JP3867308B2 - 液圧制御装置の故障検出方法 - Google Patents

液圧制御装置の故障検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧制御の圧力源となるアキュムレータを備えた液圧制御装置において、油圧系の低圧故障を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の液圧制御装置は、アキュムレータの圧力検知に圧力センサ及び圧力スイッチを用いて圧力検知を行っており、アキュムレータ、モータ、油圧経路等の油圧系の故障により、液圧制御時に圧力源となるアキュムレータの圧力が低圧になった場合に警報を発している。
【0003】
例えば、トヨタ自動車株式会社のソアラ新型車解説書(1991年5月発行)の3−142頁から173頁に示されるように、アキュムレータの圧力を圧力センサ及び圧力スイッチを用いて検出を行い、低圧を検出する圧力スイッチの状態が低圧状態を示した場合にウォーニングランプを点灯していることが開示されている。
【0004】
上記の装置では、圧力スイッチが低圧状態を示したらアキュムレータ圧力が異常と判定しており、液圧制御時の低摩擦係数路での増圧時間が長い場合とかポンピングの多用によりアキュムレータの圧力が低くなるような場合でもアキュムレータの圧力が低圧状態にならないように、余裕をもったアキュムレータを採用していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液圧制御装置においては、圧力スイッチの出力が低圧状態になった場合にアキュムレータ圧力が異常であると判定するために、液圧制御時の低摩擦係数路での増圧時間が長い場合とかポンピングの多用によりアキュムレータの圧力が低くなった場合等でも誤判定しないように、余裕をもったアキュムレータを採用しており、アキュムレータの大きさが大きくなっていた。
【0006】
そこで、アキュムレータの小型化した場合に、誤ってアキュムレータの圧力が低圧状態を示すことを防止すると共に、低圧故障した場合には早く故障を知らせて安全性の向上を図ることを本発明の課題とする。
【0007】
本発明は上記課題を解決するための手段として図1に示すように、液圧制御の圧力源となるアキュムレータACCと、アキュムレータACCの圧力検出を行う圧力検出手段PSと、圧力検出手段PSの出力に基づきポンプを作動させるモータMTとを備え、モータMTを駆動してアキュムレータACCに蓄圧された圧力により液圧制御を行う液圧制御装置において、圧力検出手段PSの出力が液圧制御時にアキュムレータの圧力が十分な液圧を確保できない低圧状態であることを検出する低圧状態検出手段LCと、モータが駆動されている状態において低圧状態検出手段LCにより低圧状態が所定時間続いたことを検出する所定時間継続検出手段TDと、所定時間継続検出手段TDにより低圧状態が続いた場合に、液圧制御を行う油圧系が故障していることを検出する故障検出手段FDとを備えた。このことから、圧力検出手段PSの出力が低圧状態で所定時間継続した場合には、アキュムレータ、モータ、油圧経路等を含む油圧系が故障していると検出を行うことができる。
【0008】
そして、モータMTの駆動される電圧を検出するモータ電圧検出手段MVと、所定時間継続検出手段TDによる所定時間をモータ電圧検出手段MVによるモータ電圧により可変する可変手段CMとを備えたことから、電圧変動に対応した故障検出が可能となる。
【0009】
請求項2では、可変手段CMはモータ電圧検出手段MVのモータ電圧によりヒステリシスをもつことにより、モータ電圧が変動した場合に頻繁に故障検出の判定がなされる所定時間が切り換わる状態を防止することができる。
【0010】
また、請求項3に示されるように、可変手段CMは、モータ電圧検出手段MVのモータ電圧が第1所定電圧から第1所定電圧よりも低い第2所定電圧に変化した場合に、所定時間を第1所定時間から、第1所定時間よりも長い第2所定時間に変更することにより、モータ電圧が低下した場合には、モータMTの回転速度も低下するために蓄圧する時間が長くかかるために、低圧故障判定に要する所定時間を長くする。
【0011】
更に請求項4に示されるように、可変手段CMは、モータ電圧検出手段MVのモータ電圧が第2所定電圧から第1所定電圧になった場合には所定時間を変更しないようにすれば誤判定防止が可能となる。つまり、この圧力スイッチPLの状態が低圧状態で所定時間の変更を行うと、モータ電圧が第1所定電圧よりも上昇した場合には、判定に要する時間(所定時間)が急に短くなり誤判定してしまうために、この場合には所定時間を変更しないことにより低圧故障であるとする誤判定防止が可能となる。
【0012】
請求項5では、故障検出手段FDによりアキュムレータACCの低圧故障が検出された場合に、警報を発する警報発生手段WAを設けたことにより、ウォーニングとかブザーにより運転者に知らせると共に、請求項6に示されるように、故障検出手段FDによりアキュムレータACCの低圧故障が検出された場合に、スリップ制御を禁止することを行えば、安全性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を表す装置を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図2は本発明の液圧制御装置のシステム構成図であるが、最初に液圧発生を行う液圧発生装置について説明する。
【0015】
図3では、マスターシリンダ1のシリンダボデー2内には第1ピストン3が摺動可能に設置され、第1ピストン3は、プッシュロッド4を介してブレーキペダル5と連結している。第1ピストン3は、リターンスプリング6からの付勢力を受けスリーブ7に当接し、更に、スナップリング7aにて位置決めされている。
【0016】
又、スリーブ7の前部にはストッパー7bが設置され、スリーブ7が前方に移動することを防いでいる。第1ピストン3の連通孔3a内には、インレットバルブ8が嵌挿され、インレットバルブ8はバルブスプリング8aによって付勢され、第1ピストン3の非作動時には、シリンダボデー2に固定され、第1ピストン3に設けられた貫通孔3bに挿通されたピン9に当接しており、この状態ではインレットバルブ8のバルブ部8bとピストン3のバルブ面3cとは当接しておらず、インレットバルブ8は開弁している。第1ピストン3は、その前端においてシールカップ3dが装着され、更に、その後端においてシールカップ3eが装着されている。又、スリーブ7には、各々内径シール7c、および外径シール7dが装着されている。これらのシール部材によって、第1ピストン3の前方には圧力室10が、又、後方にはスリーブ7との間で、補助圧力室11が形成されている。又、12はマスタシリンダ1を外部と遮断しているブーツであり、13はブーツ12を支持して、プッシュロッド4の径方向への移動を規制するリテーナである。更に、14はリターンスプリング6を第1ピストン3に係合させ、且つ、シールカップ3dが第1ピストン3から脱落しないように規制しているカップリテーナである。
【0017】
スリーブ部材15は、その右端においてリターンスプリング6からの付勢力を受けて、シリンダボデー2の底部に当接している。スリーブ部材15にはシール部材15aが装着され、第1ピストン3との間で圧力室10を形成している。スリーブ部材15には第2ピストン16が摺動可能に嵌挿され、スナップリング16aに係止したピストンスプリング15bによってスリーブ部材15に対して右方に付勢されており、ストッパー15cに当接することで位置決めされている。
【0018】
第2ピストン16は、カップシール16bを備えることによって圧力室10を形成すると共に、圧力室10に発生する圧力を受けて左方に摺動可能となっている。第2ピストン16には、ピン17によってスプールバルブ18と連結しており、スプールバルブ18は第2ピストン16と一体的に移動可能となっている。
【0019】
更に、スプールバルブ18の左端にはスプリング19を介してピストン戻し部材20が設置され、ピストン戻し部材20には、台形状の係合部材21が装着されている。係合部材21は、スプリング19の付勢力によって例えばゴムによって形成された、やはり弾性部材22と当接している。23はスリーブ部材15の移動防止部材であり、スリーブ部材15に固定されている。更に、移動防止部材23には、シール部材23aと連通孔23b,23cが備えられている。ここで、弾性部材22は移動防止部材23との間で、レギュレータ圧室24を形成している。
【0020】
スリーブ部材15は、シール部材15a以外に、右方からシール部材15d,15e,15fを備えている。シール部材15dと15eの間には、車両の後左輪に設置されたホイールシリンダWCRLおよび後右輪に設置されたホイールシリンダWCRRへとつながる主管路31と連結するアウトレットポート15gが、又、シール部材15eと15fの間には、アキュムレータ26に蓄圧されたブレーキ液が導入されるインレットポート15hが形成されている。アキュムレータ26へは、リザーバ27に貯蔵されたブレーキ液がポンプ28によって加圧され蓄えられる。スリーブ部材15に設けられたアウトレットポート15g、インレットポート15hは、各々シリンダボデー2に設置されたポート2a,2bに連結している。又、シリンダボデー2には、更にポート2cが設置され、前左輪に設置されたホイールシリンダWCFLおよび前右輪に設置されたホイールシリンダWCFRへとつながる主管路32に連結される。又、シリンダボデー2には2つのインレットポート2d,2eが設置されおりリザーバ27へと連通している。
【0021】
スプールバルブ18にはその外周部に、第1スリット18aと第2スリット18bとが形成され、又、スリーブ部材15にもスリット15iが形成されている。又、シリンダボデー2に設置されたポート2a(レギュレータポート)はレギュレータ圧室24へ連通するポート2fと連結されており、更には、補助圧力室11へと連通している連通孔2gとフィードバック管路38によって連結している。
【0022】
次に、マスタシリンダ1の作動ついて説明する。運転者が通常時ブレーキペダル5を作動させるとプッシュロッド4を介して第1ピストン3が、左方にストロークするため、インレットバルブ8がピン9から離れ、バルブスプリング8aに付勢されバルブ部8bと、第1ピストン3のバルブ面3cとが当接することによって圧力室10をリザーバ27から遮断する。その後、第1ピストン3のストロークが更に増えるに従って、圧力室10の容積が減少し、圧力室10に圧力PM が発生する。この時、第2ピストン16は、圧力室10に発生した圧力PM を受けるため、第2ピストン16の断面積をSA とするとPM ×SA の力が、左方に働き、第2ピストン16は左方に移動する。スプールバルブ18は、ピン17にて第2ピストン16に係合しているため、第2ピストン16と共に左方に移動し、スプリング19を圧縮してピストン戻し部材20と当接する。スプールバルブ18の移動によって、スプールバルブ18に設けられた第1スリット18aが、スリーブ部材15に設置されたインレットポート15hと連通し、インレットポート15hとスリーブ部材15に設置されたスリット15iとを連通させる。又、スプールバルブ18に設置された第2スリット18bはスリット15iと連通して、スリット15iとアウトレットポート15gとを連通させるため、結局、スプールバルブ18の左方への移動によって、スリーブ部材15に設置されたインレットポート15hはアウトレットポート15gと連通する。従って、シリンダボデー2に備えられたインレットポート2bは、インレットポート15h→第1スリット18a→スリット15i→第2スリット18b→アウトレットポート15gを経由して、同じくシリンダボデー2に設置されたレギュレータポート2aと連通するため、アキュムレータ26に蓄えられていた圧力は、切換弁STRを作動させることによりレギュレータ圧室24へ導入される。ここで、レギュレータ圧室24へ導入された圧力は、弾性部材22を右方に付勢して、係合部材21、ピストン戻し部材20を介して、スプールバルブ18を右方に押し返し、スプールバルブ18の両端に働く力がつりあったところで平衡に達して、レギュレータ圧が決定される。この時、弾性部材22が係合部材21と当接している部位の面積を、SV とすると、圧力室10に発生した圧力PM と、アキュムレータ26からスプールバルブ18を経てレギュレータ圧となってレギュレータ圧室24に導入される圧力PR との間には、リタンスプリングの荷重等による損失を無視すればPM ×SA =PR ×SV という関係があるため、レギュレータ圧室24に導入される圧力であるレギュレータ圧はPR =PM ×SA /SV となり、圧力室10に発生する圧力PM に対して、第2ピストン16の断面積SA の、弾性部材22が係合部材21に当接している部位の面積に対する比を乗じたものとなる。
【0023】
ここで、レギュレータ圧室24の圧力が比較的低圧である場合は、弾性部材22が係合部材21に向けて付勢される力がさほど大きくないため、弾性部材22が係合部材21と当接している部位の面積SV も小さく、レギュレータ圧室24の圧力が上昇するにつれて面積SV も増大し、最大時としてSB まで増大する。
【0024】
その後、圧力室10に発生する圧力PM の上昇に伴って、レギュレータ圧PR が上昇し、PR =PM ×SA /SB となり、SA ,SB は不変の値であるため、これ以降はレギュレータ圧PR は圧力室10の圧力PM の上昇に伴って上昇する。つまり、圧力室10に発生する圧力PM に対する、レギュレータ圧PR の設定は、第2ピストン16の断面積SA と係合部材21の断面積SB を変えることによって自由に設定でき、ブレーキの効きを任意に設定できる。
【0025】
スプールバルブ18によってアキュムレータ圧が調圧されてレギュレータポート2aに出力されたレギュレータ圧PR は、連通孔2gを経由して補助圧力室11に伝達され、第1ピストン3に働く入力の助勢力として供されるのと同時に、切換弁SA3および制御弁SRLH,SRRHを介して後輪に設置されたホイールシリンダWCRL,WCRRに供給される。尚、圧力室10に発生したマスター圧の圧力PM は、切換弁SA2,SA1を介して前輪に設置されたホイールシリンダWCFL,WCFRに供給される。
【0026】
次に、図2を参照して液圧制御装置について説明する。
【0027】
前輪ホイールシリンダWCFL,WCFRは各々常開型の3ポート2位置型の切換弁SA2,SA1を介して各々増圧管路40a,41aによって主管路32と連結されており、通常はマスタシリンダ1のポート2cとWCFL,WCFRはつながれている。制御管路40,41は、制御管路32aと各々常閉型の制御弁SFLH,SFRHを介して接続されており、切換弁SA1,SA2が夫々通電(オン)されることにより、増圧管路40a,41aに接続されると共に、マスタシリンダ1のポート2cからの圧力が遮断される。また、制御管路40,41とリザーバ27は常閉型の制御弁SFLR,SFRRにより接続されており、この制御弁SFLR,SFRRが夫々オンされることにより、リリーフ管路46,47を介しリザーバ27に接続される。更に制御弁SFLH,SFRHには夫々チェック弁CK2,CK1が並列に接続され、ホイールシリンダWCFL,WCFRからマスターシリンダ1方向へのブレーキ液の流れは許容するが、マスターシリンダ1からホイールシリンダWCFL,WCFR方向へのブレーキ液の流れを遮断している。
【0028】
一方、マスタシリンダ1のレギュレータポート2aからの後輪用の主管路31上には、常開型の切換弁であるSA3が備えられ、このSA3がオンされると後輪の主管路31とレギュレータポート2aは遮断される。ホイールシリンダWCRL,WCRRは夫々常開型の制御弁SRLH,SRRHを介して後輪の主管路31と接続されている。この主管路31にはプロポーショニングバルブP/Vが介装されている。またホイールシリンダWCRL,WCRRは夫々常閉型の制御弁SRLR,SRRRを介してリザーバ27に接続され、この制御弁SRLR,SRRRがオンされることにより、ホイールシリンダWCRL,WCRRは、戻し管路57a,57bを介しリザーバ27に接続される。更に前輪の場合と同様に、制御弁SRLH,SRRHには夫々チェック弁CK4,CK3が並列に接続され、ホイールシリンダWCRL,WCRRからマスターシリンダ1方向へのブレーキ液の流れは許容するが、マスターシリンダ1からホイールシリンダWCRL,WCRR方向へのブレーキ液の流れを遮断している。
【0029】
アキュムレータの圧力は、マスタシリンダ1のインレットポート2bに入力されると共に、切換弁STRを介して前輪に圧力を供給する制御管路32aと後輪の主管路31に接続しており、この切換弁STRがオンされることによりアキュムレータの圧力が制御管路32aと後輪の主管路31が接続されるが、通常では切換弁STRが常閉型のために前輪及び後輪にアキュムレータ圧がかからないような構成になっている。
【0030】
上記した各々の制御弁及び切換弁は本発明の実施の形態においては、液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)により制御される。アキュムレータの圧力を圧力検出手段である圧力スイッチPH,PLにより検出し、その圧力信号を油圧源を制御する制御ユニット(H/B ECU)に入力し、ポンプを作動させるモータ29を制御してアキュムレータ26に圧力を蓄えている。
【0031】
また、この油圧源の制御を行う制御ユニット(H/B ECU)とホイールシリンダの液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)は、通信線により情報の送受信を行っており、システムの故障が発生した場合には両者の制御ユニットから故障発生の信号が発せられ、ウォーニングランプとかブザーを駆動するようになっている。
【0032】
尚、本発明の実施の形態ではマスタシリンダ1と切換弁、制御弁、チェック弁を含む弁機構、アキュムレータ26と圧力を検知する圧力スイッチPH,PL、この圧力スイッチによりアキュムレータ26に圧力を蓄圧するポンプ28及びポンプ28を駆動するモータ29、更にはモータ29を制御する制御ユニットであるパワーサプライECU(H/B ECU)を一体型の構成にしている。
【0033】
次に、液圧制御を行う電磁弁の作動について説明すると、車両が低摩擦係数(低μ)の路面、例えば雪道或いは凍結路を走行中に運転者がブレーキペダルを操作して車輪にブレーキ力を発生させた時に、車輪に取付けられた車輪速度センサSP1〜SP4によって検出された車輪速度に基づいて、制御ユニット(ABSECU)が前輪のロックを検知すると、切換弁SA2,SA1がONされてマスターシリンダ1の圧力室10に連通するポート2cとホイールシリンダWCFL,WCFRとの連通を遮断し、マスターシリンダ1のレギュレータポート2aとホイールシリンダWCFL,WCFRとを連通させることによって、前輪用ホイールシリンダWCFL,WCFRに圧力室10内の圧力PM (マスター圧)に代わり、スプールバルブ18によって調圧されたレギュレータ圧PR が導入される。例えば、前左輪のロックが検知された場合は、切換弁SA2をオンして前左輪に取付けられたホイールシリンダWCFLをマスターシリンダ1から遮断すると共に、制御弁SFLHはオフした状態で制御弁SFLRをオンしてホイールシリンダWCFLをリリーフ管路46を介してリザーバ27に連通し、ホイールシリンダWCFLのブレーキ液をリザーバ27に放出することによってホイールシリンダWCFLのブレーキ圧力を減少させることができる(ABS制御)。
【0034】
ホイールシリンダWCFLの圧力を減少させることによって車輪のロックが解除されたことが制御ユニット(ABS ECU)によって検知されると、制御弁SFLHがオンされると共に、SFLRがオフになり、マスターシリンダ1のレギュレータポート2aからレギュレータ圧PR が切換弁SA2および制御弁SFLHを介してホイールシリンダWCFLに導入される。前右輪のロックが制御ユニット(ABS ECU)によって検出された時は、上記と同様に、制御弁SFRHをオフした状態で切換弁SA1および制御弁SFRRがオンされ、ホイールシリンダWCFRの圧力が調整される。また、後輪のロックが検出された時も制御弁SRLH,SRRHおよびSRLR,SRRRがそれぞれオンされて、ホイールシリンダWCRL,WCRRのブレーキ圧力が調整される。
【0035】
前輪用戻し管路51,52および後輪用戻し管路59a,59bに各々設置されたチェック弁CK2,CK1およびCK4,CK3は、液圧制御中に車両の運転者によってブレーキペダル5が戻された時に開弁することによって、ホイールシリンダWCFR,WCFL,WCRRおよびWCRLからブレーキ液がマスターシリンダ1に速やかに戻されるのに使用される。
【0036】
次に、図4のホイールシリンダの液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)の構成について説明を行う。この制御ユニットは、車両のバッテリーBATからイグニッションスイッチ(IG SW)を介して電源が入力され、電源回路SCを通って制御ユニット内のマイクロコンピュータMCに一定の電源が入力される。このマイクロコンピュータMCは、クロックCKにより信号を処理するときのサイクルパルスが生成される。また、マイクロコンピュータMCの内部は、バスを介して相互に接続されたCPU、ROM、RAM、タイマ、入力ポートIP及び出力ポートOPから成り立っており、その中でROMは、液圧制御を行うプログラムを記憶し、CPUはイグニションスイッチがオンされている間、ROMに記憶されているプログラムを実行し、RAMはプログラムの実行に必要な変数データの記憶に使用される。また、入力ポートIPには、車輪の速度情報を出力する車輪速度センサSP1〜SP4が車輪速度入力回路WCを介して入力されると共に、運転者によりブレーキの操作が行われたかどうかを検知するストップスイッチ(ストップSW)信号がSW入力SIを介して入力され、更にはモニタ信号(電磁弁モニタ、リレーモニタ等)がインターフェース(I/F)回路IFを介して入力されている。
【0037】
またマイクロコンピュータMCの出力ポートOPには、液圧制御を行うための電磁弁に電源を供給するリレーRYにリレー駆動信号をリレー駆動回路RCを介して出力し、リレーRYのスイッチがオンされ電磁弁に電源が供給される。この電磁弁を駆動する駆動信号は電磁弁駆動回路SDによりオンされ、必要な電磁弁を作動させることができる。この出力ポートOPには、マイクロコンピュータMCによりシステムで故障が発生した場合には故障信号を出力して、警報回路WIを介して故障信号が発せられ、ランプLPまたはブザーBZにより運転者に故障を知らせる構成となっている。
【0038】
液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)と油圧源の制御を行う制御ユニット(H/B ECU)とは、通信回路TCを通して通信を行っている。
【0039】
次に、図5の油圧源の制御を行う制御ユニットであるパワーサプライECU(H/B ECU)について説明する。
【0040】
この制御ユニットは、車両のバッテリーBATからイグニッションスイッチ(IG SW)を介して冗長系の電源IG1,IG2が入力され、電源回路SC1を通ってCPUに一定の電源が入力される。このCPUは、クロックCK1により信号を処理するときのサイクルパルスが生成される。
【0041】
アキュムレータ26の圧力を検出するために、高圧側を検出する圧力スイッチPHと低圧側を検出する圧力スイッチPLが設けられており、図9に示されるように、PHの信号出力は圧力が上昇していく場合に圧力PE 以上になったときに低電位から高電位に切り換わり、圧力が下降していく場合には圧力PS 以下になったときに高電位から低電位に切り換わる。これ同様に圧力スイッチPLはPHの検出圧力よりも低い圧力でヒステリシスをもって切り換わる。このようにヒステリシスを設けることにより圧力の上昇と下降でポンプ28を作動させるモータ29のモータ制御のハンチングを防止することができる。
【0042】
この圧力スイッチによる出力信号、切換弁STRのモニタ信号、及びストップSW信号がハイブリッド回路HICに入力される。
【0043】
ハイブリッド回路HICは、イグニションスイッチ後の電圧VIG1,VIG2により冗長駆動され、この回路内部には図示してないスイッチ入力のインターフェース部、CPUから高周波パルスが入力された時にPH制御回路からのリレー駆動信号を許可するパルス検知部、モータMTの電流及び電圧を抵抗RIにより検出し、モータMTの動きが正常か否かを検出するモータ電流・電圧検出部、および故障が発生した場合にランプLPとかブザーBZを駆動するランプブザー駆動部を備えており、ハイブリッド回路HICと圧力源の制御を行うCPUとは圧力スイッチの情報とか故障の情報等の受け渡しを行っている。
【0044】
パルス駆動回路PNCは電源VIG2により駆動されるが、この回路はPLの出力に基づいてリレー駆動信号の出力を行う。つまり、図9に示したようにPLの圧力が低圧になった場合にリレーMRを駆動し、PLの圧力が高圧になった場合にはリレーMRの駆動を停止する信号を出力する。また、PHの圧力が低圧(PS )から高圧(PE )以上になって所定時間経過するまでリレーMRを駆動する。
【0045】
パルス駆動回路PFCは電源VIG1により駆動される。このように各々のパルス駆動回路PNC,PFCに異なった電源VIG1,VIG2を供給することにより、何方か一方が故障しても他方でリレーMRの駆動ができるために安全性が向上する。このパルス駆動回路PFCは、通常はリレー出力を許可側の信号を出力しているが、CPUから不許可信号が発せられたときにリレー出力を禁止する信号を出力する。
【0046】
PH制御回路DTは、圧力スイッチPHの出力に基づき通常のリレー駆動信号の出力を行い、PHの圧力が低圧(PS 以下)になった場合にリレーMRを駆動し、PHの圧力が高圧(PE 以上)になった場合にはリレーMRの駆動を停止する信号を出力すると共に、スイッチのチャタリングの除去を行う回路である。
【0047】
上記に示すことからPH制御回路DT、ハイブリッド回路、パルス駆動回路PNC,PFCによる出力から論理出力が生成され、リレー駆動回路RC1を介してポンプを作動させるモータMTを制御するリレーMRに出力がなされる。
【0048】
またCPUは、通信回路TC1を介してホイールシリンダの液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)と双方向に通信を行っている。
【0049】
図6は、ホイールシリンダの液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)の制御を示したフローチャートであり、イグニションスイッチ(IG SW)がオンされ、マイクロコンピュータMCに電源が供給されるとROM内に記憶されたプログラムが開始される。
【0050】
最初にステップ101ではイニシャルが行われ、ROMのチェック、RAMのチェックがなされ、RAMの値がクリアされて、初期値をもつRAMに所定の初期値がセットされる。一方、このイニシャル内で、電磁弁のイニシャルチェックがなされ、SFRH→SFRR→SFLH→・・・→SRLR→SA1→SA2→SA3→STRの順番に一定時間の間(10ms)各々の電磁弁がオンされ、電磁弁を作動させる信号状態を検知することにより、電磁弁が正常に動作するか否かがチェックされる。次のステップ102では油圧源を制御する制御ユニット(H/B ECU)との通信処理がなされ、ABS ECUからH/B ECUに対しては異常が発生した場合には通信異常、ECU異常信号等が送られ、またH/B ECUからABS ECUに対しては、同じように通信異常、ECU異常信号とか油圧系の異常信号が送られてくる。ここでの通信周期はABS ECUにより決まり、H/B ECUはアクノーリッジ信号を返すようになっている。ステップ103ではスイッチ入力信号をアナログで読み込み、デジタル出力に変換する処理を行う。
【0051】
次に、ステップ105において車輪速度センサSP1〜SP4の出力信号により各車輪の車輪速度VW が演算され、ステップ106で車輪速度演算による演算値から車輪加速度DVW が演算される。ステップ107では車輪速度VW と車輪加速度DVW より推定車体速度VS0を求める推定車体速度演算が行われ、次のステップ108では路面摩擦係数推定の処理が行われ、走行路面の摩擦係数が高μ、中μ、低μのいずれかに設定される。
【0052】
ステップ109では各種の条件よりABS制御を許可するか禁止するかの判定を行い、ステップ110では制御モードの設定がなされる。この制御モードは各車輪のスリップ率と車体減速度により減圧モード、保持モード、増圧モードのいずれかに設定され、ステップ111で設定されたモードの出力を行い、ステップ102に戻り同じ処理を一定周期(5ms)で繰り返す。
【0053】
図7は、油圧源を制御する制御ユニット(H/B ECU)の制御を示すフローチャートであり、ステップ201では最初にイニシャルが行われ、ROMのチェック、RAMのチェックがなされ、RAMの値がクリアされて、初期値をもつRAMには所定の初期値がセットされる。ステップ202では、液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)との通信処理がなされ、H/B ECUからABS ECUに対しては、異常が発生した場合に通信異常信号、H/B ECUの異常信号とか油圧系の異常信号を送信する。ここでは、ABS ECUからの通信周期に対して、H/B ECUはアクノーリッジ信号を送信するが、この通信周期が短すぎても長すぎても通信異常としている。
【0054】
ステップ203では入力処理を行い、ここでは、圧力スイッチPH,PL、ストップSWの状態、モータ電流及びモータ電圧等が読み込まれる。
【0055】
ステップ204では後述する故障判定を行う。次のステップ205では、圧力スイッチPHの信号出力によるモータMTの駆動制御を行う。つまり、PHの圧力が低圧(PS 以下)から高圧(PE 以上)になって所定時間経過するまでリレーMRを駆動するフラグをセットする。ステップ206ではPLによる制御を行うがモータMRを駆動するリレーMRは基本的にPHにより制御されるが、圧力が低下した場合にPLによる制御を行い、PLが低圧(PL 以下)になった場合にリレーMRの駆動信号を行うフラグをセットする。ステップ207ではモータを駆動するリレーMRに長期通電されてオンの状態が続いた場合に、モータ29の異常加熱を防止するために、圧力スイッチによるモータ制御は禁止し、タイマーによるモータを駆動するリレーMRのオン、オフ駆動(間欠駆動)を行う。更にはブレーキ作動時にリレーMRをオンして制動に必要な油圧を確保し、またモータ電流が所定値以上のときにはリレーMRをオフして圧力が高くなったときの常時リリーフを防止する。ステップ208ではPH制御、PL制御によりセットされたリレーMRを駆動する信号とか故障が発生した場合にウォーニングランプとかブザーを駆動する信号を出力し、ステップ202に戻り、ステップ202からステップ208までの処理を一定周期(10ms)毎に繰り返す。
【0056】
次に、図8の低圧故障判定について説明する。
【0057】
この低圧故障判定は、アキュムレータ26の圧力が油圧系の故障(アキュムレータ26、ポンプ28、モータ29、油圧経路等の異常)により十分な液圧が確保できない低圧の状態になったことを検出するものである。
【0058】
図8において説明すると、最初に低圧故障判定タイマTαに初期値β1が最初の所定時間として、図7に示すステップ201のイニシャルで設定されるものとする。
【0059】
ステップ301では、低圧故障判定がなされる時間の計測を行うタイマのカウントを行い、次のステップ302では、アキュムレータ26の低圧側の圧力を検知する圧力スイッチPLの状態が低圧状態を示しているか否かが判定される。この圧力スイッチPLが低圧状態の場合にはステップ303を行い、低圧状態でない場合にはステップ308を行う。ステップ308では高圧状態を示すことにより低圧状態判定タイマのクリヤを行い、次のステップ309では低圧故障を判定する時間である所定時間Tαに第1所定時間β1(13sec)を設定し、高圧状態では第1所定時間β1(13sec)が設定される。
【0060】
一方、圧力スイッチPLが低圧状態のときに行うステップ303では、モータ電圧が第1所定電圧V1(9V)よりも高いか否かが判定され、この第1所定電圧(9V)よりも高ければステップ306を行い、等しいかまたは低ければステップ304を行う。ステップ304では、モータ電圧が第1所定電圧(9V)よりも低い第2所定電圧(8V)との比較がされる。ここで、モータ電圧が第2所定電圧(8V)よりも小さければ、ステップ305で所定時間Tαに第1所定時間β1(13sec)よりも長い第2所定時間β2(23sec)をTαに設定するが、第2所定電圧V2(8V)よりも大きい場合には所定時間を変更せずにステップ306を行う。
【0061】
ステップ306では、低圧故障判定タイマが所定時間Tαよりも大きいか否かの判定がされ、小さい場合にはこの処理を終了してメインルーチンに戻るが、大きい場合にはステップ307で低圧故障フラグのセットを行い、この処理を終了する。
【0062】
このように、圧力スイッチPLが低圧状態のときのモータ電圧を検出し、このモータ電圧の状態により低圧故障判定の所定時間を変え、この所定時間経過後に低圧故障と判定がなされることにより、電圧変動に対応した故障検出が可能となる。この所定時間は、圧力スイッチPLの状態及びモータ電圧により切り換えられるヒステリシスをもつものである。また、この所定時間の切り換えは、低圧状態でモータ電圧が第1所定電圧異常に上がった場合には、前の状態(前の所定時間)を維持することにより、低圧故障判定の誤判定防止ができ頻繁に所定時間が切り換わることが防止できる。
【0063】
また、この所定時間は、モータ電圧が第1所定電圧から第2所定電圧に低下した場合に、第1所定時間から第2所定時間に延ばすことを行う。モータ電圧が低下した場合にはモータMTの回転速度も低下するため、一定の圧力まで蓄圧を行う時間が長くかかるために、低圧故障判定に要する所定時間を長くする。
【0064】
更には、低圧故障と判定された場合には、ウォーニングランプとかブザー等により運転者に知らせ、スリップ制御を禁止することにより安全性の向上を図ることが可能となる。
【0065】
次に、図11の間欠駆動制御について説明する。ステップ401では間欠駆動制御中か否かが判定され、間欠駆動制御中の場合にはステップ402を行い、間欠駆動制御を行っていない場合にはステップ411を行う。ステップ402ではリレーMRがオンされているか否かが判定され、リレーMRがオンされていればステップ403を行い、オンされていなければステップ408に移る。ステップ403ではリレーMRがオンされている時間をカウントし、次のステップ404ではモータMTが駆動される時のモータ電流を検出し、この検出電流値が電流制限値ILMT 以上であるか否かが判定される。検出電流値が電流制限値ILMT 以上であればステップ406を行い、電流制限値ILMT よりも小さい場合にはステップ405を行う。ステップ405ではリレーMRをオンしている時間TONが所定時間T0(5sec)以上であるか否かが判定され、所定時間T0以上であればステップ406を、また所定時間T0よりも小さい場合にはこの処理を終了してメインルーチンに戻る。ステップ406ではリレーMRをオフしている時間のタイマーをクリアし、次のステップ407ではリレーMRをオフする。つまり、モータ電流は図10に示すようにアキュムレータ圧力と比例状態にあることから、リリーフ圧に達する時のモータ電流値がわかるために、このリリーフ圧に達する時のモータ電流値を電流制限値ILMT とすることにより、アキュムレータ圧力を一定圧力以上に上げないようにすることができる。
【0066】
一方、ステップ402でリレーMRがオンされていない場合、ステップ408でリレーMRがオフしている時間をカウントし、ステップ409ではストップスイッチ(STP SW)が踏まれたか否かが判定される。ストップスイッチが踏まれた場合にはステップ414を行い、ストップスイッチが踏まれない場合にはステップ410を行う。ステップ410ではリレーMRがオフしている時間が所定時間T1(5sec)以上であるか否かが判定され、T1以上であればステップ414を行い、T1よりも短い場合にはこの処理を終了する。一方、間欠駆動制御を行ってない場合には、ステップ411でモータMTの端子電圧が所定電圧EF (12V)以上で所定時間TF (5min)継続しているか否かが判定され、TF 時間継続している場合にはステップ412を行い、そうでなければこの処理を終了する。ステップ412では、モータが所定時間の間回りっぱなしの状態が続いていることによりモータMTの発熱を防止するために間欠駆動を行う間欠駆動制御中フラグをセットし、次のステップ413で圧力スイッチ(圧力SW)による制御を禁止にする。ステップ414ではリレーMRがオンされている時のタイマーをクリアし、ステップ415でリレーMRを駆動するフラグをセットする。
【0067】
上記に示すことから、圧力スイッチが低圧状態のときにモータ電圧を検出し、このモータ電圧の状態により低圧故障判定の所定時間を変えることにより、電圧変動に対応した故障検出が可能となる。
【0068】
この判定に要する所定時間は、モータ電圧によりヒステリシスをもつことにより切り換わり、モータ電圧が変動した場合での頻繁な切り換わりを防止することができる。
【0069】
また、この所定時間は、モータ電圧が第1所定電圧から第1所定電圧よりも低い第2所定電圧に変化した場合に、所定時間を第1所定時間から、第1所定時間よりも長い第2所定時間に変更することにより、モータ電圧が低下した場合にはモータMTの回転速度も低下することから、一定の圧力になるまでの時間が長くかかるために判定に要する所定時間を長くする。
【0070】
更に、この所定時間は、モータ電圧が第2所定電圧から第1所定電圧になった場合には所定時間を変更しないようにすれば誤判定防止が可能となる。
【0071】
上記の方法により低圧故障が検出された場合には、ウォーニングランプとかブザー等により運転者に知らせ、スリップ制御を禁止することにより安全性の向上を図ることが可能となる。
【0072】
尚、切換弁、制御弁の構成は本発明の実施形態に限定されるものではなく、切換弁66,68を使用する代わりに、3ポート2位置型の電磁弁1つに置き換えることもでき、また液圧制御を行う制御ユニットと油圧源の制御を行う制御ユニットを分けているが、一体化することも可能である。更には、上記に示した液圧制御を行う制御ユニットは、電磁弁を作動させて液圧制御ができればよいために制動時のABS制御を行うものに限ったものではなく、発進時とか加速時にスリップ制御を行うトラクション制御(TRC制御)、または横加速度またはヨーレートが大きいときに車両のオーバーステア、アンダーステアを防止するスタビリティ制御を行う制御ユニットに変わることも可能である。
【0073】
【発明の効果】
上記に示すことから、圧力スイッチが低圧状態のときにモータ電圧を検出し、このモータ電圧の状態により低圧故障と判定を行う時間(所定時間)を変えることにより、電圧変動に対応した低圧故障検出が可能となる。
【0074】
この判定に要する所定時間にはモータ電圧により変わるヒステリシスを設け、モータ電圧が変動した場合の頻繁な切り換わりを防止する。
【0075】
また、モータ電圧が第1所定電圧から第2所定電圧に低下した場合には、所定時間を第1所定時間から第1所定時間よりも長い第2所定時間に変更する。つまり、モータ電圧が低下した場合にはモータMTの回転速度も低下し、一定の圧力まで蓄圧を行う時間が長くかかるため、判定に要する所定時間を長くすることにより誤判定を防止した故障検出が可能となる。
【0076】
更には、上記の方法により低圧故障と判定された場合にウォーニングランプとかブザー等により運転者に知らせ、スリップ制御を禁止することにより安全性の向上を図ることが可能となり、コスト低減のためにアキュムレータの小型化を図った場合でも低圧故障の検出が誤判定することなく行えると共に、故障時の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態おける液圧制御装置のシステム図である。
【図3】 本発明の実施の形態おける液圧発生装置の断面図である。
【図4】 本発明の実施形態おける液圧制御を行う制御ユニット(ABS ECU)のブロック図である。
【図5】 本発明の実施形態おける油圧源の制御を行う制御ユニット(H/B ECU)のブロック図である。
【図6】 本発明の実施形態おける液圧制御を行う制御ユニットの制御概要を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の実施形態おける油圧源を制御する制御ユニットの制御概要を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の実施形態おける低圧故障判定を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の実施形態おける圧力スイッチの出力変化を示す状態遷移図である。
【図10】 本発明の実施形態おけるアキュムレータ圧力とモータ電流の関係を示すグラフである。
【図11】 本発明の実施形態おける間欠駆動制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
26 アキュムレータ
28 ポンプ
29 モータ
LP ウォーニングランプ
BZ ブザー

Claims (6)

  1. 液圧制御の圧力源となるアキュムレータと、該アキュムレータの圧力検出を行う圧力検出手段と、前記圧力検出手段の出力に基づきポンプを作動させるモータとを備え、前記モータを駆動して前記アキュムレータに蓄圧された圧力により液圧制御を行う液圧制御装置において、
    前記圧力検出手段の出力が前記液圧制御時に前記アキュムレータの圧力が十分な液圧を確保できない低圧状態であることを検出する低圧状態検出手段と、前記モータが駆動されている状態において該低圧状態検出手段により前記低圧状態が所定時間続いたことを検出する所定時間継続検出手段と、
    該所定時間継続検出手段により前記低圧状態が続いた場合に、前記液圧制御を行う油圧系が低圧故障していることを検出する故障検出手段と、
    前記モータの駆動される電圧を検出するモータ電圧検出手段と、
    前記所定時間継続検出手段による所定時間を前記モータ電圧検出手段によるモータ電圧により可変する可変手段とを備えたことを特徴とする液圧制御装置の故障検出方法。
  2. 前記可変手段は、前記モータ電圧検出手段のモータ電圧によりヒステリシスをもつことを特徴とする請求項1に記載の液圧制御装置の故障検出方法。
  3. 前記可変手段は、前記モータ電圧検出手段のモータ電圧が第1所定電圧から前記第1所定電圧よりも低い第2所定電圧に変化した場合に、前記所定時間を第1所定時間から、該第1所定時間よりも長い第2所定時間に変更することを特徴とする請求項1に記載の液圧制御装置の故障検出方法。
  4. 前記可変手段は、前記モータ電圧検出手段のモータ電圧が前記第2所定電圧から前記第1所定電圧になった場合には前記所定時間を変更しないことを特徴とする請求項に記載の液圧制御装置の故障検出方法。
  5. 前記故障検出手段により前記アキュムレータの低圧故障が検出された場合に、警報を発する警報発生手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液圧制御装置の故障検出方法。
  6. 前記故障検出手段により前記アキュムレータの低圧故障が検出された場合に、液圧制御を禁止する液圧制御禁止手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液圧制御装置の故障検出方法。
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