JP5404579B2 - 揚重装置およびその制御方法、これを応用した機械式立体駐車場 - Google Patents

揚重装置およびその制御方法、これを応用した機械式立体駐車場 Download PDF

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本発明は、モータの動力で被搬送物を上下に搬送する揚重装置に係り、詳しくは被搬送物を下降させる時にモータが発生させる回生電力を効率良く回収して力行運転時に利用し、省エネルギに貢献するようにした揚重装置およびその制御方法、これを応用した機械式立体駐車場に関するものである。
機械式立体駐車場やクレーン装置、エレベータ装置等の揚重装置において、モータの動力により車両や荷物等の被搬送物を所定の高さまで上昇させる場合には、モータが電力を消費しながら作動する力行運転がなされている。一方、被搬送物を下降させる場合には、モータが逆駆動されて発電機の働きをし、回生電力が発生する。この状態が回生運転と呼ばれている。
上記のような揚重装置では、商用電源(交流電源)をコンバータで整流して直流電源とし、さらにインバータにて所要の交流電源に変換してモータを駆動している。モータで回生電力が発生すると、上記コンバータとインバータとを結ぶDCバスラインに回生電力が戻ってくるが、DCバスラインではこの回生電流を蓄電できないため、回生電流はコンバータにより商用電源側に戻されていた。
下記特許文献1に開示されているエレベータ装置や、特許文献2に開示されている機械式駐車設備では、いずれもDCバスラインに蓄電池等の蓄電手段が設置されており、モータで発生した回生電流を上記蓄電手段に蓄電することにより、この蓄電された回生電流をモータの力行運転時に利用することで省エネ効果を上げている。
特許第4452399号公報 特開2003−314074号公報
例えば、エレベータ式の立体駐車場において、地上にある車両を駐車塔内部上方の車両格納棚に入庫させる時には、車両を地上から持ち上げる仕事をするために、モータは力行運転を行う。逆に、駐車塔内部の車両を出庫させる時には、車両を地上に降ろす仕事をするために、モータは回生運転を行う。このように、車両の入庫時には力行運転、出庫時には回生運転がなされるので、出庫と入庫のタイミングが交互になれば、出庫時の回生運転で発生し、蓄電手段に蓄電した電力を、次の入庫時に利用できて効率がよい。
しかし、出庫が連続した場合には、回生電力の量が蓄電手段における蓄電容量を超えてしまうために蓄電しきれず、やむなく商用電源側に返電することになり、せっかく発生させた回生電力を充分に活かすことができず、エネルギ効率的にも経済的にも不利であった。また、逆に入庫が連続した場合には、蓄電手段に蓄電された電力を使い切ってしまい、その先は商用電源からのみの電力供給となってしまう。この場合、必要な最大電力に応じて電力会社との受電契約を行う必要があるが、受電契約電力量が大きいと基本料金が高くなってしまい、ランニングコストが嵩むという不具合点があった。これら問題の解決策として、蓄電手段を大型化し、その蓄電容量を増大させることは、蓄電手段の設置スペースおよびコストの面で良い解決策とは言えない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、蓄電手段を大型化させることなく、モータが発生させた回生電力を極力無駄なく蓄電して再利用し、省エネルギ化に貢献するとともに、ランニングコスト等の経済性を高め、併せて回生電力の利用効果をユーザーにアピールし、起動時間の短縮を図ることのできる揚重装置およびその制御方法、これを応用した機械式立体駐車場を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
即ち、本発明に係る揚重装置は、上下搬送される被搬送物を上昇させる力行運転と、該被搬送物を下降させながら回生電力を発生させる回生運転とを行うモータと、前記モータに電力を供給する電源手段と、前記回生電力を蓄電する蓄電手段と、ユーザーにより前記力行運転および前記回生運転の種別が入力される操作手段と、前記蓄電手段における蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、前記操作手段から入力される運転種別信号および前記蓄電量検出手段から入力される蓄電量信号に基づいて前記モータの制御を行う制御手段と、備え、前記制御手段は、前記力行運転時においては、前記電源手段の電力よりも前記蓄電手段に蓄電された電力を優先させて前記モータに供給し、所定の力行運転動作を行うにあたって、前記蓄電手段の蓄電量が不足している場合には、前記電源手段の電力を併用して前記モータに供給することにより、前記蓄電手段の蓄電量不足を補うように制御するとともに、前記力行運転の開始に先立ち、前記蓄電手段の電力が不足しており、かつそれを該力行運転中に前記電源手段の電力により補うには前記電源手段の使用電力量が予め設定された許容電力量を超えてしまうと見込まれる場合には、該力行運転中に前記電源手段の使用電力量が前記許容電力量を超えてしまわないように、該力行運転の開始前に、前記電源手段の電力により前記蓄電手段を予め補充電してから力行運転を開始する制御を行う一方、前記回生運転時においては、前記蓄電手段が満蓄電状態になるまでの間は前記回生電力を該蓄電手段に充電させ、該蓄電手段が満蓄電状態になったら該回生電力を前記電源手段側に返電するように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、モータの力行運転時には、制御手段により、電源手段の電力よりも蓄電手段の電力が優先されてモータに供給される制御が行われるため、蓄電手段の電力、即ちモータが発生させた回生電力が無駄なく利用され、これにより省エネルギ化に貢献することができる。
また、制御手段は、所定の力行運転動作を行うにあたり、蓄電手段の蓄電量が不足している場合には、電源手段の電力を併用してモータに供給することにより、蓄電手段の蓄電量不足を補うように制御するため、例えば電源手段が商用電源である場合には、その受電契約電力量を、商用電源のみでは単独で力行運転ができないレベルまで抑えることも可能であり、ランニングコスト(固定費)を低減することができる。
さらに、制御手段は、力行運転の開始に先立ち、蓄電手段の電力が不足しており、かつそれを該力行運転中に補うには前記電源手段の使用電力量が予め設定された許容電力量を超えてしまうと見込まれる場合には、該力行運転中に前記電源手段の使用電力量が前記許容電力量を超えてしまわないように、該力行運転の開始前に、電源手段の電力により蓄電手段を予め補充電してから力行運転を行わせる制御を行うが、この時に電源手段から蓄電手段に供給される電力は、1回分の力行運転ができる電力でよい。
このため、蓄電手段の補充電のために電源手段から供給される電力を少なくすることができる。したがって、最大必要電力を少なくすることができ、電源手段が商用電源である場合には、予め設定された許容電力量、即ち電力会社との受電契約電力量を小さくして基本料金を安くし、ランニングコストを低減させて経済性を高めることができる。しかも蓄電手段を大型化させる必要がなくなるため、コンパクトでコストの掛からない構成にすることができる。
さらに、制御手段は、モータの回生運転時において、蓄電手段が満蓄電状態になるまでの間は回生電力を蓄電手段に充電させ、蓄電手段が満蓄電状態になったら回生電力を電源手段側に返電する制御を行う。前述したように、モータの力行運転時には、電源手段の電力よりも蓄電手段の電力が優先されてモータに供給されることと、蓄電手段の補充電時に電源手段から供給される電力が必要最小限であることから、蓄電手段には蓄電の余地が残されている確率が高く、よって回生運転が連続するような場合でも、その回生電力の大部分を蓄電手段に蓄電することができる。したがって、回生電力が電源手段側に返電されてしまう量を抑制し、回生電力を力行運転のために極力無駄なく有効に利用して省エネルギ化に貢献することができる。
また、本発明に係る揚重装置は、前記補充電時における充電量を、前記蓄電手段の蓄電量が、前記電源手段の電力との併用によって前記モータの1回分の力行運転を実行できるだけの最低必要蓄電量に達するまでとしたことを特徴とする。こうした場合、蓄電手段の補充電のために電源手段から供給を必要とする電力が、モータの1回分の力行運転を実行できる必要最小量となるため、最大必要電力を最小限にし、電力会社との受電契約電力量を小さくして経済性を高めることができる。しかも、補充電に掛かる時間が短縮されるため、力行運転の開始までに掛かる時間も短縮され、揚重装置が使いやすくなる。
さらに、本発明に係る揚重装置は、前記蓄電手段に前記回生電力が充放電される時に、該回生電力の充放電による経済面または環境保全面の少なくとも一方の効果を数値で前記操作手段に表示する効果表示手段をさらに有することを特徴とする。このような効果表示手段を設けることにより、ユーザーに対して回生電力の利用効果をアピールすることができる。
また、本発明に係る揚重装置は、前記被搬送物の重量を計測する重量計測手段をさらに有し、前記制御手段は、該重量計測手段による重量計測結果を基にして前記蓄電手段への補充電量を決定することを特徴とする。このような重量計測手段を設けることにより、前述の如く力行運転の開始に先立って蓄電手段を補充電する際に、被搬送物の重量と上昇させる高さから仕事量が判明するため、蓄電手段への補充電量も正確に出すことができ、充電量を最小限に抑えて経済性を高めるとともに、充電時間を短縮することができる。
また、本発明に係る機械式立体駐車場は、上記のいずれかの揚重装置を応用し、前記被搬送物である車両を前記モータの動力で昇降させ、上下方向に複数段積層された車両格納棚に入出庫させることを特徴とする。これにより、モータが発生させた回生電力を無駄なく再利用して省エネルギ化に貢献できる機械式立体駐車場とすることができる。
さらに、本発明に係る機械式立体駐車場は、前記車両が契約車両であり、その車種と前記車両格納棚の位置が決まっている場合には、各車両の車重から、これら各車両を入出庫させるのに必要な前記蓄電手段の最低必要蓄電量を個別に算出して予め前記制御手段に記憶させておき、前記制御手段は、この最低必要蓄電量が前記蓄電手段に蓄電されていない時には、この最低必要蓄電量に達するまで前記電源手段の電力により前記蓄電手段を予め補充電してから力行運転を実行することを特徴とする。
このように構成すれば、車両のユーザーが機械式立体駐車場の操作手段で入出庫の指示を行うと同時に、制御手段がその車両を入出庫させるのに必要な最低必要蓄電量を把握して蓄電手段における上記最低必要蓄電量の有無を判定し、最低必要蓄電量に満たない場合にのみ補充電が行われるため、モータを素早く力行運転に入らせて機械式立体駐車場の起動時間を短縮するとともに、補充電に必要な電力量を最小限に減らして省エネルギ化に貢献し、かつ経済性を高めることができる。
また、本発明に係る機械式立体駐車場は、前記車両が充電を要する電動車両である場合に、該電動車両を充電するための充電用設備をさらに有し、前記制御手段は、該充電用設備への通電指示がある場合には、前記蓄電手段に、少なくとも前記電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行可能な蓄電量を常時確保させながら、該蓄電手段の電力によって前記充電用設備への電力供給を行うように制御することを特徴とする。
このように構成した場合、モータの回生運転に伴って発生する回生電力が、蓄電手段の他に、電動車両を充電するための充電用設備にも供給されるため、蓄電手段が満蓄電状態になりにくくなる。これにより、回生電力を電源手段側に返電することなく、モータの力行運転もしくは電動車両の充電のために無駄なく有効に利用でき、省エネルギ化に大きく貢献することができる。
そして、本発明に係る揚重装置の制御方法は、前記の揚重装置において、前記制御手段による制御には、前記操作手段からの運転種別信号に基づき、力行運転か否かを判定する力行運転判定ステップと、前記力行運転判定ステップが肯定判定(力行運転)の場合に、前記蓄電量検出手段からの蓄電量信号に基づき、前記蓄電手段の蓄電量が、少なくとも前記電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行するのに足りるか否かを判定する蓄電量判定ステップと、前記蓄電量判定ステップが否定判定の場合に、前記蓄電手段が少なくとも前記電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行可能な蓄電量を確保するまで前記電源手段の電力により該蓄電手段を補充電する補充電ステップと、前記蓄電量判定ステップが肯定判定の場合に力行運転を行う力行運転ステップと、前記力行運転判定ステップが否定判定(回生運転)の場合に、前記蓄電量検出手段からの蓄電量信号に基づき、前記蓄電手段が前記回生電力を蓄電可能な蓄電余地を有するか否かを判定する蓄電余地判定ステップと、前記蓄電余地判定ステップが肯定判定の場合に、前記回生電力を前記蓄電手段に充電しながら回生運転を行う充電回生運転ステップと、前記蓄電余地判定ステップが否定判定の場合に、前記回生電力を前記電源手段側に返電しながら回生運転を行う返電回生運転ステップと、を有することを特徴とする。
このような制御方法とした場合、蓄電量判定ステップにおいて、蓄電手段の充電量が、少なくとも電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行するのに足りないと判定された場合には、次の補充電ステップにおいて、蓄電手段が少なくとも電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行可能な蓄電量を確保するまで電源手段の電力により補充電されるが、その際に電源手段から供給される電力は、多くても数回分の力行運転ができる程度、好ましくは1回分の力行運転ができる程度の電力でよいため、蓄電手段の補充電のために電源手段から供給される電力を非常に少なくすることができる。したがって、最大必要電力を小さくすることができ、電源手段が商用電源である場合には、電力会社との受電契約電力量を小さくして基本料金を安くし、ランニングコストを低減させて経済性を高めることができる。
また、モータの回生運転時において、蓄電手段が満蓄電状態になるまでの間は、回生電力が蓄電手段に充電され、蓄電手段が満蓄電状態になってから回生電力が電源手段側に返電されるので、回生電力の大部分を蓄電手段に蓄電することができる。したがって、回生電力が電源手段側に返電されてしまう量を低減し、回生電力を力行運転のために無駄なく有効利用して省エネルギ化に貢献することができる。
以上のように、本発明に係る揚重装置およびその制御方法、これを応用した機械式立体駐車場によれば、蓄電手段を大型化させることなく、モータが発生させた回生電力を極力無駄なく蓄電して再利用し、省エネルギ化に貢献するとともに、ランニングコスト等の経済性を高め、併せて回生電力の利用効果をユーザーにアピールし、起動時間の短縮を図ることができる。
本発明に係る揚重装置の第1実施形態としての機械式立体駐車場を示す概略構成図である。 図1に示す二次電池における蓄電量を模式的に示した図であり、(a)は蓄電量が最低必要蓄電量に達していない状態を示し、(b)は蓄電量が最低必要蓄電量に達した状態を示し、(c)は蓄電量が最大蓄電量を超えて商用電源側に返電される状態を示し、(d)は蓄電量が最低必要蓄電量を超えて最大蓄電量以下にある状態を示す図である。 本発明の第1実施形態である機械式立体駐車場における制御の流れをフローチャートで示す図である。 本発明に係る揚重装置の第2実施形態としての機械式立体駐車場を示す概略構成図である。 図4に示す二次電池における蓄電量を模式的に示した図であり、(a)は蓄電量が最低必要蓄電量に達していない状態を示し、(b)は蓄電量が最低必要蓄電量に達した状態を示し、(c)は蓄電量が最低必要蓄電量を超えて最大蓄電量以下にある状態を示し、(d)は蓄電量が最大蓄電量を超えて商用電源側に返電される状態を示す図である。
以下に、本発明の2つの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、モータの動力で被搬送物を上下に搬送する装置であれば幅広く適用できるものであって、以下の説明にあるエレベータ式の立体駐車場のみに限定されるものではない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る揚重装置の第1実施形態としての機械式立体駐車場を示す概略構成図である。この機械式立体駐車場1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式の立体駐車場施設であり、地上階に車両の入出庫口3が開口する駐車塔4を備えている。この駐車塔4の地上階の床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル5が設置されている。ターンテーブル5は、地上階の床面に形成された凹状のピット6内に旋回板7と旋回用モータ8と車重計測機9(重量計測手段)が設けられた構成である。
駐車塔4の中心部には垂直な昇降通路11が形成されており、その両側には上下方向に複数段の車両格納棚12が設けられている。この車両格納棚12は、昇降通路11を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚12には車両を積載するためのパレット13が1枚ずつ収容されている。
また、駐車塔4の内部にはエレベータ状の車両搬送機構15が設けられている。この車両搬送機構15は、駐車塔4の上部に設置された滑車16と、この滑車16を駆動すると、滑車16に巻回されたワイヤロープ18と、ワイヤロープ18の一端に繋がれて昇降通路11内を上下に昇降するリフト19と、ワイヤロープ18の他端に繋がれたカウンタウェイト20とを備えて構成されている。モータ17が作動すると滑車16がワイヤロープ18を送り、リフト19が昇降通路11内を昇降する。
車両格納棚12とリフト19の各々の床面には、両者12,19の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット13、または車両2が積載されたパレット13を、リフト19から車両格納棚12に、または車両格納棚12からリフト19に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。なお、カウンタウェイト20の重量の分だけ、車両2とパレット13とリフト19の合計重量が相殺されるため、車両2を上方に搬送する際におけるモータ17の負荷が大幅に軽減される。
車両2の入庫時には、リフト19が、空車状態の車両格納棚12の高さまで上昇して空のパレット13を取り出し、このパレット13と共に下降して地上階の床面、例えばターンテーブル5の上に載せる。車両2は入出庫口3から進入してターンテーブル5上に載置されたパレット13の上に乗り上げ、ターンテーブル5の旋回により車両格納棚12の向きに沿うように変向された後、リフト19が車両2およびパレット13と共に空車状態の車両格納棚12の高さまで上昇し、パレット13ごと車両2を車両格納棚12に格納する。
車両2の出庫時には、出庫する車両2が格納されている車両格納棚12の高さまでリフト19が上昇し、車両格納棚12からパレット13ごと車両2を受けとって降下し、パレット13をターンテーブル5上に載置する。その後、ターンテーブル5が旋回して車両2の進行方向が入出庫口3に向けられ、車両2は入出庫口3から出庫する。その後、他の入庫指示がなければ、リフト19は空になったパレット13を空車状態の車両格納棚12に返納する。
次に、この機械式立体駐車場1の制御系統について説明する。
この機械式立体駐車場1の電源は、例えば交流200Vの商用電源23である。この商用電源23からは、予め設定された許容電力量まで使用することができる。許容電力量とは、電力会社との受電契約電力量のことであり、その量が多くなるほど受電契約の基本料金が高くなる。このため、受電契約電力量を必要最小限に抑えることにより、機械式立体駐車場1のランニングコストを削減することができる。
商用電源23からの交流電力は回生コンバータ24により直流電力に一旦変換され、DCバスライン25に供給される。DCバスライン25には例えば3基のインバータ26,27,28が接続されている。インバータ26はDCバスライン25に流れる直流電力を所定の交流電力に再変換して車両搬送機構15のモータ17に供給する。また、インバータ27は車両格納棚12とリフト19に設けられた図示しない受渡機構を駆動するモータ29に交流電力を供給する。さらに、インバータ28はターンテーブル5の旋回用モータ8に交流電力を供給する。
また、DCバスライン25には、DC/DCコンバータ31を介して二次電池32が接続されている。ここで、二次電池とは、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、鉛電池等の充電池の他に、電気二重層コンデンサ(EDLC)等の電力貯蔵素子も含む、蓄電機能を持ったものとする。この二次電池32は、後述のようにリフト19を昇降させるモータ17が発生させる回生電力を蓄電する蓄電手段となるものであり、電流計33と電圧計34が接続されている。電流計33と電圧計34は、二次電池32における蓄電量を検出する蓄電量検出手段となるものである。
DC/DCコンバータ31には制御手段としての制御装置36が接続され、制御装置36には操作盤37(操作手段)が接続されている。操作盤37には、ユーザーが入庫および出庫の種別を入力する入力装置38と、各種の情報をユーザーに表示する表示装置39が設けられている。電流計33と電圧計34により検出された蓄電量信号は制御装置36に入力されるが、DC/DCコンバータ31を経て制御装置36に入力されるようにしてもよい。また、ターンテーブル5に設けられた車重計測機9により検出された車重量信号が制御装置36に入力されるようになっている。他に、リフト19の位置情報や、各モータ8,17,29の作動状況といった各種の情報が制御装置36に入力される。
車両2の入出庫時、即ちリフト19により車両2が積載されたパレット13が昇降する時には、車両2とパレット13とリフト19の合計重量と、カウンタウェイト20の重量とが一致していれば、昇降に必要な動力が最小となる。しかし、車両2の重量は車種により異なるため、一般的には、(車両2+パレット13+リフト19)≧カウンタウェイト20≧(パレット13+リフト19)という重量関係が成立するようにカウンタウェイト20の重量が設定されている。
入庫時には、先述のように空のパレット13を上方の車両格納棚12から地上階の床面に降ろす必要があるが、この場合にはカウンタウェイト20を持ち上げる事になる。その時の重量関係は、カウンタウェイト20≧(リフト19+パレット13)であるため、カウンタウェイト20が被搬送物となり、モータ17を駆動させるための動力が必要となるため、モータ17は力行運転となる。その後、パレット13に載せた車両2を車両格納棚12まで上昇させて格納する時の重量関係は、(車両2+リフト19+パレット13)≧カウンタウェイト20であり、重たい側を持ち上げるため、やはりモータ17を駆動させるための動力が必要となり、モータ17は力行運転となる。この時は車両2+リフト19+パレット13が被搬送物となる。
一方、出庫時には、車両2が積載されたパレット13が地上階に降ろされるが、その時の重量関係は、(車両2+パレット13+リフト19)≧カウンタウェイト20であり、重たい側を降ろすため、モータ17が逆駆動されて回生運転となり、モータ17により回生電力が発生する。また、空のパレット13を車両格納棚12へ戻す上昇動作においても、その重量関係が、カウンタウェイト20≧(パレット13+リフト19)となり、軽い側を上昇させるので回生運転となり、モータ17により回生電力が発生する。
このように、駐車塔4の内部に車両2を格納するエレベータ式の機械式立体駐車場1において、リフト19を昇降させるモータ17は、車両2の入庫時に力行運転を行い、出庫時に回生運転を行う。なお、本実施例では、駐車塔4の上部に車両搬送機構15、下部に入出庫口3が配置された構成となっているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、地下に形成された車両格納庫に車両を格納する地下式の機械式立体駐車場においても同様である。この場合は、入出庫に伴う力行運転と回生運転の関係が逆になり、入庫時が回生運転、出庫時が力行運転となる。
上記のようにモータ17で発生した回生電力は、インバータ26により直流に変換されてDCバスライン25に戻され、さらにDC/DCコンバータ31を経て二次電池32に蓄電される。そして、二次電池32に蓄電された回生電力は、次にモータ17が力行運転を行う時に、DC/DCコンバータ31を経てモータ17に供給される。また、二次電池32が満蓄電状態である時に発生した回生電力は蓄電されずに、回生コンバータ24により商用電源23側に返電される。
この機械式立体駐車場1において、ユーザーは、入出庫口3付近に設けられた操作盤37に向かい、入力装置38を操作して入庫(力行運転)または出庫(回生運転)の種別を入力する。制御装置36は、操作盤37から入力される運転種別信号および電流計33と電圧計34から入力される蓄電量信号に基づいてモータ17の制御を行う。
即ち、制御装置36は、モータ17の力行運転時(入庫時)には、商用電源23の電力よりも二次電池32の電力を優先させてモータ17に供給し、所定の入庫動作を行うにあたって、二次電池32の蓄電量が不足している場合には、商用電源23の電力を併用してモータ17に供給することにより、二次電池32の蓄電量不足を補うように制御する。
また、制御装置36は、力行運転の開始に先立ち、二次電池32の電力が不足しており、かつそれを力行運転中に商用電源23の電力で補うには商用電源23の使用電力量が予め設定された許容電力量(受電契約電力量)を超えてしまうと見込まれる場合には、力行運転中に二次電池32の使用電力量が受電契約電力量を超えてしまわないように、力行運転の開始前に商用電源23の電力により二次電池32を予め素早く補充電してから二次電池32の電力によりモータ17に力行運転を行わせる制御を行う。
一方、制御装置36は、モータ17の回生運転時(出庫時)には、二次電池32が満蓄電状態になるまでの間はモータ17が発生させた回生電力を二次電池32に充電させ、二次電池32が満蓄電状態になった以降は回生電力を商用電源23側に返電する制御を行う。
上記の補充電を行う場合の充電量は、二次電池32の蓄電量が、商用電源23の電力との併用によってモータ17の1回分の力行運転(入庫操作)を実行できるだけの最低必要蓄電量に達するまでとされる。つまり、空のパレット13を車両格納棚12から地上階に降ろす運転、または車両2が積載されたパレット13を再び車両格納棚12まで持ち上げる運転を1回実行する上で、商用電源23と二次電池32の電力を併せて運転するのに必要な蓄電量である。
このように、商用電源23と二次電池32の電力を併用して機械式立体駐車場1を運行することにより、商用電源23のみでは単独で駆動できないレベルまで電力会社との受電契約電力量を抑えることも可能であり、ランニングコスト(固定費)を低減することができる。こうした場合、商用電源23の超過利用により電力会社からのペナルティー課金を受けない範囲で運行するためには、商用電源23の電力不足分を二次電池32の電力によって補いながら、電力会社との契約の範囲内で商用電源23を使用する必要がある。
二次電池32に商用電源23から補充電を行う際には、二次電池32の充電能力が許す範囲内で、大電力により短時間に行うことが望ましいが、このように大電力で補充電を行うと、上記と同様に電力会社との契約の制限を受けるので、多少時間が掛かっても契約の範囲内で行えばよい。ここで、受電契約電力量の設定値は、入出庫の時間帯分布や集中度等、設備毎の利用状況によって決定されるものであるが、本発明においては受電契約電力量の値の多寡は、補充電の時間に関わるものの、さほど重要ではない。
空のパレット13を地上階に降ろす時には、カウンタウェイト20の重量からパレット13とリフト19の重量を差し引いた残りの重量が被搬送物としての重量となる。また、車両2が積載されたパレット13を車両格納棚12の高さまで持ち上げる時には、車両2とパレット13とリフト19の重量からカウンタウェイト20の重量を差し引いた残りの重量が被搬送物としての重量となる。車両2の重量は、入庫時にターンテーブル5に設けられた車重計測機9により検出されて制御装置36に入力され、制御装置36はこれを基にして二次電池32への補充電量を決定する。上記のように、被搬送物の重量が明確に算出できるため、制御装置36は二次電池32に補充電する量を素早く判断することができる。なお、車重計測機9を省き、車両2の重量を固定重量値として予め代入してもよい。この固定重量値は、機械式立体駐車場1に入庫可能な最大重量車種の重量とする。
図2(a)〜(d)は、二次電池32における蓄電量を模式的に示した図である。これらの図において、二次電池32の最大蓄電量を100%とし、前述した最低必要蓄電量、即ち、二次電池32の電力と商用電源23の許容最大電力とを併用した場合にモータ17が1回分の力行運転(入庫操作)を実行できるだけの蓄電量が20%である場合に、図2(a)のように蓄電量が10%しかない時には、この二次電池32の電力と商用電源23の許容最大電力とを併用しても、次の力行運転を行うことができない。このため制御装置36は、図2(b)に示すように蓄電量が最低必要蓄電量20%に達するまで素早く補充電を行う。
上記の補充電は、ユーザーが操作盤37で入庫指示(力行運転の予約)を行った直後に実行される。その理由は、制御装置36が予め二次電池32を最低必要蓄電量である20%、あるいはそれ以上に補充電してしまっていると、二次電池32の蓄電余地が少なくなり、複数のユーザーがたて続けに出庫(回生運転)を行った場合に、図2(c)のように二次電池32の蓄電量が100%、即ち満蓄電状態になってしまい、それ以上モータ17で発生した回生電力は二次電池32に蓄電できなくなってしまうからである。この場合には、せっかく発生させた回生電力を商用電源23側に返電するしかなく、有効に利用することができない。
図2(d)のように、例えば二次電池32の蓄電量が60%である場合には、商用電源23の電力との併用により3回分の出庫操作を行うことができる。このように、制御装置36は、二次電池32が満蓄電状態とならないように、常に必要最小限の補充電を行ってはモータ17を力行運転させる制御を行う。なお、二次電池32の最低必要蓄電量は予め少し余裕を持った値に設定しておいてもよいが、車重計測機9から入力される重量計測結果に基づき、その都度最適値(必要最小値)に設定してもよい。
ところで、操作盤37の表示装置39は、二次電池32に回生電力が充放電される時に、回生電力の充放電による経済面または環境保全面の少なくとも一方の効果を数値で表示する効果表示手段としても機能する。例えば、充電された回生電力を電気料金、CO削減量等に換算して数値で表示する。他に、充電、放電のランプを設置してランプの点灯で表示してもよく、また、メータを設置して回生電流の大きさ等を指針の振れで示してもよい。また、過去からの積算値等と組み合わせて表示することも可能である。これにより、入出庫時の回生電流の利用状況をユーザーが目で見て理解できるようになるとともに、メータ式では重量の大きい車両では大きく振れ、軽い車両では小さく振れる等の差も見ることができるようになる。ランプやメータは、ディスプレイ上のグラフィック表示であってもよい。
図3は、機械式立体駐車場1における制御の流れを示すフローチャートである。
この制御の流れを順に説明すると、ユーザーが操作盤37に入庫または出庫の種別が入力されて制御が開始されると、まずステップS1で上記運転種別信号に基づき、力行運転(入庫)か否かを判定する(力行運転判定ステップ)。
ステップS1が肯定判定(入庫=力行運転)の場合はステップS2に移行し、電流計33および電圧計34からの蓄電量信号に基づき、二次電池32に商用電源23の電力との併用によって1回分の力行運転を実行することのできる最低必要蓄電量があるか否かを判定する(蓄電量判定ステップ)。
ステップS2が否定判定の場合はステップS3に移行し、二次電池32に補充電が行われる(補充電ステップ)。この補充電は、二次電池32に最低必要蓄電量が蓄えられるまで、即ちステップS2が肯定判定となるまで続けられる。そして、ステップS2が肯定判定になり次第、ステップS4に移行し、力行運転、つまり入庫動作が行われる(力行運転ステップ)。そして力行運転(入庫動作)の完了とともに制御が終了する。
一方、ステップS1が否定判定(出庫=回生運転)の場合はステップS5に移行し、電流計33および電圧計34からの蓄電量信号に基づき、二次電池32が1回の出庫動作(回生運転)を行うことにより発生する回生電力を蓄電可能な充電余地を有するか否かを判定する(蓄電余地判定ステップ)。
ステップS5が肯定判定の場合、即ち二次電池32に充電余地がある場合にはステップS6に移行し、回生運転、つまり出庫動作が行われる。そして、これと同時に、モータ17の回生運転に伴って発生する回生電流が二次電池32に充電される(充電回生運転ステップ)。
また、ステップS5が否定判定の場合はステップS7に移行し、同じく回生運転が行われるが、その際に発生する回生電流は二次電池32に充電されずに、DCバスライン25と回生コンバータ24を経て商用電源23側に返電される(返電回生運転ステップ)。
ステップS6、ステップS7、いずれの場合も、回生運転(出庫動作)の完了とともに制御が終了する。
以上のように構成された機械式立体駐車場1によれば、モータ17の力行運転時には、制御装置36により、商用電源23の電力よりも二次電池32の電力が優先されてモータ17に供給される制御が行われるため、二次電池32の電力、即ちモータ17が発生させた回生電力が無駄なく利用され、これにより省エネルギ化に大きく貢献することができる。
また、制御装置36は、所定の力行運転動作を行うにあたり、二次電池32の蓄電量が不足している場合には、商用電源23の電力を併用してモータ17に供給することにより、二次電池32の蓄電量不足を補うように制御するため、商用電源23を供給する電力会社との受電契約電力量を、商用電源23のみでは単独で力行運転ができないレベルまで抑えることも可能であり、これによりランニングコスト(固定費)を多大に節減することができる。
さらに、制御装置36は、所定の力行運転動作の開始に先立ち、二次電池32の蓄電量が不足しており、かつそれを力行運転中に補うには商用電源23の使用電力量が受電契約電力量を超えてしまうと見込まれる場合には、力行運転中に商用電源23の使用電力量が受電契約電力量を超えてしまわないように、該力行運転の開始前に、商用電源23の電力により二次電池32を予め補充電してからモータ17に力行運転を行わせる制御を行うが、この時に商用電源23から二次電池32に供給される電力は、多くとも数回分、好ましくは1回分の力行運転ができる程度でよい。このため、二次電池32の補充電のために商用電源23から供給される電力を少なくすることができる。したがって、最大必要電力を少なくし、機械式立体駐車場1のランニングコストを低減させて経済性を高めることができる。しかも、二次電池32の蓄電容量を大きくする必要がないので、二次電池32をコンパクト化することができ、コストの掛からない構成にすることができる。
さらに、制御装置36は、モータ17の回生運転時において、二次電池32が満蓄電状態になるまでの間は回生電力を二次電池32に充電し、二次電池32が満蓄電状態になったら回生電力を商用電源23側に返電する制御を行うが、モータ17の力行運転時に商用電源23の電力よりも二次電池32の電力が優先されてモータ17に供給されることと、二次電池32の補充電時に商用電源23から供給される電力が必要最小限であることから、二次電池32には蓄電余地が残されている確率が高く、よって回生運転が連続するような場合でも、その回生電力の大部分を二次電池32に蓄電することができる。したがって、回生電力が商用電源23側に返電されてしまう量を抑制し、回生電力を力行運転のために極力無駄なく有効に利用して省エネルギ化に貢献することができる。
二次電池32の補充電が行われる際の充電量を、二次電池32の蓄電量が、商用電源23の電力との併用によってモータ17の1回分の力行運転を実行できるだけの最低必要蓄電量に達するまでとすることにより、二次電池32の補充電のために商用電源23から供給を必要とする電力が必要最小量となるため、最大必要電力を少なくし、電力会社との受電契約電力量を最も小さくして経済性を高めることができる。しかも、このように充電量が少なくて済むため、補充電に掛かる時間を短縮し、力行運転の開始までに掛かる時間も短縮し、機械式立体駐車場1の起動時間を短くして使いやすくすることができる。
また、二次電池32に回生電力が充放電される時に、この回生電力の充放電による経済面または環境保全面の少なくとも一方の効果が数値で操作盤37(表示装置39)に表示されるため、ユーザーに対して回生電力の利用効果をアピールすることができる。
一方、被搬送物である車両2の重量を計測する車重計測機9を設け、制御装置36が、この車重計測機9による重量計測結果に基づいて二次電池32への補充電量を決定するため、前述の如く力行運転の開始に先立って二次電池32を補充電する際に、車両2の重量と上昇させる高さから仕事量が判明するため、二次電池32への補充電量も正確に出すことができ、充電量を最小限に抑えて経済性を高めるとともに、充電時間を短縮して機械式立体駐車場1の起動時間を短くすることができる。
ところで、例えば機械式立体駐車場1がマンション等に付設されていて、契約車両だけが駐車し、その車種が決まっている場合には、車重計測機9を設けなくても、各車両のカタログ車重から、これら各車両を入出庫させるのに必要な二次電池32の最低必要蓄電量を個別に算出することができ、その値を予め制御装置36に記憶させておくことができる。こうすれば、車重計測機9を省けるので設備面および保守面でコストダウンになり、しかも車両のオーナーが操作盤37で入出庫の指示を行うと同時に、制御装置36が当該車両を入出庫させるのに必要な最低必要蓄電量を把握して二次電池32における最低必要蓄電量の有無を判定し、最低必要蓄電量に満たない場合にのみ補充電が行われるため、モータ17を素早く力行運転に入らせて機械式立体駐車場1の起動時間を短縮するとともに、補充電に必要な電力量を最小限に減らして省エネルギ化に貢献し、かつ経済性を高めることができる。
〔第2実施形態〕
図4は、本発明に係る揚重装置の第2実施形態としての機械式立体駐車場を示す概略構成図である。この機械式立体駐車場41において、図1に示す第1実施形態の機械式立体駐車場1と異なる点は、DCバスライン25に、モータ8,17,29を駆動するインバータ26,27,28の他に、充電用設備42が接続され、この充電用設備42が、制御装置36に制御されながら駐車塔4内に駐車する電動車両2Aを充電できるようになっている点のみであり、その他の構成は同一であるため、各部に同一符号を付して説明を省略する。
駐車塔4内の各車両格納棚12には、図示しないがパレット13に電力を供給する機能があり、車両格納棚12に格納されることで電気的に接続される。またパレット13には充電用コンセントが設けられており、充電を必要とする電動車両2Aは、その車体に設けられた充電接続部と、上記充電用コンセントとの間が充電用ケーブル43で接続されるので、格納後に充電を受ける。
この機械式立体駐車場41において、制御装置36は、充電用設備42への通電指示がある場合には、二次電池32に、少なくとも商用電源23の電力との併用によって1回分の力行運転を実行可能な蓄電量を常時確保させながら、二次電池32の電力によって充電用設備42への電力供給を行うように制御する。
図5(a)〜(d)は、二次電池32における蓄電量を模式的に示した図である。二次電池32の最大蓄電量を100%とし、二次電池32の電力と商用電源23の許容最大電力とを併用した場合にモータ17が1回分の力行運転(入庫操作)を実行できるだけの蓄電量が最低必要蓄電量20%である場合に、図5(a)のように蓄電量が10%しかない場合には、この10%の蓄電電力と商用電源23の許容最大電力とを併用しても、次の力行運転を行うことができない。このため、制御装置36は、図5(b)に示すように蓄電量が最低必要蓄電量20%に達するまで補充電を行う。ここまでの制御は第1実施形態の場合と同じである。
駐車塔4内に電動車両2Aが入庫して充電用ケーブルが接続され、充電設定がされると、当該車両を格納した後、充電用設備42への通電指示がなされる。制御装置36は、図5(c)に示すように二次電池32の蓄電量が最低必要蓄電量20%を上回っている時には、その一部を充電用設備42に供給する制御を行う。二次電池32の電力はDC/DCコンバータ31を経て充電用設備42に供給される。
二次電池32の電力が充電用設備42に供給されて電動車両2Aが充電されている時に他の車両2の出庫が行われ、モータ17が回生運転を行う場合には、二次電池32から充電用設備42への電力供給が続行され、これと同時に回生電力が二次電池32に充電される。また、二次電池32の電力が充電用設備42に供給されている時に他の車両2の入庫指示がなされ、モータ17が力行運転を行う場合には、二次電池32の蓄電量が最低必要蓄電量20%を上回っている場合には充電用設備42への電力供給が続行され、最低必要蓄電量20%以下である場合には充電用設備42への電力供給が一時中断されて、最低必要蓄電量20%を上回り次第、充電が再開され、電動車両2Aの充電が完了するまで充電が行われる。さらに、図5(d)に示すように、二次電池32の蓄電量が満蓄電状態100%になってしまったら、それ以上の回生電力は商用電源23側に返電される。
このように構成された機械式立体駐車場によれば、モータ17の回生運転に伴って発生する回生電力が、二次電池32の他に、電動車両2Aを充電するための充電用設備42にも供給されるため、回生運転(出庫)が連続して行われた場合でも、二次電池32が満蓄電状態になりにくくなる。これにより、回生電力を商用電源23側に返電することなく、モータ17の力行運転もしくは電動車両2Aの充電のために無駄なく有効に利用でき、省エネルギ化に大きく貢献することができる。また、力行運転(入庫)時においても、二次電池32の蓄電量が最低必要蓄電量を上回っていれば電動車両2Aの充電が継続されるため、入庫操作によって電動車両2Aの充電が妨げられることを最小限に抑えることができる。
しかも、電力会社との間に新たに受電契約を行って、充電用設備42に電源を供給するための電源設備を新設する場合に比べて、従来の電力設備がそのまま利用できるために受電設備の新設が不要であり、受電契約の変更も必要ないことから、機械式立体駐車場のオーナーは安価に電動車両の充電設備を導入することができる。これは、電動車両の普及の過渡期にあたる昨今においては、電動車両の収容台数も限られていることから、簡易に充電設備を設置可能である点で利用価値が高い。
1,41 機械式立体駐車場
2 車両(被搬送物)
2A 電動車両
4 駐車塔
5 ターンテーブル
9 車重計測機(重量計測手段)
12 車両格納棚
17 モータ
20 カウンタウェイト
23 商用電源(電源手段)
26,27,28 インバータ
32 二次電池(蓄電手段)
33 電流計(蓄電量検出手段)
34 電圧計(蓄電量検出手段)
36 制御装置(制御手段)
37 操作盤(操作手段)
39 表示装置(効果表示手段)
42 充電用設備
S1 力行運転判定ステップ
S2 蓄電量判定ステップ
S3 補充電ステップ
S4 力行運転ステップ
S5 蓄電余地判定ステップ
S6 充電回生運転ステップ
S7 返電回生運転ステップ

Claims (8)

  1. 上下搬送される被搬送物を上昇させる力行運転と、該被搬送物を下降させながら回生電力を発生させる回生運転とを行うモータと、
    前記モータに電力を供給する電源手段と、
    前記回生電力を蓄電する蓄電手段と、
    ユーザーにより前記力行運転および前記回生運転の種別が入力される操作手段と、
    前記蓄電手段における蓄電量を検出する蓄電量検出手段と、
    前記操作手段から入力される運転種別信号および前記蓄電量検出手段から入力される蓄電量信号に基づいて前記モータの制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記力行運転時においては、前記電源手段の電力よりも前記蓄電手段に蓄電された電力を優先させて前記モータに供給し、所定の力行運転動作を行うにあたって、前記蓄電手段の蓄電量が不足している場合には、前記電源手段の電力を併用して前記モータに供給することにより、前記蓄電手段の蓄電量不足を補うように制御するとともに、
    前記力行運転の開始に先立ち、前記蓄電手段の電力が不足しており、かつそれを該力行運転中に前記電源手段の電力により補うには前記電源手段の使用電力量が予め設定された許容電力量を超えてしまうと見込まれる場合には、該力行運転中に前記電源手段の使用電力量が前記許容電力量を超えてしまわないように、該力行運転の開始前に、前記電源手段の電力により前記蓄電手段を予め補充電してから力行運転を開始する制御を行う一方、
    前記回生運転時においては、前記蓄電手段が満蓄電状態になるまでの間は前記回生電力を該蓄電手段に充電させ、該蓄電手段が満蓄電状態になったら該回生電力を前記電源手段側に返電するように制御することを特徴とする揚重装置。
  2. 前記補充電時における充電量は、前記蓄電手段の蓄電量が、前記電源手段の電力との併用によって前記モータの1回分の力行運転を実行できるだけの最低必要蓄電量に達するまでであることを特徴とする請求項1に記載の揚重装置。
  3. 前記蓄電手段に前記回生電力が充放電される時に、該回生電力の充放電による経済面または環境保全面の少なくとも一方の効果を数値で前記操作手段に表示する効果表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の揚重装置。
  4. 前記被搬送物の重量を計測する重量計測手段をさらに有し、前記制御手段は、該重量計測手段による重量計測結果を基にして前記蓄電手段への補充電量を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の揚重装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の揚重装置を応用し、前記被搬送物である車両を前記モータの動力で昇降させ、上下方向に複数段設けられた車両格納棚に入出庫させることを特徴とする機械式立体駐車場。
  6. 前記車両が契約車両であり、その車種と前記車両格納棚の位置が決まっている場合には、各車両の車重から、これら各車両を入出庫させるのに必要な前記蓄電手段の最低必要蓄電量を個別に算出して予め前記制御手段に記憶させておき、前記制御手段は、この最低必要蓄電量が前記蓄電手段に蓄電されていない時には、この最低必要蓄電量に達するまで前記電源手段の電力により前記蓄電手段を予め補充電してから力行運転を実行することを特徴とする請求項5に記載の機械式立体駐車場。
  7. 前記車両が充電を要する電動車両である場合に、該電動車両を充電するための充電用設備をさらに有し、前記制御手段は、該充電用設備への通電指示がある場合には、前記蓄電手段に、少なくとも前記電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行可能な蓄電量を常時確保させながら、該蓄電手段の電力によって前記充電用設備への電力供給を行うように制御することを特徴とする請求項5または6に記載の機械式立体駐車場。
  8. 請求項1に記載の揚重装置において、前記制御手段による制御には、
    前記操作手段からの運転種別信号に基づき、力行運転か否かを判定する力行運転判定ステップと、
    前記力行運転判定ステップが肯定判定(力行運転)の場合に、前記蓄電量検出手段からの蓄電量信号に基づき、前記蓄電手段の蓄電量が、少なくとも前記電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行するのに足りるか否かを判定する蓄電量判定ステップと、
    前記蓄電量判定ステップが否定判定の場合に、前記蓄電手段が少なくとも前記電源手段の電力との併用によって1回分の力行運転を実行可能な蓄電量を確保するまで前記電源手段の電力により該蓄電手段を補充電する補充電ステップと、
    前記蓄電量判定ステップが肯定判定の場合に力行運転を行う力行運転ステップと、
    前記力行運転判定ステップが否定判定(回生運転)の場合に、前記蓄電量検出手段からの蓄電量信号に基づき、前記蓄電手段が前記回生電力を蓄電可能な充電余地を有するか否かを判定する蓄電余地判定ステップと、
    前記蓄電余地判定ステップが肯定判定の場合に、前記回生電力を前記蓄電手段に充電しながら回生運転を行う充電回生運転ステップと、
    前記蓄電余地判定ステップが否定判定の場合に、前記回生電力を前記電源手段側に返電しながら回生運転を行う返電回生運転ステップと、
    を有することを特徴とする揚重装置の制御方法。
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