JP2003283258A - 低電圧動作の基準電圧源回路 - Google Patents
低電圧動作の基準電圧源回路Info
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Abstract
にすることは困難である。 【解決手段】 スレッシュホールド電圧Vtの温度特性
が共に等しく、不純物濃度が互いに異なるゲートを有す
る2つのMOSトランジスタにおけるゲート・ソース間
電圧の差を基準電圧Vrefとして出力する。両トランジ
スタのゲートを相互接続し、一方のトランジスタのソー
スを接地すれば、前記ゲート・ソース間電圧の差は、他
方のトランジスタのソース電圧となり、このソース電圧
がVrefとなる。
Description
に用いられる基準電圧源回路に関し、特に低電圧で動作
可能な基準電圧源回路に関する。
電圧源としては、例えば、特公平04−65546号公
報(公報1)では、従来の基板やチャネルドープの濃度を
変えることにより作ったデプレッショントランジスタと
エンハンスメントトランジスタのスレッシュホールド電
圧の差を基準電圧として出力している。
(公報2)おける従来技術として、バイポーラトランジス
タの代わりにMOSトランジスタのゲート弱反転領域
(ゲートが反転するスレッシュホールド電圧の近傍で動
作させることをいい、通常は強反転領域での動作が一
般)を利用することにより絶対温度に比例する電圧PT
AT(Proportional To Absolute Temperature)を出力し
ている。
プの濃度の異なるトランジスタは、導電係数およびその
温度特性が異なるため、所望の温度特性を持つ基準電圧
源を実現するのは難しい。また、二つのトランジスタの
チャネルドープ量を個別に制御しなければならないため
プロセスの変動の影響を受けやすい欠点もある。
上記公報2中に紹介された参考文献F(R.A.Blauschi
ld et al,“A New NMOS Temperature‐Stable
Vol.SC-13,No6,pp.767-773,Dec.1978.)にあるよう
に、別途、電流バイアス回路が必要となる。
の弱反転領域を利用するため、以下のような課題があ
る。 a)MOSトランジスタのゲートを弱反転領域にするた
めには、弱反転用の微小電流バイアス回路が必要とな
る。前記公報2中に紹介された参考文献B(E.Vittoz an
d J.Fellrath, “CMOS Analog Integrated Circuits Ba
sed on Weak Inversion Operation”Vol..SC-12,No.3,p
p.224-231,June.1977.)によれば、MOSトランジスタ
を弱反転領域に保つにはドレイン電流は、 I≦((n−1)/e2)SμCoxUT 2 を満たさなければならない。ここで、nはスロープファ
クタ、Sは実効的なチャネル幅Wとチャネル長Lの比
(Weff/Leff)、μはチャネル内のキヤリアの移動
度、Coxは単位面積当たりの酸化膜の静電容量である。
考文献E(米国特許明細書;USP4327320.4/1982“REF
ERENCE VOLTAGE SOURCE”Oguey)にあるように、n=1.
7;S=1;μ=750cm2/Vs;Cox=45nF/cm2;
UT=26mVとした場合、室温でのドレイン電流は2n
A以下の微小なドレイン電流にしなければならず極めて
困難である。
小なドレイン電流で動作させる場合は、ドレイン・基板
間の寄生ダイオードのリーク電流の影響を受けやすく、
寄生ダイオードの影響による問題が起きる。例えば、上
記公報2中に紹介された参考文献D(Oguey et al.,“MO
S Voltage Reference Based on Polysilicon Gate Work
Function Diffence”IEEE Journal of Solid-State Ci
rcuits,Vol.SC-15,No.3,KUn.1980.)の第268頁には、
80℃以上の温度ではリーク電流によるずれが発生する
ことが記載されている。
ることで微小電流バイアス回路を不要とし、かつ80℃
以上の高温でも安定動作するMOSトランジスタを用い
た電圧発生回路を提供するために、図1(公報2中の図
22を再掲)に示すように、互いに異種導電型の半導体
ゲートを持つMOSトランジスタ101、102から構
成される負の温度係数を有する電圧源回路と、同一導電
型で不純物濃度の異なる半導体ゲートを持つMOSトラ
ンジスタ103、104から構成される正の温度係数を
有する電圧源回路とを組み合わせて、所望の温度特性の
MOSトランジスタを用いた回路を提供している。
温度特性を持つ電圧発生回路の出力電圧は数十mV〜百
数十mVしかないのに対し、負の温度特性を持つ電圧発
生回路の出力電圧は約1Vもある。従って、所望の温度
特性の基準電源回路を構成するために、この二つの電圧
を何らかの比で足し合わせるが、図1では電源電圧Vcc
は1V以上必要となる。実際の試作品で検証したところ
約1.2Vあたりが最低動作電圧であった。図1中のV
1が正の温度特性の電圧出力であり約1Vで、電源Vcc
とV1の端子間にソースフォロアーのトランジスタM5
が入り、その動作開始動電圧として数mVの電圧が必要
で、その合計が最低Vccとなるからである。
ッテリー動作のLSIへの要求もさまざまな形でなされ
るようになってきており、その中でもバッテリー寿命を
大幅に延ばす低電圧化が強く要求されている。図1の回
路の最低動作電圧1.2Vも決して高い電圧ではないの
であるが、乾電池1本で駆動するようなシステムでは
0.9V以下の低い動作電圧Vccが要求される。公報2
以外の従来技術でもこのような低い電圧には対応してい
ない。
いられる基準電圧源回路において特に1V以下の低電圧
でも安定な動作を実現することを主たる目的とする。ま
た、同時に本発明の基準電圧源回路は80℃以上の動作
温度においても安定した動作を可能にすること、および
基準電圧源回路に所望の温度特性を持たせることをも目
的とする。
に、請求項1記載の発明は、一部が同一の導電型で不純
物の濃度差の異なるゲートを有する複数のMOSトラン
ジスタを用いている。
純物の濃度の異なるゲートを有する2つのMOSトラン
ジスタにおける仕事関数の差を出力として引き出すよう
に構成している。
ド電圧Vtの温度特性が共に等しく、不純物濃度が互い
に異なるゲートを有する2つのMOSトランジスタにお
けるゲート・ソース間電圧の差を出力することを特徴と
する。
ンジスタと第2のMOSトランジスタのそれぞれのゲー
トを相互接続し、前記第1のMOSトランジスタと前記
第2のMOSトランジスタのそれぞれのソース電圧の差
を出力することを特徴とする。具体的な構成としては請
求項5(図5に対応)、請求項6(図6に対応)がある。
は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジ
スタのそれぞれのソースを相互接続し、そして、前記第
1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジス
タのそれぞれのゲート電圧の差を出力することを特徴と
する。具体的な構成としては請求項8(図7に対応)があ
る。
は、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOS
トランジスタのいずれか一方のMOSトランジスタにお
けるゲートおよびソースを相互接続し、他方のMOSト
ランジスタのゲート・ソース間電圧を出力することを特
徴とする。
請求項9の構成において、ソースをゲートに接続したデ
プレッション型の第2のMOSトランジスタのソースを
第1のMOSトランジスタのドレインに接続し、そし
て、第3のn型チヤネルMOSトランジスタのドレイ
ン、ゲートおよびソースを、それぞれ第2のMOSトラ
ンジスタのドレイン、第2のMOSトランジスタのソー
ス、および第1のMOSトランジスタのゲートに接続
し、そして第1のMOSトランジスタのゲート・ソース
間に抵抗を接続し、前記第1のMOSトランジスタのゲ
ート電位を出力することを特徴とする。
対応)は、請求項8もしくは10の構成において、上記
抵抗を複数の抵抗による分圧回路とし、随意のレベルの
出力電圧を得ることを特徴とする。
散,成膜工程後に、上記複数の抵抗の抵抗値のレーザト
リミングなどの加工により調整可能としたことを特徴と
する。
対応)は、請求項10〜12の構成において、前記第1
および第2のMOSトランジスタをp型チャネルのタイ
プで構成することを特徴とする。
の構成において、前記第1及び第2のMOSトランジス
タのドレイン電流を等しくしたことを特徴とする。
の構成において、前記第1および前記第2のMOSトラ
ンジスタの各ゲートは多結晶シリコンまたは多結晶Six
Ge1 -xよりなることを特徴とする。
るゲートを有し、同一の導伝型でゲートの不純物濃度の
みが異なるペアのMOSトランジスタを用い、強反転で
も使えるCMOSプロセスで低電圧動作の基準電圧源を
実現するものである。本発明の実施例を説明する前に、
本発明の原理を説明する。
スレッシュホールド電圧Vtは、 Vt=φms−Qf/Cox+2φf−Qb/Cox で表わされる。ここで、φmsはゲートの仕事関数φmと
基板の仕事関数φsの差、Qfは酸化膜中の固定電荷、φ
fは基板のフェルミレベル、Qbは反転層と基板間の空乏
層内電荷、Coxは酸化膜の単位面積当たりの静電容量で
ある。
ら正、n型なら負である。同じ導電型の半導体で低濃度
(Ng1)と高濃度(Ng2)のゲートを待つペアトランジスタ
におけるスレッシュホールド電圧Vtの差は、ゲート材
の仕事関数φmの差に等しく、さらにフェルミレベルφf
の差となり、キャリア濃度が不純物濃度に等しい場合下
記数式(2)が成り立つ。
絶対温度、Egはシリコンのバンドギャップ、Niは真性
半導体のキャリア濃度である。
について検討する。ゲートが上記公報2で提案されてい
るような単結晶又はダングリングボンドが十分ターミネ
ートされている多晶シリコンや多結晶SixGe1-xの場
合、Ng2、Ng1共に濃度の温度変化(温度特性)は非常に
小さいのでVrefの温度特性は正に比例した電圧PTA
T(Proportional To Absolute Temperature)になる(式
4)。 dVref/dT=(k/q)ln(Ng2/Ng1) …(3)
のようになる(Ng2=5E18cm3とした)。(a)は横軸が
Ng1、(b)は、ρ=1/(Ng1・qμ)の式を使ってシート
抵抗に換算してプロットし直したものである。この図か
らわかるように、ゲートの抵抗値が大きくなるにつれて
温度係数が増加するという特性を持つ。
り、ダングリングボンドが十分ターミネートされていな
い多結晶シリコンまたは多結晶SiXGe1-Xで構成する。こ
の場合の多結晶シリコンの抵抗率の温度特性は大きいこ
とが知られている。たとえばシート抵抗が1KΩ/□で
約−2800ppm程度、10KΩ/□で約−5500ppm程度の
負の温度特性を示す。このことはNg1が温度特性を持つ
ことを意味している。Ng1は温度の関数として Ng1=f[(T)(Ng10)] … (4) と簡単に表される。尚、(2)式の段階では温度成分を含
むため、その(2)式を温度で微分した式は(3)式のよう
に単純には書き表されない。
た結果を示した。ゲート幅/ゲート長=50μm/100
μm、ゲート酸化膜厚=300Åの一般的なNチャネル
電界効果トランジスタで、多結晶シリコンゲートの不純
物濃度の条件を変えた時の同トランジスタのVtと、も
っとも高濃度(縮退していると考えられる30Ω/□の場
合)の不純物濃度を持つトランジスタのVtとの差の温度
特性を測定したものである。
あたりまで同様の変化を示し、それより大きくなると温
度特性(温度係数)が急激に減少している。これは多結晶
シリコン中の不純物濃度の温度特性が2E3Ω/□以上の
濃度になるとVrefの温度特性を決める主たる要因にな
っていることを示している。そして、ゲート抵抗値が約
9KΩ/□あたりでVrefの温度特性が0になる。この点
よりゲート抵抗が大きい(不純物濃度が少なくなる)と今
度はVrefの温度特性は負に転じる。
の異なる2つのトランジスタを用い、両温度係数を相殺
することにより、温度係数を持たない電圧Vrefが得ら
れる。このようにΔt(=Vt1−Vt2)が温度特性を持た
ないことから次の(5)式を得ている。この(5)式からわ
かるように、ゲートの不純物の濃度比のみで定まる基準
電圧が得られる。 Vref=Vt1−Vt2=(kT/q)ln(Ng2/Ng1) …(5)
ルド電圧Vtの関係を示している。たとえばVrefの温度
特性が0になるような基準電圧を得るためには先の検討
から30Ω/□のゲート抵抗値を持つトランジスタと9
KΩ/□の抵抗値を持つトランジスタを組み合わせて作
れはよいことが分かった。
み取るとVt1(9KΩ/□)=−0.23V、Vt2(30Ω/
□)=−0.34Vであり、Vref=Vt1−Vt2=0.11
Vとなる。この電圧の値が1Vより十分低いため、電池
駆動のシステムで低電圧のVrefを作る上で非常に有利
となるのである。
たとえば30Ω/□のゲート抵抗値を持つトランジスタ
と9KΩ/□の抵抗値を持つトランジスタを用い、その
二つのトランジスタのフェルミレベルφfの差(サブスレ
ショールド電圧Vtの差)をVrefとして取り出すことを
特徴としている。具体的な回路の実施例は図5〜図15
で後述する。
説明する。リン濃度の異なるゲートを作成する方法とし
ては、ノンドープゲートをデポジットした後、低濃度ゲ
ートにしたい部分を酸化膜でマスキングし、それからリ
ンのデポジットによってマスキングしていない部分を高
濃度ドープし、低濃度部分は、マスク酸化膜をエッチン
グした後イオン注入でリンを低濃度ドープすればよい。
又は高濃度部分も低濃度部分と同様にイオン注入で形成
することも可能である。このようにして、同一導電型で
フェルミレベルφfの異なるゲートを持つペアトランジ
スタが作成できる。ゲートヘのドーピング以外は同じ工
程で作られるため、同じ絶縁膜厚、チャネルドープ、チ
ャネル長、チャネル幅を有し、不純物濃度だけが異なる
ので前述したように、スレッシュホールド電圧Vtの差
がゲートのフェルミレベルφfの差となる。
方法について説明する。飽和領域(Vds>Vgs−Vt)
にあるMOSトランジスタのドレイン電流Idは、Id=
(β/2)(Vgs−Vt)2で表される。Vdsはドレイン・ソ
ース間電圧、Vgsはゲート・ソース間電圧である。
ランジスタM1、M2のドレイン電流Id1、Id2は、 Id1=(β1/2)(Vgs1−Vt1)2 Id2=(β2/2)(Vgs2一Vt2)2 である。
れぞれMOSトランジスタM1とM2のゲート・ソース
間電圧、スレッシュホールド電圧である。また、β1、
β2は、それぞれMOSトランジスタM1、M2の導電
係数であり、 β=μ(εOX/TOX)(Weff/Leff) の形で表わされる。ここで、μ;キャリア移動度、εO
X;酸化膜の誘電率、TOX;酸化膜厚、Weff;実効
チヤネル幅、Leff;実効チャネル長である。
度μ、酸化膜の誘電率εOX、酸化膜厚TOX、実効チ
ャネル幅Weff、実効チヤネル長Leffが等しいのでβ1
=β2となって、Id1=Id2とすることで、(β/2)の項
が落ち、 (Vgs1−Vt1)2=(Vgs2−Vt2)2 となる。VGSを適切にバイアスして、ゲート・ソース
間電圧の差(Vgs1−Vgs2)からスレッシュホールド電圧
の差(Vt2−Vt1)が得られ、それがフェルミレベルφf
の差となる。
圧源回路の具体例として、ゲートの不純物濃度のみが異
なるペアMOSトランジスタのスレッシュホールド電圧
Vtの差すなわちφfの差を取り出すための具体的な回路
構成の実施例を説明する。なお、以下に示す図面中の三
角で囲ったトランジスタ(MOSトランジスタM1)はゲ
ートが低濃度(Ng1)のn型ポリシリコンであることを示
す。
のn型ポリシリコンゲートを持つMOSトランジスタで
ある。具体的にはVrefの温度特性を0にするため、ト
ランジスタM1のゲート抵抗は約30Ω/□、トランジ
スタM2のゲート抵抗は約9KΩ/□となるように不純
物濃度Ng1、Ng2を調整してある。また、以下の各回路
構成例において、MOSトランジスタM1とM2は、同
じ絶縁膜厚、チャネルドープ、チャネル長、チャネル幅
を有し(それゆえ導電係数βが等しい)、不純物濃度だけ
が異なる。
ジスタのゲートを相互接続した回路構成例について述べ
る。この構成では、両トランジスタのゲート電位が等し
いため、“ゲート・ソース間電圧の差”は、ペアMOS
トランジスタの“ソース電圧の差”に等しく、これがV
refとして取り出される。
とM2を並列接続した回路構成例を図5に示す。同図に
示すように、本回路は、電源VccとGNDの間に、定電
流回路Z1と低濃度(Ng1)n型ポリシリコンのゲートを
持つMOSトランジスタM1とを直列にして挿入し、ま
た、高濃度(Ng2)n型ポリシリコンのゲートを持つMO
SトランジスタM2と定電流回路Z2とを直列にして挿
入し、そして両トランジスタM1、M2のゲートを相互
接続している。
の導電係数βを揃え、前記定電流回路Z1、Z2の挿入
により、各トランジスタのそれぞれのドレイン・ソース
間電流を等しくする(I1=I2)。定電流回路としては
例えば、トランジスタであり、それを電流飽和領域で使
用するか、あるいは後の回路図に示すようにカレントミ
ラー回路を付加してもよい。
電圧の差”は、“ソース電圧の差”に等しく(ゲート電
位が等しいため)、そして、トランジスタM1のソース
電位が0のため、前記“ソース電圧の差”は、トランジ
スタM2の“ソース電位”に等しい。よって、このソー
ス電位がフェルミレベルφfの差UTln(Ng2/Ng1)に等
しく、このソース電位をVref出力として取り出すこと
ができる。
ソース・ドレイン間電圧の和に等しく、Vrefは0.11
V程度なので、Vccを容易に1V以下にできることが分
かる。
1とM2を直列接続した回路構成例について述べる。図
6は、本回路構成例の基本的な回路図である。同図に示
すように、本回路は、電源VccとGNDの間に、低濃度
(Ng1)n型ポリシリコンのゲートを持つMOSトランジ
スタM1と、高濃度(Ng2)n型ポリシリコンのゲートに
有するMOSトランジスタM2を直列接続し、そして両
トランジスタの各ゲートをトランジスタM2のドレイン
に共通接続する。
“ゲート・ソース間電圧の差”は、“ソース電圧の差”
に等しく(ゲート電位が等しいため)、そして、トランジ
スタM1のソース電位が0のため、前記“ソース電圧の
差”は、トランジスタM2の“ソース電位”に等しい。
よって、このソース電位をVref出力として取り出すこ
とができる。
スタのソースを相互接続した回路構成例について述べ
る。この構成では、両トランジスタのソース電位が等し
いため、“ゲート・ソース間電圧の差”は、ペアMOS
トランジスタの“ゲート電圧の差”に等しく、これがV
refとして取り出される。
な回路図である。同図に示すように、本回路は、電源V
ccとGNDの間に、p型チャネルMOSトランジスタM
3と、高濃度(Ng2)n型ポリシリコンのゲートを持つn
型チャネルのMOSトランジスタM2を直列接続し、更
に、p型チャネルMOSトランジスタM4と、低濃度
(Ng1)のn型ポリシリコンゲートを持つn型チャネルの
MOSトランジスタM1を直列接続している。トランジ
スタM3、M4はカレントミラー回路を構成する。トラ
ンジスタM2はゲートをソースに接続(Vgs=0)して定
電流結線としたデプレッション型である。更に、ドレイ
ンを電源Vccに、ゲートをn型チヤネルMOSトランジ
スタM1のドレインに、ソースをn型チャネルMOSト
ランジスタM1のゲートに、それぞれ接続したソースフ
ォロワのn型チャネルMOSトランジスタM5を設け
る。トランジスタM1のゲートは抵抗Rを通じてGND
に接続される。
ラー機能により、定電流結線したデプレッションMOS
トランジスタM2と同じ定電流がトランジスタM1に流
れる。トランジスタM5は、トランジスタM1のゲート
をバイアスしてIdM1=IdM2となるようにする。
電圧の差”は、“ゲート電圧の差”に等しく(ソース電
位が等しいため)、そして、トランジスタM2のゲート
電位が0のため、前記“ゲート電圧の差”は、トランジ
スタM1の“ゲート電位”に等しい。よって、このゲー
ト電位をVref出力として取り出すことができる。この
回路構成では、最低Vccは、Vrefと、M5のソース・
ゲート間電圧と、M4のソース・ドレイン電圧の和であ
る。Vrefが0.11VであるのでVccを1V以下にする
ことが可能である。
明できる。即ち、トランジスタM2のゲート・ソース間
電圧が0のため、“ゲート・ソース間電圧の差”は、ト
ランジスタM1の“ゲート・ソース間電圧”に等しく、
そしてトランジスタM1のソース電圧が0のため、トラ
ンジスタM1の“ゲート・ソース間電圧”はトランジス
タM1の“ゲート電圧”に等しく、よって、このゲート
電圧をVref出力として取り出すことができる。
例として、図8の如き回路構成も可能である。図8に示
す回路構成は、図7のトランジスタM1のゲートと電源
GNDの間の抵抗Rを、抵抗R1とR2に分割し、その
接続点から出力電圧Vrefを取り出している。このと
き、出力電圧Vref=(R2/(R1+R2)) UTln(Ng2/
Ng1)となる。最低VccはトランジスタM1のゲート電
圧と、トランジスタM5のソース・ゲート間電圧と、ト
ランジスタM4のソース・ドレイン間電圧の和である。
トランジスタM1のゲート電圧が0.11Vであるので
Vccを1V以下にすることが可能である。
形例として、図9の如き回路構成も可能である。図9に
示す回路構成は、図8のトランジスタM1のゲートをト
ランジスタM5のソースに接続し、そして、抵抗R1と
R2の接続点から出力電圧Vrefを取り出している。こ
のとき 出力電圧Vref=((R1+R2)/R2)UTln(Ng2/Ng1) となる。この実施例の場合は最低VccはVrefと、トラ
ンジスタM5のソース・ゲート間電圧と、トランジスタ
M4のソース・ドレイン電圧の和である。Vrefは(R1
+R2)/R2の比で変わり、最低Vccはそれできまる。
例として、図10の如き回路構成も可能である。図10
に示す回路構成は、図7のトランジスタM1のゲート・
ソース間の抵抗Rに流れる電流パスにp型チヤネルMO
SトランジスタM6、M7からなるカレントミラー回路
を追加し、そのトランジスタM7のソースから、出力電
圧Vrefを取り出している。このとき、 出力電圧Vref=M・UTln(Ng2/Ng1) となる。ここで、式中の“M”はカレントミラー機能の
比率である。この回路例での最低Vccは、トランジスタ
M1のゲート電圧と、トランジスタM5のソース・ゲー
ト間電圧と、トランジスタM4のソース・ドレイン間電
圧の和である。トランジスタM1のゲート電圧が0.1
1VであるのでVccを1V以下にすることが可能であ
る。
0の回路では、図7の出力電圧UTln(Ng2/Ng1)に抵抗
比または電流比(カレントミラー機能の比率M)を乗算し
た出力電圧を得ることができるようになり、これら抵抗
比や電流比を変えることによって任意に補正することが
可能になる。
拡散、成膜工程後に、レーザ光を選択的に抵抗部に照射
しトリミングするトリミング手段(抵抗値調整手段)を用
いて抵抗値R1、R2の比を補正することができる。図
19は、このトリミング手段の一例を示す。図中、抵抗
素子rの直列回路に対して、任意の×印の部分をレーザ
光で焼き切ることによって所望の抵抗値(抵抗値rの倍
数)を得ることが出来る。このような手段を利用するこ
とによって上記抵抗R1、R2の抵抗値を調整すること
が可能である。
接続(Vgs=0)して定電流結線したデプレッション型の
トランジスタM2と、それと同じ電流を流すようにした
MOSトランジスタM1を用いる回路構成例について説
明する。この構成では、トランジスタM2のゲート・ソ
ース間電圧が0のため、“ゲート・ソース間電圧の差”
は、トランジスタM1の“ゲート・ソース間電圧”に等
しい。
本的な回路図である。同図に示すように、本回路は、電
源VccとGNDの間に、高濃度(Ng2)のn型ポリシリコ
ンゲートを持つデプレッション型(Vgs=0)としたMO
SトランジスタM2と、低濃度(Ng1)のn型ポリシリコ
ンをゲートに有するデプレッション型MOSトランジス
タM1を直列に接続している。
ジスタM5を備え、そのドレイン、ゲートおよびソース
をそれぞれ、トランジスタM2のドレイン(=Vcc)、ト
ランジスタM2のソース、およびトランジスタM1のゲ
ートに接続している。そのトランジスタM1のゲートは
抵抗Rを通じてGND(=ソース)に接続される。この構
成では上述のようにトランジスタM1のゲート・ソース
間電圧がVrefとして取り出される。
ース・ゲート間電圧と、トランジスタM4のソース・ゲ
ート電圧の和である。Vrefが0.11VであるのでVcc
を1V以下にすることが可能である。
形例として、図12の如き回路構成も可能である。図1
2に示す回路構成は、図11の低濃度(Ng1)のn型ポリ
シリコンをゲートに有するMOSトランジスタM1のゲ
ートとGNDの間の抵抗Rを、抵抗R1とR2に分割
し、その接続点から、出力電圧Vrefを取り出してい
る。このとき、 出力電圧Vref=(R2/(R1+R2)) UTln(Ng2/Ng
1) となる。最低VccはトランジスタM1のゲート電圧とM
5のソース・ドレイン間電圧の和である。トランジスタ
M1のゲート電圧が0.11VであるのでVccを1V以
下にすることが可能である。
変形例として、図13の如き回路構成も可能である。図
13に示す回路構成は、図11の低濃度(Ng1)のn型ポ
リシリコンをゲートに有するMOSトランジスタM1の
ゲートとGNDの間の抵抗をR2とするとともに、トラ
ンジスタM1のゲートとトランジスタM3のソースの間
に抵抗R1を挿入し、n型チヤネルMOSトランジスタ
M5のソースから、出力電圧Vrefを取り出している。
このとき、 出力電圧Vref=((R1+R2)/R2) UTin(Ng2/Ng
2) となる。
形例として、図14の如き回路構成も可能である。図1
4に示す回路構成は、図11の低濃度(Ng1)のn型ポリ
シリコンをゲートに有するMOSトランジスタM1のゲ
ート・ソース間の抵抗Rに流れる電流パスにp型チヤネ
ルMOSトランジスタM6、M7からなるカレントミラ
ー回路を追加し、トランジスタM7のソースから、出力
電圧Vrefを取り出している。このとき、 出力電圧Vref=M・UTln(Ng2/Ng1) となる。ここで、式中の“M”はカレントミラー機能の
比率である。最低VccはVrefと、トランジスタM7の
ソース・ドレイン間電圧の和である。Vrefが0.11V
であるのでVccを1V以下にすることが可能である。
4の各回路では、図11の出力電圧UTln(Ng2/Ng1)
に、抵抗比または電流比(カレントミラ一機能の比率M)
を乗算した出力電圧を得ることができるようになり、こ
れら抵抗比や電流比を変えることによってVrefの値を
任意に補正することが可能になる。また,Vrefを高精
度に調整するために、図19に関して述べた如く、拡
散、成膜工程後に、レーザ光を選択的に抵抗部に照射し
トリミングするトリミング手段(抵抗値調整手段)を用い
て抵抗値R1、R2の比を補正することができる。
VrefとトランジスタM3のソース・ドレイン間電圧
と、トランジスタM2のソース・ゲート間電圧の和であ
る。そのVrefは(R1+R2/R2の値をどれくらいに
設計するかで変わり、最低Vccはそれできまる。
型ポリシリコンをゲートに有するMOSトランジスタM
1と、高濃度(Ng2)のn型ポリシリコンゲートを持つM
OSトランジスタM2に、フェルミレベルの差だけ異な
る電圧をゲート電圧として加え、ゲートコンダクタンス
を等しくする回路構成例について説明する。
本的な回路図である。同図に示すように、本回路は、電
源VccとGNDの間に、ソース結合された低濃度(Ng1)
のn型ポリシリコンをゲートに有するMOSトランジス
タM1と高濃度(Ng2)のn型ポリシリコンゲートを持つ
MOSトランジスタM2をそれぞれ抵抗Rを介して並列
に設け、トランジスタM1とトランジスタM2のドレイ
ンの電位を差動アンプA1に入力するとともに、差動ア
ンプA1の出力を抵抗R3を介してトランジスタM2の
ゲートにフィードバックし、また、電源Vccとトランジ
スタM2のゲート間に抵抗R4を設けている。
ンジスタM2はドレイン電圧が同電位(オペアンプA1
の差動入力)でかつ電流が同じ(両抵抗Rが同じ)なので
両トランジスタのゲート・ソース間電圧は等しい。ま
た、両トランジスタのソースが共通のため“ゲート・ソ
ース間電圧の差”は“ゲート電圧の差”となる。そし
て、トランジスタM1のゲートとトランジスタM2のゲ
ートとは抵抗R4を介して繋がっているため、その抵抗
R4両端の電位差が“ゲート電圧の差”つまりVrefと
なる。
M1、M2としてn型チャネルMOSトランジスタを用
いた例であるが、p型チャネルMOSトランジスタを用
いても同様な回路を実現できる。その場合は、上記各実
施例に用いられている各MOSトランジスタのチャネル
タイプ(n型チャネル/p型チャネル)を逆にするととも
に、電源電圧を高電圧側と低電圧側を逆にすればよい。
例えば、図11〜13に対しては、図16〜18の回路
が得られ、M1'、M2'、M5'がM1、M2、M5に
対応する。
の異なるゲートを有する複数のMOSトランジスタを用
いて基準電圧源回路を形成したものであり(請求項1)、
詳しくは、同一の導電型で不純物の濃度の異なるゲート
を有する2つのMOSトランジスタにおける仕事関数の
差を出力として引き出すように構成(請求項2)してお
り、より詳しくは、スレッシュホールド電圧Vtの温度
特性が共に等しく、不純物濃度が互いに異なるゲートを
有する2つのMOSトランジスタにおけるゲート・ソー
ス間電圧の差を出力する構成(請求項3)としたものであ
り、低電圧動作が可能となり、80℃以上でも安定して
動作する。また、トランジスタを弱反転領域だけではな
く強反転領域でも使用可能としたため、微少電流バイア
ス回路や導伝係数の温度特性を補正するための電流バイ
アス回路を不要にできる。
(請求項4)、前記ゲート・ソース間電圧の差はソース電
圧の差となり、このソース電圧の差がVrefとなる。両
トランジスタのソースを相互接続すれば(請求項7)、前
記ゲート・ソース間電圧の差はゲート電圧の差となり、
このゲート電圧の差がVrefとなる。また、いずれか一
方のトランジスタのゲート・ソース間を相互接続すれば
(請求項9)、前記ゲート・ソース間電圧の差は他方のト
ランジスタのゲート・ソース間電圧となり、この電圧が
Vrefとなる。このように色々な回路構成で本発明の基
準電圧源回路を提供できるので製作時の自由度も高い。
Vrefの出力部に接続した抵抗を複数の抵抗による分圧
回路として構成すれば(請求項11)、随意のレベルの基
準電圧Vrefを得ることができる。
を、製造の際の拡散、成膜工程後に、調整可能とする手
段を備えれば(請求項12)、完成後も基準電圧Vrefの
大きさを随意に変更することができる。
たグラフ
数の関係を示したグラフ
圧Vtの関係を示したグラフ
路図
路図
路図
路図
路図
回路図
回路図
回路図
回路図
回路図
回路図
OSトランジスタ M1' 低濃度(Ng1)p型ポリシリコンのゲートを持つ
MOSトランジスタ M2 高濃度(Ng2)n型ポリシリコンのゲートを持つM
OSトランジスタ M2' 高濃度(Ng2)p型ポリシリコンのゲートを持つ
MOSトランジスタ M3 カレントミラー回路構成トランジスタ M4 カレントミラー回路構成トランジスタ M5 n型チャネルMOSトランジスタ M5' p型チャネルMOSトランジスタ A1 差動アンプ R 抵抗 Vref 基準電圧 Z 定電流回路
Claims (15)
- 【請求項1】 同一の導電型で不純物の濃度の異なるゲ
ートを有する複数のMOSトランジスタを用いて形成し
たことを特徴とする低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項2】 同一の導電型で不純物の濃度の異なるゲ
ートを有する2つのMOSトランジスタにおける仕事関
数の差を出力として引き出すように構成したことを特徴
とする低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項3】 スレッシュホールド電圧Vtの温度特性
が共に等しく、不純物濃度が互いに異なるゲートを有す
る2つのMOSトランジスタにおけるゲート・ソース間
電圧の差を出力することを特徴とする低電圧動作の基準
電圧源回路。 - 【請求項4】 第1のMOSトランジスタと第2のMO
Sトランジスタのそれぞれのゲートを相互接続し、前記
第1のMOSトランジスタと前記第2のMOSトランジ
スタのそれぞれのソース電圧の差を出力する請求項3記
載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項5】 第1のMOSトランジスタと第2のMO
Sトランジスタを並列的に接続し、第1のMOSトラン
ジスタのソースを接地し、そして両トランジスタに同一
の電流を流すための回路を備え、第2のMOSトランジ
スタのソース電圧を出力する請求項4記載の低電圧動作
の基準電圧源回路。 - 【請求項6】 第1のMOSトランジスタと第2のMO
Sトランジスタを直列的に接続し、そして第1のMOS
トランジスタのソースを接地し、第2のMOSトランジ
スタのソース電圧を出力する請求項4記載の低電圧動作
の基準電圧源回路。 - 【請求項7】 第1のMOSトランジスタと第2のMO
Sトランジスタのそれぞれのソースを相互接続し、そし
て、前記第1のMOSトランジスタと前記第2のMOS
トランジスタのそれぞれのゲート電圧の差を出力する請
求項3記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項8】 第1のMOSトランジスタと第2のMO
Sトランジスタを並列的に接続すると共に両トランジス
タに同一の電流を流すための回路を備え、第2のMOS
トランジスタのゲートを接地し、そして第1のMOSト
ランジスタのゲート・ソース間に抵抗を接続し、その第
1のMOSトランジスタのゲート電圧を出力する請求項
7記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項9】 前記第1のMOSトランジスタと前記第
2のMOSトランジスタのいずれか一方のMOSトラン
ジスタにおけるゲートおよびソースを相互接続し、他方
のMOSトランジスタのゲート・ソース間電圧を出力す
る請求項3記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項10】 ソースをゲートに接続した第2のMO
Sトランジスタのソースを第1のMOSトランジスタの
ドレインに接続し、そして、第3のn型チヤネルMOS
トランジスタのドレイン、ゲートおよびソースを、それ
ぞれ第2のトランジスタのドレイン、第2のMOSトラ
ンジスタのソース、および第1のMOSトランジスタの
ゲートに接続し、そして第1のMOSトランジスタのゲ
ート・ソース間に抵抗を接続し、前記第1のMOSトラ
ンジスタのゲート電位を出力する請求項9記載の低電圧
動作の基準電圧源回路。 - 【請求項11】 上記抵抗を複数の抵抗による分圧回路
とし、随意のレベルの出力電圧を得る請求項8もしくは
10記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項12】 製造の際の拡散、成膜工程後に、上記
複数の抵抗の抵抗値を調整可能とする手段を有する請求
項11記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項13】 前記第1および第2のMOSトランジ
スタをp型チャネルのタイプで構成する請求項10〜1
2のいずれかに記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項14】 前記第1及び第2のMOSトランジス
タのドレイン電流を等しくした請求項2〜13のいずれ
かに記載の低電圧動作の基準電圧源回路。 - 【請求項15】 前記第1および前記第2のMOSトラ
ンジスタの各ゲートは多結晶シリコンまたは多結晶Six
Ge1-xよりなる請求項1〜14のいずれかに記載の低電
圧動作の基準電圧源回路。
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