JP4760832B2 - 高周波スイッチ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号の接続経路を切り替えるスイッチ回路において、特に高電子移動度トランジスタなどのディプレッション型電界効果トランジスタを用いて構成された高周波スイッチ回路に関するものである。
時分割で送受信を切り替える無線通信機器においては、アンテナと送受信回路の接続の切換が必要となる。あるいは複数の周波数帯を利用する端末では、一般に周波数帯ごとに送受信回路を複数内蔵しているので、アンテナと送受信回路の信号経路の切換が必要となっている。あるいはまた、ダイバーシティ受信やMIMO(Multi Input Multi Output)方式を採用している無線通信機器では、複数のアンテナと送受信回路の信号経路を切り換える必要がある。
この信号経路を切り替えるために高周波スイッチ回路が利用されているが、ディプレッション型高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron-Mobility Transistor)をスイッチとして用いた高周波スイッチ回路が特性的に優れているため、広く利用されている。一般に、このディプレッション型高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、通常ゲート電位がドレイン/ソース電位に等しい場合にドレイン−ソース間が低抵抗で接続されたオン状態となり、ゲート電圧がドレイン/ソース電圧より閾値電圧(約1V程度)低い場合に高インピーダンスで接続されたオフ状態となるディプレッション型の特性を示す。
したがって、高周波スイッチ回路を集積化することを考えた場合、回路内のトランジスタはすべてディプレッション型電界効果トランジスタを使用する方が製造上有利である。ディプレッション型電界効果トランジスタを用いて負の電源を用いずに高周波スイッチ回路を構成するには、例えば、特開平9-98078公報(特許文献1)のような構成が提案されている。またあるいは別の方法として特開2000-004149公報(特許文献2)には、ディプレッション型電界効果トランジスタを用いて制御電圧を発生する回路が提案されている。
加えて、制御電圧としては上述の閾値電圧より十分大きな電圧を与えることが望ましいが、近年の無線通信機器では、低電圧化が進んでおり、制御電圧も低下する傾向にある。例えば、携帯電話に代表される移動可能な無線端末においては、電源として電池を利用しているため、動作時間の延長には消費電力の抑制が強く求められている。無線端末のさまざまな制御・変復調にはデジタルロジック回路が使用されており、このロジック回路部の消費電力を抑制するためには、ロジック回路の動作電圧を低く抑える設計が有効である。したがってロジック回路が直接高周波スイッチ回路を制御する場合、高周波スイッチ回路に必要な制御電圧も低くすることが望ましい。
しかし、一般にHEMTトランジスタが遮断できる電力は、ゲート電位とドレイン/ソース電位の差の2乗に比例するので、制御電圧が低下すれば、これらの電位差も小さくなり、高速スイッチ回路が取り扱える電力も低下してしまう。このことを避けるために、特開平10-84267公報(特許文献3)及び特開2004-48692公報(特許文献4)においては、高周波信号を整流して制御信号に加算し、内部制御信号を大きくする方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている高周波スイッチ回路においては、制御電圧の変動が、回路に用いられているディプレッション形電界効果トランジスタのピンチオフ電圧の絶対値と比較し十分大きくない場合には、スイッチとして機能しなくなる。この課題について詳細を記述する。
第1図は、特許文献1記載の高周波スイッチ回路である。この図において、符号6および7はディプレッション型電界効果トランジスタ、符号11aおよび11bは外部制御信号入力端子、符号14および15はそれぞれ高周波信号の入力端子14および出力端子15、符号21aおよび21bは抵抗、そして、符号24a24b、および24cは容量(キャパシタ)である。
端子11a及び11bに差動電圧を加えて制御を行うのであるが、今ロジック回路の動作電圧が1.6Vとし、高周波スイッチ回路に使用されているディプレッション型電界効果トランジスタのピンチオフ電圧が−1.5Vとする。端子11aにHigh電圧(1.6V)、端子電圧11bにLow電圧(0V)を印加し、高周波スイッチ回路としてオフの状態にしたとする。このとき、電界効果トランジスタ(6,7)のそれぞれのドレインおよびソースの電圧は、電界効果トランジスタ6のショットキ接合の順方向電流によって昇圧されて何れも1.6Vとなる。したがって、電界効果トランジスタ7のゲート−ソース間電圧は−1.6Vにしかならない。
このため、電界効果トランジスタ7のソース−ドレイン間電圧を0.2V程度変動させる高周波が入力される電界効果トランジスタ7はオン状態となってしまい、高周波スイッチ回路が十分なアイソレーションを確保できず、その結果、耐電力特性が小さくなるという問題が起きてしまう。
上記の耐電力特性の問題を解決するには、ピンチオフ電圧を0Vに近づければよいが、ピンチオフ電圧を0Vに近づけると、電界効果トランジスタのオン抵抗を大きくしてしまうため高周波スイッチ回路の挿入損失が増加してしまう。以上の理由から特許文献1提案の高周波スイッチ回路では、低電圧化したロジック回路の出力をそのまま高周波スイッチ回路の制御に用いる場合、問題が発生してしまう可能性が大きい。
また、特許文献2記載のインバータ回路構成においては、インバータの出力端子がLow状態にある場合においても、ダイオードのオン電圧の2倍となる電圧が出力されており、出力電圧の変動が小さくなるという欠点をもつ。このインバータを用いて差動電圧を作製したとしても、現在携帯電話で用いられているリチウムイオン電池の電圧である3Vを電源電圧とした場合には、ダイオードのオン電圧が約0.7Vであるので、Low電圧出力の場合でも1.4Vの正電圧を出力する。High電圧の出力がせいぜい電源電圧の3Vであることを考慮すると、得られる電圧差は僅かに1.6Vであり、電界効果トランジスタのオフ状態を十分に確保できず、耐電力特性が小さくなるという特許文献1の場合と同様の問題を招いてしまう。
特許文献3で提案されている方式では、制御信号を切換るための切換回路を備えることが必要で、その切換回路のために別途電源が必要になる、あるいは回路を構成する素子が多いといった問題点がある。
さらに、特許文献4では、提案されている何れの方式の昇圧回路(特許文献4の図11、図12、図13、図14)においても、外部制御電圧を低電位とした場合でも大電力高周波信号が高周波検出端子に印加された場合、整流作用による電位が加算され、出力電圧が高くなってしまい、十分な信号遮断能力が得られないという問題がある。
本発明の課題は、上記の問題を解決して、低い制御電圧を用いても大電力信号を制御できる高周波スイッチ回路を、ディプレッション型電界効果トランジスタ用集積回路プロセスで容易に集積化可能な回路を提案することである。
発明を解決するための手段
このために、本発明の高周波スイッチ回路は、下記のような構成を有している。
第1の発明にかかる高周波スイッチ回路は、高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいてスイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、制御電圧発生回路は、制御電圧発生回路の電力取込端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、外部制御信号入力端子と、内部制御電圧出力端子とを備え、電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが外部制御信号入力端子に接続され、ドレインが電力取込端子に接続されており、内部制御電圧出力端子は、電界効果トランジスタのドレインと電力取込端子との電気的接続経路に接続されていることを特徴とする。
好ましく、電界効果トランジスタのゲートは抵抗を介して接地され、ドレインは第1の抵抗を介して電力取込端子に接続される。
第2の発明にかかる高周波スイッチ回路は、高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいてスイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、制御電圧発生回路は、制御電圧発生回路の電源端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、第1の抵抗と、外部制御信号入力端子と、内部制御電圧出力端子とを備え、電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが外部信号入力端子に接続され、ドレインは第1の抵抗の一方端子に接続されており、第1の抵抗の他方端子は電源端子に接続されており、内部制御電圧出力端子は、電界効果トランジスタのドレインと第1の抵抗の一方端子との電気的接続経路に接続されている。
第2の発明においても、電界効果トランジスタのゲートは、第2の抵抗を介して接地することが好ましい。
第1および第2の発明にかかる高周波スイッチ回路を複数用い、夫々の高周波スイッチ回路の高周波信号径路の一端を共通高周波ポートに接続して単極多投型の高周波スイッチ回路とすることもできる。
第3の発明にかかる高周波スイッチ回路は、高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいてスイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、制御電圧発生回路部は、高周波回路接続端子と、外部制御信号入力端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、第1及び第2の抵抗と、内部制御電圧出力端子と、容量と、ダイオードとを備え、電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが外部制御信号入力端子に接続され、ドレインがノード1を介して内部制御電圧出力端子に接続されており、記第1の抵抗は、一方端子がノード1に接続されるとともに他方端子がノード2に接続されており、第2の抵抗は、一方端子がノード2に接続されるとともに他方端子が外部制御信号入力端子に接続されており、容量は、一方端子が高周波回路接続端子を介して高周波信号経路に接続されるとともに他方端子がノード2に接続され、ダイオードは、カソードがノード2に接続されるとともにアノードが外部制御信号入力端子に接続されており、内部制御電圧出力端子は、スイッチ回路部に接続されていることを特徴とする。
第3の発明においても、電界効果トランジスタのゲートは、第3の抵抗を介して接地することが好ましい。
第4の発明にかかる高周波スイッチ回路は、高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいてスイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、制御電圧発生回路部は、高周波回路接続端子と、外部制御信号入力端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、第1の抵抗と、内部制御電圧出力端子と、容量と、ダイオードとを備え、電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが外部制御信号入力端子に接続され、ドレインがノード2に接続されており、ダイオードは、カソードがノード2に接続されるとともにアノードがノード1に接続されており、第1の抵抗は、一方端子がノード1と内部制御電圧出力端子との電気的接続経路に接続されるとともに他方端子が外部制御信号入力端子に接続されており、容量は、一方端子が高周波回路接続端子を介して高周波信号経路に接続されるとともに他方端子がノード1に接続され、内部制御電圧出力端子は、スイッチ回路部に接続されていることを特徴とする。
第4の発明においても、電界効果トランジスタのゲートは、第2の抵抗を介して接地することが好ましい。
第3および第4の発明にかかる高周波スイッチ回路を複数用い、夫々の高周波スイッチ回路の高周波信号径路の一端を共通高周波ポートに接続するとともに、制御電圧発生回路に設けられた容量の一方端子を高周波回路接続端子を介して共通高周波ポートに接続して単極多投型の高周波スイッチ回路とすることもできる。
本発明の高周波スイッチ回路の好ましい態様においては、高周波スイッチ回路内で用いられる能動素子は何れも、電界効果トランジスタと略等しいピンチオフ電圧のディプレッション型電界効果トランジスタとされる。
また、本発明の高周波スイッチ回路に設けられる第1の抵抗は能動負荷とすることができ、内部制御電圧出力端子をローパスフィルタを介してスイッチ回路部に接続するように構成することもできる。このようなローパスフィルタは、例えば、抵抗と容量により構成される。
なお、本発明の高周波スイッチ回路を単極多投型のものとする場合には、組み合わされる高周波スイッチ回路の何れもが単独の「高周波スイッチ回路」として機能し得るものであることは必ずしも必要ではない。上述した構成の制御電圧発生回路を複数用い、これらの制御電圧発生回路を共通高周波ポートに接続することで単極多投型の高周波スイッチ回路とした態様も可能である。
本発明によれば、低い電圧を動作電圧とするロジック回路により直接高周波スイッチ回路の制御を行うことが可能となり、無線通信端末のロジック回路の低電圧化に寄与し、ひいては無線通信端末の低消費電力化に寄与することができる。
しかも、この回路は、既に実用化されているディプレッション型のpHEMT(Pseudomorphic High Electron-Mobility Transistor)半導体プロセスで素子を集積化可能なため、安価な回路とすることができる。
また、上述のディプレッション型電界効果トランジスタのゲートを抵抗を介して接地することにより、外部制御信号入力端子に過大な電圧がかかった際にも、電流を抑制し熱破壊を避けることができるため、信頼性の向上に寄与することが可能となる。
さらに、能動素子としてピンチオフ電圧が略等しいディプレッション型電界効果トランジスタのみを用いて高周波スイッチ回路を構成することにより、集積化の際に新たなプロセスを追加することなく回路を実現できるので、安価である。あるいはまた、制御電圧発生回路における抵抗を能動負荷で代用することにより、集積回路化の際のチップ面積が節約でき、コスト削減が可能である。
あるいはまた、本発明において、内部制御電圧出力端子を抵抗と容量からなるローパスフィルタを介してスイッチ回路部に接続することにより、高調波発生や信号の帰還による不安定化を回避するための手段を、集積化を妨げることなく、しかも容易に実現可能である。
このような本発明の高周波スイッチ回路は、送受信時分割方式やマルチバンドに対応した携帯電話、無線LAN端末など高周波信号経路の切り換えが必要な高周波無線通信機器に用いることができる。
第1図は、従来の高周波スイッチ回路構成例を説明するための図 第2図は、本発明の第1の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第3図は、第2図に図示の回路において用いた電界効果トランジスタのドレイン電流のゲート電圧依存性を説明するための図 第4図は、本発明の第2の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第5図は、本発明の第3の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第6図は、本発明の第4の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第7図は、本発明の第5の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第8図は、本発明の第6の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第9図は、本発明の第7の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第10図は、本発明の第8の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第11図は、本発明の第9の実施例である高周波スイッチ回路の回路図 第12図は、本発明の第10の実施例である高周波スイッチ回路の回路図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の最良の形態について実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
第2図は本発明の第1の実施例である高周波スイッチ回路の回路図である。図中において、符号114および115はそれぞれこの高周波スイッチ回路の高周波信号の入力端子114および出力端子115であり、101および102はディプレッション型電界効果トランジスタ、121a〜dは抵抗で、高周波信号の入力端子114および出力端子115は、高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うディプレッション型電界効果トランジスタ102を含むスイッチ回路部を介して設けられている。
なお、本実施例では、制御電圧発生回路100内で用いた抵抗121aは、窒化タンタル薄膜で形成した抵抗である。また、符号124aおよび124bは使用する高周波帯において十分小さなインピーダンスとなる容量であり、符号122は電源である。
この図に示した回路構成例では、抵抗121a〜dのもつ抵抗値は30kΩ、容量124aおよび124bの容量値は10pFである。また、この高周波スイッチ回路を制御しているロジック回路の動作電圧は1.6Vであり、電源122はリチウムイオン電池でありその電圧は3Vである。
図中の符号100で示した部分はこの高周波スイッチ回路に設けられた制御電圧発生回路(ブースタ回路)であり、この制御電圧発生回路100には、ディプレッション型電界効果トランジスタ101と、外部制御信号入力端子111と、内部制御電圧出力端子112と、当該制御電圧発生回路の電力取込端子113が設けられている。そして、ディプレッション型電界効果トランジスタ101のゲートは接地され、ソースが外部制御信号入力端子111に、ドレインが電力取込端子113に電気的に接続されるとともに、内部制御電圧出力端子112がディプレッション型電界効果トランジスタ101のドレインと電力取込端子113との電気的接続経路に接続されている。
制御電圧発生回路100の具体的動作の詳細は後述するが、この制御電圧発生回路100は外部制御信号入力端子111からの外部制御信号に基づいてスイッチ回路部を制御する内部制御電圧を発生させる回路であって、当該回路内に設けられたディプレッション型の電界効果トランジスタ101のゲートが接地されており、この電界効果トランジスタ101のソースには外部制御信号入力端子111から当該電界効果トランジスタ101のピンチオフ電圧の絶対値以上のバイアス(Vb)が印加される。一方、電界効果トランジスタ101のドレインは電力取込端子113に接続されており、この電力取込端子113からは電界効果トランジスタ101のピンチオフ電圧の絶対値と比較して充分に大きなバイアス(Va:Va>Vb)がドレインに印加される。
本実施例において、高周波信号の周波数は2.5GHzである。また、電界効果トランジスタ101および102は擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ(pHEMT:Pseudomorphic High Electron-Mobility Transistor)プロセスで同一のチップ上に作製されたFETで、ほぼ同一のピンチオフ電圧をもつ。なお、電界効果トランジスタ101のゲート長は100μm、電界効果トランジスタ102のゲート長は1mmであり、ゲート幅は何れの電界効果トランジスタも1μmである。
第3図は、ドレイン−ソース間電圧(Vds)を3Vとした条件下での、ゲート電圧を変化させた場合の電界効果トランジスタ101のドレイン電流を示す図である。ゲート−ソース間電圧(Vgs)が−1.6Vのときのドレイン電流は0.1μA以下であり、Vgs=0Vのときのドレイン電流は約27mAである。
以下、高周波スイッチ回路の動作について説明する。いま、ロジック回路におけるHigh電圧1.6Vが外部制御信号入力端子111に印加された場合を考える。電界効果トランジスタ101のゲートは接地されているので、ゲート−ソース間電圧は−1.6Vとなりドレイン電流は0.1μA以下となる。すると抵抗121aに流れる電流も0.1μA以下であるから電圧降下も3mV(0.1μA×30kΩ)以下となり、その結果、内部制御電圧出力端子112の電圧は電源電圧に略等しい3Vとなる。以上のことから、内部制御電圧出力端子112から電源電圧に略等しい電圧を出力させるためには、ロジック回路の動作電圧は、ピンチオフ電圧の絶対値以上あればよいことがわかる。また、このときの制御電圧発生回路100の消費電流は、以上から明らかなように0.1μA以下である。
図2に図示されているように、制御電圧発生回路100の内部制御電圧出力端子112は、電界効果トランジスタ102のゲートに接続されている。このため、内部制御電圧出力端子112の電圧が電源電圧に略等しい上述の条件下では、電界効果トランジスタ102のゲートには約3Vが印加されることとなる。
また、電界効果トランジスタ102のソース−ドレイン端子間には、両端子の電位を等しくするために抵抗121dが設けられている。この抵抗121dは30kΩ程度の抵抗値を有するため、電界効果トランジスタ102のソース−ドレイン端子間に高周波信号電流が流れることはない。そして、電界効果トランジスタ102のドレインは抵抗121bを介して電源122に接続されているから、電界効果トランジスタ102のドレイン電圧およびソース電圧は何れも約3Vである。
つまり、この状態では電界効果トランジスタ102のゲート−ソース間電圧は0Vとなり、電界効果トランジスタ102はオン状態となる。その結果、高周波信号端子114と115が接続され、この高周波スイッチ回路は高周波信号を通過させる状態(オン状態)となる。
次にロジック回路からLow電圧0Vが外部制御信号入力端子111に印加された場合を考える。このときの電界効果トランジスタ101のゲート−ソース間電圧は0Vとなり、ドレイン−ソース間には3Vの電圧が印加される結果、27mAのドレイン電流が流れる。上述したように、抵抗121aの抵抗値は30kΩであるから、27mAというドレイン電流は、抵抗121aに流れる電流の100倍以上の電流値であるから、近似的に電界効果トランジスタ102をショートと看做すことができる。したがって、内部制御電圧出力端子112の電圧は略0Vとなる。
この状態では、電界効果トランジスタ102のゲートの電位は0Vとなるので、ゲート−ソース間電圧は−3Vとなる。したがって電界効果トランジスタ102はオフ状態となり、高周波スイッチ回路として高周波信号端子114と115が遮断されてオフ状態となる。また、電界効果トランジスタ102のピンチオフ電圧(−1.6V)と比較して十分大きな逆電圧となっているので、高周波信号に起因したソース電位の変動が生じても容易にオン状態にならず、大きな耐電力性が得られる。
加えて、このときの制御電圧発生回路100の消費電流は0.1mA(=3V/30kΩ)と小さくて済む。
(実施例2)
第4図は、本発明の第2の実施例である高周波スイッチ回路の回路図である。なお、この図において第2図で図示した要素と同一の要素については同じ符号を付している。この高周波スイッチ回路においては、制御電圧発生回路100に用いられている電界効果トランジスタ101のゲートは、抵抗121eを介して接地されている。
このように抵抗121eを介してゲートを接地することにより、外部制御信号入力端子111から過大な電圧が入力されたとしても、この過大な電圧に起因して生じる電流はかならず抵抗121a若しくは121eを通って流れることとなるため、電界効果トランジスタ101に印加される電圧(トランジスタ中を流れる電流)が抑制される。
このようにして、過大電圧の入力に対し、電界効果トランジスタ101がある程度保護されるため、高周波スイッチ回路としての信頼性の向上が期待される。
次に本実施例の高周波スイッチ回路の動作について説明する。ロジック回路におけるHigh電圧1.6Vが外部制御信号入力端子111に印加された場合を考える。電界効果トランジスタ101のショットキー接続の逆方向電流はゲート−ソース間電圧−1.6Vにおいて0.1μA以下であるので、抵抗121eの両端の電圧は3mV以下である。したがって電界効果トランジスタ101のゲートは接地電位に略等しい。このことから実施例1の制御電圧発生回路と同様に、内部制御電圧出力端子112は3Vとなり、抵抗121bを介して容量124aが充電され、電界効果トランジスタ102のソース−ドレイン間電圧は3Vとなる。
なお、電界効果トランジスタ102のゲートに流れる電流は、ショットキー接続が逆方向となるために無視できる。したがって電界効果トランジスタ102のゲート−ソース間電圧は−3Vとなり、高周波スイッチ回路はオフ状態となる。
次に、ロジック回路が0Vを外部制御信号入力端子111に印加した場合を考えると、実施例1と同様に、内部制御電圧出力端子112は0Vを出力する。このとき、容量124aの電荷も抵抗121bを介して放電されるため、電界効果トランジスタ102のソース−ドレイン間電圧は0Vとなり、電界効果トランジスタ2のゲート−ソース間電圧は0Vとなる。したがって電界効果トランジスタ102のソース−ドレイン間は接続され、高周波スイッチ回路はオン状態となる。
(実施例3)
第5図は、本発明の第3の実施例である高周波スイッチ回路の回路図である。本実施例では単極双投(SPDT)回路を実現した。なお、第5図においても、第2図で図示した要素と同一の要素については同じ符号を付して用いることとしているが、この高周波スイッチ回路が2つの制御電圧発生回路(100a、100b)を備えていることに対応して、各制御電圧発生回路の構成要素には、例えば外部制御信号入力端子111aと111bのように、それぞれの構成要素に添字aおよびbを付してある。
以下、本実施例の高周波スイッチ回路の動作を説明する。本実施例による高周波スイッチ回路は、100aと100bの2つの制御電圧発生回路を備えており、それぞれの外部制御信号入力端子111aと111bには相補的なロジック回路からの外部制御信号電圧が印加される。
なお、これら2つの制御電圧発生回路の電力取込端子113aおよび113bは何れも単一の電源122に接続されており、抵抗121aおよび121bを介してそれぞれの制御電圧発生回路内に設けられた電界効果トランジスタ101aおよび101bのドレイン側の端子に電気的に接続されている。
ロジック回路より外部制御信号入力端子111aにHigh電圧1.6V、111bに0Vが印加された場合、内部制御電圧出力端子112aおよび112bからはそれぞれ3Vおよび0Vが出力される。
内部制御電圧出力端子112aからの3Vの出力により、電界効果トランジスタ102aのショットキー接続の順方向電流によって容量124aが充電され、これによりノードn1の電位は3Vとなる。同様に、内部制御電圧出力端子112aに接続されたノードn2の電位も+3Vとなる。一方、ノードn3の電位は内部制御電圧出力端子112bからの0Vの出力により0Vとなる。
したがって電界効果トランジスタ102a、電界効果トランジスタ102b、電界効果トランジスタ103a、および、電界効果トランジスタ103bのゲート−ソース間電圧はそれぞれ、0V、−3V、−3V、および、0Vとなり、スイッチとしての状態はそれぞれ、オン(電界効果トランジスタ102a)、オフ(電界効果トランジスタ102b)、オフ(電界効果トランジスタ103a)、オン(電界効果トランジスタ103b)の接続状態となる。
この結果、高周波信号端子114と116が高周波において接続され、高周波信号端子115は絶縁される。また、電界効果トランジスタ103bがオン状態となっているため、高周波信号端子115を高周波において接地する。この高周波信号端子115の接地により、オフ状態となっている電界効果トランジスタ102bからの高周波信号電流の漏れがグランドに逃がされ、より良い絶縁状態を保つことができる。
また、ロジック回路が外部制御信号入力端子111aにLow電圧0V、111bに1.6Vを印加した場合には、上述の説明と同様の理由により、今度は高周波信号端子115と116が接続される一方、高周波信号端子114が絶縁されることとなる。
(実施例4)
第6図は、本発明の高周波スイッチ回路が備える制御電圧発生回路の第4の実施例を説明するための回路図である。上述の実施例1の半導体プロセスでは、制御電圧発生回路内で使用している抵抗は窒化タンタル薄膜によって形成されたものであるが、その最小線幅は5μmであり、シート抵抗は50Ω/□である。したがって、30kΩの抵抗値の抵抗体とするためには、3mmもの長さが必要となってしまう。
そこで、本実施例においては、第6図に示すように、ゲート(端子)をソース(端子)と接続したディプレッション型電界効果トランジスタ104をアクティブロード(能動負荷)として用い、第2図に図示した抵抗121aを代用することとしている。その他の構成は、第2図に図示した制御電圧発生回路100と同様である。なお、アクティブロードに用いた電界効果トランジスタ104のゲート幅は5μmである。また、電界効果トランジスタ101のゲート幅は、実施例1同様に、100μmである。
外部制御信号入力端子111にHigh電圧1.6Vが印加された場合、電界効果トランジスタ101はオフ状態にあり、アクティブロードとしての電界効果トランジスタ104はオン状態にあるので、内部制御電圧出力端子112からは電源122と同電位の3Vが出力される。
外部制御信号入力端子111にLow電圧0Vが加わった場合、電界効果トランジスタ101と電界効果トランジスタ104はともにオン状態にあるが、アクティブロードとしての電界効果トランジスタ104はゲート幅が小さい(5μm)ために飽和領域での動作となり、電界効果トランジスタ104のソース端子に流れる電流は約2mAとなる。
一方、電界効果トランジスタ101のゲート幅は広い(100μm)ために非飽和領域での動作となり、上記の電界効果トランジスタ104のソース端子に流れる電流に比較して大きなドレイン電流が流れ、この電界効果トランジスタ101のドレイン−ソース間で0.05Vの電圧降下が生じ、その結果、内部制御電圧出力端子112からは0.05Vが出力される。
(実施例5)
第7図は、本発明の第5の実施例の高周波スイッチ回路の回路図である。図中、202は高周波ポートRF1(入力側)およびRF2(出力側)間の高周波信号を通過・遮断を切り替えるためのスイッチ回路部を構成するディプレッション型の電界効果トランジスタである。このスイッチ回路部は、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202のソース端子とドレイン端子が高周波信号径路に接続され、ソース−ドレイン間が抵抗214により接続されてDC電位を等しく保つようにしてある。また、電界効果トランジスタ202のゲート端子は、抵抗215を介して接地されている。
電界効果トランジスタ202はディプレッション型であるので、ゲート端子の電位がソース−ドレイン端子間の電位よりも閾値電圧以上高い場合には、電界効果トランジスタ202のソース−ドレイン端子間はオン状態となる一方、閾値電圧よりも低くなった場合にはオフ状態となる。なお、本実施例の場合の電界効果トランジスタ202の閾値電圧は−1.1Vである。
第7図において、符号200は制御電圧発生回路であり、L1が外部制御信号入力端子、T2が内部制御電圧出力端子、T1が高周波回路接続端子、221は容量、231はショットキーダイオード、211及び212は抵抗で何れも10kΩの抵抗値を有する。また、201はディプレッション型の電界効果トランジスタで、同じくディプレッション型である電界効果トランジスタ202と同一のプロセスによって作製されたFETで、閾値電圧は−1.1Vである。なお、n1はノード1、n2はノード2の位置を示している。
この制御電圧圧制回路200に設けられたディプレッション型の電界効果トランジスタ201は、そのゲートが接地されており、そのソース端子と外部制御信号入力端子L1とが接続されるとともに、ドレイン端子はノード1(n1)に接続されている。
第1の抵抗211は、その一方の端子がノード1(n1)に接続され、他方の端子はノード2(n2)に接続されている。また、内部制御電圧出力端子T2はノード1(n1)に接続されており、容量221は、その一方の端子が高周波回路接続端子T1を介して高周波信号経路に接続され、他方の端子はノード2(n2)に接続されている。
ダイオード231のカソードはノード2(n2)に接続され、アノードは外部制御信号入力端子L1に接続されている。また、第2の抵抗212の一方の端子はノード2(n2)に接続され、他方の端子は外部制御信号入力端子L1に接続されている。そして、この制御電圧発生回路200の内部制御電圧出力端子T2が、抵抗216を介して、スイッチ回路部を構成するディプレッション型電界効果トランジスタ202のドレイン端子に接続されている。
抵抗216は、制御電圧圧制回路200が高周波信号に与える影響を抑制するために設けられた負荷であり、高周波信号経路の特性インピーダンスよりも十分に大きな抵抗値を有している。実用上、高周波信号経路の特性インピーダンスは50Ω若しくは75Ωであるため、本実施例では抵抗216の抵抗値を10kΩとした。
なお、内部制御電圧出力端子T2とスイッチ回路部との接続は、抵抗216をディプレッション型電界効果トランジスタ202のドレイン端子に接続する態様のほか、ソース端子若しくはゲート端子に接続するようにしてもよい。また、スイッチ回路部は、ディプレッション型電界効果トランジスタ202で構成する第7図に図示した構成に限定されるものではない。
なお、制御電圧圧制回路200が高周波信号に与える影響を無視できる程度に抑制するためには、容量221のキャパシタンスも十分に小さくする必要がある。しかし、容量が小さすぎた場合、整流作用が起こらずに十分な電圧が発生しなくなる。したがって、容量221のキャパシタンスは、ショットキーダイオード231のもつ容量値よりも大きくすることが望ましい。なお、本実施例においては、容量221のキャパシタンスを0.1pFとしている。
次に、本実施例の高周波スイッチ回路の動作について説明する。
先ず、ロジック回路におけるHigh電圧1.6Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が小電力の場合には、高周波信号が小電力であるためにノード2(n2)の電圧振幅も十分小さく、ショットキーダイオード231による整流作用も発生しない。このため、ディプレッション型の電界効果トランジスタ201のゲート−ソース端子間の電位差は−1.6Vとなってオフ状態となる。
一方、ノード1(n1)の電位は1.6Vとなり、これが内部制御電圧出力端子T2から抵抗216を介してディプレッション型の電界効果トランジスタ202のドレイン端子へと出力される。電界効果トランジスタ202のドレインとソースとは抵抗214を介して接続されているため、その電位は等しく保たれているから、電界効果トランジスタ202のソースの電位も1.6Vとなる。したがって、電界効果トランジスタ202のゲート−ソース端子間の電位差は−1.6Vとなり、電界効果トランジスタ202はオフ状態となる。この結果、高周波ポートRF1とRF2は遮断された状態となる。
次に、ロジック回路におけるHigh電圧1.6Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が大電力の場合考える。この場合には、高周波信号が大電力であるため、容量221を通してノード2(n2)の電圧振幅も十分大きくなり、ショットキーダイオード231による整流作用が発生する。このため、ノード2(n2)の直流電位も高周波信号の電力に応じて上昇する。
このとき、ディプレッション型の電界効果トランジスタ201は、ゲート−ソース端子間の電位差が−1.6Vとなってオフ状態となっている。したがって、内部制御電圧出力端子T2からは、整流作用によって1.6Vより高い電位が出力され、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202のゲート−ソース端子間電位差も外部制御信号電位1.6Vより高くなる。
なお、一般に、HEMTトランジスタが遮断できる電力はゲート電位とドレイン/ソース電位の差の2乗に比例するため、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202の遮断可能な電力も大きくなる。
ロジック回路におけるLow電圧0Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が小電力の場合には、高周波信号が小電力であることにより、ノード2(n2)の電圧振幅も十分小さく、したがってショットキーダイオード231による整流作用も発生しない。その結果、ディプレッション型の電界効果トランジスタ201はゲート−ソース端子間電位差が0Vとなり、オン状態となる。
そして、ノード1(n1)の電位は0Vとなり、この電位が内部制御電圧出力端子T2からディプレッション型の電界効果トランジスタ202のドレイン端子へと抵抗216を介して出力され、電界効果トランジスタ202のゲート−ソース端子間電位差は0Vとなる。その結果、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202はオン状態となり、高周波ポートRF1とRF2は、高周波的に接続された状態となる。
ロジック回路におけるLow電圧0Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が大電力の場合には、高周波信号が大電力であることにより、容量221を通してノード2(n2)の電圧振幅が十分大きくなるとショットキーダイオード231による整流作用が発生する。したがって、ノード2(n2)の直流電位も高周波信号の電力に応じて上昇する。
しかし、このときディプレッション型の電界効果トランジスタ201はゲート−ソース端子間電位差が0Vでオン状態となっているため、ソース−ドレイン間の抵抗(オン抵抗)は十分小さい。したがって、ノード1(n1)の電位は、外部制御信号端子L1の電位0Vにほぼ等しくなる。
この電位が内部制御電圧出力端子T2からディプレッション型の電界効果トランジスタ202のドレイン端子へと抵抗216を介して出力され、その結果、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202のゲート−ソース端子間電位差も0Vとなる。そして、この電界効果トランジスタ202はオン状態となり、高周波ポートRF1とRF2は、高周波的に接続された状態となる。
このように、本実施例の高周波スイッチ回路は、低電圧外部制御信号によっても、大電力高周波信号の遮断・通過を制御可能な高周波スイッチ回路として動作する。
(実施例6)
第8図は、本発明の第6の実施例である高周波スイッチ回路の回路図で、この回路においては、第7図で図示した第5の実施例のディプレッション型の電界効果トランジスタ201のゲートを抵抗213を介して接地させている。このように、電界効果トランジスタ201のゲートを抵抗213を介して接地することで、過剰な電圧が外部制御信号入力端子L1に入力された場合でも、電界効果トランジスタ201のゲートに大電流が流れることが回避され、電界効果トランジスタ201の破壊を防止できる。
(実施例7)
第9図は、本発明の第7の実施例である単極双投(SPDT)型高周波スイッチ回路の回路図である。図中の符号202aおよび202bは高周波信号経路をオン・オフするためのスイッチ回路部を構成するショットキー接合ディプレッション型電界効果トランジスタであり、そのソースとドレインはそれぞれ、抵抗214aおよび214bを介して接続されている。
これらの電界効果トランジスタ202aおよび202bのドレイン端子のそれぞれは、高周波帯において十分小さなインピーダンスとなる容量224aおよび224bを介して、高周波ポートRF1およびRF2に接続されている。
なお、制御電圧発生回路部200aおよび200bは、第6の実施例の制御電圧発生回路(第8図の200)と同じ構成の制御電圧発生回路であるので、回路構成の詳細は不図示とした。
L1aおよびL1bは制御電圧発生回路部200aおよび200bの外部制御信号入力端子であり、外部回路(不図示)からの相補的な制御信号電圧が印加される。また、制御電圧発生回路部200aおよび200bの内部制御電圧出力端子T2aおよびT2bは、抵抗217aおよび217bと容量232aおよび232bで構成されたローパスフィルタ並びに抵抗215aおよび215bを介して、スイッチ回路部のショットキー接合ディプレッション型の電界効果トランジスタ202aおよび202bのそれぞれのゲート端子に接続されている。
制御電圧発生回路部200aおよび200bの高周波回路接続端子T1aおよびT1bは、高周波ポートRF3に接続されている。本実施例の高周波スイッチ回路は、高周波ポートRF3を共通端子とするSPDT型高周波スイッチ回路であるので、RF1とRF3が接続されている場合も、RF2とRF3が接続されている場合も、何れの場合においても、高周波回路接続端子T1aとT1bは高周波信号経路に接続していることになる。
この高周波スイッチ回路においては、相補的な制御信号が外部制御信号入力端子L1aとL1bに入力されるため、制御電圧発生回路部200aと200bの何れかの内部制御電圧出力端子(T2a、T2b)からHigh電位が出力されることになる。
ここで、外部制御信号入力端子L1bがHigh電位となったとすると、上述の実施例5の場合と同様の理由により、内部制御電圧出力端子T2bがHigh電位となり、ショットキー接合ディプレッション型電界効果トランジスタ202bのゲート端子もHigh電位となり、ショットキー接合を介してソース・ドレイン端子もHigh電位となる。
このとき、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202bのゲート−ソース端子間電圧は閾値電圧よりも高くなるので、電界効果トランジスタ202bはオン状態となり、ドレイン−ソース端子間が接続される。一方、内部制御電圧出力端子T2aはLow電位となり、このLow電圧の出力により、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202aのゲート端子はLow電位となる。また、この電界効果トランジスタ202aのドレイン端子及びソース端子はディプレッション型の電界効果トランジスタ202bのソース端子と直流的に接続されているので、同電位(High電位)となる。その結果、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202aのゲート端子のショットキー接合は逆電圧となり、電流は流れない。
このとき、ディプレッション型の電界効果トランジスタ202aのゲート−ソース端子間電圧は閾値より低くなるためにオフ状態となり、この電界効果トランジスタ202aのソース端子とドレイン端子は非接続状態となる。その結果、高周波ポートRF2とRF3が接続される一方、RF1は非接続状態となる。
電界効果トランジスタ202bのソース−ドレイン端子間を通過する高周波信号電力が増大すると、制御電圧発生回路部200bから出力されるHigh電位も高まるため、ディプレッション型電界効果トランジスタ(202a、202b)のソース端子およびドレイン端子の電位も上昇する。
一方、制御電圧発生回路部200aの出力電位は、高周波電力に依存せず、0Vを保持するため、電界効果トランジスタ202aのゲート端子の電位には変動がない。したがって、この電界効果トランジスタ202aのゲート−ソース間電位差が大きくなり、大電力の高周波信号であっても高周波ポートRF1−RF3間のアイソレーションを悪化させることなく遮断状態を保持可能となる。
また、外部制御信号入力端子L1aがHigh電位になった場合には、上述とは対称的に、高周波ポートRF1とRF3が接続される。この場合でも、共通高周波ポートRF3を高周波信号が通過するので、高周波回路接続端子T1aおよびT1bは何れも高周波信号経路に接続され、制御電圧発生回路部(200a、200b)が有効に動作可能である。その結果、ディプレッション型電界効果トランジスタ202bのゲート−ソース間電位差が大きくなり、大電力の高周波信号であっても高周波ポートRF2−RF3間のアイソレーションを悪化させることなく遮断状態を保持可能となる。
(実施例8)
第10図は、本発明の第8の実施例の高周波スイッチ回路の回路図である。図中、符号302は高周波ポートRF1およびRF2間の高周波信号の通過・遮断を切り替えるためのスイッチ回路部を構成するディプレッション型の電界効果トランジスタである。このディプレッション型の電界効果トランジスタ302は、ソース端子とドレイン端子が高周波信号径路に接続され、ソース−ドレイン間は抵抗314により接続されてDC電位を等しく保つようにしてある。また、この電界効果トランジスタ302のドレイン端子は、抵抗318を介して2.0Vの電位にプルアップされている。
この電界効果トランジスタ302はディプレッション型であるので、ゲート端子電位がソース・ドレイン端子電位より閾値電圧以上高い場合には、電界効果トランジスタ302のソース−ドレイン端子間はオン状態となり、低くなった場合にはオフ状態となる。なお、本実施例の場合、電界効果トランジスタ302の閾値電圧は−1.1Vである。
符号300は本実施例の高周波スイッチ回路が備える制御電圧発生回路部であり、L1が外部制御信号入力端子、T2が内部制御電圧出力端子、T1が高周波回路接続端子であり、321は容量、331はショットキーダイオード、311は10kΩの抵抗値を有する抵抗、301はディプレッション型の電界効果トランジスタである。なお、n1はノード1、n2はノード2の位置を示している。
この制御電圧発生回路部300は、ディプレッション型の電界効果トランジスタ301のゲート端子が接地されており、この電界効果トランジスタ301のソース端子と外部制御信号入力端子L1が接続されており、ドレイン端子はノード2(n2)に接続されている。
抵抗311は、その一方の端子がノード1(n1)に接続され、他方の端子が外部制御信号入力端子L1に接続されている。ノード1(n1)は、内部制御電圧出力端子T2に接続され、この内部制御電圧出力端子T2がディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲート端子に抵抗315を介して接続されている。
容量321は、その一方の端子が高周波回路接続端子T1に接続されて高周波信号経路に接続されるとともに、他方の端子はノード1(n1)に接続されており、ダイオード331は、そのカソードがノード2(n2)に接続され、アノードはノード1(n1)に接続されている。
この抵抗315は、制御電圧発生回路300が高周波信号に影響を与えないために設けられたものであり、その抵抗値は高周波信号経路の特性インピーダンスより十分大きくする必要がある。実用上、特性インピーダンスは50Ω若しくは75Ωであるので、本実施例では抵抗315の抵抗値を10kΩとしている。
なお、制御電圧圧制回路300が高周波信号に与える影響を無視できる程度に抑制するためには、容量321のキャパシタンスも十分に小さくする必要がある。しかし、容量が小さすぎた場合、整流作用が起こらずに十分な電圧が発生しなくなる。したがって、容量321のキャパシタンスは、ショットキーダイオード331のもつ容量値よりも大きくすることが望ましい。なお、本実施例においては、容量321のキャパシタンスを0.1pFとしている。
ディプレッション型の電界効果トランジスタ301は、同じくディプレッション型である電界効果トランジスタ302と同一のプロセスによって作製されるものであり、その閾値電圧は−1.1Vである。
符号324aおよび324bは、直流成分をカットしてディプレッション型の電界効果トランジスタ302のソース端子及びドレイン端子に2.0Vのバイアス電圧が印加されるようにするために設けられるものであるが、高周波信号を通過させ得るものであることが前提であることから、十分に大きい容量値が必要である。本実施例では、要領324aおよび324bのキャパシタンスは何れも10pFとしている。
次に、本実施例の高周波スイッチ回路の動作について説明する。
先ず、ロジック回路におけるHigh電圧2.0Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が小電力の場合には、高周波信号が小電力であるためにノード1(n1)の電圧振幅も十分小さく、ショットキーダイオード331による整流作用も発生しない。
このため、外部制御信号入力端子L1の電位が抵抗311を介して内部制御電圧出力端子T2からディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲート端子に抵抗315を介して出力され、電界効果トランジスタ302のゲート−ソース端子間の電位差は0Vとなる。
その結果、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302はオン状態となり、高周波ポートRF1とRF2は、接続された状態となる。
次に、ロジック回路におけるHigh電圧2.0Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が大電力の場合考える。この場合には、高周波信号が大電力であるため、容量321を通してノード1(n1)の電圧振幅も十分大きくなり、ショットキーダイオード331による整流作用が発生しようとする。ここで、ショットキーダイオード331に順方向電流が流れようとした場合には、ノード2(n2)の電位はディプレッション型の電界効果トランジスタ301のソース端子の電位より高くなる必要がある。
しかし、この場合は、ディプレッション型の電界効果トランジスタ301のソース端子には2.0Vが印加されているので、ドレイン端子も2.0V以上の電位となり、結局ゲート端子との電位差が−2.0Vとなり、この電界効果トランジスタ301はオフ状態となっている。このため、順方向電流は流れない。また、ショットキーダイオード331中の逆方向電流はそのダイオード特性から耐圧以下の電圧であれば流れない。このように、ショットキーダイオード331には、順方向電流も逆方向電流も流れず、実際には整流作用は生じないことがわかる。
そして、内部制御電圧出力端子T2からは、外部制御信号入力端子L1に印加された電位が抵抗311を介して出力されるため、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲート−ソース端子間電位差は0Vとなり、この電界効果トランジスタ302はオン状態となって、高周波ポートRF1とRF2が接続された状態となる。
ロジック回路におけるLow電圧0Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が小電力の場合には、高周波信号が小電力であるため、ノード1(n1)の電圧振幅も十分小さく、したがってショットキーダイオード331による整流作用も発生しない。ノード1(n1)は抵抗311を介して外部制御信号入力端子L1の0Vに接続された状態であり、これが内部制御電圧出力端子T2からディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲート端子へと抵抗315を介して出力される。
したがって、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲートの電位も0Vとなり、ゲート−ソース端子間の電位差は−2.0Vとなる。その結果、電界効果トランジスタ302はオフ状態となり、高周波ポートRF1とRF2は高周波的に切断された状態となる。
ロジック回路におけるLow電圧0Vが外部制御信号入力端子L1に印加され、且つ、高周波ポートRF1に入力される高周波信号が大電力の場合には、高周波信号が大電力であることにより、容量321を通してノード1(n1)の電圧振幅も十分大きくなると、ショットキーダイオード331による整流作用が発生する。
ディプレッション型の電界効果トランジスタ301は、そのゲート−ソース端子間の電位差が0Vとなるためにオン状態となっている。このため、ショットキーダイオード331の電流を防ぐことはできず、ショットキーダイオード331の整流作用によってノード1(n1)の直流電位は0Vよりも低くなり、これが内部制御電圧出力端子T2からディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲート端子へと抵抗315を介して出力される。このため、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302のゲート−ソース端子間の電位差は−2.0Vよりも低くなり、この電界効果トランジスタ302はオフ状態となり、高周波ポートRF1とRF2は高周波的に遮断された状態となる。
また、ディプレッション型電界効果トランジスタ302のゲート−ソース端子間の電位差が−2.0Vよりも低くなったことにより、より大きな電力を遮断可能となる。
このように、本実施例の高周波スイッチ回路は、低電圧外部制御信号によっても、大電力高周波信号の遮断・通過を制御可能な高周波スイッチ回路として動作する。
(実施例9)
第11図は、本発明の第9の実施例の高周波スイッチ回路の回路図で、この回路においては、第10図で図示した第8の実施例のディプレッション型の電界効果トランジスタ301のゲートを抵抗313を介して接地させている。このように、電界効果トランジスタ301のゲートを抵抗313を介して接地することで、過剰な電圧が外部制御信号入力端子L1に入力された場合でも、電界効果トランジスタ301のゲートに大電流が流れることが回避され、電界効果トランジスタ301の破壊を防止できる。
(実施例10)
第12図は、本発明の第10の実施例である単極双投(SPDT)型高周波スイッチ回路の回路図である。図中の符号302aおよび302bは高周波信号経路をオン・オフするためのスイッチ回路部を構成するショットキー接合ディプレッション型電界効果トランジスタであり、そのソースとドレインはそれぞれ、抵抗314aおよび314bを介して接続されている。
これらの電界効果トランジスタ302aおよび302bのドレイン端子のそれぞれは、高周波帯において十分小さなインピーダンスとなる容量324aおよび324bを介して、高周波ポートRF1およびRF2に接続されている。
なお、制御電圧発生回路部300aおよび300bは、第9の実施例の制御電圧発生回路(第11図の300)と同じ構成の制御電圧発生回路であるので、回路構成の詳細は不図示とした。
L1aおよびL1bは制御電圧発生回路部300aおよび300bの外部制御信号入力端子であり、外部回路(不図示)からの相補的な制御信号電圧が印加される。また、制御電圧発生回路部300aおよび300bの内部制御電圧出力端子T2aおよびT2bは、抵抗317aおよび317bと容量332aおよび332bで構成されたローパスフィルタ並びに抵抗315aおよび315bを介して、スイッチ回路部のショットキー接合ディプレッション型の電界効果トランジスタ302aおよび302bのそれぞれのゲート端子に接続されている。
制御電圧発生回路部300aおよび300bの高周波回路接続端子T1aおよびT1bは、高周波ポートRF3に接続されている。本実施例の高周波スイッチ回路は、高周波ポートRF3を共通端子とするSPDT型高周波スイッチ回路であるので、RF1とRF3が接続されている場合も、RF2とRF3が接続されている場合も、何れの場合においても、高周波回路接続端子T1aとT1bは高周波信号経路に接続していることになる。
この高周波スイッチ回路においては、相補的な制御信号が外部制御信号入力端子L1aとL1bに入力されるため、制御電圧発生回路部300aと300bの何れかの内部制御電圧出力端子(T2a、T2b)からHigh電位が出力されることになる。
ここで、外部制御信号入力端子L1bがHigh電位となったとすると、上述の実施例8の場合と同様の理由により、内部制御電圧出力端子T2bがHigh電位となり、ショットキー接合ディプレッション型電界効果トランジスタ302bのゲート端子もHigh電位となり、ショットキー接合を介してソース・ドレイン端子もHigh電位となる。
このとき、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302bのゲート−ソース端子間電圧は閾値電圧よりも高くなるので、電界効果トランジスタ302bはオン状態となり、ドレイン−ソース端子間が接続される。一方、内部制御電圧出力端子T2aはLow電位となり、このLow電圧の出力により、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302aのゲート端子はLow電位となる。また、この電界効果トランジスタ302aのドレイン端子及びソース端子はディプレッション型の電界効果トランジスタ302bのソース端子と直流的に接続されているので、同電位(High電位)となる。その結果、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302aのゲート端子のショットキー接合は逆電圧となり、電流は流れない。
このとき、ディプレッション型の電界効果トランジスタ302aのゲート−ソース端子間電圧は閾値より低くなるためにオフ状態となり、この電界効果トランジスタ302aのソース端子とドレイン端子は非接続状態となる。その結果、高周波ポートRF2とRF3が接続される一方、RF1は非接続状態となる。
電界効果トランジスタ302bのソース−ドレイン端子間を通過する高周波信号電力が増大すると、制御電圧発生回路部300aから出力されるLow電位は低下するため、ディプレッション型電界効果トランジスタ302aのゲートの電位も低下する。
一方、制御電圧発生回路部300bの出力電位は、高周波電力に依存せず、2.0Vを保持するため、電界効果トランジスタ302bのゲート端子の電位には変動がない。したがって、この電界効果トランジスタ302bのゲート−ソース間電位差が大きくなり、大電力の高周波信号であっても高周波ポートRF1−RF3間のアイソレーションを悪化させることなく遮断状態を保持可能となる。
また、外部制御信号入力端子L1aがHigh電位になった場合には、上述とは対称的に、高周波ポートRF1とRF3が接続される。この場合でも、共通高周波ポートRF3を高周波信号が通過するので、高周波回路接続端子T1aおよびT1bは何れも高周波信号経路に接続され、制御電圧発生回路部(300a、300b)が有効に動作可能である。その結果、ディプレッション型電界効果トランジスタ302bのゲート−ソース間電位差が大きくなり、大電力の高周波信号であっても高周波ポートRF2−RF3間のアイソレーションを悪化させることなく遮断状態を保持可能となる。
本実施例においては、抵抗(317a、317b)および容量(332a、332b)からなるローパスフィルタをディプレッション型の電界効果トランジスタ(302a、302b)のゲート端子に接続したことにより、制御電圧発生回路部(300a、300b)から発生する高調波を減衰させ、高周波信号への高調波混入を防いだり、正帰還による発振を防止したりといった効果を得ることができる。
以上、実施例により本発明の高周波スイッチ回路について説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、制御電圧発生回路に設けられる電界効果トランジスタのゲートを抵抗を介して接地することや、電界効果トランジスタのドレインを抵抗を介して電力取込端子(あるいは電源端子)に接続することは、本発明の全ての高周波スイッチ回路の態様において可能である。
また、本発明の高周波スイッチ回路に設けられる抵抗を能動負荷で代用したり、高周波スイッチ回路内で用いられる全ての能動素子を略等しいピンチオフ電圧のディプレッション型電界効果トランジスタとしたり、あるいは、内部制御電圧出力端子をローパスフィルタを介してスイッチ回路部に接続するように構成することも、本発明の全ての高周波スイッチ回路の態様において可能である。
さらに、本発明の高周波スイッチ回路を2つ以上用いて単極多投型の高周波スイッチ回路とすること、具体的には、夫々の高周波スイッチ回路の高周波信号径路の一端を共通高周波ポートに接続して単極多投型の高周波スイッチ回路とすることも、本発明の全ての高周波スイッチ回路の態様において可能である。
なお、本発明の高周波スイッチ回路を単極多投型のものとする場合には、組み合わされる高周波スイッチ回路の何れもが単独の「高周波スイッチ回路」として機能し得るものであることは必ずしも必要ではない。上述した構成の制御電圧発生回路を複数用い、これらの制御電圧発生回路を共通高周波ポートに接続することで単極多投型の高周波スイッチ回路とした態様も可能である。
このように、上述の実施例を種々変形することは本発明の範囲内にあり、更に本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能である。
本発明の高周波スイッチ回路は、送受信時分割方式やマルチバンドに対応した携帯電話、無線LAN端末など高周波信号経路の切り換えが必要な高周波無線通信機器に用いることができる。

Claims (15)

  1. 高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいて前記スイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、
    前記制御電圧発生回路は、該制御電圧発生回路の電力取込端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、外部制御信号入力端子と、内部制御電圧出力端子とを備え、
    前記電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが前記外部制御信号入力端子に接続され、ドレインが前記電力取込端子に接続されており、
    前記内部制御電圧出力端子は、前記電界効果トランジスタのドレインと前記電力取込端子との電気的接続経路に接続されていることを特徴とする高周波スイッチ回路。
  2. 前記電界効果トランジスタのゲートは、抵抗を介して接地されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波スイッチ回路。
  3. 前記電界効果トランジスタのドレインは、第1の抵抗を介して前記電力取込端子に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波スイッチ回路。
  4. 高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいて前記スイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、
    前記制御電圧発生回路は、該制御電圧発生回路の電源端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、第1の抵抗と、外部制御信号入力端子と、内部制御電圧出力端子とを備え、
    前記電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが前記外部信号入力端子に接続され、ドレインは前記第1の抵抗の一方端子に接続されており、
    前記第1の抵抗の他方端子は前記電源端子に接続されており、
    前記内部制御電圧出力端子は、前記電界効果トランジスタのドレインと前記第1の抵抗の一方端子との電気的接続経路に接続されていることを特徴とする高周波スイッチ回路。
  5. 前記電界効果トランジスタのゲートは、第2の抵抗を介して接地されていることを特徴とする請求項4に記載の高周波スイッチ回路。
  6. 少なくとも第1の高周波スイッチ回路部と第2の高周波スイッチ回路部とを備えた単極多投型の高周波スイッチ回路であって、
    前記第1および第2の高周波スイッチ回路部は請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の高周波スイッチ回路であり、
    前記第1および第2の高周波スイッチ回路部は何れも、前記高周波信号径路の一端が共通高周波ポートに接続されていることを特徴とする単極多投型の高周波スイッチ回路。
  7. 高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいて前記スイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、
    前記制御電圧発生回路部は、高周波回路接続端子と、外部制御信号入力端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、第1及び第2の抵抗と、内部制御電圧出力端子と、容量と、ダイオードとを備え、
    前記電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが前記外部制御信号入力端子に接続され、ドレインがノード1を介して前記内部制御電圧出力端子に接続されており、
    前記第1の抵抗は、一方端子が前記ノード1に接続されるとともに他方端子がノード2に接続されており、
    前記第2の抵抗は、一方端子が前記ノード2に接続されるとともに他方端子が前記外部制御信号入力端子に接続されており、
    前記容量は、一方端子が前記高周波回路接続端子を介して前記高周波信号経路に接続されるとともに他方端子が前記ノード2に接続され、
    前記ダイオードは、カソードが前記ノード2に接続されるとともにアノードが前記外部制御信号入力端子に接続されており、
    前記内部制御電圧出力端子は、前記スイッチ回路部に接続されていることを特徴とする高周波スイッチ回路。
  8. 前記電界効果トランジスタのゲートは、第3の抵抗を介して接地されていることを特徴とする請求項7に記載の高周波スイッチ回路。
  9. 高周波信号経路の接続状態と非接続状態の切替を行うスイッチ回路部と、外部制御信号に基づいて前記スイッチ回路部制御用の内部制御電圧を発生する制御電圧発生回路部とを有する高周波スイッチ回路であって、
    前記制御電圧発生回路部は、高周波回路接続端子と、外部制御信号入力端子と、ディプレッション型の電界効果トランジスタと、第1の抵抗と、内部制御電圧出力端子と、容量と、ダイオードとを備え、
    前記電界効果トランジスタは、ゲートが接地され、ソースが前記外部制御信号入力端子に接続され、ドレインがノード2に接続されており、
    前記ダイオードは、カソードが前記ノード2に接続されるとともにアノードがノード1に接続されており、
    前記第1の抵抗は、一方端子が前記ノード1と前記内部制御電圧出力端子との電気的接続経路に接続されるとともに他方端子が前記外部制御信号入力端子に接続されており、
    前記容量は、一方端子が前記高周波回路接続端子を介して前記高周波信号経路に接続されるとともに他方端子が前記ノード1に接続され、
    前記内部制御電圧出力端子は、前記スイッチ回路部に接続されていることを特徴とする高周波スイッチ回路。
  10. 前記電界効果トランジスタのゲートは、第2の抵抗を介して接地されていることを特徴とする請求項9に記載の高周波スイッチ回路。
  11. 少なくとも第1の高周波スイッチ回路部と第2の高周波スイッチ回路部とを備えた単極多投型の高周波スイッチ回路であって、
    前記第1および第2の高周波スイッチ回路部は請求項7乃至10の何れか1項に記載の高周波スイッチ回路であり、
    前記第1および第2の高周波スイッチ回路部は何れも、前記高周波信号径路の一端が共通高周波ポートに接続されるとともに、前記制御電圧発生回路に設けられた前記容量の一方端子が前記高周波回路接続端子を介して前記共通高周波ポートに接続されていることを特徴とする単極多投型の高周波スイッチ回路。
  12. 前記高周波スイッチ回路内で用いられる能動素子は何れも、前記電界効果トランジスタと略等しいピンチオフ電圧のディプレッション型電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の高周波スイッチ回路。
  13. 前記第1の抵抗は、能動負荷であることを特徴とする請求項3乃至請求項12の何れか1項に記載の高周波スイッチ回路。
  14. 前記内部制御電圧出力端子は、ローパスフィルタを介して前記スイッチ回路部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の高周波スイッチ回路。
  15. 前記ローパスフィルタは、抵抗と容量により構成されていることを特徴とする請求項14に記載の高周波スイッチ回路。
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