JP7357562B2 - 高周波スイッチ回路 - Google Patents
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Description
かかる半導体高周波スイッチ回路は、その使用条件などに応じて、挿入損失、アイソレーション、ハンドリングパワー、歪特性等の電気的特性について、好適な特性、レベルであることが所望される。
この従来回路は、1つの制御信号によってSPDT(Single Pole Double Throw)スイッチの経路切り替えを可能に構成されたものである。すなわち、従来回路は、デプレッションモードの高周波スイッチ用電界効果トランジスタ(以下「スイッチFET」と称すると共に、図5においては「FET」と表記)を主たる構成要素として構成されている。
しかして、スイッチFETのしきい値電圧Vthnに対して、Vthn≧-VS1となったときに、スイッチFETはオフ状態となり、高周波入出力端子T1,T2間が遮断される。
この種の従来回路は、例えば、特許文献1等に開示されたものがある。
以下、図6を参照しつつ、この従来回路について概括的に説明する。
この従来回路は、図5に示された回路に、シャント用電界効果トランジスタ(以下、「シャントFET」と称すると共に、図6においては「SH-FET」と表記)を付加した構成を有するものとなっている。シャントFETは、エンハンスメント型FETであり、そのゲートにはゲート抵抗器Rg2を介して制御信号端子CONTから制御信号が印加されるようになっている。
また、シャントFETは、そのソースがスイッチFETのソースと共にDCデカップリングキャパシタC2を介して高周波入出力端子T2に接続される一方、ドレインはDCデカップリングキャパシタC3を介してグランドに接続されている。
高周波入出力端子間に第1の電界効果トランジスタが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン・ソース間には第1の抵抗器が接続され、前記第1の電界効果トランジスタのゲートは第2の抵抗器を介してグランドに接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソース・ゲート間に第2の電界効果トランジスタが接続され、前記第2の電界効果トランジスタのゲートは、第3の抵抗器を介して制御信号が印加可能とされ、前記制御信号に基づいて前記第1の電界効果トランジスタのドレイン、ソースに電圧供給を行うバイアス回路が設けられ、
前記第1の電界効果トランジスタはデプレッションモードで動作し、かつ、前記第2の電界効果トラジスタと極性が異なる電界効果トランジスタが用いられてなるものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における高周波スイッチ回路の第1の回路構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この高周波スイッチ回路は、2つの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と称する)、すなわち、第1のFET(図1においては「FET1」と表記)1と第2のFET(図1においては「FET2」と表記)2とを主たる構成要素として、SPDTスイッチが構成されたものである。
なお、良く知られているように制御信号入力端子33へ印加する電圧のバイアス条件を変えて、N型とP型の関係を反転させても本質的に同様な回路が実現できることは勿論である。
第1のFET1は、ドレインが第1のDCデカップリングキャパシタ(図1においては「C1」と表記)21を介して第1の高周波入出力端子(図1においては「T1」と表記)31に接続される一方、ソースが第2のDCデカップリングキャパシタ(図1においては「C2」と表記)22を介して第2の高周波入出力端子(図1においては「T2」と表記)32に接続されている。
また、第1のFET1のゲートは、第2の抵抗器としての第1のゲート抵抗器(図1においては「Rg1」と表記)12を介してグランドに接続されている。さらに、第1のFET1のドレイン・ソース間には、第1の抵抗器としての第1のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「Rds1」と表記)11が接続されている。
また、第2のFET2のゲートは、第3の抵抗器としての第2のゲート抵抗器(図1においては「Rg2」と表記)13を介して制御信号入力端子(図1においては「Tcnt」と表記)33に接続されている。
制御信号入力端子33とグランドとの間には、制御信号入力端子33側から第1のバイアス抵抗器(図1においては「Rb1」と表記)14と第2のバイアス抵抗器(図1においては「Rb2」と表記)15が直列接続されて設けられている。
これら第1及び第2のバイアス抵抗器14,15によりバイアス回路100が構成されている。
先ず、制御信号入力端子33に正の電圧VDDが印加された場合、バイアス回路100を介して第1及び第2のDCデカップリングキャパシタ21,22が充電され、第1のFET1のソース電圧VS1が上昇する。第1のFET1のゲートは、第1のゲート抵抗器12を介してグランドに接続されているため、第1のFET1のゲート・ソース間電圧Vgsは-VS1となる。
本発明の実施の形態においては、第2のFET2のゲート電圧はグランド電位となり、Vthp≧-VS1となるため、第2のFET2はオン状態となり電荷放電が促進される。この結果、第1のFET1のゲート・ソース間電位差が瞬時に小さくされるため、第1のFET1は従来と異なり速く導通状態となる。
また、制御信号入力端子33にグランド電位が印加されて第2のFET2がオン状態となると第2のFET2のソース電圧は徐々に小さくなり、第2のFET2のゲート・ソース間電位差がしきい値電圧に達する。したがって、第1のFET1のしきい値電圧をVth1、第2のFET2のしきい値電圧をVth2とすると、この2つのFETのしきい値電圧の間には、|Vth1|≧|Vth2|の関係が成立するように構成することで、高周波スイッチ用の電界効果トランジスタのスイッチング時間の高速化が確実になされることになる。
図3において、横軸は制御信号の印加時からの経過時間を表している。
また、図3において、紙面左側の縦軸はゲート・ソース間電圧を、紙面右側の縦軸は制御信号電圧を、それぞれ表している。
従来回路の場合、時刻t0において制御信号がVDDからグランド電位に切り替わった後、時刻t1においてゲート・ソース間電圧がしきい値Vthnに達している。
なお、図1に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
この第2の回路構成例は、第1の回路構成例を基本として、特に、高周波入出力端子31,32間のアイソレーション向上のために短絡用の第3のFET(図2においては「FET3」と表記)3を設けたものである(詳細は後述)。
最初に、この第2の回路構成例において、第1のFET1AにはデプレッションモードのNチャンネル型JFET(Junction Field Effect Transistor)が、第2のFET2Aには、エンハンスメントモードのPチャンネル型JFETが、第3のFET3には、エンハンスメントモードのNチャンネル型JFETが、それぞれ用いられている。
第2のFET2Aは、ゲートが第2のゲート抵抗器13を介して制御信号入力端子33に接続されている点は同一であるが、制御信号入力端子33は、第3のゲート抵抗器(図2においては「Rg3」と表記)16を介して第3のFET3のゲートにも接続されている。
また、第3のFET3のドレインとソースの間には、第2のドレイン・ソース間抵抗器(図2においては「Rds2」と表記)17が接続されている。
第1のFET1Aのソースとグランドとの間には、バイアス抵抗器15が第1の回路構成例同様に接続されて設けられている。
なお、この第2の回路構成例においては、図1に示されたバイアス抵抗器14が省略されている。これは、JFETを用いた場合、ゲートからドレイン、ソースへ電流が流れるため、バイアス抵抗器14を省くことができるためである。
まず、制御信号入力端子33に正の電圧VDDが印加された場合、第3のゲート抵抗器16と第3のFET3のゲート順方向電流により第1乃至第3のデカップリングキャパシタ21~23が充電され、第1のFET1Aのソース電圧VS1が上昇する。第1のFET1Aのゲートは、第1のゲート抵抗器12を介してグランドに接続されているため、第1のFET1Aのゲート・ソース間電圧Vgsは-VS1となる。
しかしながら、この第2の回路構成例においては、第2のFET2Aのゲート電圧はグランド電位となり、Vthp≧-VS1となるため、第2のFET2はオン状態となり電荷放電が促進される。この結果、第1のFET1Aのゲート・ソース間電位差が瞬時に小さくされるため、第1のFET1Aは従来と異なり速く導通状態となる。
すなわち、以下、概括的に説明すれば、まず、第1のFET1Aがオフ状態にある場合、第3のFET3がオン状態となり、第1のFET1A側からの漏洩高周波信号をグランドへバイパスさせて第2の高周波入出力端子32への高周波信号の漏洩を防止し、アイソレーションが確保されるようになっている。
図4において、横軸は制御信号の印加時からの経過時間を表している。
また、図4において、紙面左側の縦軸はゲート・ソース間電圧を、紙面右側の縦軸は制御信号電圧を、それぞれ表している。
図4には、制御信号がVDD(5V)からグランド電位に変化した時刻t0からの第1のFET1Aのゲート・ソース間電圧の変化特性の例が二点鎖線の特性線(「短絡JFET有」と表記)により示されている。また、図5に示された従来回路における同様の変化特性の例が点線(「短絡JFET無」と表記)により示されている。
2…第2のFET
3…第3のFET
14…第1のバイアス抵抗器
15…第2のバイアス抵抗器
31…第1の高周波入出力端子
32…第2の高周波入出力端子
33…制御信号入力端子
Claims (2)
- 高周波入出力端子間に第1の電界効果トランジスタが接続され、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン・ソース間には第1の抵抗器が接続され、前記第1の電界効果トランジスタのゲートは第2の抵抗器を介してグランドに接続され、前記第1の電界効果トランジスタのソース・ゲート間に第2の電界効果トランジスタが接続され、前記第2の電界効果トランジスタのゲートは、第3の抵抗器を介して制御信号が印加可能とされ、前記制御信号に基づいて前記第1の電界効果トランジスタのドレイン、ソースに電圧供給を行うバイアス回路が設けられ、
前記第1の電界効果トランジスタはデプレッションモードで動作し、かつ、前記第2の電界効果トラジスタと極性が異なる電界効果トランジスタが用いられてなることを特徴とする高周波スイッチ回路。 - 前記第1の電界効果トランジスタのしきい値電圧Vth1と前記第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧Vth2は、|Vth1|≧|Vth2|の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチ回路。
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