JP3734603B2 - 田植機のステップ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、8条植えや10条植え等の多条田植機の運転席周りの車体カバー側方にステップを設けて作業スペースを拡大する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、走行機体後方に植付部を付設し、走行機体後部上に空気圧送型の施肥機を搭載し、圃場に苗を植え付けると同時に肥料を圧送する田植機は公知となっている。
また、この田植機の車体カバーの中央上には、運転席が載置され、該運転席より前方にフロアが成形され、運転席より後方にフロアより一段高くした作業用ステップが成形されていた。該作業用ステップを踏み台にして、走行車後部に配置した施肥部に肥料を補充したり、苗載台に苗マットを苗継ぎしたりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記肥料を圧送するためのブロワは施肥機端部に配設され、出っ張る構成となっていたので、移動時には障害物に当接するおそれがあり、機体側に収納する構成が望まれていた。また、8条用や10条用の田植機においては、両端の条が遠く、前記車体カバーの作業用ステップから左右端部の苗載台に苗マットを補充するには無理な姿勢となり、作業者に負担がかかっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、田植機の走行機体後部に多条植え用の植付部を付設し、運転席13周りのフロアやステップを構成する後部車体カバー2を車体フレーム3上に載置した構成において、該後部車体カバー2の左右両側に延長ステップ130を配し、該延長ステップ130の周囲を囲むガイドフレーム135を設け、該ガイドフレーム135を、リアフレーム135aとサイドフレーム135b・135bにより構成し、該リアフレーム135aと、該サイドフレーム135b・135bの後部を取り外し可能に構成し、該取り外した位置に、作業機を取付可能に構成したものである。
請求項2においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、該作業機を、植付け条数に合わせた施肥タンク61とブロワ64より構成される施肥部36としたものである。
【0005】
請求項3においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、後部車体カバー2と延長ステップ130とガイドフレーム135とを一体的に構成し、前記延長ステップ130に突設したステー132・133を、車体フレーム3側に載置固設したものである。
請求項4においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、該ガイドフレーム135の前後中途部を延長ステップ130より上方に配置して把手としたものである。
【0006】
請求項5においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135hは、取り外し後に上下方向の取付孔に下方から取付け可能としたものである。
請求項6においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135hは、取り外し後に左右方向の取付孔に側方から取付け可能としたものである。
【0007】
請求項7においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記延長ステップ130の前部より前下方に乗降用の補助ステップ11を延設したものである。
請求項8においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、該延長ステップ130前部より前下方に配した補助ステップ11を前方外側向きに配し、補助ステップ11の外側端部を延長ステップ130の外側面より内側に配置したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の車体カバーを有する田植機の全体右側面図、図2は同じく平面図、図3は本発明の延長ステップを装着した車体カバーの斜視図、図4は延長ステップに装着した補助ステップの配置を示す平面図、図5は走行車後部に施肥機を搭載した田植機の全体左側面図、図6は本発明の分割した延長ステップを配した作業車の部分側面図、図7は分割可能な前部フレームを配した作業車の部分側面図、図8は取り外しフレームの支持構成を差し込み式にした側面図、図9は取り外しフレームの支持構成を示す側面図、図10は差し込み式にした取り外しフレームの別の支持構成を示す側面図、図11は取り外しフレームの別の支持構成を示す正面断面図、図12は取り外しフレームの別形態の支持構成を示す側面図前部車体カバー後部を示す側面断面図、図13は同じく取り外しフレームの支持構成を示す側面図である。
【0009】
まず、八条植えの乗用田植機について図1、図2より全体構成から説明する。
オペレータ等が搭乗する走行機体1の、車体フレーム3の前部上方にエンジンEを搭載し、該エンジンEの動力をミッションケース4に伝え、該ミッションケース4よりフロントアクスルケース5及びリヤアクスルケース7に動力を伝えて、前輪6及び後輪8をそれぞれ駆動する構成としている。
そして、前記エンジンEを覆うボンネット9の周りに前部車体カバー12が形成され、該前部車体カバー12の側部に予備苗載台10・10を配設し、前記ミッションケース4等を後部車体カバー2によって覆い、該後部車体カバー2中央上部に運転席13を取り付け、該運転席13の前方の前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を配設している。また、前記後輪8の外側には外側補助車輪150・150を装着可能としている。
【0010】
また、植付け部15は苗載台16や複数の植付け爪17等から構成されており、前高後低に配設した苗載台16を下部レール及びガイドレール19を介して植付けケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転するロータリーケース21を前記植付けケース20に回転自在にさせ、該ロータリーケース21の回転軸芯を中心にして対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、該爪ケース22・22の先端に植付け爪17・17を配置している。
【0011】
また、前記植付けケース20の前部はローリング支点軸23を介して支持フレーム24に支持され、トップリンク25及びロワーリンク26等のリンク機構27を介して走行機体1後部に装着されている。前記植付け部15は昇降シリンダ28の伸縮によって昇降される。そして、前記苗載台16から一株分の苗を植付け爪17によって取り出し、連続的に苗植え作業を行う構成としている。
【0012】
また、前記運転席13等が設置された運転部には走行変速レバー29、植付け昇降兼作業走行変速用副変速レバー30、植付け感度調節レバー31、主クラッチペダル32、左右ブレーキペダル33・33、サイドクラッチペダル39・39が配設され、前記植付け部15下部には均平用センタフロート34、均平用サイドフロート35が配設され、前記運転席13後方には八条用の施肥部36が配設されている。
【0013】
前記苗載台16は、図1、図2に示すように、左右最外端の各二条分の苗載台を分割して分割苗載台16a・16aとし、機体中央の四条を固定側苗載台16bとし、該固定側苗載台16bの左右端部に並行折畳み機構37を設け、前記分割苗載台16a・16aと固定側苗載台16bとを並行折畳み機構37を介して連結し、固定側苗載台16bの上方に略平行に分割苗載台16a・16aを折畳み可能に構成している。
【0014】
次に、前記前部車体カバー12と後部車体カバー2の形状に付いて説明する。
前記前部車体カバー12と後部車体カバー2とは、各々中空ブロー成形によって一体成形されている。図1〜図3に示すように、前記前部カバー12は、左右中央部にボンネット9の配置される開口部が設けられ、その左右両側にフロア12a・12aが形成されている。該フロア12aは前後途中部より後方側に傾斜面が形成され、フロア12a後部をボンネット9後端部の直後方位置まで延出している。前記フロア12aの上面にはゴム製のプレートが貼設されている。
【0015】
また、前記後部車体カバー2は、ボンネット9後部より、車体フレーム3の後端部まで延設されている。該後部車体カバー2は、前部は平状にフロア2aが形成され、後部車体カバー2後部は上方に一段高く構成され、運転席載置部2bと作業用ステップ2cとが成形されている。該フロア2aの上面にはゴム製のプレートが貼設されている。
【0016】
更に、前記運転席載置部2bの左側には走行変速レバー29のガイド溝2hが開口され、運転席載置部2bの右側に昇降兼作業走行変速用副変速レバー30のガイド溝2i等が開口されている。前記後部車体カバー2のフロア2a後端部から運転席載置部2b前部若しくは作業用ステップ2c前部にかけて傾斜状に前部壁2dが成形されている。
【0017】
また、前記後部車体カバー2の左右両側に延長ステップ130が配設されている。該延長ステップ130は、後部車体カバー2の側面形状に沿って前後方向に長く形成されている。また、該延長ステップ130は、後部車体カバー2と同様に、前後中央部より前方と後方とを段差状に形成して形状を合わせている。
即ち、該延長ステップ130の前部は、フロア2a面と同一平面である拡大側フロア130aが成形され、拡大側フロア130a前部をフロア2aの前後途中位置まで伸延させている。また、前記延長ステップ130後部は、作業用ステップ2c面と同一平面とする拡大側ステップ130bが形成されている。該拡大側ステップ130b後部は、作業用ステップ2c後端部よりさらに後方に伸延されている。更に、前記延長ステップ130の段差が成形される前後中央位置は、後部車体カバー2の前部壁2dに沿うように、傾斜壁130cが成形されている。更に、前記拡大側フロア130aと拡大側ステップ130bとの上面には、滑り止め用の凸部が突出されている。
【0018】
前記延長ステップ130は、車体フレーム3側に固設されるステー132・133に支持されている。前記ステー132は、後輪8上前方に横設され、ステー132端部が後輪8より側方に突出され、該ステー132端部に拡大側ステップ130b下面が載置されている。前記ステー133は、前輪6と後輪8との間位置に横設され、ステー133端部を側上方に突出し、該ステー133の上部に傾斜壁130c下面が固設され、ステー132・133によって延長ステップ130が支持されている。従って、前述したように、前記後部車体カバー2と、左右両側の延長ステップ130・130とが車体フレーム3側に個別に支持されている。
【0019】
また、前記延長ステップ130の外側周囲に、本発明のガイドフレーム135が配置されてフレーム枠を形成すると共に、該ガイドフレーム135を用いて左右の延長ステップ130・130とを一体的に連結する構成している。
【0020】
該ガイドフレーム135は、リアフレーム135aとサイドフレーム135b・135bからなり、パイプより構成したこのリアフレーム135aとサイドフレーム135b・135bを連結して、平面視略門型に一体的に成形し、該ガイドフレーム135の開放面を前方に向け、ガイドフレーム135の左右側部の内側に延長ステップ130・130を固設している。
但し、ガイドフレーム135は一本のパイプフレームで構成することもできる。
【0021】
図1、図3に示すように、前記リアフレーム135aは平面視コ字状に構成して、該リアフレーム135bの左右中央部より下方に支持フレーム138・138が垂設されて、該支持フレーム138・138の下端は前記車体フレーム3後部に固定される。該リアフレーム135b下部の支持フレーム138・138両側に固定板137が固設され、該リアフレーム135bの前端の下面には固定板134が垂設されて、該固定板137・134の下部に後補強フレーム131aが水平に固定される。こうして、リアフレーム135aは延長ステップ130・130の後上方に平行に配置される。
【0022】
前記サイドフレーム135b・135bは左右対称に構成されるので、一方について説明する。該サイドフレーム135bの前部135dは、前記拡大側フロア130aの形状に合わせて平面視「く」字状に形成され、該前部135dの前端部はフロア2a側部の前後途中位置に当接するように配設される。また、前記サイドフレーム135bの中途部は側面視「へ」字状に曲げられて、前記傾斜壁130c側部に沿った形状としている。該サイドフレーム135bの後端を、延長ステップ130と平行に構成して前記リアフレーム135aに連結されて一体的に構成され、該サイドフレーム135bの後端下面に固定板136が垂設され、その前方位置に支持軸143が上下方向に垂設されて、該固定板136と支持軸143下部に前補強フレーム131bが水平に固設され、サイドフレーム135bとリアフレーム135a、及び、後補強フレーム131aと前補強フレーム131bがそれぞれ同一軸心上に連結する構成としている。
【0023】
そして、該後補強フレーム131aと前補強フレーム131bは前記拡大側ステップ130bの外側の側部と後部とに沿って配置され、該補強フレーム131とガイドフレーム135とによって、拡大側ステップ130bのフレーム枠が形成され、拡大側ステップ130bの剛性が高められている。
【0024】
従って、前記固定板136・136と支持軸143・143とによって、ガイドフレーム135と拡大側ステップ130b・130bとが連結され、左右両側の延長ステップ130・130が一体的に固設されるのである。更に、サイドフレーム135bとリアフレーム135aを連結することによって、ガイドフレーム135が固定板136、支持軸143、固定板137、支持フレーム138を介して左右の前記延長ステップ130・130と車体フレーム3に支持され、剛性が高められるのである。そして、前記サイドフレーム135bは拡大側ステップ130b面より上方に配設されているので、オペレータが、拡大側フロア130aやフロア2aに乗り降りする際に手摺りとして使用することができる。
【0025】
次に、前記後部車体カバー2のフロア2a、若しくは延長ステップ130の拡大側フロア130aへ乗り降りするための補助ステップ11の配置構成について説明する。
図3、図4、図6に示すように、前記サイドフレーム135bの前部135dの、左右方向のフレームから連結板141・142を垂設し、該連結板141と連結板142下端との間に補助ステップ11が固設されている。また、図6の側面図において図示する如く、前記補助ステップ11後部の内側には補助板144が固設され、該補助板144を後上方に延出し、拡大側フロア130a下面に固設したブラケット139に固設され、補助ステップ11の補強を行っている。
【0026】
更に、該補助ステップ11の最外側は、図4に示す平面視のように、延長ステップ130の最外側の延長線上より内側に配置されている。よって、前記補助ステップ11は、機体の左右幅内に収められ、また、補助ステップ11を前後斜めに配したことで、ステップの面積を大きくすることができ、機体の側方より搭乗するオペレータにとって、足をかけ易くしている。
【0027】
また、図5、図6に示すように、前記後部車体カバー2後方で、左右の延長ステップ130・130の間位置に空気圧送型の施肥部36を配設することができるようにしており、前記リアフレーム135a及び後補強フレーム131aを外して、後部車体カバー2後方の車体フレーム3より支持フレーム60を立設して、該支持フレーム60上部に施肥部36を固設する構成としている。
【0028】
該施肥部36は、植付け条数に合わせた数の施肥タンク61と該施肥タンク61に連結される施肥ホース62が配置され、更に圧縮エアを吐出するための筒状のエアタンク63、該エアタンク63の右側端部に配してエアを圧送するためのブロワ64等が配設される。前記エアタンク63は左右方向に横設され、ガイドフレーム135と同一高さに配置され、左右外側の施肥タンク61下方まで延出し、各施肥ホース62に圧縮エアを吐出できるようにしている。前記施肥ホース62下端は、均平用センタフロート34や均平用サイドフロート35・35・・・に固設し、施肥ホース62下端を圃場内に突入させている。
更に、前記ブロワ64は内側端部が回動自在に枢支され、機体の収納時や移動時に左右内側にブロワ64を回動して、機体の左右幅が狭められている。
【0029】
更に、前記右側(本実施例では右側でありブロワ64の配設した側)のサイドフレーム135bは後部の傾斜部分(ラインb)で前後に分割可能に構成して、取り外し可能に構成している。
即ち、図7〜図9に示すように、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、ラインbより後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135h下面には、前述した支持軸143と固定板136が固定され、該支持軸143下部にピン孔143aが構成され、固定板136下面の前後中央位置にはネジ軸145が下方に突出されている。
一方、前記前補強フレーム131bの前端は、固定側フレーム135gに溶接等で固設され、前記支持軸143とネジ軸145との位置に合わせて上下方向に孔131c・131bを開口して、支持軸143とネジ軸145を挿入し、支持軸143は抜け止め用のピンで固定し、ネジ軸145はナット148で固設するようにしている。
【0030】
このような構成において、ブロワ64を内側に回動させて収納するときには、前記支持軸143下端部の抜け止め用のピンを抜き取り、ネジ軸145下端部のナット148を外し、前記取り外しフレーム135hを上方に持ち上げると、支持軸143とネジ軸145とが前補強フレーム131bより抜脱され、取り外しフレーム135hが取り外される。
【0031】
そして、図9に示すように、前記取り外しフレーム135hを前後及び上下逆向きとして、前補強フレーム131b下方より、前記支持軸143を後方の孔131d内に挿入し、前記ネジ軸145を前方の孔131c下方より挿入し、支持軸143の上端部を抜け止め用のピンで抜け止めし、ネジ軸145上端をナット148で固定する。
よって、機体の移動時や格納時に前記取り外しフレーム135hが前補強フレーム131b下方に位置し、ブロワ64をガイドフレーム135と干渉させることなく、内側に回動させて、機体の左右幅を狭めることができる。
また、前記取り外しフレーム135hを下側に配置したときには、その後端は「へ」字状にまげられているので後輪8と干渉せず、後輪9の外側に外側補助輪150を固設しても、外側補助輪150と取り外しフレーム135hとが干渉することがない。
【0032】
また、前記取り外しフレーム135hを用いて、延長ステップ130の幅をさらに側方に広げる構成にすることもできる。図10、図11に示すように、前記前補強フレーム131bの側面に、前記孔131c・131dの位置と前または後にズラせて、間隔は同じとして左右方向に孔131e・131fを開口し、該孔131e・131fにそれぞれボス151・ボス152を嵌合している。
【0033】
そして、取り外した前記取り外しフレーム135hの支持軸143とネジ軸145とを外側から水平方向にボス151・152に挿入し、抜け止め用のピンとナット148で固定することで、前記延長ステップ130より外側に水平方向に延長して取り外しフレーム135hが配され、荷物等を載置するスペースを設けることができる。
【0034】
次に、前記取り外しフレーム135hの支持構成の別実施例について、図12、図13を用いて説明する。
前述した第一実施例と同様に、取り外しフレーム135hは、下方に支持軸143とネジ軸145とを突出し、該支持軸143とネジ軸145とが前補強フレーム131b内に挿入され支持されている。さらにこの形態においては、取り外しフレーム135hを下方に回動自在に支持している。前記前補強フレーム131b後部下部に固定部156が固設されている。該固定部156後面には、固定ピン158が挿入されるピン孔が開口されている。該固定ピン158は、軸径の異なる段差状に形成され、端部にノブが固設されている。また、前記固定側フレーム135g後部に、水平後方に支点軸157が突出されている。
【0035】
一方、前記取り外しフレーム135hの前部より下方に、回動アーム154を固設し、該回動アーム154を下方に突出している。該回動アーム154には、上下方向に長径を有する長孔154aが開口され、該長孔154a内に、前記支持軸157が遊嵌されている。
【0036】
更に、前記固定板136後部に係合アーム155が固設され、該係合アーム155を下方に突出し、固定部156後面の後方位置まで延出されている。前記係合アーム155には、上下方向に複数個の孔と、該孔を溝によって連通させた形状の長孔155aが開口されている。該長孔155a内には、固定部156に挿入される固定ピン158の段差部が遊嵌されている。前記固定ピン158を固定部156に深く挿入すると、長孔155aの孔内に固定ピン158が係合されている。固定ピン158を浅く挿入した状態にすると、固定ピン158と長孔155aの孔との係合が外れ、取り外しフレーム135hを上下動させることができる。
【0037】
このように構成したことによって、通常の作業時においては、前記前補強フレーム131b上方に取り外しフレーム135hを配設し、該取り外しフレーム135hを機体への昇降時の把手として使用したり、延長ステップ130上で作業するオペレータの足元を保護するようにしている。
【0038】
そして、田植機の作業を行わない移動時や格納時においてブロワ64を機体内側に収納させる際には、先ず、固定ピン158を後ろ側に引いて、固定ピン158と係合アーム155との係合を外す。この次に、取り外しフレーム135hを上方に持ち上げると、取り外しフレーム135h前部の回動アーム154が支点軸157に案内され、取り外しフレーム135h後部の係合アーム155が固定ピン158に案内されながら、取り外しフレーム135hが上方に持ち上げられる。該取り外しフレーム135hが図12の二点鎖線の135h’に示すように位置すると、支持軸143・145が前補強フレーム131bより抜脱される。
【0039】
そして、取り外しフレーム135hを支点軸157と固定ピン158とを中心に下方に回動させている。前記延長ステップ130の下方に回動した取り外しフレーム135hを上方に持ち上げ、係合アーム155の長孔155a内の適所位置と固定ピン158との位置を一致させている。
そして、固定ピン158を深く差し込んで、固定ピン158と係合アーム155とを係合させて、取り外しフレーム135hを前補強フレーム131bの下方位置に固定している。よって、前記固定ピン158の操作のみで取り外しフレーム135hが下方に回動され、延長ステップ130上部が開放され、ブロワ64を機体内側に収納することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1においては、田植機の走行機体後部に多条植え用の植付部を付設し、運転席13周りのフロアやステップを構成する後部車体カバー2を車体フレーム3上に載置した構成において、該後部車体カバー2の左右両側に延長ステップ130を配し、該延長ステップ130の周囲を囲むガイドフレーム135を設け、該ガイドフレーム135を、リアフレーム135aとサイドフレーム135b・135bにより構成し、該リアフレーム135aと、該サイドフレーム135b・135bの後部を取り外し可能に構成し、該取り外した位置に、作業機を取付可能に構成したので、左右両側の延長ステップを固設した平面視略門型のガイドフレームの後部を、延長ステップの上方位置に配したことで、延長ステップ後部で、苗マットの供給作業等を行っているオペレータの足元が保護され、延長ステップ上で作業するオペレータにさらなる安心感がもたらせられる。
また、該サイドフレームの後部を取り外し可能にし、取り外しすることで、更に大きな作業機を配したり、サイドフレームより外側に突出した作業機を折り畳んで収納する際に、干渉することなくスムーズに収納することができる。
【0041】
請求項2においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、該作業機を、植付け条数に合わせた施肥タンク61とブロワ64より構成される施肥部36としたので、空気圧送型の施肥機を搭載した場合に、サイドフレームより外側に突出していた空気を施肥機に圧送するブロワを収納することができる。
【0042】
請求項3においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、後部車体カバー2と延長ステップ130とガイドフレーム135とを一体的に構成し、前記延長ステップ130に突設したステー132・133を、車体フレーム3側に載置固設したので、後部車体カバーの左右両側に配した延長ステップと、後部車体カバーとが車体フレームに支持されており、平面視略門型のガイドフレームによって、左右の延長ステップを後部車体カバーを跨いで左右両側の延長ステップを固設しており、左右の延長ステップと後部車体カバーとに一体感を生じ、延長ステップ上で作業するオペレータが安心して苗マットの供給作業等を行うことができる。
【0043】
請求項4においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、該ガイドフレーム135の前後中途部を延長ステップ130より上方に配置して把手としたので、平面視略門型のガイドフレームの前後途中部を延長ステップより上方に配して、その部分を機体への乗り降りにおける把手として使用することができ、乗降時のオペレータの負担を軽減することができる。
【0044】
請求項5においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135hは、取り外し後に上下方向の取付孔に下方から取付け可能としたので、サイドフレーム後部を延長ステップ上面に配置したり、延長ステップ下面に配置することができる。延長ステップ下面にサイドフレーム後部を配した状態にすることで、機体後部に配した作業機を折り畳み、機体の左右幅を狭めた状態にするこができ、機体を移動したり格納することが出来るのである。
【0045】
請求項6においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135hは、取り外し後に左右方向の取付孔に側方から取付け可能としたので、サイドフレーム後部を延長ステップに沿って水平方向に配置することができ、延長ステップの横幅をさらに大きくすることができ、荷物等を載置する空間を広くすることが出来るのである。
【0046】
請求項7においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記延長ステップ130の前部より前下方に乗降用の補助ステップ11を延設したので、該補助ステップを延長ステップに一体的に固設したことによって、延長ステップを取り外すと同時に、補助ステップも取り外すことができる。よって、メンテナンス作業時に、個別に補助ステップを取り外す必要がないので、組立を簡略化した構成となっている。
【0047】
請求項8においては、請求項1記載の田植機のステップ構造において、該延長ステップ130前部より前下方に配した補助ステップ11を前方外側向きに配し、補助ステップ11の外側端部を延長ステップ130の外側面より内側に配置したので、機体の左右幅が広がることをできるだけ抑えた構成にして、補助ステップを前方外側向きに傾斜させて配しており、ステップとして使用するための十分な面積があるので、側方より乗降するオペレータによって、足をかけやすい構成とすることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車体カバーを有する田植機の全体右側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 本発明の延長ステップを装着した車体カバーの斜視図である。
【図4】 延長ステップに装着した補助ステップの配置を示す平面図である。
【図5】 走行機体後部に施肥機を搭載した田植機の全体左側面図である。
【図6】 本発明の分割した延長ステップを配した作業車の部分側面図である。
【図7】 分割可能な前部フレームを配した作業車の部分側面図である。
【図8】 取り外しフレームの支持構成を差し込み式にした側面図である。
【図9】 取り外しフレームの支持構成を示す側面図である。
【図10】 差し込み式にした取り外しフレームの別の支持構成を示す側面図である。
【図11】 取り外しフレームの別の支持構成を示す正面断面図である。
【図12】 取り外しフレームの別形態の支持構成を示す側面である。
【図13】 同じく取り外しフレームの支持構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 走行機体
2 後部車体カバー
2a フロア
2c ステップ
3 車体フレーム
11 補助ステップ
12 前部車体カバー
12c 膨出部
12e 合わせ孔
12d エア吹き込み口
12m 凸部
12p 補強部
13 運転席
15 植付け部
36 施肥部
63 エアタンク
64 ブロア
130 延長ステップ
135 ガイドフレーム
135a リアフレーム
135b サイドフレーム
135f 取り外しフレーム
143・145 支持軸
131c・131d 孔
131e・131f 孔

Claims (8)

  1. 田植機の走行機体後部に多条植え用の植付部を付設し、運転席13周りのフロアやステップを構成する後部車体カバー2を車体フレーム3上に載置した構成において、
    該後部車体カバー2の左右両側に延長ステップ130を配し、該延長ステップ130の周囲を囲むガイドフレーム135を設け、
    該ガイドフレーム135を、リアフレーム135aとサイドフレーム135b・135bにより構成し、該リアフレーム135aと、該サイドフレーム135b・135bの後部を取り外し可能に構成し、該取り外した位置に、作業機を取付可能に構成したことを特徴とする田植機のステップ構造。
  2. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、該作業機を、植付け条数に合わせた施肥タンク61とブロワ64より構成される施肥部36としたことを特徴とする田植機のステップ構造。
  3. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、後部車体カバー2と延長ステップ130とガイドフレーム135とを一体的に構成し、前記延長ステップ130に突設したステー132・133を、車体フレーム3側に載置固設したことを特徴とする田植機のステップ構造。
  4. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、該ガイドフレーム135の前後中途部を延長ステップ130より上方に配置して把手としたことを特徴とする田植機のステップ構造。
  5. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135hは、取り外し後に上下方向の取付孔に下方から取付け可能としたことを特徴とする田植機のステップ構造。
  6. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記サイドフレーム135bは前方の固定側フレーム135gと、後方の取り外しフレーム135hとに分割され、該取り外しフレーム135hは、取り外し後に左右方向の取付孔に側方から取付け可能としたことを特徴とする田植機のステップ構造。
  7. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、前記延長ステップ130の前部より前下方に乗降用の補助ステップ11を延設したことを特徴とする田植機のステップ構造。
  8. 請求項1記載の田植機のステップ構造において、該延長ステップ130前部より前下方に配した補助ステップ11を前方外側向きに配し、補助ステップ11の外側端部を延長ステップ130の外側面より内側に配置したことを特徴とする田植機のステップ構造。
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