JP4862215B2 - 乗用作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、苗植機や、施肥、播種機、その他管理作業機等を装着して作業する乗用管理作業用の乗用作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
運転者が乗用シートに着座した姿勢からの移動を少くして、横側のサイドフロア上を移動するだけで車体後部の作業装置部に対する補助作業操作を行い易くするために、このサイドフロアの後端上部にリヤステップを設ける形態の技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなサイドフロアの後側上部にリヤステップを配置する形態のトラクタでは、リヤステップ部が車体の左右外側部に広く拡張されるために、支持構成が不安定となり、このリヤステップ上から後側の作業機に対する補助作業を行うときは不安定な作業姿勢となり易い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、シート(1)を支持するシートケース(2)の左右両側に、サイドフロア(3)を配置し、このサイドフロア(3)の後側上部にリヤステップ(4)を設けた乗用作業機において、このリヤステップ(4)の後側に、ガードハンドル(7)を左右横方向に設け、該ガードハンドル(7)の下端部を支持ステー(8)によってリヤステップ(4)を支持するリヤフロアフレーム(5)に支持させ、支持ステー(8)に作業支持台(12)を設け、リヤフロアフレーム(5)の左右両側部と車体中央下部の車体フレーム(13)部との間を、筋交(14)で連結したことを特徴とする乗用作業機の構成とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、上部に施肥ホッパー(9)を有し、下部にはこの施肥ホッパー(9)から肥料を繰出す繰出装置(10)を有する施肥装置(11)を、前記リヤステップ(4)の後側に沿わせるように配置したことを特徴とする請求項1に記載の乗用作業機とする
【0006】
【0007】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、リヤステップ4の上方部にはガードハンドル7があって、ガードハンドル7の下端部をリヤステップ4を支持するリヤフロアフレーム5に支持させたことにより、ガードハンドル7を手で把持しながら補助作業を行うことができるため、サイドフロア3上からの補助作業を安定した姿勢で容易に安全に行うことができる。また、リヤフロアフレーム5の左右両側部が、前記上側の支持ステー8やガードハンドル7による構成と、下側の筋交4を介して中央下部の車体フレーム13部に支持されるため、作業者がこのリヤステップ4上を踏圧したり支持ステー8上のガードハンドル7を把持して補助作業する場合の作業姿勢を安定させることができる。
【0008】
更に、ガードハンドル7を支持ステー8によってリヤフロアフレーム5に支持させ、該支持ステー8に作業支持台12が設けられるため、狭い間隔部を有効に利用して、この作業支持台12上とガードハンドル7部との間に補給用の肥料袋等を載置し支持させて、施肥ホッパー9への肥料補給作業を行い易くしたり、又、補助作業者の足元を支持して補助作業を行い易くすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、施肥装置11は上部の施肥ホッパー9部の前後幅を広くして肥料収容の容量を大きくすることができる。又、この車体の後側に苗植装置のような作業機をも昇降可能に装着する場合には、この施肥装置11の後方への張出を少くして、作業機の邪魔にならないようにして、機体の前後長さを短縮化でき、操作、作業性を容易にできる。
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明は、車体の後側に苗植装置や施肥装置等を装着して作業する乗用形態の管理作業機用のトラクタに利用することができる。以下実施例に係る図面の符号を用いて説明する。
【0012】
トラクタ車体は、車体フレーム13の前部には、フロントアクスルハウジング15を有して、この左右両側部にはステアリングハンドル16で操向自在の前車輪17を軸装し、後部には、リヤアクスルハウジング18を有して、この左右両側部には、後車輪19を軸装している。これら前車輪17及び後車輪19は、運転シート1下のシートケース2で覆われたエンジンルームに搭載のエンジン20によって連動駆動して走行できる。
【0013】
該フロントアクスルハウジング15の前部にはミッションケース21が配置され、車体フレーム13の後端部上にはリヤフレーム22が立設されて、これらミッションケース21上とリヤフレーム22上との間に渡って、縦桟や横桟等からなるフロアフレーム23が支架される。このフロアフレーム23の上側に、シートケース2や、このシートケース2と前側のステアリングポスト24との間のセンタフロア25、及びこれらの左右両側部のサイドフロア3等を取付支持させる。
【0014】
これらフロアフレーム23やサイドフロア3は、シートケース2の後部両側部で上方に屈曲される形態で、後端部を高くした段差を形成して、後車輪19との間に間隔部を維持するように形成し、かつ後端に略平坦なリヤステップ4を形成している。このリヤステップ4部はフロアフレーム23後端部のリヤフロアフレーム5で支持される。
【0015】
車体の後側には、平行リンクからなるリフトリンク26を介して苗植装置27を連結でき、リフトシリンダ28の伸縮で昇降制御できる。この苗植装置27は、センタフロート29とサイドフロート30を有して土壌面を滑走でき、苗植フレーム31の後側には苗植付爪32を配置して多条植え形態とし、上部には前上部に渡って傾斜の苗タンク33を設け、一定幅域を左右往復移動できる構成としている。この苗タンク33の上端部に供給したマット状の苗を後下部へ繰出しながら、この苗繰出部で作用する植付爪32で分離しながら植付けることができる。
【0016】
車体前部の前記ステアリングポスト24の側方部には、フロントアクスルハウジング15上に支持枠34を介して支持される補助苗棚35を設け、この補助苗棚35に収容させた苗を前記苗タンク33へ補給して、苗植作業を継続的に行うことができる。
【0017】
ここにおいて、請求項1に記載の発明は、シート1を支持するシートケース2の左右両側に、サイドフロア3を配置し、このサイドフロア3の後側上部にリヤステップ4を設けたトラクタにおいて、このリヤステップ4の後側に、下端部をリヤフロアフレーム5に支持し、上部をリヤステップ4の上方部側に屈曲させた屈曲部6を形成し、上端部に左右横方向に渡るガードハンドル7を支持する支持ステー8を設けたことを特徴とするリヤステップ支持装置の構成とする。
【0018】
これによって、リヤステップ4の上方部にはガードハンドル7があって、これを手で把持しながら補助作業を行うことができるため、サイドフロア3上からの補助作業を安定した姿勢で容易に安全に行うことができる。しかも、このガードハンドル7を支持する支持ステー8は、リヤステップ4の後部において屈曲部6を形成して、このリヤステップ4の直上方部に張り出す形態としているため、この支持ステー8の後側に装着される作業機器部の邪魔になり難く、車体後端部の狭い前後間隔において、補助作業時は足元を踏載せるリヤステップ4部を広く維持すると共に、上部のガードハンドル7の位置を前側寄りに位置させて、補助作業を行い易くすることができる。
【0019】
そして、請求項2に記載の発明は、上部に施肥ホッパー9を有し、下部にはこの施肥ホッパー9から肥料を繰出す繰出装置10を有する施肥装置11を、前記リヤステップ4の後側に沿わせるように配置したことを特徴とするもので、施肥装置11は上部の施肥ホッパー9部の前後幅を広くして肥料収容の容量を大きくすることができる。又、この車体の後側に苗植装置のような作業機をも昇降可能に装着する場合には、この施肥装置11の後方への張出を少くして、作業機の邪魔にならないようにして、機体の前後長さを短縮化でき、操作、作業性を容易にできる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、前記支持ステー8には、作業支持台12を設けたことを特徴とするもので、前記支持ステー8に作業支持台12が設けられるため、狭い間隔部を有効に利用して、この作業支持台12上とガードハンドル7部との間に補給用の肥料袋等を載置し支持させて、施肥ホッパー9への肥料補給作業を行い易くしたり、又、補助作業者の足元を支持して補助作業を行い易くすることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、前記リヤステップ4を支持するリヤフロアフレーム5の左右両側部と、車体中央下部の車体フレーム13部との間を、筋交14で連結したことを特徴とするもので、リヤステップ4部を支持するリヤフロアフレーム5の左右両側部が、前記上側の支持ステー8やガードハンドル7による構成と、下側の筋交4を介して中央下部の車体フレーム13部に支持されるため、作業者がこのリヤステップ4上を踏圧したり支持ステー8上のガードハンドル7を把持して補助作業する場合の作業姿勢を安定させることができる。
【0022】
ここに、前記フロアフレーム23は、前部のステアリングポスト24部から後部のシートケース2部の左右両側部に渡るサイドフロアフレーム部36の外側に、サブフロアフレーム部37を取付ている。このフロアフレーム23の上部にサイドフロア3が取付けられる。このサイドフロア3は、該サイドフロアフレーム部36上に位置するサイドステップ部38と、サブフロアフレーム部37上に位置するサブステップ部39とから構成される。
【0023】
又、これらサイドフロアフレーム部36やサブフロアフレーム部37等の後端部は、シートケース2の後側部で左右横方向のリヤフロアフレーム5で連結されて、このリヤフロアフレーム5上の該サブフロアフレーム部37上側にリヤステップ4が取付けられる。又、このリヤフロアフレーム5の全幅でシート1の後側に渡ってもリヤステップ40を取付けることもできる。
【0024】
このようなフロアフレーム23は、苗植装置27の苗植条数の形態によって、サイドフロアフレーム部36の幅域に対する苗植条数(例えば4〜6条植え形態)の仕様を基準にして、これより多い苗植条数(6〜8条植え形態)の仕様では、サイドフロアフレーム部36の外側にサブフロアフレーム部37を付加させることによって、サブステップ部39をサイドステップ部38の外側に増設させて、車体フレーム13等の主要構成部分の共用化を図ることができる。
【0025】
このようにサブフロアフレーム部37を増設する形態では、特にリヤフロアフレーム5の左右横方向の幅を広くするから、このリヤフロアフレーム5の両端部と車体中央部の車体フレーム13部との間を筋交14で連結して、サイドフロア3の後端部のリヤステップ4の支持剛性を高めることができる。
【0026】
更に、このリヤフロアフレーム5の左右両側には、支持ステー8が取付けられて、これら左右の支持ステー8の上端部間に渡って横方向のガードハンドル7が連結されるために、全体として環状形態の構成として、軽量化の構成でありながら、リヤステップ4部の剛性を高めることができる。
【0027】
前記支持ステー8は、パイプ材からなり、前記リヤステップ4乃至40の後側部において、リヤフロアフレーム5の複数箇所に固定される。この支持ステー8は、リヤステップ4の上側部で前側に屈曲して、更に上方に向かうように屈曲し、略クランク状の屈曲部6に形成される。この支持ステー8の上端にはL字状形態の連結パイプ41が一体に取付けられる。この連結パイプ41には作業支持台12が取付けられ、側端部にはこの作業支持台12上の外側面に沿うサイドアーム42を有し、この上端部にガードハンドル7の左右両端部の連結部43を差込んで、これら差込部間にセットピン44を差込んでガードハンドル7を連結する構成としている。
【0028】
サイドフロア3上を踏んで移動する作業者は、片足を前記リヤステップ4や40、又は作業支持台12上に載せた姿勢にすることができ、又、作業中にガードハンドル7を把持しうる。更には施肥ホッパー9に供給する肥料袋や、前記補助苗棚35から取出した苗箱等を載せて、肥料補給や苗タンク33への苗補給等を楽な姿勢で容易に行うことができる。
【0029】
施肥装置11は、繰出装置10と施肥ホッパー9とを左右横方向に渡って幅広く形成したもので、各苗植条に沿って施肥するために、繰出ロール形態の繰出装置10を横方向に並べて横一軸上で一体的に連動できる構成とし、各繰出装置10の上部にのぞませる施肥ホッパー9は左右に幅広くして一体的構成として、肥料収容の容量を大きくするように構成としている。又、下部には一側端の送風機45からの圧風を案内する風筒46を有し、各繰出装置10から土壌面に渡って設けられる施肥ホース47に送風させる構成としている。このような施肥装置11が、リヤフレーム22の上端部に取付けられる。
【0030】
この施肥装置11は前側の支持ステー8に近接させて装着する。このとき支持ステー8の上部は屈曲部6によって前側へ逃げた形態であるため、後方への突出乃至張出しを少なくすることができ、苗植装置27がリフトリンク26によって上昇されたときでも、苗タンク33の前上端部が接触し難い形態とすることができる。又、これによって施肥ホッパー9や苗タンク33と、リヤステップ4との間隔を短縮して、肥料補給や苗補給を行い易くすることができる。
【0031】
48はクラッチレバーで、繰出装置10の二基毎に配置されて、前側のガードハンドル7の下側から上下に操作して、繰出装置10の伝動を入り切りできる。畦際のように一部の苗植条を停止する場合は、このクラッチレバー48の操作で施肥不要な位置の繰出装置10を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクタ車体部の側面図。
【図2】 そのフロア部の平面図。
【図3】 その支持ステー部の背面図。
【図4】 苗植装置を装着した場合の側面図。
【図5】 その平面図。
【符号の説明】
1 シート
2 シートケース
3 サイドフロア
4 リヤステップ
5 リヤフロアフレーム
6 屈曲部
7 ガードハンドル
8 支持ステー
9 施肥ホッパー
10 繰出装置
11 施肥装置
12 作業支持台
13 車体フレーム
14 筋交

Claims (2)

  1. シート(1)を支持するシートケース(2)の左右両側に、サイドフロア(3)を配置し、このサイドフロア(3)の後側上部にリヤステップ(4)を設けた乗用作業機において、このリヤステップ(4)の後側に、ガードハンドル(7)を左右横方向に設け、該ガードハンドル(7)の下端部を支持ステー(8)によってリヤステップ(4)を支持するリヤフロアフレーム(5)に支持させ、支持ステー(8)に作業支持台(12)を設け、リヤフロアフレーム(5)の左右両側部と車体中央下部の車体フレーム(13)部との間を、筋交(14)で連結したことを特徴とする乗用作業機。
  2. 上部に施肥ホッパー(9)を有し、下部にはこの施肥ホッパー(9)から肥料を繰出す繰出装置(10)を有する施肥装置(11)を、前記リヤステップ(4)の後側に沿わせるように配置したことを特徴とする請求項1に記載の乗用作業機
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