JP5522810B1 - エレベータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術においては、例えば、停電時の運転の点でさらなる改善の余地がある。
【解決手段】実施形態のエレベータシステムは、複数のエレベータと、制御装置とを備えることを特徴とする。複数のエレベータは、動力用電源からの電力とそれぞれに設けられた蓄電装置からの電力とによって運転可能である。前記制御装置は、前記動力用電源の停電時に前記蓄電装置の電力を用いて前記エレベータを運転する状態で、乗場から一般乗場呼びがなされた場合に、前記蓄電装置の残存蓄電量に応じてそれぞれ演算した各前記エレベータの評価値に基づいて前記複数のエレベータから前記一般乗場呼びに応答するエレベータを選定するものである。前記制御装置は、同等の前記蓄電装置の残存蓄電量に対して、特定のエレベータの評価値を、当該特定のエレベータ以外の他のエレベータの評価値より相対的に選定され難い評価値とする。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態のエレベータシステムは、複数のエレベータと、制御装置とを備えることを特徴とする。複数のエレベータは、動力用電源からの電力とそれぞれに設けられた蓄電装置からの電力とによって運転可能である。前記制御装置は、前記動力用電源の停電時に前記蓄電装置の電力を用いて前記エレベータを運転する状態で、乗場から一般乗場呼びがなされた場合に、前記蓄電装置の残存蓄電量に応じてそれぞれ演算した各前記エレベータの評価値に基づいて前記複数のエレベータから前記一般乗場呼びに応答するエレベータを選定するものである。前記制御装置は、同等の前記蓄電装置の残存蓄電量に対して、特定のエレベータの評価値を、当該特定のエレベータ以外の他のエレベータの評価値より相対的に選定され難い評価値とする。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
従来、エレベータは、昇降路内を乗りかごが移動することにより、乗りかごを任意の階床に移動させる。このようなエレベータは、建物に複数設けられ、一群のエレベータシステムを構成する場合がある。
ところで、従来技術においては、例えば、停電時の運転の点でさらなる改善の余地がある。
実施形態のエレベータシステムは、複数のエレベータと、制御装置とを備えることを特徴とする。複数のエレベータは、動力用電源からの電力とそれぞれに設けられた蓄電装置からの電力とによって運転可能である。制御装置は、当該複数のエレベータの乗場から特定乗場呼びがなされた場合に、前記複数のエレベータから予め設定された特定のエレベータを割り当てる制御を実行可能であると共に、前記乗場から一般乗場呼びがなされた場合に、前記特定のエレベータを含む前記複数のエレベータから、前記一般乗場呼びに応答するエレベータを割り当てる制御を実行可能である。前記制御装置は、前記動力用電源の停電時に前記蓄電装置の電力を用いて前記エレベータを運転する状態で、前記乗場から前記一般乗場呼びがなされた場合に、前記蓄電装置の残存蓄電量に応じてそれぞれ演算した各前記エレベータの評価値に基づいて前記複数のエレベータから前記一般乗場呼びに応答するエレベータを選定するものである。前記制御装置は、同等の前記蓄電装置の残存蓄電量に対して、前記特定のエレベータの評価値を、当該特定のエレベータ以外の他のエレベータの評価値より相対的に選定され難い評価値とする。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るエレベータシステムの概略構成例を示すブロック図である。図2は、実施形態1に係るエレベータシステムにおける蓄電量評価値マップの一例を表す線図である。図3は、実施形態1に係るエレベータシステムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
図1は、実施形態1に係るエレベータシステムの概略構成例を示すブロック図である。図2は、実施形態1に係るエレベータシステムにおける蓄電量評価値マップの一例を表す線図である。図3は、実施形態1に係るエレベータシステムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。
本実施形態のエレベータシステム1は、図1に示すように、群管理制御装置51を備え、エレベータ群2を群管理し効率的な運行サービスを行うものである。ここでは、エレベータ群2は、A号機、B号機、C号機、D号機の複数のエレベータ3からなる。エレベータ群2は、複数のカゴ4がそれぞれ昇降路を昇降することで運行サービスを行う。群管理制御装置51は、複数台のエレベータ3によって、複数の階床に対してサービス可能とする。群管理制御装置51は、典型的には、エレベータ群2の複数のカゴ4の状態等に応じて、複数のエレベータ3から、エレベータ群2の乗場8からの乗場呼びに応答するエレベータ3を割り当てる制御を実行可能である。そして、このエレベータシステム1は、典型的には、停電状態においても各号機ごとに設置された蓄電装置としてのバッテリ53で各エレベータ3を制御しいわゆる停電時継続運転を行うことができるエレベータ電源バックアップシステムでもある。
なお、以下の説明では、エレベータシステム1は、エレベータ群2として、A号機、B号機、C号機、D号機の4つのエレベータ3を備えるものとして説明するがこれに限らない。エレベータシステム1は、エレベータ群2として、エレベータ3を2つ乃至3つ備えるものであってもよいし、5つ以上を備えるものであってもよい。また、以下の説明では、A号機、B号機、C号機、D号機の4つのエレベータ3は、特に断りのない限り、4つを区別せずに単にエレベータ3として説明する。
本実施形態のエレベータシステム1は、上記複数のエレベータ3と、複数のエレベータ3を制御する制御装置50とを備える。複数のエレベータ3は、動力用電源60からの電力とそれぞれに設けられたバッテリ53からの電力とによって運転可能である。制御装置50は、上述の群管理制御装置51、後述の単体制御装置52、蓄電装置としてのバッテリ53、電源制御装置54等を含んで構成される。単体制御装置52、バッテリ53、電源制御装置54は、それぞれ、複数のエレベータ3に対応して複数設けられる。なお、群管理制御装置51、各単体制御装置52、各電源制御装置54は、一体で1つの制御装置により構成されるものであってもよい。
各エレベータ3は、それぞれ、カゴ4、カウンタウェイト5、メインロープ6、巻上機7等を含んで構成される。各エレベータ3は、それぞれ、カゴ4とカウンタウェイト5とをメインロープ6で連結したいわゆるつるべ式のエレベータである。各エレベータ3は、共通の乗場8が設けられる。
カゴ4は、建物に設けられた昇降路を昇降可能である。カゴ4は、カゴ呼び登録装置9、カゴ案内装置10、荷重検出器11等を含んで構成される。カゴ呼び登録装置9は、カゴ4の内部に設けられる。カゴ呼び登録装置9は、利用者による操作入力に応じていわゆるカゴ呼び登録等を行う。カゴ案内装置10は、カゴ4内に設けられる。カゴ案内装置10は、例えば、報知音を出力可能なブザー、種々の音声情報をアナウンス可能なスピーカ、種々の表示情報を表示可能な表示装置等を含んで構成される。荷重検出器11は、カゴ4内の積載荷重を検出する。
カウンタウェイト5は、カゴ4に対するつり合おもりである。
メインロープ6は、昇降路の上部に設けられた巻上機7のメインシーブ7aやそらせシーブ(不図示)等に掛けられる。メインロープ6は、一端にカゴ4が接続され、他端にカウンタウェイト5が接続される。
巻上機7は、例えば、動力を発生させる電動機(モータ)7bを有する。電動機7bは、動力用電源60、バッテリ53から制御装置50等を介して電力が供給される。巻上機7は、電動機7bが駆動することで、この電動機7bに連結されたメインシーブ7aが回転駆動する。そして、巻上機7は、メインシーブ7aとメインロープ6との間に生じる摩擦力を利用してメインロープ6を電動で巻き上げる。また、電動機7bは、回生発電も可能である。つまり、この電動機7bは、いわゆる回転電機であり、供給された電力を機械的動力に変換する電動機としての機能(力行機能)と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。
乗場8は、カゴ4が着床可能な各エレベータ停止階床に設けられる。各乗場8は、乗場呼び登録装置12、乗場案内装置13、カメラ14等を含んで構成される。乗場呼び登録装置12は、利用者による操作入力に応じていわゆる乗場呼び登録等を行う。乗場案内装置13は、例えば、報知音を出力可能なブザー、種々の音声情報をアナウンス可能なスピーカ、種々の表示情報を表示可能な表示装置等を含んで構成される。カメラ14は、乗場8近傍の画像、動画等を撮影するものである。
制御装置50の群管理制御装置51は、通常の形式の双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU(中央演算処理装置)、ROM、RAM、バックアップRAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を備えている。ROM(Read Only Memory)は、所定の制御プログラム等を予め記憶している。RAM(Random Access Memory)は、CPUの演算結果を一時記憶する。バックアップRAMは、予め用意されたマップデータ、エレベータ3の仕様等の情報を記憶する。群管理制御装置51は、複数のエレベータ3の各単体制御装置52、乗場呼び登録装置12、乗場案内装置13、カメラ14等と電気的に接続される。群管理制御装置51は、複数のエレベータ3の各単体制御装置52と相互に検出信号や駆動信号、制御指令等の情報の通信、授受を行い、エレベータ群2を群管理する。
制御装置50の単体制御装置52は、通常の形式の双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU(中央演算処理装置)、ROM、RAM、バックアップRAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を備えている。ROM(Read Only Memory)は、所定の制御プログラム等を予め記憶している。RAM(Random Access Memory)は、CPUの演算結果を一時記憶する。バックアップRAMは、予め用意されたマップデータ、対応するエレベータ3の仕様等の情報を記憶する。単体制御装置52は、各エレベータ3に対応してそれぞれ1つずつ設けられる。各単体制御装置52は、種々のセンサ、検出器、カゴ呼び登録装置9、カゴ案内装置10、荷重検出器11、電源制御装置54等の各エレベータ3の各部と電気的に接続される。各単体制御装置52は、各エレベータ3単体の各部の動作を統括的に制御する。各単体制御装置52は、例えば、カゴ呼び登録装置9、乗場呼び登録装置12等への利用者からの操作入力に応じて、巻上機7の駆動を制御し、カゴ4を昇降路内で昇降させる。これにより、各エレベータ3は、カゴ4を呼び登録に応じた指定された目的階に移動させることができる。
ここで、本実施形態の複数のエレベータ3は、上述したように、動力用電源60から電力が供給されると共に、さらに、それぞれにバッテリ53が設けられる。動力用電源60は、主にエレベータシステム1の通常運転時に利用される主電源である。動力用電源60は、典型的にはいわゆる商用電源(三相交流電源)等が用いられるが、例えば、自家発電機器等を用いてもよい。
一方、バッテリ53は、主にエレベータシステム1の停電時、すなわち、動力用電源60からの電力供給が停止した停電時に利用される非常用の補助電源であるが、エレベータシステム1の通常運転時に動力用電源60からの電力をアシストする目的で利用することもできる。バッテリ53は、典型的にはいわゆる蓄電池(二次電池)等が用いられる。バッテリ53は、各エレベータ3に対応してそれぞれ1つずつ設けられる。各バッテリ53は、それぞれ電流計53a、電圧計53bが設けられている。各電流計53a、各電圧計53bは、各電源制御装置54、各単体制御装置52等を介して群管理制御装置51にそれぞれ検出値を送信することができる。
制御装置50の電源制御装置54は、各エレベータ3に対応してそれぞれ1つずつ設けられる。各電源制御装置54は、各バッテリ53の充放電を制御するものである。各電源制御装置54は、各号機において、対応する単体制御装置52、バッテリ53が接続されると共に、動力用電源60も接続される。電源制御装置54は、例えば、動力用電源60から供給される交流を整流して直流に変換するコンバータ装置、コンバータ装置で変換された直流を整流する平滑コンデンサ、平滑コンデンサで平滑された直流を巻上機7の電動機7b等で使用可能な交流に変換するインバータ装置等を含む電気回路を有している。
また、電源制御装置54は、動力用電源60からの電力の供給状態に応じてエレベータ3を運転させる電力を適宜切り替えると共に、バッテリ53の充放電制御を行うことが可能になっている。電源制御装置54は、動力用電源60とバッテリ53との少なくともいずれか一方から供給される電力を、エレベータ3を駆動させる電力として使用し、各単体制御装置52は、この電力を用いて各部を作動させ、エレベータ3を運転させる。電源制御装置54は、例えば、動力用電源60が健全である通常運転時には、カゴ4の移動に使用する電力として、動力用電源60から供給される電力を主に使用し、動力用電源60の停電時は、カゴ4の移動に使用する電力として、バッテリ53から供給される電力を使用する。なお、電源制御装置54は、通常運転時に動力用電源60からの電力をアシストする目的で、バッテリ53から供給される電力を使用してもよい。また、電源制御装置54は、エレベータシステム1の通常運転時に動力用電源60から供給される電力の一部、あるいは、通常運転時、停電時のエレベータ3の回生運転時に電動機7bによって回生発電された回生電力を利用してバッテリ53を充電することができる。
上記のように構成されるエレベータシステム1は、通常運転として、利用者によりカゴ呼び登録装置9、乗場呼び登録装置12等を介してカゴ4の呼び操作が行われた場合、下記のように動作する。すなわち、エレベータシステム1は、カゴ呼び登録装置9から単体制御装置52にこれに応じたカゴ呼び登録信号が入力される。あるいは、エレベータシステム1は、乗場呼び登録装置12から群管理制御装置51にこれに応じた乗場呼び登録信号が入力される。そして、エレベータシステム1は、単体制御装置52、あるいは、群管理制御装置51がこの呼び登録信号に応じてカゴ4のカゴ呼び登録、乗場呼び登録を行う。
群管理制御装置51は、例えば、各エレベータ3の複数のカゴ4から、各カゴ4の状態に応じて、呼び登録に応答する最適なカゴ4を割り当てる群管理制御を実行する。群管理制御装置51は、各エレベータ3、各カゴ4の状態等に基づいて、発生した呼びに対して所定の評価演算を行う。群管理制御装置51は、例えば、カゴ呼び登録信号、乗場呼び登録信号、種々のセンサ、検出器からの出力、カゴ4の現在位置及び移動方向(昇降方向)、これから発生すると予測される乗場呼び、カゴ呼び、予測される行先階等に基づいて、上記評価演算を行う。そして、群管理制御装置51は、例えば、この所定の評価演算に応じて、輸送効率上、各カゴ4が合理的に移動しながらそれぞれの呼びに最適に応答するように、カゴ4の着床順序等を定めて各呼びに応答するカゴ4を割り当てて、応答カゴ4を決定する割当処理を行う。そして、群管理制御装置51は、複数のカゴ4の運行を効率的に割り振り、エレベータ群2全体として効率的な運行サービスを行う。
そして、各単体制御装置52は、このカゴ呼び登録信号、乗場呼び登録信号、種々のセンサ、検出器からの出力、カゴ4の現在の移動方向(昇降方向)等に基づいた群管理制御装置51からの割り当て出力に応じて、それぞれの巻上機7を駆動制御する。これにより、各単体制御装置52は、各カゴ4を目的の階床へと移動させる。この結果、各エレベータ3は、カゴ4が昇降路内を鉛直方向上下に昇降移動し、任意の目的階の乗場8に移動する。そして、各エレベータ3は、カゴ4が目的階の乗場8に着床し、所定の着床位置に着床したことが検出されると、その後、単体制御装置52が扉を開放する。これにより、乗場8で待機している利用者は、カゴ4内に乗り込むことが可能となる。また、カゴ4内の利用者は乗場8に降りることが可能となる。
そして、本実施形態の制御装置50は、動力用電源60の停電状態においても、各エレベータ3において、各号機ごとに設置されたバッテリ53によって停電時継続運転を行うことができる。つまり、本実施形態の制御装置50は、上記で説明した通常運転と、後述の停電時継続運転(停電時運転)とを切り替えて実行可能である。
通常運転とは、動力用電源60の健全時の運転であり、動力用電源60からの電力によってカゴ4を昇降させる運転である。なお、制御装置50は、上述のように当該通常運転では、さらにバッテリ53の電力をアシスト電量として用いてもよい。
一方、停電時継続運転とは、通常運転とは異なる運転であり、動力用電源60の停電時の運転である。停電時継続運転とは、動力用電源60の停電時にバッテリ53からの電力によってカゴ4を昇降させる運転である。さらに言えば、停電時継続運転とは、動力用電源60の停電時にバッテリ53からの電力によってカゴ4の昇降を継続する運転である。停電時継続運転は、例えば、通常運転に対して種々の制限を設けて、当該通常運転の場合と比較して、電力使用量を抑制してカゴ4を昇降させる運転としてもよい。各単体制御装置52は、例えば、停電時継続運転では、通常運転の場合と比較して、カゴ4の昇降速度を相対的に低くすることで、電動機7bの負荷を抑制し、通常運転の場合と比較して電力使用量を抑制する。また、群管理制御装置51、各単体制御装置52は、例えば、停電時継続運転では、カゴ案内装置10、乗場案内装置13を制御して停電時継続運転に関する案内(例えば、待ち時間やサービス可能な残り時間、階段利用を促す案内等)を行うようにしてもよい。これにより、エレベータシステム1は、エレベータ3が停電時継続運転中であることを利用者に周知させることができる。
典型的には、制御装置50の各単体制御装置52は、動力用電源60の健全時には通常運転を行う。そして、各単体制御装置52は、動力用電源60が停電した場合、電源制御装置54の制御により電源系統が切り替えられて、通常運転から停電時継続運転に切り替える。また、各単体制御装置52は、動力用電源60の停電が復旧した場合、電源制御装置54の制御により電源系統が切り替えられて、停電時継続運転から通常運転に復帰する。
ここで、本実施形態のエレベータ群2は、より詳細には、特定のエレベータ3と、一般用のエレベータ3とを含んで構成される。特定のエレベータ3は、複数のエレベータ3から予め任意に特定されるエレベータである。以下の説明では、特定のエレベータ3は、予め車椅子用のエレベータ3に設定されているものとして説明する。この車椅子用のエレベータ3は、主に車椅子利用者等が利用するエレベータ3である。車椅子用のエレベータ3は、例えば、エレベータ群2のうち、主に車椅子利用者等が利用するために設けられた補助操作盤、カゴ4内の背面に設けられた鏡面部材、手摺り等の種々の補助設備を備えたエレベータ3である。以下の説明では、車椅子用(特定)のエレベータ3を「車椅子号機」という場合がある。一方、一般用のエレベータ3は、エレベータ群2のうち車椅子用(特定)のエレベータ3以外のエレベータ3である。以下の説明では、一般用のエレベータ3を「一般号機」という場合がある。
そして、本実施形態の各乗場呼び登録装置12は、より詳細には、特定乗場呼び登録装置としての車椅子乗場呼び登録装置12aと、一般乗場呼び登録装置12bとを含んで構成される。車椅子乗場呼び登録装置12aは、主に車椅子利用者等による操作入力に応じて、特定乗場呼びとしての車椅子乗場呼びの登録等を行う呼び登録装置である。ここで、車椅子乗場呼びとは、複数のエレベータ3から車椅子用のエレベータ3を乗場8に呼ぶための乗場呼びである。車椅子乗場呼び登録装置12aは、車椅子号機に対して設置されており、上記車椅子乗場呼びの登録は、当該車椅子号機の車椅子乗場呼び登録装置12aによって行われる。なお、車椅子用のエレベータ3が複数台ある場合、車椅子乗場呼び登録装置12aも各車椅子用のエレベータ3に対応してそれぞれ設けられる。一方、一般乗場呼び登録装置12bは、主に一般利用者等による操作入力に応じて、一般乗場呼びの登録等を行う呼び登録装置である。ここで、一般乗場呼びとは、車椅子用のエレベータ3及び一般用のエレベータ3を含む複数のエレベータ3から最適な1台を乗場8に呼ぶための乗場呼びである。
そして、本実施形態の群管理制御装置51は、乗場8から車椅子乗場呼び登録装置12aを介して車椅子乗場呼びがなされた場合に、複数のエレベータ3から予め設定された車椅子用(特定)のエレベータ3を割り当てる制御を実行可能である。群管理制御装置51は、例えば、車椅子乗場呼び登録装置12aを介して車椅子乗場呼びがなされた場合、上記のような評価演算は行わずに、当該車椅子乗場呼びに対応する車椅子号機を、当該車椅子乗場呼びに応答するエレベータ3として選定し、応答を割り当てる。そして、当該車椅子号機の単体制御装置52は、この群管理制御装置51からの割り当て出力に応じて、巻上機7を駆動制御し、当該車椅子号機を車椅子乗場呼びに応答させる。
一方、群管理制御装置51は、乗場8から一般乗場呼び登録装置12bを介して一般乗場呼びがなされた場合に、上記の所定の評価演算を行い、車椅子用のエレベータ3、及び、一般用のエレベータ3を含む複数のエレベータ3から、一般乗場呼びに応答する最適なエレベータ3を割り当てる制御を実行可能である。
ところで、本実施形態のエレベータシステム1は、上述のように動力用電源60の停電時にバッテリ53の電力を用いてエレベータ3を運転する状態、すなわち、停電時継続運転の際に、車椅子号機のバッテリ53が先になくなってしまうと、群管理バンクとしてはエレベータ3が作動しているにもかかわらず、車椅子乗場呼び登録装置12aを介した車椅子乗場呼びに応答できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態のエレベータシステム1は、停電時継続運転の際には可能な限り車椅子号機のバッテリ53の電力を温存することで、車椅子乗場呼び登録装置12aを介した車椅子乗場呼びに対して適切に応答できるようにしている。
具体的には、本実施形態の制御装置50の群管理制御装置51は、動力用電源60の停電時にバッテリ53の電力を用いてエレベータ3を運転する状態で、乗場8から一般乗場呼びがなされた場合に、各バッテリ53の残存蓄電量に基づいて、複数のエレベータ3から、乗場呼びに応答するエレベータ3を割り当てる制御を実行可能である。つまり、本実施形態の群管理制御装置51は、停電時継続運転時における新規の一般乗場呼びに対する割当号機を決定する際の評価演算に、各号機のバッテリ53の残存蓄電量を加味させる。ここでは、群管理制御装置51は、バッテリ53の残存蓄電量に応じてそれぞれ演算した各エレベータ3の評価値に基づいて複数のエレベータ3から一般乗場呼びに応答するエレベータ3を選定する。
より詳細には、群管理制御装置51は、各バッテリ53の電流計53a、電圧計53bから各電源制御装置54、各単体制御装置52等を介して検出結果を定期的に受信し、当該検出結果に基づいて、各バッテリ53の電流値、電圧値を監視し、各バッテリ53の残存蓄電量を監視する。そして、群管理制御装置51は、停電時継続運転時に一般乗場呼びがなされた場合には、各エレベータ3の状態、及び、各バッテリ53の残存蓄電量に応じてそれぞれ各エレベータ3の評価値を演算し、当該一般乗場呼びに対する割当号機選定の評価を行う。すなわち、群管理制御装置51は、各バッテリ53の残存蓄電量を評価に反映させる。
ここでは、群管理制御装置51は、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に多いほど、当該バッテリ53の電力で運転されるエレベータ3が相対的に選定され易い評価値とする。一方、群管理制御装置51は、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に少ないほど、当該バッテリ53の電力で運転されるエレベータ3が相対的に選定され難い評価値とする。
そして、本実施形態の群管理制御装置51は、さらに、バッテリ53の残存蓄電量に基づいた評価値を、車椅子号機の評価値と、一般号機の評価値とで、相違させるようにしている。ここでは、群管理制御装置51は、一般乗場呼びに対して、一般号機より車椅子号機の方がより選定されにくいように、評価演算を行う。この群管理制御装置51は、同等のバッテリ53の残存蓄電量に対して、車椅子用のエレベータ3の評価値を、当該車椅子用のエレベータ3以外の他のエレベータ3、すなわち、一般用のエレベータ3の評価値より相対的に選定され難い評価値とする。
そして、群管理制御装置51は、演算した評価値に基づいて複数のエレベータ3から乗場呼びに応答するエレベータ3を選定する。
本実施形態の群管理制御装置51は、例えば、停電時継続運転時の新規の一般乗場呼び発生時に、下記の数式(1)に基づいて、各エレベータ3の評価値Ex(H)を演算する。評価値Ex(H)は、新規の一般乗場呼びHに対するx号機の評価値を表す。群管理制御装置51は、数式(1)を用いて演算される評価値Ex(H)が最も小さいエレベータ3(号機)を、一般乗場呼びに応答する最適なエレベータ3(最適号機)として選定する。
Ex(H)=α1×E1(x、H)+α2×E2(x) ・・・ (1)
Ex(H)=α1×E1(x、H)+α2×E2(x) ・・・ (1)
数式(1)において、「E1(x、H)」は、上記エレベータ3の状態を表す指標に相当する当該号機状態指標であり、エレベータ3の状態に応じた新規の一般乗場呼びHに対するx号機の割当評価値である。群管理制御装置51は、典型的には、上述したようなカゴ4の現在位置及び移動方向(昇降方向)、これから発生すると予測される乗場呼び、カゴ呼び、予測される行先階、乗場呼び発生階への予想到着時間等の種々の群管理指標に基づいて、当該号機状態指標E1(x、H)を算出する。
数式(1)において、「E2(x)」は、上記バッテリ53の残存蓄電量を表す指標に相当する蓄電量指標であり、x号機の残存蓄電量から算出される蓄電量評価値である。群管理制御装置51は、例えば、図2に例示する蓄電量評価値マップ(あるいはこれに相当する数式モデル)m1に基づいて、蓄電量評価値E2(x)を設定する。蓄電量評価値マップm1は、横軸が残存蓄電量、縦軸が蓄電量評価値E2を示す。蓄電量評価値マップm1は、残存蓄電量と蓄電量評価値E2との関係を記述したものである。蓄電量評価値マップm1は、残存蓄電量と蓄電量評価値E2との関係が実験等に基づいて予め設定された上で、群管理制御装置51の記憶部に格納されている。ここでは、蓄電量評価値マップm1では、残存蓄電量と蓄電量評価値E2との関係は、実線L1、L2に示すように、二次曲線によって規定されている。
ここで、図2中、実線L1は、一般号機のバッテリ53の残存蓄電量から蓄電量評価値E2を算出する際に用いられる残存蓄電量と蓄電量評価値E2との関係式を表す曲線であるである。一方、実線L2は、車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量から蓄電量評価値E2を算出する際に用いられる残存蓄電量と蓄電量評価値E2との関係式を表す曲線であるである。
この蓄電量評価値マップm1では、蓄電量評価値E2は、基本的には、一般号機の場合(実線L1)、車椅子号機の場合(実線L2)ともに、残存蓄電量の減少に伴って増加すると共に、予め設定されるラストラン基準蓄電量ThAで無限大となるように設定される。ここで、ラストラン基準蓄電量ThAとは、カゴ4が意図せず各階床の中間階で停止してしまうことなく、所定の昇降行程の昇降を適正に完了するために必要な最低限の蓄電量(言い換えれば、ラストランを可能とする最低限の蓄電量)に相当する。
そしてさらに、この蓄電量評価値マップm1では、一般号機の場合(実線L1)と車椅子号機の場合(実線L2)とを比較した場合に、車椅子号機の場合の蓄電量評価値E2が、一般号機の場合の蓄電量評価値E2より相対的に大きくなるように設定される。すなわち、この蓄電量評価値マップm1では、同等のバッテリ53の残存蓄電量に対して、車椅子用のエレベータ3の評価値が、一般用のエレベータ3の評価値より相対的に大きくなるように設定されている。なお、残存蓄電量と蓄電量評価値E2との関係は、例えば、複数の直線によって規定されてもよい。
群管理制御装置51は、各号機のバッテリ53の残存蓄電量に基づいて、当該蓄電量評価値マップm1から、各号機の蓄電量評価値E2(x)を算出する。これにより、群管理制御装置51は、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に多いほど蓄電量評価値E2(x)を小さくし、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に少ないほど蓄電量評価値E2(x)を大きくすることができる。そしてさらに、群管理制御装置51は、同等のバッテリ53の残存蓄電量に対して、車椅子用のエレベータ3の蓄電量評価値E2(x)を、一般用のエレベータ3の蓄電量評価値E2(x)より相対的に大きくすることができる。
数式(1)において、「α1」は、評価値Ex(H)に対する当該号機状態指標E1(x、H)の重み付けを決める重み係数である。「α2」は、評価値Ex(H)に対するバッテリ53の残存蓄電量、すなわち、蓄電量評価値E2(x)の重み付けを決める重み係数である。重み係数α1、重み係数α2は、例えば、実験等に基づいて適宜設定すればよい。群管理制御装置51は、通常運転時には、数式(1)において、α1=1、α2=0として、各エレベータ3の評価値Ex(H)を演算する。一方、群管理制御装置51は、停電時継続運転時には、数式(1)において、α1>0、α2>0の範囲内で重み係数α1、重み係数α2を任意に設定し、各エレベータ3の評価値Ex(H)を演算する。
したがって、群管理制御装置51は、停電時継続運転時の一般乗場呼びに対して、数式(1)に基づいて、各エレベータ3の評価値Ex(H)を演算することで、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に多いほど、当該バッテリ53の電力で運転されるエレベータ3の評価値Ex(H)を相対的に小さくし、一般乗場呼びの応答号機として選定され易い評価値とすることができる。一方、群管理制御装置51は、停電時継続運転時の一般乗場呼びに対して、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に少ないほど、当該バッテリ53の電力で運転されるエレベータ3の評価値Ex(H)を相対的に大きくし、一般乗場呼びの応答号機として選定され難い評価値とすることができる。その上で、群管理制御装置51は、停電時継続運転時の一般乗場呼びに対して、車椅子用のエレベータ3の評価値Ex(H)を、一般用のエレベータ3の評価値Ex(H)より相対的に大きくし、当該車椅子号機が一般号機と比較して一般乗場呼びの応答号機として選定され難い評価値とすることができる。
なお、群管理制御装置51は、動力用電源60の停電時にバッテリ53の電力を用いてエレベータ3を運転する状態、すなわち、停電時継続運転時に、乗場8から車椅子乗場呼び登録装置12aを介して車椅子乗場呼びがなされた場合には、通常運転時と同様に、複数のエレベータ3から予め設定された車椅子用(特定)のエレベータ3を割り当てる制御を実行する。
次に、図3のフローチャートを参照して制御装置50による制御の一例を説明する。
まず、制御装置50の各電源制御装置54は、動力用電源60の作動状態に基づいて、動力用電源60が停電中であるか否かを判定する(ステップST1)。
制御装置50の各単体制御装置52は、電源制御装置54によって動力用電源60が停電中でない、すなわち、動力用電源60が健全であると判定された場合(ステップST1:No)、動力用電源60からの電力によって通常運転を行って(ステップST2)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。この場合、各単体制御装置52は、もともと通常運転を行っていた場合には、当該通常運転をそのまま継続する。このとき、群管理制御装置51は、通常の評価値演算として、数式(1)において、α1=1、α2=0として、発生した呼びに対して各エレベータ3の評価値Ex(H)を演算し、応答カゴ4を決定する。
制御装置50の各単体制御装置52は、ステップST1にて、電源制御装置54によって動力用電源60が停電中であると判定された場合(ステップST1:Yes)、バッテリ53からの電力によって停電時継続運転を行う(ステップST3)。この場合、各単体制御装置52は、もともと停電時継続運転を行っていた場合には、当該停電時継続運転をそのまま継続する。
次に、制御装置50の群管理制御装置51は、一般乗場呼びに対する評価演算を、残存蓄電量を踏まえた停電時継続運転時の評価値演算として、数式(2)において、α1>0、α2>0の範囲内で重み係数α1、重み係数α2を任意に設定し、発生した呼びに対して各エレベータ3の評価値Ex(H)を演算するように切り替える(ステップST4)。
次に、各電源制御装置54は、動力用電源60の作動状態に基づいて、動力用電源60が停電から復旧したか否かを判定する(ステップST5)。
群管理制御装置51は、電源制御装置54によって動力用電源60が停電から復旧したと判定された場合(ステップST5:Yes)、一般乗場呼びに対する評価演算を、残存蓄電量を踏まえた評価値演算から通常の評価値演算に復帰させて(ステップST6)、処理をステップST2に移行させ、通常運転に復帰する。
各単体制御装置52は、ステップST5にて、電源制御装置54によって動力用電源60が停電から復旧していないと判定された場合(ステップST5:No)、処理をステップST3に移行させ、停電時継続運転を継続する。この間、各単体制御装置52は、バッテリ53が放電の限界(典型的にはラストラン基準蓄電量ThA以下)に達すると、当該号機のカゴ4を目的階に着床させた後、そのまま停止状態としておく。
上記のように構成されるエレベータシステム1は、動力用電源60の停電時に各バッテリ53の電力を使って停電時継続運転を行うことで、各カゴ4の昇降を継続することができる。このとき、エレベータシステム1は、停電時継続運転では、通常運転の場合と比較して、電力使用量を抑制して各カゴ4を昇降させることができるので、停電時継続運転をより長い時間、継続するこができる。この結果、エレベータシステム1は、より長い時間、停電時継続運転によって各カゴ4を昇降させることができるので、例えば、動力用電源60の停電時であっても、建物内のより多くの人が各エレベータ3を利用することができる。
そして、エレベータシステム1は、停電時継続運転時では、各エレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量を踏まえて新規の一般乗場呼びに応答するエレベータ3を割り当てる。これにより、エレベータシステム1は、バッテリ53の残存蓄電量が相対的に多いエレベータ3を乗場呼びの応答号機として選定され易くし、残存蓄電量が相対的に少ないエレベータ3ほど当該号機への応答割当が抑制され乗場呼びの応答号機として選定され難くすることができる。この結果、エレベータシステム1は、群管理に所属する各エレベータ3相互において、バッテリ53の残存蓄電量のバラツキを抑制することができ、例えば、特定のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量が早期に枯渇してしまうことを抑制することができる。これにより、エレベータシステム1は、停電時継続運転時に全号機で運行できる時間を相対的に長くすることができ、例えば、長待ちの発生頻度の増大を抑制することができる。したがって、エレベータシステム1は、動力用電源60の停電時であっても、群管理に所属する各エレベータ3のバッテリ53の電力を有効に活用して運行を最適化することができ、当該エレベータシステム1が設置された建物内の多くの人が効率よく利用することができる。
そしてさらに、エレベータシステム1は、停電時継続運転時では、一般乗場呼びに対して、車椅子用のエレベータ3の評価値を、一般用のエレベータ3の評価値より相対的に大きくし、当該車椅子号機が一般号機と比較して一般乗場呼びの応答号機として選定され難い評価値とする。これにより、エレベータシステム1は、停電時継続運転時に、車椅子用のエレベータ3を一般乗場呼びの応答号機として選定され難くすることができる。この結果、エレベータシステム1は、停電時継続運転時では、車椅子号機に一般乗場呼びが割り当てられ難くなるため、停電時継続運転の際には車椅子号機のバッテリ53の電力を温存することができる。よって、エレベータシステム1は、停電時継続運転時において、車椅子号機が車椅子乗場呼びに応答できる期間を相対的に長くすることができる。これにより、エレベータシステム1は、停電時継続運転の際に車椅子号機のバッテリ53が先になくなってしまうことを抑制することができるので、例えば、群管理バンクとしてはエレベータ3が作動しているにもかかわらず、車椅子乗場呼びに応答できなくなるような事態が発生することを抑制することができる。この結果、エレベータシステム1は、停電時継続運転の際にも車椅子乗場呼びに対して適切に応答することができる。したがって、エレベータシステム1は、動力用電源60の停電時であっても、車椅子号機を含めて、群管理に所属する各エレベータ3のバッテリ53の電力を有効に活用して運行を最適化することができる。
以上で説明したエレベータシステム1は、複数のエレベータ3と、制御装置50とを備える。複数のエレベータ3は、動力用電源60からの電力とそれぞれに設けられたバッテリ53からの電力とによって運転可能である。制御装置50は、当該複数のエレベータ3の乗場8から特定乗場呼び(車椅子乗場呼び)がなされた場合に、複数のエレベータ3から予め設定された特定(車椅子用)のエレベータ3を割り当てる制御を実行可能である。制御装置50は、乗場8から一般乗場呼びがなされた場合に、特定のエレベータ3を含む複数のエレベータ3から、一般乗場呼びに応答するエレベータ3を割り当てる制御を実行可能である。制御装置50は、動力用電源60の停電時にバッテリ53の電力を用いてエレベータ3を運転する状態で、乗場8から一般乗場呼びがなされた場合に、バッテリ53の残存蓄電量に応じてそれぞれ演算した各エレベータ3の評価値に基づいて複数のエレベータ3から一般乗場呼びに応答するエレベータ3を選定するものである。そして、制御装置50は、同等のバッテリ53の残存蓄電量に対して、特定のエレベータ3の評価値を、当該特定のエレベータ3以外の他のエレベータ3の評価値より相対的に選定され難い評価値とする。したがって、エレベータシステム1は、動力用電源60の停電時であっても、特定のエレベータ3、ここでは、車椅子用のエレベータ3のバッテリ53の電力を極力温存して、特定乗場呼び、ここでは、車椅子乗場呼びに対して適切に応答できるようにすることができるので、当該バッテリ53の電力を有効に活用して運行を最適化することができる。
[実施形態2]
図4から図11は、実施形態2に係るエレベータシステムの動作の一例を説明する線図である。図12は、実施形態2に係るエレベータシステムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態2に係るエレベータシステムは、特定乗場呼びがなされた場合の制御が実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下で説明する実施形態でも同様である。)。また、エレベータシステムの各構成については、適宜、図1を参照する。
図4から図11は、実施形態2に係るエレベータシステムの動作の一例を説明する線図である。図12は、実施形態2に係るエレベータシステムにおける制御の一例を説明するフローチャートである。実施形態2に係るエレベータシステムは、特定乗場呼びがなされた場合の制御が実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する(以下で説明する実施形態でも同様である。)。また、エレベータシステムの各構成については、適宜、図1を参照する。
本実施形態のエレベータシステム201(図1参照)は、特定乗場呼びとしての車椅子乗場呼びがなされた場合の制御が上述した実施形態の場合と異なる。
エレベータシステム201は、上記のように停電時継続運転時の一般乗場呼びに対して、車椅子号機と一般号機とで評価値を異ならせ、車椅子号機を一般乗場呼びの応答号機として選定され難くした場合であっても、車椅子乗場呼びが多発した場合には、車椅子号機のバッテリ53が先になくなってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態のエレベータシステム201は、車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が所定の値(後述の判定基準蓄電量ThB(図4等参照))を下回った場合には、一般号機のバッテリ53の残存蓄電量に応じて、車椅子号機にサービスを継続させる制御(車椅子乗場呼びに応答)を行うか、一般号機を車椅子乗場呼びに応答させる制御を行うかを決定する。この場合、エレベータシステム201は、例えば、車椅子乗場呼びを一般号機に応答させる場合、車椅子号機はサービスを行わず、乗場呼びの登録、割当制御を実施するようにしてもよい。
具体的には、本実施形態の群管理制御装置51は、バッテリ53の電力を用いてエレベータ3を運転する状態、すなわち、停電時継続運転の際に、乗場8から車椅子乗場呼びがなされた場合であって車椅子用のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量が予め設定される判定基準蓄電量ThB(図4等参照)より低い場合に、下記のような制御を行う。なおここで、判定基準蓄電量ThBは、上述のラストラン基準蓄電量ThAより大きな値に設定される。判定基準蓄電量ThBは、例えば、停電時継続運転時に、車椅子用のエレベータ3のバッテリ53において温存させておきたい蓄電量等に応じて任意に設定される。
本実施形態の群管理制御装置51は、停電時継続運転の際に車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBより低い場合、他の一般用のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量が運転限界蓄電量としてのラストラン基準蓄電量ThA以上であれば、当該他のエレベータ3のうちバッテリ53の残存蓄電量が最大であるエレベータ3を仮の車椅子用のエレベータ3として車椅子乗場呼びに応答させる。つまり、群管理制御装置51は、一般号機を仮の車椅子号機として制御させ、バッテリ53の残存蓄電量が一番多い一般号機を車椅子乗場呼びに応答させる。このとき、群管理制御装置51は、車椅子号機にはサービスを行わせず(呼びに応答させず)、車椅子乗場呼びの登録、割当制御を実施させるようにする。これにより、エレベータシステム201は、停電時継続運転の際に車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回った場合に、一般号機を車椅子乗場呼びに応答させることで、可能な限り車椅子号機のバッテリ53の電力を温存することができる。すなわち、群管理制御装置51は、一般号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であれば、車椅子乗場呼びに対して一般号機を優先的に応答させ、当該一般号機を仮の車椅子号機として運用することで、真の車椅子号機のバッテリ53を温存することができる。そして、このエレベータシステム201は、上記車椅子乗場呼びの登録が当該車椅子号機の車椅子乗場呼び登録装置12aによって行われる仕様になっていることから、上記のように車椅子号機のバッテリ53を温存することで、当該車椅子乗場呼び登録装置12aを介した車椅子乗場呼びの登録を長期間可能とすることができる。
なおこの場合であっても、群管理制御装置51は、エレベータシステム201が複数台の車椅子号機を含んで構成されている場合には、車椅子号機である自号機以外の車椅子号機がサービス不可、すなわち、残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回るまでは、当該自号機以外の車椅子号機を車椅子乗場呼びに応答させるようにしてもよい。そして、群管理制御装置51は、当該自号機以外の車椅子号機の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回った後に、一般号機を仮の車椅子号機として車椅子乗場呼びに応答させるようにしてもよい。
一方、群管理制御装置51は、停電時継続運転の際に車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBより低い場合に、他の一般用のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAより低ければ、当該車椅子用のエレベータ3を車椅子乗場呼びに応答させる。そして、群管理制御装置51は、当該車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回るまで、当該車椅子号機によってサービスを継続させる。
次に、図4から図11を参照してエレベータシステム201の動作の一例を説明する。図4から図11は、横軸を各号機、縦軸を残存蓄電量としている。
まず、図4、図5、図6を参照して、A号機が車椅子号機、他のB号機、C号機、D号機が一般号機である場合、すなわち、エレベータ群2において一台が車椅子号機である場合について説明する。以下では、停電時継続運転の際にA号機(車椅子号機)の車椅子乗場呼び登録装置12aを介して車椅子乗場呼びがなされた場合を説明する。
この場合、群管理制御装置51は、図4に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThB以上であれば、自号機であるA号機を車椅子乗場呼びに応答させる。
一方、群管理制御装置51は、図5に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回ると、他の一般号機の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であれば、当該一般号機のうちバッテリ53の残存蓄電量が最大である一般号機、ここでは、C号機を仮の車椅子用のエレベータ3として車椅子乗場呼びに応答させる。このとき、群管理制御装置51は、車椅子号機であるA号機にはサービスを行わせず、車椅子乗場呼びの登録、割当制御を実施させるようにする。
そして、群管理制御装置51は、図6に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回り、かつ、他の一般号機の残存蓄電量がすべてラストラン基準蓄電量ThAを下回れば、車椅子号機であるA号機を車椅子乗場呼びに応答させ、当該A号機によってサービスを継続する。そして、群管理制御装置51は、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回るまで、当該A号機によってサービスを継続させる。
次に、図7、図8、図9、図10、図11を参照して、A号機、及び、B号機が車椅子号機、他のC号機、D号機が一般号機である場合、すなわち、エレベータ群2において複数台(ここでは二台)が車椅子号機である場合について説明する。以下では、停電時継続運転の際にA号機(車椅子号機)の車椅子乗場呼び登録装置12aを介して車椅子乗場呼びがなされた場合を説明する。
この場合、群管理制御装置51は、図7に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThB以上であれば、自号機であるA号機を車椅子乗場呼びに応答させる。またこの場合、群管理制御装置51は、自号機であるA号機と、他の車椅子号機であるB号機とを群管理し、A号機とB号機とのうち最適な車椅子号機を当該車椅子乗場呼びに応答させるようにしてもよい。
一方、群管理制御装置51は、図8に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回った場合に、自号機であるA号機以外の車椅子号機がサービス可能である場合、すなわちここでは、自号機以外の車椅子号機であるB号機の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上である場合、当該B号機を車椅子乗場呼びに応答させる。この場合、群管理制御装置51は、図9に示すように、自号機以外の車椅子号機であるB号機の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回った場合であっても、ラストラン基準蓄電量ThAを下回るまでは、当該B号機を、A号機の車椅子乗場呼び登録装置12aを介してなされた車椅子乗場呼びに応答させる。
そして、群管理制御装置51は、図10に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回り、かつ、自号機以外の車椅子号機であるB号機の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回った場合には、下記のように制御する。すなわち、群管理制御装置51は、一般号機の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であれば、当該一般号機のうちバッテリ53の残存蓄電量が最大である一般号機、ここでは、D号機を仮の車椅子用のエレベータ3として車椅子乗場呼びに応答させる。このとき、群管理制御装置51は、車椅子号機であるA号機にはサービスを行わせず、車椅子乗場呼びの登録、割当制御を実施させるようにする。
そして、群管理制御装置51は、図11に示すように、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回り、かつ、他の号機の残存蓄電量がすべてラストラン基準蓄電量ThAを下回れば、車椅子号機であるA号機を車椅子乗場呼びに応答させ、当該A号機によってサービスを継続する。そして、群管理制御装置51は、当該A号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回るまで、当該A号機によってサービスを継続させる。
次に、図12のフローチャートを参照して制御装置50による制御の一例を説明する。
まず、群管理制御装置51は、停電時継続運転の際に車椅子乗場呼び登録装置12aを介して車椅子乗場呼びがなされると、当該車椅子乗場呼びがなされた自号機としての当該車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBより低いか否かを判定する(ステップST201)。
群管理制御装置51は、当該車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBより低いと判定した場合(ステップST201:Yes)、当該エレベータシステム201のエレベータ群2が複数台車椅子号機を有する仕様であるか否かを判定する(ステップST202)。
群管理制御装置51は、複数台車椅子号機を有する仕様であると判定した場合(ステップST202:Yes)、他の車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であるか否かを判定する(ステップST203)。
群管理制御装置51は、他の車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であると判定した場合(ステップST203:Yes)、車椅子号機を車椅子乗場呼びに応答させサービスを継続し(ステップST204)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。この場合、群管理制御装置51は、当該自号機以外の車椅子号機を車椅子乗場呼びに応答させ、サービスを継続する。
群管理制御装置51は、ステップST202にて、複数台車椅子号機を有する仕様でないと判定した場合(ステップST202:No)、他の車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAより低いと判定した場合(ステップST203:No)、他の一般号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であるか否かを判定する(ステップST205)。
群管理制御装置51は、一般号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であると判定した場合(ステップST205:Yes)、一般号機を仮の車椅子号機として車椅子乗場呼びに応答させ、当該一般号機によってサービスを継続し(ステップST206)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。この場合、群管理制御装置51は、例えば、当該一般号機のうち残存蓄電量が最大の号機を仮の車椅子号機として車椅子乗場呼びに応答させ、サービスを継続する。
群管理制御装置51は、一般号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAより低いと判定した場合(ステップST205:No)、処理をステップST204に移行させる。この場合、群管理制御装置51は、当該自号機である車椅子号機を車椅子乗場呼びに応答させ、サービスを継続する。
群管理制御装置51は、ステップST201にて、当該車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThB以上であると判定した場合(ステップST201:No)、処理をステップST204に移行させる。この場合、群管理制御装置51は、自号機である車椅子号機、又は、当該自号機以外の車椅子号機を車椅子乗場呼びに応答させ、サービスを継続する。
上記のように構成されるエレベータシステム201は、停電時継続運転の際に車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が所定の値(判定基準蓄電量ThB)を下回った場合に、一般号機を仮の車椅子号機として車椅子乗場呼びに応答させることで、可能な限り車椅子号機のバッテリ53の電力を温存することができる。すなわち、エレベータシステム201は、一般号機のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量(運転限界蓄電量)ThA以上であれば、車椅子乗場呼びに対して一般号機を優先的に応答させ、当該一般号機を仮の車椅子号機として運用することで、真の車椅子号機のバッテリ53を温存することができる。この結果、このエレベータシステム201は、車椅子号機のバッテリ53を温存することで、当該車椅子乗場呼び登録装置12aを介した車椅子乗場呼びの登録を長期間可能とすることができる。つまり、このエレベータシステム201は、車椅子号機のバッテリ53が先になくなって車椅子乗場呼び自体が登録できなくなることを抑制することができ、車椅子乗場呼びの登録を確実に行うことができる。したがって、このエレベータシステム201は、最終的に車椅子号機のバッテリ53の残存蓄電量が無くなるまで、車椅子乗場呼びに対して適切に応答してサービスを継続することができる。
以上で説明したエレベータシステム201は、動力用電源60の停電時であっても、特定(車椅子用)のエレベータ3のバッテリ53の電力を極力温存して、特定乗場呼び(車椅子乗場呼び)に対して適切に応答できるようにすることができるので、当該バッテリ53の電力を有効に活用して運行を最適化することができる。
さらに、以上で説明したエレベータシステム201によれば、制御装置50は、バッテリ53の電力を用いてエレベータ3を運転する状態で、乗場8から特定乗場呼び(車椅子乗場呼び)がなされた場合であって特定(車椅子用)のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量が予め設定される判定基準蓄電量ThBより低い場合に、下記のような制御を行う。すなわち、制御装置50は、他の一般用のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBより低く設定されるラストラン基準蓄電量(限界蓄電量)ThA以上であれば、当該他のエレベータ3のうちバッテリ53の残存蓄電量が最大であるエレベータ3を仮の特定のエレベータ3として特定乗場呼びに応答させる。制御装置50は、他のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAより低ければ、特定のエレベータ3を特定乗場呼びに応答させる、したがって、エレベータシステム201は、最終的に特定のエレベータ3のバッテリ53の残存蓄電量が無くなるまで、車椅子乗場呼びに対して適切に応答してサービスを継続することができる。
なお、群管理制御装置51は、図9の説明では、自号機以外の車椅子号機であるB号機の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回った場合であっても、ラストラン基準蓄電量ThAを下回るまでは、当該B号機を、A号機の車椅子乗場呼び登録装置12aを介してなされた車椅子乗場呼びに応答させるものとして説明したがこれに限らない。群管理制御装置51は、A号機のバッテリ53の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回り、かつ、自号機以外の車椅子号機であるB号機の残存蓄電量が判定基準蓄電量ThBを下回った場合、一般号機の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThA以上であれば、一般号機において割当制御を行うようにしてもよい。すなわち、群管理制御装置51は、当該一般号機のうちバッテリ53の残存蓄電量が最大である一般号機(図9ではD号機)を仮の車椅子用のエレベータ3として車椅子乗場呼びに応答させてもよい。そして、群管理制御装置51は、一般号機(図9ではC号機、D号機)の残存蓄電量がラストラン基準蓄電量ThAを下回った場合、自号機であるA号機と、他の車椅子号機であるB号機とを群管理し、A号機とB号機とのうち最適な車椅子号機を当該車椅子乗場呼びに応答させるようにしてもよい。
なお、上述した実施形態に係るエレベータシステムは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、特定のエレベータ3は、予め車椅子用のエレベータ3に設定されているものとして説明したがこれに限らない。特定のエレベータ3は、車椅子用以外のエレベータ3、例えば、エレベータ群2の中で許容積載荷重が最大のエレベータ3、あるいは、最小のエレベータ3等に設定されていてもよい。
また、以上で説明した群管理制御装置51は、残存蓄電量を踏まえた停電時継続運転時の評価値演算を行う場合に、複数のエレベータ3の状態に基づいて、各エレベータ3の評価値Ex(H)に対する各バッテリ53の残存蓄電量、すなわち、蓄電量評価値E2(x)の重み付けを可変とするようにしてもよい。つまり、群管理制御装置51は、複数のエレベータ3の状態に基づいて、重み係数α2を可変としてもよい。
以上で説明した実施形態、変形例に係るエレベータシステムによれば、動力用電源の停電時であっても、蓄電装置の電力を有効に活用して運行を最適化することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、201 エレベータシステム
2 エレベータ群
3 エレベータ
4 カゴ
5 カウンタウェイト
6 メインロープ
7 巻上機
8 乗場
9 カゴ呼び登録装置
10 カゴ案内装置
11 荷重検出器
12 乗場呼び登録装置
12a 車椅子乗場呼び登録装置
12b 一般乗場呼び登録装置
13 乗場案内装置
14 カメラ
50 制御装置
51 群管理制御装置
52 単体制御装置
53 バッテリ(蓄電装置)
54 電源制御装置
60 動力用電源
2 エレベータ群
3 エレベータ
4 カゴ
5 カウンタウェイト
6 メインロープ
7 巻上機
8 乗場
9 カゴ呼び登録装置
10 カゴ案内装置
11 荷重検出器
12 乗場呼び登録装置
12a 車椅子乗場呼び登録装置
12b 一般乗場呼び登録装置
13 乗場案内装置
14 カメラ
50 制御装置
51 群管理制御装置
52 単体制御装置
53 バッテリ(蓄電装置)
54 電源制御装置
60 動力用電源
Claims (4)
- 動力用電源からの電力とそれぞれに設けられた蓄電装置からの電力とによって運転可能である複数のエレベータと、
当該複数のエレベータの乗場から特定乗場呼びがなされた場合に、前記複数のエレベータから予め設定された特定のエレベータを割り当てる制御を実行可能であると共に、前記乗場から一般乗場呼びがなされた場合に、前記特定のエレベータを含む前記複数のエレベータから、前記一般乗場呼びに応答するエレベータを割り当てる制御を実行可能である制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記動力用電源の停電時に前記蓄電装置の電力を用いて前記エレベータを運転する状態で、前記乗場から前記一般乗場呼びがなされた場合に、前記蓄電装置の残存蓄電量に応じてそれぞれ演算した各前記エレベータの評価値に基づいて前記複数のエレベータから前記一般乗場呼びに応答するエレベータを選定するものであり、
同等の前記蓄電装置の残存蓄電量に対して、前記特定のエレベータの評価値を、当該特定のエレベータ以外の他のエレベータの評価値より相対的に選定され難い評価値とすることを特徴とする、
エレベータシステム。 - 前記制御装置は、前記蓄電装置の残存蓄電量が相対的に多いほど、当該蓄電装置の電力で運転される前記エレベータが相対的に選定され易い評価値とし、
前記蓄電装置の残存蓄電量が相対的に少ないほど、当該蓄電装置の電力で運転される前記エレベータが相対的に選定され難い評価値とする、
請求項1に記載のエレベータシステム。 - 前記制御装置は、前記蓄電装置の電力を用いて前記エレベータを運転する状態で、前記乗場から前記特定乗場呼びがなされた場合であって前記特定のエレベータの前記蓄電装置の残存蓄電量が予め設定される判定基準蓄電量より低い場合に、
前記他のエレベータの前記蓄電装置の残存蓄電量が前記判定基準蓄電量より低く設定される運転限界蓄電量以上であれば、当該他のエレベータのうち前記蓄電装置の残存蓄電量が最大であるエレベータを仮の特定のエレベータとして前記特定乗場呼びに応答させ、
前記他のエレベータの前記蓄電装置の残存蓄電量が前記運転限界蓄電量より低ければ、前記特定のエレベータを前記特定乗場呼びに応答させる、
請求項1又は請求項2に記載のエレベータシステム。 - 前記特定のエレベータは、予め車椅子用のエレベータに設定されている、
請求項1乃至請求項3に記載のエレベータシステム。
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