JP4856750B2 - 荷搬出入制御方法および荷昇降搬送設備 - Google Patents
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Description
また、「キャパシタ」は、電気二重層コンデンサのような大容量コンデンサなどで構成されるが、これに限られるものではない。
さらに、第1、第2の各荷昇降搬送設備を構成する「制御手段」や「判別手段」は、プログラムされたコンピュータにより実現できるが、専用のハードウェア回路によっても実現することが可能である。
この実施態様によると、省エネルギー化が可能であり、使用する商用電力を低減できる。また、ピーク電力の抑制をはかることができ、商用電源の設備容量を低減できる。
また、停電の発生により昇降かごの昇降動作が途中で停止しても、確実かつ速やかに昇降途中の昇降かごを目的階へ導きかつ昇降かご内の荷を出入り口より塔体外へ搬出させることができる。したがって、火災、落雷、短絡事故などの原因で停電が発生した場合に、荷が塔体内に取り残されることがなく、生鮮食品や冷凍食品のような食料品などの荷が塔体内に取り残されて鮮度低下などにより食料品を駄目にしてしまうことがない。
図示例の荷昇降搬送設備は、建物の1階のフロアF1と2階のフロアF2との間で荷を搬送するために設けられたものであり、金属フレームなどで建物内に組み立てられた塔体1と、塔体1内を塔体1に沿って昇降動作する昇降かご2と、塔体1の各階の出入り口11,12の外側にそれぞれ設置される荷搬出入装置3,4とで構成されている。なお、図示していないが、塔体1の各階の出入り口11,12にはバッテリ駆動の防煙のためのシャッターが設置されている。
図4(1)〜(8)は、荷Rを1階のフロアF1から2階のフロアF2へ搬送するときの荷Rの搬送過程を示している。
同図において、5は三相交流の商用電源であり、商用電源5からの商用電力は整流回路および平滑コンデンサを含むコンバータ50を経て直流に変換される。この交流−直流変換により直流母線56,57間の電圧が所定の電圧(例えば290V)に昇圧され、運転が可能な状態となる。直流母線56,57には、インバータ51〜54を介して、昇降機構21のモータM1と、昇降かご2のコンベヤ20を駆動するモータM2と、1階の荷搬出入装置3のコンベヤ30を駆動するモータM3と、2階の荷搬出入装置4のコンベヤ40を駆動するモータM4とがそれぞれ接続されており、各インバータ51〜54で直流−交流変換された電力が各モータM1〜M4へ供給される。
図中、55は直流母線56,57に接続された電源回生ユニットであり、制御回路7より回生開始指令を受け、直流母線56,57間の電圧が所定値以上になると、電源側に電力を回生可能な状態とする。そして、回生運転時の充電によってキャパシタ6がフル充電状態になった場合など、直流母線56,57間の電圧が所定値以上になったとき、回生エネルギーが電源回生ユニット55より商用電源5へ返される。
図示例の制御回路7はマイクロコンピュータにより構成されており、制御、演算の主体であるCPU70と、プログラムや固定データが格納されるROM71と、各種のデータの読み書きに供されるRAM72とを含んでいる。CPU70には、上記した荷検出センサS01,S02,S11,S21、荷搬出入検知センサS12,S22、位置検知センサSF1,SF2、各階の操作パネル73,74、電源回生ユニット55、DC−DCコンバータ60、昇降駆動用のインバータ51、コンベヤ駆動用のインバータ52〜54などの入出力各部がバス75を介して電気接続されている。操作パネル73,74は1階および2階の出入り口11,12の近傍に設置され、各種の指令を入力するためのボタン、データを入力するためのキースイッチの他、ディスプレイや報知ランプなどが設けられている。
CPU70は、ROM71に格納されたプログラムにしたがって、RAM72に対するデータの読み書きを行いつつ入出力各部の動作を一連に制御する。
なお、上記した制御回路7や各センサには無停電電源装置8が接続されており、停電が発生しても制御回路7による制御動作や各センサによる検出動作に支障が生じることはない。
同図のST1では、CPU70は運転可能な「スタンバイ状態」であるかどうかを判定しており、その判定が「YES」であれば、つぎのST2で1階の操作パネル73の自動運転ボタンが押されたかどうかを判定する。その判定が「NO」であれば、CPU70はDC−DCコンバータ60に対して充電開始指令を発し(ST3)、充電回路61を通してキャパシタ6に電力が蓄えられる。
同図のST1では、CPU70は運転可能な「スタンバイ状態」であるかどうかを判定しており、その判定が「YES」であれば、つぎのST2で2階の操作パネル74の自動運転ボタンが押されたかどうかを判定する。その判定が「NO」であれば、CPU70はDC−DCコンバータ60へ充電開始指令を与え(ST3)、充電回路61を通してキャパシタ6に電力が蓄えられる。
停電の発生により同図のST1の判定が「YES」になると、CPU70は荷が搬送過程のどの段階にあるのかをチェックする(ST2)。チェックの結果、荷の全部または一部が昇降かご2上にあると判定されたとき、CPU70はDC−DCコンバータ60に対して放電開始指令を発してキャパシタ6に蓄えられた電力を放電回路62を通して放電させた後、運転指令に待機する(ST4)。
図11は、荷を1階から2階へ搬送するときの荷の搬送過程(現在位置)を複数のフラグを用いて順次記憶する手順の具体例を示している。
同図のST2−1では、1階の荷搬出入装置3の荷検出センサS11がオンしたかどうか、すなわち、荷を検出したかどうかを判定しており、その判定が「YES」になれば、荷が荷搬出入装置3のコンベヤ30上に載置されたと判断し(図4(1)参照)、荷受付フラグF1がRAM72の所定の領域にセットされる(ST2−3)。
次のST2−12では、2階の位置検知センサSF2がオンしたかどうかを判定しており、その判定が「YES」になれば、昇降かご2が2階に到達して荷の搬出に待機していると判断し、荷搬出待機フラグF7がRAM72の所定の領域にセットされる(ST2−15)。
したがって、荷が搬送過程のどの段階にあるかは、RAM72の所定の領域を参照してフラグF1〜10のセット状態をチェックすることにより判定できるもので、停電発生時、例えば、荷搬入中フラグF3がセットされかつ荷搬入済フラグF4がセットされていなければ、図10のST5の判定は「YES」となる。
11,12 出入り口
2 昇降かご
3,4 荷搬出入装置
6 キャパシタ
7 制御回路
20,30,40 コンベヤ
21 昇降機構
Claims (5)
- 荷を搬出入するためのコンベヤが搭載された昇降かごと、昇降かごを塔体に沿って昇降動作させるモータ駆動の昇降機構と、塔体の各階の出入り口の外側にそれぞれ設置され昇降かごの前記コンベヤと連動して昇降かごに対する荷の搬出入を行うコンベヤを備えた荷搬出入装置とで構成される荷昇降搬送設備において、昇降動作の停止期間中に商用電源から供給される電力と昇降機構の回生運転時に昇降機構のモータから得られる回生電力との少なくとも一方を蓄えるキャパシタを有し、停電の発生により昇降かごに対する荷の搬入動作または搬出動作が途中で停止したとき、キャパシタに蓄えられた電力を昇降かごのコンベヤと停止階の荷搬出入装置のコンベヤとに供給して、搬入途中または搬出途中の荷を出入り口より塔体外へ搬出させることを特徴とする荷搬出入制御方法。
- 請求項1に記載された荷搬出入制御方法であって、さらに、停電の発生により昇降かごの昇降動作が途中で停止したとき、キャパシタに蓄えられた電力を昇降機構のモータと昇降かごのコンベヤと目的階の荷搬出入装置のコンベヤとに供給して、昇降途中の昇降かごを目的階へ導きかつ昇降かご内の荷を出入り口より塔体外へ搬出させることを特徴とする荷搬出入制御方法。
- 荷を搬出入するためのコンベヤが搭載された昇降かごと、昇降かごを塔体に沿って昇降動作させるモータ駆動の昇降機構と、塔体の各階の出入り口の外側にそれぞれ設置され昇降かごの前記コンベヤと連動して昇降かごに対する荷の搬出入を行うコンベヤを備えた荷搬出入装置とで構成される荷昇降搬送設備において、昇降動作の停止期間中に商用電源から供給される電力と昇降機構の回生運転時に昇降機構のモータから得られる回生電力との少なくとも一方を蓄えるキャパシタと、停電の発生時に昇降かごに対する荷の搬入動作または搬出動作が途中で停止したことを判別する判別手段と、昇降かごに対する荷の搬出入動作を制御する制御手段とを備え、停電の発生時に前記判別手段により昇降かごに対する荷の搬入動作または搬出動作が途中で停止したことが判別されたとき、前記制御手段はキャパシタに蓄えられた電力を昇降かごのコンベヤと停止階の荷搬出入装置のコンベヤとに供給して搬入途中または搬出途中の荷を出入り口より塔体外へ搬出させる動作を実行させるようにした荷昇降搬送設備。
- 請求項3に記載された荷昇降搬送設備であって、停電の発生により昇降かごの昇降動作が途中で停止したことを判別する判別手段をさらに備え、停電の発生時に前記判別手段により昇降かごの昇降動作が途中で停止したことが判別されたとき、前記制御手段は、キャパシタに蓄えられた電力を昇降機構のモータと昇降かごのコンベヤと目的階の荷搬出入装置のコンベヤとに給電して昇降途中の昇降かごを目的階へ導きかつ昇降かご内の荷を出入り口より塔体外へ搬出させる動作を実行させるようにした荷昇降搬送設備。
- 請求項3または4に記載された荷昇降搬送設備であって、前記制御手段は昇降機構の力行運転時にキャパシタに蓄えられた電力を昇降機構のモータへ供給している荷昇降搬送設備。
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