JP2516399Y2 - 田植機における補助苗載置装置 - Google Patents

田植機における補助苗載置装置

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JP2516399Y2
JP2516399Y2 JP1989067923U JP6792389U JP2516399Y2 JP 2516399 Y2 JP2516399 Y2 JP 2516399Y2 JP 1989067923 U JP1989067923 U JP 1989067923U JP 6792389 U JP6792389 U JP 6792389U JP 2516399 Y2 JP2516399 Y2 JP 2516399Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は、田植機における補助苗載置装置に係り、詳
しくは走行機体後方に植付装置を連結・支持した乗用田
植機において、運転シート後部に設けた補助苗台の支持
構造に関する。
(ロ)従来の技術 近時、乗用田植機は、ロータリ植付装置の採用等の植
付速度の向上が図られているが、これに伴い、特に8条
植え等の多条植え田植機にあっては、田植機への苗補給
作業の効率化が望まれている。
従来、乗用田植機は、機体に多くの補助苗を載置すべ
く、エンジン両側の機体前部に補助苗台を設置したも
の、また運転シート後方の機体後部に補助苗台を設置し
たものがある。
(ハ)考案が解決しようとする課題 ところで、機体前部に配置した補助苗台にあっては、
オペレータはいちいち苗皿を前方の補助苗台から機体後
方の苗のせ台に運ばなければならず、苗補給作業が極め
て面倒であると共にオペレータに過大な労働を強いるこ
とになる。
また、機体後方に補助苗台を設置したものでは、運転
シートの後部に、植付装置の苗のせ台とその昇降によっ
ても干渉しないように補助苗台を配置する必要があり、
このため田植機の全長が長くなると共に機体前後のバラ
ンスが悪くなる虞れがある。更に、該機体後方の補助苗
台は、走行機体に固定されてその高さが一定位置にある
ため、苗のせ台の位置によっては、苗皿を補助苗台から
苗のせ台に押し出すだけでは行えず、苗皿を持ち上げる
等の困難な作業を不自然な姿勢で行う必要がある。
また、植付条数に合わせて補助苗台の数を増加させる
と、補助苗台が機体横方向に大きく突出してしまい、田
植機の運搬時、格納時等にはその障害となってしまう虞
れがある。
そこで、本考案は、補助苗台を連結した可動支柱を、
植付装置に上昇位置ではその昇降に連動させ、下降位置
の植付け作業位置では連動しないように構成すると共
に、支柱より着脱自在とし、もって上述課題を解消した
田植機の補助苗載置装置を提供することを目的とするも
のである。
(ニ)課題を解決するための手段 本考案は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図及び第2図を参照して示すと、エンジン
(2)及び運転席(3)を有する走行機体(5)の後方
に、苗のせ台(6)及び植付杆(7)を有する植付装置
(9)を昇降自在に連結・支持してなる田植機(1)に
おいて、前記運転席(3)後方の走行機体(5)の後部
に支柱(10)を立設し、かつ該支柱(10)に、補助苗台
(11)を連結した可動支柱(12)を上下方向移動自在に
嵌挿し、該可動支柱(12)を、前記植付装置(9)の上
昇位置ではその昇降に連動させ、下降位置の植付け作業
位置では連動しないように構成すると共に、前記支柱
(10)より取り外し得るように構成したことを特徴とす
る。
(ホ)作用 以上構成に基づき、田植機(1)は、苗のせ台(6)
及び補助苗台(11)にマット苗を載置し、そして植付装
置(9)を下降した状態で、植付杆(7)により苗のせ
台(6)の苗を圃場に植付けながら走行する。そして、
苗のせ台(6)のマット苗が減少すると、補助苗台(1
1)に載置したマット苗を苗のせ台(6)に供給する。
また、田植機(1)が枕地において旋回を行う際、植
付作業を中断して植付装置(9)を上昇すると、該植付
装置(9)の上昇に連動して可動支柱(12)及び該可動
支柱(12)に連結した補助苗台(11)が上昇し、この状
態で田植機(1)は旋回を行う。
更に、田植機(1)が再び植付作業を行う際、植付装
置(9)を下降すると、該植付装置(9)の下降に連動
して可動支柱(12)及び該可動支柱(12)に連結した補
助苗台(11)が下降し、植付装置(9)が植付け作業を
行う下降位置では、補助苗台(11)は植付装置(9)の
上下動には連動しなくなって、この状態で田植機(1)
は植付作業を再開する。
また、田植機(1)を、例えば運搬する際、可動支柱
(12)及び該可動支柱(12)に連結した補助苗台(11)
を支柱(10)より取り外した状態で運搬する。
また、田植機(1)が、例えば一般路上を走行する
際、支柱(10)より可動支柱(12)を取り外し、その後
支柱(10)に安全フレーム等を取り付けた状態で走行す
ることも可能である。
なお、カッコ内の符号は、図面を参照するためのもの
であるが、何等構成を限定するものではない。
(ヘ)実施例 以下、図面に沿って、本考案の実施例について説明す
る。
8条植え乗用田植機1は、第2図に示すように、ホィ
ール20aを有する前輪20及び後輪21により支持されてい
る走行機体5を有しており、該走行機体5にはその前輪
20前方部分にエンジン2が搭載されていると共に、その
後輪21近傍にはミッションケース22が配設されており、
かつ前後輪の中間部分に、機体フレーム23に固定された
シートフレーム25にて支持されたシート26を有する運転
席3が配設されている。また、前記前輪20には、ホィー
ルキャップ20bがボルト止めされており、前輪20が泥土
を巻き込んでしまう等の不具合を防止すると共に、該ホ
ィールキャップ20bは所定板厚の重量部材により構成さ
れ、機体前後の重量バランスを調整している。更に、走
行機体5の後方には植付昇降リンク27を介して植付装置
9が昇降自在に支持されており、該植付装置9にはロー
タリ植付杆からなる多数の植付杆7…、フロート29及び
マット苗を縦方向に2枚載置し得る苗のせ台6が備えら
れている。また、機体前方の左右にはペースト状又は液
状肥料用の肥料タンク30が設置されており、該肥料タン
ク30から機体フレーム23に支持されたサクションホース
31が機体後方に向けて延びて、運転シート26の下方位置
に配設されているポンプ装置32に連通している。更に、
該ポンプ装置32から植付条数に応じたホース33…を介し
て、機体横方向に並んで設置されている各肥料流れセン
サ35及び切換えバルブ36に導かれ、そして各ホース37を
介して植付杆7近傍のノズル39に導かれている。
また、第1図ないし第4図に示すように、前記ミッシ
ョンケース22にはブラケット40,40がボルト止めされて
おり、該ブラケット40,40にはパイプ等からなる支柱10,
10が固定されている。そして、該支柱10,10は、乗用田
植機1の側面視において、後車軸上となるように配設さ
れていると共に、可動支柱12,12が上下方向摺動自在に
嵌挿されており、該可動支柱12,12には後述する補助苗
台11のベースフレーム41がピン42にて機体前後方向回動
自在に支持されている。また、前記支柱10,10はその上
端部近傍を連結部材10aにて連結され、後方視において
門型に形成されており、従って限られたスペースにおい
ても充分な強度を確保し得、かつ可動支柱12,12を支柱1
0,10より着脱する際の可動支柱12,12の芯ずれを防止し
得る。また、前記ベースフレーム41には上段苗載置台11
a及び下段苗載置台11bを有する補助苗台11が固定されて
いると共に、プレート41aを介して補助苗台傾動レバー4
3が固定されており、該レバー43の動きに合わせて補助
苗台11を機体前後方向に回動し得、かつ左右の可動支柱
12,12の連結部材12aに固定されたガイド45の切欠き部45
a…に補助苗台傾動レバー43を嵌合することにより補助
苗台11を多数段の所定位置に保持し得る。一方、前記連
結部材12aには支持アーム46が固着されており、支持部
材47を介して前記植付昇降リンク27のアッパーリンク27
aと当接し得るように構成されている。なお、前記支柱1
0,10には、その略々中央のそれぞれ機体左右方向側にス
テップ49,49がブラケット49a,49aにて固定されており、
従って苗のせ台6への苗補給、特に苗のせ台6の両端部
への苗補給を容易になし得る。
本実施例は、以上のような構成よりなるので、乗用田
植機1は、苗のせ台6及び補助苗台11にマット苗を載置
した状態で、植付装置9を下降して、フロート29に作用
する土圧に基づき自動的に植付け深さを制御される植付
け作業位置に保持し、苗のせ台6から供給される苗を植
付杆7により掻取り・挿苗すると共に、肥料タンク30に
貯蔵しているペースト肥料をポンプ装置32により植付杆
7近傍のノズル39に導き、該ノズル39により条に沿って
施肥を行いながら圃場を走行する。
また、苗のせ台6のマット苗が残り少なくなると、オ
ペレータは田植機1の走行を停止し、植付装置9を植付
下降位置に保持したままで補助苗台傾動レバー43を上方
へ引き上げて該レバー43を一段上方の切欠き部45aに嵌
合させ、補助苗台11を機体後方に傾動した状態に保持
し、この状態で苗皿を押し出すことにより、下段苗載置
台11bに載置したマット苗を苗のせ台6に供給する。
ついで、苗のせ台7上にマット苗が供給された状態
で、植付作業が再開される。そして、再び苗のせ台6上
のマット苗が残り少なくなると、オペレータは、乗用田
植機1を停止して、植付装置9を植付下降位置に保持し
たままで、補助苗台傾動レバー43を更に上方へ引き上げ
て該レバー43を更に上段の切欠き部45aに嵌合させ、補
助苗台11を機体後方へ更に傾動した状態に保持し、この
状態で苗皿を押し出すことにより上段苗載置台11aに載
置したマット苗を苗のせ台6に供給する。
一方、乗用田植機1が枕地において旋回を行う際、植
付・施肥作業を中断して油圧アクチュエータの作動に基
づく植付昇降リンク27の作用により、植付装置9を上昇
させる。すると、前記植付昇降リンク27が圃場面に対し
て略々平行となる位置で、該リンク27のアッパーリンク
27aに固設された支持部材47が支持アーム46と当接して
押し上げ、以後植付装置9の上昇に連動して可動支柱12
が押し上げられ、補助苗台11が上昇する。そして、植付
装置9と補助苗台11とは一定の間隔を保ったまま上限位
置まで上昇し、その状態で乗用田植機1は旋回を行う。
また、乗用田植機1が再び植付・施肥作業を行うべ
く、油圧アクチュエータの作動に基づき植付昇降リンク
27を作動させて植付装置9を下降すると、植付昇降リン
ク27が圃場面に対して略々平行となる位置で、可動支柱
12の連結部材12aが支柱10上端部に当接して可動支柱12
の下降を阻止し、補助苗台11を下降位置に保持する。そ
して、植付装置9は更に下降を続けて植付け作業位置に
保持され、その状態で乗用田植機1は植付・施肥作業を
行う。
更に、乗用田植機1の運搬又は保管場所への格納を行
う際、オペレータは、補助苗台11と共に可動支柱12を上
方へ引き上げ、該可動支柱12を支柱10の上端から上方へ
引き抜く。そして、可動支柱12及び補助苗台11を支柱10
より取り外してしまった状態で、乗用田植機1を運搬又
は格納する。
また、乗用田植機1が一般路上を走行する際、上述し
たのと同様な過程で可動支柱12及び補助苗台11を支柱10
より取り外し、その後該支柱10に安全フレーム又は日除
け等を取り付けて路上走行する。
なお、上述実施例においては、8条植え乗用田植機に
適用したものについて説明したが、これに限らず6条植
え、4条植え等の乗用田植機に適用してもよいことは勿
論である。
(ト)考案の効果 以上説明したように、本考案によると、走行機体
(5)後方に配置した補助苗台(11)を連結した可動支
柱(12)を、植付装置(9)の上昇位置ではその昇降に
連動させ、下降位置の植付け作業位置では連動しないよ
うに構成したので、後方に補助苗台(11)を配置して、
多くの補助苗を機体に載置できるものでありながら、補
助苗台(11)の補助苗と苗のせ台(6)との干渉う防止
して、田植機(1)の全長を短く構成でき、旋回半径を
小さくして枕地を減少できると共に、補助苗台(11)及
び植付装置(9)を機体重心に近づけて配置して、機体
の前後バランスを良好に保持し得、植付け性能をも向上
することができる。
また、植付装置(9)の上昇位置ではその昇降に連動
して補助苗台(11)を連結した可動支柱(12)が上下動
するので、植付装置の位置にかかわらず、補助苗台(1
1)から苗のせ台(6)に略々一定の姿勢にて補助苗を
供給することができ、補助苗供給作業を容易にかつ素早
く行うことができる。
また、補助苗台(11)を連結した可動支柱(12)を、
支柱(10)より取り外し得るように構成したので、後方
に補助苗台(11)を配置して、多くの補助苗を機体に載
置できるものでありながら、例えば田植機(1)の運搬
時又は格納時には、必要に応じて容易に可動支柱(12)
を取り外すことができ、従って補助苗台(11)が田植機
(1)の運搬・格納等の障害となることはなく、これに
より田植機(1)の運搬・格納等を効率よくかつ迅速に
行うことができる。
また、支柱(10)を機体に残したまま、可動支柱(1
2)を取り外し得るように構成したので、可動支柱(1
2)を取り外した際、支柱(10)に他の装置、例えば安
全フレーム又は日除けを取り付けることができる。
特に、支柱(10)を、田植機(1)の側面視において
後車軸上となるように配設すると、補助苗台(11)にマ
ット苗を満載した状態においても、機体重量の前後バラ
ンスを良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る補助苗載置装置を適用した乗用田
植機を機体後方から見た図、第2図はその全体側面図、
第3図はその補助苗台傾動レバーを示す側面図、第4図
はその補助苗台傾動レバーのガイドを機体前方から見た
図である。 1……田植機(乗用田植機)、2……エンジン、3……
運転席、5……走行機体、6……苗のせ台、7……植付
杆、9……植付装置、10……支柱、11……補助苗台、12
……可動支柱。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン及び運転席を有する走行機体の後
    方に、苗のせ台及び植付杆を有する植付装置を昇降自在
    に連結・支持してなる田植機において、 前記運転席後方の走行機体後部に支柱を立設し、かつ該
    支柱に、補助苗台を連結した可動支柱を上下方向移動自
    在に嵌挿し、該可動支柱を、前記植付装置の上昇位置で
    はその昇降に連動させ、下降位置の植付け作業位置では
    連動しないように構成すると共に、前記支柱より取り外
    し得るように構成してなる、 田植機における補助苗載置装置。
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