JP3304234B2 - ステープル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば複写機および
プリンタなどの電子機器に取付けて用いられ、取付けら
れた電子機器で所定の処理、たとえば複写処理が施され
て文字や画像などが記録された複数の記録紙を綴じるス
テープル装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在実用化されている上下一体型のステ
ープル装置には、メガネクリンチなどと称されるタイプ
と、フラットクリンチなどと称されるタイプとがある。
メガネクリンチは、いわゆるホッチキスと同様にして構
成されるものであるが、綴じるべき記録紙の枚数が少な
いときには、打込まれたステープルの先端部分が記録紙
の打込側表面に突出することがあり、ステープルの突出
した部分同士が引っかかるなどによって作成された記録
紙束の取扱いが円滑でないなどの不都合が生じる。ま
た、中綴じ時にはステープルの折曲げ部分がかさ張り、
製本する際に中央に折り癖がつきにくいという不都合が
ある。

【０００３】一方、フラットクリンチは、記録紙の枚数
にかかわらず、打込まれたステープルの先端部分を記録
紙の打込側表面に突出しないように折曲げることがで
き、作成された記録紙束の取扱いが円滑となる。したが
って、メガネクリンチよりもフラットクリンチの方が幅
広く実用化されている。

【０００４】図５１は、従来例であるフラットクリンチ
タイプのステープル装置３０１の構成を示す側面図であ
る。また、図５２は、図５１のＩ方向から見た平面図で
あり、図５３は、図５１のＩＩ方向から見た正面図であ
る。ステープル装置３０１は、上ステープルユニット３
０２と下ステープルユニット３０３とを一体化して構成
される。上ステープルユニット３０２は、上ステープル
本体３０４と、アンビル部３０６を有する打出部３０５
と、ステープル収納部３０７とを含んで構成される。下
ステープルユニット３０３は、クリンチャ部３０９を有
する下ステープル本体３０８を含んで構成される。

【０００５】上および下ステープルユニット３０２，３
０３との間に綴じるべき記録紙を挟み、アンビル部３０
６を降下してステープル収納部３０７に収納されたステ
ープルを、コの字状に折曲げ、さらに打出すことによっ
て、前記記録紙に当該記録紙の一方表面側からステープ
ルが打込まれる。前記記録紙の他方表面側から突出した
打込まれたステープルの先端部分は、クリンチャ部３０
９のクリンチャ溝３１０に当接して折曲げられる。この
ようにしてステープルによって記録紙が綴じられ、記録
紙束が作成される。

【０００６】上および下ステープルユニット３０２，３
０３は、下ステープル本体３０８に設けられる駆動モー
タ３１５によって駆動される。アンビル部３０６とクリ
ンチャ部３０９との動作を規制するために、前記上およ
び下ステープルユニット３０２，３０３は、ギア３１１
の支軸３１４によって連結されて一体化され、当該支軸
３１４を支点として、上および下ステープルユニット３
０２，３０３が回動する。駆動モータ３１５からの出力
は、複数のギア３１２，３１６を介して前記ギア３１１
に伝達される。エンコーダ３１３は、下ステープルユニ
ット３０３の位置を読取る。

【０００７】このような、上および下ステープルユニッ
トを一体化したステープル装置は、たとえば特開平４−
１４８９９３号公報、および特開平４−３７５９２号公
報に開示されている。前者は、記録紙の搬送方向と直交
する方向に綴じ位置を選ぶことができる装置であり、後
者は、ステープルユニットを移動して記録紙の綴じ位置
を変更できる装置である。

【０００８】図５４は、前述したような上下一体型のス
テープル装置を備えるフィニッシャ装置３５１の構成を
示す側面図である。フィニッシャ装置３５１は、たとえ
ば複写機３５２に装着して用いられる。複写機３５２の
排紙ローラ３５３，３５４によって搬出された記録紙
は、フィニッシャ装置３５1の搬送ローラ３５５，３５
６；３５７，３５８によって搬送経路３５９を方向３６
０に搬送される。記録紙は、記録紙搬入口の下方であっ
て、前述したのと同様の上下一体型のステープル装置３
６１が配置された領域に搬送され、ステープル装置３６
１によって綴じられ、記録紙束が作成される。記録紙束
は、搬送方向下流側に設けられたプッシャ３６２によっ
て押出される。これによって方向転換された記録紙束
は、搬送ローラ３６３，３６４；３６５，３６６によっ
て搬送経路３６７を方向３６８に搬送される。さらに記
録紙束は、記録紙搬入口とほぼ同じ高さに設けられた記
録紙束搬出口から排紙トレイ３６９に搬出される。

【０００９】図５５は、上下一体型のステープル装置を
備える他のフィニッシャ装置３７０の構成を示す側面図
である。複写機３５２の排紙ローラ３５３，３５４によ
って搬出された記録紙は、フィニッシャ装置３７０の搬
送ローラ３７１，３７２、パドラ３７６によってほぼ水
平に搬送される。記録紙は、上下一体型のステープル装
置３７４が配置された領域に搬送され、ステープル装置
３７４によって綴じられ、記録紙束が作成される。記録
紙束は、搬送方向下流側に設けられたプッシャ３７５に
よって押出される。これによって方向転換された記録紙
束は、搬送ローラ３７７，３７８；３７９，３８０によ
って搬送経路３８１を方向３８２に搬送される。さらに
記録紙束は、記録紙搬入口よりも下方に設けられた記録
紙束搬出口から排紙トレイ３８３に搬出される。

【００１０】図５６は、他の従来例であるステープル装
置３２１の構成を示す側面図である。ステープル装置３
２１は、上ステープルユニット３２２と下ステープルユ
ニット３２３とが分離して構成される。上ステープルユ
ニット３２２は、上ステープル本体３２４と、打出部３
２５と、ステープル収納部３２７とを含んで構成され
る。

【００１１】駆動モータ３２８からの出力は、複数のギ
ア３２９〜３３１，３３８を介して、前記ギア３３１に
取り付けられた取付片３２６に伝達される。取付片３２
６は、ピン３３５によって、ガイド板３３６を介して打
出部３２５のアンビル部に固定される。駆動モータ３２
８を駆動して、ギア３３１を回転すると、前記取付片３
２６はガイド板３３６のガイド溝３３７に沿って上下方
向に移動する。取付片３３６が下降すると、ステープル
収納部３２７に収納されたステープルが、コの字状に折
曲げられて打出される。下ステープルユニット３２３
は、クリンチャ溝３３４が形成されたクリンチャ部３３
３を有する下ステープル本体３３２を含んで構成され
る。

【００１２】上および下ステープルユニット３２２，３
２３の間に綴じるべき記録紙を挟み、上述したようにし
てステープルを打出すことによって記録紙にステープル
が打込まれる。記録紙から突出したステープルの先端部
分は、クリンチャ部３３３のクリンチャ溝３３４に当接
して折曲げられる。このようにして記録紙が綴じられ、
記録紙束が作成される。

【００１３】このような、上および下ステープルユニッ
トを分離したステープル装置は、たとえば実開平６−５
３０７５号公報、および実開平６−６３３４５号公報に
開示されている。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】図５１〜図５３に示さ
れるような上下一体化型のステープル装置３０１と同様
のステープル装置を用いた図５４および図５５に示され
るフィニッシャ装置３５１，３７０では、上および下ス
テープルユニット３０２，３０３の間への記録紙の搬入
方向と、作成された記録紙束を抜出す搬出方向とは、互
いに反対の方向に選ばれる。またあるいは搬入方向とは
直交する方向に搬出方向が選ばれる。したがって、搬送
方向を変更しなければならず、このために搬送機構が複
雑になる。また、記録紙束を完全に搬出してからしか次
の記録紙を搬入することができず、記録紙束の作成効率
が低い。

【００１５】さらに、上および下ステープルユニット３
０２，３０３が支軸３１４を支点として回動するので、
上および下ステープルユニット３０２，３０３の間に配
置される記録紙の枚数が増すと、ステープルが記録紙表
面に対して垂直に打込まれず、したがって他方表面から
突出した先端部分を確実に折曲げることができず、記録
紙を綴じることができなかったり、作成された記録紙束
の見栄えが悪いなどの不都合が生じる。

【００１６】また、前記特開平４−３７５９２号公報で
は、綴じ位置が記録紙束毎に異なるので、記録紙束同士
のステープルが引っ掛かることがなく、記録紙束の搬送
を円滑に行うことができるけれども、複数の記録紙束で
互いに綴じ位置が異り、見栄えが悪いという不都合が生
じる。

【００１７】このような問題は、図５６に示されるよう
な分離型のステープル装置を用いることによって解消さ
れる。すなわち上および下ステープルユニットが分離さ
れるので、記録紙の搬入方向と同じ搬出方向で記録紙束
を搬出することができる。したがって、搬送方向を変更
する必要がなく、搬送機構が簡単となる。また、記録紙
束が搬出され始めると、直ちに次の記録紙を搬入するこ
とができ、記録紙束の作成効率が向上する。さらに、ス
テープルは記録紙の枚数が増しても、記録紙表面に対し
て常に垂直に打込まれ、他方表面から突出した先端部分
を確実に折曲げることができ、記録紙を確実にかつ見栄
えよく綴じることができる。

【００１８】本発明の目的は、記録紙の搬送機構が簡略
化でき、記録紙束の作成効率が高く、さらに記録紙表面
の自由な位置で容易に綴じることができるステープル装
置を提供することである。

【００１９】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数の記録紙
を綴じて、記録紙束を作成するステープル装置におい
て、記録紙束を作成する作成領域に搬入された記録紙を
積層して保持する保持手段と、前記保持手段に記録紙を
搬入する搬入手段と、前記保持手段の保持面から突出す
るように角変位可能な突出片を有する整合手段と、前記
保持手段の保持面から突出した突出片に、記録紙の搬送
方向下流側端部が当接するように記録紙を搬送する搬送
手段と、前記保持手段に保持された複数の記録紙に、当
該複数の記録紙の一方表面側からステープルを打込む打
込部を有する打込側ステープルユニットと、前記複数の
記録紙の他方表面側から突出した打込まれたステープル
の先端部分を折曲げる折曲部を有し、前記打込側ステー
プルユニットとは分離して設けられる折曲側ステープル
ユニットとを含んで構成されるステープルユニットと、
複数の記録紙にステープルを打込み、当該ステープルの
先端部分を折曲げることによって作成された記録紙束
を、搬入方向上流側端部を押圧することによって前記作
成領域から前記搬入方向と平行な搬出方向で搬出する搬
出手段と、記録紙の搬入方向下流側端部と当該記録紙の
綴じ位置との距離に応じて、前記作成領域に予め設定さ
れた複数の整合位置の中から選択された所定の整合位置
で、前記突出片を保持手段の保持面から突出させ、前記
保持手段に所定枚数の記録紙が保持されると、前記ステ
ープルユニットを作動して、当該記録紙を綴じて記録紙
束を作成し、前記搬出手段を駆動する制御手段とを備
え、記録紙の搬入方向と直交する方向に予め設定された
複数のステープルユニット位置に、前記ステープルユニ
ットの折曲側および打込側ステープルユニットのうちの
いずれか一方側ステープルユニットがそれぞれ設けら
れ、前記ステープルユニットの折曲側および打込側ステ
ープルユニットのうちの他方側ステープルユニットを、
記録紙の搬送方向と直交する方向に移動する駆動手段を
含み、前記制御手段は、保持手段に所定枚数の記録紙が
保持されると、前記駆動手段を駆動して、前記複数のス
テープルユニット位置の中から選択された所定のステー
プルユニット位置まで他方側ステープルユニットを移動
した後、当該他方側ステープルユニットと、前記選択さ
れた所定のステープルユニット位置に設けられた一方側
ステープルユニットとを作動することを特徴とする。ま
た本発明は、複数の記録紙を綴じて、記録紙束を作成す
るステープル装置において、記録紙束を作成する作成領
域に搬入された記録紙を積層して保持する保持手段と、
前記保持手段に記録紙を搬入する搬入手段と、前記保持
手段の保持面から突出するように角変位可能な突出片を
有する整合手段と、前記保持手段の保持面から突出した
突出片に、記録紙の搬送方向下流側端部が当接するよう
に記録紙を搬送する搬送手段と、前記保持手段に保持さ
れた複数の記録紙に、当該複数の記録紙の一方表面側か
らステープルを打込む打込部を有する打込側ステープル
ユニットと、前記複数の記録紙の他方表面側から突出し
た打込まれたステープルの先端部分を折曲げる折曲部を
有し、前記打込側ステープルユニットとは分離して設け
られる折曲側ステープルユニットとを含んで構成される
ステープルユニットと、複数の記録紙にステープルを打
込み、当該ステープルの先端部分を折曲げることによっ
て作成された記録紙束を、搬入方向上流側端部を押圧す
ることによって前記作成領域から前記搬入方向と平行な
搬出方向で搬出する搬出手段と、記録紙の搬入方向下流
側端部と当該記録紙の綴じ位置との距離に応じて、前記
作成領域に予め設定された複数の整合位置の中から選択
された所定の整合位置で、前記突出片を保持手段の保持
面から突出させ、前記保持手段に所定枚数の記録紙が保
持されると、前記ステープルユニットを作動して、当該
記録紙を綴じて記録紙束を作成し、前記搬出手段を駆動
する制御手段とを備え、前記搬出手段は、前記保持手段
の保持面から突出するように角変位可能な突出片を有
し、前記整合手段の突出片および搬出手段の突出片が取
付けられ、前記保持手段の保持面とは反対側に配置され
るベルトと、前記ベルトが巻回される複数のローラとを
含み、前記制御手段は、前記ローラを駆動して、所定の
整合位置で、前記突出片のうちの１つの突出片を保持手
段の保持面から突出するように配置し、前記保持手段に
所定枚数の記録紙が保持されると、前記ステープルユニ
ットを作動して、当該記録紙を綴じて記録紙束を作成
し、記録紙束が作成されると、再びローラを駆動して、
前記整合位置に配置された突出片とは異なる突出片を記
録紙束の搬入方向上流側端部に当接させ、当該記録紙束
を押出すことを特徴とする。さらに本発明は、複数の記
録紙を綴じて、記録紙束を作成するステープル装置にお
いて、記録紙束を作成する作成領域に搬入された記録紙
を積層して保持する保持手段と、前記保持手段に記録紙
を搬入する搬入手段と、前記保持手段の保持面から突出
するように角変位可能な突出片を有する整合手段と、前
記保持手段の保持面から突出した突出片に、記録紙の搬
送方向下流側端部が当接するように記録紙を搬送する搬
送手段と、前記保持手段に保持された複数の記録紙に、
当該複数の記録紙の一方表面側からステープルを打込む
打込部を有する打込側ステープルユニットと、前記複数
の記録紙の他方表面側から突出した打込まれたステープ
ルの先端部分を折曲げる折曲部を有し、前記打込側ステ
ープルユニットとは分離して設けられる折曲側ステープ
ルユニットとを含んで構成されるステープルユニット
と、複数の記録紙にステープルを打込み、当該ステープ
ルの先端部分を折曲げることによって作成された記録紙
束を、搬入方向上流側端部を押圧することによって前記
作成領域から前記搬入方向と平行な搬出方向で搬出する
搬出手段と、記録紙の搬入方向下流側端部と当該記録紙
の綴じ位置との距離に応じて、前記作成領域に予め設定
された複数の整合位置の中から選択された所定の整合位
置で、前記突出片を保持手段の保持面から突出させ、前
記保持手段に所定枚数の記録紙が保持されると、前記ス
テープルユニットを作動して、当該記録紙を綴じて記録
紙束を作成し、前記搬出手段を駆動する制御手段とを備
え、前記保持手段は、前記整合手段の突出片が取付けら
れた複数の挿通孔を有するベルトと、当該ベルトが巻回
される複数のローラとを含み、前記搬出手段は、前記複
数のローラに巻回されたベルトの内側の空間に配置さ
れ、ベルトの外側の空気を当該ベルトの複数の挿通孔か
ら吸引する空気吸引手段を含み、前記制御手段は、前記
ローラを駆動して、所定の整合位置で、前記突出片を保
持手段の保持面から突出するように配置し、前記保持手
段に所定枚数の記録紙が保持されると、前記ステープル
ユニットを作動して、当該記録紙を綴じて記録紙束を作
成し、記録紙束が作成されると、前記空気吸引手段を作
動するとともに、再び前記ローラを駆動することを特徴
とする。

【００２０】

【作用】本発明に従えば、複数のステープルユニット位
置に折曲側ステープルユニットがそれぞれ設けられ、記
録紙の搬入方向と直交する方向に打込側ステープルユニ
ットが移動する。したがって、搬入方向と直交する方向
で綴じ位置を選ぶことができる。また、ステープルの補
充は１つの打込側ステープルユニットに対してでよく、
操作性が向上する。

【００２１】

【００２２】

【００２３】

【００２４】また好ましくは、前記複数のステープルユ
ニット位置に折曲側ステープルユニットがそれぞれ設け
られ、記録紙の搬入方向と直交する方向に打込側ステー
プルユニットが移動する。したがって、前記搬入方向と
直交する方向で綴じ位置を選ぶことができる。また、ス
テープルの補充は１つの打込側ステープルユニットに対
してでよく、操作性が向上する。

【００２５】また、前述したのとは逆に、前記複数のス
テープルユニット位置に打込側ステープルユニットがそ
れぞれ設けられ、折曲側ステープルユニットが前記搬入
方向と直交する方向に移動する。したがって、前記直交
方向で綴じ位置を選ぶことができる。また、移動する折
曲側ステープルユニットは、打込側ステープルユニット
よりも軽いので、打込側ステープルユニットを移動する
場合と比べると、慣性力が小さく、駆動力が少なくてす
み、消費電力の低減を図ることができる。

【００２６】また本発明に従えば、作成領域に搬入され
た記録紙は、一対の整合手段が記録紙の搬入方向に平行
な互いに対向する端部に当接して整合されて、保持手段
に保持される。記録紙は、搬入されるごとに整合され
る。所定の枚数の記録紙が整合して保持されると、前述
したのと同様にしてステープルユニットが作動し、記録
紙が綴じられて記録紙束が作成される。記録紙を綴じる
ときには、前記一対の整合手段は、記録紙の搬入方向と
直交する同一方向に所定の長さだけ移動する。

【００２７】したがって、搬入方向と直交する方向で綴
じ位置を選ぶことができる。作成された記録紙束は、前
述したのと同様に、搬入方向と平行な搬出方向で搬出さ
れる。このように、一対の整合手段の移動を制御するの
みで綴じ位置を選ぶことができるので、ステープル装置
の構成が容易となり、ステープル装置に対する製造コス
トが安価となる。

【００２８】また好ましくは、前記一対の整合手段は、
作成された記録紙束の搬出時においても、同一の方向
に、所定の長さだけ移動する。これによって、搬出され
た記録紙束のステープルが、前後の記録紙束で重ならな
いようにすることができる。したがって、ステープルの
引っ掛かりなどによって、記録紙束の搬送が滞ることが
なくなり、また、高価な専用のオフセットトレイが不要
であり、安価に円滑な搬送を実現することができる。

【００２９】

【００３０】

【００３１】

【００３２】

【００３３】

【００３４】また本発明に従えば、前記搬出手段は、整
合手段と同様の突出片を有する。整合手段の突出片およ
び搬出手段の突出片は保持手段の保持面とは反対側に配
置されるベルトに取付けられる。当該ベルトが巻回され
たローラを駆動することによって、所定の整合位置で前
記突出片のうちの１つの突出片を保持面から突出するよ
うに配置する。この突出片が、搬入された記録紙の搬入
方向下流側端部を整合する。前述したのと同様にして記
録紙束が作成されると、前記ローラを再び駆動し、前記
整合位置に配置された突出片とは異なる突出片が記録紙
束の搬入方向上流側端部に当接し、当該記録紙束を押出
して搬出する。この突出片はプッシャとして機能する。

【００３５】したがって、特別に搬出手段を設ける必要
がなく、ステープル装置の構成が簡略化される。また、
記録紙および記録紙束の搬送動作の制御が簡単になる。
さらに、記録紙束を搬出すると直ちに次の記録紙を搬入
することができ、効率良く記録紙束を作成することがで
きる。また、ベルトの停止位置を変えることによって、
綴じ位置を選ぶことができる。

【００３６】また本発明に従えば、前記保持手段は整合
手段の突出片が取付けられ、複数の挿通孔を有するベル
トと、当該ベルトが巻回された複数のローラとを含む。
前記搬出手段は、前記複数のローラに巻回されたベルト
の内側の空間に配置され、ベルトの外側の空気を当該ベ
ルトの複数の挿通孔から吸引する空気吸引手段を含む。
ベルトが巻回されたローラを駆動することによって、所
定の整合位置で、前記整合手段の突出片を保持面から突
出するように配置する。前述したのと同様にして記録紙
束が作成されると、突出片とローラとを駆動し、記録紙
束をベルトに吸引させて搬出する。

【００３７】したがって、ベルトの構成が簡略化され
る。また、記録紙および記録紙束の搬送動作の制御が簡
単になる。さらに、記録紙束を搬出すると直ちに次の記
録紙を搬入することができ、効率良く記録紙束を作成す
ることができる。また、ベルトの停止位置を変えること
によって、綴じ位置を選ぶことができる。

【００３８】

【実施例】図１は、本発明に基づくステープル装置の基
本的な動作を段階的に説明するための模式図である。ス
テープル装置は、たとえば複写機に取付けられて用いら
れ、複写機で所定の複写処理が施されて文字や画像など
が記録された複数の記録紙を綴じるものである。

【００３９】記録紙１は、図１（Ａ）に示されるよう
に、所定の搬送経路に設けられた一対の搬送ローラ２，
３によって、記録紙束を作成する作成領域に搬入方向１
４で搬入される。作成領域に搬入された記録紙１は、図
１（Ｂ）に示されるゲート４にその搬送方向に直交する
下流側端部１ａが当接し、かつ互いに離反する方向７，
８および近接する方向９，１０に移動するジョガ５，６
が記録紙１の搬送方向と平行な互いに対向する端部１
ｂ，１ｃにそれぞれ当接することによって整合され、た
とえば１枚ずつ順次的に搬送されてくる記録紙１が、所
定の保持手段に積層して保持される。

【００４０】整合されて保持された所定枚数の記録紙１
は、図１（Ｃ）に示されるような、ステープルを前記複
数の記録紙１の一方表面１ｄ側から打込む打込部を有す
る上ステープルユニット１１と、打込まれたステープル
の前記複数の記録紙１の他方表面１ｅ側から突出した先
端部分を折曲げるクリンチャ部を有し、前記上ステープ
ルユニット１１とは分離して設けられる下ステープルユ
ニット１２とによって綴じられる。綴じられた複数の記
録紙１である記録紙束１３は、作成領域への搬入方向１
４と平行な搬出方向１５で前記作成領域から搬出され
る。

【００４１】図２は、本発明に基づくステープル装置
と、従来技術のステープル装置との動作を比較して説明
するための模式図であり、図３は、記録紙１のステープ
ル打込可能領域（斜線を付して示す部分）を示す斜視図
である。図２（Ａ）に示されるように、本発明に基づく
ステープル装置では、上および下ステープルユニット１
１，１２が分離して設けられ、上および下ステープルユ
ニット１１，１２の間に隙間が形成される。したがっ
て、作成された記録紙束１３を、記録紙１の搬入方向１
４と平行な搬出方向１５で搬出することができる。

【００４２】図２（Ｂ）に示される従来技術のステープ
ル装置は、上ステープルユニット１６と下ステープルユ
ニット１７とを一体化したステープルユニット１８を有
する。このようなステープルユニット１８を、記録紙１
の搬送方向下流側端部１ａ側から当該記録紙１を挟むよ
うに配置した場合、ステープルユニット１８を移動させ
ずに前述した搬入方向１４と平行な搬出方向１５から記
録紙束１３を搬出することは不可能であり、たとえば図
示されるように、搬入方向１４と反対の搬出方向１９
や、搬入方向１４とは直交する搬出方向２０から搬出し
なければならない。このため、搬送ローラの回転方向を
切換えたり、搬入用の搬送ローラとは異なる方向に回転
する搬出用の搬送ローラを設けなければならず、搬送ロ
ーラの制御や搬送機構が複雑になる。また、本発明に基
づくステープル装置と同様に、搬入方向１４と搬出方向
１５とを平行にするためには、ステープルユニット１８
を、たとえば図示される退避方向２１に移動させなけれ
ばならず、ステープルユニット付近の構成が複雑にな
る。

【００４３】上述した本発明に基づくステープル装置で
は、搬入方向１４と搬出方向１５とを平行にすることが
できるので、搬送ローラの回転方向を切換えなくてもよ
く、搬送ローラの制御が簡単であり、搬送機構も簡単で
ある。

【００４４】また、従来技術のステープル装置におい
て、搬出方向１９，２０から記録紙束１３を搬出する場
合、記録紙束１３が完全に搬出されてからしか次の記録
紙１を搬入することはできない。しかしながら、本発明
に基づくステープル装置では、上述したように搬入方向
１４と搬出方向１５とを平行にすることができるので、
記録紙束１３の搬出が開始されると、直ちに次の記録紙
１の搬入を開始することができる。したがって、搬送時
間が短くなり、記録紙束１３の作成効率が向上する。

【００４５】たとえば、１分間に６０枚の複写処理を行
う複写機に、上述したような搬入方向と搬出方向とが反
対に選ばれるステープル装置を取付けた場合、複写機か
ら搬出された記録紙を２枚毎に綴じるとすると、複写機
の複写処理能力を３０枚／分にまで落とさなければなら
ない。一方、同様の複写機に、本発明に基づくステープ
ル装置を取付けた場合、複写機の処理能力は、ほぼ６０
枚／分のままで、２枚毎に記録紙を綴じることが可能で
ある。

【００４６】さらに本発明に基づくステープル装置で
は、図３（Ａ）に斜線で示される領域２２、すなわち記
録紙１の全面にステープルを打込むことが可能である。
したがって、たとえば記録紙１の印刷内容に対して、左
端を綴じる左綴じ（洋綴じ）、右端を綴じる右綴じ（和
綴じ）、および記録紙１の中央部を綴じる中綴じ（サド
ルステッチ）のうちのいずれの綴じ方も実施することが
できる。一方、従来技術のステープル装置では、図３
（Ｂ）に斜線で示される領域２３、すなわち記録紙１の
搬送方向下流側端部１ａの付近と、当該端部１ａに隣接
する２辺、すなわち端部１ｂ，１ｃの付近とにしかステ
ープルを打込むことができない。したがって、記録紙１
をその中央付近で綴じることはできず、たとえば週間雑
誌、グラビア雑誌およびカタログ雑誌などで行われる中
綴じを行うことができない。

【００４７】このように、本発明に基づくステープル装
置を用いると、複数の記録紙１を自由な位置で綴じるこ
とができ、また記録紙束１３の作成効率が向上する。以
下、具体的な実施例について説明する。

【００４８】図４は、本発明の第１の実施例であるステ
ープル装置３１の構成を示す側面図であり、図５はその
平面図である。ステープル装置３１は、搬送ローラ３
２，３３、パドラ３４、ゲート３５、支持板３６、ジョ
ガ３７，３８、上ステープルユニット３９、下ステープ
ルユニット４０、およびプッシャ４１を含んで構成され
る。

【００４９】ステープル装置３１が取付けられた複写機
で所定の複写処理が施された記録紙４３は、所定の搬送
経路に沿って搬送される。前記搬送経路上に設けられる
一対の搬送ローラ３２，３３は、方向４５，４６にそれ
ぞれ回転し、前記記録紙４３を挟持して搬入方向４７に
搬送し、記録紙束を作成する作成領域に搬入する。

【００５０】支持板３６は、搬入された記録紙４３を保
持する。ここで、記録紙４３は、支持板３６の保持面か
ら突出するゲート３５に、その搬送方向に直交する下流
側端部４３ａが当接して保持される。パドラ３４は、記
録紙４３を、当該記録紙４３の腰を折らない程度の搬送
力で搬送する搬送ローラであり、このパドラ３４によっ
て適度な搬送速度が与えられた記録紙４３は、端部４３
ａが前記ゲート３５に当接する。これによって、記録紙
４３の端部４３ａが整合される。ジョガ３７，３８は、
記録紙４３の搬送方向と平行な互いに対向する端部４３
ｂ，４３ｃをそれぞれ整合する。当該ジョガ３７，３８
は、記録紙４３の搬送方向と直交し、互いに離反する方
向４９，５１および近接する方向５０，５２にそれぞれ
移動可能である。ジョガ３７，３８が互いに近接する方
向５０，５２に移動し、記録紙４３の端部４３ｂ，４３
ｃが整合される。

【００５１】支持板３６上に所定枚数の記録紙４３が積
層して保持されると、複数の記録紙４３が綴じられ、記
録紙束が作成される。上および下ステープルユニット３
９，４０は、支持板３６を挟んでそれぞれ上下に設けら
れる。たとえば、上ステープルユニット３９は、保持さ
れた複数の記録紙４３の一方表面４３ｄ側から、アンビ
ル部によってコの字状に折曲げられたステープルを打込
む打込部を含んで構成される。また、下ステープルユニ
ット４０は、保持された複数の記録紙４３の他方表面４
３ｅ側から突出したステープルの先端部分を折曲げるク
リンチャ部を含んで構成される。

【００５２】たとえば、上ステープルユニット３９が下
ステープルユニット４０に近接する方向５３に下降する
ことによって、複数の記録紙４３が上および下ステープ
ルユニット３９，４０によって位置ずれしないようにし
て挟持され、前記打込部によってステープルが打込ま
れ、打ち込まれたステープルの先端部分がクリンチャ部
によって打込方向と垂直な方向に折曲げられる。ステー
プルの打込みおよび折曲げが終了すると、上ステープル
ユニット３９は下ステープルユニット４０から離反する
方向５４に上昇する。

【００５３】このようにして作成された記録紙束は、排
出トレイ４２に搬出される。ここで、前記ゲート３５
は、支持板３６の保持面から突出しないように方向５５
に角変位する。また、プッシャ４１は、方向５７に移動
し、記録紙束を記録紙４３の搬送方向上流側端部４３ｆ
から押出す。これによって記録紙束は、前記作成領域か
ら、搬入方向４７と平行な搬出方向５９で搬出される。
記録紙束の搬出が終了すると、ゲート３５は前記方向５
５とは反対の方向５６に角変位し、再び支持板３６の保
持面から突出するとともに、プッシャ４１が方向５８に
移動し、所定のホームポジションに戻る。

【００５４】図６は、支持板３６を示す平面図である。
支持板３６には、前記ゲート３５を取付けるための切欠
き３０ａ、ジョガ３７，３８が移動するための窓３０
ｂ，３０ｃ、上および下ステープルユニット３９，４０
によって記録紙４３を綴じるための窓３０ｄ、およびプ
ッシャ４１が移動するための窓３０ｅがそれぞれ形成さ
れる。切欠き３０ａは支持板３６の側面であって、記録
紙４３の搬送方向下流側の側面に形成される。

【００５５】図７は、前記ゲート３５の動作原理の一例
を説明するための側面図である。ゲート３５は、ソレノ
イド６２によって方向８６，８７に移動可能な作動片８
３と、リンク８５によって連結されている。前記作動片
８３は、ソレノイド６２が励磁されていないときにおい
て、ゲート３５が実線で示されるような支持板３６の保
持面から突出する位置に配置され、励磁されたときにお
いて、２点鎖線で示されるような支持板３６の保持面か
ら突出しない位置に配置されるように、スプリング８４
によって付勢されている。したがって、ソレノイド６２
を「オン」として励磁すると、ゲート３５が方向５５に
角変位して開いた状態となり、ソレノイド６２を「オ
フ」として励磁を停止すると、ゲート３５が方向５６に
角変位して閉まった状態となる。なお、ゲート３５の動
作原理は、上述したものに限らず、他の方法によってゲ
ートを開閉することも可能である。

【００５６】図８は、前記ステープル装置３１の電気的
構成を示すブロック図である。ステープル装置３１は、
前述した搬送ローラ３２，３３、パドラ３４、ゲート３
５、ジョガ３７，３８、上ステープルユニット３９、お
よびプッシャ４１をそれぞれ駆動する駆動モータ６０，
６１、ソレノイド６２、および駆動モータ６３〜６６、
各駆動モータ６０，６１，６３〜６６およびソレノイド
６２の動作を制御する制御回路６８、センサ６９、計測
回路７０、記憶回路７１、出力インタフェイス（Ｉ／
Ｆ）回路６７、および入出力インタフェイス（Ｉ／Ｆ）
回路７２を含んで構成される。

【００５７】たとえば中央演算処理装置（ＣＰＵ）で実
現される制御回路６８からの各駆動モータ６０，６１，
６３〜６６およびソレノイド６２の動作を制御する制御
信号は、出力インタフェイス回路６７を介して各駆動モ
ータ６０，６１，６３〜６６およびソレノイド６２にそ
れぞれ与えられる。センサ６９は、各部材の状態、たと
えば配置位置を検出する。たとえば、所定の位置まで上
ステープルユニット３９が下降したときに、センサ６９
が「オン」となる。前記制御回路６８は、センサ６９の
検出結果に基づいて、上および下ステープルユニット３
９，４０にステープルの打込動作の開始を指示する。こ
のように、センサ６９の検出結果に基づいて、各駆動モ
ータ６０，６１，６３〜６６およびソレノイド６２の駆
動開始や、駆動停止のタイミングを判断することができ
る。

【００５８】また、制御回路６８は、計測回路７０の計
測結果によっても、各駆動モータ６０，６１，６３〜６
６およびソレノイド６２の駆動開始や駆動停止のタイミ
ングを判断することができる。たとえば、上ステープル
ユニット３９を下降させ、記録紙４３にステープルを打
込み、当該ステープルの先端部分を折曲げ、上ステープ
ルユニット３９を上昇させる一連の動作によって、記録
紙束を作成するのに要する時間が予めセットされ、上お
よび下ステープルユニット３９，４０を作動させると同
時に、時間の計測が開始される。前記予めセットされた
時間が経過すると、上述の動作が終了し、記録紙束が作
成されたと判断され、続いて作成された記録紙束を搬出
するための動作の実行が指示される。

【００５９】記憶回路７１は、たとえばＲＯＭ（リード
オンリメモリ）やＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）で
実現される。記憶回路７１には、ステープル装置３１全
体の動作プログラムが記憶され、また当該ステープル装
置３１が取付けられる複写機２１１から入力される記録
紙束を作成するのに必要なデータ、たとえば１冊の記録
紙束の枚数や、当該記録紙束の部数（冊数）、綴じ位置
などを記憶することができる。このような複写機２１１
からのデータや、複写機２１１へのデータは、入出力イ
ンタフェイス回路７２を介して入力／出力される。

【００６０】前記ステープル装置３１が取付けられる複
写機２１１は、複写機２１１全体の動作を制御する制御
回路２１７、複写ユニット２１２、記録紙搬送ユニット
２１３、原稿供給ユニット２１４、表示手段２１５、操
作パネル２１６および入出力インタフェイス（Ｉ／Ｆ）
回路２１８を含んで構成される。

【００６１】複写ユニット２１２は、所定の画像読取部
に配置された原稿の画像を読取って記録紙に複写するユ
ニットであり、画像を読取るための露光ランプ、反射鏡
およびズームレンズを含む光学系と、読取った画像から
トナー像を形成して当該トナー像を所定の記録紙に定着
させるための現像装置と、転写用コロナ放電器と、定着
装置とを含んで構成される。

【００６２】記録紙搬送ユニット２１３は、大きさの異
なる記録紙を同じ大きさ毎に収納する複数のカセット、
給紙ローラ、および複写が終了した記録紙を搬送する搬
送ローラなどを含んで構成される。原稿供給ユニット２
１４は、前記画像読取部に原稿を順次的に搬送するユニ
ットであり、原稿収納機構、および原稿搬送機構などを
含んで構成される。このような、原稿供給ユニット２１
４は、複写機２１１から取外すことも可能であり、取外
した場合には、操作者が原稿を１枚ずつ画像読取部に配
置する方法で複写が行われる。本実施例では、原稿供給
ユニット２１４が取付けられて複写が行われる。

【００６３】表示手段２１５は、たとえば液晶表示装置
で実現され、複写が可能であるか否かなどが表示され
る。たとえば、記録紙詰まりが生じているか否か、また
どの部分で生じているかなどが表示される。また、本実
施例の場合、ステープル装置３１を取付けて、記録紙４
３を綴じる処理を行うことが表示される。

【００６４】操作パネル２１６は、０〜９の数値キー
や、たとえば記録紙の片面にのみ読み取った画像を複写
するか、あるいは両面に複写するかを選択する選択キー
などを含んで構成される。操作者は、操作パネル２１６
から所望とする複写条件を選択する。また本実施例のよ
うに、ステープル装置３１を取付けた場合には、１冊の
記録紙束の枚数や部数が入力される。また、綴じ位置が
選択される。このような、記録紙束を作成するのに必要
なデータは、入出力インタフェイス回路２１８を介して
ステープル装置３１に出力される。また、ステープル装
置３１からのデータも入出力インタフェイス回路２１８
を介して入力される。

【００６５】図９は、前記ステープル装置３１の動作を
示すフローチャートである。また、図１０は前記ステー
プル装置３１の動作を段階的に示す側面図である。先
ず、始めに複写機２１１の操作パネル２１６から１冊の
記録紙束の枚数および部数が入力される。また、ソレノ
イド６２は「オフ」となり、励磁されず、ゲート３５は
支持板３６の保持面から突出した閉じた状態となる。

【００６６】ステップａ１では、搬送ローラ３２，３３
が方向４５，４６に回転し始める。これは、たとえば複
写機２１１が有し、所定の複写処理が終了した排出すべ
き記録紙があることを検出する排紙センサからの出力に
基づいて実行される。ステップａ２では、複写機２１１
で所定の複写処理が終了して排出された記録紙４３の搬
入が開始される。記録紙４３は、搬送ローラ３２，３３
によって挟持されて、図１０（Ａ）に示される搬入方向
４７から搬入される。

【００６７】ステップａ３では、パドラ３４が方向４８
に回転し始める。パドラ３４は、前述したように記録紙
４３に適度な搬送速度を与え、その搬送方向下流側端部
４３ａを突出したゲート３５に当接するためのものであ
り、ローラ３４ａの表面には、たとえばゴム製の羽根３
４ｂが複数枚形成されている。

【００６８】ステップａ４では、ジョガ３７，３８が作
動する。図５を参照して、先ず、ジョガ３７，３８が互
いに離反する方向４９，５１に移動し、この状態（開放
状態）で記録紙４３が１枚だけ搬入される。記録紙４３
が搬入されると、ジョガ３７，３８が互いに近接する方
向５０，５２に移動して閉鎖状態となり、前記記録紙４
３の搬送方向に平行な端部４３ｂ，４３ｃが整合され
る。整合が終了すると、ジョガ３７，３８は再び互いに
離反する方向４９，５１に移動し、開放状態となる。

【００６９】ステップａ５では、搬入された記録紙４３
が最終紙であるか否かが判断され、最終紙である場合に
はステップａ６に移り、最終紙でない場合にはステップ
ａ３に戻る。この最終紙であるか否かの判断は、複写機
２１１の操作パネル２１６から入力された一冊の記録紙
束の枚数に基づいて行うこともできるし、複写機２１１
の原稿供給ユニット２１４が一巡センサを有する場合に
は、当該一巡センサからの出力に基づいて行うことも可
能である。なお、前記一巡センサは、原稿供給ユニット
２１４の原稿収納機構に収納された原稿の搬送が一巡し
たことを検出する。

【００７０】ステップａ６では、ジョガ３７，３８が互
いに近接する方向５０，５２に移動して閉鎖状態とな
る。図１０（Ｂ）に示されるように所定枚数の記録紙４
３が整合して保持された後、ステップａ７では、ステー
プルユニット３９，４０が作動する。すなわち、図１０
（Ｃ）に示されるように、上ステープルユニット３９が
方向５３に下降し、複数の記録紙４３を下ステープルユ
ニット４０と挟持して位置ずれしないように固定すると
ともに、ステープルを打込み、その先端部分を折曲げ
る。ステープルの打込みおよび折曲げが終了すると、上
ステープルユニット３９が方向５４に上昇する。

【００７１】ステップａ８では、ジョガ３７，３８が、
互いに離反する方向４９，５１に移動して開放状態とな
り、さらにソレノイド６２が「オン」となって励磁さ
れ、ゲート３５が方向５５に角変位して開いた状態とな
り、作成された記録紙束４４が搬出可能になる。

【００７２】ステップａ９ではプッシャ４１が作動し、
方向５７に移動する。ステップａ１０では、図１０
（Ｄ）に示されるように作成された記録紙束４４が排出
トレイ５９に搬出される。プッシャ４１によって押出さ
れる記録紙束４４の搬出方向５９は、前記搬入方向４７
と平行である。ステップａ１１では、プッシャ４１が記
録紙束４４を押出す方向５７とは反対の方向５８に移動
し、所定のホームポジションに配置される。ステップａ
１２では、ソレノイド６２が「オフ」となってゲート３
５が前記方向５５とは反対の方向５６に角変位し、再び
支持板３６の保持面から突出した閉じた状態となる。

【００７３】ステップａ１３では、記録紙束４４が最終
セット（冊）であるか否かが、すなわち所定の部数だけ
作成されたか否かが判断される。最終セットであり、所
定の部数だけ作成された場合には動作を終了し、最終セ
ットではなく、所定の部数だけ作成されていない場合に
はステップａ２に戻る。

【００７４】以上のように第１の実施例によれば、作成
した記録紙束４４を記録紙４３の搬入方向４７と平行な
搬出方向５９から搬出することができるので、搬送方向
を切換えるための複雑な搬送機構が不要となる。また、
搬入および搬出方向が平行なので、記録紙束４４が作成
領域から搬出され始めると直ちに、次の記録紙４３を搬
入することができる。このため、複写機２１１の複写処
理能力を落とすことなく、記録紙束４４を作成すること
ができ、記録紙束４４の作成効率が向上する。

【００７５】図１１は、本発明の第２の実施例であるス
テープル装置８１の構成を示す側面図である。ステープ
ル装置８１は、前記ステープル装置３１とほぼ同様にし
て構成されるけれども、ゲート３５が複数（本実施例で
は３）設けられていることを特徴とする。３つのゲート
３５ａ〜３５ｃは、上および下ステープルユニット３
９，４０が固定的に設けられ、ステープル装置８１にお
けるステープルの打込位置をＡとすると、位置Ａから記
録紙束４４が搬出される方向に距離Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３だ
け離れた位置にそれぞれ設けられる。これらの距離Ｌ１
〜Ｌ３は、図１２に示される記録紙４３の搬送方向下流
側端部４３ａと、当該記録紙４３の綴じ位置８８ａ〜８
８ｃとの距離に応じて設定される。

【００７６】図１３は、前記ステープル装置８１の電気
的構成を示すブロック図である。当該ブロック図は、図
８に示されるブロック図のゲート３５に代わってゲート
３５ａ〜３５ｃを、ソレノイド６２に代わってソレノイ
ド６２ａ〜６２ｃをそれぞれ設けたものであり、ソレノ
イド６２ａ〜６２ｃは、ゲート３５ａ〜３５ｃをそれぞ
れ駆動する。

【００７７】以下の表１は、記録紙４３の綴じ方と、ソ
レノイド６２ａ〜６２ｃのオン／オフ状態との関係を示
すものである。いわゆる右綴じを行う場合、ソレノイド
６２ａを「オフ」に、ソレノイド６２ｂ，６２ｃを「オ
ン」にする。したがって、ゲート３５ａが閉じ、ゲート
３５ｂ，３５ｃが開いた状態となり、図１２に示される
綴じ位置８８ａで記録紙４３が綴じられる。位置８８ａ
で綴じることによって右綴じを実現する場合、記録紙４
３は、記録紙４３に複写された内容が端部４３ｆ，４３
ａを上および下とした縦書きとなるように搬送される。

【００７８】また、中綴じを行う場合、ソレノイド６２
ａ，６２ｃを「オン」に、ソレノイド６２ｂを「オフ」
にする。したがって、ゲート３５ｂが閉じ、ゲート３５
ａ，３５ｃが開いた状態となり、図１２に示される綴じ
位置８８ｂで綴じられる。位置８８ｂで綴じることによ
って中綴じを実現する場合、記録紙４３は、記録紙４３
に複写された内容が端部４３ｂ，４３ｃを上および下と
した横書き、あるいは縦書きとなるように、またあるい
は反対に端部４３ｃ，４３ｂを上および下とした横書き
あるいは縦書きとなるように搬送される。

【００７９】さらに、左綴じを行う場合、ソレノイド６
２ａ，６２ｂを「オン」に、ソレノイド６２ｃを「オ
フ」にする。したがって、ゲート３５ｃが閉じ、ゲート
３５ａ，３５ｂが開いた状態となり、図１２に示される
綴じ位置８８ｃで綴じられる。位置８８ｃで綴じること
によって左綴じを実現する場合、記録紙４３は、記録紙
４３に複写された内容が端部４３ａ，４３ｆを上および
下とした横書きとなるように搬送される。

【００８０】またさらに、作成した記録紙束４４を搬出
するときには、全てのソレノイド６２ａ〜６２ｃを「オ
ン」とし、全ゲート３５ａ〜３５ｃを開いた状態とす
る。

【００８１】

【表１】

【００８２】以上のように第２の実施例によれば、記録
紙４３の搬送方向下流側端部４３ａと、綴じ位置との距
離に応じて設けられる複数のゲート３５ａ〜３５ｃの開
閉状態を制御することによって、記録紙４３の搬送方向
に平行な方向で綴じ位置を選ぶことができ、たとえば右
綴じ、中綴じおよび左綴じなどを選択的に実施すること
ができる。

【００８３】図１４は、本発明の第３の実施例であるス
テープル装置９１のステープルユニットを示す平面図で
ある。第３の実施例のステープル装置９１は、第１の実
施例のステープル装置３１とほぼ同様にして構成される
けれども、一組の上および下ステープルユニット３９，
４０が、複数組（本実施例では４組）設けられているこ
とを特徴とする。４組のステープルユニット３９ａ〜３
９ｄ，４０ａ〜４０ｄは、記録紙４３の搬送方向と直交
する方向に設定される４つのステープルユニット位置に
それぞれ設けられる。ステープルユニット位置は、たと
えば等間隔に設定される。したがって、支持板３６に
は、４組のステープルユニット３９ａ〜３９ｄ，４０ａ
〜４０ｄにそれぞれ対応して４つの窓３０ｄが形成され
る。

【００８４】図１５は、前記ステープル装置９１の電気
的構成を示すブロック図である。当該ブロック図は、図
８に示されるブロック図の上ステープルユニット３９に
代わって上ステープルユニット３９ａ〜３９ｄを、駆動
モータ６５に代わって駆動モータ６５ａ〜６５ｄをそれ
ぞれ設けたものであり、駆動モータ６５ａ〜６５ｄは、
上ステープルユニット３９ａ〜３９ｄをそれぞれ駆動す
る。

【００８５】ステープル装置９１では、複写機２１１の
操作パネル２１６から、操作者によって、所望の綴じ位
置が選択される。制御回路６８は、選択された綴じ位置
に応じたステープルユニット位置の上および下ステープ
ルユニット３９ａ〜３９ｄ，４０ａ〜４０ｄを作動する
よう駆動モータ６５ａ〜６５ｄに制御信号を与える。こ
れによって、所望の綴じ位置で記録紙４３が綴じられ
る。

【００８６】以下の表は、各種の綴じ方を実施しようと
したときに作動する上および下ステープルユニット３９
ａ〜３９ｄ，４０ａ〜４０ｄを示すものである。たとえ
ば、記録紙４３がＡ４サイズであり、コーナー綴じを実
施しようとしたときには、ステープルユニット３９ａ，
４０ａが作動する。この場合、記録紙４３は、複写され
た内容が端部４３ｃ，４３ｂを上および下とした横書き
となるように搬送される。

【００８７】また、記録紙４３がＡ４サイズであり、２
ケ所綴じを実施しようとしたときには、ステープルユニ
ット３９ｂ，４０ｂおよびステープルユニット３９ｃ，
４０ｃが作動する。この場合、記録紙４３は、複写され
た内容が端部４３ｃ，４３ｂを上および下とした横書き
となるように搬送される。

【００８８】また、記録紙４３がＡ４サイズであり、和
コーナー綴じを実施しようとしたときには、ステープル
ユニット３９ｄ，４０ｄが作動する。この場合、記録紙
４３は、複写された内容が端部４３ｂ，４３ｃを上およ
び下とした縦書きとなるように搬送される。

【００８９】さらに、記録紙４３がＡ３サイズであり、
２ケ所綴じを実施しようとしたときには、ステープルユ
ニット３９ａ，４０ａおよびステープルユニット３９
ｄ，４０ｄが作動する。この場合、記録紙４３は、複写
された内容が端部４３ｃ，４３ｂを上および下とした横
書きとなるように搬送される。

【００９０】以上のように第３の実施例によれば、複数
組設けられる上および下ステープルユニット３９ａ〜３
９ｄ，４０ａ〜４０ｄを選択的に作動することによっ
て、記録紙４３の搬送方向と直交する方向で綴じ位置を
選ぶことができる。なお、第３の実施例と第２の実施例
とを組合わせて実現することも可能である。

【００９１】

【表２】

【００９２】図１６は、本発明の第４の実施例であるス
テープル装置１１１の動作を説明するための模式図であ
る。第４の実施例のステープル装置１１１は、第１の実
施例のステープル装置３１とほぼ同様にして構成される
けれども、一組のステープルユニット３９，４０が、記
録紙４３の搬送方向と直交する方向（水平Ｘ方向）１０
９，１１０に、同期して移動可能なことを特徴とする。

【００９３】図１７は、前記ステープル装置１１１の上
および下ステープルユニット３９，４０の移動機構を示
す斜視図である。上ステープルユニット３９は、上ステ
ープル本体９２およびアンビル部９３を含んで構成され
る。アンビル部９３は、上ステープル本体９２に配置さ
れた棒状のステープルをコの字状に折曲げる。上ステー
プル本体９２には、ガイド１００が摺動する挿通孔９４
が形成され，また溝が形成されたラック１０２が取り付
けられる。

【００９４】下ステープルユニット４０は、下ステープ
ル本体９６を含んで構成される。下ステープル本体９６
には、上ステープルユニット３９が下降した際にアンビ
ル部９３と当接し、打込まれたステープルの先端部分を
折曲げるクリンチャ部９７が形成されている。また、下
ステープル本体９６には、ガイド１０１が摺動する挿通
孔９８が形成され、さらに溝が形成されたラック１０３
が取り付けられる。

【００９５】ガイド１００，１０１は、記録紙４３の搬
送方向と直交する方向に配置される。ギア１０４の溝と
前記ラック１０２の溝とがかみ合い、ギア１０５の溝と
前記ラック１０３の溝とがかみ合い、またギア１０４の
溝とギア１０５の溝とがかみ合うようにして配置され
る。ギア１０５は、たとえばパルスモータで実現される
駆動モータ１０６によって、方向１０７，１０８に回転
可能である。駆動モータ１０６を駆動してギア１０５を
方向１０７，１０８に回転することによって、ラック１
０２，１０３を同期して、方向１０９，１１０にそれぞ
れ移動することができる。これによって上および下ステ
ープルユニット３９，４０も同期して方向１０９，１１
０に移動する。

【００９６】なお、支持板３６には、ステープルユニッ
ト３９，４０が移動する方向１０９，１１０に対応し
て、当該方向１０９，１１０に連通する１つの窓３０ｄ
が形成される。またあるいはステープルユニット３９，
４０を停止し、ステープル動作を行う位置にのみ窓を形
成してもかまわない。

【００９７】図１８は、ステープル装置１１１の電気的
構成を示すブロック図である。図示されるブロック図
は、図８に示されるブロック図に下ステープルユニット
４０と駆動モータ１０６とを追加したものである。駆動
モータ１０６は、上述したようにして上および下ステー
プルユニット３９，４０を方向（水平Ｘ方向）１０９，
１１０に移動する。

【００９８】ステープル装置１１１では、複写機２１１
の操作パネル２１６から、操作者によって、所望の綴じ
位置が選択される。綴じ位置は、記録紙４３の搬送方向
下流側端部４３ａに沿った複数の綴じ位置の中から選ば
れる。制御回路６８は、選択された綴じ位置に応じたス
テープルユニット位置に上および下ステープルユニット
３９，４０が配置されるよう、駆動モータ１０６に制御
信号を与える。たとえば所定のパルス数を与える。上お
よび下ステープルユニット３９，４０は選択されたステ
ープルユニット位置まで移動し、当該ステープルユニッ
ト位置で作動する。すなわちステープルユニット位置
は、記録紙４３の搬送方向と直交する方向に、前記複数
の綴じ位置に対応して設定される。これによって所望の
綴じ位置で記録紙４３が綴じられる。このような動作を
繰り返すことによって、複数の位置で記録紙４３を綴じ
ることができる。

【００９９】なお、本実施例では、上および下ステープ
ルユニット３９，４０は、通常、後述するようにして複
数のステープルユニット位置の中から選ばれる第１ポジ
ションであるホームポジション（ＨＰ）に配置される。

【０１００】図１９は、前記ステープル装置１１１の動
作を示すフローチャートである。このフローチャート
は、記録紙４３中の２ケ所を綴じることを基準としたフ
ローチャートである。先ず、複写機２１１の操作パネル
２１６から１冊の記録紙束４４の枚数、および部数が入
力され、また綴じ位置が選択される。

【０１０１】ステップｂ１では、上および下ステープル
ユニット３９，４０がＨＰに配置される。ＨＰは、たと
えば１ケ所綴じを実施する際に頻繁に選ばれる綴じ位置
に対応したステープルユニット位置に設定される。続い
て、前述したステップａ１〜ステップａ６と同様の動作
が行われ、ステップｂ２ではステープル動作の開始を指
示するステープル信号が、駆動モータ６５に与えられ
る。ステップｂ３では、ＨＰで上および下ステープルユ
ニット３９，４０が作動する。ステープル動作が終了す
るとステップｂ４に移り、選択された綴じ位置に対応し
た複数のステープルユニット位置の中から選ばれる第２
ポジションまで、上および下ステープルユニット３９，
４０を移動するために、駆動モータ１０６が所定のパル
ス数だけ方向１０７に駆動される。

【０１０２】ステップｂ５では、上および下ステープル
ユニット３９，４０が第２ポジションに配置される。ス
テップｂ６では、前記ステップｂ３と同様にして、第２
ポジションで上および下ステープルユニット３９，４０
が作動する。ステップｂ７では、２ケ所綴じを行うステ
ープル動作が完了したことを表す完了信号が出力され
る。

【０１０３】ステップｂ８では、ジョブが終了したか否
かが判断される。すなわち、所定の部数だけ記録紙束４
４が作成されたか否かが判断される。ジョブが終了し
た、すなわち、所定の部数だけ記録紙束４４が作成され
たと判断されると、ステップｂ９に移り、上および下ス
テープルユニット３９，４０をＨＰに戻すために、駆動
モータ１０６が所定のパルス数だけ方向１０８に駆動さ
れる。ステップｂ９の動作が終了すると、ステップｂ１
に戻る。また、ステップｂ８で、ジョブが終了していな
い、すなわち所定の部数だけ記録紙束４４が作成されて
いないと判断されると、ステップｂ１０に移る。

【０１０４】ステップｂ１０では、前記ステップａ１〜
ステップａ６と同様の動作が行われた後、ステープル動
作の開始を指示するステープル信号が入力される。ステ
ップｂ１１では、上および下ステープルユニット３９，
４０が第２ポジションで作動する。ステップｂ１２で
は、上および下ステープルユニット３９，４０をＨＰに
戻すために、駆動モータ１０６が所定のパルス数だけ方
向１０８に駆動される。ステップｂ１３では、前記ステ
ップｂ１１と同様にして、ＨＰで上および下ステープル
ユニット３９，４０が作動する。ステップｂ１３の動作
が終了すると、ステップｂ１に戻る。

【０１０５】以上のように第４の実施例によれば、上お
よび下ステープルユニット３９，４０が同期して移動可
能なので、記録紙４３の搬送方向と直交する方向で綴じ
位置を選ぶことができる。また、１組のステープルユニ
ット３９，４０は一般的な移動機構で同期して移動でき
るので、ステープル装置１１１に対する製造コストが安
価となる。ＨＰ、第２ポジション、第２ポジション、Ｈ
Ｐの繰り返しで記録紙束４４を作成してゆくので、Ｈ
Ｐ、第２ポジション、ＨＰ、第２ポジションの繰り返し
で作成してゆくのと比べると、上および下ステープルユ
ニット３９，４０の移動量が少なく、ラック１０２，１
０３や、ギア１０４，１０５の溝の摩耗を少なくするこ
とができ、上および下ステープルユニット３９，４０の
上下の位置ずれなどの発生を低減することができる。ま
たさらに、ステープルの補充は１つの上ステープルユニ
ット３９に対してでよく、操作性が向上する。

【０１０６】なお、第４の実施例と第２の実施例とを組
み合わせて実施することも可能である。

【０１０７】図２０は、本発明の第５の実施例であるス
テープル装置１２１の上ステープルユニット３９の移動
機構を示す斜視図である。第５の実施例のステープル装
置１２１は、第１の実施例のステープル装置３１とほぼ
同様にして構成されるけれども、上ステープルユニット
３９のみが、前記方向１０９，１１０に移動可能で、記
録紙４３の搬送方向と直交する方向に設定される複数
（本実施例では２）のポジションに下ステープルユニッ
ト４０ｅ，４０ｆがそれぞれ設けられることを特徴とす
る。

【０１０８】上ステープルユニット３９は、第４の実施
例と同様に上ステープル本体９２およびアンビル部９３
を含んで構成され、上ステープル本体９２には、ガイド
１００が摺動する挿通孔９４、およびリードスクリュ１
１３が摺動する溝を有する挿通孔１１２が形成されてい
る。リードスクリュ１１３は、たとえばＤＣ（直流）モ
ータで実現される駆動モータ１１４によって方向１１
５，１１６に回転する。駆動モータ１１４を駆動してリ
ードスクリュ１１３を方向１１５，１１６に回転するこ
とによって、上ステープルユニット３９を方向１０９，
１１０に移動することができる。

【０１０９】また、前記上ステープル本体９２には、た
とえば発光素子と受光素子とを有する位置検出センサ１
１７が取り付けられる。また、前記２つの下ステープル
ユニット４０ｅ，４０ｆが設けられるポジションに対応
したステープルユニット位置には、センサプレート１１
８，１１９がそれぞれ取り付けられる。位置検出センサ
１１７は、発光素子と受光素子との間にセンサプレート
１１８，１１９があるかないかによって、上ステープル
ユニット３９が前記ステープルユニット位置に配置され
たかどうかを検出する。

【０１１０】下ステープルユニット４０ｅ，４０ｆは、
前述したのと同様のクリンチャ部９７が形成された下ス
テープル本体１２０をそれぞれ有する。一方の下ステー
プルユニット４０ｅは、ホームポジション（ＨＰ）、す
なわち第１ポジションに配置され、他方の下ステープル
ユニット４０ｆは、第２ポジションに配置される。ＨＰ
としては、たとえば１ケ所綴じを実施する場合に頻繁に
選ばれる綴じ位置に対応したステープルユニット位置が
選ばれる。第２ポジションは、記録紙４３の大きさによ
って選ばれる。

【０１１１】なお、支持板３６には、下ステープルユニ
ット４０ｅ，４０ｆが設けられる位置にそれぞれ対応し
て、２つの窓３０ｄが形成される。またあるいは、下ス
テープルユニット４０ｅ，４０ｆが設けられる位置に対
応し、連通する１つの窓３０ｄを形成してもかまわな
い。

【０１１２】図２１は、ステープル装置１２１の電気的
構成を示すブロック図である。図示されるブロック図
は、図８に示されるブロック図に駆動モータ１１４を追
加したものである。駆動モータ１１４は、上述したよう
にして上ステープルユニット３９を方向１０９，１１０
（水平Ｘ方向）に移動する。本実施例では、下ステープ
ルユニット４０ｅ，４０ｆの位置が固定されるので、操
作者は、複写機２１１の操作パネル２１６から所望の綴
じ位置を選択する必要はない。

【０１１３】制御回路６８は、駆動モータ１１４に制御
信号を与え、上ステープルユニット３９を移動する。位
置検出センサ１１７が「オン」となると、制御回路６８
は、上ステープルユニット３９が所定のポジションまで
移動したと判断し、当該制御回路６８は、上ステープル
ユニット３９が配置されたポジションの下ステープルユ
ニット４０ｅ，４０ｆと、移動した上ステープルユニッ
ト３９とを作動する。これによって所定の綴じ位置で記
録紙４３が綴じられる。このような動作を繰り返すこと
によって、複数の位置で記録紙４３を綴じることができ
る。なお、本実施例では、上ステープルユニット３９
は、通常、ＨＰに配置される。

【０１１４】図２２は、前記ステープル装置１２１の動
作を示すフローチャートである。まず、１冊の記録紙束
４４の枚数や部数が入力される。また本実施例は下ステ
ープルユニット４０ｅ，４０ｆが配置される２つのポジ
ションに対応した綴じ位置で記録紙４３が綴じられるの
で、２ケ所綴じを行う場合には綴じ位置を選択する必要
はないけれども、いずれか一方の綴じ位置を選択して１
ケ所綴じを行うことも可能である。

【０１１５】ステップｃ１では、上ステープルユニット
３９がＨＰに配置される。続いて、前述したステップａ
１〜ステップａ６と同様の動作が行われて、ステップｃ
２ではステープル信号が入力される。ステップｃ３で
は、ＨＰに配置された上ステープルユニット３９と下ス
テープルユニット４０ｅとが作動する。ステップｃ４で
は、駆動モータ１１４が方向１１５に回転する。

【０１１６】ステップｃ５では、位置検出センサ１１７
がセンサプレート１１９を検出したか否かが判断され
る。検出した場合には、ステップｃ６に移り、検出しな
い場合にはステップｃ４に戻る。ステップｃ６では、駆
動モータ１１４の回転が停止する。ステップｃ７では、
第２ポジションに配置された上ステープルユニット３９
と、下ステープルユニット４０ｆとが作動する。

【０１１７】ステップｃ８ではジョブが終了したか否か
が判断され、終了した場合にはステップｃ１５に移り、
駆動モータ１１４を方向１１６に回転させる。ステップ
ｃ１６では、位置検出センサ１１７がセンサプレート１
１８を検出したか否かが判断される。検出した場合には
ステップｃ１７に移り、検出しない場合にはステップｃ
１５に戻る。ステップｃ１７では、駆動モータ１１４の
回転が停止される。

【０１１８】前記ステップｃ８でジョブが終了していな
いと判断されたステップｃ９では、ステープル信号が入
力される。ステップｃ１０では、第２ポジションに配置
された上ステープルユニット３９と、下ステープルユニ
ット４０ｆとが作動する。ステップｃ１１では、駆動モ
ータ１１４が方向１１６に回転する。ステップｃ１２で
は、位置検出センサ１１７がセンサプレート１１８を検
出したか否かが判断される。検出した場合にはステップ
ｃ１３に移り、検出しない場合にはステップｃ１１に戻
る。ステップｃ１３では、駆動モータ１１４の回転が停
止する。ステップｃ１４では、ＨＰに配置された上ステ
ープルユニット３９と、下ステープルユニット４０ｅと
が作動する。

【０１１９】以上のように第５の実施例によれば、上ス
テープルユニット３９が移動可能であり、２つの下ステ
ープルユニット４０ｅ，４０ｆが設けられるので、記録
紙４３の搬送方向と直交する２つの位置で、記録紙４３
を綴じることができる。下ステープルユニットの数を増
すことによってさらに複数の位置で綴じることができ
る。

【０１２０】また、本実施例の上ステープルユニット３
９の移動順序によれば、第４の実施例と同様に、溝を有
する挿通孔１１２およびリードスクリュ１１３の摩耗を
少なくすることができ、上および下ステープルユニット
３９，４０ｅ，４０ｆの上下の位置ずれの発生を低減す
ることができる。さらに、ステープルの補充は１つの上
ステープルユニット３９に対してでよく、操作性が向上
する。

【０１２１】なお、第５の実施例を第２の実施例と組み
合わせて実施することも可能である。

【０１２２】図２３は、本発明の第６の実施例であるス
テープル装置１３２の下ステープルユニット４０の移動
機構を示す斜視図である。第６の実施例のステープル装
置１３２は、第５の実施例のステープル装置１２１とは
反対に、下ステープルユニット４０が前記方向１０９，
１１０に移動し、記録紙４３の搬送方向と直交する方向
に設定される複数（本実施例では２）のポジションに上
ステープルユニット３９ｅ，３９ｆがそれぞれ設けられ
ることを特徴とする。

【０１２３】下ステープルユニット４０は、第４の実施
例と同様にクリンチャ部９７が形成された下ステープル
本体９６を含んで構成され、下ステープル本体９６に
は、ガイド１０１が摺動する挿通孔９８が形成される。
たとえばＤＣモータで実現される駆動モータ１２５を方
向１２６，１２７に回転することによって、駆動側の滑
車１２２も同一な方向に回転する。滑車１２２と従動側
の滑車１２３とには、ワイヤ１２４が巻き付けられてい
る。ワイヤ１２４には、前記下ステープルユニット４０
の下ステープル本体９６が固定的に取り付けられてい
る。したがって、駆動モータ１２５を駆動して滑車１２
２を方向１２６，１２７に回転することによって、下ス
テープルユニット４０を方向１０９，１１０に移動する
ことができる。

【０１２４】また、下ステープル本体９６には、たとえ
ば受光素子で実現される位置検出センサ１２８が取り付
けられる。

【０１２５】上ステープルユニット３９ｅ，３９ｆは、
上ステープル本体１３１および前述したのと同様のアン
ビル部９３をそれぞれ有する。また、上ステープル本体
１３１には、発光素子１２９，１３０がそれぞれ取り付
けられる。一方の上ステープルユニット３９ｅは、前記
第５の実施例と同様にして設定されるホームポジショ
ン、すなわち第１ポジションに配置され、他方の上ステ
ープルユニット３９ｆは第２ポジションに配置される。
前記下ステープル本体９６に取り付けられた位置検出セ
ンサ１２８は、発光素子１２９，１３０からの光を受光
して、下ステープルユニット４０が前記ポジションに配
置されたことを検出する。

【０１２６】なお、支持板３６には、上ステープルユニ
ット３９ｅ，３９ｆが設けられる位置にそれぞれ対応し
て、２つの窓３０ｄが形成される。またあるいは、上ス
テープルユニット３９ｅ，３９ｆが設けられる位置に対
応し、連通する１つの窓３０ｄを設けてもかまわない。

【０１２７】図２４は、ステープル装置１３２の電気的
構成を示すブロック図である。図示されるブロック図
は、図８に示されるブロック図の上ステープルユニット
３９を上ステープルユニット３９ｅ，３９ｆとし、さら
に下ステープルユニット４０と駆動モータ１２５とを追
加したものである。駆動モータ１２５は、上述したよう
にして下ステープルユニット４０を方向１０９，１１０
（水平Ｘ方向）に移動する。なお、本実施例では、上ス
テープルユニット３９ｅ，３９ｆの位置が固定されるの
で、２ケ所綴じを行う場合には操作者は複写機２１１の
操作パネル２１６から所望の綴じ位置を選択する必要は
ない。また、いずれか一方のポジションに下ステープル
ユニット４０を配置するために綴じ位置を選択してもよ
い。これによって１ケ所綴じを行うことができる。

【０１２８】制御回路６８は、駆動モータ１２５に制御
信号を与えて、下ステープルユニット４０を移動する。
位置検出センサ１２８が「オン」となると、制御回路６
８は所定のステープルユニット位置に下ステープルユニ
ット４０が配置されたと判断し、当該制御回路６８は、
対応した上ステープルユニット３９ｅ，３９ｆと、移動
した下ステープルユニット４０とを作動する。これによ
って所定の綴じ位置で記録紙４３が綴じられる。このよ
うな動作を繰り返すことによって、複数の位置で記録紙
４３を綴じることができる。

【０１２９】図２５は、前記ステープル装置１３２の動
作を示すフローチャートである。先ず、複写機２１１の
操作パネル２１６から１冊の記録紙束４４の枚数および
部数が入力される。

【０１３０】ステップｄ１では、下ステープルユニット
４０がＨＰに配置される。前記ステップａ１〜ステップ
ａ６と同様の動作が行われたステップｄ２では、ステー
プル信号が入力される。ステップｄ３では、ＨＰに配置
される上ステープルユニット３９ｅと、下ステープルユ
ニット４０とが作動する。ステップｄ４では、駆動モー
タ１２５が方向１２６に回転する。

【０１３１】ステップｄ５では、位置検出センサ１２８
が発光素子１３０からの光を受光したか否かが判断され
る。光を受光し、下ステープルユニット４０が第２ポジ
ションに配置されたと判断した場合にはステップｄ６に
移り、光を受光しておらず、下ステープルユニット４０
が第２ポジションに配置されていないと判断された場合
にはステップｄ４に戻る。ステップｄ６では、駆動モー
タ１２５が停止する。ステップｄ７では、第２ポジショ
ンに配置される上ステープルユニット３９ｆと、下ステ
ープルユニット４０とが作動する。

【０１３２】ステップｄ８では、ジョブが終了したか否
かが判断される。終了した場合には、ステップｄ１５に
移る。ステップｄ１５では、駆動モータ１２５が方向１
２７に回転し、下ステープルユニット４０が方向１１０
に移動する。ステップｄ１６では、位置検出センサ１２
８が発光素子１２９からの光を受光したか否かが判断さ
れる。すなわち、下ステープルユニット４０が、ＨＰに
配置されたか否かが判断される。受光したと判断される
とステップｄ１７に移り、駆動モータ１２５を停止す
る。受光していないと判断すると、ステップｄ１５に戻
る。

【０１３３】前記ステップｄ８でジョブが終了していな
いと判断されると、ステップｄ９でステープル信号が入
力され、ステップｄ１０で第２ポジションに配置される
上ステープルユニット３９ｆと、下ステープルユニット
４０とが作動する。ステップｄ１１では、駆動モータ１
２５が方向１２７に回転し、下ステープルユニット４０
が方向１１０に移動する。ステップｄ１２では、位置検
出センサ１２８が発光素子１２９からの光を受光したか
否かが判断される。受光したと判断されるとステップｄ
１３に移り、受光していないと判断されるとステップｄ
１１に戻る。ステップｄ１３では、駆動モータ１２５が
停止する。ステップｄ１４では、ＨＰに配置される上ス
テープルユニット３９ｅと、下ステープルユニット４０
とが作動する。

【０１３４】以上のように第６の実施例によれば、下ス
テープルユニット４０が移動可能であり、２つの上ステ
ープルユニット３９ｅ，３９ｆが設けられるので、記録
紙４３の搬送方向と直交する２つの位置で記録紙４３を
綴じることができる。上ステープルユニットの数を増す
ことによってさらに複数の位置で綴じることができる。
また第６の実施例は、上ステープルユニット３９よりも
軽い下ステープルユニット４０を移動するので、慣性力
が小さく、駆動力が少なくて済み、消費電力の低減が達
成できる。

【０１３５】なお、第６の実施例と第２の実施例とを組
み合わせて実施することも可能である。

【０１３６】図２６は、本発明の第７の実施例であるス
テープル装置１６０の動作を説明するための模式図であ
る。第７の実施例のステープル装置１６０は、第１の実
施例のステープル装置３１とほぼ同様にして構成される
けれども、ジョガ３７，３８が同一方向に移動すること
を特徴とする。

【０１３７】ジョガ３７，３８は、前述したように互い
に離反する方向４９，５１および近接する方向５０，５
２に移動可能であり、支持板３６に保持された記録紙４
３の端部４３ｂ，４３ｃをそれぞれ整合する。また、本
実施例のジョガ３７，３８は、図２６（Ａ）に示される
第１ポジションで記録紙４３を整合し、当該第１ポジシ
ョンでのステープル動作が終了すると、当該ジョガ３
７，３８は同一の方向１５２に移動し、第２ポジション
に配置される。ジョガ３７，３８が移動することによっ
て、支持板３６に保持された記録紙４３も移動する。当
該第２ポジションでのステープル動作が終了すると、作
成された記録紙束４４が搬出方向５９から搬出される。
記録紙束４４が搬出されると、ジョガ３７，３８は前記
方向１５２とは反対の方向１５１に移動する。

【０１３８】図２７は、前記ステープル装置１６０のジ
ョガ３７，３８の移動機構を示す斜視図である。ジョガ
３７，３８は、ガイド１４５が摺動する挿通孔１４１，
１４３をそれぞれ有する。ガイド１４５は、記録紙４３
の搬送方向と直交する方向に配置される。また、ジョガ
３７，３８は突出片１４２，１４４をそれぞれ有する。

【０１３９】たとえばステッピングモータで実現される
駆動モータ６３を方向１４９，１５０に回転することに
よって、駆動側の滑車１４６も同様の方向に回転する。
滑車１４６と従動側の滑車１４７とには、ワイヤ１４８
が巻き付けられている。ワイヤ１４８には、ジョガ３７
の突出片１４２が固定的に取り付けられている。したが
って、駆動モータ６３を駆動して滑車１４６を回転する
ことによって、ジョガ３７が方向１５１，１５２に移動
する。

【０１４０】ジョガ３８についても同様である。すなわ
ち、たとえばステッピングモータで実現される駆動モー
タ６４を方向１５６，１５７に回転することによって、
駆動側の滑車１５３も同様の方向に回転する。滑車１５
３と従動側の滑車１５４とには、ワイヤ１５５が巻き付
けられている。ワイヤ１５５には、ジョガ３８の突出片
１４４が固定的に取り付けられている。したがって、駆
動モータ６４を駆動して滑車１５３を回転することによ
って、ジョガ３８が方向１５１，１５２に移動する。

【０１４１】ホームポジション（ＨＰ）センサ１５８
は、ジョガ３７の第１ポジションに対応した位置に配置
され、ジョガ３７が第１ポジションに配置されたことを
検出し、ホームポジション（ＨＰ）センサ１５９は、ジ
ョガ３８の第１ポジションに対応した位置に配置され、
ジョガ３８が第１ポジションに配置されたことを検出す
る。

【０１４２】図２８は、前記ステープル装置１６０の電
気的構成を示すブロック図である。当該ブロック図は、
図８に示されるブロック図にＨＰセンサ１５８，１５９
を追加したものである。制御回路６８は、操作者によっ
て複写機２１１の操作パネル２１６から選択された綴じ
位置に応じて、駆動モータ６３，６４に制御信号を与
え、ジョガ３７，３８を移動する。すなわち制御回路６
８は、ジョガ３７，３８を、整合時には互いに離反する
方向および近接する方向に移動するように駆動モータを
制御し、記録紙４３の移動時には同一の方向１５１，１
５２に移動するように駆動モータ６３，６４を制御す
る。ジョガ３７，３８がそれぞれの第１ポジションに配
置されたことは、前記ＨＰセンサ１５８，１５９が「オ
ン」となることによって検出される。

【０１４３】なお、本実施例では、通常、ジョガ３７，
３８は第１ポジションに配置され、当該位置で記録紙４
３を整合した後、ステープル動作が行われる。また、本
実施例では、２つのポジションでステープル動作を行っ
て、２ケ所綴じを行っているけれども、ジョガ３７，３
８を更に細かく移動することによって、３以上のポジシ
ョンでステープル動作を行って綴じることも可能であ
る。

【０１４４】図２９は、ジョガ３７，３８による記録紙
４３の整合動作を示すフローチャートである。ステップ
ｅ１では、記録紙４３が１枚だけ搬入され、制御回路６
８からジョガ３７，３８を閉じることを表す制御信号が
出力される。ステップｅ２では、駆動モータ６３，６４
が所定のパルス数だけ駆動する。駆動モータ６３は方向
１４９に、駆動モータ６４は方向１５７にそれぞれ回転
する。ステップｅ３では、ジョガ３７，３８同士の間隔
と、記録紙４３の端部４３ｂ，４３ｃの幅とが等しくな
った時点で駆動モータ６３，６４が停止する。これによ
って前記端部４３ｂ，４３ｃが整合される。

【０１４５】ステップｅ４では、制御回路６８からジョ
ガ３７，３８を開くことを表す制御信号が出力される。
ステップｅ５では、駆動モータ６３，６４が所定のパル
ス数だけ駆動する。駆動モータ６３は、方向１５０に、
駆動モータ６４は方向１５６にそれぞれ回転する。ステ
ップｅ６では、ＨＰセンサ１５８，１５９が「オン」と
なった時点で、駆動モータ６３，６４が停止する。

【０１４６】図３０は、前記ジョガ３７，３８の同一方
向への移動動作を示すフローチャートである。ステップ
ｆ１では、制御回路６８からジョガ３７，３８を閉じる
ことを表す制御信号が出力される。ステップｆ２では、
前記ステップｅ２，ｅ３と同様の動作を行った後、ステ
ープルユニット３９，４０が作動する。このとき、ジョ
ガ３７，３８は、前述した第１ポジションに配置され
る。ステップｆ３では、駆動モータ６３，６４が所定の
パルス数だけ駆動する。ここでは、駆動モータ６３，６
４が共に同一の方向１５０，１５７に回転する。これに
よって、ジョガ３７，３８は、前述した第２ポジション
に配置される。

【０１４７】ステップｆ４では、ステープルユニット３
９，４０が作動する。ステップｆ５では、制御回路６８
からジョガ３７，３８を開くことを表す制御信号が出力
される。ステップｆ６では、前述したプッシャ４１が作
動し、作成された記録紙束４４が搬出方向５９に搬出さ
れる。記録紙束４４の搬出が終了するとステップｆ７に
移り、駆動モータ６３，６４が所定のパルス数だけ駆動
する。駆動モータ６３，６４は、共に同一の方向１４
９，１５６に回転する。ステップｆ８では、各駆動モー
タ６３，６４が、ＨＰセンサ５８，５９が「オン」とな
った時点で停止する。

【０１４８】以上のように第７の実施例によれば、上お
よび下ステープルユニット３９，４０は固定的に設けら
れ、ジョガ３７，３８が移動することによって記録紙４
３が搬送方向と直交する方向に移動可能である。したが
って、ジョガ３７，３８の移動量を制御するのみで、第
３〜第６の実施例を実現することができ、構成が容易と
なってステープル装置に対する製造コストが安価とな
る。また、ステープルユニット３９，４０を移動させる
場合、移動毎の上下の位置合わせを、たとえば１／１０
ｍｍ程度の精度で行わなければならないけれども、本実
施例の場合、ステープルユニット３９，４０を移動させ
ないので、前記位置合わせの精度は問題とならない。ま
た、本実施例の場合、記録紙４３の綴じ位置は、複数の
記録紙束４４において、たとえば１ｍｍ程度ずれても構
わない。

【０１４９】図３１は、本発明の第８の実施例であるス
テープル装置の動作を説明するための模式図である。第
８の実施例のステープル装置は、第７の実施例のステー
プル装置１６０と同様にして構成され、作成された記録
紙束４４の搬出時において、ジョガ３７，３８が同一方
向に移動することを特徴とする。

【０１５０】たとえば、偶数番目の記録紙束４４を搬出
するときには、図３１（Ａ）に示される第１ポジション
にジョガ３７，３８が配置され、当該記録紙束４４が搬
出される。また、奇数番目の記録紙束４４を搬出すると
きには、図３１（Ｂ）に示される第２ポジションにジョ
ガ３７，３８が配置され、当該記録紙束４４が搬出され
る。したがって、ジョガ３７，３８は第７の実施例と同
様に方向１５１，１５２に移動する。移動機構は、たと
えば第７の実施例と同様にして実現される。

【０１５１】このようにして記録紙束４４を搬出する
と、排出トレイ４２上の記録紙束４４は、図３１（Ｃ）
に示されるように、前後の記録紙束４４において互いの
綴じ位置が重なることはない。なお、第８の実施例の第
２ポジションと第７の実施例の第２ポジションとは、同
じ位置に選ぶ必要はない。

【０１５２】図３２は、前記第８の実施例のステープル
装置の動作を示すフローチャートである。ステップｇ１
では、たとえば計測回路７０のカウンタのカウント値ｎ
が１となる。ステップｇ２では記録紙４３が搬入され、
整合されて支持板３６に保持される。ステップｇ３で
は、１冊分の記録紙４３の搬入が終了する。ステップｇ
４では、ジョガ３７，３８が閉じた状態となる。ステッ
プｇ５では、ステープルユニット３９，４０が作動し、
記録紙束４４が作成される。

【０１５３】ステップｇ６では、カウント値ｎが偶数で
あるか否かが判断され、偶数である場合にはステップｇ
７に移り、駆動モータ６３，６４が所定のパルス数だけ
駆動する。駆動モータ６３，６４は、ともに同一の方向
１５０，１５７に回転する。ステップｇ８では、ジョガ
３７，３８が開き、ステップｇ９では作成された記録紙
束４４が搬出される。ステップｇ１０では、駆動モータ
６３，６４が所定のパルス数だけ駆動する。駆動モータ
６３，６４は、ともに同一の方向１４９，１５６に回転
する。ステップｇ１１では、カウンタのカウント値ｎが
ｎ＋１とされ、前記ステップｇ２に戻る。

【０１５４】前記ステップｇ６でカウント値ｎが偶数で
ないと判断された場合には、ステップｇ１２に移り、ジ
ョガ３７，３８が開く。ステップｇ１３では、作成され
た記録紙束４４が搬出されて、前記ステップｇ１１に移
る。

【０１５５】以上のように第８の実施例によれば、作成
された記録紙束４４は、綴じ位置が前後の記録紙束４４
で重ならないようにして搬出される。したがって、ステ
ープルが引掛かるなどによって搬出が滞ることはない。
また、従来から、このような搬出動作を行うためには、
作成された記録紙束４４の搬出方向とは直交する方向に
排出トレイが移動可能な構造を有する専用のオフセット
トレイが用いられたけれども、当該オフセットトレイ
は、搬出された記録紙束を保持し、たとえば５００枚〜
１０００枚程度の記録紙（重さは約１０ｋｇ以上）を保
持する排出トレイを移動させるためのモータや複雑な移
動機構が必要であり、また前記モータを駆動するための
比較的大きな電力が必要である。このため高価となる。
しかしながら、本実施例では、ジョガ３７，３８の移動
を制御することによって上述の動作を行う。したがっ
て、高価な専用のオフセットトレイを用いることなく、
安価に搬出動作を実現することができる。

【０１５６】図３３は、本発明の第９の実施例であるス
テープル装置１７３の動作を説明するための模式図であ
る。第９の実施例のステープル装置１７３は、記録紙４
３の搬送方向と直交する方向に複数組（本実施例では２
組）の上および下ステープルユニット３９ｇ，４０ｇ；
３９ｈ，４０ｈが配置され、２組のステープルユニット
が同期して、搬送方向と平行に移動することを特徴とす
る。

【０１５７】２組のステープルユニット３９ｇ，４０
ｇ；３９ｈ，４０ｈは、図３３（Ａ）に示される第１ポ
ジションに配置され、２箇所綴じを行う場合には、当該
位置でステープル動作を行う。また、中綴じを行う場合
には、記録紙４３の搬送方向と平行に移動して図３３
（Ｂ）に示される第２ポジションに配置され、当該位置
でステープル動作を行う。

【０１５８】図３４は、前記ステープルユニット３９
ｇ，４０ｇ；３９ｈ，４０ｈの移動機構を示す斜視図で
ある。２組のステープルユニット３９ｇ，４０ｇ；３９
ｈ，４０ｈは、共に取付板１６１に固定的に取り付けら
れる。取付板１６１には、上および下ステープルユニッ
トの間に記録紙４３が挿通するための窓１６２が形成さ
れている。また、当該取付板１６１には、ガイド１６４
が摺動する挿通孔１６３が形成されている。ガイド１６
４は、記録紙４３の搬送方向と平行に配置される。

【０１５９】駆動モータ１６５を方向１６９，１７０に
回転することによって、駆動側の滑車１６６も同様の方
向に回転する。滑車１６６と従動側の滑車１６７とに
は、ワイヤ１６８が巻き付けられている。ワイヤ１６８
には、取付板１６１が固定的に取り付けられている。し
たがって、駆動モータ１６５を駆動して滑車１６６を回
転させることによって、取付板１６１と共に２組のステ
ープルユニット３９ｇ，４０ｇ；３９ｈ，４０ｈが同期
して方向１７１，１７２に移動する。

【０１６０】なお、支持板３６には、２組のステープル
ユニット３９ｇ，４０ｇ；３９ｈ，４０ｈが配置される
位置にそれぞれ対応して２つの窓３０ｄが形成され、当
該窓３０ｄはステープルユニットの移動する方向に連通
して形成される。またあるいは、第１ポジションおよび
第２ポジションにそれぞれ窓３０ｄを形成してもよい。
すなわち窓３０ｄを４個設けてもよい。

【０１６１】図３５は、前記ステープル装置１７３の電
気的構成を示すブロック図である。図示されるブロック
図は、図７に示されるブロック図の上ステープルユニッ
ト３９を上ステープルユニット３９ｇ，３９ｈとし、下
ステープルユニット４０ｇ，４０ｈと、駆動モータ１６
５とを追加したものである。

【０１６２】制御回路６８は、操作者によって複写機２
１１の操作パネル２１６から選択された綴じ位置に応じ
て、たとえばパルスモータで実現される駆動モータ１６
５に制御信号を与える。たとえば所定のパルス数を与
え、上および下ステープルユニット３９ｇ，４０ｇ；３
９ｈ，４０ｈを方向１７１，１７２に移動する。

【０１６３】以上のように第９の実施例によれば、１組
のステープルユニットは記録紙４３の搬送方向と平行な
方向の複数の位置で、当該記録紙４３を綴じることがで
きる。本実施例では、搬送方向と直交する方向に２組み
のステープルユニット３９ｇ，４０ｇ；３９ｈ，４０ｈ
を設けているけれども、さらに複数組のステープルユニ
ットを設けることによって、搬送方向と直交する方向の
さらに複数の位置で綴じることも可能である。

【０１６４】また、ステープルユニットを同期して移動
する移動機構を、前記第４の実施例のように、ギア１０
４，１０５や、ラック１０２，１０３など、多数の部品
を組合わせることなく、簡単な移動機構で実現すること
ができ、ステープルユニット付近をコンパクトに作成す
ることができる。

【０１６５】図３６は、本発明の第１０の実施例である
ステープル装置２０３の動作を説明するための模式図で
ある。第１０の実施例のステープル装置２０３は、１組
の上および下ステープルユニット３９，４０が同期し
て、記録紙４３の搬送方向と平行な方向および直交する
方向に移動することを特徴とする。

【０１６６】１組のステープルユニット３９，４０は、
図３６（Ａ）に示される第１のＸ，Ｙ方向ポジションに
配置され、コーナ綴じを行う場合には、当該位置でステ
ープル動作を行い、作成された記録紙束４４が搬出され
る。中綴じを行う場合には、Ｘ方向のポジションはその
ままで、Ｙ方向が第２Ｙ方向ポジションとされ、当該位
置でステープル動作を行う。さらに、Ｙ方向のポジショ
ンはそのままで、Ｘ方向が第２Ｘ方向ポジションとさ
れ、当該位置でステープル動作を行う。２つのポジショ
ンでのステープル動作が終了すると、作成された記録紙
束４４は搬出され、ステープルユニット３９，４０は再
び第１のＸ，Ｙ方向ポジションに配置される。

【０１６７】図３７は、前記ステープルユニット３９，
４０の移動機構を示す斜視図である。上および下ステー
プルユニット３９，４０のステープル本体には、ガイド
１７５，１７８が摺動する挿通孔１７４，１７７がそれ
ぞれ形成されている。ガイド１７５，１７８は記録紙４
３の搬送方向と直交する方向に配置される。前記上およ
び下ステープルユニット３９，４０とガイド１７５，１
７８とは、取付板１７６に取り付けられている。取付板
１７６には、記録紙４３が挿通する窓１７９が形成され
ている。

【０１６８】駆動モータ１８０を方向１８９，１９０に
回転することによって、駆動側の滑車１８１も同様な方
向に回転する。滑車１８１と、取付板１７６の表面に沿
って配置される複数（本実施例では７）の従動側の滑車
１８２〜１８８とには、ワイヤ２０４が巻き付けられて
いる。ワイヤ２０４の同一方向に移動するよう配設され
た部分には、上および下ステープルユニット３９，４０
が固定的に取り付けられている。したがって、駆動モー
タ１８０を駆動して滑車１８１を回転することによっ
て、上および下ステープルユニット３９，４０が方向１
９１，１９２に移動する。

【０１６９】また、前記取付板１７６には、ガイド１９
４が摺動する挿通孔１９３が形成されている。ガイド１
９４は、記録紙４３の搬送方向と平行に配置される。駆
動モータ１９５を方向１９９，２００に回転することに
よって、駆動側の滑車１９６も同様な方向に回転する。
滑車１９６と、従動側の滑車１９７とには、ワイヤ１９
８が巻き付けられている。ワイヤ１９８には、前記取付
板１７６が固定的に取り付けられている。したがって、
駆動モータ１９５を駆動して滑車１９６を回転すること
によって、上および下ステープルユニット３９，４０が
方向２０１，２０２に移動する。

【０１７０】なお、支持板３６には、ステープルユニッ
ト３９，４０が移動する方向に連通する１つの大きな窓
３０ｄが形成される。またあるいは、ステープルユニッ
ト３９，４０を停止させる位置にそれぞれ窓３０ｄを形
成してもかまわない。

【０１７１】図３８は、前記ステープル装置２０３の電
気的構成を示すブロック図である。図示されるブロック
図は、図７に示されるブロック図に下ステープルユニッ
ト４０と、駆動モータ１８０，１９５とを追加したもの
である。

【０１７２】制御回路６８は、操作者によって複写機２
１１の操作パネル２１６から入力された綴じ位置に応じ
て、たとえばパルスモータで実現される駆動モータ１８
０，１９５に制御信号をそれぞれ与える。たとえば所定
のパルス数をそれぞれ与え、上および下ステープルユニ
ット３９，４０を方向１９１，１９２；２０１，２０２
に移動する。

【０１７３】なお、本実施例では、通常、１組のステー
プルユニット３９，４０は第１Ｘ，第１Ｙ方向ポジショ
ンに配置される。

【０１７４】図３９は、前記ステープル装置２０３の動
作を示すフローチャートである。当該フローチャート
は、コーナー綴じを行うか、あるいは中綴じを行うかを
選択する場合のフローチャートである。ステップｈ１で
は、記録紙４３が所定枚数だけ整合されて支持板３６上
に保持される。ステップｈ２では、ステープルユニット
３９，４０がホームポジション、すなわち前述した第１
Ｘ，Ｙ方向ポジションに配置される。ステップｈ３で
は、コーナー綴じを行うか否かが判断され、コーナー綴
じを行う場合にはステップｈ４に移る。ステップｈ４で
は、ステープルユニット３９，４０が作動し、記録紙束
４４が作成される。ステップｈ５では、作成された記録
紙束４４が搬出される。

【０１７５】前記ステップｈ３でコーナー綴じを行わな
いと判断された場合、ステップｈ６に移り、駆動モータ
１９５を所定のパルス数だけ駆動する。駆動モータ１９
５は、方向１９９に回転され、これによってステープル
ユニット３９，４０は、第１Ｘ方向ポジション、第２Ｙ
方向ポジションに配置される。ステップｈ７では、ステ
ープルユニット３９，４０が作動する。

【０１７６】ステップｈ８では、駆動モータ１８０を所
定のパルス数だけ駆動する。駆動モータ１８０は、方向
１９０に回転される。これによって、ステープルユニッ
ト３９，４０は、第２Ｘ，Ｙ方向ポジションに配置され
る。ステップｈ９では、ステープルユニット３９，４０
が作動する。これによって、中綴じを行った記録紙束４
４が作成される。ステップｈ１０では、作成された記録
紙束４４が搬出される。

【０１７７】以上のように第１０の実施例によれば、１
組のステープルユニット３９，４０で、記録紙４３の搬
送方向と平行な方向および直交する方向の複数の位置
で、記録紙４３を綴じることができる。すなわち、記録
紙４３の全面のいずれの位置でも綴じることができる。
また、１組のステープルユニット３９，４０を同期して
移動する移動機構が、第９の実施例と同様に、簡単に実
現することができ、ステープルユニット付近をコンパク
トに作成することができる。

【０１７８】なお、上述した全実施例では、ステープル
装置を、ページ順に１枚ずつ複写し、必要な部数だけ複
写を繰り返す装置に接続して利用する、いわゆるオンラ
イン処理の後処理装置（通称；フィニッシャ装置）とし
た例について説明したけれども、たとえば印刷機または
それに類似する装置のように、同一ページを必要枚数だ
け一度に印刷し、所定のページ分だけ印刷を繰り返す装
置に接続して利用する、いわゆるオフラインの後処理装
置とすることもできる。なお、後者の場合、一旦、各ペ
ージ毎に記録紙をソータに収納した後、コレータによっ
てページ順に揃えた後に綴じられる。

【０１７９】図４０は、本発明の第１１の実施例である
フィニッシャ装置２２１の構成を示す側面図である。な
お、第１１〜第１３の実施例は、先の第１〜第１０の実
施例とは綴じ位置が反対となるけれども、これは、複写
機２１１にセットする原稿の方向を反転する、あるいは
複写機２１１からの記録紙の搬出方向を反転させるなど
の方法によって、所望の綴じ位置で綴じるようにするこ
とが可能である。

【０１８０】フィニッシャ装置２２１は、第１の実施例
で説明したステープル装置３１と同様の搬送ローラ３
２，３３、ゲート３５、上ステープルユニット３９、お
よび下ステープルユニット４０を含み、さらに搬出ロー
ラ２２５，２２６、および集積トレイ２３３を含んで構
成される。

【０１８１】フィニッシャ装置２２１が装着される複写
機２１１の排出ローラ２２２，２２３によって排出され
た記録紙４３は、フィニッシャ装置２２１の搬送ローラ
３２，３３によって搬送され、案内板２２４に沿って記
録紙束４４を作成する作成領域に搬入される。

【０１８２】作成領域に配置される集積トレイ２３３
は、たとえばハウジング２２８の底面などの水平方向に
対して所定の角度だけ傾斜して、好ましくは記録紙搬入
方向の上流側に対応する端部が下方となるように所定の
角度だけ傾斜して配置される。前記角度は、たとえば４
５°以上に選ばれる。また、集積トレイ２３３の深さ
は、搬入される記録紙４３の搬送方向上流側が、既に集
積トレイ２３３に集積されている記録紙４３上に積層さ
れるような深さに選ばれる。前記ゲート３５は、集積ト
レイ２３３の保持面に近接／離反して移動可能に取付け
られ、記録紙４３の搬入時には保持面に近接して配置さ
れる。ゲート３５はソレノイド６２によって駆動され
る。

【０１８３】ゲート３５は、集積トレイ２３３の保持面
に対して垂直に、かつ集積トレイ２３３の下方側に配置
され、ソレノイド６２によって保持面に対して近接／離
反可能なように設けられる。搬入された記録紙４３は、
その搬入方向上流側端部が、保持面に近接したゲート３
５に当接するように搬送方向を反転（スイッチバック）
して搬送され、集積トレイ２３３に保持される。

【０１８４】集積トレイ２３３を挟んで上下にそれぞれ
配置される上および下ステープルユニット３９，４０
は、保持された記録紙４３が所定の枚数になると作動
し、当該記録紙４３を綴じて記録紙束４４を作成する。

【０１８５】記録紙束４４が作成されると、ソレノイド
６２によって駆動されたゲート３５が集積トレイ２３３
から離反する方向に移動する。これによって記録紙束４
４は、自重によって下方に落下するとともに、搬出ロー
ラ２２５，２２６によって搬送経路２２７に沿って搬送
され、記録紙４３の搬入口よりも低い位置に設けられた
搬出口から排出トレイ４２に搬出される。上述した搬送
ローラ３２，３３、案内板２２４、集積トレイ２３３、
上ステープルユニット３９、下ステープルユニット４
０、ゲート３５、ソレノイド６２、搬出ローラ２２５，
２２６、および搬送経路２２７は、ハウジング２２８に
よって覆われる。当該ハウジング２２８には、少なくと
も記録紙４３を搬入するための搬入口と、作成した記録
紙束４４を搬出するための搬出口とが設けられる。

【０１８６】なお、前記フィニッシャ装置２２１には、
図示しないけれども第１の実施例と同様のジョガ３７，
３８が設けられる。

【０１８７】図４１は、前記フィニッシャ装置２２１の
電気的構成を示すブロック図である。フィニッシャ装置
２２１は、前記ステープル装置３１とほぼ同様にして構
成され、前述した搬送ローラ３２，３３、ジョガ３７，
３８、ゲート３５、上ステープルユニット３９をそれぞ
れ駆動する駆動モータ６０，６３，６４、ソレノイド６
２、および駆動モータ６５を含み、前述したステープル
装置３１が有するパドラ３４、プッシャ４１、およびこ
れらを駆動する駆動モータ６１、６６を含まない。その
他は、ステープル装置３１と同様にして構成され、同様
の部材には同じ参照符号を付して示す。

【０１８８】図４２は、前記フィニッシャ装置２２１の
動作を示すフローチャートである。また、図４３は、前
記フィニッシャ装置２２１の動作を段階的に示す側面図
である。ステップｉ１では、複写機２１１の操作パネル
２１６から複写の開始が指示され、複写動作が開始す
る。ステップｉ２では、フィニッシャ装置２２１の搬送
ローラ３２，３３が、図４３（Ａ）に示される方向４
５，４６に回転し始める。

【０１８９】ステップｉ３では、記録紙４３が搬入され
る。記録紙４３は、搬送ローラ３２，３３によって挟持
されて図４３（Ａ）に示される方向２２９に搬送され
る。このときゲート３５は集積トレイ２３３に近接する
閉まった状態である。記録紙４３は、案内板２２４に沿
って、その搬入方向上流側端部が搬入方向下流側端部よ
りも低くなるように搬送される。続いて図４３（Ｂ）に
示されるように、搬入方向上流側端部が矢符２３０で示
される集積トレイ２３３に近接する方向に落下し、図４
３（Ｃ）に示されるように、下方２３１に落下し、ゲー
ト３５に当接して保持される。これによって、記録紙の
搬入方向上流側端部は、搬出方向下流側端部となり、搬
送方向が反転される。

【０１９０】ステップｉ４では、搬入された記録紙４３
が最終紙であるか否かが判断され、最終紙である場合に
はステップｉ５に移り、最終紙でない場合にはステップ
ｉ２に戻る。ステップｉ５では、搬送ローラ３２，３３
の回転が停止する。ステップｉ６では、図４３（Ｄ）に
示されるように、上および下ステープルユニット３９，
４０が作動し、記録紙束４４が作成される。ステップｉ
７では、ゲート３５が集積トレイ２３３から離反する方
向に移動して開く。

【０１９１】ステップｉ８では、記録紙束４４を搬出す
るための搬出ローラ２２５，２２６が回転する。記録紙
束４４は、図４３（Ｅ）に示されるように、自重によっ
て下方に落下し、搬出ローラ２２５，２２６によって搬
送経路２２７に沿って搬送され、排出トレイ４２に排出
される。ステップｉ９では、排出トレイ４２への記録紙
束４４の搬出が完了する。ステップｉ１０では、ゲート
３５が閉まる。また、搬出ローラ２２５，２２６の回転
が停止する。ステップｉ１１では、複写機２１１の複写
動作が終了する。

【０１９２】以上のように第１１の実施例によれば、第
１〜第１０の実施例で説明した記録紙束４４を搬出する
ためのプッシャ４１、および記録紙４３をゲート３５に
整合するためのパドラ３４が不要となり、フィニッシャ
装置２２１の構成を簡略化することができる。また、集
積トレイ２３３が傾斜して配置され、収納スペースが有
効に利用されるので、搬送系のためのスペースを縮小す
ることができる。また、記録紙束４４を搬出すると直ち
に次の記録紙４３を搬入することができ、搬送時間を短
くすることができて、効率よく記録紙束４４を作成する
ことができる。

【０１９３】さらに、本実施例のように搬送方向が反転
するような構成にすることによって、装置の搬入方向に
平行な長さが短くなり、装置をコンパクトにすることが
できる。

【０１９４】なお、集積トレイ２３３を、記録紙搬入方
向の下流側に対応する端部が下方となるように所定の角
度だけ傾斜して配置してもかまわない。このような構成
にすることによっても、装置の搬入方向に平行な長さが
短くなり、装置をコンパクトにすることができる。

【０１９５】また、記録紙の搬送方向、あるいは複写機
２１１にセットする原稿の方向を選ぶことによって、フ
ィニッシャ装置２２１のステープルユニット３９，４０
を操作者が通常操作する側に配置することができ、ステ
ープルの補充やメンテナンスなどの作業がし易くなる。
ただし、これはステープルユニット３９，４０を１つだ
け設け、ホームポジション位置が記録紙搬送方向に対し
て直交する方向の、支持板３６の一方あるいは他方端部
側に選ばれる場合に得られる効果である。また、このよ
うに集積トレイ２３３を傾斜することによって装置がコ
ンパクトとなるけれども、作成した記録紙束の搬出位置
が装置の下方となり、操作性が低下する。

【０１９６】また、本実施例のフィニッシャ装置２２１
を第２〜第１０の実施例のステープル装置と組み合わせ
て実現することも可能である。すなわち、フィニッシャ
装置２２１のゲート３５を複数設けること、上および下
ステープルユニット３９，４０を複数設けること、上ス
テープルユニット３９を移動させること、下ステープル
ユニット４０を移動させること、およびジョガ３７，３
８を移動させることも可能である。

【０１９７】図４４は、本発明の第１２の実施例である
フィニッシャ装置２４１の構成を示す側面図である。ま
た、図４５は、前記ゲート３５が取り付けられたベルト
２４６の部分を拡大して示す斜視図である。

【０１９８】本実施例のフィニッシャ装置２４１は、第
１の実施例で説明したステープル装置３１と同様の搬送
ローラ３２，３３、パドラ３４、支持板３６、上ステー
プルユニット３９、および下ステープルユニット４０を
含み、さらに搬出ローラ２４２，２４３、２つの突出片
２４８，２４９が取り付けられたベルト２４６、および
ローラ２４４，２４５を含んで構成される。本実施例の
突出片２４８，２４９は、ゲートおよびプッシャとして
機能する。一方の突出片２４８がゲートとして機能して
いるときには、他方の突出片２４９はプッシャとして機
能する。ベルト２４６は、ローラ２４４，２４５に巻回
されている。

【０１９９】フィニッシャ装置２４１が装着される複写
機２１１の排出ローラ２２２，２２３によって搬出され
た記録紙４３は、フィニッシャ装置２４１の搬送ローラ
３２，３３およびパドラ３４によって搬送され、記録紙
束４４を作成する作成領域２５２に搬入される。搬入さ
れた記録紙４３は、支持板３６に保持される。支持板３
６には、突出片２４８，２４９が支持板３６の支持面か
ら突出するための窓３６ａが形成されている。記録紙４
３の搬送方向下流側端部は、前記窓３６ａから突出した
一方の突出片２４８に当接し、整合して保持される。こ
のとき他方の突出片２４９は支持板３６の支持面とは反
対面から突出している。支持板３６を挟んで上下にそれ
ぞれ配置される上および下ステープルユニット３９，４
０は、保持された記録紙４３が所定の枚数になると作動
し、当該記録紙４３を綴じて記録紙束４４を作成する。

【０２００】記録紙束４４が作成されると、ローラ２４
４，２４５が回転してベルト２４６が方向２５０に移動
する。これによって支持板３６上の記録紙束４４の搬送
方向上流側端部に突出片２４９が当接する。さらにベル
ト２４６が移動することによって、記録紙束４４はプッ
シャとして機能する突出片２４９によって押出される。
記録紙束４４は、記録紙束４４を記録紙４３の搬入方向
２５３とは反対の方向２５４に搬送するように屈曲した
搬送経路２４７に沿って搬送され、搬出ローラ２４２，
２４３によって排出トレイ４２に搬出される。

【０２０１】ベルト２４６の長さおよび突出片２４８，
２４９の位置は、記録紙４３の大きさに応じて選ばれ
る。すなわち、綴じられる最大寸法の記録紙４３を考慮
して、一方の突出片２４８が支持面から突出するときに
は他方の突出片２４９は支持面から突出しないように設
計される。さらに、突出片２４８，２４９は、ベルト２
４６の長さを均等分する位置に取り付けられる。これに
よって、ゲートとしての機能、およびプッシャとしての
機能を充分に発揮することができる。

【０２０２】上述した搬送ローラ３２，３３、支持板３
６、上ステープルユニット３９、下ステープルユニット
４０、突出片２４８，２４９を有するベルト２４６、ロ
ーラ２４４，２４５、搬出ローラ２４２，２４３、およ
び搬送経路２４７は、ハウジング２５１によって覆われ
る。当該ハウジング２５１には、少なくとも記録紙４３
を搬入するための搬入口と、作成した記録紙束４４を搬
出するための搬出口とが設けられる。

【０２０３】なお、前記フィニッシャ装置２４１には、
図示しないけれども第１の実施例と同様のジョガ３７，
３８が設けられる。また、突出片２４８，２４９が所定
の位置に配置されたか否かを検出するホームポジション
センサ、およびローラ２４４を駆動する駆動モータが設
けられる。

【０２０４】また、支持板３６には、ジョガ３７，３８
移動用の窓３０ｂ，３０ｃおよびステープルユニット３
９，４０用の窓３０ｄが形成される。

【０２０５】図４６は、前記フィニシャ装置２４１の電
気的構成を示すブロック図である。フィニッシャ装置２
４１は、前記ステープル装置３１とほぼ同様にして構成
され、前述した搬送ローラ３２，３３、ジョガ３７，３
８、上ステープルユニット３９をそれぞれ駆動する駆動
モータ６０，６３〜６５を含み、さらにローラ２４４，
２４５のうちの駆動側ローラ、たとえばローラ２４４を
駆動する駆動モータ２５５を含んで構成される。前述し
たステープル装置３１が有するパドラ３４、ゲート３
５、プッシャ４１、これらを駆動する駆動モータ６１、
ソレノイド６２、および駆動モータ６６を含まない。そ
の他は、ステープル装置３１と同様にして構成され、同
様の部材には同じ参照符号を付して示す。

【０２０６】図４７は、前記フィニッシャ装置２４１の
動作を示すフローチャートである。ステップｊ１では、
複写機２１１の操作パネル２１６から複写の開始が指示
され、複写動作が開始する。ステップｊ２では、フィニ
ッシャ装置２４１の搬送ローラ３２，３３が回転し始め
る。ステップｊ３では、ベルト２４６が移動し、当該ベ
ルト２４６に取り付けられた突出片２４８，２４９が予
め定めるホームポジションに配置される。

【０２０７】ステップｊ４では、記録紙４３が搬入され
る。ステップｊ５では、搬入された記録紙４３が最終紙
であるか否かが判断され、最終紙である場合にはステッ
プｊ６に移り、最終紙でない場合にはステップｊ４に戻
る。ステップｊ６では、上および下ステープルユニット
３９，４０が作動し、記録紙束４４が作成される。ステ
ップｊ７では、記録紙束４４を搬出するための搬出ロー
ラ２４２，２４３が回転する。記録紙束４４は、ステッ
プｊ８では、ローラ２４４が回転し、ベルト２４６が方
向２５０に移動する。ステップｊ９では、前記ベルト２
４６が所定の長さだけ移動したか否かが検出される。移
動した場合にはステップｊ１０に移り、移動していない
場合にはステップｊ８に戻る。ステップｊ１０では、ロ
ーラ２４４の回転が停止し、ベルト２４６の移動が停止
する。ステップｊ１１では、記録紙束４４が排出トレイ
４２に搬出される。

【０２０８】以上のように第１２の実施例によれば、第
１〜第１０の実施例で説明したようなプッシャ４１が不
要となり、記録紙束４４を搬出するためにプッシャとし
て動作した突出片２４９は、記録紙束４４が搬出される
と、次の記録紙束４４を作成するためのゲートとして動
作するので、前記第１〜第１０の実施例のプッシャ４１
が行っていた往復動作がなくなる。したがって、フィニ
ッシャ装置２４１の構成が簡略化され、ゲートおよびプ
ッシャとして機能する突出片２４８，２４９の動作はロ
ーラ２４４の回転を制御するだけで行うことができ、制
御が簡単になる。また、前記実施例と同様に効率良く記
録紙４３および記録紙束４４を搬送することができる。
さらに、突出片２４８，２４９の配置を変えるだけで記
録紙４３の綴じ位置を選ぶことができる。

【０２０９】なお、本実施例では、ベルト２４６に取付
けられる突出片２４８，２４９が２つの場合について説
明したけれども、３以上設けることも可能である。突出
片の数は、記録紙の搬送方向に沿った長さとベルト２４
６の長さとによって決まり、記録紙の搬送方向に沿った
長さが突出片同士の間隔の最小値である。たとえば３つ
の突出片を設けたときに、効率良く記録紙の搬入および
記録紙束の搬出を行うことができる。

【０２１０】図４８は、本発明の第１３の実施例であ
り、前記ベルト２４６の他の例を示す斜視図である。ベ
ルト２４６には１つの突出片２４８が取り付けられ、そ
の表面には複数の挿通孔２４６ａが形成されている。当
該ベルト２４６は、３つのローラ２４４，２４５，２５
６に巻回されている。ローラ２４４，２４５，２５６に
巻回されたベルト２４６の間には、エアーファン２５７
およびエアーダクト２５８が配置される。エアーファン
２５７は、矢符２５９で示される方向、すなわちベルト
２４６の外側から内側に向かう方向に前記挿通孔２４６
ａからエアーを吸引する。エアーダクト２５８は、吸引
したエアーを矢符２６０で示される方向、すなわちベル
ト２４６の外側に向かう方向に排出する。

【０２１１】図４９は、前記ベルト２４６を有するフィ
ニッシャ装置２６１の電気的構成を示すブロック図であ
る。フィニッシャ装置２６１は、前記フィニッシャ装置
２４１に、エアーファン２５７およびこれを駆動する駆
動モータ２６２を追加したものである。

【０２１２】図５０は、前記フィニッシャ装置２６１の
動作を示すフローチャートである。なお、ベルト２４６
付近以外は、前記フィニッシャ装置２４１と同様にして
構成され、図４４を参照して動作を説明する。ステップ
ｋ１では、複写機２１１の操作パネル２１６から複写の
開始が指示され、複写動作が開始する。ステップｋ２で
は、フィニッシャ装置２６１の搬送ローラ３２，３３が
回転し始める。ステップｋ３では、ベルト２４６が移動
し、当該ベルト２４６に取り付けられた突出片２４８が
予め定めるホームポジションに配置される。

【０２１３】ステップｋ４では、記録紙４３が搬入され
る。ステップｋ５では、搬入された記録紙４３が最終紙
であるか否かが判断され、最終紙である場合にはステッ
プｋ６に移り、最終紙でない場合にはステップｋ４に戻
る。ステップｋ６では、上および下ステープルユニット
３９，４０が作動し、記録紙束４４が作成される。ステ
ップｋ７では、エアーファン２５７が作動する。また、
記録紙束４４を搬出するための搬出ローラ２４２，２４
３が回転する。

【０２１４】ステップｋ８では、ローラ２４４が回転
し、ベルト２４６が方向２５０に所定の長さだけ移動す
る。ステップｋ９では、記録紙束４４が排出トレイ４２
に搬出される。ステップｋ１０では、エアーファン２５
７が停止する。ステップｋ１１では、ベルト２４６が方
向２５０に所定の長さだけ移動し、突出片２４８が一巡
して再び予め定めるホームポジションに配置される。

【０２１５】以上のように第１３の実施例によれば、作
成された記録紙束４４は、ベルト２４６に吸着されて搬
出される。したがって、突出片２４８は１つでよく、第
１２の実施例と比較すると、ベルト２４６の構成が簡略
化される。また、突出片２４８の配置を選ぶだけで、記
録紙４３の綴じ位置を選ぶことができる。

【０２１６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録紙束
を、記録紙の搬入方向と平行な搬出方向で搬出すること
ができ、搬送方向を変更するための複雑な機構が不要
で、また記録紙束の搬出開始と同時に次の記録紙を搬入
することができ、記録紙束の作成効率が向上する。さら
に、突出片を所定の位置で保持手段の保持面から突出さ
せることによって、記録紙の搬入方向に平行な方向で綴
じ位置を選ぶことができる。また、保持手段内の記録紙
は搬入手段とは別個に構成された搬送手段によって突出
片に当接するまで搬送されるので、複数枚の記録紙を最
適な位置で積層して保持することができる。さらに、作
成された記録紙束はその端部が押圧されて外部へ押出さ
れるようにして搬出されるので、記録紙のしわ寄りなど
を防止して円滑に搬出することができる。

【０２１７】

【０２１８】

【０２１９】

【０２２０】また、折曲側ステープルユニットを移動可
能とし、打込側ステープルユニットが複数個設けられる
ので、前記搬入方向と直交する方向で綴じ位置を選ぶこ
とができるとともに、慣性力が小さく、駆動力が少なく
てすみ、消費電力の低減を図ることができる。

【０２２１】また、一対の整合手段が前記搬入方向と直
交する方向で同一方向に移動するので、搬入方向と直交
する方向で綴じ位置を選ぶことができるとともに、整合
手段の移動を制御するのみで綴じ位置を選ぶことができ
るので、ステープル装置の構成が容易となり、ステープ
ル装置に対する製造コストが安価となる。

【０２２２】また、作成された記録紙束の搬出時におい
て、前記一対の整合手段が搬入方向と直交する方向で同
一方向に移動するので、搬出された記録紙束のステープ
ルが、前後の記録紙束で重なることがなくなる。したが
って、ステープルの引っ掛かりなどによって記録紙束の
搬送が滞ることがなく、また高価な専用のオフセットト
レイが不要であり、安価に円滑な搬送を実現することが
できる。

【０２２３】

【０２２４】

【０２２５】

【０２２６】

【０２２７】また、ゲートおよびプッシャとして機能す
る突出片がベルトに取付けられる。したがって、形成さ
れた記録紙束を押出すための特別な手段を設ける必要は
なく、ステープル装置の構成を簡略化することができ
る。また、記録紙および記録紙束の搬送動作の制御が簡
単になる。さらに、効率良く記録紙および記録紙束を搬
送することができる。また、突出片の位置を変えるだけ
で記録紙の綴じ位置を選ぶことができる。

【０２２８】また、作成された記録紙束はベルトに吸着
されて搬出される。このため、前記ベルトの構成が簡略
化される。また、記録紙および記録紙束の搬送動作の制
御が簡単になる。さらに、効率良く記録紙および記録紙
束を搬送することができる。また、突出片の位置を変え
るだけで記録紙の綴じ位置を選ぶことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づくステープル装置の基本的な動作
を段階的に説明する模式図である。

【図２】本発明に基づくステープル装置と、従来技術の
ステープル装置との動作を比較して説明する模式図であ
る。

【図３】記録紙１のステープル打込可能領域を示す斜視
図である。

【図４】本発明の第１の実施例であるステープル装置３
１の構成を示す側面図である。

【図５】前記ステープル装置３１の平面図である。

【図６】支持板３６の平面図である。

【図７】ゲート３５の動作原理の一例を説明するための
側面図である。

【図８】前記ステープル装置３１の電気的構成を示すブ
ロック図である。

【図９】前記ステープル装置３１の動作を示すフローチ
ャートである。

【図１０】前記ステープル装置３１の動作を段階的に示
す側面図である。

【図１１】本発明の第２の実施例であるステープル装置
８１の構成を示す側面図である。

【図１２】記録紙４３の綴じ位置８８ａ〜８８ｃを示す
平面図である。

【図１３】前記ステープル装置８１の電気的構成を示す
ブロック図である。

【図１４】本発明の第３の実施例であるステープル装置
９１のステープルユニットを示す平面図である。

【図１５】前記ステープル装置９１の電気的構成を示す
ブロック図である。

【図１６】本発明の第４の実施例であるステープル装置
１１１の動作を説明するための模式図である。

【図１７】前記ステープル装置１１１の上および下ステ
ープルユニット３９，４０の移動機構を示す斜視図であ
る。

【図１８】前記ステープル装置１１１の電気的構成を示
すブロック図である。

【図１９】前記ステープル装置１１１の動作を示すフロ
ーチャートである。

【図２０】本発明の第５の実施例であるステープル装置
１２１の上ステープルユニット３９の移動機構を示す斜
視図である。

【図２１】前記ステープル装置１２１の電気的構成を示
すブロック図である。

【図２２】前記ステープル装置１２１の動作を示すフロ
ーチャートである。

【図２３】本発明の第６の実施例であるステープル装置
１３２の下ステープルユニット４０の移動機構を示す斜
視図である。

【図２４】前記ステープル装置１３２の電気的構成を示
すブロック図である。

【図２５】前記ステープル装置１３２の動作を示すフロ
ーチャートである。

【図２６】本発明の第７の実施例であるステープル装置
１６０の動作を説明するための模式図である。

【図２７】前記ステープル装置１６０のジョガ３７，３
８の移動機構を示す斜視図である。

【図２８】前記ステープル装置１６０の電気的構成を示
すブロック図である。

【図２９】前記ジョガ３７，３８による記録紙４３の整
合動作を示すフローチャートである。

【図３０】前記ジョガ３７，３８の同一方向への移動動
作を示すフローチャートである。

【図３１】本発明の第８の実施例であるステープル装置
の動作を説明するための模式図である。

【図３２】前記第８の実施例のステープル装置の動作を
示すフローチャートである。

【図３３】本発明の第９の実施例であるステープル装置
１７３の動作を説明するための模式図である。

【図３４】ステープルユニット３９ｇ，４０ｇ；３９
ｈ，４０ｈの移動機構を示す斜視図である。

【図３５】前記ステープル装置１７３の電気的構成を示
すブロック図である。

【図３６】本発明の第１０の実施例であるステープル装
置２０３の動作を説明するための模式図である。

【図３７】ステープルユニット３９，４０の移動機構を
示す斜視図である。

【図３８】前記ステープル装置２０３の電気的構成を示
すブロック図である。

【図３９】前記ステープル装置２０３の動作を示すフロ
ーチャートである。

【図４０】本発明の第１１の実施例であるフィニッシャ
装置２２１の構成を示す側面図である。

【図４１】前記フィニッシャ装置２２１の電気的構成を
示すブロック図である。

【図４２】前記フィニッシャ装置２２１の動作を示すフ
ローチャートである。

【図４３】前記フィニッシャ装置２２１の動作を段階的
に示す側面図である。

【図４４】本発明の第１２の実施例であるフィニッシャ
装置２４１の構成を示す側面図である。

【図４５】ゲート３５が取り付けられたベルト２４６の
部分を拡大して示す斜視図である。

【図４６】前記フィニッシャ装置２４１の電気的構成を
示すブロック図である。

【図４７】前記フィニッシャ装置２４１の動作を示すフ
ローチャートである。

【図４８】本発明の第１３の実施例であり、前記ベルト
２４６の他の例を示す斜視図である。

【図４９】前記ベルト２４６を有するフィニッシャ装置
２６１の電気的構成を示すブロック図である。

【図５０】前記フィニッシャ装置２６１の動作を示すフ
ローチャートである。

【図５１】従来例であるステープル装置３０１の構成を
示す側面図である。

【図５２】前記ステープル装置３０１を示す平面図であ
る。

【図５３】前記ステープル装置３０１を示す正面図であ
る。

【図５４】従来例であるフィニッシャ装置３５１の構成
を示す側面図である。

【図５５】他の従来例であるフィニッシャ装置３７０の
構成を示す側面図である。

【図５６】他の従来例であるステープル装置３２１の構
成を示す側面図である。

【符号の説明】

１，４３ 記録紙 ２，３，３２，３３ 搬送ローラ ４，３５、３５ａ〜３５ｃ ゲート ５，６，３７，３８ ジョガ １１，３９，３９ａ〜３９ｈ 上ステープルユニット １２，４０，４０ａ〜４０ｈ 下ステープルユニット １３，４４ 記録紙束 １４，４７ 搬入方向 １５，５９ 搬出方向 ３１，８１，９１，１１１，１２１，１３２，１６０，
１７３，２０３ ステープル装置 ３４ パドラ ３６ 支持板 ３６ａ 窓 ４１ プッシャ ６０，６１，６３〜６６，６５ａ〜６５ｄ，１０６，１
１４，１２５，１６５，１８０，１９５，２２５，２６
２ 駆動モータ ６２，６２ａ〜６２ｃ ソレノイド ６８，２１７ 制御回路 ６９ センサ ７０ 計測回路 ７１ 記憶回路 ９２ 上ステープル本体 ９３，１３１ アンビル部 ９６，１２０ 下ステープル本体 ９７ クリンチャ部 １１７，１２８ 位置検出センサ １１８，１１９ センサプレート １２９，１３０ 発光素子 １５８，１５９ ＨＰセンサ ２１１ 複写機 ２１６ 操作パネル ２２１，２４１，２６１ フィニッシャ装置 ２３３ 集積トレイ ２４４，２４５，２５６ ローラ ２４６ ベルト ２４６ａ 挿通孔 ２４８，２４９ 突出片 ２５７ エアーファン ２５８ エアーダクト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−247253（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−33313（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−148993（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−219601（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−101620（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−76453（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−37592（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65H 37/04 B65H 31/30

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の記録紙を綴じて、記録紙束を作成
   するステープル装置において、 記録紙束を作成する作成領域に搬入された記録紙を積層
   して保持する保持手段と、 前記保持手段に記録紙を搬入する搬入手段と、 前記保持手段の保持面から突出するように角変位可能な
   突出片を有する整合手段と、 前記保持手段の保持面から突出した突出片に、記録紙の
   搬送方向下流側端部が当接するように記録紙を搬送する
   搬送手段と、 前記保持手段に保持された複数の記録紙に、当該複数の
   記録紙の一方表面側からステープルを打込む打込部を有
   する打込側ステープルユニットと、前記複数の記録紙の
   他方表面側から突出した打込まれたステープルの先端部
   分を折曲げる折曲部を有し、前記打込側ステープルユニ
   ットとは分離して設けられる折曲側ステープルユニット
   とを含んで構成されるステープルユニットと、 複数の記録紙にステープルを打込み、当該ステープルの
   先端部分を折曲げることによって作成された記録紙束
   を、搬入方向上流側端部を押圧することによって前記作
   成領域から前記搬入方向と平行な搬出方向で搬出する搬
   出手段と、 記録紙の搬入方向下流側端部と当該記録紙の綴じ位置と
   の距離に応じて、前記作成領域に予め設定された複数の
   整合位置の中から選択された所定の整合位置で、前記突
   出片を保持手段の保持面から突出させ、前記保持手段に
   所定枚数の記録紙が保持されると、前記ステープルユニ
   ットを作動して、当該記録紙を綴じて記録紙束を作成
   し、前記搬出手段を駆動する制御手段とを備え、 記録紙の搬入方向と直交する方向に予め設定された複数
   のステープルユニット位置に、前記ステープルユニット
   の折曲側および打込側ステープルユニットのうちのいず
   れか一方側ステープルユニットがそれぞれ設けられ、 前記ステープルユニットの折曲側および打込側ステープ
   ルユニットのうちの他方側ステープルユニットを、記録
   紙の搬送方向と直交する方向に移動する駆動手段を含
   み、 前記制御手段は、保持手段に所定枚数の記録紙が保持さ
   れると、前記駆動手段を駆動して、前記複数のステープ
   ルユニット位置の中から選択された所定のステープルユ
   ニット位置まで他方側ステープルユニットを移動した
   後、当該他方側ステープルユニットと、前記選択された
   所定のステープルユニット位置に設けられた一方側ステ
   ープルユニットとを作動することを特徴とするステープ
   ル装置。
2. 【請求項２】 複数の記録紙を綴じて、記録紙束を作成
   するステープル装置において、 記録紙束を作成する作成領域に搬入された記録紙を積層
   して保持する保持手段と、 前記保持手段に記録紙を搬入する搬入手段と、 前記保持手段の保持面から突出するように角変位可能な
   突出片を有する整合手段と、 前記保持手段の保持面から突出した突出片に、記録紙の
   搬送方向下流側端部が当接するように記録紙を搬送する
   搬送手段と、 前記保持手段に保持された複数の記録紙に、当該複数の
   記録紙の一方表面側からステープルを打込む打込部を有
   する打込側ステープルユニットと、前記複数の記録紙の
   他方表面側から突出した打込まれたステープルの先端部
   分を折曲げる折曲部を有し、前記打込側ステープルユニ
   ットとは分離して設けられる折曲側ステープルユニット
   とを含んで構成されるステープルユニットと、 複数の記録紙にステープルを打込み、当該ステープルの
   先端部分を折曲げることによって作成された記録紙束
   を、搬入方向上流側端部を押圧することによって前記作
   成領域から前記搬入方向と平行な搬出方向で搬出する搬
   出手段と、 記録紙の搬入方向下流側端部と当該記録紙の綴じ位置と
   の距離に応じて、前記作成領域に予め設定された複数の
   整合位置の中から選択された所定の整合位置で、前記突
   出片を保持手段の保持面から突出させ、前記保持手段に
   所定枚数の記録紙が保持されると、前記ステープルユニ
   ットを作動して、当該記録紙を綴じて記録紙束を作成
   し、前記搬出手段を駆動する制御手段とを備え、 前記搬出手段は、前記保持手段の保持面から突出するよ
   うに角変位可能な突出片を有し、 前記整合手段の突出片および搬出手段の突出片が取付け
   られ、前記保持手段の保持面とは反対側に配置されるベ
   ルトと、 前記ベルトが巻回される複数のローラとを含み、 前記制御手段は、前記ローラを駆動して、所定の整合位
   置で、前記突出片のうちの１つの突出片を保持手段の保
   持面から突出するように配置し、前記保持手段に所定枚
   数の記録紙が保持されると、前記ステープルユニットを
   作動して、当該記録紙を綴じて記録紙束を作成し、記録
   紙束が作成されると、再びローラを駆動して、前記整合
   位置に配置された突出片とは異なる突出片を記録紙束の
   搬入方向上流側端部に当接させ、当該記録紙束を押出す
   ことを特徴とするステープル装置。
3. 【請求項３】 複数の記録紙を綴じて、記録紙束を作成
   するステープル装置において、 記録紙束を作成する作成領域に搬入された記録紙を積層
   して保持する保持手段と、 前記保持手段に記録紙を搬入する搬入手段と、 前記保持手段の保持面から突出するように角変位可能な
   突出片を有する整合手段と、 前記保持手段の保持面から突出した突出片に、記録紙の
   搬送方向下流側端部が当接するように記録紙を搬送する
   搬送手段と、 前記保持手段に保持された複数の記録紙に、当該複数の
   記録紙の一方表面側からステープルを打込む打込部を有
   する打込側ステープルユニットと、前記複数の記録紙の
   他方表面側から突出した打込まれたステープルの先端部
   分を折曲げる折曲部を有し、前記打込側ステープルユニ
   ットとは分離して設けられる折曲側ステープルユニット
   とを含んで構成されるステープルユニットと、 複数の記録紙にステープルを打込み、当該ステープルの
   先端部分を折曲げることによって作成された記録紙束
   を、搬入方向上流側端部を押圧することによって前記作
   成領域から前記搬入方向と平行な搬出方向で搬出する搬
   出手段と、 記録紙の搬入方向下流側端部と当該記録紙の綴じ位置と
   の距離に応じて、前記作成領域に予め設定された複数の
   整合位置の中から選択された所定の整合位置で 、前記突
   出片を保持手段の保持面から突出させ、前記保持手段に
   所定枚数の記録紙が保持されると、前記ステープルユニ
   ットを作動して、当該記録紙を綴じて記録紙束を作成
   し、前記搬出手段を駆動する制御手段とを備え、 前記保持手段は、前記整合手段の突出片が取付けられた
   複数の挿通孔を有するベルトと、当該ベルトが巻回され
   る複数のローラとを含み、 前記搬出手段は、前記複数のローラに巻回されたベルト
   の内側の空間に配置され、ベルトの外側の空気を当該ベ
   ルトの複数の挿通孔から吸引する空気吸引手段を含み、 前記制御手段は、前記ローラを駆動して、所定の整合位
   置で、前記突出片を保持手段の保持面から突出するよう
   に配置し、前記保持手段に所定枚数の記録紙が保持され
   ると、前記ステープルユニットを作動して、当該記録紙
   を綴じて記録紙束を作成し、記録紙束が作成されると、
   前記空気吸引手段を作動するとともに、再び前記ローラ
   を駆動することを特徴とするステープル装置。