JP5442067B2 - エレベータ - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エレベータに関する。
従来、エレベータは、昇降路内を乗りかごが移動することにより、乗りかごを任意の階床に移動させる。このようなエレベータは、乗りかごを昇降させる動力を発生させる巻上機の電動機によって回生発電を行う場合がある。
特許第4148636号公報
ところで、従来技術においては、例えば、状況に応じたより効率的な回生発電の点でさらなる改善の余地がある。
実施形態のエレベータは、乗りかごと、つり合いおもりと、電動機と、蓄電装置と、案内装置と、制御装置とを備える。乗りかごは、昇降路を昇降可能である。つり合いおもりは、前記乗りかごに連結され前記乗りかごと連動して前記昇降路を昇降可能である。電動機は、前記乗りかごを昇降させる動力を発生させると共に回生発電可能である。蓄電装置は、前記電動機によって回生発電された回生電力を蓄電可能である。案内装置は、前記乗りかごの運転に関する案内を行う。制御装置は、前記乗りかごを昇降させる通常運転と、当該通常運転に対して制限を設けた省エネルギ運転とを切り替えて実行可能である。前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記案内装置を制御し前記省エネルギ運転中である旨を案内させる。前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごの上昇運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを制限する旨を案内させる一方、前記乗りかごの下降運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを促す旨を案内させる。前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごが前記つり合いおもりより軽い状態での前記乗りかごの上昇運転時に前記電動機を制御し当該電動機によって回生発電を行い、回生電力を前記蓄電装置に充電する。あるいは、前記制御装置は、前記乗りかごが前記つり合いおもりより重い状態での前記乗りかごの下降運転時に、前記電動機を制御し当該電動機によって回生発電を行い、回生電力を前記蓄電装置に充電するものである。さらに、前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごの上昇運転を行う際に前記乗りかごの積載荷重が予め設定された上昇制限荷重を超えた場合に前記乗りかごの上昇運転を禁止すると共に、前記乗りかごの下降運転を行う際に前記乗りかごの積載荷重が予め設定された下降制限荷重を超えるまでは前記乗りかごの下降運転を禁止し、前記乗りかごへの乗り込みを検出した後、予め設定された第1待機時間経過した場合、前記乗りかごの積載荷重が前記下降制限荷重以下であっても前記乗りかごの下降運転の禁止を解除する。
図1は、実施形態に係るエレベータの概略構成例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係るエレベータの制御装置の概略構成例を示すブロック図である。 図3は、実施形態に係るエレベータの省エネルギ運転切替制御の一例を説明するフローチャートである。 図4は、実施形態に係るエレベータの省エネルギ運転モードにおける制御の一例を説明するフローチャートである。 図5は、実施形態に係るエレベータの上昇運転制限処理の一例を説明するフローチャートである。 図6は、実施形態に係るエレベータの下降運転制限処理の一例を説明するフローチャートである。 図7は、実施形態に係るエレベータの上方階床待機処理の一例を説明するフローチャートである。 図8は、実施形態に係るエレベータの上方階床扉開待機処理の一例を説明するフローチャートである。 図9は、変形例に係るエレベータの制御装置の概略構成例を示すブロック図である。 図10は、変形例に係るエレベータの省エネルギ運転切替制御の一例を説明するフローチャートである。 図11は、変形例に係るエレベータの制御装置の概略構成例を示すブロック図である。
[実施形態]
図1は、実施形態に係るエレベータの概略構成例を示すブロック図である。図2は、実施形態に係るエレベータの制御装置の概略構成例を示すブロック図である。図3は、実施形態に係るエレベータの省エネルギ運転切替制御の一例を説明するフローチャートである。図4は、実施形態に係るエレベータの省エネルギ運転モードにおける制御の一例を説明するフローチャートである。図5は、実施形態に係るエレベータの上昇運転制限処理の一例を説明するフローチャートである。図6は、実施形態に係るエレベータの下降運転制限処理の一例を説明するフローチャートである。図7は、実施形態に係るエレベータの上方階床待機処理の一例を説明するフローチャートである。図8は、実施形態に係るエレベータの上方階床扉開待機処理の一例を説明するフローチャートである。図9は、変形例に係るエレベータの制御装置の概略構成例を示すブロック図である。図10は、変形例に係るエレベータの省エネルギ運転切替制御の一例を説明するフローチャートである。図11は、変形例に係るエレベータの制御装置の概略構成例を示すブロック図である。
図1に示す本実施形態のエレベータ1は、回生走行を行って回生発電された回生電力を蓄電装置に充電できるエレベータである。このエレベータ1は、昇降路2を昇降可能な乗りかご3とつり合いおもりとしてのカウンタウェイト4とをメインロープ5で連結したいわゆるつるべ式のエレベータである。エレベータ1は、昇降路2と、昇降体としての乗りかご3及びカウンタウェイト4と、メインロープ5と、昇降駆動部6と、蓄電装置としてのバッテリ7と、乗り場8と、制御装置9とを備える。エレベータ1は、制御装置9によって各部の駆動が制御されて乗りかご3が昇降路2内を昇降することで、任意の目的階の乗り場8に移動することができるものである。
昇降路2は、建物の鉛直方向に沿って設けられる。昇降路2は、建物内の複数の階床に渡って設けられる。昇降駆動部6や制御装置9等は、例えば、この昇降路2の上部の機械室10等に設けられている。昇降駆動部6や制御装置9等は、機械室10を有さないマシンルームレス式のエレベータ1の場合には、昇降路2の頂部等に設けられる。
乗りかご3は、利用者が乗ったり荷物を乗せたりするための構造物である。乗りかご3は、昇降路2内に配置され、昇降路2を昇降可能である。乗りかご3は、かご操作部としてのかご操作盤11や荷重検出器12等を含んで構成される。かご操作盤11は、乗りかご3の内部に設けられる。かご操作盤11は、利用者による操作入力(かご呼び操作)に応じていわゆるかご呼び登録等を行う。荷重検出器12は、乗りかご3内の積載荷重を検出する。
カウンタウェイト4は、乗りかご3に対するつり合いおもりである。カウンタウェイト4は、メインロープ5を介して乗りかご3に連結されて昇降路2内に配置される。カウンタウェイト4は、乗りかご3と連動して昇降路2を昇降可能である。
メインロープ5は、乗りかご3とカウンタウェイト4とを連結するものである。メインロープ5は、昇降路2の上部に設けられた昇降駆動部6の巻上機13のメインシーブ14やソラセシーブ15等に掛けられる。メインロープ5は、一端に乗りかご3が接続され、他端にカウンタウェイト4が接続される。つまり、カウンタウェイト4は、メインロープ5を介して乗りかご3に連結され乗りかご3と連動してこの乗りかご3とは反対方向に昇降可能である。
昇降駆動部6は、例えば、巻上機13を含んで構成され、制御装置9によりその駆動が制御される。巻上機13は、乗りかご3を昇降させる動力を発生させる電動機16を有する。電動機16は、例えば、商用電源等の電源17からインバータ等を介して電力が供給される。巻上機13は、電動機16が駆動することで、この電動機16に連結されたメインシーブ14が回転駆動する。そして、巻上機13は、メインシーブ14とメインロープ5との間に生じる摩擦力を利用してメインロープ5を電動で巻き上げる。また、この巻上機13の電動機16は、回生発電も可能である。つまり、この電動機16は、いわゆる回転電機であり、供給された電力を機械的動力に変換する電動機としての機能(力行機能)と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。
バッテリ7は、エレベータ1の回生走行時に電動機16によって回生発電された回生電力を蓄電可能な蓄電池(二次電池)である。ここでは、バッテリ7は、電源17から供給される電力、あるいは、乗りかご3の制動時等、エレベータ1の回生走行時に電動機16によって回生発電された回生電力を蓄電する。電動機16によって回生発電された回生電力は、インバータ等にて交流から直流に変換されバッテリ7に充電される。
乗り場8は、乗りかご3が着床可能なエレベータ停止階床に設けられる。乗り場8は、利用者が乗りかご3に対して乗降したり、荷物を乗りかご3に対して積み降ろしたりするための場所である。乗り場8は、乗り場操作部としての乗り場操作盤18等を含んで構成される。乗り場操作盤18は、利用者による操作入力(乗り場呼び操作)に応じていわゆる乗り場呼び登録等を行う。また、乗り場操作盤18は、主として一般者が利用するための一般者用乗り場操作盤18aと、主として身障者が利用するための身障者用乗り場操作盤18bとを含んで構成される。なお、一般者用乗り場操作盤18aと身障者用乗り場操作盤18bとは、図2に示すように、一体となって1つの操作盤を構成してもよい。
制御装置9は、通常の形式の双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU(中央演算処理装置)、ROM、RAM、バックアップRAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を備えている。ROM(Read Only Memory)は、所定の制御プログラム等を予め記憶している。RAM(Random Access Memory)は、CPUの演算結果を一時記憶する。バックアップRAMは、予め用意されたマップデータ、エレベータ1の仕様等の情報を記憶する。制御装置9は、種々のセンサ、検出器、かご操作盤11、荷重検出器12、電動機16、乗り場操作盤18等のエレベータ1の各部と電気的に接続される。制御装置9は、エレベータ1の各部の動作を統括的に制御する。制御装置9は、例えば、かご操作盤11、乗り場操作盤18等への利用者からの操作入力に応じて、巻上機13の駆動を制御し、乗りかご3を昇降路2内で昇降させる。これにより、エレベータ1は、乗りかご3を呼び登録に応じた指定された目的階に移動させることができる。
また、このエレベータ1は、案内装置としてのかご案内装置20及び乗り場案内装置21を備える。かご案内装置20、乗り場案内装置21は、乗りかご3の運転に関する案内等を行うものである。かご案内装置20は、乗りかご3内に設けられる。かご案内装置20は、制御装置9に電気的に接続されており、制御装置9によって制御される。乗り場案内装置21は、各乗り場8に少なくとも1つずつ設けられる。各乗り場案内装置21は、制御装置9に電気的に接続されており、それぞれ制御装置9によって制御される。かご案内装置20、乗り場案内装置21は、例えば、報知音を出力可能なブザー、種々の音声情報をアナウンス可能なスピーカ、種々の表示情報を表示可能な表示装置等を含んで構成される。なお、かご案内装置20は、図2に示すように、かご操作盤11を含むCOP(Car Operation Panerl)に組み込まれて設けられてもよい。また、乗り場案内装置21は、図2に示すように、乗り場操作盤18を含むHIB(Hall Indicator Box)に組み込まれて設けられてもよい。
上記のように構成されるエレベータ1は、通常運転として、利用者によりかご操作盤11、乗り場操作盤18等を介して乗りかご3の呼び操作が行われた場合、下記のように動作する。すなわち、エレベータ1は、かご操作盤11、乗り場操作盤18から制御装置9にこれに応じたかご呼び登録信号、あるいは、乗り場呼び登録信号が入力される。そして、エレベータ1は、制御装置9がこの呼び登録信号に応じて乗りかご3のかご呼び登録、あるいは、乗り場呼び登録を行う。そして、制御装置9は、この呼び登録、種々のセンサ、検出器からの出力、乗りかご3の現在の移動方向(昇降方向)等に基づいて、乗りかご3が合理的に移動しながらそれぞれの呼びに応答するように乗りかご3の着床順序を定める。そして、制御装置9は、昇降駆動部6の巻上機13を駆動制御し、乗りかご3を目的の階床へと移動させる。これにより、エレベータ1は、乗りかご3が昇降路2内を鉛直方向上下に昇降移動し、任意の目的階の乗り場8に移動する。そして、エレベータ1は、乗りかご3が目的階の乗り場8に着床し、所定の着床位置に着床したことが検出されると、その後、制御装置9が乗りかご3及び乗り場8の扉19を開放する。これにより、乗り場8で待機している利用者は、乗りかご3内に乗り込むことが可能となり、また、乗りかご3内の利用者は乗り場8に降りることが可能となる。
ところで、本実施形態の制御装置9は、上記で説明したように乗りかご3を昇降させる通常運転と、この通常運転に対して種々の制限を設けた省エネルギ運転とを切り替えて実行可能である。ここで、省エネルギ運転とは、通常運転とは異なる運転であり、通常運転と比較して相対的に電力使用量を抑制し省エネルギで乗りかご3を昇降させる運転である。さらに言えば、本実施形態の省エネルギ運転とは、例えば、かご案内装置20、乗り場案内装置21を通じて種々の案内を行って回生走行できる状況に誘導し、積極的に回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電する運転である。制御装置9は、例えば、乗り場操作盤18に組み込まれた切替キースイッチ22(図2参照)を介した係員による切り替え操作に応じて通常運転と省エネルギ運転とを切り替える。
具体的には、制御装置9は、一例として、図2に示すように、機能概念的に、省エネ運転判定部9a、エレベータ運転制御部9b、電動機駆動部9c、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9e、積載荷重検出部9f、過荷重ブザー鳴動部9g、上方階床かご待機指令部9h、乗り場UP呼び切離部9i、電車到着認識部9j、電車到着連動扉開指令部9k等が設けられる。
省エネ運転判定部9aは、取得した種々の情報にも基づいて、省エネルギ運転に関する種々の判定を行うものである。省エネ運転判定部9aは、制御装置9の各部に種々の判定結果信号を出力する。エレベータ運転制御部9bは、省エネ運転判定部9aからの判定結果信号等に基づいて、エレベータ1の運転を制御するものである。エレベータ運転制御部9bは、電動機駆動部9cに駆動信号を出力する。電動機駆動部9cは、エレベータ運転制御部9bからの駆動信号に基づいて電動機16の駆動を制御し、力行機能、回生機能を実現するものである。かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、それぞれ省エネ運転判定部9aからの判定結果信号等に基づいて、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御するものである。積載荷重検出部9fは、荷重検出器12による検出結果に基づいて、乗りかご3内の積載荷重を検出するものである。積載荷重検出部9fは、省エネ運転判定部9aに荷重検出信号を出力する。過荷重ブザー鳴動部9gは、省エネ運転判定部9aからの判定結果信号等に基づいて、乗りかご3内の過荷重ブザーを鳴動させるものである。上方階床かご待機指令部9hは、省エネ運転判定部9aからの判定結果信号等に基づいて、乗りかご3が着床可能な上方階床に当該乗りかご3を待機させる指令を出力するものである。上方階床かご待機指令部9hは、必要に応じてエレベータ運転制御部9bに上方階床かご待機指令を出力する。乗り場UP呼び切離部9iは、省エネ運転判定部9aからの判定結果信号等に基づいて、乗りかご3が着床可能な下方階床の一般者用乗り場操作盤18aを介した呼び登録を無効とするものである。電車到着認識部9jは、後述するようにエレベータ1が適用される建物が駅舎である場合に電車の到着を認識するものである。電車到着認識部9jは、必要に応じて電車到着連動扉開指令部9kに電車到着信号を出力する。電車到着連動扉開指令部9kは、省エネ運転判定部9aからの判定結果信号、電車到着認識部9jからの電車到着信号等に基づいて、扉19を開放させる扉開指令を出力するものである。
制御装置9は、省エネルギ運転では、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し省エネルギ運転中である旨を案内させる。ここではまず、省エネ運転判定部9aは、切替キースイッチ22を介して通常運転から省エネルギ運転に切り替える操作がなされたか否かを判定する。かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、省エネ運転判定部9aによって省エネルギ運転に切り替える操作がなされたと判定された場合、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し省エネルギ運転に切り替わった旨を案内させる。
さらに、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、省エネルギ運転では、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、上昇運転制限、下降運転制限がなされている旨を案内させる。具体的には、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、省エネルギ運転では、乗りかご3の上昇運転を行う際にはかご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し乗りかご3への乗り込みを制限する旨を案内させる。一方、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、乗りかご3の下降運転を行う際にはかご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し乗りかご3への乗り込みを促す旨を案内させる。これにより、エレベータ1は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を通じて種々の案内を行うことで、利用者をエレベータ1にて回生走行できる状況に誘導する。
そして、エレベータ運転制御部9bは、省エネルギ運転では、乗りかご3がカウンタウェイト4より軽い状態での当該乗りかご3の上昇運転時に上昇回生運転を行う。また、エレベータ運転制御部9bは、省エネルギ運転では、乗りかご3がカウンタウェイト4より重い状態での当該乗りかご3の下降運転時に下降回生運転を行う。電動機駆動部9cは、省エネルギ運転における上昇回生運転、下降回生運転では、電動機16を制御し当該電動機16によって回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電する。
本実施形態の制御装置9は、省エネルギ運転では、乗りかご3の上昇運転を行う際に乗りかご3の積載荷重が予め設定された上昇制限荷重を超えた場合に乗りかご3の上昇運転を禁止するようにしてもよい。典型的には、制御装置9は、乗りかご3が着床可能な下方階床に停止している場合であって乗りかご3の積載荷重が上昇制限荷重を超えた場合に乗りかご3の上昇運転を禁止する。
この場合、上昇制限荷重は、例えば、カウンタウェイト4の重量から乗りかご3自体の重量を差し引いた重量より小さい荷重に設定される。例えば、カウンタウェイト4の重量が通常運転時の乗りかご3の許容積載荷重の半分程度に設定されているような場合、この上昇制限荷重は、通常運転時の許容積載荷重の40%程度に設定される。
具体的には、省エネ運転判定部9aは、乗りかご3の上昇運転の際に、積載荷重検出部9fからの荷重検出信号に基づいて、乗りかご3の積載荷重が上昇制限荷重を超えたか否かを判定する。そして、過荷重ブザー鳴動部9gは、省エネ運転判定部9aによって乗りかご3の積載荷重が上昇制限荷重を超えたと判定された場合、乗りかご3内の過荷重ブザーを鳴動させ、エレベータ運転制御部9bは、乗りかご3の上昇運転を禁止する。この場合、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、上記のようにかご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、再度、乗りかご3への乗り込みを制限している旨を案内させてもよい。また、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、身障者以外の一般利用者に対して乗車を制限し階段の利用を促す旨を案内してもよい。これにより、エレベータ1は、乗りかご3の上昇運転の際に、乗りかご3の積載荷重を最小限に制限することができる。この結果、エレベータ1は、乗りかご3がカウンタウェイト4より軽い状態とすることができ、確実に効率よく上昇回生運転を行うことができる状態とすることができる。
また、制御装置9は、省エネルギ運転では、乗りかご3の下降運転を行う際に乗りかご3の積載荷重が予め設定された下降制限荷重を超えるまでは乗りかご3の下降運転を禁止するようにしてもよい。典型的には、制御装置9は、乗りかご3が着床可能な上方階床に停止している場合、乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重を超えるまでは乗りかご3の下降運転を禁止する。
この場合、下降制限荷重は、例えば、カウンタウェイト4の重量から乗りかご3自体の重量を差し引いた重量より大きい荷重に設定される。例えば、カウンタウェイト4の重量が通常運転時の乗りかご3の許容積載荷重の半分程度に設定されているような場合、この下降制限荷重は、通常運転時の許容積載荷重の50%程度に設定される。より好適には、下降制限荷重は、例えば、通常の運転時の許容積載荷重よりやや小さい程度に設定され、言い換えれば、乗りかご3がほぼ満員になった際の積載荷重よりやや小さい程度に設定される。
具体的には、省エネ運転判定部9aは、乗りかご3の下降運転の際に、積載荷重検出部9fからの荷重検出信号に基づいて、乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重を超えたか否かを判定する。そして、エレベータ運転制御部9bは、省エネ運転判定部9aによって乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重を超えたと判定されるまで、乗りかご3の下降運転を禁止する。この場合、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、上記のようにかご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、再度、乗りかご3への乗り込みを促す旨を案内させてもよい。また、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、乗りかご3への乗り込みを待っている旨を案内させてもよい。これにより、エレベータ1は、乗りかご3の下降運転の際に、乗りかご3内に比較的多数の乗客を乗せることができる。この結果、エレベータ1は、乗りかご3がカウンタウェイト4より重い状態とすることができ、確実に効率よく下降回生運転を行うことができる状態とすることができる。
そしてさらに、制御装置9は、乗りかご3への乗り込みを検出した後、予め設定された第1待機時間経過した場合、乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重以下であっても乗りかご3の下降運転の禁止を解除する。ここで、第1待機時間は、乗りかご3の下降運転の禁止を解除するか否かを判定するために予め設定される時間である。
具体的には、省エネ運転判定部9aは、乗りかご3の下降運転の際に、積載荷重検出部9fからの荷重検出信号に基づいて、乗りかご3への利用者の乗り込みを検出する。そして、省エネ運転判定部9aは、乗りかご3への最初の乗り込みを検出してから第1待機時間が経過したか否かを判定する。エレベータ運転制御部9bは、省エネ運転判定部9aによって第1待機時間経過したと判定された場合、乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重以下であっても乗りかご3の下降運転の禁止を解除する。これにより、エレベータ1は、乗りかご3の下降運転を行う際に確実に効率よく下降回生運転できる状況にすることができると共に、乗客が少ない場合には所定時間経過したら下降運転の禁止を解除することができる。この結果、エレベータ1は、乗客が少ない場合であっても、乗りかご3への最初の乗り込みがあってから所定時間経過すると、下降運転を行うことができ、下降運転ができない状況を回避することができる。
さらに、制御装置9は、省エネルギ運転では、乗りかご3が着床可能な上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれる場合、下記のように制御してもよい。すなわち、制御装置9は、かご操作盤11、又は、乗り場操作盤18を介した呼び登録が予め設定された第2待機時間なかった場合に、乗りかご3を上方階床の乗り場8に移動させ、上方階床の乗り場8で待機させる。ここで、第2待機時間は、かご操作盤11、乗り場操作盤18を介した呼び登録の有無を判定するために予め設定される時間である。
ここで、上方階床の乗り場8からまとまった乗客の乗り込みが見込まれる場合とは、例えば、エレベータ1が適用される建物のビルディングタイプが上方階床で多数の乗り込み客が予測されるようなビルディングタイプである場合等が挙げられる。上方階床で多数の乗り込み客が予測されるビルディングタイプとしては、例えば、図1に例示するように、電車23に乗降するためのプラットホーム24が上方階床、改札25が下方階床に設けられた駅舎等が挙げられる。この他、上方階床で多数の乗り込み客が予測されるビルディングタイプとしては、例えば、上方階床に劇場、式場、飲食店街が設けられた建物、上方階床に作業場が設けられた工場等が挙げられる。以下の説明では、エレベータ1が図1に例示するような駅舎に適用された場合を説明する。
具体的には、省エネ運転判定部9aは、省エネルギ運転では、かご操作盤11、乗り場操作盤18を介した呼び登録が予め設定された第2待機時間ないか否かを判定する。上方階床かご待機指令部9hは、省エネ運転判定部9aによって呼び登録が第2待機時間ないと判定された場合、エレベータ運転制御部9bに上方階床かご待機指令を出力する。そして、エレベータ運転制御部9bは、上方階床かご待機指令に基づいて、乗りかご3が空の状態で上昇回生運転を行い、乗りかご3を上方階床に移動させ待機させる。このとき、電動機駆動部9cは、電動機16を制御し当該電動機16によって回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電する。これにより、エレベータ1は、上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれ、効率的な下降回生運転が可能であると見込まれる場合に、事前に乗りかご3を当該上方階床に待機させておくことができる。この結果、エレベータ1は、上方階床の乗り場8に多くの利用者が来た場合に、積極的に乗りかご3に乗車させ、その位置エネルギを利用して下降回生運転を行うことができる。
そして、制御装置9は、省エネルギ運転では、乗りかご3が着床可能な下方階床の乗り場8の身障者用乗り場操作盤18bを介した呼び登録を通常運転時と同様に有効とする。一方、制御装置9は、下方階床の乗り場8の一般者用乗り場操作盤18aを介した呼び登録を無効とする。
具体的には、乗り場UP呼び切離部9iは、省エネ運転判定部9aによって省エネルギ運転に切り替える操作がなされたと判定された場合、下方階床の一般者用乗り場操作盤18aを介した呼び登録を無効とする。そして、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、当該一般者用乗り場操作盤18aが操作された場合に、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し省エネルギ運転中である旨を案内させる。このとき、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、身障者以外の一般利用者に対して乗車を制限し階段の利用を促す旨を案内させてもよい。
これにより、エレベータ1は、下方階床からの乗りかご3の上昇運転を、乗りかご3が無積載の場合、又は、身障者が乗車している場合に制限することができる。この場合、エレベータ1は、乗りかご3が空ではなく身障者が乗車している場合であっても、乗りかご3の重量がカウンタウェイト4の重量よりも小さければ上昇回生運転が可能となる。エレベータ1は、上記のように身障者用乗り場操作盤18bを介した身障者の呼び登録に応答する一方、一般者用乗り場操作盤18aを介した一般利用者の呼び登録を無効にすることで上昇運転時の乗りかご3の積載荷重を制限することができる。よって、エレベータ1は、下方階床からの乗りかご3の上昇運転時にも上昇回生運転により回生発電することができる。そして、エレベータ1は、効率的な上昇回生運転を可能とした上で、身障者利用に対しては適切に応答することができる。
さらに、制御装置9は、省エネルギ運転では、上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれる状況を検出した場合、下記のように制御してもよい。すなわち、制御装置9は、乗りかご3がこの上方階床の乗り場8に着床している際に乗りかご3の扉19(図1参照)を開放させた状態で待機させる。そして、制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し乗りかご3への乗り込みが多いほど電動機16による回生発電での発電量が相対的に多くなる旨を案内させる。
具体的には、電車到着認識部9jは、電車23の到着を認識することで、上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれる状況を検出する。電車到着認識部9jは、例えば、プラットホーム24に設けられた監視カメラや時刻表等のタイムスケジュールに基づいて、電車23の到着を認識する。電車到着認識部9jは、電車23の到着を認識し上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれる状況を検出すると、電車到着連動扉開指令部9kに電車到着信号を出力する。そして、電車到着連動扉開指令部9kは、電車到着認識部9jからの電車到着信号に基づいて、電車23の到着と連動して扉19を開放させる扉開指令を出力し、上方階床の乗り場8で乗りかご3の扉19を開放した状態で待機させる。そして、かご案内制御部9d、乗り場案内制御部9eは、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、乗りかご3への乗り込みが多いほど電動機16による回生発電での発電量(発電効果)が相対的に多くなる旨を案内させる。なお、電車到着連動扉開指令部9kは、乗りかご3の扉19を開放した状態で予め定められた所定時間経過しても、乗りかご3への乗り込みが検出されなかった場合には、乗りかご3の扉19を閉鎖させて待機させるようにしてもよい。
これにより、エレベータ1は、電車到着時に上方階床にて多数の乗客が乗りかご3に乗り込めるように準備しておくことができると共にカウンタウェイト4より乗りかご3のほうが重い状態での下降回生運転を積極的に誘致することができる。この結果、エレベータ1は、例えば、ほぼ満員の状態で多数の乗客の位置エネルギを利用して下降回生運転することで、効果的に回生発電を行うことができる。
次に、図3乃至図8のフローチャートを参照して、制御装置9による制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される(以下、同様。)。
まず、図3を参照して省エネルギ運転切替制御について説明する。
制御装置9は、切替キースイッチ22が操作され、通常運転から省エネルギ運転に切り替えられたか否かを判定する(ST1)。
制御装置9は、切替キースイッチ22が操作され、通常運転から省エネルギ運転に切り替えられたと判定した場合(ST1:Yes)、エレベータ1の制御モードを省エネルギ運転モードとし(ST2)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。この省エネルギ運転モードにおける制御は、後述の図4で詳細に説明する。
制御装置9は、切替キースイッチ22が操作されておらず、通常運転から省エネルギ運転に切り替えられていないと判定した場合(ST1:No)、エレベータ1の制御モードを通常運転モードのまま継続し(ST3)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
なお、制御装置9は、切替キースイッチ22が操作され、エレベータ1の制御モードが省エネルギ運転から通常運転に切り替えられた場合には、エレベータ1の制御モードを通常運転モードに復帰させる。
次に、図4を参照して省エネルギ運転モードにおける制御について説明する。
制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し省エネルギ運転中である旨を案内させる(ST21)。例えば、制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、乗り場8、乗りかご3内に「省エネ運転中」を表示する。
次に、制御装置9は、上昇運転制限処理を実行する(ST22)。上昇運転制限処理は、乗りかご3の上昇運転を行う際に乗りかご3の積載荷重が上昇制限荷重を超えた場合に乗りかご3の上昇運転を禁止する処理である。この上昇運転制限処理は、後述の図5で詳細に説明する。
次に、制御装置9は、下降運転制限処理を実行する(ST23)。下降運転制限処理は、乗りかご3の下降運転を行う際に乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重を超えるまでは乗りかご3の下降運転を禁止する処理である。この下降運転制限処理は、後述の図6で詳細に説明する。
次に、制御装置9は、上方階床待機処理を実行する(ST24)。上方階床待機処理は、呼び登録が第2待機時間なかった場合に、乗りかご3を上方階床の乗り場8に移動させ、待機させる処理である。この上方階床待機処理は、後述の図7で詳細に説明する。
次に、制御装置9は、上方階床扉開待機処理を実行する(ST25)。上方階床扉開待機処理は、乗りかご3が上方階床の乗り場8に着床している際に乗りかご3の扉19を開放させた状態で待機させる処理である。この上方階床扉開待機処理は、後述の図8で詳細に説明する。その後、制御装置9は、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、図5を参照して上昇運転制限処理について説明する。
制御装置9は、乗りかご3が下方階床に停止中であるか否かを判定する(ST31)。
制御装置9は、乗りかご3が下方階床に停止中であると判定した場合(ST31:Yes)、乗りかご3の積載荷重が上昇制限荷重、例えば、通常運転時の許容積載荷重の40%より大きいか否かを判定する(ST32)。
制御装置9は、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の40%より大きいと判定した場合(ST32:Yes)、乗りかご3内の過荷重ブザーを鳴動させる。そして、制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し乗りかご3への乗り込みを制限する旨を案内させる(ST33)。例えば、制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、「省エネ運転により乗り込み人数を制限しています」、とアナウンスする。その後、制御装置9は、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の40%以下であると判定した場合(ST32:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
制御装置9は、乗りかご3が下方階床に停止中でないと判定した場合(ST31:No)、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の110%より大きいか否かを判定する(ST34)。
制御装置9は、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の110%より大きいと判定した場合(ST34:Yes)、乗りかご3内の過荷重ブザーを鳴動させる。そして、制御装置9は、乗りかご3の扉19を開放のまま維持して(ST35)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の110%以下であると判定した場合(ST34:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、図6を参照して下降運転制限処理について説明する。
制御装置9は、乗りかご3が上方階床に停止中であるか否かを判定する(ST41)。
制御装置9は、乗りかご3が上方階床に停止中であると判定した場合(ST41:Yes)、乗りかご3への最初の乗り込みを検出してから一定時間(第1待機時間)が経過したか否かを判定する(ST42)。
制御装置9は、乗りかご3への最初の乗り込みを検出してから一定時間が経過していないと判定した場合(ST42:No)、乗りかご3の積載荷重が下降制限荷重、例えば、通常運転時の許容積載荷重の50%以下であるか否かを判定する(ST43)。
制御装置9は、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の50%以下であると判定した場合(ST43:Yes)、乗りかご3の下降運転を禁止し(ST44)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
制御装置9は、ST41にて乗りかご3が上方階床に停止中でないと判定した場合(ST41:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、ST42にて乗りかご3への最初の乗り込みを検出してから一定時間が経過したと判定した場合(ST42:Yes)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、乗りかご3の積載荷重が通常運転時の許容積載荷重の50%より大きいと判定した場合(ST43:No)、乗りかご3の下降運転を禁止せずに、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、図7を参照して上方階床待機処理について説明する。
制御装置9は、かご操作盤11、乗り場操作盤18を介したかご呼び、乗り場呼びがない状態が一定時間(第2待機時間)継続したか否かを判定する(ST51)。
制御装置9は、かご呼び、乗り場呼びがない状態が一定時間継続したと判定した場合(ST51:Yes)、乗りかご3を上方階床の乗り場8に移動させ、上方階床の乗り場8で待機させる。そして、制御装置9は、下方階床の乗り場8の一般者用乗り場操作盤18aを介した呼び登録を無効とする。この場合、制御装置9は、下方階床の乗り場8の身障者用乗り場操作盤18bを介した呼び登録を通常運転時と同様に有効とする(ST52)。
そして、制御装置9は、下方階床の乗り場8の一般者用乗り場操作盤18aが操作されたか否かを判定する(ST53)。
制御装置9は、下方階床の乗り場8の一般者用乗り場操作盤18aが操作されたと判定した場合(ST53:Yes)、乗り場案内装置21を制御し省エネルギ運転中である旨を案内させる(ST54)。例えば、制御装置9は、乗り場案内装置21を制御し、「省エネ運転中につき上昇運転を制限しています」、とアナウンスする。その後、制御装置9は、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
制御装置9は、ST51にてかご呼び、乗り場呼びがない状態が一定時間継続していないと判定した場合(ST51:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、ST53にて下方階床の乗り場8の一般者用乗り場操作盤18aが操作されていないと判定した場合(ST53:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
次に、図8を参照して上方階床扉開待機処理について説明する。
制御装置9は、プラットホーム24がある上方階床に乗りかご3が停止中であるか否かを判定する(ST61)。
制御装置9は、乗りかご3が上方階床に停止中であると判定した場合(ST61:Yes)、電車23がプラットホーム24に到着したか否かを判定する(ST62)。
制御装置9は、電車23がプラットホーム24に到着したと判定した場合(ST62:Yes)、上方階床の乗り場8で乗りかご3の扉19を開放した状態で待機させる。この場合、制御装置9は、利用者によってかご操作盤11の「扉閉」ボタンの押下操作がなされると、乗りかご3の扉19を閉める。また、制御装置9は、乗りかご3の扉19を開放した状態で予め定められた所定時間(例えば、1分間程度)経過したら乗りかご3の扉19を閉める。制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、乗りかご3への乗り込みが多いほど電動機16による回生発電での発電量が相対的に多くなる旨を案内させる(ST63)。例えば、制御装置9は、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し、「○○人以上乗れば発電効果があがります」、とアナウンスする。その後、制御装置9は、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
制御装置9は、ST61にて乗りかご3が上方階床に停止中でないと判定した場合(ST61:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、ST62にて電車23がプラットホーム24に到着していないと判定した場合(ST62:No)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
上記のように構成されるエレベータ1は、通常運転から省エネルギ運転に切り替えた場合に、種々の案内を行って乗りかご3が回生走行できる状況に誘導することで、積極的に効率の良い回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電することができる。例えば、このエレベータ1は、上昇運転時には乗りかご3の積載荷重が最小限となるように案内し、カウンタウェイト4の位置エネルギを利用して上昇回生運転し電気エネルギに変換することで、効果的に回生発電を行うことができる。また、例えば、このエレベータ1は、下降運転時には乗りかご3の積載荷重が最大限となるように案内し、乗りかご3及び多数の乗客の位置エネルギを利用して下降回生運転し電気エネルギに変換することで、効果的に回生発電を行うことができる。その上で、エレベータ1は、身障者利用に対しては適切に応答することができる。この結果、エレベータ1は、例えば、停電時や電力使用のピーク時等であっても、状況に応じて効率的な回生発電を行うことができ、当該回生発電による回生電力を用いることで、身障者等の利用に対して適切に対応しつつ最低限の運転を継続することができる。
以上で説明したエレベータ1は、乗りかご3と、カウンタウェイト4と、電動機16と、バッテリ7と、かご案内装置20及び乗り場案内装置21と、制御装置9とを備える。乗りかご3は、昇降路2を昇降可能である。カウンタウェイト4は、乗りかご3に連結され乗りかご3と連動して昇降路2を昇降可能である。電動機16は、乗りかご3を昇降させる動力を発生させると共に回生発電可能である。バッテリ7は、電動機16によって回生発電された回生電力を蓄電可能である。かご案内装置20、乗り場案内装置21は、乗りかご3の運転に関する案内を行う。制御装置9は、乗りかご3を昇降させる通常運転と、当該通常運転に対して制限を設けた省エネルギ運転とを切り替えて実行可能である。制御装置9は、省エネルギ運転では、かご案内装置20、乗り場案内装置21を制御し省エネルギ運転中である旨を案内させる。制御装置9は、省エネルギ運転では、乗りかご3の上昇運転を行う際には乗りかご3への乗り込みを制限する旨を案内させる一方、乗りかご3の下降運転を行う際には乗りかご3への乗り込みを促す旨を案内させる。制御装置9は、省エネルギ運転では、乗りかご3がカウンタウェイト4より軽い状態での乗りかご3の上昇運転時に電動機16を制御し当該電動機16によって回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電する。あるいは、制御装置9は、乗りかご3がカウンタウェイト4より重い状態での乗りかごの下降運転時に、電動機16を制御し当該電動機16によって回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電する。
したがって、エレベータ1は、通常運転から省エネルギ運転に切り替えた場合に、種々の案内を行って乗りかご3が回生走行できる状況に誘導することで、積極的に効率の良い回生発電を行い、回生電力をバッテリ7に充電することができる。この結果、エレベータ1は、状況に応じて効率的な回生発電を行うことができる。
なお、上述した実施形態に係るエレベータは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、制御装置9は、切替キースイッチ22を介した係員による切り替え操作に応じて通常運転と省エネルギ運転とを切り替えるものとして説明したがこれに限らない。制御装置9は、予め設定された時間帯に応じて通常運転と省エネルギ運転とを切り替えるようにしてもよい。この場合、制御装置9は、図9に示すように、機能概念的に、さらに、省エネ運転スケジュール切替部9lが設けられる。省エネ運転スケジュール切替部9lは、予め設定された時間帯に応じて通常運転と省エネルギ運転とを切り替えるための切替信号を省エネ運転判定部9aに出力する。省エネ運転判定部9aは、省エネ運転スケジュール切替部9lからの切替信号に基づいて通常運転と省エネルギ運転とを切り替えるか否かを判定する。これにより、エレベータ1は、一定時刻間で自動的に通常運転と省エネルギ運転とを切り替えることができる。
次に、図10を参照して省エネルギ運転切替制御について説明する。
制御装置9は、現在時刻が省エネ運転切替スケジュールで設定した省エネ運転時間帯内か否かを判定する(ST71)。制御装置9は、現在時刻が省エネ運転時間帯内であると判定した場合(ST71:Yes)、エレベータ1の制御モードを省エネルギ運転モードとし(ST72)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、もともと省エネルギ運転モードであった場合には当該省エネルギ運転モードを継続する。制御装置9は、現在時刻が省エネ運転時間帯外であると判定した場合(ST71:No)、エレベータ1の制御モードを通常運転モードとし(ST73)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。制御装置9は、もともと通常運転モードであった場合には当該通常運転モードを継続する。
この場合、制御装置9は、例えば、電車23のラッシュピークの時間帯を省エネ運転時間帯に設定した場合、当該ラッシュピークの時間帯に自動で省エネルギ運転に切り替えることができる。この結果、エレベータ1は、当該ラッシュピークの時間帯に多数の乗客を効率的に乗りかご3に乗車させ下降回生運転を行うことができ、回生発電を行うことができる。また、制御装置9は、例えば、計画停電の時間帯を省エネ運転時間帯に設定した場合、当該計画停電の時間帯に自動で省エネルギ運転に切り替えることができる。この結果、エレベータ1は、当該計画停電の時間帯に状況に応じて効率的な回生発電を行うことができ、身障者等の利用に対して適切に対応しつつ最低限の運転を継続することができる。
また、このエレベータ1は、図11に示すように、供給装置としての電源回生装置26を備えてもよい。電源回生装置26は、電動機16によって回生発電された回生電力をバッテリ7以外の他の電気設備に供給するものである。これにより、このエレベータ1は、エレベータ1自体の駆動装置以外の装置への電力供給をアシストすることができる。例えば、エレベータ1は、電源回生装置26を介してエレベータ1と同じ電源系統の接続されたエレベータ1以外の電気設備に回生電力を供給することができる。
なお、以上の説明では、エレベータ1は、上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれる建物(上記の例では駅舎)に適用されるものとして説明したが、これに限らない。エレベータ1は、上方階床の乗り場8からまとまった乗り込みが見込まれる建物以外の建物に適用されてもよい。
以上で説明した実施形態、変形例に係るエレベータによれば、状況に応じて効率的な回生発電を行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 エレベータ
2 昇降路
3 乗りかご
4 カウンタウェイト(つり合いおもり)
5 メインロープ
6 昇降駆動部
7 バッテリ(蓄電装置)
8 乗り場
9 制御装置
10 機械室
11 かご操作盤(かご操作部)
12 荷重検出器
13 巻上機
14 メインシーブ
15 ソラセシーブ
16 電動機
17 電源
18 乗り場操作盤(乗り場操作部)
18a 一般者用乗り場操作盤
18b 身障者用乗り場操作盤
19 扉
20 かご案内装置(案内装置)
21 乗り場案内装置(案内装置)
22 切替キースイッチ
23 電車
24 プラットホーム
25 改札
26 電源回生装置(供給装置)

Claims (6)

  1. 昇降路を昇降可能な乗りかごと、
    前記乗りかごに連結され前記乗りかごと連動して前記昇降路を昇降可能なつり合いおもりと、
    前記乗りかごを昇降させる動力を発生させると共に回生発電可能である電動機と、
    前記電動機によって回生発電された回生電力を蓄電可能である蓄電装置と、
    前記乗りかごの運転に関する案内を行う案内装置と、
    前記乗りかごを昇降させる通常運転と、当該通常運転に対して制限を設けた省エネルギ運転とを切り替えて実行可能である制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記案内装置を制御し前記省エネルギ運転中である旨を案内させると共に、前記乗りかごの上昇運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを制限する旨を案内させる一方、前記乗りかごの下降運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを促す旨を案内させ、
    前記乗りかごが前記つり合いおもりより軽い状態での前記乗りかごの上昇運転時、又は、前記乗りかごが前記つり合いおもりより重い状態での前記乗りかごの下降運転時に、前記電動機を制御し当該電動機によって回生発電を行い、回生電力を前記蓄電装置に充電するものであり、
    さらに、前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごの上昇運転を行う際に前記乗りかごの積載荷重が予め設定された上昇制限荷重を超えた場合に前記乗りかごの上昇運転を禁止すると共に、
    前記乗りかごの下降運転を行う際に前記乗りかごの積載荷重が予め設定された下降制限荷重を超えるまでは前記乗りかごの下降運転を禁止し、前記乗りかごへの乗り込みを検出した後、予め設定された第1待機時間経過した場合、前記乗りかごの積載荷重が前記下降制限荷重以下であっても前記乗りかごの下降運転の禁止を解除することを特徴とする、
    エレベータ。
  2. 昇降路を昇降可能な乗りかごと、
    前記乗りかごに連結され前記乗りかごと連動して前記昇降路を昇降可能なつり合いおもりと、
    前記乗りかごを昇降させる動力を発生させると共に回生発電可能である電動機と、
    前記電動機によって回生発電された回生電力を蓄電可能である蓄電装置と、
    前記乗りかごの運転に関する案内を行う案内装置と、
    前記乗りかごを昇降させる通常運転と、当該通常運転に対して制限を設けた省エネルギ運転とを切り替えて実行可能である制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記案内装置を制御し前記省エネルギ運転中である旨を案内させると共に、前記乗りかごの上昇運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを制限する旨を案内させる一方、前記乗りかごの下降運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを促す旨を案内させ、
    前記乗りかごが前記つり合いおもりより軽い状態での前記乗りかごの上昇運転時、又は、前記乗りかごが前記つり合いおもりより重い状態での前記乗りかごの下降運転時に、前記電動機を制御し当該電動機によって回生発電を行い、回生電力を前記蓄電装置に充電するものであり、
    さらに、前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごが着床可能な上方階床の乗り場からまとまった乗り込みが見込まれる場合であって、前記乗りかごが着床可能な階床の乗り場の乗り場操作部、又は、前記乗りかご内のかご操作部を介した呼び登録が予め設定された第2待機時間なかった場合に、前記乗りかごを前記上方階床の乗り場に移動させ、当該上方階床の乗り場で待機させると共に、
    前記乗りかごが着床可能な下方階床の乗り場の身障者用の前記乗り場操作部を介した呼び登録を有効とし、前記下方階床の乗り場の一般者用の前記乗り場操作部を介した呼び登録を無効とし、当該一般者用の前記乗り場操作部が操作された場合に、前記案内装置を制御し前記省エネルギ運転中である旨を案内させることを特徴とする、
    エレベータ。
  3. 昇降路を昇降可能な乗りかごと、
    前記乗りかごに連結され前記乗りかごと連動して前記昇降路を昇降可能なつり合いおもりと、
    前記乗りかごを昇降させる動力を発生させると共に回生発電可能である電動機と、
    前記電動機によって回生発電された回生電力を蓄電可能である蓄電装置と、
    前記乗りかごの運転に関する案内を行う案内装置と、
    前記乗りかごを昇降させる通常運転と、当該通常運転に対して制限を設けた省エネルギ運転とを切り替えて実行可能である制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記案内装置を制御し前記省エネルギ運転中である旨を案内させると共に、前記乗りかごの上昇運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを制限する旨を案内させる一方、前記乗りかごの下降運転を行う際には前記乗りかごへの乗り込みを促す旨を案内させ、
    前記乗りかごが前記つり合いおもりより軽い状態での前記乗りかごの上昇運転時、又は、前記乗りかごが前記つり合いおもりより重い状態での前記乗りかごの下降運転時に、前記電動機を制御し当該電動機によって回生発電を行い、回生電力を前記蓄電装置に充電するものであり、
    さらに、前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごが着床可能な上方階床の乗り場からまとまった乗り込みが見込まれる状況を検出した場合、前記乗りかごが当該上方階床の乗り場に着床している際に前記乗りかごの扉を開放させた状態で待機させると共に、
    前記案内装置を制御し前記乗りかごへの乗り込みが多いほど前記電動機による回生発電での発電量が相対的に多くなる旨を案内させることを特徴とする、
    エレベータ。
  4. 前記制御装置は、前記省エネルギ運転では、前記乗りかごが着床可能な上方階床の乗り場からまとまった乗り込みが見込まれる状況を検出した場合、前記乗りかごが当該上方階床の乗り場に着床している際に前記乗りかごの扉を開放させた状態で待機させると共に、
    前記案内装置を制御し前記乗りかごへの乗り込みが多いほど前記電動機による回生発電での発電量が相対的に多くなる旨を案内させる、
    請求項1又は請求項に記載のエレベータ。
  5. 前記制御装置は、予め設定された時間帯に応じて前記通常運転と前記省エネルギ運転とを切り替える、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエレベータ。
  6. 前記電動機によって回生発電された回生電力を前記蓄電装置以外の他の電気設備に供給する供給装置を備える、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエレベータ。
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