JP2008049784A - 車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法 - Google Patents

車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各車輪のうち一部の車輪に対して制動力が付与された状態を自動解除した場合に、運転者にとって予期しない車両の移動が発生することを抑制できる車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法を提供する。
【解決手段】パーキングブレーキ13のパーキングブレーキECU20は、ブレーキペダル33の踏込み操作に基づく踏力に応じた制動力を常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,RLに付与不能である場合、予め定められた所定条件が成立したとしても、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除を禁止する。一方、パーキングブレーキECU20は、ブレーキペダル33の踏込み操作に基づく踏力に応じた制動力を常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,RLに付与可能である場合、所定条件の成立を契機に、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除を許可する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両制動時に車両の各車輪に制動力を付与するための車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法に関する。
一般に、車両には、該車両の車輪に制動力を付与可能な第1制動装置としてのパーキングブレーキと、各車輪に対応するホイールシリンダ内にブレーキ液圧を発生させることにより各車輪に制動力を付与する第2制動装置としての常用ブレーキ(「サービスブレーキ」ともいう。)とが搭載されている。
ここで、常用ブレーキは、運転手によるブレーキペダル(制動力付与手段)の踏力を倍力する倍力装置としてのブースタを備え、該ブースタによって倍力された踏力に応じた制動力を各車輪に付与するようになっている。なお、ブースタとしては、エンジンの駆動により増大した吸気負圧と大気圧との差により、ブレーキペダルに加わる踏力を倍力するものが一般的である。また、パーキングブレーキは、運転者による操作手段の操作があった場合に車輪(例えば後輪)に対して制動力を付与する状態となるものであって、その制動状態は運転者による操作手段の解除操作に基づき解除されるのが一般的であった。
しかしながら、パーキングブレーキの後輪に対する制動状態を解除するために運転者による操作手段の解除操作を必要とする場合には、その操作に費やす手間の分だけ車両を速やかに発進させることができないという問題があった。そこで、従来から、車両の発進時において予め定められた所定条件が成立した場合には、パーキングブレーキの後輪に対する制動状態が自動解除されるように、パーキングブレーキの動作を制御する車両の制動制御装置が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
すなわち、特許文献1に記載の車両の制動制御装置では、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態になると共に、変速機のシフトレンジが走行レンジであることが検出された場合に、パーキングブレーキの後輪に対する制動状態が自動解除されるようになっている。また、特許文献2に記載の車両の制動制御装置では、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態になると共に、ブレーキペダルが操作されたことを検出した場合に、パーキングブレーキの後輪に対する制動状態が自動解除されるようになっている。
そのため、上述した従来の各制動制御装置のうち何れかが搭載された車両においては、パーキングブレーキが後輪に制動力を付与した状態にあって且つ上述した所定条件が成立した場合には、そのパーキングブレーキの後輪に対する制動状態が自動解除されることになる。したがって、運転者は、停止している車両を発進させる時にパーキングブレーキの解除操作をする必要がないので、車両を速やかに発進させることが可能になる。
実公昭50−18270号公報 実公平4−33177号公報
ところで、上述した従来の各制動制御装置のうち何れかが搭載された車両においては、イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態になったからといって、エンジンが必ずしも駆動しているとは限らない。すなわち、イグニッションスイッチを急操作した場合には、該スイッチがオン状態になってもエンジンが駆動していない場合もあり得る。このような場合には、上述した所定条件の成立に起因してパーキングブレーキの後輪に対する制動状態が自動解除されても、車両を走行させることができないため、常用ブレーキによって車両の停止状態を維持する必要がある。
しかしながら、常用ブレーキのブースタがエンジンの駆動に基づいてブレーキペダルに加わる踏力を倍力させるべく駆動するものであった場合、エンジンが駆動していない状態では、ブレーキペダルの踏込み操作を行っても常用ブレーキは各車輪に十分な制動力を付与できない。特に坂路などの斜面上に車両が停止していた場合には、常用ブレーキだけでは車両の停止状態が維持できずに、斜面下側への予期しない車両の移動が発生してしまうおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の車輪に第1制動装置によって制動力が付与された状態を自動解除した場合に、運転者にとって予期しない車両の移動が発生することを抑制できる車両の制動制御装置、及び車両の制動制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、車両の制動制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、操作手段(SW1)が操作された場合に車両の車輪に制動力を付与可能な第1制動装置(13)と、制動力付与手段(33)が操作された場合に車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に液体を各別に供給することにより前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能となる第2制動装置(14)とを備えた車両に搭載される車両の制動制御装置(11)であって、前記第1制動装置(13)の前記車輪に対する制動状態の自動解除を実行可能な自動解除手段(19)と、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与不能である場合には、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する自動解除禁止手段(20、S21)とを備えたことを要旨とする。
一般に、第1制動装置によって車輪に対して制動力が付与された状態で、第2制動装置が運転手による制動力付与手段の操作量に応じた制動力を各車輪に付与不能である場合には、車両を停止させるために必要な制動力を第2制動装置が各車輪に付与できないおそれがある。そのため、本発明では、この場合は、第1制動装置の車輪に対する制動状態を自動解除手段によって自動解除させることを禁止する。したがって、車両の車輪に第1制動装置によって制動力が付与された状態を自動解除した場合に、運転者にとって予期しない車両の移動が発生することを抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の制動制御装置において、前記第2制動装置(14)には、前記制動力付与手段(33)の操作力を倍力する倍力装置(26)が設けられており、前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記倍力装置(26)が未駆動状態である場合に、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止することを要旨とする。
一般に、倍力装置が未駆動状態である場合、第2制動装置は、各車輪に対して運転手による制動力付与手段の操作量に対応した制動力を各車輪に付与できない。そのため、この状態で第1制動装置の車輪に対する制動状態が自動解除された場合、予期しない車両の移動が発生するおそれがある。この点、本発明では、倍力装置が駆動しない場合には、第1制動装置の車輪に対する制動状態の自動解除を禁止する。したがって、倍力装置が未駆動である状態で、第1制動装置の車輪に対する制動状態が自動解除される場合とは異なり、車両の予期しない移動が発生することが良好に抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置において、前記第2制動装置(14)には、その内部を流動する液体の不足を検出するための液体不足検出手段(32)が設けられており、前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記液体不足検出手段(32)からの入力信号に基づき前記第2制動装置(14)内の液体不足が検出された場合に、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止することを要旨とする。
上記構成では、第2制動装置内の液体が不足している場合には、第2制動装置が運転手による制動力付与手段の操作量に応じた制動力を各車輪に付与不能となるおそれがあるため、第1制動装置の車輪に対する制動状態の自動解除を禁止させる。したがって、第2制動装置内の液体が不足している状態で、第1制動装置の車輪に対する制動状態が自動解除される場合とは異なり、車両の予期しない移動が発生することが良好に抑制される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置において、前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する場合、前記第1制動装置(13)の前記車輪に対する制動状態が自動解除されない旨を車両に設けられた報知手段(LP3)によって報知させるべく、該報知手段(LP3)に報知指令のための制御信号を出力することを要旨とする。
上記構成では、第1制動装置の車輪に対する制動状態の自動解除が許可されない旨を報知手段に報知させることにより、運転手に対して第2制動装置に異常が発生したことを認識させることが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置において、車両が停止した路面の斜度(R)を演算する路面斜度演算手段(20、S17)をさらに備え、前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記路面斜度演算手段(20、S17)によって演算された前記斜度(R)の絶対値が予め設定された斜度閾値(KR)以上である場合に、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止することを禁止することを要旨とする。
上記構成では、車両が坂路上に停止している状態で、第2制動装置が運転手による制動力付与手段の操作量に応じた制動力を各車輪に付与不能である場合には、第1制動装置の車輪に対する制動状態の自動解除が禁止される。したがって、車両が坂路上に停車している際に、第2制動装置が運転手による制動力付与手段の操作量に応じた制動力を各車輪に付与不能状態で、第1制動装置の車輪に対する制動状態が自動解除される場合とは異なり、斜面下側への予期しない車両の移動を良好に抑制することが可能になる。
請求項6に記載の発明は、オフ状態からオン状態に操作された場合に、車両に搭載されたバッテリ(B)から車両の電気系統(15,17,20,32)への電力供給を許容する電力供給スイッチ(SW5)と、該電力供給スイッチ(SW5)と一連の動作で操作されるエンジン点火スイッチ(SW4)と、該エンジン点火スイッチ(SW4)がオフ状態からオン状態になるように操作された場合に駆動を開始するエンジン(12)と、操作手段(SW1)が操作された場合に車両の車輪に制動力を付与可能な第1制動装置(13)と、制動力付与手段(33)が操作された場合に車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に液体を各別に供給することにより前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能となる第2制動装置(14)とを備えた車両に搭載される車両の制動制御装置であって、前記第1制動装置(13)の前記車輪に対する制動状態の自動解除を実行可能な自動解除手段(19)と、前記エンジン点火スイッチ(SW4)がオン状態からオフ状態になった場合に、前記車輪に対して制動力を自動に付与させるように前記第1制動装置(13)を駆動させる制動力自動付与手段(20)と、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能であるか否かを判定する制動力付与判定手段(20,S16,S19)と、前記電力供給スイッチ(SW5)がオン状態である場合において、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能であると前記制動力付与判定手段(20,S16,S19)が判定したときには、前記自動解除手段(19)の実行動作を許可する一方、前記電力供給スイッチ(SW5)がオン状態である場合において、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与不能であると前記制動力付与判定手段(20,S16,S19)が判定したときには、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する制御手段(20)とを備えたことを要旨とする。
一般に、第1制動装置によって車輪に対して制動力が付与された状態で、第2制動装置が運転手による制動力付与手段の操作量に応じた制動力を各車輪に付与不能である場合には、車両を停止させるために必要な制動力を第2制動装置が各車輪に付与できないおそれがある。そのため、本発明では、この場合は、第1制動装置の車輪に対する制動状態を自動解除手段によって自動解除させることを禁止する。そのため、車両の車輪に第1制動装置によって制動力が付与された状態を自動解除した場合に、運転者にとって予期しない車両の移動が発生することが抑制される。また、電力供給スイッチがオン状態であると共に、エンジン点火スイッチがオン状態からオフ状態になった場合には、車輪に対して制動力が自動に付与されるように第1制動装置が駆動する。そのため、エンジン停止時には、運転手による特別な操作を行うことなく、第1制動装置によって車輪に制動力を付与させることが可能になる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車両の制動制御装置において、前記第2制動装置(14)には、前記制動力付与手段(33)の操作力を前記エンジン(12)のインテークマニホールド(12a)に発生する負圧に基づき倍力する倍力装置(26)が設けられており、前記第2制動装置(14)は、前記制動力付与手段(33)の操作力を前記倍力装置(26)によって倍力し、該倍力された操作力に対応した液圧を車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に供給することにより、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されており、前記制動力付与判定手段(20,S16,S19)は、前記エンジン(12)が駆動している場合を、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能であると判定することを要旨とする。
上記構成では、エンジンが未駆動である場合には、インテークマニホールドに負圧が発生しないことに起因して倍力装置が駆動しないため、エンジン点火スイッチがオン状態であったとしても、第1制動装置の車輪に対する制動状態の自動解除が禁止される。そのため、エンジンの未駆動時に第1制動装置の車輪に対する制動状態が自動解除される場合とは異なり、斜面下側への予期しない車両の移動を良好に抑制することが可能になる。
一方、車両の制動制御方法にかかる請求項8に記載の発明は、操作手段(SW1)が操作された場合に車両の各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち一部の車輪(RR,RL)又は全ての車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与可能な第1制動装置(13)と、制動力付与手段(33)が操作された場合に車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に液体を各別に供給することにより前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能となる第2制動装置(13)とを備えた車両における車両の制動制御方法であって、前記第1制動装置(13)の前記一部の車輪(RR,RL)又は全ての車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動状態の自動解除を、予め定められた所定条件が成立した場合において、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能である場合には許可する一方で、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与不能である場合には禁止するようにしたことを要旨とする。
上記構成では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏し得る。
以下、本発明における車両の制動制御装置及び車両の制動制御方法を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両の制動制御装置11は、複数(本実施形態では4つ)ある車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)のうち、前輪FR,FLが駆動輪として機能する車両(いわゆる前輪駆動車)に搭載されている。この車両には、駆動源としてのエンジン12の駆動力を前輪FR,FLに伝達するための図示しない駆動力伝達機構と、前輪FR,FLを転舵輪(操舵輪)として転舵させるための図示しない前輪転舵機構とが設けられている。また、車両には、各車輪FR,FL,RR,RLのうち後輪(一部の車輪)RR,RLに対して制動力を付与可能な第1制動装置としてのパーキングブレーキ13と、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与可能な第2制動装置としての常用ブレーキ14とが設けられている。
さらに、車両には、エンジン12の駆動力に応じて発電する図示しない発電機と、該発電機が発電した電力を充電するバッテリBとが設けられている。そして、このバッテリBからは、電力供給スイッチSW5がオフ状態からオン状態になるように操作された場合、車両の電気系統である各電子制御装置15,17,20,32などに対して電力が供給されるようになっている。
エンジン12には、該エンジン12用の電子制御装置(以下、「エンジンECU」という。)15が電気的に接続されている。そして、このエンジンECU15は、エンジン点火スイッチSW4がオフ状態からオン状態になった場合に、エンジン12の駆動を開始させる一方、エンジン点火スイッチSW4がオン状態からオフ状態になった場合に、エンジン12の駆動を停止させるべく、エンジン12の駆動制御を行っている。また、エンジンECU15は、車両の運転手による図示しないアクセルペダルの操作具合などに応じてエンジン12の駆動状態を制御するようになっている。なお、エンジン点火スイッチSW4及び電力供給スイッチSW5は、運転手による一連の操作でそれぞれオフ状態からオン状態になるように、それぞれ構成されている。
駆動力伝達機構には、エンジン12の出力軸に接続されたトランスミッション(本実施形態では、自動変速機)16と、該トランスミッション16に電気的に接続されたトランスミッション16用の電子制御装置(以下、「トランスミッションECU」という。)17とが設けられている。このトランスミッションECU17は、運転手によるシフト操作、及び運転手による上記アクセルペダルやブレーキペダル33の操作などに応じて、トランスミッション16を制御している。なお、本実施形態のトランスミッション16は、パーキングレンジと走行レンジとを有している。
パーキングブレーキ13には、後輪RR,RLに各別に当接することにより該後輪RR,RLに制動力を付与可能な制動部材18と、後輪RR,RLと当接する当接位置と後輪RR,RLから離間する離間位置との二位置間で各制動部材18を移動させるための自動解除手段としての移動装置(例えば、直流モータ)19とが設けられている。また、パーキングブレーキ13には、移動装置19を制御するための制御手段としてのパーキングブレーキ13用の電子制御装置(以下、「パーキングブレーキECU」という。)20が設けられている。
パーキングブレーキECU20は、エンジンECU15と、トランスミッションECU17と、後述する常用ブレーキECU32とバス21を介して情報の送受信が可能な状態で接続されている。そして、パーキングブレーキECU20は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU、ROM及びRAMなどを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。
パーキングブレーキECU20の入力側インターフェースには、車両の車体加速度を検出するための車体加速度センサSE1と、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLへの制動力の付与及び付与の解除を運転手の操作によって決定するための操作手段としてのパーキングブレーキスイッチSW1とが接続されている。また、入力側インターフェースには、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態(制動状態)の自動解除の許可及び禁止を設定するための自動解除スイッチSW2が接続されている。なお、本実施形態では、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が許可された状態のことを「自動解除許可モード」という一方、禁止された状態のことを「自動解除禁止モード」というものとする。
パーキングブレーキECU20の出力側インターフェースには、上記移動装置19と、自動解除許可モードに設定されている場合に点灯する自動解除モードランプLP1と、パーキングブレーキ13によって後輪RR,RLに制動力が付与されている場合に点灯するパーキングランプLP2とが接続されている。また、出力側インターフェースには、常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,RLに適切な制動力を付与不能な状態である場合に点灯する報知手段としての異常ランプLP3が接続されている。
パーキングブレーキECU20のROMには、パーキングブレーキ13を制御するための制御プログラム、及び各種閾値(後述する斜度閾値など)が記憶されている。また、RAMには、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報がそれぞれ記憶されるようになっている。そして、パーキングブレーキECU20は、車体加速度センサSE1、各種スイッチSW1,SW2、及び他のECU15,17,32から受信した情報に基づいてパーキングブレーキ13の駆動を制御するようになっている。
具体的には、パーキングブレーキECU20は、エンジンECU15からエンジン点火スイッチSW4がオン状態からオフ状態になった旨の情報を受信した場合、エンジン12の駆動が停止されたものと判断し、後輪RR,RLに制動力を付与させるために移動装置19を駆動させるようになっている。したがって、本実施形態では、パーキングブレーキECU20が、エンジン点火スイッチSW4がオン状態からオフ状態になった場合に、後輪RR,RLに対して制動力を自動に付与させるように移動装置19(パーキングブレーキ13)を駆動させる制動力自動付与手段として機能するようになっている。
次に、本実施形態の常用ブレーキ14について以下説明する。
図2に示すように、常用ブレーキ14には、マスタシリンダ25及び倍力装置としてのブースタ26を有する液圧発生装置27と、2つの液圧回路28,29を有する液圧制御装置(図2では二点鎖線で示す。)30とが設けられている。ブースタ26は、エンジン12のインテークマニホールド12aに接続され、該インテークマニホールド12aには、その内部に発生する負圧を検出するための負圧センサSE2が設けられている。そして、ブースタ26は、インテークマニホールド12a内に発生する負圧と大気圧との圧力差を利用するようになっている。すなわち、本実施形態のブースタ26は、エンジン12が駆動している場合にのみ駆動するブースタである。
また、各液圧回路28,29は、液圧発生装置27に接続されると共に、各車輪FR,FL,RR,RLに対応して設けられたホイールシリンダ31a,31b,31c,31dに接続されている。さらに、常用ブレーキ14には、液圧制御装置30を制御するための常用ブレーキ14用の電子制御装置(以下、「常用ブレーキECU」という。)32が設けられている。
液圧制御装置30には、制動力付与手段としてのブレーキペダル33が設けられている。そして、このブレーキペダル33が車両の運転者によって踏込み操作された場合に、該踏込み操作に基づく運転手の踏力がブースタ26によって倍力され、該倍力された踏力に基づいて液圧制御装置30のマスタシリンダ25が駆動するようになっている。また、マスタシリンダ25には、2つの出力ポート25a,25bが設けられている。そして、出力ポート25aには、第1液圧回路28が接続されると共に、出力ポート25bには、第2液圧回路29が接続されている。また、液圧制御装置30には、常用ブレーキECU32に電気的に接続されたブレーキスイッチSW3が設けられ、該ブレーキスイッチSW3からは、ブレーキペダル33の操作状況に応じた信号が常用ブレーキECU32に出力されている。
第1液圧回路28には、右前輪FRに対応するホイールシリンダ31aに接続されるホイールシリンダ31a用(右前輪FR用)の右前輪用経路28aと、左前輪FLに対応するホイールシリンダ31bに接続されるホイールシリンダ31b用(左前輪FL用)の左前輪用経路28bとが形成されている。そして、これら各経路28a,28b上には、常開型の電磁弁34,35と常閉型の電磁弁38,39とがそれぞれ設けられている。
同様に、第2液圧回路29には、右後輪RRに対応するホイールシリンダ31cに接続されるホイールシリンダ31c用(右後輪RR用)の右後輪用経路29aと、左後輪RLに対応するホイールシリンダ31dに接続されるホイールシリンダ31d用(左後輪RL用)の左後輪用経路29bとが形成されている。そして、これら各経路29a,29b上には、常開型の電磁弁36,37と常閉型の電磁弁40,41とがそれぞれ設けられている。
ここで、上記各電磁弁34〜41のソレノイドコイルが通電状態にある場合及び非通電状態にある場合の各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧の変化について説明する。
まず、各電磁弁34〜41のソレノイドコイルが全て非通電状態にある場合には、常開型の電磁弁34〜37は開き状態のままであると共に、常閉型の電磁弁38〜41は閉じ状態のままである。そのため、マスタシリンダ25から液体としてのブレーキ液が各経路28a,28b,29a,29bを介して各ホイールシリンダ31a〜31d内に流入し、各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧は上昇することになる。
一方、各電磁弁34〜41のうち常開型の電磁弁34〜37のソレノイドコイルのみが通電状態にある場合には、全ての電磁弁34〜41が閉じ状態となる。そのため、各経路28a,28b,29a,29bを介したブレーキ液の流動が規制される結果、各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧はその液圧レベルが保持されることになる。
そして、各電磁弁34〜41のソレノイドコイルが全て通電状態にある場合には、常開型の電磁弁34〜37が閉じ状態となると共に、常閉型の電磁弁38〜41が開き状態となる。そのため、各ホイールシリンダ31a〜31d内からブレーキ液が各経路28a,28b,29a,29bを介して各ホイールシリンダ31a〜31d外へと流出し、各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧は降下することになる。
また、各液圧回路28,29上には、各ホイールシリンダ31a〜31d側から流動してきたブレーキ液が貯留されるリザーバ42,43がそれぞれ設けられると共に、各液圧回路28,29においてリザーバ42,43とマスタシリンダ25との間には、ポンプ44,45がそれぞれ配設されている。液圧制御装置30には、各ポンプ44,45を同時に駆動させるためのモータMが設けられている。そして、モータMが駆動した場合、各ポンプ44,45は、リザーバ42,43内のブレーキ液を吸入してマスタシリンダ25側へ排出するようになっている。なお、各液圧回路28,29には、マスタシリンダ25内のブレーキ液圧を検出するための液圧センサPS1,PS2が設けられ、該各液圧センサPS1,PS2からは、マスタシリンダ25内のブレーキ液圧に対応した大きさの信号が常用ブレーキECU32に出力されている。
常用ブレーキECU32は、入力側インターフェース(図示略)と、出力側インターフェース(図示略)と、CPU、ROM及びRAMなどを備えたデジタルコンピュータと、各装置を駆動させるための駆動回路(図示略)とを主体として構成されている。常用ブレーキECU32の入力側インターフェースには、ブレーキスイッチSW3と、負圧センサSE2と、各液圧センサPS1,PS2と、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度を検出するための車輪速度センサSE3,SE4,SE5,SE6とがそれぞれ接続されている。また、常用ブレーキECU32の出力側インターフェースには、各ポンプ44,45を駆動させるためのモータM及び各電磁弁34〜41が接続されている。
常用ブレーキECU32のROMには、液圧制御装置30(モータM及び各電磁弁34〜41の駆動)を制御するための制御プログラム、及び各種設定値などが記憶されている。また、RAMには、車両の駆動中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶されるようになっている。そして、常用ブレーキECU32は、上記スイッチSW3及び各種センサPS1,PS2,SE2〜SE6からの入力信号に基づき、モータM及び各電磁弁34〜41の動作を個別に制御するようになっている。
また、常用ブレーキECU32は、上記スイッチSW3及び各種センサPS1,PS2,SE2〜SE6からの入力信号に基づく情報を他のECU15,17,20にバス21を介して送信するようになっている。具体的には、常用ブレーキECU32は、負圧センサSE2からの入力信号に基づきインテークマニホールド12a内に発生した圧力(負圧)を演算により検出する。そして、常用ブレーキECU32は、検出した圧力が大気圧よりも低い負圧であった場合には、エンジン12及びブースタ26が駆動しているものと判断し、その旨の情報をパーキングブレーキECU20にバス21を介して送信するようになっている。
また、常用ブレーキECU32は、ブレーキペダル33の踏込み操作が行われていない状態で、各液圧センサPS1,PS2からの入力信号に基づきマスタシリンダ25内のブレーキ液圧(「マスタシリンダ圧」ともいう。)を演算により検出する。そして、常用ブレーキECU32は、検出したマスタシリンダ圧が予め設定された液圧閾値未満であるか否かを判定する。この液圧閾値は、マスタシリンダ25を含んだ常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足しているか否かを判断するための値であって、予め実験やシミュレーションなどによって設定される。そして、常用ブレーキECU32は、マスタシリンダ圧が液圧閾値未満であった場合、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足していると判断し、ブレーキ液が不足している旨の情報をパーキングブレーキECU20にバス21を介して送信するようになっている。したがって、本実施形態では、常用ブレーキECU32が、常用ブレーキ14内のブレーキ液(液体)の不足を検出するための液体不足検出手段として機能するようになっている。
次に、パーキングブレーキ13のパーキングブレーキECU20が実行するパーキングブレーキ解除実行処理ルーチンについて図3及び図4に示すフローチャートに基づき以下説明する。このパーキングブレーキ解除実行処理ルーチンでは、パーキングブレーキ13が後輪RR,RLに制動力を付与したロック状態で、予め定められた所定条件(本実施形態では、トランスミッション16のシフトレンジが走行レンジであると共に、エンジン点火スイッチSW4がオン状態)の成立を契機に、後輪RR,RLのロック状態を自動解除させる。
さて、パーキングブレーキECU20は、常時、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)にパーキングブレーキ解除実行処理ルーチンを実行する。そして、パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンにおいて、パーキングブレーキECU20は、自動解除スイッチSW2が「ON」であるか否かを判定する(ステップS10)。この判定結果が肯定判定(SW2=「ON」)である場合、パーキングブレーキECU20は、自動解除許可モードであると判断し、自動解除モードランプLP1を点灯させ(ステップS11)、パーキングフラグPflgが「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS12)。このパーキングフラグPflgは、パーキングブレーキ13によって後輪RR、RLに制動力が付与されたロック状態である場合に「ON」にセットされるフラグである。
ステップS12の判定結果が否定判定(Pflg=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、トランスミッションECU17から受信した情報に基づき、トランスミッション16のシフトレンジがパーキングレンジであるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS25に移行する。一方、ステップS13の判定結果が否定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS32に移行する。
一方、ステップS12の判定結果が肯定判定(Pflg=「ON」)である場合、パーキングブレーキECU20は、トランスミッションECU17から受信した情報に基づき、トランスミッション16のシフトレンジが走行レンジであるか否かを判定する(ステップS14)。この判定結果が否定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS32に移行する。一方、ステップS14の判定結果が肯定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、車両のエンジン点火スイッチSW4がオン状態(=「ON」)であるか否かを判定する(ステップS15)。この判定結果が否定判定(スイッチ=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS32に移行する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定判定(スイッチ=「ON」)である場合、即ち予め定められた所定条件が成立している場合、パーキングブレーキECU20は、エンジン12が駆動中であるか否かを判定する(ステップS16)。すなわち、パーキングブレーキECU20は、常用ブレーキECU32からエンジン12(及びブースタ26)が駆動している旨の情報を受信したか否かを判定する。そして、ステップS16の判定結果が否定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、エンジン12(及びブースタ26)が駆動していないものと判断し、車体加速度センサSE1からの入力信号に基づき車両の車体加速度を演算により検出し、該検出した車体加速度に基づいて車両が停止している路面の斜度Rを検出する(ステップS17)。この点で、本実施形態では、パーキングブレーキECU20が、路面斜度演算手段としても機能する。
続いて、パーキングブレーキECU20は、ステップS17にて検出した斜度Rの絶対値が予め設定された斜度閾値KRよりも大きいか否かを判定する(ステップS18)。この斜度閾値KRは、斜面下側への予期せぬ移動が発生し得る斜度を有する路面上に車両が停止しているか否かを判断するための値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS18の判定結果が否定判定(Rの絶対値≦KR)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS29に移行する。一方、ステップS18の判定結果が肯定判定(Rの絶対値>KR)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS21に移行する。
一方、ステップS16の判定結果が肯定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、エンジン12(及びブースタ26)が駆動しているものと判断し、液圧制御装置30内においてブレーキ液が不足しているか否かを判定する(ステップS19)。すなわち、パーキングブレーキECU20は、常用ブレーキECU32から常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足している旨の情報を受信したか否かを判定する。したがって、本実施形態では、パーキングブレーキECU20が、常用ブレーキ14がブレーキペダル33にかかる踏力に応じた制動力を各車輪FR,FL,RR,RLに付与可能であるか否かを判定する制動力付与判定手段として機能する。
そして、ステップS19の判定結果が肯定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足しているものと判断し、異常ランプLP3を点灯させる(ステップS20)。すなわち、パーキングブレーキECU20は、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足している場合、運転手によるブレーキペダル33の踏込み操作に基づく踏力(操作力)に応じた制動力を各車輪FR,FL,RR,RLに常用ブレーキ14が付与できない異常状態であると判断する。そして、パーキングブレーキECU20は、常用ブレーキ14が異常状態である旨を車両の車室内に設けられた異常ランプLP3によって点灯(報知)させるべく、該異常ランプLP3に報知指令のための制御信号を出力する。その後、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS21に移行する。
そして、ステップS21において、パーキングブレーキECU20は、パーキングブレーキ13の自動解除が禁止された旨を運転手に対して報知するために、パーキングランプLP2を点滅させ、その後、パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンを終了する。すなわち、パーキングブレーキECU20は、所定条件(即ち、トランスミッション16のシフトレンジが走行レンジであると共に、エンジン点火スイッチSW4がオン状態)が成立した状態であっても、ブレーキペダル33にかかる踏力に応じた適切な制動力が各車輪FR,FL,RR,RLに付与不能である場合には、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除を禁止する。したがって、この点で、本実施形態では、パーキングブレーキECU20が、自動解除禁止手段として機能すると共に、パーキングブレーキECU20と移動装置19とを備えたパーキングブレーキ13が、車両の制動制御装置11を構成している。なお、以降の記載において、ブレーキペダル33にかかる踏力に応じた適切な制動力が各車輪FR,FL,RR,RLに付与不能である状態のことを、「正常制動力付与不能状態」と適宜いうものとする。
一方、ステップS19の判定結果が否定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足していないものと判断し、その処理を後述するステップS29に移行する。
その一方で、上記ステップS10の判定結果が否定判定(SW2=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、自動解除禁止モードであると判断し、自動解除モードランプLP1を消灯させ(ステップS22)、パーキングブレーキスイッチSW1が「ON」であるか否かを判定する(ステップS23)。この判定結果が肯定判定(SW1=「ON」)である場合、パーキングブレーキECU20は、パーキングフラグPflgが「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS24)。この判定結果が肯定判定(Pflg=「ON」)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS32に移行する。一方、ステップS24の判定結果が否定判定(Pflg=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS25に移行する。
ステップS25において、パーキングブレーキECU20は、パーキングブレーキロック制御を実行させる。具体的には、パーキングブレーキECU20は、後輪RR,RLに個別に対応する各制動部材18を離間位置から当接位置にそれぞれ移動させるべく、移動装置19を駆動させる。そして、パーキングブレーキECU20は、パーキングブレーキ13によって後輪RR,RLに制動力が付与されることにより、該後輪RR,RLがロック状態(制動状態)になったか否かを判定する(ステップS26)。すなわち、パーキングブレーキECU20は、各制動部材18が当接位置にそれぞれ移動したか否かを判定する。この判定結果が否定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、ステップS26の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS25の判定処理を繰り返し実行する。一方、ステップS26の判定結果が肯定判定になった場合、パーキングブレーキECU20は、パーキングフラグPflgを「ON」にセットし(ステップS27)、その処理を後述するステップS32に移行する。
その一方で、ステップS23の判定結果が否定判定(SW1=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、パーキングフラグPflgが「OFF」にセットされているか否かを判定する(ステップS28)。この判定結果が肯定判定(Pflg=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS32に移行する。一方、ステップS28の判定結果が否定判定(Pflg=「ON」)である場合、パーキングブレーキECU20は、その処理を後述するステップS29に移行する。
ステップS29において、パーキングブレーキECU20は、パーキングブレーキリリース制御を実行させる。具体的には、パーキングブレーキECU20は、後輪RR,RLに個別に対応する各制動部材18を当接位置から離間位置にそれぞれ移動させるべく、移動装置19を駆動させる。すなわち、本実施形態では、自動解除スイッチSW2が「ON」であると共にパーキングフラグPflgが「ON」である場合において、常用ブレーキ14が異常状態ではないと共に上記所定条件が成立したときに、パーキングブレーキECU20は、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除を許可する。
そして、パーキングブレーキECU20は、各制動部材18を離間位置までそれぞれ移動させることにより、パーキングブレーキ13が各後輪RR,RLに対して制動力を付与しないリリース状態になったか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果が否定判定である場合、パーキングブレーキECU20は、ステップS30の判定結果が肯定判定になるまで該ステップS30の判定処理を繰り返し実行する。そして、ステップS30の判定結果が肯定判定になった場合、パーキングブレーキECU20は、パーキングフラグPflgを「OFF」にセットし(ステップS31)、その処理を後述するステップS32に移行する。
ステップS32において、パーキングブレーキECU20は、パーキングフラグPflgが「ON」であるか否かを判定する。この判定結果が否定判定(Pflg=「OFF」)である場合、パーキングブレーキECU20は、パーキングランプLP2を消灯させ(ステップS33)、その後、パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンを終了する。一方、ステップS32の判定結果が肯定判定(Pflg=「ON」)である場合、パーキングブレーキECU20は、パーキングランプLP2を点灯させ(ステップS34)、その後、パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、パーキングブレーキECU20は、エンジン12が駆動した状態で、アクセルペダルが踏込み操作されたことを検出した場合には、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除を許可する。また、パーキングブレーキECU20は、パーキングフラグPflgを「OFF」にセットすると共に、パーキングランプLP2を消灯させる。また、パーキングブレーキECU20は、異常ランプLP3が点灯していた場合には該異常ランプLP3を消灯させる。
次に、運転手が車両の電力供給スイッチSW5及びエンジン点火スイッチSW4をオフ状態からオン状態にしたときの車両の制動制御方法について以下説明する。なお、斜度閾値KRよりも大きい斜度Rを有する坂路に車両が停車していると共に、自動解除スイッチSW2が「ON」であるものとする。また、電力供給スイッチSW5及びエンジン点火スイッチSW4を運転手が急操作したため、各ECU15,17,20,32にはバッテリBから電力が供給されるものの、エンジン12が駆動しないものとする。
さて、運転手がエンジン点火スイッチSW4(及び電力供給スイッチSW5)を急操作することにより、該スイッチSW4がオフ状態からオン状態に移行する。しかし、運転手によるエンジン点火スイッチSW4の操作が急操作であるため、エンジン12が駆動していない。この状態で、運転手が、エンジン12が駆動していると誤って認識し、車両を発進させるべくトランスミッション16のシフトレンジをパーキングレンジから走行レンジに移行させる。
もし仮にエンジン12が駆動している場合には、自動解除スイッチSW2が「ON」であると共に所定条件が成立したため、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除される。しかしながら、この場合、エンジン12が駆動していないため、自動解除スイッチSW2が「ON」であると共に所定条件が成立したとしても、ブースタ26(エンジン12)の未駆動に起因して常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を適切に付与できない。すなわち、エンジン12が駆動していない状態の常用ブレーキ14では、ブースタ26が駆動しないため、運転手によるブレーキペダル33の踏込み操作に基づく踏力に対応した制動力を各車輪FR,FL,RR,RLに付与できない。
そのため、本実施形態では、エンジン12(及びブースタ26)が未駆動である場合には、所定条件が成立したとしても、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除されない。また、パーキングランプLP2を点滅させることにより、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態であることを運転手に認識させる。すると、運転手は、エンジン12が未駆動であることを初めて認識し、エンジン点火スイッチSW4(及び電力供給スイッチSW5)を再び操作することにより、エンジン12を駆動させる。
そして、エンジン12が駆動し、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足していない場合には、所定条件が成立しているため、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除される。また、点滅していたパーキングランプLP2が消灯する。
その一方、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足していると判断された場合には、パーキングランプLP2が点滅すると共に、異常ランプLP3が点滅する。そして、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除されない。すなわち、常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,FLに適切な制動力を付与できない状態で、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除されない。そのため、運転手にとって予期しない車両の斜面下方への移動が抑制される。
ただし、常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,FLに適切な制動力を付与できない状態であっても、運転手がパーキングブレーキスイッチSW1を「OFF」にセットした場合には、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が解除される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)パーキングブレーキ(第1制動装置)13によって後輪(一部の車輪)RR,RLに対して制動力が付与された状態で、予め定められた所定条件が成立した場合であっても、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態であるときには、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態(制動状態)の自動解除が禁止される。一方、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態でない場合には、所定条件の成立を契機に、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が許可される。したがって、各車輪FR.FL,RR,RLのうち後輪RR,RLに対して制動力が付与されたロック状態を自動解除した場合に、運転者にとって予期しない車両の移動が発生することを抑制できる。
(2)ブースタ(倍力装置)26が未駆動状態である場合、常用ブレーキ(第2制動装置)14は、運転手によるブレーキペダル(制動力付与手段)33の踏力に対応した制動力を各車輪FR.FL,RR,RLに付与できないため、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態であると判断される。そして、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態である場合には、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が禁止される。したがって、ブースタ26の未駆動に起因して、常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,RLに適切な制動力を付与できない状態で、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除されることを回避できる。
(3)ブレーキ液(液体)の液漏れなどに起因して常用ブレーキ(第2制動装置)14内のブレーキ液が不足している場合は、常用ブレーキ14が運転手によるブレーキペダル(制動力付与手段)33の踏力に応じた制動力を各車輪FR.FL,RR,RLに付与不能となるおそれがあるため、常用ブレーキ14が異常状態であると判断される。そして、常用ブレーキ14が異常状態である場合には、所定条件が成立したとしてもパーキングブレーキ(第1制動装置)13の後輪(一部の車輪)RR,RLに対するロック状態(制動状態)の自動解除を禁止させる。したがって、常用ブレーキ14内のブレーキ液不足に起因して、常用ブレーキ14が各車輪FR,FL,RR,RLに適切な制動力を付与できない状態で、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除されることを回避できる。
(4)常用ブレーキ(第2制動装置)14が異常状態(即ち、常用ブレーキ14からブレーキ液が不足している状態)である場合には、異常ランプ(報知手段)LP3を点灯させることにより、常用ブレーキ14が異常状態であることを運転手に認識させることができる。そのため、常用ブレーキ14が異常状態であることを認識した運転手に、適切な処理を行わせることができる。
(5)斜度Rの絶対値が斜度閾値KRよりも大きい坂路上に車両が停止している状態で、常用ブレーキ(第2制動装置)14が正常制動力付与不能状態ではないと共に所定条件が成立した場合に、パーキングブレーキ(第1制動装置)13の後輪(一部の車輪)RR,RLに対するロック状態(制動状態)の自動解除が許可される。すなわち、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態である場合には、所定条件が成立しても、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が禁止される。したがって、車両が坂路上に停車している際において、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態である場合に、パーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が許可される場合とは異なり、斜面下側への予期しない車両の移動を良好に抑制することができる。
(6)本実施形態では、常用ブレーキ14が異常状態であっても、エンジン12が駆動した状態でアクセルペダルが踏込み操作されたことを検出した場合には、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除される。そのため、運転手が車両を速やかに発進させる意志がある場合には、その意志に基づきパーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除を許可し、車両の速やかな発進に貢献できる。
(7)また、自動解除スイッチSW2が「OFF」である場合には、所定条件が成立すると共に、常用ブレーキ14が正常制動力付与不能状態ではない場合であっても、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が許可されない。そのため、運転手の意志に反して、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除されることを回避できる。
(8)エンジン点火スイッチSW4がオン状態からオフ状態になった場合には、後輪RR,RLに対して制動力が自動に付与されるようにパーキングブレーキ(第1制動装置)13が駆動する。そのため、エンジン12停止時には、運転手による特別な操作を行うことなく(即ち、パーキングブレーキスイッチSW1をオフ状態にするべく操作することなく)、パーキングブレーキ13によって後輪RR,RLに制動力を付与させることができる。
(9)電力供給スイッチSW5がオン状態である場合において、エンジン12が未駆動であるときには、ブースタ(倍力装置)26が駆動しないため、エンジン点火スイッチSW4がオン状態であったとしても、パーキングブレーキ(第1制動装置)13の後輪RR,RLに対するロック状態(制動状態)の自動解除が禁止される。そのため、エンジン12の未駆動時にパーキングブレーキ13の後輪RR,RLに対するロック状態が自動解除される場合とは異なり、斜面下側への予期しない車両の移動を良好に抑制できる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・実施形態において、パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンのステップS17,S18を実行しなくてもよい。すなわち、車両が停止している路面の斜度Rに依らず、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除の許可及び禁止を決定するようにしてもよい。
・実施形態において、ブレーキペダル33が運転手に踏込み操作されていない状態における各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧を検出することにより、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足しているか否かを判定するようにしてもよい。また、ブレーキペダル33が運転手に踏込み操作された状態における各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧の上昇具合を検出することにより、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足しているか否かを判定するようにしてもよい。これらの場合、各ホイールシリンダ31a〜31d内のブレーキ液圧を個別に検出するために、各ホイールシリンダ31a〜31dに対応した液圧センサを設けることが望ましい。
・また、リザーバ42,43内に貯留されているブレーキ液の液量を検出することにより、常用ブレーキ14内のブレーキ液が不足しているか否かを判定するようにしてもよい。この場合、各リザーバ42,43内の液量を検出するためのセンサを設けることが望ましい。
・実施形態において、パーキングブレーキ13による後輪RR,RLに対するロック状態の自動解除が許可されない旨の報知は、音声によるものであってもよい。この場合、車室内のスピーカが報知手段として機能することになる。
・実施形態において、エンジン12の駆動に基づき駆動するものではなく、エンジン12とは関係なく駆動する吸引ポンプを備え、該吸引ポンプの駆動に基づいて駆動するブースタを設けてもよい。この場合、吸引ポンプが駆動していない場合は、ブースタが駆動しないため、常用ブレーキ14が異常状態であると判断されることになる。
・実施形態において、予め定められた所定条件として、アクセルペダルの踏込み操作の検出を追加してもよい。
・実施形態において、予め定められた所定条件を、トランスミッション16のシフトレンジが走行レンジであると共に、ブレーキペダル33の踏込み操作が検出された場合に設定してもよい。
・実施形態において、トランスミッション16は、自動変速機ではなく、無段変速機であってもよい。
・実施形態において、パーキングブレーキ13は、全ての車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与できるようなものであってもよいし、前輪FR,FLにのみ制動力を付与できるようなものであってもよい。
・実施形態において、第1液圧回路28には右前輪FR用のホイールシリンダ31aと左後輪RL用のホイールシリンダ31dとが接続されると共に、第2液圧回路29には右後輪RR用のホイールシリンダ31cと左前輪FL用のホイールシリンダ31dとが接続されるような回路構成としてもよい。
・実施形態において、液圧制御装置30を、車両の運転手によるブレーキペダル33の踏込み操作量を電気信号に変換し、該電気信号に基づいた制動力を各車輪FR,FL,RR,RLに付与する所謂ブレーキバイワイヤ(Brake-by-wire )方式のものであってもよい。
本実施形態の制動制御装置が搭載された車両のブロック図。 本実施形態における液圧制御装置のブロック図。 パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンを示すフローチャート(前半部分)。 パーキングブレーキ解除実行処理ルーチンを示すフローチャート(後半部分)。
符号の説明
11…車両の制動制御装置、12…エンジン、12a…インテークマニホールド、13…パーキングブレーキ(第1制動装置)、14…常用ブレーキ(第2制動装置)、15…エンジンECU(電気系統)、17…トランスミッションECU(電気系統)、19…移動装置(自動解除手段)、20…パーキングブレーキECU(自動解除禁止手段、路面斜度演算手段、制動力自動付与手段、制動力付与判定手段、制御手段、電気系統)、26…ブースタ(倍力装置)、31a〜31d…ホイールシリンダ、32…常用ブレーキECU(液体不足検出手段、電気系統)、33…ブレーキペダル(制動力付与手段)、B…バッテリ、FR,FL…前輪、KR…斜度閾値、LP3…異常ランプ(報知手段)、R…斜度、RR,RL…後輪(一部の車輪)、SW1…パーキングブレーキスイッチ(操作手段)、SW4…エンジン点火スイッチ、SW5…電力供給スイッチ。

Claims (8)

  1. 操作手段(SW1)が操作された場合に車両の車輪に制動力を付与可能な第1制動装置(13)と、制動力付与手段(33)が操作された場合に車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に液体を各別に供給することにより前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能となる第2制動装置(14)とを備えた車両に搭載される車両の制動制御装置(11)であって、
    前記第1制動装置(13)の前記車輪に対する制動状態の自動解除を実行可能な自動解除手段(19)と、
    前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与不能である場合には、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する自動解除禁止手段(20、S21)と
    を備えた車両の制動制御装置。
  2. 前記第2制動装置(14)には、前記制動力付与手段(33)の操作力を倍力する倍力装置(26)が設けられており、
    前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記倍力装置(26)が未駆動状態である場合に、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記第2制動装置(14)には、その内部を流動する液体の不足を検出するための液体不足検出手段(32)が設けられており、
    前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記液体不足検出手段(32)からの入力信号に基づき前記第2制動装置(14)内の液体不足が検出された場合に、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する場合、前記第1制動装置(13)の前記車輪に対する制動状態が自動解除されない旨を車両に設けられた報知手段(LP3)によって報知させるべく、該報知手段(LP3)に報知指令のための制御信号を出力する請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  5. 車両が停止した路面の斜度(R)を演算する路面斜度演算手段(20、S17)をさらに備え、
    前記自動解除禁止手段(20、S21)は、前記路面斜度演算手段(20、S17)によって演算された前記斜度(R)の絶対値が予め設定された斜度閾値(KR)以上である場合に、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  6. オフ状態からオン状態に操作された場合に、車両に搭載されたバッテリ(B)から車両の電気系統(15,17,20,32)への電力供給を許容する電力供給スイッチ(SW5)と、
    該電力供給スイッチ(SW5)と一連の動作で操作されるエンジン点火スイッチ(SW4)と、
    該エンジン点火スイッチ(SW4)がオフ状態からオン状態になるように操作された場合に駆動を開始するエンジン(12)と、
    操作手段(SW1)が操作された場合に車両の車輪に制動力を付与可能な第1制動装置(13)と、
    制動力付与手段(33)が操作された場合に車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に液体を各別に供給することにより前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能となる第2制動装置(14)とを備えた車両に搭載される車両の制動制御装置であって、
    前記第1制動装置(13)の前記車輪に対する制動状態の自動解除を実行可能な自動解除手段(19)と、
    前記エンジン点火スイッチ(SW4)がオン状態からオフ状態になった場合に、前記車輪に対して制動力を自動に付与させるように前記第1制動装置(13)を駆動させる制動力自動付与手段(20)と、
    前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能であるか否かを判定する制動力付与判定手段(20,S16,S19)と、
    前記電力供給スイッチ(SW5)がオン状態である場合において、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能であると前記制動力付与判定手段(20,S16,S19)が判定したときには、前記自動解除手段(19)の実行動作を許可する一方、前記電力供給スイッチ(SW5)がオン状態である場合において、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与不能であると前記制動力付与判定手段(20,S16,S19)が判定したときには、前記自動解除手段(19)の実行動作を禁止する制御手段(20)と
    を備えた車両の制動制御装置。
  7. 前記第2制動装置(14)には、前記制動力付与手段(33)の操作力を前記エンジン(12)のインテークマニホールド(12a)に発生する負圧に基づき倍力する倍力装置(26)が設けられており、前記第2制動装置(14)は、前記制動力付与手段(33)の操作力を前記倍力装置(26)によって倍力し、該倍力された操作力に対応した液圧を車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に供給することにより、前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されており、
    前記制動力付与判定手段(20,S16,S19)は、前記エンジン(12)が駆動している場合を、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能であると判定する請求項6に記載の車両の制動制御装置。
  8. 操作手段(SW1)が操作された場合に車両の各車輪(FR,FL,RR,RL)のうち一部の車輪(RR,RL)又は全ての車輪(FR,FL,RR,RL)に制動力を付与可能な第1制動装置(13)と、制動力付与手段(33)が操作された場合に車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(31a,31b,31c,31d)内に液体を各別に供給することにより前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能となる第2制動装置(13)とを備えた車両における車両の制動制御方法であって、
    前記第1制動装置(13)の前記一部の車輪(RR,RL)又は全ての車輪(FR,FL,RR,RL)に対する制動状態の自動解除を、予め定められた所定条件が成立した場合において、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与可能である場合には許可する一方で、前記第2制動装置(14)が前記制動力付与手段(33)の操作量に応じた制動力を前記各車輪(FR,FL,RR,RL)に付与不能である場合には禁止するようにした車両の制動制御方法。
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