JP4918847B2 - 駐車ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の停止状態を維持させるための駐車ブレーキ制御装置に関する。
従来、この種の駐車ブレーキ制御装置として、例えば特許文献1に記載の駐車ブレーキ制御装置(以下、「第1従来装置」ともいう。)や特許文献2に記載の駐車ブレーキ制御装置(以下、「第2従来装置」ともいう。)が提案されている。ここで、第1従来装置を搭載した車両には、自動変速機の出力軸を機械的にロックすることにより該出力軸に駆動連結された駆動輪(後輪駆動車の場合は後輪)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置が設けられている。そして、この第1従来装置は、車両が停止したこと(即ち、車両の車体速度が「0(零)」になったこと)を検出した場合、自動変速機のレンジがパーキングレンジでなくても、自動変速機の出力軸をロック状態にすべくパーキングロック装置を駆動させるようになっている。
一方、第2従来装置を搭載した車両には、所定の車輪(例えば後輪)に対して電動アクチュエータの駆動により制動力を付与可能な電動パーキング装置と、各車輪に対応するホイールシリンダ内のブレーキ液圧(圧力)を上昇させることにより各車輪に制動力を付与可能な常用ブレーキとが設けられている。そして、この第2従来装置では、車両の停止状態を維持させるために、例えば駐車スイッチなどの操作手段が操作された場合に、車両の駆動源(エンジン)が駆動中であるときには常用ブレーキを駆動させる一方、車両の駆動源が駆動停止しているときには電動パーキング装置を駆動させるようにしている。そして、このように駆動源の駆動中には常用ブレーキの方を使用することにより、電動パーキング装置の使用頻度を低下させ、電動パーキング装置における電動アクチュエータの消耗抑制を図っていた。
特開平6―72296号公報(請求項1) 特開平10―76931号公報(請求項1)
ところで、パーキングロック装置は、車両の走行中に自動変速機の出力軸がロック状態になるように駆動できない。そのため、車両の走行中に上記操作手段が操作される可能性があることを考慮すると、第1従来装置を搭載した車両には、更に電動パーキング装置及び常用ブレーキの少なくとも一方を設ける必要がある。そして、電動パーキング装置を更に備えた車両において、該車両の走行中に操作手段が操作された場合には、電動パーキング装置の駆動により所定の車輪に制動力が付与される結果、車両が停止状態になり、その後、自動変速機の出力軸をロック状態にすべくパーキングロック装置が駆動することになる。したがって、こうした第1従来装置を搭載した車両の走行中に操作手段が操作された場合には、電動パーキング装置が使用されることもあり得るので、該電動パーキング装置の使用頻度を十分に低下できるとは言い難かった。
また、第2従来装置では、車両の駆動源が駆動停止しているときには、依然として電動パーキング装置が使用され、その度に電動アクチュエータが駆動されることになる。そして、このような車両の駆動源が駆動停止しているときに車両の停止状態を維持させる目的で駐車スイッチが操作されることは少なくないことから、電動アクチュエータの消耗抑制が効果的に図れないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の停止状態を維持させる場合において、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることができる駐車ブレーキ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、駐車ブレーキ制御装置にかかる請求項1に記載の発明は、自動変速機(15)の出力軸(16)をロックすることにより該出力軸(16)に駆動連結された車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置(18)と、車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力の上昇により対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能な常用ブレーキ(14)と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段(SW2)と、車両が停止した場合に該車両の停止状態を自動的に維持させるか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段(SW3)と、を有する車両に搭載され、前記常用ブレーキ(14)及び前記パーキングロック装置(18)の駆動を個別に制御する制御手段(31)と、前記切替用操作手段(SW3)の操作状態によって車両の停止状態を自動的に維持させることが許容されているか否かを判定する自動停止維持判定手段(S10)と、を備え、前記制御手段(31)は、車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御する一方、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止したときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置であって、車両には、電動アクチュエータ(43)の駆動により車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能な電動パーキング装置(40)が設けられると共に、前記常用ブレーキ(14)が故障しているか否かを判定する常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)と、前記パーキングロック装置(18)が故障しているか否かを判定するパーキングロック故障判定手段(S77,S111,S142)と、をさらに備え、前記制御手段(31)は、前記常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定された場合において、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が否定判定であると共に車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作された場合において、前記パーキングロック故障判定手段(S77)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御することを要旨とする。
上記構成では、車両の停止中に駐車用操作手段が操作された場合には、車両の駆動源の駆動状態に関係なく、パーキングロック装置によって自動変速機の出力軸がロックされることにより、出力軸に駆動連結された車輪(以下、「駆動輪」ともいう。)に制動力が付与される。すなわち、パーキングロック装置によって車両の停止状態が維持される。また、車両の走行中に駐車用操作手段が操作されたときには、常用ブレーキの駆動によってホイールシリンダ内の圧力が上昇することにより、該ホイールシリンダに対応した車輪に制動力が付与される。したがって、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることができる。
上記構成では、自動停止維持判定手段による判定結果が肯定判定である場合には、車両が停止すると、常用ブレーキを駆動させることにより、車両の停止状態を維持させる。そのため、切替用操作手段を車両の運転手が操作することにより、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることが可能になる。
また、常用ブレーキの故障を検知した場合において、車両の走行中に駐車用操作手段が操作されたときには、電動パーキング装置を駆動させることにより、車輪に制動力を付与する。そのため、常用ブレーキが故障した状態であっても、駐車用操作手段の操作によって、電動パーキング装置によって走行中の車両の車輪に制動力を付与することが可能になる。また、パーキングロック装置の故障が検知された場合には、停止した車両の停止状態を維持するために、電動パーキング装置を駆動させる。そのため、パーキングロック装置が故障した状態で駐車用操作手段が操作された場合においても、停止した車両の停止状態を良好に維持させることが可能になる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駐車ブレーキ制御装置において、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止してからの経過時間(T1)が予め設定された時間閾値(KT)以下であるか否かを判定する時間判定手段(S47,S109)をさらに備え、前記制御手段(31)は、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定されたときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する一方、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)よりも大きいと判定されると共に、前記パーキングロック故障判定手段(S77,S111)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御することを要旨とする。
一般に、車両が停止してからの経過時間が時間閾値以下である場合には、信号待ちなどで車両が一時停止しているだけの可能性があり、直ぐに車両を発進させる可能性が高い。そのため、本発明では、自動停止維持判定手段による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止してからの経過時間が時間閾値以下である場合には、パーキングロック装置よりも応答速度の速い常用ブレーキを駆動させることにより、車両の停止状態の維持を図る。そのため、運転手によるアクセルペダルの操作などによって車両が発進する際に、車輪に付与されている制動力を速やかに低下させることができるため、車両の速やかな発進に貢献できる。また、経過時間が時間閾値よりも大きくなった状態で、パーキングロック装置の故障が検知された場合には、電動パーキング装置を駆動させることにより、車両の停止状態を維持させる。そのため、パーキングロック装置が故障しても、常用ブレーキが長時間(時間閾値以上の時間のこと)の間、駆動し続けることにより、車両の停止状態が良好に抑制される。
駐車ブレーキ制御装置にかかる請求項3に記載の発明は、自動変速機(15)の出力軸(16)をロックすることにより該出力軸(16)に駆動連結された車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置(18)と、車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力の上昇により対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能な常用ブレーキ(14)と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段(SW2)と、車両が停止した場合に該車両の停止状態を自動的に維持させるか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段(SW3)と、を有する車両に搭載され、前記常用ブレーキ(14)及び前記パーキングロック装置(18)の駆動を個別に制御する制御手段(31)と、前記切替用操作手段(SW3)の操作状態によって車両の停止状態を自動的に維持させることが許容されているか否かを判定する自動停止維持判定手段(S10)と、を備え、前記制御手段(31)は、車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御する一方、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止したときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置であって、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止してからの経過時間(T1)が予め設定された時間閾値(KT)以下であるか否かを判定する時間判定手段(S47,S109)をさらに備え、前記制御手段(31)は、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定されたときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する一方、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)よりも大きいと判定されたときには、前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御するよう構成されており、車両には、電動アクチュエータ(43)の駆動により車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能な電動パーキング装置(40)が設けられると共に、前記常用ブレーキ(14)が故障しているか否かを判定する常用ブレーキ故障判定手段(S138)と、前記パーキングロック装置(18)が故障しているか否かを判定するパーキングロック故障判定手段(S77,S111,S142)と、をさらに備え、前記制御手段(31)は、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されたときには、前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されると共に、前記パーキングロック故障判定手段(S142)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御することを要旨とする。
上記構成では、車両の停止中に駐車用操作手段が操作された場合には、車両の駆動源の駆動状態に関係なく、パーキングロック装置によって自動変速機の出力軸がロックされることにより、出力軸に駆動連結された車輪(以下、「駆動輪」ともいう。)に制動力が付与される。すなわち、パーキングロック装置によって車両の停止状態が維持される。また、車両の走行中に駐車用操作手段が操作されたときには、常用ブレーキの駆動によってホイールシリンダ内の圧力が上昇することにより、該ホイールシリンダに対応した車輪に制動力が付与される。したがって、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることができる。また、自動停止維持判定手段による判定結果が肯定判定である場合には、車両が停止すると、常用ブレーキを駆動させることにより、車両の停止状態を維持させる。そのため、切替用操作手段を車両の運転手が操作することにより、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることが可能になる。
一般に、車両が停止してからの経過時間が時間閾値以下である場合には、信号待ちなどで車両が一時停止しているだけの可能性があり、直ぐに車両を発進させる可能性が高い。そのため、本発明では、自動停止維持判定手段による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止してからの経過時間が時間閾値以下である場合には、パーキングロック装置よりも応答速度の速い常用ブレーキを駆動させることにより、車両の停止状態の維持を図る。そのため、運転手によるアクセルペダルの操作などによって車両が発進する際に、パーキングロック装置によって車両の停止状態を維持している場合とは異なり、車輪に付与されている制動力を速やかに低下させることができるため、車両の速やかな発進に貢献できる。
また、経過時間が時間閾値以下である状態で、常用ブレーキの故障が検知された場合には、パーキングロック装置の駆動によって、駆動輪に制動力が付与される。また、経過時間が時間閾値以下である状態で、常用ブレーキ及びパーキングロック装置の故障が共に検知された場合には、電動パーキング装置の駆動によって、車輪に制動力が付与される。
駐車ブレーキ制御装置にかかる請求項4に記載の発明は、自動変速機(15)の出力軸(16)をロックすることにより該出力軸(16)に駆動連結された車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置(18)と、車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力の上昇により対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能な常用ブレーキ(14)と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段(SW2)と、車両が停止した場合に該車両の停止状態を自動的に維持させるか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段(SW3)と、を有する車両に搭載され、前記常用ブレーキ(14)及び前記パーキングロック装置(18)の駆動を個別に制御する制御手段(31)と、前記切替用操作手段(SW3)の操作状態によって車両の停止状態を自動的に維持させることが許容されているか否かを判定する自動停止維持判定手段(S10)と、を備え、前記制御手段(31)は、車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御する一方、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止したときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置であって、車両には、電動アクチュエータ(43)の駆動により車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能な電動パーキング装置(40)が設けられると共に、前記常用ブレーキ(14)が故障しているか否かを判定する常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)と、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止してからの経過時間(T1)が予め設定された時間閾値(KT)以下であるか否かを判定する時間判定手段(S47,S109)と、前記パーキングロック装置(18)が故障しているか否かを判定するパーキングロック故障判定手段(S77,S111,S142)と、をさらに備え、前記制御手段(31)は、前記常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定された場合において、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御するよう構成されており、前記制御手段(31)は、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されたときには、前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されると共に、前記パーキングロック故障判定手段(S142)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御することを要旨とする。
上記構成では、車両の停止中に駐車用操作手段が操作された場合には、車両の駆動源の駆動状態に関係なく、パーキングロック装置によって自動変速機の出力軸がロックされることにより、出力軸に駆動連結された車輪(以下、「駆動輪」ともいう。)に制動力が付与される。すなわち、パーキングロック装置によって車両の停止状態が維持される。また、車両の走行中に駐車用操作手段が操作されたときには、常用ブレーキの駆動によってホイールシリンダ内の圧力が上昇することにより、該ホイールシリンダに対応した車輪に制動力が付与される。したがって、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることができる。また、自動停止維持判定手段による判定結果が肯定判定である場合には、車両が停止すると、常用ブレーキを駆動させることにより、車両の停止状態を維持させる。そのため、切替用操作手段を車両の運転手が操作することにより、電動パーキング装置の使用頻度を低下させることが可能になる。
上記構成では、常用ブレーキの故障を検知した場合において、車両の走行中に駐車用操作手段が操作されたときには、電動パーキング装置を駆動させることにより、車輪に制動力を付与する。そのため、常用ブレーキが故障した状態であっても、駐車用操作手段の操作によって、電動パーキング装置によって走行中の車両の車輪に制動力を付与することが可能になる。
また、経過時間が時間閾値以下である状態で、常用ブレーキの故障が検知された場合には、パーキングロック装置の駆動によって、駆動輪に制動力が付与される。また、経過時間が時間閾値以下である状態で、常用ブレーキ及びパーキングロック装置の故障が共に検知された場合には、電動パーキング装置の駆動によって、車輪に制動力が付与される。
請求項5に記載の発明は、請求項1、請求項2、及び請求項4のうち何れか一項に記載の駐車ブレーキ制御装置において、車両には、前記電動パーキング装置(40)が故障中である場合に、その旨を報知する報知手段(LP)が設けられると共に、前記電動パーキング装置(40)が故障しているか否かを判定する電動パーキング装置故障判定手段(S93,S130)をさらに備え、前記制御手段(31)は、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されると共に、前記電動パーキング装置故障判定手段(S93,S130)により前記電動パーキング装置(40)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)が故障中である旨を報知するように前記報知手段(LP)を制御すると共に、前記自動変速機(15)の変速比が低速側に変更されるように該自動変速機(15)の駆動を制御することを要旨とする。
上記構成では、常用ブレーキ及び電動パーキング装置の故障が共に検知された場合において、車両の走行中に駐車用操作手段が操作されたときには、自動変速機の変速比を低速側に変更させることにより、車両の速度を減速させると共に、電動パーキング装置の故障を報知手段によって車両の運転手に対して報知する。そのため、車両の運転手は、電動パーキング装置の故障を速やかに認識できる。車両の車体速度は、自動的に減速される。
請求項に記載の発明は、請求項〜請求項のうち何れか一項に記載の駐車ブレーキ制御装置において、車両が位置する路面の斜度(R)を演算する路面斜度演算手段(KR)をさらに備え、前記制御手段(31)は、前記路面斜度演算手段(KR)により演算された前記斜度(R)の絶対値が予め設定された斜度閾値(KR)よりも大きい場合において、前記パーキングロック装置(18)により前記出力軸(16)がロックされているときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御することを要旨とする。
一般に、車両の位置する路面の斜度が斜度閾値以上である場合には、パーキングロック装置が駆動輪に付与する制動力だけでは、車両の停止状態を維持できないおそれがある。そこで、本発明では、斜度が斜度閾値以上である場合には、パーキングロック装置だけではなく、電動パーキング装置も駆動させることにより、車輪に制動力を付与する。そのため、停止状態にあった車両の斜面下側への予期せぬ移動が良好に抑制される。
(第1の実施形態)
以下、本発明の駐車ブレーキ制御装置を具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における左右方向は、車両進行方向における左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、本実施形態における車両の駐車ブレーキ制御装置11は、複数(本実施形態では4つ)ある車輪(右前輪FR、左前輪FL、右後輪RR及び左後輪RL)のうち、後輪RR,RLが駆動輪として機能する車両(いわゆる後輪駆動車)に搭載されている。この車両には、駆動源としてのエンジン12の駆動力を後輪RR,RLに伝達するための駆動力伝達機構13と、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を個別に付与可能な常用ブレーキ14とが設けられている。
駆動力伝達機構13には、エンジン12の出力軸に接続された自動変速機15が設けられると共に、自動変速機15の出力軸16の後端には、後輪用ディファレンシャルギヤ17が設けられている。そして、エンジン12の駆動力は、自動変速機15及び後輪用ディファレンシャルギヤ17などを介して後輪RR,RLに伝達されるようになっている。すなわち、自動変速機15の出力軸16には、後輪RR,RLが駆動連結されている。なお、自動変速機15には、車両を走行させる場合の走行レンジと、車両の停止を維持させる場合のパーキングレンジとが設けられている。
また、駆動力伝達機構13には、自動変速機15の出力軸16をロック可能に構成されたパーキングロック装置18が設けられている。このパーキングロック装置18には、自動変速機15の出力軸16に設けられた外歯型のパーキングギヤ(被係合部材)19に係合可能に形成された係合部材20が設けられている。また、パーキングロック装置18には、パーキングギヤ19に係合する係合位置(図1に示す位置)と、パーキングギヤ19から離間した退避位置との二位置間で係合部材20を移動させるための駆動アクチュエータ(モータなど)21が設けられている。
この駆動アクチュエータ21は、自動変速機15のレンジ(上述した走行レンジやパーキングレンジなど)を変更する際に車両の運転手が操作するシフトレバー22が示すレンジに応じて駆動するようになっている。具体的には、駆動アクチュエータ21は、自動変速機15のレンジが走行レンジとなるようにシフトレバー22が操作された場合には、係合部材20を退避位置に移動させるようになっている。一方、駆動アクチュエータ21は、自動変速機15のレンジがパーキングレンジとなるようにシフトレバー22が操作された場合には、係合部材20を係合位置に移動させるようになっている。そのため、自動変速機15のレンジがパーキングレンジになった場合には、駆動アクチュエータ21の駆動によって係合位置に移動した係合部材20とパーキングギヤ19とが係合状態になるため、自動変速機15の出力軸16がロック状態になり、後輪RR,RLの回転が規制される。すなわち、後輪RR,RLには、パーキングロック装置18によって制動力が付与される。なお、以降の記載において、パーキングロック装置18によって自動変速機15の出力軸16がロックされることを、「パーキングロック」ともいう。
さらに、駆動力伝達機構13には、自動変速機15及びパーキングロック装置18(駆動アクチュエータ21)の駆動を制御する自動変速機15用の電子制御装置(以下、「変速機用ECU」という。)23が設けられている。この変速機用ECU23は、CPU、ROM及びRAMなどを備えたデジタルコンピュータを主体として構成されている。そして、変速機用ECU23は、運転手によるシフトレバー22、図示しないアクセルペダル及びブレーキペダル29の操作などに応じて、自動変速機15の変速比を高速側に変更したり、低速側に変更したりすべく、自動変速機15の駆動を制御している。また、変速機用ECU23には、係合部材20が係合位置に位置していることを検出するための第1位置検出センサ(例えば光センサ)SE1が電気的に接続されている。そして、変速機用ECU23は、パーキングロックする場合において、駆動アクチュエータ21の駆動が開始してからの経過時間が予め設定された所定時間以上になっても、第1位置検出センサSE1によって係合部材20が係合位置まで移動したことを検出できないときには、パーキングロック装置18が故障したと判定するようになっている。
また、変速機用ECU23は、バス24を介して後述する他の電子制御装置(常用ブレーキ用ECU31)に接続され、ECU23,31間で各種情報の送受信が行われるようになっている。例えば、変速機用ECU23は、自動変速機15のレンジに関する情報、及び係合部材20の位置に関する情報を常用ブレーキ用ECU31に送信するようになっている。また、変速機用ECU23は、パーキングロック装置18の故障を検知した場合、その旨の情報を常用ブレーキ用ECU31に送信するようになっている。
また、変速機用ECU23は、常用ブレーキ用ECU31から受信した制御情報に基づいて、パーキングロック装置18(駆動アクチュエータ21)の駆動を制御したり、自動変速機15の変速比の変更制御を実行したりするようになっている。すなわち、本実施形態のパーキングロック装置18は、自動変速機15のレンジが走行レンジであっても、パーキングロックできるように構成されている。
常用ブレーキ14は、トラクションコントロール用の制動装置であって、マスタシリンダ25及びブースタ26を有する液圧発生装置27と、複数(例えば2つ)の図示しない液圧回路を有する液圧制御装置28とを備えている。この液圧発生装置27には、ブレーキペダル29が設けられている。また、液圧制御装置28は、右前輪用経路29aを介して右前輪FR用のホイールシリンダ30aに接続されると共に、左前輪用経路29bを介して左前輪FL用のホイールシリンダ30bに接続されている。また、液圧制御装置28は、右後輪用経路29cを介して右後輪RR用のホイールシリンダ30cに接続されると共に、左後輪用経路29dを介して左後輪RL用のホイールシリンダ30dに接続されている。そのため、ブレーキペダル29が車両の運転者によって踏込み操作された場合、液圧制御装置28からは、各経路29a〜29dを介して各ホイールシリンダ30a〜30d内にブレーキ液が供給されるようになっている。その結果、各ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧(圧力)がそれぞれ上昇し、該各ホイールシリンダ30a〜30dに個別対応した各車輪FR,FL,RR,RLには、制動力がそれぞれ付与されるようになっている。
また、液圧制御装置28には、各液圧回路上に図示しない複数の電磁弁やポンプが設けられている。すなわち、液圧制御装置28は、上記各電磁弁及びポンプが駆動することにより、ブレーキペダル29が踏込み操作されない場合においても、各ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧を上昇させたり、降下させたりすることができるように構成されている。すなわち、液圧制御装置28は、ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧を上昇させることにより、該ホイールシリンダ30a〜30dに対応した車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力を付与するようになっている。
また、常用ブレーキ14には、液圧制御装置28に設けられた各電磁弁やポンプの駆動を各別に制御するための制御手段としての常用ブレーキ14用の電子制御装置(以下、「常用ブレーキ用ECU」という。)31が設けられている。この常用ブレーキ用ECU31には、車輪FR,FL,RR,RL毎の車輪速度を検出するための車輪速度センサSE2,SE3,SE4,SE5と、図示しないアクセルペダルの開度(踏込み操作量)を検出するためのアクセル開度センサSE6とが電気的に接続されている。また、常用ブレーキ用ECU31には、ブレーキペダル29が踏込み操作されていることを検出するためのブレーキスイッチSW1と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段としての駐車スイッチSW2とが電気的に接続されている。さらに、常用ブレーキ用ECU31には、車両が停止した場合(即ち、車体速度が「0(零)」になった場合)に車両の停止状態を自動的に維持させることを許可するか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段としてのオートモードスイッチSW3が電気的に接続されている。そして、常用ブレーキ用ECU31は、各センサSE2〜SE7及び各スイッチSW1〜SW3からの入力信号に基づき、液圧制御装置28のポンプや各電磁弁を各別に制御するようになっている。
また、常用ブレーキ用ECU31には、ポンプや各電磁弁が正常に駆動可能な状態であるか否かを診断するための図示しない診断装置が設けられている。この診断装置は、図示しない電源からポンプや電磁弁までの配線が断線しているか否かを検出するための電圧モニタや電流モニタなどを備えている。そして、常用ブレーキ用ECU31は、ポンプや電磁弁が正常に駆動しないと診断装置が診断した場合には、常用ブレーキ14が故障したものと判断する。
さらに、常用ブレーキ用ECU31は、前述したように、バス24を介して変速機用ECU23と各種情報の送受信を行うようになっている。例えば、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロックを実行させる旨の制御情報、及びパーキングロックを解除させる旨の制御情報などを変速機用ECU23に送信するようになっている。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31が、状況に応じて、常用ブレーキ14を駆動させることにより各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与させたり、パーキングロック装置18にてパーキングロックさせたりする駐車ブレーキ制御装置11として構成されている。
次に、本実施形態の各ECU23,31が実行する各処理ルーチンについて図2〜図6に示すフローチャートに基づき以下説明する。まず、常用ブレーキ用ECU31が実行する車両停止維持処理ルーチンについて説明する。続いて、変速機用ECU23が実行する変速機制御処理ルーチンについて説明する。
さて、常用ブレーキ用ECU31は、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)に車両停止維持処理ルーチンを実行する。そして、この車両停止維持処理ルーチンにおいて、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードスイッチSW3が「ON」であるか否かを判定する(ステップS10)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、停止した車両の停止状態を自動的に維持させるオートモードであるか、駐車スイッチSW2が「ON」である場合に限り車両の停止状態を維持させるマニュアルモードであるかを判定する。この点で、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31が、自動停止維持判定手段としても機能する。
ステップS10の判定結果が否定判定(SW3=「OFF」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードに設定されていると判断し、図3に詳述するマニュアルモード処理を実行する(ステップS11)。常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモード処理を実行することにより、各ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧(圧力)の目標値となる駐車用目標ブレーキ圧BPPKBを車輪FR,FL,RR,RL毎に設定する。その後、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を後述するステップS13に移行する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定判定(SW3=「ON」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードに設定されていると判断し、図4及び図5に詳述するオートモード処理を実行する(ステップS12)。常用ブレーキ用ECU31は、オートモード処理を実行することにより、各ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧(圧力)の目標値となる駐車用目標ブレーキ圧BPPKBを車輪FR,FL,RR,RL毎に設定する。その後、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を後述するステップS13に移行する。
ステップS13において、常用ブレーキ用ECU31は、ESC(Electronic Stability Control)を実行する際に、制動力を付与する車輪(例えば右前輪FR)に対応するホイールシリンダ(ホイールシリンダ30a)の目標ブレーキ圧BPESCを演算により検出する。このESCとは、車両の運転手による急なステアリング操作などによって走行中の車両が横滑りしていることを検出した場合に、各車輪FR,FL,RR,RLに対する制動力を個別に制御することにより、車両の進行方向を保つようにする制御のことである。なお、目標ブレーキ圧BPESCは、車輪FR,FL,RR,RL毎に設定されるものであって、ESC時に制動力が付与されない車輪に対する目標ブレーキ圧BPESCは、「0(零)」に設定される。そのため、ESCを実行する必要がない場合(即ち、車両が横滑りしていない場合や車両が停止している場合)、目標ブレーキ圧BPESCの目標ブレーキ圧BPESCは、全て「0(零)」に設定される。
続いて、常用ブレーキ用ECU31は、TCS(Traction Control System)を実行する際に、制動力を付与する駆動輪である後輪(例えば右後輪RR)に対応するホイールシリンダ(ホイールシリンダ30c)の目標ブレーキ圧BPTCSを演算により検出する(ステップS14)。このTCSとは、各後輪RR,RLに対する制動力や駆動力を制御することにより、車両の発進時や加速時における各後輪RR,RLの空転を抑制する制御のことである。なお、各後輪RR,RLの目標ブレーキ圧BPTCSは、後輪RR,RL毎に設定される一方、各前輪FR,FLの目標ブレーキ圧BPTCSは、それぞれ「0(零)」に設定されている。また、TCSを実行する必要がない場合(即ち、後輪RR,RLが空転していない場合や車両が停止している場合)、後輪RR,RL毎の目標ブレーキ圧BPTCSは、それぞれ「0(零)」に設定される。
続いて、常用ブレーキ用ECU31は、ABS(Antilock Brake System)を実行する際に、制動力を付与する車輪(例えば右前輪FR)に対応するホイールシリンダ(ホイールシリンダ30a)の目標ブレーキ圧BPABSを演算により検出する(ステップS15)。このABSとは、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力が付与された場合に、該各車輪FR,FL,RR,RLがロックすることを抑制するための制御である。なお、目標ブレーキ圧BPABSは、車輪FR,FL,RR,RL毎に設定される。
そして、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪FR,FL,RR,RLの設定ブレーキ圧BPWCをECS用の目標ブレーキ圧BPESCにそれぞれ設定する(ステップS16)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、設定ブレーキ圧BPWC(=BPESC)がTCS用の目標ブレーキ圧BPTCSよりも小さいか否かを車輪FR,FL,RR,RL毎に判定する(ステップS17)。そして、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS17の判定結果が肯定判定(BPWC<BPTCS)になった車輪(例えば右後輪RR)の設定ブレーキ圧BPWCを、該車輪に対応するECS用の目標ブレーキ圧BPESCに設定し(ステップS18)、その後、その処理を後述するステップS19に移行する。一方、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS17の判定結果が否定判定(BPWC≧BPTCS)になった車輪(例えば左後輪RL)の設定ブレーキ圧BPWCを、該車輪に対応するECS用の目標ブレーキ圧BPESCに変更することなく、その処理を後述するステップS19に移行する。
ステップS19において、常用ブレーキ用ECU31は、設定ブレーキ圧BPWCが駐車用目標ブレーキ圧BPPKBよりも小さいか否かを車輪FR,FL,RR,RL毎に判定する。そして、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS19の判定結果が肯定判定(BPWC<BPPKB)になった車輪(例えば右前輪FR)の設定ブレーキ圧BPWCを、該車輪に対応する駐車用目標ブレーキ圧BPPKBに設定し(ステップS20)、その後、その処理を後述するステップS21に移行する。一方、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS19の判定結果が否定判定(BPWC≧BPPKB)になった車輪(例えば左前輪FL)の設定ブレーキ圧BPWCを、該車輪に対応する駐車用目標ブレーキ圧BPPKBに変更することなく、その処理を後述するステップS21に移行する。
ステップS21において、常用ブレーキ用ECU31は、設定ブレーキ圧BPWCがABS用の目標ブレーキ圧BPABSよりも大きいか否かを車輪FR,FL,RR,RL毎に判定する。そして、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS21の判定結果が肯定判定(BPWC>BPABS)になった車輪(例えば右前輪FR)の設定ブレーキ圧BPWCを、該車輪に対応するABS用の目標ブレーキ圧BPABSに設定し(ステップS22)、その後、その処理を後述するステップS23に移行する。一方、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS21の判定結果が否定判定(BPWC≦BPABS)になった車輪(例えば左前輪FL)の設定ブレーキ圧BPWCを、該車輪に対応するABS用の目標ブレーキ圧BPABSに変更することなく、その処理を後述するステップS23に移行する。すなわち、本実施形態の常用ブレーキ14では、各車輪FR,FL,RR,RLの設定ブレーキ圧BPWCは、車輪FR,FL,RR,RL毎のABS用の目標ブレーキ圧BPABS以下の値にそれぞれ設定される。
ステップS23において、常用ブレーキ用ECU31は、各ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧が上記各ステップS10〜S22の実行に基づき設定された設定ブレーキ圧BPWCになるように、常用ブレーキ14のポンプや各電磁弁の駆動を個別に制御する。例えば、右前輪FRの設定ブレーキ圧BPWCが「0(零)」に設定された場合、常用ブレーキ用ECU31は、ホイールシリンダ30a内のブレーキ液圧が「0(零)」になるように常用ブレーキ14の駆動を制御する。その後、常用ブレーキ用ECU31は、車両停止維持処理ルーチンを終了する。
次に、上記ステップS11にて実行するマニュアルモード処理(マニュアルモード処理ルーチン)について図3に基づき詳述する。
さて、マニュアルモード処理ルーチンにおいて、常用ブレーキ用ECU31は、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果が否定判定(SW2=「OFF」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両の停止状態を維持させる意志が運転手にはないと判断する。そして、常用ブレーキ用ECU31は、変速機用ECU23にパーキングロックを解除させる旨の制御情報を送信し(ステップS31)、その後、その処理を後述するステップS35に移行する。
一方、ステップS30の判定結果が肯定判定(SW2=「ON」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪速度センサSE2〜SE5からの各入力信号に基づいて演算された各車輪FR,FL,RR,RLの車輪速度に基づき、車両の車体速度VSを演算により検出する(ステップS32)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS32にて検出した車両の車体速度VSが「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS33)。この判定結果が肯定判定(VS=「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両が停止していると判断し、変速機用ECU23にパーキングロックを実行させる旨の制御情報を送信し(ステップS34)、その後、その処理を後述するステップS35に移行する。
ステップS35において、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪FR,FL,RR,RLの駐車用目標ブレーキ圧BPPKBを「0(零)」にそれぞれ設定し、その後、マニュアルモード処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS33の判定結果が否定判定(VS≠「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両が走行中であると判断し、変速機用ECU23にパーキングロックを解除させる旨の制御情報を送信する(ステップS36)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪FR,FL,RR,RLの駐車用目標ブレーキ圧BPPKBを予め設定された設定液圧KP(≠「0(零)」)にそれぞれ設定し(ステップS37)、マニュアルモード処理ルーチンを終了する。なお、設定液圧KPは、所定速度(例えば時速「30」km)で走行している車両を停止させる際に必要なブレーキ液圧であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
本実施形態では、マニュアルモードに設定されている場合において、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされているときには、常用ブレーキ14又はパーキングロック装置18が駆動するようになっている。すなわち、車両の走行中においては、常用ブレーキ14の駆動によって各車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力をそれぞれ付与することにより、運転手によるブレーキペダル29の継続的な踏込み操作が行われなくても、車両を停止させることが可能である。そして、車両が停止状態になった場合には、パーキングロック装置18の駆動によってパーキングロックが実行される結果、駆動輪である後輪RR,RLに制動力が付与される。その後、常用ブレーキ14による各車輪FR,FL,RR,RLに対して付与されていた制動力が解消される。
すなわち、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされている間は、常用ブレーキ14又はパーキングロック装置18によって車輪に制動力が付与された状態になる。そのため、図示しない電動パーキング装置を使用しなくても、車両の停止状態を維持することが可能になる。
次に、上記ステップS12にて実行するオートモード処理(オートモード処理ルーチン)について図4及び図5に基づき詳述する。
さて、オートモード処理ルーチンにおいて、常用ブレーキ用ECU31は、アクセル開度センサSE6からの入力信号に基づき、図示しないアクセルペダルのアクセル開度ACCPを演算により検出する(ステップS40)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS40にて検出したアクセル開度ACCPが予め設定されたアクセル開度閾値KCCPよりも大きいか否かを判定する(ステップS41)。このアクセル開度閾値KCCPは、車両を走行させる意志が該車両の運転手にあるか否かを判断するための値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
ステップS41の判定結果が肯定判定(ACCP>KCCP)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、変速機用ECU23にパーキングロックを解除させる旨の制御情報を送信し(ステップS42)、各車輪FR,FL,RR,RLの駐車用目標ブレーキ圧BPPKBを「0(零)」にそれぞれ設定する(ステップS43)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、車両を走行させる意志が該車両の運転手にあると判断した場合、常用ブレーキ14及びパーキングロック装置18による車輪への制動力の付与を解除させる。そして、常用ブレーキ用ECU31は、経過時間T1を「0(零)」にリセットし、その後、オートモード処理ルーチンを終了する。なお、経過時間T1は、オートモードに設定された状態で車両が停止してからの経過時間のことを示している。
一方、ステップS41の判定結果が否定判定(ACCP≦KCCP)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪速度センサSE2〜SE5からの入力信号に基づき、車両の車体速度VSを演算により検出する(ステップS45)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS45にて検出した車両の車体速度VSが「0(零)」であるか否かを判定する(ステップS46)。この判定結果が否定判定(VS≠「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を後述するステップS51に移行する。
一方、ステップS46の判定結果が肯定判定(VS=「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、経過時間T1が予め設定された経過時間閾値KTを超えたか否かを判定する(ステップS47)。この経過時間閾値KTは、信号待ちなどによって車両が一時停止いているだけであるか否かを判断するための値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。ステップS47の判定結果が肯定判定(T1>KT)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両が直ぐに発進する可能性はないと判断し、変速機用ECU23にパーキングロックを実行させる旨の制御情報を送信する(ステップS48)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪FR,FL,RR,RLの駐車用目標ブレーキ圧BPPKBをそれぞれ「0(零)」に設定し(ステップS49)、その後、その処理を後述するステップS54に移行する。すなわち、車両の停止状態が長時間(経過時間閾値KT以上となる時間)継続するような場合には、パーキングロック装置18にパーキングロックを実行させ、常用ブレーキ14による各車輪FR,FL,RR,RLへの制動力の付与を停止させる。
ステップS51において、常用ブレーキ用ECU31は、車両が走行中であると判断し、変速機用ECU23にパーキングロックを解除させる旨の制御情報を送信する。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を前述したステップS49に移行する。
一方、ステップS47の判定結果が否定判定(T1≦KT)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両が一時停止しているだけの可能性があると判断し、変速機用ECU23にパーキングロックを解除させる旨の制御情報を送信する(ステップS52)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪FR,FL,RR,RLの駐車用目標ブレーキ圧BPPKBを設定液圧KPにそれぞれ設定し(ステップS53)、その後、その処理を後述するステップS54に移行する。すなわち、本実施形態では、経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合、車両が直ぐに発進されても、車輪への制動力の付与を速やかに解除できるように、パーキングロック装置18よりも応答速度の速い常用ブレーキ14が使用される。
ステップS54において、常用ブレーキ用ECU31は、各車輪FR,FL,RR,RLの駐車用目標ブレーキ圧BPPKBが設定液圧KPにそれぞれ設定されているか否かを判定する。この判定結果が否定判定(BPPKB≠KP)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、後述するステップS55を実行することなく、オートモード処理ルーチンを終了する。一方、ステップS54の判定結果が肯定判定(BPPKB=KP)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、経過時間T1を更新し(ステップS55)、オートモード処理ルーチンを終了する。
次に、変速機用ECU23が実行する変速機制御処理ルーチンについて図6に基づき詳述する。
さて、変速機用ECU23は、所定周期毎(例えば、「0.01」秒毎)に変速機制御処理ルーチンを実行する。そして、変速機制御処理ルーチンにおいて、変速機用ECU23は、車両の車体速度VS、アクセル開度ACCP、ブレーキペダル29の踏込み操作の有無、及び常用ブレーキ用ECU31からの変速比を変更させる旨の制御情報の受信の有無などに応じて、自動変速機15の変速比の変更制御を実行する(ステップS60)。続いて、変速機用ECU23は、自動変速機15のレンジがパーキングレンジであるか否かを判定する(ステップS61)。この判定結果が肯定判定である場合、変速機用ECU23は、その処理を後述するステップS64に移行する。一方、ステップS61の判定結果が否定判定である場合、変速機用ECU23は、パーキングロックを実行させる旨の制御情報を常用ブレーキ用ECU31から受信したか否かを判定する(ステップS62)。この判定結果が肯定判定である場合、変速機用ECU23は、その処理を後述するステップS64に移行する。
一方、ステップS62の判定結果が否定判定である場合(即ち、パーキングロックを解除させる旨の制御情報を受信している場合)、変速機用ECU23は、パーキングロックを解除させるべく、係合部材20が退避位置に移動するように駆動アクチュエータ21を駆動させる(ステップS63)。その後、変速機用ECU23は、変速機制御処理ルーチンを終了する。
ステップS64において、変速機用ECU23は、パーキングロックを実行させるべく、係合部材20が係合位置に移動するように駆動アクチュエータ21の駆動を制御する。その後、変速機用ECU23は、変速機制御処理ルーチンを終了する。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)オートモードである場合において、車両が停止したときには、車両のエンジン12が駆動停止した状態であっても、パーキングロック装置18にパーキングロックさせることにより、自動変速機15の出力軸16に駆動連結された後輪(駆動輪)RR,RLに制動力が付与される。また、マニュアルモードである場合において、車両の停止中に駐車スイッチ(駐車用操作手段)SW2が「ON」にセットされたときには、車両のエンジンが駆動停止した状態であっても、パーキングロック装置18によるパーキングロックが実行されることにより、後輪RR,RLに制動力が付与される。さらに、マニュアルモードである場合において、車両の走行中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされたときには、常用ブレーキ14の駆動によってホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧(圧力)が設定ブレーキ圧BPWCまで上昇することにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力がそれぞれ付与される。したがって、電動パーキング装置を使用しなくても、車両の停止状態を維持することができる。
(2)一般に、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合には、信号待ちなどで車両が一時停止しているだけの可能性があり、直ぐに車両を発進させる可能性が高い。そのため、本実施形態では、オートモードである場合において、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合には、パーキングロック装置18よりも応答速度の速い常用ブレーキ14を駆動させることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与する。そのため、運転手によるアクセルペダルの踏込み操作などによって車両が発進する際に、車両の速やかな発進に貢献できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7〜図12に従って説明する。なお、第2の実施形態は、車両に電動パーキング装置が搭載されたことにより、マニュアルモード処理ルーチン及びオートモード処理ルーチンの内容が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図7に示すように、本実施形態の駐車ブレーキ制御装置11が搭載された車両には、第1の実施形態と同様に、駆動力伝達機構13と、常用ブレーキ14とが設けられている。また、本実施形態の車両には、各車輪FR,FL,RR,RLのうち後輪RR,RLに対して制動力を付与可能な電動パーキング装置40が設けられている。なお、以降の記載において、電動パーキング装置40によって後輪RR,RLに制動力を付与することを、「パーキングブレーキ」を実行するともいう。
常用ブレーキ14の常用ブレーキ用ECU31には、車両の進行方向(前後方向)における加速度を検出するための車体加速度センサSE7と、電動パーキング装置40の故障を検知した場合に、その旨を車両の運転手に報知すべく点灯する報知手段としての警告ランプLPとが電気的に接続されている。
電動パーキング装置40には、後輪RR,RL側の被制動部材41に各別に当接することにより該後輪RR,RLに制動力を付与可能な制動部材42が設けられている。また、電動パーキング装置40には、後輪RR,RL側の被制動部材41に当接する当接位置と後輪RR,RL側の被制動部材41から離間する離間位置との二位置間で各制動部材42を移動させるための電動アクチュエータ(例えば直流モータ)43が設けられている。さらに、電動パーキング装置40には、制動部材42が当接位置に位置していることを検出するための図示しない第2位置検出センサ(例えば光センサ)が設けられている。
また、電動パーキング装置40には、電動アクチュエータ43の駆動を制御する電動パーキング装置40用の電子制御装置(以下、「パーキング用ECU」という。)44が設けられている。このパーキング用ECU44は、後輪RR,RLに制動力を付与させる場合、第2位置検出センサからの入力信号に基づき制動部材42が当接位置まで移動したことを確認できるまでの間、電動アクチュエータ43を駆動させ続けるようになっている。そして、パーキング用ECU44は、電動アクチュエータ43の駆動時間が予め設定された所定時間以上になっても、制動部材42が当接位置まで移動したことを確認できない場合には、電動アクチュエータ43の故障やワイヤの切断などに起因して、電動パーキング装置40が故障してしまったものと判断する。
なお、パーキング用ECU44は、バス24を介して常用ブレーキ用ECU31(駐車ブレーキ制御装置11)に接続され、ECU31,44間で各種情報の送受信が行われるようになっている。例えば、パーキング用ECU44は、電動パーキング装置40によって後輪RR,RLに制動力が付与されているか否かに関する情報を常用ブレーキ用ECU31に送信するようになっている。また、パーキング用ECU44は、電動パーキング装置40の故障を検知した場合、その旨の情報を常用ブレーキ用ECU31に送信するようになっている。
一方、パーキング用ECU44は、常用ブレーキ用ECU31からパーキングブレーキを実行させる旨の制御情報を受信した場合には、各制動部材42を当接位置に移動させるべく電動アクチュエータ43の駆動を制御する。また、パーキング用ECU44は、常用ブレーキ用ECU31からパーキングブレーキを解除させる旨の制御情報を受信した場合には、各制動部材42を離間位置に移動させるべく電動アクチュエータ43の駆動を制御する。
次に、本実施形態の常用ブレーキ用ECU31が実行するマニュアルモード処理ルーチン及びオートモード処理ルーチンについて図7〜図12に基づき以下説明する。まず、マニュアルモード処理ルーチンについて図8及び図9に基づき詳述する。
さて、マニュアルモード処理ルーチンにおいて、常用ブレーキ用ECU31は、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされているか否かを判定する(ステップS70)。この判定結果が否定判定(SW2=「OFF」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS31と同等の処理を実行し(ステップS71)、上記ステップS35と同等の処理を実行する(ステップS72)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングブレーキを解除させる旨の制御情報をパーキング用ECU44に送信し(ステップS73)、警告ランプLPを消灯させ(ステップS74)、その後、マニュアルモード処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS70の判定結果が肯定判定(SW2=「ON」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS32と同等の処理を実行し(ステップS75)、上記ステップS33と同等の判定処理を実行する(ステップS76)。この判定結果が肯定判定(VS=「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロック装置18が故障しているか否かを判定する(ステップS77)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、変速機用ECU23からパーキングロック装置18の故障を検知した旨の制御情報を受信したか否かを判定する。この点で、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31が、パーキングロック故障判定手段としても機能する。
ステップS77の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロック装置18が正常であると判断し、上記ステップS72と同等の処理を実行し(ステップS78)、上記ステップS34と同等の処理を実行する(ステップS79)。そして、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS73と同等の処理を実行し(ステップS80)、その後、その処理を前述したステップS74に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードである状態で、車両の停止中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合において、パーキングロック装置18が正常であるときには、パーキングロック装置18によるパーキングロックによって後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS77の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロック装置18が故障していると判断し、電動パーキング装置40が故障しているか否かを判定する(ステップS81)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、パーキング用ECU44から電動パーキング装置40の故障を検知している旨の制御情報を受信したか否かを判定する。この点で、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31が、電動パーキング装置故障判定手段としても機能する。
ステップS81の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が故障していると判断し、上記ステップS37と同等の処理を実行し(ステップS82)、上記ステップS71と同等の処理を実行する(ステップS83)。そして、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS73と同等の処理を実行し(ステップS84)、警告ランプLPを点灯させ(ステップS85)、その後、マニュアルモード処理ルーチンを終了する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードである状態で、車両の停止中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合において、パーキングロック装置18及び電動パーキング装置40が共に故障しているときには、常用ブレーキ14を駆動させることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS81の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が正常であると判断し、上記ステップS72と同等の処理を実行し(ステップS86)、上記ステップS71と同等の処理を実行する(ステップS87)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングブレーキを実行させる旨の制御情報をパーキング用ECU44に送信し(ステップS88)、その後、その処理を前述したステップS74に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードである状態で、車両の停止中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合において、パーキングロック装置18のみが故障している場合には、電動パーキング装置40によるパーキングブレーキにより、後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS76の判定結果が否定判定(VS≠「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記診断装置による診断に基づき、常用ブレーキ14が故障しているか否かを判定する(ステップS89)。この点で、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31が、常用ブレーキ故障判定手段としても機能する。ステップS89の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS82と同等の処理を実行し(ステップS90)、上記ステップS83と同等の処理を実行する(ステップS91)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS84と同等の処理を実行し(ステップS92)、その後、その処理を前述したステップS74に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードである状態で、車両の走行中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合において、常用ブレーキ14が正常であるときには、該常用ブレーキ14を駆動させることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS89の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、常用ブレーキ14が故障していると判断し、電動パーキング装置が故障しているか否かを判定する(ステップS93)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、パーキング用ECU44から電動パーキング装置40の故障を検知している旨の制御情報を受信したか否かを判定する。ステップS93の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が正常であると判断し、その処理を前述したステップS86に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードである状態で、車両の走行中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合において、常用ブレーキ14が故障しているときには、電動パーキング装置40によるパーキングブレーキによって後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS93の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が故障していると判断し、上記ステップS72と同等の処理を実行し(ステップS94)、上記ステップS71と同等の処理を実行する(ステップS95)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS73と同等の処理を実行し(ステップS96)、自動変速機15の変速比を低速側に変更させる旨の制御情報を変速機用ECU23に送信する(ステップS97)。そして、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を前述したステップS85に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、マニュアルモードである状態で、車両の走行中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合において、常用ブレーキ14及び電動パーキング装置40が共に故障しているときには、自動変速機15の変速比を低速側に変更させることにより、車両を減速させる。また、常用ブレーキ用ECU31は、警告ランプLPを点灯させることにより、車両の運転手にブレーキペダル29の踏込み操作の実行を促す。
次に、オートモード処理ルーチンについて図10〜図12に基づき詳述する。
さて、オートモード処理ルーチンにおいて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS40と同等の処理を実行し(ステップS100)、上記ステップS41と同等の判定処理を実行する(ステップS101)。この判定結果が肯定判定(ACCP>KCCP)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両を走行させる意志が該車両の運転手にあると判断し、上記ステップS42と同等の処理を実行し(ステップS102)、上記ステップS43と同等の処理を実行する(ステップS103)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングブレーキを解除させる旨の制御信号をパーキング用ECU44に送信し(ステップS104)、上記ステップS44と同等の処理を実行する(ステップS105)。そして、常用ブレーキ用ECU31は、警告ランプLPを消灯し(ステップS106)、その後、オートモード処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS101の判定結果が否定判定(ACCP≦KCCP)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS45と同等の処理を実行し(ステップS107)、上記ステップS46と同等の判定処理を実行する(ステップS108)。この判定結果が否定判定(VS≠「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両が走行中であると判断し、その処理を後述するステップS124に移行する。一方、ステップS108の判定結果が肯定判定(VS=「0(零)」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、車両が停止していると判断し、上記ステップS47と同等の判定処理を実行する(ステップS109)。
そして、ステップS109の判定結果が否定判定(T1≦KT)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS55と同等の処理を実行し(ステップS110)、その処理を後述するステップS138に移行する。一方、ステップS109の肯定判定(T1>KT)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロック装置18が故障しているか否かを判定する(ステップS111)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、パーキング用ECU44から電動パーキング装置40の故障を検知している旨の制御情報を受信したか否かを判定する。
ステップS111の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS103と同等の処理を実行し(ステップS112)、上記ステップS48と同等の処理を実行する(ステップS113)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS104と同等の処理を実行し(ステップS114)、警告ランプLPを点灯させ(ステップS115)、その後、オートモード処理ルーチンを終了する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で車両が停止している場合において、経過時間T1が経過時間閾値KTを超えると共にパーキングロック装置18が正常であるときには、該パーキングロック装置18によるパーキングロックによって、後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS111の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が故障しているか否かを判定する(ステップS116)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、パーキング用ECU44から電動パーキング装置40の故障を検知している旨の制御情報を受信したか否かを判定する。ステップS116の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS103と同等の処理を実行し(ステップS117)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS118)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングブレーキを実行させる旨の制御情報をパーキング用ECU44に送信し(ステップS119)、その処理を前述したステップS115に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で車両が停止している場合において、経過時間T1が経過時間閾値KTを超えると共にパーキングロック装置18のみが故障しているときには、電動パーキング装置40によるパーキングブレーキによって、後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS116が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS53と同等の処理を実行し(ステップS120)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS121)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS104の処理を実行し(ステップS122)、警告ランプLPを点灯させ(ステップS123)、その後、オートモード処理ルーチンを終了する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で車両が停止している場合において、経過時間T1が経過時間閾値KTを超えると共にパーキングロック装置18及び電動パーキング装置40が共に故障しているときには、常用ブレーキ14を駆動させることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与させる。また、常用ブレーキ用ECU31は、警告ランプLPを点灯させることにより、電動パーキング装置40が故障していることを車両の運転手に報知する。
ステップS124において、常用ブレーキ用ECU31は、駐車スイッチSW2が「ON」であるか否かを判定する。この判定結果が否定判定(SW2=「OFF」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を前述したステップS102に移行する。一方、ステップS124の判定結果が肯定判定(SW2=「ON」)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を後述するステップS125に移行する。
ステップS125において、常用ブレーキ用ECU31は、上記診断装置による診断に基づき、常用ブレーキ14が故障しているか否かを判定する。この判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS120と同等の処理を実行し(ステップS126)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS127)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS104と同等の処理を実行し(ステップS128)、警告ランプLPを消灯させ(ステップS129)、その後、オートモード処理ルーチンを終了する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で走行中の車両を停止させる意志が運転手にある場合(即ち、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合)において、常用ブレーキ14が正常であるときには、該常用ブレーキ14を駆動させることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS125の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が故障しているか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、パーキング用ECU44から電動パーキング装置40の故障を検知している旨の制御情報を受信したか否かを判定する。ステップS130の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS103と同等の処理を実行し(ステップS131)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS132)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS119と同等の処理を実行し(ステップS133)、その処理を前述したステップS129に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で走行中の車両を停止させる意志が運転手にある場合において、常用ブレーキ14のみが故障しているときには、電動パーキング装置40によるパーキングブレーキによって、後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS130の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS103と同等の処理を実行し(ステップS134)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS135)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS104と同等の処理を実行し(ステップS136)、自動変速機15の変速比を低速側に変更させる旨の制御情報を変速機用ECU23に送信する(ステップS137)。そして、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を前述したステップS123に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で走行中の車両を停止させる意志が運転手にある場合において、常用ブレーキ14及び電動パーキング装置40が共に故障しているときには、自動変速機15の変速比を低速側に変更させることにより、車両を減速させる。また、常用ブレーキ用ECU31は、警告ランプLPを点灯させることにより、車両の運転手にブレーキペダル29の踏込み操作を促す。
ステップS138において、常用ブレーキ用ECU31は、上記診断装置による診断に基づき、常用ブレーキ14が故障しているか否かを判定する。この判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS120と同等の処理を実行し(ステップS139)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS140)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS104と同等の処理を実行し(ステップS141)、その処理を前述したステップS129に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合において、常用ブレーキ14が正常であるときには、該常用ブレーキ14を駆動させることによって、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS138の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロック装置18が故障しているか否かを判定する(ステップS142)。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、パーキング用ECU44から電動パーキング装置40の故障を検知している旨の制御情報を受信したか否かを判定する。ステップS142の判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS103と同等の処理を実行し(ステップS143)、上記ステップS113と同等の処理を実行する(ステップS144)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS104と同等の処理を実行し(ステップS145)、その処理を前述したステップS115に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合において、常用ブレーキ14のみが故障しているときには、パーキングロック装置18によるパーキングロックによって、後輪RR,RLに制動力を付与させる。
一方、ステップS142の判定結果が肯定判定である場合、上記ステップS103と同等の処理を実行し(ステップS146)、上記ステップS102と同等の処理を実行する(ステップS147)。続いて、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS119と同等の処理を実行し(ステップS148)、その処理を前述したステップS115に移行する。すなわち、本実施形態では、常用ブレーキ用ECU31は、オートモードである状態で、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合において、常用ブレーキ14及びパーキングロック装置18が共に故障しているときには、電動パーキング装置40によるパーキングブレーキによって、後輪RR,RLに制動力を付与させる。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1),(2)に加え、さらに以下に示す効果をも得ることができる。
(3)マニュアルモードに設定された状態で常用ブレーキ14の故障が検知された場合において、車両の走行中に駐車スイッチ(駐車用操作手段)SW2が「ON」にセットされたときには、電動パーキング装置40を駆動させることにより、後輪RR,RLに制動力が付与される。そのため、常用ブレーキ14が故障した状態であっても、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされることにより、電動パーキング装置40によって走行中の車両の後輪RR,RLに制動力を付与できる。
(4)マニュアルモードである状態で常用ブレーキ14及び電動パーキング装置40の故障が共に検知された場合において、車両の走行中に駐車スイッチ(駐車用操作手段)SW2が「ON」にセットされたときには、自動変速機15の変速比を低速側に変更させることにより、車両の速度を減速させることができる。また、電動パーキング装置40の故障が、警告ランプ(報知手段)LPの点灯によって車両の運転手に対して報知される。そのため、ブレーキペダル29を踏込み操作するなどの速やかな処理を車両の運転手に促すことができる。
(5)マニュアルモードである状態で、パーキングロック装置18の故障が検知された場合には、停止した車両の停止状態を維持するために、電動パーキング装置40を駆動させる。そのため、パーキングロック装置18が故障した状態で駐車スイッチ(駐車用操作手段)SW2が「ON」にセットされた場合においても、後輪RR,RLに制動力を付与できる。
(6)マニュアルモードである状態で、車両の停止中に駐車スイッチ(駐車用操作手段)SW2が「ON」にセットされた場合において、パーキングロック装置18及び電動パーキング装置40の故障がそれぞれ検知されたときには、常用ブレーキ14を駆動させることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与できる。
(7)一般に、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合には、信号待ちなどで車両が一時停止しているだけの可能性があり、直ぐに車両を発進させる可能性が高い。そのため、本実施形態では、オートモードである場合において、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合には、パーキングロック装置18よりも応答速度の速い常用ブレーキ14を駆動させることにより、車両の停止状態の維持を図る。そのため、運転手によるアクセルペダル(図示略)の踏込み操作などによって車両を発進させる場合において、車両の速やかな発進に貢献できる。また、経過時間T1が経過時間閾値KTよりも大きくなった状態で、パーキングロック装置18の故障を検知した場合には、電動パーキング装置40を駆動させることにより、車両の停止状態の維持を図る。そのため、パーキングロック装置18が故障しても、常用ブレーキ14が長時間(経過時間閾値KT以上の時間のこと)の間、駆動し続けることにより、各車輪FR,FL,RR,RLに制動力を付与できる。
(8)オートモードである状態で経過時間T1が経過時間閾値KTを超えた場合には、パーキングロック装置18及び電動パーキング装置40が共に故障していたとしても、常用ブレーキ14を駆動させることにより、後輪RR,RLに制動力を付与できる。
(9)オートモードである状態で経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合には、常用ブレーキ14が故障したとしても、パーキングロック装置18の駆動によって駆動輪である後輪RR,RLに制動力を付与できる。
(10)オートモードである状態で経過時間T1が経過時間閾値KT以下である場合には、常用ブレーキ14及びパーキングロック装置18が共に故障していたとしても、電動パーキング装置40の駆動によって後輪RR,RLに制動力を付与できる。
なお、各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2の実施形態において、オートモード処理には、図13に示すステップを追加してもよい。すなわち、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS114の処理を実行した後に、車体加速度センサSE7からの入力信号に基づき車両の車体加速度を演算により検出し、該検出した車体加速度に基づいて車両が停止している路面の斜度Rを演算により検出する(ステップS160)。この点で、常用ブレーキ用ECU31が、路面斜度演算手段としても機能する。そして、常用ブレーキ用ECU31は、ステップS160にて検出した路面の斜度Rの絶対値が予め設定された斜度閾値KRよりも大きいか否かを判定する(ステップS161)。この斜度閾値KRは、パーキングロック装置18が後輪RR,RLに付与する制動力によって車両の停止状態を維持できる斜度の上限値であって、実験やシミュレーションなどによって予め設定される。
ステップS161の判定結果が否定判定(Rの絶対値≦KR)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、その処理を前述したステップS115に移行する。一方、ステップS161の判定結果が肯定判定(Rの絶対値>KR)である場合、常用ブレーキ用ECU31は、電動パーキング装置40が故障しているか否かを判定する(ステップS162)。この判定結果が否定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、上記ステップS119と同等の処理を実行し(ステップS163)、その後、その処理を前述したステップS115に移行する。一方、ステップS162の判定結果が肯定判定である場合、常用ブレーキ用ECU31は、警告ランプLPを点灯させ(ステップS164)、その後、オートモード処理ルーチンを終了する。
車両の位置する路面の斜度Rの絶対値が斜度閾値KR以上である場合には、パーキングロック装置18が駆動輪である後輪RR,RLに付与する制動力だけでは、車両の停止状態を維持できないおそれがある。そこで、本実施形態では、斜度Rの絶対値が斜度閾値KR以上である場合には、パーキングロック装置18だけではなく、電動パーキング装置40も駆動させることにより、後輪RR,RLに制動力を付与する。そのため、停止状態にあった車両の斜面下側への予期せぬ移動を良好に抑制できる。また、車両の位置する路面の斜度Rの絶対値が斜度閾値KR以上である場合において、電動パーキング装置40の故障が検知されたときには、警告ランプLPを点灯させることにより、車両の運転手にブレーキペダル29の踏込み操作を促すことができる。
・上記第2の実施形態において、オートモードである状態で車両が走行中である場合には、ブレーキスイッチSW1が「ON」になっても、車両を停止させるべく、常用ブレーキ14や電動パーキング装置40を駆動させなくてもよい。このように構成しても、車両の運転手によるブレーキペダル29の踏込み操作量に応じて、各ホイールシリンダ30a〜30d内のブレーキ液圧が上昇することにより、各車輪FR,FL,RR,RLに対して制動力が付与されることになる。
・上記第2の実施形態において、ステップS93,S116,S130を実行しなくてもよい。この場合、電動パーキング装置40が故障していても、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングロックを実行させる旨の制御情報がパーキング用ECU44に送信する。
・上記第2の実施形態において、ステップS89,S125を実行しなくてもよい。この場合、常用ブレーキ14が故障していても、常用ブレーキ用ECU31は、常用ブレーキ14のポンプや各電磁弁の駆動を制御しようとする。
・上記第2の実施形態において、ステップS81,S116,S130を実行しなくてもよい。この場合、電動パーキング装置40が故障していても、常用ブレーキ用ECU31は、パーキングブレーキを実行させる旨の制御情報が変速機用ECU23に送信する。
・上記第2の実施形態において、常用ブレーキ14の故障が検知された場合には、その旨を報知するようにしてもよい。同様に、パーキングロック装置18の故障が検知された場合についても、その旨を報知するようにしてもよい。
・上記第2の実施形態において、車両の走行中に該車両を停止させる場合には、常用ブレーキ14や電動パーキング装置40が故障しているか否かに依らず、自動変速機15の変速比を低速側に変更させるようにしてもよい。
・上記各実施形態において、車両が停止してからの経過時間T1が経過時間閾値KT以下であっても、パーキングロック装置18によって駆動輪である後輪RR,RLに制動力を付与するようにしてもよい。
・上記各実施形態において、報知手段は、電動パーキング装置40の故障を音声で報知するスピーカであってもよいし、電動パーキング装置40の故障を文字情報として表示画面上に表示させる表示装置であってもよい。
・上記第2の実施形態において、各ECU23,31,44を統括的に制御するECU(以下、「駐車用ECU」ともいう。)を備えた構成であってもよい。この場合、図8〜12に示す処理ルーチンは、駐車用ECUによって実行される。そして、駐車用ECUを除いた他のECU23,31,44は、駐車用ECUからの制御情報に基づき、パーキングロック装置18、常用ブレーキ14及び電動パーキング装置40を各別に駆動させる。
・上記各実施形態において、車両には、オートモードスイッチSW3を設けなくてもよい。この場合、駐車スイッチSW2が「ON」にセットされたときのみ、車両を停止させるべく、又は、車両の停止状態を維持させるべく、常用ブレーキ14又はパーキングロック装置18が駆動することになる。具体的には、車両の走行中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合には、常用ブレーキ14を駆動させることにより、車両が停止することになる。一方、車両の停止中に駐車スイッチSW2が「ON」にセットされた場合には、パーキングロック装置18によるパーキングロックにより、車両の停止状態が維持されることになる。
第1の実施形態の駐車ブレーキ制御装置が搭載された車両のブロック図。 第1の実施形態の車両停止維持処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態のマニュアルモード処理ルーチンを説明するフローチャート。 第1の実施形態のオートモード処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。 第1の実施形態のオートモード処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。 第1の実施形態の変速機制御処理ルーチンを説明するフローチャート。 第2の実施形態の駐車ブレーキ制御装置が搭載された車両のブロック図。 第2の実施形態のマニュアルモード処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。 第2の実施形態のマニュアルモード処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。 第2の実施形態のオートモード処理ルーチンを説明するフローチャート(前半部分)。 第2の実施形態のオートモード処理ルーチンを説明するフローチャート(中間部分)。 第2の実施形態のオートモード処理ルーチンを説明するフローチャート(後半部分)。 別の実施形態において、第2の実施形態のオートモード処理ルーチンに対する追加部分を説明するフローチャート。
符号の説明
11…駐車ブレーキ制御装置、14…常用ブレーキ、15…自動変速機、16…出力軸、18…パーキングロック装置、30a〜30d…ホイールシリンダ、31…常用ブレーキ用ECU(自動停止維持判定手段、制御手段、時間判定手段、常用ブレーキ故障判定手段、電動パーキング装置故障判定手段、パーキングロック故障判定手段、路面斜度演算手段)、40…電動パーキング装置、43…電動アクチュエータ、FR,FL,RR,RL…車輪、KR…斜度閾値、KT…経過時間閾値、LP…警告ランプ(報知手段)、R…斜度、SW2…駐車スイッチ(駐車用操作手段)、SW3…オートモードスイッチ(切替用操作手段)、T1…経過時間。

Claims (6)

  1. 自動変速機(15)の出力軸(16)をロックすることにより該出力軸(16)に駆動連結された車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置(18)と、車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力の上昇により対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能な常用ブレーキ(14)と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段(SW2)と、車両が停止した場合に該車両の停止状態を自動的に維持させるか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段(SW3)と、を有する車両に搭載され、
    前記常用ブレーキ(14)及び前記パーキングロック装置(18)の駆動を個別に制御する制御手段(31)と、前記切替用操作手段(SW3)の操作状態によって車両の停止状態を自動的に維持させることが許容されているか否かを判定する自動停止維持判定手段(S10)と、を備え、
    前記制御手段(31)は、
    車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御する一方、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止したときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置であって、
    車両には、電動アクチュエータ(43)の駆動により車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能な電動パーキング装置(40)が設けられると共に、
    前記常用ブレーキ(14)が故障しているか否かを判定する常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)と、前記パーキングロック装置(18)が故障しているか否かを判定するパーキングロック故障判定手段(S77,S111,S142)と、をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、
    前記常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定された場合において、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御すると共に、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が否定判定であると共に車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作された場合において、前記パーキングロック故障判定手段(S77)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置。
  2. 前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止してからの経過時間(T1)が予め設定された時間閾値(KT)以下であるか否かを判定する時間判定手段(S47,S109)をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、
    前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定されたときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する一方、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、
    前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)よりも大きいと判定されると共に、前記パーキングロック故障判定手段(S77,S111)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、
    前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御する請求項に記載の駐車ブレーキ制御装置。
  3. 自動変速機(15)の出力軸(16)をロックすることにより該出力軸(16)に駆動連結された車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置(18)と、車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力の上昇により対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能な常用ブレーキ(14)と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段(SW2)と、車両が停止した場合に該車両の停止状態を自動的に維持させるか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段(SW3)と、を有する車両に搭載され、
    前記常用ブレーキ(14)及び前記パーキングロック装置(18)の駆動を個別に制御する制御手段(31)と、前記切替用操作手段(SW3)の操作状態によって車両の停止状態を自動的に維持させることが許容されているか否かを判定する自動停止維持判定手段(S10)と、を備え、
    前記制御手段(31)は、
    車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御する一方、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止したときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置であって、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止してからの経過時間(T1)が予め設定された時間閾値(KT)以下であるか否かを判定する時間判定手段(S47,S109)をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定されたときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する一方、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)よりも大きいと判定されたときには、前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御するよう構成されており、
    車両には、電動アクチュエータ(43)の駆動により車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能な電動パーキング装置(40)が設けられると共に、
    前記常用ブレーキ(14)が故障しているか否かを判定する常用ブレーキ故障判定手段(S138)と、前記パーキングロック装置(18)が故障しているか否かを判定するパーキングロック故障判定手段(S77,S111,S142)と、をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されたときには、前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御すると共に、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されると共に、前記パーキングロック故障判定手段(S142)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置。
  4. 自動変速機(15)の出力軸(16)をロックすることにより該出力軸(16)に駆動連結された車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能に構成されたパーキングロック装置(18)と、車輪(FR,FL,RR,RL)毎に対応するホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力の上昇により対応する車輪(FR,FL,RR,RL)に対して制動力を付与可能な常用ブレーキ(14)と、車両の停止状態を維持させる場合に操作される駐車用操作手段(SW2)と、車両が停止した場合に該車両の停止状態を自動的に維持させるか否かを切替えるときに操作される切替用操作手段(SW3)と、を有する車両に搭載され、
    前記常用ブレーキ(14)及び前記パーキングロック装置(18)の駆動を個別に制御する制御手段(31)と、前記切替用操作手段(SW3)の操作状態によって車両の停止状態を自動的に維持させることが許容されているか否かを判定する自動停止維持判定手段(S10)と、を備え、
    前記制御手段(31)は、
    車両の停止中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御する一方、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御すると共に、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である場合において、車両が停止したときには、前記各ホイールシリンダ(30a,30b,30c,30d)内の圧力が上昇するように前記常用ブレーキ(14)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置であって、
    車両には、電動アクチュエータ(43)の駆動により車輪(RR,RL)に対して制動力を付与可能な電動パーキング装置(40)が設けられると共に、
    前記常用ブレーキ(14)が故障しているか否かを判定する常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)と、前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止してからの経過時間(T1)が予め設定された時間閾値(KT)以下であるか否かを判定する時間判定手段(S47,S109)と、前記パーキングロック装置(18)が故障しているか否かを判定するパーキングロック故障判定手段(S77,S111,S142)と、をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、前記常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定された場合において、車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御するよう構成されており、
    前記制御手段(31)は、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されたときには、前記出力軸(16)がロック状態になるように前記パーキングロック装置(18)の駆動を制御すると共に、
    前記自動停止維持判定手段(S10)による判定結果が肯定判定である状態で車両が停止し、前記時間判定手段(S47,S109)により前記経過時間(T1)が前記時間閾値(KT)以下であると判定された場合において、前記常用ブレーキ故障判定手段(S138)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されると共に、前記パーキングロック故障判定手段(S142)により前記パーキングロック装置(18)が故障中であると判定されたときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御する駐車ブレーキ制御装置。
  5. 車両には、前記電動パーキング装置(40)が故障中である場合に、その旨を報知する報知手段(LP)が設けられると共に、
    前記電動パーキング装置(40)が故障しているか否かを判定する電動パーキング装置故障判定手段(S93,S130)をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、
    車両の走行中に前記駐車用操作手段(SW2)が操作された場合において、
    前記常用ブレーキ故障判定手段(S89,S125)により前記常用ブレーキ(14)が故障中であると判定されると共に、前記電動パーキング装置故障判定手段(S93,S130)により前記電動パーキング装置(40)が故障中であると判定されたときには、
    前記電動パーキング装置(40)が故障中である旨を報知するように前記報知手段(LP)を制御すると共に、前記自動変速機(15)の変速比が低速側に変更されるように該自動変速機(15)の駆動を制御する請求項1、請求項2、及び請求項4のうち何れか一項に記載の駐車ブレーキ制御装置。
  6. 車両が位置する路面の斜度(R)を演算する路面斜度演算手段(KR)をさらに備え、
    前記制御手段(31)は、前記路面斜度演算手段(KR)により演算された前記斜度(R)の絶対値が予め設定された斜度閾値(KR)よりも大きい場合において、前記パーキングロック装置(18)により前記出力軸(16)がロックされているときには、前記電動パーキング装置(40)により前記車輪(RR,RL)に対して制動力が付与されるように前記電動アクチュエータ(43)の駆動を制御する請求項〜請求項のうち何れか一項に記載の駐車ブレーキ制御装置。
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