JP3932508B2 - フラット面を形成するターン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターンテーブルを設置した乗込場において、床面とターンテーブルとを同一高さにして、フラットな床面に形成することができるターン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のホーク式の駐車装置に内蔵されたターン装置50は、ターンテーブル4を回転可能にし、車両Cの乗込場Sに車幅より若干広めの幅と、車長より長めの長さを備えた、小判型のものとして、床面5を床レール6にして駆動輪19が駆動回転することで、搭載した車両Cを方向転換させていた。駐車装置は、昇降リフト2を昇降空間Eに昇降可能に配置して、昇降空間Eに隣接し、横行トレイ3を横行させる横行駆動装置16が各駐車室X・Yと昇降空間Eに面一で水平に設けられている。
【0003】
昇降リフト2は、昇降空間Eの4隅に立設したガイドレール17に案内され、左右一対に櫛歯形状のリフトホーク13が備えられ、互いに内側に向けて突出させている。リフトホーク13は、車両Cのタイヤを搭載して乗込場51から各階の駐車室X・Yの昇降空間Eに搬送して、横行トレイ3のトレイホーク14とすれ違って、入出庫させることができる。
【0004】
横行トレイ3は、前後端に横行レールを備え、横行駆動部16に複数個の駆動ローラが軸着されて横行レールを支持している。横行トレイの中央には、前後の横行レールを連結する支持フレームが備えられ、支持フレームにはトレイホーク14を櫛歯形状に左右方向に向けて外側に突出させている。昇降リフト2のリフトホーク13と横行トレイ3のトレイホーク14は、各ホーク間をすれ違い可能に配置してあり、横行トレイ3が駐車室X・Yから昇降空間Eに横行して、昇降リフト2の昇降により横行トレイ3がすれ違って車両Cを受け渡しして、乗込場Mから駐車室X・Yに入庫する、又は駐車室X・Yから乗込場Mに出庫可能にしている。
【0005】
乗込場Mには、車両Cを搭載して方向転換するターンテーブル4が備えてあり、支軸52を支点にして床面5上を床レール6として回転するようにしている。
ターンテーブル4を床面5上に支持しているのはフレーム51であり、ターンテーブル4を床レール6と同高さに回転可能に支持している。
フレーム51は、ピットPの開口部を塞ぐように、乗入れ方向の前後端に固定された鋼材のもので、図8のように中央に支軸52で支承し、精度の高い仕上げにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の乗込場では、ターンテーブルが床面上を回転するため、ターンテーブルの厚みと床面とに段差ができていて、車両の乗入れ乗出しするのにタイヤを脱輪させることや、車両に運転者が乗降するのに前記段差が邪魔をして不便になることがあった。更に、フレームにターンテーブルと車両の重量が掛かるため、強固なものにしているが、撓みの発生により床レール6とに段差ができ、駆動輪が円滑に走行できなくなったり、騒音も高くなったりして調整作業を必要にしていた。
【0007】
本発明は、乗込場をフラットな床面にすることで車両の出し入れを容易にして人の通路としても通行し易くすると共に、ターンテーブルの回転をスムーズにして振動・騒音が少なく小型軽量化をすることを目的としている。
それには、駆動回転するターンテーブルと、ターンテーブルの回転の中心に備えた支軸受と、ターンテーブルを上下動する昇降機と、レールの作用をする床面と、ターンテーブルを埋設させる凹部と、床面と面一の位置から凹部内まで上下動する昇降レールと、に分割することでフラットな床面を形成する目的を達成し、小型・軽量にして安価なターン装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、車両の乗入れ乗出しをする乗込場で駆動輪が駆動回転するターンテーブルと、ターンテーブルが搭載された昇降レールを上下動するテーブル昇降機と、ターンテーブルの回転の中心となる支軸受と、駆動輪が走行する床レールを備えた床面と、により構成して、ターンテーブルの上面が床面と面一に埋設する凹部と、ターンテーブルが方向転換するときは、床レール上と面一になるように昇降レールが上昇し、
車路を形成するときは、昇降リフトとターンテーブルとを一体にさせ、ターンテーブルの上面と床面が面一のフラットになるように昇降レールが降下する構成にする。
請求項2の発明では、昇降レールの位置を乗込場の昇降空間の前後端にして、
ターンテーブルの支軸受を上下方向に移動自在にし、昇降レールにターンテーブルの両端を搭載して、昇降レールの昇降力でターンテーブルを上下動させる構成にする。
請求項3の発明では、昇降レールを昇降するテーブル昇降機を昇降リフトの昇降力にして、昇降リフトに係合する係合装置を昇降レールに設け、昇降リフトに係合させて昇降レールを昇降させる構成とする。
【0009】
請求項1の構成では、ターンテーブルを床面上に上昇させ、床面をレールにして回転させることで方向転換でき、ターンテーブルを床面にターンテーブルの厚み分を埋設させることで乗込場をフラットな床面として通行し易くなり、装置の部材も分割してあるため小型化できる作用がある。
請求項2の構成では、ターンテーブルを容易に上下動させることができる作用がある。
請求項3の構成では、昇降機を昇降リフトと兼用することで簡素化できる作用がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の平面状態を形成するターン装置を具体化した第一の実施形態を図1〜図3で示し説明する。
図1は、地上面GLに立設した駐車装置1であり、中央を昇降空間Eとして地上面GL位置に乗込場Sを備え、昇降空間Eに隣接して駐車室X・Yを備えている。駐車室X・Yは、横行トレイ3を配置して車両Cを搭載可能にさせ、横行駆動部16である複数個の駆動ローラの回転により昇降空間Eと駐車室X・Yを往復動可能にしている。
【0011】
昇降空間Eには、昇降リフト2を配置させて乗込場Sから駐車室X・Yまで、昇降装置18の巻上げ・巻戻しの回転で搬送可能にしている。
昇降装置18は、駐車装置1の上部に配置され、索状部材を介して昇降リフト2を吊下げ、昇降空間Eの4隅に立設したガイドレール17に案内されて昇降可能にしている。昇降空間Eには、各駐車室X・Yに隣接して駆動ローラが配置してある。
【0012】
駐車室X・Yの車両Cは、駆動ローラに支持された横行トレイ3に搭載されて収納されている。横行トレイ3に搭載された車両Cは、トレイホーク14に車両Cのタイヤを載置して、駆動ローラの回転で横行し昇降空間Eに移動することができる。昇降空間Eには、昇降リフト2が昇降して横行トレイ3の車両Cを受け取り、乗込場Sまで搬送することができる。
【0013】
乗込場Sは、図2に示すように駐車装置1の地上面GL位置にして、中央の昇降空間Eに車両Cが乗入れ乗出しするフラットの床面5にするターン装置9を設けた車路を形成している。車路は、ターンテーブル4と昇降リフト2が一体になりホークの間隙を少なくして安全な通路としても利用している。ターンテーブル4は、両端部を円弧状にして車幅ほどの幅にした小判形状のもので、搭載する車両Cのタイヤ位置にはホーク4aが櫛形状に備えられている。
【0014】
乗込場Sには、凹部12が設けてあり、ターンテーブル4の平面形状で厚み分にして収納することができ、凹部12に収納すると床面5の上面と面一になり、昇降リフト2と一体になりフラットな床面5としている。凹部12は、ターンテーブル4の両側面を昇降リフト2が降下でき、ターンテーブル4を収納できるスペースにしている。凹部12には、図3に示すようにターンテーブル4の回転の中心に軸芯10を備えて、その軸芯10を支持する軸受フレーム11がピットPに固定してあり、軸芯10が軸受フレーム11に枢着されて、回転自在にすると共に、上下方向に移動自在にしている。
【0015】
(第一実施形態)
ターンテーブル4の上下動について第一の実施形態として説明する。埋設された時のターンテーブル4は、下面の両端部に昇降レール7が配置してあり、円弧状の段差を備えターンテーブル4を昇降レール7が支持している。昇降レール7は、テーブル昇降機8で上昇させてターンテーブル4を床面5の上面に駆動輪9を面一にしたり、下降させてターンテーブル4を埋設してフラットな通路を形成させたりする。
【0016】
テーブル昇降機8は、図3に示すように、乗込場Sの天井部に巻取りドラム20を設置して、昇降レール7をチェン・ロープ等により吊下げて、巻取りドラム20の巻上げ巻戻しにより昇降レール7を昇降して、ターンテーブル4を上下動させている。なお、図3には、昇降レール7の一端部に吊下部材が示してあるだけで、前後の両端の4箇所に配置してあり、吊下部材には回転自在にしたローラを軸着して、図示略の鉛直方向に備えたガイドレールに前記ローラが転接して、昇降レール7に掛かる荷重を水平に昇降させることができる。
【0017】
乗込場Sのターン装置9は、ターンテーブル4と搭載された車両Cを床面5の上面まで上昇させることで方向転換可能状態にする。また、乗込み乗出し状態にするときは、凹部12に埋設させて床面5の上面とホーク4aの上面が面一に下降させることでフラットな通路を形成する。床面5の上面は、ターンテーブル4が回転するときのレールとなる床レール6を兼ねている。
【0018】
方向転換するターンテーブル4は、ターンテーブル4の下面に駆動輪19が備えられ、昇降レール7と床レール6上を駆動回転して行う。駆動輪19は、昇降リフト2の昇降する間隙を通り越せるようにダブル車輪として、間隔より広げた位置にして、ターンテーブル4の下面の4隅に設置している。昇降レール7は、図4のように床レール6と面一の高さにしている。
【0019】
(第二の実施形態)
ターンテーブル4の上下動について、第二の実施形態を説明する。
図4乃至図7に示すテーブル昇降機8aは、昇降リフト2に係合させて上下動するように構成した機構を示すもので、昇降レール7内部から突出する係合体21が昇降リフト2に係合して昇降させることで、昇降リフト2に連結されて上昇することになる。係合体21の一例を示すと、図5のように係合体21はばねで圧縮されたピンをワイヤで緊張状態にして巻取りドラム23に巻き掛けている。係合体21の突出は、巻取りドラム23を緩めると、ワイヤが緩みばねの付勢力でピンが突出する。ピンは、前後の昇降レール7の左右両端にそれぞれ巻取りドラム23を備え、突出可能にしている。
【0020】
図4・図6は、昇降レール7の下方に昇降リフト2を下降させ、係合体21を突出させてから昇降リフト2を間隔Lだけ上昇させることで、昇降レール7に搭載されていたターンテーブル4が上昇される。昇降リフト2は、昇降レール7と床レール6が面一になる位置に停止する。ターンテーブル4は、軸芯10を支点にして回転する。
【0021】
図5・図7は、フラットな床面5を形成する乗込場Sで、昇降レール7にターンテーブル4を回転させて搭載する。昇降リフト2は間隔Lの下降することで昇降レール7を下降させることができ、ピットPに固定されたレール載置台22に搭載されると、係合体21は巻取りドラム23の巻取りによりピンを収納して昇降リフト2の係合を解除する。解除されたことで昇降レール7を凹部12に収納した状態にして、昇降リフト2は上昇してターンテーブル4と交差して一体になりフラットで隙間の少ない通路を形成する。
乗込場Sは、フラットな床面5にすることで、入出庫する車両Cがスムーズに走行することができ、乗降者も容易に通行できる車路になる。
【0022】
(入庫動作)
入庫車は、乗込場Sのフラットな通路に乗入れ、操作指令をすることで昇降リフト2が上昇を始める。リフトホーク13は、車両Cのタイヤを支持してガイドレール17の案内により昇降装置18の駆動力で上昇し、入庫指定階より上方で停止する。指定の駐車室X・Yから横行トレイ3が昇降空間Eに横行すると、昇降リフト2は下降して移動してきた横行トレイ3のトレイホーク14とリフトホーク13がすれ違い車両Cを横行トレイ3に移載する。
車両Cを搭載した横行トレイ3は、駐車室X・Yに横行移動して収納され、昇降リフト2が乗込場Sに戻り入庫を完了する。
【0023】
(出庫動作)
昇降リフト2は、昇降空間Eの4隅に立設したガイドレール7に沿って昇降するホーク体2aを備え、ホーク体2aには櫛歯形状に固定したリフトホーク13が設けられ、そのリフトホーク13上に車両Cのタイヤを搭載して昇降する。
駐車装置1の上部に位置する昇降装置18から索状部材を介して吊下げられている。
【0024】
駐車室X・Yに収納されている車両Cを出庫するには、出庫階である駐車室X・Yに隣接する昇降空間Eの横行駆動部16により出庫車を搭載した横行トレイ3を移動する。昇降リフト2は、乗込場Sから昇降空間Eを上昇して横行トレイ3を通り過ぎて、横行トレイ3から車両Cを受け取り停車する。
横行トレイ3は、昇降リフト2に車両Cを移載すると、駐車室X・Yに横行駆動部16で移動して収納される。
【0025】
昇降リフト2は、車両Cを搭載して乗込場Sに降下し、更にターンテーブル4より降下して、ターンテーブル4のホーク4aとリフトホーク13がすれ違い車両Cがターンテーブル4に移載され、昇降レール7の下方で停止する。昇降リフト2は、昇降レール7から係合体21が突出すると上昇を始め、昇降レール7を上昇させる。昇降レール7にはターンテーブル4が搭載され、ターンテーブル4には車両Cが搭載されている。
【0026】
昇降リフト2は、昇降レール7と床レール6が面一になる高さまで上昇させて停止させる。ターンテーブル4は、回転して車両Cを方向転換させる。昇降リフト2は、下降してターンテーブル4を凹部12に収納し、昇降レール7をレール載置台22に搭載させて、係合体21の解除で昇降リフト2を上昇させ、ホーク4とリフトホーク13を噛合う高さにする。これで、フラットな床面5を形成することができ、車両Cを乗出すことができる。
【0027】
(他の実施形態)
テーブル昇降機は、図示略の油圧・エアーシリンダ等をピットPに配置して、昇降レール7の下面から押し上げたり・引き下げたりをすることで、ターンテーブル4を上下動させて、方向転換とフラットな乗込み床を形成するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明では、ターン装置を分割することで軽量小型化でき安価な装置になった効果と、乗込場をフラットな床面にして乗入れ乗出しが容易になる効果を奏することができる。
請求項2の発明では、ターンテーブルの両端を昇降させるので、安定させて昇降させることが出来る効果がある。
請求項3の発明では、テーブル昇降機を別途に設ける必要が無く部品点数が少なく、安価な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駐車装置の正面断面図。
【図2】乗込場のフラット面の床を示す斜視図。
【図3】乗込場のターン装置を示す説明用斜視図。
【図4】昇降リフトをテーブル昇降機として、昇降レールを上下動させる構成にした乗込場で、ターンテーブルが回転している状態を示すターン装置の正面断面図。
【図5】図4の構成のターン装置がフラットの乗込場を形成したターン装置の正面断面図。
【図6】図4の状態を示す説明用の乗込場の側面断面図。
【図7】図5の状態を示す説明用の乗込場の側面断面図。
【図8】従来の乗込場に設置したターン装置の説明用の斜視図。
【符号の説明】
1 駐車装置
2 昇降リフト
3 横行トレイ
4 ターンテーブル
5 床面
6 床レール
7 昇降レール
8 テーブル昇降機
9 ターン装置(全体)
12 凹部
13 リフトホーク
14 トレイホーク
16 横行駆動部
17 ガイドレール
18 昇降装置(リフト)
19 駆動輪
20 ホーク体
21 係合体(昇降レールから突出するピン)
22 レール載置台
23 巻取りドラム
GL 地上面
S 乗込場
X・Y 駐車室
E 昇降空間
Claims (3)
- 昇降リフトが昇降する昇降空間を備え、昇降空間に隣接する駐車室を備え、駐車室に車両を収納可能にして昇降空間と往復動する横行トレイを配置し、昇降リフトの昇降と横行トレイの横行によりすれ違いすることにより車両を受け渡して入出庫するホーク式駐車装置において、
車両の乗入れ乗出しをする乗込場で駆動輪が駆動回転して方向転換するターンテーブルと、ターンテーブルが搭載させた昇降レールを上下動するテーブル昇降機と、ターンテーブルの回転の中心となる支軸受と、駆動輪が走行する床レールを備えた床面と、ターンテーブルの上面が床面と面一に埋設させる凹部と、により構成して、
ターンテーブルが方向転換するときの昇降レールは、床レール上と面一になるように上昇し、
車路を形成するときの昇降レールは、昇降リフトとターンテーブルとを一体にさせ、ターンテーブルの上面と床面が面一のフラットになるように降下する
ことを特徴とするフラット面を形成するターン装置。 - 昇降レールは、乗込場の昇降空間の前後端に位置して、ターンテーブルの支軸受を上下方向に移動自在にし、ターンテーブルの両端部を搭載させ、テーブル昇降機の昇降力で昇降レールを昇降することで昇降レールに搭載したターンテーブルを上下動させることを特徴とする請求項1記載のフラット面を形成するターン装置。
- テーブル昇降機は、昇降レールから昇降リフトに係合させる係合装置を設け、昇降リフトの昇降力で昇降レールを昇降させ、ターンテーブルを上下動することを特徴とする請求項2記載のフラット面を形成するターン装置。
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