整合板対402によりCD整合され、後端ストッパ403および先端ストッパ409によりFD整合される。
【0140】
特に、後端ストッパ403はFD方向の任意の位置に移動・停止が可能であり、良好なFD整合を行うために、図20のフローチャートに示すように、紙折り有、紙折り無、用紙サイズおよび紙折り形態に応じて、用紙端面より一定距離を保った第2停止位置まで移動し停止する(S31、32)。
【0141】
Z折りされた用紙は、用紙の半分では3枚が重なり、残り半分では1枚のままであるという特有の形態をなし、折り重ねられた側が後端ストッパ403側に位置するように後処理トレイ401に積載される。このため、Z折りされた用紙を含むモードでは、後処理トレイ401に用紙を積載したときのバランスが悪くなり、用紙搬送方向に飛び出して用紙が積載されてしまう場合がある。
【0142】
さらに、図22(A)に示すように、Z折りは、折り加工されない用紙(例えば、A4用紙)のサイズよりも小さいサイズ(例えば、ΔL=3mm程度)にまで用紙(例えば、A3用紙)を折り畳む折りモードである。このため、Z折りされた用紙を含む用紙束をFD整合するに際し、Z折りされていない用紙に合わせて後端ストッパ403を移動させたのでは、良好なFD整合を行い得ないことになる。
【0143】
これらの点から、用紙束にZ折りされた用紙を含むときには、最終用紙を収容した後(S36「Y」)、前記第2停止位置にある後端ストッパ403は、図22(B)にも示すように、Z折りされた用紙を先端ストッパ409に対して押し込む位置まで移動した後、ホームポジションに復帰する(S37)。これによりZ折りされた用紙を含む用紙束の場合であっても、FD方向の不揃いを整合させることができる。
【0144】
また、Z折りされた用紙は上述したように特有の形態をなすことから、Z折りされた用紙を集積すると、この用紙束は、後処理トレイ401の用紙積載面に対して平行とはならず、後端ストッパ403側の上方部分が先端ストッパ409側の下方部分よりも浮き上がった斜めの状態になる。このような傾斜状態は、Z折りされた用紙の積載枚数が増すほど顕著なものとなる。このため、一の用紙束における上位の用紙後端と先端ストッパ409との間の用紙搬送方向に沿う距離は、下位の用紙後端と先端ストッパ409との間の距離に比べて短くなる。ここに用紙束における上位の用紙は、積載時において最後の方で排出された用紙であり、下位の用紙は、最初の方で排出された用紙である。このように用紙束における上位と下位とで用紙後端と先端ストッパ409との間の距離が異なる積載状態において、後処理トレイ401の用紙積載面に対して直交する形状を有する後端ストッパ403を用いた場合には、用紙束における上位の用紙のFD整合を良好に行うことができない。
【0145】
そこで、本実施形態では、前述したように、後端ストッパ403の略上半分を用紙収容側に傾斜した略アール形状としてある。かかる構成により、Z折りされた用紙を含む用紙束のFD整合を、用紙束の下位から上位にわたって均一に、かつ、良好に行うことが可能となる。
【0146】
後処理トレイ401においてCD整合およびFD整合が完了すると、前述したように、用紙束は、第1用紙束搬送ローラ114、115により挟持された後、先端ストッパ409が回動して開かれた用紙排出口401aを通って、ステープル装置500に向けて束搬送される。
【0147】
なお、最終用紙を収容する前に、適宜枚数毎に、後端ストッパ403をZ折りされた用紙を先端ストッパ409に対して押し込む位置まで移動し、第2停止位置に戻す制御にしてもよい。
【0148】
[ジャム処理時における横整合板対402、後端ストッパ403の退避動作]
前述したように、横整合板対402は、ステッピングモータ408に与えるパルス数、および、横整合板対402がホームポジションにあることを検出するセンサ410の出力信号に応じて位置が制御されている。また、横整合板対402は、複写される用紙サイズを認知すると、その用紙側端から若干量離れた位置まで移動して待機し、一枚収容される毎に前記若干量分往復移動してCD整合している。前記ホームポジションは、後処理トレイ401に収容される用紙サイズのうち最もCD方向が長い用紙の側端から若干量離れた位置である。
【0149】
後端ストッパ403は、駆動モータ406に設けられたパルス発生手段としてのパルス円板407の出力パルス数、および、後端ストッパ403がホームポジションにあることを検出するセンサ405の出力信号に応じて位置が制御される。また、後端ストッパ403は、複写された用紙サイズおよび紙折りモードを認知すると、後処理トレイ401に収容された時点における用紙サイズに応じて移動する。前記ホームポジションは、後処理トレイ401に収容される用紙サイズのうち最もFD方向が長い用紙の後端から若干量離れた位置である。
【0150】
そして、後処理トレイ部400内で紙づまりが発生すると、まず、横整合板対402および後端ストッパ403の両者をそれぞれのホームポジションへ復帰させてから、後処理トレイ部400内で紙づまりが発生したことを複写機10上の操作パネルに表示する。
【0151】
なお、ジャム処理が完了したことを検出すると、ホームポジションに退避していた横整合板対402および後端ストッパ403の両者は、紙づまり発生時に位置していた元の位置まで移動される。
【0152】
《ステープル装置500》
[ステープル装置500の構成]
図23は、ステープル装置500を、第1と第2の用紙束搬送ローラ114〜117とともに示す構成図、図24は、ステープル装置500の構成を示す概略斜視図である。
【0153】
ステープル装置500は、第1用紙束搬送ローラ114、115により挟持搬送される用紙束の所定位置にステープル処理を施すものであり、ヘッド部ユニット501と、アンビル部ユニット502と、これら両ユニット501、502を用紙搬送直交方向に移動自在および回動自在に支持する支持機構520と、両ユニット501、502を移動させる第1駆動機構521および回動させる第2駆動機構522と、を有する。このステープル装置500は、ヘッド部ユニット501とアンビル部ユニット502とを連結ないし接続する部材が用紙搬送経路を横切らないように構成されている。
【0154】
ヘッド部ユニット501は、図示しない針カートリッジ内に収納されているステープル針を一本毎に切断すると共にコの字形状に折り曲げ、さらに当該ステープル針により用紙束を打ち抜くユニットである。このユニット501は、針カートリッジ内に収納されているステープル針の有無を検出するセンサを有する。
【0155】
アンビル部ユニット502は、用紙を打ち抜いたステープル針の脚部を内側に折り曲げると共にヘッド部ユニット501による針打ち動作の衝撃を受けるユニットである。このユニット502は、ステープル針を内側に折り曲げる受け板と、針打ち動作の衝撃を受ける支持板と、を有する。
【0156】
支持機構520は、図24に概念的に示すように、一対の側壁部509a、509bを備えたフレーム510と、用紙搬送直交方向に沿って延伸し前記フレーム510に支持される支持軸503、506と、を有する。フレーム510における側壁部509aと509bとの間は、少なくとも、通紙可能な用紙の用紙搬送直交方向の寸法以上に設定されている。支持軸503、506は丸棒部材からなり、ヘッド部ユニット501に支持軸503が挿通され、アンビル部ユニット502に支持軸506が挿通されている。両ユニット501、502は、支持軸503、506に沿って用紙搬送直交方向に移動自在となり、支持軸503、506を中心に回動自在となっている。
【0157】
第1駆動機構521は、ヘッド部ユニット501に挿通されるスパイラル軸504と、アンビル部ユニット502に挿通されるスパイラル軸507と、を有する。各スパイラル軸504、507は、用紙搬送直交方向に沿って延伸し前記フレーム510に支持されている。スパイラル軸504の回転により、ヘッド部ユニット501は支持軸503に案内されつつ用紙搬送直交方向に移動し、スパイラル軸507の回転により、アンビル部ユニット502は支持軸506に案内されつつ用紙搬送直交方向に移動する。
【0158】
第2駆動機構522は、ヘッド部ユニット501に挿通される駆動軸505と、アンビル部ユニット502に挿通される駆動軸508と、を有する。各駆動軸505、508は、用紙搬送直交方向に沿って延伸し前記フレーム510に支持されている。駆動軸505の回動により、ヘッド部ユニット501は針打ち動作を行うための駆動力が伝達されて支持軸503を中心に回動し、駆動軸508の回動により、アンビル部ユニット502は針折り曲げ動作を行うための駆動力が伝達されて支持軸506を中心に回動する。各ユニット501、502に駆動力を確実に伝達するため、駆動軸505、508には、滑りの生じない断面矩形形状のシャフトが用いられる。なお、駆動軸を丸棒部材から形成する場合には、キーおよびキー溝などにより、駆動軸と各ユニット501、502との間の滑りをなくすようにすればよい。
【0159】
各ユニット501、502のそれぞれは、挿通された複数の軸503〜505、506〜508により、用紙搬送直交方向に沿って直線的に独立して平行に移動することが可能である。
【0160】
ヘッド部ユニット501およびアンビル部ユニット502は、同位相を有するスパイラル軸504、507の回転により、用紙搬送直交方向に沿って移動する。各々のスパイラル軸504、507には、タイミングベルト511が掛け渡されている。このベルト511は、駆動モータ512に接続されている。駆動モータ512は、DCモータから構成され、パルス円盤513により回転量を制御可能とされている。かかる構成により、各ユニット501、502のそれぞれを、同じ移動量で動かすことができる。第1駆動機構521は、これらスパイラル軸504、507、タイミングベルト511、駆動モータ512などから構成されている。
【0161】
各ユニット501、502のホームポジションを検出するため、光透過式のセンサ516がフレーム510に取り付けられている。ヘッド部ユニット501に設けられた遮光板を前記センサ516で検出することにより、ユニット501、502の両者をホームポジションに移動し得る。このホームポジションを基準にして、ユニット501、502の移動距離が設定される。
【0162】
ヘッド部ユニット501およびアンビル部ユニット502は、駆動軸505、508の回動により、針打ち駆動がなされる。各々の駆動軸505、508には、ベルト514が掛け渡されている。このベルト514は、駆動モータ515に接続されている。かかる構成により、用紙搬送直交方向の任意の位置で各ユニット501、502のそれぞれを駆動して、針打ちを行うことができる。第2駆動機構522は、これら駆動軸505、508、ベルト514、駆動モータ515などから構成されている。
【0163】
[動作説明]
ステープル装置500のヘッド部ユニット501およびアンビル部ユニット502は、当初、センサ516を遮光するホームポジションに停止している。複写機10より排出された用紙は、後処理トレイ401に搬送され積載・整合される。そして、1ジョブ分の用紙が後処理トレイ401上に積載されると、この用紙束は、ステープル装置500に向けて搬送される。
【0164】
用紙束をステープル装置500に搬送する搬送手段としての第1用紙束搬送ローラ114、115は、その回転量により用紙束の移動距離を制御可能に構成されている。この第1用紙束搬送ローラ114、115により、用紙束は、用紙束上の選択された任意のステープル位置が針打ち動作位置に合うように搬送され、停止される。
【0165】
この後、パルス円盤513で回転量を検出しつつ移動用駆動モータ512が駆動され、ベルト511を介してスパイラル軸504、507が回転駆動される。これにより、両ユニット501、502のそれぞれは、選択された任意のステープル位置に向けて、同量の距離だけ移動する。
【0166】
両ユニット501、502が選択されたステープル位置に停止すると、駆動モータ515が駆動され、ベルト514を介して駆動軸505、508が回転駆動される。これにより、両ユニット501、502それぞれが回動駆動され、針打ちが行われる。
【0167】
用紙搬送直交方向に沿う直線上の複数箇所に対してステープル処理を行う場合には、1か所目の針打ちが終了した後、両ユニット501、502は、移動用駆動モータ512が駆動されて次の針打ち箇所まで移動し、その後、駆動モータ515が駆動されて針打ちを行う。この動作を順次繰り返すことにより、複数箇所に対するステープル処理が完了する。
【0168】
[用紙束の搬送機構]
図25(A)〜(C)は、第1の用紙束搬送ローラ114、115を示す構成図である。
【0169】
図23を参照して、前記ステープル装置500の上流部には上下一対のローラからなる第1の用紙束搬送ローラ114、115が配置され、下流部にも上下一対のローラからなる第2の用紙束搬送ローラ116、117が配置されている。第1用紙束搬送ローラ114、115は、ステープル処理前の用紙束を挟持搬送し、第2用紙束搬送ローラ116、117は、主としてステープル処理後の用紙束を挟持搬送する。第1用紙束搬送ローラ114、115のニップ位置と第2用紙束搬送ローラ116、117のニップ位置との間の距離は、搬送される用紙のうち最も小さいサイズよりも若干量短い寸法に設定されている。
【0170】
第1用紙束搬送ローラ114、115の上ローラ115は、第1DCモータの駆動により圧接離間移動が自在となっている。また、上下のローラ114、115は、両者ともステッピングモータ(後述する図31の符号「128」を参照)により回転駆動され、このステッピングモータの回転数を制御することにより、用紙束の搬送量が制御される。第2用紙束搬送ローラ116、117も同様に構成され、第2DCモータの駆動により、上ローラ117は、第1用紙束搬送ローラ114、115とは別個独立して圧接離間移動が自在となっている。また、上下のローラ116、117は、前記ローラ114、115を駆動する同じステッピングモータにより回転駆動されて、用紙束の搬送量を制御する。
【0171】
ステープル装置500上流側に配置される上下ローラ114、115は、所定の硬度を有する同種の材料から形成されると共に同じ径寸法を有するように形成されている。また、下流側の上下ローラ116、117も、所定の硬度を有する同種の材料から形成されると共に同じ径寸法を有するように形成されている。但し、ローラ116、117のローラ径は、ローラ114、115よりも小径とされている。
【0172】
さらに詳しくは、上流側の上下ローラ114、115は、18Hs(JIS A)以下の硬度を有するソリッドゴムから構成され、用紙束に圧接した状態で十分変形する。上下ローラ114、115による圧接力は、当該ローラと用紙との接触幅がローラ回転方向に沿って5mmを超えるように加えられる。また、下流側の上下ローラ116、117は、低硬度の発泡ゴムから構成され、上流側の圧接力よりも低い圧接力が用紙束に加えられる。ローラ114、115の硬度については、後に説明する。
【0173】
図25(A)に示すように、第1用紙束搬送ローラ114、115の下ローラ114および上ローラ115は、少なくとも1つのアイドルギヤ135を有する駆動伝達機構131aを介して連結されている。下ローラ114は、前述したように、そのローラ表面が後処理トレイ401の用紙積載面から突出するように配置されている。駆動伝達機構131aは、アイドルギヤ135、下ローラ114および上ローラ115の各支軸135a、114a,115aを連結するリンク機構560を有し、当該リンク機構560により、アイドルギヤ135と下ローラ114との軸間距離、および、アイドルギヤ135と上ローラ115との軸間距離が規制されている。また、下ローラ114の支軸114aを回転自在に支持する図示しないケーシングには長孔561が形成され、この長孔561に上ローラ115の支軸115aが摺動自在に挿通されている。長孔561は、後処理トレイ401の用紙積載面に直交する方向に延伸している。第1DCモータの駆動によりリンク機構560が作動すると、上ローラ115は、その支軸115aが長孔561に案内されて、離間位置(同図(B))と圧接位置(同図(C))との間で、後処理トレイ401の用紙積載面に直交する方向に沿って移動する。
【0174】
上ローラ115の支軸115aには、圧接力を付与するバネ562の一端が接続されている。前記長孔561の長さは、上ローラ115が下ローラ114に圧接した状態において、支軸115aが長孔561の端部に当接しない長さに設定され、前記バネ562による所定の圧接力のみが上ローラ115に付与されるようになっている。圧接力は、積載された用紙束の紙面に直交する方向に付与されている。
【0175】
アイドルギヤ135および下ローラ114の各支軸135a、114aに取り付けられたプーリ563、564の間には、ベルト136が掛け渡されている。また、アイドルギヤ135には、上ローラ115の支軸115aに取り付けたギヤ565が噛み合っている。ステッピングモータの回転駆動力は下ローラ114に伝えられるが、上記構成により、上下のローラ114、115が互いに圧接しなくとも、回転駆動力を上ローラ115に伝えることが可能となる。上下のローラ114と115の両者に回転駆動力を与える方式の利点についても、後に説明する。
【0176】
上ローラ115の支軸115aには、図25(B)(C)に示すように、図中矢印で示される方向の回転のみを許容する少なくとも1つのワンウェイクラッチ134が取り付けられている。このワンウェイクラッチ134により、リンク機構560が作動して上ローラ115が離間位置から圧接位置に下降するときに、上ローラ115が回転しないようにしてある。
【0177】
図示省略するが、第2用紙束搬送ローラ116、117も同様に構成されている。
【0178】
圧接動作時に上ローラ115、117が回転しない構成とされているので、ステープル処理前の用紙束を挟持搬送する第1用紙束搬送ローラ114、115から、ステープル装置500下流に配置される第2用紙束搬送ローラ116、117に用紙束を引き渡す際に、用紙束の不揃い、折れ、シワなどの不具合の発生を防止できる。さらに、上ローラ115、117と下ローラ114、116とが離間状態にあっても、駆動伝達機構131aを介して上下の各ローラが回転駆動可能であるので、搬送可能な最大用紙枚数の範囲内で任意枚数の用紙の束を、不揃いなどの不具合を生じることなく搬送できる。
【0179】
また、用紙束を搬送する上下のローラ114〜115の形状、材質および配置を上述のように規定したので、不揃い、折れ、あるいは、シワなど生じることなく用紙束を搬送できる。特に、ステープル処理前の用紙束を搬送する第1用紙束搬送ローラ114、115の材質および圧接力の設定を上述のように規定したことにより、不揃いを生じることなく所定のステープル位置まで用紙束を定量搬送できる。さらに、主としてステープル処理後の用紙束を搬送する第2用紙束搬送ローラ116、117の材質および圧接力の設定を上述のように規定したことにより、圧接状態にあるローラ116、117間に用紙束が突入しても、不揃いやシワなど生じることなく用紙束を搬送できる。また、第2用紙束搬送ローラ116、117の駆動機構を第1用紙束搬送ローラ114、115の駆動機構と同一構成とすることにより、一カ所だけステープル処理された用紙束を搬送する場合に、ステープル針を中心とした用紙束の回転、用紙の不揃い、ステープル針回りのシワの発生などがなくなる。
【0180】
図23に示すように、第1用紙束搬送ローラ114、115の下流近傍には、搬送されてくる用紙束の端縁を検出する第1センサ137が設けられ、同様に、第2用紙束搬送ローラ116、117の下流近傍には、第2センサ118が設けられている。各センサ118、137のそれぞれは、ステープル針打ち位置から所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0181】
なお、少なくとも第1用紙束搬送ローラ114、115と第2センサ118との間の用紙搬送路は、ストレート形状の搬送ガイドから構成されている。この理由は以下の通りである。
【0182】
用紙束の先端部は、一時集積中に、先端ストッパ409によって整合されている。この状態で第1用紙束搬送ローラ114、115の圧接が開始されるので、用紙束の先端部は整合されたまま第1用紙束搬送ローラー114、115に挟持される。第1用紙束搬送ローラ114、115からステープル位置までの用紙搬送路は屈曲しておらず、まっすぐなストレート形状であるので、第1用紙束搬送ローラ114、115によって用紙束がステープル位置まで挟持搬送されても用紙束先端部は整合されたままの状態を維持する。もし、第1用紙束搬送ローラ114、115から搬送方向下流の用紙搬送路が円弧状に曲がっていた場合、用紙束は円弧の半径が小さいガイド板にそって長く、円弧の半径が大きいガイド板に沿って短くなり、用紙束先端部はガイド板に対して斜めになる。この状態でガイド板に垂直にステープル針を打ち込むと、用紙束を斜めに綴じてしまうことになる。したがって、第1用紙束搬送ローラ114、115が用紙束を挟持した状態でステープル装置500によるステープルを行うとき、第1用紙束搬送ローラ114、115からステープル位置までの用紙搬送路はストレート形状でなくてはならない。
【0183】
また、後述するように、本実施形態においては、第1用紙束搬送ローラ114、115によって挟持搬送された用紙束を、第2用紙束搬送ローラ116、117によって挟持搬送し、第1用紙束搬送ローラ114、115の支配から解放されたのちさらに、第2用紙束搬送ローラ116、117によってのみ挟持搬送した用紙束に、ステープル装置500でステープル処理を行い得る構成であるので、第1用紙束搬送ローラ114、115によって挟持搬送された用紙束は第2用紙束搬送ローラ116、117によって挟持されるまで、用紙束先端部は整合されたままの状態を維持しなければならない。したがって、第1用紙束搬送ローラ114、115から第2用紙束搬送ローラ116、117が挟持を開始する用紙束の位置である第2センサ118までの用紙搬送路はストレート形状である必要がある。
【0184】
なお、このようにステープル位置より下流で用紙束を挟持する第2用紙束搬送ローラ116、117があるので、第2センサ118より下流の搬送路はストレート形状である必要はなく、例えば円弧状に曲がっていてもよい。こうすることによって、装置全体の大型化を防ぐことができる。
[用紙束を搬送する上下のローラの両者に回転駆動力を与える方式の利点、および、ローラの硬度]
用紙束を搬送する上下のローラの両者に回転駆動力を与える利点について説明するが、この駆動形態を、説明の便宜上、「上下強制駆動」という。
【0185】
上下強制駆動の有無により用紙ズレ量を測定した。用紙ズレ量は、図26に示すように、用紙搬送方向に沿って最も前方に搬送されている用紙先端と、最も搬送が遅れている用紙先端との差(mm)である。また、測定条件は、次のとおりである。
1:上下ローラともにローラ硬度 15Hs(JIS A)
2:圧接力 2Kg
3:搬送方法 手送り
4:ローラ直径 30mm
5:搬送距離 38mm
なお、ローラのゴムの硬さは、JIS K 6301に規定されているスプリング式硬さ試験(A型)により測定したものである。
【0186】
測定結果を以下に示す。
【0187】
【表1】
Figure 0003636858
【0188】
このグラフから明らかなように、上下強制駆動が無い場合は、上下強制駆動が有る場合に比べて、用紙ズレ量が約1.4倍多くなる。したがって、1対のローラのうち一方のローラのみを回転駆動し他方のローラを従動回転させる方式とするよりも、両方のローラをともに駆動する上下強制駆動方式の方が、用紙束の用紙ズレ量を減らすことができることがわかった。
【0189】
次に、用紙束を搬送するローラの硬度について以下に検討する。
各種のローラ硬度において前記用紙ズレ量を測定した。測定条件は、次のとおりである。
1:上下ローラとも同じもの、かつ、上下強制駆動
2:圧接力 2Kg
3:搬送スピード 320mm/sec
4:ローラ直径 24mm
5:搬送距離 38mm
ステープル処理後の見栄えをよくするためには、用紙ズレ量は1mm以内に抑える必要があり、1mm以内を合格とした。測定結果を以下に示す。
【0190】
【表2】
Figure 0003636858
【0191】
このグラフから明らかなように、硬度が2Hs(JIS A)、14Hs(JIS A)および18Hs(JIS A)のシリコンゴムローラの場合には、用紙ズレ量はすべて1mm以下であり、合格であった。一方、硬度60Hs(JIS A)のEPDM(エチレンプロピレンゴム)ローラ、および、POM(ポリアセタール)ローラの場合には、用紙ズレ量はともに1.4mm以上であり、不合格であった。また、硬度27Hs(JIS A)のシリコンゴムローラの場合には、用紙ズレ量が1mmを越えることがあった。したがって、多少のバラツキを考慮して用紙ズレ量を1mm以内に抑えるためには、硬度が18Hs(JISA)以下のローラを使用すればよいことがわかった。
【0192】
[ステープル位置の制御]
ステープルモードが選択されると用紙は後処理トレイ401に集積されるが、このとき、第1用紙束搬送ローラ114、115は相互に離間している。用紙の一時集積が完了すると、第1用紙束搬送ローラ114、115が圧接状態に移行して用紙束を挟持し、先端ストッパ409が用紙束搬送経路の外側に退避される。そして、第1用紙束搬送ローラ114、115を回転して用紙束を搬送し、用紙搬送方向に沿ってステープル位置の位置出しを行う。ステープルモードには、(1)用紙束搬送方向に沿う先端部分を綴じる先端綴じ、(2)用紙束搬送方向に沿って用紙束の中央部分を綴じる中綴じ、および、(3)用紙束搬送方向に沿う後端部分を綴じる後端綴じ、の3つのモードがあるため、各モードに対応して前記位置出し動作が異なる。以下、各モードの位置出し動作を説明する。
【0193】
(1)先端綴じ
図27(A)〜(C)および図28(D)〜(F)は、先端綴じの動作の説明に供する説明図である。
【0194】
用紙束の先端部は、一時集積中に、先端ストッパ409の閉塞部409bが規制面となって既にFD整合がなされている(図27(A))。したがって、先端綴じモードにあっては、ステープル位置の位置出しを行うためには、用紙サイズに拘わらず所定量だけ用紙束を搬送すればよいことになる。詳しくは、先端ストッパ409の閉塞部409bからステープル装置500までの距離に、用紙束先端部の端面からステープルしたい位置までの距離(通常10mm程度)を加えた量だけ、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を搬送すればよい(同図(B))。用紙束を前記所定量だけ搬送した後、ローラ114、115を停止し、ステープル装置500を作動させて用紙束にステープル処理を行う(同図(C))。
【0195】
ステープル処理が完了した後に用紙束の搬送が再開され、先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達した時点でその搬送を停止する。このとき、第2用紙束搬送ローラ116、117は、いまだ離間状態にある(図28(D))。用紙束の搬送を停止した後、第2用紙束搬送ローラ116、117が圧接状態に移行して用紙束先端部を挟持し、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する(同図(E))。用紙束を搬送しながら第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115のみを離間状態にする(同図(F))。この後は、用紙束は、集積トレイ部600に向けて、第2用紙束搬送ローラ116、117により挟持搬送される。
【0196】
第1、第2用紙束搬送ローラ114〜117をステッピングモータにて回転駆動しているので、用紙束の搬送量は、ステッピングモータのパルス数を管理することにより制御されている。
【0197】
(2)中綴じ
図29(A)〜(D)は、中綴じの動作の説明に供する説明図である。
【0198】
中綴じモードにあっては、用紙搬送方向に沿って用紙束の中央部分にステープル処理を行うため、当然ながら、ステープル処理するための用紙束搬送量は用紙サイズによって変わってくる。また、その搬送量は、先端綴じモードに比べると長くなる。
【0199】
用紙束の搬送はステッピングモータを用いて行っているため、パルス数の管理さえすれば、搬送量が長くなろうとも当該搬送量を制御することは、理論上、可能である。しかしながら、用紙束搬送ローラ114〜117の径やニップ幅のバラツキを完全になくすことはできないことから、搬送量が長くなればなるほど、実際に搬送される量に含まれる誤差が大きくなる。そこで、この誤差を小さくするために、中綴じモードにおける用紙束搬送は次のようにして行われる。
【0200】
まず、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を挟持搬送し、第2用紙束搬送ローラ116、117下流に配置した第2センサ118により用紙束の先端を検出すると、用紙サイズに応じた所定量だけさらに搬送した時点で、用紙束の搬送を停止する(図29(A)(B))。用紙束の搬送を停止した後、用紙束にステープル処理を行う(同図(C))。
【0201】
この時点で、用紙束先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達しているため、第2用紙束搬送ローラ116、117により用紙束を挟持する。そして、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する一方、用紙束を搬送しながら第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115のみを離間状態にする(同図(D))。この後は、用紙束は、集積トレイ部600に向けて、第2用紙束搬送ローラ116、117により挟持搬送される。
【0202】
なお、中綴じは上記方法にとらわれず、以下のようにしても行うことができる。まず、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を挟持搬送し、用紙束先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達した時点で搬送を停止し、第2用紙束搬送ローラ116、117により用紙束を挟持する。第2用紙束搬送ローラ116、117による挟持が完了すると、第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115を離間状態にする。第1用紙束搬送ローラ114、115の離間動作が完了した後に、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する。第2センサ118により用紙束の先端を検出すると、用紙サイズに応じた所定量だけさらに搬送した時点で、用紙束の搬送を停止する。用紙束の搬送を停止した後、用紙束にステープル処理を行う。ステープル処理が完了した後、第2用紙束搬送ローラ116、117による用紙束の搬送を再開し、用紙束を、そのまま集積トレイ部600に向けて挟持搬送する。このようにすることによって綴じる前の用紙束を第2用紙束搬送ローラ116、117で引っ張って搬送することができるので、用紙束の先端が抵抗になることがなく、用紙束の先端がばらつくことが少なくなる。
【0203】
なお、中綴じモードは、中折りされた用紙に対して行われるモードであるので、搬送される用紙の最小サイズの長さの2倍以上の長さを有する用紙の場合にのみ受け付けられる。
【0204】
(3)後端綴じ
図30(A)〜(D)は、後端綴じの動作の説明に供する説明図である。
【0205】
後端綴じモードでは、まず、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を挟持搬送し、用紙束先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達した時点で搬送を停止し、第2用紙束搬送ローラ116、117により用紙束を挟持する(図30(A))。第2用紙束搬送ローラ116、117による挟持が完了すると、第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115を離間状態にする(同図(B))。第1用紙束搬送ローラ114、115の離間動作が完了した後に、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する(同図(C))。第2センサ118により用紙束の先端を検出すると、用紙サイズに応じた所定量だけさらに搬送した時点で、用紙束の搬送を停止する。用紙束の搬送を停止した後、用紙束にステープル処理を行う(同図(D))。
【0206】
ステープル処理が完了した後、第2用紙束搬送ローラ116、117による用紙束の搬送が再開され、用紙束は、そのまま集積トレイ部600に向けて挟持搬送される。
【0207】
上記の搬送形態では、第2センサ118の位置を基準にして制御すべき搬送量を設定しているが、第1用紙束搬送ローラ114、115下流に配置した第1センサ137の位置を基準にして、後端綴じモード時の搬送量を設定することも可能である。かかる搬送形態にあっては、第1センサ137により用紙束の後端を検出してから所定量搬送する形態となるので、用紙サイズに拘わらず用紙束を一定量だけ搬送しさえすればよい。しかも、第1センサ137とステープル位置とが比較的近接していることから、制御すべき搬送量が短くなり、位置出し精度を高める上でも有利になる。
【0208】
ところで、用紙束の搬送に要するトータル時間を短くして生産性を高めるために、第1用紙束搬送ローラ114、115の離間動作を行う前に、ステープル装置500の上流に位置する第1用紙束搬送ローラ114、115と、下流に位置する第2用紙束搬送ローラ116、117との両方で用紙束の挟持搬送を再開し、この搬送途中において、第1用紙束搬送ローラ114、115を離間することが考えられる。
【0209】
先端綴じモードや中綴じモードのように、用紙束が既にステープル処理されていれば、両方の用紙束搬送ローラ114と115、116と117で用紙束の挟持搬送を再開した後に第1用紙束搬送ローラ114、115を離間させても、特に大きな問題が生じることはない。しかしながら、後端綴じモードのようにステープル処理前の用紙束を、両方の用紙束搬送ローラ114と115、116と117で挟持して搬送すると、上流域、下流域における用紙束の搬送速度の速度差などに起因して、用紙ズレなどの不具合が発生する虞がある。
【0210】
そこで、本実施形態では、ステープル処理前の用紙束の場合には、第2用紙束搬送ローラ116、117による用紙束の挟持が完了した後に第1DCモータを駆動し、第1用紙束搬送ローラ114、115の離間が完了してから、第2用紙束搬送ローラ116、117のみで用紙束搬送を再開するようにしてある。
【0211】
[ジャム処理時におけるステープル装置500の退避動作]
ステープル装置500のヘッド部およびアンビル部の両ユニット501、502は、DCモータからなる移動用駆動モータ512により用紙搬送直交方向に移動可能に構成されている。移動用駆動モータ512にはパルス発生手段としてのパルス円盤513が設けられ、その出力パルス数とホームポジションにあることを検出するセンサ516の出力信号とに基づいて、両ユニット501、502の位置を制御している。両ユニット501、502のホームポジションは、フレーム510内でフィニッシャ100の前面側に最も片寄せられた位置であって、両ユニット501、502を用紙束搬送経路よりも外側に待機させる位置である。
【0212】
後処理トレイ401に集積された用紙束をステープル装置500まで束搬送してステープル処理を行っている際に紙づまりが発生すると、まず、ヘッド部およびアンビル部の両ユニット501、502をホームポジションへ復帰させてから、ステープル装置500内で紙づまりが発生したことを複写機10上の操作パネルに表示する。
【0213】
なお、ジャム処理が完了したことを検出すると、ホームポジションに退避していたユニット501、502の両者は、紙づまり発生時に位置していた元の位置まで移動される。
【0214】
《用紙排出部550》
図31は、ステープル処理された用紙束と、ステープル処理されない1枚の用紙とを集積トレイ部600に向けて搬送する用紙排出部550を概念的に示す斜視図である。なお、この図では、搬送経路の理解を容易にするため、各ローラの位置関係は図2などに示されるものとは異なっている。
【0215】
集積トレイ部600の集積トレイ601には、後処理トレイ401から排出されステープル装置500でステープル処理された用紙束と、他の搬送経路を通って搬送されステープル処理されていない1枚の用紙と、の両方が集積される。このような用紙束または1枚の用紙の搬送を行うために、用紙排出部550が設けられている。
【0216】
用紙排出部は、図示するように、前述した第1と第2の用紙束搬送ローラ114と115、116と117の他に、用紙束を搬送する第3用紙束搬送ローラ119、120、切換爪103の下流に配置され1枚の用紙を搬送する搬送ローラ121、用紙束または1枚の用紙を集積トレイ601に搬入する排出ローラ122、123を有する。
【0217】
排出ローラ122、123は、他のローラとは別個独立して、DCモータ130により回転駆動される。DCモータ130にはパルス円盤551が取り付けられている。排出ローラ122、123の回転速度は、パルス検出センサ552で検出したパルス円盤551の出力パルス数に応じて制御される。
【0218】
第1、第2および第3の3つの用紙束搬送ローラ114と115、116と117、119と120は、1つのステッピングモータ128によってベルト553を介して駆動される。但し、第3用紙束搬送ローラ119、120は、ローラ120の軸上に設けたワンウェイクラッチ129を介してステッピングモータ128に接続されている。ワンウェイクラッチ129は、ステッピングモータ128を停止した状態でも、用紙束が用紙搬送方向に沿って移動することを許容する方向に自由に回転自在となっている。
【0219】
用紙搬送経路に設けられた他のローラ、例えば、搬送ローラ121などは、全て、別の図示しないDCモータにより駆動される。
【0220】
排出ローラ122、123は、ステープル処理を施さない1枚の用紙および異なる厚みのステープル処理を施した用紙束のいずれをも安定して搬送する必要がある。このため、低硬度材料からなるローラが使用されると共に、厚い用紙束が突入し得るように上ローラ123の逃げ部が大きく、下ローラ122に対する圧接力も比較的弱い圧接力に設定されている。さらに、用紙束の上位および下位を均一に搬送することを可能とするため、各下ローラ114、116、120、122の駆動を上ローラ115、117、119、123に伝達し得る少なくとも1つのアイドル部を備えた駆動伝達機構131a〜131dが設けられている。
【0221】
なお、図中符号「132」は1枚の用紙を搬送する搬送経路を示し、「133」は用紙束搬送経路を示している。
【0222】
[集積トレイ601への用紙束または1枚の用紙の排出動作]
前述したように、後処理トレイ401に集積された用紙束は、ステープルモードに応じて、第1用紙束搬送ローラ114、115または第2用紙束搬送ローラ116、117により挟持搬送されてステープル位置の位置出しがなされ、ステープル処理後に、第2用紙束搬送ローラ116、117により搬送が再開される。第1と第2の用紙束搬送ローラ114と115、116と117は1つのステッピングモータ128により回転駆動され、当該ステッピングモータ128は、第3の用紙束搬送ローラ119、120も回転駆動する。用紙束搬送経路133は、第3用紙束搬送ローラ119、120の下流で、1枚の用紙を搬送する搬送経路132に合流し、用紙束は、排出ローラ122、123を経て集積トレイ601に至る。排出ローラ122、123は単独でDCモータ130により回転駆動され、その回転速度は、パルス円盤551の出力パルス数に応じて制御されている。
【0223】
ステープル処理された用紙束が用紙束搬送経路133を搬送され、その用紙束先端がワンウェイクラッチ129を備える第3用紙束搬送ローラ119、120に十分はさみこまれた後、第2用紙束搬送ローラ116、117を離間する。第1用紙束搬送ローラ114、115は、第3用紙束搬送ローラ119、120に十分はさみこまれた時点で既に離間されている。
【0224】
用紙束後端が先端ストッパ409を通過したことを第1センサ137により検出すると、当該先端ストッパ409を復帰させて後処理トレイ401の用紙排出口401aを閉じ、次のステープル処理(次ジョブ)を行う用紙の一時集積を開始する。
【0225】
用紙束がさらに搬送され、用紙束先端が排出ローラ122、123に十分はさみこまれた後、ステッピングモータ128を停止する。このときには既に排出ローラ122、123の回転駆動が開始されており、また第3用紙束搬送ローラ119、120にはワンウェイクラッチ129が設けられ、さらには、第1と第2の用紙束搬送ローラ114〜117は離間状態であることから、用紙束は、停止することなく搬送され続けて、集積トレイ601内に集積される。
【0226】
先端ストッパ409と排出ローラ122、123との間の距離は、用紙サイズおよび用紙枚数に拘わらず、次ジョブの用紙の一時集積が完了する前に、前ジョブの用紙束先端が排出ローラ122、123に十分達し得る距離に設定されている。このため、次ジョブの用紙の一時集積が完了した時点では、前記ステッピングモータ128は停止している。したがって、次ジョブの用紙集積が完了する時点で、第1用紙束搬送ローラ114、115を用紙束に圧接させることができ、次ジョブの用紙束に対するステープル処理の開始を遅らせる必要はない。
【0227】
《集積トレイ部600》
[集積トレイ部600の全体構成]
図32は、集積トレイ部600を示す構成図、図33は、集積トレイ部600の集積トレイ601を一部切り欠いて示す底面図である。なお、集積トレイ部600には用紙束または1枚の用紙が順次排出されるので、用紙束または1枚の用紙を、説明の便宜上、「用紙(束)」とも表す。
【0228】
図32に示すように、集積トレイ部600は、用紙(束)を集積すると共に集積量に応じて昇降自在な集積トレイ601と、当該集積トレイ601を上昇、降下させる昇降機構と、排出される用紙の後処理状態に応じてトレイ角度(用紙集積面の水平位置からの傾斜角度)を可変調整するトレイ稼動部602と、集積トレイ601上の用紙(束)の有無を検出するエンプティセンサ605と、トレイ601上に集積された用紙(束)の上面を検出する上面センサ606と、を有する。また、排出ローラ122、123の上流側には、排紙検出センサ124が配置されている。
【0229】
集積トレイ601には、複写機10より排出された用紙に対し各種後処理(折り、穴あけ、ステープル処理)を行った用紙(束)と、後処理を行っていない用紙との両者が排出される。集積トレイ601を昇降可能とすることにより、多数の用紙(束)を集積することが可能となる。また、集積トレイ601は、折りを施していない用紙の良好な排出性ないし集積性を確保するために、先端部(図32の左端)を上に持ち上げた形態となっている。図33に示すように、集積トレイ601は用紙の最大通紙幅よりも幅の広いトレイであり、図示しない保持部材によって基端部の幅方向両端が保持されている。
【0230】
昇降機構は、集積トレイ601を昇降移動する正転/逆転自在な図示しない昇降モータやガイドレールなどを備えるが、公知の構成であるのでその説明は省略する。
【0231】
エンプティセンサ605および上面センサ606は、発光素子と受光素子とを備えた透過型のフォトセンサから構成されている。図32に示すように、エンプティセンサ605の発光素子および受光素子は、集積トレイ601を間にはさんで上下に配置され、集積トレイ601に形成した通孔610(図33参照)を通って用紙集積面に対して交差する光軸を有する。
【0232】
上面センサ606の発光素子および受光素子は、図33にも示すように、集積トレイ601の上方を幅方向に横切るように当該集積トレイ601の根元側に配置され、用紙の搬送幅(CD)方向に沿う光軸を有する。上面センサ606は、フィニッシャ100のケーシングに突設された支持板634に取り付けられている。上面センサ606は上下動することはなく、この上面センサ606によって集積トレイ601上の用紙上面を検出しつつ、昇降機構により集積トレイ601が上昇、降下される。これにより、集積トレイ601上に積載された用紙量に拘わらず、用紙または用紙束が排出ローラ122、123のニップ部から落下する距離が一定に保たれることになる。
【0233】
図32を参照して、トレイ稼動部602は、集積トレイ601に回動自在に取り付けられ用紙集積面から突出自在な可動プレート620と、当該可動プレート620の下面に当接する一方向に回転自在なカム603と、当該カム603を回転駆動する駆動モータ604と、を有する。カム603の回転量に応じて可動プレート620の突出量が異なり、その結果、トレイ角度が所望の角度に調整される。可動プレート620が最も上昇したときには、該可動プレート620の上面と、排出ローラ122、123により排出される用紙の排出方向とは、略平行になる。
【0234】
排紙検出センサ124、上面センサ606、エンプティセンサ605などからの信号に基づいて昇降機構を作動させることにより、集積トレイ601の昇降制御がなされている。
【0235】
[集積トレイ部600の動作]
図34(A)(B)は、それぞれ、集積トレイ部600の一連の動作のうち、用紙(束)の上面を検出する制御ルーチンを示すフローチャート、昇降モータにより集積トレイ601を下降移動する際の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0236】
集積トレイ部600の動作について説明するが、(1)紙折りされていない用紙を1枚ずつ排出する場合と、(2)中折りされていない用紙を先端綴じまたは後端綴じした用紙束を排出する場合と、を説明する。なお、週刊誌のように中折りかつ中綴じした用紙束を排出する場合の動作については、後述する。
【0237】
(1)紙折りされていない用紙を1枚ずつ排出する場合
集積トレイ601上に用紙がないことをエンプティセンサ605により検出すると、集積トレイ601は、昇降機構により上昇移動される。昇降機構は、集積トレイ601の上面が上面センサ606を遮光すると同時に、停止制御される。これにより、集積トレイ601は、排出ローラ122、123のニップ部から所定距離隔てた下方位置に保持され、この初期位置に、用紙が排出されるまで待機している。
【0238】
集積トレイ601上に用紙が排出されてくると、エンプティセンサ605により用紙有りと判断される。集積トレイ601上に用紙がある条件のもとでは、集積トレイ601は、昇降機構により徐々に下降移動される。昇降機構は、上面センサ606が遮光状態から透過状態に切り替わると同時に、停止制御される。
【0239】
さらに詳しくは、図34(A)に示すように、上面センサ606が用紙を検出すると、つまり、集積された用紙により上面センサ606が遮光されてオンになると、タイマがスタートする(S51、S52)。排紙検出センサ124が用紙束後端を検出してから所定時間の間に、上面センサ606が用紙をT1秒間(但し、前記所定時間よりも短い時間)検出し続けているならば、上面検出フラグに「1」をセットする(S53「Y」、S54)。なお、上面センサ606が用紙をT1秒間続けて検出しないときには、タイマはリセットされる(S55)。そして、同図(B)に示すように、上面検出フラグに「1」がセットされていると(S61「Y」)、上面センサ606が用紙を検出しているか否かが判断され(S62)、用紙を検出しているときには、昇降モータを回転駆動して集積トレイ601を下降移動する(S62「Y」、S63)。集積トレイ601の下降移動に伴い、上面センサ606が透過状態に切り替わってオフになると、昇降モータを停止し、上面検出フラグをリセットする(S62「N」、S64、S65)。
【0240】
用紙が引き続いて集積トレイ601上に排出されてくると、上面センサ606は、集積された用紙によって再び遮光される。すると、集積トレイ601は、上面センサ606が遮光状態から透過状態に切り替わるまで再び下降移動される。
【0241】
このような操作を繰り返すことにより、多数の用紙が集積されても、配置位置が固定されている排出ローラ122、123のニップ部と集積済み用紙の最上面との間の距離は、前記初期位置のときと同じ距離に一定に保たれることになる。このため、多数の用紙が集積トレイ601上に積載されている場合でも、用紙の排出性が損なわれることはなく、当該用紙を集積トレイ601上に常に安定して積載することが可能となる。
【0242】
一方、集積トレイ601上の用紙が取り除かれると、エンプティセンサ605が用紙が無いことを検出し、昇降モータを下降時とは逆の方向に回転駆動して集積トレイ601を上昇移動する。上面検出センサ606が集積トレイ601の上面を検出すると、昇降モータの回転を停止して集積トレイ601の上昇を停止する。これにより、集積トレイ601は、排出ローラ122、123との間を所定距離に保つ初期位置に復帰する。
【0243】
(2)中折りされていない用紙を先端綴じまたは後端綴じした用紙束を排出する場合
この場合には、図32に示すように、トレイ稼動部602の可動プレート620は、用紙を受ける表面がほぼ水平になるまで駆動モータ604により移動される。可動プレート620の移動後、集積トレイ601は、可動プレート620上面が上面センサ606の位置となるように昇降移動される。これにより、可動プレート620は、その用紙受面が排出ローラ122、123による排紙方向に対してほぼ平行で、かつ、面一となる高さに位置する。これら可動プレート620および集積トレイ601の移動動作は、少なくとも、ステープル処理した一部目の用紙束の先端が排出ローラ122、123に到達する前に完了されている。
【0244】
その後、用紙束は、可動プレート620の用紙受面上に、排出ローラ122、123による排紙方向に対してほぼ平行な状態を保ちながら排出される。排出された用紙束が上面センサ606を遮光すると、集積トレイ601は、上面センサ606が透過状態となる位置まで下降移動される。このため、ステープル処理された次ジョブの用紙束を、前ジョブの用紙束とほぼ同じ条件で排出することが可能となる。
【0245】
しかも、排出中の用紙束は、集積トレイ601上に既に集積されている用紙束に対してほぼ平行な状態をなすように排出されるため、排出される用紙束の先端や角部が、既に集積されている用紙束のステープル針に衝突しなくなり、あるいは、当たる際の衝撃が和らげらる。これにより、用紙束の排出不良、角部の折れなどの用紙の損傷、あるいは、排出紙の不揃いなどの不具合を起こすことがなくなる。
【0246】
また、紙折りされていない用紙の排出は前述したように可動プレート620を上昇させないで行われるので、1つの集積トレイ601にて、ステープル処理していない用紙の排出と、ステープル処理した用紙束の排出との両者を良好に行うことができる。
【0247】
集積トレイ601上の用紙束が取り除かれると、上述したように、集積トレイ601は、上昇移動して初期位置に復帰する。
【0248】
《案内手段160》
[案内手段160の構成]
図35(A)は、案内手段の補助ガイド部材を示す概略構成図、同図(B)は、週刊誌のような中折りかつ中綴じ用紙束の排出不良を示す説明図、図36は、補助ガイド部材を示す斜視図である。
【0249】
図35(B)に示すように、後処理を行った用紙束のうち、中央部に折り目をつけた用紙を複数枚重ねて中綴じステープル処理するいわゆる週刊誌綴じ用紙束は、開いた状態で、かつ、ステープル針が打たれた折り目が上に突き出て山頂部分633を形成するような状態で、集積トレイ601上に集積される。また、週刊誌綴じ用紙束は、その折り目が上に突出するような状態で排出ローラ122、123により集積トレイ601上に排出されるが、折り目のついた中央部分が排出ローラ122、123のニップ部分を抜けると、用紙束先端がすぐに下へ垂れ下がってしまう。このため、週刊誌綴じ用紙束が集積トレイ601上に既に積載されていると、続いて排出される週刊誌綴じ用紙束の垂れ下がった先端部分が、既に積載されている週刊誌綴じ用紙束の中央の膨らんだ部分である山頂部分633付近に当たって引っ掛かり、用紙束の排出不良が発生する。かかる不具合の発生を防止するには、排出中の週刊誌綴じ用紙束の先端を、集積トレイ601上の週刊誌綴じ用紙束の山頂部分633よりも排出方向に沿ってさらに下流側に落下させることが必要となる。
【0250】
かかる観点から、本実施形態のフィニッシャ100は、同図(A)および図36に示すように、排出ローラ122、123から排出されてくる週刊誌綴じ用紙束の下面を支持する案内手段160を有する。この案内手段160は、排出ローラ122、123の下流側に向けて水平方向に沿って進退移動自在な補助ガイド部材125と、当該補助ガイド部材125を進退移動させる駆動機構と、を有する。
【0251】
補助ガイド部材125は、下側の排出ローラ122との干渉を避けるように略櫛形状に形成されたプレートから構成され、排出ローラ122、123の下方位置に配置されている。補助ガイド部材125は、その先端が排出ローラ122、123のニップ位置よりも上流側に位置する後退限位置と、ニップ位置よりも下流側に位置する前進限位置との間で、水平方向に沿って進退移動する。補助ガイド部材125の前進限位置は、排出される週刊誌綴じ用紙束の先端を、集積トレイ601上の週刊誌綴じ用紙束の山頂部分633を越えさせ得る位置に設定されている。
【0252】
補助ガイド部材125には図示しないラック部材が一体的に取り付けられ、モータ127の回転動が前記ラック部材を介して補助ガイド部材125に伝達されて、当該補助ガイド部材125が進退移動する。前記ラック部材およびモータ127などから駆動機構が構成されている。
【0253】
週刊誌綴じ用紙束を排出する場合には、補助ガイド部材125は、モータ127により駆動されて前進限位置まで移動する。これにより、週刊誌綴じ用紙束は、その下面が補助ガイド部材125により支持されつつ排出ローラ122、123から排出され、当該用紙束の先端が集積トレイ601上の用紙束の山頂部分633よりも排出方向に沿ってさらに下流側に落下する。
【0254】
[補助ガイド部材125の動作]
図37は、案内手段160の動作手順を示すフローチャートである。
【0255】
案内手段160が使用されるモードは、中綴じステープルモードを選択したときのみである。
【0256】
中綴じステープルモードが選択されていることを検出すると(S71「Y」)、後処理トレイ401で用紙束が整合され、さらにステープル装置500でステープル処理が完了したか否かが判断される(S72)。ステープル処理が完了したタイミングで(S72「Y」)、モータ127が駆動され、図35(A)および図36に示すように、補助ガイド部材125が、集積トレイ601上面の一部を覆うように前進限位置まで突出する(S73)。ステープル処理完了後、用紙束は、第3用紙束搬送ローラ119、120により搬送されている。
【0257】
その後、排紙検出センサ124により用紙束の先端を検出すると、タイマがスタートする(S74「Y」、S75)。補助ガイド部材125の突出は、タイマが設定時間T2をカウントアップするまで保持される(S75、S76「N」)。前記設定時間T2は、排出中の用紙束の先端が、集積トレイ601に収容済みの用紙束の山頂部分633を越えるのに十分な時間である。
【0258】
週刊誌綴じ用紙束は排出ローラ122、123により挟持され排出されるが、排出中の週刊誌綴じ用紙束は、その下面が補助ガイド部材125により支持されており、先端部分が垂れ下がることがない。このため、排出中の週刊誌綴じ用紙束は、補助ガイド部材125の上を進み、集積トレイ601上に既に積載されている週刊誌綴じ用紙束に触れることがない。その後、排出中の用紙束先端は、集積トレイ601上の用紙束の山頂部分633よりも排出方向に沿ってさらに下流側に確実に落下する。この結果、排出される用紙束の先端が既に集積されている用紙束の山頂部分633に衝突することが回避され、用紙束の排出不良の発生が防止される。
【0259】
そして、タイマが設定時間T2をカウントアップすると(S76「Y」)、補助ガイド部材125がホームポジションに退避し(S77)、排出中の用紙束が集積トレイ601上に自由落下する。なお、次ジョブの週刊誌綴じ用紙束も同様の手順により収容される。
【0260】
このようにして、週刊誌綴じ用紙束の良好な排出性を確保できる。また、補助ガイド部材125は排出用紙に干渉しないホームポジションに退避可能であるので、集積トレイ601の形状はなんら変わることがなく、折りを施していない用紙(束)の良好な排出性も確保可能である。
【0261】
《綴じ山検出センサ630》
図38は、集積トレイ部600に設けられる綴じ山検出センサ630の説明に供する概略斜視図、図39は、週刊誌綴じ用紙束の集積状態を示す図である。
【0262】
前述したように、週刊誌綴じ用紙束は、綴じ部分が上に突出する山形形状を呈して、集積トレイ601上に集積されている。そして、本実施形態の集積トレイ部600にあっては、特に、週刊誌綴じ用紙束の山頂部分633を検出する綴じ山検出センサ630をさらに有している。この綴じ山検出センサ630による山頂部分633の検出に基づいても、集積トレイ601の昇降制御がなされる。
【0263】
綴じ山検出センサ630は、発光素子631と受光素子632とを備えた透過型フォトセンサから構成されている。発光素子631および受光素子632は、集積トレイ601の上方を幅方向に斜めに横切るように、かつ、排出ローラ122、123のニップ部より所定距離(図39の「L2」)だけ下方に配置され、前記山頂部分633の稜線と交差する光軸を有する。綴じ山検出センサ630も、支持板634(図33参照)に取り付けられている。前記所定距離L2は、排出ローラ122、123により排出される週刊誌綴じ用紙束の先端を、集積トレイ601上の週刊誌綴じ用紙束の山頂部分633を越えさせ得る距離であり、排出中の週刊誌綴じ用紙束の先端部分が垂れ下がる量よりも大きい寸法に設定されている。
【0264】
綴じ山検出センサ630の検出に基づく集積トレイ601の昇降制御は、前記補助ガイド部材125の進退移動制御にあわせて、次のようになされる。
【0265】
排紙検出センサ124が用紙束後端を検出してから所定時間内に、綴じ山検出センサ630が用紙束の山頂部分633をt秒間(但し、前記所定時間よりも短い時間)続けて検出すると、上面センサ606が用紙を検出していない状態であっても、昇降モータを回転駆動して集積トレイ601を下降移動する。そして、綴じ山検出センサ630が山頂部分633を検出していない状態(透過状態)に切り替わると、昇降モータの回転を停止して集積トレイ601の下降を停止する。但し、綴じ山検出センサ630が山頂部分633をt秒間続けて検出しないときには、タイマをリセットする。
【0266】
このように山頂部分633の存在を考慮して、集積トレイ601を強制的に下降させることにより、集積トレイ601に積載された週刊誌綴じ用紙束の最上部分(山頂部分633)は、トレイ601上の積載枚数に関わらず常に、排出ローラ122、123のニップ部から一定の距離L2を隔てた下方位置に保たれる。このため、排出中の週刊誌綴じ用紙束は、集積トレイ601上に既に積載されている週刊誌綴じ用紙束に触れることがない。その後、排出中の用紙束先端は、集積トレイ601上の用紙束の山頂部分633よりも排出方向に沿ってさらに下流側に確実に落下する。この結果、排出される用紙束の先端が既に集積されている用紙束の山頂部分633に衝突することが回避され、用紙束の排出不良の発生が防止される。
【0267】
なお、綴じ山検出センサ630の検出結果に基づく集積トレイ601の昇降制御は週刊誌綴じ用紙束を排出するときにのみ実行され、他の用紙(束)を排出するときには、前述した上面センサ606の検出結果に基づいて昇降制御がなされる。このため、前記他の用紙(束)の良好な排出性は維持されている。
【0268】
《制御系の構成》
上述した各処理を制御する制御系について説明する。図40は、各処理を行うための制御系のブロック図である。
【0269】
この制御系の中心は、複写機の動作を制御する複写機用CPU910、ADF12の動作を制御するADF用CPU950、およびフィニッシャの動作を制御するフィニッシャ用CPU980である。各CPUには、それぞれの制御プログラムが記憶されたROM911、951、981と作業領域であるRAM912、952、982が設けられている。
【0270】
また、複写機用CPU910には、読み込んだ画像を記憶するための画像メモリ825とこの画像メモリ825に記憶された画像情報を元に画像の回転や拡大縮小などの画像処理を行う画像信号処理部820が設けられている。また、この画像信号処理部820は、イメージリーダのCCDラインセンサ822が、読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器821を介して接続されており、さらに、画像信号処理部820は出力する画像情報をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/A変換器831を介して作像装置(不図示)のレーザ832を駆動する。
【0271】
フィニッシャ用CPU980には、上述したフィニッシャ各部の動作を実行するために各種の駆動手段やセンサが接続されている。駆動手段には、ステッピングモータ128、210、408、DCモータ130、駆動モータ127、304、406、512、515、604、各種のソレノイドやクラッチ、切換爪103、107、201などがある。センサには、紙折り装置200や後処理トレイ部400に設けられたホーム位置センサ230、405、集積トレイ部600に設けられたエンプティセンサ605、上面センサ606、綴じ山検出センサ630、用紙ないし用紙束の搬送路内に設けられた用紙検出センサ102、105、108、112、118、124、137、225、モータの回転量制御に用いるパルス円盤センサ407、432、513、552、および、その他のセンサ410、516などがある。また、フィニッシャ用CPU980に接続されているROM981には、後端ストッパ403の移動距離を算出する際に用いる「所定距離」の値や、先端綴じ、後端綴じを決める閾値である所定枚数の値などが記憶されている。
【0272】
ここで複写機用CPU910は、複写機としての基本的な動作(例えば画像読み取り、メモリへの記憶、画像編集、用紙上への画像形成、出力など)の他に、出力枚数の算出も行う。具体的には、ADF12がADF用CPU950の制御により原稿送り動作を行った際にカウントした原稿枚数をADF用CPU950から取得し、この原稿枚数と操作パネルOPから入力されたコピーモードを元に出力枚数を算出する。そして、算出された出力枚数はフィニッシャ用CPU980に伝えられて、ここで、前記閾値、生産性を優先するか否かなどに基づいて先端綴じか後端綴じかの選択がなされ、後端綴じが選択された場合には複写機用CPU910に対して画像回転の指示が与えられる。これにより前述したような先端綴じまたは後端綴じが自動的に選択されて実行される。なお、先端綴じと後端綴じを自動的に選択する他に、ユーザが操作パネルから任意に選択することもでき、その場合には、指定された画像に対する綴じ位置と、任意に選択されたステープル位置(先端綴じか後端綴じか)とによって画像の回転を行うか否かを自動的に判断することになる。例えば、右綴じが指定され、さらに後端綴じが指定された場合には、画像回転の指示が与えられて、後端綴じであっても右綴じとなるように制御される。
【0273】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載のフィニッシャによれば、折り加工されたシートがシート束に含まれることを考慮した安定した整合をシート積載部にて行うことが可能となり、しかも、コストアップや消費電力の増加を抑え、生産性も阻害することがない。
【0274】
また、請求項2に記載のフィニッシャによれば、折り加工されたシートを含むシート束の整合を、シート束の下位から上位にわたって均一に、かつ、良好に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフィニッシャを画像形成装置としての複写機に連結した実施の形態を示す概略断面説明図である。
【図2】 同フィニッシャの要部を示す概略構成図である。
【図3】 紙折り装置の構成を示す断面図である。
【図4】 紙折り装置のジャム処理を行う状態を示す断面図である。
【図5】 図5(A)(B)は、紙折り装置における第1の折り位置の規制を行う機構を示す要部断面図である。
【図6】 紙折り装置における第1の折り位置の規制を行う機構を示す底面図である。
【図7】 第1折りストッパの要部を示す斜視図である。
【図8】 A3Z折りモード時における紙折り装置の作動状態を示す断面図である。
【図9】 A3袋折りモード時における紙折り装置の作動状態を示す断面図である。
【図10】 中折りモード時における紙折り装置の作動状態を示す断面図である。
【図11】 用紙搬送経路の設定処理を示すフローチャートである。
【図12】 ジャム処理時における第1折りストッパの退避動作処理を示すフローチャートである。
【図13】 パンチ装置を示す斜視図である。
【図14】 パンチ装置を示す側面図である。
【図15】 後処理トレイ部の構成を示す断面図である。
【図16】 後処理トレイ部の後処理トレイを示す側断面図である。
【図17】 後処理トレイ部の後処理トレイを一部切り欠いて示す底面図である。
【図18】 図18(A)〜(C)は、後処理トレイ部における用紙の整合手順の説明に供する説明図、図18(D)は、集積・整合が完了した用紙束をステープル装置に向けて搬送する手順の説明に供する説明図である。
【図19】 種々のステープルモードの形態を示す図である。
【図20】 後端ストッパの移動制御を示すフローチャートである。
【図21】 用紙整合時の第1用紙束搬送ローラの動作を示すフローチャートである。
【図22】 図22(A)(B)は、Z折りされた用紙を含む用紙束を整合する際の動作説明図である。
【図23】 ステープル装置を、第1と第2の用紙束搬送ローラとともに示す構成図である。
【図24】 ステープル装置の構成を示す概略斜視図である。
【図25】 図25(A)〜(C)は、第1の用紙束搬送ローラを示す構成図である。
【図26】 用紙ズレ量の測定箇所を示す説明図である。
【図27】 図27(A)〜(C)は、先端綴じの動作の説明に供する説明図である。
【図28】 図28(D)〜(F)は、先端綴じの動作の説明に供する説明図である。
【図29】 図29(A)〜(D)は、中綴じの動作の説明に供する説明図である。
【図30】 図30(A)〜(D)は、後端綴じの動作の説明に供する説明図である。
【図31】 ステープル処理された用紙束と、ステープル処理されない1枚の用紙とを集積トレイ部に向けて搬送する用紙排出部を概念的に示す斜視図である。
【図32】 集積トレイ部を示す構成図である。
【図33】 集積トレイ部の集積トレイを一部切り欠いて示す底面図である。
【図34】 図34(A)(B)は、それぞれ、集積トレイ部の一連の動作のうち、用紙(束)の上面を検出する制御ルーチンを示すフローチャート、昇降モータにより集積トレイを下降移動する際の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図35】 図35(A)は、案内手段の補助ガイド部材を示す概略構成図、同図(B)は、週刊誌のような中折りかつ中綴じ用紙束の排出不良を示す説明図である。
【図36】 補助ガイド部材を示す斜視図である。
【図37】 案内手段の動作手順を示すフローチャートである。
【図38】 集積トレイ部に設けられる綴じ山検出センサの説明に供する概略斜視図である。
【図39】 週刊誌綴じ用紙束の集積状態を示す図である。
【図40】 各処理を行うための制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…複写機(画像形成装置)
100…フィニッシャ
200…紙折り装置
300…パンチ装置
400…後処理トレイ部
401…後処理トレイ(シート積載部)
403…後端ストッパ(第2規制部材)
409…先端ストッパ(第1規制部材)
409a…底板部
409b…閉塞部
411…スポンジ部材
412…板状部材
500…ステープル装置
600…集積トレイ部
P…用紙(シート)

Claims (3)

  1. シートに画像を形成する画像形成装置に連結され、当該画像形成装置から排出され画像形成されたシートに対して種々の後処理を施すフィニッシャにおいて、
    シートを積載するシート積載部と、
    前記シート積載部から突出して配置され、前記シート積載部に積載されるシート束の一の端面が当接する第1規制部材と、
    前記シート積載部から突出して配置され、前記シート積載部に搬入されるシート先端が当接すると共に前記シート束の他の端面を押し込んで前記一の端面を前記第1規制部材に揃える第2規制部材と、を有し、
    前記後処理には、折り加工されないシートサイズよりも小さいサイズにまでシートを折り畳む折り加工処理が少なくとも含まれてり、
    前記シート束に前記折り加工処理により折り加工されたシートを含むときには、前記第2規制部材は、前記折り加工されたシートを前記第1規制部材に対して押し込む位置まで作動することを特徴とするフィニッシャ。
  2. 前記第2規制部材は、前記折り加工処理により折り加工されたシートの折り目が前記シート積載部上で存在する側に配置されると共に前記第1規制部材に向けて湾曲しつつ突出する形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィニッシャ。
  3. 前記第1規制部材は、前記シート積載部から突出するとともに退避可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィニッシャ。
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