JP4765859B2 - 車両用制動装置の異常診断装置、及び車両用制動装置の異常診断方法 - Google Patents

車両用制動装置の異常診断装置、及び車両用制動装置の異常診断方法 Download PDF

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本発明は、車両用制動装置の異常診断装置、及び車両用制動装置の異常診断方法に関する。
一般に、車両には、車両の運転手によるブレーキペダルの踏込み操作に応じた制動力を各車輪に付与可能な車両用制動装置が搭載されている。この車両用制動装置には、複数の電磁弁が設けられ、該各電磁弁は、それらのソレノイドに電圧が各別に印加されることにより、それぞれ駆動するようになっている。こうした車両用制動装置による車両の制動制御を適切に実行させるためには、各電磁弁を正常に動作させる必要がある。そこで、車両用制動装置には、各電磁弁が正常に動作しているか否かを診断するために、ソレノイドに加わる電圧を検出し、電磁弁を駆動させるための電気回路に異常がないか否かを診断する異常診断装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
このような異常診断装置として、近時、ソレノイドへの電圧印加時に発生するノイズ(所謂ラジオノイズなど)の発生を抑制するために、コンデンサが設けられた異常診断装置(以下、「従来異常診断装置」という。)も提案されている。この従来異常診断装置には、電源とソレノイドとの間に、電源からソレノイドへの電流の供給をオン状態である場合には許可する一方でオフ状態である場合には禁止するスイッチング素子(スイッチング手段)が設けられている。そして、コンデンサは、その一端(上流端)がスイッチング素子とソレノイドとの間に接続され、その他端(下流端)がグランドに接続されている。
ところで、従来異常診断装置において、電磁弁の駆動を停止させるべくソレノイドへの電圧印加を停止させた場合には、コンデンサに電荷が残り、電源とソレノイドとの間に配置されたスイッチング素子がショートしてしまったと診断する。その結果、スイッチング素子は正常に駆動するにも関わらず、スイッチング素子が異常状態であると誤って診断してしまうおそれがあった。
そこで、従来異常診断装置には、スイッチング素子が正常であるにも関わらず、異常状態であると誤って診断してしまうことを回避するために、コンデンサに残存する電荷を速やかに放電するためにプルダウン用の抵抗が設けられている。そのため、ソレノイドへの電圧印加が停止された場合、コンデンサに残存する電荷の大部分は、プルダウン用の抵抗側に移動することになるため、電圧検出手段にて検出されるソレノイドに加わる電圧は、速やかに低下することになる。その結果、ソレノイドに電圧を印加するためのスイッチング素子が正常である場合に、誤って異常状態であると判断されることが回避されていた。
特表平8−506889号公報
ところで、上記従来異常診断装置には、コンデンサに蓄えられた電荷を放電するためのプルダウン用の抵抗が設けられているため、電磁弁を駆動させるべくソレノイドに電圧が印加されている間、常にコンデンサに蓄えられた電荷の一部がプルダウン用の抵抗側に移動することになる。すなわち、プルダウン用の抵抗を設けることにより、電磁弁の駆動時に、従来異常診断装置での消費電流が増加してしまうという問題があった。
この消費電流の増加を抑制するために、コンデンサとプルダウン用の抵抗との間にスイッチを設ける方法も考えられる。このように構成した場合、ソレノイドへの電圧の印加を停止させるときにのみ、コンデンサとプルダウン用の抵抗とが電気的に接続されるようにスイッチを駆動させることにより、従来異常診断装置での消費電流の増加を抑制することが可能である。しかしながら、このようなスイッチを新たに設けることは、従来異常診断装置の部品点数の増加に繋がり、装置全体が大型化してしまうという新たな問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、電磁弁のソレノイドに対する電圧印加が停止された場合に、装置自体を大型化させることなく、コンデンサに残存する電荷を速やかに放電させることにより、スイッチング手段が異常状態であるか否かを診断できる車両用制動装置の異常診断装置、及び車両用制動装置の異常診断方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両用制動装置の異常診断装置にかかる請求項1に記載の発明は、車両の各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与可能な車両用制動装置(11)に設けられる車両用制動装置(11)の異常診断装置(19)であって、前記車両用制動装置(11)には、ソレノイド(25a)にパルス電圧を印加することにより駆動する電磁弁(25)と、該電磁弁(25)のソレノイド(25a)にパルス電圧を印加させるための電気回路(51,51A)と、該電気回路(51,51A)の駆動を制御するための制御手段(19)とが設けられ、前記電気回路(51,51A)において、前記ソレノイド(25a)よりも上流側には、電源(52)から前記ソレノイド(25a)への電流の供給をオン状態である場合には許可する一方でオフ状態である場合には禁止するスイッチング手段(53)と、前記ソレノイド(25a)に加わる電圧を検出するための電圧検出手段(54)と、前記スイッチング手段(53)よりも下流側に配置されるコンデンサ(55)とが接続され、前記スイッチング手段(53)よりも下流側には、前記ソレノイド(25a)を駆動させるためにパルス電圧を生成する生成手段(58)が接続されており、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させるべく前記生成手段(58)にて生成されたパルス電圧を前記ソレノイド(25a)に印加した場合において、前記スイッチング手段(53)がオフ状態になってから予め設定されたショート判定時間(KTb)を経過した後に、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された異常判定電圧閾値(KVd)以上であったときに、前記スイッチング手段(53)が異常状態であると診断することを要旨とする。
上記発明によれば、電磁弁のソレノイドに電流が供給されることにより、コンデンサには、電荷が蓄えられる。この状態で、スイッチング手段がオフ状態になることによりソレノイドへの電流供給が停止された場合、生成手段が駆動することにより、ソレノイドにはパルス電圧が印加され、その結果、コンデンサの電荷の放電が速やかに実行される。そのため、電磁弁のソレノイドに対する電流供給が停止された場合に、電気回路にプルダウン用の抵抗やスイッチを別途設ける場合とは異なり、装置(電気回路)自体を大型化させることなく、該ソレノイドに加わる電圧を速やかに低下させることができる。また、スイッチング手段がオフ状態になってからショート判定時間が経過した後に電圧検出手段によって検出した電圧が、異常判定電圧閾値以上であった場合には、スイッチング手段がショートしていると診断される。したがって、電磁弁のソレノイドに対する電圧印加が停止された場合に、装置自体を大型化させることなく、コンデンサに残存する電荷を速やかに放電させることにより、スイッチング手段が異常状態であるか否かを診断できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)がオン状態になってから予め設定された断線判定時間(KTe)を経過した場合において、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された断線判定電圧閾値(KVf)未満であったときに、前記スイッチング手段(53)が異常状態であると診断することを要旨とする。
上記発明によれば、スイッチング手段が正常に動作している状態で、該スイッチング手段がオン状態になった場合には、電磁弁のソレノイドに印加される電圧は速やかに上昇する。そのため、スイッチング手段がオン状態になってから断線判定時間を経過しても、電圧検出手段によって検出された電圧が断線判定電圧閾値未満であった場合には、スイッチング手段が断線していると診断される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段(19)は、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にした状態で、前記生成手段(58)にて生成されたパルス電圧を前記ソレノイド(25a)に印加した場合において、前記ショート判定時間(KTb)よりも短い時間に設定されたコンデンサ異常判定時間(KTc)が経過する前に、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が前記異常判定電圧閾値(KVd)未満になったときに、前記コンデンサ(55)が異常状態であると診断することを要旨とする。
上記発明によれば、スイッチング手段がオフ状態になってからコンデンサ判定時間が経過した後に電圧検出手段によって検出された電圧が、異常判定電圧閾値未満であった場合には、コンデンサが断線されている、又は、コンデンサに貯留されていた電荷量が該コンデンサの規定容量未満であると診断する。すなわち、本発明では、スイッチング手段がショートしてしまったか否かを診断することと同時に、コンデンサが断線されているか否か、又は、コンデンサに貯留されていた電荷量が該コンデンサの規定容量未満であるか否かを診断することが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段は、前記スイッチング手段(53)がオン状態になってから予め設定された断線判定時間(KTe)を経過した場合において、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された断線判定電圧閾値(KVf)以上であったときに、前記コンデンサ(55)が異常状態であるか否かの診断を行うことを要旨とする。
一般に、コンデンサが異常状態である場合とは、コンデンサが断線しているか、又は、コンデンサに規定容量の電荷を貯留できないかの状態のことを示す。本発明では、コンデンサが断線されているか否か、又は、コンデンサに貯留されていた電荷量が該コンデンサの規定容量未満であるか否かの診断は、スイッチング手段が異常状態(即ち、断線していない状態)ではない場合にのみ実行される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、予め設定されたデューティ比のパルス電圧が生成されるように前記生成手段(58)を制御することを要旨とする。
上記発明によれば、電圧検出手段によって検出された電圧に応じたデューティ比のパルス電圧が生成されるように生成手段が制御される場合とは異なり固定値であるため、制御手段の制御負荷の増大が良好に抑制される。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)に応じたデューティ比のパルス電圧が生成されるように前記生成手段(58)を制御することを要旨とする。
上記発明によれば、電圧検出手段によって検出された電圧に応じたデューティ比のパルス電圧が設定されるようになっている。そのため、スイッチング手段が正常に動作している場合には、スイッチング手段がオフ状態になってからショート判定時間が経過する前に、電圧検出手段によって検出される電圧を確実に異常判定電圧閾値未満にすることが可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記電気回路(51,51A)には、前記ソレノイド(25a)に供給された電流を検出するための電流検出手段(59)が設けられ、該電流検出手段(59)は、前記スイッチング手段(53)よりも下流側に配置されており、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、前記電流検出手段(59)によって検出される電流が、前記電磁弁(25)の未駆動状態が維持される大きさとなるように、パルス電圧のデューティ比を可変に設定し、該設定されたデューティ比のパルス電圧が生成されるように前記生成手段(58)を制御することを要旨とする。
上記発明によれば、電流検出手段によって検出された電流が電磁弁を駆動させない程度の大きさに維持されるように、パルス電圧のデューティ比が設定される。そのため、スイッチング手段が正常に動作している場合には、コンデンサに残存する電荷を、電磁弁を駆動させることなく、放電させることが可能になる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が前記異常判定電圧閾値(KVd)未満になるまで、パルス電圧を生成するように前記生成手段(58)を制御することを要旨とする。
上記発明によれば、電圧検出手段によって検出された電圧が異常判定電圧閾値未満になるまで、生成手段によってパルス電圧が生成される。そのため、コンデンサに残存する電荷の速やかな放電に寄与することが可能になる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記車両用制動装置(11)には、前記車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(18a,18b,18c,18d)内に液体を各別に供給するための液圧経路(15a,15b,16a,16b)が設けられ、該各液圧経路(15a,15b,16a,16b)には、駆動することにより前記ホイールシリンダ(18a,18b,18c,18d)内への液体の供給を禁止する第1電磁弁(25,26,27,28)と、駆動することにより前記ホイールシリンダ(18a,18b,18c,18d)内からの液体の流出を許可する第2電磁弁(29,30,31,32)とがそれぞれ設けられており、前記各第1電磁弁(25,26,27,28)は、それらのソレノイド(25a)に前記電気回路(51,51A)からパルス電圧が印加された場合に、駆動するようにそれぞれ構成されていることを要旨とする。
上記発明によれば、電気回路が異常状態であるか否かを診断する場合に、第1電磁弁が動作してしまう可能性はあるものの、第2電磁弁が動作することはない。そのため、電気回路が異常状態であるか否かを診断する場合に、ホイールシリンダ内の液体の流出が抑制される結果、車輪に付与される制動力の低下が抑制される。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記車両には、N個(Nは2以上の正数)の車輪(FR,FL,RR,RL)が設けられており、前記制御手段(19)は、前記各第1電磁弁(25,26,27,28)のうちM個(Mは1以上であって且つNよりも小さい正数)の第1電磁弁(25)に対応する前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させるべく、パルス信号を生成させるように前記生成手段(54)を制御することを要旨とする。
上記発明によれば、N個の第1電磁弁のうちM個の第1電磁弁が正常に動作するか否かを診断する際において、M個の第1電磁弁が駆動してしまった場合は、該第1電磁弁に対応する車輪に対して適切な制動力が付与されないおそれがある。しかし、残り((N−M)個)の第1電磁弁は、駆動していないため、当該残りの第1電磁弁に対応する車輪には、適切な制動力が付与されている。そのため、車両に対する制動力不足に起因した車両の予期せぬ移動の発生が抑制される。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置において、前記制御手段(19)は、前記電磁弁(25,26,27,28,29,30,31,32)が未駆動である場合、予め設定された所定周期毎に、前記スイッチング手段(53)が異常状態であるか否かの診断を行うことを要旨とする。
上記発明によれば、電磁弁が駆動していない場合(即ち、ABS制御やトラクション制御などが実行されている場合)には、スイッチング手段が異常状態であるか否かの診断を、所定周期毎に行う。そのため、スイッチング手段が異常状態になった場合には、その異常状態を速やかに検出することが可能になる。
一方、車両用制動装置の異常診断方法にかかる請求項12に記載の発明は、車両の各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与可能な車両用制動装置の異常診断方法であって、前記車両用制動装置(11)には、ソレノイド(25a)にパルス電圧を印加することにより駆動する電磁弁(25)と、該電磁弁(25)のソレノイド(25a)にパルス電圧を印加させるための電気回路(51,51A)とが設けられ、前記電気回路(51,51A)において、前記ソレノイド(25a)よりも上流側には、電源(52)から前記ソレノイド(25a)への電流の供給をオン状態である場合には許可する一方でオフ状態である場合には禁止するスイッチング手段(53)と、前記ソレノイド(25a)に加わる電圧を検出するための電圧検出手段(54)と、前記スイッチング手段(53)よりも下流側に配置されるコンデンサ(55)とが接続され、前記スイッチング手段(53)よりも下流側には、前記ソレノイド(25a)を駆動させるためにパルス電圧を生成する生成手段(58)が接続されており、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させるべく前記生成手段(58)にて生成されたパルス電圧を前記ソレノイド(25a)に印加した場合において、前記スイッチング手段(53)がオフ状態になってから予め設定されたショート判定時間(KTb)を経過した後に、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された異常判定電圧閾値(KVd)以上であったときに、前記スイッチング手段(53)が異常状態であると診断するようにしたことを要旨とする。
上記発明によれば、請求項1に記載の発明の場合と同様の作用効果を奏し得る。
以下、本発明の車両用制動装置の異常診断装置、及び車両用制動装置の異常診断方法を具体化した一実施形態を図1〜図11に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両用制動装置11は、複数(本実施形態では4つ)の車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)を有する車両に搭載されている。車両用制動装置11は、マスタシリンダ12及びブースタ13を有する液圧発生装置14と、2つの液圧回路15,16を有する液圧制御装置17とを備えている。各液圧回路15,16は、液圧発生装置14に接続されると共に、各車輪FR,FL,RR,RLに対応して設けられたホイールシリンダ18a,18b,18c,18dに接続されている。また、車両用制動装置11には、液圧制御装置17を制御するための制御手段としての電子制御装置(「ECU」ともいう。)19が設けられている。
液圧発生装置14には、ブレーキペダル20が設けられると共に、このブレーキペダル20が車両の運転手によって踏込み操作されることに基づき、液圧発生装置14のマスタシリンダ12及びブースタ13が駆動するようになっている。また、マスタシリンダ12には、2つの出力ポート12a,12bが設けられている。そして、出力ポート12aには、第1液圧回路15が接続されると共に、出力ポート12bには、第2液圧回路16が接続されている。また、液圧発生装置14には、ECU19に電気的に接続されたブレーキスイッチSW1が設けられ、該ブレーキスイッチSW1からは、ブレーキペダル20の操作状況に応じた信号がECU19に出力されている。
液圧制御装置17には、第1液圧回路15内の液体としてのブレーキ液の圧力(ブレーキ液圧)を昇圧するためのポンプ21と、第2液圧回路16内のブレーキ液圧を昇圧するためのポンプ22と、各ポンプ21,22を同時に駆動させるモータMとが設けられている。また、各液圧回路15,16上にはブレーキ液が貯留されるリザーバ23,24が設けられると共に、各リザーバ23,24内のブレーキ液は、ポンプ21,22の駆動に基づき液圧回路15,16内に供給されるようになっている。
第1液圧回路15には、左前輪FLに対応するホイールシリンダ18bに接続されるホイールシリンダ18b用(左前輪FL用)の左前輪用経路(液圧経路)15aと、右後輪RRに対応するホイールシリンダ18cに接続されるホイールシリンダ18c用(右後輪RR用)の右後輪用経路(液圧経路)15bとが形成されている。そして、これら各経路15a,15b上には、第1電磁弁としての常開型の電磁弁25,26と第2電磁弁としての常閉型の電磁弁29,30とがそれぞれ設けられている。なお、第1電磁弁(電磁弁25,26)は、それらのソレノイドにパルス電圧が印加されることにより駆動する電磁弁である一方、第2電磁弁(常閉型の電磁弁29,30)は、それらのソレノイドに一定の電圧が印加されることにより駆動する電磁弁である。
同様に、第2液圧回路16には、右前輪FRに対応するホイールシリンダ18aに接続されるホイールシリンダ18a用(右前輪FR用)の右前輪用経路(液圧経路)16aと、左後輪RLに対応するホイールシリンダ18dに接続されるホイールシリンダ18d用(左後輪RL用)の左後輪用経路(液圧経路)16bとが形成されている。そして、これら各経路16a,16b上には、第1電磁弁としての常開型の電磁弁27,28と第2電磁弁としての常閉型の電磁弁31,32とがそれぞれ設けられている。
また、第1液圧回路15において各経路15a,15bに分岐された部位よりもマスタシリンダ12側には、常開型の比例電磁弁33が接続されると共に、この比例電磁弁33と並列関係をなすリリーフ弁34が接続されている。そして、比例電磁弁33とリリーフ弁34とにより比例差圧弁35が構成されている。比例差圧弁35は、ECU19による制御に基づき、比例差圧弁35よりもマスタシリンダ12側とホイールシリンダ18b,18c側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させることができる。なお、この液圧差の最大値は、リリーフ弁34を構成するばね34aの付勢力に基づく値となる。また、第1液圧回路15には、リザーバ23とポンプ21との間からマスタシリンダ12側に向けて分岐された分岐液圧路15cが形成されると共に、この分岐液圧路15c上には常閉型の電磁弁36が接続されている。
同様に、第2液圧回路16において各経路16a,16bに分岐された部位よりもマスタシリンダ12側には、常開型の比例電磁弁37が接続されると共に、この比例電磁弁37と並列関係をなすリリーフ弁38が接続されている。そして、比例電磁弁37とリリーフ弁38とにより比例差圧弁39が構成されている。比例差圧弁39は、ECU19による制御に基づき、比例差圧弁39よりもマスタシリンダ12側とホイールシリンダ18a,18d側とで液圧差(ブレーキ液圧の差)を発生させることができる。なお、この液圧差の最大値は、リリーフ弁38を構成するばね38aの付勢力に基づく値となる。また、第2液圧回路16には、リザーバ24とポンプ22との間からマスタシリンダ12側に向けて分岐された分岐液圧路16cが形成されると共に、この分岐液圧路16c上には常閉型の電磁弁40が接続されている。
ここで、上記各電磁弁25〜32のソレノイドコイルが通電状態にある場合及び非通電状態にある場合における各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧の変化について説明する。なお、以下の説明においては、各比例電磁弁33,37が閉じ状態であると共に、分岐液圧路15c,16c上の電磁弁36,40が開き状態であるものとする。
まず、各電磁弁25〜32のソレノイドコイルが全て非通電状態にある場合には、常開型の電磁弁25〜28は開き状態のままであると共に、常閉型の電磁弁29〜32は閉じ状態のままである。そのため、上記ポンプ21,22が駆動している場合には、リザーバ23,24内のブレーキ液が各経路15a,15b,16a,16bを介して各ホイールシリンダ18a〜18d内に流入し、各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧は上昇することになる。
一方、各電磁弁25〜32のうち常開型の電磁弁25〜28のソレノイドコイルのみが通電状態(即ち、パルス電圧が印加された状態)にある場合には、全ての電磁弁25〜32が閉じ状態となる。そのため、各経路15a,15b,16a,16bを介したブレーキ液の流動が規制される結果、各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧はその液圧レベルが保持されることになる。
そして、各電磁弁25〜32のソレノイドコイルが全て通電状態にある場合には、常開型の電磁弁25〜28が閉じ状態となると共に、常閉型の電磁弁29〜32が開き状態となる。そのため、各ホイールシリンダ18a〜18d内からブレーキ液が各経路15a,15b,16a,16bを介してリザーバ23,24へと流出し、各ホイールシリンダ18a〜18d内のブレーキ液圧は降下することになる。
ECU19は、CPU50、ROM(図示略)及びRAM(図示略)などを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路とを主体として構成されている。ROMには、モータM、各電磁弁25〜32,36,40、及び比例電磁弁33,37を個別に制御するための各種の制御プログラム、及び各種閾値(後述する第1電圧閾値、第2電圧閾値など)が記憶されている。また、RAMには、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報(後述する初動時間タイマ、ソレノイドリレーショート判定タイマなど)がそれぞれ記憶されるようになっている。
また、ECU19の入力側インターフェース(図示略)には、上記ブレーキスイッチSW1、及び各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE1,SE2,SE3,SE4がそれぞれ接続されている。また、入力側インターフェースには、車両のエンジンを駆動させる場合に操作されるエンジン点火スイッチ(イグニッションスイッチ)SW2が接続されている。すなわち、ECU19は、各スイッチSW1,SW2及び車輪速度センサSE1〜SE4からの各信号を受信するようになっている。
一方、ECU19の出力側インターフェース(図示略)には、各ポンプ21,22を駆動させるためのモータM、各電磁弁25〜32,36,40、及び比例電磁弁33,37が接続されている。また、出力側インターフェースには、車両用制動装置11(電気回路51)が異常状態であると診断された場合に点灯する警報ランプLPが接続されている。そして、ECU19は、上記スイッチSW1及び各センサSE1〜SE4からの入力信号に基づき、モータM、各電磁弁25〜32,36,40、比例電磁弁33,37及び警報ランプLPの動作を個別に制御するようになっている。なお、本実施形態では、警報ランプLPは、車両用制動装置11が正常に動作する場合においても、エンジン点火スイッチSW2がオフ状態からオン状態に操作されてから予め設定された初動確認時間Ts(例えば、1.5秒)が経過するまでの間、点灯している(図11参照)。
次に、本実施形態のECU19内に設けられた駆動回路(電気回路)のうち、常開型の電磁弁25〜28及び常閉型の電磁弁29〜32を駆動させるための電気回路を、図2に基づき以下説明する。なお、図2には、左前輪用経路15aの電磁弁25,29を各別に駆動させるための電気回路51が図示されており、他の経路15b,16a,16bの電磁弁26〜28,30〜32を駆動させるための各電気回路も、図2に示す電気回路51とそれぞれ略同一構成であるものとする。
図2に示すように、電気回路51には、車両の電源52から各電磁弁25,29のソレノイド25a,29aへの電流供給をオン状態である場合には許可する一方でオフ状態である場合には禁止するFET(Field Effect Transistor)等からなるスイッチング手段としての第1スイッチング素子(「ソレノイドリレー」ともいう。)53が設けられている。この第1スイッチング素子53は、CPU50から信号が入力された場合にオン状態になる一方、CPU50から信号が入力されない場合にオフ状態になるスイッチング素子である。
また、電気回路51において、第1スイッチング素子53よりも下流側であって且つソレノイド25aよりも上流側には、該ソレノイド25aに加わる電圧を検出するための電圧検出手段としての電圧モニタ54が設けられている。この電圧モニタ54には、ソレノイド25aに加わる電圧を分圧するための抵抗(例えば、「30KΩ」の抵抗)54a及び抵抗(例えば、「10KΩ」の抵抗)54bが設けられ、該抵抗54bは、車体グランドBGNDに接続されている。そのため、CPU50には、実際にソレノイド25aに加わっている電圧から「4分の1」に分圧された電圧(モニタ電圧Vm)に対応する入力信号が入力される。
さらに、電気回路51において、第1スイッチング素子53よりも下流側であって且つソレノイド25aよりも上流側には、一端(上流端)が第1スイッチング素子53とソレノイド25aとの間に接続され、他端(下流端)が車体グランドBGNDに接続されるコンデンサ(例えば、アルミ電解コンデンサ)55が設けられている。そのため、第1スイッチング素子53のスイッチング動作(オン・オフ動作)に基づき発生するノイズ(所謂ラジオノイズ)は、このコンデンサ55によって良好に低減される。なお、本実施形態では、コンデンサ55は、アルミ電解コンデンサに限らず、セラミックコンデンサなどであってもよい。
また、電気回路51において、電磁弁29のソレノイド29aよりも下流側には、該ソレノイド29aに印加される電圧を制御するための第1駆動回路56が設けられている。この第1駆動回路56には、CPU50から信号を入力した場合にはオン状態になる一方で、CPU50から信号が入力されない場合にはオフ状態になるFET等からなる第2スイッチング素子56aが設けられている。すなわち、電磁弁29は、第1スイッチング素子53及び第2スイッチング素子56aが共にオン状態である場合に、駆動して開き状態になるようになっている。
また、電気回路51には、電磁弁25のソレノイド25aと並列状態で、ダイオード57が設けられ、該ダイオード57は、そのカソードが電源52側に接続されている。そして、ソレノイド25a(及びダイオード57)の下流側には、該ソレノイド25aに印加されるパルス電圧を制御するための生成手段としての第2駆動回路58が設けられている。この第2駆動回路58には、CPU50から信号を入力した場合にはオン状態になる一方で、CPU50から信号が入力されない場合にはオフ状態になるFET等からなる第3スイッチング素子58aが設けられている。また、電気回路51において、第2駆動回路58の下流側には、電磁弁25のソレノイド25aに供給された電流を検出するための電流検出手段としての電流モニタ59が設けられている。
次に、本実施形態のECU19が車両用制動装置11を駆動させる場合に実行する制動力制御処理ルーチンについて図3及び図4に示すフローチャートと図11に示すタイミングチャートとに基づき以下説明する。なお、この制動力制御処理ルーチンでは、4個(N個)の電磁弁(第1電磁弁)25〜28のうち1個(M個)の電磁弁25を駆動させるための電気回路51について、電磁弁25を正常に動作させ得る状態であるか否かの診断が行われる。
さて、ECU19は、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)に制動力制御処理ルーチンを実行する。そして、この制動力制御処理ルーチンにおいて、ECU19は、ソレノイドリレーショートフラグSSFLGが「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS10)。このソレノイドリレーショートフラグSSFLGは、電気回路51上の第1スイッチング素子53がショートした異常状態であると診断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS10の判定結果が否定判定(SSFLG=「ON」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS13に移行する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定判定(SSFLG=「OFF」)である場合、ECU19は、ソレノイドリレー断線フラグSBFLGが「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS11)。このソレノイドリレー断線フラグSBFLGは、電気回路51上の第1スイッチング素子53が断線した異常状態であると診断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS11の判定結果が否定判定(SBFLG=「ON」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS13に移行する。
一方、ステップS11の判定結果が肯定判定(SBFLG=「OFF」)である場合、ECU19は、コンデンサ異常フラグCFLGが「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS12)。このコンデンサ異常フラグCFLGは、電気回路51上のコンデンサ55が断線した異常状態であると診断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS12の判定結果が否定判定(CFLG=「ON」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS17に移行する。
ステップS13において、ECU19は、ステップS10,S11の各判定処理のうち少なくとも1つの判定処理の判定結果が否定判定である場合、第1スイッチング素子53が異常状態であると診断する。そして、ECU19は、後述するステップS27のABS(アンチロックブレーキ)制御処理により、ABS制御が実行されている場合、該ABS制御を停止させる。続いて、ECU19は、電磁弁29の駆動を停止させるために、第2スイッチング素子56aをオフ状態にする(ステップS14)。そして、ECU19は、電磁弁25の駆動を停止させるために、第3スイッチング素子58aをオフ状態にし(ステップS15)、第1スイッチング素子53をオフ状態にする(ステップS16)。その後、ECU19は、その処理を後述するステップS17に移行する。
ステップS17において、ECU19は、警報ランプLPを点灯させる。すなわち、ECU19は、第1スイッチング素子53が異常状態であったり、コンデンサ55が異常状態であったりした場合には、この異常状態を報知するために警報ランプLPを点灯させる。したがって、この点で、本実施形態では、ECU19が、車両用制動装置11の異常診断装置として機能する。その後、ECU19は、制動力制御処理ルーチンを終了する。なお、第1スイッチング素子53が正常状態であってコンデンサ55のみが異常状態である場合には、警報ランプLPは点灯させるものの、車両用制動装置11によるABS制御の実行を許容する。
その一方で、ステップS12の判定結果が肯定判定(CFLG=「OFF」)である場合、ECU19は、図5及び図6にて詳述するソレノイドリレー駆動制御処理を実行し(ステップS18)、図7にて詳述するソレノイドリレーショート判定処理を実行する(ステップS19)。続いて、ECU19は、図8にて詳述するソレノイドリレー断線判定処理を実行し(ステップS20)、図9にて詳述するコンデンサ異常判定処理を実行する(ステップS21)。
そして、ECU19は、各車輪速度センサSE1〜SE4からの各入力信号に基づき、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度をそれぞれ演算する(ステップS22)。続いて、ECU19は、ステップS22の演算にて検出された各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度をそれぞれ微分することにより、各車輪FR,FL,RR,RLの車輪加速度をそれぞれ演算する(ステップS23)。そして、ECU19は、ステップS22の演算にて検出された各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度に基づき、車両の車体速度(推定車体速度)を演算する(ステップS24)。
続いて、ECU19は、初動確認タイマT1が初動確認時間Ts(例えば、1.5秒)以上になったか否かを判定する(ステップS25)。この初動確認時間Tsは、エンジン点火スイッチSW2がオン状態になってから車両用制動装置11の動作確認が一通り完了するまでにかかる時間よりも僅かに長く設定された時間である。また、初動確認タイマT1は、エンジン点火スイッチSW2がオフ状態からオン状態になったときからの経過時間のことを示している。
そして、ステップS25の判定結果が肯定判定(T1≧Ts)である場合、ECU19は、警報ランプLPを消灯させる(ステップS26)。すなわち、図11に示すように、警報ランプLPは、エンジン点火スイッチSW2がオフ状態からオン状態に操作されてから初動確認時間Tsを経過した場合に、消灯する。
そして、ECU19は、ABS制御処理を実行する(ステップS27)。このABS制御処理は、車両に急制動を付与する際に、各車輪FR,FL,RR,RLのロックを抑制することにより、車両の操舵性を確保する制動制御であって、運転手によるブレーキペダル20の踏込み操作力が大きかった場合に実行される。そして、ECU19は、図10にて詳述するソレノイド制御処理を実行し(ステップS28)、その後、制動力制御処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS25の判定結果が否定判定(T1<Ts)である場合、ECU19は、初動確認タイマT1を更新(即ち、「0.01」秒を加算)する(ステップS29)。続いて、ECU19は、警報ランプLPを点灯させ(ステップS30)、車両用制動装置11によるABS制御の実行を禁止させる(ステップS31)。すなわち、警報ランプLPの点灯中に、ABS制御が実行されることはない。その後、ECU19は、制動力制御処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS17のソレノイドリレー駆動制御処理(ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチン)について、図5及び図6に示すフローチャート、及び図11に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンにおいて、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1が「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS40)。このソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1は、後述するソレノイドリレー断線判定処理(図8参照)にて第1スイッチング素子53が断線していないと判断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS40の判定結果が肯定判定(SBFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS43に移行する。
一方、ステップS40の判定結果が否定判定(SBFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2が「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS41)。この第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2は、後述する第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1が「ON」にセットされている状態で、後述するソレノイドリレーショート判定処理(図7参照)にて第1スイッチング素子53がショートしていないと判断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS41の判定結果が肯定判定(SSFLG2=「OFF」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS43に移行する。
一方、ステップS41の判定結果が否定判定(SSFLG2=「ON」)である場合、ECU19は、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1が「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS42)。このコンデンサ異常判定完了フラグCFLG1は、後述するコンデンサ異常判定処理(図9参照)にてコンデンサ55が断線していない、及び、コンデンサ55に規定容量の電荷が貯留されていると判断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS42の判定結果が肯定判定(CFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS43に移行する。
ステップS43において、ECU19は、第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1が「ON」にセットされているか否かを判定する。この第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1は、後述するソレノイドリレーショート判定処理(図7参照)にてエンジン点火スイッチSW2がオフ状態からオン状態になった直後に、第1スイッチング素子53がショートしていないと判断された場合に「ON」にセットされるフラグである。そして、ステップS43の判定結果が否定判定(SSFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53をオフ状態(即ち、電源52からソレノイド25aへの電流供給を停止させた状態)にし(ステップS44)、ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを終了する。すなわち、図11に示すように、第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1が「OFF」にセットされている場合、車両用制動装置11がABS制御中である場合を除いて、第1スイッチング素子53がオン状態になることはない。
一方、ステップS43の判定結果が肯定判定(SSFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1が「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS45)。この判定結果が否定判定(SBFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS48に移行する。一方、ステップS45の判定結果が肯定判定(SBFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2が「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS46)。この判定結果が否定判定(SSFLG2=「ON」)である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53をオフ状態にし(ステップS44)、ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS46の判定結果が肯定判定(SSFLG2=「OFF」)である場合、ECU19は、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1が「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS47)。この判定結果が肯定判定(CFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS48に移行する。
そして、ステップS48において、ECU19は、第1スイッチング素子53をオン状態にし、ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを終了する。一方、ステップS47の判定結果が否定判定(CFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53をオフ状態にし(ステップS44)、ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを終了する。
その一方で、ステップS42の判定結果が否定判定(CFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、上記ステップS27のABS制御処理の実行により、車両用制動装置11がABS制御中であるか否かを判定する(ステップS49)。この判定結果が肯定判定である場合、ECU19は、間隔時間計測タイマT2をリセット(即ち、T2を「0(零)」にセット)し(ステップS50)、その処理を後述するステップS57に移行する。なお、間隔時間計測タイマT2は、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2、及びコンデンサ異常判定完了フラグCFLG1がそれぞれ「ON」にセットされた状態において、第1スイッチング素子53がオン状態になってからの経過時間を示している。
一方、ステップS49の判定結果が否定判定である場合、ECU19は、間隔時間計測タイマT2が予め設定されたソレノイドリレーチェック間隔時間KT1以上であるか否かを判定する(ステップS51)。このソレノイドリレーチェック間隔時間KT1は、定期的に第1スイッチング素子53及びコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断できるように設定された時間である。すなわち、本実施形態では、車両用制動装置11がABS制御中ではない場合(即ち、各電磁弁25〜32が未駆動状態である場合)、第1スイッチング素子53及びコンデンサ55が異常状態であるか否かの診断が、予め設定された所定周期毎(ソレノイドリレーチェック間隔時間KT1毎に)に実行されるようになっている。そして、ステップS51の判定結果が否定判定(T2<KT1)である場合、ECU19は、間隔時間計測タイマT2を更新(即ち、「0.01」秒を加算)し(ステップS52)、その処理を後述するステップS57に移行する。
一方、ステップS51の判定結果が肯定判定(T2≧KT1)である場合、ECU19は、間隔時間計測タイマT2をリセット(即ち、T2を「0(零)」にセット)し(ステップS53)、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1を「OFF」にセットする(ステップS54)。続いて、ECU19は、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2を「OFF」にセットし(ステップS55)、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1を「OFF」にセットし(ステップS56)、その後、その処理を後述するステップS57に移行する。
そして、ステップS57において、ECU19は、第1スイッチング素子53をオン状態にし、その後、ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを終了する。すなわち、図11に示すように、第1スイッチング素子53がオン状態になってからソレノイドリレーチェック間隔時間KT1が経過した場合は、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2、及びコンデンサ異常判定完了フラグCFLG1をそれぞれ「OFF」にセットする。そして、第1スイッチング素子53がショートしているか否か、第1スイッチング素子53が断線しているか否か、及び、コンデンサ55が異常状態であるか(即ち、コンデンサ55が断線しているか否か、及び、コンデンサ55に貯留された電荷量が規定容量を満たしていないか)が、再びそれぞれ診断される。
次に、上記ステップS18のソレノイドリレーショート判定処理(ソレノイドリレーショート判定処理ルーチン)について、図7に示すフローチャート、及び図11に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、ソレノイドリレーショート判定処理ルーチンにおいて、ECU19は、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2が「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS60)。この判定結果が否定判定(SSFLG2=「ON」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS71に移行する。一方、ステップS60の判定結果が肯定判定(SSFLG2=「OFF」)である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53がオフ状態であるか否かを判定する(ステップS61)。すなわち、ステップS61では、電磁弁25のソレノイド25aに電源52から電流が供給されない状態であるか否かを判定する。そして、ステップS61の判定結果が否定判定である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS71に移行する。
一方、ステップS61の判定結果が肯定判定である場合、ECU19は、電圧モニタ54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが、予め設定された異常判定電圧閾値及び初期異常判定電圧閾値としての第1電圧閾値KVd(例えば「1.5V」)以上であるか否かを判定する(ステップS62)。この第1電圧閾値KVdは、第1スイッチング素子53がショートしているか否かを診断するための値であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。
そして、ステップS62の判定結果が否定判定(Vm<KVd)である場合、ECU19は、第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1が「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS63)。この判定結果が否定判定(SSFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1を「ON」にセットし(ステップS64)、その処理を後述するステップS71に移行する。すなわち、図11に示すように、エンジン点火スイッチSW2がオフ状態からオン状態になると共に、第1スイッチング素子53が未だオフ状態であるときに、第1スイッチング素子53がショートしていない状態であると診断される。そして、第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1が「ON」にセットされる。
一方、ステップS63の判定結果が肯定判定(SSFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2を「ON」にセットし(ステップS65)、その処理を後述するステップS71に移行する。すなわち、図11に示すように、後述するソレノイドリレーショート判定タイマT3がショート判定時間KTb以下である場合において、モニタ電圧Vmが第1電圧閾値KVd未満になったときに、第1スイッチング素子53がショートしていない状態であると診断される。その結果、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2が「ON」にセットされる。なお、前述したソレノイドリレーショート判定タイマT3は、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2が「OFF」である状態において、第1スイッチング素子53がオン状態からオフ状態になった直後から計測される時間を示している。
一方、ステップS62の判定結果が肯定判定(Vm≧KVd)である場合、ECU19は、ソレノイドリレーショート判定タイマT3が予め設定されたショート判定時間KTbを超えているか否かを判定する(ステップS67)。このショート判定時間KTbは、図11に示すように、第1スイッチング素子53がショートしているか否かを判断するための時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。そして、ステップS67の判定結果が肯定判定(T3>KTb)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS70に移行する。
一方、ステップS67の判定結果が否定判定(T3≦KTb)である場合、ECU19は、ソレノイドリレーショート判定タイマT3を更新(即ち、「0.01」秒を加算)する(ステップS68)。続いて、ECU19は、電気回路51が異常状態であるか否かを診断するための電磁弁25におけるソレノイド25aの駆動制御を実行させるための実行フラグSCFLGを「ON」にセットし(ステップS69)、ソレノイドリレーショート判定処理ルーチンを終了する。
すなわち、図11に示すように、実行フラグSCFLGが「ON」にセットされると、第3スイッチング素子58aのスイッチング動作(所謂デューティ制御)が実行される。その結果、コンデンサ55に残存する電荷が速やかに放電されるため、電圧モニタ54からの入力信号に基づき検出されるモニタ電圧Vmは、速やかに低下していく。
ステップS70において、ECU19は、上述したソレノイドリレーショートフラグSSFLGを「ON」にセットする。そして、ECU19は、その処理を後述するステップS71に移行する。すなわち、エンジン点火スイッチSW2が「ON」にセットされてから第1スイッチング素子53がオフ状態である場合において、モニタ電圧Vmが第1電圧閾値KVd以上であるときは、第1スイッチング素子53がショートした異常状態であると診断される。また、第1ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG1が「ON」にセットされた状態であっても、ソレノイドリレーショート判定タイマT3がショート判定時間KTbを超えてもモニタ電圧Vmが第1電圧閾値KVd以上である場合は、第1スイッチング素子53がショートした異常状態であると診断される。
ステップS71において、ECU19は、ソレノイドリレーショート判定タイマT3をリセット(即ち、T3を「0(零)」にセット)する。続いて、ECU19は、実行フラグSCFLGを「OFF」にセットし(ステップS72)、その後、ソレノイドリレーショート判定処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS19のソレノイドリレー断線判定処理(ソレノイドリレー断線判定処理ルーチン)について、図8に示すフローチャート、及び図11に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、ソレノイドリレー断線判定処理ルーチンにおいて、ECU19は、第1スイッチング素子53がオン状態であるか否かを判定する(ステップS80)。この判定結果が否定判定である場合、ECU19は、電磁弁25のソレノイド25aに電源52から電流供給ができない状態であると判断し、その処理を後述するステップS86に移行する。
一方、ステップS80の判定結果が肯定判定である場合、ECU19は、電圧モニタ54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが予め設定された断線判定用電圧閾値としての第2電圧閾値KVf(例えば「2V」)未満であるか否かを判定する(ステップS81)。この判定結果が否定判定(Vm≧KVf)である場合、ECU19は、図11に示すように、第1スイッチング素子53が断線しているか否かを診断するために、ソレノイドリレー断線判定タイマT4の計測が開始されてから断線判定時間KTeが経過する前に、モニタ電圧Vmが第2電圧閾値KVf以上になったと判断する。そして、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1を「ON」にセットし(ステップS82)、その処理を後述するステップS86に移行する。
一方、ステップS81の判定結果が肯定判定(Vm<KVf)である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53が断線しているか否かを判断する際に計測されるソレノイドリレー断線判定タイマT4が予め設定された断線判定時間KTeを超えたか否かを判定する(ステップS83)。この断線判定時間KTeは、第1スイッチング素子53が断線しているか否かを判断するための時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。また、断線判定時間KTeは、第1スイッチング素子53のオン状態が継続される間の時間Tonよりも短い時間に設定される。そして、ステップS83の判定結果が否定判定(T4≦KTe)である場合、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定タイマT4を更新(即ち、「0.01」秒を加算)し(ステップS84)、その後、ソレノイドリレー断線判定処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS83の判定結果が肯定判定(T4>KTe)である場合、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定タイマT4が断線判定時間KTeを経過しても、モニタ電圧Vmが第2電圧閾値KVf以上にならなかったと判断し、ソレノイドリレー断線フラグSBFLGを「ON」にセットする(ステップS85)。すなわち、ECU19は、第1スイッチング素子53が断線した異常状態であると診断する。そして、ECU19は、その処理を後述するステップS86に移行する。
ステップS86において、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定タイマT4をリセット(即ち、T4を「0(零)」にセット)し、その後、ソレノイドリレー断線判定処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS20のコンデンサ異常判定処理(コンデンサ異常判定処理ルーチン)について、図9に示すフローチャート、及び図11に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、コンデンサ異常判定処理ルーチンにおいて、ECU19は、コンデンサ異常フラグCFLGが「OFF」であるか否かを判定する(ステップS90)。この判定結果が否定判定(CFLG=「ON」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS98に移行する。一方、ステップS90の判定結果が肯定判定(CFLG=「OFF」)である場合、ECU19は、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1が「ON」であるか否かを判定する(ステップS91)。この判定結果が否定判定(SBFLG1=「OFF」)である場合、ECU19は、その処理を後述するステップS98に移行する。
一方、ステップS91の判定結果が肯定判定(SBFLG1=「ON」)である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53がオフ状態であるか否かを判定する(ステップS92)。この判定結果が否定判定である場合、ECU19は、電磁弁25のソレノイド25aに電源52から電流供給が可能な状態であると判断し、その処理を後述するステップS98に移行する。一方、ステップS92の判定結果が肯定判定である場合、ECU19は、コンデンサ異常判定タイマT5が、ショート判定時間KTbよりも短い時間に設定されたコンデンサ異常判定時間KTc以下であるか否かを判定する(ステップS93)。このコンデンサ異常判定時間KTcは、第1スイッチング素子53がオフ状態になってから、コンデンサ55が断線しているか否か、又は、コンデンサ55に貯留されている電荷量がコンデンサ55の規定容量を満たしていないか否かを判断するための時間であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。また、コンデンサ異常判定タイマT5は、第1スイッチング素子53がオフ状態になってからの経過時間のことを示している。そして、ステップS93の判定結果が否定判定(T5>KTc)である場合、ECU19は、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1を「ON」にセットする(ステップS94)。
もし仮にコンデンサ55が断線していたとすると、このコンデンサ55には、第1スイッチング素子53がオン状態であった場合にほとんど充電されないため、第1スイッチング素子53がオフ状態になったと同時に、モニタ電圧Vmは、略「0(零)V」になる。しかしながら、図11に示すように、コンデンサ55が断線していない際には、第1スイッチング素子53がオン状態である間に電荷がコンデンサ55に十分に溜まる。そのため、第1スイッチング素子53がオフ状態になり、コンデンサ異常判定タイマT5がコンデンサ異常判定時間KTcを超えても、第1電圧閾値KVdよりも大きいモニタ電圧Vmが検出される。したがって、コンデンサ55が正常に機能していると判断され、その結果、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1は、「ON」にセットされる。
また、コンデンサ55が断線していなくても、コンデンサ55に貯留されている電荷量がコンデンサ55の規定容量を満たしていない場合には、第1スイッチング素子53がオフ状態になると、モニタ電圧Vmは、速やかに略「0(零)V」になる。しかしながら、コンデンサ55に規定容量の電荷が充電(貯留)されている場合には、第1スイッチング素子53がオフ状態になり、コンデンサ異常判定タイマT5がコンデンサ異常判定時間KTcを超えても、第1電圧閾値KVdよりも大きいモニタ電圧Vmが検出される。そのため、コンデンサ55が正常に機能していると判断され、その結果、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1は、「ON」にセットされる。
一方、ステップS93の判定結果が肯定判定(T5≦KTc)である場合、ECU19は、電圧モニタ54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが第1電圧閾値KVd未満であるか否かを判定する(ステップS95)。この判定結果が否定判定(Vm≧KVd)である場合、ECU19は、コンデンサ異常判定タイマT5を更新(即ち、T5に「0.01」秒を加算)し(ステップS96)、コンデンサ異常判定処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS95の判定結果が肯定判定(Vm<KVd)である場合、ECU19は、コンデンサ異常フラグCFLGを「ON」にセットする(ステップS97)。すなわち、ECU19は、コンデンサ異常判定タイマT5がコンデンサ異常判定時間KTcを超える前に、モニタ電圧Vmが第1電圧閾値KVd未満になった場合には、コンデンサ55が断線した異常状態であると診断する。そして、ECU19は、その処理を後述するステップS98に移行する。
ステップS98において、ECU19は、コンデンサ異常判定タイマT5をリセット(即ち、T5を「0(零)」にセット)し、コンデンサ異常判定処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS25のソレノイド制御処理(ソレノイド制御処理ルーチン)について、図10に示すフローチャート、及び図11に示すタイミングチャートに基づき以下説明する。
さて、ソレノイド制御処理ルーチンにおいて、ECU19は、上記ステップS24のABS制御処理に基づいて、車両用制動装置11がABS制御中であるか否かを判定する(ステップS100)。この判定結果が肯定判定である場合、ECU19は、ABS制御の制御内容に応じて電磁弁25を駆動させるべく、第3スイッチング素子58aのスイッチング動作を制御する(ステップS101)。この場合、電磁弁25のソレノイド25aには、電磁弁25が駆動するのに十分な電流が供給される程度のパルス電圧が印加される。そして、ECU19は、ソレノイド制御処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS100の判定結果が否定判定である場合、ECU19は、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断するための電磁弁25におけるソレノイド25aの駆動制御を実行させるための実行フラグSCFLGが「ON」であるか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が否定判定(SCFLG=「OFF」)である場合、ECU19は、図11に示すように、第3スイッチング素子58aをオフ状態にし(ステップS103)、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断するための電磁弁25におけるソレノイド25aの駆動制御の実行を停止させる(ステップS104)。そして、ECU19は、ソレノイド制御処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS102の判定結果が肯定判定(SCFLG=「ON」)である場合、ECU19は、電磁弁25のソレノイド25aに印加するパルス電圧のデューティ比(duty比)を設定する(ステップS105)。すなわち、ECU19は、第1スイッチング素子53がオフ状態になってからの経過時間(ソレノイドリレーショート判定タイマT3)がショート判定時間KTbを超える前に、モニタ電圧Vmが第1電圧閾値KVd未満となると共に、電磁弁25が駆動しないように、パルス電圧のデューティ比を設定する。そのため、このデューティ比は、電圧モニタ54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが大きいほど、大きな値に設定される。
なお、ステップS105では、以下に示すような方法でデューティ比を設定するようにしてもよい。すなわち、ECU19は、電流モニタ59からの信号に基づいて、電磁弁25のソレノイド25aに供給されている電流の値(電流値)を算出(検出)する。そして、ECU19は、算出した電流値が、電磁弁25が丁度駆動しない程度の値となるように、パルス電圧のデューティ比を設定するようにしてもよい。この場合、ABS制御の実行などによりソレノイド25aが発熱してしまったことに起因して、ソレノイド25aの抵抗値がばらついてしまった場合においても、そのばらつきを良好に吸収することが可能である。
そして、ECU19は、ステップS105にて設定されたデューティ比のパルス電圧が電磁弁25のソレノイド25aに印加されるように、第3スイッチング素子58aのスイッチング動作を制御する(ステップS106)。すなわち、ECU19は、電気回路51が異常状態であるか否かを診断するための電磁弁25におけるソレノイド25aの駆動制御を実行し、その後、ソレノイド制御処理ルーチンを終了する。すると、図11に示すように、電磁弁25のソレノイド25aにパルス電圧が印加されることにより、モニタ電圧Vmは、警報ランプLPが点灯している間に、第1電圧閾値KVd未満になる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)電磁弁25のソレノイド25aに電圧が印加されることにより、コンデンサ55には、電荷が蓄えられる。この状態で、第1スイッチング素子(スイッチング手段)53をオフ状態にして第2駆動回路(生成手段)58の第3スイッチング素子58aをスイッチング駆動させることにより、ソレノイド25aにはパルス電圧が印加され、その結果、コンデンサ55の電荷の放電が速やかに実行される。そのため、電磁弁25のソレノイド25aに対する電圧印加が停止された場合に、電気回路51にプルダウン用の抵抗やスイッチを別途設ける場合とは異なり、装置(電気回路51)自体を大型化させることなく、該ソレノイド25aに加わる電圧(モニタ電圧Vm)を速やかに低下させることができる。
(2)また、第1スイッチング素子(スイッチング手段)53がオフ状態になってからショート判定時間KTbが経過した後に電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが、第1電圧閾値(異常判定電圧閾値)KVd以上であった場合には、第1スイッチング素子53がショートしてしまったと診断する。したがって、第1スイッチング素子53が異常状態であると速やかに診断できる。
(3)コンデンサ55が断線されているか否か、又は、コンデンサ55に貯留されていた電荷量が該コンデンサ55の規定容量未満であるか否かの診断を、第1スイッチング素子(スイッチング手段)53が断線していない場合にのみ実行することができる。
(4)第1スイッチング素子53がオフ状態になってからコンデンサ異常判定時間KTcが経過した後に電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが、第1電圧閾値(異常判定電圧閾値)KVd未満であった場合には、コンデンサ55が異常状態であるものと診断する。すなわち、コンデンサ55が断線された状態にある、又は、コンデンサ55に貯留されていた電荷量が該コンデンサ55の規定容量未満であると診断する。したがって、本実施形態では、第1スイッチング素子(スイッチング手段)53がショートしてしまったか否かを診断するときと同時に、コンデンサ55が異常状態であるか否かを診断することができる。
(5)第1スイッチング素子53が正常に動作している状態で、エンジン点火スイッチSW2がオフ状態からオン状態になった場合において、第1スイッチング素子53がオフ状態であったときに、電磁弁25のソレノイド25aには電圧が印加されていない。そのため、この状態で電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが第1電圧閾値(初期異常判定電圧閾値)KVd以上であった場合には、第1スイッチング素子53がショートしてしまっていると診断することができる。すなわち、車両の駆動開始とほぼ同時に、第1スイッチング素子53が異常状態であるか否かを診断することができる。
(6)第1スイッチング素子53が正常に動作している状態で、該第1スイッチング素子53がオン状態になった場合には、電磁弁25のソレノイド25aに印加される電圧は速やかに上昇することになる。そのため、第1スイッチング素子53がオン状態になってから断線判定時間KTeを経過しても、電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが第2電圧閾値(断線判定電圧閾値)KVf未満であった場合には、第1スイッチング素子53が断線していると診断することができる。
(7)電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmに応じたデューティ比のパルス電圧が設定されるようになっている。そのため、第1スイッチング素子53が正常に動作している場合には、第1スイッチング素子53がオフ状態になってからショート判定時間KTbが経過する前に、電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmを確実に第1電圧閾値(異常判定電圧閾値)KVd未満にすることができる。したがって、第1スイッチング素子53が正常であるにも関わらず、第1スイッチング素子53が異常状態であると誤って診断されてしまうことを回避できる。
(8)また、電流モニタ59からの信号に基づき検出される電流値が、電磁弁25が駆動しない程度の値となるように、パルス電圧のデューティ比を設定した場合には、ソレノイド25aの抵抗値がばらついてしまった場合においても、そのばらつきを良好に吸収することができる。なお、ソレノイド25aの抵抗値は、該ソレノイド25aの温度によって変動がある。
(9)電圧モニタ(電圧検出手段)54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmが第1電圧閾値(異常判定電圧閾値)KVd未満になるまで、第2駆動回路(生成手段)58の第3スイッチング素子58aによってパルス電圧が生成される。そのため、コンデンサ55に残存する電荷の速やかな放電に寄与することができる。
(10)第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断する場合に、第1電磁弁である電磁弁25が動作してしまう可能性はあるものの、第2電磁弁である電磁弁29が動作することはない。そのため、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断する場合に、ホイールシリンダ18b内のブレーキ液(液体)の流出が抑制され、左前輪FLに付与される制動力の低下を抑制できる。
(11)4個(N個)の第1電磁弁である電磁弁25〜28のうち1個(M個)の電磁弁25のソレノイド25aにパルス電圧を印加する異常診断方法において、電磁弁25が駆動してしまった場合は、該電磁弁25に対応する左前輪FLに対して適切な制動力が付与されないおそれがある。しかし、残りの3個の電磁弁26〜28は、駆動していないため、当該残りの電磁弁26〜28に対応する車輪FR,RR,RLには、適切な制動力がそれぞれ付与されている。そのため、車両に対する制動力不足に起因した車両の予期せぬ移動の発生を抑制できる。
(12)本実施形態では、ソレノイドリレー断線判定完了フラグSBFLG1、コンデンサ異常判定完了フラグCFLG1、第2ソレノイドリレーショート判定完了フラグSSFLG2が全て「ON」に設定された場合であっても、第1スイッチング素子53がオン状態になってからソレノイドリレーチェック間隔時間KT1が経過すると、各フラグSBFLG1,CFLG1,SSFLG2が「OFF」にセットされる。そして、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かの診断が再び実行される。そのため、車両の駆動中に第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態になってしまった場合であっても、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であることを検出することができる。また、その第1スイッチング素子53やコンデンサ55の異常状態を警報ランプLPの点灯によって、車両の運転手に速やかに報知できる。
(13)また、本実施形態では、コンデンサ55に残存する電荷を放電させるために、プルダウン用の抵抗を電気回路51に設けていない。そのため、車両の駆動中にコンデンサ55に蓄えられた電荷の一部がプルダウン用の抵抗側に移動することがない。そのため、車両用制動装置11における消費電流(消費電力)の増加を抑制できる。
(12)さらに、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断する際に、電磁弁25の駆動はほとんどみられないため、電磁弁25の駆動に基づき発生する異音の発生を抑制できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、電磁弁25を駆動させるための電気回路は、図12に示す電気回路51Aであってもよい。すなわち、第3スイッチング素子58aが第1スイッチング素子53よりも下流側に配置され(図12では、コンデンサ55や電圧モニタ54の接続点よりも下流側に配置され)、電磁弁25のソレノイド25aが、第3スイッチング素子58aや電流モニタ59よりも下流側に配置されるような電気回路51Aであってもよい。
・実施形態において、4個の第1電磁弁である電磁弁25〜28のうち、2個又は3個の電磁弁について、それぞれを駆動させる構成で第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断するようにしてもよい。
・実施形態において、第2電磁弁である電磁弁29〜32についても、第1電磁弁である電磁弁25〜28と同様に、パルス電圧が印加されることにより駆動するような構成の電磁弁であってもよい。
・実施形態において、第3スイッチング素子58aや電磁弁25のソレノイド25aが異常状態であるか否かの診断を行うようにしてもよい。すなわち、この場合は、電流モニタ59からの信号に基づきソレノイド25aに供給されている電流値を算出し、該算出した電流値が予め設定された所定電流値以下であるときに、第3スイッチング素子58a及びソレノイド25aのうち少なくとも一方が断線していると診断する。
・また、上記のような第3スイッチング素子の異常状態の診断は、その際に駆動させる電磁弁(ソレノイド)を順番に変更して各ソレノイドに対応した第3スイッチング素子の異常状態の診断を所定周期毎に実行するようにしてもよい。具体的には、まず始めに左前輪FL用の電磁弁25のソレノイド25aに対応する第3スイッチング素子58aが異常状態であるか否かの診断を行い、続いて、右後輪RR用の電磁弁26のソレノイドに対応する第3スイッチング素子58aが異常状態であるか否かの診断を行う。その次に、右前輪FR用の電磁弁27のソレノイドに対応する第3スイッチング素子58aが異常状態であるか否かの診断を行い、最後に、左後輪RL用の電磁弁28のソレノイドに対応する第3スイッチング素子58aが異常状態であるか否かの診断を行うようにしてもよい。この場合、全ての車輪FR,FL,RR,RLに対応する第3スイッチング素子58aが異常状態であるか否かの診断を定期的に行うことができる。
・実施形態において、コンデンサ55に残存する電荷を放電させる場合には、予め設定されたデューティ比のパルス電圧が電磁弁25のソレノイド25aに印加されるようにしてもよい。このように構成した場合、電圧モニタ54からの入力信号に基づき検出したモニタ電圧Vmに応じたデューティ比のパルス電圧が生成されるように第2駆動回路58の第3スイッチング素子58aが制御される場合とは異なり、デューティ比の設定を行う必要がない分、ECU19の制御負荷の増大を良好に抑制できる。
・実施形態において、第1スイッチング素子53が断線しているか否かの診断を行わなくてもよい。
・実施形態では、初期異常判定電圧閾値は、異常判定電圧閾値(第1電圧閾値KVf)と同じ値に設定されているが、異常判定電圧閾値とは異なる値(≠KVf)に設定されてもよい。
・実施形態において、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かの診断は、エンジン点火スイッチSW2がオン状態になった直後(即ち、警報ランプLPが点灯している間)にのみ実行するようにしてもよい。すなわち、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かの診断を定期的に実行しなくてもよい。
・実施形態では、第1スイッチング素子53やコンデンサ55が異常状態であるか否かを診断する場合、電磁弁25のソレノイド25aには、電磁弁25が駆動しない程度の電流が供給されるように設定されたパルス電圧が印加される。しかし、電磁弁25のソレノイド25aには、電磁弁25が駆動してしまう程度の電流が供給されるように設定されたパルス電圧が印加されるようにしてもよい。この場合において、第2電磁弁である電磁弁29は駆動しないため、左前輪FLに付与される制動力が低下することはない。
・実施形態において、車両用制動装置11は、車両安定性制御(ESC制御)が実行可能な装置や、トラクション制御可能な装置に具体化してもよい。これらの場合、上記ステップS27において、ESC制御処理やトラクション制御処理などが実行されることになる。
本実施形態における車両用制動装置のブロック図。 車両用制動装置の電気回路のブロック図。 制動力制御処理ルーチンを示すフローチャート(前半部分)。 制動力制御処理ルーチンを示すフローチャート(後半部分)。 ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを示すフローチャート(前半部分)。 ソレノイドリレー駆動制御処理ルーチンを示すフローチャート(後半部分)。 ソレノイドリレーショート判定処理ルーチンを示すフローチャート。 ソレノイドリレー断線判定処理ルーチンを示すフローチャート。 コンデンサ異常判定処理ルーチンを示すフローチャート。 ソレノイド制御処理ルーチンを示すフローチャート。 第1スイッチング素子やコンデンサの異常を診断する際のタイミングチャート。 別の実施形態における車両用制動装置の電気回路のブロック図。
符号の説明
11…車両用制動装置、15a,15b,16a,16b…経路(液圧経路)、18a〜18d…ホイールシリンダ、19…ECU(異常診断装置、制御手段)、25〜28…電磁弁(第1電磁弁)、29〜32…電磁弁(第2電磁弁)、25a…ソレノイド、51,51A…電気回路、52…電源、53…第1スイッチング素子、54…電圧モニタ(電圧検出手段)、55…コンデンサ、58…第2駆動回路(生成手段)、59…電流モニタ(電流検出手段)、FR,FL,RR,RL…車輪、KT1…ソレノイドリレーチェック時間、KTb…ショート判定時間、KTc…コンデンサ異常判定時間、KTe…断線判定時間、KVd…第1電圧閾値(異常判定電圧閾値、初期異常判定電圧閾値)、KVf…第2電圧閾値(断線判定電圧閾値)、Vm…モニタ電圧。

Claims (12)

  1. 車両の各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与可能な車両用制動装置(11)に設けられる車両用制動装置(11)の異常診断装置(19)であって、
    前記車両用制動装置(11)には、ソレノイド(25a)にパルス電圧を印加することにより駆動する電磁弁(25)と、該電磁弁(25)のソレノイド(25a)にパルス電圧を印加させるための電気回路(51,51A)と、該電気回路(51,51A)の駆動を制御するための制御手段(19)とが設けられ、
    前記電気回路(51,51A)において、前記ソレノイド(25a)よりも上流側には、電源(52)から前記ソレノイド(25a)への電流の供給をオン状態である場合には許可する一方でオフ状態である場合には禁止するスイッチング手段(53)と、前記ソレノイド(25a)に加わる電圧を検出するための電圧検出手段(54)と、前記スイッチング手段(53)よりも下流側に配置されるコンデンサ(55)とが接続され、前記スイッチング手段(53)よりも下流側には、前記ソレノイド(25a)を駆動させるためにパルス電圧を生成する生成手段(58)が接続されており、
    前記制御手段(19)は、
    前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させるべく前記生成手段(58)にて生成されたパルス電圧を前記ソレノイド(25a)に印加した場合において、前記スイッチング手段(53)がオフ状態になってから予め設定されたショート判定時間(KTb)を経過した後に、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された異常判定電圧閾値(KVd)以上であったときに、前記スイッチング手段(53)が異常状態であると診断する車両用制動装置の異常診断装置。
  2. 前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)がオン状態になってから予め設定された断線判定時間(KTe)を経過した場合において、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された断線判定電圧閾値(KVf)未満であったときに、前記スイッチング手段(53)が異常状態であると診断する請求項1に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  3. 前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にした状態で、前記生成手段(58)にて生成されたパルス電圧を前記ソレノイド(25a)に印加した場合において、前記ショート判定時間(KTb)よりも短い時間に設定されたコンデンサ異常判定時間(KTc)が経過する前に、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が前記異常判定電圧閾値(KVd)未満になったときに、前記コンデンサ(55)が異常状態であると診断する請求項1又は請求項2に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  4. 前記制御手段は、前記スイッチング手段(53)がオン状態になってから予め設定された断線判定時間(KTe)を経過した場合において、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された断線判定電圧閾値(KVf)以上であったときに、前記コンデンサ(55)が異常状態であるか否かの診断を行う請求項3に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  5. 前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、予め設定されたデューティ比のパルス電圧が生成されるように前記生成手段(58)を制御する請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  6. 前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)に応じたデューティ比のパルス電圧が生成されるように前記生成手段(58)を制御する請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  7. 前記電気回路(51,51A)には、前記ソレノイド(25a)に供給された電流を検出するための電流検出手段(59)が設けられ、該電流検出手段(59)は、前記スイッチング手段(53)よりも下流側に配置されており、
    前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、前記電流検出手段(59)によって検出される電流が、前記電磁弁(25)の未駆動状態が維持される大きさとなるように、パルス電圧のデューティ比を可変に設定し、該設定されたデューティ比のパルス電圧が生成されるように前記生成手段(58)を制御する請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  8. 前記制御手段(19)は、前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させる場合、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が前記異常判定電圧閾値(KVd)未満になるまで、パルス電圧を生成するように前記生成手段(58)を制御する請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  9. 前記車両用制動装置(11)には、前記車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(18a,18b,18c,18d)内に液体を各別に供給するための液圧経路(15a,15b,16a,16b)が設けられ、該各液圧経路(15a,15b,16a,16b)には、駆動することにより前記ホイールシリンダ(18a,18b,18c,18d)内への液体の供給を禁止する第1電磁弁(25,26,27,28)と、駆動することにより前記ホイールシリンダ(18a,18b,18c,18d)内からの液体の流出を許可する第2電磁弁(29,30,31,32)とがそれぞれ設けられており、
    前記各第1電磁弁(25,26,27,28)は、それらのソレノイド(25a)に前記電気回路(51,51A)からパルス電圧が印加された場合に、駆動するようにそれぞれ構成されている請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  10. 前記車両には、N個(Nは2以上の正数)の車輪(FR,FL,RR,RL)が設けられており、
    前記制御手段(19)は、前記各第1電磁弁(25,26,27,28)のうちM個(Mは1以上であって且つNよりも小さい正数)の第1電磁弁(25)に対応する前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させるべく、パルス信号を生成させるように前記生成手段(54)を制御する請求項9に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  11. 前記制御手段(19)は、前記電磁弁(25,26,27,28,29,30,31,32)が未駆動である場合、予め設定された所定周期毎に、前記スイッチング手段(53)が異常状態であるか否かの診断を行う請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の車両用制動装置の異常診断装置。
  12. 車両の各車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与可能な車両用制動装置の異常診断方法であって、
    前記車両用制動装置(11)には、ソレノイド(25a)にパルス電圧を印加することにより駆動する電磁弁(25)と、該電磁弁(25)のソレノイド(25a)にパルス電圧を印加させるための電気回路(51,51A)とが設けられ、
    前記電気回路(51,51A)において、前記ソレノイド(25a)よりも上流側には、電源(52)から前記ソレノイド(25a)への電流の供給をオン状態である場合には許可する一方でオフ状態である場合には禁止するスイッチング手段(53)と、前記ソレノイド(25a)に加わる電圧を検出するための電圧検出手段(54)と、前記スイッチング手段(53)よりも下流側に配置されるコンデンサ(55)とが接続され、前記スイッチング手段(53)よりも下流側には、前記ソレノイド(25a)を駆動させるためにパルス電圧を生成する生成手段(58)が接続されており、
    前記スイッチング手段(53)をオフ状態にして前記コンデンサ(55)に残存する電荷を放電させるべく前記生成手段(58)にて生成されたパルス電圧を前記ソレノイド(25a)に印加した場合において、前記スイッチング手段(53)がオフ状態になってから予め設定されたショート判定時間(KTb)を経過した後に、前記電圧検出手段(54)によって検出された電圧(Vm)が予め設定された異常判定電圧閾値(KVd)以上であったときに、前記スイッチング手段(53)が異常状態であると診断するようにした車両用制動装置の異常診断方法。
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