JP2019142673A - インバータシステムおよびインバータ制御方法 - Google Patents

インバータシステムおよびインバータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータ構成の簡略化や省エネルギー対策に貢献する技術を提供する。【解決手段】開状態のエレベータドアが閉状態に切り替ってからモータ3を運転する前までの運転前期間に、蓄電池4の蓄電池容量およびカゴ20のカゴ状態を検出し、その検出結果に基づいて蓄電池容量を調整する。蓄電池容量の調整は、運転前制御部16の推定部16aにより、検出部15が検出したカゴ状態に基づいて、階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定する。次に、容量調整部16bにより、推定部16aによる回生電力量の推定値等に基づいて、(蓄電池容量)≦(満充電状態の蓄電池容量)−(回生電力量の推定値)を満たすように蓄電池4の電力を適宜放電して、蓄電池容量を調整する。検出するカゴ状態は、カゴ重量と、設定されている最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離と、を含むものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータシステムおよび制御方法の技術に関するものであって、例えばエレベータのカゴを昇降させる巻上機に適用可能なモータの駆動制御に係るものである。
例えばロープ式エレベータのカゴを昇降させる巻上機に適用可能なモータにおいては、インバータにより、カゴの荷重や行き先階等の情報に応じて運転制御することが知られている。例えば、系統電源側からの電力でモータを力行運転させたり、当該モータを回生運転させて回生電力を発生させるように駆動制御する構成が挙げられる。
また、インバータに蓄電池が設けられた構成の場合には、例えば回生運転による回生電力を蓄電池に蓄電したり、当該回生電力を系統電源側に回生する等により、省エネルギー対策を図っている。また、系統電源側が停電の場合には、当該蓄電池を非常用電源として適用し、モータを力行運転させることも可能となる(例えば特許文献1,2)。
特開2005−145687号公報 特開2013−234029号公報 特開2006−94683号公報
前述のようにインバータに蓄電池が設けられた構成において、蓄電池容量が所定値以上(満充電状態の場合等)であって系統電源側が停電状態の場合には、回生電力は、蓄電池に蓄電することも系統電源側へ回生することもできなくなるおそれがある。このような場合には、回生運転が妨げられる事態(回生失効等)になることが考えられる。
前述のような事態を抑制する手法としては、予め電力消費用の抵抗器や切り替えスイッチ等のデバイス(以下、単に電力消費用デバイスと適宜称する)を備え、回生電力を消費(例えば抵抗器により熱的に消費)して回生運転できる構成にしておくことが挙げられる。
しかしながら、前述のような電力消費用デバイスを備えた場合、例えば構成の大型化や高コスト化等を招くおそれがある。また、回生電力の消費は単なる電力損失となり得るため、省エネルギー対策が不十分となるおそれがある。
本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたものであって、構成の簡略化や省エネルギー対策に貢献可能な技術を提供することにある。
この発明の一態様は、系統電源からの交流電力を直流電力に変換する回生コンバータ部と、直流母線を介して回生コンバータ部に接続されており、エレベータのカゴを移動させるモータを駆動制御して、当該モータを力行運転または回生運転するインバータ部と、直流母線に接続されている昇降圧チョッパ回路を有し、当該昇降圧チョッパ回路に接続されている蓄電池を充放電する充放電部と、開状態のエレベータドアが閉状態に切り替ってからモータを運転する前までの運転前期間に、蓄電池の蓄電池容量およびカゴ状態を検出する検出部と、運転前期間に、検出部による検出結果に基づいて充放電部を制御して、蓄電池容量を調整する運転前制御部と、を備え、カゴ状態は、カゴ重量と、設定されている最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離と、を含むことを特徴とするインバータシステムである。
また、運転前制御部は、階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定する推定部と、調整後の蓄電池容量が下記の式(1)を満たすように、蓄電池の電力を放電する容量調整部と、を備えていることを特徴とするものでも良い。
(調整後の蓄電池容量)≦(満充電状態の蓄電池容量)−(回生電力量の推定値) (1)
また、運転前制御部は、検出部による蓄電池容量の検出値と予め設定した閾値とを比較して、蓄電池容量の調整の要否を判定する比較判定部を、更に備えていることを特徴とするものでも良い。
また、エレベータは、モータに連動して回動する駆動綱車に巻き掛けられた昇降用ロープにより、カゴと釣り合い用の錘とを釣瓶式に懸吊した構成であり、容量調整部において、昇降圧チョッパ回路の電流指令値は、下記の式(4)によって算出することを特徴とするものでも良い。
*=k×(abs(M−m)×gH)/(V×t) (4)
式(4)のI*は放電方向が正となる電流指令値、kは電力損失を考慮した係数(k≦1)、Mは錘の重量、mはカゴ重量、gは重力加速度、Hは各階間のうち最長の階間距離とする。Vは蓄電池電圧、tは放電時間、abs(M−m)は(M−m)の絶対値とする。
他の態様は、系統電源からの交流電力を回生コンバータ部により直流電力に変換する電源供給過程と、直流母線を介して回生コンバータ部に接続されているインバータ部により、エレベータのカゴを移動させるモータを駆動制御して、当該モータを力行運転または回生運転する運転過程と、直流母線に接続されている昇降圧チョッパ回路を有した充放電部により、当該昇降圧チョッパ回路に接続されている蓄電池を充放電する充放電過程と、を有し、開状態のエレベータドアが閉状態に切り替ってから運転過程によりモータを運転する前までの運転前期間において、蓄電池の蓄電池容量およびカゴ状態を検出する検出過程と、検出過程の検出結果に基づいて充放電部を制御して、蓄電池容量を調整する運転前制御過程と、を有し、カゴ状態は、カゴ重量と、設定されている最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離と、を含むことを特徴とするインバータ制御方法である。
また、運転前制御過程は、階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定する推定過程と、調整後の蓄電池容量が下記の式(1)を満たすように、蓄電池の電力を放電する容量調整過程と、を有していることを特徴とするものでも良い。
(調整後の蓄電池容量)≦(満充電状態の蓄電池容量)−(回生電力量の推定値) (1)
また、運転前制御過程は、検出過程による蓄電池容量の検出値と予め設定した閾値とを比較して、蓄電池容量の調整の要否を判定する比較判定過程を、更に有していることを特徴とするものでも良い。
以上示したように本発明によれば、構成の簡略化や省エネルギー対策に貢献可能となる。
本実施形態の一例であるインバータシステム1を説明するための概略構成図。 ロープ式のエレベータ2を説明するための概略構成図((A)はカゴ重量<錘21の重量の場合、(B)はカゴ重量>錘21の重量の場合)。 インバータシステム1のインバータ制御方法の一例を示すフローチャート。
本発明の実施形態におけるインバータシステムおよびインバータ制御方法は、単にインバータに蓄電池を設けたり電力消費用デバイスを設けた構成(以下、単に従来構成と適宜称する)とは、全く異なるものである。
すなわち、本実施形態は、開状態のエレベータドアが閉状態に切り替ってからモータを運転する前までの期間(以下、単に運転前期間と適宜称する)に、蓄電池容量およびカゴ状態(カゴ重量と、設定されている最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離(カゴの移動方向の距離))を検出し、その検出結果に基づいて蓄電池容量を調整するものである。
本実施形態とは異なる構成、例えば特許文献2に示すように電力消費用デバイスを設けたような従来構成(例えば特許文献2の図5の符号6,7で示す抵抗,半導体スイッチを備えた構成)の場合、蓄電池が満充電状態(蓄電池容量が所定値以上等)で系統電源側が停電になっても、当該電力消費用デバイスで回生電力を消費するように、モータを回生運転することが可能となる。しかしながら、電力消費用デバイスを備えた分、構成の大型化や高コスト化等を招くおそれがある。また、回生電力を単に消費する構成となり得るため、省エネルギー対策が不十分となるおそれもある。
一方、本実施形態のように、運転前期間に蓄電池容量を調整する構成であれば、行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離を回生運転した場合の回生電力量の推定値を予め推定し、その推定値の分の大きさの空き容量を蓄電池に形成しておくことができる。
蓄電池容量を調整する構成においては、例えば、階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定し、調整後の蓄電池容量が下記の式(1)を満たすように、蓄電池の電力を放電する構成(例えば後述の推定部16a,容量調整部16bを備えた構成)が挙げられる。
(蓄電池容量)≦(満充電状態の蓄電池容量)−(回生電力量の推定値) (1)
本実施形態のように蓄電池容量を調整できる構成であれば、たとえ電力消費用デバイスを備えていない構成であっても、回生運転が妨げられる事態(回生失効等)を抑制することが可能となる。例えば、カゴを行き先階まで移動させるためにモータを回生運転している間に、系統電源側が停電(カゴが隣り合う階間に位置で停電)しても、回生電力を蓄電池に吸収するように回生運転して、カゴを最寄りの階等に移動させることができる。
また、従来構成のような電力消費用デバイスは不用であるため、構成が簡略化され、例えば構成の小型化や低コスト化等に貢献することが可能となる。また、回生電力においては、単に電力消費用デバイスで消費する必要がなくなるため、電力損失を抑制でき、省エネルギー対策に貢献することが可能となる。
本実施形態のインバータシステムおよび制御方法は、前述のようにモータを運転する前に蓄電池容量を調整できる構成であれば、種々の分野(例えば各種設備のインバータ技術,コンバータ技術,モータ技術,エレベータ技術等の分野)の技術常識を適宜適用して設計することが可能であり、その一例として以下に示すものが挙げられる。
≪本実施形態によるインバータシステムの構成例≫
図1に示す本実施形態の実施例であるインバータシステム1は、複数の機能部(詳細を後述する)を有し、例えば図2(詳細を後述する)に示すようなロープ式のエレベータ2の巻上機30のモータ3を駆動制御するものであって、カゴ20のカゴ状態や後述の蓄電池4の蓄電池容量に応じて、モータ3を力行運転または回生運転する構成となっている。
インバータシステム1が有する各機能部のうち、回生コンバータ部11は、系統電源(例えば三相交流電源等の駆動用の商用電源)10からの交流電力を直流電力に変換するものである。インバータ部12は、直流母線10aを介して回生コンバータ部11に接続されたものであって、回生コンバータ部11によって変換された直流電力を交流電力に変換し、カゴ20を移動させるモータ3を駆動制御して、当該モータ3を力行運転または回生運転するものである。直流母線10aにおいては、種々のデバイスを適宜設けても良く、例えば図1に示すように平滑用の直流コンデンサ10bを設けることが挙げられる。
充放電部13は、直流母線10aに接続されている昇降圧チョッパ回路14を有したものであり、当該昇降圧チョッパ回路14に接続されている蓄電池4を、当該昇降圧チョッパ回路14の昇圧および降圧機能により充放電するものである。
昇降圧チョッパ回路14の昇圧および降圧機能は、種々の技術を適宜適用して実施することが可能であり、その一例としては、特許文献3に示す電流制御等の技術を適用することが挙げられる。具体的に、蓄電池4を放電する場合には、昇降圧チョッパ回路14を電流指令値に基づいて制御(昇圧動作するように制御)し、回生コンバータ部11をPWM変調(パルス幅変調)制御することにより、蓄電池4の電力を放電して系統電源10側に回生することができる。放電による電力量は、下記の式(2)によって算出することが可能である。
W1=V×I×t (2)
なお、式(2)のW1は放電による電力量、Vは蓄電池電圧、Iは放電電流、tは放電時間とする。
また、昇降圧チョッパ回路14を電流指令値に基づいて制御(降圧動作するように制御)し、インバータ部12をPWM変調制御することにより、モータ3の回生運転による回生電力を蓄電池4に蓄電することができる。例えば、エレベータ2において、図2に示すようにカゴ20と釣り合い用の錘21とを釣瓶式に懸吊した構成(トラクション式の構成;以下、単に懸吊構成と適宜称する)の場合には、回生電力量は、下記の式(3)に基づいて算出することが可能である。
W2=(M−m)×gH (3)
なお、式(3)のW2はモータ3の運転(力行運転または回生運転)による電力量、Mは錘21の重量、mはカゴ重量、gは重力加速度、Hはカゴ20の移動長さ(昇降方向の高さ)とする。
また、エレベータ2が図2に示すような懸吊構成の場合には、昇降圧チョッパ回路14の電流指令値は、式(2)(3)に基づく下記の式(4)によって、算出することができる。
*=k×(abs(M−m)×gH)/(V×t) (4)
なお、式(4)のI*は放電方向が正となる電流指令値、kは電力損失を考慮した係数、abs(M−m)は(M−m)の絶対値とする。係数kにおいては、モータ3の回生運転時に当該モータ3やインバータ部12に発生する損失を考慮した係数であり、k≦1を満たす値を設定する。具体的には、モータ3とインバータ部12の損失測定試験結果に基づいて設定することが挙げられる。
蓄電池4に蓄電した電力は、前述したように単に系統電源10側に回生するだけでなく、種々の目的で利用することが可能であり、例えば系統電源10側が停電状態の場合には、インバータ部12やモータ3等に適宜供給することが挙げられる。
検出部15は、運転前期間(開状態のエレベータドアが閉状態に切り替った後、インバータ部12によりモータ3を運転する前までの期間)に、蓄電池4の蓄電池容量およびカゴ状態を検出するものである。蓄電池容量は、蓄電池4の出力電圧を検出することによって導出(例えば、蓄電池の出力電圧と容量との関係を示したグラフが記載されているデータシートを適宜利用して導出)することが可能である。また、例えば蓄電池容量の検出値(出力電圧値)において任意の閾値を設定しておくことにより、当該検出値が閾値未満の場合には蓄電池4の空き容量が大きい状態であるとし、当該検出値が閾値以上の場合には蓄電池4の空き容量が小さい状態(例えば満充電状態)であるとみなすこともできる。
カゴ状態の内容においては、カゴ重量(カゴ20自体の重量、およびカゴ20内の人や物等による負荷重量)と、設定(例えばカゴ20内の操作パネルを介して設定)された最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間(隣り合う階間)のうち最長の階間距離と、が含まれているものとする。
例えば、エレベータ2が5階建てビルに設置され、1階〜2階および3階〜5階の各階間距離がそれぞれ3mであって、2階〜3階の階間距離が4mであるとし、5階に停止しているカゴ20の行き先階が1階,2階に設定された場合、2階〜3階の階間となる。
カゴ状態の検出においては、エレベータ2のカゴ20が所望の階に停止してエレベータドア(例えば各階の乗り場で適宜開閉するドア;図示省略)が開状態になった後、当該エレベータドアが閉状態に切り替ってからモータ3を運転する前までの期間(すなわち運転前期間)に、当該カゴ状態を検出する。このような運転前期間に検出したカゴ状態であれば、例えばエレベータドアが再び開状態に切り替ってカゴ20内に対して人や物等が出入りしない限り、カゴ重量は変わらないものとみなすことができる。
検出部15には、種々の態様の構成を適用することが可能であり、特に限定されるものではない。例えば、蓄電池容量を検出する構成においては、蓄電池4の出力電圧を適宜検出する電圧計を用いた構成が挙げられる。また、カゴ状態を検出する構成は、例えばエレベータ2のカゴ20に設置されたセンサ等を介して適宜検出する構成が挙げられることが可能である。具体例としては、カゴ20内の負荷重量を、カゴ20の底部側等に設けられた負荷計測装置(図示省略)を介して検出し、当該カゴ20の行き先階を、カゴ20内の操作パネルを介して検出する構成が挙げられる。
運転前制御部16は、後述の推定部16aおよび容量調整部16bを備えたものであって、運転前期間に、検出部15による検出結果に基づいて充放電部13を制御して、蓄電池容量を調整するものである。
推定部16aは、検出部15が検出したカゴ状態に基づいて、階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定するものである。エレベータ2が図2に示すような懸吊構成の場合には、回生電力量の推定値は、式(3)およびカゴ状態に基づいて適宜推定することが可能である。なお、式(3)のHには、前述の最長の階間距離を設定する。
容量調整部16bは、推定部16aによる回生電力量の推定値等に基づいて、式(1)を満たすように蓄電池4の電力を適宜放電(昇降圧チョッパ回路14を介して放電)して、蓄電池容量を調整するものである。エレベータ2が図2に示すような懸吊構成の場合には、式(1)を満たすように式(4)の放電時間tを設定することにより、電流指令値を算出することができる。そして、算出した電流指令値に基づいて昇降圧チョッパ回路14を制御し、回生コンバータ部11をPWM変調制御することにより、蓄電池4の電力を放電して系統電源10側に回生することができる。
運転前制御部16は、前述のような推定部16aおよび容量調整部16bの他に、種々の機能部を備えても良く、例えば以下に示すような比較判定部16cを備えることが挙げられる。
図1に示す比較判定部16cは、検出部15による蓄電池容量の検出値と任意の閾値とを比較し、その比較結果に基づいて蓄電池容量の調整の要否を判定するものである。閾値においては、適宜設定することが可能であり、特に限定されるものではない。例えば、予めモータ3を種々の条件で回生運転して、当該回生運転により発生し得る回生電力を分析し、当該回生運転毎に回生電力を蓄電池4に蓄電することを想定して、閾値を設定することが挙げられる。
前述のように比較判定部16cの閾値を設定しておくことにより、例えば蓄電池容量の検出値が閾値未満であると判定した場合に、蓄電池容量が既に式(1)を満たしているものとみなすこともできる。また、蓄電池容量が既に式(1)を満たしているものとみなす場合には、推定部16aによる回生電力量の推定値の推定や、容量調整部16bによる放電を適宜省略することが挙げられる。
≪エレベータの構成例≫
図2に示すロープ式のエレベータ2においては、カゴ20および釣り合い用の錘21が垂直方向に昇降可能な昇降路2aと、その昇降路2aの上方側に位置し巻上機30が設置される機械室2bと、を主として備えた構成となっている。
巻上機30は、モータ3や駆動綱車31(モータ3の回転子に連動して回動する綱車)等を有し、当該駆動綱車31には昇降用ロープ22が巻き掛けられている。そして、昇降用ロープ22の一端側にカゴ20が設けられ、他端側には錘21が設けられて、懸吊構成をなしている。このような懸吊構成により、駆動綱車31が回動すると、カゴ20と錘21とが昇降路2a内を互いに逆方向に昇降することとなる。
錘21は、例えばカゴ20に定員の半分の乗客が乗車した状態で、カゴ20と釣り合うように設定(カゴ重量と錘21の重量とが略同等となるように設定)することが挙げられる。これにより、カゴ20の乗客の乗車率や当該カゴ20の移動方向(運転方向)によって、モータ3の運転状態も異なる。
例えば図2(A)に示すように、錘21の重量よりも、乗客も含めたカゴ20のカゴ重量の方が軽い場合(例えば、カゴ20内に乗客が乗車していない無負荷状態)では、当該カゴ20の上昇時に速度エネルギーを電力に変換する回生運転となり、当該カゴ20の下降時には電力を消費する力行運転となる。一方、図2(B)に示すように、錘21の重量よりも乗客も含めたカゴ重量の方が重い場合(例えば、カゴ20内に定員分の人が乗車することによって定格負荷が作用する定格負荷状態)では、カゴ20の上昇時に力行運転となり、当該カゴ20の下降時に回生運転となる。
≪インバータ制御方法例≫
図2に示したようなエレベータ2に適用したインバータシステム1は、例えば図3に示すような過程S1〜S5を経てインバータ制御し、モータ3を力行運転または回生運転することが挙げられる。
<系統電源10が通常(非停電状態)の場合>
エレベータ2のカゴ20において行き先階が設定されると、まず図3に示す検出過程S1により、運転前期間において、検出部15が蓄電池4の蓄電池容量およびカゴ状態を検出する。この検出過程S1の検出結果により、モータ3の運転が力行運転および回生運転の何れかになるかが決定される。
次に、運転前制御過程S2により、運転前制御部16が充放電部13を制御して、蓄電池4の蓄電池容量を調整する。この運転前制御過程S2では、まず比較判定過程S21において、比較判定部16cが、検出部15による蓄電池容量の検出値と任意の閾値とを比較し、この比較結果に基づいて蓄電池容量の調整の要否を判定する。この比較判定過程S21において、蓄電池容量の検出値が閾値以上であって蓄電池容量が式(1)を満たしておらず、蓄電池容量の調整を必要とすると判定した場合には、推定過程S22に進む。
推定過程S22では、推定部16aが、階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を、推定する。そして、容量調整過程S23により、容量調整部16bが、調整後の蓄電池容量が式(1)を満たすように、充放電部13の昇降圧チョッパ回路14を昇圧動作するように制御し、回生コンバータ部11をPWM変調制御することにより、蓄電池4の電力を放電して系統電源10側に回生する。昇降圧チョッパ回路14の制御に用いる電流指令値は、式(1)を満たすように式(4)の放電時間tを設定して得たものを適用する。
その後、電源供給過程S3により、回生コンバータ部11が、系統電源(例えば三相交流電源等の駆動用の商用電源)10からの交流電力を直流電力に変換し、運転過程S4により、インバータ部12が、直流電力を交流電力に変換しモータ3を駆動制御して運転し、カゴ20の行き先階への移動を開始する。当該モータ3の運転が回生運転となる場合、当該回生運転による回生電力は、回生コンバータ部11を介して系統電源10側に回生、または充放電過程S5により、充放電部13がインバータ部12および昇降圧チョッパ回路14を介して蓄電池4に蓄電する。そして、カゴ20が行き先階へ到着した後、モータ3の運転が終了する。
なお、比較判定過程S21において、蓄電池容量の検出値が閾値未満であって蓄電池容量が既に式(1)を満たしており、蓄電池容量の調整が不用であると判定した場合には、推定過程S22,容量調整過程S23を省略し、後段の電源供給過程S3に進むようにしても良い。
<運転過程S4において系統電源10が停電した場合>
運転過程S4の途中で系統電源10側の停電が発生し、モータ3の運転が停止した場合、まず、当該系統電源10側をインバータシステム1から切り離し、蓄電池4の電力をインバータ部12やモータ3へ給電し、最寄り階へカゴ20を移動させるための運転を開始する。この際に発生する回生電力は、充放電過程S5により、充放電部13がインバータ部12および昇降圧チョッパ回路14を介して蓄電池4に蓄電する。そして、カゴ20が最寄り階へ到着した後、モータ3の運転が終了する。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変更等が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変更等が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
例えば、インバータシステム1においては、図2に示すような構成のエレベータ2に適用した場合について具体的に説明したが、その他の種々の構成のエレベータに適用することも可能である。例えば、巻上機30を昇降路2aに設けた構成や、錘21を使用しない巻胴式にした構成であっても、モータ3を適宜駆動制御して力行運転または回生運転できるものであれば良い。また、エレベータ2の用途は、特に限定されるものではなく、乗用,人荷用,寝台用,荷物用,自動車用等の種々の用途が挙げられる。
1…インバータシステム
10…系統電源
11…回生コンバータ部
12…インバータ部
13…充放電部
14…昇降圧チョッパ回路
15…検出部
16…運転前制御部
16a…推定部
16b…容量調整部
16c…比較判定部
20…カゴ
3…モータ
4…蓄電池

Claims (7)

  1. 系統電源からの交流電力を直流電力に変換する回生コンバータ部と、
    直流母線を介して回生コンバータ部に接続されており、エレベータのカゴを移動させるモータを駆動制御して、当該モータを力行運転または回生運転するインバータ部と、
    直流母線に接続されている昇降圧チョッパ回路を有し、当該昇降圧チョッパ回路に接続されている蓄電池を充放電する充放電部と、
    開状態のエレベータドアが閉状態に切り替ってからモータを運転する前までの運転前期間に、蓄電池の蓄電池容量およびカゴ状態を検出する検出部と、
    運転前期間に、検出部による検出結果に基づいて充放電部を制御して、蓄電池容量を調整する運転前制御部と、
    を備え、
    カゴ状態は、カゴ重量と、設定されている最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離と、を含むことを特徴とするインバータシステム。
  2. 運転前制御部は、
    階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定する推定部と、
    調整後の蓄電池容量が下記の式(1)を満たすように、蓄電池の電力を放電する容量調整部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1記載のインバータシステム。
    (調整後の蓄電池容量)≦(満充電状態の蓄電池容量)−(回生電力量の推定値) (1)
  3. 運転前制御部は、検出部による蓄電池容量の検出値と予め設定した閾値とを比較して、蓄電池容量の調整の要否を判定する比較判定部を、更に備えていることを特徴とする請求項2記載のインバータシステム。
  4. エレベータは、モータに連動して回動する駆動綱車に巻き掛けられた昇降用ロープにより、カゴと釣り合い用の錘とを釣瓶式に懸吊した構成であり、
    容量調整部において、昇降圧チョッパ回路の電流指令値は、下記の式(4)によって算出することを特徴とする請求項2または3に記載のインバータシステム。
    *=k×(abs(M−m)×gH)/(V×t) (4)
    式(4)のI*は放電方向が正となる電流指令値、kは電力損失を考慮した係数(k≦1)、Mは錘の重量、mはカゴ重量、gは重力加速度、Hは各階間のうち最長の階間距離とする。Vは蓄電池電圧、tは放電時間、abs(M−m)は(M−m)の絶対値とする。
  5. 系統電源からの交流電力を回生コンバータ部により直流電力に変換する電源供給過程と、
    直流母線を介して回生コンバータ部に接続されているインバータ部により、エレベータのカゴを移動させるモータを駆動制御して、当該モータを力行運転または回生運転する運転過程と、
    直流母線に接続されている昇降圧チョッパ回路を有した充放電部により、当該昇降圧チョッパ回路に接続されている蓄電池を充放電する充放電過程と、
    を有し、
    開状態のエレベータドアが閉状態に切り替ってから運転過程によりモータを運転する前までの運転前期間において、
    蓄電池の蓄電池容量およびカゴ状態を検出する検出過程と、
    検出過程の検出結果に基づいて充放電部を制御して、蓄電池容量を調整する運転前制御過程と、
    を有し、
    カゴ状態は、カゴ重量と、設定されている最寄りの行き先階と、当該行き先階までにおける各階間のうち最長の階間距離と、を含むことを特徴とするインバータ制御方法。
  6. 運転前制御過程は、
    階間距離が最長の階間を回生運転した場合における回生電力量の推定値を推定する推定過程と、
    調整後の蓄電池容量が下記の式(1)を満たすように、蓄電池の電力を放電する容量調整過程と、
    を有していることを特徴とする請求項5記載のインバータ制御方法。
    (調整後の蓄電池容量)≦(満充電状態の蓄電池容量)−(回生電力量の推定値) (1)
  7. 運転前制御過程は、検出過程による蓄電池容量の検出値と予め設定した閾値とを比較して、蓄電池容量の調整の要否を判定する比較判定過程を、更に有していることを特徴とする請求項6記載のインバータ制御方法。
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