JP7025783B1 - 荷台の制動装置、自転車収納用ラックの制動装置及び駐輪機 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定レールや補助車輪に対して直接的に制動力を及ぼすことなく、また自転車の搬入時における制動装置自身の横滑り現象を防止して、固定レール、補助車輪のみならず自身の耐久性をも維持できる制動装置、及びそのような制動装置を装備した駐輪機を提供する。【解決手段】 足掛部12に外力P1が付加されブレーキペダル10の先端部11が制動軸線Aの周りに待機状態から作動状態へ回動するときキャスタ9が浮揚状態となる一方、第一死点越え機構20は付勢力の作用線Tが制動軸線Aを横切り上方から下方へ移動する際に先端部11の回動付勢方向が逆転し、先端部11を地表面Eに接近する方向に回動付勢し、第二死点越え機構30は回転軸線Bが垂直面Sを横切り移動する際に円筒状ローラ31が接地状態で回転しながらブレーキペダル10及びラック2を一旦持ち上げた後降ろして回転停止する。これによりラック2を地表面Eに対し拘束状態に保持する。【選択図】図13

Description

本発明は、固定レールと補助車輪とで支持され、物品を載置しつつ固定レールに沿って横移動可能な荷台の制動装置に関する。特に本発明は、固定レールと補助車輪とで支持され、自転車を収納しつつ固定レールに沿って横移動可能な自転車収納用ラックの制動装置と、そのような制動装置を装備した駐輪機に関する。
横移動式の駐輪機は、構造や操作が簡便で自転車の収容効率がよく、設置や保守に要する費用も比較的安価であるため、歩道上・公園内等に常設された屋外駐輪場、マンション・アパート等に開設された屋内駐輪場、ビル・地下駅等に併設された地下駐輪場を問わず広く普及している。また、上下2段式の駐輪設備において下段の駐輪機にも用いられている。
このような横移動式の駐輪機では、自転車収納用のラックは1本の固定レールと1又は複数のキャスタ(つまり、補助車輪)によって水平に移動するので、使用者が子供や高齢者であっても駐輪作業を楽に行える。その反面、自転車の搬入時にラックの横ずれ(すなわち、横方向への逃げ)が発生しやすく、自転車の搬入ミスを生じたり、ラック、自転車の損傷や使用者の負傷を誘発したりするおそれがある。
自転車の搬入時におけるラックの横ずれを防止するために、特許文献1には、昇降体(制動装置)の接地により補助車輪を浮揚状態とする技術が開示されている。特許文献1の昇降体は固定レールや補助車輪に直接的に制動力を及ぼすものではないので、固定レールや補助車輪の経時的な表面劣化を抑制でき、これらの耐久性を維持する(すなわち、長期にわたり安定した横スライド移動を確保する)ことができる。
しかしながら、昇降体の先端面と地表面(基準面)との間に生じる摩擦力(摩擦抵抗)はこれらの面の状態(材質、粗さ、湿度等)、とりわけ地表面の性状に大きく依存し、例えば地表面が雨天等で濡れていたり、塗り床、鏡面仕上げ等で覆われていたりすると摩擦係数の減少を招きやすい。その結果、自転車の搬入時、つまり搬入前及び搬入途中であって自転車の全重力が昇降体に作用する前には昇降体の先端面と地表面との間の摩擦力は小さいから、昇降体が地表面上を横滑りする現象が発生しやすくなる。そして、自転車の搬入時における昇降体の横滑り現象が繰り返されると、昇降体自身の寿命(ひいては制動装置全体の耐久性)が阻害される可能性があり、特許文献1のような制動装置にも更なる改善の余地が残されている。
なお、自転車収納用ラックの場合に限らず一般的に物品を載置して横移動可能な荷台の制動装置においても共通の課題が発生し得る。
登録実用新案第3199824号公報
本発明の課題は、固定レールや補助車輪に対して直接的に制動力を及ぼすことなく、また自転車の搬入時(又は荷物の導入時)における制動装置自身の横滑り現象を防止して、固定レール、補助車輪のみならず自身の耐久性をも維持できる制動装置、及びそのような制動装置を装備した駐輪機を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の自転車収納用ラックの制動装置は、
基準面(例えば地表面)上に配設された固定レールに長手方向の一端側(例えば前端側)が支持され、基準面に着地し基準面上を転動する補助車輪(例えばキャスタ)に長手方向の他端側(例えば後端側)が支持されることにより前記固定レールに沿うレール方向に移動可能とされた、自転車収納用の細長いラックを基準面に対して拘束するための制動装置であって、
前記補助車輪の近傍(例えば一端寄り、すなわち前方)において前記ラックの幅方向に沿って水平状に配置された制動軸線の周りに回動可能に設置され、回動時の先端部が前記補助車輪の下縁よりも上方で待機する待機状態と、その下縁よりも下方で基準面に接近又は接地する作動状態とに位置変更可能であり、さらに前記先端部を前記待機状態から前記作動状態に移行させるために人為的な操作により付加される外力を受け止める受止部(例えば足掛部)を有する、制動用の本体部材(例えばブレーキペダル)と、
前記待機状態にある前記先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢するように前記ラックと前記本体部材との間に掛け渡された付勢部材を含み、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記付勢部材に生じる付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って移動することに伴って前記付勢力に基づく前記先端部の回動付勢方向が逆転する第一死点越え機構と、
前記本体部材において前記制動軸線よりも下方には該制動軸線と平行状に回転軸線が配置され、該回転軸線の周りに回転可能であって前記先端部の待機状態において基準面から離間する離間状態となり、前記先端部の作動状態において基準面に接地する接地状態となる回転部材(例えば円筒状ローラ)を有し、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記制動軸線から基準面に下ろした垂直面を前記回転軸線が横切って移動することに伴って前記回転部材が前記接地状態を維持しつつ前記先端部の回動方向と同方向に基準面上を回転することにより前記本体部材及び前記ラックを昇降(具体的には制動軸線を昇降)する第二死点越え機構と、を備え、
前記受止部に前記外力が付加されて前記本体部材の先端部が前記制動軸線の周りに前記待機状態から前記作動状態へと回動するとき前記補助車輪が浮揚状態となる一方、前記第一死点越え機構は前記付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って上方から下方へ移動する際に前記先端部の回動付勢方向が逆転し、前記先端部を基準面に接近又は接地する方向に回動付勢するとともに、前記第二死点越え機構は前記回転軸線が前記垂直面を横切って移動する際に前記回転部材が前記接地状態にて回転しながら前記本体部材及び前記ラックを一旦持ち上げた後降ろして回転停止することにより基準面に対する拘束状態に保持することを特徴とする。
第二死点越え機構の回転部材は、制動軸線から垂下した垂直面を自身の回転軸線が横切る形で死点越え移動する際に、接地状態を維持しつつ先端部の回動方向と同方向に基準面上を回転するので、本体部材及びラックを容易に昇降することができる。また、受止部への外力の付加に基づく2つの死点越え機構の死点越え移動を経て接地状態にある回転部材は、ラックの重力等に基づき基準面との間に生じる摩擦力の他に、付勢部材の付勢力に基づき本体部材を介して伝達され基準面に及ぶ回動付勢力(すなわち、基準面に作用する押圧力)を受けて、基準面との接地状態で移動が拘束されているから、回転軸線方向への横滑り現象を生じにくい。このように、2つの死点越え機構の死点越え移動により、本体部材及びラックは基準面に対する拘束状態に保持される。
つまり、本発明の自転車収納用ラックの制動装置は、本体部材と第一及び第二死点越え機構とを備え、2つの死点越え機構の死点越え移動によって基準面の性状(材質、粗さ、湿度等)にかかわらず十分な制動機能が発揮され、ラックを基準面に対して安定して拘束(制動)できる。
そして、回転部材の回転軸線は平面視においてレール方向と斜めに交差する場合がある。回転軸線(すなわち、回転部材と基準面との接線)がレール方向に対し斜め交差することによって、ラックの重力等に基づく回転部材と基準面との間の摩擦力や、付勢部材の付勢力に基づき本体部材及び回転部材を駆動する回動付勢力(すなわち、回転部材から基準面に作用する押圧力)は、レール方向に対し斜め交差方向に作用することになり、ラックのレール方向への移動(すなわち、回転部材の横滑り現象)を抑制する効果が大きくなる。
なお、付勢部材の実施態様として、先端部が待機状態にあるとき先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢するために、付勢力としての圧縮力を生じる圧縮ガススプリングを用いることができる。これによって、確実な操作性とともに、先端部の作動状態において制動に伴う振動・騒音の軽減を図ることができる。この実施態様においては、「付勢力の作用線」はガススプリングのピストンロッド中心線であり、シリンダ取付軸及びピストンロッド取付軸の中心を結ぶ線でもある。
また、付勢部材の他の実施態様として、先端部が待機状態にあるとき先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢するために、付勢力としての引張力を生じる引張コイルばねを用いることもできる。これによって、確実な操作性とともに、コストを安価にすることができる。この実施態様においては、「付勢力の作用線」はコイルばねの本体部の中心線又は両端の取付中心位置を結ぶ線である。
さらに、これらに共通の実施態様として、回転部材はラックの幅方向に所定の幅寸法を有する回転ドラムであり、回転軸線に沿って1又は複数設けることが望ましい。例えば、回転部材はラックの幅方向に左右一対のキャスタとして設けられ、ラックの幅方向中心からの距離は、左右のうち本体部材の受止部が設置される側(例えば左側)の方を大とすることができる。これにより、ラックの幅方向片側に受止部が設けられることによる本体部材のねじれ、回転部材の横滑り現象等を容易に防止できる。なお、回転部材は1個の幅広ローラで構成してもよい。
上記付勢力の作用線が待機状態に対応する開始位置から制動軸線に達するまでに先端部が制動軸線の周りに回動する前方回動角θFに対して、付勢力の作用線が制動軸線を通過後作動状態に対応する終了位置に至るまでに先端部が制動軸線の周りに回動する後方回動角θRは小となるように設定され(θR<θF)、
先端部が待機状態から制動軸線の周りに前方回動角θFを回動し、第一死点越え機構の付勢力の作用線が開始位置から前記制動軸線に達するまでの間に、第二死点越え機構の回転部材は接地状態に達するとともに、
先端部が後方回動角θRを回動して作動状態に移行し、第一死点越え機構の付勢力の作用線が制動軸線を超え終了位置に至るまでの間に、第二死点越え機構の回転軸線は垂直面を横切って死点越え移動を終了することができる。
このように、本体部材(先端部)が外力の付加により前方回動角θFに達すると第一及び第二死点越え機構がほぼ同時に死点越え移動を開始し、前方回動角θFよりも小なる後方回動角θRにて両死点越え機構はほぼ同時に死点越え移動を終了する。よって、両死点越え機構による死点越え移動が円滑に行われ、本体部材(先端部)は作動状態へ迅速に移行できる。
ここで、前方回動角θFに対して後方回動角θRは1/3以下(θR/θF≦1/3)が望ましい。また、前方回動角θFに対して後方回動角θRは1/5以下(θR/θF≦1/5)が一層望ましい。一例として、前方回動角θF=50°,後方回動角θR=10°のとき、θR/θF=1/5である。
第二死点越え機構の回転部材は、ラックの長手方向すなわちラックが移動可能なレール方向とは交差(例えば直交)する方向に転がりながら(自転しながら)死点越え移動するので、このとき固定レールにおけるラックの支持構造には長手方向の力が作用する。後方回動角θRが上記した値を超える場合には、回転部材の長手方向移動量(ストローク)が相対的に大きくなってラックの支持構造に過大な負荷が及び、ラックのレール方向への移動を阻害するおそれがある。
さらに、これらに共通の実施態様として、前方回動角θFや後方回動角θRの回動範囲規制を行う場合、先端部が待機状態のとき、本体部材の一部がラック底面に当接して停止することができる。一方、先端部が作動状態のとき、本体部材の一部がラック底面若しくは基準面に当接して停止したり、又は死点越え移動後の回転部材が基準面に接地状態で停止したりすることができる。
上記本体部材には、受止部とは別に操作部(例えば踏込部)が設けられ、
操作部は、先端部が待機状態で補助車輪が着地状態にあるときに、先端部を制動軸線の周りに前方回動角θF以内で回動して、回転部材が基準面に接地するように人為的に操作される。
このように、補助車輪の着地状態にあるとき、ラックのレール方向への移動を操作部の操作で抑制できる。また、操作部の操作を解除すると先端部はすぐに待機状態に戻るので、ラックのレール方向への移動を直ちに開始(再開)できる。具体的には、操作部は受止部の下方の本体部材に一体形成することができる。
上記ラックへの自転車の搬入に基づいて本体部材の先端部を作動状態から待機状態に復帰させるための復帰機構をさらに備えることにより、
ラックへの自転車の搬入に基づき復帰機構が作動するとき、第二死点越え機構は回転軸線が垂直面を横切って戻り移動する際に回転部材が接地状態にて逆回転しながら本体部材及びラックを持ち上げるとともに、第一死点越え機構は付勢力の作用線が制動軸線を横切って下方から上方へ移動する際に先端部の回動付勢方向を再逆転させ、先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢し、
先端部が作動状態から待機状態に復帰し補助車輪が着地状態に戻ることにより、本体部材及びラックの基準面に対する拘束状態が解除され、自転車を収納したラックがレール方向に移動可能となる。
このように、自転車の搬入によってラックの制動(拘束)を解除することによって、自転車を収納したラックをスムーズに移動できる。具体的には、復帰機構は車輪受けと連動ロッドとを有し、本体部材は補助車輪に対し車輪受け側すなわちラックの一端側(前方側)に設けることができる。
上記ラックの一端側は固定レールを挟んで反対側の長手方向に延び、その延長部分のラックの底面から補助制動体が垂下して突出形成され、
補助制動体は、本体部材の先端部が待機状態にあるときには自身の下端が基準面から浮上し、かつ先端部が作動状態にあるときには自身の下端が基準面に当接することにより、ラックの基準面に対する拘束を助長することができる。
このように、基準面の性状等により本体部材での制動力が不足する場合には、補助制動体で制動力を補うことができる。具体的には、待機状態における補助制動体の下端位置をラックに対して昇降調節可能とすることにより、基準面からの離間距離を変更可能とすることができる。
そして、上記課題を解決するために、本発明の駐輪機は、
上記した自転車収納用ラックの制動装置が前記ラックに装備され、
前記ラックの空車状態において前記本体部材の受止部への前記外力の付加により前記本体部材の先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行し、前記ラックが基準面に対して拘束され自転車を搬入可能とすることを特徴とする。
これによって、レールに対しラックが直交、右振り、左振りのいずれのタイプの駐輪機であっても、また基準面の性状にかかわらず、ラックを基準面に対して安定して拘束(制動)できる。固定レールや補助車輪に対して直接的に制動力を及ぼさないのでこれらの劣化を抑制し、かつ自転車の搬入時における制動装置自身の横滑り現象を防止して耐久性を維持でき、駐輪機全体の耐久性向上にも寄与する。なお、自転車の搬入により上記した復帰機構が作動すると、先端部が作動状態から待機状態に復帰し、自転車を収納したラックのレール方向への移動が可能となる。
本発明の自転車収納用ラックの制動装置は、歩道上・公園内等に常設された屋外駐輪場、マンション・アパート等に開設された屋内駐輪場、ビル・地下駅等に併設された地下駐輪場を問わず、これらに設置されたいずれの駐輪機にも適用できる。なお、上下2段式の駐輪設備において下段の駐輪機にも適用可能である。
ところで、上記課題を解決するために、本発明の荷台の制動装置は、
基準面(例えば床面)上に配設された固定レールに一端側が支持され、基準面に着地し基準面上を転動する補助車輪(例えばキャスタ)に他端側が支持されることにより前記固定レールに沿うレール方向に移動可能とされた荷台(例えば工場内搬送用パレット)を基準面に対して拘束するための制動装置であって、
前記補助車輪の近傍において前記荷台に対し水平状に配置された制動軸線の周りに回動可能に設置され、回動時の先端部が前記補助車輪の下縁よりも上方で待機する待機状態と、その下縁よりも下方で基準面に接近又は接地する作動状態とに位置変更可能であり、さらに前記先端部を前記待機状態から前記作動状態に移行させるために人為的な操作又は機械的な駆動により付加される外力を受け止める受止部を有する、制動用の本体部材と、
前記待機状態にある前記先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢するように前記荷台と前記本体部材との間に掛け渡された付勢部材を含み、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記付勢部材に生じる付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って移動することに伴って前記付勢力に基づく前記先端部の回動付勢方向が逆転する第一死点越え機構と、
前記本体部材において前記制動軸線よりも下方には該制動軸線と平行状に回転軸線が配置され、該回転軸線の周りに回転可能であって前記先端部の待機状態において基準面から離間する離間状態となり、前記先端部の作動状態において基準面に接地する接地状態となる回転部材を有し、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記制動軸線から基準面に下ろした垂直面を前記回転軸線が横切って移動することに伴って前記回転部材が前記接地状態を維持しつつ前記先端部の回動方向と同方向に基準面上を回転することにより前記本体部材及び前記荷台を昇降(具体的には制動軸線を昇降)する第二死点越え機構と、を備え、
前記受止部に前記外力が付加されて前記本体部材の先端部が前記制動軸線の周りに前記待機状態から前記作動状態へと回動するとき前記補助車輪が浮揚状態となる一方、前記第一死点越え機構は前記付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って上方から下方へ移動する際に前記先端部の回動付勢方向が逆転し、前記先端部を基準面に接近又は接地する方向に回動付勢するとともに、前記第二死点越え機構は前記回転軸線が前記垂直面を横切って移動する際に前記回転部材が前記接地状態にて回転しながら前記本体部材及び前記荷台を一旦持ち上げた後降ろして回転停止することにより基準面に対する拘束状態に保持することを特徴とする。
受止部への外力の付加に基づく2つの死点越え機構の死点越え移動を経て接地状態にある回転部材は、上記した摩擦力の他に、上記した回動付勢力(すなわち、基準面に作用する押圧力)を受けて、基準面との接地状態で移動が拘束されているから、回転軸線方向への横滑り現象を生じにくい。このように、2つの死点越え機構の死点越え移動により、本体部材及び荷台は基準面に対する拘束状態に保持される。
つまり、本発明の荷台の制動装置は、上記した自転車収納用ラックの制動装置と同様に、本体部材と第一及び第二死点越え機構とを備え、2つの死点越え機構の死点越え移動によって基準面の性状(材質、粗さ、湿度等)にかかわらず十分な制動機能が発揮され、荷台を基準面に対して安定して拘束(制動)できる。
そして、このような荷台の制動装置においても、
上記付勢力の作用線が待機状態に対応する開始位置から制動軸線に達するまでに先端部が制動軸線の周りに回動する前方回動角θFに対して、付勢力の作用線が制動軸線を通過後作動状態に対応する終了位置に至るまでに先端部が制動軸線の周りに回動する後方回動角θRは小となるように設定され(θR<θF)、
先端部が待機状態から制動軸線の周りに前方回動角θFを回動し、第一死点越え機構の付勢力の作用線が開始位置から前記制動軸線に達するまでの間に、第二死点越え機構の回転部材は接地状態に達するとともに、
先端部が後方回動角θRを回動して作動状態に移行し、第一死点越え機構の付勢力の作用線が制動軸線を超え終了位置に至るまでの間に、第二死点越え機構の回転軸線は垂直面を横切って死点越え移動を終了することができる。
次いで、かかる荷台の制動装置において、
上記荷台への物品の導入に基づいて本体部材の先端部を作動状態から待機状態に復帰させるための復帰機構をさらに備えることにより、
荷台への物品の導入に基づき復帰機構が作動するとき、第二死点越え機構は回転軸線が垂直面を横切って戻り移動する際に回転部材が接地状態にて逆回転しながら本体部材及び荷台を持ち上げるとともに、第一死点越え機構は付勢力の作用線が制動軸線を横切って下方から上方へ移動する際に先端部の回動付勢方向を再逆転させ、先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢し、
先端部が作動状態から待機状態に復帰し補助車輪が着地状態に戻ることにより、本体部材及び荷台の基準面に対する拘束状態が解除され、物品を載置した荷台がレール方向に移動可能となる。
なお、荷台の制動装置において「受止部」は、人為的に又は機械的な駆動力(例えば、エアシリンダのロッド押出力)によって操作され得る。また、同じく「荷台への物品の導入」は、人為的に又は機械的な駆動力(例えば、ロボットアームのモータトルク)を用いて実行され得る。
本発明の第一実施例である駐輪機を示す全体平面図。 図1に示す空車状態の第一ラックの拡大平面図。 図2の正面図。 図3において待機状態の第一ラックのブレーキペダルを作動状態に移行したときの正面図。 図1に示す空車状態の第二ラックの拡大平面図。 図5の正面図。 図6において待機状態の第二ラックのブレーキペダルを作動状態に移行したときの正面図。 第一実施例のブレーキペダルの平面図。 図8の背面図。 図8の正面図。 図8の右側面図。 第一実施例において待機状態のブレーキペダルが作動状態に移行する過程を、ラックの正面図で示した正面説明図。 図12の背面説明図。 第一実施例において作動状態のブレーキペダルが待機状態に復帰する第一過程を、ラックの正面図で示した正面説明図。 図14に続く第二過程を示した正面説明図。 図15に続く第三過程を示した正面説明図。 図16に続く第四過程を示した正面説明図。 図17に続く最終状態を示した正面説明図。 第一実施例においてラックから自転車を搬出する際にラックを拘束する前後の状態を、ラックの正面図で示した正面説明図。 第一実施例の付勢部材を別の付勢部材に置き換えた変形例であって、図13相当図。 本発明の第二実施例である搬送設備の平面図を模式的に示した全体平面図。 図21の搬送設備が備える荷台の制動装置の拡大底面図。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す第一実施例を参照して説明する。
第一実施例の制動装置1は、図1に示すように、地表面E等の基準面(ここでは地表面E)上に配設された固定レール4に長手方向(すなわち前後方向)の一端側(ここでは前端側)が支持され、地表面Eに着地し地表面E上を転動するキャスタ9(補助車輪)に長手方向の他端側(ここでは後端側)が支持されることにより固定レール4に沿って移動可能とされた、自転車収納用の細長いラック2を地表面Eに対して拘束(制動を含む)するための装置である。本実施例の駐輪機100は、この制動装置1がラック2に装備され、ラック2の空車状態においてブレーキペダル10の足掛部12への外力P1(図12)の付加によりブレーキペダル10の先端部11が待機状態から作動状態に移行してラック2が地表面Eに対して拘束されて地表面E上を動かなくなる、もしくは動き難くなる。これにより、自転車BCLを搬入がしやすくなる。
ラック2は、図2~図7に示すように、自転車BCL(搬入物)の前輪FW及び後輪RW(図1)を搭載するために前後に長い樋状(自転車BCL収納用の細長い形状)を呈し長手方向の他端(ここでは後端)に車輪FW,RWの出入口2aが形成され、駐輪機100に対し複数(図では3台)設けられる。固定レール4は、ラック2の長手方向と交差する横方向(すなわち左右方向:レール方向)に水平状に配設される。具体的には、ラック2の一端部(ここでは前端部)には、その底面側に複数(図では計6個)のころ6(転動体)が取り付けられたスライド枠3が固定されており、そのスライド枠3が、複数のころ6(転動体)を介して、地表面Eに設置された固定レール4に沿って横方向に移動可能な横スライド移動式に構成される。他方、ラック2の他端部(ここでは後端部)には、その底面側にキャスタ保持枠8(補助車輪保持枠)が固定されている。キャスタ保持枠8には1又は複数(図では2個)のキャスタ9が取り付けられており、各キャスタ9は、図3及び図6に示す着地状態のときラック2を支持するとともにその際に横方向への転動が可能に構成される。これらの前後端の構成により、各ラック2は、キャスタ9の着地状態において長手方向に対し斜め方向に横スライド移動可能とされている。
また、駐輪スペースを有効に活用して自転車の駐輪台数を増やせるように、ラック2(及びスライド枠3)と固定レール4とは、図1に示すように斜め交差して配置される。ここでは全てのラック2が、固定レール4の直交線RLに対して、前端部のスライド枠3を起点とし後端部の出入口2aが平面視で右側(すなわち、反時計回り)に交差角αだけ振られる態様(ここでは右振り形態)をなし、ラック2の長手方向中心線CLを斜め交差させている。
なお、ラック2は、固定レール4の直交線RLに対して、後端部の出入口2aが平面視で左側に振られる左振り形態でもよい。また、ラック2は、固定レール4の直交線RLに対して、ラック2の長手方向中心線CLを一致させる直交形態でもよい。交差角αについては、右振り形態と左振り形態とに係わらず駐輪スペースに応じて適宜選択すればよく、ここでは所定の角度が同一の固定レール4上の全ラック2に対して設定されている。
また、ここでのラック2は、より自転車の駐輪台数を増やせるように、自転車BCLを後方側で収納する第一ラック2Aと、自転車BCLを第一ラック2Aよりも前方側で収納する第二ラック2Bとが、横方向(レール方向)において交互に配置されている。第一ラック2Aは、その一端側(前端側)に一端側延長部5(前端側延長部)が設けられ、第二ラック2Bよりも長い形状をなす。一端側延長部5は、第一ラック2Aの一部であり、第一ラック2Aの本体(ラック本体)から一端側(前端側)に突出する部位である。ここでの一端側延長部5は、第一ラック2Aの本体とは別の延長部材を当該本体に対して前方に突出する形で固定したときの、その突出部分である。
なお、第一ラック2Aと第二ラック2Bとは、スライド枠3の組み付け位置と一端側延長部5に関して違いを有する。以下では、第一ラック2Aと第二ラック2Bとの双方で共通する構成を説明する場合には、それらを区別せずラック2として説明することとする。
制動装置1には、上述したころ6(スライド枠3)及びキャスタ9(キャスタ保持枠8)と、制動用のブレーキペダル10と、第一死点越え機構20と、第二死点越え機構30と、が設けられ、さらには復帰機構40が設けられる。
ラック2は、図3及び図6に示すキャスタ9の着地状態から、図4及び図7に示す浮揚状態へと移行させることができる。このラック2の浮揚状態においては円筒状ローラ31(回転部材)が接地状態となり、この接地により、ラック2を地表面Eに対して拘束し、ラック2の横スライド移動が抑制ないし阻止される。
ブレーキペダル10は、図12及び図13に示すように、キャスタ9の近傍(例えば一端寄り、すなわち前方)においてラック2の幅方向に沿って水平状に配置された制動軸19の軸線A(以下、制動軸線Aという)の周りに回動可能に設置される。ブレーキペダル10は、回動時の先端部11がキャスタ9の下縁よりも上方で待機する待機状態と、その下縁よりも下方で地表面Eに接近又は接地する作動状態とに位置変更可能な制動用の部材である。また、ブレーキペダル10は、図12に示すように、先端部11を待機状態から作動状態に移行させるために人為的な操作により付加される外力P1を受け止める足掛部12(受止部)を有する。
また、ブレーキペダル10には、図19に示すように、足掛部12とは別に踏込部13(操作部)が設けられる。踏込部13は、先端部11が待機状態でキャスタ9が着地状態にあるときに、先端部11を制動軸線Aの周りに回動して、円筒状ローラ31が地表面Eに接地するように人為的に操作される。ここでの踏込部13は足掛部12の下方のブレーキペダル10に一体に形成されている。
ここでのブレーキペダル10は、図8~図11に示すように、第一ペダル部材10Aと第二ペダル部材10Bとが溶接等により一体化されており、ラック2に対してボルトやナット等の締結部材によって組み付けられる。
第一ペダル部材10A(第一本体部材)は、底板部16と、底板部16の両側方から立ち上がる側壁部17L、17Rと、底板部16の前端から下方に屈曲した押板部14と、を一体に有する。
側壁部17L、17Rには、その前端側に同軸(制動軸線A)をなして貫通する貫通孔が設けられ、図11に示すように、それぞれの貫通孔に制動軸19を形成するボルトが挿通され、ナットにより締結固定されている。さらにそれらのボルトは、ラック2の側壁の貫通孔にも挿通されており、これにより、ブレーキペダル10がラック2に対して制動軸線Aの周りを回動可能に組み付けられている。
側壁部17Lは、図10に示すように、後端側の位置が高くなるよう傾斜した、側面視で略三角形状をなす。また、側壁部17Lは、上端が図8に示すように側方外向き(図8の上向き)に延び出して、その後端側が足掛部12として側方外向きにより広く設けられる。他方、側壁部17Rは、図9に示すように、前後方向における前方側で、かつ制動軸線Aよりも後方の上側の位置に、後述する付勢部材をなす圧縮ガススプリング21(以下、ガススプリングと略する)のシリンダ21Sの取付部15(本体部材側取付部)が設けられる。なお、ラック2には、ガススプリングのピストンロッド21Rの取付部2d(ラック側取付部:図13)が設けられる。
押板部14は、後述する連動ロッド42によって後方に押し出される部位であり、後述する復帰機構40の作動によりV字状の切り欠き部が連動ロッド42によって直接押される。
底板部16は、その略中央に側壁部17L、17Rの下端にかけて広がる開口16Hが形成されている。第二ペダル部材10Bは、その開口16Hに下側から嵌合する形で配置される。
第二ペダル部材10B(第二本体部材)は、前後端側が下方に屈曲した横長の板状をなしており、ラック2の幅方向において第一ペダル部材10Aの足掛部12と同じ側に踏込部13が設けられる。第二ペダル部材10Bの両側方の下部には、ボルトやナット等の締結部材によって円筒状ローラ31(回転部材)が回転軸39の軸線B(以下、回転軸線Bという)の周りを回動自在に組み付けられる。
円筒状ローラ31は、図11に示すように、ラック2の幅方向に所定の幅寸法を有する回転ドラムであり、回転軸線Bに沿って1又は複数設けることができる。ここでの円筒状ローラ31はラック2の幅方向に左右一対のキャスタとして設けられており、ラック2の幅方向中心からそれらへの距離w1、w2は、左右のうちブレーキペダル10の足掛部12や踏込部13が設置される側(例えば左側)の距離w1を大としている。なお、円筒状ローラ31は1個の幅広ローラで構成してもよい。ここでは、足掛部12の直下に一方の円筒状ローラ31が位置している。
第一死点越え機構20は、図13に示すように、待機状態(図13(a))にある先端部11を地表面Eから遠ざかる方向に回動付勢するようにラック2とブレーキペダル10との間に掛け渡された付勢部材(本体部材用付勢部材)をなすガススプリング21を含む。ガススプリング21は、先端部11が待機状態にあるとき先端部11を地表面Eから遠ざかる方向に回動付勢するために、付勢力としての圧縮力を生じる。先端部11が待機状態(図13(a))から作動状態(図13(d))に移行する際には、ガススプリング21に生じる付勢力の作用線Tが制動軸線Aを横切って移動すること(図13(c)→図13(d))に伴って、付勢力に基づく先端部11の回動付勢方向が逆転する。
第二死点越え機構30は、図12に示すように、回転軸線Bの周りに回転可能な円筒状ローラ31(回転部材)を有する。回転軸線Bは、ブレーキペダル10において制動軸線Aよりも下方で、該制動軸線Aと平行状に配置される。円筒状ローラ31は、先端部11の待機状態(図12(a))において地表面Eから離間する離間状態となり、先端部11の作動状態(図12(d))において地表面Eに接地する接地状態となる。先端部11が待機状態から作動状態に移行する際には、制動軸線Aから地表面Eに下ろした垂直面Sを回転軸線Bが横切って移動すること(図12(c)→図12(d))に伴って、円筒状ローラ31が接地状態を維持しつつ先端部11の回動方向と同方向に地表面E上を回転することによりブレーキペダル10及びラック2を昇降(具体的には制動軸線Aを昇降)する。
なお、付勢力の作用線Tが待機状態に対応する開始位置から制動軸線Aに達するまでに先端部11が制動軸線Aの周りに回動する前方回動角をθF(図13(a))、付勢力の作用線Tが制動軸線Aを通過後作動状態に対応する終了位置に至るまでに先端部11が制動軸線Aの周りに回動する後方回動角θR(図13(d))とする。制動装置1では、θFに対してθRは小となるように設定される(θR<θF)。ブレーキペダル10(先端部11)が待機状態から制動軸線Aの周りに前方回動角θFを回動し、第一死点越え機構20の付勢力の作用線Tが開始位置から制動軸線Aに達するまでの間に、第二死点越え機構30の円筒状ローラ31は接地状態に達する。ブレーキペダル10(先端部11)が後方回動角θRを回動して作動状態に移行し、第一死点越え機構20の付勢力の作用線Tが制動軸線Aを超え終了位置に至るまでの間に、第二死点越え機構30の回転軸線Bは垂直面Sを横切って死点越え移動を終了する。
このように、待機状態のブレーキペダル10(先端部11)が外力P1の付加により前方回動角θFだけ回動すると第一及び第二死点越え機構20、30がほぼ同時に死点越え移動を開始し、前方回動角θFよりも小なる後方回動角θRにて両死点越え機構はほぼ同時に死点越え移動を終了する。よって、両死点越え機構による死点越え移動が円滑に行われ、ブレーキペダル10(先端部11)は作動状態へ迅速に移行できる。
ここで、前方回動角θFに対して後方回動角θRは1/3以下(θR/θF≦1/3)が望ましい。また、前方回動角θFに対して後方回動角θRは1/5以下(θR/θF≦1/5)が一層望ましい。
復帰機構40は、図14~図18に示すように、ラック2への自転車BCLの搬入に基づいてブレーキペダル10(先端部11)を作動状態から待機状態に復帰させるための機構である。ラック2への自転車BCLの搬入に基づき復帰機構40が作動するとき、第二死点越え機構30は回転軸線Bが垂直面Sを横切って戻り移動する(図16→図17)。この際、円筒状ローラ31が接地状態にて逆回転しながらブレーキペダル10及びラック2を持ち上げる。また、このとき第一死点越え機構20は付勢力の作用線Tが制動軸線Aを横切って下方から上方へ移動する(図13(d)→図13(c))。この際、ガススプリング21による先端部11の回動付勢方向が再逆転し、先端部11が地表面Eから遠ざかる方向に回動付勢されて、ブレーキペダル10(先端部11)が作動状態から待機状態に復帰しキャスタ9が着地状態に戻る(図18)。その結果、ブレーキペダル10及びラック2の地表面Eに対する拘束状態が解除され、自転車BCLを収納したラック2がレール方向に移動可能となる。これにより、自転車BCLを収納したラック2をレール方向にスムーズに移動することが可能になる。
ここでの復帰機構40は、ラック2の前端部側に配置された車輪受け41と、車輪受け41からブレーキペダル10の押板部14に向かってラック2に沿って長手方向に配置される連動ロッド42(連動部材)と、車輪受け41を後傾状態に付勢する車輪受け用付勢手段(復帰機構用付勢手段)をなす車輪受け用引張コイルばね43(弾性部材)と、を有して構成される。ここでの車輪受け用引張コイルばね43は、車輪受け41とラック2との間に掛け渡される。
車輪受け41は、図14に示すように、基本的には車輪受け用引張コイルばね43の付勢力によって後傾状態に保持されているが、ラック2に搬入される自転車の車輪(先行搬入車輪:ここでは前輪FW)によって後傾状態から前傾状態に移行する。連動ロッド42は、車輪受け41が後傾状態から前傾状態に移行していくと(図14~図17)、これに連動してロッド後端部42aを後方に移動させる。後方に移動するロッド後端部42aは、作動状態のブレーキペダル10の押板部14を押し付け(図16及び図17)、これによりブレーキペダル10(先端部11)が2つの死点越え機構20、30の死点越え前の回動位置(例えば図12(c)及び図13(c))へと押し戻される。死点越え前の回動位置まで押し戻されたならば、その後はガススプリング21に生じる付勢力(先端部11を地表面Eから遠ざかる方向への付勢力)によって、ブレーキペダル10(先端部11)は待機状態へと自動的に復帰する(図17→図18)。
なお、ラック2から自転車BCLが搬出されたとき、車輪受け41は車輪受け用引張コイルばね43の付勢力によって後傾状態(図14)に復帰する。
また、制動装置1には、ブレーキペダル10(先端部11)を待機状態に保持する待機状態保持手段50と、作動状態に保持する作動状態保持手段60と、が設けられる(図12、図13)。
待機状態保持手段50は、図12(a)及び図13(a)に示すように、ここではラック2の底板部2eと、ブレーキペダル10の第二ペダル部材10Bと、ガススプリング21と、を有して構成される。ここでのブレーキペダル10は、制動軸線A周りを回動可能であるが、ラック2の底板部2eと、ブレーキペダル10の第二ペダル部材10Bと、が当接する当接位置(待機位置)において、それ以上回動しないよう規制される(待機位置規定手段)。さらにガススプリング21は、その当接位置(待機位置)におけるブレーキペダル10の第二ペダル部材10Bをラック2の底板部2eに押し付けるように付勢力を作用させる。これにより、ブレーキペダル10がその待機位置(待機状態)に保持される。
作動状態保持手段60は、図12(d)及び図13(d)に示すように、ここでは、ブレーキペダル10の第一ペダル部材10Aと、2つの死点越え機構20、30と、を有して構成される。ブレーキペダル10は、2つの死点越え機構20、30のそれぞれの死点を越えた先で、先端部11の接地部11Aが地表面Eに接触(接地)することにより、それ以上回動しないよう規制される(作動位置規定手段)。さらにその接触位置におけるブレーキペダル10は、先端部11が2つの死点越え機構20、30のそれぞれの死点を越えていることにより、接地部11Aが地表面Eから離脱する方向への回動が妨げられる。これにより、ブレーキペダル10がその接触位置(作動状態)に保持される。
なお、上記の接触位置は、ブレーキペダル10が2つの死点越え機構20、30のそれぞれの死点を越えた先において地表面Eやラック2に対して接地・接触した位置であればよい。例えば、上記の接触位置以外にも、2つの死点を越えた先において例えばラック2に対しブレーキペダル10が当接(押板部14のラック2の底板部2eへの当接等)する位置として定めてもよいし、地表面Eに対しブレーキペダル10の接地部11Aとは異なる部位が接地・接触する位置として定めてもよい。また、地表面Eの面形状によって、作動状態におけるブレーキペダル10の位置が変わってもよい。
また、ここでの制動装置1は、図3及び図4や、図6及び図7に示すように、補助制動体7を有する。補助制動体7は、ラック2の一端側(前端側)が固定レール4を挟んで反対側の長手方向に延び、その延長部分のラック2の底面から垂下して突出形成されている。なお、第一ラック2Bの補助制動体7は、一端側延長部5の底面から垂下して突出形成されている(図3及び図4)。補助制動体7は、ブレーキペダル10(先端部11)が待機状態にあるときには自身の下端が地表面Eから浮上し、かつ先端部11が作動状態にあるときには自身の下端が地表面Eに当接することにより、ラック2の地表面Eに対する拘束を助長することができる。
このようにラック2は、基本的には図3及び図6に示すように、固定レール4に沿って移動可能とされているが、自転車BCLを搬入・収容するときには、制動装置1においてブレーキペダル10を操作して2つの死点越え機構20、30を作動させることにより、図4及び図7に示すように、ラック2を地表面Eに対して拘束して移動できない、あるいは移動し難い状態とすることができる。
ラック2に自転車BCLを搬入するときに、制動装置1によってラック2を地表面Eに対して拘束する手順について説明する。
制動装置1は、図13(a)に示すように、基本的にはブレーキペダル10をガススプリング21の付勢力によって待機状態に保持している(待機状態保持手段50)。この待機状態において、ラック2は、地表面E上に配設された固定レール4に長手方向の一端側(例えば前端側)が支持され、かつ地表面Eに着地したキャスタ9に長手方向の他端側(例えば後端側)が支持された状態であるから、ラック2は、固定レール4に沿うレール方向に移動可能である。
この待機状態において、ブレーキペダル10の足掛部12に人為的な操作により外力P1を付加する。この外力P1は、ここではおよそ下方向の押付力として作用する。足掛部12に外力P1が付加されると、図12(a)、図12(b)、図12(c)、図12(d)の順で、ブレーキペダル10(先端部11)が制動軸線Aの周りに待機状態(図12(a))から作動状態(図12(d))へと回動する。この途中から、キャスタ9が地表面Eに対する接地状態から浮揚状態となる。
一方、図13に示すように、ブレーキペダル10(先端部11)が制動軸線Aの周りに待機状態(図13(a))から作動状態(図13(d))へと回動するとき、第一死点越え機構20では、ガススプリング21の付勢力の作用線Tが制動軸線Aを横切って上方から下方へ移動する死点越え移動が生じる(図13(c)→図13(d))。この死点越え移動の際に、ガススプリング21による先端部11の回動付勢方向が、地表面Eから離間する方向から、地表面Eに接近又は接地する方向に切り替わる。したがって、先端部11が作動状態(図13(d))にあるときには、先端部11が地表面Eに接近又は接地する方向に付勢される、つまりはこれまでの回動方向とは逆向きに付勢されることになる。このため、作動状態においては、ガススプリング21の付勢力によって先端部11が逆回転(待機状態へと戻る方向への回転)をしない状態、即ち図13(d)から図13(c)への移行が生じにくい状態となっている(作動状態保持手段60)。
なお、図13において、ガススプリング21の付勢力の作用線Tはピストンロッド21Rの中心線であり、シリンダ21Sの取付軸C10及びピストンロッド21Rの取付軸C2の双方の中心位置を結ぶ線である。ガススプリング21の付勢方向(付勢力の作用方向)は、矢印Wが示している。
他方、図12に示すように、ブレーキペダル10(先端部11)が制動軸線Aの周りに待機状態(図12(a))から作動状態(図12(d))へと回動するとき、第二死点越え機構30では、制動軸線Aから地表面Eに下ろした垂直面Sを、円筒状ローラ31の回転軸線Bが横切って移動する死点越え移動が生じる(図12(c)→図12(d))。この死点越え移動の際に、円筒状ローラ31が接地状態にて回転しながらブレーキペダル10及びラック2を一旦持ち上げた後降ろして回転停止する。この回転停止は、ここでは先端部11の接地部11Aが地表面Eに接地・接触する形で生じる。この回転停止状態がブレーキペダル10の作動状態(図12(d))である。
なお、円筒状ローラ31がブレーキペダル10及びラック2を持ち上げるとは、キャスタ9の浮揚状態において接地している円筒状ローラ31の回転軸線Bを上記垂直面S上に到達させることである(図12(c)から図12(d)への移行途中に生じる)。上記垂直面S上に回転軸線Bが到達したとき、制動軸線Aが最も高い位置(地表面Eから最も離れた位置)になる。
また、円筒状ローラ31がブレーキペダル10及びラック2を持ち上げた後降ろすとは、制動軸線Aをその最も高い位置からそれよりも低い位置に降ろすことである(図12(d))。制動軸線Aが上記の最も高い位置になるようブレーキペダル10及びラック2を持ち上げることは(図12(c)→図12(d))、ブレーキペダル10の足掛部12に作用する外力P1やそれにより生じるブレーキペダル10の先端部11の回転の勢い等により容易に可能であり、上記の最も高い位置に達した後にそれをそのままよりも低い位置へ降ろすことも容易である(図12(d))。ところが、この降ろされた状態、即ちブレーキペダル10(先端部11)が作動状態となったときに、再びこれまでとは逆方向に回転させようとすると(図12(d)→図12(c))、ラック2の自重やガススプリング21の付勢力に抗する形で、ブレーキペダル10及びラック2を再度持ち上げる必要がある。このため、持ち上げた後降ろされて作動状態となったブレーキペダル10(先端部11)は、待機状態に戻る側への逆回転が生じにくい(作動状態保持手段60)。
この作動状態において、ラック2は、長手方向の他端側(例えば後端側)においてキャスタ9が地表面Eに対し浮揚し、代わりに円筒状ローラ31が地表面Eに着地している。円筒状ローラ31は、レール方向ではなくラック2の長手方向に転動するように配置されているため、ラック2は地表面Eに対し拘束されてレール方向に移動できない、あるいは移動し難い状態となる。
また、ラック2は、固定レール4に対しスライド枠3によって連結している。ブレーキペダル10(先端部11)が待機状態(図3及び図6)から作動状態(図4及び図7)となったことにより、ラック2は、後端側の高さが待機状態よりも増し、キャスタ9が地表面Eから浮揚状態になる。ところで、ここでのラック2は、図3及び図6に示すように、前後方向において中央が凹むようにわずかに反った形状をなしており、作動状態となったことで、図4及び図7に示すように、後端側がより高い位置になる。これは、地表面Eと平行に図示された水平面Fと比較すれば明らかである。このため、キャスタ9を地表面Eから確実に離脱させることができる。一方で、ラック2の前端側は、待機状態(図3及び図6)から作動状態(図4及び図7)となることにより、高さが減じられた状態となる。その結果、ラック2の前端側に設けられている補助制動体7が、下端が地表面Eから浮上した状態から当接した状態(地表面Eを押し付けた状態)へと切り替わる。このため、ここでのラック2は地表面Eに対してより強固に拘束された状態になる。
この作動状態において、ラック2に対し後方側から自転車BCLを搬入していくと、先行する車輪(先行搬入車輪:ここでは前輪FW)が前輪ガード枠2b内へと進入してくる。このときその車輪(前輪FW)により復帰機構40が作動して、ブレーキペダル10(先端部11)は待機状態に復帰する。
ラック2に搬入された自転車BCLによる、ブレーキペダル10の作動状態から待機状態への復帰について説明する。
車輪受け41は、図3及び図6に示すように、車輪受け用引張コイルばね43の付勢力によって後傾状態に保持されている。自転車BCLがラック2に搬入されるときには、図14~図17に示すように、自転車BCLの先行搬入車輪(ここでは前輪FW)によって車輪受け41が車輪受け回動軸49の軸線D(車輪受け回動軸線)の周りを、車輪受け用引張コイルばね43の付勢力に抗して回動する。
ただし、車輪受け41は、ラック2に固定された回転軸支持部47によって、車輪受け回動軸49の軸線D(車輪受け回動軸線)周りを回動可能に支持される。回転軸支持部47は、その回動方向に沿って前後に延びる形で弧状に形成された長孔48(連動部材組付け部)を有し、連動ロッド42は、その長孔48にロッド前端部42bを挿通する形で連結している。このため、図14に示す後傾状態の車輪受け41は、車輪受け回動軸線D周りの回動が開始しても、回動方向に沿って延びる長孔48の前端(図15)にロッド前端部42bが達するまでは、連動ロッド42は動かない。
ロッド前端部42bが長孔48の前端に達し(図15)、そこからさらに車輪(前輪FW)によって車輪受け41が回動していくと、連動ロッド42のロッド前端部42bが後方に押し出され、連動ロッド42全体が後方へと移動する(図15→図16)。そして、車輪受け41の回動がさらに進むと、ロッド後端部42aが作動状態のブレーキペダル10の押板部14に当接し(図16)、さらにはその押板部14を後方に押し付けるようになる。これにより、2つの死点越え機構20、30で死点を越えて作動状態となっているブレーキペダル10が、待機状態からその作動状態へ移行した際の回転とは逆方向の回転を生じ、それぞれ死点越え機構20、30の死点を越える前の位置(図17)へと押し戻される。死点越え前の位置へと押し戻されたブレーキペダル10は、ガススプリング21の付勢力(地表面Eから遠ざかる方向への付勢力)によって待機状態(図18)に自動的に復帰し、保持される(待機状態保持手段50)。このとき、補助制動体7も浮上状態となる。これにより、ラック2は、地表面Eに対する拘束が解除され、キャスタ9が着地状態になる。このため、自転車BCLが収容されたラック2は、固定レール4のレール方向に沿って移動可能となる。
ラック2から自転車BCLを搬出するときにラック2を地表面Eに対して拘束する手順について説明する。
ラック2に自転車BCLが収容されているとき、制動装置1は、図12(a)に示すように、ブレーキペダル10をガススプリング21によって待機状態に保持され(待機状態保持手段50)、キャスタ9が着地状態にある。
この待機状態において、ブレーキペダル10の踏込部13に例えば人為的な操作により外力P2を付加する。この外力P2は、ここではおよそ下方向の押付力として作用する。踏込部13に外力P2が付加されると、図19(a)、図19(b)の順で、ブレーキペダル10(先端部11)が制動軸線Aの周りに前方回動角θF以内で回動して、円筒状ローラ31が地表面Eに接地する(図19(b))。なお、外力P1ではなく外力P2が作用していることを除けば、図19(a)は図13(a)とで同じ状態にあり、図19(b)は図13(b)とで同じ状態にあるといえる。この接地(図19(b))により、ラック2は、地表面Eに対して拘束され移動しできない、あるいは移動し難い状態となる。ただし、この拘束は、踏込部13への外力P2が解消されるに伴い解除され、ブレーキペダル10(先端部11)は待機状態に復帰する。
ここでの踏込部13は、ブレーキペダル10において足掛部12よりも制動軸線Aよりも近い位置に設けられている。また、ここでの踏込部13は、ブレーキペダル10において足掛部12よりも低い位置に設けられている。このため、円筒状ローラ31が地表面Eに接地するまでの回動ストロークは、足掛部12に外力P1を付加したときよりも、踏込部13に外力P2を付加したときの方が短い。このため、踏込部13に外力P2を付加したとき、2つの死点越え機構20、30で死点越え移動が生じない。
以上で述べた第一実施例はあくまでも例示にすぎない。本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、他の実施例や変形例について説明する。ただし、上記実施例と同じ部分については同じ符号を付することで、説明を省略する。なお、上記実施例と下記実施例ないし下記変形例は、技術的な矛盾を生じない領域において適宜組み合わせて実施できる。
第一実施例の駐輪機100は、歩道上・公園内等に常設された屋外駐輪場、マンション・アパート等に開設された屋内駐輪場、ビル・地下駅等に併設された地下駐輪場を問わず、これらに設置されたいずれの駐輪装置にも適用できる。なお、上下2段式の駐輪機において下段の駐輪装置にも適用可能である。
第一実施例におけるガススプリング21の他の実施態様として、先端部11が待機状態にあるとき先端部11を地表面Eから遠ざかる方向に回動付勢するために、図20に示すように、付勢力としての引張力を生じる引張コイルばね22を用いることもできる。これによって、確実な操作性とともに、コストを安価にすることができる。この実施態様においては、「付勢力の作用線T」はコイルばね22の取り付け中心位置(図20のC10、C2)を通過する直線である。
第一実施例における制動装置は、駐輪機100における自転車BCL収納用のラック2に装備されているが、荷台の制動装置とすることもできる。
例えば、図21に示す第二実施例の搬送設備1000において、制動装置1は、図22に示すように、物品201(搬入物)を運搬する荷台200に装備される。この制動装置1は、基準面である床面E上に配設された固定レール4に一端側が支持され、床面Eに着地し床面E上を転動するキャスタ9(例えば補助車輪)に他端側が支持されることにより固定レール4に沿うレール方向に移動可能とされた荷台200(例えば工場内搬送用パレット)を床面Eに対して拘束するための装置である。ここでの固定レール4は環状形状をなし、複数の荷台200がレール方向に移動可能に配置されている。
第二実施例の制動装置1は、制動用のブレーキペダル10(本体部材)と、第一死点越え機構20と、第二死点越え機構30と、を第一実施例と同様に備える。このため、制動装置1は、第一実施例と同様にして、足掛部12(受止部)に外力P1が付加されてブレーキペダル10の先端部11が制動軸線Aの周りに待機状態から作動状態へと回動するときキャスタ9(補助車輪)が浮揚状態となる一方、第一死点越え機構20は付勢力の作用線Tが制動軸線Aを横切って上方から下方へ移動する際に付勢部材をなす引張コイルばね210(本体部材用付勢部材)による先端部11の回動付勢方向が逆転し、先端部11を床面Eに接近又は接地する方向に回動付勢するとともに、第二死点越え機構30は回転軸線Bが垂直面Sを横切って移動する際に円筒状ローラ31(回転部材)が接地状態にて回転しながらブレーキペダル10及び荷台200を一旦持ち上げた後降ろして回転停止することにより床面Eに対する拘束状態に保持することができる。足掛部12への外力P1の付加に基づく2つの死点越え機構20、30の死点越え移動を経て接地状態にある円筒状ローラ31は、床面Eとの接地状態で移動が拘束されている。
このように、2つの死点越え機構20、30の死点越え移動により、ブレーキペダル10及び荷台200は床面Eに対し拘束して動きを止めた状態に保持できる。そして、この動きが止められた荷台200に対し物品201を導入(搬入)することができる。
なお、この荷台200の制動装置1においても、上記付勢力の作用線Tが待機状態に対応する開始位置から制動軸線Aに達するまでに先端部11が制動軸線Aの周りに回動する前方回動角θFに対して、付勢力の作用線Tが制動軸線Aを通過後作動状態に対応する終了位置に至るまでに先端部11が制動軸線Aの周りに回動する後方回動角θRは小となるように設定される(θR<θF)。先端部11が待機状態から制動軸線Aの周りに前方回動角θFを回動し、第一死点越え機構20の付勢力の作用線Tが開始位置から制動軸線Aに達するまでの間に、第二死点越え機構30の円筒状ローラ31は接地状態に達するとともに、先端部11が後方回動角θRを回動して作動状態に移行し、第一死点越え機構20の付勢力の作用線Tが制動軸線Aを超え終了位置に至るまでの間に、第二死点越え機構30の回転軸線Bは垂直面Sを横切って死点越え移動を終了することができる。
また、この荷台200の制動装置1において、上記荷台200への物品201の導入に基づいてブレーキペダル10の先端部11を作動状態から待機状態に復帰させるための復帰機構40をさらに備えることができる。荷台200への物品の導入に基づき復帰機構40が作動するとき、第二死点越え機構30は回転軸線Bが垂直面Sを横切って戻り移動する際に円筒状ローラ31が接地状態にて逆回転しながらブレーキペダル10及び荷台200を持ち上げるとともに、第一死点越え機構20は付勢力の作用線Tが制動軸線Aを横切って下方から上方へ移動する際に先端部11の回動付勢方向を再逆転させ、先端部11を床面Eから遠ざかる方向に回動付勢する。先端部11が作動状態から待機状態に復帰しキャスタ9が着地状態に戻ることにより、ブレーキペダル10及び荷台200の床面Eに対する拘束状態が解除され、物品を載置した荷台200がレール方向に移動可能となる。
ここでの復帰機構40は、第一実施例の車輪受け41に代わって物品受け410が設けられ、それ以外は第一実施例と同様とされている。具体的には、第一実施例において自転車BCLの前輪FWが車輪受け41に載ることに伴い回動作動することに代わって、第二実施例では荷台200への物品201の導入に伴い物品受けが作動するよう構成されており、この作動により第一実施例と同様、連動ロット42が作動状態のブレーキペダル10(押板部14)を押し付け、ブレーキペダル10が待機状態に復帰させる。
また、この荷台200の制動装置1において、足掛部12は、人為的に又は機械的な駆動力(例えば、エアシリンダのロッド押出力)によって操作されてもよい。また、復帰機構40を作動させる「荷台200への物品201の導入」は、人為的に又は機械的な駆動力(例えば、ロボットアームのモータトルク)を用いて実行されてもよい。また、この荷台200の制動装置1には踏込部13(操作部)が設けられていないが設けてもよく、この場合、踏込部13も人為的に又は機械的な駆動力によって操作されるようにしてもよい。
1 制動装置
100 駐輪機
1000 搬送設備
2 ラック
2a 出入口
2e 底板部
3 スライド枠
4 固定レール
6 ころ(転動体)
7 補助制動体
8 キャスタ保持枠
9 キャスタ(補助車輪)
10 ブレーキペダル(本体部材)
11 先端部
11A 接地部
12 足掛部(受止部)
13 踏込部(操作部)
14 押板部
19 制動軸
20 第一死点越え機構
21 ガススプリング(付勢部材)
22 引張コイルばね(付勢部材)
30 第二死点越え機構
31 円筒状ローラ(回転部材)
39 回転軸
40 復帰機構
41 車輪受け
42 連動ロッド(連動部材)
43 車輪受け用引張コイルばね(車輪受け用付勢手段)
50 待機状態保持手段
60 作動状態保持手段
200 荷台
210 引張コイルばね(付勢部材)
410 物品受け
A 制動軸線
B 回転軸線
C2 取付軸
C10 取付軸
E 地表面、床面(基準面)
S 垂直面
T 付勢力の作用線
W 付勢力(付勢方向)
P1 足掛部に付加される外力
P2 踏込部に付加される外力
θF 前方回動角
θR 後方回動角
BCL 自転車
FW 前輪
RW 後輪

Claims (7)

  1. 基準面上に配設された固定レールに長手方向の一端側が支持され、基準面に着地し基準面上を転動する補助車輪に長手方向の他端側が支持されることにより前記固定レールに沿うレール方向に移動可能とされた、自転車収納用の細長いラックを基準面に対して拘束するための制動装置であって、
    前記補助車輪の近傍において前記ラックの幅方向に沿って水平状に配置された制動軸線の周りに回動可能に設置され、回動時の先端部が前記補助車輪の下縁よりも上方で待機する待機状態と、その下縁よりも下方で基準面に接近又は接地する作動状態とに位置変更可能であり、さらに前記先端部を前記待機状態から前記作動状態に移行させるために人為的な操作により付加される外力を受け止める受止部を有する、制動用の本体部材と、
    前記待機状態にある前記先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢するように前記ラックと前記本体部材との間に掛け渡された付勢部材を含み、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記付勢部材に生じる付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って移動することに伴って前記付勢力に基づく前記先端部の回動付勢方向が逆転する第一死点越え機構と、
    前記本体部材において前記制動軸線よりも下方には該制動軸線と平行状に回転軸線が配置され、該回転軸線の周りに回転可能であって前記先端部の待機状態において基準面から離間する離間状態となり、前記先端部の作動状態において基準面に接地する接地状態となる回転部材を有し、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記制動軸線から基準面に下ろした垂直面を前記回転軸線が横切って移動することに伴って前記回転部材が前記接地状態を維持しつつ前記先端部の回動方向と同方向に基準面上を回転することにより前記本体部材及び前記ラックを昇降する第二死点越え機構と、を備え、
    前記受止部に前記外力が付加されて前記本体部材の先端部が前記制動軸線の周りに前記待機状態から前記作動状態へと回動するとき前記補助車輪が浮揚状態となる一方、前記第一死点越え機構は前記付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って上方から下方へ移動する際に前記先端部の回動付勢方向が逆転し、前記先端部を基準面に接近又は接地する方向に回動付勢するとともに、前記第二死点越え機構は前記回転軸線が前記垂直面を横切って移動する際に前記回転部材が前記接地状態にて回転しながら前記本体部材及び前記ラックを一旦持ち上げた後降ろして回転停止することにより基準面に対する拘束状態に保持することを特徴とする制動装置。
  2. 前記付勢力の作用線が前記待機状態に対応する開始位置から前記制動軸線に達するまでに前記先端部が前記制動軸線の周りに回動する前方回動角に対して、前記付勢力の作用線が前記制動軸線を通過後前記作動状態に対応する終了位置に至るまでに前記先端部が前記制動軸線の周りに回動する後方回動角は小となるように設定され、
    前記先端部が前記待機状態から前記制動軸線の周りに前記前方回動角を回動し、前記第一死点越え機構の付勢力の作用線が前記開始位置から前記制動軸線に達するまでの間に、前記第二死点越え機構の回転部材は前記接地状態に達するとともに、
    前記先端部が前記後方回動角を回動して前記作動状態に移行し、前記第一死点越え機構の付勢力の作用線が前記制動軸線を超え前記終了位置に至るまでの間に、前記第二死点越え機構の回転軸線は前記垂直面を横切って死点越え移動を終了する請求項1に記載の制動装置。
  3. 前記本体部材には、前記受止部とは別に操作部が設けられ、
    前記操作部は、前記先端部が前記待機状態で前記補助車輪が着地状態にあるときに、前記先端部を前記制動軸線の周りに前記前方回動角以内で回動して、前記回転部材が基準面に接地するように人為的に操作される請求項2に記載の制動装置。
  4. 前記ラックへの自転車の搬入に基づいて前記本体部材の先端部を前記作動状態から前記待機状態に復帰させるための復帰機構をさらに備え、
    前記ラックへの自転車の搬入に基づき前記復帰機構が作動するとき、前記第二死点越え機構は前記回転軸線が前記垂直面を横切って戻り移動する際に前記回転部材が前記接地状態にて逆回転しながら前記本体部材及び前記ラックを持ち上げるとともに、前記第一死点越え機構は前記付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って下方から上方へ移動する際に前記先端部の回動付勢方向を再逆転させ、前記先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢し、
    前記先端部が前記作動状態から前記待機状態に復帰し前記補助車輪が着地状態に戻ることにより、前記本体部材及び前記ラックの基準面に対する拘束状態が解除され、自転車を収納した前記ラックが前記レール方向に移動可能となる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の制動装置。
  5. 前記ラックの一端側は前記固定レールを挟んで反対側の長手方向に延び、その延長部分の前記ラックの底面から補助制動体が垂下して突出形成され、
    前記補助制動体は、前記本体部材の先端部が前記待機状態にあるときには自身の下端が基準面から浮上し、かつ前記先端部が前記作動状態にあるときには自身の下端が基準面に当接することにより、前記ラックの基準面に対する拘束を助長する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の制動装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の制動装置が前記ラックに装備され、
    前記ラックの空車状態において前記本体部材の受止部への前記外力の付加により前記本体部材の先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行し、前記ラックが基準面に対して拘束され自転車を搬入可能とすることを特徴とする駐輪機。
  7. 基準面上に配設された固定レールに一端側が支持され、基準面に着地し基準面上を転動する補助車輪に他端側が支持されることにより前記固定レールに沿うレール方向に移動可能とされた荷台を基準面に対して拘束するための制動装置であって、
    前記補助車輪の近傍において前記荷台に対し水平状に配置された制動軸線の周りに回動可能に設置され、回動時の先端部が前記補助車輪の下縁よりも上方で待機する待機状態と、その下縁よりも下方で基準面に接近又は接地する作動状態とに位置変更可能であり、さらに前記先端部を前記待機状態から前記作動状態に移行させるために人為的な操作又は機械的な駆動により付加される外力を受け止める受止部を有する、制動用の本体部材と、
    前記待機状態にある前記先端部を基準面から遠ざかる方向に回動付勢するように前記荷台と前記本体部材との間に掛け渡された付勢部材を含み、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記付勢部材に生じる付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って移動することに伴って前記付勢力に基づく前記先端部の回動付勢方向が逆転する第一死点越え機構と、
    前記本体部材において前記制動軸線よりも下方には該制動軸線と平行状に回転軸線が配置され、該回転軸線の周りに回転可能であって前記先端部の待機状態において基準面から離間する離間状態となり、前記先端部の作動状態において基準面に接地する接地状態となる回転部材を有し、前記先端部が前記待機状態から前記作動状態に移行する際に、前記制動軸線から基準面に下ろした垂直面を前記回転軸線が横切って移動することに伴って前記回転部材が前記接地状態を維持しつつ前記先端部の回動方向と同方向に基準面上を回転することにより前記本体部材及び前記荷台を昇降する第二死点越え機構と、を備え、
    前記受止部に前記外力が付加されて前記本体部材の先端部が前記制動軸線の周りに前記待機状態から前記作動状態へと回動するとき前記補助車輪が浮揚状態となる一方、前記第一死点越え機構は前記付勢力の作用線が前記制動軸線を横切って上方から下方へ移動する際に前記先端部の回動付勢方向が逆転し、前記先端部を基準面に接近又は接地する方向に回動付勢するとともに、前記第二死点越え機構は前記回転軸線が前記垂直面を横切って移動する際に前記回転部材が前記接地状態にて回転しながら前記本体部材及び前記荷台を一旦持ち上げた後降ろして回転停止することにより基準面に対する拘束状態に保持することを特徴とする制動装置。
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