JP3626316B2 - フィニッシャ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機、複写機等の画像形成装置に連結され、画像形成装置から搬送された記録用紙等の記録材(以下、簡単のため用紙という)の仕分け、綴じ、折り、パンチ穴明け等の後処理を行なうフィニッシャに関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷機や複写機等の画像形成装置から搬送される画像形成済み用紙に対して種々の後処理を施すフィニッシャが種々提案されている(特願平8−66143号等参照)。ここに、後処理とは、用紙を各部数に仕分けたり、ステープルを用いて綴じたり、2つ折り(以下、袋折りという)やZ字状に3つ折り(以下、Z折りという)に折ったり、ファイル用のパンチ穴を明けたりする種々の作業をいう。
【0003】
この種のフィニッシャでは、搬送される用紙の先端を当接させることによりループを形成させるための折りストッパが設けられており、そのループを紙折りローラ対のニップにかみ込ませて用紙を折る。折りストッパは、紙折りの折り位置を決定するために、用紙サイズおよび折り形態に応じて、例えば複数設けて用紙搬送経路内に出退移動させるか、あるいは単独で設けて用紙搬送方向に移動させる構成とされる。
【0004】
また、画像形成された複数の用紙に後処理を施すために用紙を集積する際には、用紙端縁がそろうように整合すべく、用紙搬送方向およびこれに直交する方向にそれぞれ移動可能に各整合部材が設けられている。さらに、整合された用紙束にステープル処理を施すステープル装置を有しており、所望の位置にステープル処理を行うために、ステープル装置のヘッド部ユニット等が移動可能とされている。
【0005】
このような従来のフィニッシャにおいては、フィニッシャ内で紙づまり、すなわちジャムが発生した場合には、紙づまりの用紙を取り除くジャム処理を行った後に、上記のような折りストッパ、整合部材、ステープル装置のヘッド部ユニット等の移動部材を一旦基準となるホームポジションへ復帰させてから、ジャム前の元の位置に戻している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のフィニッシャにあっては、装置の小型化に伴い、前記移動部材が用紙搬送経路内または近接した位置にあると、紙づまりした用紙を取り除くジャム処理がしづらく、うまく処理ができない場合があり、さらにはジャム処理中にユーザが前記移動部材に触れて正規の位置から動かしてしまうという問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、フィニッシャ内部におけるジャム処理の作業性を向上させると共に、用紙に対する各種後処理の際に必要となる折りストッパ、整合部材、ステープル装置のヘッド部ユニット等の移動部材の正確な位置を確保し得るフィニッシャを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、画像形成装置に連結され、当該画像形成装置から搬送される用紙に対して種々の後処理を施すフィニッシャにおいて、画像形成された用紙に後処理を施すために用紙搬送経路に対して移動可能に設けられる移動部材と、前記移動部材の位置を制御するための基準となると共に用紙搬送経路から所定距離離間したホーム位置に、前記移動部材があることを検出する検出手段と、フィニッシャ内で紙づまりが発生した際には、紙づまりした用紙を取り除く処理がされる前に前記移動部材を前記ホーム位置に復帰させる制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
この発明にあっては、フィニッシャ内で紙づまり、すなわちジャムが発生した場合には、まず移動部材が用紙搬送経路から所定距離離間したホーム位置に復帰される。したがって、移動部材は、用紙搬送経路内または近接した位置にはなく用紙搬送経路に対し離間する方へ退避される。これにより、紙づまりした用紙の周辺にユーザが手を入れるスペースができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明に係るフィニッシャ100を画像形成装置としての複写機10に連結した実施の形態を示す概略断面説明図、図2は、同フィニッシャ100の要部を示す概略構成図である。
【0012】
なお、本明細書では、用紙が搬送される方向を「用紙搬送方向」といい、この用紙搬送方向に対して直交する方向を「用紙搬送直交方向」という。また、用紙搬送方向を基準にして、用紙の長手方向が用紙搬送方向に沿う場合の用紙の向きを「タテ」といい、用紙の長手方向が用紙搬送方向に直交する場合の用紙の向きを「ヨコ」という。
【0013】
《複写機10》
フィニッシャ100が接続されている複写機10は、原稿面の画像を読み取り一旦メモリに記憶して、必要により各種の画像編集処理をしたのち、周知の電子写真方法によって用紙上に画像を形成し、排紙部10bからコピー済み用紙を1枚ずつ排出する、いわゆるデジタル複写機と称されるものである。
【0014】
当該複写機10は、上部に自動原稿搬送装置12(以下、ADFと称す)が搭載されている。このADF12は、トレイ14上にセットされた1枚または複数の原稿(原稿群)を1枚ずつ複写機10のプラテンガラス(図示せず)上に送り込み、画像読取り終了後に当該原稿をトレイ16上に排出し積載するものである。
【0015】
本実施形態の複写機10は、原稿群などの第1頁目からコピー動作を開始するいわゆるファーストページシステムであり、ADF12のトレイ14には、第1頁目を上に向けて原稿群などがセットされる。ファーストページシステムの複写機では、例えば、片面原稿を1枚の用紙の表裏にコピーする両面コピーの場合において、原稿群が奇数枚か偶数枚かを指定ないし検出する必要がなく、迅速にコピー動作を行い得るなどの利点がある。
【0016】
ADF12などによりプラテンガラス上にセットされた原稿は、複写機10に内蔵されているイメージリーダ(図示せず)によってその画像を読み取られ、デジタルデータに変換されて制御部のメモリに格納される。コピー動作は、画像データを読み出すことにより、必要な編集、例えば、ぺージ順の変更、画像反転処理あるいは表裏両面へのコピー処理などを加えて実行される。
【0017】
また、この複写機10の排出部10b近傍には、複写後の用紙の表裏を反転させる用紙反転機構20が設けられているが、これについては後述する。
【0018】
《フィニッシャ100の概略構成および概略動作》
[概略構成]
本実施形態のフィニッシャ100は、複写機10の排出部10bから排出され1枚ずつ搬送される用紙に対し必要に応じて2つ折りやZ字状に3つ折り(Z折り)などをする折り加工、用紙の端部にファイリング用の穴をあける穴あけ加工、および、用紙束をステープル止めするステープル処理を、選択的にあるいは組み合わせて行うものである。また、このフィニッシャ100は、ファーストページシステムの画像形成装置としての複写機10やプリンタに接続して用いることを前提として、用紙の搬送形態、積載形態、あるいは、折り形態などを決定している。
【0019】
フィニッシャ100は、図2にも示すように、前記排出部10bから排出された用紙Pをフィニッシャ100内に搬入する搬入部150と、1枚ずつ搬送される用紙に折り目を付ける紙折り装置200と、1枚ずつ搬送される用紙Pにファイリング用の穴をあけるパンチ装置300と、ステープル処理をする前に用紙を積載し整合する後処理トレイ部400と、後処理トレイ部400の下流側に配置され積載・整合された用紙束にステープル処理を施すステープル装置500と、ステープル処理をした用紙束あるいはステープル処理をしない用紙のいずれをも収容自在な集積トレイ部600と、フィニッシャ100から排出される用紙を積載する排紙トレイ部110と、を有する。
【0020】
搬入部150は、搬送ローラ101およびガイド板を備える。紙折り装置200は、複数の紙折りローラ207、208、209を備え、これら紙折りローラ207、208、209間に用紙Pを挟み込んで折り目を付ける。また、ステープル装置500は、後処理トレイ部400にて積載・整合された用紙束の用紙搬送方向および用紙搬送直交方向の2方向に移動可能に構成されている。
【0021】
フィニッシャ100内の各部に向けて用紙をローラ搬送するため、用紙搬送経路には、搬送ローラ104、106、111、121が配置されている。また、用紙束を搬送するため、用紙束の搬送経路には、用紙束搬送ローラ114と115、116と117、119と120が配置されている。それぞれの搬送経路の終端位置には、排紙トレイ部110に用紙Pを排出する排出ローラ109、後処理トレイ部400に用紙Pを排出する排出ローラ113、集積トレイ部600に用紙Pまたは用紙束を排出する排出ローラ122、123が配置されている。
【0022】
用紙の搬送先を切り換えるため、用紙搬送経路の途上に、複数の切換爪201、103、107が設けられている。搬入部150と紙折り装置200との間に配置される切換爪201は、用紙Pを紙折り装置200に送り込むか否かを切り換える。この切換爪201の下流側にパンチ装置300が配置され、搬入部150から搬送される用紙、または、紙折り装置200から搬送される用紙のいずれに対しても穴あけ加工を行うことができる。パンチ装置300は、パンチ刃303とパンチ位置を決めるレジストローラ308とを有している。パンチ装置300の下流側に配置される切換爪103は、用紙Pを排紙トレイ部110や後処理トレイ部400に向けて搬送するか、用紙Pを集積トレイ部600に向けて直接搬送するかを切り換える。切換爪103の下流側に配置される切換爪107は、用紙Pを排紙トレイ部110に向けて搬送するか、後処理トレイ部400に向けて搬送するかを切り換える。
【0023】
また、フィニッシャ100内の各部の駆動・停止のタイミングをとるため、用紙ないし用紙束の搬送経路の途上には、用紙を検出する複数のセンサ102、105、108、112、118、124、225などが配置されている。
【0024】
さらに、本実施形態のフィニッシャ100は、週刊誌のように中綴じステープル処理された用紙束を集積トレイ部600に排出する際の排出不良を防止する案内手段160を有する。図示例の案内手段160は、排出ローラ122、123から排出されてくる用紙束の下面を支持する進退移動自在な補助ガイド部材125から構成されている。このように構成すれば、綴じ部分が上に突出する山形形状を呈して集積されても、排出中の用紙束の先端を、先に排出した中綴じ用紙束の山頂部分よりも排出方向に沿ってさらに下流側に落下させることができ、これにより続いて排出される用紙束の先端が、中綴じ用紙束の山頂部分付近に引っ掛かる事態を回避することができる。
【0025】
集積トレイ部600は周知の方法により、排出される用紙または用紙束の量によって上下動可能となっており、用紙または用紙束の量が多くなるにつれて次第に下方に移動される。
【0026】
[概略動作]
フィニッシャ100においては、前述したように、複数の用紙後処理(折り加工、穴あけ加工およびステープル処理)が可能であり、ユーザは、これらの処理を複写機10の操作パネルから任意に選択可能である。
【0027】
例えば、ユーザがステープル処理をしないモードを選択をした場合には、複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、紙折り装置200およびパンチ装置300によりユーザが選択した処理が施され、排紙トレイ部110または集積トレイ部600に向けてローラ搬送され、これらトレイ部110、600に積載される。
【0028】
一方、ユーザがステープル処理を行うモードを選択した場合には、ステープル処理をしないモードを選択した場合と同様に、まず、用紙Pは、紙折り装置200およびパンチ装置300によりユーザが選択した処理が施される。そして、折り加工ないし穴あけ加工された所定枚数の用紙Pは、後処理トレイ部400に向けて搬送され、後処理トレイ部400に順次積載され整合される。この後、積載・整合された用紙は、一の用紙束としてローラ搬送され、ステープル装置500に送り込まれる。
【0029】
ステープル装置500においてユーザが所望する位置にステープル打ちをした後、ステープル処理された用紙束は、集積トレイ部600に向けてローラ搬送され、集積トレイ部600に積載される。
【0030】
このフィニッシャ100では、搬送されてくる用紙1枚毎に処理を施す手段つまり紙折り装置200およびパンチ装置300を、複数の用紙積載部(排紙トレイ部110、後処理トレイ部400および集積トレイ部600の総称)のそれぞれに至る搬送経路の最上流の分岐点(切換爪103が配置される位置)よりもさらに上流側に配置されている。このため、いずれの用紙積載部に対しても、1枚毎の用紙処理(本実施形態では折り加工・穴あけ加工)を施した用紙を排出することが可能となる。
【0031】
以下、このフィニッシャ100の本発明に関わる主要な機構について詳細に説明する。
【0032】
《紙折り装置200》
図3は、紙折り装置200の構成を示す断面図、図4は、紙折り装置200のジャム処理を行う状態を示す断面図、図5(A)(B)および図6は、それぞれ、紙折り装置200における第1の折り位置の規制を行う機構を示す要部断面図および底面図、図7は、第1折りストッパの要部を示す斜視図である。
【0033】
紙折り装置200は、フィニッシャ100の正面側(図1の紙面手前側)に引き出し可能に当該フィニッシャ100に内蔵され、フィニッシャ100の前後方向に延びた図示しないレール部材に係合して支持されている。
【0034】
図3に示すように、紙折り装置200は、紙折りを行う用紙を紙折り装置200内へ導く搬入部251と、紙折り装置200内へ搬入された用紙の傾き補正を行うレジスト部252と、レジスト部252から受けとった用紙の第1の折り位置の規制を行う第1搬送部253と、用紙に折り目をつける紙折り部254と、第2の折り位置の規制を行う第2搬送部255と、折りられた用紙を紙折り装置200からパンチ装置300へ搬送するための搬出部256と、から構成されている。
【0035】
[搬入部251]
搬入部251は、紙折り装置200に用紙を選択的に導く切換爪201と、紙折り装置200内に導かれた用紙を搬送する搬送ローラ202、203と、切換爪201を回動動作させる図示しないソレノイドと、紙折り装置200内に搬入された用紙を検出する用紙検出センサ225と、を有する。
【0036】
[レジスト部252]
レジスト部252は、搬入部251の下流側に設けられたレジストローラ205、206と、レジストローラ205、206を駆動する図示しない紙折り用モータと、紙折り用モータとレジストローラ205、206との断続を選択的に行う図示しない電磁クラッチと、を有する。レジストローラ205、206は、ストレートローラからなるローラ対であり、一方のローラ205の表面摩擦係数μは、他方のローラ206の表面摩擦係数μよりも低く設定されている。また、レジストローラ205、206の上流に配置されるガイド260は、表面摩擦係数μが低い方のローラ205に用紙先端を確実に当接させる形状とされている。
【0037】
用紙の傾き補正を行う手順は以下のとおりである。
まず、搬入された用紙の先端を用紙検出センサ225が検出する。このとき電磁クラッチはオフされており、紙折り用モータの駆動力はレジストローラ205、206に伝達されていない。
【0038】
次いで、(t+t1)秒後に電磁クラッチをオンしてレジストローラ205、206に駆動を伝達し、用紙を下流へ搬送する。ここに、tは、用紙先端がレジストローラ205、206のニップ部に到達する時間[秒]である。
【0039】
以上の動作により、用紙には、搬送ローラ202、203とレジストローラ205、206との間で、V×t1[mm](V=用紙搬送スピード[mm/秒])の長さを有するループが形成される。ループが形成されることで、用紙のコシの強さによって用紙先端が前記ニップ部にならい、用紙の傾き補正がなされる。
【0040】
[第1搬送部253]
レジスト部252の下流側に設けられる第1搬送部253は、用紙サイズおよび折り形態に合わせて用紙搬送路内に出退移動すると共に用紙先端に当接して当該用紙の第1折り位置を規制する第1折りストッパ215、216、217および223(第1の規制部材に相当)と、第1折りストッパ215、216および217を動作させるカム211、212および213と、カム211、212および213を回転駆動するステッピングモータ210と、各第1折りストッパ215、216、217および223の用紙先端が当接する当接面に配置されると共に弾性部材から形成された用紙ずれ防止部材226と、を有する。
【0041】
第1折りストッパ215、216、217および223については後に詳述するが、特に、第1折りストッパ217は、1つのストッパで2種類の用紙の第1折り位置を規制する機能を有している。
【0042】
また、3つのカム211、212および213は、それぞれ位相をずらしてカムシャフト224に固着されており、カムシャフト224が1回転する間に3つの第1折りストッパ215、216および217がそれぞれ交互に1回ずつ用紙搬送路内に出退移動するようになっている。
【0043】
[紙折り部254]
レジストローラ205、206の下流位置と第1折りストッパ215の上流位置との間に設けられる紙折り部254は、3本の紙折りローラ207、208および209を有する。各紙折りローラ207、208および209は、ストレート形状を有する。
【0044】
紙折りローラ208、209のそれぞれは、紙折りローラ207に対して圧接し、紙折りローラ207と208とが対をなし、紙折りローラ207と209とが対をなしている。以下、対をなす紙折りローラ207、208を、「紙折りローラ対207、208」(第1のローラ対に相当)と、対をなす紙折りローラ207、209を、「紙折りローラ対207、209」(第2のローラ対に相当)ともいう。紙折りローラ対207、208は、ニップ部が第1搬送部253に連なるように配置されている。
【0045】
[第2搬送部255]
紙折りローラ対207、208の下流位置と紙折りローラ対207、209の上流位置との間に設けられる第2搬送部255は、用紙先端に当接して当該用紙の第2折り位置を規制する第2折りストッパ219と、用紙サイズに応じて第2折りストッパ219の用紙当接位置を切り換える図示しないソレノイドと、紙折りローラ対207、208によって第1の折りがなされた用紙の先端を紙折りローラ対207、209のニップ部に向かう方向、または、第2折りストッパ219に向かう方向へ選択的に案内する切換部材218と、切換部材218を回動動作させる図示しないソレノイドと、を有する。
【0046】
[排出部256]
排出部256は、紙折りローラ対207、209の下流側に設けられ、排出ローラ203、204を有する。なお、ローラ203は、搬送ローラ202、203を構成するローラでもある。
【0047】
上記構成においては、紙折りローラ対207、209は、紙折りローラ対207、208に向かう第1の折り時の用紙搬送方向上流側の搬送路と第2折りストッパ219が設けられる第2搬送部255の搬送路との間の、排出部256の搬送路の起点に配置されることになる。換言すれば、両紙折りローラ対の双方に共通使用している紙折りローラ207は、第1の折りを行う際の用紙搬送方向の上流側に配置される。
【0048】
[ジャム処理の機構]
図4を参照して、紙折り装置200の紙折り部254で発生した紙づまり、すなわちジャムを処理するための機構を説明する。
【0049】
紙折り部254における紙折りローラ207、208および209は、用紙を強く折る必要があるため、比較的高い圧接力が与えられている。ローラ1本あたり、例えば10kgである。このため、紙づまり時に用紙が紙折りローラ207、208、209のいずれかに巻き付いてしまった場合などにおいては、紙づまりの用紙を取り除くジャム処理はひじょうに困難な作業となる。
【0050】
そこで、本実施形態の紙折り装置200では、紙折りローラ207に対して圧接される2本の紙折りローラ208、209のいずれか一方の圧接状態を解除し、さらに、紙折り部254を開放することにより、紙折りローラ207、208、209周辺におけるジャム処理の作業性の向上を図っている。以下にこの構成を説明する。
【0051】
第2搬送部255、1本の紙折りローラ209、および、排出部256のガイド261は、一体的に保持されて開放ユニット222を構成している。この開放ユニット222は、紙折り装置200のフレームに設けられた支点262を中心として回動自在に支持されている。
【0052】
また、開放ユニット222の支点262から最遠部分(図中上端部分が相当する)の周囲を取り囲むように構成されたロックレバー220が、前記フレームに設けられた支点263を中心として回動自在に支持されている。紙面に直交する方向に沿うロックレバー220の前後部分には、それぞれ、一本のロック軸227が設けられている。開放ユニット222を閉鎖したときには、開放ユニット222に形成した凹部222aにそれぞれのロック軸227が係合して、開放ユニット222が紙折り装置200に確実にロックされる。
【0053】
ロックレバー220と開放ユニット222とは、リンク部材221を介して連結されている。このリンク部材221により、ロックレバー220の回動に連動して開放ユニット222を保持しつつ回動させることにより、ロック解除時における開放ユニット222の落下を防止している。
【0054】
[第1折りストッパの詳細構成]
図5(A)(B)および図6に示すように、第1折りストッパ215、216、217、223、カム211、212、213、ステッピングモータ210、および、カムシャフト224は、ストッパユニットフレーム228に一体的に保持されている。
【0055】
用紙搬送方向の最下流に配置されたストッパ223以外の第1折りストッパ215、216、217は、ストッパユニットフレーム228に支点が設けられ、回動自在に構成されている。一方、第1折りストッパ223は、ストッパユニットフレーム228に固定され、用紙搬送路内に常に突出した状態としてある。
【0056】
第1折りストッパ215、216、217の用紙搬送路に対する出退移動は、フレーム228の下側に配置されたカム211、212、213およびカムシャフト224の回転により行われる。カム211、212、213はカムシャフト224にそれぞれ異なる位相で取り付けられている。第1ストッパ215、216、217のそれぞれは、カムシャフト224が1回転する間に、交互に用紙搬送路内に対して出退移動する。カムシャフト224は、ステッピングモータ210により回転駆動される。折り形態や用紙サイズに応じた既定の角度だけステッピングモータ210を回転駆動することにより、いずれの第1折りストッパを出退移動させるかが制御される。
【0057】
カムシャフト224には遮光板231が設けられており、この遮光板231はカムシャフト224の回転に伴い、ホーム位置センサ230の検出部に出退する。ホーム位置センサ230が遮光板231を検出した位置がカムシャフト224のホーム位置となっており、このとき第1折りストッパ223を除くすべての出退可能な第1折りストッパ215、216、217は突出していない。
【0058】
第1折りストッパ217は、これ1つで、2種類の折り位置を規制する機能を発揮する形状とされている。具体的には、図6に明らかに示されるように、両端部が中央部よりも用紙搬送方向の上流側に向けて突出した形状をなしている。かかる形状は、用紙搬送直交方向の用紙幅が小さい用紙の先端規制位置が、それよりも用紙幅が大きい用紙の先端規制位置よりも用紙搬送方向に沿って下流側にある場合にのみ適用される。この場合、当然のことながら、用紙幅が大きい方の用紙のストッパは、用紙幅が小さい方の用紙のストッパよりも、用紙搬送直交方向に沿って外側に配置されていなければならない。換言すれば、用紙搬送方向上流側に2種類の用紙のうち用紙幅の小さい方の用紙の当該用紙幅以上の幅寸法の切り欠きが形成されることとなり、この切り欠きの両側に位置する用紙搬送方向上流側端縁と前記切り欠きの底部端縁とが、それぞれ異なる2種類の用紙の先端部分が当接されるストッパとして機能する。
【0059】
図示する実施形態では、前記外側に配置されA3用紙を袋折りするとき用いるストッパ部217aと、当該ストッパ部217aよりも下流側に配置されB4用紙をZ折りするときに用いるストッパ部217bとを一体化して、第1折りストッパ217を構成している。
【0060】
図7に示すように、第1折りストッパ215、216、217、223の用紙先端が当接する部分には、用紙ずれ防止部材226が取り付けられている。用紙ずれ防止部材226を設けるのは、用紙先端が当接する際に、用紙先端がストッパ当接面上で横すべりし、その結果折り位置がバラツクという不具合を解消するためである。このため、用紙ずれ防止部材226は、表面摩擦係数が高く、硬度が低い弾性部材が用いられる。また、用紙ずれ防止部材226により、用紙先端当接時の衝突音が低減するという効果も得る。
【0061】
上述した構成を採用することによる利点は次のとおりである。
まず第1に、複数の用紙先端規制位置のそれぞれに用紙先端規制部材を1つずつ配置しているため、用紙先端規制位置のバラツキがない。
第2に、複数の用紙先端規制部材を1本のカムシャフトの回転により動作可能であるため、駆動源が1つのモータ210で済む。
第3に、1つの用紙先端規制部材217に2種類の用紙先端規制機能をもたせることや、最下流の用紙先端規制部材223を固定にすることにより、動作部品を簡略化できる。これらにより、簡単かつ安価な構成で高精度な用紙先端規制機能が得られることにある。
【0062】
なお、複数の用紙先端規制部材を動作させるには、上記のように1本のカムシャフトと1つのモータとで可能であるが、必要に応じて駆動系を例えば2つに分けてカムシャフト等を増設することも可能である。
【0063】
[各種折りモード時の動作説明]
紙折り装置200は、(1)Z折り、(2)袋折り、および、(3)中折りの3つの紙折りモードを有し、複写機10に設けられた操作パネルにより紙折りが選択された場合には、それぞれのモードにおける動作が制御される。
【0064】
(1)Z折りモード
図8は、A3Z折りモード時における紙折り装置200の作動状態を示す断面図である。なお、図中の用紙Pは、紙折り装置200内での異なる時点における状態を重ねて示したものである(図9および図10において同じ)。
【0065】
Z折りモードとは、大サイズの用紙(A3やB4)をZ字形状に折り畳んで、用紙搬送方向に沿う長さの略半分のサイズに仕上げるモードである。
【0066】
複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、画像形成面を上にし、「タテ」方向で切換爪201まで搬送され、当該切換爪201の回動により紙折り装置200内へ搬入され、搬送ローラ202、203に挟み込まれる。用紙Pは、さらに搬送され、レジスト部252において用紙先端の傾きを補正する動作がなされた後、第1折りストッパ215、216、217、223に向けて搬送される。
【0067】
コピースタートが指示された直後に、用紙サイズおよび折りモードに応じてステッピングモータ210が既定のステップ数だけ回転し、第1折りストッパ215、216または217の位置(突出位置か、退避位置か)が決定される。Z折りモード時において、用紙がA3タテであるならば、図示するように、3つの第1折りストッパ215、216、217の全てが退避し、固定されている第1折りストッパ223のみが突出した状態になる。なお、用紙がB4タテであるならば、第1折りストッパ217が突出位置に移動される。
【0068】
用紙先端が第1折りストッパ223に当接した後、用紙をさらに搬送し続けると、紙折りローラ対207、208のニップ近傍にループが形成され、ついには紙折りローラ対207、208のニップにかみ込まれる。これにより第1の折りがなされる。
【0069】
ここに、紙折りローラ対207、208のニップ近傍のガイド264の形状は、用紙Pのループが紙折りローラ対207、208のニップに向かう方向に常に安定して形成されるように構成されていることはいうまでもない。
【0070】
また、第1の折り位置は、紙折り装置200に搬入されるときに先端側となる用紙縁から、各用紙サイズにおける用紙全長の略3/4の位置である。なお、本明細書では説明の便宜上、このような第1の折りを「4分の3折り(3/4折り)」と定義する。また、前記先端用紙縁から用紙全長の略1/4の位置でなされるような第1の折りを「4分の1折り(1/4折り)」と定義する。
【0071】
複写機10から「Z折り」が指示されることにより、切換部材218は、用紙Pを第2折りストッパ219に向けて導く位置に動作する。紙折りローラ対207、208により搬送される用紙Pの先端は、用紙サイズに応じて切り替えられた第2折りストッパ219に当接する。
【0072】
用紙先端が第2折りストッパ219に当接した後、紙折りローラ対207、208により用紙をさらに搬送し続けると、紙折りローラ対207、209のニップ近傍にループが形成され、ついには紙折りローラ対207、209のニップにかみ込まれる。これにより第2の折りがなされる。第2の折り位置は、用紙全長の略1/2の位置である。
【0073】
ここにおいても、紙折りローラ対207、209のニップ近傍のガイド265の形状は、用紙Pのループが紙折りローラ対207、209のニップに向かう方向に常に安定して形状されるように構成されていることはいうまでもない。
【0074】
第2の折りがなされてZ折りが完了した用紙Pは、排出部256に向けて紙折りローラ対207、209により搬送され、排出ローラ203、204により紙折り装置200から排出される。
【0075】
Z折りモードでは、折り加工した用紙と、折り加工していない用紙とを混合して後処理するいわゆる混載処理が可能になる。具体的には、A3タテをZ折りした用紙とA4ヨコの折り無し用紙との混載処理、または、B4タテをZ折りした用紙とB5ヨコの折り無し用紙との混載処理が可能になる。
【0076】
これらの混載モードにおいて、折り加工しない用紙の後に、折り加工すべき用紙をフィニッシャ100内に搬入する場合には、折り加工すべき用紙を通常の用紙間隔でフィニッシャ100内に搬入できる。しかしながらこれとは逆に、折り加工すべき用紙の後に、折り加工しない用紙をフィニッシャ100内に搬入する場合には、折り加工しない用紙を通常の用紙間隔でフィニッシャ100内に搬入すると、頁順狂いや、用紙同士の衝突などの不具合が発生する虞がある。そこで、本実施形態では、後者の場合には折り加工しない用紙の搬送にウェイトをかけて、折り加工が完了した用紙が紙折り装置200から排出されるまで次の折り加工しない用紙がフィニッシャ100内に搬入されないようにし、頁順狂いなどの不具合の発生を防止している。
【0077】
また、混載処理後の種類の見栄えの良さを考慮すると、上述した第2の折り目は、折り加工しない用紙よりも外部に飛び出ない方がよい。このため、第2の折り位置は、用紙全長の1/2位置から、紙折り装置200に搬入されるときに先端側となる用紙縁に若干片寄らせるのが好ましい。
【0078】
上記のように、用紙をZ折りする場合には、画像形成された面が紙折りローラ対207、208に臨むようにして用紙が搬送され、用紙の第1折りストッパ217側の先端から用紙搬送方向長さの略4分の3の位置にて第1の折りを行った後、用紙は、前記第1の折りによる折り目を先頭にして搬送され、第2折りストッパ219に当接して形成されるループを紙折りローラ対207、209でかみ込んで第2の折りが行われると共に、紙折りローラ対207、208に向かう第1の折り時の用紙搬送方向上流側のレジスト部252周辺の搬送路と第2折りストッパ219が設けられる第2搬送部255の搬送路との間の、搬出部256の搬送路を通って搬送される。
【0079】
このようにすれば、折り目のある方を先頭に、かつ画像形成された面側に折り畳まれた部分が位置されると共にこれを下方に向けて排出することが可能となる。これにより、ファーストページシステムにおいて、Z折りされた用紙を含む用紙束を、頁順が狂うことなく積載し、かつ折り畳まれた部分と反対側のステープルされる側を、用紙搬送方向に設けられ後に詳述するステープル装置500に近接させて収容することができる。
【0080】
したがって、ステープル処理する場合には、用紙を後処理トレイ部400に収容した状態における用紙搬送方向に設けられた規制部材側の位置に行えば良いため、ステープル処理するために必要な用紙束搬送量が短くて済み、安定したステープル位置精度が得られ、かつ搬送時の用紙ずれ等を少なく抑えることが可能となる。
【0081】
また、Z折りされた用紙を一時収容のための後処理トレイ部400に向けて排出する場合には、折り目のある方が先頭になって排出され、この後処理トレイ部400から再度搬送させるときの用紙排出口401a(図13参照)から最も離れた位置になるので、折り畳まれた部分が用紙排出口401aの側に位置することによって、その折り畳まれた部分の膨らみにより用紙排出口401aを塞いだり既に後処理トレイ部400に排出された用紙が開口部に突入して不整合が生じたりする事態を回避することができる。
【0082】
加えて、ファーストページシステムを採用した場合でも紙折りローラ対207、208および紙折りローラ対207、209を含む紙折り装置200をフィニッシャの下方に配置した構成を採ることが可能となるので、装置を大型化することなくスペースを有効に使ったコンパクトな構成とすることができる。
【0083】
(2)袋折りモード
図9は、A3袋折りモード時における紙折り装置の200の作動状態を示す断面図である。
【0084】
袋折りモードとは、用紙を中央部で2つ折りにするモードである。
【0085】
複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、前述のZ折りモード時と同様の過程を経て、第1折りストッパ215、216、217、223に向けて搬送される。
【0086】
袋折りモード時においても、ステッピングモータ210の回転が制御され、用紙がA3タテであるならば、図示するように、第1折りストッパ217のみが突出位置に移動される。なお、用紙がB4タテであるならば、第1折りストッパ216のみが突出位置に移動され、A4タテであるならば、第1折りストッパ215のみが突出位置に移動される。そして、前述のZ折りモード時と同様の過程を経て、用紙Pは、紙折りローラ対207、208のニップにかみ込まれて第1の折りがなされる。
【0087】
複写機10から「袋折り」が指示されることにより、切換部材218は、用紙Pを紙折りローラ対207、209のニップに向けて導く位置に動作する。すると、紙折りローラ対207、208により搬送される用紙Pは、折り目部分が紙折りローラ対207、209のニップにかみ込まれ、そのまま排出ローラ対203、204へ搬送され、紙折り装置200から排出される。
【0088】
(3)中折りモード
図10は、中折りモード時における紙折り装置200の作動状態を示す断面図である。
【0089】
中折りモードとは、週刊誌のように中央部に折り目のついた用紙束の前記折り目部分にステープル処理を施すために、用紙の中央部に折り目を予めつけておくモードである。
【0090】
複写機10の排出部10bから排出された用紙Pは、前述のZ折りモード、袋折りモードと同様に、第1折りストッパ215、216、217、223に向けて搬送される。
【0091】
中折りモード時は袋折りモード時と折り目の位置が同一であるので、袋折りモード時と同様に第1折りストッパ215、216、217の出退移動が制御され、用紙Pは、紙折りローラ対207、208のニップにかみ込まれて第1の折りがなされる。
【0092】
複写機10から「中折り」が指示されることにより、切換部材218は、用紙Pを第2折りストッパ219に向けて導く位置に動作されている。第1の折りがなされた用紙Pは、紙折りローラ対207、208により第2折りストッパ219に向けて搬送される。
【0093】
搬入部251に設けられた用紙検出センサ225により、第1の折りがなされた用紙Pの後端縁を検出してからt2秒後に、紙折り装置200に設けられたローラ202、205および207の回転駆動方向を、正回転(図中矢印a方向)から逆回転(図中矢印b方向)に切り換える。t2は、
(y/V)>t2>(x/V)
なる条件を満たす時間である。ここに、
V:用紙搬送速度
x:用紙検出センサ225と切換爪201の下端との間の距離
y:用紙後端検出後かつ第1折り終了後の用紙先端と第2折りストッパ219との間の距離である。
【0094】
ローラ202、205および207の逆回転により、用紙Pの中央部に形成された折り目が紙折りローラ対207、208から抜け出す。さらに、紙折り装置200への搬入時に後端となっていた用紙縁が先端となって、用紙搬入時と同一の状態に保たれる紙折り切換爪201に案内され、矢印Wで示される経路を経て、紙折り装置200から排出される。このようにして、中央部に折り目のついた用紙Pが開いた状態で下流側に搬送することが可能となる。
【0095】
[折り時の用紙反転切換]
図1に示したように、複写機10の排出部10b近傍には、複写後の用紙の表裏を反転させる用紙反転機構20が設けられている。さらに、複写機10には、用紙を前記用紙反転機構20で反転した後に排出部10bから排出するための第1の経路21、用紙を用紙反転機構20で反転した後に当該用紙を複写機10内で循環させ複写された面の裏側にさらに複写(両面コピー)するための第2の経路22、および、用紙反転機構を通さずに排出部10bからそのまま排出するための第3の経路23の3つの経路を有する。前記3つの経路は、選択的に切換え自在である。
【0096】
複写機10は、使用者により設定された動作モードや複写される用紙サイズに基づいて、複写される用紙が紙折りされるべきものであるか否かを判定し、その情報をフィニッシャ100に出力する。
【0097】
図11は、用紙搬送経路の設定処理を示すフローチャートである。
【0098】
複写モードが両面コピーモードでない場合に(ステップS11で「N」)、「紙折りする用紙である」との判定結果のときには(S12「Y」)、複写機10は、用紙搬送経路を第3経路23に切換える(S13)。用紙は、用紙反転機構20を通らず、反転せずに排出部10bから排出される。一方、「紙折りする用紙でない」との判定結果のときには(S12「N」)、複写機10は、用紙搬送経路を第1経路21に切換える。用紙は、用紙反転機構20を通り、反転してから排出部10bから排出される(S14)。フィニッシャ100は、複写機10から出力された情報に基づいて、紙折り装置200上流に配置された切換爪201の切換制御、および、折りモードに応じた第1と第2の折りストッパ215、216、217、223および219の位置を制御する。
【0099】
複写モードが両面コピーモードの場合には(S11「Y」)、一面目の複写が終了した後に一旦用紙搬送経路を第2経路22に切換える(S15「N」、S16)。二面目の複写が終了した後(S15「Y」)、紙折りするか否かの判定結果に応じて、前述した動作を行う。
【0100】
[ジャム処理時における第1折りストッパの退避動作]
紙折り装置200における紙折りは、前述したとおり、用紙先端を第1と第2の折りストッパ215、216、217、223、219に当接させて用紙途中にループを作成し、このループを紙折りローラ207、208、209でかみ込むことにより達成される。また、用紙搬送方向に沿って設けられた移動部材としての複数の第1折りストッパ215、216、217は、ステッピングモータ210を駆動源としたカム211、212、213により出退移動され、搬送経路の外側に退避可能である。カムシャフト224を回転させるステッピングモータ210は、与えられたパルスの分だけ回転する。これによって、カムシャフト224に設けられた遮光板231がホーム位置センサ230によって検出された位置(ホームポジション)から、ステッピングモータ210に与えられたパルス数でカムシャフト224の回転角度がコントロールされ、第1折りストッパ215、216、217の出退が制御される。
【0101】
本実施形態の紙折り装置200では、Z折りする際には、第1折りストッパを、用紙サイズの3/4の長さに相当する距離だけ紙折りローラ対207、208から離れた位置に合わせることにより、第1の折りである3/4折りを行っている。このため、Z折り可能な用紙サイズ(A3タテ,B4タテ)のうち最も長い用紙サイズ(A3タテ)の3/4の長さに相当する距離だけ紙折りローラ対207、208から離れた位置に、1つの第1折りストッパ223を固定してある。
【0102】
図12は、ジャム処理時における第1折りストッパの退避動作処理を示すフローチャートである。
【0103】
紙折り装置200内で紙づまりが発生すると(S21「Y」)、ホーム位置センサ230からの信号に基づいて第1折りストッパ215、216、217がホームポジションにあるか否かを判断する(S22)。
【0104】
第1折りストッパ215、216、217がホームポジションにない場合には(S22「N」)、ホームポジションに復帰するまで、すなわち、カムシャフト224に設けられた遮光板231がホーム位置センサ230によって検出されるまで、ステッピングモータ210を駆動する(S22、S23、S24)。このように第1折りストッパ215、216、217をホームポジションへ復帰させてから、紙折り装置200内で紙づまりが発生したことを複写機10上の操作パネルに表示する。
【0105】
なお、ジャム処理が完了したことを検出すると、ホームポジションに退避していた第1折りストッパ215、216、217は、紙づまり発生時に位置していた元の位置まで出退移動される。
【0106】
このようにジャム発生時には、まず第1折りストッパが用紙搬送経路の外側に退避されるので、紙づまりした用紙の周辺にユーザが手を入れるスペースが形成され、したがって、ユーザが容易に手を入れて当該用紙を取り除くことが可能となる。また、ジャム処理時にユーザが第1折りストッパに触れて動かしてしまうことがなく正確な位置を確保することができる。さらに、特別な機構を付加する必要がなく、しかも第1折りストッパにユーザが触れる虞れが少なくなるために強度を必要最小限に設定することができるので、簡易な構成でかつ低コスト化を図ることができる。
【0107】
《後処理トレイ部400》
図13は、後処理トレイ部400とその下流に設けられているステープル装置500の概略構成を示す断面図である。
【0108】
なお、説明の便宜上、後処理トレイ401からステープル装置500に向けて搬送されるときの用紙搬送方向(FD方向)に沿う整合を「FD整合」と、用紙搬送直交方向である用紙搬送幅方向(CD方向)に沿う整合を「CD整合」とも言う。
【0109】
後処理トレイ部400は、上流部にて既に表裏反転され、排出ローラ113により排出される用紙をフェースダウンの状態で一時的に収容する後処理トレイ401と、後処理トレイ401の用紙排出口401aに配置され用紙のFD整合を行う先端ストッパ409と、排出ローラ113により排出された用紙のCD整合を行う一対の横整合板402と、排出ローラ113により排出される用紙先端を当接させ前記先端ストッパ409によるFD整合を安定して行うための後端ストッパ403と、後処理トレイ401に収容された所定枚数の用紙を1つの束としてステープル装置500に搬送する第1の用紙束搬送ローラ114、115と、を有する。
【0110】
後処理トレイ401は、その用紙排出口401aが所定角度で下り傾斜して配置されている。一対の横整合板(以下、「横整合板対」とも言う)402はCD方向に沿って対称的に移動自在に配置され、後端ストッパ403はFD方向に沿って移動自在に配置されている。FD整合およびCD整合は、後処理トレイ401内に用紙が収容される毎になされる。また、第1用紙束搬送ローラ114、115は、下ローラ114と上ローラ115とからなり、上ローラ115は、略上下方向に移動し、下ローラ114に対して圧接ないし離間自在に構成されている。
【0111】
横整合板対402は、後処理トレイ401上に収容可能な用紙束の最大高さよりも大きな高さ寸法(L1)を有する板部材から構成され、後処理トレイ401の裏面側にCD方向に沿って設けられた一対のラック420にそれぞれ取り付けられている。ラック420は、ステッピングモータ408により回転駆動されるギア421を挟むように、相互に向かい合って取り付けられている。ギア421が回転することにより、横整合板対402は、CD方向に沿って対称的に移動する。具体的には、横整合板対402は、ステッピングモータ408の正転時には互いに近付く方向に連動して移動し、逆転時には互いに離れる方向に連動して移動する。
【0112】
また、横整合板対402の待機位置には、第1の待機位置と、第2の待機位置とがある。第1の待機位置は、排出ローラ113により用紙が排出される以前の待機位置である。また、第2の待機位置は、排出される用紙サイズに応じて変更されるが、用紙サイズより若干広く、排出ローラ113により用紙が排出されるのを待ち受ける待機位置である。横整合板対402は、第1待機位置、第2待機位置、および、排出ローラ113により排出された用紙をCD整合する整合位置の間で移動自在となっている。
【0113】
後処理トレイ401下面には、横整合板対402の位置出し用に用いる複数個のセンサが設けられ、横整合板対402には、各センサからの光を遮る遮光板が一体的に取り付けられている。遮光板がセンサの光を遮光することで、第1および第2の待機位置の位置出しが行われる。また、横整合板対402の整合位置の位置出しは、ステッピングモータ408に与えるパルス数を制御し、ギア421の回転量を制御することにより行われる。
【0114】
先端ストッパ409は、底板部409aと、当該底板部409aの先端から立ち上がる閉塞部409bとを備えた略L字形状をなし、底板部409aに設けられた支点430を中心として回動自在に、後処理トレイ401の下面に取り付けられている。先端ストッパ409は、バネなどにより付勢されて後処理トレイ401下面の凸部に当接している。先端ストッパ409の閉塞部409bは、後処理トレイ401に収容される用紙の用紙搬送方向の整合基準辺を形成している。そして、底板部409aに接続されている図示しないリンクアームをソレノイドで後方に引くことにより、先端ストッパ409の閉塞部409bが支点430を中心とする円弧状に回動して下方に移動し、用紙束をステープル装置500に搬出する用紙排出口401aが開かれる。
【0115】
後端ストッパ403は、板状部材412と、板状部材412の両面のうち用紙が当接する面に貼り付けられるスポンジ部材411と、板状部材412を支持する構造体413と、を有する。前記板状部材412の略上半分は、後処理トレイ401上面に対して直交する方向から、用紙排出口401aに向かって若干湾曲したアール形状に形成されている。
【0116】
後端ストッパ403の板状部材412をアール形状とすることにより以下の利点がある。すなわち、後処理トレイ401上に既に排出され収容されている用紙の枚数、用紙サイズ、あるいは、折り処理の有無に拘わらず、後処理トレイ401からステープル装置500に向けて搬送されるときの用紙搬送方向に沿う用紙後端(排出ローラ113から排出されてくるときの用紙先端に相当)が後端ストッパ403の板状部材412に常に安定して当接する。この当接により、排出されてくるときの方向とは逆の方向に用紙が動かされる結果、前記用紙搬送方向に沿う用紙先端が先端ストッパ409に当接して、FD整合が確実なものとなる。また、Z折り紙は、その折り目のために、前記用紙搬送方向に沿う用紙後端が若干浮き上がった状態となっている。このため、上部がアール形状をなす板状部材412を用いることで、Z折り紙を含む用紙束を、均一に押し込んで先端ストッパ409に当接させることができ、Z折り紙を含む用紙束をステープル装置500に搬送する際における用紙搬送方向のズレを確実に矯正できる。
【0117】
後端ストッパ403の構造体413は、後処理トレイ401の下面中央に用紙搬送方向に沿って延伸して設けられたスパイラル軸404に係合している。このスパイラル軸404は、ギア列からなる駆動伝達部(不図示)を介してDCモータからなる駆動モータ406に連結されている。そして、駆動モータ406を正逆適宜方向に回転駆動してスパイラル軸404を回転させることにより、後端ストッパ403は、用紙搬送方向に沿って所望の量だけ進退移動する。
【0118】
図14は、種々のステープルモードの形態を示す図である。
図示のように、ステープルモードには、▲1▼ノーマルステープルモード、▲2▼紙折りステープルモード、▲3▼混載ステープルモードの3種類があり、これらの中から選定が可能となっている。ノーマルステープルモードは紙折り無しの用紙のみからなる用紙束をステープル処理するモード、紙折りステープルモードは紙折りされた用紙のみからなる用紙束をステープル処理するモード、混載ステープルモードは紙折り無しの用紙と紙折りされた用紙とが混載された用紙束をステープル処理するモードである。
【0119】
上記ステープルモードの種類に拘わらず、紙折り有および/または紙折り無の用紙は、ステープル処理の前に後処理トレイ401に集積され、横整合板対402によりCD整合され、後端ストッパ403によりFD整合される。
【0120】
後処理トレイ401においてCD整合およびFD整合が完了すると、用紙束は、第1用紙束搬送ローラ114、115により挟持された後、先端ストッパ409が回動して開かれた用紙排出口401aを通って、ステープル装置500に向けて束搬送される。
【0121】
[ジャム処理時における横整合板対402、後端ストッパ403の退避動作]
前述したように、移動部材としての横整合板対402は、ステッピングモータ408に与えるパルス数、および、横整合板対402がホームポジションにあることを検出するセンサ410の出力信号に応じて位置が制御されている。また、横整合板対402は、複写される用紙サイズを認知すると、その用紙側端から若干量離れた位置まで移動して待機し、一枚収容される毎に前記若干量分往復移動してCD整合している。前記ホームポジションは、後処理トレイ401に収容される用紙サイズのうち最もCD方向が長い用紙の側端から若干量離れた位置である。
【0122】
一方、移動部材としての後端ストッパ403は、駆動モータ406に設けられたパルス発生手段としてのパルス円板407の出力パルス数、および、後端ストッパ403がホームポジションにあることを検出するセンサ405の出力信号に応じて位置が制御される。また、後端ストッパ403は、複写された用紙サイズおよび紙折りモードを認知すると、後処理トレイ401に収容された時点における用紙サイズに応じて移動する。前記ホームポジションは、後処理トレイ401に収容される用紙サイズのうち最もFD方向が長い用紙の後端から若干量離れた位置である。
【0123】
そして、後処理トレイ部400内で紙づまりが発生すると、まず、横整合板対402および後端ストッパ403の両者をそれぞれのホームポジションへ復帰させてから、後処理トレイ部400内で紙づまりが発生したことを複写機10上の操作パネルに表示する。
【0124】
なお、ジャム処理が完了したことを検出すると、ホームポジションに退避していた横整合板対402および後端ストッパ403の両者は、紙づまり発生時に位置していた元の位置まで移動される。
【0125】
《ステープル装置500》
[ステープル装置500の構成]
図15は、ステープル装置500を、第1と第2の用紙束搬送ローラ114〜117とともに示す構成図、図16は、ステープル装置500の構成を示す概略斜視図である。
【0126】
ステープル装置500は、このステープル装置500の用紙搬送方向に対して上流側に位置する第1用紙束搬送ローラ114、115により挟持搬送される用紙束の所定位置にステープル処理を施すものであり、ヘッド部ユニット501と、アンビル部ユニット502と、これら両ユニット501、502を用紙搬送直交方向に移動自在および回動自在に支持する支持機構520と、両ユニット501、502を移動させる第1駆動機構521および回動させる第2駆動機構522と、を有する。このステープル装置500は、ヘッド部ユニット501とアンビル部ユニット502とを連結ないし接続する部材が用紙搬送経路を横切らないように構成されている。
【0127】
また、このステープル装置500の下流側には、ステープル処理後の用紙束を搬出するための第2用紙束搬送ローラ116、117と、後述するように用紙束に対するステープル位置の位置決めに使用する第2センサ118が設けられている。
【0128】
ヘッド部ユニット501は、図示しない針カートリッジ内に収納されているステープル針を一本毎に切断すると共にコの字形状に折り曲げ、さらに当該ステープル針により用紙束を打ち抜くユニットである。このユニット501は、針カートリッジ内に収納されているステープル針の有無を検出するセンサを有する。
【0129】
アンビル部ユニット502は、用紙を打ち抜いたステープル針の脚部を内側に折り曲げると共にヘッド部ユニット501による針打ち動作の衝撃を受けるユニットである。このユニット502は、ステープル針を内側に折り曲げる受け板と、針打ち動作の衝撃を受ける支持板と、を有する。
【0130】
支持機構520は、図16に概念的に示すように、一対の側壁部509a、509bを備えたフレーム510と、用紙搬送直交方向に沿って延伸し前記フレーム510に支持される支持軸503、506と、を有する。フレーム510における側壁部509aと509bとの間は、少なくとも、通紙可能な用紙の用紙搬送直交方向の寸法以上に設定されている。支持軸503、506は丸棒部材からなり、ヘッド部ユニット501に支持軸503が挿通され、アンビル部ユニット502に支持軸506が挿通されている。両ユニット501、502は、支持軸503、506に沿って用紙搬送直交方向に移動自在となり、支持軸503、506を中心に回動自在となっている。
【0131】
第1駆動機構521は、ヘッド部ユニット501に挿通されるスパイラル軸504と、アンビル部ユニット502に挿通されるスパイラル軸507と、を有する。各スパイラル軸504、507は、用紙搬送直交方向に沿って延伸し前記フレーム510に支持されている。スパイラル軸504の回転により、ヘッド部ユニット501は支持軸503に案内されつつ用紙搬送直交方向に移動し、スパイラル軸507の回転により、アンビル部ユニット502は支持軸506に案内されつつ用紙搬送直交方向に移動する。
【0132】
第2駆動機構522は、ヘッド部ユニット501に挿通される駆動軸505と、アンビル部ユニット502に挿通される駆動軸508と、を有する。各駆動軸505、508は、用紙搬送直交方向に沿って延伸し前記フレーム510に支持されている。駆動軸505の回動により、ヘッド部ユニット501は針打ち動作を行うための駆動力が伝達されて支持軸503を中心に回動し、駆動軸508の回動により、アンビル部ユニット502は針折り曲げ動作を行うための駆動力が伝達されて支持軸506を中心に回動する。各ユニット501、502に駆動力を確実に伝達するため、駆動軸505、508には、滑りの生じない断面矩形形状のシャフトが用いられる。なお、駆動軸を丸棒部材から形成する場合には、キーおよびキー溝などにより、駆動軸と各ユニット501、502との間の滑りをなくすようにすればよい。
【0133】
各ユニット501、502のそれぞれは、挿通された複数の軸503〜505、506〜508により、用紙搬送直交方向に沿って直線的に独立して平行に移動することが可能である。
【0134】
ヘッド部ユニット501およびアンビル部ユニット502は、同位相を有するスパイラル軸504、507の回転により、用紙搬送直交方向に沿って移動する。各々のスパイラル軸504、507には、タイミングベルト511が掛け渡されている。このベルト511は、駆動モータ512に接続されている。駆動モータ512は、DCモータから構成され、パルス円盤513により回転量を制御可能とされている。かかる構成により、各ユニット501、502のそれぞれを、同じ移動量で動かすことができる。第1駆動機構521は、これらスパイラル軸504、507、タイミングベルト511、駆動モータ512などから構成されている。
【0135】
各ユニット501、502のホームポジションを検出するため、ホーム位置センサ516がフレーム510に取り付けられている。このホーム位置センサ516は光透過式のセンサであり、ヘッド部ユニット501に設けられた遮光板を前記ホーム位置センサ516で検出することにより、ユニット501、502の両者をホームポジションに移動し得る。このホームポジションを基準にして、ユニット501、502の移動距離が設定される。
【0136】
ヘッド部ユニット501およびアンビル部ユニット502は、駆動軸505、508の回動により、針打ち駆動がなされる。各々の駆動軸505、508には、ベルト514が掛け渡されている。このベルト514は、駆動モータ515に接続されている。かかる構成により、用紙搬送直交方向の任意の位置で各ユニット501、502のそれぞれを駆動して、針打ちを行うことができる。第2駆動機構522は、これら駆動軸505、508、ベルト514、駆動モータ515などから構成されている。
【0137】
[動作説明]
ステープル装置500のヘッド部ユニット501およびアンビル部ユニット502は、当初、センサ516を遮光するホームポジションに停止している。複写機10より排出された用紙は、後処理トレイ401に搬送され積載・整合される。そして、1ジョブ分の用紙が後処理トレイ401上に積載されると、この用紙束は、ステープル装置500に向けて搬送される。
【0138】
用紙束をステープル装置500に搬送する搬送手段としての第1用紙束搬送ローラ114、115は、その回転量により用紙束の移動距離を制御可能に構成されている。この第1用紙束搬送ローラ114、115により、用紙束は、用紙束上の選択された任意のステープル位置が針打ち動作位置に合うように搬送され、停止される。
【0139】
この後、パルス円盤513で回転量を検知しつつ移動用駆動モータ512が駆動され、ベルト511を介してスパイラル軸504、507が回転駆動される。これにより、両ユニット501、502のそれぞれは、選択された任意のステープル位置に向けて、同量の距離だけ移動する。
【0140】
両ユニット501、502が選択されたステープル位置に停止すると、駆動モータ515が駆動され、ベルト514を介して駆動軸505、508が回転駆動される。これにより、両ユニット501、502それぞれが回動駆動され、針打ちが行われる。
【0141】
用紙搬送直交方向に沿う直線上の複数箇所に対してステープル処理を行う場合には、1か所目の針打ちが終了した後、両ユニット501、502は、移動用駆動モータ512が駆動されて次の針打ち箇所まで移動し、その後、駆動モータ515が駆動されて針打ちを行う。この動作を順次繰り返すことにより、複数箇所に対するステープル処理が完了する。
【0142】
図15を参照して、前記ステープル装置500の上流部には上下一対のローラからなる第1用紙束搬送ローラ114、115が配置され、下流部にも上下一対のローラからなる第2用紙束搬送ローラ116、117が配置されている。第1用紙束搬送ローラ114、115のニップ位置と第2用紙束搬送ローラ116、117のニップ位置との間の距離は、搬送される用紙のうち最も小さいサイズよりも若干量短い寸法に設定されている。
【0143】
第1用紙束搬送ローラ114、115は、第1DCモータの駆動により圧接離間移動が自在となっている。また、ローラ114、115は、ステッピングモータにより回転駆動され、このステッピングモータの回転数を制御することにより、用紙束の搬送量が制御される。第2用紙束搬送ローラ116、117も同様に構成され、第2DCモータの駆動により、第1用紙束搬送ローラ114、115とは別個独立して圧接離間移動が自在となっている。また、ローラ116、117は、ローラ114、115を駆動する同じステッピングモータにより回転駆動されて、用紙束の搬送量を制御する。各ローラ114〜117は、全て、同種類で、同形状を有する低硬度ローラから構成されている。但し、ローラ116、117のローラ径は、ローラ114、115よりも小径とされている。
【0144】
また、図15に示すように、第1用紙束搬送ローラ114、115の下流近傍には、搬送されてくる用紙束の端縁を検出する第1センサ137が設けられ、同様に、第2用紙束搬送ローラ116、117の下流近傍には、第2センサ118が設けられている。各センサ118、137のそれぞれは、ステープル針打ち位置から所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0145】
なお、少なくとも第1用紙束搬送ローラ114、115と第2センサ118との間の用紙搬送路は、ストレート形状の搬送ガイドから構成されている。
【0146】
用紙束の先端部は、一時集積中に、先端ストッパ409によって整合されている。この状態で第1用紙束搬送ローラ114、115の圧接が開始されるので、用紙束の先端部は整合されたまま第1用紙束搬送ローラー114、115に挟持される。
【0147】
第1用紙束搬送ローラ114、115からステープル位置までの用紙搬送路は屈曲しておらず、まっすぐなストレート形状であるので、第1用紙束搬送ローラ114、115によって用紙束がステープル位置まで挟持搬送されても用紙束先端部は整合されたままの状態を維持する。
【0148】
もし、第1用紙束搬送ローラ114、115から搬送方向下流の用紙搬送路が円弧状に曲がっていた場合、用紙束は円弧の半径が小さいガイド板にそって長く、円弧の半径が大きいガイド板に沿って短くなり、用紙束先端部はガイド板に対して斜めになる。この状態でガイド板に垂直にステープル針を打ち込むと、用紙束を斜めに綴じてしまうことになる。
【0149】
したがって、第1用紙束搬送ローラ114、115が用紙束を挟持した状態でステープル装置500によるステープルを行なうとき、第1用紙束搬送ローラ114、115からステープル位置までの用紙搬送路はストレート形状でなくてはならない。
【0150】
また、後述するように、本実施形態においては、第1用紙束搬送ローラ114、115によって挟持搬送された用紙束を、第2用紙束搬送ローラ116、117によって挟持搬送し、第1用紙束搬送ローラ114、115の支配から解放されたのちさらに、第2用紙束搬送ローラ116、117によってのみ挟持搬送した用紙束に、ステープル装置500でステープル処理を行なうようにした構成であるので、第1用紙束搬送ローラ114、115によって挟持搬送された用紙束は第2用紙束搬送ローラ116、117によって挟持されるまで、用紙束先端部は整合されたままの状態を維持しなければならない。したがって、第1用紙束搬送ローラ114、115から第2用紙束搬送ローラ116、117が挟持を開始する用紙束の位置である第2センサ118までの用紙搬送路はストレート形状である必要がある。
【0151】
なお、このようにステープル位置より下流で用紙束を挟持する第2用紙束搬送ローラ116、117があるので、第2センサ118より下流の搬送路はストレート形状である必要はなく、例えば円弧状に曲がっていてもよい。こうすることによって、装置全体の大型化を防ぐことができる。
【0152】
[ステープル位置の制御]
ステープルモードが選択されると用紙は後処理トレイ401に集積されるが、このとき、第1用紙束搬送ローラ114、115は相互に離間している。用紙の一時集積が完了すると、第1用紙束搬送ローラ114、115が圧接状態に移行して用紙束を挟持し、先端ストッパ409が用紙束搬送経路の外側に退避される。そして、第1用紙束搬送ローラ114、115を回転して用紙束を搬送し、用紙搬送方向に沿ってステープル位置の位置出しを行う。
【0153】
ステープルモードには、(1)用紙束搬送方向に沿う先端部分を綴じる先端綴じ、(2)用紙束搬送方向に沿って用紙束の中央部分を綴じる中綴じ、および、(3)用紙束搬送方向に沿う後端部分を綴じる後端綴じ、の3つのモードがあるため、各モードに対応して前記位置出し動作が異なる。以下、図17を参照して各モードの位置出し動作を説明する。
【0154】
(1)先端綴じ
用紙束の先端部は、一時集積中に、先端ストッパ409の閉塞部409bが規制面となって既にFD整合がなされている。したがって、先端綴じモードにあっては、ステープル位置の位置出しを行うためには、用紙サイズに拘わらず、前述したように例えばZ折りされた用紙束の場合などであっても、所定量だけ用紙束を搬送すればよいことになる。詳しくは、先端ストッパ409の閉塞部409bからステープル装置500までの距離に、用紙束先端部の端面からステープルしたい位置までの距離(通常10mm程度)を加えた量だけ、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を搬送する。
【0155】
その後、ローラ114、115を停止し、ステープル装置500を作動させて用紙束にステープル処理を行い、ステープル処理が完了した後に用紙束の搬送が再開され、先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達した時点でその搬送を停止する。そして、第2用紙束搬送ローラ116、117が圧接状態に移行して用紙束先端部を挟持し、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する。
【0156】
用紙束を搬送しながら第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115のみを離間状態にする。この後、用紙束は、集積トレイ部600に向けて、第2用紙束搬送ローラ116、117により挟持搬送される。
【0157】
用紙束の搬送量は、第1、第2用紙束搬送ローラ114〜117をステッピングモータにて回転駆動しているので、このステッピングモータのパルス数を管理することにより制御される。
【0158】
(2)中綴じ
中綴じモードにあっては、用紙搬送方向に沿って用紙束の中央部分にステープル処理を行うため、当然ながら、ステープル処理するための用紙束搬送量は用紙サイズによって変わってくる。また、その搬送量は、先端綴じモードに比べると長くなる。
【0159】
用紙束の搬送はステッピングモータを用いて行っているため、パルス数の管理さえすれば、搬送量が長くなろうとも当該搬送量を制御することは、理論上、可能である。しかしながら、用紙束搬送ローラ114〜117の径やニップ幅のバラツキを完全になくすことはできないことから、搬送量が長くなればなるほど、実際に搬送される量に含まれる誤差が大きくなる。そこで、この誤差を小さくするために、中綴じモードにおける用紙束搬送は次のようにして行われる。
【0160】
まず、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を挟持搬送し、第2用紙束搬送ローラ116、117下流に配置した第2センサ118により用紙束の先端を検出すると、用紙サイズに応じた所定量だけさらに搬送した時点で、用紙束の搬送を停止する。そして、用紙束にステープル処理を行う。
【0161】
この時点で、用紙束先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達しているため、第2用紙束搬送ローラ116、117により用紙束を挟持する。そして、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する一方、用紙束を搬送しながら第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115のみを離間状態にする。この後は、用紙束は、集積トレイ部600に向けて、第2用紙束搬送ローラ116、117により挟持搬送される。
【0162】
なお、中綴じモードは、搬送される用紙の最小サイズの長さの2倍以上の長さを有する用紙の場合にのみ受け付けられる。
【0163】
ところで、用紙束の搬送に要するトータル時間を短くして生産性を高めるために、前記の先端綴じおよび中綴じの場合には、第1用紙束搬送ローラ114、115の離間動作を行う前に、ステープル装置500の上流に位置する第1用紙束搬送ローラ114、115と、下流に位置する第2用紙束搬送ローラ116、117との両方で用紙束の挟持搬送を再開し、この搬送途中において、第1用紙束搬送ローラ114、115を離間するようにしている。
【0164】
(3)後端綴じ
後端綴じモードでは、まず、第1用紙束搬送ローラ114、115により用紙束を挟持搬送し、用紙束先端部が第2用紙束搬送ローラ116、117に十分達した時点で搬送を停止し、第2用紙束搬送ローラ116、117により用紙束を挟持する。
【0165】
第2用紙束搬送ローラ116、117による挟持が完了すると、第1DCモータを駆動して、第1用紙束搬送ローラ114、115を離間状態にする。このとき、用紙束の搬送は停止している。これは前記した先端綴じや中綴じの場合異なり、第2用紙束搬送ローラ116、117によって用紙束が挟持された時点では未だステープル処理が施されていないため、もし、第1用紙束搬送ローラ114、115が完全に離間するのを待たずに用紙束の搬送を再開した場合、第1用紙束搬送ローラ114、115と第2用紙束搬送ローラ116、117の起動タイミングのずれや、わずかな搬送速度のずれがあった場合に、用紙束中の各用紙がずれてしまうので、このような用紙束のずれを防止するためである。
【0166】
第1用紙束搬送ローラ114、115の離間動作が完了した後に、第2用紙束搬送ローラ116、117を回転して用紙束の搬送を再開する。第2センサ118により用紙束の先端を検出すると、用紙サイズに応じた所定量だけさらに搬送した時点で、用紙束の搬送を再び停止する。用紙束の搬送を停止した後、用紙束にステープル処理を行う。
【0167】
ステープル処理が完了した後、第2用紙束搬送ローラ116、117による用紙束の搬送が再開され、用紙束は、そのまま集積トレイ部600に向けて挟持搬送される。
【0168】
上記の搬送形態では、第2センサ118の位置を基準にして制御すべき搬送量を設定しているが、第1用紙束搬送ローラ114、115下流に配置した第1センサ137の位置を基準にして、後端綴じモード時の搬送量を設定することも可能である。かかる搬送形態にあっては、第1センサ137により用紙束の後端を検出してから所定量搬送する形態となるので、用紙サイズに拘わらず用紙束を一定量だけ搬送しさえすればよい。しかも、第1センサ137とステープル位置とが比較的近接していることから、制御すべき搬送量が短くなり、位置出し精度を高める上でも有利になる。
【0169】
[ジャム処理時におけるステープル装置500の退避動作]
ステープル装置500の移動部材としてのヘッド部およびアンビル部の両ユニット501、502は、DCモータからなる移動用駆動モータ512により用紙搬送直交方向に移動可能に構成されている。移動用駆動モータ512にはパルス発生手段としてのパルス円盤513が設けられ、その出力パルス数とホームポジションにあることを検出するセンサ516の出力信号とに基づいて、両ユニット501、502の位置を制御している。両ユニット501、502のホームポジションは、フレーム510内でフィニッシャ100の前面側に最も片寄せられた位置であって、両ユニット501、502を用紙束搬送経路よりも外側に待機させる位置である。
【0170】
後処理トレイ401に集積された用紙束をステープル装置500まで束搬送してステープル処理を行っている際に紙づまりが発生すると、まず、ヘッド部およびアンビル部の両ユニット501、502をホームポジションへ復帰させてから、ステープル装置500内で紙づまりが発生したことを複写機10上の操作パネルに表示する。
【0171】
なお、ジャム処理が完了したことを検出すると、ホームポジションに退避していたユニット501、502の両者は、紙づまり発生時に位置していた元の位置まで移動される。
【0172】
《用紙排出部》
集積トレイ部600へ用紙を排出する用紙排出部は、図2に示したように、前述した第1と第2の用紙束搬送ローラ114と115、116と117の他に、用紙束を搬送する第3用紙束搬送ローラ119および120、切換爪103の下流に配置され1枚の用紙を搬送する搬送ローラ121、用紙束または1枚の用紙を集積トレイ部600に搬入する排出ローラ122および123を有する。
【0173】
したがって、集積トレイ部600には、後処理トレイ401から排出されステープル装置500で所定のステープル処理された用紙束と、他の搬送経路を通って搬送されステープル処理されていない1枚の用紙と、の両方が集積される構成となっている。
【0174】
《制御系の構成》
上述した各処理を制御する制御系について説明する。図18は各処理を行うための制御系のブロック図である。
【0175】
この制御系の中心は、複写機の動作を制御する複写機用CPU910、ADF12の動作を制御するADF用CPU950、およびフィニッシャの動作を制御するフィニッシャ用CPU980である。各CPUには、それぞれの制御プログラムが記憶されたROM911、951、981と作業領域であるRAM912、952、982が設けられている。
【0176】
また、複写機用CPU910には、読み込んだ画像を記憶するための画像メモリ825とこの画像メモリ825に記憶された画像情報を元に画像の回転や拡大縮小などの画像処理を行う画像信号処理部820が設けられている。また、この画像信号処理部820は、イメージリーダのCCDラインセンサ822が、読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器821を介して接続されており、さらに、画像信号処理部820は出力する画像情報をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/A変換器831を介して作像装置(不図示)のレーザ832を駆動する。
【0177】
フィニッシャ用CPU980には、上述したフィニッシャ各部の動作を実行するためにモータやソレノイドなどの各駆動手段と、フィニッシャの用紙搬送経路内や紙折り部254に設けられている用紙検出センサ225やホーム位置センサ230などの各センサが接続されている。
【0178】
また、フィニッシャ用CPU980に接続されているROM981には、先端綴じ、後端綴じを決める閾値である所定枚数の値が記憶されている。これは、用紙束搬送をローラにより行うと、用紙のズレは搬送距離が長い程すなわち後端綴じの方が多く、また用紙束枚数が多い程多いこと、一方、先端綴じではステープル処理時に用紙束が一時集積される後処理トレイ部に残ったままとなるので生産性が後端綴じよりも低くなることに鑑みて、先端綴じか後端綴じかを選択可能としたものである。本実施形態では、用紙束枚数が閾値である所定枚数よりも多いか否かで自動的に選択する構成となっている。なお、ユーザが選択する構成とすることも勿論可能である。
【0179】
ここで複写機用CPU910は、複写機としての基本的な動作(例えば画像読み取り、メモリへの記憶、画像編集、用紙上への画像形成、出力など)の他、出力枚数の算出を行う。具体的には、ADF12がADF用CPU950の制御により原稿送り動作を行った際にカウントした原稿枚数をADF用CPU950から取得し、この原稿枚数と操作パネルOPから入力されたコピーモードを元に出力枚数を算出する。そして、算出された出力枚数はフィニッシャ用CPU980に伝えられて、ここで、先端綴じか後端綴じかの選択がなされ、後端綴じが選択された場合には複写機用CPU910に対して画像回転の指示が与えられる。これにより前述したように、先端綴じまたは後端綴じが自動的に選択されて実行される。
【0180】
なお、本実施形態においては、第1折りストッパ215、216、217はカムシャフト224によって出退される構成を記載したが、これにとらわれるものではなく、図19に示されるように、第1折りストッパは第1折りストッパ215′のみとし、第1ストッパ駆動モータ210′によってその位置を変える構成であってもよい。この場合、ホーム位置センサ230′は直接第1折りストッパ215′を検出する構成であれば、確実に第1折りストッパ215′のホーム位置復帰を検出することができる。但し、この構成にあっては、先に説明した構成に比べ部品点数が少なく安価ではあるが、ホーム位置へ移動する時間、あるいは、ホーム位置から規制位置へ移動するまでの時間がかかり、迅速な処理ができないといった問題がある。これに対し、先に説明したカムシャフト224による第1折りストッパ215、216、217の出退制御であれば、迅速な処理に対応することができる。
【0181】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フィニッシャ内でのジャム発生時には、まず移動部材が用紙搬送経路に対し離間する方へ退避されるので、紙づまりした用紙の周辺にユーザが手を入れるスペースを形成することができる。
【0182】
したがって、ユーザが紙づまりした用紙の周辺に容易に手を入れて当該用紙を取り除くことが可能となる。また、ジャム処理時にユーザが移動部材に触れて正規でない位置に動かしてしまうといった不具合の発生を防止し、移動部材の正確な位置を確保することができる。
【0183】
また、特別な機構を付加する必要がなく、しかも移動部材にユーザが触れる虞れが少なくなるため移動部材の強度を必要最小限に設定することができるので、簡易な構成でかつ低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィニッシャを画像形成装置としての複写機に連結した実施の形態を示す概略断面説明図である。
【図2】同フィニッシャの要部を示す概略構成図である。
【図3】紙折り装置の構成を示す断面図である。
【図4】紙折り装置のジャム処理を行う状態を示す断面図である。
【図5】(A)(B)は紙折り装置における第1の折り位置の規制を行う機構を示す要部断面図である。
【図6】同底面図である。
【図7】第1折りストッパの要部を示す斜視図である。
【図8】A3Z折りモード時における紙折り装置の作動状態を示す断面図である。
【図9】A3袋折りモード時における紙折り装置のの作動状態を示す断面図である。
【図10】中折りモード時における紙折り装置の作動状態を示す断面図である。
【図11】用紙搬送経路の設定処理を示すフローチャートである。
【図12】ジャム処理時における第1折りストッパの退避動作処理を示すフローチャートである。
【図13】後処理トレイ部とその下流に設けられているステープル装置の概略構成を示す断面図である。
【図14】種々のステープルモードの形態を示す図である。
【図15】ステープル装置を、第1と第2の用紙束搬送ローラとともに示す構成図である。
【図16】ステープル装置の構成を示す概略斜視図である。
【図17】ステープルモードの位置出し動作を説明する図である。
【図18】複写機およびフィニッシャの動作を制御する制御系の構成を示すブロック図である。
【図19】他の実施形態に係る第1折りストッパを備えた紙折り装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10…複写機、
100…フィニッシャ、
200…紙折り装置、
215〜217…第1折りストッパ(移動部材)、
400…後処理トレイ部、
402…横整合板対(移動部材)、
403…後端ストッパ(移動部材)、
500…ステープル装置、
501…ヘッド部ユニット(移動部材)、
502…アンビル部ユニット(移動部材)、
P…用紙。
Claims (5)
- 画像形成装置に連結され、当該画像形成装置から搬送される用紙に対して種々の後処理を施すフィニッシャにおいて、
画像形成された用紙に後処理を施すために用紙搬送経路に対して移動可能に設けられる移動部材と、
前記移動部材の位置を制御するための基準となると共に用紙搬送経路から所定距離離間したホーム位置に、前記移動部材があることを検出する検出手段と、
フィニッシャ内で紙づまりが発生した際には、紙づまりした用紙を取り除く処理がされる前に前記移動部材を前記ホーム位置に復帰させる制御手段と
を有することを特徴とするフィニッシャ。 - 請求項1記載のフィニッシャにおいて、
前記移動部材は、ステープル装置のヘッド部及びアンビル部であることを特徴とするフィニッシャ。 - 請求項2記載のフィニッシャにおいて、
前記ヘッド部及びアンビル部は用紙搬送直交方向の複数箇所にステープル処理を行うために、移動可能に設けられていることを特徴とするフィニッシャ。 - 請求項1記載のフィニッシャにおいて、
前記移動部材は、折りストッパであることを特徴とするフィニッシャ。 - 請求項4記載のフィニッシャにおいて、
前記折りストッパは用紙サイズに応じた位置に移動可能なように設けられていることを特徴とするフィニッシャ。
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